説明

S1P受容体アゴニストおよびJAK3キナーゼ阻害剤を含む、組合せ剤

本発明は、a)少なくとも1個のS1P受容体アゴニスト、およびb)少なくとも1個のJAK3キナーゼ阻害剤を含む組合せ剤、およびこのような組合せ剤を使用した自己免疫疾患または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶の処置または予防法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1個のスフィンゴシン−1−ホスフェート(S1P)受容体アゴニストおよび少なくとも1個のJAK3キナーゼ阻害剤を含む医薬組合せ剤、ならびに例えば自己免疫疾患における、例えばI型糖尿病およびその合併症の予防または処置における、または移植における、このような組合せ剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
臓器移植および自己免疫疾患患者のための多くの処置選択肢にもかかわらず、有効で安全な免疫抑制剤の必要性および組合せ治療におけるそれらの優先的使用の必要性はまだ存在する。
【発明の開示】
【0003】
本発明により、例えば下記に定義の通りの、少なくとも1個のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターおよびJanusキナーゼ3(JAK3)キナーゼ阻害剤を含む組合せ剤が、自己免疫疾患、例えばI型糖尿病およびその合併症、または移植片拒絶に対して優れた効果を有することが判明した。
【0004】
S1P受容体アゴニストまたはモジュレーターは、1個以上のスフィンゴシン−1ホスフェート受容体、例えばS1P1からS1P8に対してアゴニストとして優れた化合物である。S1P受容体に結合するアゴニストは、例えば細胞内ヘテロ三量体G−タンパク質のGα−GTPおよびGβγ−GTPへの解離、および/またはアゴニストが占拠した受容体の増大したリン酸化および下流シグナル伝達経路/キナーゼの活性化をもたらし得る。
【0005】
S1P受容体アゴニストまたはモジュレーターの、個々のヒトS1P受容体への結合親和性は、下記アッセイにおいて決定できる:
化合物のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーター活性を、ヒトS1P受容体S1P、S1P、S1P、S1PおよびS1Pに対して試験する。機能的受容体活性化を、適当なヒトS1P受容体を安定して発現するトランスフェクトしたCHOまたはRH7777細胞から調製した膜タンパク質への、化合物誘発GTP[γ−35S]結合を定量することにより評価する。使用するアッセイ技術はSPA(シンチレーション近接ベースのアッセイ)である。簡単に言うと、DMSOに溶解した化合物を連続的に希釈し、SPA−ビーズ(Amersham-Pharmacia)固定化S1P受容体発現膜タンパク質(10−20μg/ウェル)に、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM MgCl、10μM GDP、0.1%無脂肪BSAおよび0.2nM GTP[γ−35S](1200Ci/mmol)存在下添加する。96ウェルマイクロタイタープレート中、RTで120分のインキュベーション後、非結合GTP[γ−35S]を遠心分離段階により分ける。膜結合GTP[γ−35S]が誘発したSPAビーズの発光を、TOPcountプレートリーダー(Packard)で定量する。EC50を、標準的曲線適合ソフトウェアを使用して計算する。このアッセイにおいて、S1P受容体アゴニストは、好ましくは<50nMのS1P受容体に対する結合親和性を有する。
【0006】
好ましいS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターは、例えばS1P結合特性に加えて、加速的なリンパ球ホーミング特性を有する化合物、例えば全身的な免疫抑制を誘発することなく、循環から二次的リンパ組織へのリンパ球の、好ましくは可逆性の再分配によりもたらされるリンパ球減少症を誘発する化合物である。未処理細胞は隔絶されている(sequestered);血液からのCD4およびCD8 T細胞およびB細胞はリンパ節(LN)およびパイエル板(PP)への遊走を刺激する。
【0007】
リンパ球ホーミング特性は、下記血液リンパ球涸渇アッセイにより測定できる:
S1P受容体アゴニストまたはモジュレーターまたは媒体を胃管栄養法によりラットに経口投与する。血液学的モニタリングのための尾血液を、個々の値のベースラインを得るために−1日目に、および投与2、6、24、48および72時間後に得る。このアッセイにおいて、S1P受容体アゴニストまたはモジュレーターは末梢血リンパ球を、例えば<20mg/kg投与したとき、例えば50%まで涸渇させる。
【0008】
適当なS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターの例は、例えば下記である:
− EP627406A1に記載の化合物、例えば式I
【化1】

〔式中、
は直線状または分枝状(C12−22)鎖であり、
− これは鎖中に、二重結合、三重結合、O、S、NR(ここで、RはH、C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、アシルまたは(C1−4アルコキシ)カルボニル、およびカルボニルから選択される結合またはヘテロ原子を有してよく、および/または
− これは置換基としてC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有してよいか;または

− フェニルアルキル(ここで、アルキルは直線状または分枝状(C6−20)炭素鎖である);または
− フェニルアルキル(ここで、アルキルは直線状または分枝状(C1−30)炭素鎖であり、該フェニルアルキルは
− 所望によりハロゲンで置換されていてよい直線状または分枝状(C6−20)炭素鎖、
− 所望によりハロゲンで置換されていてよい直線状または分枝状(C6−20)アルコキシ鎖、
− 直線状または分枝状(C6−20)アルケニルオキシ、
− フェニル−C1−14アルコキシ、ハロフェニル−C1−4アルコキシ、フェニル−C1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシ−C1−4アルコキシまたはフェノキシ−C1−4アルキル、
− C6−20アルキルで置換されているシクロアルキルアルキル、
− C6−20アルキルで置換されているヘテロアリールアルキル、
− ヘテロ環式C6−20アルキルまたは
− C2−20アルキルで置換されているヘテロ環式アルキル
で置換されており、そして、ここで
該アルキル部分は
− 炭素鎖中に、二重結合、三重結合、O、S、スルフィニル、スルホニル、またはNR(ここで、Rは上記で定義の通り)から選択される結合またはヘテロ原子を有してよく、そして
− 置換基としてC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有してよく、そして
、R、RおよびRの各々は、独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0009】
− EP1002792A1に記載の化合物、例えば式II
【化2】

〔式中、
mは1から9であり、R'、R'、R'およびR'の各々は、独立してH、C1−6アルキルまたはアシルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0010】
− EP0778263A1に記載の化合物、例えば式III
【化3】

〔式中、
WはH;C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニル;非置換またはOH置換されたフェニル;R”O(CH);またはハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニルおよびOHで置換されたフェニルから成る群から選択される1個から3個の置換基で置換されたC1−6アルキルであり;
XはH、またはp個の炭素原子数を有する非置換もしくは置換直鎖アルキル、または(p−1)個の炭素原子数を有する非置換もしくは例えばC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、オキソ、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、非置換フェニルならびに、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルおよびハロゲンから成る群から選択される1個から3個の置換基で置換されたフェニルから成る群から選択された1個から3個の置換基で置換された置換直鎖アルコキシであり;YはH、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンであり、Zは単結合またはq個の炭素原子数を有する直鎖アルキレンであり、
pおよびqの各々は、独立して1から20の整数である。ただし6p+q23であり、m'は1、2または3であり、nは2または3であり、
R”、R”、R”およびR”の各々は、独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、
【0011】
− WO02/18395に記載の化合物、例えば式IVaまたはIVb
【化4】

〔式中、
はO、S、NR1s、または基−(CH)na−であり、この基は非置換であるかまたは1個から4個のハロゲンで置換されており;nは1または2であり、R1sはHまたは(C1−4)アルキルであり、このアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;R1aはH、OH、(C1−4)アルキルまたはO(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは非置換であるかまたは1個から3個のハロゲンで置換されており;R1bはH、OHまたは(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;各R2aは独立してHまたは(C1−4)アルキルから選択され、このアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;R3aはH、OH、ハロゲンまたはO(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;そしてR3bはH、OH、ハロゲン、(C1−4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかまたはヒドロキシもしくはO(C1−4)アルキルで置換されており、ここでアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;Yは−CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(=NOH)−、OまたはSであり、そしてR4aは(C4−14)アルキルまたは(C4−14)アルケニルである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0012】
− WO02/076995に記載の化合物、例えば式V
【化5】

〔式中、
mcは1、2または3であり;
はOまたは直接結合であり;
1cはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、C3−10シクロアルキル、フェニルまたはヒドロキシ−フェニレンで置換されていてよいC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHで置換されていてよいフェニルであり;
2c
【化6】

(式中、R5cはHまたは所望により1個、2個もしくは3個のハロゲン原子で置換されていてよいC1−4アルキルであり、そしてR6cはHまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルである)
であり;
3cおよびRcの各々は、独立してH、所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキル、またはアシルであり、そして
は、所望により鎖中に酸素原子を有してよく、そして所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されていてよいC13−20アルキルであるか;または式(a)
【化7】

(式中、R7cはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そしてR6cは置換C1−20アルカノイル、フェニルC1−14アルキル(ここで、該C1−14アルキルは所望によりハロゲンまたはOHで置換されていてよい)、シクロアルキルC1−14アルコキシまたはフェニルC1−14アルコキシ(ここで、該シクロアルキルまたはフェニル環は所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシで置換されていてよい)、フェニルC1−14アルコキシC1−14アルキル、フェノキシC1−14アルコキシまたはフェノキシC1−14アルキルである)
の残基であり、
はまた、R1cがC1−4アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであるとき、R8cがC1−14アルコキシである式(a)であってよい。〕
の化合物、または
【0013】
式VI
【化8】

〔式中、
は2、3または4であり、
1xはH;所望によりOH、アシル、ハロゲン、シクロアルキル、フェニルまたはヒドロキシ−フェニレンで置換されていてよいC1−6アルキル;C2−6アルケニル;C2−6アルキニル;または所望によりOHで置換されていてよいフェニルであり;
2xはH、C1−4アルキルまたはアシルであり、
3xおよびR4xの各々は、独立してH、所望によりハロゲンまたはアシルで置換されていてよいでありC1−4アルキルであり、
5xはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシであり、そして
6xはシクロアルキルで置換されているC1−20アルカノイル;シクロアルキルC1−14アルコキシ(ここで、該シクロアルキル環は所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシで置換されていてよい);フェニルC1−14アルコキシ(ここで、該フェニル環は所望によりハロゲン、C1−4アルキルおよび/またはC1−4アルコキシで置換されていてよい)であり、
1xがOHで置換されたC2−4アルキルであるとき、R6xはまたC4−14アルコキシであってよく、またはR1xがC1−4アルキルであるとき、R6xはペンチルオキシまたはヘキシルオキシであってよい。
ただし、R5xがHであるかまたはR1xがメチルであるとき、R6xはフェニル−ブチレンオキシ以外である。〕
の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは水和物;
【0014】
− WO02/06268A1に記載の化合物、例えば式VII
【化9】

〔式中、
1dおよびR2dの各々は、独立してHまたはアミノ−保護基であり;
3dは水素、ヒドロキシ−保護基または式
【化10】

の残基であり;
4dはC1−4アルキルであり;
は1から6の整数であり;
はエチレン、ビニレン、エチニレン、式−D−CH−(ここで、Dはカルボニル、−CH(OH)−、O、SまたはNである)を有する基、アリールまたは下記に定義のグループaから成る群から選択される3個までの置換基で置換されているアリールであり;
は単結合、C1−10アルキレン、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているC1−10アルキレン、炭素鎖の中間もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレン、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されている炭素鎖の中間もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレンであり;
5dは水素、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロ環式基、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているC3−6シクロアルキル、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているアリール、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているヘテロ環式基であり;
6dおよびR7dの各々は、独立してHまたはグループaから選択される置換基であり;
8dおよびR9dの各々は、独立してHまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルであり;
<グループa>はハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級脂肪族アシル、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ、ジ−C1−4アルキルアミノ、アシルアミノ、シアノまたはニトロであり;そして
<グループb>はC3−6シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であり、各々所望によりグループaから選択される3個までの置換基で置換されていてよい;
ただしR5dが水素であるとき、Yは単結合または直鎖状C1−10アルキレンのいずれかである。〕
の化合物、またはその薬理学的に許容される塩、エステルもしくは水和物;
【0015】
− 特開2002−316985に記載の化合物、例えば式VIII
【化11】

〔式中、
1e、R2e、R3e、R4e、R5e、R6e、R7e、n、XおよびYは特開2002−316985に記載の通り。〕
の化合物;またはその薬理学的に許容される塩、エステルもしくは水和物;
【0016】
− WO03/29184およびWO03/29205に記載の化合物、例えば式IX
【化12】

〔式中、
はO、S、SOまたはSOであり、
1fはハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CHOH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロまたはシアノであるか、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルまたはフェニル−C1−4アルコキシ(これらの各フェニル基は所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシで置換されていてよい)であり;
2fはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
3fはH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシまたはC1−4アルコキシメチルであり;
4fおよびR5fの各々は独立してHまたは式
【化13】

(式中、R8fおよびR9fの各々は、独立してHまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルである)
の残基であり;
は1から4の整数である。〕
の化合物;
例えば2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオールまたは2−アミノ−2−[4−(ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオール、またはその薬理学的塩もしくは水和物;
【0017】
− WO03/062252A1に記載の化合物、例えば式X
【化14】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;mおよびnは独立して0または1であり;AはCOOH、PO、POH、SOH、PO(C1−3アルキル)OHおよび1H−テトラゾール−5−イルから選択され;R1gおよびR2gの各々は独立してH、ハロゲン、OH、COONまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルであり;R3gはHまたは所望によりハロゲンもしくはOHで置換されていてよいC1−4アルキルであり;各R4gは、独立してハロゲン、または所望によりハロゲン置換されていてよいC1−4アルキルまたはC1−3アルコキシであり;そしてRおよびMは、WO03/062252A1において各々BおよびCに関して示される意味の一つを有する。〕
の化合物;
【0018】
− WO03/062248A2に記載の化合物、例えば式XI
【化15】

〔式中、
Arはフェニルまたはナフチルであり;nは2、3または4であり;AはCOOH、1H−テトラゾール−5−イル、PO、PO、−SOHまたはPO(R5h)OH(ここで、R5hはC1−4アルキル、ヒドロキシC1−4アルキル、フェニル、−CO−C1−3アルコキシおよび−CH(OH)−フェニルから選択され、ここで、該フェニルまたはフェニル部分は、所望により置換されていてよい)であり;R1hおよびR2hは、各々独立してH、ハロゲン、OH、COOH、または所望によりハロゲノ置換されていてよいC1−6アルキルまたはフェニルであり;R3hはHまたは所望によりハロゲンおよび/もしくはOHで置換されていてよいC1−4アルキルであり;各R4hは、独立してハロゲノ、OH、COOH、C1−4アルキル、S(O)0、1または21−3アルキル、C1−3アルコキシ、C3−6シクロアルコキシ、アリールまたはアラルコキシであり、ここで、該アルキル部分は、所望により1−3個のハロゲンで置換されていてよく;そしてRおよびMは、WO03/062248A2において各々BおよびCに関して示される意味の一つを有する。〕
の化合物。
【0019】
本発明の態様によって、本発明の組合せ剤で使用するためのS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターは、選択的S1P1受容体、例えば、35S−GTPγS結合アッセイにおいて評価したS1P1受容体に対するEC50とS1P3受容体に対するEC50の比で測定して、S1P1受容体にS1P3受容体より少なくとも20倍、例えば100倍、500倍、1000倍または2000倍選択性を有する化合物であってよく、該化合物は、S1P1受容体への結合について35S−GTPγS結合アッセイにより評価して100nMまたはそれ未満のEC50を有する。代表的S1P1受容体アゴニストまたはモジュレーターは、例えばその内容を引用により本明細書に包含するWO03/061567に列記の化合物、例えば、式
【化16】

の化合物である。
【0020】
式IからXIIIの化合物が、1箇所以上の不斉中心を分子内に有するとき、本発明は、種々の光学異性体ならびにラセミ体、ジアステレオ異性体およびそれらの混合物を包含すると理解されるべきである。式IIIまたはIVbの化合物は、炭素原子がアミノ基を担持するとき不斉であり、好ましくはこの炭素原子でR−立体配置を有する。
【0021】
式IからXIIIの化合物は、遊離または塩形で存在できる。式IからXIIIの化合物の薬学的に許容される塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩および硫酸塩のような無機酸との塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、メタンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩のような有機酸との塩、または、適当であれば、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアルミニウムのような金属との塩、トリエチルアミンのようなアミンとの塩、およびリシンのような二塩基性アミノ酸との塩を含む。本発明の組合せ剤の化合物および塩は、水和物および溶媒和物形を含む。
【0022】
上記のアシルは、残基R−CO−(ここで、RはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニルまたはフェニル−C1−4アルキルである)であり得る。特記されない限り、アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルキニルは直鎖または分枝鎖であり得る。
アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。
【0023】
式Iの化合物において、Rとしての炭素鎖が置換されているとき、それは好ましくはハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されている。炭素鎖が所望により置換されていてよいフェニレンで中断されているとき、該炭素鎖は好ましくは非置換である。フェニレン部分が置換されているとき、それは好ましくはハロゲン、ニトロ、アミノ、メトキシ、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されている。
【0024】
好ましい式Iの化合物は、Rが所望によりニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシで置換されているC13−20アルキルであるものであり、そして、より好ましくは、Rが所望によりハロゲンで置換されていてよいC6−14−アルキル鎖で置換されているフェニルアルキルであり、該アルキル部分は所望によりヒドロキシで置換されていてよいC1−6アルキルである。より好ましくは、Rが、フェニルを直鎖または分枝鎖、好ましくは直鎖、C6−14アルキル鎖で置換されているフェニル−C1−6アルキルである。該C6−14アルキル鎖はオルト、メタまたはパラ、好ましくはパラにあり得る。
好ましくはRからRの各々はHである。
【0025】
上記式VIIの式中、“ヘテロ環式基”は、S、OおよびNから選択される1個から3個のヘテロ原子を有する5から7員ヘテロ環式基を意味する。このようなヘテロ環式基の例は、上記のヘテロアリール基、および部分的にまたは完全に水素化されたヘテロアリール基に対応するヘテロ環式化合物、例えばフリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピロリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニルまたはピラゾリジニルを含む。好ましいヘテロ環式基は、5または6員ヘテロアリール基およびもっとも好ましいヘテロ環式基はモルホリニル、チオモルホリニルまたはピペリジニル基である。
【0026】
好ましい式Iの化合物は、2−アミノ−2−テトラデシル−1,3−プロパンジオールである。特に好ましい式IのS1P受容体アゴニストは、FTY720、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば下記の通りの塩酸塩の2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール(以後化合物Aと呼ぶ)である:
【化17】

【0027】
好ましい式IIの化合物は、R'からR'の各々がHであり、そしてmが4であるもの、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形、例えば、塩酸塩の2−アミノ−2−{2−[4−(1−オキソ−5−フェニルペンチル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール(以後化合物Bと呼ぶ)である。
【0028】
好ましい式IIIの化合物は、WがCHであり、R”からR”の各々がHであり、Zがエチレンであり、Xがヘプチルオキシであり、そしてYがHであるもの、すなわち遊離形または薬学的に許容される塩形の、例えば、塩酸塩の2−アミノ−4−(4−ヘプチルオキシフェニル)−2−メチル−ブタノール(以後化合物Cと呼ぶ)。R−エナンチオマーが特に好ましい。
【0029】
好ましい式IVaの化合物は、FTY720−リン酸エステル(R2aがH、R3aがOH、XがO、R1aおよびR1bがOHである)である。好ましい式IVbの化合物は、化合物C−リン酸エステル(R2aがH、R3bがOH、XがO、R1aおよびR1bがOH、YがOおよびR4aがヘプチルである)である。好ましい式Vの化合物は、化合物B−リン酸エステルである。
【0030】
好ましい式Vの化合物は、リン酸モノ−[(R)−2−アミノ−2−メチル−4−(4−ペンチルオキシ−フェニル)−ブチル]エステルである。
【0031】
好ましい式VIIIの化合物は、(2R)−2−アミノ−4−[3−(4−シクロヘキシルオキシブチル)−ベンゾ[b]チエン−6−イル]−2−メチルブタン−1−オールである。
【0032】
JAK3は、T細胞およびB細胞に主に発現され、T細胞発育および機能に重要な役割を有する酵素である。JAK3キナーゼ阻害剤は、下記アッセイにおいて、例えばIC50価<5μM、好ましくは<1μM、より好ましくは<0.1μMを有する化合物である:
【0033】
CTL/LおよびHT−2細胞でのインターロイキン−2(IL−2)依存性増殖アッセイ
IL−2依存性マウスT細胞系CTL/LおよびHT−2を、10%胎児クローンI(HyClone)、50μM 2−メルカプトエタノール(31350-010)、50μg/ml ゲンタマイシン(Gibco 15750-037)、1mM ピルビン酸ナトリウム(Gibco 11360-039)、非必須アミノ酸(Gibco 11140-035;100×)および250U/ml マウスIL−2(Genzymeスタンダードに従い50,000U/ml マウスIL−2を含むX63−Ag8トランスフェクト細胞の上清)を補ったRPMI1640(Gibco 52400-025)で培養する。培養は、1週間に2回1:40に分ける。
【0034】
使用前に、細胞をマウスIL−2非含有培養培地で2回洗浄する。増殖アッセイを、50U/ml マウスIL−2含有培養培地中の試験化合物の適当な希釈を含む、平底96ウェル組織培養プレート中、4000CTL/L細胞/ウェルまたは2500HT−2細胞/ウェルで行う。CTL/L培養物を、37℃で24時間インキュベートし、そしてHT−2培養物を48時間インキュベートする。1μCi H−チミジン添加およびさらに一晩インキュベーション後、細胞を繊維フィルター上に回収し、放射活性を計数する。
【0035】
ヒト末梢血単核細胞のインターロイキン−2依存性増殖
ヒト末梢血単核細胞を、未知のHLA型のバフィーコートからFicoll上に単離する(Blutspendezentrum, Kantonsspital, Basel, Switzerland)。細胞を使用するまで、液体窒素の中でcryotube(Nunc)中、2×10細胞/ml(90%FCS、10%DMSO)に維持する。
【0036】
細胞を、costarフラスコ中、Na−ピルビン酸(1mM;Gibco)、MEM非必須アミノ酸およびビタミン類(Gibco)、2−メルカプトエタノール(50μM)、L−グルタミン(2mM)、ゲンタマイシンおよびペニシリン/ストレプトマイシン(100μg/ml;Gibco)、バクト・アスパラギン(bacto asparagine)(20□g/ml;Difco)、ヒトインスリン(5□g/ml;Sigma)、ヒトトランスフェリン(40□g/ml;Sigma)、選択したウシ胎児血清(10%、Hyclone Laboratories, Logan, UT)および100μg/ml フィトヘマグルチニン添加RPMI1640(Gibco, Pacely, England)を含む培養培地中、7×10細胞/mlの濃度で4日間、37℃で加湿CO(7%)インキュベーター中でインキュベートする。細胞を、10%FCS含有RPMI1640で2回洗浄し、2時間インキュベートする。遠心分離後、細胞を、インターロイキン−2(Chiron 200U/ml)を含む上記の培養培地(フィトヘマグルチニンなし)に取り、適当な濃度の試験化合物存在下で、トリプリケートで96ウェル組織培養プレート(Costar #3596)に5×10細胞/0.2mlの濃度で分配し、37℃で72時間インキュベートする。H−チミジン(1□Ci/0.2ml)を、培養の最後の16時間に添加する。続いて細胞を回収し、シンチレーションカウンターで計数する。
【0037】
適当なJAK3キナーゼ阻害剤は、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形の、下記化合物を含む:
− USP2003/0073719A1に記載の化合物、例えば式XIV
【化18】

〔式中、
2jおよびR3jは、独立してH、アミノ、ハロゲン、OH、ニトロ、カルボキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CF、トリフルオロメトキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキルから選択され、ここで、該アルキル、アルコキシまたはシクロアルキル基は、所望によりハロゲン、OH、カルボキシ、アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキル、C3−9シクロアルキルまたはC6−10アリールから成る群から選択される1個から3個の基で置換されていてよく;またはR2jおよびR3jの各々は独立してC3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C6−10アリールアミノ、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C1−6アシル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキルまたはC6−10アリールであり、ここで、該ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルおよびアリール基は、所望により1個から3個のハロゲノ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−CO−NH−、C1−6アルコキシ−CONH−、C1−6アルキル−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−C1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、アミノ、アミノC1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C6−10アリール−C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニル、C2−7アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキル−CO−NH−、シアノ、C5−9ヘテロシクロアルキル、アミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NH−、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NH−、C6−10アリールアミノ−CO−NH−、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C6−10アリールアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノC1−6アルキル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリールスルホニルアミノ、C6−10アリールスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールまたはC2−9ヘテロシクロアルキルで置換されていてよい;例えばメチル−[(3R,4R)−4−メチル−1−(プロパン−1−スルホニル)−ピペリジン−3−イル]−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミン;(3R,4R)−)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2−,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸メチルエステル;3,3,3−トリフルオロ−1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボン酸ジメチルアミド;{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボニル}−アミノ)酢酸エチルエステル;3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル;3,3,3−トリフルオロ−1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[−メチル−(5−メチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;1−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]ピペリジン−1−イル}−ブト−3−イン−1−オン;1−{(3R,4R)−3−[(5−クロロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]−4−メチル−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;1−{(3R,4R)−3−[(5−フルオロ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−メチル−アミノ]−4−メチル−ピペリジン−1−イル}−プロパン−1−オン;(3R,4R)−N−シアノ−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−N'−プロピル−ピペリジン−1−カルボキサミジン;または(3R,4R)−N−シアノ−4,N',N'トリメチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−カルボキサミジンである。〕
の化合物;
【0038】
− WO021092571に記載の化合物、例えば式XV
【化19】

〔式中、
Arはフェニル、テトラヒドロナフテニル、インドリル、ピラゾリル、ジヒドロインデニル、1−オキソ−2,3−ジヒドロインデニルまたはインダゾリルであり、これらの各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−8アルコキシ、CO8k、CONR9k10k、C1−8アルキル−O−C1−8アルキル、C1−8アルキル−NR8k−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR8k−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR9k10k、NR8kCOC1−8アルキル、C1−8チオアルキル、C1−8アルキル(これ自体所望により1個以上のOHまたはシアノまたはフッ素で置換されていてよい)またはC1−8アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換でき;
はNR3kまたはOであり;nは0または1であり;
各R基は独立して水素またはC1−8アルキルであり;
1kおよびR2kの各々は独立してH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、OH、アリール、Y(CR11k2)pkNR4k5k、Y(CR11k2)pkCONR4k5k、Y(CR11k2)pkCO6k、Y(CR11k2)pkOR6k;Y(CR11k2)pk6kから選択されるか;またはR1kおよびR2kは−OCHO−または−OCHCHO−として共に連結しており;
各R11kは独立してH、C1−8アルキル、ヒドロキシまたはハロゲンであり;pは0、1、2、3、4または5であり;
3kはHまたはC1−8アルキルであり;
は酸素、CHまたはNR7k、R3kは水素またはC1−8アルキルであり;
4kおよびR5kの各々は独立してH、C1−8アルキルであるか、またはR4kおよびR5kは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりO、SまたはNR6kをさらに含んでよい4から7員飽和または芳香族性ヘテロ環式環系を形成するか、またはR4kおよびR5kの一方がHまたはC1−8アルキルであり、他方が所望によりO、SまたはN原子をさらに含んでよい5または6員ヘテロ環式環系であり;
6kはH、C1−8アルキル、フェニルまたはベンジルであり;
7kはHまたはC1−8アルキルであり;
8kはHまたはC1−8アルキルであり;R9kおよびR10kの各々は水素またはC1−8アルキルである。〕
の化合物;
【0039】
− US2002/0055514A1に記載の化合物、例えば式XVI
【化20】

〔式中、
はNH、NR11o、S、OCHまたはR11oCHであり;
11oはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルカノイルであり;
1oからR8oの各々は、独立してH、ハロゲン、OH、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオであり;ここでR1o−R5oの2個か、それらが結合しているフェニル環と一体となって所望により縮合環を形成でき、例えば、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル環を形成し;そしてさらにR1o−R5oの2個の隣接基により形成された環は、所望により1個、2個、3個または4個のハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオで置換されていてよい;ただしR2o−R5oの少なくとも1個はOHであり、そして
9oおよびR10oの各々は独立してH、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルカノイルであるか;またはR9oおよびR10oは一体となってメチレンジオキシである。〕
の化合物;
【0040】
− WO04/052359に記載の化合物、例えば式XVII
【化21】

〔式中、
は1、2、3、4または5であり;
1pはH、CHまたはCHN(CH)であり;そして
3pはCHN(CH)である。〕
の化合物。
【0041】
式XIVからXVIIの化合物は、遊離または塩形で存在できる。式XIVからXVIの化合物の薬学的に許容される塩の例は、塩酸塩のような無機酸との塩、酢酸塩またはクエン酸塩のような有機酸との塩、または、適当であれば、ナトリウムまたはカリウムのような金属との塩、トリエチルアミンのようなアミンとの塩、およびリシンのような二塩基性アミノ酸との塩を含む。
【0042】
式XIVからXVIIの化合物が、1箇所以上の不斉中心を分子内に有するとき、本発明は、種々の光学異性体ならびにラセミ体、ジアステレオ異性体およびそれらの混合物を包含すると理解されるべきである。式XIVからXVIIの化合物が二重結合を含むとき、該化合物はcisもしくはtrans配置またはこれらの混合物として存在できる。
【0043】
式XIVにおいて、C6−10アリールはフェニルまたはナフチルである。C2−9ヘテロシクロアルキルは、例えばピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、チオピラニル、アジリジニル、オキシラニル、メチレンジオキシ、イソキサゾリジニル、1,3−オキサゾリジン−3−イル、イソチアゾリジニル、1,3−チアゾリジン−3−イル、1,2−ピラゾリジン−2−イル、1,3−ピラゾリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニルなどであり得る。このような基は、CまたはN原子のいずれかにより結合する。C2−9ヘテロアリールは、例えばフリル、チエニル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル(isothizolyl)、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、シンノリニル、プテリジニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、イソインドリル、インドリル、インドリジニル、インダゾリル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサジニルなどであり得る。このような基は、CまたはN原子のいずれかにより結合する。
【0044】
好ましいJAK3キナーゼ阻害剤は、例えばN−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデンシアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナミド(Tyrphostin AG 490)、プロディギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4'−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI-P131)、[4−(3'−ブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI-P154)、[4−(3',5'−ジブロモ−4'−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI-P97)、および3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソプロピオニトリルの、遊離形または薬学的に許容される塩形、例えばモノクエン酸塩(別名CP-690,550)または式XVIIの化合物を含む。
【0045】
上記で特許明細書について引用がされている全ての場合、化合物に関連する主題を引用により本明細書に包含する。同様に包含されるのは、それらの薬学的に許容される塩、対応するラセミ体、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体ならびに、存在するならば、その中に記載されている上記化合物の対応する結晶修飾体、例えば溶媒和物、水和物および多形体である。本発明の組合せ剤において活性成分として使用する化合物は、それぞれ引用文献に記載の通りに製造し、投与できる。また、本発明の範囲内にあるのは、上記の2種以上の別々の活性成分の組合せ剤であり、すなわち本発明の範囲内の医薬組合せ剤は、3種以上の活性成分を含み得る。
【0046】
本発明の特定の発見に従い、下記が提供される:
1.
a)少なくとも1個のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーター、および
b)少なくとも1個のJAK3キナーゼ阻害剤
を含む、医薬組合せ剤。
【0047】
2. 処置を必要とする対象における、自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶の処置または予防方であって、該対象に、例えば上記の通りの、治療的有効量の少なくとも1個のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーター、および少なくとも1個のJAMキナーゼ阻害剤を、例えば同時にまたは連続して、併用投与することを含む、方法。
【0048】
自己免疫疾患の例は、例えばサルコイドーシス、類繊維肺(fibroid lung)、特発性間質性肺炎、喘息、内因性喘息、外因性喘息、塵埃喘息、特に慢性または難治性喘息(例えば遅発性喘息および気道応答亢進)、気管支炎、例えば気管支喘息、小児喘息のような状態を含む閉塞性気道疾患、アレルギー性リウマチ性関節炎、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ症候群ループス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病およびその合併症、II型成人発症糖尿病、ブドウ膜炎、ネフローゼ症候群、ステロイド依存性およびステロイド耐性ネフローゼ、掌蹠膿疱症、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、乾癬、乾癬性関節炎、アトピー性湿疹(アトピー性皮膚炎)、接触性皮膚炎およびさらなる湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、アクネ、円形脱毛症、好酸球性筋膜炎、アテローム性動脈硬化症、結膜炎、角結膜炎、角膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に関連するブドウ膜炎、ヘルペス性角膜炎、円錐角膜、角膜上皮異栄養症(dystorphia epitheliasis corneae)、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症、重症眼内炎、粘膜または血管の炎症、例えばロイコトリエンB4介在疾患、胃潰瘍、虚血性疾患および血栓症が原因の血管傷害、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎)、壊死性腸炎、間質性腎炎、グッドパスチャー症候群、溶血性尿毒症症候群および糖尿病性腎症を含む腎臓疾患、多発性筋炎、ギランバレー症候群、メニエール病および神経根症から選択される神経疾患、強皮症、ウェゲナー肉芽腫およびシェーグレン症候群を含む膠原病、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変および硬化性胆管炎を含む慢性自己免疫性肝臓疾患、部分的肝臓切除、急性肝臓壊死(例えば毒素、ウイルス性肝炎、ショックまたは無酸素症が原因の壊死)、B型肝炎、非A/非B型肝炎および硬変、劇症肝炎、膿疱性、ベーチェット病、活動性慢性肝炎、エバンス症候群、花粉症、特発性副甲状腺機能低下症、アジソン病、自己免疫性萎縮性胃炎、ルポイド肝炎、尿細管間質性腎炎、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症またはリウマチ性熱を含む。
【0049】
移植片拒絶は、例えば膵臓島、幹細胞、骨髄、皮膚、筋肉、角膜組織、神経組織、心臓、肺、複合心臓−肺、腎臓、肝臓、腸、膵臓、気管または食道の、細胞、組織または固形臓器同種または異種移植片の、急性または慢性拒絶、または移植片対宿主病を意味する。慢性拒絶はまた移植片血管疾患または移植片脈管障害とも呼ばれ得る。
【0050】
3. 例えば上記2)の下に定義した方法において使用するための、投与のための指示書をさらに含み得る、例えばキットの形の、上記1)の下に定義した医薬組合せ剤。
【0051】
4. 上記2)の下に定義した方法において使用するための医薬の製造において使用するための、上記1)の下に定義した医薬組合せ剤。
【0052】
上記に具体的に記載した通りの本発明の組合せの有用性は、例えば、下記の方法に従った、動物試験法ならびに臨床において、証明できる。
【0053】
A1. ラット心臓移植
使用した種の組合せ:雄Lewis(RTハプロタイプ)およびBN(RTハプロタイプ)。動物を吸入イソフルオランを使用して麻酔する。ドナーラットを、大動脈を介して同時に放血しながら、腹部下大静脈を通してヘパリン処理した後、開胸して心臓を急速に冷却する。大動脈をライゲートして、最初の分枝の遠位で分け、腕頭動脈を最初の分岐で分ける。左肺動脈をライゲートし、分け、右側は分けるが、開けたままにする。他の全ての血管を自由に切断し、ライゲートし、分け、ドナー心臓を氷冷食塩水に入れる。
【0054】
レシピエントを腎臓内腹部大動脈および大静脈の切開およびクロスクランピングにより準備する。移植片を、ドナー腕頭動脈とレシピエント大動脈の間およびドナー右肺動脈からレシピエント大静脈に、10/0モノフィラメント縫合糸を使用して、端側吻合によりインプラントする。クランプをはずし、移植片を後腹部に繋ぎ、腹部内容物を温食塩水で洗浄し、動物を閉じ、加温ランプ下で回復させる。移植片生存を、腹壁を通したドナー心臓の拍動の毎日の触診により追跡する。心臓拍動が止まったとき、拒絶は完了したと見なす。移植片生存の増加が、本発明の組合せ剤、例えば塩酸塩形の化合物Aと、モノクエン酸塩形の化合物CP-690,550の組合せ剤で、組合せ剤の各成分を0.1から50mg/kgの量で毎日経口投与して、処置した動物において得られる。故に、塩酸塩形の化合物Aを0.3から3mg/kg/日の用量で投与したとき、およびCP-690,550モノクエン酸塩を60ng/mlであるEC50(50%の動物がその移植片を>28日間維持する濃度)で投与したとき、移植片生存が有意に上昇する。
【0055】
A2. 島移植片
BALB/C(H−2)マウスからの島を、STZ誘発糖尿病CBA(H−2)マウスの副腎の真下に移植する。レシピエントを、島移植後50日間、本発明の組合せ剤で経口的に処置し、各成分は好ましくは一日量0.1から40mg/kgで投与する。島移植片の機能的状態を毎日の血糖の測定によりモニターする。正常血糖が、例えば動物を1または3mg/kg/日の化合物A塩酸塩および0.5から75mg/kg/日 CP-690,550モノクエン酸塩で処置したとき、処置動物において80±5および>115日間維持され、対照的に非処置動物では10±2日間である。
【0056】
B. 組合せ剤処置
適当な臨床試験は、例えば、乾癬または多発性硬化症患者でのオープンラベル、用量漸増試験である。このような試験は、特に本発明の組合せ剤の活性成分の相乗性を証明する。乾癬または多発性硬化症に対する有利な効果は、これらの試験の結果を介して決定でき、該試験はそれ自体当業者には既知である。このような試験は、特に、活性成分を使用した単剤療法と本発明の組合せ剤の効果の比較に適する。好ましくは、薬剤(a)の用量は最大耐量に到達するまで漸増し、薬剤(b)を一定用量で投与する。あるいは、薬剤(a)を一定用量で投与し、薬剤(b)の用量を漸増する。各患者は、薬剤(a)の投薬を毎日または間欠的に受ける。このような試験において、処置の効果は、例えば、12、13または24週間後、6週間毎の症状スコアの評価により決定できる。
【0057】
あるいは、プラセボ対照、二重盲験を、例えば、臓器、組織または細胞、例えばランゲルハンス島細胞の移植における、ここに記載の本発明の組合せ剤の利益を証明するために使用できる。
【0058】
本発明の医薬組合せ剤の投与は、有利な効果、例えば、症状の緩解、進行遅延または阻止に関する相乗的治療効果だけでなく、さらなる驚くべき有利な効果、例えば、本発明の組合せ剤に使用する薬学的活性成分の一方のみを適用した単剤療法と比較して、少ない副作用、改善された生活の質または減少した罹患率をもたらす。
【0059】
さらなる利益は、本発明の組合せ剤の活性成分の低用量を使用でき、例えば、投与量がしばしば少ないだけでなく、また少ない頻度で適用され、それは副作用の発生または重症度を低下し得る。これは処置すべき患者の望みおよび要求に合う。
【0060】
本明細書で使用する“併用投与”または“組合せ投与”などは、単独の患者に選択した治療剤を投与することを含むことを意味し、薬剤が必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0061】
併用で移植片拒絶または自己免疫疾患もしくはそれに関連する障害に対して治療的有効量の本発明の組合せ剤を含む、医薬組成物の提供が、本発明の一つの目的である。この組成物において、薬剤a)および薬剤b)を、一緒に、交互に、または別々に、1個の組合せ単位投与形態で、または2個の別々の単位投与形態で投与できる。単位投与形態はまた固定された組合せ剤であり得る。
【0062】
本発明によって、薬剤a)および薬剤b)の別々の投与のための、または固定された組合せ剤での、すなわち少なくとも2個の組合せパートナーa)およびb)を含む1個のガレヌス組成物での投与のための組成物は、それ自体既知の方法で製造でき、治療的有効量の少なくとも1個の、例えば上記の通りの薬理学的に活性な組合せパートナーを単独で、または、とりわけ経腸または非経腸投与に適する1個以上の薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて含む、ヒトを含む哺乳動物(温血動物)への経腸、例えば経口または直腸、および非経腸投与に適するものである。
【0063】
適当な医薬組成物は、例えば、約0.1%から約99.9%、好ましくは約1%から約60%の活性成分(複数もある)を含む。経腸または非経腸投与用の組合せ治療用医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセルまたは坐薬、またはアンプルのような、単位投与形態ものである。特記されない限り、これらは、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程の手段により製造する。各投与形態の個々の用量中に含まれる組合せパートナーの単位含量は、複数の投与単位の投与により必要な有効量を達成できるため、それ自体有効量を構成する必要がないことは認識される。
【0064】
特に、本発明の組合せ剤の各組合せパートナーの治療的有効量は、同時にまたは任意の順番で連続して投与でき、該成分は別々にまたは固定された組合せ剤として投与できる。例えば、本発明に従う移植片拒絶または自己免疫疾患の予防または処置法は、同時にまたは任意の順番で連続して、併用で治療的有効量の、好ましくは、相乗的有効量の、例えば、ここに記載の用量に対応する一日量または間欠的用量の、(i)遊離形または薬学的に許容される塩形での第一薬剤a)の投与、および(ii)遊離形または薬学的に許容される塩形での薬剤b)の投与を含み得る。本発明の組合せ剤の個々の組合せパートナーは、治療経過中の異なる時点で別々に、または同時に、個別のまたは単一組合せ形態として投与できる。さらに、投与なる用語は、インビボで組合せパートナーそれ自体に変換する組合せパートナーのプロドラッグの使用も含む。本発明は、故に、同時のまたは交互の処置の全てのこのようなレジメンを包含することは理解されるべきであり、そして“投与”なる用語はそれに従い解釈する。
【0065】
本発明の組合せ剤において使用する組合せパートナーの各々の有効用量は、用いる特定の化合物または医薬組成物、投与形態、処置している状態、処置している状態の重症度に依存して変化し得る。故に、本発明の組合せ剤の投与レジメンは、投与経路ならびに患者の腎臓および肝臓機能を含む、種々の因子に従い選択する。通常の技術の医師、臨床医または獣医は、該状態の緩解、回復または停止に必要な単独の活性成分の有効量を容易に決定し、処方できる。毒性なしで効果を産生する範囲内の活性成分の濃度を達成するための最適な精度は、標的部位への活性成分の利用能の動態に基づくレジメンを必要とする。
【0066】
薬剤a)またはb)の一日用量は、もちろん、種々の因子、例えば、選択した化合物、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化する。一般に、しかしながら、薬剤a)の、単回用量または分割用量としての約0.03から5mg/kg/日、特に0.1から5mg/kg/日、例えば0.1から2.5mg/kg/日の程度の一日投与量の投与により、十分な結果が達成される。S1P受容体アゴニストまたはモジュレーター、例えば式IからXIIIの化合物、例えば化合物AまたはBは、全ての慣用の経路で、特に経腸的に、例えば経口で、例えば錠剤、カプセル、飲溶液の形で、または非経腸的に、例えば注射可能溶液または懸濁液の形で投与できる。経口投与用の適当な単位投与形態は、約0.02から50mg活性成分、通常0.1から30mgの、例えば化合物AまたはBを、1個以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。
【0067】
薬剤b)、例えばCP-690,550または式XVIIの化合物は、ヒトに、0.5から1000mgの一日量の範囲で投与できる。経口投与用の適当な単位投与形態は、約0.1から500mg活性成分を、1個以上の薬学的に許容される、希釈剤または担体と共に含む。
【0068】
本発明の医薬組合せ剤の投与は、有利な効果、例えば、移植患者における移植片拒絶反応の阻害、または自己免疫疾患の遅延または停止に関する相乗的治療効果だけでなく、さらなる驚くべき有利な効果、例えば、本発明の組合せ剤に使用する薬学的活性成分の一方のみを適用した単剤療法と比較して、少ない副作用、改善された生活の質または減少した罹患率をもたらす。さらなる利益は、本発明の組合せ剤の活性成分の低用量を使用でき、例えば、投与量がしばしば少ないだけでなく、また少ない頻度で適用され、それは副作用の発生または重症度を低下し得る。これは処置すべき患者の望みおよび要求に合う。
【0069】
好ましい組合せ剤は、FTY720塩酸塩とCP-690,555モノクエン酸塩の組合せ剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1個のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーター、および
b)少なくとも1個のJAK3キナーゼ阻害剤
を含む、医薬組合せ剤。
【請求項2】
薬剤a)が、ヒトS1P、S1P、S1P、S1PまたはS1P受容体を使用したGTP[γ−35S]結合アッセイにおいて、<50nMのS1P受容体に対する結合親和性を有するS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターである、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項3】
薬剤a)が、
− 式I
【化1】

〔式中、
は直線状または分枝状(C12−22)鎖であり、
− これは鎖中に、二重結合、三重結合、O、S、NR(ここで、RはH、C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、アシルまたは(C1−4アルコキシ)カルボニル、およびカルボニルから選択される結合またはヘテロ原子を有してよく、および/または
− これは置換基としてC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有してよいか;または

− フェニルアルキル(ここで、アルキルは直線状または分枝状(C6−20)炭素鎖である);または
− フェニルアルキル(ここで、アルキルは直線状または分枝状(C1−30)炭素鎖であり、該フェニルアルキルは
− 所望によりハロゲンで置換されていてよい直線状または分枝状(C6−20)炭素鎖、
− 所望によりハロゲンで置換されていてよい直線状または分枝状(C6−20)アルコキシ鎖、
− 直線状または分枝状(C6−20)アルケニルオキシ、
− フェニル−C1−14アルコキシ、ハロフェニル−C1−4アルコキシ、フェニル−C1−14アルコキシ−C1−14アルキル、フェノキシ−C1−4アルコキシまたはフェノキシ−C1−4アルキル、
− C6−20アルキルで置換されているシクロアルキルアルキル、
− C6−20アルキルで置換されているヘテロアリールアルキル、
− ヘテロ環式C6−20アルキルまたは
− C2−20アルキルで置換されているヘテロ環式アルキル
で置換されており、そして、ここで
該アルキル部分は
− 炭素鎖中に、二重結合、三重結合、O、S、スルフィニル、スルホニル、またはNR(ここで、Rは上記で定義の通り)から選択される結合またはヘテロ原子を有してよく、そして
− 置換基としてC1−4アルコキシ、C2−4アルケニルオキシ、C2−4アルキニルオキシ、アリールC1−4アルキルオキシ、アシル、C1−4アルキルアミノ、C1−4アルキルチオ、アシルアミノ、(C1−4アルコキシ)カルボニル、(C1−4アルコキシ)カルボニルアミノ、アシルオキシ、(C1−4アルキル)カルバモイル、ニトロ、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシを有してよく、そして
、R、RおよびRの各々は、独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
の化合物;
− 式II
【化2】

〔式中、
mは1から9であり、R'、R'、R'およびR'の各々は、独立してH、C1−6アルキルまたはアシルである。〕
の化合物、
− 式III
【化3】

〔式中、
WはH;C1−6アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニル;非置換またはOH置換されたフェニル;R”O(CH);またはハロゲン、C3−8シクロアルキル、フェニルおよびOHで置換されたフェニルから成る群から選択される1個から3個の置換基で置換されたC1−6アルキルであり;
XはH、またはp個の炭素原子数を有する非置換もしくは置換直鎖アルキル、または(p−1)個の炭素原子数を有する非置換もしくは例えばC1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、オキソ、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、非置換フェニルならびに、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルおよびハロゲンから成る群から選択される1個から3個の置換基で置換されたフェニルから成る群から選択された1個から3個の置換基で置換された置換直鎖アルコキシであり;YはH、C1−6アルキル、OH、C1−6アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、アシルアミノ、ハロC1−6アルキルまたはハロゲンであり、Zは単結合またはq個の炭素原子数を有する直鎖アルキレンであり、
pおよびqの各々は、独立して1から20の整数である。ただし6p+q23であり、m'は1、2または3であり、nは2または3であり、
R”、R”、R”およびR”の各々は、独立してH、C1−4アルキルまたはアシルである。〕
の化合物、
− 式IVaまたはIVb
【化4】

〔式中、
はO、S、NR1s、または基−(CH)na−であり、この基は非置換であるかまたは1個から4個のハロゲンで置換されており;nは1または2であり、R1sはHまたは(C1−4)アルキルであり、このアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;R1aはH、OH、(C1−4)アルキルまたはO(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは非置換であるかまたは1個から3個のハロゲンで置換されており;R1bはH、OHまたは(C1−4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;各R2aは独立してHまたは(C1−4)アルキルから選択され、このアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;R3aはH、OH、ハロゲンまたはO(C1−4)アルキルであり、ここでアルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;そしてR3bはH、OH、ハロゲン、(C1−4)アルキルであり、ここで、アルキルは非置換であるかまたはヒドロキシもしくはO(C1−4)アルキルで置換されており、ここで、アルキルは非置換であるかまたはハロゲンで置換されており;Yは−CH−、−C(O)−、−CH(OH)−、−C(=NOH)−、OまたはSであり、そしてR4aは(C4−14)アルキルまたは(C4−14)アルケニルである。〕
の化合物;
− 式VII
【化5】

〔式中、
1dおよびR2dの各々は、独立してHまたはアミノ−保護基であり;
3dは水素、ヒドロキシ−保護基または式
【化6】

の残基であり;
4dはC1−4アルキルであり;
は1から6の整数であり;
はエチレン、ビニレン、エチニレン、式−D−CH−(ここで、Dはカルボニル、−CH(OH)−、O、SまたはNである)を有する基、アリールまたは下記に定義のグループaから成る群から選択される3個までの置換基で置換されているアリールであり;
は単結合、C1−10アルキレン、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているC1−10アルキレン、炭素鎖の中間もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレン、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されている炭素鎖の中間もしくは末端にOもしくはSを有するC1−10アルキレンであり;
5dは水素、C3−6シクロアルキル、アリール、ヘテロ環式基、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているC3−6シクロアルキル、グループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているアリール、またはグループaおよびbから選択される3個までの置換基で置換されているヘテロ環式基であり;
6dおよびR7dの各々は、独立してHまたはグループaから選択される置換基であり;
8dおよびR9dの各々は、独立してHまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルであり;
<グループa>はハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、カルボキシル、低級アルコキシカルボニル、ヒドロキシ、低級脂肪族アシル、アミノ、モノ−低級アルキルアミノ、ジ−C1−4アルキルアミノ、アシルアミノ、シアノまたはニトロであり;そして
<グループb>はC3−6シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基であり、各々所望によりグループaから選択される3個までの置換基で置換されていてよい;
ただしR5dが水素であるとき、Yは単結合または直鎖状C1−10アルキレンのいずれかである。〕
の化合物;
− 式IX
【化7】

〔式中、
はO、S、SOまたはSOであり、
1fはハロゲン、トリハロメチル、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、ピリジルメトキシ、シンナミルオキシ、ナフチルメトキシ、フェノキシメチル、CHOH、CH−CH−OH、C1−4アルキルチオ、C1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルホニル、ベンジルチオ、アセチル、ニトロまたはシアノであるか、またはフェニル、フェニルC1−4アルキルまたはフェニル−C1−4アルコキシ(これらの各フェニル基は所望によりハロゲン、CF、C1−4アルキルまたはC1−4アルコキシで置換されていてよい)であり;
2fはH、ハロゲン、トリハロメチル、C1−4アルコキシ、C1−7アルキル、フェネチルまたはベンジルオキシであり;
3fはH、ハロゲン、CF、OH、C1−7アルキル、C1−4アルコキシ、ベンジルオキシまたはC1−4アルコキシメチルであり;
4fおよびR5fの各々は独立してHまたは式
【化8】

(式中、R8fおよびR9fの各々は、独立してHまたは所望によりハロゲンで置換されていてよいC1−4アルキルである)
の残基であり;
は1から4の整数である。〕
の化合物:
またはこれらの薬学的に許容される塩もしくは水和物から選択されるS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターである、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項4】
薬剤b)がCTL/LおよびHT−2細胞でのIL−2依存性増殖アッセイおよびヒト末梢血単核細胞のIL−2依存性増殖アッセイにおいてIC50価<5μMを有するJAK3キナーゼ阻害剤である、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項5】
薬剤b)が
− 式XIV
【化9】

〔式中、
2jおよびR3jは、独立してH、アミノ、ハロゲン、OH、ニトロ、カルボキシ、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、CF、トリフルオロメトキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C3−6シクロアルキルから選択され、ここで、該アルキル、アルコキシまたはシクロアルキル基は、所望によりハロゲン、OH、カルボキシ、アミノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキル、C3−9シクロアルキルまたはC6−10アリールから成る群から選択される1個から3個の基で置換されていてよく;またはR2jおよびR3jの各々は独立してC3−10シクロアルキル、C3−10シクロアルコキシ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C6−10アリールアミノ、C1−6アルキルチオ、C6−10アリールチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C6−10アリールスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールスルホニル、C1−6アシル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−、C5−9ヘテロアリール、C2−9ヘテロシクロアルキルまたはC6−10アリールであり、ここで、該ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルおよびアリール基は、所望により1個から3個のハロゲノ、C1−6アルキル、C1−6アルキル−CO−NH−、C1−6アルコキシ−CONH−、C1−6アルキル−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−C1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、カルボキシ−C1−6アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、アミノ、アミノC1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C6−10アリール−C2−7アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノ、(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、カルボキシ、カルボキシ−C1−6アルキル、C2−7アルコキシカルボニル、C2−7アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−CO−NH−、C1−6アルキル−CO−NH−、シアノ、C5−9ヘテロシクロアルキル、アミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NH−、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NH−、C6−10アリールアミノ−CO−NH−、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−NH−、C1−6アルキルアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C6−10アリールアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールアミノ−CO−NH−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノC1−6アルキル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリールスルホニルアミノ、C6−10アリールスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ−C1−6アルキル、C5−9ヘテロアリールまたはC2−9ヘテロシクロアルキルで置換されていてよい。〕
の化合物;
− 式XV
【化10】

〔式中、
Arはフェニル、テトラヒドロナフテニル、インドリル、ピラゾリル、ジヒドロインデニル、1−オキソ−2,3−ジヒドロインデニルまたはインダゾリルであり、これらの各々は、所望によりハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−8アルコキシ、CO8k、CONR9k10k、C1−8アルキル−O−C1−8アルキル、C1−8アルキル−NR8k−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR8k−C1−8アルキル、C1−8アルキル−CONR9k10k、NR8kCOC1−8アルキル、C1−8チオアルキル、C1−8アルキル(これ自体所望により1個以上のOHまたはシアノまたはフッ素で置換されていてよい)またはC1−8アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換でき;
はNR3kまたはOであり;nは0または1であり;
各R基は独立して水素またはC1−8アルキルであり;
1kおよびR2kの各々は独立してH、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、OH、アリール、Y(CR11k2)pkNR4k5k、Y(CR11k2)pkCONR4k5k、Y (CR11k2)pkCO6k、Y(CR11k2)pkOR6k;Y(CR11k2)pk6kから選択されるか;またはR1kおよびR2kは−OCHO−または−OCHCHO−として共に連結しており;
各R11kは独立してH、C1−8アルキル、ヒドロキシまたはハロゲンであり;pは0、1、2、3、4または5であり;
3kはHまたはC1−8アルキルであり;
は酸素、CHまたはNR7k、R3kは水素またはC1−8アルキルであり;
4kおよびR5kの各々は独立してH、C1−8アルキルであるか、またはR4kおよびR5kは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりO、SまたはNR6kをさらに含んでよい4から7員飽和または芳香族性ヘテロ環式環系を形成するか、またはR4kおよびR5kの一方がHまたはC1−8アルキルであり、他方が所望によりO、SまたはN原子をさらに含んでよい5または6員ヘテロ環式環系であり;
6kはH、C1−8アルキル、フェニルまたはベンジルであり;
7kはHまたはC1−8アルキルであり;
8kはHまたはC1−8アルキルであり;R9kおよびR10kの各々は水素またはC1−8アルキルである。〕
の化合物;
− 式XVI
【化11】

〔式中、
はNH、NR11o、S、O、CHまたはR11oCHであり;
11oはH、C1−4アルキルまたはC1−4アルカノイルであり;
1oからR8oの各々は、独立してH、ハロゲン、OH、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオであり;ここでR1o−R5oの2個か、それらが結合しているフェニル環と一体となって所望により縮合環を形成でき、例えば、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル環を形成し;そしてさらにR1o−R5oの2個の隣接基により形成された環は、所望により1個、2個、3個または4個のハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルキルチオで置換されていてよい;ただしR2o−R5oの少なくとも1個はOHであり、そして
9oおよびR10oの各々は独立してH、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシまたはC1−4アルカノイルであるか;またはR9oおよびR10oは一体となってメチレンジオキシである。〕
の化合物;および
− 式XVII
【化12】

〔式中、
は1、2、3、4または5であり;
1pはH、CHまたはCHN(CH)であり;そして
3pはCHN(CH)である。〕
の化合物、またはこれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項6】
S1P受容体アゴニストまたはモジュレーターa)が、遊離形または薬学的に許容される塩もしくは水和物形の2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオールまたは2−アミノ−2−[4−(ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパン−ジオールである、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項7】
JAK3キナーゼ阻害剤b)が、遊離形または薬学的に許容される塩形の3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリルまたは請求項5で定義の式XVIIの化合物である、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項8】
自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶の処置または予防法に使用するための、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項9】
自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶の処置または予防用に使用するための薬剤またはキットの製造において使用するための、請求項1記載の医薬組合せ剤。
【請求項10】
処置を必要とする対象における自己免疫疾患もしくは障害、または細胞、組織もしくは臓器移植片拒絶の処置または予防法であって、該対象に、治療的有効量の少なくとも1個のS1P受容体アゴニストまたはモジュレーターおよび少なくとも1個のJAK3キナーゼ阻害剤を、例えば、同時にまたは連続して投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2007−536310(P2007−536310A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511994(P2007−511994)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004758
【国際公開番号】WO2005/105146
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】