説明

高周波回路のスイッチング方法及び高周波回路

【課題】休止時のゲート−ドレイン間の電圧が小さくなるようにし、また運転/休止の切替え時に低ドレイン電圧領域を通過させないようにする。
【解決手段】高周波回路に含まれる能動素子に対し駆動電圧を与えることにより、この能動素子の運転と休止を切り替える高周波回路及びそのスイッチング方法で、休止状態の能動素子のドレインに、定常運転レベルの電圧Vdを印加し、その後、能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧Vgを印加することにより運転に切り替え、一方、運転状態の能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧Vgに換えてピンチオフ電圧Vpを印加し、その後、能動素子のドレインに印加されている定常運転レベルの電圧Vdを切断することにより、休止に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高周波回路のスイッチング方法及び高周波回路、特にFET、HEMT等の能動素子を使用する高周波回路で、この高周波回路の動作切替えを実行するためのスイッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディプレッション型、エンハンスメント型を含むMESFETやMOSFET等のFET又はHEMT(高電子移動度トランジスタ)等の能動素子、或いはこれらの能動素子を複数内蔵するMMIC(マイクロ波モノリシック集積回路)を使用した高周波回路が用いられており、この高周波回路の動作の運転/休止の切替えは、ドレイン電流を遮断することで行われる。
【0003】
図6には、従来の高周波回路において運転/休止の一つの切替え方式を説明するための構成、図7には、図6の回路での高周波用能動素子への印加電圧が示されており、この高周波回路は、図6のように、高周波用能動素子(FET、HEMT等)Q101、コンデンサC101,C102、チョーク回路(又はコイル)L101,L102、ゲート電圧源VG、ピンチオフ電圧源VP、ドレイン電圧源VD及び上記ゲート電圧源VGとピンチオフ電圧源VPを切り替えるスイッチSW1から構成される。そして、この高周波回路では、図7(a),(b)に示されるように、能動素子Q101のドレインへの印加電圧Vdを一定のままとし、ゲ−トへの印加電圧VgからスイッチSW1によりピンチオフ電圧Vp(或いはVp以上)に変化させることで、ドレイン電流Idが遮断され、この結果、休止状態となり、一方ゲ−トへ定常運転レベルの電圧Vgを印加することで、運転状態となる。
【0004】
図8には、従来の高周波回路において運転/休止の他の切替え方式を説明するための構成、図9には、図8の回路での高周波用能動素子への印加電圧が示されており、この高周波回路では、図8のように、ピンチオフ電圧源VPを用いず、ドレイン電圧源VDのON/OFFを切り替えるスイッチSW2が配置される。そして、この場合は、図9に示されるように、ゲート印加電圧Vgを一定のままとし、ドレインへの印加電圧VdをスイッチSW2により切断(OFF)することで、ドレイン電流Idが遮断され、この結果、休止状態となり、一方ドレインへの印加電圧Vdを接続(ON)することで、運転状態となる。
【特許文献1】特開平5−83041号公報
【特許文献2】特表2005−91496号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の図6の高周波回路では、ゲート印加電圧を定常運転レベルの電圧Vgとピンチオフ電圧Vp(又はVp以上の電圧)とを切り替えることで、回路機能の運転/休止の切替えを行う構造であり、制御に用いられるゲート電圧回路は、通常大きな電流容量を必要としない簡便な回路で実現可能であるという利点がある一方、ドレイン電圧Vdを印加したままの状態で、ゲート印加電圧をピンチオフ電圧Vp又はそれ以上とすることから、休止時のゲート−ドレイン間の電圧Vgdが大きくなり、デバイスによっては寿命に悪影響を与えるという問題があった。
【0006】
また、従来の図8の高周波回路では、ドレイン電圧Vdの切断によって回路機能の運転/休止の切り替えが行われるが、一般に、高周波用のFETやHEMT等のデバイスは、低ドレイン電圧領域において動作が不安定であり、運転から休止に至る過渡状態或いは休止から運転に至る過渡状態でドレイン電流Idが流れ、かつ低ドレイン電圧領域を必ず通過するので、運転/休止の切替え時に、発振等による不要信号の発生等の不具合を招くことが多い。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、休止時のゲート−ドレイン間の電圧が小さくなるようにして、デバイス寿命の低下をなくし、また運転/休止の切替え時に低ドレイン電圧領域を通過させないようにして、安定したスイッチング動作が可能となる高周波回路のスイッチング方法及び高周波回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、高周波回路に含まれる能動素子に対し駆動電圧を与えることにより、この能動素子の運転と休止を切り替える高周波回路のスイッチング方法において、休止状態の上記能動素子のドレインに、定常運転レベルの電圧を印加し、その後、上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧を印加することにより、運転に切り替え、運転状態の上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧に換えてピンチオフ電圧を印加し、その後、上記能動素子のドレインに印加されている定常運転レベルの電圧を切断することにより、休止に切り替えることを特徴とする。
請求項2の発明は、高周波回路に含まれる能動素子に対し駆動電圧を与えることにより、この能動素子の運転と休止を切り替える高周波回路において、運転切替え時に、上記能動素子のドレイン電圧を切り替え、その後に上記能動素子のゲート電圧を切り替えるためのタイミング信号を発生させ、休止切替え時には、上記ゲート電圧を切り替え、その後に上記ドレイン電圧を切り替えるためのタイミング信号を発生させるタイミング生成回路と、このタイミング生成回路の出力に基づき、運転切替え時に、上記能動素子のドレインに、定常運転レベルの電圧を印加し、その後、上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧を印加し、休止切替え時には、運転状態の上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧に換えてピンチオフ電圧を印加し、その後、上記能動素子のドレインに印加されている定常運転レベルの電圧を切断する電圧駆動回路と、を設けたことを特徴とする。
【0009】
本発明の構成によれば、FET,MMIC等の能動素子において、図2に示されるように、ドレインに定常運転レベルの電圧Vdを印加した後、ゲートに定常運転レベルの電圧Vgを印加することで、運転に切り替えられ、一方、電圧Vgが印加されているゲートにピンチオフ電圧Vpを印加した後、ドレインに印加されている電圧Vdを切断することで、休止に切り替えられる。これによれば、休止時に、ドレイン印加電圧が0Vとなるので、ゲート−ドレイン間の電圧Vgdを小さくすることができ、また運転から休止への切替え時には、低ドレイン電圧領域を通過しないので、スイッチング動作が安定して行われる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、休止時のゲート−ドレイン間の電圧が小さくなるようにして、デバイス寿命の低下をなくすことができ、また運転/休止の切替え時に低ドレイン電圧領域を通過させないようにして、安定したスイッチング動作が可能となるという効果がある。
即ち、近年では、省電力化及び発熱量抑圧の観点から、高周波回路を必要な時間のみ運転状態とし、それ以外の時間は休止状態とする制御が積極的に行われているが、高周波回路に使用される高周波用能動素子、とりわけマイクロ波以上の周波数で使用されるFETやHEMT、或いはこれら能動素子を集積化したMMICは、その能力も高く、また使用する周波数が高いが故に、もともと十分な安定度を確保することが難しい。そして、従来では、運転から休止、休止から運転への移行時において、バイアス条件が定常状態と異なり、能動素子が増幅能力を持ったバイアス印加条件下で一般的に動作が不安定になり易い低ドレイン電圧領域(低ドレイン電圧でかつドレイン電流が流れる条件)を通過する。また、休止時にゲート−ドレイン間電圧Vgdが大きくなることによって、能動素子の寿命を低下させることになる。
【0011】
そこで、本発明では、低ドレイン電圧領域を避けて運転と休止を切替え制御することで、スイッチング動作の安定度を高め、また休止時は、切替わり途中を除き、ゲート−ドレイン間Vgdを最低限の電圧印加とすることで、高いVgd値の連続印加で発生するような能動素子の寿命低下を回避するようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1には、本発明の実施例に係る高周波回路のスイッチング方法及び高周波回路を実現するための基本的な構成が示され、図2には、実施例の高周波回路で印加されるドレイン電圧及びゲート電圧の波形が示され、図3には、実施例における運転/休止の切替え動作時のバイアス軌跡が示されている。図1に示されるように、実施例の高周波回路は、運転/休止の切替えの制御信号を入力する制御信号検出回路(又はブロック)1、この制御信号検出回路1の出力を入力するゲート電圧印加タイミング発生回路2及びドレイン電圧印加タイミング発生回路3、上記ゲート電圧印加タイミング発生回路2の出力に基づき、ゲートバイアス用電源4からのゲート電圧を出力するゲート電圧スイッチング回路5、上記ドレイン電圧印加タイミング発生回路3の出力に基づき、ドレインバイアス用電源6からのドレイン電圧を出力するドレイン電圧スイッチング回路7及び高周波用能動素子(MESFETやMOSFET等のFET、HEMT又はMMIC等)を含む高周波回路8から構成される。
【0013】
実施例では、図1に示されるように、ドレイン電圧印加タイミング発生回路3で得られたタイミング信号とドレインバイアス用電源6の出力がドレイン電圧スイッチング回路7へ供給されることで、図2(a)のドレイン駆動(印加)電圧が形成され、ゲート電圧印加タイミング発生回路2で得られたタイミング信号とゲートバイアス用電源4の出力がゲート電圧スイッチング回路5へ供給されることで、図2(b)のゲート駆動(印加)電圧が形成され、これらの駆動電圧が高周波回路8へ供給される。
【0014】
即ち、図2(a)のドレイン駆動電圧と図2(b)のゲート駆動電圧は、休止から運転への切替え時には、切断状態(0V)から定常運転レベルのドレイン電圧Vdをドレインに印加し、その後にピンチオフ電圧Vpから定常運転レベルのゲート電圧Vgをゲートに印加するように構成され、運転から休止への切替え時には、ゲートに印加されている電圧Vgに換えてピンチオフ電圧Vpを印加し、その後にドレインに印加されている電圧Vdを切断するように構成される。
【0015】
図3には、実施例のスイッチング動作の軌跡図(横軸にドレイン電圧、縦軸にドレイン電流をとったもの)が示されており、運転時動作点Paから休止へ移行する際では、矢印(白抜き)yのように、ゲート電圧Vgがピンチオフ電圧Vpまで下がり、その後、矢印(白抜き)yのように、このゲート電圧=Vp(ドレイン電流=0)の位置からドレイン電圧Vdが切断(0V)される。一方、休止から運転へ移行する際には、上記とは逆に、矢印yから矢印yへ向かう動作をすることになる。
【0016】
従来の図6の回路での切替え時の軌跡は、矢印zのように、ゲート電圧Vgがピンチオフ電圧Vpまで下がったままとなり、その状態で休止となるので、休止時のゲート−ドレイン間の電圧が大きくなる。また、図8の回路での切替え時の軌跡は、矢印zのように、Vgはそのままでドレイン電圧が0Vまで下がるので、動作が不安定になり易くかつドレイン電流Idが流れる低ドレイン電圧領域Eaを通過する。
【0017】
これに対し、実施例では、上述のy,yの軌跡を辿るので、図2のように、休止時のゲート−ドレイン間の電圧Vgdが大きくなることはなく、デバイス寿命の低下が抑制され、また低ドレイン電圧領域Eaを通過することもなく、安定したスイッチング動作が実現できることになる。
【0018】
図4には、実施例に係る高周波回路の具体的な構成が示されており、この回路はディプレッション型NチャンネルFETを使用した高周波増幅器である。この回路は、図4に示されるように、運転/休止の切替えの制御信号を入力し、後述する高周波増幅素子Q6に対するゲート電圧及びドレイン電圧の印加タイミングを制御するタイミング生成(シーケンス)回路(ブロック)B11、ゲート電圧及びドレイン電圧を駆動するための第1ドライブ回路B12と第2ドライブ回路B13、そして高周波増幅素子Q(FET)6を有する高周波増幅回路B14からなる。
【0019】
上記タイミング生成回路B11において、U1(NANDゲート),R(抵抗)1,C(コンデンサ)1は、遅延時間τ1を発生させ、チャタリングを防止するためのチャタリング防止回路、U4(単安定マルチバイブレータ),R2,C2は、立下り時遅延時間τ2を発生させる制御信号立下り時遅延時間発生回路、U5(単安定マルチバイブレータ),R3,C3は、立上り時遅延時間τ3を発生させる制御信号立上り時遅延時間発生回路、U2,U6(NANDゲート)は、増幅素子Q6のゲート制御信号発生回路、U3(NANDゲート)は、増幅素子Q6のドレイン制御信号発生回路である。なお、上記回路用電源として+5Vが与えられている。
【0020】
上記第1ドライブ回路B12において、R4,Q1(NPNトランジスタ),R6,R7,Q2(PチャンネルMOSFET)は、増幅素子Q6のドレイン用電圧スイッチング回路、R5,D1(ツェナーダイオード),R8は、ロジックI/Oレベルからのレベルシフト回路、R9,Q3(PチャンネルMOSFET)は、増幅素子Q6のゲート電圧スイッチング回路である。なお、Vggは、増幅素子Q6のゲート電圧用電源及び上記レベルシフト回路用電源であり、Vddは、増幅素子Q6のドレイン用電源である。
【0021】
上記第2ドライブ回路B13において、R10は、ピンチオフ電圧Vpとゲート電圧Vgの切替え用抵抗、R11,R12は、ゲート電圧Vgの調整用抵抗、Q4(PNPトランジスタ)は、ゲート電圧Vgの温度補償用トランジスタ、Q5(PNPトランジスタ)は、電流ブースト用トランジスタである。
【0022】
上記高周波増幅回路B14において、R13,R14,R15,C4,C5,L(チョーク回路又はコイル)1は、増幅素子Q6のゲートバイアス印加回路、C6,C7は、増幅素子Q6の入出力DCカット用コンデンサ、C8,C9,C10,L2は、増幅素子Q6のドレインバイアス印加回路、Q6は、ディプレッション型NチャンネルFETからなる増幅素子である。
【0023】
図5には、図4の実施例回路の主要点(A部〜J部)におけるタイミングチャートが示されており、実施例では、図5に示されるように、運転/休止の切替え制御信号がタイミング発生回路B11へ入力されると、A部では、R1及びC1で生成された遅延時間τ1だけ上記制御信号が遅延した反転信号が出力され、B部からは上記制御信号が遅延時間τ1だけ遅延した信号が出力される。また、C部では、上記制御信号の立下り時にR2及びC2で生成された遅延時間τ2だけ遅延した信号が出力され、D部では、上記制御信号の立上り時にR3及びC3で生成された遅延時間τ3だけ遅延した信号が出力される。そして、E部では、上記A部の出力とC部の出力からドレイン制御信号(S)が得られ、F部では、上記B部の出力とD部の出力からゲート制御信号(S)が得られる。
【0024】
上記ドレイン制御信号(S)及びゲート制御信号(S)は、第1ドライブ回路B12に入力されることで、G部では図示のドレイン電圧駆動信号、I部では図示のゲート電圧駆動信号が出力される。そして、このドレイン電圧駆動信号に基づいて、増幅回路B14の増幅素子Q6のドレインには、H部に示される波形のドレイン電圧[0V,+Vd(運転時の電圧)]が印加され、また上記ゲート電圧駆動信号が第2ドライブ回路B13を介して増幅回路B14へ供給されることで、増幅素子Q6のゲートには、J部に示される波形のゲート電圧[−Vp(ピンチオフ電圧又はそれ以上の負電圧),−Vg(Q6運転時の所望のドレイン電流Idを流すためのゲート電圧)]が供給され、これによって、最終段に示される増幅器の運転(Highレベル)と休止(Lowレベル)の切替えが行われる。
【0025】
上記のH部のドレイン電圧の印加波形とJ部のゲート電圧の印加波形は、図2で説明したものと同じでとなり、運転への切替え時では、切断状態(0V)から定常運転レベルのドレイン電圧+Vdをドレインに印加した後に、ピンチオフ電圧−Vpから定常運転レベルのゲート電圧−Vgをゲートに印加し、休止への切替え時には、ゲートに電圧−Vgに換えてピンチオフ電圧−Vpを印加した後に、ドレインに印加されている電圧+Vdを切断するように動作する。このようにして、切替えの制御信号に対してタイミング発生回路B11で作成されたタイミング差異のある信号を形成することにより、増幅素子Q6の運転から休止への移行時及び休止から運転へり移行時共に、ドレイン印加電圧Vdが低電圧を通過する時は、増幅素子Q6のゲート印加電庄が必ずVpとなる動作を実現し、上述した効果が得られることになる。
【0026】
上記図4の実施例の構成は、一例であり、同様なタイミングシーケンスを実現するように回路を構成することで、本発明の目的を達成することができ、更に能動素子の特性、タイプに違いがあっても、基本的な上記印加タイミングを実現し、能動素子特性に適した電圧レベルを発生する回路とすることで、同様な効果を得ることができる。
【0027】
また、上記実施例では、能動素子(Q6)をディスクリートデバイスとしているが、この代わりに、多段又は複合能動素子を内蔵したMMICで、内部バイアス条件の設定が可能なもの(内部能動素子のゲートバイアスが外部で変更可能な製品)でも、同様に本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、FET、HEMT又はMMIC等の能動素子を使用する高周波回路、及びこの高周波回路を内蔵し、この能動素子の動作切替えが行われ、その切替えの際に瞬時に発生する不要信号の出力をシステム動作上、適用法令上又は両方によって許容できないような用途、例えば地上通信や衛星通信に用いる送信機等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例に係る高周波回路のスイッチング方法及び高周波回路を実現する基本的な構成のブロック図である。
【図2】実施例の高周波回路で用いられるドレイン駆動電圧及びゲート駆動電圧の波形を示すタイミングチャートである。
【図3】実施例における運転/休止の切替え動作時のバイアス軌跡を示す説明図である。
【図4】実施例に係る具体的な高周波回路の構成を示す回路図[(A),(B)]である。
【図5】図4の高周波回路の主要点における電圧波形を示すタイミングチャートである。
【図6】従来の高周波回路に用いられる能動素子の動作切替え回路の1つの構成例を示す回路図である。
【図7】図6の高周波回路のおける動作切替えのドレイン印加電圧及びゲート印加電圧の波形を示すタイミングチャートである。
【図8】従来の高周波回路に用いられる能動素子の動作切替え回路の他の構成例を示す回路図である。
【図9】図8の高周波回路のおける動作切替えのドレイン印加電圧及びゲート印加電圧の波形を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0030】
1…制御信号検出回路、 2…ゲート電圧印加タイミング発生回路、
3…ドレイン電圧印加タイミング発生回路、
5…ゲート電圧スイッチング回路、 7…ドレイン電圧スイッチング回路、
8…高周波回路、 B11…タイミング発生回路、
B12…第1ドライブ回路、 B13…第2ドライブ回路、
B14…高周波増幅回路、 Q6…高周波増幅素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波回路に含まれる能動素子に対し駆動電圧を与えることにより、この能動素子の運転と休止を切り替える高周波回路のスイッチング方法において、
休止状態の上記能動素子のドレインに、定常運転レベルの電圧を印加し、
その後、上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧を印加することにより、運転に切り替え、
運転状態の上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧に換えてピンチオフ電圧を印加し、
その後、上記能動素子のドレインに印加されている定常運転レベルの電圧を切断することにより、休止に切り替えることを特徴とする高周波回路のスイッチング方法。
【請求項2】
高周波回路に含まれる能動素子に対し駆動電圧を与えることにより、この能動素子の運転と休止を切り替える高周波回路において、
運転切替え時に、上記能動素子のドレイン電圧を切り替え、その後に上記能動素子のゲート電圧を切り替えるためのタイミング信号を発生させ、休止切替え時には、上記ゲート電圧を切り替え、その後に上記ドレイン電圧を切り替えるためのタイミング信号を発生させるタイミング生成回路と、
このタイミング生成回路の出力に基づき、運転切替え時に、上記能動素子のドレインに、定常運転レベルの電圧を印加し、その後、上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧を印加し、休止切替え時には、運転状態の上記能動素子のゲートに、定常運転レベルの電圧に換えてピンチオフ電圧を印加し、その後、上記能動素子のドレインに印加されている定常運転レベルの電圧を切断する電圧駆動回路と、を設けたことを特徴とする高周波回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−103796(P2010−103796A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273901(P2008−273901)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】