説明

2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン及び1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンとの反応生成物

本発明は、2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン及び1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)との反応生成物、該反応生成物の製造法、及び、補助界面活性剤、洗浄用界面活性剤又は増粘剤としての該反応生成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン及び1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)との反応生成物、該反応生成物の製造法、及び、補助界面活性剤、洗浄用界面活性剤又は増粘剤としての該反応生成物の使用に関する。
【0002】
界面活性剤は、その分子構造が疎水性部分と親水性部分とを有するいわゆる両親媒性分子である。この特性により、界面活性剤は、界面膜及びいわゆるミセルを形成することができる。この場合に、これは水溶液中で形成され、種々の形態(球体、棒状、円板)を取ることができる界面活性剤からの集合体である。ミセルは、特定の濃度、いわゆる臨界ミセル形成濃度(CMC)以上で形成される。更に、両親媒性分子は、疎水相と親水相との間で界面膜を形成し、例えば乳化性又は発泡性を生じるという特性を有する。
【0003】
補助界面活性剤も同様に両親媒性特性を有するが、単独でミセル及び界面膜を形成できるほど十分ではない。しかしながら、これらは界面活性剤の間に挿入され、これらから形成される構成物、例えば、ミセル又は界面中で両親媒性物質(界面活性剤及び補助界面活性剤)の充填密度を増大させる。これにより、臨界ミセル形成濃度及び表面張力の他に、界面活性剤水溶液と、例えば油のような非極性物質との間の界面張力が低下するので、マイクロエマルションが形成されるまでこれらの物質のための界面活性剤系の吸収能が増大する。その結果、高い溶解能と乳化性、より高い洗浄能並びにエマルション及び泡の高い安定性が生じる。補助界面活性剤を使用する場合には、明らかに低い界面活性剤濃度でミセルを形成することができる。
【0004】
補助界面活性剤を使用することによる更なる効果、並びにこれにより強化される両親媒性物質の凝集傾向は公知である。これは、第一に球状のミセル会合から不均斉なミセル会合への凝集変換である。このミセルの構造変換は、特に希釈溶液中でミセル含有溶液のレオロジーに作用する。同時に、状態図において、存在する液晶構造が低濃度へと移動し、これにより、高い充填密度を有するゲル相の有利な形成を認めることができる。その結果として、通常は本質的により高い濃度で漸く観察される層状のミセル構造が、既に明らかに<10質量%の濃度でも生じる。もう1つの興味深い現象は、公知の液晶ゲル相の他に、重要な用途特性を有する新たな超格子の形成である。この場合に、特に興味深いのは、海綿状を形成し、かつマイクロエマルションに似た特性を有する小胞相並びにいわゆるL相である。これらは、希釈濃度範囲で粘度を調節するために有用である。そのような関連する増粘剤は、高剪断応力下で希薄液となり、静止時に再度粘度を増大させるという特性を有する。使用の際に、これは良好な懸濁性及びこれに付随する同時の流動性を意味し、かつ、製造の間には、より慣用的なポリマー増粘剤の場合よりも大きな形成の安定性を意味する。
【0005】
先行技術には、補助界面活性剤として適切な多数の化合物もしくは化合物クラスが記載されている。
【0006】
−C10−アルコールは有利な特性を示すが、しかししばしばその独特な香りゆえに使用されることがない。
【0007】
低いエトキシル化度を有するアルコール、例えば、低いエトキシル化度を有するラウリルアルコールエトキシレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル又はプロピレングリコールブチルエーテルは、若干の界面活性剤系に、改善された乳化性能又は泡安定性をもたらすことができるが、しかし高いアニオン性界面活性剤含量を有する界面活性剤を配合するためには、頭部基(head group)の極性が小さすぎる。
【0008】
脂肪酸エタノールアミンは、例えば、粘度を調節するためにシャンプーで使用される。しかし、これらはニトロサミンを形成する疑いがある。
【0009】
G.J.Smithは、Seifen, Oelen, Fette, Wachse,105(1979, 第319ページ以下及び第345ページ以下)には、アルキルアミンオキシドを種々の用途で補助界面活性剤として使用することが記載されている。これもニトロサミンを含有する疑いがある。これは、長く複雑な製造技術によって大幅に回避することができる。
【0010】
アミンオキシドと同様に、他の双生イオン界面活性剤、例えば、スルホ−又はカルボキシルアンモニオ−ベタインを補助界面活性剤として使用することもできる。これらの生成物の場合には、ゲル相の形成が極めて弱いことが明らかである。しかしながらその代わりに、相応する界面活性剤混合物の皮膚刺激を低下させるという利用上の利点もある。
【0011】
WO98/00418には、アルキル基で置換されたアルキレンカーボネート及び補助界面活性剤としての該アルキレンカーボネートの使用が開示されている。
【0012】
WO97/04059は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、該界面活性剤と錯体を形成するアルキレンカーボネートとから構成されている負に帯電した錯体を含有する洗浄剤組成物に関する。付加的に、洗浄剤組成物は、場合により補助界面活性剤、非水溶性炭化水素、香料、ルイス塩基又は中性ポリマーを含有してよい。アルキレンカーボネートはC−C14−アルキル基を有する。
【0013】
これまでに公知の用途では、使用される補助界面活性剤:界面活性剤の割合が、用途に応じて約1:20〜1:2を変動する。例えばアルキルアミンオキシドのような若干の場合には、補助界面活性剤は高濃度でもよい。更に、補助界面活性剤を製造するために使用される出発材料は、しばしば高価である。
【0014】
本発明の課題は、前記の欠点を有しておらず、特に極めて良好な費用効率及び効果を示し、並びに環境に適合し、ヒトへの危険性がない、補助界面活性剤、洗浄用界面活性剤又は増粘剤として適切な化合物を提供することである。殊に、本発明の課題は、アルキルグリシドールカーボネートへの費用の面で有利な到達を可能にし、その際、このアルキルグリシドールカーボネートは、補助界面活性剤としての殊に良好な性能を示す。
【0015】
前記課題は、一般式I
【0016】
【化1】

[式中、
AはOH基であり、かつ
BはOH基(化合物Ia)又はハロゲン原子、有利にCl原子(化合物Ib)であるか、又は
A及びBは一緒になって式
【0017】
【化2】

の基(化合物Ic)を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部であるか、又は一緒になって式
【0018】
【化3】

の基(化合物Id)を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
かつ、
11は非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基か、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、
その際、
【0019】
【化4】

は他の原子への結合である]
の化合物により達成されることが見出された。
【0020】
式Iの化合物には種々のクラスの化合物が含まれ、これは、式Icのアルキルグリシドールカーボネート、即ち式I
[式中、
A及びBは一緒になって式
【0021】
【化5】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部である]
の化合物の製造の間に形成される。式Iのアルキルグリシドールカーボネートは、当業者に公知である慣用の洗剤及び洗浄用配合物における補助界面活性剤として使用するために著しく適当である。
【0022】
本発明による他の化合物も有利な特性を有する。例えば、式Ia
[式中、
A及びBはそれぞれOH基である]
の化合物は、当業者に公知である慣用の洗剤及び洗浄用配合物における洗浄用界面活性剤として著しく適当である。
【0023】
本発明による化合物Ia、Ib、Ic及びIdを以下に示す:
【0024】
【化6】

【0025】
式Iの化合物中の基C11は、非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基か、又は種々の非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基の混合物であってよい。有利に、基C11は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、該混合物は、非分枝鎖n−C11−アルキル基70〜99質量%及び分枝鎖C11−アルキル基、殊に有利にCCH(CH)CH及び/又はCHCH(CH)CHCH1〜30質量%を含有する。殊に有利に、基C11は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、該混合物は、非分枝鎖n−C11−アルキル基約90質量%及びCCH(CH)CH及び/又はCHCH(CH)CHCH約10質量%を含有する。
【0026】
本発明による化合物は、疎水成分と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン、又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンとの反応、及び場合によりこれに引き続く他の反応により得ることができる。
【0027】
本発明による化合物の製造において使用される疎水成分は2−プロピルヘプタノールである。これは殊に廉価なアルコールである。2−プロピルヘプタノールと異性体アルコールとの混合物を使用することは殊に有利である。この混合物は一般に2−プロピルヘプタノール70〜99質量%及び他の分枝鎖異性体アルコール、有利に4−メチル−2−プロピルヘキサノール及び/又は5−メチル−2−プロピルヘキサノール1〜30質量%を含有する。2−プロピルヘプタノール約90質量%及び4−メチル−2−プロピルヘキサノール及び/又は5−メチル−2−プロピルヘキサノール約10質量%を含有する工業的に製造された混合物を使用することは極めて殊に有利である。
【0028】
式Ic
[式中、
A及びBは一緒になって式
【0029】
【化7】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部である]
の化合物は有利である。前記化合物は上記の通りのアルキルグリシドールカーボネートであり、補助界面活性剤として著しく適当である。
【0030】
他の有利な実施態様において、本発明による一般式Iaの化合物は、A及びBの双方がOH基である化合物である。前記化合物は上記の通りのジオールであり、洗浄用界面活性剤として著しく適当である。
【0031】
本発明による式Iaのジオールは、同様に、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン、又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンと反応することができる。ここで、1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンを使用することは殊に有利である。従って本発明は更に、本発明によるジオール1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン、又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量、有利に0〜4モル当量、殊に有利に0〜1.5モル当量との反応により製造することができる反応生成物(IIIa)を提供する。前記反応生成物は、次式A:
【0032】
【化8】

の構造単位
及び場合により次式B:
【0033】
【化9】

の構造単位を、平均して、全部で有利に1〜11個、殊に有利に1〜5個、極めて殊に有利に1〜2.5個含有する分子を含有する。
【0034】
ここで例を用いて、ジオール1モルとエピクロロヒドリン1モルとのあり得る反応生成物(IIa)、及び、ジオール1モルと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン1モルとのあり得る反応生成物(IIb)の製法を示す。ジオール1モルと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン1モルとのあり得る反応生成物(IIb)の場合、ジオール(Ia)の2級OH基はエポキシドとも反応し、その結果IIbとは異なる構造が生じる。
【0035】
他の有利な実施態様において、本発明による式Ibの化合物は、AがOH基でありBがCl原子である化合物である。前記化合物はクロロヒドリンであり、これは、本発明による他の化合物の合成のための出発材料として使用することができる。
【0036】
本発明によるクロロヒドリンIbは、同様に、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン、又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンと反応することができる。ここで、エピクロロヒドリンを使用することは殊に有利である。従って本発明は更に、本発明によるクロロヒドリンIb1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン、又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量、有利に0〜4モル当量、殊に有利に0〜1.5モル当量との反応により製造することができる反応生成物IIIbを提供する。前記反応生成物は、次式B:
【0037】
【化10】

の構造単位
及び場合により次式A:
【0038】
【化11】

の構造単位を、全部で有利に1〜11個、殊に有利に1〜5個、極めて殊に有利に1〜2.5個含有する。
【0039】
本発明による反応生成物IIIa及びIIIbは、本発明によるジオールIa又はクロロヒドリンIbと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン又は1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンとの直接の反応において生じるだけでなく、1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン又は1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリンと反応する2−プロピルヘプタノールから出発する、本発明によるジオールIa、本発明によるクロロヒドリンIb、本発明によるアルキルグリシドールカーボネートIc又は本発明によるエポキシドIdの製造において副生成物として形成されることもできる。
【0040】
式Iの種々の化合物は、本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における種々の前駆体を表す。本発明による式Iの化合物と同様に、本発明は個々の前駆体の製造法及び本発明による式Idのアルキルグリシドールカーボネートの製造法にも関する。
【0041】
本発明による式Idのアルキルグリシドールカーボネートの製造における第一の工程は、AがOH基でありBがハロゲン原子、有利にCl原子である式Ibの化合物の製造である。
【0042】
従って、本発明は更に、2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリンとを、有利に酸の存在下で、殊に有利に触媒量のルイス酸の存在下で反応させることによる、式Ib
【0043】
【化12】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子、有利にCl原子であり、
かつ、
11は非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基か、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物である]
の化合物の製造法を提供する。
【0044】
有利な基C11は既に上記されている。
【0045】
適当なルイス酸は、例えばAlCl、BFxEtO、BF、BFxHPO、SbClx2HO及びヒドロタルシト、二重金属シアニド触媒である。BFxEtO、BF及びSbClx2HOを使用するのが有利である。BFxEtOを使用するのが殊に有利である。
【0046】
一般に、2−プロピルヘプタノール及び1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリンは、1:0.5〜1:10、殊に有利に1:0.75〜1:5、極めて殊に有利に約1:1のモル比で使用される。
【0047】
触媒として使用されるルイス酸は、一般に、全混合物の質量に対して0.05〜5質量%、有利に0.05〜2質量%、殊に有利に0.1〜1質量%の量で使用される。
【0048】
反応は有機溶剤、例えばヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、THF又はジブチルエーテル中で実施することができる。溶剤を使用しないのが有利である。
【0049】
反応温度は一般に−20℃〜150℃、殊に−5℃〜120℃、殊に有利に20℃〜80℃である。反応圧力は一般に1〜10バール、有利に1〜6バール、殊に有利に大気圧である。
【0050】
反応は当業者に公知の方法により実施することができる。有利な実施態様において、2−プロピルヘプタノールを最初にルイス酸と一緒に導入し、反応温度に加熱する。段階的に1−ハロ−2,3−エポキシプロパンを添加する。その後、混合物を後撹拌し、反応を完了させることができる。
【0051】
生成物の単離及び精製は、例えば蒸留により可能である。しかしながら生成物を精製なしで本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における後続の工程において使用することもできる。
【0052】
反応は当業者に公知の装置中で実施することができる。
【0053】
本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における第二の工程は、式Id
[式中、
A及びBは一緒になって式
【0054】
【化13】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部である]
の化合物の製造である。
【0055】
従って、本発明は更に、式I
[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子である]
の化合物と塩基とを反応させることによる、式Id
【0056】
【化14】

[式中、
A及びBは一緒になって式
【0057】
【化15】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部である]
の化合物の製造法を提供する。
【0058】
有利な基C11は既に上記されている。
【0059】
適当な塩基は、例えばトリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、NaCO、NaOH、KOH、NaPO、NaHPO、ナトリウムメチレート、カリウムt−ブトキシドである。トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、NaOH及びKOHは有利である。水溶液としてのNaOHの使用は殊に有利である。
【0060】
塩基は、式Ib
[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子、有利にCl原子である]
の化合物に対して、一般的に0.5〜10当量、有利に0.8〜2当量、殊に有利に1.0〜1.5当量の量で使用される。
【0061】
反応は一般に、塩基が水相中で可溶性である2相系か、又は単相で実施される。塩基が水中に溶解された形で存在しクロロヒドリン及び/又はエポキシドが有機相を形成する2相混合物を使用するのが有利である。殊に有利な変法によれば、反応生成物は相分離により水相から分離される。
【0062】
反応温度は一般に20℃〜150℃、有利に40℃〜120℃、殊に有利に50℃〜110℃である。反応圧力は一般に1〜10バール、有利に1〜6バール、殊に有利に大気圧である。
【0063】
反応は当業者に公知の方法により実施することができる。有利な実施態様において、式Ib
[式中、
AはOH基であり
Bはハロゲン原子、有利にCl原子である]
の化合物を最初に導入し、塩基、有利に水中のNaOHを段階的に添加し、混合物をゆっくりと反応温度に加熱する。逆に、水中のNaOHの水溶液へクロロヒドリンを添加することも同様に可能であり、本発明の範囲内において有利である。反応が完了した後、相分離を行う。有機相は所望の生成物を含有する。生成物の精製が可能である。しかしながら生成物を精製なしで本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における後続の工程において使用することもできる。
【0064】
反応は当業者に公知の装置中で実施することができる。
【0065】
本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における第三の工程は、式Ia
[式中、
A及びBの双方はOH基である]
の化合物の製造である。
【0066】
従って、本発明は更に、式Id
[式中、
A及びBは一緒になって式
【0067】
【化16】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部である]
の化合物を触媒の存在下で加水分解することによる、式Ia
[式中、
A及びBの双方はOH基である]
の化合物の製造法を提供する。
【0068】
有利な基C11は既に上記されている。
【0069】
適当な触媒は、例えばブレンステッド酸、ブレンステッド塩基、遷移金属錯体及びルイス酸である。ブレンステッド酸及び遷移金属錯体は有利である。遷移金属−サレン錯体の使用は殊に有利である。
【0070】
ブレンステッド酸の場合、酸、例えば塩酸又は硫酸は、有利に水溶液で使用される。エポキシド(Id)及びジオール(Ia)を有機溶剤中に溶解させるか、又は有利に他の有機溶剤なしで反応させることができる。酸はエポキシド(Ia)に対して0.5〜10当量、有利に1〜3当量で添加される。
【0071】
有利な遷移金属−サレン錯体は、N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト化合物である。前記化合物を使用する場合、反応を、有機溶剤、例えばトルエン中で、又は有利に溶剤なしで、水0.5〜20当量、有利に0.8〜10当量、殊に有利に1.0〜3.0当量を添加しながら実施することができる。触媒は、エポキシド(Id)に対して0.1〜10モル%、有利に0.3〜5モル%、殊に有利に0.5〜3モル%の量で使用される。
【0072】
反応温度は一般に0℃〜200℃、有利に20℃〜160℃、殊に有利に20℃〜100℃である。反応圧力は一般に1〜10バール、有利に1〜6バール、殊に有利に大気圧である。
【0073】
反応は当業者に公知の方法により実施することができる。有利な実施態様において、式Idによるエポキシドを、使用する触媒及び水に添加する。その後、混合物を後撹拌し、反応を完了させることができる。
【0074】
一般に、生成物を後精製なしに、適切な場合には溶剤を分離した後に使用することもできる。生成物は有利に、反応の後に得られる反応混合物を蒸留することにより得られ、この形で、本発明によるアルキルグリシドールカーボネートの製造における後続の工程において使用することができる。
【0075】
反応は当業者に公知の装置中で実施することができる。
【0076】
本発明による式Iaの所望のジオールは、例えば2−プロピルヘプタノールとヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)との反応により得ることもできる。
【0077】
従って本発明は更に、2−プロピルヘプタノールとヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)との反応による、式Ia
[式中、
A及びBはOH基である]
によるジオールの製造法を提供する。
【0078】
所望のアルキルグリシドールカーボネートは、原則的に2つの重要な方法で製造することができる。まず第一にはジオールとホスゲンとの反応によるものであり(例えばWO9800418に記載されているようなもの)、第二には触媒を用いたエポキシドとCOとの反応によるものである(Paddock, Nguyen, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 11498; Kisch, Millini, Wang, Chem. Ber. 1986, 119 (3), 1090; Baba, Nozaki, Matsuda, Bull. Chem. Soc. Jpn. 1987, 60 (4), 1552; Lermontov, Velikokhat'ko, Zavorin, Russ. Chem. Bull. 1998, 47 (7), 1405; Rokicki, Kuran, Pogorzelska-Marciniak, Monatshefte fuer Chemie 1984, 115, 205)。
【0079】
ホスゲン反応において、ジオールは常にHClの脱離下にホスゲンと反応する。形成されるHClは塩基の添加により中和される。
【0080】
CO反応において、エポキシドは高めた圧力及び高めた温度下で二酸化炭素と反応する。この反応のために使用することのできる触媒は、例えばアミン、遷移金属−サレン錯体、亜鉛塩、又は亜鉛塩と4級アンモニウム塩との組合せである。
【0081】
第三の反応工程か、又は2−プロピルヘプタノールとグリシドールとの反応により得られるジオールIaを、このようにして所望のアルキルグリシドールカーボネートへと変換することができる。同様に、第二の反応工程において得られる式Idのエポキシドから所望のアルキルグリシドールカーボネートへの変換も可能である。
【0082】
従って、本発明は更に、式Iのジオールとホスゲンとの反応による、式Icのアルキルグリシドールカーボネートの製造法を提供する。
【0083】
有利な実施態様において、反応は、塩基、有利にアミン、殊に有利にトリエチルアミン又はジメチルシクロヘキシルアミンの存在下で、反応の間に形成されるHClを中和させ、芳香族溶剤、有利にトルエン中のホスゲンの冷却された溶液を、芳香族溶剤、同様に有利にトルエン中の式Iaのジオールの冷却された溶液に添加することにより行われる。温度が添加の間に0℃を超えないようにすべきである。温度は有利に−5℃〜0℃である。反応混合物を室温に加熱した後、反応を室温で一般に1〜20時間、有利に12〜16時間持続させる。反応の完了後、所望のアルキルグリシドールカーボネートの後処理及び引き続く精製を当業者に公知の方法により行う。有利に使用されるアミン塩基を場合により塩酸塩として単離し、アミンを遊離し、かつ場合により水を分離した後に、再度処理に返送することができる。
【0084】
ホスゲンは、式Iaのジオールに対して、一般に0〜50%濃度過剰で、有利に0〜15%濃度過剰で使用される。この場合、0%の過剰とは、ホスゲンとジオールとを等モル量で使用することを表す。使用される塩基対ホスゲンは、一般に2:1〜4:1、有利に2:1〜2.5:1のモル比で使用される。
【0085】
本発明は更に、式IdによるエポキシドとCOとを触媒の存在下で反応させることによる、本発明による式Icのアルキルグリシドールカーボネートの製造法を提供する。
【0086】
COとの反応において、式Idのエポキシドを、一般に1〜50バール、有利に1〜20バールの高めた圧力下で(他の適用においては、可能であればこれを20バールまで高めるべきである)、一般に25〜150℃、有利に40〜120℃の高めた温度下で、二酸化炭素と反応させる。前記反応のために使用可能な触媒な、例えばアミン、遷移金属−サレン錯体、亜鉛塩、又は亜鉛塩と4級アンモニウム塩との組合せである。所望のアルキルグリシドールカーボネートの引き続く後処理及び精製は、当業者に公知の方法により行われる。
【0087】
本発明は更に、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとを反応させ、式Ib
【0088】
【化17】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子である]
の化合物を形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物と塩基とを反応させ、式Id
[式中、
A及びBは一緒になって式
【0089】
【化18】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部である]
の化合物を形成する工程、
及び
c)工程b)で形成された化合物を加水分解し、式Iaのジオールを形成する工程、
d)工程d)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、所望の化合物(アルキルグリシドールカーボネート、構造式Ic)を形成する工程;
又は
e)工程b)で形成された化合物とCOとを触媒の存在下で反応させ、所望の化合物(アルキルグリシドールカーボネート、構造式Ic)を形成する工程
の全てか又は2つ以上を含む、本発明による式Icのアルキルグリシドールカーボネートの製造法を提供する。
【0090】
個々の反応工程の有利な実施態様は既に上記されている。
【0091】
更に、本発明による式IcのアルキルグリシドールカーボネートIcは、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールとグリシドールとを反応させ、式Iaのジオールを形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、所望の化合物(アルキルグリシドールカーボネート、構造式Ic)を形成する工程
を含む方法によって得ることができる。
【0092】
個々の反応工程の有利な実施態様は既に上記されている。
【0093】
2−プロピルヘプタノールから出発する式Icのアルキルグリシドールカーボネートの製造のための本発明による製造経路、及び製造の間に形成される本発明による前駆体を、次式にまとめる:
【0094】
【化19】

【0095】
本発明は更に、式Iaのジオール1モル当量と、1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量、有利に0〜4モル当量、殊に有利に0〜1.5モル当量との反応による、本発明による反応生成物IIIaの製造法を提供する。本発明による反応生成物は、他の方法によっても得ることができる。
【0096】
本発明は、更に、式Ibのハロヒドリン(有利にクロロヒドリン)1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン0〜10モル当量、有利に0〜4モル当量、殊に有利に0〜1.5モル当量との反応による、本発明による反応生成物IIIbの製造法を提供する。本発明による反応生成物は、他の方法によっても得ることができる。
【0097】
本発明は、更に、補助界面活性剤としての式Icのアルキルグリシドールカーボネートの使用を提供する。
【0098】
補助界面活性剤として使用することのできる本発明による式Icのアルキルグリシドールカーボネートは、工業用、研究機関用又は家庭用の洗剤及び洗浄剤、並びにいわゆるボディーケア分野、即ちボディー用洗浄剤及びボディーケア剤で使用するのが適切である。
【0099】
他の用途は以下のものである:
− 湿潤剤、特に印刷業用、
− 化粧品、製剤学的配合物及び植物保護配合物。適切な植物保護配合物は、例えばEP−A−0050228に記載されている。植物保護剤のために慣用の他の成分が存在してもよい。
− 塗料、被覆剤、インク、顔料配合物並びに塗料及びポリマー皮膜工業での接着剤
− 皮革用脱脂剤
− 繊維工業用の配合物、例えば均染剤又はヤーン洗浄用の配合物
− 繊維加工及び紙及びパルプ工業用の助剤
− 金属加工、例えば金属精錬及び電気メッキ分野
− 食品産業
− 水処理及び飲料水製造
− 発酵
− 鉱物加工及び粉塵制御
− 建築助剤
− 乳化重合及び分散液の製造
− 冷却剤及び滑剤。
【0100】
洗剤は、固形、液状形、ゲル状形又はペースト状形で存在する。固形の材料には、粉末及び圧縮物、例えば顆粒及び成形体、例えば錠剤が含まれる。
【0101】
洗剤は、配合物の全体量に対して、式I及び/又はIIの少なくとも1つの物質を0.1〜40質量%、殊に0.5〜30質量%、極めて殊に1〜20質量%含有する。他の成分を以下に列挙する。
【0102】
洗剤配合物は、通常、界面活性剤、ビルダー、芳香剤及び染料、錯化剤、ポリマーのような成分並びにその他の成分を含有している。典型的な配合物は、例えば、WO01/32820に記載されている。種々の用途に適切な他の成分は、例えばEP−A−0620270、WO95/27034、EP−A−0681865、EP−A−0616026、EP−A−0616028、DE−A−4237178及びUS5340495に例示的に記載されている。
【0103】
本発明の目的のために、洗剤は、通常、多少なりとも屈曲性である材料を洗浄するため、有利には天然、合成又は半合成繊維材料を含有するもの、又はこれから成るもの、従って、通常少なくとも部分的に織物特性を有するものを洗浄するために使用される。繊維含有材料又は繊維から成る材料は、原則的に、利用の際に、又は製造及び加工の際に生じる全ての形で存在することができる。例えば、繊維は、無秩序にステープル又は粗積みの形で、秩序立ってスレッド、ヤーン、より糸の形で、又は布、例えば、不織物、ローデン素材又はフェルト、織物、メリヤスの形で、考えられる全ての結合の種類で存在することができる。
【0104】
繊維原料又は繊維は、任意の加工段階であることができ、天然のタンパク質繊維又はセルロース繊維、例えば、ウール、絹、木綿、サイザル繊維、麻、ヤシ繊維又は合成繊維、例えば、ポリエステル、ポリアミド又はポリアクリロニトリル繊維であることができる。
【0105】
本発明による補助界面活性剤を含有する洗剤は、繊維含有材料、例えば裁断パイル又は非裁断パイルを有する裏貼りしたじゅうたんを洗浄するためにも使用できる。
【0106】
洗剤の組成物は、有利に、従来技術から当業者に周知のような種々の目的に適合される。このために、従来技術から公知であるあらゆる目的に相応する助剤及び添加剤を洗剤に添加することができる。
【0107】
洗剤中には、本発明による補助界面活性剤の他に、例えば、以下のものが存在できる:
− ビルダー及び補助ビルダー(Cobuilder)、例えば、ポリホスフェート、ゼオライト、ポリカルボキシレート、ホスホネート又は錯化剤
− イオン性界面活性剤、例えば、アルコールスルフェート/エーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、及び他のアルコールスルフェート/エーテルスルフェート
− 非イオン性界面活性剤、アルコールアルコキシレート、例えば、アルキルアミンアルコキシレート、アルキルポリグルコシド
− 蛍光増白剤
− 色移り防止剤、例えば、分子量8000〜70000のポリビニルピロリドン、1:10〜2:1のモノマーのモル比で、分子量8000〜70000を有するビニルイミダゾール/ビニルピロリドンコポリマー並びに分子量8000〜70000を有するポリ−4−ビニルピリジン−N−オキシド
− 増量剤、例えば、硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム
− ソイルリリース剤
− 被膜形成阻害剤
− 漂白剤、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩及び漂白活性剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン並びに漂白安定剤を含有する漂白系
− 芳香剤(油)
− 消泡剤、例えばシリコーン油
− 酵素、例えば、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ
− アルカリ供与体、例えば、可溶性アルカリ金属ケイ酸塩、例えば、ペンタナトリウムメタシリケート、炭酸ナトリウム。
【0108】
液体洗剤中では、付加的に溶剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロピレングリコール、ブチルグリコールなどを使用することができる。
【0109】
錠剤の形の洗剤中では、付加的に錠剤補助剤、例えば、1000g/モル以上の分子量を有するポリエチレングリコール、ポリマー分散液並びに錠剤崩壊剤、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリレート、又は、酸の組合せ、例えばクエン酸と炭酸水素ナトリウムとから成る組合せを使用することができる。可能な成分の詳細な列挙を以下に示す。
【0110】
幾つかの場合に、本発明により使用される補助界面活性剤を、他の補助界面活性剤と、又は両性界面活性剤、例えばアルキルアミンオキシドと、又はベタインと組み合わせるのが有利である。
【0111】
非イオン性界面活性剤の他のクラスは、アルキル鎖中に6〜22個、有利に10〜18個の炭素原子を有するアルキルポリグルコシドである。前記化合物は、一般に1〜20個、有利に1.1〜5個のグルコシド単位を有する。
【0112】
非イオン性界面活性剤の他のクラスは、構造式
【0113】
【化20】

[式中、
は、C〜C22−アルキルであり、
は、水素又はC〜C−アルキルであり、
Dは5〜12個の炭素原子と少なくとも3個のヒドロキシ基とを有するポリヒドロキシアルキル基である]
のN−アルキルグルカミドである。有利に、BはC10〜C18−アルキルであり、BはCHであり、DはC−又はC−基である。例えば、このような化合物は、還元性アミノ化糖をC10〜C18−カルボン酸の酸塩化物でアシル化することにより得られる。
【0114】
更に、適当な非イオン性界面活性剤は、WO−A95/11225から公知の式
−CO−NH−(CH−O−(AO)−R
[式中、
は、C〜C21−アルキル基又はアルケニル基を表し、
は、C〜C−アルキル基を表し、
は、C〜C−アルキレンを表し、
yは、2〜3の数を表し、
xは1〜6の値を表す]
の末端キャップされた脂肪酸アミドアルコキシレートである。
【0115】
このような化合物の例は、式HN−(CH−CH−O)−Cのn−ブチルトリグリコールアミンとドデカン酸メチルとの反応生成物、又は式HN−(CH−CH−O)−CのエチルテトラグリコールアミンとC〜C18−飽和脂肪酸メチルエステルの市販混合物との反応生成物である。
【0116】
更に、適当な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシド(BASF社のPluronic(R)商標及びTetronic(R)商標)、ポリヒドロキシ脂肪酸誘導体又はポリアルコキシ脂肪酸誘導体、例えばポリヒドロキシ脂肪酸アミド、N−アルコキシ−又はN−アリールオキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、脂肪酸アミドエトキシレート、特に末端キャップされたもの、並びに脂肪酸アルカノールアミドアルコキシレートのブロックコポリマーである。
【0117】
付加的な非イオン性界面活性剤は、本発明により使用される補助界面活性剤を含有する洗剤中に、有利に0.01〜30質量%、殊に0.1〜25質量%の量で、とりわけ0.5〜20質量%の量で存在する。
【0118】
個々の非イオン性界面活性剤又は種々の非イオン性界面活性剤の組み合わせを使用することもできる。1つのクラスからのみ、殊にアルコキシル化C〜C22−アルコールのみから成る非イオン性界面活性剤を使用することができるが、種々のクラスから成る界面活性剤混合物を使用することもできる。
【0119】
適切なアニオン性界面活性剤は、例えば、8〜22個、有利に10〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールの脂肪アルコールスルフェート、C12〜C18−アルコールスルフェート、ラウリルスルフェート、セチルスルフェート、ミリスチルスルフェート、パルミチルスルフェート、ステアリルスルフェート及び牛脂アルコールスルフェートである。
【0120】
他の適切なアニオン性界面活性剤は、硫酸化したエトキシル化C〜C22−アルコール(アルキルエーテルスルフェート)もしくはその可溶性塩である。これらの種類の化合物は、例えば、まずC〜C22−アルコール、有利にC10〜C18−アルコール、例えば、脂肪アルコールをアルコキシル化し、かつ引き続きアルコキシル化生成物を硫酸化することにより製造される。アルコキシル化には、有利にエチレンオキシドが使用され、その際、アルコール1モル当たり、1〜50モル、有利に1〜20モルのエチレンオキシドが使用される。しかしながら、アルコールのアルコキシル化は、プロピレンオキシド単独で、及び場合によりブチレンオキシドを用いて実施することもできる。更に、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、又はエチレンオキシドとブチレンオキシド、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとブチレンオキシドとを含有するアルコキシル化C〜C22−アルコールも適切である。アルコキシル化C〜C22−アルコールは、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位及びブチレンオキシド単位をブロックの形又はランダムな分布で含有できる。アルコキシル化触媒の種類に応じて、広いかもしくは狭いアルキレンオキシド同族体分布を有するアルキルエーテルスルフェートが得られる。
【0121】
他の適切なアニオン性界面活性剤は、アルカンスルホネート、例えばC〜C24−アルカンスルホネート、有利にC10〜C18−アルカンスルホネート、並びに石鹸、例えば飽和及び/又は不飽和C〜C24−カルボン酸のNa塩及びK塩である。
【0122】
他の適切なアニオン性界面活性剤は、線状C〜C20−アルキルベンゼンスルホネート(”LAS”)、有利に線状C〜C13−アルキルベンゼンスルホネート及び線状C〜C13−アルキルトルエンスルホネートである。
【0123】
他の適切なアニオン性界面活性剤は、C〜C24−オレフィンスルホネート及び−ジスルホネート(これは、アルケン−及びヒドロキシアルカンスルホネートもしくは−ジスルホネートの混合物であることができる)、アルキルエステルスルホネート、スルホン化ポリカルボン酸、アルキルグリセリンスルホネート、脂肪酸グリセリンエステルスルホネート、アルキルフェノールポリグリコールエーテルスルフェート、約20〜約50個の炭素原子を有するパラフィンスルホネート(天然源から取得されたパラフィン又はパラフィン混合物をベースとする)、アルキルホスフェート、アシルイセチオネート、アシルタウレート、アシルメチルタウレート、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸又はこれらの半エステル又は半アミド、アルキルスルホコハク酸又はこれらのアミド、スルホコハク酸のモノエステル及びジエステル、アシルサルコシネート、硫酸化アルキルポリグルコシド、アルキルポリグリコールカルボキシレート並びにヒドロキシアルキルサルコシネートである。
【0124】
アニオン性界面活性剤は、洗剤に、有利には塩の形で添加される。前記塩中の適切なカチオンは、アルカリ金属イオン、例えばナトリウム、カリウム及びリチウム及びアンモニウム塩、例えばヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩及びトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩である。
【0125】
アニオン性界面活性剤は、本発明による補助界面活性剤を含有する洗剤中で、有利に30質量%まで、例えば0.1〜30質量%、とりわけ1〜25質量%、特に3〜10質量%の量で存在する。C〜C20−線状アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を併用する場合には、通常15質量%まで、特に10質量%までの量で使用される。
【0126】
個々のアニオン性界面活性剤又は種々のアニオン性界面活性剤の組み合わせを使用することができる。1つのクラスからのみ、例えば、脂肪アルコールスルフェートのみ、又はアルキルベンゼンスルホネートのみから成るアニオン性界面活性剤を使用することができるが、種々のクラスからの界面活性剤混合物、例えば、脂肪アルコールスルフェートとアルキルベンゼンスルホネートとの混合物を使用することもできる。
【0127】
更に、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する界面活性剤混合物を、カチオン性界面活性剤、例えば、C〜C16−ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルコキシジメチルアンモニウム塩又は長鎖アルキル基を有するイミダゾリニウム塩と、通常は25質量%までの量、有利に1〜15質量%の量で組み合わせることができ;かつ/又は両性界面活性剤、例えば、2級又は3級アミンの誘導体、例えば、C〜C18−アルキルベタイン又はC〜C15−アルキルスルホベタイン又はアルキルアミドベタイン又はアミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシドと、通常は15質量%までの量、有利に1〜10質量%の量で組み合わせることができる。
【0128】
更に、WO99/19435に記載されているようなカチオン性界面活性剤を使用することができる。
【0129】
通常、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する混合物を、ビルダー(金属イオン遮閉剤)、例えば、ポリホスフェート、ポリカルボキシレート、ホスホネート、錯化剤、例えば、メチルグリシン二酢酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸及びその塩並びに場合により補助ビルダーと組み合わせることができる。
【0130】
本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する混合物と組み合わせるために極めて適切な個々のビルダー物質を以下に列挙する:
適切な無機ビルダーは、とりわけイオン交換特性を有する全ての結晶質又は非晶質のアルミノシリケート、例えば、特にゼオライトである。種々のタイプのゼオライト、特にNaの形、又はこれらのNaが部分的に他のカチオン、例えば、Li、K、Ca、Mg又はアンモニウムと置換されている形のゼオライトA、X、B、P、MAP及びHSが適切である。適切なゼオライトは、例えばUS−A−4604224に記載されている。
【0131】
ビルダーとして適切な結晶質ケイ酸塩の例は、二ケイ酸塩又はフィロケイ酸塩、例えば、δ−NaSi、又はβ−NaSiである。ケイ酸塩は、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の形で使用でき、有利には、ケイ酸Na、ケイ酸Li及びケイ酸Mgとして使用できる。非晶質ケイ酸塩、例えばポリマー構造を有するメタケイ酸ナトリウム、又は非晶質二ケイ酸塩も同様に使用可能である。
【0132】
カーボネートをベースとする適切な無機ビルダー物質は、炭酸塩及び炭酸水素塩である。これらは、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の形で使用できる。Na−、Li−及びMg−炭酸塩もしくは−炭酸水素塩、特に炭酸ナトリウム及び/又は炭酸水素ナトリウムを使用するのが有利である。
【0133】
無機ビルダーとして使用される慣用のホスフェートは、アルカリ金属オルトホスフェート、及び/又はアルカリ金属オルトポリホスフェート、例えばペンタナトリウムトリホスフェートである。前記のビルダー成分は、個別又は相互の混合物の形で使用できる。
【0134】
更に、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤に補助ビルダーを添加するのが多くの場合に有利である。適切な物質の例を以下に列挙する:
有利な実施態様の1つでは、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤は、無機ビルダーの他に、有機補助ビルダーを低分子量のオリゴマーもしくはポリマーカルボン酸、特にポリカルボン酸、又はホスホン酸もしくはその塩、特にNa塩もしくはK塩の形で0.05〜20質量%、特に1〜10質量%含有する。
【0135】
有機補助ビルダーとして適切な低分子量のカルボン酸又はホスホン酸は、例えば以下のものである:
ホスホン酸、例えば1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、アミノ−トリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸);
〜C20−ジカルボン酸、−トリカルボン酸及び−テトラカルボン酸、例えば、コハク酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸及びC〜C16−アルキル基もしくは−アルケニル基を有するアルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸;
〜C20−ヒドロキシカルボン酸、例えば、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、クエン酸、ラクトビオン酸及びサッカロースモノカルボン酸、サッカロースジカルボン酸及びサッカローストリカルボン酸;
アミノポリカルボン酸、例えば、ニトリロ三酢酸、β−アラニン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、セリン二酢酸、イソセリン二酢酸、アルキルエチレンジアミン三酢酸、N,N−ビス(カルボキシメチル)グルタミン酸、エチレンジアミンジコハク酸及びN−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、メチルグリシン二酢酸及びエチルグリシン二酢酸。
【0136】
有機補助ビルダーとして適切なオリゴマー又はポリマーカルボン酸は、例えば以下のものである:
例えば、EP−A451508及びEP−A396303に記載されているようなオリゴマレイン酸:
不飽和C〜C−ジカルボン酸のコポリマー及びターポリマー、その際、共重合されたコモノマーは、下記の群(i)からのモノエチレン性不飽和モノマー95質量%までの量、群(ii)からのモノエチレン性不飽和モノマー60質量%までの量、及び群(iii)からのモノエチレン性不飽和モノマー20質量%までの量である。
【0137】
この場合に不飽和C〜C−ジカルボン酸の例は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸が適切である。マレイン酸が有利である。
【0138】
群(i)には、モノエチレン性不飽和C〜C−モノカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びビニル酢酸が含まれる。群(i)からは、アクリル酸及びメタクリル酸を使用するのが有利である。
【0139】
群(ii)には、モノエチレン性不飽和C〜C22−オレフィン、C〜C−アルキル基を有するビニルアルキルエーテル、スチレン、C〜C−カルボン酸のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが含まれる。群(ii)からは、C〜C−オレフィン、C〜C−アルキル基を有するビニルアルキルエーテル、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニルを使用するのが有利である。
【0140】
群(ii)のポリマーが共重合されたビニルエステルを含有している場合には、前記ビニルエステルの一部又は全ては加水分解された形で存在し、ビニルアルコール構造単位が生じることもできる。適切なコポリマー及びターポリマーは、例えばUS−A3887806並びにDE−A4313909から公知である。
【0141】
群(iii)には、C〜C−アルコールの(メタ)アクリルエステル、(メタ)アクリロニトリル、C〜C−アミンの(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド及びN−ビニルイミダゾールが含まれる。
【0142】
有機補助ビルダーとして、モノエチレン性不飽和C〜C−モノカルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びビニル酢酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー;
ジカルボン酸のコポリマー、例えば質量比が10:90〜95:5のマレイン酸とアクリル酸のコポリマー、特に有利に分子量1000〜150000を有する質量比が30:70〜90:10のもの;
質量比が10(マレイン酸):90(アクリル酸+ビニルエステル)〜95(マレイン酸):10(アクリル酸+ビニルエステル)のマレイン酸、アクリル酸及びC〜C−カルボン酸のビニルエステルからなるターポリマー、その際、アクリル酸:ビニルエステルの質量比は、30:70〜70:30の範囲内で変化することができる;
モル比40:60〜80:20のマレイン酸とC〜C−オレフィンとのコポリマー、その際、50:50のモル比のマレイン酸とエチレン、プロピレン又はイソブテンのコポリマーが殊に有利である、
も適切である。
【0143】
低分子量の炭水化物又は水素化された炭水化物にグラフトした不飽和カルボン酸のグラフトポリマー(US−A5227446、DE−A4415623及びDE−A4313909を参照のこと)も、同様に有機補助ビルダーとして適切である。
【0144】
この場合に適切な不飽和カルボン酸の例は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びビニル酢酸、並びにグラフトすべき成分に対して40〜95質量%の量でグラフト重合されたアクリル酸とマレイン酸とからの混合物である。
【0145】
変性のために、グラフトすべき成分に対して付加的に30質量%までの他のモノエチレン性不飽和モノマーが共重合された形で存在してよい。適切な変性モノマーは、上記の群(ii)及び(iii)のモノマーである。
【0146】
適当なグラフト基体は、分解多糖類、例えば、酸又は酵素により分解されたデンプン、イヌリン又はセルロース、卵白加水分解物及び還元(水素化されたか又は水素化アミノ化された)分解多糖類、例えば、マンニット、ソルビット、アミノソルビット及びN−アルキルグルカミン、並びにM=5000までの分子量を有するポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド/プロピレンオキシド−ブロックコポリマーもしくはエチレンオキシド/ブチレンオキシド−ブロックコポリマーもしくはエチレンオキシド/プロピレンオキシド/ブチレンオキシド−ブロックコポリマー及び1価又は多価のアルコキシル化C〜C22−アルコールである(US−A−5756456を参照のこと)。
【0147】
有機補助ビルダーとして適切なポリグリオキシル酸は、例えば、EP−B−001004、US−A−5399286、DE−A−4106355及びEP−A−656914に記載されている。ポリグリオキシル酸の末端基は種々の構造を有することができる。
【0148】
有機補助ビルダーとして適切なポリアミドカルボン酸及び変性ポリアミドカルボン酸は、例えば、EP−A−454126、EP−B−511037、WO−A−94/01486及びEP−A−581452から公知である。
【0149】
有機補助ビルダーとして、特にポリアスパラギン酸、又はアスパラギン酸と他のアミノ酸、C〜C25−モノカルボン酸又は−ジカルボン酸及び/又はC〜C25−モノアミン又は−ジアミンとの共縮合物も使用される。リン含有の酸の中で製造され、C〜C22−モノカルボン酸又は−ジカルボン酸で、もしくはC〜C22−モノアミン又は−ジアミンで変性されたポリアスパラギン酸を使用するのが特に有利である。
【0150】
有機補助ビルダーとして、イミノジコハク酸、オキシジコハク酸、アミノポリカルボキシレート、アルキルポリアミノカルボキシレート、アミノポリアルキレンホスホネート、ポリグルタメート、疎水変性クエン酸、例えば、アガリシン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、N−アシルエチレンジアミントリアセテート、例えばラウロイルエチレンジアミントリアセテート、及びエチレンジアミン四酢酸のアルキルアミド、例えばEDTA−牛脂アミドも適切である。
【0151】
更に、酸化デンプンも有機補助ビルダーとして使用できる。
【0152】
他の適切な(補助)ビルダーは、WO99/19435に記載されている。
【0153】
もう1つの有利な実施態様では、本発明により使用される補助界面活性剤を含有する洗剤は、付加的に、殊に、無機ビルダー、アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤に対して付加的に、WO97/19159に記載されているようなグリシン−N,N−二酢酸誘導体を0.5〜20質量%、特に1〜10質量%含有する。
【0154】
本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤に、漂白剤、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩及び場合により漂白活性剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン+漂白安定剤並びに場合により漂白触媒から成る漂白系を添加することもしばしば有効である。
【0155】
この場合には、本発明により使用される補助界面活性剤を含有する洗剤は、付加的に0.5〜30質量%、特に5〜27質量%、とりわけ10〜23質量%の漂白剤を、過カルボン酸塩の形、例えば、ジペルオキソドデカンジカルボン酸、フタルイミド過カプロン酸又はモノペルオキソフタル酸又は−テレフタル酸の形で、過酸化水素と無機塩との付加物、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、炭酸ナトリウム過水和物又はリン酸ナトリウム過水和物、過酸化水素と有機化合物との付加物、例えば、尿素過水和物、又は無機ペルオキソ塩の付加物、例えば、アルカリ金属過硫酸塩、又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の形で含有し、場合により0〜15質量%、有利に0.1〜15質量%、特に0.5〜8質量%の漂白活性剤と組み合わせて含有する。
【0156】
適当な漂白活性剤は次のものである:
− ポリアシル化糖、例えば、ペンタアセチルグルコース;
− アシルオキシベンゼンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム−p−ノナノイルオキシベンゼンスルホネート又はナトリウム−p−ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート;
− N,N−ジアシル化及びN,N,N’,N’−テトラアシル化アミン、例えば、N,N,N’,N’−テトラアセチルメチレンジアミン及び−エチレンジアミン(TAED)、N,N−ジアセチルアニリン、N,N−ジアセチル−p−トルイジン又は1,3−ジアシル化ヒダントイン、例えば1,3−ジアセチル−5,5−ジメチルヒダントイン;
− N−アルキル−N−スルホニルカルボキサミド、例えば、N−メチル−N−メシルアセタミド又はN−メチル−N−メシルベンズアミド;
− N−アシル化環式ヒドラジド、アシル化トリアゾール又はウラゾール、例えば、モノアセチルマレイン酸ヒドラジド;
− O,N,N−三置換性ヒドロキシルアミン、例えば、O−ベンゾイル−N,N−スクシニルヒドロキシルアミン、O−アセチル−N,N−スクシニルヒドロキシルアミン又はO,N,N−トリアセチルヒドロキシルアミン;
− N,N’−ジアシルスルフリルアミド、例えば、N,N’−ジメチル−N,N’−ジアセチルスルフリルアミド又はN,N’−ジエチル−N,N’−ジプロピオニルスルフリルアミド;
− アシル化ラクタム、例えば、アセチルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム、ベンゾイルカプロラクタム又はカルボニルビスカプロラクタム;
− アントラニル誘導体、例えば、2−メチルアントラニル又は2−フェニルアントラニル;
− トリアシルシアヌレート、例えば、トリアセチルシアヌレート又はトリベンゾイルシアヌレート;
− オキシムエステル及びビスオキシムエステル、例えば、O−アセチルアセトンオキシム又はビスイソプロピルイミノカーボネート;
− 無水カルボン酸、例えば、無水酢酸、無水安息香酸、m−クロロ無水安息香酸又は無水フタル酸;
− エノールエステル、例えば、イソプロペニルアセテート;
− 1,3−ジアシル−4,5−ジアシルオキシイミダゾリン、例えば、1,3−ジアセチル−4,5−ジアセトキシイミダゾリン;
− テトラアセチルグリコールウリル及びテトラプロピオニルグリコールウリル;
− ジアシル化2,5−ジケトピペラジン、例えば、1,4−ジアセチル−2,5−ジケトピペラジン;
− アンモニウム置換ニトリル、例えば、N−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルスルフェート;
− プロピレンジ尿素と2,2−ジメチルプロピレンジ尿素とのアシル化生成物、例えば、テトラアセチルプロピレンジ尿素;
− α−アシルオキシポリアシルマロンアミド、例えば、α−アセトキシ−N,N’−ジアセチルマロンアミド;
− ジアシルジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、例えば、1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン;
− アルキル基、例えば、メチル基又は芳香族基、例えば、フェニルを2位に有するベンズ−(4H)1,3−オキサジン−4−オン;
− DE−A−10148577に記載されているようなカチオンニトリル。
【0157】
漂白剤と漂白活性剤とから成る上記の漂白系は、場合により更に漂白触媒を含有することができる。適切な漂白触媒の例は、例えばUS−A5360569及びEP−A453003に記載されているような4級化イミン及びスルホンイミンである。特に有効な漂白触媒は、例えばWO−A94/21777に記載されているマンガン錯体である。このような化合物を洗剤中で使用する場合には、多くとも1.5質量%までの量、特に0.5質量%までの量で加え、極めて活性なマンガン錯体の場合には、0.1質量%までの量で加える。他の適切な漂白触媒はWO99/19435に記載されている。
【0158】
使用可能なアリールイミドペルアルカン酸をベースとする他の漂白系は、EP−A−0325288及びEP−A−0490409に記載されている。
【0159】
漂白安定剤
これは、痕跡量の重金属を吸収、結合又は錯化できる添加物である。本発明により使用可能な漂白安定作用を有する添加物の例は、ポリアニオン性化合物、例えば、ポリホスフェート、ポリカルボキシレート、ポリヒドロキシポリカルボキシレート、完全又は部分的に中和されたアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩としての、特に比較的に弱い漂白安定剤である中性Na塩又はMg塩としての可溶性ケイ酸塩である。本発明により使用可能な強力な漂白安定剤は、例えば錯化剤であり、例えば、酸又は部分的にもしくは完全に中和されたアルカリ金属塩の形のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、β−アラニン二酢酸(ADA)、エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸(EDDS)及びホスホネート、例えば、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート又はヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸である。錯化剤は、そのナトリウム塩の形で使用するのが有利である。
【0160】
上記の漂白剤、漂白活性剤及び場合により漂白触媒から成る漂白系と同様に、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤には、酵素的過酸化物遊離を伴う系の使用又は光学活性漂白系の使用も可能である(例えばUS4033718を参照のこと)。
【0161】
一連の用途に関して、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤が酵素を含有するのが有効である。有利に洗剤中で使用される酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ及びセルラーゼである。酵素の有利な量は、既成の酵素の0.1〜1.5質量%、特に有利に0.2〜1.0質量%である。適切なプロテアーゼの例は、サビナーゼ及びエスペラーゼである。適切なリパーゼは、例えばリポラーゼである。適切なセルラーゼは、例えばセルザイムである。漂白系を活性化するためのペルオキシダーゼの使用も可能である。個々の酵素又は種々の酵素の組合せを使用することもできる。場合により、本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤は、酵素安定剤、例えば、カルシウムプロピオネート、ナトリウムホルミエート又はホウ酸又はその塩及び/又は酸化防止剤を含有することもできる。
【0162】
洗剤の成分は原則的に当業者に公知である。適切な成分の上記及び下記の一覧は、適切な公知成分の単に例示的な一部を示すに過ぎない。
【0163】
本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤は、これまでに挙げた主成分の他に、更に以下の慣用の添加物を、このために通常の量で含有することができる:
公知の分散剤、例えば、ナフタリンスルホン酸縮合物又はポリカルボキシレート、汚れ運搬剤、ソイルリリース剤、例えば、ポリエーテルエステル、被膜形成阻害剤、pH−調整化合物、例えば、アルカリもしくはアルカリ供与体(NaOH、KOH、ペンタメタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム)又は酸(塩酸、リン酸、アミド硫酸、クエン酸)、緩衝系、例えば、アセテート又はホスフェート緩衝液、イオン交換体、芳香剤、染料、灰色化防止剤、光学(蛍光)増白剤、色移り防止剤、例えばポリビニルピロリドン、殺生剤、例えばイソチアゾリノン又は2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、溶解促進剤もしくは可溶化剤としてのヒドロトロープ化合物、例えば、クメンスルホネート、トルエンスルホネート、短鎖脂肪酸、尿素、アルコール又はリン酸アルキル/アリールエステル、泡を安定化又は抑制するための泡調節剤、例えば、シリコーン油、皮膚保護剤及び腐食防止剤、殺菌化合物又は系、例えば、塩素又は次亜塩素酸を放出するもの、例えばジクロロイソシアヌレート又はヨウ素を含有するもの、増粘剤及び増量剤並びに工程剤。
【0164】
灰色化防止剤及びソイルリリースポリマー
洗剤に適切なソイルリリースポリマー及び/又は灰色化防止剤は、例えば次のものである:
エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールを有するポリエチレンオキシドと芳香族ジカルボン酸又は芳香族及び脂肪族ジカルボン酸とのポリエステル;
2価及び/又は多価アルコールを有する片側末端がキャップされたポリエチレンオキシドとジカルボン酸とから成るポリエステル。
【0165】
このようなポリエステルは、例えば、US−A3557039、GB−A1154730、EP−A−185427、EP−A−241984、EP−A−241985、EP−A−272033及びUS−A5142020から公知である。
【0166】
他の適切なソイルリリースポリマーは、ポリアルキレンオキシドにグラフトしたビニルエステル及び/又はアクリルエステルの両性グラフトポリマー又はコポリマー(US−A4746456、US−A4846995、DE−A3711299、US−A4904408、US−A4846994及びUS−A4849126を参照のこと)又は変性セルロース、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はカルボキシメチルセルロースである。
【0167】
色移り防止剤
色移り防止剤として、例えば、分子量15000〜100000を有するビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリドン及び4−ビニルピリジン−N−オキシドのホモポリマー及びコポリマー、並びにこれらのモノマーをベースとする微細な架橋ポリマーが使用される。このようなポリマーの使用は公知である(DE−B−2232353、DE−A−2814287、DE−A−2814329及びDE−A−4316023を参照のこと)。
【0168】
適切なポリビニルピリジンベタインは、例えば、Tai, Formulating Detergents and Personal Care Products, AOCS Press, 2000, 第113頁に記載されている。
【0169】
家庭での織物洗濯用洗剤及び洗浄剤中で使用する他に、本発明により使用可能な洗剤組成物は、産業用の織物洗濯及び産業用の洗浄の分野でも使用可能である。通常、これらの適用分野では、過酢酸が漂白剤として使用され、これは洗浄液に水溶液として添加される。
【0170】
織物洗剤における使用
本発明による典型的な粉末状又は顆粒状の強洗浄用洗剤は、例えば以下の組成を有する:
− 本発明による少なくとも1種の補助界面活性剤(アルキルグリシドールカーボネート、Ic)を含めて、少なくとも1種のアニオン性及び/又は非イオン性界面活性剤0.5〜50質量%、有利に5〜30質量%、
− 少なくとも1種の無機ビルダー0.5〜60質量%、有利に15〜40質量%、
− 少なくとも1種の有機補助ビルダー0〜20質量%、有利に0.5〜8質量%、
− 無機漂白剤2〜35質量%、有利に5〜30質量%、
− 場合により他の漂白活性剤との混合物の形での漂白活性剤0.1〜20質量%、有利に0.5〜10質量%、
− 漂白触媒0〜1質量%、有利に多くとも0.5質量%まで、
− ポリマーの色移り防止剤0〜5質量%、有利に0〜2.5質量%、
− プロテアーゼ0〜1.5質量%、有利に0.1〜1.0質量%、
− リパーゼ0〜1.5質量%、有利に0.1〜1.0質量%、
− ソイルリリースポリマー0〜1.5質量%、有利に0.2〜1.0質量%、
慣用の助剤及び添加物及び水 100%まで。
【0171】
有利に洗剤中で使用される無機ビルダーは、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ゼオライトA及びP並びに非晶質及び結晶質のケイ酸ナトリウム並びにフィロケイ酸塩である。
【0172】
有利に洗剤中で使用される有機補助ビルダーは、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、アクリル酸/マレイン酸/ビニルエステルターポリマー及びクエン酸である。
【0173】
有利に洗剤中で使用される無機漂白剤は、過ホウ酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム過水和物である。
【0174】
有利に洗剤中で使用されるアニオン性界面活性剤は、直鎖及びわずかに分枝したアルキルベンゼンスルホネート(LAS)、脂肪アルコールスルフェート/エーテルスルフェート及び石鹸である。
【0175】
有利に洗剤中で使用される酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼである。市販の酵素に関しては、一般に、既成の酵素0.05〜2.0質量%、有利に0.2〜1.5質量%の量が洗剤に添加される。適切なプロテアーゼは、例えば、サビナーゼ、デサザイム(Desazym)及びエスペラーゼである。適切なリパーゼは、例えばリポラーゼである。適切なセルラーゼは、例えばセルザイムである。
【0176】
有利に洗剤中で使用されるソイルリリースポリマー及び灰色化防止剤は、重量比1.2:1〜3.0:1で分子量2500〜8000のポリエチレンオキシドにグラフトした酢酸ビニルのグラフトポリマー、分子量750〜5000のポリエチレンオキシドとテレフタル酸とエチレンオキシドとから成る、分子量3000〜25000のポリエチレンテレフタレート/オキシエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート:ポリオキシエチレンテレフタレートのモル比8:1〜1:1)、並びにDE−A−4403866によるブロック重縮合物である。
【0177】
有利に洗剤中で使用される色移り防止剤は、分子量5000以上の可溶性NVPホモポリマー及び/又はビニルピロリドンコポリマー及びビニルイミダゾールコポリマーである。
【0178】
洗剤はしばしば固形、粉末の形で存在し、通常は更に、洗剤に良好な流動性、計量供給性及び溶解性を付与し、かつ硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムのようなケーキングや塵を防止する慣用の増量剤を含有する。
【0179】
本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する粉末状又は顆粒状の洗剤は、無機増量剤60質量%までを含有できる。しかしながら、前記洗剤は増量剤を少なく含有する方が有利であり、20質量%まで、特に有利には8質量%までだけの増量剤を含有する。
【0180】
本発明により使用することができる補助界面活性剤を含有する洗剤は、300〜1200、特に500〜950g/lの範囲内の種々の嵩密度を有することができる。現在のコンパクト洗剤は通常高い嵩密度を有し、顆粒構造である。コンパクト洗剤又は超コンパクト洗剤並びに押出物は、>600g/lの嵩密度を有する。これらは、ますます重要性を増している。
【0181】
これらを液状で使用すべき場合には、水性マイクロエマルション、エマルション又は溶液の形で存在してよい。液体洗剤では、付加的に、溶剤、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロピレングリコール、又はブチルグリコールを使用することができる。
【0182】
ゲル状の洗剤の場合には、付加的に増粘剤、例えば、多糖類及び/又は弱く架橋したポリカルボキシレート(例えば、Goodrich社のCarbopol(R))を使用することができる。
【0183】
錠剤形の洗剤の場合には、幾つかの例を挙げるに過ぎないが、付加的に錠剤補助剤、例えば、分子量>1000g/モルのポリエチレングリコール、ポリマー分散液、及び錠剤崩壊剤、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリレート、又は酸からなる組合せ、例えば、クエン酸+炭酸水素ナトリウムが必要である。
【0184】
本発明は更に、洗剤を製造する際の混合物の使用を提供する。
【0185】
”家庭用洗浄剤”又は”洗浄剤”という用語は、本発明に関連して、一般に硬質表面を洗浄するために使用される配合物であると解釈される。これらは、液体、ゲル、ペーストで、又は固形である。固形の材料には、粉末及び圧縮物、例えば顆粒及び成形体、例えば錠剤が含まれる。例には、手洗い用食器洗剤、食器洗い機用洗剤、金属脱脂剤、ガラス用洗浄剤、床用洗浄剤、多目的用洗浄剤、高圧洗浄剤、アルカリ洗浄剤、酸性洗浄剤、噴霧脱脂剤、酪農用洗浄剤、椅子張り用洗浄剤、プラスチック洗浄剤及び浴槽洗浄剤が含まれる。これらは、全体の配合物に対して、式I及び/又はIIの少なくとも1種の物質を0.01〜40質量%、有利に0.1〜25質量%含有する。他の成分を以下に記載する。
− 上記の”洗剤”で記載したようなイオン性界面活性剤、例えば、アルコールスルフェート/エーテルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、スルホスクシネート
− 上記の”洗剤”で記載したような非イオン性界面活性剤、例えば、アルコールアルコキシレート、アルキルアミンアルコキシレート、アルキルアミドエトキシレート、アルキルポリグリコシド
− 上記の”洗剤”で記載したような両性界面活性剤、例えば、アルキルアミンオキシド、ベタイン
− 上記の”洗剤”で記載したようなビルダー、例えば、ポリホスフェート、ポリカルボキシレート、ホスホネート、錯化剤、例えば、メチルグリシン二酢酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸及びその塩
− 上記の”洗剤”で記載したような分散剤、例えば、ナフタレンスルホン酸縮合物、ポリカルボキシレート
− pH調整化合物、例えば、アルカリ(NaOH、KOH、ペンタメタケイ酸ナトリウム)又は酸(塩酸、リン酸、アミド硫酸、クエン酸)
− 酵素、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、
− 芳香剤
− 染料
− 上記の”洗剤”で記載したような殺生剤、例えば、イソチアゾリノン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール
− 上記の”洗剤”で記載したような、漂白剤、例えば過ホウ酸塩、過炭酸塩等と、漂白活性剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミンと漂白安定剤とから成る漂白系
− 可溶化剤、例えば、クメンスルホネート、トルエンスルホネート、短鎖脂肪酸、リン酸アルキル/アリールエステル
− 溶剤、例えば、短鎖アルキルオリゴグリコール、例えば、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、芳香族溶剤、例えば、トルエン、キシレン、N−アルキルピロリドン、アルキレンカーボネート。
【0186】
硬質表面用の洗浄剤の成分は、原則的に当業者に公知である。上記の列挙は、成分の単に例示的な一部を示すに過ぎない。
【0187】
硬質表面用の洗浄剤は、次のものに限定されるわけではないが、通常は水性であり、かつマイクロエマルション、エマルション又は溶液の形で存在する。
【0188】
前記の洗浄剤が固体、粉末状の形で存在する場合には、付加的に増量剤、例えば硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等を使用することができる。
【0189】
錠剤形の洗剤の場合には、幾つかの例を挙げるに過ぎないが、付加的に錠剤補助剤、例えば、分子量>1000g/モルのポリエチレングリコール、ポリマー分散液等、及び錠剤崩壊剤、例えば、セルロース誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋ポリアクリレート、又は酸の組合せ、例えば、クエン酸+炭酸水素ナトリウムが必要である。
【0190】
本発明の特に有利な実施態様において、洗浄剤は手洗い用食器洗剤である。従って本発明は更に、一般式Icの少なくとも1種のアルキルグリシドールカーボネートを補助界面活性剤として含有する手洗い用食器洗剤、並びに、手洗い用食器洗剤における補助界面活性剤としての一般式Icのアルキルグリシドールカーボネートの使用を提供する。
【0191】
ボディーケア分野からの製品は、例えば、シャンプー、シャワージェル及びバスジェル、シャワーローション及びバスローション、リップスティック及びケア特性及び/又はコンディショニング特性を有する化粧品配合物、例えば、スタイリング製品である。例としては、ヘアフォーム、ヘアジェル、ヘアスプレー又は後処理剤、例えば、ヘアトニック、ローション、トリートメントリンス、トリートメントパック、枝毛用液、髪補修剤、”ホットオイルトリートメント”、シャンプー、液体石鹸、ケアクリーム、整髪剤、髪染め剤及びパーマ液である。ボディーケア製品中で使用する場合には、式Iの物質は、界面活性剤混合物の生理学的刺激作用が緩和され、粘膜が保護されるという利点を有する。
【0192】
本発明は更に、洗浄用界面活性剤としての式Ia
[式中、
A及びBの双方はOH基である]
の化合物の使用を提供する。
【0193】
本発明は更に、増粘剤としての、式IIIaの化合物の使用を提供する。
【0194】
本発明を以下の実施例で説明する。
【実施例】
【0195】
1.式Iのクロロヒドリン
【0196】
【化21】

【0197】
まず、2−プロピルヘプタノール316g(2モル)を室温でBF−ジエチルエーテラート錯体1gと一緒に装入した。混合物を50℃に加熱し、4時間に亘り、エピクロロヒドリン186g(2モル)を計量供給した。混合物を50℃で更に30分間後撹拌し、引き続き室温に冷却させた。分析(GC/MS)によれば、所望の生成物は合成の主要な生成物(約60%)であった。蒸留による後精製が可能である。
【0198】
2.式Idのエポキシド
【0199】
【化22】

【0200】
(水中の)25%NaOH159g(1.0モル)を室温で慎重に滴下しながらクロロヒドリン125.3g(0.5モル)に添加した。この添加の間、混合物をゆっくりと50℃に加熱した。添加が完了した時、混合物を更に100℃に加熱し、この温度で15分間撹拌した。混合物を室温に冷却した後、2つの相を分離した。上方の相は所望の生成物を含有しており、これを蒸留により精製することができた。収率:99%
3.式Iaのジオール
【0201】
【化23】

【0202】
N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサン−ジアミノコバルト(II)1.55g(0.0026モル)をトルエン3ml中に最初に導入した。これに濃酢酸30mlを添加し、混合物を開口フラスコ中で室温で1時間撹拌した。その後、トルエンを50℃で25ミリバールで除去し、残留物を減圧下で30分間乾燥した。エポキシド35g(0.128モル)を添加し、これに水3.8g(0.21モル)を<30℃で滴下しながら添加した。混合物を室温に冷却し、この温度で一晩撹拌した。その後、褐色の粘性液体を蒸留し、所望の生成物28gが90%を上回る純度で得られた。
【0203】
4.式Icのアルキルグリシドールカーボネート
前記生成物から式Iのアルキルグリシドールカーボネートへの変換を、WO9800418に記載されている通りに行うことができる。
【0204】
【化24】

【0205】
エポキシド(40g、0.15モル)を室温で触媒(0.42g)と一緒にアセトン中に最初に導入した。炭酸塩形成のための触媒は、例えばPaddock, Nguyen, J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 11498; Kisch, Millini, Wang, Chem. Ber. 1986, 119 (3).1090; Baba, Nozaki. Matsuda, Bull. Chem. Soc. Jpn. 1987. 60 (4).1552; Lermontov, Velikokhat'ko, Zavorin, Russ. Chem. Bull. 1998, 47 (7), 1405; Rokicki, Kuran, Pogorzelska-Marciniak, Monatshefte fuer Chemie 1984, 115, 205に記載されている。混合物を加圧オートクレーブ中で110℃に加熱し、14バールの圧力でCOを噴射した。この圧力を11時間維持し、その後、系を50℃に冷却し、放圧した。全ての揮発性成分をロータリーエバポレーター上で分離し、所望の生成物を蒸留の塔底生成物として得た。
【0206】
5.式Iaのジオール及びグリシドールをモル過剰で使用した2−プロピルヘプタノールとグリシドールとの反応生成物
キシレン(異性体混合物)235gと混合された2−プロピルヘプタノール316g(2モル)及び三フッ化ホウ素エーテラート2mlを撹拌しながら80℃に加熱した。この温度でグリシドール(96%)77.0g(1モル)を4時間に亘って添加し、混合物をこの温度で更に1時間撹拌し、その後、室温に冷却して濾過した。水を添加し、その後、キシレン/水混合物をロータリーエバポレータで55℃で減圧下で蒸発させた。蒸留の終了近くに混合物を75℃で加熱し、キシレンを完全に除去した。
【0207】
引き続き、過剰の2−プロピルヘプタノールも蒸留により除去した。モノアダクト(式Iのジオール)と同様に、残留物はグリシドールと2−プロピルヘプタノールとの高度のアダクト(反応生成物)をも含有していた。
【0208】
同様の方法に従って化学量論の変法によって、より高い平均グリシドール率を有する生成物に到達することができる。以下のものを合成した:
2−プロピルヘプタノール:グリシドール=1:1.5
2−プロピルヘプタノール:グリシドール=1:2
2−プロピルヘプタノール:グリシドール=1:2.7
6.適用
a)補助界面活性剤としての式Iによるアルキルグリシドールカーボネート(実施例4)の使用
手洗い用食器洗剤
Lutensit(R) ALBN50 (BASF社、アルキルベンゼンスルホネート、濃度50%)30質量%、Lutensol(R)AO7(BASF社、C13/15−アルコールエトキシレート、7エチレンオキシド、濃度100%)10質量%、2−プロピルヘプチルグリシドールカーボネート(式Icのアルキルグリシドールカーボネート)3質量%を含有しているモデル配合物を、種々の量のLutensol(R)A3N(BASF社、C12,14−アルコールエトキシレート、3EO、濃度100%)と混合する。生じた混合物をウベローデ粘度計、スピンドル3、剪断速度3s−1で試験する。並行試験では、反応生成物をMazox(R)LDA(ラウリルアミンオキシド、濃度100%、BASF Corporation製)及び水に代えた、相応する界面活性剤混合物を試験した。結果を表にまとめる。粘度の増大は、本発明による生成物の場合に最も顕著であった。
【0209】
【表1】

【0210】
b)補助界面活性剤としての式Icによるアルキルグリシドールカーボネート(実施例4)の使用
手洗い用食器洗剤
2−プロピルヘプチルグリシドールカーボネート(式Icのアルキルグリシドールカーボネート)を用いた泡安定化
Lutensit(R) ALBN50 (アルキルベンゼンスルホネート、濃度50%)30質量%、Lutensol(R)AO7(C13/15−アルコールエトキシレート、7エチレンオキシド、濃度100%)10質量%、2−プロピルヘプチルグリシドールカーボネート(式Iのアルキルグリシドールカーボネート)3質量%及びLutensol A3N(C12,14−アルコールエトキシレート、3EO、濃度100%)3質量%を含有しているモデル配合物を、界面活性剤が2質量%となるように希釈する。ビーカー(5リットル容量、2リットルまで満たす)中で、前記の界面活性剤溶液を撹拌することにより発泡させる。安定した状態になった時に、泡が消えるまで新鮮なオリーブ油を滴加する。このために必要な油の量は、泡の安定性の指標である。並行試験では、反応生成物をMazox(R)LDA(ラウリルアミンオキシド、濃度100%)及び水に代えた、相応する界面活性剤混合物を試験した。結果を表にまとめる。
【0211】
【表2】

【0212】
c)卓越した油剥離能力を有する界面活性剤(洗浄用界面活性剤)としての式Iaのジオールの使用
油約0.1gを、秤量したステンレス鋼板上に置く。この板を秤量し、式Iのジオールを1g/l含有する溶液中に置く。最初の油滴が剥離された時間を、界面活性剤(式Iのジオール)が作用する速度の基準として測定する。25分後、板を取り除き、乾燥させ、再度秤量する。先行の秤量値との差異から、剥離された油の量を測定することができ、これを油剥離能力とする。適切な標準界面活性剤と比較した、式Iのジオール(実施例5により製造したもの)の効果を表に示す。
【0213】
【表3】

【0214】
d)増粘剤としての、比較的高い平均グリシドール含分を有する式IIIaの反応生成物(実施例5により製造したもの)の使用
種々のモル比での2−プロピルヘプタノールとグリシドールとの反応生成物(実施例5を参照のこと)を、エトキシル化されたC13,15−アルコール(7EO)(Lutensol(R)AO7、BASF社)の5質量%の濃度の溶液に添加した。60l/sでスピンドル3を用いてブルックフィールド法により粘度を測定した。
【0215】
【表4】

【0216】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
AはOH基であり、かつ
BはOH基又はハロゲン原子であるか、又は
A及びBは一緒になって式
【化2】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部であるか、又は一緒になって式
【化3】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
かつ、
11は非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基か、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、
その際、
【化4】

は他の原子への結合である]
の化合物。
【請求項2】
11が非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、該混合物が、非分枝鎖n−C11−アルキル基を70〜99質量%含有し、分枝鎖C11−アルキル基、有利にCCH(CH)CH及び/又はCHCH(CH)CHCHを1〜30質量%含有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
A及びBが一緒になって式
【化5】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
A及びBの双方がOH基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
請求項4記載の化合物1モル当量と1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量との反応により製造することができる反応生成物。
【請求項6】
反応生成物が式
【化6】

[式中、
【化7】

は他の炭素原子への結合である]
の構造単位を1〜11個、有利に1〜5個、殊に有利に1〜2.5個含有する、請求項5記載の反応生成物。
【請求項7】
AはOH基であり、Bはハロゲン原子である請求項1記載の化合物1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン0〜10モル当量との反応により製造することができる反応生成物。
【請求項8】
反応生成物が式
【化8】

[式中、
【化9】

は他の原子への結合である]
の構造単位を1〜11個、有利に1〜5個、殊に有利に1〜2.5個含有する、請求項7記載の反応生成物。
【請求項9】
2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとをルイス酸の存在下で反応させることによる、式I
【化10】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子であり、
11は非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基であるか、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物である]
の化合物の製造法。
【請求項10】
式I
[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子である]
の化合物と塩基とを反応させることによる、式I
【化11】

[式中、
A及びBは一緒になって式
【化12】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化13】

は他の炭素原子への結合である]
の化合物の製造法。
【請求項11】
式I
[式中、
A及びBは一緒になって式
【化14】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化15】

は他の原子への結合である]
の化合物を触媒の存在下で加水分解することによる、請求項4記載の化合物の製造法。
【請求項12】
2−プロピルヘプタノールと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンとの反応による、請求項4、5又は6のいずれか1項記載の化合物の製造法。
【請求項13】
2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリンとの反応による、AがOH基でありBがハロゲン原子、有利にCl原子である請求項1記載の化合物、請求項8又は9記載の化合物の製造法。
【請求項14】
請求項4記載の化合物とホスゲンとの反応による、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項15】
式I
[式中、
A及びBは一緒になって式
【化16】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化17】

は他の原子への結合である]
の化合物とCOとを触媒の存在下で反応させることによる、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項16】
請求項4記載の化合物1モル当量と1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン1〜10モル当量との反応による、請求項5及び6の双方に記載の反応生成物の製造法。
【請求項17】
AがOH基でありBがハロゲン原子である請求項1記載の化合物1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン、有利にエピクロロヒドリン1〜10モル当量との反応による、請求項7及び8の双方に記載の反応生成物の製造法。
【請求項18】
請求項3記載の化合物の製造法において、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとを反応させ、式I
【化18】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子である]
の化合物を形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物と塩基とを反応させ、式I
[式中、
A及びBは一緒になって式
【化19】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、その際、
【化20】

は他の原子への結合である]
の化合物を形成する工程、
及び
c)工程b)で形成された化合物を加水分解し、請求項4記載の化合物を形成する工程、
d)工程d)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程;
又は
e)工程b)で形成された化合物とCOとを触媒の存在下で反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程
の全てか又は2つ以上を含むことを特徴とする、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項19】
請求項3記載の化合物の製造法において、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)とを反応させ、請求項4記載の化合物を形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程
を含むことを特徴とする、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項20】
補助界面活性剤としての、請求項3記載の化合物又は請求項3記載の化合物の混合物の使用。
【請求項21】
増粘剤としての、請求項5から8までのいずれか1項記載の化合物又は請求項5から8までのいずれか1項記載の化合物の混合物の使用。
【請求項22】
洗浄用界面活性剤としての、請求項4記載の化合物の使用。
【請求項23】
請求項3から8までのいずれか1項記載の少なくとも1種の化合物を含有する、家庭用洗剤、家庭用洗浄剤、ボディー用洗浄剤又はボディケア剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
AはOH基であり、かつ
BはOH基又はハロゲン原子であるか、又は
A及びBは一緒になって式
【化2】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部であるか、又は一緒になって式
【化3】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
かつ、
11は非分枝鎖又は分枝鎖C11−アルキル基か、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、
その際、
【化4】

は他の原子への結合である]
の化合物。
【請求項2】
11が非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物であり、該混合物が、非分枝鎖n−C11−アルキル基を70〜99質量%含有し、分枝鎖C11−アルキル基、有利にCCH(CH)CH及び/又はCHCH(CH)CHCHを1〜30質量%含有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
A及びBが一緒になって式
【化5】

の基を表す、即ち、同一の環式カーボネート環の一部である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
A及びBの双方がOH基である、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項5】
請求項4記載の化合物1モル当量と1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量との反応により製造することができる反応生成物。
【請求項6】
反応生成物が式
【化6】

[式中、
【化7】

は他の炭素原子への結合である]
の構造単位を1〜11個、有利に1〜5個、殊に有利に1〜2.5個含有する、請求項5記載の反応生成物。
【請求項7】
AはOH基であり、Bはハロゲン原子である請求項1記載の化合物1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン0〜10モル当量との反応により製造することができる反応生成物。
【請求項8】
反応生成物が式
【化8】

[式中、
【化9】

は他の原子への結合である]
の構造単位を1〜11個含有する、請求項7記載の反応生成物。
【請求項9】
2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとをルイス酸の存在下で反応させることによる、式I
【化10】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子であり、
11は非分枝鎖C11−アルキル基又は分枝鎖C11−アルキル基であるか、又は非分枝鎖C11−アルキル基と分枝鎖C11−アルキル基との混合物である]
の化合物の製造法。
【請求項10】
AがOH基であり、Bがハロゲン原子である式Iの化合物と塩基とを反応させることによる、式I
【化11】

[式中、
A及びBは一緒になって式
【化12】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化13】

は他の炭素原子への結合である]
の化合物の製造法。
【請求項11】
A及びBが一緒になって式
【化14】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化15】

は他の原子への結合である式Iの化合物を触媒の存在下で加水分解することによる、請求項4記載の化合物の製造法。
【請求項12】
2−プロピルヘプタノールと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパンとの反応による、請求項4、5又は6のいずれか1項記載の化合物の製造法。
【請求項13】
2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとの反応による、AがOH基でありBがハロゲン原子、有利にCl原子である請求項1記載の化合物、請求項8又は9記載の化合物の製造法。
【請求項14】
請求項4記載の化合物とホスゲンとの反応による、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項15】
A及びBが一緒になって式
【化16】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、
その際、
【化17】

は他の原子への結合である式Iの化合物とCOとを触媒の存在下で反応させることによる、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項16】
請求項4記載の化合物1モル当量と1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン1〜10モル当量との反応による、請求項5又は6記載の反応生成物の製造法。
【請求項17】
AがOH基でありBがハロゲン原子である請求項1記載の化合物1モル当量と、1−ハロ−2,3−エポキシプロパン1〜10モル当量との反応による、請求項7又は8記載の反応生成物の製造法。
【請求項18】
請求項3記載の化合物の製造法において、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールと1−ハロ−2,3−エポキシプロパンとを反応させ、式I
【化18】

[式中、
AはOH基であり、
Bはハロゲン原子である]
の化合物を形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物と塩基とを反応させ、
A及びBが一緒になって式
【化19】

の基を表す、即ち、同一のエポキシ環の一部であり、その際、
【化20】

は他の原子への結合である式Iの化合物を形成する工程、
及び
c)工程b)で形成された化合物を加水分解し、請求項4記載の化合物を形成する工程、
d)工程d)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程;
又は
e)工程b)で形成された化合物とCOとを触媒の存在下で反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程
の全てか又は2つ以上を含むことを特徴とする、請求項3記載の化合物の製造法。
【請求項19】
請求項3記載の化合物の製造法において、以下の工程:
a)2−プロピルヘプタノールと1−ヒドロキシ−2,3−エポキシプロパン(グリシドール)とを反応させ、請求項4記載の化合物を形成する工程、
b)工程a)で形成された化合物とホスゲンとを反応させ、請求項3記載の所望の化合物を形成する工程
を含むことを特徴とする、請求項3記載の化合物の製造法。

【公表番号】特表2006−501288(P2006−501288A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540764(P2004−540764)
【出願日】平成15年10月1日(2003.10.1)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010887
【国際公開番号】WO2004/031111
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【Fターム(参考)】