説明

PET組成物をリサイクルする方法及びその方法を実施する装置

【課題】洗浄後の後処理において、コスト高の処理ステップを行うことなく、高品質の破片を得ることができる方法および装置の提供。
【解決手段】粉砕されたPET瓶からPET破片をリサイクルする方法において、破片に対し洗浄処理が行われ、破片は少なくとも1つの洗浄機W内で少なくとも20分間、苛性ソーダを含む洗浄溶液にて70℃以上の高温度で処理されると同時に、機械的に且つ液圧的にも処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前特徴部分による方法、及び請求項13の前特徴部分による装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実際に稼動していることが既知であるPET洗浄及び処理施設において、PETの破片(寸法約5乃至10mmの粉砕したプラスチック片)は、遠心洗浄分離機又は段処理洗浄装置内で比較的少量の水を加えて、高速の回転速度及び大きい摩擦力の下で処理される。比較的短い処理時間にて使用される極めて大きいパワーのため、破片には、著しく機械的な損傷が加えられ、割れ且つ分離した破片と共に、小さい材料片が発生し、これらの材料片が処理過程の更なる段階にて問題となる可能性がある。これらの小さい材料片は、除去しなければならないが、このことはコストがかかり、また、収率を低下させることにもなる。その他の不利益な点は、破片の表面が不満足に洗浄される、すなわち浅い深さしか洗浄されず、接着剤を確実に除去できず、また、表面内に拡散した外部の物質を満足し得る程度に溶融させ又は溶融除去することができないことである。これらの物質は、多額の追加的なコストを必要とする別の方法にて処理過程の更なる段でない限り満足し得る程度に除去することができない。
【0003】
欧州特許第0 304 667A号から既知の過程において、多段式の破片の洗浄機内にてラベルの残留物と共に、塵等を破片から除去する前に、空気分別機内で微細な材料及び紙を粉砕材料から除去する。PET破片の塊を残りの破砕片から分離するため、洗浄容器及び懸濁容器内を通った後には、ハイドロサイクロン装置による更なる分離段階が行われる。依然として存在する比較的重い金属粒子は、更に処理され、次に、選択的に分別される。この過程は、工業的規模の場合、異常な程にコスト高であり、また、高度の分離状態となるが、最終的な破片の品質は改良の余地がある。
【0004】
特にPET材料を含むプラスチック屑をリサイクルするため米国特許第5 580 905A号から既知である過程において、何ら機械的な洗浄処理を行わずに、苛性ソーダ溶液を使用してスラリーを形成し、ポリエステル塩を得るためポリオールの蒸留温度まで低酸素含有率の環境にて加熱する。粉砕したプラスチック材料を再利用するためのドイツ国特許第195 45 357A号から既知である過程において、水洗浄及び沈澱物−浮上物の分離法又はハイドロサイクロン分離法が採用される。洗浄及び/又は分離の間、所定の密度を有する、炭化水素系の有機質の洗浄媒体、例えば、選択的にポリオール溶媒と共に、鉱物油組成物及び/又はその不溶解分が使用される。
【0005】
原理上、苛性ソーダを保持する洗浄溶液を使用して約20分間、PET瓶を高温度にて洗浄することができるが、この場合、PET瓶の敏感度(応力割れ及び収縮現象)は、洗浄溶液の濃度、処理温度、特に、処理時間の点にて制限された上限値を遵守しなければならないことを意味する。これらの制限の結果、新しい瓶を製造するためのPET破片のリサイクルにとって極めて低い純度となろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の背景となる目的は、その後のコスト高の処理ステップを行うことなく、高品質の破片を得ることができ、また、上記の破片から新しい瓶を製造するために使用することもできる、冒頭記載の過程、及びその過程を実施するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、請求項1の特徴を有する過程及び請求項13の特徴を有する装置によって実現される。
70℃以上の高温度にて苛性ソーダを含む洗浄溶液で少なくとも洗浄機内にて20分間以上かけて破片が処理され、従って、同時に機械的に且つ液圧的に処理され、現在市販されているラベル接着剤をも破片から除去することができ、このため、破片を直接的に処理するために、全部ではないにしてもその後の低レベルの処理を行えばよいことになる。破片の表面の品質は、特に優れている。破片の洗浄コストは、実際上、過程及び装置の双方の点にて比較的多額となるが、これは、破片の最終的な高品質及び表面の品質によって相殺される以上の額であり、コスト高の追加的な処理段階を省略することは、処理過程の最初の段階を特に重視することになるから、従来の処理過程に優る明確な利点をもたらすものである。
【0008】
この装置は、当初、破片に対して機械的、液圧的及び強力な熱処理を施し得るように極めて長い処理時間、高処理温度及び苛性ソーダを含む洗浄溶液を使用するために設計されたものである。
【0009】
80乃至90℃にて約30分間の処理時間を採用することにより、特に満足し得る結果が得られる。しかし特に、低圧力が採用されるならば、より高温度を使用することもできる。
【0010】
PET瓶の洗浄による過程の技術のパラメータ及び知識を利用するためには、PET瓶の洗浄のため採用される処理時間と比べて50%長くした処理時間が採用され、PET瓶の洗浄に可能な処理時間と比べて高処理温度が採用され、また、より高濃度の洗浄溶液も選択的に採用される。
【0011】
破片の表面は、機械的動揺によって、また、これと同時に、破片に対し液圧の高圧噴霧を作用させることにより極めて強力に洗浄される。
洗浄機内で、又は、過程中に洗浄機に接続される少なくとも後続の処理段階にてふるい分け及び/又はろ過が行なわれるならば好都合である。これにより、ラベル、繊維の一部及びフォイル片並びに塵の粒子を破片から分離し且つ洗浄液体から除去することができる。
【0012】
洗浄効果を強化するため少なくとも1つの添加剤を洗浄溶液中に添加することができる。
苛性ソーダを含む洗浄溶液にて浮上物/沈澱物の分離機内の破片を更に処理する結果、長い処理時間を使用することにより実現される破片の表面の品質は極めて良好であり、破片は相当な更なる処理を何ら必要としない。
【0013】
強力な洗浄機内でのその後の強力な洗浄の結果、苛性ソーダを含む洗浄溶液を使用する場合と同様に、粘性な光る汚れ及び被覆は確実に除去される。
十分に長い処理時間を達成し且つより強力な洗浄効果により処理能力を増すため、浮上物/沈澱物分離機内又は強力な洗浄機内の処理は、再循環又は部分的な再循環と共に行われるのが都合良い。
【0014】
強力な洗浄段階の後、苛性ソーダを含む洗浄溶液は、分離し且つ再循環させ、比較的少ない損失程度にて洗浄溶液を繰り返して再使用できるようにする。
この点に関して、洗浄溶液の濃度は、連続的に監視し、少なくとも苛性ソーダ溶液を計測添加することにより調節することが都合良い。
【0015】
高温度は、洗浄機を加熱することにより実現することが好都合である。
洗浄機は、ラベルの組成物、繊維、フォイル片及び塵の粒子を分離し且つ排出し得るようにふるいプレート及び自動的フィルタを含むことが都合良い。
【0016】
約80乃至90℃の範囲の処理温度を保つため、高処理能力の状態下又は洗浄機が少なくとも大きい容積であるときでも、ヒータ装置内に少なくとも1つの熱交換器及び/又は直接ヒータ装置を設けることが都合良く、この場合、電子−空圧制御装置を採用することにより温度を特に敏感な仕方にて調節し且つ維持することができる。
【0017】
高圧ポンプ及びノズル管を使用する結果、破片の表面の全体を高圧で洗浄することになる。ふるいプレート、フィルタ及びノズル管は洗浄機内の混合体が同様に均一に且つ強力に攪拌されるように複数の攪拌器段に対して固定状態に配置されることが都合良い。
【0018】
沈澱物/浮上物分離機を過程中の洗浄機に接続する結果、苛性ソーダを含む高温の洗浄溶液は分離機内でも使用される。
破片及び洗浄溶液の部分的な流れが例えば、ポンプにより運ばれて通る下流の強力な洗浄機において、粘性な光る汚れ及び被覆さえも確実に除去される、追加的な表面の洗浄効果が保証される。極めて大きい容積の容器を採用せずに、少なくとも部分的な再循環を実現し且つ高処理容量にて必須の保持時間を実現するため、強力な洗浄機と浮上物/沈澱物分離機との間に再循環部分を設けることができる。
【0019】
強力な洗浄機に続いて、苛性ソーダを含む洗浄溶液は分離機内で分離されて、その前の過程の段階に再循環される。この目的のため、洗浄機まで伸び且つ少なくとも1つの供給ポンプを備えることが都合良い供給支管を設けることができる。
【0020】
少なくとも1つの苛性ソーダの測定及び計測供給装置が供給支管に接続され又は幾つかの状況において当該管に接続されるが、その濃度を調節するか又は個々の調節を行い得るようにするため浮上物/沈澱物分離機に選択的に接続してもよい。
【0021】
苛性ソーダ及び/添加剤の供給中、特に洗浄機内にて処理温度に悪影響を与えないようにするため、計測供給装置内にプレヒータ装置を設ける必要がある。
洗浄溶液を分離した後、この洗浄溶液は、真水及び例えば、リン酸又はCOのような酸が供給される中和装置を通じて、相応する計測量にて流し、PET材料が中和されるようにすることが都合良い。洗浄目的のため、真水による水洗いを行うこともできる。
【0022】
浮上物/沈澱物分離機には、洗浄機内と相違する濃度に慎重に設定し、又は特に、損失を補償すべく真水が供給されることも都合良い。
含まれるであろう重い材料の少なくとも一部を分離し得るようにするため、洗浄機の上流に重い材料の分離機を配置する必要がある。
【0023】
この洗浄機は、20分以上、好ましくは、約30分の処理時間に対して取り込み及び処理能力を備える設計とすることが都合良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1Aは、PET破片を処理する装置のブロックフロー図である。
【図1B】図1Bは、1Aと組み合わせた装置のブロックフロー図である。
【図2】図1の装置の拡大部分の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
処理装置と組み合わせた本発明による過程について、図面を参照しつつ、以下に説明する。
ブラスチック飲料瓶の少なくともPET組成物を調整する処理過程を実施する、図1A及び図1Bに図示したリサイクル装置又は施設は、後続の過程のステップに関して以下に説明する多数のステーションを備えている。
【0026】
これらの複数の飲料瓶は、関係した金属分離機2によりコンベアベルト1を介して流れAとして搬送されて、カッターミルZ(ドライ又はウエットミル)に入り且つ潰され又は粉砕される。粒子の混合体は、搬送装置3(吸引及び搬送装置)を介して空気分別装置Bに送られ、この分別装置から、支管4及び補助装置5を介して、分別された破片、特に、ラベルの組成物、フォイルの組成物等(その約80%まで)及び塵、埃等のルーズな粒子のような軽い組成物は、PET組成物から分離される。空気分別装置Bから、PET組成物(破片)は、洗浄機Wと関係した重い材料のトラップCに供給される。この重い材料のトラップC内にて金属、ガラス、石等の材料片が分離される。破片は、重い材料のトラップC内で、苛性ソーダを含み且つ選択的に適当な添加剤を含む、供給支管21からの洗浄溶液と混合される。重い材料のトラップC内にて、洗浄溶液は、既に、例えば、80乃至90℃の高温度にある。その後、混合体は、20分以上、好ましくは、約30分間、洗浄機W内を流れる。洗浄機Wの下流には、浮上物/沈澱物分離機Tが設けられており、この分離機への供給量は、遮断要素を介して調節することができる。浮上物/沈澱物分離機T内にて、瓶キャップの組成物、ラベル、繊維、フォイルの組成物等のような浮上組成物は、支管8を介して箇所9に集められるPP及びPVC構成要素のようにPET破片から除去される。浮上物/沈澱物分離機から、PET破片は、洗浄溶液と共に、支管10を介して少なくとも1つの強力な洗浄機Dに供給され、この洗浄機からPET破片は、支管12を介して液体分離機Eに供給される。支管12と浮上物/沈澱物分離機Tの下方入口との間には、バイパス管11が設けられており、所望であるならば、浮上物/沈澱物分離機Tと強力な洗浄機Dとの間に再循環又は部分的な再循環を生じさせる。液体分離機Eにおいて、洗浄溶液は破片から分離され且つ供給支管21を介して洗浄機W又は重い材料のトラップCに再循環される。液体分離機Eから、PET破片は中和装置Gに供給される。
【0027】
苛性ソーダ測定及び計測供給装置Fは、洗浄機W及び浮上物/沈澱物分離機Tと関係している。この測定及び計測供給装置は、例えば、集め容器13内に、ヒータ装置15を有する苛性ソーダ容器14を備えることができ、この場合、集め容器13は、接続管19及び混合装置又はオーバフロー管20を介して供給支管21に接続される。装置Fは、複数の遮断要素により、及び選択的に、計測供給サブアセンブリ16内でフィルタ及び供給ポンプにより完成される。該サブアセンブリは、管17を介して浮上物/沈澱物分離機Tに直接接続される。真水供給管18と、遮断要素を有する支管22とは、供給支管21から浮上物/沈澱物分離機Tに達する(図2の説明は、洗浄機W及び浮上物/沈澱物分離装置の詳細な構造を更に記述する)。
【0028】
内部攪拌器と、攪拌器及び洗浄水オーバフロー管が装着された供給ホッパとを備える上行コンベアのような構造とされた中和装置G(図1B)は、真水供給管18に接続され、これと同時に、管23を介して測定及び計測供給ステーションHに接続され、このステーションにて、pHの測定を行い且つ中和酸(例えば、リン酸又はCO)の添加量を調節することができる。中和装置Gの後には機械式ドライヤJが設けられており、このドライヤの下流には、少なくとも1つの空気分別装置Kが設けられており、この分別装置から分別された破片は、補助的な装置5を介して分離される。金属片及びPETの小片は、支管24内の下流の金属分離機内で破片の流れから分離される。これに続いて、例えば、アフタードライヤM内にて間接的なガスバーナによりその後の無色のPET破片の熱乾燥が行われる前に、色付きのPET組成物及びPP組成物を分別し且つ排除するため複数の分別装置Lが設けられている。この後に、調節をしたPET破片は、一時的にサイロN内に貯えられるか又は充填ステーションOにて圧密化される。廃水がこの過程中に生じるならば、又は装置を停止させるため、この目的のため廃水管Yが設けられる。
【0029】
図2に図示するように、洗浄機Wは、容器25を備えており、この容器25内にて、例えば、水平の攪拌器軸を有し且つブレードが装着された、複数の攪拌器段26が互いに隔てた状態で受け入れられ且つ攪拌器モータ27によって駆動される。固定のノズル管28は、攪拌器段26の間に取り付けられ且つフィルタ30及びヒータ装置EPの熱交換器WTを介して高圧ポンプ29から洗浄溶液が供給される。ふるいプレート(図示せず)及び自動的なフィルタ装置(図示せず)を容器25内に設け、洗浄溶液が高圧ポンプ29に供給されるとき、洗浄溶液を浄化し得るようにする。熱交換器WTにより、洗浄機内にて所定の処理温度が設定され且つ維持され、この場合、温度範囲は、約80乃至90℃である。例えば、電子空気式温度制御装置を採用することにより、均一な処理温度が得られる。熱交換器WTではなくて、直接式ヒータ(図示せず)を容器25内に設けることができる。
【0030】
洗浄機W内にて、依然として存在する破片及びプラスチック片の全ては、攪拌器段26により、及びノズル管28からの高圧の噴霧によって機械的に且つ液圧的に強力に処理される。処理時間は約30分である。この手順の間、破片の表面の全体は強力に洗浄される。
【0031】
後続の浮上物/沈澱物分離機Tにおいて、浮上材料片は除去される。浮上物/沈澱物分離機Tは、その過程中、洗浄機Wに接続されるため、苛性ソーダを含む高温の洗浄溶液もまた、その内部で採用される。同様に約30分である、採用される長い処理時間にて、異常な程に優れた破片の表面の品質が実現され、このため後続の処理を極く僅かだけ延長すればよい。また、浮上物/沈澱物分離機内にて接着剤の強力な分離が行われ、水及び苛性ソーダ溶液の異なる比重によって洗浄溶液中の分離が容易となる。
【0032】
大きい容積の容器31を備える浮上物/沈澱物分離機Tは、コンベアベルト及び分離機ベルト32、33と、分離部分34と、傾斜したコンベアベルト35とを備えることができる。浮上物/沈澱物分離機T内の液位の液位制御装置36も設ける必要がある。分離部分38を備える上行曲折路の形状のコンベア部分を有する真立の柱状体に類似するハウジング37を備える構造とされた下流の強力な洗浄機Dにおいて、PET破片の追加的な表面の洗浄は、例えば、粘着性の光沢のある汚れ及び被覆を確実に除去することを保証する。少なくとも部分的な流れは、バイパス11を介して選択的に再循環され、例えば、分離機T及び強力な洗浄機Dを反復的に使用することを許容する。下流の液体分離機Eは、例えば、ふるいプレート39を保持することができ、このふるいプレート39は、PET破片が中和装置Gの入口まで進むのを許容するが、供給ポンプ40及び供給支管21によって重い材料のトラップC内に再循環された洗浄容液を分離する。
【0033】
中和装置Gの測定及び計測供給装置Hは、測定pH値に依存して、リン酸及び/又はCOを供給し得るように適当な測定装置、遮断要素及びフィルタ群41を備えている。PET破片は、酸又はCOの添加により中和装置G内で中和され、最終的に、複数の段にて真水で水洗いされて清浄となる。
【0034】
計測供給装置Fにおいて、洗浄溶液中の苛性ソーダの所定の濃度が設定される。洗浄機W内への直接的な計測供給も行い得るが、相応する添加量を浮上物/沈澱物分離機Tに添加することが都合良いと考えられる。
【0035】
表面内部に付勢された風味物質及び汚染物質の塊を除去するためのPET瓶の洗浄に、苛性ソーダを含む洗浄溶液を使用する、20分間の処理時間が必要であることが分かった。しかし、PET瓶の洗浄中、材料の応力割れ及び収縮を回避しなければならないため、処理時間及び処理温度には上限値がある。このことは、また、洗浄溶液の許容可能な濃度をも制限することになり、このため、PET瓶の洗浄中、現在、市販されているラベル接着剤は、PET材料から除去することができない。しかし、PET瓶の洗浄による基本的知識は、PET破片のリサイクルのため、本発明による方法にて使用されており、この場合、PET瓶の洗浄のため実現可能である純度と比べて、PET破片の所定の最終の品質に関して所定の工程パラメータは著しく増大する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PET破片を含む粒子の混合体を形成し得るように粉砕されたプラスチック飲料瓶から少なくともPET組成物をリサイクルする方法であって、少なくとも1つの洗浄機内で破片に対して洗浄処理が行われる方法において、
破片が機械的に処理され且つ同時に少なくとも70℃以上の高温度で及び20分以上、苛性ソーダを含む洗浄溶液中で液圧的に処理されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1による方法において、洗浄機内の処理時間が、約20乃至40分、好ましくは、約30分に設定され、処理温度が、約75乃至95℃、好ましくは、約80乃至90℃に設定されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1による方法において、苛性ソーダを含む一般的な洗浄容液にてPET瓶を洗浄するために、例えば、PET瓶の洗浄に一般に使用されるものと比較して著しく長くし、好ましくは、約50%長くした処理時間が使用され、処理温度及び洗浄溶液の濃度が、PET瓶の洗浄のために一般的に使用されるものと比べて増大することを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1による方法において、機械的な攪拌及び高圧の液圧噴霧が洗浄機内で行われることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1による方法において、ふるい及び/又はろ過が洗浄機内で又は洗浄機の後で行われることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項1による方法において、少なくとも1つの添加剤が洗浄溶液に添加されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1による方法において、洗浄機内で洗浄された破片が、その後に、少なくとも1つの浮上物−沈澱物分離機内で、苛性ソーダを含む洗浄溶液にて同様に処理されることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7による方法において、浮上物−沈澱物分離機の後で、破片が、苛性ソーダを含む洗浄溶液にて少なくとも1つの強力な洗浄機内で強力に洗浄されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項7及び8による方法において、処理すべき材料が、再循環し又は少なくとも部分的に再循環する状態にて浮上物−沈澱物分離機内で且つ後続の強力な洗浄機内で処理されることを特徴する、方法。
【請求項10】
請求項8による方法において、強力な洗浄段階の後、苛性ソーダを含む洗浄溶液が破片から分離され且つ再循環されることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1による方法において、苛性ソーダを含む洗浄溶液の濃度が連続的に監視され且つ継続供給した添加剤により調節されることを特徴する、方法。
【請求項12】
請求項1による方法において、洗浄機が加熱されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
粒子の混合体を形成し得るように粉砕された飲料瓶からのPET破片をリサイクルする装置であって、攪拌器及び少なくとも1つの浮上物−沈澱物分離機を備える少なくとも1つの洗浄機が粒子の混合体を処理するために提供される処理部分を備える装置において、苛性ソーダを含む洗浄溶液用の供給装置(図14乃至図19)及びヒータ装置(P)が洗浄機(W)と関係付けられ、機械的及び液圧的処理装置(26、28)がPET破片の処理のため洗浄機(W)内に提供されることを特徴とする、装置。
【請求項14】
請求項13による装置において、洗浄機(W)内に又は洗浄機に続く処理段内にふるいプレート(32、33、35)及び自動的フィルタ(30)が設けられることを特徴とする、装置。
【請求項15】
請求項13による装置において、ヒータ装置(P)が、少なくとも1つの熱交換器(WT)と、/又は好ましくは洗浄機(W)内で70乃至95℃、好ましくは、約80乃至90℃の範囲の処理温度を保つべく電子空圧制御装置を備える直接的ヒータとを備えることを特徴とする、装置。
【請求項16】
請求項13による装置において、少なくとも1つのポンプ(29)に、好ましくは、高圧ポンプに接続されたノズル管(28)が液圧装置の構成要素として提供されることを特徴とする、装置。
【請求項17】
請求項13及び14の少なくとも1つによる装置において、ふるいプレート、フィルタ及びノズル管が、複数の攪拌器段(26)に対して固定状態に配置されることを特徴とする、装置。
【請求項18】
請求項13による装置において、沈澱物−浮上物分離機(T)が、過程中に洗浄機(W)に接続され、苛性ソーダを含む高温の洗浄溶液にて作動させることができることを特徴とする、装置。
【請求項19】
請求項13による装置において、少なくとも1つの強力な洗浄機(D)が、沈澱物−浮上物分離機(T)の下流に配置されることを特徴とする、装置。
【請求項20】
請求項19による装置において、浮上物−沈澱物分離機内で保持回路を形成し、同時に、強力な洗浄機を形成するバイパス(11)が浮上物−沈澱物分離機(T)と強力な洗浄機(D)との間に設けられることを特徴とする、装置。
【請求項21】
請求項19による装置において、苛性ソーダを含む洗浄溶液の分離機(E)が、強力な洗浄機(D)の下流に配置されることを特徴する、装置。
【請求項22】
請求項13による装置において、苛性ソーダを含む洗浄溶液を洗浄機(W)に供給する供給装置内にて、供給ポンプ(40)を備えることが好ましい供給支管(21)が少なくとも分離機(E)から洗浄機(W)まで設けられることを特徴とする、装置。
【請求項23】
請求項13による装置において、供給装置が、少なくとも供給支管(21)に接続され且つ好ましくは浮上物−沈澱物分離機(T)にも接続された苛性ソーダの測定及び計測供給装置(F)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項24】
請求項23による装置において、苛性ソーダの測定及び計測供給装置(F)内にプレヒータ装置(15)が設けられることを特徴とする、装置。
【請求項25】
請求項21による装置において、真水に且つ酸又はCO計測供給ステーション(41、H)に接続された中和装置(G)が分離機(T)の下流に配置されることを特徴とする、装置。
【請求項26】
請求項13による装置において、浮上物−沈澱物分離機(T)が真水の供給源(18)に接続されることを特徴とする、装置。
【請求項27】
請求項13による装置において、重い材料の分離機(C)が洗浄機(W)の上流に配置されることを特徴とする、装置。
【請求項28】
請求項13による装置において、洗浄機(W)が、20分以上、好ましくは、約30分の処理時間に対する取り込み及び処理能力を備える設計とされることを特徴とする、装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−140653(P2011−140653A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−34480(P2011−34480)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【分割の表示】特願2001−561096(P2001−561096)の分割
【原出願日】平成13年1月18日(2001.1.18)
【出願人】(591034383)クロネス・アクチェンゲゼルシャフト (35)
【氏名又は名称原語表記】KRONES AG
【Fターム(参考)】