説明

NFATシグナル阻害剤及び育毛剤、並びにNFATシグナル阻害及び育毛活性を有する新規化合物

【課題】NFATシグナル阻害活性及び/又は育毛活性を示す活性成分を同定する。
【解決手段】 アンソクコウノキ(Styrax benzoin)の抽出物に含まれ、NFATシグナル阻害活性及び/又は育毛活性を示す活性成分を同定した。活性成分は所定の構造を有する新規なネオリグナン誘導体であった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物又は植物抽出物に含まれる活性成分を有効成分とする、NFAT(nuclear factor of activated T cells)シグナル阻害剤及び育毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
Nuclear factor of activated T cells (以下、NFATと略称する)は、T細胞活性化に重要なInterleukin-2(IL-2)の転写を活性化する因子として発見され、免疫抑制剤であるサイクロスポリンA(以下、CsAと略称する)やタクロリムス(以下、FK506と略称する)の標的であるセリン/スレオニン脱リン酸化酵素カルシニューリンによりその転写活性調節が行われていることが報告されている(図4参照)。すなわちCsAやFK506はNFATシグナルを阻害することによりT細胞活性化を抑制する。CsAやFK506は移植免疫抑制剤としてのみならず、免疫系の関与することが知られている関節リウマチ、乾癬、アトピー性皮膚炎の治療薬としても認可されている。このようなNFATがNFAT結合配列(図4においては“NFAT site”)に結合することによって、当該NFAT結合配列より下流の遺伝子の転写が促進される系を『NFATシグナル』と称する。
【0003】
一方、NFATシグナルを阻害することによって育毛(発毛を含む)効果を期待できると報告されている(非特許文献1)。また、NFATシグナルを阻害するCsAの誘導体が育毛剤として使用可能であることも報告されている(特許文献1及び2)。
【0004】
また、NFATは、育毛作用や免疫系への作用に留まらず、心筋・骨格筋の分化調節による筋組織形成、脳における神経ネットワークの形成、骨芽細胞分化調節による骨代謝など、多くの臓器で発現し、重要な役割を果たす"多機能転写因子"として捉えられるようになってきた。
【0005】
NFATシグナルが生体において及ぼす役割としては上述したとおりであるが、NFATシグナルを阻害することで、免疫抑制作用(非特許文献2)、乾癬治療(非特許文献3)、アトピー性皮膚炎治療(非特許文献4)、(心)筋肥大抑制(非特許文献5)、抗リウマチ薬としての可能性(非特許文献6)及び破骨細胞分化抑制作用(非特許文献7)などが期待できると報告されている。また、前述のようにNFATは免疫性サイトカインIL-2を産生する経路を介していることから、NFATシグナル阻害剤は自己免疫疾患を含む免疫性サイトカインが関与していると考えられる疾患の治療または予防に有用である。かかる対象疾患としては、例えば各種のガン、各種白血病、各種肝炎、各種感染症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、消化性潰瘍、敗血症ショック、結核、不妊症、動脈硬化、ベーチェット病、喘息、腎炎、急性バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性膵炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性膵炎、末梢血管疾患、敗血症、間質性肝疾患、時局性回腸炎、多発性硬化症などが挙げられる。したがって、新規にNFATシグナル阻害剤が同定されれば、免疫抑制剤、乾癬治療剤、アトピー性皮膚炎治療剤、(心)筋肥大抑制剤、抗リウマチ薬、骨代謝疾患治療剤及び、上記に列記したような新規な医薬用途が期待される。また、新規にNFATシグナル阻害剤が同定されれば、育毛剤、発毛促進剤としての医薬部外品や化粧品用途が期待される。
【0006】
一方、アンソクコウノキの樹脂抽出物(アンソクコウと称する)は、香料として広く利用されている。また、アンソクコウは、薬品や化粧品の防腐剤として重要な役割をもつ(非特許文献8)ことが知られている。しかしながら、アンソクコウノキ又はその抽出物もしくはその含有成分について、NFATシグナルとの関連について示唆するものはない。なお、現在のところ、NFATシグナル阻害活性を有する化合物としては、種々の食用植物に含まれるアピゲニン(非特許文献9)及びロスマリン酸(非特許文献10)が知られており、またNFATシグナル亢進活性を有する化合物としてゲニステイン(非特許文献11)が知られている。
【0007】
【特許文献1】WO 01/035914(特表2003-514000号公報)
【特許文献2】WO 2004/041221(特表2006-508103号公報)
【非特許文献1】Gafter-Gvili A, Sredni B, Gal R, Gafter U, and Kalechman Y、"Cyclosporin A-induced hair growth in mice is associated with inhibition of calcineurin-dependent activation of NFAT in follicular keratinocytes" Am J Physiol Cell Physiol, 284: C1593-C603, 2003
【非特許文献2】Lee M and Park J、"Regulation of NFAT activation: a potential therapeutic target for immunosuppression" Mol Cells, 22: 1-7, 2006
【非特許文献3】Feldman S、"Advances in psoriasis treatment" Dermatol Online J, 6: 4, 2000
【非特許文献4】Hultsch T、"Immunomodulation and safety of topical calcineurin inhibitors for the treatment of atopic dermatitis" Dermatology, 211: 2, 2005
【非特許文献5】Molkentin JD, Lu JR, Antos CL, Markham B, Richardson J, Robbins J, Grant SR, and Olson EN、"A calcineurin-dependent transcriptional pathway for cardiac hypertrophy" Cell, 93: 215-228, 1998
【非特許文献6】Urushibara M, Takayanagi H, Koga T, Kim S, Isobe M, Morishita Y, Nakagawa T, Loeffler M, Kodama T, Kurosawa H, and Taniguchi T、" Antirheumatic drug, leflunomide, inhibits osteoclastgenesis by interfering with RANKL-stimulated induction of NFATc1" Arthritis and Rheumatism, 50: 794-804, 2004
【非特許文献7】Takayanagi H, Kim S, Koga T, Nishina H, Isshiki M, Yoshida H, Saiura A, Isobe M, Yokochi T, Inoue J, Wagner EF, Mak TW, Kodama T, and Taniguchi T、" Induction and activation of the transcription factor NFATc1 (NFAT2) integrate RANKL signaling in termial differentiation of osteoclasts" Developmental Cell, 3: 889-901, 2002
【非特許文献8】植物の世界 1995年6月18日発行 62巻 38-39 朝日新聞社
【非特許文献9】Jin Park et al., Immunology Letters, 103, 108-114, 2006
【非特許文献10】Mi-Ae Kang et al., Blood, 101, 3534-3542, 2003
【非特許文献11】Jin Park et al., Toxicology and Applied Pharmacology, 212, 188-199, 2006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、NFATシグナル阻害活性及び/又は育毛活性を示す活性成分を同定し、当該活性成分を有効成分とするNFATシグナル阻害剤及び育毛剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、アンソクコウノキの抽出物に含まれ、NFATシグナル阻害活性及び育毛活性に寄与する活性成分として新規化合物の同定に成功し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を包含する。
【0010】
すなわち、本発明において同定された、NFATシグナル阻害活性及び育毛活性を有する新規化合物は、次の一般式(I):
【化1】

(上記一般式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基であり、R7は、水素原子、メチル基又はエチル基である)で示されるネオリグナン誘導体である。
【0011】
特に、本発明に係る新規化合物、ネオリグナン誘導体としては次の構造式(II):
【化2】

で示される化合物であることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る新規化合物、ネオリグナン誘導体としては次の構造式(III):
【化3】

で示される化合物であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係るNFATシグナル阻害剤は、上述した新規化合物であるネオリグナン誘導体及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する。
【0014】
さらに、本発明に係る育毛剤は、上述した新規化合物であるネオリグナン誘導体及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、NFATシグナル阻害活性及び育毛活性を有する新規化合物を提供するとともに、討議新規化合物若しくはこの塩を含有し、優れたNFATシグナル阻害活性及び育毛活性を有するNFATシグナル阻害剤及び育毛剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るNFATシグナル阻害剤及び育毛剤は、アンソクコウノキ植物又は当該植物の抽出物に含まれ、NFATシグナル阻害活性及び/又は育毛活性を有する活性成分を有効成分としている。ここで、アンソクコウノキとは、学名をStyrax benzoinと称し、エゴノキ科に分類される植物である。
【0017】
ここで活性成分とは、次の一般式(I)で示されるネオリグナン誘導体若しくは薬理学的に許容されるその塩である。
【0018】
【化4】

【0019】
上記一般式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基であり、R7は、水素原子、メチル基又はエチル基である。
【0020】
すなわち、活性成分として使用できるネオリグナン誘導体は、上述のように規定したR1乃至R7の範囲で種々の化合物を含むことになる。特に、活性成分として使用できるネオリグナン誘導体としては、R1及びR2のいずれか一方がメトキシ基であり、他方がヒドロキシル基であることが好ましい。また、活性成分として使用できるネオリグナン誘導体としては、R3及びR4のいずれか一方がヒドロキシル基であり、他方がメトキシ基又は水素原子であることが好ましい。さらに、活性成分として使用できるネオリグナン誘導体としては、R5及びR6がともに水素原子であることが好ましい。さらにまた、R7はエチル基であることが好ましい。
【0021】
なかでも活性成分として使用できるネオリグナン誘導体としては、次の構造式(II):
【化5】

で示される化合物又は次の構造式(III):
【化6】

で示される化合物であることが好ましい。
【0022】
なお、上述したネオリグナン誘導体におけるNFATシグナル阻害活性及び/又は育毛活性は以下のように測定することができる。ここでNFATシグナル阻害とは、NFATに対して直接的又は間接的に作用してNFATによる転写促進活性を低減させることを意味する。NFATシグナル阻害作用を測定する方法としては、特に限定されないが、例えば公知のNFAT結合配列と当該NFAT結合配列の下流にレポーター遺伝子と有するプラスミドを導入した宿主を用いるレポーターアッセイを挙げることができる(図1参照)。なお、NFATの活性はカルシウムイオンに依存するため、レポーターアッセイはカルシウムイオンを宿主に流入させる条件下で行う。レポーター遺伝子としては、特に限定されず、従来、生化学実験の分野で使用されている如何なるレポーター遺伝子も使用することができる。例えばレポーター遺伝子としては、ルシフェラーゼ遺伝子、βグルクロニダーゼ遺伝子(GUS遺伝子)及びグリーンフルオレセントプロテイン遺伝子(GFP遺伝子)等を挙げることができる。
【0023】
NFAT結合配列とは、NFATが結合する配列からなるオリゴヌクレオチド、例えば、GGAGGAAAAACTGTTTCATACAGAAGGCGT(pNFAT-Luc、Stratagene)といった塩基配列を例示することができる。なお、上述したプラスミドにおいては、このようなNFAT結合配列を1セットとして複数セットを連結して導入してもよい。複数のNFAT結合配列を連結して使用することによって、NFATによる転写促進活性をより高感度に測定することができる。なお、NFATシグナル阻害活性は、上述したレポーターアッセイから算出したNFATシグナル阻害率として評価することができる。
【0024】
また、育毛活性は、毛伸長促進率を指標として評価することができる。ここで、毛伸長促進率とは、要するに、ネオリグナン誘導体を作用させないときの毛伸長率に対して、ネオリグナン誘導体を作用させたときの当該毛伸長率の促進率を意味している。育毛活性とは、毛包に作用し、毛の伸長の促進、太さの増大、毛周期の休止期から成長期への移行促進、成長期から退行期への移行阻害を行なうことにより毛の量を増加させることを意味する。従って、育毛には、発毛、養毛及び脱毛予防の概念が包含されるものとする。育毛作用を測定する方法としては、特に限定されないが、例えば単離毛包を器官培養し、培養期間中の毛の伸長量を測定する方法が挙げられる。
【0025】
一方、活性成分であるネオリグナン誘導体のうち、上述した構造式(II)及び構造式(III)で示される化合物については、例えば、アンソクコウノキ植物の植物抽出物から単離することができる。アンソクコウノキ植物の植物抽出物は、アンソクコウノキ植物の樹脂、全草、葉、茎、花、果実、種子、根茎又は根等から常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得られる。植物抽出物を得るために用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤又は非極性溶剤のいずれをも使用することができる。抽出溶剤としては、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び二酸化炭素等が挙げられる。あるいは、上記溶剤の2種以上を組み合わせた混合物を、抽出溶剤として用いることができる。
【0026】
特に、上述した構造式(II)及び構造式(III)で示される化合物については、50%エタノール-水を使用した植物抽出物から単離することができる。具体的には、アンソクコウノキの樹脂(アンソクコウ)を50%エタノール-水に浸漬することで植物抽出物を作製する。得られた植物抽出物をクロマトグラフィー液々分配等の分離技術に供し、当該抽出物から不活性な夾雑物を除去することで、上述した構造式(II)及び構造式(III)で示される化合物を単離することができる。
【0027】
また、活性成分であるネオリグナン誘導体は塩にすることにより水溶性を向上させ、生理学的有効性を増大させることができる。これらの塩としては、薬学的に許容される塩であればよい。このような塩形成用の塩基物質としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;水酸化アンモニウム等の無機塩基、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基が用いられるが、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。本発明においては、これらの塩を調製してから、その他の成分からなる組成物中に添加したものでもよいし、ネオリグナン誘導体等と塩形成成分とを別々に該組成物中に添加して、この中で塩を形成せしめたものでもよい。
【0028】
上述した活性成分は、NFATによる転写促進活性を低減させることから、細胞や組織におけるNFATシグナルを阻害することができる。具体的には、上述した活性成分を、対象とする細胞や組織に接触させることによって、当該細胞や組織におけるNFATシグナルを阻害することができる。これにより、当該細胞や組織においては、NFATシグナルによって生ずる種々の遺伝子発現を転写レベルで抑制することができる。
【0029】
本発明に係るNFATシグナル阻害剤は、NFATによる転写促進活性を低減させることから、育毛剤又は発毛促進剤として使用できる。また、NFATによる転写促進活性の亢進に起因する症状や疾患に対する治療剤、又は予防剤として使用することができる。NFATによる転写促進活性の亢進に起因する症状や疾患としては、免疫系疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、心筋を含む筋肥大症、リウマチ、骨代謝疾患、各種のガン、各種白血病、各種肝炎、各種感染症、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、多発性硬化症、インスリン依存性糖尿病、消化性潰瘍、敗血症ショック、結核、不妊症、動脈硬化、ベーチェット病、喘息、腎炎、急性バクテリア髄膜炎、急性心筋梗塞、急性膵炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、慢性膵炎、末梢血管疾患、敗血症、間質性肝疾患、時局性回腸炎、多発性硬化症等を挙げることができる。したがって、本発明に係るNFATシグナル阻害剤は、免疫抑制剤、乾癬治療剤、(心)筋肥大抑制剤、抗リウマチ薬及び骨代謝疾患治療剤等として使用することができる。
【0030】
本発明に係るNFATシグナル阻害剤を医薬用途として使用する場合、剤形として、特に限定されないが、例えば散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、軟膏剤等が挙げられる。本発明に係るNFATシグナル阻害剤を経口投与の医薬用組成物として使用する場合、上記NFATシグナル阻害剤の他、経口投与剤の形態に応じて一般に用いられる、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等を添加し、常法に従って製造することができる。経口投与用医薬組成物としては、免疫抑制剤、乾癬治療剤、(心)筋肥大抑制剤及び抗リウマチ薬等が挙げられる。本発明に係るNFATシグナル阻害剤を経皮投与の医薬用組成物として使用する場合、上記NFATシグナル阻害剤の他、経皮投与剤の形態に応じて一般に用いられる、植物油、動物油、合成油、脂肪酸、及び天然、合成のグリセライド等の油性基剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、増粘剤等を添加し、常法に従って製造することができる。経皮投与用医薬組成物としては、免疫抑制剤、乾癬治療剤、アトピー性皮膚炎治療剤、発毛促進剤等が挙げられる。
【0031】
また、本発明に係る育毛剤は、例えば皮膚用の医薬部外品として使用するものであり、使用形態に適した剤形として提供される。具体的に剤形としては、特に限定されるものではないが、例えば、軟膏、水剤、エキス剤、ローション剤、トニック剤、スプレー剤及び乳剤等が挙げられる。当該医薬部外品には、上述した活性成分の他に、助剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤及び界面活性剤等の薬学的に許容される担体を任意に組合せて配合することができる。また、育毛剤においては、上述した有効成分の他に、通常用いられる養毛薬効剤、例えば、毛包賦活剤、血行促進剤、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、抗脂漏剤、局所刺激剤、抗男性ホルモン剤、カリウムチャンネルオープナー、抗酸化剤等を必要に応じて適宜配合し、育毛効果の向上を図ることができる。毛包賦活剤としては、フラバノノール類、N -アセチル- L -メチオニン、パントテン酸及びその誘導体、アデノシン及びその誘導体、アスパラギン酸カリウム、ペンタデカン酸グリセリド、6 -ベンジルアミノプリン、モノニトログアヤコールナトリウム等が挙げられる。血行促進剤としては、二酸化炭素、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、センブリエキス、ニンジンエキス、塩化カルプロニウム、ビタミンE及びその誘導体等が挙げられる。抗菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、オクトピロックス、ジンクピリチオン、ヒノキチオール等が挙げられる。抗炎症剤としては、甘草エキス、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アズレン、グアイアズレン、オウゴンエキス、カミツレエキス、クマザサエキス、シラカバエキス、ゼニアオイエキス、桃葉エキス、セイヨウノコギリソウエキス等が挙げられる。保湿剤としては、オトギリソウエキス、オーツ麦エキス、グリセリン、チューベロースポリサッカライド、冬虫夏草エキス、延命草エキス、オオムギエキス、ブドウエキス、プロピレングリコール、桔梗エキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。抗脂漏剤としては、イオウ、レシチン、カシュウエキス、チオキソロン等が挙げられる局所刺激剤としては、カンファー、トウガラシチンキ等が挙げられる。抗男性ホルモン剤としては、サイプロテロンアセテート、1 1α -ハイドロキシプロゲステロン、フルタマイド、3 -デオキシアデノシン、酢酸クロルマジノン、エチニルエストラジオール、スピロノラクトン、エピテステロン、フィナステライド、アロエ、サンショウ、チョウジエキス、クアチャララーテエキス、オタネニンジン等が挙げられる。カリウムチャンネルオープナーとしては、ミノキシジル、クロマカリム、ジアゾキシド及びその誘導体、ピナシジル等が挙げられる。抗酸化剤としては、紅茶エキス、茶エキス、エイジツエキス、黄杞エキス、ビタミンC及びその誘導体、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
【0032】
一方、上述した活性成分は化粧料として使用することもできる。この場合には、剤形としては、特に限定されるものではないが、例えば、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、クリーム、ローション、ジェル、フォーム、エッセンス、ファンデーション、パック、スティック及びパウダー等が挙げられる。当該化粧料には、上述した活性成分の他に、化粧料成分として一般に使用されている油分、界面活性剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素類、香料及び各種皮膚栄養剤等を任意に組合せて配合することができる。具体的には、皮膚化粧料に配合される薬効成分、例えば微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、パーソールMCX、パーソール1789等の紫外線吸収剤、アスコルビン酸等のビタミン類、ヒアルロン酸ナトリウム、ワセリン、グリセリン、尿素等の保湿剤、ホルモン剤、及びコウジ酸、アルブチン、プラセンタエキス、ルシノール等の他の美白成分、ステロイド剤、アラキドン酸代謝物やヒスタミン等に代表される化学伝達物質産生・放出抑制剤(インドメタシン、イブプロフェン)、レセプター拮抗剤等の抗炎症剤、抗男性ホルモン剤、ビタミンA酸、ローヤルゼリーエキス、ローヤルゼリー酸等の皮脂分泌抑制剤、ニコチン酸トコフェロール、アルプロスタジル、塩酸イソクスプリン、塩酸トラゾリン等の抹消血管拡張剤及び末梢血管拡張作用のある炭酸ガス等、ミノキシジル、塩化カルプロニウム、トウガラシチンキ、ビタミンE誘導体、イチョウエキス、センブリエキス等の血行促進剤、ペンタデカン酸グリセリド、ニコチン酸アミド等の細胞賦活化剤、ヒノキチオール、L-メントール、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、セラミド及びセラミド類似化合物等を添加配合することができる。
【0033】
上述した活性成分を医薬、医薬部外品又は化粧料として使用する場合、配合量は、通常、医薬、医薬部外品又は化粧料の全組成の0.00001〜5重量%、特に0.0001〜0.1重量%とすることが好ましい。また、本発明に係るNFATシグナル阻害剤を医薬として用いる場合、上述した活性成分の投与量は、通常の成人で0.01mg〜1g/1日とすることが望ましい。
【0034】
また、上述した活性成分を化粧品、医薬又は医薬部外品として使用する場合、例えばチョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイドシリカナトリウムポリアクリレート等の粉体;例えば鉱油、植物油、シリコーン油等の油又は油状物質;例えばソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート、グリセロールモノオレエート、高分子シリコーン界面活性剤等の乳化剤;パラ−ヒドロキシベンゾエートエステル等の防腐剤;ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;グリセロール、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボキシレート、ジブチルフタレート、ゼラチン、ポリエチレングリコール等の湿潤剤;トリエタノールアミン又は水酸化ナトリウムのような塩基を伴う乳酸等の緩衝剤;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の界面活性剤;密ろう、オゾケライトワックス、パラフィンワックス等のワックス類;増粘剤;活性増強剤;着色料;香料等、を必要に応じ適宜組合せて用いることができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
〔実施例1〕アンソクコウノキからの活性成分類の単離
(1)図2に示す工程に従って、アンソクコウノキ(Styrax benzoin(エゴノキ科))の樹脂(アンソクコウ)から新規化合物「SB-4k1」及び「SB-2f」を単離した。
【0036】
(2)アンソクコウノキ(Styrax benzoin)の樹脂(生薬名、アンソクコウ;乾燥重量500g)を50%エタノール-水(5L)に30日間浸漬して抽出し、50%エタノール-水エキス(エキス固形分 243g)を得た。このエキスの濃縮乾固物1.98gをクロロホルム(10mL)に溶解し、クロロホルム可溶画分(1.90g)を得た。クロロホルム可溶画分(1.90g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(内径3.0×30.5cm)に付し、クロロホルム(以下、CHCl3)-メタノール(以下、MeOH)系で溶出し以下の画分(fr. 1〜8)を得た。
fr. 1: CHCl3 − MeOH (100 : 0) 溶出部, 35 mg
fr. 2: CHCl3 − MeOH (100 : 0) 溶出部, 264 mg
fr. 3: CHCl3 − MeOH (98 : 2) 溶出部, 85 mg
fr. 4: CHCl3 − MeOH (97 : 3) 溶出部, 716 mg
fr. 5: CHCl3 − MeOH (97 : 3) 溶出部, 243 mg
fr. 6: CHCl3 − MeOH (96 : 4) 溶出部, 144 mg
fr. 7: CHCl3 − MeOH (94 : 6) 溶出部, 161 mg
fr. 8: CHCl3 − MeOH (92 : 8) → CHCl3 − MeOH (0 : 100) 溶出部, 190 mg
【0037】
(3)上記(2)で得られたFr. 2(264mg)を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィ(内径26×300mm)に付し、ヘキサン-酢酸エチル(0 − 100%)系で溶出し、以下の画分(fr. 2a〜2j)を得た。画分2fの成分は、分析の結果、単一化合物(化合物 SB-2f)であることを確認した。
fr. 2a: 23.2 mg
fr. 2b: 32.0 mg
fr. 2c: 57.2 mg
fr. 2d: 11.9 mg
fr. 2e: 15.5 mg
fr. 2f: 7.9 mg
fr. 2g: 6.0 mg
fr. 2h: 25.7 mg
fr. 2i: 31.0 mg
fr. 2j: 24.8 mg
【0038】
(4)上記(2)で得られたFr. 4(716mg)を分取高速液体クロマトグラフィ(内径 10×250mm)に付し、0.1%ギ酸-アセトニトリル(50 − 100%)系で溶出し、以下の画分(fr. 4a〜4l)を得た。
fr. 4a: 74.4 mg
fr. 4b: 77.3 mg
fr. 4c: 83.1 mg
fr. 4d: 94.5 mg
fr. 4e: 17.2 mg
fr. 4f: 47.3 mg
fr. 4g: 125 mg
fr. 4h: 37.2 mg
fr. 4i: 109 mg
fr. 4j: 32.9 mg
fr. 4k: 20.0 mg
fr. 4l: 95.9 mg
【0039】
(5)Fr. 4k(20.0mg)をリサイクル分取高速液体クロマトグラフィ(内径 20×250mm)にて精製し、新規化合物(SB-4k1)を7.9 mg得た。
【0040】
〔実施例2〕SB-2f及びSB-4k1の同定
(1)実施例1で得られた新規化合物(SB-2f及びSB-4k1)について、1H NMR解析及び13C NMR解析を行った。1H NMR(500 MHz, CDCl3)及び13C NMR(125 MHz, CDCl3)解析の結果として得られたデータを表1に示す。
【0041】
【表1】

ESI − MS(SB-2f): 491.25 [Calcd for C29H32O7 (M-H)- 491.56]
ESI − MS(SB-4k1): 461.00 [Calcd for C28H30O6 (M-H)- 461.53]
【0042】
(2)表1に示した解析結果より、SB-2f及びSB-4k1の化合物は下記構造を有するネオリグナン誘導体であることが示された。
【0043】
【化7】

【0044】
ここで、新規化合物SB-2fは、R8がメトキシ基である。新規化合物SB-4k1はR8が水素原子である。これら化合物は過去に報告例がなく、新規化合物であった。
【0045】
〔実施例3〕NFATシグナル阻害効果
本例では、実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1についてのNFATシグナル阻害効果を検証した。
(1)評価システムのための材料及び方法
細胞培養
上記評価システムには、ヒト腎(HEK293)細胞をATCC(American Type Culture Collection)より購入し、使用した。HEK293細胞は、DMEM(High glucose、10% heat-inactivated FBS)中37℃、5% CO2条件下で培養した。
【0046】
プラスミド、トランスフェクション
上記評価システムには、NFAT結合配列の下流にホタルルシフェラーゼが導入されたプラスミドpNFAT-Luc(Stratagene)をHEK293細胞にトランスフェクションしたものを使用した。詳細には、NFAT転写活性の評価用に4連のNFAT結合配列の下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子が導入されたpNFAT-luc(STRATAGENE)をHEK293細胞にトランスフェクションした。また、トランスフェクション効率によるばらつきをなくすことを目的として、ホタルルシフェラーゼに由来するシグナルを補正するためにCMV promoterの下流にウミシイタケルシフェラーゼが導入されたpRL-CMV(Promega)を同時にトランスフェクションした。
トランスフェクションは、LipofectAMINE 2000 reagent(Invitrogen)を用いて使用説明書に従って行った。トランスフェクションの8時間後に培地を交換し、一晩インキュベートした。その後、実施例1で得られた成分A及びB並びに実施例3で調製した成分Aの脱アシル体を添加(終濃度:2又は20μM)し、その1時間後に1μM Ionomycinを添加した。8時間後、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。
【0047】
ルシフェラーゼレポーターアッセイ
ルシフェラーゼレポーターアッセイは、Dual-Glo Luciferase Assay System(Promega)を用い、使用説明書に従って行った。すなわち、培地を除去後、PBSにより2倍希釈したDual-Glo luciferase reagentを加え、攪拌した後、20分後にホタルルシフェラーゼ活性を測定した。その後、等量のDual-Glo Stop&Glo reagentを加え、攪拌した後にウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定した。ルシフェラーゼ活性測定はMiniLumat LB 9506(EG&G BERTHOLD)を用いて行い、ルシフェラーゼによる発光量を定量的に検出した。双方ともルシフェラーゼ活性の測定時間は2秒とした。
【0048】
NFATシグナル阻害率の算出
全てのNFAT転写活性(ホタルルシフェラーゼ活性)はトランスフェクション効率補正のために導入されたウミシイタケルシフェラーゼ活性にて除することで補正した。その後、NFATシグナル阻害率を以下の式にて算出した。
NFATシグナル阻害率(%)=100−(試験サンプル及びIonomycin添加群−無刺激群)/(Ionomycinのみ添加群−無刺激群)×100
上記計算により、Ionomycin刺激によるNFATシグナル活性化をテストサンプルが何%阻害したかについて算出することができる。
【0049】
結果
NFATシグナル阻害率を算出した結果を図3に示す。図3から判るように、実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1は、いずれもNFATシグナルを阻害した。すなわち、SB-2f及びSB-4k1は、NFATにより正に制御される転写を抑制することができる。したがって、SB-2f及びSB-4k1は、優れたNFATシグナル阻害剤であり、例えば免疫抑制剤、乾癬治療剤、アトピー性皮膚炎治療剤、育毛剤、発毛促進剤、(心)筋肥大抑制剤及び抗リウマチ薬等の候補物質として同定されたこととなる。
【0050】
〔実施例4〕育毛効果
本例では、対象物質の育毛効果を検証できるin vitroの実験系を用いて実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1の育毛効果を検証した。
ブタ毛包器官培養による毛伸長評価
食肉用豚種の臀部皮膚を適当な大きさに切り分け、余分な脂肪組織を除いた。豚皮は無菌下でヒビテン液(5%ヒビテン液(住友製薬)を水で5〜20倍に希釈)に5分〜10分浸することにより消毒を行った後にD-PBSで数回洗浄した。その後、実体顕微鏡下にて洗浄した豚皮から毛包を単離してWilliam's Medium E培地(Invitrogen)培地中に集めた。
【0051】
単離した毛包は、1ウェルあたり400μlのWilliam's Medium E培地(1% Penicillin-Streptomycin 溶液(Invitrogen)添加)が入った24ウェル培養プレートに1本ずつ入れた。毛包は37℃、5% CO2条件下にて8日間培養し、その間、1日または2日おきに培地の交換を行った。
【0052】
上記の培地に実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1を添加し、溶媒コントロールであるエタノール添加群とともに8日間培養した。培養を開始日(0日目)および8日目の実体顕微鏡画像をCCDカメラ(pixera model.No.PVC 100C)で撮影し、その画像から毛球部基底部から毛幹先端までの長さを測定した。その後、溶媒コントロール群の培養前後における毛伸長量を100%として実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1の毛伸長率を算出した。
【0053】
結果
毛伸長率を算出した結果を図4に示す。図4から判るように、実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1の添加群においては、溶媒コントロール群と比較してそれぞれ135.6%及び150.2%の毛伸長率が認められた。この結果から、実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1は育毛効果を有することが明らかとなった。すなわち、実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1は、育毛効果を示す活性成分であり、育毛剤として、或いは外用剤として使用できることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】NFATとNFAT結合部位との結合及びその下流の遺伝子転写促進を示す、NFATシグナルの概略構成図である。
【図2】アンソクコウノキからの活性成分類の単離する際の溶出画分を示す模式図である。
【図3】実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1についてNFATシグナル阻害率を算出した結果を示す特性図である。
【図4】実施例1で得られたSB-2f及びSB-4k1について毛伸長率を算出した結果を示す特性図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I):
【化1】

(上記一般式(I)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、各々同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基又はメトキシ基であり、R7は、水素原子、メチル基又はエチル基である)で示されるネオリグナン誘導体。
【請求項2】
次の構造式(II):
【化2】

で示される請求項1記載のネオリグナン誘導体。
【請求項3】
次の構造式(III):
【化3】

で示される請求項1記載のネオリグナン誘導体。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか一項記載のネオリグナン誘導体及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有することを特徴とするNFATシグナル阻害剤。
【請求項5】
請求項1乃至3いずれか一項記載のネオリグナン誘導体及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有することを特徴とする育毛剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−100534(P2010−100534A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271034(P2008−271034)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】