説明

bcr−ablキナーゼの阻害剤としての新規フェニルアミノピリミジン誘導体

本発明は、新規フェニルアミノピリミジン誘導体の調製に有用な新規中間体、新規フェニルアミノピリミジン誘導体、新規フェニルアミノピリミジン誘導体を含む医薬組成物およびこれらの調製方法に関する。本発明は特に、一般式Iの新規フェニルピリミジンアミン誘導体に関する。式Iの新規化合物は慢性骨髄性白血病(CML)の治療に使用できる。これらの分子のIC50の値は0.1から10.0nmの範囲にあるので、これらの新規化合物は潜在的にCMLの治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規フェニルアミノピリミジン誘導体の調製に有用な新規中間体、新規フェニルアミノピリミジン誘導体、この新規フェニルアミノピリミジン誘導体を含む医薬組成物およびこれらの調製方法に関する。本発明は特に、下記の一般式Iの新規フェニルピリミジンアミン誘導体:
【0002】
【化1】


に関する。
【0003】
式中、記号は次の意味を有する。
【表1】

【0004】
本発明はまた、上で定義された式Iの薬学的に許容される塩も提供する。さらに、本発明はまた、前記の新規化合物および薬学的に許容されるそれらの塩の調製方法も提供する。本発明はまた、一般式Iの新規化合物を、通常用いられる薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物およびその調製方法も提供する。
【0005】
式Iの新規化合物は慢性骨髄性白血病(CML)の治療に使用できる。これらの分子のIC50の値は0.1から10.0nmの範囲にあるので、これらの新規化合物は潜在的にCMLの治療に有用である。
【背景技術】
【0006】
フェニルピリミジンアミン誘導体は、特許WO 9509851、WO 9509853、EP 0588762、WO 9509847、WO 9903854、およびEP−B−0−564 409により、腫瘍の治療に有効な化合物として知られている。
【0007】
例えば、WO 9509851において、一般式IIの化合物:
【0008】
【化2】


または少なくとも1つの塩生成基を有するこのような化合物の塩が開示されており、
式中、
R1は置換された環式基であり、この環式基は、それぞれの場合に環内炭素原子で結合しており、フェニル、ピリジル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびイミダゾリルから選択され、この環式基の置換基は、ハロゲン、シアノ、カルバモイル、−C(=O)−OR3、−C(=O)−R4、−SO2−N(R5)−、−N(R7)−R8、−OR9およびフッ素置換低級アルキルであり、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ、互いに独立に、ハロゲンまたは低級アルキル(非置換であるか、あるいは、モノ−、またはジ−低級アルキルアミノによって置換されている)の1種または複数から選択され;また
R2は、ハロゲン、シアノ、カルバモイル、−C(=O)−OR10、−C(=O)−R11、−SO2−N(R12)−R13、−N(R14)−R15、−OR16およびフッ素置換低級アルキルであり、式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ、互いに独立に、ハロゲンまたは低級アルキル(非置換であるか、あるいは、モノ−、またはジ−低級アルキルアミノによって置換されている)から選択される。
【0009】
WO 9509858では、一般式IIIのN−フェニル−2−ピリミジンアミン誘導体化合物:
【0010】
【化3】


またはこれらの塩が開示されている。
【0011】
R0が、水素、ハロゲン、低級アルコキシまたは低級アルキルである式IIIのN−フェニル−2−ピリミジンアミン誘導体、またはそれらの塩:
R1は、
a)N−(アミノ−低級アルキル)−カルバモイル
b)N−(ヒドロキシ−低級アルキル)−カルバモイル
c)ヒドラジノ
d)シクロヘキシル−アミノ(非置換であるか、またはアミノよって置換されている)
e)ピペラジニル(非置換であるか、またはアミノ−低級アルキルよって置換されている)
f)モルホリニル、または
g)低級アルキルアミノ(モルホリニル、ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、シアノ、イミダゾリル、グアニジル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルキルアミノ−カルボニルアミノ、アミジノ、ジ−低級アルキルアミノ−シクロヘキシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−ヒドロキシ−カルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジヒドロキシホスホリルオキシ、ピペラジニル、低級アルカノイルピペラジニル、ホルミルピペラジニル、プロリルアミドによって、または式、H2N−CH(R)−C(=O)−NH−の基によって置換されており、式中、Rは、水素、C1〜C4アルキル、ベンジル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−エチル、メルカプトメチル、2−メチルチオ−エチル、インドール−3−イル−メチル、フェニル−メチル、4−ヒドロキシ−フェニル−メチル、カルバモイル−メチル、2−カルバモイル−エチル、カルボキシ−メチル、2−カルボキシ−エチル、4−アミノ−ブチル、3−グアニジル−プロピルであるか、あるいはRは1H−イミダゾール−4−イル−メチルである)であり、また、
R2は、C1〜C6アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、フェニル、アミノ、モノ(C1〜C3アルキル)アミノ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C2〜C4アルカノイル、プロペン−イルオキシ、カルボキシ、カルボキシ−メトキシ、エトキシカルボニル−メトキシ、スルファニルアミド、N,N−ジ−(C1〜C3アルキル)スルファニルアミド、N−メチル−ピペラジニル、ピペリジニル、1H−イミダゾール−1−イル、1H−トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−ナフチル、シクロペンチル、3,4−ジメチル−ベンジル、または、次の式の1つの基:
−CO2R3、−NH−C(=O)−R3、−N(R3)−C(=O)−R4、−O−(CH2)n−N(R3)R4、−C(=O)−NH−(CH2)n−R4@a、−C(=O)−NH−(CH2)n−N(R3)−R4、−CH(CH3)−NH−CHO、−C(CH3)=N−OH、−C(CH3)=N−O−CH3、−CH(CH3)−NH2、−NH−CH2−C(=O)N(R3)−R4であり、R3およびR4はそれぞれ、互いに独立に、C1〜C3アルキルであり、R4@aは、ヒドロキシ、アミノまたはイミダゾリルであり、Xは酸素または硫黄であり、mは1、2または3であり、nは2または3であり、R5は水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、臭素、ヨウ素またはトリフルオロメチルであり、R6は、1H−イミダゾール−1−イルまたはモルホリニルであり、またR7はC1〜C3アルキルであるか、またはフェニル(非置換であるか、あるいは、C1〜C3アルキル、ハロゲンによって、またはトリフルオロメチルによって一置換されている)である。R0が、水素、ハロゲン、低級アルコキシまたは低級アルキルである式IIIのN−フェニル−2−ピリミジンアミン誘導体またはそれらの塩:
R1は、
a)N−(アミノ−低級アルキル)−カルバモイル、
b)N−(ヒドロキシ−低級アルキル)−カルバモイル、
c)ヒドラジノ、
d)シクロヘキシル−アミノ(非置換であるか、またはアミノによって置換されている)
e)ピペラジニル(非置換であるか、またはアミノ−低級アルキルによって置換されている)
f)モルホリニル、または、
g)低級アルキルアミノ(モルホリニル、ヒドロキシ−低級アルキルアミノ、シアノ、イミダゾリル、グアニジル、アミノ、低級アルカノイルアミノ、低級−アルキルアミノ−カルボニルアミノ、アミジノ、ジ−低級アルキルアミノ−シクロヘキシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−ヒドロキシ−カルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジヒドロキシホスホリルオキシ、ピペラジニル、低級アルカノイル−ピペラジニル、ホルミルピペラジニル、プロリルアミドによって、または式、H2N−CH(R)−C(=O)−NH−の基によって置換されており、式中、Rは、水素、C1〜C4アルキル、ベンジル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−エチル、メルカプトメチル、2−メチルチオ−エチル、インドール−3−イル−メチル、フェニル−メチル、4−ヒドロキシ−フェニル−メチル、カルバモイル−メチル、2−カルバモイル−エチル、カルボキシ−メチル、2−カルボキシ−エチル、4−アミノ−ブチル、3−グアニジル−プロピルであるか、あるいは、Rは1H−イミダゾール−4−イル−メチルである)であり、また、
R2は、C1〜C6アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、フェニル、アミノ、モノ(C1〜C3アルキル)アミノ、ジ(C1〜C3アルキル)アミノ、C2〜C4アルカノイル、プロペン−イルオキシ、カルボキシ、カルボキシ−メトキシ、エトキシカルボニル−メトキシ、スルファニルアミド、N,N−ジ−(C1〜C3アルキル)スルファニルアミド、N−メチル−ピペラジニル、ピペリジニル、1H−イミダゾール−1−イル、1H−トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−ナフチル、シクロペンチル、3,4−ジメチル−ベンジル、または、次の式の1つの基:
−CO2R3、−NH−C(=O)−R3、−N(R3)−C(=O)−R4、−O−(CH2)n−N(R3)R4、−C(=O)−NH−(CH2)n−R4@a、−C(=O)−NH−(CH2)n−N(R3)−R4、−CH(CH3)−NH−CHO、−C(CH3)=N−OH、−C(CH3)=N−O−CH3、−CH(CH3)−NH2、−NH−CH2−C(=O)N(R3)−R4であり、式中、R3およびR4はそれぞれ、互いに独立に、C1〜C3アルキルであり、R4@aは、ヒドロキシ、アミノまたはイミダゾリルであり、Xは酸素または硫黄であり、mは1、2または3であり、nは2または3であり、R5は水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、臭素、ヨウ素またはトリフルオロメチルであり、R6は、1H−イミダゾール−1−イルまたはモルホリニルであり、またR7はC1〜C3アルキルであるか、またはフェニル(非置換であるか、あるいは、C1〜C3アルキル、ハロゲンによって、またはトリフルオロメチルによって一置換されている)である。
【0012】
前記のEP 0588762(米国特許第5516775号と同じ)において、一般式IVの化合物:
【0013】
【化4】


または薬学的に許容されるこれらの塩が開示されており、
式中、
R1は水素またはC1〜C3アルキルであり、R2は水素またはC1〜C3アルキルであり、R3は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−メチル−3−ピリジル、4−メチル−3−ピリジル、2−フリル、5−メチル−2−フリル、2,5−ジメチル−3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、5−メチル−2−チエニル、2−フェノチアジニル、4−ピラジニル、2−ベンゾフリル、N−オキシド−2−ピリジル、N−オキシド−3−ピロジル、N−オキシド−4−ピリジル、1H−インドール−2−イル、1H−インドール−3−イル、1−メチル−1H−ピロール−2−イル、4−キノリニル、1−メチル−ピリジニウム−4−イルヨージド、ジメチルアミノフェニル、またはN−アセチル−N−メチルアミノフェニルであり、R4は水素、C1〜C3アルキル、−CO−CO−O−C2H5またはN,N−ジメチルアミノエチルであり、R5、R6、R7およびR8の少なくとも1つは、C1〜C6アルキル、C1〜C3アルコキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、フェニル、アミノ、モノ−(C1〜C3−アルキル)アミノ、ジ(C1〜C3−アルキル)アミノ、C2〜C4アルカノイル、プロペニルオキシ、カルボキシ、カルボキシメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、スルファニルアミド、N,N−ジ(C1〜C3アルキル)スルファニルアミド、N−メチルピペラジニル、ピペリジニル、1H−イミダゾール−1−イル、1H−トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1−ナフチル、シクロペンチル、3,4−ジメチルベンジル、または次の式の1つの基:
−CO2R、−NH−C(=O)−R、−N(R)−C(=O)−R、
−O−(CH2)n−N(R)−R、−C(=O)−NH−(CH2)n−N(R)−R、−CH(CH3)−NH−CHO、−C(CH3)=N−OH、
−C(CH3)=N−O−CH3、−C(CH3)−NH2、−NH−CH2−C(=O)−N(R)−R、
−(CH2)m−R10、−X−(CH2)m−R10、
(式中、RはC1〜C3アルキルであり、Xは酸素または硫黄であり、mは1、2または3であり、nは2または3であり、R9は水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、クロロ、ブロモ、ヨードまたはトリフルオロメチルであり、R10は1H−イミダゾール−1−イルまたはモルホリニルであり、またR11はC1〜C3アルキルまたは非置換フェニル、あるいはC1〜C3アルキル、ハロゲンまたはトリフルオロメチルによって一置換されたフェニルである)であり、また他の置換基R5、R6、R7およびR8は水素である。
【0014】
EP 0564 409において、一般式Vの化合物:
【0015】
【化5】


または少なくとも1つの塩生成基を有するこのような化合物の塩が開示されており、
式中、
は、ピラジニル、1−メチル−1H−ピロリル、アミノ−もしくはアミノ−低級アルキル−置換フェニル(このアミノ基は、それぞれの場合において、遊離、アルキル化またはアシル化されている)、5員環内炭素原子で結合した1H−インドリルまたは1H−イミダゾリル、あるいは環内炭素原子で結合した非置換もしくは低級アルキル置換ピリジル(窒素原子で酸素により置換されていないかもしくは置換されている)であり、R、Rはそれぞれ、互いに独立に、水素または低級アルキルであり、基R、R、R、RおよびRの1つまたは2つは、それぞれ、ニトロ、フルオロ置換低級アルコキシ、または次の式(Va)の基、
−N(R)−C(=X)−(Y)−R10(Va)
(式中、
は水素または低級アルキルであり、
Xはオキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノまたはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノであり、
Yは酸素または基NHであり、
Nは0または1であり、また
R10は、少なくとも5個の炭素原子を有する脂肪族基、あるいは、芳香族基、芳香族−脂肪族基、脂環式基、脂環式−脂肪族基、複素環式基、または複素環式−脂肪族基である)であり、R、R、R、RおよびRの残りの基はそれぞれ、互いに独立に、水素、低級アルキル(非置換であるか、あるいは、遊離もしくはアルキル化アミノ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルによって、またはモルホリニルによって置換されている)、または低級アルカノイル、トリフルオロメチル、遊離、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシル、遊離、アルキル化もしくはアシル化アミノまたは遊離もしくはエステル化カルボキシである。
【0016】
WO 9509847において、一般式VIのN−フェニル−2−ピリミジンアミン誘導体:
【0017】
【化6】


または少なくとも1つの塩生成基を有するこのような化合物の塩が開示されており、
式中、
R1は、ナフチル、フルオレニル、アントラセニルまたは置換された環式基であり、この環式基はそれぞれの場合に環内炭素原子で結合しており、フェニル、ピリジル、1H−インドリル、ピラジニル、チアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびイミダゾリルから選択され、このフェニル基の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、非置換またはハロゲン置換低級アルコキシから、式VIa、
C(=O)−(O)m−R3(VIa)
(式中、mは0または1であり、また
R3は、水素、ベンジル、低級アルキルまたはアミノ−低級アルキル(このアミノ基は、遊離、低級アルキル化または低級アルカノイル化されている)である)の基から、式m、−C(=O)−N(R4)R5(VIb)(式中、R4およびR5はそれぞれ、互いに独立に、水素、あるいは非置換であるか、またはアミノ−もしくはヒドロキシ−置換低級アルキルである)の基から、式VIc、
−SO2−N(R6)R7(VIc)
(式中、R6およびR7はそれぞれ、互いに独立に、水素、低級アルキルまたはアミノ−低級アルキルであるか、あるいは、
R6およびR7は一緒に2価の基、−(CH2)2−NH−(CH2)2−を生成する)の基から、また式VId、
−N(R8)R9(VId)
(式中、R8およびR9はそれぞれ、互いに独立に、低級アルキルであるか、あるいは、R8が水素であり、R9はアミノ−またはアミノ−シクロヘキシルであるか、あるいは、イミダゾリル、グアニジル、低級アルキルアミノ−カルボニルアミノ、アミジノ、ジ−低級アルキルアミノ−シクロヘキシル、ピペラジニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−ヒドロキシ−カルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジヒドロキシホスホリルオキシによって、またはホルミルピペラジニルによって置換されている低級アルキルである)の基から選択され、他の前記環式基の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ−低級アルキル、非置換またはハロゲン置換低級アルコキシ、フタルイミド置換低級アルキルから、前記の式VIa、mまたはVIcの基から、また、式VII、
−N(R10)R11(VII)
(式中、R10およびR11はそれぞれ、互いに独立に、水素または低級アルキルであるか、あるいは、R10が水素であり、R11はアミノもしくはアミノ−シクロヘキシルであるか、または、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、イミダゾリル、グアニジル、低級アルキルアミノ−カルボニルアミノ、アミジノ、ジ−低級アルキルアミノ−シクロヘキシル、ピペラジニル、ホルミルピペラジニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−ヒドロキシ−カルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ジヒドロキシホスホリルオキシによって、もしくはグリシルアミドによって置換されている低級アルキルである)の基から選択され;また
R2は、ニトロ、フッ素置換低級アルコキシ、または式VIIIの基、
−N(R12)−C(=X)−(Y)n−R13(VIII)
(式中、
R12は水素または低級アルキルであり、
Xは、オキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノまたはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノであり、
Yは酸素または基NHであり、nは0または1であり、また
R13は、少なくとも5個の炭素原子を有する脂肪族基、芳香族基、芳香族脂肪族基、脂環式基、脂環式−脂肪族基、複素環式基、または複素環式−脂肪族基である)
である。
【0018】
さらに、EP 0564409は、アテローム性動脈硬化症の治療における前記化合物の使用を開示する。特許WO 9903854は、癌の治療におけるチロシンキナーゼ阻害剤としてのピリジルピリミジンアミン誘導体、特に、Gleevec(商標)(Novartisの式IXの化合物CGP57148)の使用を記載する。Gleevec(商標)について報告されているIC50の値は38ナノモル(nm)である。
【0019】
【化7】


【0020】
2001年9月11日出願の最近のNovartisの特許WO 0222597において、式(X)の化合物:
【0021】
【化8】


または少なくとも1つの塩生成基を有するこのような化合物の塩が開示され、
式中、
R1はピラジニル;1−メチル−1H−ピロリル;アミノ−もしくはアミノ−低級アルキル置換フェニル(このアミノ基はそれぞれの場合に、遊離、アルキル化またはアシル化されている);1H−インドールもしくは1H−イミダゾリル(5員環内炭素原子で結合している);あるいは、非置換または低級アルキル置換ピリジル(環内炭素原子で結合しており、また窒素原子で酸素により置換されていないかもしくは置換されている);であり、R2およびR3はそれぞれ、互いに独立に、水素または低級アルキルであり、基R4、R5、R6、R7およびR8の1つは、式11、−N(R9)−C(=X)−(Y)n−R10の基であり、
[式中、
R9は水素または低級アルキルであり、
Xは、オキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノまたはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノであり、
Yは、酸素または基NHであり、nは0または1であり、また
R10はフェニルであり、このフェニルは、a)アミノ;モノ−またはジ低級アルキルアミノ;低級アルカノイルアミノ;ホルミル;低級アルコキシ−カルボニル;および低級アルキル(アミノ、モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノまたは低級アルカノイルアミノによって置換されている)からなる群から選択される基によって置換されているか、あるいは、b)ベンジルアミノ;ベンゾイルアミノ;ピロリジニル;ピペリジル、;ピペラジニル;ピペラジニル−カルボニル;モルホリニル;および、低級アルキル(ベンジルアミノ、ベンゾイルアミノ、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニルまたはモルホリニルによって置換されている)からなる群から選択される非置換であるかまたは置換された基(この置換された基の置換基は、シアノ;低級アルキル;ヒドロキシ−もしくはアミノ置換低級アルキル;トリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;アミノ;モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ;低級アルカノイルアミノ;ベンゾイルアミノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニルおよびハロゲンからなる群から選択される)によって置換されており、c)所望により、シアノ;低級アルキル;ヒドロキシ−もしくはアミノ−置換低級アルキル;トリフルオロメチル;ヒドロキシ;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;アミノ;モノ−もしくはジ−低級アルキルアミノ;低級アルカノイルアミノ;ベンゾイルアミノ;カルボキシ;低級アルコキシカルボニルおよびハロゲンからなる群から選択される1つまたは複数の基によってさらに置換されているが、但し、R10は(4−メチル−ピペラジニル)−メチルフェニルではなく、基R4、R5、R6、R7およびR8の残りは、ぞれぞれ、互いに独立に、水素;低級アルキル(非置換であるか、または、遊離もしくはアルキル化アミノ、ピペラジニル、ピペリジル、ピロリジニルもしくはモルホリニルによって置換されている);低級アルカノール;トリフルオロメチル;遊離、エーテル化、もしくはエステル化ヒドロキシ;遊離、アルキル化もしくはアシル化アミノ;あるいは、遊離またはエステル化カルボキシである。
【0022】
前記の部類に入るフェニルアミノピリドピリミジンは、白血病[特に、慢性骨髄性白血病(CML)および急性リンパ球性白血病、これらでは、特にアポトーシス的な作用機構が見出されている]のようなbcr−abl陽性癌および腫瘍疾患の治療に非常に有用であることが見出されていることが知られている。結果として、関心および注目は、前記の化合物の部類に入る、さらに多くの新しい分子の開発に注がれている。
【0023】
前記の目的を考慮しながら、本発明者等は前記の方向におけるR&Dを続け、新しい分子ならびにこのような分子の調製方法の改善の両方についての特許を出願してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明の主な目的は、上で定義された一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、0.1から10.0nmの範囲のIC50値を有する、上で定義された一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、CMLの治療に有用である、上で定義された一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩を提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、上で定義された一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩の調製方法を提供することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、CMLの治療に有用な、一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩を含む医薬組成物を提供することである。
【0029】
本発明のさらに別の目的は、上で定義された一般式(I)の新規フェニルアミノピリドピリミジンおよび薬学的に許容されるそれらの塩を含む医薬組成物の調製方法を提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、上で定義された式(I)の新規化合物の調製に有用な新規中間体を提供することである。
【0031】
本発明のさらに別の目的は、上で定義された式(I)の新規化合物の調製に有用な新規中間体の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
こうして、本発明は一般式(I)のフェニルアミノピリドピリミジン:
【0033】
【化9】


および薬学的に許容されるこれらの塩を提供する。
【0034】
式中、記号は次の意味を有する。
【表2】

【0035】
上の化合物のトリフルオロメチル基は、好ましくは、フェニル/ピリジニルに3位で結合しており(n=1の場合)、2つのこのような基が存在する場合、それらは好ましくは、3、5位で結合している(n=2の場合)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
特に好ましいのは、Rがメチル基を表し、トリフルオロメチル基がフェニル環/ピリジニル環の3位に存在する一般式(I)の化合物であり(n=1、シリーズA、シリーズB)、2つのこのような基が存在する場合、3、5位での結合が好ましい(n=2、シリーズA)。
【0037】
特に非常に好ましいのは、Rがメチル基を表し、トリフルオロメチル基がフェニル環の3位、および3、5位に存在する(n=1および2、シリーズA)一般式(I)の化合物である。
【0038】
前記化合物は、文献に報告されていないので、新規である。
【0039】
式(I)の化合物は薬学的に許容される塩を生成する。例えば、塩は、塩酸、硫酸、リン酸のような無機酸により、(あるいは)適切な有機カルボン酸(もしくは)スルホン酸により、例えば、脂肪族モノ−(もしくは)ジカルボン酸(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸(もしくは)シュウ酸)、(または)アミノ酸(例えば、アルギニン(もしくは)リシン)、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、サリチル酸)、芳香族脂肪族カルボン酸(例えば、ニコチン酸)、脂肪族スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸)ならびに芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼンおよび4−トルエンスルホン酸)により生成される。
【0040】
しかし、薬学的に許容される無毒の塩だけが治療の目的で使用されるので、これらの塩が好ましい。
【0041】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの新規フェニルアミノピリドピリミジン:
【0042】
【化10】


(記号は下に記載されている意味を有する)および薬学的に許容されるこれらの酸付加塩の調製方法が提供され、この方法は、以下のiからiVを含む。
【0043】
(i)式(XI)の4−メチル−3−ニトロアニリン:
【0044】
【化11】


(式中、Rは水素またはメチルを表す)と、式(XII)のトリフルオロメチルアロイルクロライド:
【0045】
【化12】


(nは1または2を表し、XはNまたはHを表す)とを、30から40℃の範囲の温度で、塩素化炭化水素溶媒および塩基の存在下で縮合させて、新規中間体である式(XIII)のニトロトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0046】
【化13】


(Rおよびnは前記の意味を有する)を得ること。
【0047】
(ii)得られた式(XIII)の新規化合物を、金属−酸の還元剤を用いて、0〜5℃の範囲の温度で還元して、新規中間体である式(XIV)のアミノトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0048】
【化14】


(Rおよびnは前記の意味を有する)を得ること。
【0049】
(iii)式(XIV)の化合物とシアナミド(CNNH)とを、60から95℃の範囲の温度で、極性溶媒および無機酸の存在下で縮合させて、新規中間体である式(XV)のグアニジノトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0050】
【化15】


(Rおよびnは前記の意味を有する)の塩を得ること。および
【0051】
(iv)式(XV)の新規化合物と式(XVI)の化合物とを、30から40℃の範囲の温度で、塩基の存在下で縮合させて、一般式(I)(R、n、Xは上で定義された通りである)の新規化合物を得ること、また、望ましければ、式Iの新規化合物を通常の方法によって薬学的に許容される塩に変換すること。
【0052】
上で定義した方法が下に記載されるスキームIに示されている。
【0053】
【化16】

【0054】
【化17】

【0055】
【化18】

【0056】
【化19】

【0057】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの新規化合物の調製のための中間体として有用な、式(XIII)の新規ニトロトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0058】
【化20】


の調製方法が提供され、この方法は、式(XI)の4−メチル−3−ニトロアニリン:
【0059】
【化21】


(式中、Rは水素またはメチルを表す)と、式(XII)のトリフルオロメチルアロイルクロライド:
【0060】
【化22】


(nは1または2を表し、XはNまたはHを表す)とを、30から40℃の範囲の温度で、塩素化炭化水素溶媒および塩基の存在下で縮合させて、新規中間体である式(XIII)のニトロトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0061】
【化23】


を得ることを含む。
【0062】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの新規化合物の調製に有用な、式(XIV)の新規アミノトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0063】
【化24】


(Rおよびnは前記の意味を有する)の調製方法が提供され、この方法は、式(XIII)の新規化合物を、金属−酸の還元剤を用いて、0〜5℃の範囲の温度で還元して、式XIVの新規化合物を得ることを含む。
【0064】
本発明の別の実施形態によれば、式Iの新規化合物の調製のための中間体として有用な、式(XV)の新規グアニジノトリフルオロメチルアロイルアミド:
【0065】
【化25】


(Rおよびnは前記の意味を有する)の塩の調製方法が提供され、この方法は、式(XIV)の化合物とシアナミド(CNNH)とを、60から95℃の範囲の温度で、極性溶媒および無機酸の存在下で縮合させて、式(XV)の新規中間体を得ることを含む。
【0066】
本発明の好ましい実施形態において、工程(i)において使用される塩素化炭化水素溶媒は、クロロホルム、塩化メチレンまたは塩化エチレンから選択され、好ましくはクロロホルムであり得る。
【0067】
使用される塩基は、トリエチルアミン、ジプロピルアミンまたはジイソプロピルアミンから選択され、好ましくはトリエチルアミンであり得る。温度は、好ましくは30から40℃の範囲にあり得る。
【0068】
別の実施形態において、式XIIの新規化合物を還元するための工程(ii)において使用される金属−酸の還元剤は、塩化第一スズ/濃HCl、鉄/濃HCl、亜鉛−濃HClから選択され、好ましくは塩化第一スズ/濃HClであり得る。
【0069】
工程(iii)において使用される極性溶媒は、n−プロパノール、イソプロパノール、エタノール、n−ブタノールまたはこれらの混合物から選択され、好ましくはn−ブタノールであり得る。
【0070】
好ましくは、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムのような塩基が、工程(iv)において用いられ、その温度は90から95℃の範囲であり得る。
【0071】
本発明のさらに別の実施形態において、上で定義された一般式Iの化合物の別の調製方法が提供される。
【0072】
こうして、本発明は、上で定義された一般式Iの化合物の調製方法を提供し、この方法は以下のiおよびiiを含む。
【0073】
(i)式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン:
【0074】
【化26】


を通常の方法によって調製すること。
【0075】
(ii)式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミンと、式(XII)のトリフルオロメチルアロイルクロライドとを縮合させて、一般式I[R、n、Xは上で定義された通りである]の新規化合物を得ること。
【0076】
上で定義された式(I)の化合物は、bcr−ablキナーゼを阻害するので、上で説明したように、白血病(特に、慢性骨髄性白血病(CML)および急性リンパ球性白血病、これらでは、特にアポトーシス的な作用機構が見出されている)のような、bcr−abl陽性癌および腫瘍疾患の治療に適している。
【0077】
本発明は、活性成分の有効量を、特に前記疾患の1つの防止または治療に有効な量を、薬学的に許容される担体(局所、経腸(例えば経口もしくは直腸)、または非経口投与に適しており、また無機または有機の固体または液体であり得る)と共に含む医薬組成物に関する。(複数の)活性成分以外に、本発明の医薬組成物は1種または複数の賦形剤またはアジュバントを含み得る。賦形剤の選択および使用量は、処方技師が、経験と、その分野における標準的手順および参考文献についての配慮に基づいて、容易に決めることができる。
【0078】
稀釈剤は固体医薬組成物の嵩を増し、この組成物を含む医薬の剤形が患者および治療奉仕者にとってより取り扱い易いようにすることができる。固体組成物のための稀釈剤には、例えば、マイクロクリスタリンセルロース(例えば、Avicel(登録商標))、マイクロファインセルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン(pregelitinized starch)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクが含まれる。
【0079】
剤形(例えばカプセル)に詰め込まれた固体医薬組成物は、活性成分と他の賦形剤とが圧縮後に結合するのを助けることもその機能である賦形剤を含み得る。固体医薬組成物のための結合剤には、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、carbopol)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水添植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、Methocel(登録商標))、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびデンプンが含まれる。
【0080】
詰め込まれた固体医薬組成物の、患者の胃の中での溶解速度は、組成物に崩壊剤を添加することによって増すことができる。崩壊剤には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(例えば、Ac−Di−Sol(登録商標)、Primellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Polyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、マイクロクリスタリンセルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))およびデンプンが含まれる。
【0081】
詰め込まれていない個体組成物の流動性を改善するために、また投薬量の正確さを向上させるために、滑剤を添加してもよい。滑剤として機能し得る賦形剤には、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルクおよびリン酸三カルシウムが含まれる。
【0082】
カプセルのような剤形が粉末組成物の詰込みによって製造される場合、その組成物はポンチとダイスによる圧力を受ける。いくつかの賦形剤および活性成分は、ポンチおよびダイスの表面に付着する傾向を有するために、製品に窪みや他の表面異常を生じ得る。付着を減らし、ダイスからの製品の取出しを容易にするために、組成物に滑沢剤を添加してもよい。滑沢剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水添ヒマシ油、水添植物油、ミネラルオイル、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛が含まれる。
【0083】
矯味矯臭剤および矯味矯臭増強剤は、剤形を患者にとって、より口に合うものにする。本発明の組成物に含め得る、医薬製品のための一般的な矯味矯臭剤および矯味矯臭増強剤には、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、および酒石酸が含まれる。
【0084】
固体組成物はまた、それらの外観を向上させ、および/または、患者による確認を容易にするために、薬学的に許容される着色剤のいずれかを用いて着色されてもよい。
【0085】
本発明の詳細が下に記載される実施例において記載され、これらの実施例は、本発明を例示するためにのみ記載されており、したがって、それらは本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0086】
実施例1
式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドの調製:
工程I:式(XIII)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドの調製:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる3−トリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0087】
塩化チオニル(312.0g、2.63mol)を、3−トリフルオロメチル安息香酸(100g、0.53mol)のクロロホルム(1000ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを、減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られたトリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、100mlのクロロホルムに溶かす。
【0088】
4−メチル−3−ニトロアニリン(49.0g、0.32mol)のクロロホルム(600ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(161.0g、1.59mol)を加える。前記の通り調製したトリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で60〜75分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。この懸濁液を800mlの残留容量になるまで蒸留濃縮し、濾過し、冷クロロホルム(250ml)で洗い、真空乾燥して、式(IV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドの85.0g(83%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98%)融解範囲:162〜164℃。
【0089】
工程II:式(XIV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの調製:
工程1において記載した方法によって調製した式(XIII)の(3−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(85g、0.26mol)および塩化第一スズ(297.5g、1.3mol)の無水エタノール(490ml)懸濁液を、還流温度に30分間加熱する。次いで、得られた懸濁液を室温に冷却し、4Lの氷冷水に投入する。この反応混合物のpHを8.0に、2.4Lの5%水酸化ナトリウム溶液により調節し、2×2Lの酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を、水および塩水(brine)で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチルを完全に留去し、残留物に500mlのヘキサンを加え、濾過する。濾過ケーキを60℃で真空乾燥して、式(XIV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの60.0g(80%)を、黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98.2%)融解範囲:145〜149℃。
【0090】
工程III:式(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(3−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの調製:
工程IIに記載した方法によって調製した式(XIV)の(3−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(60g、0.20mol)のn−ブタノール(400ml)懸濁液を順次、pHが2.5になるまで濃硝酸(13g)により、またシアナミド(12.6g、0.3mol)の水(13ml)溶液により、30分間かけて処理する。得られた反応混合物を還流温度で6時間撹拌する。次いで、反応混合物を真空下に完全に留去し、残留物を室温になるまで放冷する。240mlのメタノールおよび240mlのIPEの混合物を反応物に加え、室温で1時間撹拌する。生成物を吸引濾過し、メタノールおよびIPEの混合物(3×50ml)で洗い、60℃で真空乾燥して、式(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(3−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの硝酸塩の43.2g(理論値の53%)を得る(HPLCによる面積99%)融解範囲:243〜245℃。
【0091】
工程(IV):式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドの調製:
工程(XV)に記載した方法によって調製した(3−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド硝酸塩(43g、0.11mol)のn−ブタノール(290ml)懸濁液(窒素雰囲気下にある)を、水酸化ナトリウムのフレーク(6.9g、0.17mol)および3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−3−イル−プロペノン(18.6g、0.11mol)により順次処理する。得られた懸濁液を還流温度に2時間加熱する。反応混合物は均一な濃いオレンジ色の溶液になり、n−ブタノールの蒸留によってジメチルアミンを除去する。反応物を室温まで冷却し、水およびクロロホルム(250ml+250ml)の混合物を加え、クロロホルム層を分取する。クロロホルム層を水で洗い、40mlの残留容量になるまで蒸留濃縮する。酢酸エチル(200ml)を反応物に加え、吸引濾過し、分離した固体を酢酸エチル(2×50ml)および水(2×50ml)で洗い、60℃で真空乾燥する。収量:薄い黄色の結晶として、式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドを29.0g(理論値の60%)
(HPLCによる純度99.89%)融解範囲:211〜213℃。
IC50:8nM(図1)
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ):
2.23(s,3H);7.20〜9.28(アリール,13H);10.42(s,1H)
分析 :C2418
分子量 :449.0
IR :KBrディスク
−NH−C=O :3445cm−1
−NH−C=O :1648cm−1
【0092】
実施例2
式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドの別の調製方法:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる3−トリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0093】
塩化チオニル(2.65kg、3.72mol)を、3−トリフルオロメチル安息香酸(0.848kg、4.46mol)およびDMF(8.5ml)のクロロホルム(9L)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた3−トリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、600mlのクロロホルムに溶かす。
【0094】
式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン(1.03kg、3.72mol)のクロロホルム(9L)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(1.35kg、13.37mol)を加える。前記の通りに調製したトリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で、60〜75分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。懸濁液を、残留容量が6Lになるまで留去し、濾過し、脱塩水およびメタノール(2.5L)で洗い、真空乾燥して、式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドの1kg(60%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる面積95.0%)。この生成物を、3倍の容量の酢酸エチルにより還流し、40℃で濾過することによってさらに精製した[0.85kg、50.9%](HPLCによる純度98.5%)融解範囲:210〜213℃。
【0095】
実施例3
(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の調製
工程I:新規(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の調製:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0096】
塩化チオニル(576.0g、4.8mol)を、3,5−ビストリフルオロメチル安息香酸(Lancaster)(250g、0.97mol)のクロロホルム(2.5L)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを、減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、400mlのクロロホルムに溶かす。4−メチル−3−ニトロアニリン(92.0g、0.60mol)のクロロホルム(1.2L)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(304.8g、3.0mol)を加える。3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で60〜75分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。この懸濁液を800mlの残留容量になるまで蒸留濃縮し、濾過し、冷クロロホルム(200ml)で洗い、真空乾燥して、新規(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の160.0g(68%)を、クリーム色の結晶として得る(HPLCによる純度98.2%)融解範囲:123〜130℃。
【0097】
工程II:(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XIV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の調製:
新規(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)(160g、0.41mol)および塩化第一スズ(460.8g、2.0mol)の無水エタノール(850ml)懸濁液を、還流温度に40分間加熱する。次いで、得られた懸濁液を室温に冷却し、5Lの氷冷水に投入する。この反応混合物のpHを8.0に、4.3Lの5%水酸化ナトリウム溶液により調節し、2×2Lの酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を、水および塩水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチルを完全に留去し、残留物に500mlのヘキサンを加え、濾過する。濾過ケーキを60℃で真空乾燥して、式(V)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の新規(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの96.0g(65%)を、黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98.5%)融解範囲:153〜156℃。
【0098】
工程III:(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の調製:
(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(90g、0.20mol)のn−ブタノール(500ml)懸濁液を順次、pHが2.5になるまで濃硝酸(15.9g)により、またシアナミド(15.7g、0.37mol)の水(15ml)溶液により、30分間かけて処理する。得られた反応混合物を還流温度で6時間撹拌する。次いで、反応混合物を真空下に完全に留去し、残留物を室温になるまで放冷する。180mlのメタノールおよび180mlのIPEの混合物を反応物に加え、室温で1時間撹拌する。生成物を吸引濾過し、メタノールおよびIPEの混合物(3×50ml)で洗い、60℃で真空乾燥して、式(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の新規(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの硝酸塩の72.0g(理論値の62%)を得る(HPLCによる純度99.2%)融解範囲:285〜287℃。
【0099】
工程(IV):(3、5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の調製:
(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド硝酸塩(70g、0.15mol)のn−ブタノール(470ml)懸濁液(窒素雰囲気下にある)を、水酸化ナトリウムのフレーク(7.0g、0.18mol)および3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−3−イル−プロペノン(28.0g、0.16mol)により順次処理する。得られた懸濁液を還流温度に2時間加熱する。反応混合物は均一な濃いオレンジ色の溶液になり、n−ブタノールの蒸留によってジメチルアミンを除去する。反応物を室温まで冷却し、水およびクロロホルム(300ml+300ml)の混合物を加え、クロロホルム層を分取する。クロロホルム層を水で洗い、70mlの残留容量になるまで蒸留濃縮する。酢酸エチル(350ml)を反応物に加え、吸引濾過し、分離した固体を酢酸エチル(2×50ml)および水(2×50ml)で洗い、60℃で真空乾燥する。収量:薄い黄色の結晶として、式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の(3、5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドを48.0g(理論値の62%)(HPLCによる純度99.9%)
融解範囲:248〜250℃、IC50:0.7nm(図2)
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ):
2.24(s,3H);7.22〜9.28(アリール,12H);10.61(s,1H)
分析 :C2517
分子量 :517.0
IR :KBrディスク
−NH−C=O :3445.3cm−1
−NH−C=O :1651.6cm−1
【0100】
実施例4
(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の別の調製方法
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0101】
塩化チオニル(2.04kg、17.2mol)を、3、5−ビストリフルオロメチル安息香酸(855.0g、3.3mol)およびDMF(9ml)のクロロホルム(9L)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、700mlのクロロホルムに溶かす。
【0102】
式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン(0.73kg、2.64mol)のクロロホルム(9L)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(1.03kg、10.2mol)を加える。3,5−ビストリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で、60〜75分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。懸濁液を、濾過し、脱塩水およびメタノールで洗い、1.3kgの湿った標題の粗化合物を得て、メタノールからの晶析により(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=2である)の0.82kg(60%)を、クリーム色の結晶として得る(HPLCによる純度99.9%)融解範囲:248〜250℃。
【0103】
実施例5
(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の調製:
工程I:新規(2−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(式XIII)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の調製:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いるトリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0104】
塩化チオニル(62.4g、0.53mol)を、2−トリフルオロメチル安息香酸(Aldrich)(20.0g、0.106mol)のクロロホルム(200ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを、減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られたトリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、100mlのクロロホルムに溶かす。4−メチル−3−ニトロアニリン(9.80g、0.06mol)のクロロホルム(120ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(32.2g、0.32mol)を加える。前記の通り調製したトリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で30〜45分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。この懸濁液を150mlの残留容量になるまで蒸留濃縮し、濾過し、冷クロロホルムで洗い、真空乾燥して、式(XIII)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(2−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドの19.0g(92%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる純度97.50%)融解範囲:120〜130℃。
【0105】
工程II:式(XIV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(2−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの調製:
工程Iに記載した方法によって調製した式(XIII)の(2−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(19g、0.058mol)および塩化第一スズ(59.5g、0.26mol)の無水エタノール(100ml)懸濁液を、還流温度に30分間加熱する。次いで、得られた懸濁液を室温に冷却し、1Lの氷冷水に投入する。この反応混合物のpHを8.0に、0.5Lの5%水酸化ナトリウム溶液により調節し、2×0.5Lの酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を、水および塩水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチルを完全に留去し、残留物に100mlのヘキサンを加え、濾過する。濾過ケーキを60℃で真空乾燥して、式(XIV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(2−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの14.0g(83%)を、黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98.4%)融解範囲:128〜135℃。
【0106】
工程III:式(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(2−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド調製:
工程(II)に記載した方法によって調製した式(XIV)の(2−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(14g、0.047mol)のn−ブタノール(100ml)懸濁液を順次、pHが2.5になるまで濃硝酸(2.6g)により、またシアナミド(2.5g、0.06mol)の水(3ml)溶液により、10分間かけて処理する。得られた反応混合物を還流温度で4〜6時間撹拌する。次いで、反応混合物を真空下に完全に留去し、残留物を室温になるまで放冷する。50mlのメタノールおよび50mlのIPEの混合物を反応物に加え、室温で1時間撹拌する。生成物を吸引濾過し、メタノールおよびIPEの混合物(3×20ml)で洗い、60℃で真空乾燥して、式(XV)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(2−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの硝酸塩の8.6g(理論値の52%)を得る(HPLCによる純度99.1%)融解範囲:160〜165℃。
【0107】
工程(IV):式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドの調製:
工程(XV)に記載した方法によって調製したN−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−(2−トリフルオロメチル)−ベンズアミド硝酸塩(8.6g、0.02mol)のn−ブタノール(60ml)懸濁液(窒素雰囲気下にある)を、水酸化ナトリウムのフレーク(1.4g、0.03mol)および3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−3−イル−プロペノン(3.72g、0.02mol)により順次処理する。得られた懸濁液を還流温度に2時間加熱する。反応混合物は均一な濃いオレンジ色の溶液になり、n−ブタノールの蒸留によってジメチルアミンを除去する。反応物を室温まで冷却し、水およびクロロホルム(50ml+50ml)の混合物を加え、クロロホルム層を分取する。クロロホルム層を水で洗い、10mlの残留容量になるまで蒸留濃縮する。酢酸エチル(40ml)を反応物に加え、吸引濾過し、分離した固体を酢酸エチル(2×10ml)および水(2×10ml)で洗い、60℃で真空乾燥する。収量:くすんだ白色の結晶として、式(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の新規(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミドを6.2g(理論値の64%)融解範囲:206〜207℃。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ):
2.2(s,3H);7.20〜9.28(アリール,13H);10.4(s,1H)
分析 :C2418
分子量 :449.0
IR :KBrディスク
−NH−C=O :3431.2cm−1
−NH−C=O :1655.9cm−1
【0108】
実施例6
(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の別の調製方法:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる2−トリフルオロメチルベンゾイルクロライドを次の様にして調製する。
【0109】
塩化チオニル(156g、1.3mol)を、2−トリフルオロメチル安息香酸(50.0g、0.26mol)のクロロホルム(250ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られたトリフルオロメチルベンゾイルクロライドを室温まで冷却し、100mlのクロロホルムに溶かす。
【0110】
式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン(55.0g、0.20mol)のクロロホルム(440ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(79.6g、0.788mol)を加える。前記の通りに調製したトリフルオロメチルベンゾイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で、30〜45分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。懸濁液を、濾過し、脱塩水およびメタノールで洗い、真空乾燥して、新規4−(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド(I)(Rはメチルを表し、XはCHを表し、n=1である)の51.9g(58%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる純度99.50%)。
【0111】
実施例7
(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の調製:
工程I:式(XIII)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(6−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドの調製:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを次の様にして調製する。
【0112】
塩化チオニル(15.6g、0.13mol)を、6−トリフルオロメチルニコチン酸(GEORGANICS(コンソーシアム)、チェコ共和国)(5.0g、0.026mol)のクロロホルム(100ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを、減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを室温まで冷却し、10mlのクロロホルムに溶かす。4−メチル−3−ニトロアニリン(2.4g、0.016mol)のクロロホルム(50ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(8.0g、0.08mol)を加える。前記の通り調製した6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で30分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。この懸濁液を、濾過し、冷クロロホルムで洗い、真空乾燥して、式(XIII)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(6−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミドの3.6g(70%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98.0%)融解範囲:167〜171℃。
【0113】
工程II:式(XIV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(6−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの調製:
工程Iに記載した方法によって調製した式(XIII)の(6−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド(3.6g、0.011mol)および塩化第一スズ(12.4g、0.055mol)の無水エタノール(25ml)懸濁液を、還流温度に30分間加熱する。次いで、得られた懸濁液を室温に冷却し、0.28Lの氷冷水に投入する。この反応混合物のpHを8.0に、5%水酸化ナトリウム溶液により調節し、2×50mlの酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を、水および塩水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチルを完全に留去し、残留物に10mlのヘキサンを加え、濾過する。濾過ケーキを60℃で真空乾燥して、式(XIV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(3−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミドの3.0g(92%)を、黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98%)融解範囲:174〜180.5℃。
【0114】
工程III:式(XV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(6−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの調製:
工程(II)に記載した方法によって調製した式(XIV)の(6−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド(3.0g、0.01mol)のn−ブタノール(20ml)懸濁液を順次、pHが2.5になるまで濃硝酸(0.65g)により、またシアナミド(0.64g、0.015mol)の水(1ml)溶液により、5分間かけて処理する。得られた反応混合物を還流温度で5時間撹拌する。次いで、反応混合物を真空下に完全に留去し、残留物を室温になるまで放冷する。12mlのメタノールおよび12mlのIPEの混合物を反応物に加え、室温で1時間撹拌する。生成物を吸引濾過し、メタノールおよびIPEの混合物(3×10ml)で洗い、60℃で真空乾燥して、式(XV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(6−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの硝酸塩の1.70g(理論値の50%)を得る(HPLCによる純度99.1%)融解範囲:287.6〜292.4℃。
【0115】
工程IV:式(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミドの調製
工程(XV)に記載した方法によって調製した(6−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコシンアミド硝酸塩(1.7g、0.005mol)のn−ブタノール(12ml)懸濁液(窒素雰囲気下にある)を、水酸化ナトリウムのフレーク(0.22g、0.005mol)および3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−3−イル−プロペノン(0.85g、0.005mol)により順次処理する。得られた懸濁液を還流温度に2時間加熱する。反応混合物は均一な濃いオレンジ色の溶液になり、n−ブタノールの蒸留によってジメチルアミンを除去する。反応物を室温まで冷却し、水およびクロロホルム(50ml+50ml)の混合物を加え、クロロホルム層を分取する。クロロホルム層を水で洗い、5mlの残留容量になるまで蒸留濃縮する。酢酸エチル(25ml)を反応物に加え、吸引濾過し、分離した固体を酢酸エチルおよび水で洗い、60℃で真空乾燥する。収量:薄い黄色の結晶として、式(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミドを1.4g(理論値の62%)(HPLCによる純度99.9%)融解範囲:243〜244℃。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ):
2.2(s,3H);7.20〜9.28(アリール,12);10.7(s,1H)
分析 :C2317
分子量 :450.0
IR :KBrディスク
−NH−C=O :3444cm−1
−NH−C=O :1648cm−1
【0116】
実施例8
(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の別の調製方法:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを次の様にして調製する。
【0117】
塩化チオニル(15.6g、0.13mol)を、6−トリフルオロメチルニコチン酸(GEORGANICS(コンソーシアム)、チェコ共和国)(5.0g、0.026mol)のクロロホルム(100ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを室温まで冷却し、10mlのクロロホルムに溶かす。式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン(4.8g、0.016mol)のクロロホルム(50ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(8.0g、0.08mol)を加える。前記の通りに調製した6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で、30分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。懸濁液を、濾過し、脱塩水およびメタノールで洗い、真空乾燥して、新規(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の4.3g(60%)を、クリーム色の結晶として得る(HPLCによる純度98.0%)融解範囲:242〜244℃。
【0118】
実施例9
(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の調製:
工程I:式(XIII)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(5−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミドの調製:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる5−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを次の様にして調製する。
【0119】
塩化チオニル(15.6g、0.13mol)を、5−トリフルオロメチルニコチン酸(GEORGANICS(コンソーシアム)、チェコ共和国)(5.0g、0.026mol)のクロロホルム(100ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを、減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを室温まで冷却し、10mlのクロロホルムに溶かす。4−メチル−3−ニトロアニリン(2.4g、0.016mol)のクロロホルム(50ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(8.0g、0.08mol)を加える。前記の通り調製した6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で30分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。この懸濁液を、濾過し、冷クロロホルムで洗い、真空乾燥して、式(XIII)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(5−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミドの3.6g(70%)を、薄い黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98.0%)融解範囲:167〜171℃。
【0120】
工程II:式(XIV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(5−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの調製:
工程Iに記載した方法によって調製した式(XIII)の(5−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド(3.6g、0.011mol)および塩化第一スズ(12.4g、0.055mol)の無水エタノール(25ml)懸濁液を、還流温度に30分間加熱する。次いで、得られた懸濁液を室温に冷却し、0.28Lの氷冷水に投入する。この反応混合物のpHを8.0に、5%水酸化ナトリウム溶液により調節し、2×50mlの酢酸エチルで抽出する。この酢酸エチル層を、水および塩水で順次洗い、硫酸ナトリウムで乾燥する。酢酸エチルを完全に留去し、残留物に10mlのヘキサンを加え、濾過する。濾過ケーキを60℃で真空乾燥して、式(XIV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(5−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの3.0g(92%)を、黄色の結晶として得る(HPLCによる純度98%)融解範囲:174〜180.5℃。
【0121】
工程III:式(XV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(5−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの調製:
工程(II)に記載した方法によって調製した式(XIV)の(5−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド(3.0g、0.01mol)のn−ブタノール(20ml)懸濁液を順次、pHが2.5になるまで濃硝酸(0.65g)により、またシアナミド(0.64g、0.015mol)の水(1ml)溶液により、5分間かけて処理する。得られた反応混合物を還流温度で5時間撹拌する。次いで、反応混合物を真空下に完全に留去し、残留物を室温になるまで放冷する。12mlのメタノールおよび12mlのIPEの混合物を反応物に加え、室温で1時間撹拌する。生成物を吸引濾過し、メタノールおよびIPEの混合物(3×10ml)で洗い、60℃で真空乾燥して、式(XV)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(5−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミドの硝酸塩の1.70g(理論値の50%)を得る(HPLCによる純度99.1%)融解範囲:287.6〜292.4℃。
【0122】
工程IV:式(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミドの調製
工程(XV)に記載した方法によって調製した(5−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド硝酸塩(1.7g、0.005mol)のn−ブタノール(12ml)懸濁液(窒素雰囲気下にある)を、水酸化ナトリウムのフレーク(0.22g、0.005mol)および3−ジメチルアミノ−1−ピリジン−3−イル−プロペノン(0.85g、0.005mol)により順次処理する。得られた懸濁液を還流温度に2時間加熱する。反応混合物は均一な濃いオレンジ色の溶液になり、n−ブタノールの蒸留によってジメチルアミンを除去する。反応物を室温まで冷却し、水およびクロロホルム(50ml+50ml)の混合物を加え、クロロホルム層を分取する。クロロホルム層を水で洗い、5mlの残留容量になるまで蒸留濃縮する。酢酸エチル(25ml)を反応物に加え、吸引濾過し、分離した固体を酢酸エチルおよび水で洗い、60℃で真空乾燥する。収量:薄い黄色の結晶として、式(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の新規(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミドを1.4g(理論値の62%)(HPLCによる純度99.9%)融解範囲:243〜244℃。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,δ):
2.2(s,3H);7.20〜9.28(アリール,12);l0.7(s,1H)
分析 :C2317
分子量 :450.0
IR :KBrディスク
−NH−C=O :3444cm−1
−NH−C=O :1648cm−1
【0123】
実施例10
(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の別の調製方法:
第1の段階において、出発材料の1つとして用いる5−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを次の様にして調製する。
【0124】
塩化チオニル(15.6g、0.13mol)を、5−トリフルオロメチルニコチン酸(5.0g、0.026mol)のクロロホルム(100ml)溶液に、室温で15分間かけて加える。反応混合物を還流温度に1時間加熱する。過剰の塩化チオニルを減圧下に40℃で、クロロホルムと一緒に留去する。留去の終了後、得られた6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライドを室温まで冷却し、10mlのクロロホルムに溶かす。
【0125】
式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミン(4.8g、0.016mol)のクロロホルム(50ml)溶液を−5℃に冷却し、トリエチルアミン(8.0g、0.08mol)を加える。前記の通りに調製した6−トリフルオロメチルニコチノイルクロライド(クロロホルム中)を、−5℃で、30分間かけて滴下して加える。得られた懸濁液を−5℃で1時間撹拌する。懸濁液を、濾過し、脱塩水およびメタノールで洗い、真空乾燥して、新規(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド(I)(Rはメチルを表し、XはNを表し、n=1である)の4.3g(60%)を、クリーム色の結晶として得る(HPLCによる純度98.0%)融解範囲:242〜244℃。
【0126】
実施例11
実施例1[(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド]、および実施例3[(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド]において記載した方法によって調製した化合物の25mgおよび50mgを含み、次の組成を有するカプセルを通常の方法で調製した。
【0127】
【表3−1】

【表3−2】

【0128】
in vitroでの研究:
in vitroでの研究のために、実施例1および実施例3において記載した方法によって調製した式Iの化合物を細胞培養基DMSOに10mMの濃度で溶かす。実験のために、この保存溶液を同じ細胞培養基によりさらに稀釈し、0.1〜10μmの濃度で用いる。
【0129】
結果をここに開示する研究は、BCR−abl陽性細胞系K562(末期急性転化期にある慢性骨髄性白血病の53歳の女性の胸水から、LozzioおよびLozzio(1975)によって確立された無限増殖性細胞系)およびD32p210細胞系(BCR−ablをトランスフェクトした細胞系)を用いた。K562およびD32p210細胞は、10%のウシ胎仔血清を補充したRPMI培地において、37℃、5%のCOおよび95%の空気で成長させた。細胞を24時間毎に継代培養した。MTTアッセイによる細胞増殖を次の様にして行った。96ウェルプレートの1ウェル当たり5×10個の細胞を播種し、4ウェルを1組として1nMから100μMの範囲の様々な濃度の式(I)の化合物を加えた。必要とされる時間(24時間)化合物と共に細胞をインキュベートした後、5mg/mlのMTTを20μl加え(最終濃度100μg/ml)、さらに3時間、37℃、5%COでインキュベートした。3時間後、溶解緩衝液(10%のSDS,5%のイソブタノール、12mmol/LのHCl)中、37℃で終夜ホルマザン結晶を溶かす。吸光度を、570〜630nmの2波長で、ELISAリーダーで測定した。MTTアッセイにより、式(I)の化合物のIC50値を計算する。得られた値は、本明細書に添付の図1および図2に示すように、それぞれ8nMおよび0.7nMである。
【0130】
DNA断片化アッセイを次の様にして行った。細胞を式(I)の化合物により24時間処理し、SDS/プロテイナーゼK/RNアーゼA抽出法(この方法は、ゲノムDNAに汚染されることなく、断片化DNAだけを分離できる(Nucleic acids Res −22_:: 5506−5507, 1994))を用いて、断片化DNAを分離した。冷やしたリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で細胞を洗い、50mMのトリス塩酸(pH8.0)、1mMのEDTA、0.2%のトリトンX−100を含む緩衝液中、4℃で20分間溶解させた。14,000gで15分間遠心後、上澄みをプロテイナーゼK(0.5mg/ml)および1%のドデシル硫酸ナトリム(SDS)により、50℃で1時間処理した。緩衝化フェノールによりDNAを2回抽出し、140mMのNaClおよび2倍容量のエタノールにより、−20℃で終夜析出させた。DNA析出物を70%エタノール中で2回洗い、トリス−EDTA(TE)に溶かし、RNアーゼにより、37℃で1時間処理した。Proteinマイクロリットル(μl)のDNAを、3μlのDAN試料緩衝液(0.25%のブロモフェノールブルー、0.25%のキシレンシアノールおよび30%のグリセロール)と混合し、TBE(44.6mMのトリス、445mMのホウ酸および1mMのEDTA)中、1%のアガロースゲルに吸収させる。臭化エチジウム(0.5mg/ml)によりゲルを染色し、UV光に曝して、DNA断片を視覚化した。アポトーシスの存在が、約180〜200bpの倍数であるオリゴヌクレオソームDNA断片ラダーの出現により示された。図3に示すように、ゲル中のDNA断片により、上で指定された式(I)の化合物がbcr−abl陽性細胞系K562においてアポトーシスを誘発することがはっきりと示された。
【0131】
FACS分析:蛍光標示式細胞分取器(FACS)分析を次に様にして行った:
実施例1および実施例3において記載した方法によって調製した式(I)の化合物により処理したD32p210細胞のアポトーシス量を評価するために、ヨウ化プロピジウム(PI)を用いるフローサイトメトリー分析を実施した。D32p210細胞を式(I)の化合物により24時間処理した。処理後に、細胞を氷冷PBSで2回洗い、1mlの氷冷70%エタノールにより徐々に固定し、終夜4℃に保った。細胞を500×gで10分間の遠心により回収し、PBSにより2回洗い、0.1%のトリトンX−100、0.1mMのEDTA、RNアーゼA(50μg/ml)および50μg/mlのヨウ化プロピジウムを含む1mlのDNA染色液に再懸濁し、暗くして室温で1時間インキュベートした。個々の細胞の赤色蛍光を蛍光標示式細胞分取器(FACS)caliburフローサイトメーター(Becton Dickinson、サンノゼ、カリフォルニア州、米国)により測定した。1試料当たり最少でも10,000個の細胞を測定した。図4に示すように、DNAに化学量論的に結合したPIの蛍光を測定することによって、1細胞当たりの相対DNA数を得た。
【0132】
前記のin vitroアッセイおよび研究から導いた阻害定数Ki(阻害剤の酵素への結合定数)またはIC50(成長または活性が50%だけ阻害される阻害濃度)の値により、図5に示すように、上で指定した式(I)の化合物の阻害能力の基準が得られる。
【0133】
in Vitroキナーゼアッセイを次に様にして行った:
式I(実施例1)の化合物による、bcr−ablチロシンキナーゼのキナーゼ活性の阻害をウェスタンブロットおよび濃度分析によって定量化した。手短に言えば、5×10個の32Dp210細胞を、様々な濃度の式Iの化合物(実施例1、段階4)により30分間処理した。インキュベーションの最後に、細胞をペレット化し、PBSで洗い、50μlの溶解緩衝液(10mMのトリス塩酸(pH8.0)、150mMのNaCL、1%のトリトンX−100、1%のデオキシコール酸Na、0.1mMのオルトバナジン酸Na、50mMのβ−グリセロリン酸、50mMのNAF、1mMのPMSF、10μg/mlのロイペプチンおよび10μg/mlのペプスタチンを含む)中に溶解させた。コントロールは薬剤を加えない細胞であった。等量のタンパク質を6%SDSゲルに吸収させ、ニトロセルロース膜上に転移させた。5%の脱脂粉乳によりブロッキングした後、一次抗体(抗リン酸化チロシン抗体)を加えた。アルカリホスファターゼとコンジュゲートを形成した二次抗体を用いて、ブロットを発色させた。bcr−ablキナーゼのバンド強度を濃度分析により定量化した。
【0134】
式I(実施例1、段階IV)の化合物により誘発されるアポトーシスを位相差顕微鏡により観察した。アポトーシスのパーセンテージは53.3%であった。実施例1に記載した方法によって調製した式Iの化合物は、32Dp210細胞のbcr−ablキナーゼのキナーゼ活性を、投薬量に依存する方法で阻害し、濃度分析によって計算したIC50値は4nMであった。
【0135】
Ex−vivo研究を次の様にして行った:
フィコールヒストパックを用いて、リンパ球を、CMLの患者および正常なヒトから集めた末梢血液から抽出した。手短に言えば、この血液を、1:1の比で、0.96%NaCl(生理的食塩水)により稀釈し、注意深くフィコールヒストパック勾配の上に載せた。リンパ球の軟膜を、室温で20分間の1000rpmでの遠心により抽出した。パスツールピペットを用いてリンパ球を境界から注意深く取り出し、RPMI培地により1回洗った。
【0136】
前記の様にして分離したリンパ球を、37℃で、RPMI培地(10%のFBSを含む)および5%のCOで培養した。これらの細胞を48時間毎に継代培養した。
【0137】
48時間の培養後、(CMLの患者および正常なヒトからの)細胞を96ウェルプレートに、5×10個の細胞/ウェルの濃度で播種した。実施例1および実施例3において記載した方法によって調製した式(I)の化合物を様々な濃度で細胞に加え、24時間インキュベートした。インキュベーション後、MTTを細胞に加えて、さらに3時間インキュベートした。生成したホルマザン結晶を溶解緩衝液中で溶かし、吸光度を570〜630nmの2波長で測定した。細胞増殖の阻害パーセントを未反応細胞に関連させて計算した。MTTアッセイにより得た、細胞増殖阻害パーセントを表に要約する(図6)。
【0138】
発明の利点
1.式Iの新規化合物および新規中間体が開示される。
2.式Iの新規化合物が、in vitroおよびex−vivo研究により明白に示されたように、CMLの治療に潜在的に有用な治療薬であることが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】イマチニブ(Imatinib)アナログ(AN−015)のD32p210細胞の増殖についての効果を示す。
【図2】イマチニブアナログ(AN−019)のD32p210細胞の増殖についての効果を示す。
【図3】AN−015およびAN−019で処理したD32p210細胞から抽出したDNAのアガロースゲル電気泳動の結果を示す。
【図4】対照ならびにAN−015およびAN−019処理のD32p210細胞のフローサイトメトリーによる分析結果を示す。
【図5】AN−015(10nM)およびAN−019(700pM)で処理したD32p210細胞の位相差顕微鏡実験の結果を示す。
【図6】イマチニブ、AN−015およびAN−016の細胞増殖の阻害パーセントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】


[式中:
記号は以下の意義:
【表1】

を有する]
で示される新規なフェニルアミノピリドピリミジンまたはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
トリフルオロメチル基が(nが1の場合)3位にてフェニル/ピリジニルに結合し、かかる基が2個ある場合(nが2の場合)3,5位で結合する、ところの請求項1記載の式Iの新規な化合物。
【請求項3】
Rがメチル基を表し、フェニル/ピリジニル環の3位にてトリフルオロメチル基が存在することが好ましく(n=1、シリーズA、シリーズB)、かかる基が2個ある場合、3,5位にて結合することが好ましい(n=2)、ところの請求項1または2記載の式Iの新規な化合物。
【請求項4】
Rがメチル基を表し、トリフルオロメチル基がフェニル環の3位にて、または3,5−位にて存在する(n=1および2、シリーズA)、ところの請求項1ないし3に記載の式Iの新規な化合物。
【請求項5】
Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、式(I)の新規な(3−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項6】
Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=1である、式(I)の新規な(3−トリフルオロメチルチオ)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項7】
Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=1である、式(I)の新規な(3−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項8】
Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=1である、式(I)の新規な(3−トリフルオロメチルスルホニル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項9】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=2である、式Iの新規な(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項10】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=2である、式Iの新規な(3,5−ビストリフルオロメチルチオ)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項11】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=2である、式Iの新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルスルフィニル)]−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項12】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=2である、式Iの新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)]−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項13】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、式(I)の新規な(2−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ベンズアミド。
【請求項14】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、式(I)の新規な(6−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド。
【請求項15】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、式(I)の新規な(5−トリフルオロメチル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド。
【請求項16】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSを表し、n=1である、式(I)の新規な(5−トリフルオロメチルチオ)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド。
【請求項17】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSOを表し、n=1である、式(I)の新規な(5−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド。
【請求項18】
請求項1記載の式の新規な化合物である、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSO2を表し、n=1である、式(I)の新規な(5−トリフルオロメチルスルホニル)−N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−ニコチンアミド。
【請求項19】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、式(XIII)の中間体である(6−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドの新規な製法。
【請求項20】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=1である、式(XIII)の(3−トリフルオロメチルチオ)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドである新規な中間体。
【請求項21】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=1である、式(XIII)の(3−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドである新規な中間体。
【請求項22】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=1である、式(XIII)の(3−トリフルオロメチルスルホニル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミドである新規な中間体。
【請求項23】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=2である、新規な(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)。
【請求項24】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルチオ)]−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)。
【請求項25】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチル)]−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)。
【請求項26】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)]−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)。
【請求項27】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な(2−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ベンズアミド(XIII)である中間体。
【請求項28】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIII)の(6−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項29】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIII)の(5−トリフルオロメチル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項30】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSを表し、n=1である、新規な式(XIII)の(5−トリフルオロメチルチオ)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項31】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSOを表し、n=1である、新規な式(XIII)の(5−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項32】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、YがSO2を表し、n=1である、新規な式(XIII)の(5−トリフルオロメチルスルホニル)−N−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項33】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIV)の(3−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項34】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=1である、新規な式(XIV)の(3−トリフルオロメチルチオ)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項35】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=1である、新規な式(XIV)の(3−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項36】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=1である、新規な式(XIV)の(3−トリフルオロメチルスルホニル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項37】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=2である、新規な(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XIV)。
【請求項38】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルチオ)]−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XIV)。
【請求項39】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルスルフィニル)]−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XIV)。
【請求項40】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=2である、新規な[3,5−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)]−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XIV)。
【請求項41】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIV)の(2−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項42】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIV)の(6−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチルフェニル)−ニコチンアミド。
【請求項43】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XIV)の(5−トリフルオロメチル)−N−(3−アミノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項44】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、n=2である、新規な(3,5−ビストリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド(XV)。
【請求項45】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、Yが0(なし)を表し、n=1である、新規な式(XV)の(3−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−4−ベンズアミド。
【請求項46】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSを表し、n=1である、新規な式(XV)の(3−トリフルオロメチルチオ)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−4−ベンズアミド。
【請求項47】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSOを表し、n=1である、新規な式(XV)の(3−トリフルオロメチルスルフィニル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−4−ベンズアミド。
【請求項48】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、YがSO2を表し、n=1である、新規な式(XV)の(3−トリフルオロメチルスルホニル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−4−ベンズアミド。
【請求項49】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがCHを表し、n=1である、新規な式(XV)の(2−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ベンズアミド。
【請求項50】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、n=1である、新規な式(XV)の(6−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項51】
請求項1に記載の式の新規な化合物を調製するのに有用な、Rがメチルを表し、XがNを表し、n=1である、新規な式(XV)の(5−トリフルオロメチル)−N−(3−グアニジノ−4−メチル−フェニル)−ニコチンアミド。
【請求項52】
式I:
【化2】


[式中、記号は以下の意義:
【表1】

を有する]
で示される新規なフェニルアミノピリミジン、あるいはその医薬上許容される酸付加塩の製法であって、
(i)式(XI):
【化3】


[式中、Rは水素またはメチルを意味する]
で示される4−メチル−3−ニトロアニリンを、式(XII):
【化4】


[式中、nは1または2を表し、XはNまたはHを表し、Yは0(なし)、S、SO、SO2を意味する]
で示されるトリフルオロメチルアロイルクロライドと、塩素化炭化水素溶媒および塩基の存在下、30ないし40℃の範囲の温度で縮合させ、式(XIII):
【化5】


[式中、R、n、XおよびYは上記と同意義である]
で示される新規な中間体であるニトロトリフルオロメチルアロイルアミドを得、
(ii)式(XIII)で示される得られた新規な化合物を、0−5℃の範囲にて金属−酸の還元剤を用いて還元し、式(XIV):
【化6】


[式中、R、n、XおよびYは上記と同意義である]
で示される新規な中間体である、アミノトリフルオロメチルアロイルアミドを得;
(iii)式(XIV)の化合物を、極性溶媒および無機酸の存在下、60−95℃の範囲にある温度でシアナミド(CNNH)と縮合させ、式(XV):
【化7】


[式中、R、n、XおよびYは上記と同意義である]
で示される新規な中間体である、グアニジノトリフルオロメチルアロイルアミドの塩を得;
(iv)式(XV)の新規な化合物を、塩基の存在下、30ないし40℃の範囲の温度で式(XVI)の化合物と縮合させて、一般式(I)(ここで、R、n、Xは上記と同意義である)で示される新規な化合物を得、必要ならばその式(I)で示される新規な化合物を慣用的方法により医薬上許容される塩に変換することを含む、方法。
【請求項53】
式(I)の新規な化合物を調製するための中間体として有用な、式(XIII):
【化8】


で示される新規なニトロトリフルオロメチルアロイルアミドの調製方法であって、
式(XI):
【化9】


[式中、Rは水素またはメチルを意味する]
で示される4−メチル−3−ニトロアニリンを、式(XII)のトリフルオロメチルアロイルクロライド(nは1または2を表し、XはNまたはHを表し、Yは0(なし)、S、SO、SO2を表す)と、塩素化炭化水素溶媒および塩基の存在下、30ないし40℃の範囲にある温度で縮合させて、式(XIII)で示される新規な中間体であるニトロトリフルオロメチルアロイルアミドを得ることを含む、方法。
【請求項54】
式(I)の新規な化合物を調製するのに有用な、式(XIV):
【化10】


[式中、R、X、nおよびYは上記と同意義である]
で示される、新規なアミノトリフルオロメチルアロイルアミドの調製方法であって、
式(XIII)の新規な化合物を、金属−酸の還元剤を用いて、0ないし5℃の範囲の温度で還元して、式(XIV)の新規な化合物を得ることを含む、方法。
【請求項55】
式(I)の新規な化合物を調製するための中間体として有用な、式(XV):
【化11】


[Rおよびnは上記と同意義である]
で示されるグアニジノトリフルオロメチルアロイルアミドの新規な塩の調製方法であって、式(XIV)の化合物とシアナミド(CNNH)とを、60ないし95℃の範囲の温度で、極性溶媒および無機酸の存在下で縮合させて、式(XV)の新規な中間体を得ることを含む、方法。
【請求項56】
工程(i)にて使用される塩素化炭化水素溶媒が、クロロホルム、塩化メチレンまたは塩化エチレン、好ましくはクロロホルムより選択されるところの、請求項52ないし55に記載の方法。
【請求項57】
請求項(i)にて使用される塩基が、アミン、ジプロピルアミンまたはジイソプロピルアミン、好ましくはトリエチルアミンから選択され、温度が30ないし40℃の範囲にあることが好ましいところの、請求項52ないし56に記載の方法。
【請求項58】
式(XII)の新規な化合物を還元するための工程(ii)にて使用される金属−酸の還元剤が、塩化第一スズ/濃HCl、鉄/濃HCl、亜鉛−濃HCl、好ましくは塩化第一スズ/濃HClから選択されるところの、請求項52ないし57に記載の方法。
【請求項59】
工程(iii)において使用される極性溶媒が、n−プロパノール、イソプロパノール、エタノール、n−ブタノールまたはこれらの混合物、好ましくはn−ブタノールから選択されるところの、請求項52ないし58に記載の方法。
【請求項60】
水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの塩基が工程(iv)において用いられることが好ましく、その温度が90ないし95℃の範囲にあるところの、請求項52ないし59に記載の方法。
【請求項61】
上記した一般式(I)の化合物の調製方法であって、式(XVII)のN−(5−アミノ−2−メチルフェニル)−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジンアミンを、式(XII)のトリフルオロメチルアロイルクロライドと縮合させて、
【化12】


一般式(I)の新規な化合物を得ることを含む、方法。
【請求項62】
局所投与、腸内投与、例えば、経口または経直腸投与、または非経口投与に適する、医薬上許容される担体と一緒に上記した式(I)の化合物を含有する新規な医薬組成物。
【請求項63】
医薬上許容される担体が、無機または有機の固体または液体から選択されるところの、請求項62記載の新規な医薬組成物。
【請求項64】
付加的に、1種または複数の賦形剤またはアジュバントを含有するところの、請求項62または63記載の新規な医薬組成物。
【請求項65】
マイクロクリスタリンセルロース、マイクロファインセルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ショ糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、リン酸水素カルシウム二水和物、リン酸三カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびタルクなどの希釈剤を含有するところの、請求項62ないし64に記載の新規な医薬組成物。
【請求項66】
アカシア、アルギン酸、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水添植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、液体グルコース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)、Plasdone(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウムおよびデンプンなどの結合剤を含有するところの、請求項62ないし65に記載の新規な医薬組成物。
【請求項67】
マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、および酒石酸などの矯味矯臭剤および矯味矯臭増強剤を含有するところの、請求項62ないし66に記載の新規な医薬組成物。
【請求項68】
医薬上許容される着色剤を含有するところの、請求項62ないし67に記載の新規な医薬組成物。
【請求項69】
実質的に実施例1、3、5、7および9に記載される、請求項1に記載の式(I)の新規な化合物を調製するのに有用な式(XIII)ないし(XV)の新規な中間体。
【請求項70】
実質的に実施例1、3、5、7および9に記載される、請求項1に記載の式(I)の新規な化合物を調製するのに有用な式(XIII)ないし(XV)の新規な中間体の調製方法。
【請求項71】
実質的に実施例1ないし10に記載される上記式(I)の新規な化合物。
【請求項72】
実質的に実施例1ないし10に記載される上記式(I)の新規な化合物の調製方法。
【請求項73】
実質的に実施例11に記載される新規な医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−512448(P2008−512448A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530854(P2007−530854)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000243
【国際公開番号】WO2006/027795
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(502115888)ナトコ ファーマ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】