説明

N−フェニルフェニルアセトアミド非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤

本発明は、HIV感染の処置又はHIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のために有用な化合物を提供する。本発明の化合物は、R、R、R、R、R及びXが本明細書において定義されるとおりの式Iで表されるものである。本発明はまた、本明細書において定義される化合物及び該化合物を含有する薬学的組成物を用いたHIV感染の処置方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウィルス療法の分野に関し、特に、HIV逆転写酵素を阻害し、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)に介在される疾患を処置するために有用な非ヌクレオシド化合物に関する。本発明は、HIVに介在される疾患であるAIDS又はARCの処置又は予防のための、式Iで表される新規なN−フェニルフェニルアセトアミド化合物を提供し、ここでは、該化合物を、単剤療法又は併用療法で使用する。
【0002】
ヒト免疫不全ウィルスHIVは、日和見感染への感受性を伴う、免疫系、特にCD4T細胞の破壊により特徴付けられる疾患である後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原因子である。HIV感染は、また、持続性全身性リンパ節疾患、発熱及び体重減少等の症状により特徴付けられる症候群である、前兆AIDS関連症候群(ARC)と関連する。
【0003】
その他のレトロウィルスと共通して、HIVのゲノムは、プロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、エンドヌクレアーゼ/インテグラーゼ及びウィルスコアの成熟構造タンパク質を得るために、ウィルスプロテアーゼにより加工処理される、gag及びgag−polとして知られるタンパク質前駆体をコードする。この加工処理の妨害は、通常、感染性のウィルスの産生を抑制する。相当の努力が、ウィルスによってコードされる酵素の阻害による、HIVの制御に向けられてきている。
【0004】
現在利用可能な化学療法は、HIVプロテアーゼ及びHIV逆転写酵素という、2つの非常に重要なウィルス酵素を標的としている(J.S.G.Montanerら. Antiretroviral therapy:‘the state of the art’,Biomed&Pharmacother.1999 53:63−72;R.W.Shafer and D.A.Vuitton,Highly active retroviral therapy(HAART) for the treatment of infection with human immunodeficiency virus type,Biomed.& Pharmacother.1999 53:73−86;E.De Clercq,New Developments in Anti−HIV Chemotherap.Curr.Med.Chem.2001 8:1543−1572)。ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)及び非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤の、2つの一般的なクラスのRTI阻害剤が特定されている。現在、CCR5共レセプターが、抗HIV化学療法のための、潜在的な標的として浮上している(D.Chantry Expert Opin. Emerg. Drugs 2004 9(1):1−7;C.G.Barber Curr.Opin.Invest.Drugs 2004 5(8):851−861;D.Schols Curr. Topics Med. Chem. 2004 4(9):883−893;N.A.Meanwell and J.F.Kadow Curr.Opin.Drug Discov.Dev.2003 6(4):451−461)。
【0005】
NRTIは、典型的には、ウィルスRTと相互作用する前にリン酸化されねばならない2’,3’−ジデオキシヌクレオシド(ddN)アナログである。相当するトリホスフェートは、ウィルスRTの競合的阻害剤又は代替基質として機能する。核酸への取り込み後、このヌクレオシドアナログは鎖伸長反応を終結させる。HIV逆転写酵素はDNA編集能力を有し、耐性株がそのヌクレオシドアナログを開裂することによって、この封鎖を克服し、鎖伸長を継続させることを可能にする。現在臨床的に用いられているNRTIは、ジドブジン(AZT)、ジダノシン(ddl)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ラミブジン(3TC)及びテノフォビル(PMPA)を含む。
【0006】
NNRTIは、1989年に最初に発見された。NNRTIは、HIVの逆転写酵素上の非基質結合部位に可逆的に結合し、それにより、活性部位の形状を変化させるか又はポリメラーゼ活性をブロックするアロステリックな阻害剤である(R.W.Buckheit,Jr.,Non−nucleoside reverse transferase inhibitors:perspectives for novel therapeutic compounds and strategies for treatment of HIV infection,Expert Opin.Investig.Drugs 2001 10(8) 1423−1442;E.De Clercq The role of non−nucleoside reverse transcriptase inhibitors(NNRTIs) in the therapy of HIV infection,Antiviral Res.1998 38:153−179;E.De Clercq New Developments in Anti−HIV Chemotherapy,Current medicinal Chem. 2001 8(13):1543−1572;G.Moyle,The Emerging Roles of Non−Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors in Antiviral Therapy,Drugs 2001 61(1):19−26)。NNRTIの30以上の構造クラスが研究室内で特定されているにもかかわらず、エファビレンツ、ネビラピン及びデラビルジンのわずか3種類の化合物のみがHIV治療のために認可されているにすぎない。
【0007】
最初に、化合物の有望なクラスとして考察されると、in vitro及びin vivoの研究は、NNRTIが薬物耐性HIV株の出現に対する低いバリア及びクラス特異的な毒性を与えることがただちに示された。薬物耐性は、しばしば、RT中のただ一箇所の変異のみを伴って開発される。NRTI、PI及びNNRTIを用いた併用療法が、多くの場合、ウィルス量及を劇的に低減し、疾患の進行を遅延させる一方で、顕著な治療的な課題が残っている(R.M. Gulick,Eur.Soc.Clin.Microbiol,and Inf.Dis.2003 9(3):186−193)。薬剤カクテルは全ての患者に有効なものではなく、潜在的に重篤な副作用が生じ、迅速なHIVの再生が、野生型プロテアーゼ及び逆転写酵素の変異体である薬物耐性変異体の創出に長けていることが示されている。これらは、HIVの野生型及び普通に存在する耐性株に対する活性を有する、より安全な薬剤の必要性を依然として残す。
【0008】
特定のN−フェニルフェニルアセトアミド化合物は、多様な医薬的特性を有することが見出されている。
【0009】
米国特許出願公開第20030187068号(H.Miyachiら.)は、ペルオキシソーム増殖剤応答性レセプター(PPARα)のリガンドであるN−フェニルフェニルアセトアミド化合物を開示する。
【0010】
US20030220241(D.Defoe−Jonesら.)は、前立腺特異的な抗原により開裂され、癌の処置に有用なプレニルプロテイントランスフェラーゼとのタンパク質コンジュゲートを調製するためのN−フェニルフェニルアセトアミド化合物の使用を開示する。WO9917777号(J.S.Desolmsら.)は、N-フェニルフェニルアセトアミドを含むプレニルプロテイントランスフェラーゼを教示する。
【0011】
N−(置換)フェニル 3−フェノキシ−フェニルアセトアミド化合物が、増殖性疾患の処置のために潜在的に有用なオーロラ2キナーゼの阻害剤として、WO01/21596(A.A.Mortlockら.)中に開示されている。
【0012】
N−フェニル 3−(置換)フェノキシ−フェニルアセトアミド化合物が、プレニルプロテイントランスフェラーゼの阻害剤として、WO2000059930中に開示されている。
【0013】
N−フェニル 3−(置換)フェノキシ−フェニルアセトアミド化合物が、TNF−αの産生の抑制及びIL−10産生の誘導において、潜在的に有用なEP4受容体アンタゴニストとして、US2003011435(K.Taniら.)中に開示されている。
【0014】
ベンズアニリド化合物が、バソプレッシンのアンタゴニストとして、WO9965874(Y.Ohtakeら.)中に開示されている。
【0015】
が置換されるアニールであり得、XがOであり得、nが0であり得、R及びRが水素であり得るN−フェニルフェニルアセトアミド化合物1が、血中脂質の低減及び動脈硬化の処置に有用なアセチルCoAコレステロールO−アシルトランスフェラーゼ阻害剤として、WO9315043(T.Oeら.)中に開示されている。
【0016】
【化10】

【0017】
N−フェニルフェニルは、医薬的に活性は化合物の製造のための合成中間体として、用いられている。N−(2−カルボアルコキシ−5−クロロ−フェニル)フェニルアセトアミド(A.Kreimeyerら,J.Med.Chem.1999 42:4394−4404;J.J.Kulagowskiら,J.Med.Chem.1994 37:1402−1405 K.Ackermannら,WO97/26244)、N−(2−シアノ−5−クロロ−フェニル)フェニルアセトアミド(M.Rowleyら,J.Med.Chem.1997 40:4053−4068;R.W.Carlingら,J.Med.Chem.,1997 40:754−765)及びN−(2−ニトロフェニル)フェニルアセトアミド(J.F.W. Keanaら,WO96/22990)は、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体のグリシン部位についてのリガンドの合成のための中間体として開示され、利用されている。NMDAリガンドは、N−メチル−D−アスパラギン酸に感受性のポストシナプス受容体の過剰な刺激によりもたらされる、関連する神経細胞の死であると考えられる、CNS障害を処置するのために、研究されている。かかる障害は、アルツハイマー病、てんかん及び脳虚血を含む。これらの化合物及び適用は本発明には関連しない。
【0018】
2−ベンゾイルフェニル−N−[フェニル]−アセトアミド化合物2a及び2bは、HIV−1逆転写酵素を阻害することが示されている(P.G.Wyattら,J.Med.Chem.1995 38(10):1657−1665)。さらなるスクリーニングは、例えば、2−ベンゾイルフェニルオキシ−N−[フェニル]−アセトアミド3a及び、こちらも逆転写酵素を阻害するスルホンアミド誘導体3bである関連する化合物が特定した(J.H.Chanら,J.Med Chem.2004 47(5):1175−1182;C.L.Websterら,WO01/17982)。
【0019】
【化11】

【0020】
ピリダジノン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤1は、2004年3月23日に出願されたUS公開第20040198736号中、J.P.Dunnらにより、及び2005年3月22日に出願されたUS公開第2005021554号中に、J.P.Dunnらにより記載されている。5−アラルキル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール1−3−オン、5−アラルキル−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン及び5−アラルキル−3H−[1,3,4]チオジアゾール−2−オン非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤2は、2004年3月23日に出願されたUS公開第20040192704号中、J.P.Dunnらにより、及び2005年6月27日に出願された米国公開第20060025462号中、J.P.Dunnらにより開示されている。関連化合物は、US出願第60/722,335号中、Y.D.Saitoらにより開示されている。フェニルアセトアミド非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤は、2005年4月22日に出願されたUS出願第11/112,591号中、J.P.Dunnらにより開示され、フェニルアセトアミド化合物を用いるレトロウィルス感染の処置方法は、2005年4月22日に出願されたUS出願第20050239881号中、J.P.Dunnらにより開示されている(;##に出願されたUS出願第60/728,443号中のT.Mirzadegan及びT.Silva;及び##に出願されたUS出願第60/728,609号中のZ.K.Sweeney及びT.Silva)これらは、その全文を参照により本明細書中に組み入れるものとする。
【0021】
【化12】

【0022】
2006年6月26日に公開されたWO2006/067587中、L.H.Jonesらは、式6のビアリールエステル誘導体及び逆転写酵素に結合し、調節因子、特にその阻害剤であるそれを含む組成物を開示する。
【0023】
【化13】

【0024】
本発明の一つの目的は、(i)式Iで示される化合物
【0025】
【化14】

【0026】
(式中:
は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、ニトロ又はアミノであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、ハロゲン、シアノ又はニトロからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、ここで、該ヘテロシクリル基は、基A1、A2、A3、A4又はA5:
【0027】
【化15】

【0028】
であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換される、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りはC1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【0029】
【化16】

【0030】
(式中、nは1〜4の整数であり、Xは上記定義の通りである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である);及び
薬学的に許容されるその塩に関する。
【0031】
本発明の別の目的は、(ii)式Iで示される(i)に記載の化合物:
【0032】
【化17】

【0033】
(式中、
は、ハロゲン、C1−6アルキル又はC3−7シクロアルキルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、ハロゲン又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、該ヘテロシクリル基は、基A1、A2、A3、A4又はA5:
【0034】
【化18】

【0035】
であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換され、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りはC1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【0036】
【化19】

【0037】
(式中、nは1〜4の整数であり、Xは上記定義の通りである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である);及び
薬学的に許容されるその塩である。
【0038】
(iii)(ii)に記載の化合物、
ここで、
は、ハロゲン又はC1−6アルキルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6ハロアルキル、ハロゲン又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素であり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、ここで、該ヘテロシクリル基は、基A1、A2、A3、A4又はA5:
【0039】
【化20】

【0040】
であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換されている、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りはC1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【0041】
【化21】

【0042】
(式中、nは1〜4の整数であり、Xはヒドロキシル又はアミノである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である、
及び薬学的に許容されるその塩。
【0043】
(iv)(iii)に記載の化合物、
ここで、
は、Br、Cl又はメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、CHF、Cl又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素であり;
は、水素、メチル又はClであり;
Xは、OH、NH、−NH(CHN(CH、−NHCHCHCHN(CH、−NHC(CHCHNH、−NHCHC(CHNH、−NHCHCHN(CH、−NH(CHOH、−NHCHCHCHOH、−NHCCH(CHOH)、−NHCHCHOHCHOH、−NHCHCHN(CHCHOH)、−NHNHNH、−NHNHNHCH、−NHNHNH(CH、−NHSOCH、−NHCHCHSOCH
【0044】
【化22】


である、
及び薬学的に許容されるその塩。
【0045】
式Iで表される化合物は、HIV逆転写酵素の、有用な阻害剤であり、HIV感染の予防及び処置並びにAIDS及び/又はARCの処置のための方法を与える。HIVは、その遺伝子コードの巧みな変異を受けて、現在の治療法の選択肢を用いる治療への感受性を低下する株に結果としてなる。本発明は、また、HIV感染の予防及び処置並びにAIDS及び/又はARCの処置に有用な、式Iで表される化合物を含む組成物に関する。本発明は、さらに、単剤療法又は他の抗ウィルス剤との併用療法において有用な、式Iで表される化合物に関する。
【0046】
本発明の一態様において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、A5、B、m、n、p及びrが本明細書において上記に定義される通りである、式Iで表される化合物が提供される。表現「本明細書において上記に定義される通りである」は、各々の基について、本発明の概要の中に提供される通りである最初の定義を指す。以下に提供される他の態様において、明示的に定義されない各々の態様に存在するる置換基は、本発明の概要で提供される最も広い定義を有する。
【0047】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)Rは水素であり、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、(CHNR、又はピリジニルメチルであるか、又は、(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群から独立して選択される1〜3の基により置換されているかのいずれかであり;又は(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、3≦m+n≦5であり、rは2〜4である。
【0048】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)Rは水素であり、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、(アルキレン)NR、又はピリジニルメチルであるか、又は、(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群から独立して選択される1〜3の基により置換されているかのいずれかであり;又は(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは2であり、pが2であり、rが2〜4である。
【0049】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)Rは水素であり、RはC1−6カルボキシアルキルであるか、又は、(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成するかのいずれかである。
【0050】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成する。
【0051】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンであり、Rが水素又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、RがC1−6ヒドロキシアルキルである、式Iで表される化合物が提供される。
【0052】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンであり、Rが水素であり、Rが(アルキレン)NRである、式Iで表される化合物が提供される。
【0053】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンであり、Rが水素であり、Rが(アルキレン)NRであり、rは2〜4である、式Iで表される化合物が提供される。
【0054】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンであり、Rが水素でありRがS(O)1−6アルキルである、式Iで表される化合物が提供される。
【0055】
本発明の別の態様において、XがNRであり、RがC1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群から独立して選択される1〜3の基により置換されているかのいずれかであり;又は(ii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、3≦m+n≦5である。
【0056】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン、C1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンである、式Iで表される化合物が提供される。
【0057】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、rは、2〜6である、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)Rは水素又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、(アルキレン)NR及びピリジニルメチルからなる群より選択されるか又は(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基により置換されているかのいずれかであり;又は(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5である。
【0058】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、rは、2〜4である、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)Rは水素又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、Rは水素、C1−6アルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、(アルキレン)NR及びピリジニルメチルからなる群より選択されるか又は(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基により置換されているかのいずれかであるか;又は(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m、n及びrは2である。
【0059】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、(i)Rは水素又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、RはC1−6カルボキシアルキルであるか又は(ii)R及びR及びそれらが結合する窒素原子は、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジンを形成するかのいずれかである、式Iで表される化合物が提供される。
【0060】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はニトロからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRである、式Iで表される化合物が提供される。この態様において、R及びR及びそれらが結合する窒素原子は、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジンを形成する。
【0061】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、水素又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、Rは、C1−6ヒドロキシアルキルである、式Iで表される化合物が提供される。
【0062】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、Rは水素であり、Rは(アルキレン)NRである、式Iで表される化合物が提供される。
【0063】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRであり、Rは水素であり、RはSO−C1−6アルキルである、式Iで表される化合物が提供される。
【0064】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群より独立して選択される1〜3の基が置換されているか又は(ii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、3≦m+n≦5であるかのいずれかである。
【0065】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群から独立して選択される1〜3の基により置換されているか又は(ii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは2であるかのいずれかである。
【0066】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Xは、NRである、式Iで表される化合物が提供される。本態様では、(i)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン、C1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の基により置換されている、ピロリジン環を形成しているかのいずれかである。
【0067】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Rは、水素であり、Rは、ヘテロシクリルアルキルであり、ここで、該ヘテロシクリルは、基A1、A2、A3又はA4であり、該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の置換基によって置換され、nは、0〜4の整数である、式Iで表される化合物が提供される。
【0068】
本発明の別の態様において、Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、Rは、水素であり、Rは、C(=NR)NRであり、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素又はC1−3アルキルであるか又は(ii)R及びR又はR及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りは、C1−3アルキルの水素である、式Iで表される化合物が提供される。
【0069】
本発明の別の態様において、表Iの化合物I−1〜I−58の中から選択される化合物である化合物が提供される。
【0070】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであり、又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである式Iで表わされる化合物の治療的に有効な量を、それを必要としている宿主に、投与することを含む、HIV感染の処置、又はHIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
【0071】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか;又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである式Iで表わされる化合物の治療的に有効な量および、HIVプロテアーゼ阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、CCR5アンタゴニスト及びウィルス融合阻害剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を、それを必要としている宿主に、共投与することを含む、HIV感染の処置、又はHIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
【0072】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである式Iで表わされる化合物の治療的に有効な量および、ジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、レスクリプトール、サスティバ、ビラミューン、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン、サキナビル、リトナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、ロピナビル及びエンフビルチド(FUZEON(登録商標))からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を、それを必要としている宿主に、共投与することを含む、HIV感染の処置、又はHIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための方法が提供される。
【0073】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである、式Iで表わされる化合物を投与することを含む、HIV逆転写酵素を阻害するための方法が提供される。
【0074】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである、式Iで表わされる化合物を投与することを含む、野生型RTと比較して、少なくとも1つの変異を有するHIV逆転写酵素を阻害するための方法が提供される。
【0075】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである、式Iで表わされる化合物を投与することを含む、野生型RTと比較して、エファビレンツ、ネビラピン又はデラビルジンに対する、低い感受性を示す、HIV逆転写酵素を阻害するための方法が提供される。
【0076】
本発明の別の態様において、(i)R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りであるか又は、(ii)Rは、ハロゲン又はC1−6アルキルであり、Rは、フッ素であり、Rは、ハロゲン、シアノ又はC1−3ハロアルキルからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり、Rは、水素であり、Rは、C1−6アルキル又はハロゲンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、X、A1、A2、A3、A4、A5、B、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである式Iで表わされる化合物の治療的に有効な量および少なくとも1種類の担体、賦形剤又は希釈剤とが混合されたものを含む、HIV感染の処置、又はHIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための薬学的組成物が提供される。
【0077】
本発明の別の態様において、(i)R又はRの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C1−6ヒドロキシアルキル、(d)C1−6カルボキシアルキル、(e)(CHNR、(f)SO−C1−6アルキル、及び(g)ピリジニルメチル及び(h)(CHSO(C1−3アルキル)からなる群より選択されるか又は(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン又はカルボキシルにより置換されているか又は、(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+n=3〜5であるか、又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジンもしくはピペリジン環を形成しているか;(i)R又はRの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は、水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか又は(ii)R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミンもしくはC1−3ジアルキルアミン又はカルボキシルにより置換されているか、又は(iii)R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+n=3〜5であり、R、R、R、R、R、R、X、X、m、n、p及びrは、本明細書における上記定義の通りである、式Iで表わされる化合物が提供される。上記に記載される態様は、発明の概要における定義の代わりに、本態様における、R、R、R及びRの、これらの定義を組み入れることもできる。
【0078】
本明細書において使用されるように、語句「a」又は「an」の実体は、1つ又はそれ以上の実体を指し;例えば、「a」の化合物は、1つ又はそれ以上の化合物、又は、少なくとも1つの化合物を指す。同様に、用語「a」(又は「an」)、「1つ又はそれ以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書において交換可能に用いられ得る。
【0079】
本明細書において記載される定義は、例えば、「ヘテロアルキルアリール」、「ハロアルキルヘテロアリール」、「アリールアルキルヘテロシクリル」、「アルキルカルボニル」、「アルコキシアルキル」等の化学的に関連する組み合わせを構成するために付され得ることが意図される。「フェニルアルキル」又は「ヒドロキシアルキル」のように、用語「アルキル」が別の用語の接尾語として使用される場合、これは、他の特定の命名される基から選択される1〜2個の置換基により置換されている、上記定義のアルキル基を指すことが意図される。したがって、例えば、「フェニルアルキル」は、1〜2個のフェニル置換基を有するアルキル基を指し、したがって、ベンジル、フェニルエチル、及びビフェニルを含む。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、1〜2個の複素環式置換基を有するアルキル基を指す。「アルキルアミノアルキル」は、1〜2個のアルキルアミノ置換基を有するアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−(ヒドロキシメチル)、3−ヒドロキシプロピル等を含む。したがって、本明細書において使用されるように、用語「ヒドロキシアルキル」は、以下に定義されるヘテロアルキル基のサブセットを定義するために使用される。用語(アラ)アルキルは、置換されていないアルキル又はアラルキル基のいずれかを指す。用語(ヘテロ)アリールは、アリール又はヘテロアリール基のいずれかを指す。
【0080】
「任意の(optional)」又は「場合により」は、続いて記載される事象又は状況が必ずしも起こる必要はないことおよびこの記載が、この事象又は状況が起こる場合と起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「任意の結合」は、その結合が存在していても、存在していなくてもよいことおよびこの記載が単結合、二重結合、又は三重結合を含むことを意味する。
【0081】
本明細書において使用されるように、用語「アシル」は、Rが水素又は本明細書において定義される低級アルキルである、式−C(=O)Rで表わされる基を示す。C1−3アシルは、RがC1−3アルキルである、本明細書において定義されるアシル基を示す。
【0082】
本明細書において使用されるように、用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含む、非分枝鎖又は分枝鎖状の飽和一価炭化水素残基を示す。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖状の炭化水素残基を示す。本明細書において使用されるように、「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素から構成されるアルキルを指す。
【0083】
本明細書において使用されるように、用語「アミノ」、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」は、それぞれ、−NH、−NHR及び−NRを指し、Rは上記定義のアルキルである。ジアルキル部分の窒素と結合している2つのアルキル基は、同じであっても、又は異なっていてもよい。本明細書において使用されるように、用語「アミノアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」は、それぞれ、Rがアルキルであり、アルキレン及びアルキルの両方が本明細書において定義されるように、NH(アルキレン)−、RHN(アルキレン)−、及びRN(アルキレン)−を指す。本明細書において使用されるように、C1−10アルキルアミノは、アルキルがC1−10であるアミノアルキルを指す。本明細書において使用されるように、「C1−10アルキル−アミノ−C2−6アルキル」は、アルキルがC1−10であり、アルキレンが(CH2−6である、C1−10アルキルアミノ(アルキレン)2−6を指す。アルキレン基が3個又はそれ以上の炭素原子を含む場合、アルキレンは、直鎖状、例えば、−(CH−又は分枝鎖状、例えば、−(CMeCH)−であることができる。本明細書において使用されるように、用語「フェニルアミノ」は、Phが、場合により置換されているフェニル基を表す、−NHPhを指す。
【0084】
本明細書において使用されるように、用語「アルキレン」は、特に指定しない限り、1〜10個の炭素原子の二価の飽和直鎖状炭化水素基(例えば、(CH)又は2〜10個の炭素原子の分枝鎖状の飽和二価炭化水素基(例えば、−CHMe−又は−CHCH(i−Pr)CH−)を示す。アルキレン基の空いている結合価は同一原子と結合しない。アルキレン基の例は、非限定的に、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチル−プロピレン、1,1−ジメチル−エチレン、ブチレン、2−エチルブチレンを含む。
【0085】
本明細書において使用されるように、用語「シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を含む飽和炭素環、すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを示す。本明細書において使用されるように、「C3−7シクロアルキル」は、炭素環中、3〜7個の炭素から構成されるシクロアルキルを指す。
【0086】
本明細書において使用されるように、用語「アルコキシ」は、アルキルが上記定義の通りである−O−アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ(これらの異性体を含む)を意味する。本明細書において使用されるように、「低級アルコキシ」とは、上記定義の「低級アルキル」を有するアルコキシ基を示す。「C1−10アルコキシ」は、アルキルがC1−10である−O−アルキルを指す。
【0087】
本明細書において使用されるように、用語「シアノ」は、三重結合によって、窒素に結合している炭素、すなわち、−C≡Nを指す。本明細書において使用されるように、用語「ニトロ」は、基−NOを指す。
【0088】
本明細書において使用されるように、用語「ハロアルキル」は、1個、2個、3個又はそれ以上の水素原子がハロゲンにより置換されている、上記定義の、非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルキル基を示す。本明細書において使用されるように、「C1−3ハロアルキル」は、1〜3個の炭素と1〜8個のハロゲン置換基から構成されるハロアルキルを指す。例は、1−フルオロメチル、1−クロロメチル、1−ブロモメチル、1−ヨードメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、トリヨードメチル、1−フルオロエチル、1−クロロエチル、1−ブロモエチル、1−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2,2−ジクロロエチル、3−ブロモプロピル又は2,2,2−トリフルオロエチルである。
【0089】
本明細書において使用されるように、用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。
【0090】
本明細書において使用されるように、用語「ヒドロキシアルキル」及び「アルコキシアルキル」は、異なる炭素原子における1〜3個の水素原子が、それぞれ、ヒドロキシル又はアルコキシ基により置換されている、本明細書において定義されるアルキル基を示す。C1−6ヒドロキシアルキルは、異なる炭素原子における1〜3個の水素原子がヒドロキシル基により置換されている、本明細書において定義されるC1−6アルキル基を指す。
【0091】
本明細書において使用されるように、用語「C1−6カルボキシアルキル」は、異なる炭素原子上の1個又は2個の水素原子がヒドロキシル基によって置換されている、本明細書において定義されるC1−6アルキル基を指す。Rがカルボキシアルキル基である、請求項1において用いられる基NRは、非限定的に、天然のアミノ酸であるグリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンを含む。
【0092】
用語「ピロリジン」、「ピペリジン」及び「アゼピン」は、それぞれ、1個の炭素原子が1個の窒素原子により置換されている5員、6員又は7員のシクロアルカンを指す。
【0093】
本明細書において使用されるように、用語「アミノ酸」は、天然及び合成の、α、β、γ又はδアミノ酸を指し、天然のアミノ酸、すなわち、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン及びヒスチジンのみを含む。特に特定しないかぎり、アミノ酸はL−又はD−配置を取り得る。または、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、スレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リジニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β−アラニル、β−バリニル、β−ロイシニル、β−イソロイシニル、β−プロリニル、β−フェニルアラニニル、β−トリプトファニル、β−メチオニニル、β−グリシニル、β−セリニル、β−スレオニニル、β−システイニル、β−チロシニル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパルトイル、β−グルタロイル、β−リジニル、β−アルギニニル又はβ−ヒスチジニルの誘導体であり得る。用語アミノ酸が使用される場合、それは、D及びL−配置にある、α、β、γ又はδグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン及びヒスチジンの各エステルを具体的かつ独立的に開示していると考えられる。
【0094】
表現「天然アミノ酸の側鎖」は、水素、メチル、iso−プロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、−CHOH、−CH(OH)CH、−CHSH、−CHCHSMe、Rが−OH又は−NHであり、pが1又は2である−(CHCOR、qが3又は4である−(CH−NH、−(CH−NHC(=NH)NH、−CH、−CH−p−C−OH、(3−インドリニル)メチレン、(4−イミダゾリル)メチレンを示す。
【0095】
本明細書において使用されるように、用語「ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤」(「NRTI」)は、ウィルスゲノムHIV−I RNAのプロウィルスHIV−I DNAへの変換を触媒する酵素である、HIV−I 逆転写酵素の活性を阻害する、ヌクレオシド及びヌクレオチド及びそれらのアナログを意味する。
【0096】
本明細書において使用されるように、用語「野生型」は、逆転写酵素阻害剤に曝露されていない、正規母集団において、天然に存在する優勢な遺伝子型を有するHIVウィルス株を指す。本明細書において使用される、用語「野生型逆転写酵素」は、アクセッション番号P03366を有する、SwissProtデータベースにおいて、配列決定され、寄託されている野生型株によって発現されている逆転写酵素を指す。
【0097】
本明細書において使用されるように、用語「低下される感受性」は、同じ実験系において、野生型株ウィルスによって示される感受性と比較して、特定のウィルス単離物の感受性において、約10倍又はそれ以上の変化を指す。
【0098】
本明細書において使用されるように、用語「ヌクレオシド及びヌクレオチド逆転写酵素阻害剤」(「NRTI」)は、ウィルスゲノムHIV−I RNAのプロウィルスHIV−I DNAへの変換を触媒する酵素である、HIV−I 逆転写酵素の活性を阻害する、ヌクレオシド及びヌクレオチド及びそれらのアナログを意味する。
【0099】
典型的な、好適なNRTIは、GSKのジドブジン(AZT;RETROVIR(登録商標));Bristol−Myers Squibb Co.(BMS)のジダノシン(ddl;VIDEX(登録商標));Rocheのザルシタビン(ddC;HIVID(登録商標));BMSのスタブジン(d4T;ZERIT(登録商標)); GSKのラミブジン(3TC;EPIVIR(登録商標));国際公開(WO)96/30025に開示されており、GSKから入手可能であるアバカビル(1592U89;ZIAGEN(登録商標));Gilead Sciencesのアデフォビル ジピボキシル(ビス(POM)−PMEA;PREVON(登録商標));欧州特許(EP)−0358154及び欧州特許(EP)−0736533に開示されており、BMSによって開発中であるヌクレオシド逆転写酵素阻害剤ロブカビル(BMS−180194);Biochem Pharmaによって開発中である逆転写酵素阻害剤(BCH−10618及びBCH−10619のラセミ混合物の形態である)BCH−10652;Emory Univ.の米国特許(U.S.P)−5,814,639に基づき、Emory Universityからライセンスされ、Gilead Sciences,Incによって開発中であるエミトリシタビン[(−)−FTC];Yale UniversityによってVion Pharmaceuticalsにライセンスされているエブシタビン(β−L−D4FC;β−L−2’,3’−ジデオキシ−5−フルオロ−シチジン);欧州特許(EP)−0656778に開示されており、Emory University及びUniversity of GeorgiaによってTriangle Pharmaceuticalsにライセンスされているプリンヌクレオシド(−)−β−D−2,6,−ジアミノ−プリンジオキソランである、DAPD;及び、NIHによって発見され、U.S.Bioscience Inc.によって開発中である酸安定性プリン系逆転写酵素阻害剤、9−(2,3−ジデオキシ−2−フルオロ−β−D−スレオ−ペントフラノシル)アデニンである、ロデノシン(FddA)を含む。
【0100】
3つのNNRTIが米国において認可されている、すなわち、Boehringer Ingelheim(BI)から入手可能なネビラピン(BI−RG−587;VIRAMUNE(登録商標));Pfizerから入手可能なデラビラジン(BHAP,U−90152;RESCRIPTOR(登録商標));およびBMSからのベンズオキサジン−2−オン、エファビレンツ(DMP−266,SUSTIVA(登録商標))。現在開発中の他のNNRTIは、PNU−142721、Pfizerによって開発中であるフロピリジン−チオ−ピリミド;Shionogi及びPfizerによるカプラビリン(S−1153又はAG−1549;5−(3,5−ジクロロフェニル)−チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチルカーボネート);Mitsubishi Chemical Co.及びTriangle Pharmaceuticalsによるエミビリン[MKC−442;(1−(エトキシ−メチル)−5−(1−メチルエチル)−6−(フェニルメチル)−(2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン)];(+)−カラノリドA(NSC−675451)及びB、NIHの米国特許(U.S.P.)5,489,697に開示され、Sarawak/Advanced life Sciencesにライセンスされているクマリン誘導体;Tibotec−Virco及びJohnson&Johnsonによるエトラビリン(TMC−125;4−[6−アミノ−5−ブロモ−2−(4−シアノ−フェニルアミノ)−ピリミジン−4−イルオキシ]−3,5−ジメチル−ベンゾニトリル)及びDAPY(TMC120;4−{4−[4−((E)−2−シアノ−ビニル)−2,6−ジメチル−フェニルアミノ]−ピリミジン−2−イルアミノ}−ベンゾニトリル);Boehringer−IngleheimによるBILR−355 BS(12−エチル−8−[2−(1−ヒドロキシ−キノリン−4−イルオキシ)−エチル]−5−メチル−11,12−ジヒドロ−5H−1,5,10,12−テトラアザ−ジベンゾ[a,e]シクロオクテン−6−オン;Paradigm Pharmaceuticalsによる、PHI−236(7−ブロモ−3−[2−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2−チオン)及びPHI−443(TMC−278,1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−(2−チオフェン−2−イル−エチル)−チオウレア)を含む。
【0101】
本明細書において使用されるように、用語「プロテアーゼ阻害剤」(「PI」)は、感染性HIV−Iにおいて見られる、ウィルスポリタンパク質前駆体(例えば、ウィルスGAG及びGAG Polポリタンパク質)の個々の機能性タンパク質へのタンパク分解的切断に必要とされる酵素、HIV−Iプロテアーゼの阻害剤を意味する。HIVプロテアーゼ阻害剤は、ペプチド類似構造、高分子量(7600ダルトン)及び実質的なペプチド特性を有する化合物、例えば、CRIXIVAN(登録商標)並びに非ペプチドプロテアーゼ阻害剤、例えば、VIRACEPT(登録商標)を含む。
【0102】
典型的な適切なPIは、INVIRASE(登録商標)として硬カプセルで、FORTOVASE(登録商標)として軟カプセルで、Rocheから入手可能であるサキナビル;NORVIRとしてAbbott Laboratoriesから入手可能であるリトナビル(ABT−538);同様にAbbotから入手可能であるLopinavir(ABT−378);Abbott Laboratoriesから入手可能である、ロピナビルと低治療量のリトナビルとの合剤であるKALETRA(登録商標);Merck&Co.から、CRIXIVAN(登録商標)として入手可能であるインジナビル(MK−639);Agouron Pharmaceuticals,Inc.から、VIRACEPT(登録商標)として入手可能であるネルフィナビル(AG−1343);Vertex Pharmaceuticals,Inc.及びGSKから、AGENERASE(登録商標)として入手可能であるアンプレナビル(141W94);BIから、APTIVUS(登録商標)として入手可能であるティプラナビル(PNU−140690);BMSによるラシナビル(BMS−234475/CGP−61755);BMS−2322623、第2世代HIV−I PIとしてBMSによって開発されているアザペプチド;GSKとVertexとが共同開発中であるGW−640385X(VX−385);Agouron/Pfizerによる前臨床開発中のAG−001859;Sumitomo Pharmaceuticalsによって開発されていつSM−309515を含む。
【0103】
前臨床開発中のさらなるPIは、BMSによるN−シクロアルキルグリシン、Enanta Pharmaceuticalsによるα−ヒドロキシアリールブタンアミド;α−ヒドロキシ−γ−[[(炭素環式−又は複素環式−置換)アミノ)カルボニル]アルカンアミド誘導体;Merckによるγ−ヒドロキシ−2−(フルオロアルキルアミノカルボニル)−1−ピペラジンペンタンアミド;Pfizerによるジヒドロパイロン誘導体並びにα−及びβ−アミノ酸ヒドロキシエチルアミノスルホンアミド;及び、ProcyonによるN−アミノ酸置換L−リジン誘導体を含む。HIVの標的細胞への進入は、CD−4細胞表面受容体及びCCR5(M−トロピック株)及びCXCR4(T−トロピック株)ケモカインコレセプターを要する。ケモカインへのウィルス結合を妨害することに拮抗作用を及ぼすケモカインは、ウィルス感染の有用な阻害剤である。Takedaは、潜在的なCCR5アンタゴニストとして、TAK−779(M.Shiraishiら,J.Med.Chem.2000 43(10):2049−2063;M.Babbaら、Proc.Nat.Acad Sci.USA 1999 96:5698−5703)及びTAK−220(C.Tremblayら、Antimicrob.Agents Chemother.2005 49(8):3483−3485)を同定した。国際公開(WO)0039125(D.R.Armourら)及び国際公開(WO)0190106(M.Perrosら)は、強力かつ選択的CCR5アンタゴニストである複素環式化合物を開示している。Miraviroc(UK−427,857;MVC)は、Pfizerによって、第III相臨床試験に進められ、HIV−1単離物及び実験株に対して活性を示す(P.Dorrら,Antimicrob.Agents Chemother.2005 49(11):4721−4732;A.Wood and D.Armour,Prog.Med.Chem.2005 43:239−271;C.Watsonら,Mol.Pharm.2005 67(4):1268−1282;M.J.Macartneyら,43rd Intersci.Conf.Antimicrob.Agents Chemother.September 14−17,2003,Abstract H−875)。Scheringは、Sch−351125(SCH−C)を第I相/II相臨床研究に進め、より強力なフォローアップ化合物、Vicroviroc(Sch−417690,SCH−D)を第I相研究に進めていることを報告している(S.W.McCrombieら,国際公開(WO)00066559;B.M.Baroudyら、国際公開(WO)00066558号;A.Palaniら,J.Med.Chem.2001 44(21):3339−3342;J.R.Tagatら,J.Med.Chem.2001 44(21):3343−3346;J.A.Este,Cur.Opin.Invest.Drugs 2002 3(3):379−383;J.M.Struzkiら.Proc.Nat.Acad Sci.USA 2001 98:12718−12723)。Merckは、CCR5受容体に対する優れた親和性及び強力なHIV活性を有する(2S)−2−(3−クロロフェニル)−1−N−(メチル)−N−(フェニルスルホニル)アミノ]−4−[スピロ(2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−3,4’−ピペリジン−1’−イル)ブタン S−オキシド(1)及び関連する誘導体の調製を開示している(P.E.Finkeら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001 11:265−270;P.E.Finkeら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001 11:2469−2475;P.E.Finkeら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001 11:2475−2479;J.J.Haleら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001 11:2741−22745;D.Kimら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001 11:3099−3102);C.L.Lynchら、OrgLett.2003 5:2473−2475;R.S.Veazeyら、J.Exp.Med.2003 198:1551−1562。GSK−873140(ONO−4128,E−913,AK−602)は、熊本大学で開始されたプログラム中で同定され(K Maedaら,J.Biol.Chem.2001 276:35194−35200;H.Nakataら,J.Virol.200579(4):2087−2096)、臨床試験へと進んでいる。国際公開(WO)00/166525;国際公開(WO)00/187839;国際公開(WO)02/076948;国際公開(WO)02/076948;国際公開(WO)02/079156、国際公開(WO)2002070749、国際公開(WO)2003080574、国際公開(WO)2003042178、国際公開(WO)2004056773、国際公開(WO)2004018425中に、アストラゼネカ社は、CCR5アンタゴニストである4−アミノピペリジン化合物を開示する。2005年8月22日に公開された米国特許出願公開(U.S.Pub.)20050176703に、S.D.Gabriel及びD.M.Rotsteinは、HIV細胞の進入を阻止可能な複素環CCR5アンタゴニストを開示した。2006年1月19日に公開された米国特許出願公開(U.S.Pub.)20060014767に、E.K.Leeらは、HIV細胞の進入を阻止可能な複素環CCR5アンタゴニストを開示した。
【0104】
結合阻害剤は、ウィルスエンベロープタンパク質とケモカイン受容体又はCD40タンパク質の間の相互作用を効果的に阻止する。TNX−355は、CD4のドメイン2の立体構造エピトープに結合する、ヒト化IgG4モノクローナル抗体である(L.C.Burklyら,J.Immunol.1992 149:1779−87)。TNX−355は、CCR5−、CXCR4−及びデュアル/混合トロピックHIV−1株のウィルスの接着を阻害し得る(E.Godofskyら,In Vitro Activity of the Humanized Anti−CD4 Monoclonal Antibody,TNX−355,against CCR5, CXCR4, and Dual− Tropic Isolates and Synergy with Enfuvirtide,45th Annual Intersaence Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC),December 16−19,2005,Washington DC. Abstract #3844;D.Norrisら,TNX−355 in Combination with Optimized Background Regime(OBR) Exhibits Greater Antiviral Activity than OBR Alone in HIV− Treatment Experienced Patients,45th Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC). December 16−19,2005, Washington DC. Abstract #4020)。
【0105】
抗体、可溶性受容体及び生物学的に活性なその断片を含む巨大分子の治療薬は、従来の低分子の薬物に加えて、重要性を増してきている(O.H.Brekke及びI.Sandlie Nature Review DrugDiscov.2003 2:52−62;A.M.Reichert Nature Biotech.2001 19:819−821)。高い特異性及び親和性を有する抗体は、ウィルス細胞融合に必須な、細胞外タンパク質において標的化される。CD4、CCR5及びCXCR4は、ウィルスの融合を阻害する抗体に関し標的化されている。
【0106】
V.Roschkeら(Characterization of a Panel of Novel Human Monoclonal Antibodies that Specifically Antagonize CCR5 and Block HIV− 1 Entry,44th Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC).October 29, 2004,Washington DC. Abstract #2871)は、CCR5受容体に結合し、CCR5受容体を発現する細胞へのHIVの進入を阻害するモノクローナル抗体を開示している。L.Wu及びC.RMacKayは、2001年5月3日に提出された米国特許出願(U.S.S.N.)09/870,932号に、細胞のHIV感染を阻害することができる様式で、CCR5受容体に結合するモノクローナル抗体5C7及び2D7を開示する。W.C.Olsenら(J.Virol.1999 73(5):4145−4155)は、(i)HIV−1の細胞進入(ii)HIV−1のエンベロープ介在性の膜融合、(iii)CCR5に結合するgp120及び(iv)CC−ケモカイン活性を阻害すること可能であるモノクローナル抗体を開示する。抗CCR5抗体のPro 140及び低分子CCR5アンタゴニストの間の相乗作用が、Murgaらにより開示されている(第3回IAS Conference on HIV Pathogenesis and Treatment, Abstract TuOa.02.06. July 24−27,2005,Rio de Janeiro, Brazil)。HIV−1の細胞進入を阻害する抗CCR5抗体が単離され、M. Brandtらにより、2006年3月31日に提出された米国特許出願(U.S.S.N.)11/394,439号にも開示されている。
【0107】
FUZEON(登録商標)(T−20、DP−178、ペンタフジド)は米国特許(U.S.P.)5,464,933に開示される。T−20及びアナログであるT−1249は、HIV融合のために必要とされる立体構造の変化を効果的に阻害する、HIV gp41断片のアナログである。T−20は認可され、Roche及びTrimerisより入手可能である。FUZEONは、別のクラスの抗HIV薬物と共に併用療法において、連続的皮下点滴又は注射として投与される。
【0108】
HIV治療に有用であり得る他の抗ウィルス剤は、ヒドロキシウレア、リバビリン、IL−2、IL−12、ペンタフシドを含む。T細胞の活性化に関与する酵素であるリボヌクレオシド3リン酸レダクターゼの阻害剤、ヒドロキシウレア(Droxia)は、NCIで発見され、Bristol−Myers Squibbにより開発中であり;前臨床的研究において、ジダノシンの活性に相乗効果を有することが示され、スタブジンと共に研究されている。IL−2は、Ajinomotoの欧州特許(EP)0142268、Takedaの欧州特許(EP)0176299及びカイロン(Chiron)の米国再発行特許(U.S.P.RE)33,653、米国特許(U.S.P.)4,530,787、同4,569,790、4,604,377、同4,748,234、同4,752,585、及び第4,949,314に開示され、IV融合又は皮下投与のための凍結乾燥粉末として、PROLEUKIN(登録商標)(アルデスロイキン)の商品名で、Chiron Corpより入手可能である。IL−12は国際公開(WO)96/25171に開示され、Roche及びWyeth Pharmaceuticalsより入手可能である。リバビリン、1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドは、米国特許(U.S.P.)4,211,771に開示され、ICN Pharmaceuticalsから入手可能である。
【0109】
本願において用いられる略号は、以下を含む、すなわち、アセチル(Ac)、酢酸(HOAc)、アゾ−ビス−イソブチリルニトリル(AIBN)、1−N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、大気(Atm)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN又はBBN)、メチル(Me)、t−ブトキシカルボニル(Boc)、アセトニトリル(MeCN)、ジ−t−ブチルピロカルボネート又はboc無水物(BOCO)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ベンジル(Bn)、m−クロロペル安息香酸(MCPBA)、ブチル(Bu)、メタノール(MeOH)、ベンジルオキシカルボニル(cbz又はZ)、融点(mp)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、MeSO−(メシル又はMs)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、質量スペクトル(ms)ジエチルアミノサルファー トリフルオライド(DAST)、メチル t−ブチル エーテル(MTBE)、ジベンジリデンアセトン(Dba)、N−カルボキシ無水物(NCA)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、1,1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N−メチルモルホリン(NMM)、N−メチルピロリジン(NMP)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ピリジニウムクロロクロメート(PCC)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)、ジクロロメタン(DCM)、プロピル(Pr)、エチルアゾジカルボキシラート(DEAD)、フェニル(Ph)、ジ−イソプロピルアゾジカルボキシラート、DIAD、ポンド・パー・平方インチ(psi)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジン(pyr)、ジ−イソ−ブチルアルミニウムヒドリド、DIBAL−H、室温、rt又はRT、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、t−ブチルジメチルシリル又はt−BuMeSi、(TBDMS)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン(EtN又はTEA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トリフレート又はCFSO−(Tf)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリフルオロ酢酸(TFA)、1,1’−bis−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−2,6−ジオン(TMHD)、1,1’−bis−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、酢酸エチル(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(EtO)、トリメチルシリル又はMeSi(TMS)、エチル(Et)、p−トルエンスルホン酸1水和物(TsOH又はpTsOH)、リチウムヘキサジシラザン(LiHMDS)、4−Me−CSO−又はトシル(Ts)、iso−プロピル(i−Pr)、N−ウレタン−N−カルボキシ無水物(UNCA)、エタノール(EtOH)。接頭語normal(n)、iso(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)及びneoを含む従来の命名法は、アルキル部分と一緒に用いられる場合、それらの通常の意味を有する(J.Rigaudy and D.P.Klesney,Nomenclature in Organic Chemistry,IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford)。
【0110】
本発明の化合物は、以下に示され、記載される例示的な合成反応で描かれる多様な方法により、製造することができる。これらの化合物を製造する際に用いられる、出発物質及び試薬は、通常は、Aldrich Chemical Co.,等の商業的な供給者から入手可能であるか、又は当業者に公知の方法により、以下に示される参考文献等に従って製造されるかのいずれかである:FieserandFieser’s Reagents for Organic Synthesis;Wiley&Sons:New York,Volumes 1−21;R.C.LaRock,Comprehensive Organic Transformations,2nd edition Wiley− VCH,New York 1999;Comprehensive Organic Synthesis,B.Trost and I. Fleming(Eds.) vol.1−9 Pergamon,Oxford,1991;Comprehensive Heterocyclic Chemistry,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds) Pergamon,Oxford 1984,vol.1−9;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II,A.R.Katritzky and C.W.Rees(Eds) Pergamon,Oxford 1996,vol.1−11;及びOrganic Reactions,Wiley&Sons:New York,1991,Volumes 1−40。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物が合成され得る、いくつかの方法の単なる例示であり、本出願に含まれる開示を参照して、当業者によって、これらの合成反応の多様な修飾がされ得、認識されるであろう。
【0111】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、所望であれば、非限定的に、濾過、蒸留、結晶、クロマトグラフィー等を含む従来の技術を用いて、単離し、精製することができる。かかる物質は、物理学的定数及び、非限定的に、質量分析法、核磁気共鳴分光法及び赤外分光法を含む、従来の手段を用いて、特徴付けることができる。
【0112】
それとは異なるように特定されないかぎり、本明細書中に記載の反応は、好ましくは、不活性雰囲気下、大気圧下、約−78℃〜約150℃の範囲、より好ましくは、約0℃〜約125℃の範囲の反応温度で、及び最も好ましく且つ簡便には、ほぼ室温(又は周囲温度)、例えば約20℃で、行われる。当業者は、過度な実験を行うことなく、各変換のための最適な反応条件を特定することができるであろう。
【0113】
以下のスキームがしばしば特定の化合物を描く一方で;反応条件は例示的なものであって、他の反応物質に容易に適用されうる。別の条件もまた、よく知られている。以下の実施例における反応順序は、特許請求の範囲に設けられる本発明の範囲を限定することを意味されない。
【0114】
本発明に包含され、本発明の範囲内に含まれる代表的な化合物の例を以下の表に示す。これらの例及び以下の製造物は、当業者に本発明をより明確に理解させ、本発明を実施させるために提供されるものである。それらは本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきでなく、単にそれらを説明し、表すためのものにすぎない。
【0115】
以下のスキームにおけるいくつかの構造は、一般化される置換基を伴って描かれている;しかし、当業者は、本発明中に意図される多様な化合物を得るために、R基の性質が様々であることを直ちに理解するであろう。さらに、反応条件は例示的であり、代替的な条件が十分に知られている。以下の実施例における反応順序は特許請求の範囲に設けられる本発明の範囲を限定することを意味されない。
【0116】
通常、本出願中で用いられる命名法は、IUPACの体系的な命名を生成するための、Beilstein Institute製のコンピューター化されたシステムである、AUTONOM(商標) v.4.0に基づいている。もし、描かれた構造と、その構造に与えられた名称に乖離がある場合は、描かれた構造がより重視されることになる。さらに、もし、ある構造の又はある構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されなかった場合、その構造又はその構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものとして解釈される。
【0117】
【表1】











【0118】
本発明の化合物は、3−アリールオキシフェニル酢酸10bから迅速に製造することができる。適切なフェニル酢酸化合物を、相当する酸クロリド10cへと変換し、場合により、置換された4−アミノ安息香酸エステル11と縮合させる。エステルの加水分解後に、得られたカルボン酸12bを活性化して、第1級又は第2級アミンと共に処理して、所望のアミド13を得る。
【0119】
【化23】

【0120】
3−アリールオキシ−2−フルオロ−4−置換−フェニル酢酸エステル(10a、R=ハロゲン又はアルキル、R’=フルオロ)化合物は、フルオロ芳香族化合物からのフッ素原子の容易な置換を利用することにより、入手容易であった。1,2,3−トリフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(15)をアルカリ金属フェノラートと共に処理することにより、良好な位置選択性を伴う3−フルオロ基の置換をもたらして、16aを得ることができる(スキーム2)。16aを、tert−ブチルエチルマロナートの脱プロトン化により形成されるカルバニオンを用いて処理することにより、位置選択的なマロン酸エステル(16b)の導入がもたらされ、それをtert−ブチルエステルの酸触媒による加水分解及び脱炭酸化に付して、16cを得る。フェノキシ及び酢酸(又はアセトニトリル)部分の導入後、ニトロ基は、容易に、4−の位置で別の置換基へと変換される。ニトロ置換基の還元により、17aを得、これをザントマイヤー条件に付して、ブロモ17b又はクロロ17eの置換を導入する。場合により、ブロモ置換はさらにジアルキル亜鉛と反応して(ねぎし(根岸)カップリング)、17c及び17dで例示される4−アルキル−3−アリールオキシ−2−フルオロ−フェニル酢酸化合物を得る。
【0121】
有機亜鉛ハロゲン化物の又はジアルキル亜鉛とハロアレンおよびアリールトリフレートとの根岸カップリングは、アレンにアルキル基を結合させるために、有効な手段である。反応は、パラジウムPd(0)により触媒され、パラジウムは、好ましくは、Pd(dppf)Cl及びPd(dppe)Clを含む二座配位子に配位される(J.M.Herbert Tetrahedron Lett.2004 45:817−819)。通常、反応は、不活性な非プロトン性溶媒中で行われ、一般的なエーテル溶媒は、ジオキサンを含み、DME及びTHFは適切である。反応は、一般には、温度を上昇させた条件で行われる。
【0122】
【化24】

【0123】
15又は18bの縮合に利用される必要なフェノールは、スキーム3に描かれるように製造された。ジブロモフルオロベンゼン(20a)をナトリウムメトキシドで処理して、フッ素置換基の置換をもたらし、20bを得た。得られたリチウム塩をDMFにより、モノメタル化及びホルミル化することにより、21を得た。ホルミル基のジフルオロメチル基への変換は、DASTで行われた。メチルエステルの脱メチル化により、必要とされるフェノール23を得た。3−クロロ−5−ヒドロキシ−ベンゾニトリル(24c)は、3,5−ジクロロ−ベンゾニトリルから、塩素のナトリウムメトキシドでの置換及び、得られたエーテルを脱メチル化して、製造された。
【0124】
【化25】

【0125】
当該技術分野で公知の、いかなる適切なアミド化の手段により、相当するエステル又はカルボン酸からアミドが形成され得る。かかる化合物を製造するためのひとつの方法は、酸を酸クロリドに変換し、次いで、その化合物を水酸化アンモニウム又は適切なアミンと処理することである。例えば、エステルを、エタノール性KOH又はLiOH(約10%モル過剰)等の、アルコール性の塩基溶液と、室温にて約30分間処理する。溶媒を除去し、残留物をジエチルエーテル等の有機溶媒中に取り、ジアルキルホルムアミド及び過剰量の塩化オキサリルで処理する。これは、全て、−10〜10℃の間の、中程度に低下させた温度にて行われる。得られる溶液を、次いで、この低下させた温度において1〜4時間攪拌する。溶媒の除去により、残渣を得、それを、例えば、DCM、EtOAc、THF又はトルエン等の不活性な有機溶媒中に取り、約0℃に冷却し、濃水酸化アンモニウム又は適切なアミンで処理する。反応が、非反応性アンモニウム塩を形成するHClを生成するから、過剰量のアミンが供給されねばならない。別の方法では、反応中に生成されるHClと反応するための塩基として、トリアルキルアミン又はピリジンが、反応中に取り込まれる。得られる混合物を、低下させた温度において1〜4時間攪拌する。別の方法では、当業者は、アシルハロゲン化物のアミド化が、アルカリ金属炭酸塩及び適当なアミンの存在下で実行され得る(ショッテン−バウマン反応条件)ことを理解するであろう。
【0126】
別の方法では、酸は、例えば、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド、CDI(1,1’−カルボニイジイミダゾール)又はDCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド)の、1等量の適切なカップリング試薬又は脱水剤により活性化されうる。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及び3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(W.Konig and R.Geiger Chem.Ber.1970 788:2024 and 2034)、N−ヒドロキシスクシンイミド(E.Wunsch and F.Drees,Chem. Ber. 1966 99:110)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(L.A.Carpino I Am.Chem.Soc. 1993 115:4397−4398)を含む、カップリング効率を改善する多数の添加剤が特定されている。脱水的カップリングのためのプロトコールは、ペプチド合成技術において広範に洗練されており、これらのプロトコールを本発明において用いることができる。これらのプロトコールは概説されており、例えば、M.Bodanszky,Principles of Peptide Synthesis,Springer Verlag,New York 1993;P.Lloyd−Williams and F.Albericio Chemical Methods for the Synthesis of Peptides and Proteins CRC Press,Boca Raton,FL 1997を参照されたい。
【0127】
本発明の化合物は、多様な経口投与の投与形態及び担体中で製剤化され得る。経口投与は、錠剤、コーティングされた錠剤、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン、シロップ、又は懸濁液の形態であり得る。本発明の化合物は、他の投与経路の内、連続的(点滴)局所的な非経口的、筋肉内、静脈内、皮下、経皮(浸透促進剤を含み得る)、口腔内、経鼻、吸入及び座剤投与を含む他の投与経路により投与される場合に有効である。投与の好ましい方法は、通常は、簡便な毎日の投与計画による経口的なものであり、苦痛の程度及び患者の活性成分に対する応答によって調整され得る。
【0128】
1以上の従来の賦形剤、担体、又は希釈剤を伴う、本発明の化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩は、薬学的組成物及び単位投与量の剤形で配置されてもよい。薬学的組成物及び単位投与量の剤形は、付加的な活性化合物又は成分を伴うあるいは伴わない、従来の比率での従来成分からなることができ、単位投与量の剤形は、用いられることを意図された一日の投与量範囲に見合った活性成分の、いかなる適切な有効量を含むことができる。薬学的組成物は、経口的な使用のため、錠剤や充填されたカプセル、半固体、粉末、徐放製剤等の固体として、又は溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤、又は充填されたカプセル等の液体として;又は、直腸又は膣への投与のため、座剤形態で;又は、非経口的使用のため、滅菌された注射可能な溶液の形態で用いることができる。典型的な調製物は、約5%〜約95%(w/w)の活性化合物を含むであろう。用語「調製物」又は「投薬形態」は、活性化合物の固体及び液体の剤形の両方を含むことを意図され、当業者は、活性成分が、標的臓器又は組織に応じて、且つ、所望の投与量及び薬物動態パラメータに応じて、異なる調製物中に存在し得ることを理解するであろう。
【0129】
本明細書中で使用されるように、用語「賦形剤」は、一般的に、安全で、無毒で、生物学的にもその他においても望まれないものではなく、動物の用途並びにヒトの薬学的用途に許容される賦形剤を含む薬学的組成物を調製する際に、有用な化合物を指す。本明細書中で使用されるように、用語「賦形剤」は、1の及び1以上のかかる賦形剤の両方を含む。
【0130】
化合物の「薬学的に許容される塩」との表現は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。かかる塩は、:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸と形成されるか;又は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸と形成される酸付加塩;又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン等の金属イオン又はアンモニウムイオンにより置換されるか又はエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等の有機塩基と配位するかのいずれかである場合に形成される塩を含む。N−アシルスルホンアミドは、有機又は無機カチオンとの塩を形成するために取り除かれ得る酸性プロトンを有する。
【0131】
好ましい薬学的に許容される塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。薬学的に許容される塩に対する全ての参考文献は、同様の酸付加塩の、本明細書中に規定されるような、溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を含むことが理解されるべきである。
【0132】
固体形態の調製物は、粉末、錠剤、丸薬、カプセル、カシェ剤、座剤、及び分散可能な顆粒を含む。固体の担体は、希釈剤、香料、可溶化剤、滑剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又は封入物質としても作用し得る1以上の物質であり得る。粉末において、担体は、通常、微粉化された活性成分との混合物である、微粉化固体である。錠剤において、活性成分は、通常、必要な結合能力を有する担体と適切な比率で混合され、所望の形状及び大きさに圧縮される。適切な担体は、非限定的に、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバター等を含む。固体形態の調製物は、活性成分に加えて、色素、香料、安定剤、緩衝剤、人工甘味料及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含み得る。
【0133】
液体の剤形もまた、経口投与のために適切であり、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤、水溶液及び水性懸濁液等を含む液状の剤形を含む。これらは、使用直前に液状調製物に変換されることが意図される固体形態の調製物を含む。エマルジョンは、例えば、水性プロピレングリコール溶液中等の溶液で調製され得、又はレシチン、ソルビタンモノオレエート又はアカシア等のエマルジョン化剤を含み得る。水性溶液は、活性成分を水中に溶解し、適切な色素、香料、安定剤、及び増粘剤を添加することにより製造されうる。水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、天然又は合成のガム、レジン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の粘性物質、及び他の周知の懸濁剤と共に水中に分散させることにより製造されうる。
【0134】
本発明の化合物は、(例えば、ボーラス注射又は持続注入等の注射による)非経口的投与のために製剤化され得、アンプル、充填済み注射器、少量の注入の単位投与形態で、又は、保存料の添加を伴う複数回容器中に存在しうる。組成物は、懸濁液、溶液、又は油性若しくは水性のビヒクル中の乳剤、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液等の形態をとることができる。油性又は非水性の、担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油等)、及び注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含み、保存剤、湿潤剤、エマルジョン化剤又は懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の製剤化剤を含み得る。又は、活性成分は粉末形態であることができ、滅菌固体の無菌的単離により、又は、適切なビヒクル、例えば、滅菌され、発熱物質を含まない水と共に、使用する前に構成するための溶液から凍結乾燥させることによって得られうる。
【0135】
本発明の化合物は、軟膏、クリーム又はローション、又は経皮パッチとして表皮に局所投与するため、製剤化されうる。軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤の添加を伴う水性又は油性の基材とともに、製剤化されうる。ローションは、水性又は油性の基材とともに、製剤化され得、通常は、1以上のエマルジョン化剤、安定化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤又は香料も含むであろう。口中への局所的投与のため、適切な製剤は、通常、シュークロース及びアカシア又はトラガカントである着香された基材中に活性剤を含むトローチ剤(lozenge);ゼラチン及びグリセリン又はシュークロース及びアカシアなどの不活性な基材中に活性物質を含むパスチラ(pastille);及び、適切な液状担体中に活性成分を含む洗口液を含む。
【0136】
本発明の化合物は、座剤としての投与のため、製剤化されうる。脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物等の低融点ワックスをまず融解し、例えば、攪拌することにより、活性成分を均一に分散する。融解された均一な混合物を、次いで、簡便な大きさの型に注ぎ込み、冷却して固化させる。
【0137】
本発明の化合物は、膣への投与のため、製剤化されうる。活性成分に加えて、適切であることが当該技術分野で知られている、担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォーム又はスプレー。
【0138】
本発明は、経鼻的投与のため、製剤化されうる。溶液又は懸濁液を、例えば、点滴器、ピペット、又はスプレー等の従来の手段により、直接的に鼻腔へと適用する。製剤は単一又は複数の形態で提供されうる。点滴器、ピペットにおける後者の場合は、このことは、患者が適切な所定量の溶液又は懸濁液を投与することにより達成され得る。スプレーの場合、このことは、例えば、定量噴霧スプレーポンプを用いる手段により達成され得る。
【0139】
本発明の化合物は、エアロゾル投与、特に気道へのに投与(鼻内への注入を含む)のため、製剤化され得る。化合物は、通常、例えば、(5)ミクロン以下のオーダーの小さい粒子サイズを有するであろう。かかる粒子サイズは、例えば、微粉化等の、当該技術分野において公知の手段により得られうる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素又は他の適切なガス等の適切なな推進剤を用いて、加圧されたパックで提供される。エアロゾルは、簡便のため、レシチン等の界面活性剤を含んでもよい。薬物の投与量は、計量バルブにより制御することができる。又は、活性成分は、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のデンプン誘導体及びポリビニルピロリジン(PVP)等の適切な粉末基材中の、化合物の粉末混合物等の、乾燥粉末形態で提供され得る。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばゼラチン製カプセル又はカートリッジ、又は、粉末を吸入手段により投与することができるブリスターパック中、単位投与量形態で存在しうる。
【0140】
所望の場合、製剤は、活性成分の持続的投与のため、又は制御された放出投与のために適用される腸溶コーティングを伴って製造され得る。例えば、本発明の化合物を、経皮的または皮下的な薬物送達デバイス中に製剤化されうる。これらの送達系は、化合物の持続的放出が必要であり、治療計画を伴う患者の承諾が不可欠である場合に、有利である。経皮送達系において、化合物は、しばしば、皮膚接着性の固体支持体へ接着される。対象化合物は、また、例えば、アゾン(1−ドデシルアザ−シクロヘプタン−2−オン)等の浸透促進剤と組み合わせられうる。持続放出送達系は、外科手術又は注射により、皮下層へと皮下的に挿入される。皮下的な埋め込み物は、化合物を、例えば、シリコンラバー、又は、例えばポリアクリル酸等の生分解性ポリマー等の脂溶性膜中にカプセル化する。
【0141】
薬学的担体、希釈剤及び賦形剤を伴う適切な製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 第19版, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。熟練した製剤科学者は、本発明の組成物を不安定にしたり又は治療的活性をそこなうことなく、特定の投与経路のために、多数の製剤を提供するため、明細書中の教示の範囲内で、製剤を修飾することができる。
【0142】
それらを水中又は別のビヒクル中でのより溶け易くする本化合物の修飾は、例えば、当業者によく知られている、わずかな修飾(塩生成、エステル化等)により、容易に達成され得る。患者における最大の有益な効果のため、本発明の化合物の薬物動態を管理するために、特定の化合物における投与経路及び投与計画を修飾することも、十分に従来技術の範囲内である。
【0143】
本明細書中で使用されるように、用語「治療的に有効な量」は、個体における疾患の症状を低減させるために必要とされる量を意味する。HIV感染の状態は、ウィルス量(RNA)の測定により、又はT細胞レベルの測定により、モニターすることが可能である。投与量は、それぞれの特定の場合において、個々の要求に調整される。その投与量は、処置されるべき疾患の重篤度、患者の年齢及び全体的な健康状態、患者が処置を受けている別の薬物、投与経路及び投与形態、並びに関与する医師の選択及び経験等の多数の因子に依存して、広範な範囲内で変化し得る。経口投与に関しては、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重の一日投与量が、単剤療法及び/又は併用療法に適切であるべきである。好ましい毎日の投与量は、1日あたり、約0.1〜約500mg/kg体重であり、より好ましくは、0.1〜約100mg/kg体重であり、最も好ましくは、1.0〜約10mg/kg体重である。よって、70kgのヒトへの投与については、投与量の範囲は、1日あたり約7mg〜0.7gであろう。毎日の投与量は、単回投与として又は分割投与で、典型的には、1日あたり1〜5投与で、投与され得る。通常、処置は、化合物の最適な投与量よりも少ない、より少ない投与回数で開始される。その後、投与量は、個々の患者に関する最適効果が達成されるまで、少しの増加により増やされる。本明細書中に記載される疾患を処置する当業者は、過度な実験を行うことなく、且つ個人の知識、経験及び本出願の開示に依存して、所定の疾患及び患者のために、本発明の化合物の治療的に有効な量を確かめることができるだろう。
【0144】
本発明の態様において、活性化合物又は塩は、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、他の非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤又はHIVプロテアーゼ阻害剤等の、別の抗ウィルス剤と組み合わせて投与することができる。活性化合物又はその誘導体又は塩が、別の抗ウィルス剤と組み合わせて投与される場合、その活性は親化合物よりも増加し得る。処置が併用療法である場合、かかる投与はヌクレオシド誘導体のそれに関し、同時的又は連続的であり得る。本明細書中に使用されるように、「同時投与」は、従って、同時に又は異なる時に薬物を投与することを含む。2以上の薬物を同時に投与することは、2以上の活性成分を含む単一の製剤により、又は、単一の活性成分を有する2以上の投与量剤形を、実質的に同時に投与することにより達成されうる。
【0145】
本明細書中の処置への言及は存在している状態の予防並びに治療に及び、動物の処置はヒト並びに他の動物の処置を含むことが理解されるであろう。さらに、本明細書中で用いられるように、HIV感染の処置は、また、HIV感染に関連する又はそれにより仲介される疾患又は状態、又はその臨床的症状の処置又は予防をも含む。
【0146】
薬学的調製物は、好ましくは、単位投与量剤形である。かかる剤形において、調製物は、適切な量の活性成分を含む単位投与量へとさらに分割される。単位投与量の剤形は、包装された調製物であることができ、その包装は、例えば、包装された錠剤、カプセル又はバイアルもしくはアンプル中の粉末等の、別々の量の調製物を含む。また、単位投与量剤形は、それ自体、カプセル、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤である得、又は、包装形態において、適切な数の、いかなるこれらでありうる。
【0147】
以下の、これらの実施例及び製造例は、当業者に本発明をより明確に理解させ、本発明を実施させるために提供される。それらは本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきでなく、単に、それらを説明し、表すものである。
【0148】
実施例1
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−32)
【0149】
【化26】

【0150】
フェニル酢酸30aを実施例3に記載されるように製造した。
【0151】
工程1−150mlの三つ首丸底フラスコに、MeCN(50ml)、CuBr(2.8g、12.61mmol)及び亜硝酸t−ブチル(1.4g、13.76mmol)を仕込み、脱ガスし、アルゴン雰囲気下に保持し、70℃に加熱した。混合物に、MeCN(20ml)に溶解した30a(4.0g、11.47mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を70℃で4時間撹拌し、次に、0℃に冷却した。反応を10%HCl(30ml)の添加によりクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた抽出液を10%HCl及びブラインで順次洗浄した。有機抽出液を乾燥し(NaSO)、濾過し、揮発物溶媒を真空下で除去し、黒色の油状物を得て、それをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン類:EtOAc 95:5)により精製して、30c 2.5g(理論値の52.8%)を得た。
工程2を実施例3の工程8に記載されるように実施したが、但し、30cを30bの代わりに用い、カルボン酸34aを得た。
【0152】
工程3−DMF(1滴)を、DCM(5ml)中の、34a(0.78g、2.0mmol)及び塩化オキサリル(0.34ml、2当量)の溶液に加えた。溶液を2時間撹拌し、揮発性物質を真空下で除去した。得られた酸塩化物34bを乾燥DCM(3ml)に溶解し、乾燥ピリジン(3ml)中の33b(0.46g、1当量)の溶液に滴下した。溶液を36時間撹拌し、水に注ぎ、エーテルで抽出した。合わせた有機層を0.5M HCl溶液、水及びブラインで洗浄した。揮発性物質の蒸発及びEtOAc/ヘキサングラデエント(0%〜25%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーによる残留物の精製により、28a 0.57g(48%)を得た。
【0153】
工程4−28a(0.57g、0.97mmol)及びギ酸(5ml)の溶液を2時間撹拌した。次に、反応物を35℃に3時間加熱し、室温に冷却した。不均質な溶液を濾過し、回収した固体を真空下で乾燥して28b 0.34g(65%)を得て、それを更に精製しないで用いた。28b(0.20g、0.37mmol)、DMF(1.5ml)及びDCM(4ml)の溶液に、HOBT(0.085g、1.5当量)及び樹脂上に保持されたEDCI(0.52g、2当量)を加えた。溶液を12時間撹拌し、次に、DIPEA及び2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンを加え、溶液を24時間撹拌した。DMF(3ml)を反応混合物に加え、溶液を濾過し、塩化メチレンで洗浄した。溶媒を除去し、残留物をDCM/DCM:MeOH:NHClグラデエント(0%〜80%DCM/MeOH溶液)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−33 0.10g(42%)を白色の固体として得た。
【0154】
4−アミノ−3−クロロ−安息香酸、tert−ブチルエステル(33b)−NCS(3.63g、1.05当量)を、IPA(52ml)及びMeCN(52ml)の混合物中のtert−ブチル−4−アミノ−ベンゾアート(33a、5g、25.8mmol)の溶液に60℃で一度に加えた。得られた混合物を80℃に1時間加熱し、真空下で濃縮した。残留物をDCMに溶解し、1M NaOH及びブラインで洗浄した。有機抽出液を濃縮し、EtOAc/ヘキサングラデエント(0%〜20%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、33b 4.9g(83%)を赤色油状物として得て、それをゆっくりと凝固させた。
【0155】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(3−メチル−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド(I−52)を同様にして製造したが、但し、工程4では、2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンを3−メチル−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1□−チオフェン−3−イルアミン(CAS Reg. No 151775-02-9、Matrix Scientific, Columbia, SCから入手可能)に置き換えた。
【0156】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド(I−54)を同様にして製造したが、但し、工程4では、2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンを(3S,4S)−4−アミノ−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−3−オール(W. R. Sorenson, J. Org. Chem. 1959 29:1796、CAS Reg. No. 55261-00-2)に置き換えた。
【0157】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド(I−55)を同様にして製造したが、但し、工程4では、2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンを1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−lλ−チオフェン−3−イルアミン(S. M. liebowitz et al., Biochem. Pharmacol. 1989 38(3):399-406、CAS Reg. No. 6338-70-1)に置き換えた。
【0158】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−メタンスルホニル−エチル)−ベンズアミド(I−53)を同様にして製造したが、但し、工程4では2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンを2−メタンスルホニル−エチルアミン(Liebowitz, supra、CAS Reg. No. 49773-20-8)に置き換えた。
【0159】
実施例2
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−27)
【0160】
【化27】

【0161】
4−アミノ−3−メチル−安息香酸、tert−ブチルエステル−ベンゼンスルホニルクロリド(12.8ml、1当量)を、ピリジン(200ml)中の38a(18.1g、99mmol)の溶液に加えた。溶液を15分間撹拌し、tert−ブチルアルコール(9.4ml、1当量)を滴下した。1.5時間後、溶液を氷水400mlに注ぎ、1時間撹拌した。溶液を濾過し、溶媒を回収し、真空下で乾燥した。この物質をトルエンに溶解し、シリカのプラグを通し、揮発性物質を蒸発後、38b 6.6g(28%)を得た。
【0162】
EtOH(200ml)中の38b(6.6g、27mmol)及び10%Pd/C(0.55g)の懸濁液を、H(60psi)下で3時間攪拌した。溶液をCELITE(登録商標)を通して濾過し、揮発性物質を蒸発して、39 5.7g(99%)を油状物として得て、それをゆっくりと凝固させた。
【0163】
工程1−酸塩化物34b(0.66g、2.0mmol)を、実施例1の工程3に記載されたように調製した。34b及びアセトン(3ml)の溶液を、NaHCO(0.34g、2当量)及び39の懸濁液に加えた。溶媒を除去し、残留物をEtOAc及び水に分配した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた黄色の油状物を、30%EtOAc/ヘキサン類で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、28a 1.1g(100%)を黄色の固体として得た。
【0164】
工程2及び3を、実施例1の工程4のために記載されたように実施してI−27を得た。
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−[2−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド(I−24)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順により調製したが、但し工程3では2−(1,1−ジオキソ−1□−チオモルホリン−4−イル)−エチルアミンをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0165】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−[2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド(I−25)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順により調製したが、但し工程3では1−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−4−オールをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0166】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−1−メチル−エチル)−3−メチル−ベンズアミド(I−26)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順により調製したが、但し工程3ではN’,N’−ジメチル−プロパン−1,2−ジアミンをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0167】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ベンズアミド(I−28)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順により調製したが、但し工程3では2−モルホリン−4−イル−エチルアミンをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0168】
N−(2−アミノ−エチル)−4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−ベンズアミド(I−29)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順により調製したが、但し工程3では(2−アミノ−エチル)−カルバミン酸、tert−ブチルエステルをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0169】
【化28】

【0170】
Boc−保護基を、TFA(1.5ml)をカルバマート42(0.27g、0.43mmol)及びDCM(5ml)の溶液に加えることにより除去し、0℃に冷却した。溶液を室温に温め、1時間撹拌した。揮発性物質を除去した。残留物をDCMに溶解し、有機物を飽和NHOHで洗浄した。沈殿物が形成し、それを濾過により回収して、I−29 0.086g(39%)を得た。
【0171】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピペラジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−30)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では2−ピペラジン−1−イル−エチルアミンをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0172】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピロリジン−3−イル−ベンズアミド(I−31)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では3−アミノ−ピロリジンをアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0173】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エチル]−ベンズアミド;塩酸塩(I−40)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では3,2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エチルアミン(CAS Reg. No 605659-03-8、Oakwood Products Inc, West Columbia S.C.)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0174】
N−{2−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エチル}−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド(I−41)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では2,2’−[(2−アミノエチル)イミノ]ビス−エタノール(C. A. Potter et al. WO00/38734、CAS Reg. No 3197-06-6)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0175】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ジメチルアミノ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド(I−42)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3ではN’,N’−ジメチル−プロパン−1,2−ジアミン(N. Vicker et al., J. Med. Chem. 2002 45:721、CAS Reg. No. 70831-55-9)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0176】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−ベンズアミド(I−43)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3ではC−(1−エチル−ピロリジン−2−イル)−メチルアミン(J. E. Biskop et al., J. Med. Chem. 1991 34(5):1612、CAS Reg No. 69500-64-7)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0177】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,1−ジメチル−2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−45)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では1,1−ジメチル−2−ピロリジン−1−イル−エチルアミン(S. Schutz et al. Arzneim. Forsch. 1971 21(6):739-763、CAS Reg. No. 34155-39-0)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0178】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−[2−((R)−2,5−ジメチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ベンズアミド(I−47)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では2−((2R,5R)−2,5−ジメチル−ピロリジン−1−イル)−エチルアミン(J. Bock et al. Arzneim. Forsch. 1971 21(12):2089-2100、CAS Reg. No. 33304-27-7)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0179】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−ベンズアミド(I−50)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3ではl−メチル−ピロリジン−3−イルアミン(M. Allegretti et al. J. Med Chem. 200248:4312-4331、CAS Reg. No. 13220-33-2)をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。
【0180】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,4−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−ベンズアミド(I−56)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では1,4−ジメチル−ピペリジン−4−イルアミン52をアミノエチルピロリジンの代わりに用いた。1,4−ジメチル−ピペリジン−4−イルアミンを、アミンをtert−ブトキシカルボニルアミノ置換基に変換し、ベンジル基の水素化分解、ホルムアルデヒド及びNaBH(OAc)と一緒のピペリジン窒素の還元的メチル化及びBoc保護基の除去により、1−ベンジル−4−メチル−ピペリジン−4−イルアミン(F. Himmelsbach et al. 米国特許第5,821,240号)から調製する。
【0181】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(4−メチル−ピペリジン−4−イル)−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸塩(I−48)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では1−ベンジル−4−メチル−ピペリジン−4−イルアミンをアミノエチルピロリジンの代わりに用い、ベンジル置換基を接触水素化分解により除去した。
【0182】
N−(2−アミノ−1,1−ジメチル−エチル)−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド;塩酸塩(I−49)を、実施例2の工程1〜3に記載した手順で調製したが、但し工程3では(2−アミノ−1,1−ジメチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(M. Pittelkow et al., Synthesis 2002 15:2195-2202)をアミノエチルピロリジンの代わりに用い、Boc保護基を上述のように除去する。
【0183】
実施例3
3−クロロ−4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ベンズアミド(I−21)
【0184】
【化29】

【0185】
工程1及び2をスキーム3で表す。
【0186】
工程1−100mlの丸底フラスコに、窒素流下、3,5−ジクロロベンゾニトリル(24a、7.0g、40.69mmol)及び無水DMF(75ml)を仕込んだ。溶液にナトリウムメトキシド(2.26g、44.76mmol)を加え、得られた溶液を更に室温で24時間撹拌した。反応が完了したときに、10%塩酸水溶液を反応容器に滴下した。粗混合物をEtOAcで抽出し、酸性水溶液、水、ブラインで順次洗浄した。EtOAc抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、溶媒を真空下で除去して粗固体を得て、それをヘキサン/アセトンから再結晶化して、24b 5.9g(86%)を得た。
【0187】
工程2−250mlのフラスコに、24b(7.0g、41.766mmol)及び2,4,6−コリジン(100ml)を仕込んだ。混合物を170℃に加熱し、LiI(16.76g、125.298mmol)を加え、反応混合物を4時間加熱した。24bが消費されたときに、反応物を室温に冷却し、10%HCl水溶液でクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。EtOAc抽出物を乾燥し(NaSO)し、濾過した。溶媒を真空下で除去して黄色の油状物を得て、それをEtOAc/ヘキサン(10:90)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、24c 6.0g(94%)を得た。
【0188】
工程3−250mlの丸底フラスコに、24c(6.0g、39.070mmol)及び無水THF(100ml)を仕込み、溶液を0℃に冷却した。冷却した溶液にナトリウムtert−ブトキシド(46.89g、4.51mmol)を加え、得られた溶液を1時間撹拌した。フェノールが完全に消費されるまで反応物を0℃に保持しながら、2,3,4−トリフルオロ−ニトロ−ベンゼン(15、6.92g,39.070mmol)を滴下した。混合物を10%HCl水溶液の添加によりクエンチし、得られた混合物を更に1時間撹拌した。混合物をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。EtOAcを乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒を真空下で除去して黄色の油状物を得て、それをヘキサン/EtOAc(92:8)で溶離するSiOカラムクロマトグラフィーにより精製して、29a 10g(82%)を得た。
【0189】
工程4−マロン酸tert−ブチルエチル(10.31g、54.80mmol)及び無水NMP(200ml)の溶液を0℃に冷却し、窒素雰囲気下で撹拌した。この溶液に鉱油中の40%NaH(1.84g、76.70mmol)を加えた。混合物を0℃で更に1時間攪拌してもよい。次にビス−アリールエーテル29a(15.00g、49.80mmol)を反応容器に加え、反応が完了するまで窒素下室温で撹拌した。混合物を10%HCl水溶液の添加により室温でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。EtOAcを乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒を真空下で除去してマロン酸ジエステル付加化合物を明黄色の油状物として得て、それを更に精製しないで用いた。
【0190】
ジエステル(24.0g、50.117mmol)を、ジクロロエタン(300ml)及びTFA(6.29g、55.13mmol)に溶解し、75℃に24時間加熱した。混合物を室温に冷却し、溶媒及び過剰のTFAを真空下で除去した。粗油状物をDCMに再溶解し、0℃に冷却し、NaHCO水溶液を加えた。混合物をDCMで抽出し、水及びブラインで洗浄した。DCMを乾燥し(NaSO)、濾過し、溶媒を真空下で除去して黄色の油状物を得た。粗油状物をヘキサン/EtOAc(90:10)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、29b 15.0g(80%)を得た。
【0191】
工程6−250mlの丸底フラスコに、29b(8.0、21.12mmol)及び無水EtOHを仕込んだ。反応容器に塩化アンモニウム(2.26g、42.244mmol)、水(30ml)及び鉄(1.17g、21.12mmol)を加えた。反応物を撹拌し、80℃に4時間加熱した。29bが消費されたときに、不均質な混合物をCELITE(登録商標)を通して濾過し、濾過ケーキをEtOAcで洗浄した。水性濾液をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒を真空下で除去して淡い油状物を得て、それをヘキサン/EtOAc(85:15)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、30a 6.0g(87%)を得た。
【0192】
工程7−100mlの丸底フラスコに、窒素の連続流下で無水MeCN(15ml)を仕込んだ。この混合物にCu(II)Cl(0.083g、0.624mmol)及び亜硝酸tert−ブチル(0.064g、0.624mmol)を加えた。混合物を70℃に30分間加熱した。この混合物に、30a(0.100g、0.624mmol)を一度に加え、撹拌を更に2時間続けた。出発物質が消費されるとすぐに、混合物を室温に冷却し、反応混合物を10%HCl水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、合わせた抽出物を水及びブラインで洗浄した。EtOAc抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒を真空下で除去して明褐色の油状物を得て、それをヘキサン/EtOAc(96:4)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、30b 0.080g(76%)を得た。
【0193】
工程8−乾燥した100mlの丸底フラスコを窒素でパージし、30b(2.0g;5.43mmol)を仕込み、THF(20ml)に溶解し、窒素流下で撹拌した。反応容器にLiOH(0.46g;10.86mmol)を、続いて脱イオン水5mlを加えた。反応物を窒素の連続流下で1時間撹拌した。均質な混合物を0℃で、10%HCl水溶液でクエンチした。反応混合物を更に15分間撹拌した。粗混合物をEtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒を真空下で除去し、粗酸31を更に精製しないで用いた。
【0194】
工程9〜11を、実施例1の工程3及び4のために記載されたように実施したが、但し工程4ではN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンを2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンの代わりに用いてI−21を得た。
【0195】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸(I−22)を、実施例3の工程1〜10に記載したように調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用した。
【0196】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−メチルアミノ−エチル)−ベンズアミド(I−23)を、実施例1の工程4の手順を用いてI−22から調製したが、但しアミノエチルピロリジンをN−メチル−エタン−1,2−ジアミンで置き換え、実施例2の工程1のアシル化手順を使用した。
【0197】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−ベンズアミド(I−2)を、実施例3に記載した手順により調製したが、但し工程9では4−アミノ−3−メチル−ベンズアミドを33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用した。4−アミノ−3−メチル−ベンズアミドを、触媒として10%Pd/Cを用いて3−メチル−4−ニトロ−ベンズアミドのエタノール性溶液の水素化により調製した。
【0198】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸(I−3)を、実施例3の工程1〜10に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用した。
【0199】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド(I−4)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用した。4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミドトリフルオロ−アセタート塩(I−5)を、TFA/HO/MeCNで溶離する逆相HPLCによるI−4の精製から得た。
【0200】
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−アセトアミドトリフルオロ−アセタート塩(I−6)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では1−メチル−ピペラジンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。トリフルオロ酢酸塩をI−5のために記載されたように調製した。
【0201】
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−フェニル]−アセトアミド(I−7)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では(R)−3−ヒドロキシ−ピロリジンを2−N’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0202】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド(I−8)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では2−アミノ−エタノールをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0203】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸を含む化合物(I−9)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では4−メチル−ピペラジン−1−イルアミンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。生成物をI−5のために記載されたようにトリフルオロアセタート塩に変換した。
【0204】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド(I−10)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では(R)−I−アミノ−プロパン−2−オールをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0205】
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[4−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−2−メチル−フェニル]−アセトアミド(I−11)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では4−ヒドロキシ−ピペリジンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0206】
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニル]−アセトアミド(I−12)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では4−モルホリンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0207】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピリジン−4−イルメチル−ベンズアミド;トリフルオロ−アセタート塩(I−13)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では4−アミノメチル−ピリジンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。生成物をI−5のために記載されたようにトリフルオロアセタート塩に変換した。
【0208】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド;トリフルオロ−アセタート塩(I−14)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。生成物をI−5のために記載されたようにトリフルオロアセタート塩に変換した。
【0209】
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルメチル−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸を含む化合物(I−15)を、実施例3の工程1〜11に記載した手順で調製したが、但し工程9では4−アミノ3−メチル−安息香酸,tert−ブチルエステル(39)を4−アミノ3−クロロ−安息香酸,tert−ブチルエステル33bの代わりに用い、実施例2の工程1のアシル化手順を使用し、工程11では3−アミノメチル−ピリジンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。生成物をI−5のために記載されたようにトリフルオロアセタート塩に変換した。
【0210】
実施例4
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド(I−18)
【0211】
【化30】

【0212】
工程1〜5をスキーム3で表す。
【0213】
工程1−20a、ナトリウムメトキシド(1当量)及びDMFの溶液を、N雰囲気下、室温で一晩撹拌した。揮発性溶媒を真空下で除去し、残留物をEtO及び水で分配した。有機相を5%NaOH、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して、20bを得た。
【0214】
工程2−−78℃に冷却し、Ar雰囲気下に保持した20b(60g、0.2256mol)及び無水EtO(1L)の溶液に、n−BuLi(100ml、0.2482mol、ヘキサン中2.5M)を30分間かけて滴下した。黄色の溶液を−78℃で20分間撹拌した。反応混合物に乾燥DMF(19ml、248.2mmol)を15分間かけて滴下し、反応物を−78℃で10分間撹拌した後で冷却浴を取り外し、反応物を30分間かけて−30℃に暖めた。反応容器を氷水浴中に置き、−10℃に温めた。混合物を氷冷却飽和NHCl水溶液(400ml)にゆっくりと加えた。有機層を分離し、水相を3回EtOで抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、蒸発して油状物を得て、それを放置して凝固させた。粗生成物をヘキサン/EtOAc勾配(3〜5%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、21を得た。
【0215】
工程3−21(10g、31.7mmol)、Pd[P(Ph)(O)(2.62g、2.26mmol)、Zn(CN)(2.24g、19.0mmol)及びDMF(100ml)の溶液を、N雰囲気下、80℃に5.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水及びDCMに分配した。DCM抽出物を水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)した。粗生成物をEtOAc/ヘキサンで溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、22aを得た。
【0216】
工程4−DAST(21.04ml、519mmol)を、NALGENE(登録商標)瓶に入れた窒素下でDCM(100ml)中の22a(15.1g、94mmol)の溶液に加えた。EtOH(0.013ml、0.23mmol)を加え、混合物を16時間撹拌した。次に反応混合物を飽和NaHCO水溶液にゆっくりと加えた。気泡発生が終わった後、DCM(50ml)を加え、層を分離した。有機層をブライン(30ml)で洗浄し、無水MgSOで乾燥した。溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルの2つのフラッシュクロマトグラフィー(0%〜10%EtOAc/ヘキサン類)により精製して、22bを白色の固体として得た。
【0217】
工程5−オーブンで乾燥させた500mlの3首フラスコをN流下で冷却し、22b(10.6g、57mmol)及びLiI(23.2g、3当量)を仕込んだ。NMP(160ml)をフラスコに加え、溶液を175℃に加熱し、反応容器をN(一つの首はN入口、他の首はバブラー)でフラッシュした。反応を5日間続け、冷却し、塩化アンモニウム溶液に注いだ。水性混合物を1:1EtOAc/ヘキサン類で抽出し、水で洗浄し、乾燥した(MgSO)。残留物をEtOAc/ヘキサン勾配(0%〜10%EtOAc)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、23 4.6g(47%)を得た。
【0218】
工程6−オーブンで乾燥させた丸底フラスコに、23(9.07g、54mmol)及び乾燥THF(90ml)を仕込んだ。溶液を窒素下で0℃に冷却し、tert−ブトキシドナトリウム(5.27g、55mmol)を数分間かけてゆっくりと加えた。清澄な黄色の溶液を0℃で10分間撹拌した。別のオーブンで乾燥させた丸底フラスコに、窒素下で18b(13.148g、54mmol)を仕込み、乾燥THF(90ml)を加えた。この溶液を、0℃に保持したナトリウムフェノラート溶液にシリンジを介して10分間かけてゆっくりと加えた。室温で一晩撹拌後、反応物を冷却飽和KHSO水溶液(100ml)にゆっくりと注ぎ、EtOAcで2回抽出した(2x200ml)。有機層を合わせ、ブライン(100ml)で洗浄した。溶液を乾燥し(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗生成物を熱EtO(100ml)に溶解することにより再結晶化し、ヘキサン(50ml)を加え、冷蔵室中に数時間保管した。沈殿物を濾過して褐色の固体13gを得た。濾液を濃縮し、EtOAc/ヘキサン類で溶離するSiOカラムクロマトグラフィーにより精製して、46a 10gを黄色の固体として得た。生成物を沈殿物と合わせ、混合物を上述されたように同じような条件下で再結晶化して、46a 20g(94%)を白色の固体として得た。
【0219】
工程7−ビス−アリールエーテル46a(16.36g、41.5mmol)、鉄(9.732g、174mmol)及びNHCl(9.322g、174mmol)を丸底フラスコ中で合わせ、EtOH(70ml)及び水(70ml)中に懸濁させた。懸濁液を2.5時間加熱還流し、室温に冷却し、CELITE(登録商標)を通して濾過した。CELITEケーキをEtOAcで繰り返し洗浄した。濾液を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質をEtOAc/ヘキサン類で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、46b 14.2g(93%)を白色の固体として得た。
【0220】
工程8−500mlの丸底フラスコにCu(II)Br(2.62g、11.7mmol)及びLiBr(3.052g、35.2mmol)を仕込んだ。混合物を乾燥アルゴンで20分間パージした。これにMeCN(150ml)を加え、固体微粒子が微細に懸濁するまで50℃で20分間撹拌した。懸濁液に亜硝酸tert−ブチルを加え、5分間撹拌を続け、その後46b(4.27g、11.72mmol)及びMeCN(40ml)の溶液を一度に加えた。得られた混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、5%HBr水溶液(10ml)でクエンチした。溶液をEtOAc(200ml)で希釈し、水(100ml)及びブライン(50ml)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。粗物質をEtOAc/ヘキサン類で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、46c 2.6g(52%)を白色の固体として得た。
【0221】
工程10を実施例1の工程8に記載したように実施したが、但し30bを46cに置き換えてカルボン酸47を得た。工程11〜13を実施例2の工程1〜3に記載したように実施したが、但し47bを34aの代わりに用い、N’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンを2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンの代わりに用いてI−18を得た。
【0222】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−33)を、実施例4に記載したように調製したが、但し33bを39の代わりに用い、工程11を実施例1の工程3の手順により実施し、2−ピロリジン−1−イル−エチルアミンをN’−N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミンの代わりに用いた。
【0223】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド(I−34)を、I−33のために記載されたように調製したが、但し39を33bの代わりに用いた。
【0224】
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド(I−35)を、I−18のために記載されたように調製したが、但し(R)−1−アミノ−プロパン−2−オールを39の代わりに用いた。
【0225】
実施例5
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−3−メチル−ベンズアミド(I−16)及び4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド(I−20)
【0226】
【化31】

【0227】
I−16を、実施例2の工程1に記載したように、C−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−メチルアミン(Aldrich catalog number 48,311-7)と47との縮合により調製した。アセトニドI−16(0.05g)を、2M HCl(0.8ml)及びジオキサン(0.8ml)の混合物中に懸濁させた。揮発性物質を除去し、白色の固体をDCM/MeOH勾配(5%〜10%MeOH)で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、I−20 0.027g(58%)を得た。
【0228】
実施例6
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(4−メタンスルホニルアミノ−カルボニル−2−メチル−フェニル)−アセトアミド(I−36)
【0229】
【化32】

【0230】
N−(4−アミノ−ベンゾイル)−メタンスルホンアミド−
1,1−カルボニルジイミダゾール(0.45g、1当量)を、DCM(5ml)中の48a(0.50g、2.8mmol)の溶液に0℃で加えた。2時間後、DBU(0.41ml、1当量)及びメタンスルホンアミド(0.26g、1当量)を加え、0℃で撹拌を続けた。溶液をDCM及びブラインで分配し、有機層を分離し、揮発性物質を蒸発させた。残留物をヘキサン及びEtOAc(1%HOAc含む)の混合物で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、48b 0.37g(52%)を得た。
【0231】
48b(0.17g)及びEtOH(7ml)の溶液に、10%Pd/C(17mg)を加え、得られた懸濁液をH(60psi)下で16時間攪拌した。溶液をCELITE(登録商標)を通して濾過し、揮発性物質を蒸発させて、49 0.12g(85%)を得た。
【0232】
工程1−34a(0.2g、0.52mmol)、塩化オキサリル(0.90ml、2当量)及びDCM(3ml)の溶液に、DMFを1滴加えた。溶液を3時間撹拌し、揮発性物質を蒸発させた。粗酸塩化物を乾燥アセトン(3ml)に溶解し、溶液をアセトン(3ml)中のNaHCO(3当量)及び49(0.12g、1当量)の懸濁液に加えた。溶液を16時間撹拌し、溶媒を除去し、残留物を逆相HPLCにより精製して、I−36を得た。
【0233】
実施例7
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−クロロ−4−(N’−メチル−グアニジノカルボニル)−フェニル]−アセトアミド(I−44)
【0234】
【化33】

【0235】
28b(0.15g、0.278mmol)、CDI(1.2当量、0.054g)及びDMF(2.5ml)の溶液を、N雰囲気下に保持した丸底フラスコ中で2時間攪拌した。ジ−イソ−プロピルアミン(2.5当量、0.12ml)及びメチル−グアニジンHCL(2.0当量、0.061g)の溶液を加え、得られた溶液を50℃で3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水に注ぎ、DCM(3x25ml)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空下で濃縮した。得られた固体を30%EtOAc/ヘキサン類と一緒に粉砕して、I−44 0.100g(60%)を得た。
【0236】
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−クロロ−4−グアニジノカルボニル−フェニル)−アセトアミド(I−37)を同様に調製したが、但しグアニジンHClをN−メチルグアニジンHClの代わりに用いた。トリフルオロ酢酸塩をI−38とTFAとの接触により調製した。
【0237】
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−クロロ−4−(N‘,N’−ジメチル−グアニジノカルボニル)−フェニル]−アセトアミド(I−46)を同様に調製したが、但しN,N−ジメチル−グアニジンHClをN−メチルグアニジンHClの代わりに用いた。
【0238】
実施例8
N−(1−アミノメチル−シクロプロピル)−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド;トリフルオロ酢酸塩(I−57)
【0239】
【化34】

【0240】
(1−アミノ−シクロプロピルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0241】
1−アミノ−シクロプロピルメタンアミン二塩酸塩(F. Brackmann et at, Eur. J. Org. Chem. 2005 3:600-609)、0.120g、0.75mmol)、DIPEA(0.27ml、1.58mmol)、炭酸フェニルtert−ブチル(0.27ml、1.5mmol)及びEtOH(4ml)の混合物を管内に密閉した。管を85℃に20時間温めた。反応混合物を真空下で濃縮し、残留物をDCMに溶解し、HOに注ぎ、10%HCl水溶液で酸性化し、水層をDCMで3回抽出した。水層をNaOH水溶液で塩基性化し、DCMで3回抽出した。合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、52b 0.055gを得た。
【0242】
52b(0.050g、0.22mmol)、28b(0.108g、0.2mmol)、EDCI(0.046g、0.24mmol)、HOBt((0.0324g、0.24mmol)及びNaHCO(0.067g)及びDMF(3ml)の溶液を、反応が完了するまで撹拌した。反応物を真空下で濃縮し、残留物をDCMに溶解し、HOに注いだ。水相をDCMで3回抽出し、合わせた抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発した。粗生成物をDCM/DCM:MeOH:NHOH(60/10/1;100〜70%DCM)の勾配で溶離するSiOクロマトグラフィーにより精製して、54a 0.100gを得た。
【0243】
前工程からの54b、ジオキサン(2ml)中の4N HCl及びジオキサン(8ml)の溶液を、室温で24時間撹拌し、次に真空下で濃縮した。粗生成物をHO/MeCN勾配(0.1%TFA水溶液を含む30〜90%MeCN)で溶離する逆相HPLCにより精製して、I−57 0.025gを得た。
【0244】
実施例9
ホモポリマーHIV逆転写酵素アッセイ:阻害剤のIC50決定
96ウェルのMillipore MultiScreen MADVNOB50プレート中で、総量50μL中の精製組換え酵素及びポリ(rA)/オリゴ(dT)16テンプレート−プライマーを用いて、HIV−1 RTアッセイを行った。アッセイ構成成分は、50mMのTris/HCl、50mMのNaCl、1 mMのEDTA、6mMのMgCl、5μMのdTTP、0.15μCiの[H]dTTP、2.5μg/mlのオリゴ(dT)16と共に予めアニールさせた5μg/mlのポリ(rA)及び、10%のDMSOの最終濃度における一定濃度範囲の阻害剤であった。4nMのHIV−I RTを添加することにより反応を開始し、37℃、30分間のインキュベート後に、50μlの氷冷した20%のTCAを添加して反応を停止し、4℃にて30分間沈殿させた。プレートを吸引して沈殿を回収し、3×200μlの10%TCA及び2×200μlの70%エタノールで順に洗浄した。最終的にプレートを乾燥させ、ウェルあたり25μlのシンチレーション液を添加後に、Packard TopCounter中で放射活性をカウントした。阻害剤濃度に対する%阻害をプロットすることにより、IC50’sを計算した。
【0245】
【表2】

【0246】
実施例10
ヘテロポリマーHIV逆転写酵素アッセイ:阻害剤のIC50決定
ビオチン化プライマーオリゴヌクレオチド及びトリチウム化したdNTP基質を用いて、RNA依存的なDNAポリメラーゼ活性を測定した。ストレプトアビジン被覆したScintillation Proximity Assay (SPA)ビーズ(Amersham)上に、ビオチン化プライマー分子を捕捉することにより、新たに合成されたDNAを定量した。ポリメラーゼアッセイ基質の配列は以下であった:18nt DNAプライマー、5’−ビオチン/GTC CCT GTT CGG GCG CCA−3’;47nt RNAテンプレート、5’−GGG UCU CUC UGG UUA GAC CAC UCU AGC AGU GGC GCC CGA ACA GGG AC−3’。ビオチン化DNAプライマーはIntegrated DNA Technologies Inc.より入手し、RNAテンプレートはDharmaconにより合成された。DNAポリメラーゼアッセイ(最終容量50μl)は、32nMのビオチン化DNAプライマー、64nMのRNA基質、dGTP、dCTP、dTTP(各々5μM)、103nMの[H]−dATP(比活性=29μCi/mmol)を、45mMのTris−HCl、pH8.0、45mMのNaCl、2.7mMのMg(CHCOO)、0.045%のTriton X−100 w/v、0.9mMのEDTA中に含んでいた。反応物には、IC50を決定するために、100%のDMSO中に連続的に希釈した5μlの化合物溶液を含ませ、DMSOの最終濃度は10%とした。30μlのHIV−RT酵素(最終濃度1〜3nM)を添加することにより、反応を開始した。少なくとも30分間のインキュベーションの間に直線的な生成物形成が与えられるように、タンパク質濃度を調整した。30℃にて30分間のインキュベーション後、50μlの200mMのEDTA(pH8.0)及び2mg/mlのSA−PVT SPAビーズ(Amersham、RPNQ0009、20mMのTris−HCl、pH8.0、100mMのEDTA及び1%のBSA中でもどしたもの)を添加することにより、反応を停止した。ビーズを一晩放置し、96ウェルトップカウンターNXT(Packard)中でSPAシグナルを測定した。GraphPad Prism 3.0(GraphPad Software, Inc.)を用いたシグモイド型回帰分析により、IC50値を得た。
【0247】
【表3】

【0248】
実施例11
薬学的組成物
いくつかの経路を介した投与のための、主題化合物の薬学的組成物を、本実施例中で記載の通りに調製した。
【0249】
経口投与のための組成物(A)
【表4】

【0250】
原料を合わせて、各々約100mgを含有するカプセルへと分配した;1カプセルは、ほぼ1日あたりの総投与量とした。
【0251】
経口投与のための組成物(B)
【表5】

【0252】
原料を合わせて、メタノール等の溶媒を用いて顆粒化した。製剤を次いで乾燥させ、適当な錠剤機を用いて錠剤(約20mgの活性化合物を含有する)を形成した。
【0253】
経口投与のための組成物(C)
【表6】

【0254】
原料を混合し、経口投与のための懸濁液を形成した。
【0255】
非経口製剤(D)
【表7】

【0256】
活性成分を注射用の水の一部に溶解した。十分量の塩化ナトリウムを次いで攪拌しながら添加して、等張溶液を調製した。注射用の残りの水を用いてこの溶液を調製し、0.2ミクロンの薄膜フィルターを通過させ、滅菌条件下でパッキングした。
【0257】
座剤製剤(E)
【表8】

【0258】
原料を一緒に融解してスチームバス上で混合し、総重量2.5gの型へと注ぎ込んだ。
【0259】
それらの具体的形態で又は開示された機能を実行するための手段に関して表現された、先の記載又は以下の特許請求の範囲で開示される特徴、または、開示された結果を得るための方法もしくはプロセスは、必要に応じて、別々に、又はそのような特徴と組み合わせて、多様な形態で本発明を実現するために用いられ得る。
【0260】
上述の発明を、明確化及び理解を目的として、説明し、例示する方法によって、いくらかの詳細を記述してきた。添付の特許請求の範囲内での変更及び改変が実践可能であることが、当業者には明らかであろう。従って、上述の記載は説明のためのものであって、限定的なものではないことが理解されるべきである。従って、本発明の範囲は、上述の記載を参照して決定されるものではなく、以下の添付の特許請求の範囲を参照し、その請求項が権利を与えられるものに対する包括的な均等物を伴って決定されるべきである。
【0261】
本出願書類中に引用された全ての特許、特許出願及び刊行物は、これによりその全文を参照により、あらゆる目的に関し、各特許、特許出願及び刊行物がそのように個々に示されているのと同様に、本明細書に組み入れるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】


(式中:
は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルコキシ、ニトロ又はアミノであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、ハロゲン、シアノ又はニトロからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、ここで、該ヘテロシクリルは基A1、A2、A3、A4又はA5:
【化2】


であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換される、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りはC1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【化3】

(式中、nは1〜4の整数であり、Xは上記定義の通りである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は、水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は、水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である)
で示される化合物;
及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
式I
【化4】


(式中:
は、ハロゲン、C1−6アルキル又はC3−7シクロアルキルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−8シクロアルキル、ハロゲン又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、ここで、該ヘテロシクリル基は、基A1、A2、A3、A4又はA5:
【化5】


であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換される、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りは、C1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【化6】


(式中、nは1〜4の整数であり、Xは上記定義の通りである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;又は、R又はRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である)
で示される請求項1記載の化合物;及び
薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
請求項2記載の化合物、
ここで、
は、ハロゲン又はC1−6アルキルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、C1−6ハロアルキル、ハロゲン又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基によって置換されているフェニルであり;
は、水素であり;
は、水素、C1−6アルキル又はハロゲンであり;
及びRは、水素、C1−6アルキル、SO1−6アルキル又はC1−3アシルであり;
Xは、OH、C1−6アルコキシ又はNRであり;
又はRの一方は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル又はC1−6ヒドロキシアルキルであり、R又はRの他方は、
(a)水素、
(b)C1−6アルキル、
(c)C1−6ヒドロキシアルキル、
(d)C1−6カルボキシアルキル、
(e)(アルキレン)NR
(f)SO−C1−6アルキル、及び
(g)ピリジニルメチル、
(h)ヘテロシクリルアルキル、該ヘテロシクリル基は、基A1、A2、A3、A4又はA5:
【化7】


であり、
該ヘテロシクリル基は、場合により、C1−3アルキル、ハロゲン、又はヒドロキシルからなる群より選択される1〜3個の基により置換される、
(i)C(=NR)NR、ここで、(i)R、R及びRは、独立して、水素もしくはC1−3アルキルであるか、又は、(ii)R及びR、又は、R及びRのいずれかは、一緒になって、C2−3アルキレンであり、R、R及びRの残りはC1−3アルキルの水素である、
(j)基B
【化8】


(式中、nは1〜4の整数であり、Xはヒドロキシル又はアミノである)、
(k)(CHSO(C1−3アルキル)、ここで、nは2〜5の整数である、
(l)NR
からなる群より選択され、
又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択される1〜3個の基により置換され;
又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり;又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、カルボン酸により置換される、ピロリジン又はピペリジン環を形成し;
又はRの一方は水素又はC1−6アルキルであり、R又はRの他方は水素及びC1−6アルキルからなる群より選択されるか、又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環を形成し、該ピロリジン、ピペリジン又はアゼピン環は、場合により、ヒドロキシ、アミノ、C1−3アルキルアミン又はC1−3ジアルキルアミン、カルボキシル、ハロゲン及びC1−3アルキルから独立して選択され1〜3個の基により置換され;又は、R及びRは、一緒になって、(CH(CHであり、ここで、m及びnは、両方とも、少なくとも1であり、m+nは3〜5であり、
は、O、S(O)又はNRであり;
pは、0〜2の整数であり;
rは、2〜6の整数である、
及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
請求項3記載の化合物、
ここで、
は、Br、Cl又はメチルであり;
は、水素又はフッ素であり;
は、CHF、Cl又はシアノからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素であり;
は、水素、メチル又はClであり;
Xは、OH、NH、−NH(CHN(CH、−NHCHCHCHN(CH、−NHC(CHCHNH、−NHCHC(CHNH、−NHCHCHN(CH、−NH(CHOH、−NHCHCHCHOH、−NHCCH(CHOH)、−NHCHCHOHCHOH、−NHCHCHN(CHCHOH)、−NHNHNH、−NHNHNHCH、−NHNHNH(CH、−NHSOCH、−NHCHCHSOCH
【化9】


である、
及び薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
化合物が
3−クロロ−4−{2−[3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−4−メチル−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(4−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−フェニル]−アセトアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[4−((R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−フェニル]−アセトアミド、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド、
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[4−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボニル)−2−メチル−フェニル]−アセトアミド、
2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−メチル−4−(モルホリン−4−カルボニル)−フェニル]−アセトアミド、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピリジン−4−イルメチル−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピリジン−3−イルメチル−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸との化合物、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−3−メチル−ベンズアミド、
3−クロロ−4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−安息香酸、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2,3−ジヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド、
3−クロロ−4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−安息香酸、
4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−メチルアミノ−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−[2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−[2−(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−エチル]−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−(2−ジメチルアミノ−1−メチル−エチル)−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−ベンズアミド、
N−(2−アミノ−エチル)−4−{2−[4−クロロ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピペラジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−ピロリジン−3−イル−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−メチル−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−シアノ−5−ジフルオロメチル−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−N−((R)−2−ヒドロキシ−プロピル)−3−メチル−ベンズアミド、
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(4−メタンスルホニルアミノカルボニル−2−メチル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−クロロ−4−グアニジノカルボニル−フェニル)−アセトアミド、
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−クロロ−4−グアニジノカルボニル−フェニル)−アセトアミド;トリフルオロ酢酸塩、
N−(2−アミノ−2−メチル−プロピル)−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エチル]−ベンズアミド;塩酸塩、
N−{2−[ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミノ]−エチル}−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ジメチルアミノ−1−メチル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−ベンズアミド、
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−クロロ−4−(N′−メチル−グアニジノカルボニル)−フェニル]−アセトアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,1−ジメチル−2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、
2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−クロロ−4−(N′,N′−ジメチル−グアニジノカルボニル)−フェニル]−アセトアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−[2−((R)−2,5−ジメチル−ピロリジン−1−イル)−エチル]−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(4−メチル−ピペリジン−4−イル)−ベンズアミド;トリフルオロ−酢酸塩、
N−(2−アミノ−1,1−ジメチル−エチル)−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド;塩酸塩、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1−ヒドロキシメチル−シクロプロピル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(3−メチル−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ6−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−メタンスルホニル−エチル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−((3S,4S)−4−ヒドロキシ−1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ6−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ6−チオフェン−3−イル)−ベンズアミド、
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(1,4−ジメチル−ピペリジン−4−イル)−ベンズアミド、
N−(1−アミノメチル−シクロプロピル)−4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−ベンズアミド;トリフルオロ酢酸塩、又は
4−{2−[4−ブロモ−3−(3−クロロ−5−シアノ−フェノキシ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−3−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−1−メチル−エチル)−ベンズアミド
である、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
医薬として使用するための、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
HIV感染の処置、HIV感染の予防、又はAIDSもしくはARCの処置のための医薬を製造するための、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項8】
少なくとも1種類の担体、賦形剤又は希釈剤と混合される、治療的に有効な量の、請求項1記載の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項9】
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)が介在する疾患の処置において、それを使用するための請求項8記載の薬学的組成物。
【請求項10】
上記記載の発明。

【公表番号】特表2009−512659(P2009−512659A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536013(P2008−536013)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067190
【国際公開番号】WO2007/045572
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】