説明

DCリンク電圧を使用する電子制御トランス

冷却システムにおいて、電子制御トランスは、圧縮機モータを駆動する可変速駆動回路のDCリンクによって電力を供給される。電子制御トランスは、冷却システムに関連する補助電気装置に電力を提供するために、DC電圧を一定の120VAC、60Hzに変換する。電子トランスは、DC電圧をACに変換するために、4つの半導体スイッチを含む。圧縮機モータに蓄積されるエネルギーは、入力電圧降下の間、VSDのDCリンクに移動される。電子制御トランスは、電圧降下の間、制御電圧を維持し、システムの補助負荷が脱落するのを防止する。冷却システムは、入力電圧降下または中断をライドスルーすることができる。ライドスルー能力を増すために、昇圧コンバータがVSDの入力部に提供されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に制御電圧を提供するための電子トランスに関する。さらに明確には、本発明は、冷却システムのための可変速駆動回路のDCリンクによって電力を供給される電子制御トランスに関する。
【背景技術】
【0002】
過去には、冷却システムにおける圧縮機を駆動するためのモータは、モータが運転されている施設の配電システムから利用できる標準線間(主)電圧および周波数から運転するように設計された。線間電圧および周波数の使用は典型的には、モータへの入力周波数に基づく1つの運転速度に限定される結果として、モータが圧縮機の容量を調節するための選択肢を、入口案内羽根および滑り弁などのより効率の低い機械的装置に限定した。加えて、もしモータの運転速度が圧縮機の所望の運転速度に等しくなかったならば、圧縮機の所望の運転速度を得るために、「増速」または「減速」変速機がモータと圧縮機との間に挿入された。
【0003】
次に、冷却システムのモータに提供される周波数および電圧を変えることができる可変速駆動回路(VSD)が開発された。モータへの入力周波数および電圧を変えることができるこの能力は、冷却システムの対応する圧縮機に可変出力速度を提供できるモータをもたらした。モータ(および圧縮機)の可変速運転は、冷却システムが、全設計負荷速度よりも低い速度での運転が望ましいときに、圧縮機の部分的負荷の間に生じる効率を利用できるようにした。可変速駆動回路の使用はまた、三相電力線から直接運転可能な以前のモータ、例えば、誘導モータまたは同期モータに加えて、冷却システム内にそれら自身の電子駆動回路を必要とする他の型のモータの使用も可能にした。
【0004】
一般に、冷却システムは、圧縮機と連携する多数の補助装置を含む。これらの補助装置は通常、制御盤、接触器、継電器、ポンプおよび送風機を含み、それらは、圧縮機モータのそれとは異なるある固定電圧に対するものと見なされ、ある固定周波数、例えば60Hzまたは50Hzで動作する。補助装置は、VSDの可変電圧および周波数出力では動作できないので、制御電圧のための電力は普通、VSDへのまたはもう1つの入力電源からの入力AC電力に接続される従来の巻線型磁気制御トランスによって提供される。制御トランス二次巻線の出力電圧は、一次巻線における電圧降下または中断がほとんど瞬時に制御トランスの出力電圧上に反映されるように、一次巻線入力電圧に比例する。その降下または中断は、もし大きさおよび/または継続期間が十分であれば、冷却システムの接触器もしくは継電器が脱落し、または制御盤もしくはポンプが停止する原因となるかもしれず、その結果冷却システムの運転の中断をもたらすかもしれない。
【0005】
圧縮機に供給するVSDもまた、同じ理由のために入力電圧降下および中断にさらされる。VSDは典型的には、AC入力電力をDCリンクのためにDC電圧に変換するコンバータを含む。インバータはDCリンクに接続され、DCリンク電圧を可変電圧、可変周波数AC電力出力に変換する。DCリンクは通常、限定された蓄積エネルギーを提供するキャパシタによって保持され、ある場合には、入力電圧をRMS値のピークよりも高く、即ち入力電圧源の公称値の1.414倍よりも大きく昇圧するために、アクティブ整流器またはコンバータが用いられてもよい。VSDのこれらの部品はライドスルー能力の尺度を提供する。しかしながら、非常にしばしば、ライドスルー能力は、60Hz公共配線上での数周期より大きな入力電圧降下または中断に対しては、冷却運転を維持するのには不十分である。VSDがライドスルー能力を備えて構成される場合には、VSDおよび圧縮機モータは電圧降下を切り抜けるかもしれないが、制御トランスは、冷却システムを電圧降下に対して弱いままにしておく可能性がある。
【0006】
圧縮機および補助装置に対して別個のAC入力電源を有する冷却システムの1つの制限は、もしVSD出力電圧または制御電圧のどちらかが降下するかまたは短い中断を経験すると、その結果冷却システムが機能しなくなることである。圧縮機および補助装置に対して別個のAC入力電源を有する冷却システムのもう1つの制限は、異なる配電電圧を有する電力システムに対して異なる制御トランスが使用されなければならず、制御トランスの設計が、冷却システムに供給される入力AC電圧および周波数に依存することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、必要とされるものは、冷却システムの圧縮機を駆動するVSDによって電力を供給され、かつ改善されたライドスルー能力を有する制御トランスである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、冷却システムに関連する少なくとも1つの補助装置に電力を供給するために、VSDのDCリンクから単相AC制御電力を提供するように構成される電子トランスを含む。電子制御トランスは、負荷に電力を供給するためにDC電圧をAC電圧に変換するインバータモジュールを含む。インバータモジュールは、各対の電力スイッチがダイオードに反平行に接続される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを含む複数対の電力スイッチと、電子制御トランスを可変速駆動回路のDCリンクに接続するための入力DC接続部と、電子制御トランスを可変速駆動回路へのAC入力部に接続するための入力AC接続部と、少なくとも1つの補助装置を接続するための出力AC接続部とを含む。インバータモジュールは、少なくとも1つの補助装置に電力を供給すために、固定出力AC電圧および固定周波数を提供するように制御可能である。
【0009】
好ましい実施形態では、本発明は、駆動システムそれ自身とは異なる電圧要件を有する冷却システムの複数の部品に電力を供給するための駆動システムを対象にする。駆動システムは、固定入力AC電圧および固定入力周波数で入力AC電力を受け取るためにAC電源に接続されるアクティブ整流器またはコンバータ段を含む。アクティブコンバータまたは整流器はまた、起動時にDCリンクへの突入電流を制御するための事前充電回路を備えて構成されてもよい。アクティブコンバータ段は、固定入力AC電圧を昇圧DC電圧に変換するように構成され、その昇圧DC電圧は固定入力AC電圧のピーク値よりも大きい。DCリンクはコンバータ段に接続される。DCリンクは、昇圧DC電圧を濾波し、コンバータ段からエネルギーを蓄積するように構成される。また、第1のインバータ段もDCリンクに接続される。第1のインバータ段は、冷却システムのモータに可変電圧および可変周波数で出力電力を提供するために、DCリンクからの昇圧DC電圧を変換するように構成される。可変電圧は、固定入力AC電圧よりも大きい最大電圧能力を有する。可変周波数は、固定入力周波数よりも高い最大周波数能力を有する。アクティブコンバータは、DCリンク内での対応する減少なしにAC入力電圧が減少し得る限りにおいて、追加のライドスルー能力を提供する。アクティブコンバータが飽和に達すると、減少する固定入力AC電圧に応答して、インバータは、エネルギーの流れをモータおよび圧縮機からDCリンク段へ逆転させて、第1のインバータ段に接続されるモータの回転質量内に蓄積されるエネルギーから電力を移動させ、DCリンクの電圧水準を維持するように制御され、かつ電子制御トランスはDCリンクに接続されて、DCリンクからの昇圧DC電圧を、冷却システムの少なくとも1つの部品のために固定出力AC電圧および固定出力周波数を有する補助出力電源に変換するように構成される。固定出力AC電圧は、駆動回路のコンバータへの固定入力AC電圧よりも低い。加えて、電子制御トランスの固定出力AC電圧および固定出力周波数は、固定入力AC電圧の一時的な減少の場合にも維持される。
【0010】
もう1つの実施形態では、VSDは入力端に従来の整流器またはコンバータを含む。コンバータ段に接続されるDCリンクがあり、そのDCリンクは、DC電圧を濾波し、コンバータ段からエネルギーを蓄積するように構成される。第1のインバータ段がDCリンクに接続される。第1のインバータ段は、DCリンクからのDC電圧をモータのための出力電力に変換するように構成される。第1のインバータ段は、減少する入力AC電圧に応答して、第1のインバータ段を通るエネルギーの流れをDCリンク段へ逆転させ、モータの回転質量内に蓄積されるエネルギーから電力を移動させて、DCリンク段の電圧水準を維持するように構成され、かつ電子制御トランスはDCリンクに接続されて、DCリンクからのDC電圧を、冷却システムの少なくとも1つの部品のために固定出力AC電圧および固定出力周波数を有する補助出力電源に変換するように構成される。固定出力AC電圧は、駆動回路のコンバータへの固定入力AC電圧よりも低い。加えて、電子制御トランスの固定出力AC電圧および固定出力周波数は、固定入力AC電圧の一時的な減少の場合にも維持される。
【0011】
本発明のもう1つの実施形態では、電子制御トランスを含む冷却システムがある。冷却システムは、閉冷媒ループ内に接続される圧縮機、凝縮器、および蒸発器を備える冷媒回路を含む。モータが圧縮機に接続されて、圧縮機に動力を供給する。可変速駆動回路がモータに接続される。可変速駆動回路は、固定入力AC電圧および固定入力周波数で入力AC電力を受け取り、可変電圧および可変周波数で出力電力をモータに提供するように構成される。可変電圧は、固定入力AC電圧よりも大きい最大電圧能力を有し、可変周波数は、固定入力周波数よりも高い最大周波数能力を有する。
【0012】
可変速駆動回路は、入力AC電力を提供するAC電源に接続されるアクティブコンバータまたは整流器段を含む。コンバータ段は、入力AC電圧を昇圧DC電圧に変換するように構成される。昇圧DC電圧は固定入力AC電圧よりも大きい。コンバータ段に接続されるDCリンクがあり、そのDCリンクは、昇圧DC電圧を濾波し、コンバータ段からエネルギーを蓄積するように構成される。第1のインバータ段がDCリンクに接続される。第1のインバータ段は、DCリンクからの昇圧DC電圧をモータのための出力電力に変換するように構成される。第1のインバータ段は、減少する入力AC電圧に応答して、第1のインバータ段を通る電力の流れをDCリンク段へ逆転させ、モータの回転質量内に蓄積されるエネルギーから電力を移動させ、DCリンク段の電圧水準を維持するように構成される。
【0013】
電子制御トランスがDCリンクに接続される。電子制御トランスは、DCリンクからの昇圧DC電圧を、固定出力AC電圧および固定出力周波数を有する補助出力電源に変換するように構成され、その固定出力電圧は、アクティブコンバータまたは整流器への固定入力AC電圧よりも低い。電子制御トランスの固定出力AC電圧および固定出力周波数は、入力AC電圧の一時的な減少の場合にも維持される。
【0014】
もう1つの実施形態では、本発明は、冷却システムに関連する少なくとも1つの補助装置に電力を供給するための電子制御トランスを対象にする。電子制御トランスは、少なくとも1つの補助装置に電力を供給するために、固定出力AC電圧および固定周波数を提供するようにDC電圧を変換するインバータモジュールを含む。インバータモジュールは複数対の電力スイッチを有し、各対の電力スイッチは、ダイオードに反平行に接続される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを含む。入力DC接続部は、電子制御トランスを可変速駆動回路のDCリンクに接続するために提供される。入力AC接続部もまた、電子制御トランスを駆動システムのAC入力部に接続するために提供される。出力AC接続部は、少なくとも1つの補助装置をインバータモジュールに接続するために提供される。
【0015】
本発明の1つの利点は、電子トランスが、改善されたライドスルー能力を備える可変速駆動回路に接続され、それによってライドスルー能力を冷却システムの補助部品に提供し、冷却システムの改善された信頼性を提供することである。
【0016】
本発明のもう1つの利点は、冷却制御部に電力を供給するために単一の電子制御トランスを使用することであり、それは、VSDを装備した冷却システムへの入力AC電圧の大きさおよび入力周波数に依存しない。
【0017】
本発明のもう1つの利点は、電子トランスが、従来の制御トランスの必要性を排除し、全冷却システムのための共通の電源を提供することである。
本発明の他の特徴および利点は、本発明の原理を一例として例示する添付の図面と併せて、好ましい実施形態の以下のさらに詳細な説明から明らかになるであろう。
【0018】
可能な限り、同じまたは同様の部分を参照するために、同じ参照番号が図面全体にわたって使用されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1および2は本発明のシステム構成を全体的に例示する。電子トランス108は、可変速駆動回路(VSD)104のDCリンク204からAC電力を提供するように構成される。電子トランス108は、少なくとも4つの半導体スイッチを有し、DCリンク電圧を固定電圧、固定周波数のAC出力に変換する。AC電源102は、AC電力をVSD104に供給し、これは次にAC電力をモータ106に供給する。本発明のもう1つの実施形態では、VSD104は2つ以上のモータ106に電力を供給することができる。モータ106は好ましくは、冷凍または冷却システムの対応する圧縮機を駆動するために使用される。VSD104はまた、DCリンク204から電子トランス108にも電力を供給する。電子トランス108は、DCリンク204からのDC電力を、冷却システムの部品である各種の補助装置110、例えば、制御盤、接触器、継電器、ポンプおよび送風機のための固定電圧および固定周波数AC制御電源に変換する(全体的には図3を参照)。AC電源102は、三相、固定電圧、および固定周波数のAC電力を、その場所にあるAC電力網または配電システムからVSD104に提供する。AC電力網は、電気事業所から直接供給されてもよく、または電気事業所とAC電力網との間の1つまたは複数の変電所から供給されてもよい。AC電源102は好ましくは、対応するAC電力網に依存して、200V、230V、380V、460V、または600Vの三相AC電圧または線間電圧を、50Hzまたは60Hzの線間周波数で、VSD104に供給することができる。AC電源102は、AC電力網の構成に依存して、任意の適切な固定線間電圧または固定線間周波数をVSD104に提供できることを理解されたい。加えて、特定の場所は、異なる線間電圧および線間周波数要件を満足できる複数AC電力網を有することができる。例えば、ある場所は、ある用途を扱うために230VAC電力網を有し、他の用途を扱うために460VAC電力網を有してもよい。
【0020】
次に図2を参照すると、VSD104は、特定の固定線間電圧および固定線間周波数を有するAC電力をAC電源102から受け取り、AC電力をモータ106に所望の電圧および所望の周波数で提供し、その両方は特定の要件を満足するように変化させられてもよい。好ましくは、VSD104は、AC電源102から受け取られる固定電圧および固定周波数よりも高い電圧および周波数または低い電圧および周波数を有するAC電力をモータ106に提供することができる。図2は、VSD104の一実施形態での部品のいくつかを概略的に例示する。VSD104は、3段、即ち、コンバータ段202、DCリンク段204およびインバータ段206を有することができる。コンバータ202は、AC電源102からの固定線間周波数、固定線間電圧のAC電力をDC電力に変換する。DCリンク204は、コンバータ202からのDC電力を濾波し、キャパシタ208および/またはインダクタ(図示されず)などのエネルギー蓄積部品を提供する。インバータ206は、DCリンク204からのDC電力を、モータ106のために可変周波数、可変電圧のAC電力に変換する。
【0021】
電子トランス108もまたVSD104のDCリンク204に接続される。固定電圧および/または周波数は、さまざまの場所または運転要件に適合するように変更されてもよいが、電子トランス108は、DCリンク204からのDC電力を、固定周波数、好ましくは60Hzで、固定AC電圧、好ましくは120VACに変換する。冷却システムのための補助装置110は、電子トランス108の出力部に接続され、制御盤、接触器、継電器、ポンプおよび送風機を含んでもよい。必要に応じて、電子トランス108は、補助装置に三相電力を供給するように構成されてもよい。DCリンクのDC電圧が十分な水準に維持される限り、電子トランス108は、補助装置110の定格電圧で制御電力を提供する能力を有する。VSD104のライドスルー能力の利点は、以下でさらに詳細に論じられるように、冷却システムの補助装置110に移転される。電子トランス108は、VSD104を収納する同じエンクロージャー内に構築されてもよい。別法として、電子トランス108は、制御盤内に構築されてもよく、または制御盤308(図3参照)および/または補助装置110に給電するための配電回路遮断器およびスイッチを有するエンクロージャー内に収納されてもよい。
【0022】
モータ106は好ましくは、可変速で駆動されることが可能な誘導モータである。誘導モータは、2極、4極または6極を含む、任意の適切な極配置を有することができる。誘導モータは、負荷、好ましくは図3で示されるような冷凍または冷却システムの圧縮機を駆動するために使用される。図3は、冷凍システムに接続される本発明のシステムを全体的に例示する。
【0023】
図3で示されるように、HVAC、冷凍または液体冷却システム300は、圧縮機302、凝縮器304、蒸発器306、および制御盤308を含む。制御盤308は、冷凍システム300の運転を制御するために、アナログデジタル(A/D)コンバータ、マイクロプロセッサ、不揮発メモリ、およびインターフェースボードなどの各種の異なる部品を含むことができる。制御盤308はまた、VSD104およびモータ106の運転を制御するために使用されてもよい。電子トランス108は、冷却システム300のための他の単相補助装置へと同様に、制御盤308へも制御電力を提供する。
【0024】
圧縮機302は、冷媒蒸気を圧縮し、吐出管を通じてその蒸気を凝縮器304に配送する。圧縮機302は好ましくは遠心圧縮機であるが、任意の適切な型の圧縮機、例えば、スクリュー圧縮機、往復圧縮機などでもよい。圧縮機302によって凝縮器304に配送される冷媒蒸気は、流体、例えば空気または水と熱交換関係に入り、その流体との熱交換関係の結果として、冷媒液体への相変化を受ける。凝縮器304からの凝縮された液体冷媒は、膨張装置(図示されず)を通じて蒸発器306へ流れる。
【0025】
蒸発器306は、冷房負荷の供給管および戻り管のための接続部を含むことができる。第2の液体、例えば、水、エチレン、塩化カルシウム塩水または塩化ナトリウム塩水は、戻り管を介して蒸発器306内へ進み、供給管を介して蒸発器306から出る。蒸発器306内の液体冷媒は、第2の液体と熱交換関係に入り、第2の液体の温度を下げる。蒸発器306内の冷媒液体は、第2の液体との熱交換関係の結果として、冷媒蒸気への相変化を受ける。蒸発器306内の蒸気冷媒は蒸発器306から出て、吸い込み管によって圧縮機302へ戻り、その循環を完了する。凝縮器304および蒸発器306内での冷媒の適切な相変化が得られるならば、凝縮器304および蒸発器306の任意の適した構成がシステム300で使用されてもよいことを理解されたい。
【0026】
HVAC、冷凍または液体冷却システム300は、図3では示されない多くの他の特徴を含むことができる。これらの特徴は、例示の容易さのため、描画を簡略化するために意図的に省略された。さらに、図3は、HVAC、冷凍または液体冷却システム300を、単一冷媒回路内に接続される1つの圧縮機を有するとして例示するが、システム300は、単一のVSDまたは複数のVSDによって電力を供給され、1つまたは複数の冷媒回路内に接続される複数の圧縮機を有してもよいことを理解されたい。
【0027】
好ましくは、制御盤308、マイクロプロセッサまたは制御装置は、制御盤308によって受け取られる特定の感知器示度に依存して、VSD104およびモータ106のための最適運転設定を提供するようにVSD104(およびもしかするとモータ106)の運転を制御するために、制御信号をVSD104に提供することができる。例えば、図3の冷凍システム300では、制御盤308は、冷凍システム内で変化する条件に対応するようにVSD104の出力電圧および周波数を調節することができる、即ち、制御盤308は、モータ106の所望の運転速度および圧縮機302の所望の負荷出力を得るために、圧縮機302での増加するまたは減少する負荷条件に応答して、VSD104の出力電圧および周波数を増加させるまたは減少させることができる。
【0028】
後戻りして図2を参照すると、コンバータ202は、DCリンク204に結合される従来のダイオードまたはサイリスタ整流器であってもよい。もう1つの例では、コンバータ202は、VSD104の公称RMS基本入力電圧より大きな最大基本RMS出力電圧をVSD104から得るように昇圧DC電圧をDCリンク204に提供するために、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を有するパルス幅変調昇圧コンバータまたは整流器であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、VSD104は、VSD104に提供される固定公称基本RMS入力電圧より大きい最大出力電圧およびVSD104に提供される固定公称基本RMS入力周波数より高い最大基本RMS出力周波数を提供することができる。さらに、VSD104がモータ106に適切な出力電圧および周波数を提供することができる限り、VSD104は、図2で示されるそれらとは異なる部品を組み込むことができることを理解されたい。
【0029】
さらに、アクティブコンバータまたは整流器202は、また電圧降下とも呼ばれるAC入力電圧の減少中のVSD104のライドスルー能力を改善するために使用されてもよい。アクティブコンバータまたは整流器202は、AC入力電圧とは独立な所望のまたは所定の出力電圧をDCリンク204に提供するように制御されてもよい。AC入力電圧に依存しないDC電圧を提供することによって、アクティブコンバータまたは整流器202(およびVSD104)は、AC入力電圧における電圧降下によって影響を受けず、それによってVSD104のために改善されたライドスルー性能を提供する。アクティブコンバータまたは整流器202は、たとえAC入力電圧が降下しても、所望のDC電圧をDCリンク204に提供し続けることができる。アクティブコンバータまたは整流器202のこの能力は、VSD104が、AC入力電圧が降下する時間中、中断なしに作動し続ける、即ちライドスルーすることを可能とする。
【0030】
冷却システムにおけるライドスルーを改善する別の方法として、アクティブコンバータまたは整流器202が電圧降下中にその電流限界に達すると、圧縮機制御部分(図示されず)は、DCリンクキャパシタ208から機械的負荷によって消費される電力を最小限にするために、圧縮機302の機械的除荷装置を作動させる。また、機械的負荷が圧縮機制御部分によって切り離されるのとほとんど同時に、インバータ制御部分(図示されず)はDCリンク電圧の制御を引き受け、エネルギーがモータ106の回転質量内に蓄積されるエネルギーからDCリンクキャパシタ208へ移動されるようにするために、モータ速度を制御する。モータ速度はライドスルー中に減少するが、一方、DCリンク電圧は定格電圧にまたは定格電圧近くに維持される。もし回転質量内に蓄積されるエネルギーが、線間入力電圧の公称範囲までの復元前に十分に使い果たされると、システムは、冷却システム部品への損傷を防止するために、最終的に停止するであろう。もし線間入力AC電圧が、公称入力AC電圧の所定の範囲内にまで回復すれば、そのときには、次の電圧降下が生じるまで、インバータ206は、HVAC&Rの制御システムによって要請されるようにモータ106の速度を制御することを再開し、コンバータ202は、DCリンク204のDC電圧を調整することを再開する。
【0031】
以下でさらに詳細に論じられるように、電子トランス108は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)またはMOSFETなどの4つの電力半導体スイッチ(図示されず)から成る。好ましくは、電子トランス108は、DCリンクからのDC電圧を変換して、単相、120V、60HzのAC制御電力を補助装置110に提供するように構成される。もし補助装置110が、ポンプおよび送風機のために三相モータを含むならば、電子トランス108は、三相電力および望むならば、異なる固定電圧および固定周波数を提供するように構成されてもよい。電子トランス108は、ある固定出力電圧および周波数に設定され、それがいったん設定されると、出力電力の電圧または周波数を調節しない。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、VSD104は、DCリンクに接続されるキャパシタを事前充電するための事前充電構成を含む。図4を参照すると、DCリンク204のキャパシタ208の事前充電は、図4で示されるアクティブコンバータまたは整流器モジュール202を使用して制御される。アクティブコンバータまたは整流器モジュール202は、3対(各入力相に対して各対)の電力スイッチまたはトランジスタを含む。アクティブコンバータまたは整流器モジュール202はまた、電子トランス108に対して以下で述べられるのと同様の方法で電力スイッチの切換えを制御するために、対応する制御接続部(簡略化のために図示されず)も含む。アクティブコンバータまたは整流器モジュール202の好ましい実施形態では、電力スイッチは、以下で詳細に論じられるように、DCリンク204のために所望の出力電圧を生成するようにパルス幅変調技術によって制御されるIGBT電力スイッチである。好ましくは、アクティブコンバータまたは整流器モジュール202は、VSD104の入力電圧よりも大きな出力電圧をVSD104から得るために、昇圧DC電圧をDCリンク204に提供する昇圧整流器として作動することができる。
【0033】
アクティブコンバータまたは整流器モジュール202では、各対の電力スイッチ内の電力スイッチの1つは、逆または反平行ダイオード452に接続されるIGBT450である。逆または反平行ダイオード452は、VSD104がパルス幅変調モードで運転されるとき、その他の電力スイッチ、IGBT454がオフにされた後、電流を伝導するために使用される。図4で示されるように、IGBT450および逆ダイオード452は、回路保護装置および三相線路インダクタ416の出力とDCバスの負レール412との間に接続される。しかしながら、本発明のもう1つの実施形態では、多数のIGBT450および逆ダイオード452は、図6で示されるように、回路保護装置および三相線路インダクタ416の出力とDCバスの正レール412aとの間に接続されてもよい。回路保護装置416は、装置416の負荷側に接続されるVSD回路部品を保護するために、インダクタ、回路遮断器、ヒューズおよび他の器具を含んでもよい。
【0034】
電力スイッチ対内のその他の電力スイッチは、逆阻止IGBT454であり、即ち、IGBT454は順方向と同様逆方向の電圧も阻止することができる。逆阻止IGBT454は逆または反平行IGBT456に接続され、この反平行IGBT456もまた逆阻止IGBTである。その結果、反平行IGBT456は好ましくは、事前充電運転の間、突入電流の小さなパルスのみがDCリンクに到達することができるように制御される。事前充電運転が完了した後、反平行IGBT456は、反平行ダイオード452と同様に、常に伝導するように制御されてもよい。逆阻止IGBT454は、事前充電の目的のために、反平行IGBT456の伝導が遅延される限りの間は、IGBT454を横断して現れるピーク線間電圧にほぼ等しい正のエミッタコレクタ電圧を阻止する。
【0035】
アクティブコンバータ202の代替実施形態では、図6で示されるように、コンバータは相当たり3つの電力スイッチを含む。相当たり3つの電力スイッチの各々は、逆または反平行ダイオード452に接続される、逆電圧を阻止することができない従来のIGBT450から成る。電力スイッチのうちの2つは、回路保護装置および三相線路リアクタ416と正レールとの間に対向する直列構成で接続される。その結果、各相において、最上部の電力スイッチAtopは好ましくは、事前充電運転の間、中間の対向する直列電力スイッチAmid逆ダイオードを通じて、突入電流の小さなパルスのみがDCリンク204に到達することができるように制御される。事前充電運転が完了した後、第1の電力スイッチAtopは、反平行ダイオード452と同様に、常に伝導するように制御されてもよい。各相の第3の電力スイッチAbotは、回路保護装置および三相線路リアクタ416と負レールとの間に接続される。
【0036】
図4を参照すると、コンバータ202のさらにもう1つの実施形態では、反平行IGBT456は、炭化シリコン制御整流器(SiCCR)によって置き換えられる。逆阻止IGBT454は、SiCCRに反平行に接続される。その結果、SiCCRは好ましくは、事前充電運転の間、突入電流の小さなパルスのみがDCリンク204に到達することができるように制御される。事前充電運転が完了した後、SiCCRは、反平行ダイオード452と同様に、常に伝導するように制御されてもよい。逆阻止IGBT454は、事前充電の目的のために、SiCCRの伝導が遅延される限りの間は、IGBT454を横断して現れるピーク線間電圧にほぼ等しい正のエミッタコレクタ電圧を阻止する。加えて、SiCCRは、従来のダイオードとして運転されるときは、逆回復現象または特性を示さない。SiCCRにおける逆回復特性の欠如は、同相のIGBT450がオンになるときにはいつも、かなりの逆電流がSiCCR内を流れるのを防止することによって、かなりの逆回復損失がSiCCR内で生じるのを防止する。
【0037】
DCリンクを事前充電するときには、好ましい実施形態では、電子トランス108は、入力AC電力102の三相L1、L2、L3のうちの任意の2つに接続される一対のダイオード430を含む。この配置は、アクティブコンバータまたは整流器が作動していないまたはDCリンク204を事前充電しているときには、制御回路に直接に電力を提供する。ダイオード430は、コンバータ202のDCリンク204が事前充電している間、入力AC電圧102をDCバス440のDC電圧に変換するために、電子トランスのDCバス440に接続される。ダイオード432は、事前充電中、DCバス440からDCリンク202への電流の流れを阻止する。DCリンク204の事前充電が完了し、アクティブコンバータ202が使用可能になった後は、DCリンク202の昇圧DC電圧は、ダイオード430によって提供されるDC電圧よりも大きく、DC電流がDCリンク204からDCバス440へ流れるようになる。したがって、DCリンク204の電圧が入力AC電圧のピークを越えると、ダイオード430は逆バイアスされ、それらはDCバス440へ電流を伝導することを停止する。ダイオード430はまた、DCリンクを入力AC線102から絶縁もする。好ましくは、キャパシタ442は、DC電力を濾波し、電子トランス108のためのエネルギーを蓄積するために、DCバス440を横断して接続される。アクティブコンバータまたは整流器が作動していないとき、三相AC電源が電子制御トランスに電圧を提供できるように、図示されない追加のダイオード430が含まれてもよい。
【0038】
電子トランス108は本質的に、DCバス440のDC電圧を、上述の補助装置110のための制御電圧に、典型的には120ボルト、60Hz電力に変換するインバータである。電子トランス108は、4対の電力スイッチまたはトランジスタを有する。各対の電力スイッチにおける電力スイッチの1つは、逆または反平行ダイオード446に接続されるIGBT444である。逆または反平行ダイオード446は、電子トランス108がパルス幅変調モードで運転されるとき、その他の電力スイッチ、IGBT444がオフにされた後、電流を伝導するために使用される。
【0039】
図4で示されるように、IGBT444および逆ダイオード446は、DCバス440と、電子トランス108の出力部にあるインダクタ460との間に接続される。インダクタ460およびキャパシタC2は、インバータ内のIGBT444およびダイオード446によって生成される切換え周波数を濾波して除去する低域通過フィルタを形成する。電子トランス108は、所望のAC電圧および周波数を電子トランス108から得るために、ある変調方式を使用して、電子トランス108内の各IGBT電力スイッチを、「オン」または活性化位置と「オフ」または非活性化位置との間で選択的に切換えることによって、DCバス440上のDC電圧を変換する。ゲート信号または切換え信号は、IGBT電力スイッチを「オン」位置と「オフ」位置との間で切換えるために、その変調方式に基づいて、図示されない制御回路によってIGBT電力スイッチに提供される。IGBT電力スイッチは好ましくは、切換え信号が「ハイ」、即ち論理1のときには「オン」位置にあり、切換え信号が「ロー」、即ち論理ゼロのときには「オフ」の位置にある。しかしながら、IGBT電力スイッチの活性および非活性は、切換え信号の反対状態に基づいてもよいことを理解されたい。
【0040】
キャパシタC2は、電子トランス108の出力電圧を濾波し、ソレノイド弁および継電器などの、エネルギーを与えられるとき突入電流を必要とする負荷のための電気エネルギーを蓄積するために、インダクタ460の負荷端子を横断して接続されてもよい。オプションとして、電気的絶縁を提供するために、例えば、制御回路を接地するために、電子トランス108の出力にあるキャパシタ462を横断して絶縁トランス464が接続されてもよい。もし絶縁トランス464が必要とされるならば、インダクタ460およびキャパシタC2が、トランス464の負荷側に接続されてもよい。これは、より高い周波数がトランス464の一次側に印加される結果となり、より小さく、より安価なトランス464の使用を可能とする。
【0041】
本発明のもう1つの態様では、事前充電構成はVSD104内に提供されない。DCリンクへの突入電流が著しくない場合には、DCリンクのキャパシタの事前充電を制御する必要はないかもしれない。図5を参照すると、この構成では、DCリンク204は、電子トランス108のDCバス440に直接接続される。コンバータモジュール202は、3対(各入力相に対して1対)の電力スイッチまたはトランジスタを含む。コンバータモジュール202はまた、電力スイッチの切換えを制御するために、上述のような対応する制御接続部を含む。電力スイッチはIGBT電力スイッチであり、DCリンク204のために所望の出力電圧を生成するようにパルス幅変調技術によって制御される。好ましくは、コンバータモジュール202は、VSD104の入力電圧よりも大きな出力電圧をVSD104から得るために、DCリンク204に昇圧DC電圧を提供する昇圧整流器として作動することができる。
【0042】
図5で示されるコンバータモジュール202では、各対の電力スイッチは、逆または反平行ダイオード452に接続されるIGBT450である。VSD104がパルス幅変調モードで運転されるとき、逆または反平行ダイオード452は、その他の電力スイッチ、IGBT450がオフにされた後、電流を伝導するために使用される。図4で示されるように、各対の電力スイッチにおけるIGBT450および逆ダイオード452の1組は、回路保護装置および三相線路リアクタ416の出力とDCバス412の負レールとの間に接続される。各対の電力スイッチにおけるIGBT450および逆ダイオード452のその他の組は、回路保護装置および三相線路リアクタ416の出力とDCバス412の正レールとの間に接続される。反平行ダイオード452は常に一方向に伝導性があるので、キャパシタ208を事前充電するために制御可能ではない。
【0043】
図5における電子トランス108の構成はまた、AC入力線102への任意の直接接続部を除去するようにも変更される。電子トランス108のキャパシタ442は、VSD104のDCリンク204およびキャパシタと平行に、かつ電子トランス440のDCバス440と平行に接続される。図4で示される構成に関連して上述のように作動する4対の電力スイッチがある。同様に、インダクタ460、キャパシタ462およびオプションの絶縁トランス464は、図4で上述されたのと同じに構成される。
【0044】
電子トランスをDCリンク204に接続することは、従来の巻線型トランスを使用するときには利用できない追加のライドスルー能力を、冷却システム補助装置に提供する。もし電圧降下が入力AC電源102において生じると、上述のように、DCリンク204が、モータ106および圧縮機302の回転質量内に蓄積されるエネルギーおよび/またはアクティブコンバータ202によって支援されるかぎり、電子トランス108の出力電圧はその定格出力電圧に維持される。したがって、冷却システムの運転は、電圧降下およびかく乱の間、制御盤、ポンプ、継電器および接触器などの補助装置の不具合によって危うくされることはない。
【0045】
本発明は好ましい実施形態を参照して述べられてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、各種の変形がなされ、等価物がその要素と置き換えられてもよいことは当業者には理解されるであろう。加えて、それの本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状態または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの変更がなされてもよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために熟考される最良の態様として開示される特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施形態を含むであろうことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の全体的なシステム構成を概略的に例示する図である。
【図2】本発明の可変速駆動回路および電子制御トランスの実施形態を概略的に示す図である。
【図3】本発明と一緒に使用されることのできる冷却システムを概略的に示す図である。
【図4】電子制御トランスの一実施形態の回路図を例示する図である。
【図5】電子制御トランスの代替実施形態を例示する図である。
【図6】アクティブコンバータ配置の代替実施形態を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定入力AC電圧および固定入力周波数で入力AC電力を受け取るためにAC電源に接続され、前記固定入力AC電圧を昇圧DC電圧に変換し、前記昇圧電圧が前記固定入力AC電圧よりも大きくなるように構成されるコンバータ段と、
前記コンバータ段に接続され、前記昇圧DC電圧を濾波し、前記コンバータ段からのエネルギーを蓄積するように構成されるDCリンクと、
前記DCリンクに接続され、冷却システムのモータに可変電圧および可変周波数で出力電力を提供するために前記DCリンクからの前記昇圧DC電圧を変換し、前記可変電圧は、前記固定入力AC電圧よりも大きい最大電圧を有し、前記可変周波数は前記固定入力周波数よりも高い最大周波数を有するように構成されている、第1のインバータ段と、
前記第1のインバータ段は、前記第1のインバータ段を通る電力の流れを前記DCリンク段へ逆流させて、前記第1のインバータ段に接続されるモータの回転質量に蓄積されるエネルギーから電力を移動させ、減少する固定入力AC電圧に応答して前記DCリンクの電圧水準を維持するように構成され、
前記DCリンクに接続され、前記DCリンクからの前記昇圧DC電圧を、冷却システムの少なくとも1つの部品のために固定出力AC電圧および固定出力周波数を有する補助出力電源に変換し、前記固定出力AC電圧は前記固定入力AC電圧よりも小さくなるように構成された第2のインバータ段と、
前記第2のインバータ段の前記固定出力AC電圧および固定出力周波数は、前記固定入力AC電圧の一時的な減少の場合に維持される、
を含む、異なる電圧要件を有する冷却システムの複数の部品に電力を供給する駆動システム。
【請求項2】
前記コンバータ段は、前記DCリンクを事前充電するように制御可能である、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記第2のインバータ段は、前記昇圧DC電圧を前記固定出力AC電圧および固定出力周波数に逆変換するように構成される少なくとも4つの電力半導体スイッチから構成される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記第1のインバータ段および前記第2のインバータ段は単一のエンクロージャー内に配置される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項5】
前記第1のインバータ段および前記第2のインバータ段は別個のエンクロージャー内に配置される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記補助出力電源固定出力AC電圧は120VACであり、前記固定出力周波数が60Hzである、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記第2のインバータ段は前記固定出力AC電力を制御盤および配電盤に提供し、少なくとも1つの補助電気部品は前記配電盤に接続される、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの補助電気部品は、ポンプ、継電器、ソレノイド、加熱器、接触器、送風機、およびその組合せから成る群から選択される、請求項8に記載の駆動システム。
【請求項9】
前記第2のインバータ段はまた、前記コンバータ段が前記DCリンクを事前充電している間、前記入力AC電力から直接DC電源を提供するための回路を含む、請求項3に記載の駆動システム。
【請求項10】
前記第2のインバータ段の前記回路は、前記入力AC電力に接続される複数のダイオードおよび前記DCリンクに接続される1つのダイオードを含む、請求項9に記載の駆動システム。
【請求項11】
閉冷媒ループに接続される圧縮機、凝縮器、および蒸発器を含む冷媒回路と、
前記圧縮機に動力を供給するために前記圧縮機に接続されるモータと、
前記モータに接続され、入力AC電力を固定入力AC電圧および固定入力周波数で受け取り、出力電力を可変電圧および可変周波数で前記モータに提供し、前記可変電圧は前記固定入力AC電圧よりも大きい最大電圧を有し、前記可変周波数は前記固定入力周波数よりも高い最大周波数を有するように構成された可変速駆動回路と、
前記可変速駆動回路は、
前記入力AC電力を提供するAC電源に接続され、前記入力AC電圧を昇圧DC電圧に変換し、前記昇圧DC電圧は前記固定入力AC電圧よりも大きくなるように構成されるコンバータ段と、
前記コンバータ段に接続され、前記昇圧DC電圧を濾波し、前記コンバータ段からエネルギーを蓄積するように構成される前記DCリンクと、
前記DCリンクに接続され、前記DCリンクからの前記昇圧DC電圧を、前記モータのための出力電力に変換するように構成され、さらに、前記第1のインバータ段を通る電力の流れを前記DCリンク段へ逆流させて、前記モータの回転質量に蓄積されるエネルギーから電力を移動させ、前記第1のインバータ段と減少する入力AC電圧に応答して前記DCリンク段の電圧レベルを維持するように構成される第1のインバータ段と、を備え、
前記DCリンクに接続され、前記DCリンクからの前記昇圧DC電圧を、固定出力AC電圧および固定出力周波数を有する補助出力電源に変換し、前記固定出力電圧は前記固定入力AC電圧よりも小さくなるように構成され、電子制御トランスの前記固定出力AC電圧および固定出力周波数は、前記入力AC電圧の一時的な減少の場合に維持される、電子制御トランスと、
を含む冷却システム。
【請求項12】
前記コンバータ段は前記DCリンクを事前充電するように制御可能である、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項13】
前記電子制御トランスは、前記昇圧DC電圧を前記固定出力AC電圧および固定出力周波数に逆変換するように構成される少なくとも4つの電力半導体スイッチから成る、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項14】
前記第1のインバータ段および前記電子制御トランスは単一のエンクロージャーに配置される、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項15】
前記第1のインバータ段および前記電子制御トランスは個別のエンクロージャーに配置される、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項16】
前記補助出力電源固定出力AC電圧が120VACであり、前記固定出力周波数が60Hzである、請求項11に記載の冷却システム。
【請求項17】
前記電子制御トランスは前記固定出力AC電力を制御盤および配電盤に提供し、少なくとも1つの補助電気部品は前記配電盤に接続される、請求項12に記載の冷却システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの補助電気部品は、ポンプ、継電器、ソレノイド、加熱器、接触器、送風機、およびその組合せから成る群から選択される、請求項17に記載の駆動システム。
【請求項19】
前記電子制御トランスはまた、前記コンバータ段が前記DCリンクを事前充電している間、前記入力AC電力から直接DC電源を提供するための回路を含む、請求項12に記載の駆動システム。
【請求項20】
前記電子制御トランスの前記回路は、前記入力AC電力に接続される複数のダイオードおよび前記DCリンクに接続される1つのダイオードを含む、請求項11に記載の駆動システム。
【請求項21】
少なくとも1つの補助装置に電力を供給するために、固定出力AC電圧および固定周波数を提供するようにDC電圧を変換し、複数対の電力スイッチを含み、各対の電力スイッチは、ダイオードに反平行に接続される絶縁ゲート型バイポーラトランジスタを含む、インバータモジュールと、
電子制御トランスを可変速駆動回路のDCリンクに接続するための入力DC接続部と、
少なくとも1つの補助装置を前記インバータモジュールに接続するための出力AC接続部と、
を含む、冷却システムに関連する少なくとも1つの補助装置に電力を供給するための電子制御トランス。
【請求項22】
前記インバータモジュールはパルス幅変調技術によって制御可能である、請求項21に記載の電子制御トランス。
【請求項23】
前記複数対の電力スイッチは2対の電力スイッチを含む、請求項21に記載の電子制御トランス。
【請求項24】
前記可変速駆動回路に電力を供給するために使用される入力AC電源に接続するための入力AC接続部をさらに含み、前記入力AC接続部はまた1対のコンバータダイオードおよび1つの逆阻止ダイオードも含み、前記コンバータダイオードは前記入力AC電源からの入力AC電圧をDC電圧に整流するように構成され、前記可変速駆動回路の事前充電回路を短絡させることを防止するために、前記逆阻止ダイオードは前記コンバータダイオードと前記入力DC接続部との間に接続される、請求項21に記載の電子制御トランス。
【請求項25】
前記DC入力を濾波し、電気エネルギーを蓄積するために、前記入力DC接続部を横断して接続される入力キャパシタをまた含む、請求項24に記載の電子制御トランス。
【請求項26】
前記DC入力を濾波し、電気エネルギーを蓄積するために、前記入力DC接続部を横断して接続される入力キャパシタをまた含む、請求項21に記載の電子制御トランス。
【請求項27】
負荷の電気的絶縁のために、前記出力AC接続部に接続される絶縁トランスをまた含む、請求項21に記載の電子制御トランス。
【請求項28】
前記絶縁トランスと直列のフィルタ回路をまた含み、前記フィルタ回路は、少なくとも1つの直列接続されるインダクタ、少なくとも1つの並列接続されるキャパシタ、およびその組合せを含む、請求項27に記載の電子制御トランス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−521903(P2009−521903A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548800(P2008−548800)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/062071
【国際公開番号】WO2007/133289
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(592035730)ヨーク・インターナショナル・コーポレーション (34)
【氏名又は名称原語表記】YORK INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】