投入口ユニット及び遊技台
【課題】よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすること。
【解決手段】メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【解決手段】メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル(コイン)の投入口に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルの投入口への投入は、ユーザがスムーズに行えることが好ましい。特に、スロットマシンに代表される遊技台では、多くのメダルが連続的に投入口に投入される場合があり、スムーズに投入できることが強く望まれる。そこで、例えば、特許文献1には投入口の手前側にメダルの投入を案内する溝を設けたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4340409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものは、投入方向に対して上方に溝が傾斜しており、メダルを投入する度に溝に沿ってメダルを手で投入口側へ押し出す必要がある。このため、多くのメダルを連続的に投入する場合に、スムーズに投入できない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする投入口ユニットが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた遊技台であって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】(a)は各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図、(b)はスロットマシン100の入賞役の種類の説明図。
【図4】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図5】投入口ユニットAの分解斜視図。
【図6】(a)は投入口形成部材1を手前側から見た図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は斜視図。
【図7】(a)は投入口形成部材2を奥側から見た図、(b)は平面図、(c)は側面図。
【図8】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)は断面図。
【図9】(a)及び(b)は投入口ユニットAの断面図。
【図10】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)乃至(d)は断面図。
【図11】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)は断面図。
【図12】(a)は投入口ユニットAの側面図、(b)乃至(d)は断面図。
【図13】(a)及び(b)はメダルの投入態様例を示す図。
【図14】メダルの連続投入態様例を示す図。
【図15】(a)及び(c)は投入口ユニットAの平面図、(b)及び(d)は断面図。
【図16】(a)乃至(c)はメダルの挙動の説明図。
【図17】(a)乃至(d)は誘導溝21の傾斜関係により異なるメダルの挙動の説明図。
【図18】(a)及び(b)は誘導溝21の傾斜関係により異なるメダルの挙動の説明図。
【図19】側面211の端部から奥側壁部10までの距離例を示す説明図。
【図20】(a)乃至(c)は段差部203の有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図21】(a)乃至(c)は段差部203の深さ及び傾斜の説明図。
【図22】(a)乃至(c)は段差部203の深さの説明図。
【図23】(a)及び(b)は面取り部203bの有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図24】(a)乃至(c)は切り欠き部1aによるメダル詰まりの解消の説明図。
【図25】(a)及び(b)は中央凸部11の有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図26】(a)及び(b)は試験結果を示す図。
【図27】(a)乃至(c)は試験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を遊技台に適用した例について説明する。本実施形態の遊技台は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応するメダルを払出す払出処理を行う払出制御手段と、を備えたスロットマシンである。
【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
投入口ユニットAは、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口141を有する。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141に投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられた後述するメダルセレクタを通過し、正規メダルの選別がなされると共に、その通過が検出される。
【0018】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルがメダルセレクタ等で詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0024】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ。)に応じて、主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0027】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0028】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信等の割り込み処理を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0029】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0030】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0031】
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0032】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0033】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0034】
主制御部300には、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路321、メダルセレクタ170に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路322、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路324、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路326、を設けている。
【0035】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0036】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0037】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0038】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0039】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0040】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0041】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157や、各種演出用駆動装置160(例えばシャッタ163の駆動装置)の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0042】
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0043】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0044】
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0045】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0046】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0047】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1−BB1−BB1」、BB2が「BB2−BB2−BB2」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「BB1−BB1−BB1」、BB2に対応する図柄組み合わせ「BB2−BB2−BB2」が、揃って入賞する状態にある。
【0048】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0049】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0050】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0051】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0052】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
【0053】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0054】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0055】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0056】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0057】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0058】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0059】
<主制御部メイン処理>
図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図4に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0060】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0061】
S2ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。この処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0062】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0063】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させる。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した入賞役がある場合は、その入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0064】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0065】
S10では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0066】
<投入口ユニット>
投入口ユニットAについて図5乃至図27を参照して説明する。まず、図5乃至図14を参照して投入口ユニットAの概要を説明し、続いて図15乃至図27を参照して投入口ユニットAの具体的構成について説明する。なお、各図において上下方向、左右方向、奥側−手前側方向(奥行き方向)は、投入口ユニットAの使用時(図1参照)を基準としている。
【0067】
<投入口ユニットの概要>
図5は投入口ユニットAの分解斜視図である。投入口ユニットAは、投入口形成部材1及び投入口形成部材2をネジ3で締結して構成され、図1に示したメダル投入口141を形成する。本実施形態では、投入口ユニットAを2部材の構成としたが、単一の材としてもよい。まず、投入口形成部材1の構成について説明する。図6(a)は投入口形成部材1を手前側から見た図、図6(b)は投入口形成部材1の平面図、(c)は投入口形成部材1の側面図、(d)は投入口形成部材1の斜視図である。
【0068】
投入口形成部材1は、メダル投入口141を形成する奥側壁部10をその手前側に有する。奥側壁部10は上下方向に延設されており、その法線方向は奥側−手前側方向となる。また、その幅方向は左右方向となる。
【0069】
奥側壁部10には上下方向に延在する凸部11、12が左右方向に複数形成されている。凸部11、12間には凹部13が形成されている。複数の凸部11、12のうち、左右方向中央に位置する中央凸部11の幅は、他の凸部12の幅よりも大きく、かつ、平坦面の前面11aを有している。本実施形態の場合、中央凸部11の断面形状は台形状であり、凸部12の断面形状は頂部が丸い山型となっている。また、凹部13の断面形状も頂部が丸い山型となっている。このため、奥側壁部10の断面形状の輪郭は、中央凸部11の部分を除いて、波面形状をなしている。なお、凸部11、12の断面形状は、これに限られず、様々な形状が採用可能である。
【0070】
投入口形成部材1は、奥側壁部10の上端部に切り欠き部1aを有している。切り欠き部1aは、本実施形態の場合、円弧形状又は楕円弧形状をなしているが、これに限られず、方形、台形、V字形状でもよい。
【0071】
次に、投入口形成部材2の構成について図7乃至図12を参照して説明する。図7(a)は投入口形成部材2を奥側から見た図、図7(b)は投入口形成部材2の平面図、図7(c)は投入口形成部材2の側面図である。図8(a)は投入口ユニットAの平面図、図8(b)は図8(a)のA−A線に沿う断面図及び切断面端面図である。図9(a)は図8(a)のB−B線に沿う断面図及び切断面端面図、図9(b)は図8(a)のC−C線に沿う断面図及び切断面端面図である。図10(a)は投入口ユニットAの平面図、図10(b)乃至(d)は、それぞれ、図10(a)のD−D線、E−E線、F−F線に沿う断面図及び切断面端面図である。図11(a)は投入口ユニットAの平面図、図11(b)は、図11(a)のG−G線に沿う断面図及び切断面端面図である。図12(a)は投入口ユニットAの平面図、図12(b)乃至(d)は、それぞれ、図12(a)のH−H線、I−I線、J−J線に沿う断面図及び切断面端面図である。
【0072】
主に図7(a)、図8、図9、図11及び図12を参照して、投入口形成部材2は、メダル投入口141を形成する手前側壁部20をその奥側に有する。手前側壁部20は奥側壁部10に対向するよう形成されて、メダルを垂直姿勢(メダル端面の面方向が上下方向を向けた姿勢)で落下させるメダル投入口141を形成する。
【0073】
手前側壁部20は、下側壁部201と、下側壁部201よりも奥側壁部10から離間した上側壁部202と、上側壁部202と下側壁部201とを結ぶ段差部203と、を有する。このため、メダル投入口141の奥行き方向の幅は、その上側で大きく、その下側で小さくなっている。下側壁部201及び上側壁部202は、いずれも、中央凸部11の前面11aと平行な平坦面である。上側壁部202と奥側壁部10との隙間(上側壁部202と中央凸部11の前面11aとの離間距離)は、数枚のメダルが通過可能な隙間とされ、下側壁部201と奥側壁部10との隙間(下側壁部201と中央凸部11の前面11aとの離間距離)は、1枚のメダルのみが通過可能な隙間とされている。下側壁部201と奥側壁部10との隙間を通過してメダル投入口141から落下するメダルはメダルセレクタへ進入することになる。
【0074】
段差部203は、水平でもよいが本実施形態の場合、下側壁部201へ向かって下方へ傾斜している。また、本実施形態の場合、段差部203は、下向きに凸型をなしており、特に、円弧形状をなしているが、円弧形状以外に、台形或いはV字型で下向きに凸型としてもよい。段差部203の下縁(下側壁部201との境界)は、その中央部203aを除いて面取りが付けられて面取り部203bを構成している。面取り部203bに代えて丸み(いわゆるアール:R。曲面。)を付けてもよい。
【0075】
主に図7(a)及び(b)、図8乃至図10を参照して、投入口形成部材2は、誘導溝21をその上部に有する。誘導溝21は、メダル投入口141の手前側からメダル投入口141へ延設され、メダルが載置されると共にメダル投入口141にメダルを誘導するようメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜している。
【0076】
誘導溝21は、左右一対の側面211と、底面212と、を有する。側面211は、その断面形状が円弧又は楕円弧形状をなしており、その左右方向の幅(側面211−側面211間の距離)が、下方に徐々に狭くなるように形成されている。底面212は平坦面である。したがって、誘導溝21の縦断面形状(図10(b)〜図10(d)参照)は、お椀型或いは皿型をなしている。しかし、側面211を平坦面として台形状としてもよい。或いは、底面212を曲面として誘導溝21の縦断面形状をU字型或いは頂部が丸い逆山型としてもよい。更に、底面212が無いV字型としてもよい。いずれにしても、誘導溝21はその左右方向の幅が、下方に徐々に狭くなるように形成され、また、メダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していればどのような形状でもよい。
【0077】
誘導溝21は、メダル投入口141側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部213を有する。この拡幅部213はメダルが寝た姿勢から垂直姿勢へ回転することを促進する。
【0078】
次に、図13及び図14を参照して、複数のメダルを連続投入する場合のメダルの挙動について説明する。図13(a)及び(b)はメダルの投入態様例を示す図である。いずれの場合も、遊技者が複数のメダルMを重ねて摘み、誘導溝21上に載置している。図13(a)の例では、複数のメダルMの先頭側がメダル投入口141上方に位置している。図13(b)の例では、全部のメダルMがメダル投入口141よりも手前側において、誘導溝21上に載置されている。以下、図13(a)の投入態様の場合のメダルの挙動について説明するが、図13(b)の投入態様の場合も、概ね図14の状態5以降と同様の挙動となる。
【0079】
図14の状態1は、図13(a)の投入態様によって複数のメダルMが投入される状態を示している。この状態から遊技者が複数のメダルMから手を離すと、まず、状態2に示すように、メダル投入口141の上方の複数のメダルM(ここでは4枚のメダルM)が、ひと固まりのブロックとなって奥側壁部10と上側壁部202との間に一斉に落下する。また、誘導溝21が傾斜しているので、誘導溝21上のメダルMは後傾して寝た姿勢に変化し始めると共に、全体的に奥側へ移動しようとする。
【0080】
続いて、状態3に示すように、奥側壁部10と上側壁部202との間に、ブロック状で落下した複数のメダルMのうち、先頭のメダルMが奥側壁部10と下側壁部201との間に落下し始める。その際、複数のメダルMがブロック状で落下して加勢されることから、先頭のメダルMが勢いよく落下し易くなる。
【0081】
先頭のメダルが奥側壁部10と下側壁部201との間を通り抜けて完全に落下すると、状態4に示すように、段差部203上のメダルMが奥側に移動し、誘導溝21上で先頭のメダルMが奥側壁部10と上側壁部202との間に進入し始める。このとき、誘導溝21上の2番目以降のメダルMが先頭のメダルMを奥側へ押圧するので、誘導溝21上で先頭のメダルMが奥側壁部10と上側壁部202との間に進入することが促進される。
【0082】
以降、状態5〜7に示すように、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMが順次奥側壁部10と下側壁部201との間を通過していき、誘導溝21上のメダルMが順次奥側壁部10と下側壁部201との間に進入していく。こうして、最後の一枚のメダルMも奥側壁部10と下側壁部201との間を通過していくことになる。
【0083】
こうして本実施形態では、誘導溝21がメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していることで、誘導溝21上のメダルMがメダル投入口141へ誘導され、また、段差部203を設けたことでメダルMが誘導溝21からメダル投入口141へ落下し易くなる。この結果、自動的かつ連続的に複数のメダルMを投入することができ、よりスムーズに、メダルの連続投入が可能となる。
【0084】
<投入口ユニットの具体的構成>
<誘導溝>
誘導溝21上をメダルMがメダル投入口141に向かって移動する際、垂直姿勢(起立姿勢)のままで移動することは困難であり、垂直姿勢でメダルMが誘導溝21に載置された場合、これを転倒させて寝た姿勢にすることが好ましい。本実施形態では、誘導溝21の縦断面の輪郭形状が、メダルMの輪郭形状よりも大きくなるように設定されている。図15(a)はメダルMが誘導溝21上に載置された投入口ユニットAの平面図、図15(b)は図15(a)の線D’−D’、線E’−E’、線F’−F’に沿う各断面図(切断面端面図)である。
【0085】
図15(b)では、誘導溝21の縦断面の輪郭形状OLが太線で示されている。同図に示すように、誘導溝21の奥行き方向の任意の位置において、輪郭形状OLはメダルの輪郭形状よりも大きくなっている。このため、メダルMが底面212の左右方向中央に載置された場合は、メダルMと誘導溝21との接点は底面212との1点となって、垂直姿勢を維持するのには不安定となって、メダルMは転倒し易くなる。メダルMが一方の側面211に偏って載置された場合も、メダルMと誘導溝21との接点は、底面212及び一方の側面211との2点となり、やはり垂直姿勢を維持するのには不安定となって、メダルMは転倒し易くなる。
【0086】
メダルMが誘導溝21上で転倒して寝た姿勢となったとして、メダル投入口141へ円滑に移動するためには、メダルMと誘導溝21との間の摩擦をできるだけ低減することが好ましい。
【0087】
そこで、本実施形態の場合、誘導溝21の左右方向の幅が、メダルMの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成されている。図15(b)において、部位Pは、誘導溝21の左右方向の幅がメダルMの直径Xと同一となる部位を示している。誘導溝21の左右方向の幅は、部位Pよりも上側では直径Xよりも広く、下側では直径Xよりも狭い。
【0088】
このため、メダルMが寝た姿勢となった場合、メダルMと誘導溝21との接点は各側面211との2点となる。図15(c)は1枚のメダルMが寝た姿勢で誘導溝21上を移動する態様を示した平面図であり、図15(d)は図15(c)の線D’’−D’’、線E’’−E’’、線F’’−F’’に沿う各断面図(切断面端面図)である。図15(d)に示すように、誘導溝21の奥行き方向の任意の位置において、メダルMは各側面211との合計2点でのみ接触している。
【0089】
そして、部位Pはメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜して連続している。図16(a)はその説明図であり、一枚のメダルMの挙動を連続的に図示している。状態1に示すように、部位Pはメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜して連続している。これは、一対の側面211を含む円筒体又は楕円筒体を仮想した場合、その軸方向がメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していることと同義である。
【0090】
状態1に示すように、メダルMが垂直姿勢で誘導溝21上へ載置されると、すぐに転倒して寝た姿勢となる。そして、状態2に示すように、部位Pに沿った前傾姿勢で底面212から離間した状態でメダル投入口141へ向かって滑動する。そして、状態3に示すように奥側壁部10と上側壁部202との間に回転しながら進入する。
【0091】
なお、図14に示したように複数のメダルMが誘導溝21上に載置された場合、前後のメダルMの存在により、図16(a)に示すようにメダルMの姿勢が部位Pに沿った前傾姿勢とはならない。しかし、この場合も、図16(b)及び図16(c)のようにメダルMは前傾が強い姿勢となって、誘導溝21との接点は、底面212、一対の側面211との3点(CP1、CP1、CP2)となり、しかも、メダルMは部位Pに沿った姿勢に戻りたがるので底面212との摩擦力は小さく、よってメダルMと誘導溝21との間の摩擦が極めて小さくなる。
【0092】
こうして、本実施形態では、誘導溝21上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢でメダル投入口141へ向かう。その際、メダルMと誘導溝21との接点が2点又は3点となり、メダルMが誘導溝21上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。なお、誘導溝21の形状は本実施形態のものに限られず、上記のとおり、様々な形状が採用可能である。
【0093】
次に、本実施形態の場合、底面212もメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜している。このため、底面212に接して誘導溝21上に存するメダルM(図16(b)、(c)参照)が段差部203上のメダルMを奥側壁部10側へ押圧し、段差部203からのメダルMの落下を促進することができる。
【0094】
また、部位Pの傾斜の度合いは、底面212の傾斜の度合いよりも大きい。図16(a)において、角度θ1は部位Pの連続方向と水平面とのなす角度であり、角度θ2は底面212と水平面とのなす角度であって、角度θ1>角度θ2の関係にある。この傾斜関係の場合、連続的なメダルMの落下が更に促進される。この点を図17、図18を参照して説明する。図17(a)及び(b)並びに図18(a)は本実施形態の場合(角度θ1>θ2)を、図17(c)及び(d)並びに図18(b)は傾斜関係を逆にした場合(角度θ1<θ2)を、それぞれ示している。
【0095】
図17(c)及び(d)に示すように、傾斜関係がを逆(角度θ1<θ2)になる一対の側面211’、底面212’を有する誘導溝21’の場合、誘導溝21上の複数のメダルMのうち、メダル投入口141側のメダルMが、より立った姿勢となる。同図の例では、メダル投入口141側でのメダルMの底面212’に対する角度はβ1で、メダル投入口141から遠い位置でのメダルMの底面212’に対する角度はβ2(<β1)となっている。これは、メダル投入口141側では部位Pと底面212’との距離が長くなり、反対側の手前側では部位Pと底面212’との距離が短くなるからである。
【0096】
メダル投入口141側のメダルMが、より立った姿勢となると、図18(b)に示すように、メダル投入口141側に、より多くのメダルMが存することになる。そうすると、これらのメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを押圧する力が強くなりすぎる場合が生じ得る。その結果、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMのうち、奥側壁部10に接した先頭のメダルMが落下しづらくなってしまう場合がある。
【0097】
一方、図17(a)及び(b)に示すように、本実施形態の場合(角度θ1>θ2)、誘導溝21上の複数のメダルMのうち、メダル投入口141側のメダルMが、より寝た姿勢となる。同図の例では、メダル投入口141側でのメダルMの底面212に対する角度はα1で、メダル投入口141から遠い位置でのメダルMの底面212に対する角度はα2(>α1)となっている。これは、メダル投入口141側では部位Pと底面212との距離が短くなり、反対側の手前側では部位Pと底面212との距離が長くなるからである。
【0098】
メダル投入口141側のメダルMが、より寝た姿勢となると、図18(a)に示すように、メダル投入口141側に存するメダルMが図18(b)の場合のよりも少なくなる。このため、誘導溝21上のメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを押圧する力が強くなりすぎる場合を回避できる。その結果、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMが適度に押圧されて、その落下が促進される。
【0099】
また、本実施形態のように角度θ1>θ2)の場合、図13(a)及び(b)に示した投入方法で投入した際、メダルMが立った状態から寝た状態へ姿勢が変化するまでに比較的時間がかかり、誘導溝21上のメダルMがメダル投入口141へ順次到達する間隔が比較的長くなる。その結果、誘導溝M上のメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを強く押圧することを回避すると共に、奥側壁部10と上側壁部202との間にメダルMが急激に飛び込んでメダル詰まりを生じることを防止できる。
【0100】
次に、拡幅部213の機能について説明する。誘導溝21を移動させる際には、メダルMを寝かせることが有利であるが、メダル投入口141へ進入する際には垂直姿勢に回転させる必要がある。拡幅部213を設けたことにより、メダルMと側面211との接点が失われることになる。つまり、図16(c)において、接点CP1、CP1が急に失われることになり、図16(a)の状態3に示すように、前傾姿勢で移動してきたメダルMの前傾が強くなって、垂直姿勢へ回転しながら段差部203へ入ることが促進される。
【0101】
本実施形態の場合、拡幅部213は、誘導溝21の左右方向の幅を拡幅するだけではなく、メダル投入口141へ向かって下方へ傾斜した傾斜面となっている(図7等参照)。よって、メダルMが回転する際、拡幅部213上を摺動して安定的に回転することを可能としている。
【0102】
メダルMの回転が奥側壁部10の存在により妨げられることは好ましくない。そこで、図19に示すように、部位Pの連続方向線上で見た場合、拡幅部213の開始位置から奥側壁部10までの距離Wは、メダルMの直径Xの半分(つまり半径)以上であることが好ましい。この構成により、メダルMの回転空間を確実に確保できる。
【0103】
<手前側壁部>
本実施形態では、手前側壁部20が、下側壁部201と、上側壁部202と、段差部203と、を有し、メダル投入口141の奥行き方向の幅は、その上側で大きく、その下側で小さくなるようにした。この結果、メダル投入口141に対して複数のメダルMがまず落下し、そのうちの1枚のメダルMが次に落下する、という2段階の落下態様となる。これは、メダル投入口141全体を1枚のメダルMが投入する幅とする場合よりも、メダルMを連続的に落下し易くすることができる。
【0104】
図20(a)は、メダル投入口141全体を1枚のメダルMが投入する幅とした場合を例示している。同図の例では、先頭のメダルM1は他のメダルMによって、奥側壁部10に押圧され、奥側壁部10から摩擦力F1を、一つ手前のメダルMから、メダル間の摩擦力F2を、それぞれ受けている。摩擦力F1+F2>自重となった場合、メダルM1は落下しない。
【0105】
図20(b)は本実施形態の場合を示している。上側壁部202と、奥側壁部10との間には4枚のメダルMが進入可能となっている。これら4枚のメダルMは、残りのメダルから押圧されている状況においては、一体のものとみなすことができる。よって、摩擦力F1+F2>自重となった場合であっても、摩擦力F1+F2>自重×4枚の状況でなければ、4枚のメダルMは上側壁部202と、奥側壁部10との間に落下する。この落下の勢いも加勢するので、その後、先頭のメダルM1は下側壁部201と、奥側壁部10との間に落下し、そのまま投入口ユニットAから落下することになる。
【0106】
上側壁部202と、奥側壁部10との間の隙間は、メダルMの厚さのばらつきを考慮して、想定外の数のメダルMが同時に進入してメダル詰まりをおこさないようにすることが好ましい。図26及び図27は上側壁部202と、奥側壁部10との間の隙間等を設定するに際して行った試験の結果を示している。
【0107】
図26(a)及び(b)は、直径25mm、厚さ1.6mmのものとして市販されているメダルを収集し(4027枚)、その厚みのバラつきを調べた結果を示す。同図に示すように、厚さの主要な範囲(全体の98%以上)は1.5mm〜1.8mmとなった。
【0108】
次に、メダルの厚さが1.5mm〜1.8mmの場合に、複数枚重ねたときの累計厚みについて計算した。図27(a)及び(b)がその結果を示す。図27(a)は、縦軸がメダルの個々の厚さとなっており、横軸が重ねる枚数となっている。例えば、1.5mmの厚さのメダルを3枚重ねたときは、累計厚みが4.5mmであり、4枚重ねた場合は6.0mmとなる。
【0109】
図27(b)は縦軸が重ねる枚数であり、横軸が累計厚みである。例えば、3枚重ねた場合、累計厚みは4.5〜5.4mmの範囲になる。注目すべきは、重ねる枚数は異なるのに、累計厚みが同じ場合があり得る、という点である。例えば、累計厚みが12mm〜12.6mmになる枚数としては、7枚の場合と8枚の場合との双方があり得る。
【0110】
よって、例えば、上側壁部202と、奥側壁部10との間に最大7枚のメダルが入るものとして、これらの隙間を12.0mmに設定すると、8枚のメダルが隙間無く入ってしまう場合があり、メダル詰まりが生じる可能性があることになる。隙間を大きくすればするほど、メダルの厚さのばらつきによる累計厚みのばらつきも大きくなる。7.5mm未満に設定すると、上側壁部202と、奥側壁部10との間に最大で4枚のメダルしか入らない。よって、この試験例では、上側壁部202と奥側壁部10との距離を7.5mm未満とすることが好適であることになる。
【0111】
一方、奥側壁部10からの摩擦力やメダル間の摩擦力に対して、メダルが確実に落下するためには、同時に落下し得るメダルの数が多い方が好ましい。図27(c)は奥側壁部10側に密接させたメダルの枚数(横軸)と、これを押圧する誘導溝21上のメダルの枚数と、の関係で、メダルが落下したか否かを試験した結果を示す。例えば、奥側壁部10側に密接させたメダルが2枚の場合、誘導溝21上のメダルが3枚の場合は、奥側壁部10側に密接させた2枚のメダルが落下したが(○)、誘導溝21上のメダルが5枚の場合(押圧力が強い)は、落下しなかった(×)。図27(c)の試験例では、上側壁部202と、奥側壁部10との間には3枚以上のメダルが存在可能となるようにその隙間が設定されることが好ましいこととなり、図26と図27の試験例では、上側壁部202と、奥側壁部10との間は、最大3枚か4枚のメダルが存在可能なように隙間が設定されることが望ましいことになる。よって、この試験例では、上側壁部202と奥側壁部10との距離を5.4mm以上とすることが好適であることになる。
【0112】
次に、上側壁部202と、奥側壁部10との隙間を広げたことで、同時に複数のメダルMを落下させることが可能となる一方、メダルMがこの隙間に進入したときに暴れて落下に時間がかかってしまうとともに、連続投入の場合に、メダル詰まりの要因となる場合がある。図21(a)はメダルMが暴れている様子を例示している。しかし、誘導溝21上のメダルMが上側壁部202と、奥側壁部10との間に存するメダルMを奥側壁部10へ押圧することで、メダルMが暴れることを防止することができる。
【0113】
そこで、段差部203上のメダルMが、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出するよう、段差部203の深さが設定されることが望ましい。図21(b)は段差部203の深さの設定例を示している。本実施形態では、段差部203が水平面に対して傾斜しているため(角度θ3)、その最大深さYmaxがメダルMの直径X未満であれば、常時メダルMを露出させることができる。
【0114】
段差部203上のメダルMが、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出していれば、誘導溝21上のメダルMによって、これを奥側壁部10へ押圧することができる。図21(c)はその説明図である。段差部203上のメダルM1は、誘導溝21の端部から上方に露出しているので、誘導溝21上のメダルM2によって奥側壁部10へ押圧される。このとき、段差部203が下側壁部201へ向かって下方に傾斜しているので、メ段差部203上のメダルM1はよりスムーズに奥側に移動する。そして、下側壁部201と、奥側壁部10との間に落下していくことになる。
【0115】
こうして、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。また、メダルが段差部203周辺で詰まったときに、メダルMが露出しているので、詰まりを発見し易いという利点もある。更に、段差部203上のメダルが、奥側壁部10側へ移動し易くなり、連続的にメダルMを落下させることができる。
【0116】
次に、段差部203上のメダルMは、その下半分よりも上の部分が後続の、誘導溝21上のメダルMに押圧することが好ましい。下半分が押圧されると、垂直姿勢ではなく、寝た姿勢に戻るおそれがあるからである。図22(b)はその一例を示しており、メダルM1はその下半分が後続のメダルM2に押されているため、垂直姿勢から寝た姿勢に付勢されている。
【0117】
したがって、段差部203上のメダルの下半分よりも上の部分が、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出するよう、段差部203の深さが設定されることが好ましい。図22(b)は段差部203の深さの設定例を示している。本実施形態では、段差部203が水平面に対して傾斜しているため、その最小深さYminがメダルMの半径X/2以上であれば、段差部203上のメダルの下半分よりも上の部分が常に押圧されるようにすることができる。
【0118】
図22(c)は図22(a)のように段差部203の深さを設定した場合を示しており、メダルM1はその下半分よりも上の部分が後続のメダルM2に押されているため、垂直姿勢に付勢されている。こうして、段差部203上のメダルMの上部のみが、誘導溝21上のメダルMから押されるので、メダル投入口141において、メダルMを垂直姿勢にし易くなり、メダルMの落下を促進できる。
【0119】
次に、段差部203の下縁の面取り部203bの機能について説明する。面取り部203bは、メダルMが段差部203から落ちるときに段差部203の下縁との接触面積を少なくして、メダルMの落下を促進させる効果がある。つまり、面取り部203bを設けたことで、メダルMと段差部203の下縁との接点は、その中央部203aの限られた範囲となり、接触面積を減らして摩擦を低減し、メダルMの落下を促進させ、メダル詰まりを防止する。なお、面取り部203bに代えて丸みでもよいことは上述したとおりである。
【0120】
また、このような面取り部203b(或いは丸み)は、本実施形態の段差部203の形状との関係で、特に、メダル詰まりの防止効果が高い。この点を図23を参照して説明する。図23(a)は面取り部203bを有しない段差部203’の場合を示し、図23(b)は面取り部203bを設けた本実施形態の場合を示している。
【0121】
ここで、本実施形態の場合、段差部203が下向きに凸型をなしている。この形状は、段差部203中央にメダルMが寄り易くなり、メダルが暴れて意図しない挙動を示してメダル詰まりが発生することを回避でき、特に、本実施形態のように円弧形状としたことで、円形のメダルMの形状にフィットしてこの効果を増加させる。しかし、下向きに凸型とすることで、段差部203の下縁が中央を下端として、左右両端が上方へ延びている。本実施形態の場合、段差部203が円弧形状をなしているので、その下縁も円弧上をなしている。
【0122】
図23(a)に示すように、面取り部203bを設けない場合、メダルMは、段差部203から落下する際、段差部203の下縁の接点CP11と、底面212と上側壁部202との境界の接点CP12と、においてこれらに接触する。
【0123】
図23(b)に示す本実施形態の場合も、メダルMは、段差部203から落下する際、段差部203の下縁の接点CP11と、底面212と上側壁部202との境界の接点CP12と、においてこれらに接触するが、面取り部203bを設けたことで、接点CP11は中央部203a上の位置となり、図23(a)に示す面取り部203bが無い場合と比較すると、接触する位置が相対的に下方になり、かつ、メダルMの姿勢が相対的に垂直姿勢に近くなる。このため、面取り部203bを設けない場合と比べると、メダル詰まりが発生することを防止することができる。特に、後続のメダルMからの押圧を期待できない、残り1枚のメダルMが落下するときのメダル詰まりの防止効果が高い。
【0124】
<奥側壁部>
上記のとおり、投入口形成部材1は、奥側壁部10の上端部に切り欠き部1aを有している。この切り欠き部1aはメダル詰まりの際に、メダルの取り出しを容易にする。図24はその説明図である。
【0125】
図24(a)はメダル詰まりが生じた態様の一例を示している。このとき、奥側壁部10にはメダルM1が密接している。切り欠き部1aの存在により、ここに指を入れるスペースが形成される。よって、図24(b)、図24(c)に示すように、遊技者はメダルM1を摘まんで抜き出し、メダル詰まりを解消できる。
【0126】
次に、凸部11、12の機能について説明する。凸部11、12を設けたことで、奥側壁部10に密接するメダルMとの摩擦力を低減できる。特に、本実施形態では、上記のとおり、凸部12の断面形状は頂部が丸い山型となっているため、メダルの円滑な落下を促進することができる。また、凹部13にはごみが逃げ込み易いので、奥側壁部10の表面にごみが堆積することを防止できる。
【0127】
中央凸部11は、メダルが奥側壁部10と衝突した時にメダルが暴れないようにすることができ、メダル詰まりを防止する機能がある。図25を参照して説明する。図25(a)は中央凸部11を設けた場合、図25(b)は全ての凸部を断面形状が山型の凸部12とした場合、を示している。
【0128】
図25(b)の例では、メダルMが奥側壁部10と衝突したとき、凸部12と衝突する角度次第で、左右方向に反力が生じ得る。この結果、メダルMが左右に振れて暴れながらメダル投入口141へ進入するおそれがある。これはメダル詰まりの要因になり得る。
【0129】
一方、図25(a)に示す本実施形態の場合、中央凸部11が左右方向中央に位置していることから、メダルMが確実に中央凸部11と衝突し、かつ、中央凸部11の前面11aが平坦面であることから、メダルMが受ける反力は、略奥行き方向となる。よって、メダルMが暴れることを防止できる。
【0130】
本実施形態では、相対的に幅広の中央凸部11と、幅狭の凸部12とを混在させることで、メダルの円滑落下とメダルの暴れ防止を促進することができる。特に、凸部12については頂部が丸い山型の断面形状とすることで、落下時のメダルMとの接触面積を減らして(線接触)摩擦低減を行い、中央凸部11については台形の断面形状とすることで前面11aの幅を確保し易くし(面接触)、メダルの暴れ防止を図れる。
【0131】
中央凸部11の幅は大きい方がメダルの暴れ抑制効果は高いが、落下時のメダルMとの接触面積が大きくなり、摩擦が大きくなる。よって、メダルMの直径や、誘導溝21の幅との兼ね合いにもよるが、メダルMの直径が25mmの場合、好ましくは4〜8mm、更に好ましくは5〜7mm、特に6mmが好ましい。
【0132】
<他の実施形態>
上記実施形態では、本発明の投入口ユニットをスロットマシンに適用した例を説明したが、他の種類の遊技台(例えば、メダルゲーム機)にも適用可能である。また、メダルはコインも含み、遊技媒体の他、硬貨としてのメダル、コインも含む。したがって、本発明の投入口ユニットは、例えば、飲料や切符の自動販売機等における硬貨の投入口を形成するユニットとしても適用可能である。また、メダルとして異なる直径のものを併用することを許容する場合には、全てのメダルについて上述した各関係が成立するようにすればよい。
【0133】
<実施形態のまとめ>
1.上記投入口ユニット(例えば、A)は、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口(例えば、141)を形成する奥側壁部(例えば、10)及び手前側壁部(例えば、20)と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝(例えば、21)と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部(例えば、201)と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部(例えば、202)と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部(例えば、203)と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状(例えば、OL)が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位(例えば、P)が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【0134】
この構成によれば、誘導溝上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢でメダル投入口へ向かう。その際、メダルと誘導溝との接点が2点又は3点となり、メダルが誘導溝上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【0135】
2.上記1に記載の投入口ユニットにおいて、前記誘導溝は、前記部位を含む一対の側面(例えば、211)と、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜する底面(例えば、212)と、を有し、前記側面において前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続している前記部位の傾斜の度合い(例えば、θ1)は、前記底面の傾斜の度合い(例えば、θ2)よりも大きいことを特徴とする。
【0136】
この構成によれば、メダル投入口側で、誘導溝上のメダルが寝易くなり、メダル投入口側に多くのメダルが存する状態を回避でき、段差部上のメダルを奥側壁部へ適度な押圧力で押圧できる。これにより、連続的なメダルの落下が促進される。
【0137】
3.上記1又は2に記載の投入口ユニットにおいて、前記誘導溝は、前記メダル投入口側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部(例えば、213)を有することを特徴とする。
【0138】
この構成によれば、誘導溝を寝た姿勢で滑動するメダルが、垂直姿勢へ回転しながら段差部へ入ることが促進される。
【0139】
4.上記遊技台(例えば、100)は、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口(例えば、141)を形成する奥側壁部(例えば、10)及び手前側壁部(例えば、20)と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝(例えば、21)と、を備えた遊技台であって、前記手前側壁部は、下側壁部(例えば、201)と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部(例えば、202)と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部(例えば、203)と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状(例えば、OL)が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位(例えば、P)が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【0140】
この構成によれば、誘導溝上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢で前記メダル投入口へ向かう。その際、メダルと誘導溝との接点が2点又は3点となり、メダルが誘導溝上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル(コイン)の投入口に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルの投入口への投入は、ユーザがスムーズに行えることが好ましい。特に、スロットマシンに代表される遊技台では、多くのメダルが連続的に投入口に投入される場合があり、スムーズに投入できることが強く望まれる。そこで、例えば、特許文献1には投入口の手前側にメダルの投入を案内する溝を設けたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4340409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものは、投入方向に対して上方に溝が傾斜しており、メダルを投入する度に溝に沿ってメダルを手で投入口側へ押し出す必要がある。このため、多くのメダルを連続的に投入する場合に、スムーズに投入できない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする投入口ユニットが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、を備えた遊技台であって、前記手前側壁部は、下側壁部と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】(a)は各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図、(b)はスロットマシン100の入賞役の種類の説明図。
【図4】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図5】投入口ユニットAの分解斜視図。
【図6】(a)は投入口形成部材1を手前側から見た図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は斜視図。
【図7】(a)は投入口形成部材2を奥側から見た図、(b)は平面図、(c)は側面図。
【図8】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)は断面図。
【図9】(a)及び(b)は投入口ユニットAの断面図。
【図10】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)乃至(d)は断面図。
【図11】(a)は投入口ユニットAの平面図、(b)は断面図。
【図12】(a)は投入口ユニットAの側面図、(b)乃至(d)は断面図。
【図13】(a)及び(b)はメダルの投入態様例を示す図。
【図14】メダルの連続投入態様例を示す図。
【図15】(a)及び(c)は投入口ユニットAの平面図、(b)及び(d)は断面図。
【図16】(a)乃至(c)はメダルの挙動の説明図。
【図17】(a)乃至(d)は誘導溝21の傾斜関係により異なるメダルの挙動の説明図。
【図18】(a)及び(b)は誘導溝21の傾斜関係により異なるメダルの挙動の説明図。
【図19】側面211の端部から奥側壁部10までの距離例を示す説明図。
【図20】(a)乃至(c)は段差部203の有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図21】(a)乃至(c)は段差部203の深さ及び傾斜の説明図。
【図22】(a)乃至(c)は段差部203の深さの説明図。
【図23】(a)及び(b)は面取り部203bの有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図24】(a)乃至(c)は切り欠き部1aによるメダル詰まりの解消の説明図。
【図25】(a)及び(b)は中央凸部11の有無により異なるメダルの挙動の説明図。
【図26】(a)及び(b)は試験結果を示す図。
【図27】(a)乃至(c)は試験結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を遊技台に適用した例について説明する。本実施形態の遊技台は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、リールの回転を指示するためのスタートレバーと、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタンと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応するメダルを払出す払出処理を行う払出制御手段と、を備えたスロットマシンである。
【0011】
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0012】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0013】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0014】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0015】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0016】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0017】
投入口ユニットAは、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口141を有する。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141に投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられた後述するメダルセレクタを通過し、正規メダルの選別がなされると共に、その通過が検出される。
【0018】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0019】
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0020】
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0021】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルがメダルセレクタ等で詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0022】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0023】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0024】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0025】
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ。)に応じて、主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0027】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0028】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信等の割り込み処理を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0029】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0030】
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0031】
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0032】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0033】
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0034】
主制御部300には、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路321、メダルセレクタ170に設けた電動アクチュエータを駆動する駆動回路322、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路324、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路326、を設けている。
【0035】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0036】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0037】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0038】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0039】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0040】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0041】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、液晶表示装置157や、各種演出用駆動装置160(例えばシャッタ163の駆動装置)の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0042】
<図柄配列>
図3(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0043】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0044】
<入賞役の種類>
次に、図3(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
【0045】
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
【0046】
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0047】
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「BB1−BB1−BB1」、BB2が「BB2−BB2−BB2」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「BB1−BB1−BB1」、BB2に対応する図柄組み合わせ「BB2−BB2−BB2」が、揃って入賞する状態にある。
【0048】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0049】
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0050】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0051】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0052】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。
【0053】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0054】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0055】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0056】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0057】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0058】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0059】
<主制御部メイン処理>
図4を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図4に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0060】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0061】
S2ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。この処理ではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0062】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
【0063】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させる。S8では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した入賞役がある場合は、その入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0064】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0065】
S10では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0066】
<投入口ユニット>
投入口ユニットAについて図5乃至図27を参照して説明する。まず、図5乃至図14を参照して投入口ユニットAの概要を説明し、続いて図15乃至図27を参照して投入口ユニットAの具体的構成について説明する。なお、各図において上下方向、左右方向、奥側−手前側方向(奥行き方向)は、投入口ユニットAの使用時(図1参照)を基準としている。
【0067】
<投入口ユニットの概要>
図5は投入口ユニットAの分解斜視図である。投入口ユニットAは、投入口形成部材1及び投入口形成部材2をネジ3で締結して構成され、図1に示したメダル投入口141を形成する。本実施形態では、投入口ユニットAを2部材の構成としたが、単一の材としてもよい。まず、投入口形成部材1の構成について説明する。図6(a)は投入口形成部材1を手前側から見た図、図6(b)は投入口形成部材1の平面図、(c)は投入口形成部材1の側面図、(d)は投入口形成部材1の斜視図である。
【0068】
投入口形成部材1は、メダル投入口141を形成する奥側壁部10をその手前側に有する。奥側壁部10は上下方向に延設されており、その法線方向は奥側−手前側方向となる。また、その幅方向は左右方向となる。
【0069】
奥側壁部10には上下方向に延在する凸部11、12が左右方向に複数形成されている。凸部11、12間には凹部13が形成されている。複数の凸部11、12のうち、左右方向中央に位置する中央凸部11の幅は、他の凸部12の幅よりも大きく、かつ、平坦面の前面11aを有している。本実施形態の場合、中央凸部11の断面形状は台形状であり、凸部12の断面形状は頂部が丸い山型となっている。また、凹部13の断面形状も頂部が丸い山型となっている。このため、奥側壁部10の断面形状の輪郭は、中央凸部11の部分を除いて、波面形状をなしている。なお、凸部11、12の断面形状は、これに限られず、様々な形状が採用可能である。
【0070】
投入口形成部材1は、奥側壁部10の上端部に切り欠き部1aを有している。切り欠き部1aは、本実施形態の場合、円弧形状又は楕円弧形状をなしているが、これに限られず、方形、台形、V字形状でもよい。
【0071】
次に、投入口形成部材2の構成について図7乃至図12を参照して説明する。図7(a)は投入口形成部材2を奥側から見た図、図7(b)は投入口形成部材2の平面図、図7(c)は投入口形成部材2の側面図である。図8(a)は投入口ユニットAの平面図、図8(b)は図8(a)のA−A線に沿う断面図及び切断面端面図である。図9(a)は図8(a)のB−B線に沿う断面図及び切断面端面図、図9(b)は図8(a)のC−C線に沿う断面図及び切断面端面図である。図10(a)は投入口ユニットAの平面図、図10(b)乃至(d)は、それぞれ、図10(a)のD−D線、E−E線、F−F線に沿う断面図及び切断面端面図である。図11(a)は投入口ユニットAの平面図、図11(b)は、図11(a)のG−G線に沿う断面図及び切断面端面図である。図12(a)は投入口ユニットAの平面図、図12(b)乃至(d)は、それぞれ、図12(a)のH−H線、I−I線、J−J線に沿う断面図及び切断面端面図である。
【0072】
主に図7(a)、図8、図9、図11及び図12を参照して、投入口形成部材2は、メダル投入口141を形成する手前側壁部20をその奥側に有する。手前側壁部20は奥側壁部10に対向するよう形成されて、メダルを垂直姿勢(メダル端面の面方向が上下方向を向けた姿勢)で落下させるメダル投入口141を形成する。
【0073】
手前側壁部20は、下側壁部201と、下側壁部201よりも奥側壁部10から離間した上側壁部202と、上側壁部202と下側壁部201とを結ぶ段差部203と、を有する。このため、メダル投入口141の奥行き方向の幅は、その上側で大きく、その下側で小さくなっている。下側壁部201及び上側壁部202は、いずれも、中央凸部11の前面11aと平行な平坦面である。上側壁部202と奥側壁部10との隙間(上側壁部202と中央凸部11の前面11aとの離間距離)は、数枚のメダルが通過可能な隙間とされ、下側壁部201と奥側壁部10との隙間(下側壁部201と中央凸部11の前面11aとの離間距離)は、1枚のメダルのみが通過可能な隙間とされている。下側壁部201と奥側壁部10との隙間を通過してメダル投入口141から落下するメダルはメダルセレクタへ進入することになる。
【0074】
段差部203は、水平でもよいが本実施形態の場合、下側壁部201へ向かって下方へ傾斜している。また、本実施形態の場合、段差部203は、下向きに凸型をなしており、特に、円弧形状をなしているが、円弧形状以外に、台形或いはV字型で下向きに凸型としてもよい。段差部203の下縁(下側壁部201との境界)は、その中央部203aを除いて面取りが付けられて面取り部203bを構成している。面取り部203bに代えて丸み(いわゆるアール:R。曲面。)を付けてもよい。
【0075】
主に図7(a)及び(b)、図8乃至図10を参照して、投入口形成部材2は、誘導溝21をその上部に有する。誘導溝21は、メダル投入口141の手前側からメダル投入口141へ延設され、メダルが載置されると共にメダル投入口141にメダルを誘導するようメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜している。
【0076】
誘導溝21は、左右一対の側面211と、底面212と、を有する。側面211は、その断面形状が円弧又は楕円弧形状をなしており、その左右方向の幅(側面211−側面211間の距離)が、下方に徐々に狭くなるように形成されている。底面212は平坦面である。したがって、誘導溝21の縦断面形状(図10(b)〜図10(d)参照)は、お椀型或いは皿型をなしている。しかし、側面211を平坦面として台形状としてもよい。或いは、底面212を曲面として誘導溝21の縦断面形状をU字型或いは頂部が丸い逆山型としてもよい。更に、底面212が無いV字型としてもよい。いずれにしても、誘導溝21はその左右方向の幅が、下方に徐々に狭くなるように形成され、また、メダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していればどのような形状でもよい。
【0077】
誘導溝21は、メダル投入口141側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部213を有する。この拡幅部213はメダルが寝た姿勢から垂直姿勢へ回転することを促進する。
【0078】
次に、図13及び図14を参照して、複数のメダルを連続投入する場合のメダルの挙動について説明する。図13(a)及び(b)はメダルの投入態様例を示す図である。いずれの場合も、遊技者が複数のメダルMを重ねて摘み、誘導溝21上に載置している。図13(a)の例では、複数のメダルMの先頭側がメダル投入口141上方に位置している。図13(b)の例では、全部のメダルMがメダル投入口141よりも手前側において、誘導溝21上に載置されている。以下、図13(a)の投入態様の場合のメダルの挙動について説明するが、図13(b)の投入態様の場合も、概ね図14の状態5以降と同様の挙動となる。
【0079】
図14の状態1は、図13(a)の投入態様によって複数のメダルMが投入される状態を示している。この状態から遊技者が複数のメダルMから手を離すと、まず、状態2に示すように、メダル投入口141の上方の複数のメダルM(ここでは4枚のメダルM)が、ひと固まりのブロックとなって奥側壁部10と上側壁部202との間に一斉に落下する。また、誘導溝21が傾斜しているので、誘導溝21上のメダルMは後傾して寝た姿勢に変化し始めると共に、全体的に奥側へ移動しようとする。
【0080】
続いて、状態3に示すように、奥側壁部10と上側壁部202との間に、ブロック状で落下した複数のメダルMのうち、先頭のメダルMが奥側壁部10と下側壁部201との間に落下し始める。その際、複数のメダルMがブロック状で落下して加勢されることから、先頭のメダルMが勢いよく落下し易くなる。
【0081】
先頭のメダルが奥側壁部10と下側壁部201との間を通り抜けて完全に落下すると、状態4に示すように、段差部203上のメダルMが奥側に移動し、誘導溝21上で先頭のメダルMが奥側壁部10と上側壁部202との間に進入し始める。このとき、誘導溝21上の2番目以降のメダルMが先頭のメダルMを奥側へ押圧するので、誘導溝21上で先頭のメダルMが奥側壁部10と上側壁部202との間に進入することが促進される。
【0082】
以降、状態5〜7に示すように、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMが順次奥側壁部10と下側壁部201との間を通過していき、誘導溝21上のメダルMが順次奥側壁部10と下側壁部201との間に進入していく。こうして、最後の一枚のメダルMも奥側壁部10と下側壁部201との間を通過していくことになる。
【0083】
こうして本実施形態では、誘導溝21がメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していることで、誘導溝21上のメダルMがメダル投入口141へ誘導され、また、段差部203を設けたことでメダルMが誘導溝21からメダル投入口141へ落下し易くなる。この結果、自動的かつ連続的に複数のメダルMを投入することができ、よりスムーズに、メダルの連続投入が可能となる。
【0084】
<投入口ユニットの具体的構成>
<誘導溝>
誘導溝21上をメダルMがメダル投入口141に向かって移動する際、垂直姿勢(起立姿勢)のままで移動することは困難であり、垂直姿勢でメダルMが誘導溝21に載置された場合、これを転倒させて寝た姿勢にすることが好ましい。本実施形態では、誘導溝21の縦断面の輪郭形状が、メダルMの輪郭形状よりも大きくなるように設定されている。図15(a)はメダルMが誘導溝21上に載置された投入口ユニットAの平面図、図15(b)は図15(a)の線D’−D’、線E’−E’、線F’−F’に沿う各断面図(切断面端面図)である。
【0085】
図15(b)では、誘導溝21の縦断面の輪郭形状OLが太線で示されている。同図に示すように、誘導溝21の奥行き方向の任意の位置において、輪郭形状OLはメダルの輪郭形状よりも大きくなっている。このため、メダルMが底面212の左右方向中央に載置された場合は、メダルMと誘導溝21との接点は底面212との1点となって、垂直姿勢を維持するのには不安定となって、メダルMは転倒し易くなる。メダルMが一方の側面211に偏って載置された場合も、メダルMと誘導溝21との接点は、底面212及び一方の側面211との2点となり、やはり垂直姿勢を維持するのには不安定となって、メダルMは転倒し易くなる。
【0086】
メダルMが誘導溝21上で転倒して寝た姿勢となったとして、メダル投入口141へ円滑に移動するためには、メダルMと誘導溝21との間の摩擦をできるだけ低減することが好ましい。
【0087】
そこで、本実施形態の場合、誘導溝21の左右方向の幅が、メダルMの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成されている。図15(b)において、部位Pは、誘導溝21の左右方向の幅がメダルMの直径Xと同一となる部位を示している。誘導溝21の左右方向の幅は、部位Pよりも上側では直径Xよりも広く、下側では直径Xよりも狭い。
【0088】
このため、メダルMが寝た姿勢となった場合、メダルMと誘導溝21との接点は各側面211との2点となる。図15(c)は1枚のメダルMが寝た姿勢で誘導溝21上を移動する態様を示した平面図であり、図15(d)は図15(c)の線D’’−D’’、線E’’−E’’、線F’’−F’’に沿う各断面図(切断面端面図)である。図15(d)に示すように、誘導溝21の奥行き方向の任意の位置において、メダルMは各側面211との合計2点でのみ接触している。
【0089】
そして、部位Pはメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜して連続している。図16(a)はその説明図であり、一枚のメダルMの挙動を連続的に図示している。状態1に示すように、部位Pはメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜して連続している。これは、一対の側面211を含む円筒体又は楕円筒体を仮想した場合、その軸方向がメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜していることと同義である。
【0090】
状態1に示すように、メダルMが垂直姿勢で誘導溝21上へ載置されると、すぐに転倒して寝た姿勢となる。そして、状態2に示すように、部位Pに沿った前傾姿勢で底面212から離間した状態でメダル投入口141へ向かって滑動する。そして、状態3に示すように奥側壁部10と上側壁部202との間に回転しながら進入する。
【0091】
なお、図14に示したように複数のメダルMが誘導溝21上に載置された場合、前後のメダルMの存在により、図16(a)に示すようにメダルMの姿勢が部位Pに沿った前傾姿勢とはならない。しかし、この場合も、図16(b)及び図16(c)のようにメダルMは前傾が強い姿勢となって、誘導溝21との接点は、底面212、一対の側面211との3点(CP1、CP1、CP2)となり、しかも、メダルMは部位Pに沿った姿勢に戻りたがるので底面212との摩擦力は小さく、よってメダルMと誘導溝21との間の摩擦が極めて小さくなる。
【0092】
こうして、本実施形態では、誘導溝21上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢でメダル投入口141へ向かう。その際、メダルMと誘導溝21との接点が2点又は3点となり、メダルMが誘導溝21上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。なお、誘導溝21の形状は本実施形態のものに限られず、上記のとおり、様々な形状が採用可能である。
【0093】
次に、本実施形態の場合、底面212もメダル投入口141へ向かって下方へ傾斜している。このため、底面212に接して誘導溝21上に存するメダルM(図16(b)、(c)参照)が段差部203上のメダルMを奥側壁部10側へ押圧し、段差部203からのメダルMの落下を促進することができる。
【0094】
また、部位Pの傾斜の度合いは、底面212の傾斜の度合いよりも大きい。図16(a)において、角度θ1は部位Pの連続方向と水平面とのなす角度であり、角度θ2は底面212と水平面とのなす角度であって、角度θ1>角度θ2の関係にある。この傾斜関係の場合、連続的なメダルMの落下が更に促進される。この点を図17、図18を参照して説明する。図17(a)及び(b)並びに図18(a)は本実施形態の場合(角度θ1>θ2)を、図17(c)及び(d)並びに図18(b)は傾斜関係を逆にした場合(角度θ1<θ2)を、それぞれ示している。
【0095】
図17(c)及び(d)に示すように、傾斜関係がを逆(角度θ1<θ2)になる一対の側面211’、底面212’を有する誘導溝21’の場合、誘導溝21上の複数のメダルMのうち、メダル投入口141側のメダルMが、より立った姿勢となる。同図の例では、メダル投入口141側でのメダルMの底面212’に対する角度はβ1で、メダル投入口141から遠い位置でのメダルMの底面212’に対する角度はβ2(<β1)となっている。これは、メダル投入口141側では部位Pと底面212’との距離が長くなり、反対側の手前側では部位Pと底面212’との距離が短くなるからである。
【0096】
メダル投入口141側のメダルMが、より立った姿勢となると、図18(b)に示すように、メダル投入口141側に、より多くのメダルMが存することになる。そうすると、これらのメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを押圧する力が強くなりすぎる場合が生じ得る。その結果、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMのうち、奥側壁部10に接した先頭のメダルMが落下しづらくなってしまう場合がある。
【0097】
一方、図17(a)及び(b)に示すように、本実施形態の場合(角度θ1>θ2)、誘導溝21上の複数のメダルMのうち、メダル投入口141側のメダルMが、より寝た姿勢となる。同図の例では、メダル投入口141側でのメダルMの底面212に対する角度はα1で、メダル投入口141から遠い位置でのメダルMの底面212に対する角度はα2(>α1)となっている。これは、メダル投入口141側では部位Pと底面212との距離が短くなり、反対側の手前側では部位Pと底面212との距離が長くなるからである。
【0098】
メダル投入口141側のメダルMが、より寝た姿勢となると、図18(a)に示すように、メダル投入口141側に存するメダルMが図18(b)の場合のよりも少なくなる。このため、誘導溝21上のメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを押圧する力が強くなりすぎる場合を回避できる。その結果、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMが適度に押圧されて、その落下が促進される。
【0099】
また、本実施形態のように角度θ1>θ2)の場合、図13(a)及び(b)に示した投入方法で投入した際、メダルMが立った状態から寝た状態へ姿勢が変化するまでに比較的時間がかかり、誘導溝21上のメダルMがメダル投入口141へ順次到達する間隔が比較的長くなる。その結果、誘導溝M上のメダルMが、奥側壁部10と上側壁部202との間のメダルMを強く押圧することを回避すると共に、奥側壁部10と上側壁部202との間にメダルMが急激に飛び込んでメダル詰まりを生じることを防止できる。
【0100】
次に、拡幅部213の機能について説明する。誘導溝21を移動させる際には、メダルMを寝かせることが有利であるが、メダル投入口141へ進入する際には垂直姿勢に回転させる必要がある。拡幅部213を設けたことにより、メダルMと側面211との接点が失われることになる。つまり、図16(c)において、接点CP1、CP1が急に失われることになり、図16(a)の状態3に示すように、前傾姿勢で移動してきたメダルMの前傾が強くなって、垂直姿勢へ回転しながら段差部203へ入ることが促進される。
【0101】
本実施形態の場合、拡幅部213は、誘導溝21の左右方向の幅を拡幅するだけではなく、メダル投入口141へ向かって下方へ傾斜した傾斜面となっている(図7等参照)。よって、メダルMが回転する際、拡幅部213上を摺動して安定的に回転することを可能としている。
【0102】
メダルMの回転が奥側壁部10の存在により妨げられることは好ましくない。そこで、図19に示すように、部位Pの連続方向線上で見た場合、拡幅部213の開始位置から奥側壁部10までの距離Wは、メダルMの直径Xの半分(つまり半径)以上であることが好ましい。この構成により、メダルMの回転空間を確実に確保できる。
【0103】
<手前側壁部>
本実施形態では、手前側壁部20が、下側壁部201と、上側壁部202と、段差部203と、を有し、メダル投入口141の奥行き方向の幅は、その上側で大きく、その下側で小さくなるようにした。この結果、メダル投入口141に対して複数のメダルMがまず落下し、そのうちの1枚のメダルMが次に落下する、という2段階の落下態様となる。これは、メダル投入口141全体を1枚のメダルMが投入する幅とする場合よりも、メダルMを連続的に落下し易くすることができる。
【0104】
図20(a)は、メダル投入口141全体を1枚のメダルMが投入する幅とした場合を例示している。同図の例では、先頭のメダルM1は他のメダルMによって、奥側壁部10に押圧され、奥側壁部10から摩擦力F1を、一つ手前のメダルMから、メダル間の摩擦力F2を、それぞれ受けている。摩擦力F1+F2>自重となった場合、メダルM1は落下しない。
【0105】
図20(b)は本実施形態の場合を示している。上側壁部202と、奥側壁部10との間には4枚のメダルMが進入可能となっている。これら4枚のメダルMは、残りのメダルから押圧されている状況においては、一体のものとみなすことができる。よって、摩擦力F1+F2>自重となった場合であっても、摩擦力F1+F2>自重×4枚の状況でなければ、4枚のメダルMは上側壁部202と、奥側壁部10との間に落下する。この落下の勢いも加勢するので、その後、先頭のメダルM1は下側壁部201と、奥側壁部10との間に落下し、そのまま投入口ユニットAから落下することになる。
【0106】
上側壁部202と、奥側壁部10との間の隙間は、メダルMの厚さのばらつきを考慮して、想定外の数のメダルMが同時に進入してメダル詰まりをおこさないようにすることが好ましい。図26及び図27は上側壁部202と、奥側壁部10との間の隙間等を設定するに際して行った試験の結果を示している。
【0107】
図26(a)及び(b)は、直径25mm、厚さ1.6mmのものとして市販されているメダルを収集し(4027枚)、その厚みのバラつきを調べた結果を示す。同図に示すように、厚さの主要な範囲(全体の98%以上)は1.5mm〜1.8mmとなった。
【0108】
次に、メダルの厚さが1.5mm〜1.8mmの場合に、複数枚重ねたときの累計厚みについて計算した。図27(a)及び(b)がその結果を示す。図27(a)は、縦軸がメダルの個々の厚さとなっており、横軸が重ねる枚数となっている。例えば、1.5mmの厚さのメダルを3枚重ねたときは、累計厚みが4.5mmであり、4枚重ねた場合は6.0mmとなる。
【0109】
図27(b)は縦軸が重ねる枚数であり、横軸が累計厚みである。例えば、3枚重ねた場合、累計厚みは4.5〜5.4mmの範囲になる。注目すべきは、重ねる枚数は異なるのに、累計厚みが同じ場合があり得る、という点である。例えば、累計厚みが12mm〜12.6mmになる枚数としては、7枚の場合と8枚の場合との双方があり得る。
【0110】
よって、例えば、上側壁部202と、奥側壁部10との間に最大7枚のメダルが入るものとして、これらの隙間を12.0mmに設定すると、8枚のメダルが隙間無く入ってしまう場合があり、メダル詰まりが生じる可能性があることになる。隙間を大きくすればするほど、メダルの厚さのばらつきによる累計厚みのばらつきも大きくなる。7.5mm未満に設定すると、上側壁部202と、奥側壁部10との間に最大で4枚のメダルしか入らない。よって、この試験例では、上側壁部202と奥側壁部10との距離を7.5mm未満とすることが好適であることになる。
【0111】
一方、奥側壁部10からの摩擦力やメダル間の摩擦力に対して、メダルが確実に落下するためには、同時に落下し得るメダルの数が多い方が好ましい。図27(c)は奥側壁部10側に密接させたメダルの枚数(横軸)と、これを押圧する誘導溝21上のメダルの枚数と、の関係で、メダルが落下したか否かを試験した結果を示す。例えば、奥側壁部10側に密接させたメダルが2枚の場合、誘導溝21上のメダルが3枚の場合は、奥側壁部10側に密接させた2枚のメダルが落下したが(○)、誘導溝21上のメダルが5枚の場合(押圧力が強い)は、落下しなかった(×)。図27(c)の試験例では、上側壁部202と、奥側壁部10との間には3枚以上のメダルが存在可能となるようにその隙間が設定されることが好ましいこととなり、図26と図27の試験例では、上側壁部202と、奥側壁部10との間は、最大3枚か4枚のメダルが存在可能なように隙間が設定されることが望ましいことになる。よって、この試験例では、上側壁部202と奥側壁部10との距離を5.4mm以上とすることが好適であることになる。
【0112】
次に、上側壁部202と、奥側壁部10との隙間を広げたことで、同時に複数のメダルMを落下させることが可能となる一方、メダルMがこの隙間に進入したときに暴れて落下に時間がかかってしまうとともに、連続投入の場合に、メダル詰まりの要因となる場合がある。図21(a)はメダルMが暴れている様子を例示している。しかし、誘導溝21上のメダルMが上側壁部202と、奥側壁部10との間に存するメダルMを奥側壁部10へ押圧することで、メダルMが暴れることを防止することができる。
【0113】
そこで、段差部203上のメダルMが、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出するよう、段差部203の深さが設定されることが望ましい。図21(b)は段差部203の深さの設定例を示している。本実施形態では、段差部203が水平面に対して傾斜しているため(角度θ3)、その最大深さYmaxがメダルMの直径X未満であれば、常時メダルMを露出させることができる。
【0114】
段差部203上のメダルMが、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出していれば、誘導溝21上のメダルMによって、これを奥側壁部10へ押圧することができる。図21(c)はその説明図である。段差部203上のメダルM1は、誘導溝21の端部から上方に露出しているので、誘導溝21上のメダルM2によって奥側壁部10へ押圧される。このとき、段差部203が下側壁部201へ向かって下方に傾斜しているので、メ段差部203上のメダルM1はよりスムーズに奥側に移動する。そして、下側壁部201と、奥側壁部10との間に落下していくことになる。
【0115】
こうして、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。また、メダルが段差部203周辺で詰まったときに、メダルMが露出しているので、詰まりを発見し易いという利点もある。更に、段差部203上のメダルが、奥側壁部10側へ移動し易くなり、連続的にメダルMを落下させることができる。
【0116】
次に、段差部203上のメダルMは、その下半分よりも上の部分が後続の、誘導溝21上のメダルMに押圧することが好ましい。下半分が押圧されると、垂直姿勢ではなく、寝た姿勢に戻るおそれがあるからである。図22(b)はその一例を示しており、メダルM1はその下半分が後続のメダルM2に押されているため、垂直姿勢から寝た姿勢に付勢されている。
【0117】
したがって、段差部203上のメダルの下半分よりも上の部分が、誘導溝21のメダル投入口141側の端部から露出するよう、段差部203の深さが設定されることが好ましい。図22(b)は段差部203の深さの設定例を示している。本実施形態では、段差部203が水平面に対して傾斜しているため、その最小深さYminがメダルMの半径X/2以上であれば、段差部203上のメダルの下半分よりも上の部分が常に押圧されるようにすることができる。
【0118】
図22(c)は図22(a)のように段差部203の深さを設定した場合を示しており、メダルM1はその下半分よりも上の部分が後続のメダルM2に押されているため、垂直姿勢に付勢されている。こうして、段差部203上のメダルMの上部のみが、誘導溝21上のメダルMから押されるので、メダル投入口141において、メダルMを垂直姿勢にし易くなり、メダルMの落下を促進できる。
【0119】
次に、段差部203の下縁の面取り部203bの機能について説明する。面取り部203bは、メダルMが段差部203から落ちるときに段差部203の下縁との接触面積を少なくして、メダルMの落下を促進させる効果がある。つまり、面取り部203bを設けたことで、メダルMと段差部203の下縁との接点は、その中央部203aの限られた範囲となり、接触面積を減らして摩擦を低減し、メダルMの落下を促進させ、メダル詰まりを防止する。なお、面取り部203bに代えて丸みでもよいことは上述したとおりである。
【0120】
また、このような面取り部203b(或いは丸み)は、本実施形態の段差部203の形状との関係で、特に、メダル詰まりの防止効果が高い。この点を図23を参照して説明する。図23(a)は面取り部203bを有しない段差部203’の場合を示し、図23(b)は面取り部203bを設けた本実施形態の場合を示している。
【0121】
ここで、本実施形態の場合、段差部203が下向きに凸型をなしている。この形状は、段差部203中央にメダルMが寄り易くなり、メダルが暴れて意図しない挙動を示してメダル詰まりが発生することを回避でき、特に、本実施形態のように円弧形状としたことで、円形のメダルMの形状にフィットしてこの効果を増加させる。しかし、下向きに凸型とすることで、段差部203の下縁が中央を下端として、左右両端が上方へ延びている。本実施形態の場合、段差部203が円弧形状をなしているので、その下縁も円弧上をなしている。
【0122】
図23(a)に示すように、面取り部203bを設けない場合、メダルMは、段差部203から落下する際、段差部203の下縁の接点CP11と、底面212と上側壁部202との境界の接点CP12と、においてこれらに接触する。
【0123】
図23(b)に示す本実施形態の場合も、メダルMは、段差部203から落下する際、段差部203の下縁の接点CP11と、底面212と上側壁部202との境界の接点CP12と、においてこれらに接触するが、面取り部203bを設けたことで、接点CP11は中央部203a上の位置となり、図23(a)に示す面取り部203bが無い場合と比較すると、接触する位置が相対的に下方になり、かつ、メダルMの姿勢が相対的に垂直姿勢に近くなる。このため、面取り部203bを設けない場合と比べると、メダル詰まりが発生することを防止することができる。特に、後続のメダルMからの押圧を期待できない、残り1枚のメダルMが落下するときのメダル詰まりの防止効果が高い。
【0124】
<奥側壁部>
上記のとおり、投入口形成部材1は、奥側壁部10の上端部に切り欠き部1aを有している。この切り欠き部1aはメダル詰まりの際に、メダルの取り出しを容易にする。図24はその説明図である。
【0125】
図24(a)はメダル詰まりが生じた態様の一例を示している。このとき、奥側壁部10にはメダルM1が密接している。切り欠き部1aの存在により、ここに指を入れるスペースが形成される。よって、図24(b)、図24(c)に示すように、遊技者はメダルM1を摘まんで抜き出し、メダル詰まりを解消できる。
【0126】
次に、凸部11、12の機能について説明する。凸部11、12を設けたことで、奥側壁部10に密接するメダルMとの摩擦力を低減できる。特に、本実施形態では、上記のとおり、凸部12の断面形状は頂部が丸い山型となっているため、メダルの円滑な落下を促進することができる。また、凹部13にはごみが逃げ込み易いので、奥側壁部10の表面にごみが堆積することを防止できる。
【0127】
中央凸部11は、メダルが奥側壁部10と衝突した時にメダルが暴れないようにすることができ、メダル詰まりを防止する機能がある。図25を参照して説明する。図25(a)は中央凸部11を設けた場合、図25(b)は全ての凸部を断面形状が山型の凸部12とした場合、を示している。
【0128】
図25(b)の例では、メダルMが奥側壁部10と衝突したとき、凸部12と衝突する角度次第で、左右方向に反力が生じ得る。この結果、メダルMが左右に振れて暴れながらメダル投入口141へ進入するおそれがある。これはメダル詰まりの要因になり得る。
【0129】
一方、図25(a)に示す本実施形態の場合、中央凸部11が左右方向中央に位置していることから、メダルMが確実に中央凸部11と衝突し、かつ、中央凸部11の前面11aが平坦面であることから、メダルMが受ける反力は、略奥行き方向となる。よって、メダルMが暴れることを防止できる。
【0130】
本実施形態では、相対的に幅広の中央凸部11と、幅狭の凸部12とを混在させることで、メダルの円滑落下とメダルの暴れ防止を促進することができる。特に、凸部12については頂部が丸い山型の断面形状とすることで、落下時のメダルMとの接触面積を減らして(線接触)摩擦低減を行い、中央凸部11については台形の断面形状とすることで前面11aの幅を確保し易くし(面接触)、メダルの暴れ防止を図れる。
【0131】
中央凸部11の幅は大きい方がメダルの暴れ抑制効果は高いが、落下時のメダルMとの接触面積が大きくなり、摩擦が大きくなる。よって、メダルMの直径や、誘導溝21の幅との兼ね合いにもよるが、メダルMの直径が25mmの場合、好ましくは4〜8mm、更に好ましくは5〜7mm、特に6mmが好ましい。
【0132】
<他の実施形態>
上記実施形態では、本発明の投入口ユニットをスロットマシンに適用した例を説明したが、他の種類の遊技台(例えば、メダルゲーム機)にも適用可能である。また、メダルはコインも含み、遊技媒体の他、硬貨としてのメダル、コインも含む。したがって、本発明の投入口ユニットは、例えば、飲料や切符の自動販売機等における硬貨の投入口を形成するユニットとしても適用可能である。また、メダルとして異なる直径のものを併用することを許容する場合には、全てのメダルについて上述した各関係が成立するようにすればよい。
【0133】
<実施形態のまとめ>
1.上記投入口ユニット(例えば、A)は、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口(例えば、141)を形成する奥側壁部(例えば、10)及び手前側壁部(例えば、20)と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝(例えば、21)と、を備えた投入口ユニットであって、前記手前側壁部は、下側壁部(例えば、201)と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部(例えば、202)と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部(例えば、203)と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状(例えば、OL)が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位(例えば、P)が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【0134】
この構成によれば、誘導溝上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢でメダル投入口へ向かう。その際、メダルと誘導溝との接点が2点又は3点となり、メダルが誘導溝上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【0135】
2.上記1に記載の投入口ユニットにおいて、前記誘導溝は、前記部位を含む一対の側面(例えば、211)と、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜する底面(例えば、212)と、を有し、前記側面において前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続している前記部位の傾斜の度合い(例えば、θ1)は、前記底面の傾斜の度合い(例えば、θ2)よりも大きいことを特徴とする。
【0136】
この構成によれば、メダル投入口側で、誘導溝上のメダルが寝易くなり、メダル投入口側に多くのメダルが存する状態を回避でき、段差部上のメダルを奥側壁部へ適度な押圧力で押圧できる。これにより、連続的なメダルの落下が促進される。
【0137】
3.上記1又は2に記載の投入口ユニットにおいて、前記誘導溝は、前記メダル投入口側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部(例えば、213)を有することを特徴とする。
【0138】
この構成によれば、誘導溝を寝た姿勢で滑動するメダルが、垂直姿勢へ回転しながら段差部へ入ることが促進される。
【0139】
4.上記遊技台(例えば、100)は、メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口(例えば、141)を形成する奥側壁部(例えば、10)及び手前側壁部(例えば、20)と、前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝(例えば、21)と、を備えた遊技台であって、前記手前側壁部は、下側壁部(例えば、201)と、前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部(例えば、202)と、前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部(例えば、203)と、を有し、前記誘導溝は、その縦断面の輪郭形状(例えば、OL)が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位(例えば、P)が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする。
【0140】
この構成によれば、誘導溝上のメダルが転倒しやすく、寝た姿勢で前記メダル投入口へ向かう。その際、メダルと誘導溝との接点が2点又は3点となり、メダルが誘導溝上を滑動することが促進される。その結果、よりスムーズに、メダルの連続投入を可能にすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、
前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、
を備えた投入口ユニットであって、
前記手前側壁部は、
下側壁部と、
前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、
前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、
前記誘導溝は、
その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、
その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、
その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする投入口ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の投入口ユニットにおいて、
前記誘導溝は、
前記部位を含む一対の側面と、
前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜する底面と、を有し、
前記側面において前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続している前記部位の傾斜の度合いは、前記底面の傾斜の度合いよりも大きいことを特徴とする投入口ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の投入口ユニットにおいて、
前記誘導溝は、前記メダル投入口側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部を有することを特徴とする投入口ユニット。
【請求項4】
メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、
前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、
を備えた遊技台であって、
前記手前側壁部は、
下側壁部と、
前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、
前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、
前記誘導溝は、
その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、
その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、
その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする遊技台。
【請求項1】
メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、
前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、
を備えた投入口ユニットであって、
前記手前側壁部は、
下側壁部と、
前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、
前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、
前記誘導溝は、
その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、
その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、
その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする投入口ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の投入口ユニットにおいて、
前記誘導溝は、
前記部位を含む一対の側面と、
前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜する底面と、を有し、
前記側面において前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続している前記部位の傾斜の度合いは、前記底面の傾斜の度合いよりも大きいことを特徴とする投入口ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の投入口ユニットにおいて、
前記誘導溝は、前記メダル投入口側の端部において左右方向の幅が拡幅された拡幅部を有することを特徴とする投入口ユニット。
【請求項4】
メダルを垂直姿勢で落下させるメダル投入口を形成する奥側壁部及び手前側壁部と、
前記メダル投入口の手前側から前記メダル投入口へ延設され、メダルが載置されると共に前記メダル投入口にメダルを誘導する誘導溝と、
を備えた遊技台であって、
前記手前側壁部は、
下側壁部と、
前記下側壁部よりも前記奥側壁部から離間した上側壁部と、
前記上側壁部と前記下側壁部とを結ぶ段差部と、を有し、
前記誘導溝は、
その縦断面の輪郭形状が、前記メダルの輪郭形状よりも大きく、
その左右方向の幅が、前記メダルの直径よりも大きい幅から小さい幅へ、下方に徐々に狭くなるように形成され、
その左右方向の幅が前記メダルの直径と同一となる部位が、前記メダル投入口へ向かって下方へ傾斜して連続していることを特徴とする遊技台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−99473(P2013−99473A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245832(P2011−245832)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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