説明

5−HT5A受容体アンタゴニストとしてのキノリン誘導体

本発明は、5−HT5A受容体アンタゴニストとしての一般式(I)[式中、R、R及びRは本明細書において定義するとおりである]で示される2−アミノキノリン誘導体、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−HT5A受容体アンタゴニストとしての2−アミノキノリン誘導体、それらの製造、それらを含有する医薬組成物、及び医薬としてのそれらの使用に関する。
【0002】
特に、本発明は、一般式(I):
【0003】
【化1】


[式中、
は、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHNR−Ar、−NRC(O)−Ar、−OCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、−NRC(O)O−Ar、−C(O)NRCH−Ar、−CHNRCH−Ar、−NHC(=N−Ar)−Ar、−NRCHCHCH−Ar、又は−NRCHCHO−Arであり、
は、−Ar、−CHR−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニル、
−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して水素である)、あるいは
−(CH−OR(ここで、mは、2〜6である)であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されているアリール又はヘテロアリールであり、
Bは、C1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ヒドロキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、ヒドロキシ、又はシアノで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−S(O)−C1−7−アルキル、
−NRii
−NRiiiS(O)iv
−NRiiiC(O)Riv
−C(O)NRiiiiv
−S(O)−NRiiiiv
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−C(O)R
シアノ、
ニトロ、
アリル、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキルであるか、あるいは
互いにオルト位の2つの残基Bは、式−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−O−C(Rvi−O−、−OCHCHO−、−OCH(Rvii)CH(Rviii)−の3〜4員架橋を形成し、
、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素、C1−7−アルキルであり;
、Rii、Riii、Riv、及びRは、それぞれ独立して水素、又はC1−7−アルキル、又は−(CH−C3−7−シクロアルキル(ここで、nは、0〜3である)であり;
vi、Rvii、及びRviiiは、それぞれ独立して水素、C1−4−アルキル又はハロゲンである]
で示される化合物又は薬学的に許容されうるその塩に関する。
【0004】
式(I)の化合物は、いくつかの不斉炭素原子を含みうる。従って、本発明は、それぞれの個々の鏡像異性体及びそれらの混合物、すなわち、それらの個々の光学異性体及びそれらの混合物を含む、式(I)の化合物のすべての立体異性形態を包含する。
【0005】
式(I)の化合物は、5−HT5A受容体に対して良好な親和性を有することが見出された。
【0006】
5−HT5A親和性を有する化合物は、うつ病(この用語は、双極性うつ病、単極性うつ病、精神病性特徴を有するか又は有しない単一又は再発性大うつ病エピソード、緊張病特徴、メランコリー特徴、非定型特徴又は分娩後発症、季節性情動障害及び気分変調、一般的病状(心筋梗塞、糖尿病、流産又は堕胎を含むが、それらに限定されない)から生じるうつ病性障害を含む)、不安障害(全般性不安及び社会不安障害を含む)、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、精神障害(統合失調症、統合失調感情障害、双極性疾患、躁病、精神病性うつ病、ならびに偏執症及び妄想を含むその他の精神病を含む)、疼痛(特に神経因性疼痛)、記憶障害(認知症、健忘障害及び加齢性記憶障害を含む)、摂食行動の障害(神経性及び神経性過食症を含む)、性機能障害、睡眠障害(概日リズムの障害、睡眠異常、不眠症、睡眠時無呼吸及びナルコレプシーを含む)、薬物乱用の禁断症状(例えば、コカイン、エタノール、ニコチン、ベンゾジアゼピン、アルコール、カフェイン、フェンシクリジン及びフェンシクリジン様化合物、アヘン剤(例えば、大麻、ヘロイン、モルヒネ、睡眠鎮静薬、アンフェタミン又はアンフェタミン関連薬物))、運動障害(例えば、パーキンソン病、パーキンソン病における認知症、神経遮断薬誘発パーキンソニズム及び遅発性ジスキネジア)、ならびに、その他の精神障害及び胃腸障害(例えば、過敏性腸症候群)の処置のための医薬の製造のために使用してもよい。
【0007】
神経伝達物質5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT、セロトニン)は、不安、睡眠調節、攻撃性、摂食及びうつ病を含む中枢神経系及び末梢における広範な生理学的及び病理学的過程を調節する(Hoyer et al., Pharmacol. Rev. 46, 157-204, 1994)。いくつかの5−HT受容体遺伝子の薬理学的特徴付け及び分子クローニングの両方は、5−HTが、受容体サブタイプの多重性を通じてその多様な生理作用を仲介することを明らかにしている。これらの受容体は、少なくとも2つの異なるタンパク質スーパーファミリーに属する:リガンド依存性イオンチャネル受容体(5−HT)及びGタンパク質共役7回膜貫通受容体(現在までに13個の異なる受容体がクローン化されている)。加えて、Gタンパク質共役受容体内で、セロトニンは、シグナル伝達メカニズムの配列を通じてその作用を発揮する。
【0008】
5−HT5A受容体は、13個のGタンパク質共役5−HT受容体の1つであり、そしてGi−a共役型であり、アデニル酸シクラーゼを阻害する。受容体タンパク質DNA配列は、いずれの以前に知られているセロトニン受容体のものとも密接に関連しておらず、最良の相同性はヒト5−HT1B受容体に対する35%である。それは、Gタンパク質共役受容体のものと一致して、7個の推定膜貫通領域を有する予測の357アミノ酸タンパク質をコードする。配列は、膜貫通ドメインVおよびVIの間にイントロンを含有することにより特徴付けられる(5-HT5A,; Barnes, N.M., & Sharp, T. (1999). A review of central 5-HT receptors and their function. Neuropharmacology 38, 1083-1152; Thomas D.R. 5-HT5A receptors as a therapeutic target. Pharmacol Ther. (2006), 111(3):707-14; Francken B.J., Jurzak M., Vanhauwe J.F., Luyten W.H., Leysen J.E. The human 5-HT5A receptor couples to Gi/Go proteins and inhibits adenylate cyclase in HEK 293 cells. Eur. J. Pharmacol. (1998), 361(2-3):299-309)。Thomasによる最近の概説(Pharmacology & Therapeutics, 111, 707-714; 2006)には、概日リズム、睡眠障害、気分障害、統合失調症、認知障害及び自閉症の処置のための5−HT5A受容体リガンドの潜在的な治療的有用性が記載されている。
【0009】
ヒト5−HT5A mRNAは、視床、辺縁皮質、腹外側扁桃体、海馬、及び視床下部のようなCNS領域に分布している(Pasqualetti, M., Ori, M., Nardi, I., Castagna, M., Cassano, G. B., & Marazziti, D. (1998). Distribution of the 5-HT5A serotonin receptor mRNA in the human brain. Mol Brain Res 56, 1-8)。これらのCNS領域のすべては、統合失調症及び不安の病理又は処置のいずれかに関係付けられている。受容体は、末梢器官においては検出されていないが(Rees, S., Dendaas, I., Foord, S., Goodson, S., Bull, D., Kilpatrick, G., et al. (1994). Cloning and characterisation of the human 5-HT5A serotonin receptor. FEBS Lett 355, 242-246)、それは、ラット上頸神経節(Wang, Z. Y., Keith, I. M., Beckman, M. J., Brownfield, M. S., Vidruk, E. H. and Bisgard, G. E. (2000) 5-HT5A receptors in the carotid body chemoreception pathway of rat. Neurosci. Lett. 278, 9-12)、及び脊髄後角において発現されており、このことは、中枢運動制御、痛覚及び自律神経機能、例えばストレス誘発尿失禁及び過活動膀胱における5−HT5A受容体の関与を示しうる(Doly, S., Fischer, J., Brisorgueil, M.-J., Verge, D. and Conrath M. 5-HT5A Receptor Localization in the Rat Spinal Cord Suggests a Role in Nociception and Control of Pelvic Floor Musculature The Journal of comparative neurology 476:316-329 (2004))。5−HT5A受容体遺伝子内のいくつかの共通の多型(例えば、−19G/C)の出現を研究する遺伝子関連研究は、双極性感情障害、単極性うつ病及び統合失調症との対立遺伝子関連を示す(Birkett, J.T., Arranz, M.J., Munro, J., Osbourn, S., Kerwin, R.W., Collier, D.A., 2000. Association analysis of the 5-HT5A gene in depression, psychosis and antipsychotic response. Neuroreport 11, 2017-2020)。加えて、多型Pro−15−Serの対立遺伝子関連が、日本人の統合失調症患者の大きな割合で見出された(Iwata, N., Ozaki, N., Inada, T., & Goldman, D. (2001). Association of a 5-HT5A receptor polymorphism, Pro15Ser, to schizophrenia. Mol Psychiatry 6, 217-219)。
【0010】
最近まで、5−HT5A受容体の薬理学的特徴付けは、利用可能な選択的リガンドの欠如に起因して制限されていた。しかし、2006年に、Garcia-Ladona, F.J. et al. 36th Annu. Meet. Soc. Neurosci. (2006), Oct 14-18, Atlanta, Abstract 33.1(WO 2005082871も参照のこと)は、特定の選択的5−HT5A受容体アンタゴニストが、破壊された社会的相互作用を逆転させながら、メタンフェタミン及びMK−801誘発自発運動亢進、アポモルヒネ誘発よじ登り(climbing)及びメスカリン誘発引っかき(scratching)に拮抗することにより統合失調症の動物モデルにおける抗精神病プロファイルを有するという前臨床証拠を報告した(Jongen-Relo et al., 2006)。裏付ける証明は、亜慢性A−763079処置後に観察される自発活性中脳ドーパミン作動性ニューロンの数における減少を含み、これは潜在的抗精神病薬様活性を示唆する。それらの5−HT5A受容体アンタゴニストが、mPFCにおけるAChレベルを上昇させることを示し(Drescher, K.U. et al. 36th Annu. Meet. Soc. Neurosci. (2006), Oct 14-18, Atlanta, Abstr. 33.2)、そして異なる精神障害、特に、統合失調症及び精神病に関連する認知障害に対する5−HT5A受容体アンタゴニストの潜在的有効性を示唆しているデータもまた提示された。Thomas et al. (2006)(SB-699551-A (3-cyclopentyl-N-[2-(dimethylamino)ethyl]-N-[(40-{[(2 phenylethyl)amino]methyl}-4 biphenylyl)methyl]propanamide dihydrochloride), a novel 5-ht5A receptor-selective antagonist, enhances 5-HT neuronal function: Evidence for an autoreceptor role for the 5-ht5A receptor in guinea pig brain. Neuropharmacology. 2006 Sep;51(3):566-77)は、5−CT誘発モルモット縫線ニューロン発射の5−HT5A受容体拮抗作用を実証し、そして受容体が抗不安薬及び抗うつ薬により生じるものと同様の効果を有してオートレセプターとしても作用しうることを暗示する微小透析データを最近公開した。行動データは、主に種の制限に起因して提供されていなかった。さらに、5−HT5A受容体は、概日タイミング回路網に関与することが知られている領域であるハムスター視交叉上核において発現されている(Duncan, M.J., Jennes, L., Jefferson, J.B., Brownfield, M.S. (2000). Localization of serotonin5A receptors in discrete regions of the circadian timing system in the Syrian hamster. Brain Research 869, 178-185)。5−HT5A及び5−HT両方の受容体の活性化は、概日時計の位相前進をインビトロで生じさせることができる(Sprouse J, Reynolds L, Braselton J, Schmidt A. Serotonin-induced phase advances of SCN neuronal firing in vitro: a possible role for 5-HT5A receptors? Synapse 2004 Nov; 54(2):111-8)。
【0011】
本発明に関して好ましい適応症は、不安、うつ病、睡眠障害及び統合失調症の処置である。
【0012】
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、1〜7個の炭素原子を含有している飽和直鎖又は分岐鎖基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等を意味する。好ましいアルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0013】
上記に定義されるアルキル又はC1−7−アルキル基は、1個以上のハロ、ヒドロキシ又はシアノで場合により置換されてもよく、あるいは、「ハロ−C1−7−アルキル」、「ヒドロキシ−C1−7−アルキル」、又は「シアノ−C1−7−アルキル」とも称される。それによって、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又はシアノ基に置き換えられる。
【0014】
従って、用語「ハロ−C1−7−アルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロに置き換えられた、上記に定義されるC1−7−アルキル基を意味する。ハロ−C1−7−アルキルの例は、1個以上のCl、F、Br又はI原子により置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、ならびに本明細書中の下記の実施例によって具体的に例証されている基を含むが、それらに限定されない。好ましいハロ−C1−7−アルキル基の中には、ジフルオロ−又はトリフルオロ−メチル又は−エチルがある。
【0015】
従って、用語「ヒドロキシ−C1−7−アルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ヒドロキシ基に置き換えられた、上記に定義されるC1−7−アルキル基を意味する。ヒドロキシ−C1−7−アルキルの例は、1個以上のヒドロキシ基、好ましくは1個のヒドロキシ基により置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、ならびに本明細書中の下記の実施例によって具体的に例証されている基を含むが、それらに限定されない。
【0016】
従って、用語「シアノ−C1−7−アルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、シアノ基に置き換えられた、上記に定義されるC1−7−アルキル基を意味する。シアノ−C1−7−アルキルの例は、1個以上のシアノ基、好ましくは1個のシアノ基により置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、ならびに本明細書中の下記の実施例によって具体的に例証されている基を含むが、それらに限定されない。
【0017】
用語「アルコキシ」は、アルキル残基が上記に定義されるとおりであり、そして酸素原子を介して結合している基、すなわち、基R’−O−(ここで、R’は、上記で定義されるアルキルである)を意味する。
【0018】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0019】
用語「アリール」は、単環又は二環の芳香族環からなる一価の環状芳香族炭化水素部分、例えばフェニル又ナフチルを意味する。アリールは、場合により本明細書中で記載されるように置換されている。
【0020】
用語「ヘテロアリール」は、N、O、又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである芳香族単環又は二環を意味する。好ましくは、単環ヘテロアリール環は、5又は6員であり、二環ヘテロアリール環は、9又は10員である。二環ヘテロアリール部分の1、2、3又は4個のヘテロ原子は、いずれか一方又は両方の環に位置する。5又は6員単環ヘテロアリールの例は、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、又はテトラゾリルを含むが、それらに限定されない。9又は10員二環ヘテロアリールの例は、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキシゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、又はプテリジニルを含むが、それらに限定されない。5又は6員単環ヘテロアリールの好ましい例は、テトラゾリル、[1,3,4]−オキサジアゾリル、[1,2,4]−オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、ピリジニル、又はピリミジニルである。9員二環ヘテロアリールの好ましい例は、ベンゾオキサゾリルである。ヘテロアリールは、場合により本明細書中で記載されるように置換されている。
【0021】
上記意義における用語「芳香族」は、ヒュッケル則に従う、環における電子六偶子の存在を意味する。
【0022】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、O又はSから選択される1又は2個のヘテロ原子を含有している一価の5〜7員飽和単環を指す。ヘテロシクロアルキル部分の例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピペリジン−2−オン、ピペラジニル及びピペラジン−2−オンである。好ましいヘテロシクロアルキル部分は、ピペリジニルである。
【0023】
用語「シクロアルキル」は、3〜7個の炭素原子の一価の炭素環式基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを指す。シクロプロピルが好ましい。
【0024】
場合による置換基の数を記載するために本明細書において使用される用語「1個以上」は、環に結合している水素原子が置き換えられうるほど多くの場合による置換基が可能であることを意味する。しかし、1、2又は3個の場合による置換基が好ましく、1又は2個の場合による置換基がさらに好ましい。
【0025】
用語「薬学的に許容されうる酸付加塩」は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0026】
詳細には、本発明は、一般式(I):
【化2】


[式中、
は、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHNR−Ar、−NRC(O)−Ar、−OCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、−NRC(O)O−Ar、−C(O)NRCH−Ar、−CHNRCH−Ar、−NHC(=N−Ar)−Ar、−NRCHCHCH−Ar、又は−NRCHCHO−Arであり、
は、−Ar、−CHR−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニル、
−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して水素である)、あるいは
−(CH−OR(ここで、mは、2〜6である)であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されているアリール又はヘテロアリールであり、
Bは、C1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ヒドロキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、ヒドロキシ、又はシアノで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−S(O)−C1−7−アルキル、
−NRii
−NRiiiS(O)iv
−NRiiiC(O)Riv
−C(O)NRiiiiv
−S(O)−NRiiiiv
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−C(O)R
シアノ、
ニトロ、
アリル、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキルであるか、あるいは
互いにオルト位の2つの残基Bは、式−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−O−C(Rvi−O−、−OCHCHO−、−OCH(Rvii)CH(Rviii)−の3〜4員架橋を形成し、
、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素、C1−7−アルキルであり;
、Rii、Riii、Riv、及びRは、それぞれ独立して水素、又はC1−7−アルキル、又は−(CH−C3−7−シクロアルキル(ここで、nは、0〜3である)であり;
vi、Rvii、及びRviiiは、それぞれ独立して水素、C1−4−アルキル又はハロゲンである]
で示される化合物又は薬学的に許容されうるその塩に関する。
【0027】
上記に示したとおり、本発明の2−アミノキノリンは、あるいは式(I’)で記載されてもよく、これはキノリンコアの2−アミノ位及び6位がそれぞれ、リンカーX及びZを有してまたは有しないでコアと結合している芳香族置換基Ar及びArを有することを示す:
【0028】
【化3】

【0029】
それによって、リンカーXは、−NR−、−NRCH−、−CHNR−、−NRC(O)−、−OCH−、−CHO−、−CHCH−、−CH=CH−、−NHC(O)NH−、−NHSONH−、−NRC(O)O−、−C(O)NRCH−、−CHNRCH−、−NHC(=N−Ar)−、−NRCHCHCH−、又は−NRCHCHO−から選択され、そしてArならびにR、R及びRは、本明細書中に定義したような意味を有する。
【0030】
さらに、リンカーZは、単結合、−CHR−、又は−CHCHO−で表され、Rは、水素又はC1−7−アルキル、好ましくは水素である。
【0031】
は、本明細書中に定義したとおりである。
【0032】
下記において、本発明の化合物は、式(I):
【0033】
【化4】


により記載される:
【0034】
本発明の特定の実施態様において、上述の式(I)の2−アミノキノリンのRは、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHNR−Ar、−NRC(O)−Ar、−OCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、−NRC(O)O−Ar、−C(O)NRCH−Ar、−CHNRCH−Ar、−NHC(=N−Ar)−Ar、−NRCHCHCH−Ar、又は−NRCHCHO−Arである。
【0035】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)の2−アミノキノリンのRは、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHNR−Ar、−OCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、−NRC(O)O−Ar、−NRCHCHCH−Ar、又は−NRCHCHO−Arである。
【0036】
また、本発明の好ましい実施態様は、Rが、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、又は−NRC(O)O−Arである式(I)の化合物を包含する。
【0037】
また、本発明の好ましい実施態様は、Rが、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHSONH−Ar、又は−NRC(O)O−Arである式(I)の化合物を包含する。
【0038】
すべてのこれらの実施態様において、R、R及びRは、それぞれ独立して水素又はC1−7−アルキルであり;好ましくは、R、R、及びRは水素である。
【0039】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−NH−Arである。
【0040】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−NHCH−Arである。
【0041】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−CHO−Arである。
【0042】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−CHCH−Arである。
【0043】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−CH=CH−Arである。
【0044】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−NHC(O)NH−Arである。
【0045】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−NHSONH−Arである。
【0046】
本発明の特定の実施態様において、式(I)の化合物のRは、−NHC(O)O−Arである。
【0047】
これらの実施態様のすべての組合せが本発明に包含されることを理解すべきである。
【0048】
本発明の特定の実施態様において、Arは、本明細書中に定義したようなアリール又はヘテロアリール部分であり、これもまた本明細書中に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている。
【0049】
好ましくは、Arは、フェニル、ナフチル、芳香族5もしくは6員単環ヘテロアリール又は芳香族9もしくは10員二環ヘテロアリールであり、それぞれN、O又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCである。さらに、Arは、本明細書中に定義したような1個以上のBにより場合により置換されている。
【0050】
Arの例は、本明細書中に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキシゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、又はプテリジニルである。
【0051】
Arの好ましい例は、本明細書中の上記に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている、フェニル、テトラゾリル、[1,3,4]−オキサジアゾリル、[1,2,4]−オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル又はベンゾオキサゾリルである。
【0052】
好ましい場合による置換基Bは:
1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、又はヒドロキシで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキル、好ましくは、ピペリジニル、あるいは、
−O−C(Rvi−O−架橋を形成している互いにオルト位の2つの残基Bであり;
ここで、Rは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、Rはメチルであり;
そして、ここで、Rviは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、Rviは水素である。
【0053】
さらに好ましい場合による置換基Bは:
1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、又はヒドロキシで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
3−7−シクロアルキル、または
ピペリジニルであり;
ここで、Rは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、Rはメチルである。
【0054】
本発明の特定の実施態様において、上記式(I)の2−アミノキノリンのRは、−Ar、−CHR−Ar、又は−CHCHO−Arである。それによって、Rは、水素又はC1−7−アルキルから選択される。好ましくは、Rは水素である。
【0055】
本発明の好ましい実施態様において、上記式(I)の2−アミノキノリンのRは、−CH−Ar又は−CHCHO−Arである。
【0056】
本発明の特定の実施態様において、Arは、本明細書中に定義したようなアリール又はヘテロアリール部分であり、これもまた本明細書中に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている。
【0057】
好ましくは、Arは、フェニル、ナフチル、芳香族5もしくは6員単環ヘテロアリール又は芳香族9もしくは10員二環ヘテロアリールであり、それぞれN、O又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCである。さらに、Arは、本明細書中に定義したような1個以上のBにより場合により置換されている。
【0058】
Arの例は、本明細書中に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている、フェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキシゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、又はプテリジニルである。
【0059】
Arの好ましい例は、本明細書中に定義したような、例えば、請求項1に定義したような1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されている、フェニル、テトラゾリル、[1,3,4]−オキサジアゾリル、[1,2,4]−オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル又はベンゾオキサゾリルである。
【0060】
Arのさらに好ましい例は、本明細書中に定義したような1個以上のBでそれぞれ場合により置換されている、フェニル、ピリジニル、又はフラニルである。
【0061】
好ましい場合による置換基Bは:
1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、又はヒドロキシで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキル、好ましくは、ピペリジニル、あるいは、
−O−C(Rvi−O−架橋を形成している互いにオルト位の2つの残基Bであり;
ここで、Rは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、Rはメチルであり;
そして、ここで、Rviは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、Rviは水素である。
【0062】
さらに好ましい場合による置換基Bは:
1−7−アルコキシ、
ハロ、
1個以上のハロで場合により置換されているC1−7−アルキル、又は
−O−C(Rvi−O−架橋を形成している互いにオルト位の2つの残基Bであり;
ここで、Rviは、上記に定義されたとおりであり、好ましくは、水素である。
【0063】
本発明の特定の実施態様において、上記式(I)の2−アミノキノリンのRは、
水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル又はピリジニル、
−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して水素である)、あるいは、−(CH−OR(ここで、mは、2〜6であり、そして、Rは、水素又はC1−7−アルキルであり、好ましくは、Rは、水素である)
である。
【0064】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)のRは、
水素、又は
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル又はピリジニル
である。
【0065】
本発明の好ましい実施態様において、式(I)のRは、水素である。
【0066】
上記の実施態様のすべてを互いに組み合わせうることを理解すべきである。
【0067】
そのような組合せの例として、本発明の好ましい実施態様の1つは、式(I):
【0068】
【化5】


[式中、
は、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、又は−NRC(O)O−Arであり、
は、−Ar、−CH−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニルであり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、フェニル、ナフチル、芳香族5もしくは6員単環ヘテロアリール又は芳香族9もしくは10員二環ヘテロアリールであり、それぞれN、O又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCであり、Ar及びArのそれぞれは、1個以上のBにより、場合によりそして独立して置換されており、
Bは、C1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ヒドロキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、ヒドロキシ、又はシアノで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−S(O)−C1−7−アルキル、
−NRii
−NRiiiS(O)iv
−NRiiiC(O)Riv
−C(O)NRiiiiv
−S(O)−NRiiiiv
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−C(O)R
シアノ、
ニトロ、
アリル、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキルであるか、あるいは
互いオルト位の2つの残基Bは、式−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−O−C(Rvi−O−、−OCHCHO−、−OCH(Rvii)CH(Rviii)−の3〜4員架橋を形成し、
、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素、C1−7−アルキルであり;
、Rii、Riii、Riv、及びRは、それぞれ独立して水素、又はC1−7−アルキル、又は−(CH−C3−7−シクロアルキル(ここで、nは、0〜3である)であり;
vi、Rvii、及びRviiiは、それぞれ独立して水素、C1−4−アルキル又はハロゲンである]
で示される化合物又は薬学的に許容されうるその塩に関する。
【0069】
本発明の好ましい化合物は、実施例に例示されるようなものである。
【0070】
N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
(2−メトキシ−ベンジル)−(6−フェネチル−キノリン−2−イル)−アミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
(2−メトキシ−ベンジル)−[6−((E)−2−ピリジン−3−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン、
N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
(2−メトキシ−ベンジル)−[6−(2−ピリジン−3−イル−エチル)−キノリン−2−イル]−アミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
4−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−6−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−&−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−6−2−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N−6−ピリジン−4−イルメチル−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン、
(2−メトキシ−ベンジル)−(6−フェノキシメチル−キノリン−2−イル)−アミン、
N6−ベンジル−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N6−ベンジル−N2−(3−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(3−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
1−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−3−(4−メトキシ−フェニル)−ウレア、
[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−カルバミン酸4−メトキシ−フェニルエステル、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−[(2−メトキシベンジル)アミノ]キノリン−6−イル}スルファミド、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリミジン−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−tert−ブチル−2H−テトラゾール−5−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(5−シクロプロピル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−オキサゾール−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
2−{3−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イルアミノ]−フェニル}−エタノール、又は
N2−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−N−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
から選択される化合物がさらに好ましい。
【0071】
本発明の式(I)の化合物、それらの出発物質、それらの薬学的に許容されうる塩、及びそられの光学異性体を、当技術分野で公知の方法により調製することができる。これらの方法を、経路1〜17において以下に記載する。例として、以下の工程の1つを含む方法を使用して、好ましい化合物のいくつかを調製しうる:
【0072】
式(I):
【0073】
【化6】

【0074】
[式中、
は、−NH−Ar、−NHCH−Ar、−NHCHCHCH−Ar、又は−NHCHCHO−Arであり、
は、−Ar、−CH−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニルであり、
そして、Ar及びArは、上記に定義したとおりである]
で示される化合物の調製方法であって、
【0075】
(a)式(1):
【0076】
【化7】


[式中、Halは、Cl又はBrである]
で示される化合物を、アミンR−NHと反応させて、
式(2):
【0077】
【化8】


で示される化合物を得る工程、
【0078】
(b)その後、アミンArNH、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHとパラジウム触媒置換反応を行う工程;
及び、所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容されうる酸付加塩に転換する工程を含む方法。
【0079】
生物学的試験:
前述のとおり、式(I)又は式(I’)の化合物及びそれらの薬学的に許容されうる付加塩は、価値のある薬学的特性を有する。本発明の化合物は、5−HT5A受容体に対して活性であり、それゆえ、うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、疼痛、記憶障害、認知症、摂食行動の障害、性機能障害、睡眠障害、薬物乱用の禁断症状、パーキンソン病のような運動障害、精神障害又は胃腸障害の処置に適切であることが見出された。
【0080】
試験の説明
H]LSD放射性リガンド結合アッセイを使用して、ヒト胎児腎臓−EBNA(HEK−EBNA)細胞において一過性に(cDNA)発現された5−HT5A受容体からの膜における、組換えヒト5−HT5A受容体に対する化合物の親和性を決定した。分析緩衝液は、1mM EGTA、10mM MgCl(pH7.4)及び10μMパージリンを含有するトリス(50mM)緩衝液からなった。結合アッセイを、最終容量200μlの緩衝液中の[H]LSD(約1nM)、膜タンパク質約2μg/ウェル、及びYsi−ポリ−l−リジンSPAビーズ0.5mgの存在下で96ウェルプレートにおいて実施した。非特異的結合を、メチオテピン2μMを使用して規定した。化合物を、10個の濃度で試験した。すべてのアッセイを、二連で行い、少なくとも2回繰り返した。アッセイプレートを、120分間室温でインキュベートし、その後遠心分離した。結合したリガンドを、Packard Topcountシンチレーションカウンターを使用して決定した。IC50値を、非線形曲線あてはめプログラムを使用して算出し、そしてKi値を、Cheng−Prussoffの式を使用して算出した。
【0081】
本発明による化合物のヒト5−HT5A受容体に対する親和性を、下記の表において例示する:
【0082】
【表1】

【0083】
式(I)の化合物及び式(I)の化合物の薬学的に許容されうる塩を、医薬として、例えば医薬調製物の形態で使用することができる。医薬調製物を、経口で、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬ゼラチンカプセル剤及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で投与することができる。しかし、投与を、直腸内に、例えば、坐剤の形態で、非経口で、例えば、注射液の形態で達成することもできる。
【0084】
式(I)の化合物を、医薬調製物の製造のための薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤のための担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0085】
さらに、医薬調製物は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変動させるための塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含むことができる。それらはまた、さらに他の治療上価値のある物質も含有することができる。
【0086】
式(I)の化合物又は薬学的に許容されうるその塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式(I)の化合物及び/又は薬学的に許容されうる酸付加塩の1種以上及び、所望により、他の治療上価値のある物質の1種以上を、治療上不活性な担体の1種以上と一緒に、ガレヌス投与形態にすることを含むその製造方法と同様に、本発明の目的である。
【0087】
本発明による最も好ましい適応症は、中枢神経系の障害、例えば、不安、うつ病、睡眠障害及び統合失調症の処置を含むものである。
【0088】
投与量を、広い限度内で変動させることができ、当然それぞれの特定の症例における個別の要求に対して調整しなければならない。経口投与の場合、成人用の投与量を、1日当たり一般式(I)の化合物約0.01mg〜約1000mg、又は薬学的に許容されうるその塩の対応する量で変動させることができる。1日投与量を、単回用量として又は分割用量で投与してよく、加えて、これが表示されていることが見出される場合、上限を超えることもできる。
【0089】
錠剤の処方(湿式顆粒化)
品目 成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1. 式(I)の化合物 5 25 100 500
2. 無水乳糖DTG 125 105 30 150
3. Sta-Rx 1500 6 6 6 30
4. 微晶質セルロース 30 30 30 150
5. ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0090】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、そして精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、そして3分間混合する;適切な圧縮機で圧縮する。
【0091】
カプセルの処方
品目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1. 式(I)の化合物 5 25 100 500
2. 含水乳糖 159 123 148 ---
3. トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4. タルク 10 15 10 25
5. ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0092】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、そして3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0093】
式(I)の化合物を、以下の記載に示されているとおり調製しうる:
【0094】
化合物の化学合成
実施例1〜104及び以下のスキーム1〜17において、式(I)又は式(I’)の化合物の調製を、さらに詳細に記載する。出発物質は、公知の化合物であるか、又は当技術分野において公知の方法により調製しうる。
【0095】
式(I)の化合物を、以下の経路により調製しうる:
【0096】
スキーム1:実施例1に記載された経路1
【0097】
【化9】

【0098】
2,6−ジクロロキノリン(1)を、溶媒なしで2当量のアミンArZNHと反応させる。中間体2を、パラジウム触媒置換反応においてアミンArNHと反応させる。この状況におけるArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。
【0099】
スキーム2:実施例2に記載された経路2
【0100】
【化10】

【0101】
6−ブロモ−2−クロロキノリン(4)を、溶媒なしで2当量のアミンArZNHと反応させる。中間体5を、パラジウム触媒置換反応においてアルケンArCH=CHと反応させる。
【0102】
スキーム3:実施例3に記載された経路3
【0103】
【化11】

【0104】
一般構造6の化合物を、パラジウム触媒の存在下で水素と反応させる。
【0105】
スキーム4:実施例13に記載された経路4
【0106】
【化12】

【0107】
6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(8)を、溶媒なしで2当量のアミンArZNHと反応させる。中間体8を、還元的アミノ化において、アルデヒドArCHOと反応させる。中間体9を、パラジウム触媒置換反応においてアミンArNHと反応させる。この状況におけるArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。
【0108】
スキーム5:実施例14に記載された経路5
【0109】
【化13】

【0110】
6−ブロモ−2−クロロキノリン(4)を、溶媒なしで2当量のアミンArZNHと反応させる。中間体5を、パラジウム触媒置換反応においてビニルトリブチルすずと反応させる。中間体11を、パラジウム触媒置換反応において臭化アリール又はヨウ化アリールArhalと反応させる。
【0111】
スキーム6:実施例30に記載されている経路6
【0112】
【化14】

【0113】
2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(12)を、PBr3で臭素化して、中間体13を得て、それを、還元的アミノ化においてアルデヒドArCHOと反応させる。ブロミド14を、鈴木反応のために使用して、置換基Yを導入する。中間体15を、パラジウム触媒置換反応においてアミンArNHと反応させる。この状況におけるArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。
【0114】
スキーム7:実施例40に記載されている経路7
【0115】
【化15】

【0116】
中間体(14)を、2つの異なる触媒系を使用するパラジウム触媒置換反応においてアミンRNH及びアミンArNHと順次反応させる。この状況におけるArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。
【0117】
スキーム8:実施例43に記載された経路8
【0118】
【化16】

【0119】
6−ブロモ−2−クロロキノリン(4)を、溶媒なしで2当量のアミンArZNHと反応させる。中間体5を、n−ブチルリチウムと反応させ、ジメチルホルムアミドでクエンチして、アルデヒド19を生成して、それを、水素化ホウ素ナトリウムで還元して、アルコール20を得る。次に、アルコール20を、フェノール誘導体ArOHを用いて光延反応において反応させる。
【0120】
スキーム9:実施例44に記載されている経路9
【0121】
【化17】

【0122】
中間体(22)を、パラジウム触媒置換反応においてアミンArNHと反応させる。アリル保護基が、この反応の間に失われる。この状況におけるArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。
【0123】
スキーム10:実施例49に記載されている経路10
【0124】
【化18】

【0125】
アルデヒド19を、還元的アミノ化においてアミンArNHと反応させる。
【0126】
スキーム11:実施例61に記載されている経路11
【0127】
【化19】

【0128】
中間体5を、パラジウム触媒置換反応においてアミドArCONHと反応させる。
【0129】
スキーム12:実施例69に記載されている経路12
【0130】
【化20】

【0131】
2,6−ジクロロキノリン(1)を、溶媒なしで2当量のアリルアミンと反応させる。中間体26を、パラジウム触媒置換反応においてアミンArNHと反応させる。この状況においてArNHは、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHを意味する。アリル保護基は、この変換において失われる。中間体27を、還元的アミノ化においてアルデヒドArCHOと反応させる。
【0132】
スキーム13:実施例74に記載されている経路13
【0133】
【化21】

【0134】
2−クロロ−6−ヒドロキシ−キノリン(29、CAS−RN 577967−89−6)を、炭酸カリウム条件下でアセトン中の臭化ベンジルと反応させて、6−ベンジルオキシ誘導体(30)を得る。続く工程において、ベンジルアミンを2位に導入する。
【0135】
スキーム14:実施例82に記載されている経路14
【0136】
【化22】

【0137】
中間体5(経路2を参照)を、パラジウム触媒置換反応においてシアン化亜鉛と反応させる。34におけるシアノ基を、水素で還元して、アミン35を得る。アミン35を、ベンゾイルクロリド(ArCOCl)と反応させる。
【0138】
スキーム15:実施例83に記載されている経路15
【0139】
【化23】

【0140】
アミン35を用いるベンズアルデヒドArCHOの還元的アミノ化。
【0141】
スキーム16:実施例84に記載されている経路16
【0142】
【化24】

【0143】
中間体5(経路2を参照)を、パラジウム触媒置換反応においてヘテロ−芳香族アミンと反応させる。
【0144】
スキーム17:実施例77−81に記載されている経路17
【0145】
【化25】

【0146】
2−クロロ−6−ニトロ−キノリン(cas no.:29969−57−1)を、オルトメトキシベンゼンで処理して、化合物40を得、次に、それを、常圧下、H2及びPd/Cで還元して、6−アミノ−キノリン誘導体41を得る。カルボキシルクロリドを用いる6−アミノ基のアシル化は、カルボキサミド42を導く。同様に、カルボジイミドを用いる反応は、グアニジンを導き、カルバモイルクロリドを用いる反応は、ウレア誘導体を導き、ギ酸エステルを用いる反応は、カルバマートを導き、そしてスルファモイルクロリドを用いる反応は、スルファミドを導いた。
【0147】
実施例
実施例1:N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
【0148】
工程A
2,6−ジクロロキノリン(1.0g、5.1mmol)及び2−フェノキシエチルアミン(1.5g、11mmol)を、120℃で1時間マイクロ波処理した。反応混合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→70:30勾配)。(6−クロロ−キノリン−2−イル)−(2−フェノキシ−エチル)−アミンを、明黄色の固体(1.1g、73%)、MS:m/e=299.3(M+H)として得た。
【0149】
工程B
(6−クロロ−キノリン−2−イル)−(2−フェノキシ−エチル)−アミン(150mg、0.503mmol)を、ジオキサン2mLに溶解した。アルゴンを、溶液を通して2分間通気して、酸素を除去した。3−ピコリルアミン(165mg、1.53mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(119mg、1.24mmol)及び1,1’−2−(ジメチルアミノ)フェロセン−1−イル−パラジウム(II)クロリドジノルボルニルホスフィン(16mg、0.03mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、115℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール 100:0→90:10勾配)。標記化合物を、明褐色の固体(108mg、58%)、MS:m/e=371.1(M+H)として得た。
【0150】
実施例2:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−((E)−2−ピリジン−4−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン
【0151】
工程A
6−ブロモ−2 クロロキノリン(727mg、3.0mmol)及び2−メトキシベンジルアミン(823mg、6.0mmol)を、密閉管中、120℃で16時間撹拌した。反応混合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→70:30勾配)。(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを、明黄色の固体(868mg、84%)、MS:m/e=343.1(M+H)として得た。
【0152】
工程B
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(200mg、0.583mmol)を、ジメチルホルムアミド2mLに溶解した。4−ビニルピリジン(80mg、0.762mmol)、トリエチルアミン(77mg、0.760mmol)、トリ−o−トリルホスフィン(7mg、0.023mmol)及び酢酸パラジウム(II)(3mg、0.013mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、100℃で16時間撹拌した。反応混合物を水30mLに注いで、酢酸エチルで3回抽出した(各30mL)。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール100:0→90:10勾配)。標記化合物を、明黄色の固体(65mg、30%)、MS:m/e=368.1(M+H)として得た。
【0153】
実施例3:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−(2−ピリジン−4−イル−エチル)−キノリン−2−イル]−アミン
(2−メトキシ−ベンジル)−[6−((E)−2−ピリジン−4−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン(実施例2、51mg、0.139mmol)を、エタノール20mLに溶解した。パラジウム担持炭(10%、15mg、0.014mmol)を加えて、反応混合物を水素バルーンで一晩水素化した。パラジウムを濾別して、溶媒を蒸発させた。標記化合物を、黄色の油状物(40mg、78%)、MS:m/e=370.1(M+H)として得た。
【0154】
実施例4:(2−メトキシ−ベンジル)−(6−フェネチル−キノリン−2−イル)−アミン
標記化合物、MS:m/e=369.1(M+H)を、6−ブロモ−2−クロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及びスチレンから実施例2及び3の一般方法に従って調製した。
【0155】
実施例5:N2,N6−ビス−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン及び2−フェノキシエチルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0156】
実施例6:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=371.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び3−(アミノメチル)ピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0157】
実施例7:N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=371.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−フェノキシエチルアミン及び4−(アミノメチル)ピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0158】
実施例8:N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=369.9(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及びベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0159】
実施例9:N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−フェノキシエチルアミン及び2−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0160】
実施例10:N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−フェノキシエチルアミン及び3−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0161】
実施例11:N6−(4−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−フェノキシエチルアミン及び4−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0162】
実施例12:N6−メチル−N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=385.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−フェノキシエチルアミン及びN−メチル−3−ピコリルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0163】
実施例13:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
【0164】
工程A
6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40−1、750mg、2.94mmol)を、ジクロロメタン40mLに溶解した。2−メトキシベンズアルデヒド(481mg、3.54mmol)及び酢酸(354mg、5.9mmol)を加えた。反応混合物を、室温で2時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.39g、6.59mmol)を加えて、撹拌を一晩続けた。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液100mLを加えることによりクエンチした。混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した(各100mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→80:20勾配)。(6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを、オフホワイトの固体(595mg、54%)、MS:m/e=375.1(M+H)として得た。
【0165】
工程B
標記化合物、MS:m/e=447.3(M+H)を、(6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン及び3−ピコリルアミンから実施例1Bの一般方法に従って調製した。
【0166】
実施例14:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−((E)−2−ピリジン−3−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン
【0167】
工程A
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程A、500mg、1.46mmol)を、トルエン20mLに溶解した。反応混合物を、3回排気しそしてアルゴンを再充填して、酸素を除去した。ビニルトリブチルすず(462mg、1.46mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(34mg、0.029mmol)を加えた。反応混合物を、一晩還流して、蒸発させた。残留物を、アセトニトリル50mLに注ぎ、ヘプタンで3回抽出して(各50mL)、すず生成物を除去した。アセトニトリル相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→80:20勾配)。(2−メトキシ−ベンジル)−(6−ビニル−キノリン−2−イル)−アミンを、黄色の油状物(478mg)、MS:m/e=291.1(M+H)として得た。
【0168】
工程B
(2−メトキシ−ベンジル)−(6−ビニル−キノリン−2−イル)−アミン(240mg、0.828mmol)を、実施例2工程Bに記載のとおり3−ブロモピリジン(170mg、1.08mmol)と反応させた。標記化合物を、黄色のろう状固体(100mg、33%)、MS:m/e=368.0(M+H)として得た。
【0169】
実施例15:N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン及び2−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0170】
実施例16:N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=400.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び3−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0171】
実施例17:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=454.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び2−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0172】
実施例18:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−(2−ピリジン−3−イル−エチル)−キノリン−2−イル]−アミン
標記化合物、MS:m/e=370.0(M+H)を、(2−メトキシ−ベンジル)−[6−((E)−2−ピリジン−3−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン(実施例14)から実施例3の一般方法に従って調製した。
【0173】
実施例19:N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=476.0(M+H)を、6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40)、2−メトキシベンズアルデヒド及び3−メトキシベンジルアミンから実施例13の一般方法に従って調製した。
【0174】
実施例20:N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=476.3(M+H)を、6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40)、2−メトキシベンズアルデヒド及び2−メトキシベンジルアミンから実施例13の一般方法に従って調製した。
【0175】
実施例21:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=374.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び5−メチル−2−フランメタンアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0176】
実施例22:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=374.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0177】
実施例23:N6−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=388.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び1−(3−アミノプロピル)イミダゾールから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0178】
実施例24:(2−メトキシ−ベンジル)−{6−[2−(2−メトキシ−フェニル)−エチル]−キノリン−2−イル}−アミン
標記化合物、MS:m/e=399.3(M+H)を、6−ブロモ−2−クロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン、ビニルトリブチルすず及び2−ブロモアニソールから実施例14及び3の一般方法に従って調製した。
【0179】
実施例25:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=345.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び3−ピコリルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0180】
実施例26:N6−ピリジン−3−イルメチル−N2−ピリジン−2−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=342.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−ピコリルアミン及び3−ピコリルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0181】
実施例27:N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=374.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び2−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0182】
実施例28:N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=374.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び3−メトキシベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0183】
実施例29:N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=344.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及びベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0184】
実施例30:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−ピリジン−3−イル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
【0185】
工程A
2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2、6.0g、31mmol)を、三臭化リン(25g、92mmol)に少しずつ加えた。オキシ臭化リン(10g、37mmol)を加えて、混合物を150℃で16時間撹拌した。混合物を、氷水300mLに注ぎ、32%水酸化ナトリウム溶液を加えることによりpHを11に調整した。固体を、濾別して、水及びシクロヘキサンで洗浄した。4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イルアミンを、黄色の固体(7.8g、98%)、MS:m/e=258.9(M+H)として得た。
【0186】
工程B
4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イルアミン(3.12g、12mmol)を、1,2−ジクロロエタン100mLに溶解した。2−メトキシベンズアルデヒド(1.98g、15mmol)及び酢酸(2.91g、48mmol)を加えた。反応混合物を、40℃で3時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(5.99g、25mmol)を加えて、撹拌を室温で一晩続けた。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液200mLを加えることによりクエンチした。混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した(各200mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→80:20勾配)。(4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを、オフホワイトの固体(2.2g、48%)、MS:m/e=379.1(M+H)として得た。
【0187】
工程C
(4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(530mg、1.4mmol)及びピリジン−3−ボロン酸(224mg、1.8mmol)を、ジメトキシエタン16mL及び2N炭酸ナトリウム溶液8mLに溶解した。反応混合物を、3回排気しそしてアルゴンを再充填した。トリフェニルホスフィン(37mg、0.141mmol)及び酢酸パラジウム(16mg、0.071mmol)を加えて、混合物を一晩還流した。混合物を、酢酸エチルで3回抽出した(各200mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→30:70勾配)。(6−クロロ−4−ピリジン−3−イル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを、白色の泡状物(500mg、94%)、MS:m/e=376.4(M+H)として得た。
【0188】
工程D
(6−クロロ−4−ピリジン−3−イル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(185mg、0.492mmol)を、トルエン5mL及びtert−ブタノール1mLに溶解した。アルゴンを、溶液を通して2分間通気して、酸素を除去した。3−ピコリルアミン(160mg、1.48mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(95mg、0.99mmol)、酢酸パラジウム(6mg、0.027mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos、23mg、0.05mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、130℃で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール100:0→90:10勾配)。標記化合物を、黄色の泡状物(105mg、47%)、MS:m/e=448.3(M+H)として得た。
【0189】
実施例31:N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=465.4(M+H)を、6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40)、4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド及び3−ピコリルアミンから実施例13の一般方法に従って調製した。
【0190】
実施例32:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=461.5(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、o−トリル−フェニルボロン酸、2−メトキシベンズアルデヒド及び3−ピコリルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0191】
実施例33:N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=477.4(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、3−メトキシフェニルボロン酸、2−メトキシベンズアルデヒド及び3−ピコリルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0192】
実施例34:N−2,N−6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=506.4(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、3−メトキシフェニルボロン酸、2−メトキシベンズアルデヒド及び2−メトキシ−ベンジルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0193】
実施例35:4−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=483.5(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、2,5−ジフルオロフェニルボロン酸、2−メトキシベンズアルデヒド及び3−ピコリルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0194】
実施例36:N−6−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=464.1(M+H)を、6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40)、4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド及びベンジルアミンから実施例13の一般方法に従って調製した。
【0195】
実施例37:N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−&−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=465.3(M+H)を、6−クロロ−4−フェニル−キノリン−2−イルアミン(CAS 51478−40)、4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド及び4−ピコリルアミンから実施例13の一般方法に従って調製した。
【0196】
実施例38:N−6−2−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=478.4(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、o−トリル−フェニルボロン酸、4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド及びベンジルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0197】
実施例39:N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N−6−ピリジン−4−イルメチル−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=479.3(M+H)を、2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン(CAS 64319−84−2)、o−トリル−フェニルボロン酸、4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド及び4−ピコリルアミンから実施例30の一般方法に従って調製した。
【0198】
実施例40:N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N4−(2−メトキシ−エチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン
【0199】
工程A
(4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イル)−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例30、工程A及びBに記載のとおり2−アミノ−6−クロロ−4−ヒドロキシキノリン及び4−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒドから調製した、328mg、0.828mmol)を、ジオキサン5mLに溶解した。アルゴンを、溶液を通して2分間通気して、酸素を除去した。2−メトキシエチルアミン(187mg、2.49mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(159mg、1.66mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(69mg、0.125mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(34mg、0.042mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、100℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、残留物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア100:0:0→110:10:1勾配)。6−クロロ−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N4−(2−メトキシ−エチル)−キノリン−2,4−ジアミンを、オフホワイトの泡状物(285mg、88%)、MS:m/e=390.0(M+H)として得た。
【0200】
工程B
標記化合物、MS:m/e=462.5(M+H)を、6−クロロ−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N4−(2−メトキシ−エチル)−キノリン−2,4−ジアミン及び3−ピコリルアミンから実施例30、工程Dの一般方法に従って調製した。
【0201】
実施例41:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=374.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び(1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0202】
実施例42:N6−ベンジル−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N4−(2−メトキシ−エチル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=461.1(M+H)を、(4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イル)−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−アミン、メトキシエチルアミン及びベンジルアミンから実施例40の一般方法に従って調製した。
【0203】
実施例43:(2−メトキシ−ベンジル)−(6−フェノキシメチル−キノリン−2−イル)−アミン
【0204】
工程A
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを、実施例2工程Aに記載のとおり6−ブロモ−2−クロロキノリン及び2−メトキシベンジルアミンから調製した。
【0205】
工程B
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(2.0g、5.83mmol)を、テトラヒドロフラン100mLに溶解した。n−ブチルリチウム溶液(ヘキサン中1.6M、9.1mL、14.6mmol)を、−78℃でゆっくり加えた。反応混合物を、−10℃に温めて、この温度で45分間撹拌した。次に、反応混合物を、再度−78℃に冷却して、ジメチルホルムアミド(1.07g、14.6mmol)を加えた。次に、混合物を、ゆっくり温めて、5℃において水200mLでクエンチした。溶媒を留去した。残留物を、酢酸エチルで3回抽出した(各200mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→50:50勾配)。2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルバルデヒドを、明黄色の固体(683mg、40%)、MS:m/e=293.1(M+H)として得た。
【0206】
工程C
2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルバルデヒド(663mg、2.27mmol)を、メタノール25mLに溶解して、水素化ホウ素ナトリウム(343mg、9.03mmol)を加えた。反応混合物を、3時間還流した。溶媒を留去した。残留物を、水100mLに取り、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。粗生成物を、ジクロロメタンから再結晶化した。[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−メタノールを、白色の固体(369mg、59%)、MS:m/e=295.3(M+H)として得た。
【0207】
工程D
[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−メタノール(200mg、0.680mmol)を、テトラヒドロフラン13mLに溶解した。フェノール(70mg、0.745mmol)及びトリフェニルホスフィン(200mg、0.763mmol)を、室温で加えた。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(159mg、0.787mmol)を、0℃でゆっくり加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、2N炭酸ナトリウム50mLを加えることによりクエンチした。混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した(各50mL)。有機相をプールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→50:50勾配)。標記化合物を、オフホワイトの固体(105mg、41%)、MS:m/e=371.4(M+H)として得た。
【0208】
実施例44:N6−ベンジル−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
N4−アリル−6−クロロ−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン(実施例40、工程Aに記載のとおり(4−ブロモ−6−クロロ−キノリン−2−イル)−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−アミン及びアリルアミンから調製した)を、実施例30、工程Dに記載のとおりベンジルアミンでカップリングした。標記化合物を、明褐色の泡状物(16%)、MS:m/e=403.4(M+H)として得た。
【0209】
実施例45:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−メトキシメチル−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=414.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び3−メトキシメチル−ベンジルアミン(CAS 148278−90−4)から実施例1の一般方法に従って調製した。
【0210】
実施例46:N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=433.2(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及び2−メトキシベンジルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0211】
実施例47:N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=385.3(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及びベンジルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0212】
実施例48:N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=415.5(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及び2−メトキシベンジルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0213】
実施例49:(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−キノリン−2−イル]−アミン
(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−キノリン−2−イル]−アミン(実施例43、工程A及びBに記載のとおり6−ブロモ−2−クロロ−キノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及びジメチルホルムアミドから調製した、200mg、0.752mmol)を、ジクロロメタン5mLに溶解した。3−アミノピリジン(85mg、0.904mmol)及び酢酸(90mg、1.50mmol)を加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(318mg、1.5mmol)を加えて、撹拌を一晩続けた。反応混合物に、水50mLを加えることによりクエンチした。混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した(各50mL)。有機相をプールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール100:0→90:10勾配)。標記化合物を、オフホワイトの固体(55mg、21%)、MS:m/e=345.1(M+H)として得た。
【0214】
実施例50:(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−(6−フェニルアミノメチル−キノリン−2−イル)−アミン
標記化合物、MS:m/e=344.3(M+H)を、(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−(ピリジン−3−イルアミノメチル)−キノリン−2−イル]−アミン及びアニリンから実施例49の一般方法に従って調製した。
【0215】
実施例51:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=386.4(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及び3−ピコリルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0216】
実施例52:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−[3−(2−メトキシ−エトキシメチル)−ベンジル]−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=458.5(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び3−(2−メトキシ−エトキシメチル)−ベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0217】
3−(2−メトキシ−エトキシメチル)−ベンジルアミンの合成:
【0218】
工程1
水素化ナトリウム(鉱油中55%、1.76g、40.5mmol)を、テトラヒドロフラン100mL中に懸濁した。テトラヒドロフラン200mLに溶解した3−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(5.0g、36.5mmol)を滴下した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。2−ブロモエチルメチルエーテル(7.0mL、76mmol)を加えて、反応混合物を一晩還流した。反応混合物を、2N炭酸ナトリウム溶液3mLでクエンチして、溶媒を蒸発させた。残留物を、水100mLに取り、酢酸エチルで3回抽出した(各100mL)。有機相を、プールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(シクロヘキサン/酢酸エチル100:0→50:50勾配)。3−(2−メトキシ−エトキシメチル)−ベンゾニトリルを、黄色の液体(2.63g、38%)として得た。
【0219】
工程2
3−(2−メトキシ−エトキシメチル)−ベンゾニトリル(2.58g、13.5mmol)を、テトラヒドロフラン50mLに溶解した。水酸化リチウムアルミニウム(660mg、17.5mmol)を、0℃で少しずつ加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌して、水0.66mL、15%水酸化ナトリウム溶液0.66mL及び水1.98mLを順次加えることによりクエンチした。固体を濾別して、濾液を蒸発させた。標記化合物を、黄色の液体(2.63g、97%)、MS:m/e=196.3(M+H)として得た。
【0220】
実施例53:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−[3−(2−メトキシ−エトキシ)−ベンジル]−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=444.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、2−メトキシベンジルアミン及び3−(2−メトキシ−エトキシ)−ベンゾニトリル(CAS 80407−67−6)から実施例1の一般方法に従って調製した。
【0221】
実施例54:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=360.2(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,4−ジアミン及び3−ピコリルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0222】
実施例55:N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=359.2(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,4−ジアミン及びベンジルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0223】
実施例56:N6−ベンジル−N2−(3−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=370.0(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−メトキシベンジルアミン及びベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0224】
実施例57:N2−(3−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=371.4(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−メトキシベンジルアミン及び3−ピコリルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0225】
実施例58:N2−(3−フルオロ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=359.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−フルオロベンジルアミン及び3−ピコリルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0226】
実施例59:N6−ベンジル−N2−(3−フルオロ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=358.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−フルオロベンジルアミン及びベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0227】
実施例60:N2−(3−フルオロ−ベンジル)−N6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=412.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−フルオロベンジルアミン及び3−アミノベンゾトリフルオリドから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0228】
実施例61:N−{2−[(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−アミノ]−キノリン−6−イル}−ベンズアミド
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−アミン(実施例43、工程Aに記載のとおり6−ブロモ−2−クロロキノリン及び5−メチル−2−フランメタンアミンから調製した、200mg、0.631mmol)を、ジオキサン5mLに溶解した。アルゴンを、溶液を通して2分間通気して、酸素を除去した。ベンズアミド(107mg、0.884mmol)、炭酸セシウム(308mg、0.948mmol)ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(29mg、0.032mmol)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(55mg、0.095mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、100℃で、16時間撹拌した。溶媒を蒸発させて、残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ヘプタン/酢酸エチル100:0→60:40勾配)。標記化合物を、白色の固体(110mg、49%)、MS:m/e=358.3(M+H)として得た。
【0229】
実施例62:(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン
標記化合物、MS:m/e=342.3(M+H)を、6−ブロモ−2−クロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び2−ビニルピリジンから実施例2の一般方法に従って調製した。
【0230】
実施例63:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=428.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び2−(トリフルオロメトキシ)ベンジルアミンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0231】
実施例64:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=345.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び4−(アミノメチル)ピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0232】
実施例65:(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−(2−ピリジン−2−イル−エチル)−キノリン−2−イル]−アミン
標記化合物、MS:m/e=344.0(M+H)を、(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−[6−((E)−2−ピリジン−2−イル−ビニル)−キノリン−2−イル]−アミン(実施例63)から実施例3の一般方法に従って調製した。
【0233】
実施例66:N6−ベンジル−N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=403.5(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及びベンジルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0234】
実施例67:N6−ピリジン−3−イルメチル−N2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=395.1(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、(3−トリフルオロメチル)アニリン及び3−(アミノメチル)ピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0235】
実施例68:N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン
標記化合物、MS:m/e=404.5(M+H)を、N4−アリル−6−クロロ−N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4−ジアミン及び3−ピコリルアミンから実施例44の一般方法に従って調製した。
【0236】
実施例69:N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
【0237】
工程A
N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、MS:m/e=251.5(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、アリルアミン及び3−(アミノメチル)ピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。アリル保護基は、パラジウム触媒置換反応において失われた。
【0238】
工程B
N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン(150mg、0.6mmol)を、ジクロロメタン10mLに溶解した。5−フルオロ−2−メトキシベンズアルデヒド(111mg、0.72mmol)及び酢酸(72mg、1.2mmol)を加えた。反応混合物を、40℃で3時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(254mg、1.2mmol)を加えて、撹拌を室温で一晩続けた。反応混合物に、飽和重炭酸ナトリウム溶液20mLを加えることによりクエンチした。混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した(各20mL)。有機相をプールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン/メタノール100:0→90:10勾配)。標記化合物を、黄色のゴム状物(17mg、7%)、MS:m/e=389.3(M+H)として得た。
【0239】
実施例70:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=398.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び3−(トリフルオロメチル)アニリンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0240】
実施例71:N6−(4−フルオロ−フェニル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=348.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び4−フルオロアニリンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0241】
実施例72:N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=331.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、5−メチル−2−フランメタンアミン及び3−アミノピリジンから実施例1の一般方法に従って調製した。
【0242】
実施例73:N2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、MS:m/e=385.3(M+H)を、2,6−ジクロロキノリン、3−ピコリルアミン及び2,3−(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒドから実施例69の一般方法に従って調製した。
【0243】
実施例74:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−キノリン−2−イル]−アミン
【0244】
工程A
2−クロロ−6−ヒドロキシ−キノリン(CAS RN 577967−89−6、0.6g、3mMol)及び3−メトキシベンジルブロミド(0.56mL、0.004Mol)を、アセトン15mL中の炭酸カリウム(0.55g、4mMol)のスラリーに溶解して、3時間加熱還流した。次に、水を加えて、混合物を酢酸エチルで抽出した(3×20mL)。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、蒸発させた。残留物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーに付して(ヘプタン/酢酸エチル10:0→9:1→4:1勾配)、2−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−キノリン(0.40g、40%)を無色の固体;MS:m/e=300.3(M+H)として得た。
【0245】
工程B
標記化合物を、2−クロロ−6−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−キノリン及び3−メトキシ−ベンジルブロミドから実施例2の工程Aに記載された一般方法に従って、黄色の油状物(0.029g、27%);MS:m/e=400.3(M+H)として調製した。
【0246】
実施例75:(2−メトキシ−ベンジル)−[6−(ピリジン−3−イルメトキシ)−キノリン−2−イル]−アミン
標記化合物、MS:m/e=372.3(M+H)を、2−クロロ−6−ヒドロキシ−キノリン、3−ピリジル−ベンジルブロミド及び3−メトキシ−ベンジルアミンから実施例74の一般方法に従って調製した。
【0247】
実施例76:2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルボン酸2−メトキシ−ベンジルアミド
2−クロロ−キノリン−6−カルボン酸エチルエステル[CAS−No.29969−56−0](236mg、1.0mmol)及び市販の2−メトキシ−ベンジルアミン(412mg、3.0mmol)の撹拌した混合物を、密閉管中、16時間、120℃で加熱した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる精製(酢酸エチル/ヘプタン)及び2つの画分の各々の結晶化(ジクロロメタン/ヘキサン)を行って、白色の固体(40mg、9%)、MS(ISP)428.3[(M+H)];融点217℃としての標記化合物ならびに白色の固体(196mg、58%)、MS(ISP)337.3[(M+H)];融点108℃としての2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルボン酸エチルエステルを得た。
【0248】
実施例77:4−メトキシ−N−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−ベンズアミド
【0249】
工程A
2−クロロ−6−ニトロ−キノリン(0.80g、4.0mmol)及び2−メトキシベンジルアミン(1.5mL、12mmol)を、130℃で2時間加熱した。反応混合物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した(ヘプタン/酢酸エチル、9:1、4:1、1:1)。(2−メトキシ−ベンジル)−(6−ニトロ−キノリン−2−イル)−アミンを、黄色の固体(0.5g、42%)、MS:m/e=310.5(M+H)として得た。
【0250】
工程B
(2−メトキシ−ベンジル)−(6−ニトロ−キノリン−2−イル)−アミン(0.5g、2.0mmol)を、酢酸エチル(25mL)に溶解した。Pd/C(10%、0.1g)の添加に際して、反応混合物を、45分間、周囲温度、水素雰囲気下で撹拌した。次に、触媒を濾別し、フィルターを酢酸エチルで洗浄して、濾液を蒸発させた。N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミンを、黄色の泡状物(0.40g、87%);MS:m/e=280.5(M+H)として得た。
【0251】
工程C
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン(40mg、0.14mmol)及びp−アニソイルクロリド(0.022mL、0.16mmol)を、トルエン(2mL)に溶解した。反応混合物を、3時間、50℃に加熱した。次に、溶媒を除去して、残留物をカラムクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル、4:1、1:1、1:2)。標記化合物(15mg、25%)を、黄色の固体;MS:m/e=414.7(M+H)として得た。
【0252】
実施例78:N−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−N,N−ジ−p−トリル−グアニジン
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン(40mg、0.14mmol)及び1,3−ジ−p−トリルカルボジイミド(0.035mg、0.16mmol)を、トルエン(2mL)に溶解した。反応混合物を、7時間、100℃に加熱した。次に、溶媒を除去して、残留物をカラムクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル、4:1、1:1、0:1)。標記化合物(10mg、14%)を、黄色の固体;MS:m/e=502.7(M+H)として得た。
【0253】
実施例79:1−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−3−(4−メトキシ−フェニル)−ウレア
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン(40mg、0.14mmol)及び4−メトキシフェニルイソシアナート(0.021mg、0.14mmol)を、トルエン(1mL)に溶解した。反応混合物を、16時間、60℃に加熱した。次に、溶媒を除去して、形成された沈殿物を、濾過し、トルエンで洗浄して、高減圧下で乾燥させた。標記化合物(21mg、34%)を、灰色の固体;MS:m/e=429.7(M+H)として得た。
【0254】
実施例80:[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−カルバミン酸4−メトキシ−フェニルエステル
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン(50mg、0.18mmol)、トリエチルアミン(0.030mL、0.22mmol)及び4−メトキシフェニルクロロホルマート(0.027mL、0.18mmol)を、トルエン(3mL)に溶解した。反応混合物を、6時間、90℃に加熱した。次に、溶媒を除去して、残留物をカラムクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル、9:1、4:1、1:1、1:2)。標記化合物(15mg、20%)を、オフホワイトの固体;MS:m/e=430.7(M+H)として得た。
【0255】
実施例81:N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−[(2−メトキシベンジル)アミノ]キノリン−6−イル}スルファミド
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン(40mg、0.14mmol)及び4−フルオロフェニルスルファモイルクロリド(0.039mg、0.18mmol)を、ピリジン(1mL)に溶解した。反応混合物を、6時間、90℃に加熱した。次に、溶媒を除去して、残留物をカラムクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、ヘプタン/酢酸エチル、9:1、4:1、1:1、1:2)。標記化合物(12mg、19%)を、黄色の泡状物;MS:m/e=453.7(M+H)として得た。
【0256】
実施例82:4−フルオロ−N−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イルメチル]−ベンズアミド
【0257】
工程A
DMF(5mL)中の(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)(500mg、1.46mmol)、シアン化亜鉛(188mg、1.6mmol)及びテトラキス−(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(168mg、0.145mmol)の混合物を、160℃で、15分間、マイクロ波反応器中で加熱した。反応混合物を水(30mL)に注いで、ジエチルエーテルで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×30mL)、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製して、2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルボニトリルを明赤色の油状物(400mg、95%)として得た。
MS:m/e=290.1(M+H)。
【0258】
工程B
Ra−Ni(395mg)上、17時間、室温で、MeOH(20mL)及び7N MeOH−NH(10mL)に溶解した2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−カルボニトリル(395mg、1.365mmol)の水素化を行って、濾過による触媒の除去及び蒸発の後に、黄色の油状物を得て、それを、さらにシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH/NHOH 15:1:0.1)により精製して、(6−アミノメチル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミンを無色の油状物(400mg、100%)として得た。
MS:m/e=294.2(M+H)。
【0259】
工程C
THF(4mL)中の(6−アミノメチル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(200mg、0.68mmol)及びトリエチルアミン(75mg、0.76mmol)の冷却して(氷浴)、撹拌した溶液に、4−フルオロベンゾイルクロリド(119mg、0.75mmol)を加えて、混合物を、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水(15mL)に注いで、酢酸ジエチルで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(1×20mL)、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製して、結晶化(ジクロロメタン/ヘキサン)を行って、標記化合物を白色の泡状物(250mg、88%)として得た。
MS:m/e=416.4(M+H)。
【0260】
実施例83:{6−[(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−キノリン−2−イル}−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン
1,2−ジクロロエタン(15mL)中の(6−アミノメチル−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例85、工程B)(390mg、1.33mmol)、4−フルオロベンズアルデヒド(181.5mg、1.46mmol)及び酢酸(319.3mg、5.32mmol)の溶液を、室温で30分間撹拌した。その後、ナトリウムトリアセトキシ−ボロンヒドリド(657mg、2.79mmol)を加え、反応混合物を60時間、室温で撹拌し、氷/飽和NaHCO溶液(30mL)に注いで、ジクロロメタンで抽出した(2×40ml)。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)により精製して、標記化合物を無色の油状物(284mg、53%)として得た。
MS:m/e=402.5(M+H)。
【0261】
実施例84:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリミジン−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)(171.6mg、0.5mmol)、市販の2−アミノ−ピリミジン(95.1mg、1.0mmol)、tert−ブチル−XPhos(34mg、0.08mmol)、Pddba(18.3mg、0.02mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(52.9mg、0.55mmol)及びジオキサン(3mL)の混合物を、密閉管中、100℃で17時間加熱した。反応混合物を、水(20mL)に注いで、酢酸エチルで抽出した(2×40mL)。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、蒸発させた。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン)による粗生成物のさらなる精製及び結晶化(ジクロロメタン/ヘキサン)を行って、標記化合物(65mg、36%)を明黄色の固体として得た。
MS:m/e=358.3(M+H);融点175℃。
【0262】
実施例85:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=362.3(M+H);融点183℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0263】
実施例86:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の固体、MS:m/e=362.3(M+H);融点175℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル−アミン[CAS−No.3663−39−6]から実施例84の一般方法に従って調製した。
【0264】
実施例87:N6−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、白色の固体、MS:m/e=376.4(M+H);融点190℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0265】
実施例88:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明黄色の固体、MS:m/e=361.3(M+H);融点132℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の5−メチル−イソオキサゾール−3−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0266】
実施例89:N6−(4,6−ジメチル−ピリミジン−2−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=386.2(M+H);融点157.5℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−4,6−ジメチル−ピリミジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0267】
実施例90:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=372.2(M+H);融点125℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−4−メチル−ピリミジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0268】
実施例91:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明黄色の固体、MS:m/e=371.2(M+H);融点163℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−3−メチル−ピリジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0269】
実施例92:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の固体、MS:m/e=357.2(M+H);融点134℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−ピリジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0270】
実施例93:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の固体、MS:m/e=371.2(M+H);融点134℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−6−メチル−ピリジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0271】
実施例94:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明黄色の固体、MS:m/e=426.1(M+H);融点114℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−4−トリフルオロメチル−ピリミジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0272】
実施例95:N6−(2−tert−ブチル−2H−テトラゾール−5−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明黄色の固体、MS:m/e=404.5(M+H);融点156℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−tert−ブチル−2H−テトラゾール−5−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0273】
実施例96:N6−(5−シクロプロピル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=388.4(M+H);融点199℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0274】
実施例97:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−トリフルオロメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=416.3(M+H);融点198℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の5−トリフルオロメチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0275】
実施例98:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の固体、MS:m/e=415.3(M+H);融点144℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の4−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル−アミンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0276】
実施例99:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の固体、MS:m/e=415.3(M+H);融点166℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び5−トリフルオロメチル−オキサゾール−2−イル−アミン[CAS−No.714972−00−6]から実施例84の一般方法に従って調製した。
【0277】
実施例100:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−オキサゾール−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明黄色の固体、MS:m/e=347.3(M+H);融点205℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販のオキサゾール−2−イル−アミン[CAS−No.4570−45−0]から実施例84の一般方法に従って調製した。
【0278】
実施例101:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=425.1(M+H);融点151℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の2−アミノ−5−トリフルオロメチル−ピリジンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0279】
実施例102:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−ベンゾオキサゾール−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、オフホワイトの固体、MS:m/e=411.3(M+H);融点220℃を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の5−メチル−ベンゾオキサゾール−2−イル−アミン[CAS−No.64037−15−6]から実施例84の一般方法に従って調製した。
【0280】
実施例103:2−{3−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イルアミノ]−フェニル}−エタノール
標記化合物、黄色の油状物、MS:m/e=400.3(M+H)を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び市販の3−(2−ヒドロキシエチル)−アニリンから実施例84の一般方法に従って調製した。
【0281】
実施例104:N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(3−ピペリジン−1−イル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
標記化合物、明褐色の泡状物、MS:m/e=431.3(M+H)を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2−メトキシ−ベンジル)−アミン(実施例2、工程Aを参照)及び3−(ピペリジン−1−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−アミン[CAS−No.75565−19−4]から実施例84の一般方法に従って調製した。
【0282】
実施例105:N−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−N−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
【0283】
工程A
(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−アミン、橙色の油状物、MS:m/e=371.2(M+H)を、6−ブロモ−2クロロキノリン及び(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−アミン[CAS No.68298−46−4]から実施例2、工程Aの一般方法に従って調製した。
【0284】
工程B
標記化合物、黄色の泡状物、MS:m/e=397.2(M+H)を、(6−ブロモ−キノリン−2−イル)−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−アミン及び市販の2−アミノ−6−メチル−ピリジンから実施例84の一般方法に従って調製した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化26】


[式中、
は、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHNR−Ar、−NRC(O)−Ar、−OCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、−NRC(O)O−Ar、−C(O)NRCH−Ar、−CHNRCH−Ar、−NHC(=N−Ar)−Ar、−NRCHCHCH−Ar、又は−NRCHCHO−Arであり、
は、−Ar、−CHR−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニル、
−NR(ここで、R及びRは、それぞれ独立して水素である)、あるいは
−(CH−OR(ここで、mは、2〜6である)であり、
Ar及びArは、それぞれ独立して、1個以上のBによりそれぞれ場合により置換されているアリール又はヘテロアリールであり、
Bは、C1−7−アルコキシ、
1−7−ハロアルコキシ、
ヒドロキシ、
ハロ、
1個以上のハロ、ヒドロキシ、又はシアノで場合により置換されているC1−7−アルキル、
−S(O)−C1−7−アルキル、
−NRii
−NRiiiS(O)iv
−NRiiiC(O)Riv
−C(O)NRiiiiv
−S(O)−NRiiiiv
−CH−O−R
−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−CH−(OCHCH−OR(ここで、nは、1〜3である)、
−C(O)R
シアノ、
ニトロ、
アリル、
3−7−シクロアルキル、
5〜7員単環ヘテロシクロアルキルであるか、あるいは
互いにオルト位の2つの残基Bは、式−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−O−C(Rvi−O−、−OCHCHO−、−OCH(Rvii)CH(Rviii)−の3〜4員架橋を形成し、
、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素、又はC1−7−アルキルであり;
、Rii、Riii、Riv、及びRは、それぞれ独立して水素、又はC1−7−アルキル、又は−(CH−C3−7−シクロアルキル(ここで、nは、0〜3である)であり;
vi、Rvii、及びRviiiは、それぞれ独立して水素、C1−4−アルキル又はハロゲンである]
で示される化合物又は薬学的に許容されうるその塩。
【請求項2】
が、−NR−Ar、−NRCH−Ar、−CHO−Ar、−CHCH−Ar、−CH=CH−Ar、−NHC(O)NH−Ar、−NHSONH−Ar、又は−NRC(O)O−Arであり;
、R、及びRが、それぞれ水素であり、そしてArが、請求項1に定義したとおりである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
Ar及びArが、それぞれ独立して、フェニル、ナフチル、芳香族5もしくは6員単環ヘテロアリール又は芳香族9もしくは10員二環ヘテロアリールであり、それぞれがN、O又はSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCであり、Ar及びArが請求項1に定義したとおりの1個以上のBによって、それぞれ場合によりそして独立して置換されている、請求項1又は2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が、−CHR−Ar、又は−CHCHO−Arである、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が水素である、請求項1〜4のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
化合物が、
N2−(2−フェノキシ−エチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−フェノキシ−エチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2,N6−ビス−(2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(2−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(3−メトキシ−ベンジル)−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(2−メトキシ−ベンジル)−4−(3−メトキシ−フェニル)−N−6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
4−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−6−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−フェニル−N−6−&−ピリジン−4−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N−6−2−ベンジル−N−2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−4−o−トリル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(4−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N6−ベンジル−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−メチル−フラン−2−イルメチル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(3−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−ベンジル−N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−(5−フルオロ−2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,4,6−トリアミン、
N2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イルメチル−N6−ピリジン−3−イルメチル−キノリン−2,6−ジアミン、
1−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イル]−3−(4−メトキシ−フェニル)−ウレア、
N−(4−フルオロフェニル)−N’−{2−[(2−メトキシベンジル)アミノ]キノリン−6−イル}スルファミド、
N6−(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−メチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−ピリジン−2−イル−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(4−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N6−(5−シクロプロピル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−N2−(2−メトキシ−ベンジル)−キノリン−2,6−ジアミン、
N2−(2−メトキシ−ベンジル)−N6−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン、
2−{3−[2−(2−メトキシ−ベンジルアミノ)−キノリン−6−イルアミノ]−フェニル}−エタノール、又は、
N2−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−イル)−N−(6−メチル−ピリジン−2−イル)−キノリン−2,6−ジアミン
から選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
式(I):
【化27】


[式中、
は、−NH−Ar、−NHCH−Ar、−NHCHCHCH−Ar、又は−NHCHCHO−Arであり、
は、−Ar、−CH−Ar、又は−CHCHO−Arであり、
は、水素、
1個以上のC1−4−アルキル、ハロ、又はC1−4−アルコキシで場合により置換されているフェニル、又はピリジニルであり、
そして、Ar及びArは、請求項1に定義したとおりである]
で示される化合物の調製方法であって、
(a)式(1):
【化28】


[式中、Halは、Cl又はBrである]
で示される化合物を、アミンR−NHと反応させて、
式(2):
【化29】


で示される化合物を得る工程、
(b)その後、アミンArNH、Ar−CH−NH、Ar−CHCHCH−NH、又はAr−OCHCH−NHとパラジウム触媒置換反応を行う工程;
及び、場合により、得られた化合物を薬学的に許容されうる酸付加塩に転換する工程を含む方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法により得ることができる化合物。
【請求項9】
少なくとも1個の請求項1〜6のいずれか一項記載の式(I)の化合物、及び薬学的に許容されうる賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、疼痛、記憶障害、認知症、摂食行動の障害、性機能障害、睡眠障害、薬物乱用の禁断症状、パーキンソン病のような運動障害、精神障害又は胃腸障害の予防又は処置に有用である、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、疼痛、記憶障害、認知症、摂食行動の障害、性機能障害、睡眠障害、薬物乱用の禁断症状、パーキンソン病のような運動障害、精神障害又は胃腸障害の予防又は処置において使用するための、請求項1〜6のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか一項記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項13】
医薬が、うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、疼痛、記憶障害、認知症、摂食行動の障害、性機能障害、睡眠障害、薬物乱用の禁断症状、パーキンソン病のような運動障害、精神障害又は胃腸障害の予防又は処置に有用である、請求項12記載の使用。
【請求項14】
本明細書に前述のとおりの発明。

【公表番号】特表2010−540483(P2010−540483A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526250(P2010−526250)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062416
【国際公開番号】WO2009/040290
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】