説明

SiC/Al複合焼結体およびその製造方法

【課題】空隙の形成が低減されたSiC/Al複合焼結体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のSiC/Al複合焼結体1は、炭化珪素(SiC)粒子11とSiC粒子11の表面に付着して該表面を覆うSiC粒子11よりも粒径の小さいアルミニウム(Al)微粒子12との複合粒子10からなる複合粒子粉末と、Al粒子20からなるマトリックス形成粉末と、の混合粉末9を焼結してなることを特徴とする。本発明のSiC/Al複合焼結体は、高熱伝導性をもつため、電子機器用放熱部材の材料として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属基複合材料のひとつである炭化珪素/アルミニウム複合材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アルミニウムからなる母材中にセラミックス粒子を分散させた種々のアルミニウム基複合材料が開発されている。これらの複合材料は、アルミニウムにくらべて強度、剛性が高く、耐摩耗性や高温特性に優れていることから幅広い分野での使用が期待されている。特に、高熱伝導性を満足する炭化珪素/アルミニウム(SiC/Al)複合材料は、半導体チップ等を備える電子機器から発生する熱を外部に伝熱または放熱する電子機器用放熱部材などとして用いられている。
【0003】
SiC/Al複合材料の製造方法としては、SiC粉末を金型に充填した後その金型にAl溶湯を注湯してSiC粉末に含浸させる高圧鋳造法、SiC粉末とAl粉末との混合粉末を焼結する粉末焼結法、SiC粉末のグリーンシートをAl溶湯に接触させる非加圧浸透法、などが挙げられる。
【0004】
高圧鋳造法の一例として、特許文献1には、平均粒径の異なる2種類のSiC粒子を金型に充填した後、その金型にAl溶湯を注湯して加圧してSiC粉末に含浸させることで、SiC/Al複合材料を得る方法が開示されている。
【0005】
また、引用文献2には、SiC粒子の表面にAl微粉末を被覆した複合粉末が開示されている。複合粉末は、たとえば、SiC粉末と硫酸アルミニウム水溶液とを混合後、乾燥、加熱処理して得られる。複合粉末では、SiC粒子の表面がアルミニウム微粉末に覆われているため、複合粉末を焼結すると、組織が均一な焼結体が得られる。
【特許文献1】特開2002−285259号公報
【特許文献2】特開昭57−71868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粉末焼結法のような焼結法によりSiC/Al複合材料を作製した場合には、SiC粒子とAl粒子との間に空隙ができる。空隙により熱の移動が妨げられるため、SiC/Al複合材料の熱伝導率は低下する。
【0007】
また、特許文献2に記載のように、SiC粒子の表面にAl微粉末を被覆した複合粉末を焼結しても、同様に、空隙ができやすい。なお、特許文献2に記載の複合粉末において、SiC粒子の表面を被覆するAl微粉末は、溶液を前駆体として得られる微細なものである。したがって、この複合粉末を用いて得られる焼結体は、微量のAlを焼結助剤としたSiC焼結体であって、SiC/Al複合材料とは言い難い。
【0008】
すなわち、焼結法では、空隙の存在により、理論値に近い熱伝導率をもつSiC/Al複合材料の作製は、困難である。
【0009】
また、非加圧浸透法では、焼結法ほど空隙は形成されないものの、SiCとAlとの界面に、熱伝導性を低下させる金属間化合物が生成される問題がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑み、空隙の形成が低減されたSiC/Al複合焼結体を提供することを目的とする。また、SiC/Al複合焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のSiC/Al複合焼結体は、
炭化珪素(SiC)粒子と該SiC粒子の表面に付着して該表面を覆う該SiC粒子よりも粒径の小さいアルミニウム(Al)微粒子との複合粒子からなる複合粒子粉末と、
Al粒子からなるマトリックス形成粉末と、
の混合粉末を焼結してなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法は、
炭化珪素(SiC)粒子の表面に該表面を覆うように該SiC粒子よりも粒径の小さいアルミニウム(Al)微粒子を付着させて複合粒子を作製する複合粒子製造工程と、
前記複合粒子からなる複合粒子粉末とAl粒子からなるマトリックス形成粉末とを混合して混合粉末を調製する混合粉末調製工程と、
前記混合粉末を成形して成形体とする混合粉末成形工程と、
前記成形体を焼結する焼結工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のSiC/Al複合焼結体および本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法では、SiC粒子とAl微粒子との複合粒子からなる複合粒子粉末を用いる。SiC粒子は、SiC粒子よりも粒径の小さいAl微粒子にその表面が覆われるため、複合粒子粉末を成形・焼結するときに大径のSiC粒子同士が直接隣り合うことが妨げられる。その結果、SiC/Al複合焼結体に形成される空隙が減少する。
【0014】
さらに、本発明のSiC/Al複合焼結体および本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法では、複合粒子粉末と、Al粒子からなるマトリックス形成粉末と、の混合粉末を原料粉末とする。複合粒子粉末とともにマトリックス形成粉末を用いることで、得られるSiC/Al複合焼結体に形成される空隙がさらに減少する。
【0015】
また、本発明のSiC/Al複合焼結体は、電子機器用放熱部材の材料として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明のSiC/Al複合焼結体および本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法を実施するための最良の形態を説明する。
【0017】
[SiC/Al複合焼結体]
本発明のSiC/Al複合焼結体は、複合粒子粉末とマトリックス形成粉末との混合粉末を焼結してなる。以下に、複合粒子粉末およびマトリックス形成粉末について、図を用いて説明する。
【0018】
複合粒子粉末は、複合粒子からなる。図1は、複合粒子を模式的に示す断面図である。複合粒子10は、SiC粒子11とAl微粒子12とからなる。SiC粒子11は、複合粒子10の核となる。Al微粒子12は、SiC粒子11の表面に付着してSiC粒子11の表面を覆う。Al微粒子12の粒径は、SiC粒子11よりも小さい。なお、Al微粒子12は、図1では真球状であるが、必ずしも球である必要はなく、SiC粒子11の表面に沿って扁平に変形していてもよい。また、図1では、SiC粒子11の表面に、粒子1つ分を一層の厚さとしてAl微粒子12が覆っているが、表面全体あるいは一部が二層以上のAl微粒子に覆われていてもよい。なお、以下「粒径」は、Al微粒子を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔の最大値とする。
【0019】
SiC粒子の表面は、Al微粒子により少なくとも一部が覆われていれば、大径のSiC粒子同士が直接隣接することを防止できるため、空隙の形成が抑制される。Al微粒子によるSiC粒子の表面の被覆率が高い程、空隙の形成を抑制する効果は高いため、SiC粒子の表面は全面に渡って密に覆われているのが好ましい。
【0020】
複合粒子粉末に含まれるSiC粒子の平均粒径は、50〜150μmが好ましく、さらに好ましくは70〜130μm、80〜120μmである。SiC粒子が大きい程、SiC/Al複合焼結体の加工性が低下するため、150μm以下とするのが好ましい。また、SiC粒子が50μm未満では、SiC粒子が凝集することで、SiC粒子同士が直接隣接してしまい、空隙が形成されやすいため好ましくない。
【0021】
複合粒子粉末に含まれるAl微粒子の平均粒径は、1〜15μmが好ましく、さらに好ましくは3〜13μm、5〜10μmである。Al微粒子の平均粒径が15μmを超えると、SiC粒子の表面を緻密に覆うことができない。Al微粒子が1μm未満では、SiC粒子表面を覆うAl微粒子の厚さが薄くなることに起因して空隙が形成されやすくなるため好ましくない。
【0022】
また、Al微粉末に対するSiC粒子の配合量が少ないと、SiC粒子の表面にAl微粒子を付着させる作業が困難になるため好ましくない。Al微粉末に対するSiC粒子の配合量が多すぎるとSiC粒子の表面がAl微粒子で十分に覆われにくくなるため好ましくない。したがって、複合粒子粉末に含まれるSiC粒子は、Al微粒子とSiC粒子との質量比で(Al微粒子の質量):(SiC粒子の質量)=1:8〜1:12であるのが好ましい。
【0023】
マトリックス形成粉末は、Al粒子からなる。マトリックス形成粉末は、上記複合粒子粉末と混合され、本発明のSiC/Al複合焼結体の原料である混合粉末を構成する。
【0024】
マトリックス形成粉末の平均粒径は、1〜15μmが好ましく、さらに好ましくは3〜13μm、5〜10μmである。マトリックス形成粉末の平均粒径が15μmを超えると、得られる焼結体に空隙が形成されやすい。マトリックス形成粉末の平均粒径が小さい程、焼結体の空隙は減少するが、1μm未満では、取り扱いが困難になるほか、Al粒子が凝集してSiC粒子が偏析することがある。
【0025】
また、マトリックス形成粉末に用いるAl粒子として、上記複合粒子粉末に用いるAl微粒子を用いてもよい。なお、複合粒子を構成するAl微粒子およびマトリックス形成粉末を構成するAl粒子は、純Alからなる粒子であっても、Al合金からなる粒子であっても、いずれも構わない。Alの含有量を規定するのであれば、全体を100質量%としたときにAlを30質量%以上含むのが好ましい。
【0026】
図2に、本発明のSiC/Al複合焼結体の原料粉末である混合粉末を模式的に示す。混合粉末9は、上記複合粒子粉末10とマトリックス形成粉末20とからなる。混合粉末9は、所望の形状に成形して焼結することで、本発明のSiC/Al複合焼結体となる。本発明のSiC/Al複合焼結体は、焼結体全体を100質量%としたときに、SiC粒子を50〜70質量%、さらには55〜65質量%、55〜60質量%含むのが好ましい。SiC粒子が50質量%未満では、複合材料としての性質(たとえば所望の熱膨張率)が良好に発揮されない。SiC粒子が70質量%を超えると、焼結体の加工性が低下するため好ましくない。
【0027】
本発明のSiC/Al複合焼結体は、上記複合粒子粉末とともに上記マトリックス形成粉末を用いて作製されることで、空隙の少ない焼結体となる。つまり、図3に示すように、本発明のSiC/Al複合焼結体1は、Alマトリックス21中にSiC粒子11が分散してなり、空隙はほとんどみられない。一方、複合粒子粉末のみを焼結すると、図4に示すように、得られる焼結体2は、Alマトリックス22中に均一に分散するSiC粒子11と空隙Cをもつ。また、SiC粒子とAl粒子を単に混合して焼結すると、図5に示すように、得られる焼結体3は、SiC粒子11とAlマトリックス23との間に空隙Cをもつ。図4および図5に示す焼結体では、複合材料とすることで見込まれる性質が良好に発現せず、たとえば、熱伝導率が低くなる。
【0028】
[用途]
本発明のSiC/Al複合焼結体は、高熱伝導性をもつことから、電子部品の放熱材料、基板材料、配線材料などに好適である。以下に、本発明のSiC/Al複合焼結体を電子機器用放熱部材の材料として用いた具体例を示す。
【0029】
図6は、半導体装置の主要部の構成を示す断面図である。半導体装置60は、金属製の放熱板64の表面に絶縁膜63が形成され、絶縁膜63の表面に接合材62、緩衝層61が順次積層される。緩衝層61には、はんだ層68を介してIGBT素子等の半導体素子69が搭載される。本発明のSiC/Al複合焼結体からなる緩衝層61は、熱伝導率が高いため、半導体素子69で発生した熱は放熱板64へと流れる。また、緩衝層61は、熱膨張率が低いSiCと熱膨張率が高いAlとの複合材であるため、放熱板64と半導体素子69との中間の熱膨張率を有する。その結果、放熱板64と半導体素子69との熱膨張率の差に起因する半導体素子69の反り、割れまたは剥がれなどの発生が防止される。
【0030】
[SiC/Al複合焼結体の製造方法]
以下に説明する本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法は、上記本発明のSiC/Al複合焼結体の製造に好適である。本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法は、複合粒子製造工程と、混合粉末調整工程と、混合粉末成形工程と、焼成工程と、を含む。
【0031】
複合粒子製造工程は、SiC粒子の表面にAl微粒子を付着させて複合粒子を作製する工程である。SiC粒子の表面は、Al微粒子により覆われる。複合粒子製造工程において用いられるSiC粒子およびAl微粒子、これらの配合量などは、既に述べた通りである。
【0032】
複合粒子製造工程において、SiC粒子の表面にAl微粒子を付着させる方法としては、従来から知られている各種粉末コーティング方法を用いればよい。特に、高速気流中衝撃法を用いたハイブリダイゼーションが望ましい。ハイブリダイゼーションに使用される装置(後述のハイブリダイザー)は、高速回転するロータ、ステータおよび循環回路で構成されている。装置内に投入された粉体は、回転するロータにより衝撃を受けて気流とともに外周部へと運ばれる。外周部の粉体は、循環回路により気流とともにロータの中心部へと移送され、同様に衝撃を受ける。この衝撃の繰り返しにより、集中したエネルギーが粒子表面に作用する。そのため、2種以上の粉体を分散した場合には、母粒子の表面に子粒子が埋没、母粒子の表面で子粒子が展延または溶融するなどして、複合化処理が可能となる。
【0033】
混合粉末調製工程は、複合粒子からなる複合粒子粉末とAl粒子からなるマトリックス形成粉末とを混合して混合粉末を調製する工程である。混合粉末調製工程で用いられるAl粒子については、既に述べた通りである。また、粉末の混合方法は、従来から行われている方法であればよい。
【0034】
また、混合粉末調製工程にて調製される混合粉末は、混合粉末全体を100質量%としたときに、マトリックス形成粉末を20〜40質量%含むのが好ましい。マトリックス形成粉末が20質量%未満では、得られる焼結体に空隙が形成されやすい。マトリックス形成粉末の割合が多い程、焼結体の空隙は減少するが、40質量%を超えると、焼結体のうちのSiCの占める割合が減少し、複合材料としての性質(たとえば所望の熱膨張率)が良好に発揮されない。
【0035】
混合粉末成形工程は、混合粉末を所望の形状に成形して成形体とする工程である。また、焼結工程は、その成形体を焼結する工程である。混合粉末成形工程では、混合粉末を型に充填し、必要に応じて加圧することで、所望の形状の成形体を得るとよい。所望の形状に成形された成形体は、脱型した後に焼結工程に供してもよいし、型に充填された状態で加熱して焼結させてもよい。
【0036】
焼結工程は、550〜590℃さらには560〜570℃で焼結を行う工程であるのが望ましい。焼結温度が550℃未満ではアルミニウムの粒子の表面が溶融せず、焼結温度が590℃を超えるとアルミニウムが軟化してSiC粒子の隙間に吸い込まれることにより、表面に凹凸が形成されることがあるため望ましくない。
【0037】
焼結工程は、成形体に圧力をかけつつ焼結を行う工程であるのが望ましい。また、焼結雰囲気に特に限定はなく、空気中、真空中、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気中、のいずれでもよい。
【0038】
以上、本発明のSiC/Al複合焼結体および本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【実施例】
【0039】
以下に、本発明のSiC/Al複合焼結体および本発明のSiC/Al複合焼結体の製造方法の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
【0040】
[複合粒子の製造]
平均粒径が100μmのSiC粉末および平均粒径が8μmのAl粉末を準備した。これらを、(SiC粉末の質量):(Al粉末の質量)=10:1となるように秤量し、ハイブリダイゼーションシステム(株式会社奈良機械製作所製)を用いて複合粒子を作製した。ハイブリダイゼーションシステムの概略を図7に示す。ハイブリダイゼーションシステム70は、OMダイザー71、計量器72、ハイブリダイザー73、捕集器74および制御装置75を備える。秤量したSiC粉末およびAl粉末を、OMダイザー71に投入し、静電付着等によりSiC粒子の表面にAl微粒子を付着させてオーダードミクスチュアーとした。次いで、オーダードミクスチュアーを計量器72にて一定量計量して、ハイブリダイザー73に順次供給した。オーダードミクスチュアーでは微弱な付着であったSiC粒子とAl微粒子とが、ハイブリダイザー73にて固定化された。その後、捕集器74によりハイブリダイザー73により得られた複合粒子を捕集した。
【0041】
[SiC/Al複合焼結体の製造]
上記手順により得られた複合粒子粉末とAl粉末とをボールミルにより混合し、混合粉末を得た。混合粉末は、複合粒子粉末:66質量%、Al粉末:34質量%とした。この混合粉末を金型により所定の形状に成形し、加圧した状態で560℃で焼成した。
【0042】
得られたSiC/Al複合焼結体は、高い熱伝導率を示した。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のSiC/Al複合焼結体の原料粉末として用いられる複合粒子の断面を模式的に示す。
【図2】本発明のSiC/Al複合焼結体の原料粉末である混合粉末を模式的に示す。
【図3】本発明のSiC/Al複合焼結体を模式的に示す断面図である。
【図4】SiC/Al複合焼結体の比較例を模式的に示す断面図である。
【図5】SiC/Al複合焼結体の従来例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明のSiC/Al複合焼結体を用いた半導体装置の主要部の構成を示す断面図である。
【図7】ハイブリダイゼーションシステムのフロー説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1:SiC/Al複合焼結体
9:混合粉末
10:複合粒子 11:SiC粒子 12:Al微粒子
20:Al粒子 21:Alマトリックス
60:半導体装置
70:ハイブリダイゼーションシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化珪素(SiC)粒子と該SiC粒子の表面に付着して該表面を覆う該SiC粒子よりも粒径の小さいアルミニウム(Al)微粒子との複合粒子からなる複合粒子粉末と、
Al粒子からなるマトリックス形成粉末と、
の混合粉末を焼結してなることを特徴とするSiC/Al複合焼結体。
【請求項2】
全体を100質量%としたときに、SiC粒子を50〜70質量%含む請求項1記載のSiC/Al複合焼結体。
【請求項3】
前記複合粒子粉末に含まれる前記SiC粒子の平均粒径は、50〜150μmである請求項1記載のSiC/Al複合焼結体。
【請求項4】
前記複合粒子粉末に含まれる前記Al微粒子の平均粒径は、1〜15μmである請求項1記載のSiC/Al複合焼結体。
【請求項5】
前記複合粒子粉末に含まれる前記SiC粒子の割合は、前記Al微粒子と該SiC粒子との質量比で1:8〜1:12である請求項1記載のSiC/Al複合焼結体。
【請求項6】
前記マトリックス形成粉末の平均粒径は、1〜15μmである請求項1記載のSiC/Al複合焼結体。
【請求項7】
炭化珪素(SiC)粒子の表面に該表面を覆うように該SiC粒子よりも粒径の小さいアルミニウム(Al)微粒子を付着させて複合粒子を作製する複合粒子製造工程と、
前記複合粒子からなる複合粒子粉末とAl粒子からなるマトリックス形成粉末とを混合して混合粉末を調製する混合粉末調製工程と、
前記混合粉末を成形して成形体とする混合粉末成形工程と、
前記成形体を焼結する焼結工程と、
を含むことを特徴とするSiC/Al複合焼結体の製造方法。
【請求項8】
前記混合粉末調製工程は、前記混合粉末全体を100質量%としたときに、前記マトリックス形成粉末が20〜40質量%となるように混合する工程である請求項7記載のSiC/Al複合焼結体の製造方法。
【請求項9】
前記焼結工程は、550〜590℃で焼結を行う工程である請求項7記載のSiC/Al複合焼結体の製造方法。
【請求項10】
前記複合粒子製造工程は、高速気流中衝撃法により前記SiC粒子の表面に前記Al微粒子を付着させる工程である請求項7記載のSiC/Al複合焼結体の製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載のSiC/Al複合焼結体からなる電子機器用放熱部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−242899(P2009−242899A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92618(P2008−92618)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】