説明

FM受信機

【課題】高速ロックアップ時から安定化期間(ロック状態)へ移行する際に発生する音揺れを無くし、聴感悪化を回避する。
【解決手段】PLL回路100がアンロック状態ではPLL回路100がチャージポンプ回路200のチャージポンプ電流が大レベルである高速応答状態となり、PLL回路100がロック状態ではPLL回路100がチャージポンプ回路200のチャージポンプ電流が高速応答状態より少ない小レベルである低速応答状態となる。PLL回路100がアンロック状態からロック状態へ移行するロックアップ時において、PLL回路100が高速応答状態から、チャージポンプ回路200のチャージポンプ電流が高速応答状態より少なく低速応答状態より多い中レベルである中速応答状態を経由して、低速応答状態へ移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選局時に短時間でロックアップできるように、高速ロックアップ回路を有するPLL回路を備えたFM受信機に関するものである。特に、本発明は、自動的にチャージポンプ電流を切り替える制御手段をもつ、FM受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PLL回路は、シンセサイザチューナ等、多くの分野で用いられている。チューナ回路では、高周波のRF信号を受信し、これを信号処理しやすい中間周波数帯に変換するためにRF信号から中間周波数分だけ周波数のずれた信号を電圧制御発振器(以下、VCOと記す)から発生させる必要がある。
【0003】
このため、PLL回路では、PLL回路に与えられたデータに基づいてRF信号の周波数から中間周波数分だけ周波数のずれた信号を発振させるのに必要なリファレンス信号を発生し、このリファレンス信号の位相とVCOで発振された発振信号を分周した比較信号の位相とを比較し、それによって得られた位相誤差信号を基にチャージポンプを動作させ、このチャージポンプの動作により得られたVCO制御電圧をもとにVCOの発振周波数を制御している。
【0004】
PLL回路においては、ロックアップ速度は速く、かつロックアップ後の位相雑音特性は良好であることが求められる。しかしながら、ロックアップ速度を速くするにはチャージポンプ電流を増やす必要がある一方で、ロックアップ後の位相雑音特性を良好とするにはチャージポンプ電流を減らし緩やかにチャージすることが必要であり、これらはトレードオフの関係にある。
【0005】
そのためPLL回路では、アンロック状態ではチャージポンプ電流を増やして高速ロックアップし、ロック状態ではチャージポンプ電流を減らし、緩やかにチャージして位相雑音特性を良好とすることが一般に行われている。
【0006】
図6は高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機のPLL回路を示したものである。
【0007】
図6に示すFM受信機のPLL回路は、受信したRF信号を中間周波数に変換するため、RF信号の周波数から中間周波数分だけずれた周波数で発振するVCO9と、VCO9に接続されVCO9から出力されるVCO出力信号(発振信号)hをリファレンス信号jと比較可能な周波数の比較信号dに分周するプログラマブルディバイダ3と、プログラマブルディバイダ3およびリファレンスディバイダ11に接続され、プログラマブルディバイダ3から出力された比較信号dとリファレンスディバイダ11から出力されたリファレンス信号jとの位相差を検出し位相差が無くなる方向にチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2を出力する位相比較器4と、位相比較器4に接続され、位相比較器4からのチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2をもとにチャージポンプ出力電流fの出し入れを行うチャージポンプ回路400と、チャージポンプ回路400に接続され、チャージポンプ回路400を構成する第1および第2のチャージポンプ14、15の電流出し入れによって変化するVCO制御電圧gを安定化するループフィルタ8とを備える。
【0008】
また、リファレンスディバイダ11は発振回路10に接続されており、発振回路10の発振信号(水晶振動子出力信号)iを分周し、PLL動作に必要なリファレンス信号jを生成する。
【0009】
さらに、このFM受信機のPLL回路は、位相比較器4に接続され、位相比較器4から出力される位相誤差信号lを受けてロック検出動作を行うロック検出回路12と、ロック検出回路12に接続され、ロック検出回路12からのロック検出信号mを受けて第2のチャージポンプ15のチャージポンプ電流切替制御信号k1を生成する電流切替制御回路13とを備える。
【0010】
ここで、ロック検出回路12は、位相誤差信号がある閾値よりも小さくなったときにロックされたと検出する。そのため、ロック検出後に電圧の揺れが生じる。以下、その理由について説明する。ロック時の高速モードではチャージポンプ電流が大きくなっており、このときは低速モード時のようにチャージポンプ電流が小さい状態と比べ、VCO制御電圧の安定点からの偏差は大きくなる。ロック検出によってチャージポンプ電流が切り替わるとき、VCO制御電圧の安定点からのズレ分はタイミング等の影響により変わるが、ズレが大きいと切替後の低速モードのチャージポンプ電流にて十分な引き込みができないことがある。その結果、VCO制御電圧が不安定になる期間(安定点からの偏差が大きい期間)が生じる。この期間が長い場合、音揺れが発生する。
【0011】
チャージポンプ400は、チャージポンプ電流ICPaを流す第1のチャージポンプ14とチャージポンプ電流ICPbを流す第2のチャージポンプ15とで構成されている。このチャージポンプ回路400は、PLL回路がアンロック状態では第1および第2のチャージポンプ14、15が両方とも動作して、チャージポンプ電流ICPa及びICPbで高速にチャージ動作を行い、ロック状態では第1のチャージポンプ14のみが動作してチャージポンプ電流ICPaで低速にチャージ動作を行う。第2のチャージポンプ15の動作・不動作は、電流切替制御回路13から出力されるチャージポンプ電流切替制御信号k1によって制御される。
【0012】
次に、以上の構成を持ったFM受信機のPLL回路の動作について図6を参照しながら説明する。PLL回路に与えられたデータ(選局データ)に基づきプログラマブルディバイダ3での分周比が設定される。PLL回路に与えられたデータが変化すると、プログラマブルディバイダ3での分周比も変化する。そして、プログラマブルディバイダ3より出力された比較信号dとリファレンスディバイダ11から出力されたリファレンス信号jとが位相比較器4に入力され、位相比較される。
【0013】
PLL回路がロック状態のとき、比較信号dとリファレンス信号jとの間の位相差が0となるようにPLLループが働いており、フィードバック動作により位相誤差は0に保たれている。このとき、ロック検出回路12ではロック状態を検出しており、その検出出力mを受けた電流切替制御回路13からはロックアップ用の第2のチャージポンプ15をオフにするようにチャージポンプ電流切替制御信号k1が出力される。このとき、チャージポンプ回路400は、第1のチャージポンプ14のみが動作し、また位相誤差が0に保たれていることから、VCO制御電圧gの変化はなく、ループフィルタ8を経たVCO制御電圧gは一定であり、VCO9はPLLで設定されたとおり希望周波数から中間周波数だけずれた周波数で発振する。
【0014】
次に、受信周波数設定を変更する場合の動作について、図7および図8を参照しながら説明する。図7には、高速ロックアップ回路を有する従来のFM受信機のチャージポンプ電流切替制御信号k1とVCO制御電圧gの変化の一例を示している。また、図8には、高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機のPLL回路の入出力信号の変化の一例を示している。具体的には、図8には、第2のチャージポンプ15のチャージポンプ電流切替制御信号k1と、リファレンス信号jと、チャージポンプ電流極性制御信号e1、e2と、チャージポンプ出力電流fとが示されている。
【0015】
図7および図8において、時刻t1から時刻t2までの期間は、ロック検出回路12がアンロック状態を検出し、チャージポンプ電流切替制御信号k1がハイレベルとなっており、チャージポンプ回路400において、第1および第2のチャージポンプ14、15が両方動作している状態を示している。つまり、この期間t1−t2では、チャージポンプ電流値が「大」に設定されている。このとき、VCO制御電圧gは高速で変化する。
【0016】
また、時刻t2以降の期間は、ロック検出回路12がロック状態を検出し、チャージポンプ切替制御信号k1がローハイレベルとなっており、チャージポンプ回路400において、第1のチャージポンプ14のみが動作している、チャージポンプ電流値が「小」の状態を示している。このとき、VCO制御電圧gは低速で変化する。
【0017】
受信周波数設定の変更に伴いプログラマブルディバイダ3の分周比が変わると、比較信号dの周波数も変わるため、位相比較器4は比較信号dとリファレンス信号jとの位相誤差を検出し、チャージポンプ回路400のチャージポンプ出力電流fの出し入れをコントロールするチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2を出力する。第1および第2のチャージポンプ14、15では、図8に示すように、チャージポンプ電流極性制御信号e1がハイレベルのときに電流が吐き出され、チャージポンプ電流極性制御信号e2がハイレベルのとき電流が引き抜かれる。またチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2がともにローレベルのとき電流の出し入れは起こらない(チャージポンプ電流極性制御信号e1、e2がともにハイレベルとなることは無いとする)。その結果、VCO制御電圧gは図7に示すようになる。
【0018】
位相比較器4に接続されたチャージポンプ回路400は、図8および図7に示すように、チャージポンプ電流極性制御信号e1、e2を受けてチャージポンプ出力電流fの出し入れを行いVCO制御電圧gを安定化させるが、一方でPLL回路がアンロック状態の時にはロック検出回路12のロック検出信号mを受けて電流切替制御回路13から出力される第2のチャージポンプ15のチャージポンプ電流切替制御信号k1がハイレベルとなり、このとき第1のチャージポンプ14とともに高速ロックアップ用の第2のチャージポンプ15が動作し、PLL回路は高速にロックアップされる状態となる。
【0019】
VCO制御電圧gはチャージポンプ回路400の動作によって変化するが、比較信号dとリファレンス信号jの位相差が無くなったところで安定化し、VCO9の発振周波数は一定周波数に落ち着き、受信周波数から中間周波数だけずれた周波数にて発振する。
【0020】
PLL回路がロック状態になると、図7および図8に示すように、ロック検出回路12のロック検出信号mを受けて電流切替制御回路13の第2のチャージポンプ15用のチャージポンプ電流切替制御信号k1はローレベルとなり、このとき高速ロックアップ用のチャージポンプ15はOFFし、PLL回路は第1のチャージポンプ14のみが動作する。
【0021】
以上のとおり、ロック検出回路12のロック検出動作に基づき、PLL回路のロックアップ時には第1および第2のチャージポンプ14、15が動作してチャージポンプ電流が大きくなり高速ロックアップできる。また、ロックアップ後には、第1のチャージポンプ14のみが動作してチャージポンプ電流が小さくなるため、位相雑音特性がよくなる。
【特許文献1】特開2002−261606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記従来のFM受信機は、高速ロックアップ回路を備えたPLL回路を使用し、ロックアップ時とロックアップ後とでチャージポンプ回路400のチャージポンプ電流の大きさを切り替えることで、ロックアップ時の高速ロックアップとロックアップ後の位相雑音特性の改善とを実現しているが、なお次のような課題がある。
【0023】
例えばFM受信機において、VCOの外付け部品を変えることなくワールドワイド対応化するためには広いVCO発振周波数範囲が必要となる。一方、VCO発振周波数範囲が広くなると、ループゲインが大きくなり、VCOの所要CN(キャリアノイズ比)を確保するためにはループゲインが小さい場合に比べ、ロックアップ後の電流を小さくする必要がある。その理由は、PLLのループゲインが大きくなるとVCO制御電圧の安定点に対する偏差が大きくなるためである。
【0024】
しかしながら、チャージポンプ電流切り替わり後の電流が小さくなると、PLLの引き込みが弱くなり、VCO制御電圧の安定点に到達するまでの速度が遅くなるため、VCO制御電圧が安定化するまで音揺れが発生し、聴感が悪化する。
【0025】
図7に、ロックアップ後の電流が小さい場合のロックアップ時のVCO制御電圧gの波形の一例を示す。図7のVCO制御電圧gにおいて、時刻t2以降において緩やかなレベル変動が長く続いているが、この期間が図7のように長いと、FM変調器に用いた場合に、FM放送の再生時に音揺れが発生しやすいという問題がある。
【0026】
ここで、「ロックアップ時」というのは、ロック検出信号が出力されるまでの期間を意味する。図8では、ロック検出によりチャージポンプ電流設定が小に切り替わるまでの期間のことである。
【0027】
したがって、本発明の目的は、高速ロックアップ時から安定化期間(ロック状態)へ移行する際に発生する音揺れを無くし、聴感悪化を回避することができるFM受信機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記課題を解決するために、本発明のFM受信機は、チャージポンプ電流の大きさを変更可能なチャージポンプ回路を含んで応答速度を変更可能なPLL回路を備えたFM受信機であり、PLL回路がアンロック状態ではPLL回路がチャージポンプ回路のチャージポンプ電流が大レベルである高速応答状態となり、PLL回路がロック状態ではPLL回路がチャージポンプ回路のチャージポンプ電流が高速応答状態より少ない小レベルである低速応答状態となり、PLL回路がアンロック状態からロック状態へ移行するロックアップ時において、PLL回路が高速応答状態から、チャージポンプ回路のチャージポンプ電流が高速応答状態より少なく低速応答状態より多い中レベルである中速応答状態を経由して、低速応答状態へ移行することを特徴とする。
【0029】
上記構成においては、チャージポンプ回路は、ロックアップ時においてチャージポンプ電流が3段階以上の複数段階に切り替わることにより、PLL回路がアンロック状態からロック状態へ移行することが好ましい。
【0030】
また、上記構成においては、PLL回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力を分周するプログラマブルディバイダと、プログラマブルディバイダの出力信号を基準信号と比較する位相比較器と、位相比較器の出力に応じて電流の吐き出し・引き抜きを行うチャージポンプ回路と、チャージポンプ回路に接続されチャージポンプ回路による電流の出し入れによって変化する制御電圧を電圧制御発振器に与えるループフィルタと、チャージポンプ回路の出力電流の大きさを切り替える電流切替制御回路とを含み、
電流切替制御回路は、プログラマブルディバイダの分周比を更新するためのタイミング信号をトリガとして所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生する第1のタイマ回路と、第1のタイマ回路の出力ゲート信号の後縁をトリガとして所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生する第2のタイマ回路とを有し、第1のタイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を大レベルとし、第2のタイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を中レベルとし、第1および第2のタイマ回路の出力ゲート信号の両方の非アクティブ期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を小レベルとすることが好ましい。
【0031】
また、上記構成においては、PLL回路は、電圧制御発振器と、電圧制御発振器の出力を分周するプログラマブルディバイダと、プログラマブルディバイダの出力信号を基準信号と比較する位相比較器と、位相比較器の出力に応じて電流の吐き出し・引き抜きを行うチャージポンプ回路と、チャージポンプ回路に接続されチャージポンプ回路による電流の出し入れによって変化する制御電圧を電圧制御発振器に与えるループフィルタと、位相比較器から出力される位相誤差信号をもとにPLL回路がロック状態かアンロック状態かを検出するロック検出回路と、チャージポンプ回路の出力電流を切り替える電流切替制御回路とを含み、
電流切替制御回路は、ロック検出回路によるPLL回路のアンロック状態からロック状態への切り替わりの検出に応答して所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生するタイマ回路を有し、ロック検出回路によるPLL回路のアンロック状態の検出期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を大レベルとし、タイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を中レベルとし、ロック検出回路によるPLL回路のロック状態の検出期間中でかつタイマ回路の出力ゲート信号の非アクティブ期間中チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を小レベルとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、高速ロックアップ時のチャージポンプ電流制御において、ロックアップ時の電流=大状態とロックアップ後の電流=小状態との間に電流=中状態の期間を設けることで、VCO制御電圧が安定点に近づいた状態から電流小へと切り替えることができ、電流=小状態に切り替わる際の音揺れを無くし、聴感悪化を回避できる。
【0033】
また、ループフィルタを切り替えることなく1つのループフィルタにて高速ロックアップを実現できるので、余分な外付部品が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態1を説明する。
【0035】
図1は本発明の実施の形態1におけるFM受信機の構成を示すブロック図である。ここで、上記従来例を示す図6において説明した構成部材に対応し同等機能を有するものには同一の符号を付して示す。
【0036】
図1に示すFM受信機のPLL回路100は、RF信号を中間周波数に変換するため、RF信号から中間周波数分だけずれた周波数で発振するVCO9と、VCO9に接続され、VCO9から出力されるVCO出力信号(発振信号)hをリファレンス信号jと比較可能な周波数の信号に分周するプログラマブルディバイダ3と、プログラマブルディバイダ3およびリファレンスディバイダ11に接続され、プログラマブルディバイダ3から出力された比較信号dとリファレンスディバイダ11から出力されたリファレンス信号jとの位相差を検出し、位相誤差が無くなる方向にチャージポンプ回路200のチャージポンプ出力電流fの出し入れを制御するチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2を出力する位相比較器4と、位相比較器4と電流切替制御回路300とに接続され、位相比較器4から出力されたチャージポンプ電流極性制御信号e1、e2をもとにチャージポンプ出力電流fの出し入れを制御し、電流切替制御回路300のチャージポンプ電流切替制御信号k3、k2をもとにチャージポンプ出力電流fの大、中、小の3段階の切替を行うチャージポンプ回路200と、チャージポンプ回路200に接続され、チャージポンプ回路200のチャージポンプ出力電流fの出し入れによって変化するVCO制御電圧gを安定化してVCO9に与えるループフィルタ8を備える。
【0037】
ここで、チャージポンプ回路200は、アンロック状態において高速ロックアップ用の大電流を供給するチャージポンプ7と、アンロック状態からロック状態へ移行するロックアップ時において小電流に切り替える前のVCO制御電圧安定化のために中電流を供給するチャージポンプ6と、ロック後(ロック状態)に小電流を供給するチャージポンプ5とで構成される。また、電流切替制御回路300にはチャージポンプ6、7が接続されており、チャージポンプ出力電流fのON/OFFを切り替えられるようになっているものとする。なお、図1では、電流切替制御回路300への入力信号については、図示を省いているが、電流切替制御回路300の詳細については、図4および図5を参照しながら説明する(後述)。
【0038】
また、リファレンスディバイダ11は発振回路10に接続されており、発振回路10の発振信号(水晶振動子出力信号)iの出力を分周してシステムに必要なリファレンス信号jを生成する。
【0039】
また、このFM受信機は、チューナIC500に外付け部品であるマイコン1が接続されている。チューナIC500は、上記のPLL回路100の他に、マイコン1に接続されたインターフェース2を備える。
【0040】
このインターフェース2は、マイコン1から出力されるチューナICコントロール用のシリアル信号aを受信しプログラマブルディバイダ3の分周比設定用の16bit信号c1〜c16とシリアル入力検出信号bとを出力する。
【0041】
ここで、シリアル入力検出信号bは、シリアル入力が終了するタイミングでローレベルからハイレベルに切り替わるものとし、次にシリアル入力が開始した時点でふたたびハイレベルからローレベルへと切り替わるものとする。
【0042】
また、受信周波数変更時には、インターフェース2から出力されるプログラマブルディバイダ3の分周比設定用の16bit信号c1〜c16は、プログラマブルディバイダ3が受けるインターフェース2のシリアル入力検出信号bがローレベルからハイレベルに切り替わるタイミング(すなわちシリアル入力が終了するタイミング)にて、全bit同時に切り替わるものとする。
【0043】
次に、図1の回路の動作について説明するが、図1のプログラマブルディバイダ3、位相比較器4、ループフィルタ8、VCO9、発振回路10、リファレンスディバイダ11の回路については図6にて示した、高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機にて説明したプログラマブルディバイダ3、位相比較器4、ループフィルタ8、VCO9、発振回路10、リファレンスディバイダ11の回路と同等の機能を有しているため説明を省略する。
【0044】
以下、従来回路と本発明との相違点である図1のマイコン1、インターフェース2、チャージポンプ回路200、電流切替制御回路300についてその構成と動作を説明する。
【0045】
まず受信周波数を変更する場合、選局情報を含んだシリアル信号aがマイコン1からインターフェース2へと出力される。このシリアル信号aはプログラマブルディバイダ3の分周比を2進数で表した分周比設定用の16bit信号c1〜c16を含んでいる。そして、インターフェース2ではシリアル信号aを読み取り、各bitに対応する16本の端子から出力される分周比設定用の16bit信号c1〜c16の信号をシリアル入力検出信号bがローレベルからハイレベルに切り替わるタイミング(シリアル入力終了タイミング)にて全bit同時に変更し、プログラマブルディバイダ3に出力する。これによりプログラマブルディバイダ3の分周比が切り替わる。
【0046】
次に、図1に示すチャージポンプ回路200に関して図2を用いてより詳しく説明する。第1のチャージポンプ5のカレントソース部は、カレントソース55と、カレントソース55に接続され位相比較器4からのチャージポンプ電流極性制御信号e1にてカレントソース55の電流ON/OFFを制御するチャージポンプ電流極性切替スイッチ51とで構成される。同様に、第1のチャージポンプ5のカレントシンク部は、カレントシンク56と、カレントシンク56に接続され位相比較器4からのチャージポンプ電流極性制御信号e2にてカレントシンク56の電流ON/OFFを制御するチャージポンプ電流極性切替スイッチ52とで構成される。そして、第1のチャージポンプ5から電流e5が出力される。
【0047】
また、第2のチャージポンプ6および第3のチャージポンプ7については、第1のチャージポンプ5と同様の構成を持ち、それぞれカレントソース65、75と、カレントシンク66,76と、チャージポンプ電流極性制御信号e1にてカレントソース65、75の電流ON/OFFを制御するチャージポンプ電流極性切替スイッチ61,71と、カレントシンク66、76のチャージポンプ電流極性制御信号e2にて電流ON/OFFを制御するチャージポンプ電流極性切替スイッチ62、72とを備える。そして、第2および第3のチャージポンプ6、7から電流e6、e7が出力される。
【0048】
また、第2および第3のチャージポンプ6、7はともにチャージポンプ自体を停止するスイッチを備えており、チャージポンプ6についてはチャージポンプ電流ON/OFFスイッチ63、64にて停止することが可能で、そのチャージポンプ電流切替制御信号k2は電流切替制御回路300より出力される。また第3のチャージポンプ7についてはチャージポンプ電流ON/OFFスイッチ73、74にて停止することが可能で、そのチャージポンプ電流切替制御信号k3は同じく電源切替制御回路300より出力される。また、第1、第2および第3のチャージポンプ5、6、7の電流の絶対値をICP1、ICP2、ICP3とおくと、以下の関係が成り立つものとする。
【0049】
ICP1<ICP1+ICP2<ICP1+ICP3
次に、図2のチャージポンプ回路の動作に関して図3を用いて説明する。図3には、チャージポンプ電流切替制御信号k3、k2と、VCO制御電圧gとが示されている。
【0050】
受信周波数が切り替わると同時に(時刻t11)、PLL回路はアンロック状態となり、電流切替制御回路300から出力されるチャージポンプ電流切替制御信号k3がローレベルからハイレベルに切り替わり、チャージポンプ回路200では第1のチャージポンプ5に加え第3のチャージポンプ7が動作しPLLが高速ロックアップされる。つぎに一定時間経過後、VCO制御電圧がある程度安定化した後にチャージポンプ電流切替制御信号k3はハイレベルからローレベルに切り替わり、それと同じタイミングでチャージポンプ電流切替制御信号k2がローレベルからハイレベルに切り替わる。この際、チャージポンプ回路200では第3のチャージポンプ7が停止する代わりに第2のチャージポンプ6が起動することとなり、チャージポンプ回路200の電流は大から中へと切り替わる。さらに一定時間後、VCO電圧がさらに安定化した後にチャージポンプ電流切替制御信号k2がハイレベルからローレベルへ切り替わり第2のチャージポンプ6も停止する。この際、チャージポンプ回路200の第1のチャージポンプ5のみが動作することとなり、チャージポンプ電流は中から小へと切り替わる(ロックアップ時→ロックアップ後)。
【0051】
次に図1の電流切替制御回路300について、図4を用いて具体的な回路構成を説明する(実施の形態1)。図4に示す電流切替制御回路300は、インターフェース2とリファレンスディバイダ11とに接続され、インターフェース2のシリアル信号入力検出信号bをトリガとして動作開始する分周回路301と、分周回路301に接続され分周回路301から出力されるタイマ回路用基準クロック信号pを受けて動作するタイマ回路302と、同じく分周回路301に接続され分周回路301から出力されるタイマ回路用基準クロック信号qとタイマ回路302の出力とを受けて動作するタイマ回路303とを備える。また、リファレンスディバイダ11から出力されるリファレンス信号jは分周回路301の基準クロックとなる。なお、タイマ回路303に代えて、タイマ回路302の出力である信号k3を遅延して信号k2を生成するディレイ回路を用いることもできる。
【0052】
次に、図4の電流切替制御回路300の動作について説明する。
【0053】
まず、タイマ回路302から出力されるゲート信号(チャージポンプ電流切替制御信号k3)のゲート時間(信号がハイレベルとなる期間)はインターフェース2から出力されるゲート時間設定信号nにより任意に設定できるものとする。また同様に、タイマ回路303のゲート時間はインターフェース2から出力されるゲート時間設定信号oにより設定することが可能で、本設定箇所ではタイマ回路302から出力されるゲート信号(チャージポンプ電流切替制御信号k3)のゲート時間と同じに設定しているが、同じでなくてもよい。
【0054】
FM受信機において受信周波数を変更する場合、インターフェース2から出力される分周比更新タイミング信号であるシリアル入力検出信号bを受けて分周回路301が動作する。分周回路301はシリアル入力検出信号bがローレベルからハイレベルとなるのをトリガとして、タイマ回路用基準クロックpとタイマ回路用基準クロックqとを生成する。
【0055】
ここで、タイマ回路302ではあらかじめゲート時間設定信号nによりゲート時間が設定されているので、設定時間の間ハイレベルとなりその後はローレベルとなる信号が出力される。これが第3のチャージポンプ7(電流大)を制御するチャージポンプ電流切替制御信号k3となる。また、タイマ回路303では、例えばタイマ回路302から出力されるゲート信号を入力信号としてそのゲート時間と同じだけのゲート時間を持たせたゲート信号を出力する(ゲート時間はゲート時間設定信号oによりあらかじめ設定しておく)。これが第2のチャージポンプ6(電流中)を制御するチャージポンプ電流切替制御信号k2となる。以上の動作により、分周比更新タイミング信号であるシリアル入力検出信号bをトリガとして一定時間ハイレベルとなるチャージポンプ電流切替制御信号k3と、チャージポンプ電流切替制御信号k3がハイレベルからローレベルへと切り変わるタイミングで、チャージポンプ電流切替制御信号k3と同じ期間ハイレベルとなるチャージポンプ電流切替制御信号k2を生成することができる。(図3参照)上記したように、チャージポンプ電流切替制御信号k3、k2のゲート時間は同じである必要はない。
【0056】
以上、図1のFM受信機を用いた受信周波数切替の際の高速ロックアップ時にチャージポンプ電流を大→中→小と切り替えることができ、電流大と小の間に電流中の期間をはさむことからVCO制御電圧が安定点に近づいた状態で電流小へと切り替えることができるので、電流小に切り替えた後での音揺れを無くし、聴感悪化を回避できる。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、中電流の状態は1段階で、全体で3段階にチャージポンプ電流を切り替えたものを示したが、中電流の状態を2段階以上とし、全体として4段階以上にチャージポンプ電流を切り替えてもよい。また、チャージポンプ電流は段階的に変化させたが、大電流の状態から中電流の状態を経由して小電流の状態に連続的に減少させるようにしてもよい。
【0058】
図5は本発明の実施の形態2における電流切替制御回路300とその周辺部について具体的な回路を示したものである。図5を用いて実施の形態2の具体的な回路構成について説明する。なお、電流切替制御回路300以外の回路については図1に示したFM受信機と同様の構成を持つものとする。
【0059】
実施の形態2のFM受信機は、位相比較器4に接続され位相比較器から出力される位相誤差信号lからアンロック状態かロック状態かを検出するロック検出回路12と、ロック検出回路12に接続されロック検出信号mがハイレベルからローレベル(アンロック状態→ロック状態)となるタイミングで動作を開始する分周回路301と、分周回路301に接続され分周回路301から出力されるタイマ回路用基準クロック信号pをもとにゲート信号を出力するタイマ回路302とを備える。
【0060】
また、タイマ回路302はインターフェース2に接続されており、インターフェース2から出力されるゲート時間設定信号nによって任意にゲート時間を設定できるものとする。またインターフェース2ではマイコン1より出力されるシリアル入力aに含まれるゲート時間設定情報を読み取り、ゲート時間設定信号nを出力するものとする。さらに、分周回路301はリファレンスディバイダ11のリファレンス信号jを基準クロックとして動作するものとする。
【0061】
次に図5に示した実施の形態2の電流切替制御回路300の動作について説明する。
【0062】
実施の形態2のFM受信機において受信周波数を変更する場合、図1のプログラマブルディバイダ3の分周比が更新された時点でロックが外れるため、図5のロック検出回路12のロック検出信号mはローレベルからハイレベル(ロック状態→アンロック状態)に切り替わり、一定時間後、VCO制御電圧が安定化し、ロックを検出した時点でハイレベルからローレベル(アンロック状態→ロック状態)へと切り替わる。これがチャージポンプ7(電流大)を制御するチャージポンプ電流切替制御信号k3となる。次に、ロック検出回路12に接続された分周回路301ではロック検出信号mがハイレベルからローレベルとなったタイミングをトリガとしてリファレンスディバイダ11のリファレンス信号jを基準クロックとした分周動作を行いタイマ回路用基準クロック信号pを生成する。タイマ回路302ではタイマ回路用基準クロック信号pを受け、インターフェース2から出力されたゲート時間設定信号nにてあらかじめ設定されていた時間だけハイレベルとなるゲート信号を出力する。これが第2のチャージポンプ6(電流中)を制御するチャージポンプ電流切替制御信号k2となる。以上の動作により、分周比更新のタイミングをトリガとしてロック検出回路12にてロックが検出されるまでハイレベルとなるゲート信号(チャージポンプ電流切替制御信号k3)と、チャージポンプ電流切替制御信号k3の信号がハイレベルからローレベルへと切り変わるタイミングをトリガとしてゲート時間設定信号nにて設定した期間だけハイレベルとなるチャージポンプ電流切替制御信号k2を生成することができる。
【0063】
本実施の形態のFM受信機によっても高速ロックアップ時にチャージポンプ電流を大→中→小と切り替えることができ、電流小に切り替えた後での音揺れを無くし、聴感悪化を回避できる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明にかかるFM受信機は、PLL回路のロックアップ後の音揺れを無くし、聴感悪化を回避することができるという効果を奏し、高速選局を行うFMラジオ受信機等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1に関わるFM受信機のPLL部の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるチャージポンプ回路の詳細な回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるチャージポンプ電流切替制御信号とVCO制御電圧を示したタイミング図である。
【図4】本発明の実施の形態1における電流切替制御回路とその周辺回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態2における電流切替制御回路とその周辺回路の構成を示す回路図である。
【図6】高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機のPLL部の構成を示す回路図である。
【図7】高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機のチャージポンプ電流切替制御信号とVCO制御電圧を示したタイミング図である
【図8】高速ロックアップ回路を備えた従来のFM受信機およびPLL部の入出力信号を示したタイミング図である。
【符号の説明】
【0066】
1 マイコン
2 インターフェース
3 プログラマブルディバイダ
4 位相比較器
5 第1のチャージポンプ
6 第2のチャージポンプ
7 第3のチャージポンプ
8 ループフィルタ
9 VCO
10 発振回路
11 リファレンスディバイダ
12 ロック検出回路
13 電流切替制御回路
14 チャージポンプ
15 チャージポンプ
51、52、61、62、71、72 チャージポンプ電流極性切替スイッチ
63、64、73、74 チャージポンプ電流ON/OFFスイッチ
56、66、76 カレントソース
57、67、77 カレントシンク
100 FM受信機のPLL回路
200 チャージポンプ回路
300 電流切替制御回路
301 分周回路
302 タイマ回路
303 タイマ回路
400 チャージポンプ回路
a シリアル入力
b シリアル入力検出信号
c1〜c16 分周比設定用の16bit信号
d 比較信号
e1,e2 チャージポンプ電流極性制御信号
f チャージポンプ出力電流
g VCO制御電圧
h VCO出力信号
i 発振信号
j リファレンス信号
k1〜k3 チャージポンプ電流切替制御信号
l 位相誤差信号
m ロック検出信号
n ゲート時間設定信号
o ゲート時間設定信号
p タイマ回路用基準クロック信号
q タイマ回路用基準クロック信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャージポンプ電流の大きさを変更可能なチャージポンプ回路を含んで応答速度を変更可能なPLL回路を備えたFM受信機であって、
前記PLL回路がアンロック状態では前記PLL回路が前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流が大レベルである高速応答状態となり、前記PLL回路がロック状態では前記PLL回路が前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流が前記高速応答状態より少ない小レベルである低速応答状態となり、
前記PLL回路がアンロック状態からロック状態へ移行するロックアップ時において、前記PLL回路が前記高速応答状態から、前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流が前記高速応答状態より少なく前記低速応答状態より多い中レベルである中速応答状態を経由して、前記低速応答状態へ移行することを特徴とするFM受信機。
【請求項2】
前記チャージポンプ回路は、前記ロックアップ時においてチャージポンプ電流が3段階以上の複数段階に切り替わることにより、前記PLL回路がアンロック状態からロック状態へ移行する請求項1記載のFM受信機。
【請求項3】
前記PLL回路は、電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の出力を分周するプログラマブルディバイダと、前記プログラマブルディバイダの出力信号を基準信号と比較する位相比較器と、前記位相比較器の出力に応じて電流の吐き出し・引き抜きを行う前記チャージポンプ回路と、前記チャージポンプ回路に接続され前記チャージポンプ回路による電流の出し入れによって変化する制御電圧を前記電圧制御発振器に与えるループフィルタと、前記チャージポンプ回路の出力電流の大きさを切り替える電流切替制御回路とを含み、
前記電流切替制御回路は、前記プログラマブルディバイダの分周比を更新するためのタイミング信号をトリガとして所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生する第1のタイマ回路と、前記第1のタイマ回路の出力ゲート信号の後縁をトリガとして所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生する第2のタイマ回路とを有し、前記第1のタイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を大レベルとし、前記第2のタイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を中レベルとし、前記第1および第2のタイマ回路の出力ゲート信号の両方の非アクティブ期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を小レベルとする請求項1記載のFM受信機。
【請求項4】
前記PLL回路は、電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の出力を分周するプログラマブルディバイダと、前記プログラマブルディバイダの出力信号を基準信号と比較する位相比較器と、前記位相比較器の出力に応じて電流の吐き出し・引き抜きを行う前記チャージポンプ回路と、前記チャージポンプ回路に接続され前記チャージポンプ回路による電流の出し入れによって変化する制御電圧を前記電圧制御発振器に与えるループフィルタと、前記位相比較器から出力される位相誤差信号をもとに前記PLL回路がロック状態かアンロック状態かを検出するロック検出回路と、前記チャージポンプ回路の出力電流を切り替える電流切替制御回路とを含み、
前記電流切替制御回路は、
前記ロック検出回路による前記PLL回路のアンロック状態からロック状態への切り替わりの検出に応答して所定時間のパルス幅を有する出力ゲート信号を発生するタイマ回路を有し、
前記ロック検出回路による前記PLL回路のアンロック状態の検出期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を大レベルとし、前記タイマ回路の出力ゲート信号のアクティブ期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を中レベルとし、前記ロック検出回路による前記PLL回路のロック状態の検出期間中でかつ前記タイマ回路の出力ゲート信号の非アクティブ期間中前記チャージポンプ回路のチャージポンプ電流を小レベルとする請求項1記載のFM受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−118522(P2008−118522A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301544(P2006−301544)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】