説明

ねじ付容器の印刷装置

【課題】マンドレルの操作に用いるサーボモータの数を減少させたねじ付容器の印刷装置を提供する。
【解決手段】ねじ付チューブ11を保持するマンドレル12と、そのマンドレル12を保持するターンテーブル13と、そのターンテーブルに取り付けられたエンコーダ14と、定速回転する円筒状のブランケット胴15と、そのブランケット胴の外面に取り付けられたブランケット16と、チューブのねじ切り始めを撮影し、その位置情報を検出するカメラ17、カメラコントローラ17aと、マンドレルを軸方向に回転させるサーボモータ21と、このサーボモータの回転速度を操作するサーボコントローラ19とからなる印刷装置10。サーボコントローラは、ターンテーブルが間欠移動するときに、印刷ステーションでチューブの印刷部位の始点と、ブランケットの始点とが当接するように操作し、その後、チューブをブランケットの回転と同期するように操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ付容器の印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特願2005−162446号
【特許文献2】特開平3−239906号公報
【特許文献3】特開2000−135775号公報
【0003】
従来、薬剤、染毛剤等の粘性材料を充填するねじ付容器として、チューブ容器が知られている。このチューブ容器は、内容物を充填する前に、その表面にデザインを印刷し、その後、内容物を充填して製品となる。このようなチューブ容器は、円筒状でその印刷向きが特定しにくいため、例えば、特許文献1のように、チューブ体自身にあらかじめマークを設けて、そのマークに基づいて印刷向きを特定している。特に、ヒンジキャップを螺合させて、商品として陳列されるチューブ容器は、取り付けられたヒンジキャップによってその製品としての向きが決定されるため、その印刷向きは重要であり、正確性が求められている。
【0004】
このようなチューブ容器の印刷方法は、初めにマンドレル等に保持されたチューブのマークをカメラあるいはセンサ等によって検出させる。次に、マンドレルを回転させてチューブが一定の向きを向くように粗位置決めをする。その後、正確に印刷されるようにマンドレルを微調整しながら回転させて本位置決めをする。そして、チューブをブランケットと同期するようにマンドレルを回転させながら印刷を行う。つまり、マンドレルは、3つのサーボモータによって制御されている。特許文献2には、その一部の方法であるチューブ体をブランケットと同期するようにマンドレルを回転させながら印刷を行う方法が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、ねじ付瓶の口部に対して垂直となるようにカメラを配置し、口部に形成されているねじ部の像に基づいて瓶の方向を検出する瓶の方向検出装置が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、筒状のねじ付容器にデザイン等を印刷する工程において、不規則な位置に存在するねじ切り始めを検出して、サーボコントローラによりサーボモータ及び保持手段の回転を制御することにより、常に定位置に印刷面がくるようにした、ねじ付容器の印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の印刷装置は、表面に印刷部位を有する、ねじ付容器を保持する複数の保持手段と、それらの保持手段を保持し、保持手段に保持されたねじ付容器を印刷ステーションへ間欠的に移動させる搬送手段と、その搬送手段の位置情報を出力する搬送部位置検出手段と、前記印刷ステーションにおいてねじ付容器の印刷部位に印刷するブランケットと、前記ねじ付容器のねじ切り始めを検出して、その位置情報を出力するねじ切り始め検出手段と、前記印刷ステーションに一番近いねじ付容器を保持する保持手段を、ねじ付容器が、印刷ステーションに到着前から軸回転させる回転手段と、前記搬送部位置検出手段およびねじ切り始め検出手段の情報を入力し、それらの情報に基づいて回転手段を操作するサーボコントローラとからなり、前記ブランケットは、定速回転する円盤状のブランケット胴に設けられており、前記サーボコントローラは、保持手段を搬送手段が間欠移動するときに、印刷ステーションにおいて、印刷ステーションに一番近いねじ付容器のねじ切り始めの位置検出に基づいて、印刷部位の始点とブランケットの始点とが当接するように位置決めし、その後印刷ステーションのねじ付容器を、ブランケットの定速回転と同期するように操作することを特徴としている。なお、ねじ付容器のねじ切始めとは、不完全ねじ部のねじ切り始め、又は完全ねじ部のねじ切り始めを意味し、認識容易な方の部位を選択してもよい。たとえば、チューブの色彩などで認識することができる。
【0008】
このような印刷装置であって、前記ねじ切り始め検出手段が、カメラおよびカメラコントローラが好ましい。また、カメラおよびカメラコントローラを用いてチューブの色彩によってねじ切始めを認識する場合、例えば、チューブの色が、白、黒、透明、パール色等の場合は、カメラコントローラは、不完全ねじ部のねじ切り始めの位置情報を入力し、透明のオレンジ色の場合は、カメラコントローラは、完全ねじ部のねじ切り始めの位置情報を入力するようにしてもよい。このようにチューブ色の色彩に応じて、予めカメラコントローラの設定を変えることができる。
また、前記ねじ付容器が、例えば、ねじ付チューブ容器であってもよく、前記回転手段が、サーボコントローラに操作されるサーボモータと、そのサーボモータによって回転するループ状のベルトと、このベルトによって軸回転するプーリとからなり、保持手段が、ねじ付チューブ容器が、印刷ステーションに到着する前に、前記ベルトと接触して軸回転するプーリ等によって回転が制御されていてもよい。さらに、前期搬送手段がターンテーブルであり、搬送部位検出手段がエンコーダであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の印刷装置は、ねじ付容器のねじ切り始めを、印刷ステーションの前で検出するねじ切り始め検出手段と、それに基づいて印刷部位を特定するサーボコントローラとを備えているため、印刷ステーション前において不規則な位置に存在するねじ切り始めに対して、印刷ステーションにおいて常にねじ付容器の一定の部位に印刷することができる。また、ねじ付容器に突起等のマークを設けなくてもよく、あらゆるねじ付容器に対応させることができる。そして、前記印刷ステーションに一番近いねじ付容器を保持する保持手段を、ねじ付容器が印刷ステーションに到着前から軸回転させる回転手段を備えているため、ねじ切り始め検出手段のデータに基づいて、印刷ステーションに到着前に、ねじ付容器を保持する保持手段の回転を制御することができるため、回転速度の制御を行う回転手段を一つにすることができる。このように構成されているため、本発明の印刷装置は、ねじ付容器に取り付けられるキャップに対して、常に定位置に印刷面がくるように印刷することができる。そのため、対称でないキャップや、前から後ろに蓋を開けるヒンジキャップ等を有する、ねじ付容器への印刷に特に好ましく用いられる。
【0010】
このような印刷装置であって、前記ねじ切り始め検出手段が、カメラ及びカメラコントローラである場合、使用中におけるねじ付容器の芯振れ等があっても、カメラ画像で位置補正を行うことができるため、問題とならない。また、視覚的であるため、調整が簡単である。また、印刷する対象のねじ付容器は、例えば、ねじ付チューブ容器であり、そのねじ付チューブ容器を保持する保持手段は、例えばマンドレルであり、このマンドレルは、通常、印刷前にねじ付チューブ容器の底部開口部から挿入されることにより、チューブ容器を保持する。さらに、前記回転手段は、サーボコントローラに操作されるサーボモータと、そのサーボモータによって回転するループ状のベルトと、このベルトと接触し軸回転するプーリとからなり、マンドレルは、ねじ付チューブ容器が印刷ステーションに到着前に、前記ベルトと接触して軸回転するプーリによって回転する場合、マンドレルは、軸回転するプーリにより、正確に回転速度が制御される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に図面を用いて本発明のねじ付容器印刷装置を説明する。図1は本発明の印刷装置の一実施例示す正面図、図2は図1の一部概略図、図3aは本発明の印刷装置に印刷されるねじ付容器の正面図、図3bはその一部側面図、図4a、b、cはねじ開始位置の測定図、図5a、bは、印刷ステーションにおける、ねじ付チューブ容器とブランケットの関係図および本発明の印刷装置のサーボコントローラの工程図である。
【0012】
図1に示す印刷装置10は、ねじ付チューブ容器11を保持する複数のマンドレル12と、これらのマンドレル12を保持するターンテーブル13と、そのターンテーブル13に取り付けられたエンコーダ14と、定速回転する円盤状のブランケット胴15と、そのブランケット胴15の外面に取り付けられるブランケット16と、ねじ付チューブ容器11のねじ切り始めの位置情報を検出するカメラ17及びカメラコントローラ17aと、マンドレル12を軸廻りに回転させる回転装置18と、その回転装置18の回転速度を操作するサーボコントローラ19とからなる。
【0013】
ねじ付チューブ容器11は、表面に印刷部位を有する筒状のねじ付チューブ容器であり、底部が開口している。そのため、底部からマンドレル12を挿入して保持されている。このねじ付チューブ11のねじを有する頭部の開口部は、開口しているか又は封緘蓋で閉鎖されている。このねじ付チューブ11は、印刷装置によって印刷された後は、底部から内容物を充填し、底部をヒートシールによって閉じ、さらに、頭部にキャップを螺合させて製品となる。
このねじ付チューブ容器11としては、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等の単層又は多層の合成樹脂で製造されるねじ付チューブ容器や、アルミチューブ容器、さらにはラミネートチューブ容器にも適用できる。
【0014】
ここでねじ付チューブ11の印刷部位と、頭部に取り付けられたキャップの向きは一定になるように構成されている。つまり、ねじ付チューブ11のねじ切り始め、例えば、不完全ねじ部のねじ切り始め11aと、キャップの向きとは相互関係が成立している。そのため、ねじ付チューブ11の不完全ねじ部のねじ切り始め11aとチューブ容器表面の印刷部位にも、一定の関係が満たされており、ねじ切り始めを検出することにより、ねじ付チューブ11の印刷部位を検出することができる。ねじ付チューブ11のねじ切り始めが、完全ねじ部のねじ切り始め11bであっても同様である。これは、特にキャップとしてヒンジキャップを用いた場合に重要となる。ヒンジキャップは、キャップを閉じているときは、円柱状でその前後がわからないが、キャップを開いているときは、その開く方向が一定であるため、前後がはっきりしている。そのため、キャップを開いていないとき使用者は、ねじ付チューブ11に印刷されたデザインでその向きを認識することができる。
【0015】
マンドレル12は、円柱状のアームであり、回転自在に構成されている。ターンテーブル13は、定間隔に複数本のマンドレル12を保持するものであり、間欠的に回転し、マンドレル12に保持されたねじ付チューブ11をつぎつぎと印刷ステーションへ移動させる。エンコーダ14は、ターンテーブル13の回転状況を認識し、その回転情報をサーボコントローラ19に出力するものである。
【0016】
ブランケット胴15は、その胴表面でブランケット16を支持し、印刷ステーションで定速回転駆動するものであり、ブランケット16とチューブ11とが、印刷ステーションにおいて当接するように、ブランケット16とターンテーブル13とは同期している。すなわち、ターンテーブル13が停止している間に、ブランケット16をねじチューブ付チューブ11の表面を転動させるものである。ブランケット16は、ねじ付チューブ11の印刷部位にデザイン等を印刷するものである。ブランケット16は、ブランケット胴15に対して、一対取り付けられている。しかし、複数個一定の間隔で取付けられていてもよい。
【0017】
カメラ17は、図2に示すように、印刷ステーションに間欠的に移動される1つ前において、ねじ付チューブ容器のねじ部分の画像を取り込み、そして、その画像をカメラコントローラ17aへ送り、ねじ付チューブ容器11のねじ切り始めを検知するものである。この実施例のねじ切り始めの検知は、軸方向からチューブの口部を画像で取り込み、画像を処理し、ねじ切り始めを計測する。このようにねじ切り始めを検知し、その情報をサーボコントローラ19に送る。また、カメラ17は、チューブの色(白、黒、透明、青、赤、パール系等)により、光量が一定になるように調整する。また、チューブの色彩によってねじ切り始めを認識する場合、例えば、チューブの色が、白、黒、透明、パール色等の場合は、カメラコントローラが不完全ねじ部のねじ切り始めの位置情報を入力し、透明のオレンジ色の場合は、カメラコントローラが完全ねじ部のねじ切り始めの位置情報を入力するようにしてもよい。このようにチューブ色の色彩に応じて、予めカメラコントローラの設定を変えることができる。
【0018】
図2に示すように、回転装置18は、プーリ22を用いて構成される環状に取り付けられたマンドレルベルト20と、そのベルト20を駆動させるサーボモータ21とからなる。そして、マンドレルベルト20を駆動させ、マンドレル12の端部に設けられたプーリ22に、マンドレルベルト20を当接させることによって、カメラ17及びカメラコントローラ17aから、ねじ切り始めを検知すると同時に、チューブ11を保持するマンドレル12をプーリ22によって軸回転させるものである。サーボモータ21(駆動モータ)の回転速度は、サーボコントローラ19によって任意に変えることができる。このように回転装置18は、マンドレルベルト20を備えているため、次々に間欠的に送られてくるマンドレル12(チューブ11)の回転を制御することができる。
【0019】
サーボコントローラ19は、カメラ17及びカメラコントローラ17aの情報およびエンコーダ14の情報を基に、ターンテーブル13が間欠移動して印刷ステーションに一番近いチューブ11を、印刷ステーションに移動させるとき、図5に示すように、定めたチューブ11の印刷部位の始点Aとブランケット16の始点が接触するように、サーボモータ18の回転速度を操作し、その後、ブランケット胴15の定速回転に同期させるように、サーボモータ18の回転速度を操作する。
【0020】
このように印刷装置10は構成されているため、サーボコントローラ19によって制御されるサーボモータ21を一個備え付けるだけでよく、簡易であり、誤作動をするおそれが小さい。また、カメラ17をセンサとして用いているため、チューブの芯振れによるねじ切り始め検出の影響がなく、視覚的であるためその調整が簡単である。さらに、従来アウトラインで生産しているヒンジキャップを使用した製品のインライン化が可能であり、ヒンジキャップを使用した製品の生産を向上させることができる。また、ねじ付チューブ容器11自身に、マークを形成する必要がない。
【0021】
次に、印刷装置10を用いた印刷方法を説明する。
初めに、図2に示すように、ターンテーブル13が時計回りに間欠的に回転することにより、マンドレル12に保持されるチューブ11を、印刷ステーションに移動させる。ここで停止位置Yは、ターンテーブル13における印刷ステーションであり、停止位置Xはターンテーブル13における印刷位置Yより一つ前の位置である。また、マンドレル12(チューブ11)は、位置Xの少し手前からサーボモータ21によって駆動されるマンドレルベルト20により反時計回りに軸回転する。
【0022】
ねじ付チューブ11のねじ切り始めと印刷部位とは、図3に示すように円周の反対側にあるように構成されており、例えば、印刷位置Aから印刷位置Bの間にデザインが印刷される。そして、このねじ付チューブ11は上述したように反時計回りに軸回転するため、デザインは印刷位置Aから印刷され、印刷位置Bで終了する。もちろん、全周印刷も可能である。また、ねじ付チューブ11の基準点Zからの角度θを、ねじ切り始め(不完全ねじ部のねじ切り始め11a)の基準位置とする。ここでは、3時の方角を基準位置としている。
【0023】
図2に示すように、停止位置Xにおいて、間欠的に送られてくる反時計回りに軸回転しているねじ付チューブ11の口部をカメラ17で撮影し、カメラコントローラ17aで、ねじ切り始め11a(不完全ねじ部のねじ切り始め)を検出する(図3a参照)。このとき、基準点Zとねじ切り始め(不完全ねじ部のねじ切り始め11a)との角度θを検出し、そのデータをサーボコントローラ19に送信する。
【0024】
送られてきたデータを元に、サーボコントローラ19は、ねじ切り始め(不完全ねじ部のねじ切り始め11a)が、基準位置からどの程度離れているかを算出する。例えば、ねじ開始位置の角度θ1がθと同じである場合(図4a参照)、基準の回転速度となるようにサーボモータ18に指令する。つまり、マンドレル12(チューブ11)は、ターンテーブル13による停止位置Xから、停止位置Yの間欠移動の間に(図2のLの区間)、基準の回転速度で回転する基準角度をSとすると、Sだけ回転することになる。
【0025】
また、ねじ切り始め(不完全ねじ部のねじ切り始め11a)の角度θ1が、θより大きい場合(図4b参照)、マンドレル12(チューブ11)は、Lの区間に角度S−(θ1−θ)の回転をする。つまり、コントローラ19は、図2のLの区間に、マンドレル12が遅く回転するようにサーボモータ21に指令を出す。一方、ねじ切り始め(不完全ねじ部のねじ切り始め11a)の角度θ1が、θより小さい場合(図4c参照)、マンドレル12(チューブ11)は、Lの区間に角度S+(θ−θ1)の回転をする。つまり、サーボコントローラ19は、Lの区間においてマンドレルが速く回転するようにサーボモータ21に指令を出す。いずれの場合も、停止位置Yにおいて、ブランケット13の始点が印刷位置Aと当接するように、サーボコントローラ19は、サーボモータ21に指令を出す(図5a参照)。なお、基準が完全ねじ部のねじ切り始め11bであっても同様である。
【0026】
次に、マンドレル12(チューブ11)が停止位置Yに到着すると同時に、サーボコントローラ19は、ブランケット胴15の定速回転と同期するように、マンドレル12の回転速度を操作する(図5b参照)。これにより、ブランケット16がねじ付チューブ容器11の位置Aから位置Bにおいて転動し、デザインが印刷される。そして、位置Bに到着すると、次のチューブ11の口部をカメラ17は撮影し、ターンテーブル13が次の移動をはじめる。
【0027】
つまり、図6に示すように、印刷装置10によるサーボコントローラ19は、エンコーダ14から、ターンテーブル13のデータ(工程I−1)、および、カメラ17及びカメラコントローラ17aから位置Xにおける、チューブ11のねじ切り始めのデータを受信する(工程I−2)。次に、これらのデータに基づき、チューブ11の印刷位置Aとブランケット16の始点とが停止位置Yにおいて当接するように、停止位置Xから停止位置Yに移動するマンドレル12の回転速度を算出する(工II)。さらに、そのマンドレル12を駆動するサーボモータ21に回転速度の指令を送る(工程III)。印刷位置Aとブランケット16の始点とが当接したと同時に、つまり、チューブ11が停止位置Yに到着すると同時に、ねじ付チューブ容器11を保持しているマンドレル12の回転速度を、ブランケット胴15と同期させるように、サーボモータに指令を送る(工程IV)。次のチューブ11の印刷するため、工程I−1、工程I−2に戻る。
【0028】
この印刷装置10は、ねじ付容器のねじ切り始めに対して、常に同じ部位に印刷することができる。特に、図7に示すように、ヒンジキャップ25を取り付ける、ねじ付チューブ11は、ヒンジキャップ25を親指等で蓋を開けることにより、方向性を有するため、常に開ける方向側に印刷を設けることができる。
【0029】
上記実施例では、ねじ付チューブ11の印刷装置を説明したが、ねじ付ボトル容器(金属、樹脂)、ねじ付エアゾール容器、又はねじ付瓶等の底部を備えたねじ付容器であってもよい。なお、ねじ付ボトル容器、ねじ付エアゾール容器の場合、容器内にマンドレルを挿入して保持することが不可能であり、この場合バキュームホルダ、口部及び底部挟着装置等で容器を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の印刷装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の一部概略図である。
【図3】図3aは本発明の印刷装置に印刷されるねじ付容器の正面図であり、図3bはその一部側面図である。
【図4】図4a、b、cはねじ開始位置の測定図である。
【図5】図5a、bは、印刷ステーションにおけるチューブとブランケットの関係図である。
【図6】本発明の印刷装置のコントローラの工程図である。
【図7】図7aはヒンジキャップを備えたチューブ容器を示す斜視図であり、図7bはその一部側面断面図である。
【符号の説明】
【0031】
10 印刷装置
11 ねじ付チューブ容器
12 マンドレル
13 ターンテーブル
14 エンコーダ
15 ブランケット胴
16 ブランケット
17 カメラ
17aカメラコントローラ
18 回転装置
19 サーボコントローラ
20 マンドレルベルト
21 サーボモータ
22 プーリ
25 ヒンジキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に印刷部位を有する筒状のねじ付容器を保持する複数の保持手段と、
それらの保持手段を保持し、保持手段に保持されたねじ付容器を印刷ステーションへ間欠的に移動させる搬送手段と、
その搬送手段の位置情報を出力する搬送部位置検出手段と、
前記印刷ステーションにおいてねじ付容器の印刷部位に印刷するブランケットと、
前記ねじ付容器のねじ切り始めを印刷ステーションの前において検出して、その位置情報を出力するねじ切り始め検出手段と、
前記印刷ステーションに一番近いねじ付容器を保持する保持手段を、ねじ付容器が印刷ステーションに到着する前から軸回転させる回転手段と、
前記搬送部位置検出手段およびねじ切り始め検出手段の情報を入力し、それら情報に基づいて回転手段を操作するサーボコントローラとからなり、
前記ブランケットは、定速回転する円盤状のブランケット胴に設けられており、
前記サーボコントローラは、保持手段を搬送手段が間欠移動するときに、印刷ステーションにおいて、印刷ステーションに一番近いねじ付容器の、ねじ切り始めの位置検出に基づいて、印刷部位の始点とブランケットの始点とが当接するように位置決めし、その後印刷ステーションのねじ付容器を、ブランケットの定速回転と同期するように操作する、ねじ付容器の印刷装置。
【請求項2】
前記ねじ付容器が、ねじ付チューブ容器である請求項1記載のねじ付容器の印刷装置。
【請求項3】
前記保持手段が、マンドレルであることを特徴とする請求項1記載のねじ付容器の印刷装置。
【請求項4】
前記回転手段は、サーボコントローラによって速度が制御されるサーボモータと、該サーボモータによって回転するループ状のベルトと、該ベルトによって軸回転するプーリとからなり、前記保持手段は、ねじ付容器が印刷ステーションに到着する前に、前記ベルトと接触して軸回転するプーリによって回転する、請求項1記載のねじ付容器の印刷装置。
【請求項5】
前記ねじ切り始め検出手段が、カメラ及びカメラコントローラである請求項1記載のねじ付容器の印刷装置。
【請求項6】
前記搬送手段がターンテーブルであり、搬送部位置検出手段がエンコーダである請求項1記載のねじ付容器の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−55718(P2008−55718A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234255(P2006−234255)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】