説明

高抵抗酸化亜鉛単結晶、およびその製造方法

【課題】Li濃度が極低濃度で、抵抗率の高い各種デバイス用酸化亜鉛単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】実質的にLiを含まない原料26および鉱化材溶液を用いるとともに、過酸化物の存在化で酸素分圧を高めて水熱合成することにより、所望の酸化亜鉛単結晶を得る。過酸化物は、過酸化水素に代表される過酸化物を少なくても1種以上、分解で生じる酸素換算で鉱化材溶液に対し0.02〜0.5モル/リットルの範囲の濃度で加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種半導体デバイス用途に適した酸化亜鉛単結晶およびその製造方法に関する。
より詳しくは、本発明は、Liを実質的に含まず、抵抗率の高い酸化亜鉛単結晶とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛単結晶は、六方晶系のウルツ鉱型化合物の結晶構造を持ち、直接遷移で禁制帯幅(Eg:3.37eV)が大きい半導体である。また、励起子結合エネルギー(ZnO:60meV)が他の半導体材料(GaN:21eV,ZnSe:20meV)に比べ非常に大きいため、高効率な発光デバイス材料として期待されている。酸化亜鉛を使用した発光素子の実現には、酸化亜鉛をp型に調整する必要があるが、酸化亜鉛は酸素欠損あるいは亜鉛過剰などの欠陥を生成し易く、n型になり易くp型になりにくい性質がある。
【0003】
現在、数多くの機関で酸化亜鉛のp型化が研究され、これが実現すれば、フォトエレクトロニクス界及び、エネルギー界に革命が起こると期待されている。また酸化亜鉛は、青色発光ダイオード(LED)として数年前から実用化されている窒化ガリウムと同じ結晶構造で、格子定数も近く(格子ミスマッチ:約2%)、将来低価格で製造できる可能性があることから、現在主に使用されている、サファイアや炭化珪素に代わる窒化ガリウムの製膜用基板としても関心を集めている。
【0004】
さらに、酸化亜鉛単結晶は、表面弾性波(SAW),ガスセンサー、圧電素子、透明導電体、バリスターなど多方面用途への開発が行われており、一部実用化が始まっている。
【0005】
酸化亜鉛単結晶は、ZnとOの比率が1:1となりにくく結晶欠陥を多く含んでおり、またドナーキャリアも多く含むことから、一般的に抵抗率は10-1〜104Ωcm程度である。
一方、酸化亜鉛単結晶の用途のうち、圧電素子、高周波デバイスなど用に対しては、抵抗率1010以上(室温)の高抵抗単結晶が求められている。
【0006】
酸化亜鉛単結晶の製造方法としては、Liを含有する溶媒を用いる水熱合成法等が知られており、Liの存在下で合成することにより「ス」や「クラック」を含まない単結晶が得られる。水熱合成法は、結晶成長速度が大きく、大きな単結晶が比較的短時間で得られる点で工業的に有利であるが、水熱合成法で溶媒に水酸化リチウム(LiOH)水溶液を使用した場合には、得られる単結晶は必ず不純分であるLiを含むことになる。
【0007】
特許文献1には、水酸化カリウム(KOH)及び、LiOHからなるアルカリ水溶液の溶媒を用いて、水熱合成法により製造した酸化亜鉛単結晶は、不可逆的にLiを0.1〜30ppm(5×1016〜1.5×1019atoms/cm3)を含むことが記載されている。
【0008】
特許文献2には、LiOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液を用い水熱合成法で製造した酸化亜鉛単結晶基板中に、適当なドナー原子が存在すると、アクセプター準位を形成するLi等のアルカリ金属と共存して、弱い黄色の発光が生じるという不具合が記載されている。
【0009】
しかしながら、特許文献2には、上記黄色発光は、アクセプター順位を形成するLi等濃度とドナー原子との関係で決定される記載はあるが、そのLi濃度は不明である。
また、Liは原子半径が小さく結晶中を動きやすく、各種用途に使用した場合に、酸化亜鉛単結晶中でのLi拡散も懸念されることから、よりLi濃度の低い酸化亜鉛単結晶が望まれている。
【0010】
文献3では、KOH及びLiOHの混合溶液に過酸化水素水(H22)を加え、酸化亜鉛単結晶を水熱合成している。得られた酸化亜鉛単結晶の抵抗率は108〜109Ωcmを示しているが、1010Ωcm以下の抵抗率である。また、得られた酸化亜鉛単結晶中に含まれるLi濃度は、8〜10ppm(4.0×1018〜5.5×1018atoms/cm3)と高濃度含まれている。
【特許文献1】特開2004−315361号広報
【特許文献2】特開2005−39131号広報
【非特許文献3】N.Sakagami:Jpn.J.Appl.Phys.,24,Supp.24-3(1985)69.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、以上のような従来技術における課題である、Liを実質的に含まず、同時に抵抗率が1010Ωcm以上の高抵抗な高純度酸化亜鉛単結晶を製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、水熱合成法により高純度酸化亜鉛単結晶を製造する方法において、原料中のLi濃度、過酸化物添加量、及び単結晶の合成条件を適切にコントロールすることにより、Li濃度1015atoms/cm3以下と、Liを実質的に含まず、抵抗率が1010Ωcm以上の高抵抗で、「ス」や「クラック」を含まない酸化亜鉛単結晶を製造しうることを見出し、本願発明に到達した。
【0013】
即ち、本発明は、水熱合成法で酸化亜鉛単結晶を製造する方法において、過酸化物を共存させ、実質的にLiを含まない原料および溶液中で酸化亜鉛単結晶を製造する方法ものである。
【0014】
さらに、本発明は、Li濃度が1×1015atoms/cm3以下(重量濃度で2ppb以下)で、抵抗率が室温で1×1010Ωcm以上である高純度酸化亜鉛単結晶である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、単結晶中のLi濃度が極低濃度で、抵抗率が大きな酸化亜鉛単結晶を得ることができる。Li濃度が極低濃度であることから回路特性に優れ、且つ抵抗率が高いので、絶縁性が高いデバイスが得られ、特に圧電素子や高周波デバイスなど用の基板として特性向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
【0017】
〔酸化亜鉛単結晶〕
本発明の酸化亜鉛単結晶とは、Li濃度が1×1015atoms/cm3以下で、抵抗率が室温で1010Ωcm以上のものである。通常の酸化亜鉛単結晶は、Liを1×1013atoms/cm3以上含み、抵抗率は室温で10-1〜104Ωcm程度である。
【0018】
Liは原子半径が小さく結晶中を動きやすい原子であり、酸化亜鉛単結晶をデバイス基板に使用した場合には、長期間の通電による特性の変化や、故障の原因となることが懸念され、低Li濃度が求められる。また、酸化亜鉛単結晶を圧電素子や高周波デバイスなどの基板として用いる場合には、酸化亜鉛単結晶中を流れる電流を抑制するために、低Li濃度に加えて高い抵抗率のものが求められている。一般的に抵抗率が108Ωcm以上であれば絶縁性が高いといわれるが、これらデバイス用途に対しては、抵抗率1010Ωcm以上が望ましい。
【0019】
酸化亜鉛単結晶中のLi濃度は、2次イオン質量分析装置(SIMS)により測定することができる。この際の分析条件は、一次イオンにO2+を使用し、加速電圧を8.0KVとすればよい。
【0020】
本発明の酸化亜鉛単結晶の大きさは、5mm角×厚み0.2mm以上、好ましくは、直径5cm×厚み0.3mm以上、特に好ましくは、直径5cm×厚み0.5mm以上である。
酸化亜鉛単結晶の大きさの下限は、目的とする使用用途により、決定される。例えば、半導体素子用の基板として使用する場合には、5mm角×厚み0.2mm程度の大きさがないと困難で、コスト高となるため、5mm角×厚み0.2mm以上であることが必要である。
【0021】
一方、酸化亜鉛単結晶の大きさの上限は、特に限定されないが、製造可能な酸化亜鉛単結晶のサイズは、後述する単結晶製造装置の大きさにより決定される。
【0022】
〔酸化亜鉛単結晶の製法〕
酸化亜鉛単結晶を水熱合成法により製造する一般的な製法は、例えば、特許文献1に記載されているが、Liを含まず高抵抗な酸化亜鉛単結晶を製造するため、本発明では、新規な製造方法を見出している。
即ち、種結晶として酸化亜鉛単結晶を、原料としてLi濃度が1ppm以下(重量)で純度99.9%以上の酸化亜鉛粉末を使用し、単結晶製造装置のオートクレーブ内に、1〜6mol/リットル、好ましくは3.0〜5.0mol/リットルの水酸化カリウム(KOH)水溶液、および過酸化物を発生する酸素換算で0.01〜0.8mol/リットル、好ましくは0.02〜0,5mol/リットルを共存させて単結晶の製造を行う。この場合の溶液中のLi濃度は1ppm以下(重量)が好ましい。また、溶液の充填率としては、オートクレーブ内のフリー内容積の60〜90%が好ましい。加える過酸化物としては、過酸化水素水(H22)が高純度であり、その効果、取り扱い易さから好ましい。
【0023】
酸化亜鉛単結晶の製造は、高温高圧の超臨界状態で行うことが好ましい。特に「ス」や「クラック」を含まず、抵抗率の高い単結晶を得るために、原料溶解領域の温度を320〜400℃、好ましくは320〜370℃で行い、圧力は30〜90MPa、好ましくは40〜70MPaで行われることが好ましい。この際、単結晶成長領域の温度を溶解領域の温度より約15〜40℃低くすることにより対流が発生し、溶解領域で溶けた原料が成長領域に上昇して、種結晶に析出し単結晶が製造される。
【0024】
この状態のまま30〜200日間定常運転して単結晶を製造し、その後、単結晶製造装置を停止して内部の温度を室温程度まで下げ、酸化亜鉛単結晶を取り出す。
【0025】
このような本発明の酸化亜鉛単結晶の製造方法により、Li濃度が1×1015atoms/cm3以下と極低濃度で、室温での抵抗率が1010Ωcm以上の高抵抗率である、本発明の酸化亜鉛単結晶を製造することができる。
【実施例】
【0026】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
〔製造装置および製造方法:実施例および比較例で用いる酸化亜鉛単結晶の製造装置および製造方法〕
図1に示される構造の単結晶製造装置を用いて、酸化亜鉛単結晶を製造した。
図1に示す単結晶製造装置11は、水熱合成法によって、酸化亜鉛単結晶を製造する際に必要な温度及び圧力を、その内部に加えることができるオートクレーブ12と、このオートクレーブ12の内部に収容して使用する製造容器20とから構成される。オートクレーブ12は、例えば、鉄材を主材とした高張力鋼などによって形成されたオートクレーブ12の容器本体13に、パッキング17を挟んで蓋体14を被せて、固着部15により固着することで、その内部を機密封止するような構造となっている。オートクレーブ12内に収容して使用する製造容器20は、白金(Pt)製であり、その形状は略円筒状の容器である。そして、その上部には圧力調整部として作用するベローズ30が製造容器20の内部を密閉した状態で取り付けられている。
【0028】
このような単結晶製造装置11では、製造容器20内の上部側にフレーム21と白金線22を用いて種結晶3を吊り下げると共に、その下部側に原料26を配置して種結晶3を成長させることにより、酸化亜鉛単結晶の製造を行う。種結晶3と原料26との間には、熱対流を制御する内部バッフル板24が設けられており、この内部バッフル板24によって、製造容器20内が溶解領域と成長領域とに区切られている。内部バッフル板24には、複数の孔が形成されており、この孔の数によって決定されるバッフル板24の開口面積は10%に設定しているが、該開口面積の決定により、溶解領域から成長領域への対流量を制御でき、結晶成長速度に影響を与えるものである。また、製造容器20の外側に外部バッフル板25が設けられており、この外部バッフル板25により製造容器20の外側の対流を制限することで、製造容器20内の領域間において種結晶3の成長に必要な温度差が得られるようにしている。
【0029】
以上のような単結晶製造装置11を使用し、水熱合成法により種結晶から酸化亜鉛単結晶の製造を行うことができる。製造容器内に不純分の混入が殆んどなく、製造日数を適宜選定することにより、工業用途に利用できる口径サイズを有する酸化亜鉛単結晶を製造することができる。
【0030】
純度99.95%の酸化亜鉛粉末を成形用型枠容器で押し固めた後、1100℃で24時間焼成を行い、固形化したものを製造容器20内に充填した。次いで、製造容器20内に、鉱化材を純水で溶かし規定の濃度にした溶液と、過酸化水素水を規定の濃度になるように加えた。これらの溶液の総量は、定常運転時に設定した圧力になるような量を加えた。その後、製造容器20とべローズ30の間を溶接し、製造容器20内を完全に密封溶接した。また、オートクレーブ12(¢200×300mm)と製造容器20との間に伝熱のために、純水を充填した。純水のフリー容積に対する充填率は製造容器20内の充填率と同一である。オートクレーブ12は、容器本体13と蓋体14からなり、パッキング17を挟んで容器本体13と蓋体14を被せて、固着部15により固着して、その内部を気密密封できるようにした。
【0031】
その後、ヒーター16により、溶解領域と成長領域を加熱した。加熱に際しては、溶解領域の温度を成長領域の温度より15〜40℃高くし、最終的には、溶解領域を設定の温度まで、成長領域の温度を溶解領域温度より20℃低くなるまで昇温した。溶解領域で溶けた原料が対流により上昇し、成長領域にある種結晶3付近より析出することで、種結晶を成長させ、酸化亜鉛単結晶を製造した。このままの状態で40日間定常運転を行い、約0.2mm/日の製造速度で成長させ、その後、系内を室温常圧に戻してから、長径約5cmの酸化亜鉛単結晶を取り出し、結晶の観察、Li濃度の測定、及び室温でそ抵抗率の測定を行った。結晶製造時の条件を種々変え、得られた結晶の評価結果を、実施例および比較例として以下に述べる。
【0032】
〔実施例1〜3〕
上記製造方法で、溶解領域温度350℃、成長領域温度330℃、及び圧力を50MPaで一定にして、他の製造条件を変えて単結晶を製造し、得られた単結晶の評価を行った。。単結晶の評価方法は、「ス」、「クラック」の有無は肉眼観察で行い、Li濃度は2次イオン質量分析装置(SIMS)で行った。また、室温の抵抗率は抵抗率計にて測定した。
【0033】
結果を表1に示した。表1より、溶解領域温度350℃、成長領域温度330℃、及び圧力を50MPaの条件で、原料酸化亜鉛粉末中のLi濃度1ppm以下、製造容器20内に仕込む液中のLi濃度1ppm以下、製造容器20内に仕込む液としてKOH3.0〜5.0mol/リットル、過酸化水素水0.03〜0.49mol/リットルの条件で製造すると、「ス」や「クラック」がなく、Li濃度1×1015atoms・cm3以下で、抵抗率1×1010Ωcm以上の酸化亜鉛単結晶が得られた。
【0034】
〔比較例1〜4〕
上記製造方法で、温度条件、圧力条件を実施例1〜3と同一にし、他の製造条件を変えて単結晶を製造し、得られた単結晶の評価の評価を行った。単結晶の評価方法は実施例1〜3の場合と同じである。
【0035】
結果を表1に示す。表1より、原料酸化亜鉛粉末中のLi濃度または、製造容器20内に仕込む液中のLi濃度が1ppm以上となると、得られる単結晶中のLi濃度は1×1015以上となった。また、製造容器20内に仕込む液を、KOH6.0mol/リットルとした場合と、過酸化水素水を0.60mol/リットルとした場合は、得られた単結晶中に「ス」「クラック」が発生していた。
【0036】
〔実施例4〜6〕
上記製造方法で、酸化亜鉛原料粉末として純度99.95%でLi濃度0.5ppmのものを用い、製造容器20に入れる水溶液は、KOH:3.8mol/リットル、H22:0.15mol/リットルで、水溶液中のLi濃度0.5ppmとし、他の製造条件を変えて単結晶を製造した。得られた単結晶の評価を行った。単結晶の評価方法は実施例1〜3の場合と同じである。
【0037】
結果を表2に示す。表2より、酸化亜鉛原料粉末として純度99.95%でLi濃度0.5ppmのものを用い、製造容器20に入れる水溶液は、KOH:3.8mol/リットル、H22:0.15mol/リットルで、水溶液中のLi濃度0.5ppmとし溶解領域温度325〜365℃、圧力を45〜70MPaの条件で製造すると、「ス」や「クラック」がなく、Li濃度1×1015atoms・cm3以下で、抵抗率1×1010Ωcm以上の酸化亜鉛単結晶が得られた。
【0038】
〔比較例5〜8〕
上記製造方法で、酸化亜鉛原料粉末及び、製造容器20に入れる水溶液の組成とLi濃度は実施例4〜6と同一にし、他の製造条件を変えて単結晶を製造し、得られた単結晶の評価の評価を行った。単結晶の評価方法は実施例1〜3の場合と同じである。
【0039】
結果を表2に示す。表2より、溶解領域温度が310℃、380℃の場合、及び圧力が45MPa、85MPaの場合には、得られた単結晶中に「ス」や「クラック」が発生していた。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】実施例で酸化亜鉛単結晶を水熱合成法で製造するために用いた、単結晶製造装置の構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0043】
3 種結晶
11 単結晶製造装置
12 オートクレーブ
13 容器本体
14 蓋体
15 固着部
16 ヒーター
17 パッキング
20 製造容器
21 フレーム
22 白金線
24 内部バッフル板
25 外部バッフル板
26 原料
30 ベローズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的にLiを含まない鉱化材溶液中で、過酸化物を加え、酸化亜鉛を原料として水熱合成法により、酸化亜鉛単結晶を成長させる事を特徴とする酸化亜鉛単結晶製造方法。
【請求項2】
前記酸化亜鉛原料は、純度が3N以上でLi濃度が1ppm以下(重量基準)であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛単結晶の製造方法。
【請求項3】
前記鉱材溶液中のLi濃度が1ppm以下(重量基準)であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化亜鉛単結晶の製造方法。
【請求項4】
前記過酸化物は、過酸化水素に代表される過酸化物を少なくても1種以上、分解で生じる酸素換算で鉱化材溶液に対し0.02〜0.5モル/リットルの範囲の濃度で加えることを特徴とする請求項1〜3に記載の酸化亜鉛単結晶の製造方法。
【請求項5】
前記鉱材溶液は、水酸化カリウム(KOH)3.0〜5.0モル/リットルの水溶液であることを特徴とする、請求項1〜4に記載の酸化亜鉛単結晶の製造方法。
【請求項6】
溶解領域温度320〜370℃および、圧力40〜70MPaの範囲内で酸化亜鉛単結晶を成長させることを特徴とする、請求項1〜5に記載の酸化亜鉛単結晶の製造方法。
【請求項7】
結晶中のLi濃度が1015atoms/cm3以下で、体積抵抗率が室温で1010Ωcm以上である酸化亜鉛単結晶。
【請求項8】
大きさが5mm角以上で、厚みが0.2mm以上であることを特徴とする請求項7に記載の酸化亜鉛単結晶。

【図1】
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【公開番号】特開2010−70423(P2010−70423A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240947(P2008−240947)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000220664)東京電波株式会社 (22)
【Fターム(参考)】