説明

ひずみ測定装置とその製造方法及び載荷試験装置

【課題】管状部材の内周面にひずみ検出部を簡単に接着してこの管状部材のひずみを容易に測定することができるひずみ測定装置とその製造方法及び載荷試験装置を提供する。
【解決手段】ひずみ検出部5A〜5Lは、模型鏡ボルトBの各検出位置PA〜PLに発生するひずみを検出する光ファイバ式のひずみゲージである。挿入部材10は、模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを接着するために、このひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって外周面に保持した状態で、この模型鏡ボルトBに挿入される。挿入部材10は、ひずみ検出部5A〜5Lを模型鏡ボルトB内に案内し検出位置PG〜PLに位置決めするための治具として機能する。接着剤層11は、挿入部材10の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管状部材に発生するひずみを測定するひずみ測定装置とその製造方法、及び実際の地盤を模擬した模型地盤に荷重を載荷する載荷試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管状部材に発生するひずみを測定するときには、この管状部材の開口端から作業者が手を挿入して、この作業者の手の届く範囲内でこの管状部材の内周面にひずみゲージを貼り付けていた。しかし、内径の小さい管状部材の内周面にひずみゲージを貼り付ける場合には、この管状部材に作業者が手を挿入することができず、ひずみゲージの取り付けが不可能であった。また、管状部材の開口端から作業者が手を挿入することが可能であっても、ひずみゲージを貼り付けたい位置が管状部材の奥であり作業者の手が届かない範囲である場合にはひずみゲージの取り付けが不可能であった。このような問題を解決するためにひずみゲージを管状部材の内周面に貼り付ける治具が提案されている。
【0003】
従来のひずみゲージの取付装置は、鋼管の開口端から挿入されてこの鋼管の内周面に沿って転動する案内ガイドローラと、上面に接着剤が塗布されたひずみゲージを保持した状態で案内ガイドローラと一体となって鋼管内に挿入される台座と、この台座を鋼管の内周面に向かって昇降させる昇降機構部と、この昇降機構部を昇降操作するときに作業者によって操作されるグリップなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来のひずみゲージの取付装置は、下降状態の台座にひずみゲージを取り付けて、このひずみゲージを貼り付けたい位置まで案内ガイドローラとともにこの台座を鋼管の開口部から挿入し、作業者によるグリップの操作によって昇降機構部が台座を上昇させひずみゲージを鋼管の内周面に貼り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-004410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のひずみゲージの取付装置では、鋼管の外径が100mm程度である場合には案内ローラ及び台座を挿入することができるが、鋼管の外径が5mm以下の小径管の場合には案内ローラ及び台座などの機構部分を挿入することができず、鋼管の内周面にひずみゲージを貼り付けることができない問題点がある。また、従来のひずみゲージの取付装置では、昇降機構部などの構造が複雑で製造が困難でありコストが高くなってしまう問題点があるとともに、ひずみゲージを正確に位置決めし貼り付けるのに手間がかかり、取付作業が長時間になってしまう問題点がある。
【0006】
この発明の課題は、管状部材の内周面にひずみ検出部を簡単に接着してこの管状部材のひずみを容易に測定することができるひずみ測定装置とその製造方法及び載荷試験装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図5及び図12に示すように、管状部材(B)に発生するひずみを測定するひずみ測定装置であって、前記管状部材に発生するひずみを検出するひずみ検出部(5A〜5L;5M,5N)と、前記管状部材の内周面に前記ひずみ検出部を接着する接着剤層(11)と、前記管状部材の内周面に前記ひずみ検出部を接着するために、このひずみ検出部を前記接着剤層によって外周面に保持した状態で、この管状部材に挿入される挿入部材(10)とを備えるひずみ測定装置(2A,2B;2C,2D)である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のひずみ測定装置において、図4及び図5に示すように、前記管状部材は、外径が5mm以下の小径管であり、前記ひずみ検出部(5A〜5L)は、前記小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージを備えることを特徴とするひずみ測定装置(2A,2B)である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のひずみ測定装置において、図12に示すように、前記管状部材は、外径が5mm以上10mm以下の小径管であり、前記ひずみ検出部(5M,5N)は、前記小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージを備えることを特徴とするひずみ測定装置(2C,2D)である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置において、図6及び図13に示すように、前記接着剤層は、前記挿入部材の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて形成されていることを特徴とするひずみ測定装置である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置において、図5、図6、図12及び図13に示すように、前記挿入部材は、前記接着剤層の硬化後に前記管状部材と一体となることを特徴とするひずみ測定装置である。
【0012】
請求項6の発明は、図9に示すように、管状部材(B)に発生するひずみを測定するひずみ測定装置の製造方法であって、前記管状部材に発生するひずみを検出するひずみ検出部(5A〜5L;5M,5N)を接着剤層(11)によって挿入部材(10)の外周面に保持する保持工程(#100)と、前記ひずみ検出部を前記接着剤層によって前記挿入部材の外周面に保持した状態で、前記管状部材にこの挿入部材を挿入する挿入工程(#110)と、前記ひずみ検出部を前記接着剤層によって前記管状部材の内周面に接着する接着工程(#120)とを含むひずみ測定装置の製造方法である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載のひずみ測定装置の製造方法において、前記管状部材は、外径が5mm以下の小径管であり、前記保持工程は、前記小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージ(5A〜5L)を前記挿入部材の外周面に前記接着剤層によって保持する工程を含むことを特徴とするひずみ測定装置の製造方法である。
【0014】
請求項8の発明は、請求項6に記載のひずみ測定装置の製造方法において、前記管状部材は、外径が5mm以上10mm以下の小径管であり、前記保持工程は、前記小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージ(5M,5N)を前記挿入部材の外周面に前記接着剤層によって保持する工程を含むことを特徴とするひずみ測定装置の製造方法である。
【0015】
請求項9の発明は、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置の製造方法において、前記保持工程は、前記挿入部材の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて前記接着剤層を形成する工程を含むことを特徴とするひずみ測定装置の製造方法である。
【0016】
請求項10の発明は、請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置の製造方法において、前記接着工程は、前記接着剤層の硬化後に前記管状部材と前記挿入部材とを一体にする工程を含むことを特徴とするひずみ測定装置の製造方法である。
【0017】
請求項11の発明は、図1及び図11に示すように、実際の地盤を模擬した模型地盤(G)に荷重(F)を載荷する載荷試験装置であって、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置(5A〜5L;5M,5N)を備え、前記ひずみ測定装置は、前記模型地盤中に埋設されている前記管状部材(B)に発生するひずみを測定することを特徴とする載荷試験装置(1)である。
【0018】
請求項12の発明は、請求項11に記載の載荷試験装置において、前記管状部材は、実際のトンネルを模擬した模型トンネル(T)が前記模型地盤中に埋設されているときに、この模型トンネルの切羽(T5)からこの模型地盤中に埋設される模型鏡ボルト(B)であることを特徴とする載荷試験装置である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によると、管状部材の内周面にひずみ検出部を簡単に接着してこの管状部材のひずみを容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置の平面図である。
【図3】図2のIII-III線で切断した状態を示す縦断面図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の一部を破断して示す外観図である。
【図5】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の一部を省略して模式的に示す断面図である。
【図6】図5のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。
【図7】図5のVII部分の一部を省略して示す拡大図である。
【図8】図5のVIII-VII線で切断した状態を示す断面図である。
【図9】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の製造方法を説明するための工程図である。
【図10】この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の第2実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置を概略的に示す斜視図である。
【図12】この発明の第2実施形態に係るひずみ測定装置の一部を省略して模式的に示す断面図である。
【図13】図12のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置を概略的に示す斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置の平面図である。図3は、図2のIII-III線で切断した状態を示す縦断面図である。
【0022】
図1〜図3に示す模型地盤Gは、実際の地盤を模擬した模型である。模型地盤Gは、土工又はトンネル工事を行う際に対象となる地山を模擬した模型地山であり、セメントに水及び細骨材を一定量混合して所定期間養生し所定の硬度にした低強度配合のモルタルである。
【0023】
模型トンネルTは、実際のトンネルを模擬した模型である。模型トンネルTは、実際のトンネルを想定した所定縮尺のモルタル製又はステンレス製の模型である。模型トンネルTは、図2に示す模型アーチT1と、模型側壁T2と、模型インバートT3と、図2及び図3に示す模型坑口T4と、模型切羽T5などを備えている。図2に示す模型アーチT1は、実際のトンネル掘削断面の上半分(上部半断面)に相当する部分である。模型側壁T2は、実際のトンネルの両側部の覆工に相当する部分である。模型インバートT3は、実際のトンネルの掘削断面の底部に打設する逆アーチ形状のコンクリート部分に相当する部分である。図2及び図3に示す模型坑口T4は、実際のトンネルの出入口に相当する部分である。模型切羽T5は、実際のトンネルの掘進方向の最奥部の正面である切羽(鏡又は鏡面)に相当する部分である。模型トンネルTは、図3に示すように、模型坑口T4が模型地盤Gの上面と略同一高さ(面一)になり、模型切羽T5が模型地盤G内になるように、トンネル長さ方向を垂直方向と一致させて模型地盤G中に埋設されている。
【0024】
図1〜図3に示す模型鏡ボルトBは、実際の鏡ボルトを模擬した模型である。模型鏡ボルトBは、模型トンネルTが模型地盤G中に埋設されているときに、この模型トンネルTの模型切羽T5からこの模型地盤G中に埋設されている。模型鏡ボルトBは、図2に示すように、模型トンネルTの模型アーチT1及び模型側壁T2に沿って異なる半径R1〜R3(R1<R2<R3)の円弧上に間隔をあけて模型地盤G中に埋設されており、半径R1の円弧上には3本埋設されており、半径R2の円弧上には5本埋設されており、半径R3の円弧上には6本埋設されている。ここで、鏡ボルト(フェースボルト)とは、トンネルの切羽の押出しを抑制するとともに切羽の崩落を防止するために、切羽からトンネル掘削方向に沿って埋設されてトンネル掘削時の切羽の安定化を図るための部材である。鏡ボルトは、切羽からトンネル掘削方向に沿って形成された鏡ボルト孔に挿入されてこの鏡ボルト孔との隙間に充填された付着材によってこの鏡ボルト孔に結合される。鏡ボルトは、例えば、掘削作業に支障がないように切削が容易なグラスファイバ(GFRP)製であり、1本3〜4mの外径70mm程度の中空管を数mの長尺状に形成して切羽から打設するFIT(FRP Injection Tube)工法で使用される。模型鏡ボルトBは、断面形状が円形の管状部材であり、作業者が手や指を挿入することが不可能な外径が5mm以下、内径が4mm以下、肉厚が0.5mmのステンレス製の小径管である。
【0025】
図1〜図3に示す載荷試験装置1は、模型地盤Gに荷重Fを載荷する装置である。載荷試験装置1は、模型地盤G中に模型鏡ボルトBを埋設し、この模型地盤Gに荷重Fを作用させてこの模型鏡ボルトB及び/又はこの模型地盤Gの挙動を試験する。載荷試験装置1は、例えば、模型地盤Gに静的荷重又は動的荷重を加えて、この模型地盤G中に埋設された模型鏡ボルトBに水平変位を付与し、この模型鏡ボルトBの変位、ひずみ及び応力などを測定してこの模型鏡ボルトBの変形特性及び強度特性などを評価する載荷模型実験装置である。載荷試験装置1は、せん断土槽2と、荷重作用装置3と、ひずみ測定装置4A,4Bと、演算装置14と、設定装置15と、記憶装置16と、制御装置17などを備えている。
【0026】
せん断土槽2は、模型地盤Gを収容する部分である。せん断土槽2は、図1に示すように、四角形の板材を平面状に多段に積み重ねて立方体に形成した装置であり、内部に模型地盤Gが充填されている。せん断土槽2は、例えば、模型地盤Gに水平方向のせん断力を作用させてこの模型地盤Gをせん断変形させる二次元せん断土槽である。せん断土槽2は、図1〜図3に示す載荷板2aと、固定板2bと、図1及び図3に示す基板2cと、図2及び図3に示すフレーム部2d,2eと、図1に示す支持部2fなどを備えている。
【0027】
図1〜図3に示す載荷板2aは、模型地盤Gの側面に荷重Fを作用させる部材である。載荷板2aは、せん断土槽2の4つの側面のうちの1つの側面部分を合計6枚によって構成しており、図1に示すように1段当り2枚で3段に構成し隙間なく積み重ねて平面状に並べて配置されている。載荷板2aは、図2に示すように、フレーム部2dによって移動自在にガイドされて水平方向に進退自在であり、図1に示す複数段のうちの任意の段が進退動作することによって模型トンネルTの線路方向(長さ方向)における載荷条件を変化させる。図1〜図3に示す固定板2bは、模型地盤Gの側面を支持する部材である。固定板2bは、せん断土槽2の4つの側面のうちの3つの側面部分をそれぞれ合計6枚によって構成しており、図1に示すように1段当り2枚で3段に構成し隙間なく重ねて平面状に並べて配置されている。固定板2bは、フレーム部2dによって固定されており、載荷板2aとは異なり非可動である。図1及び図3に示す基板2cは、模型地盤Gの底面を支持する部材である。基板2cは、せん断土槽2の底面部分を構成しており、図1及び図3に示すように1段目の載荷板2aの下縁部を非固定状態で移動自在に支持するとともに、1段目の固定板2bの下縁部を固定状態で支持している。図2及び図3に示すフレーム部2dは、固定板2bを基板2cに固定する部分である。フレーム部2dは、模型地盤Gと接触する側とは反対側の固定板2bの表面と密着してこの固定板2bを保持している。フレーム部2dは、I形鋼材などの鋼製フレームであり基板2cに固定されている。フレーム部2eは、載荷板2aを駆動するときに発生する反力を受ける部分である。フレーム部2eは、フレーム部2dと同様のI形鋼材などの鋼製フレームであり基板2cに固定されている。図1に示す支持部2fは、載荷試験時に使用する種々の装置を支持する部分である。支持部2fは、例えば、模型鏡ボルトBを模型地盤G内に埋設した状態でこの模型鏡ボルトBを所定位置に保持しており、せん断土槽2の上面と所定の間隔をあけて配置されている。
【0028】
図1〜図3に示す荷重作用装置3は、模型地盤Gに荷重Fを作用させる装置である。荷重作用装置3は、作動流体の流体圧の変化を直線運動に変換する油圧シリンダ又は空気圧シリンダなどを備えており、流体エネルギーを機械的エネルギーに変換する装置である。荷重作用装置3は、例えば、載荷板2aに荷重Fを加えることによって模型地盤Gにせん断変位を与える油圧ジャッキなどのアクチュエータである。荷重作用装置3は、図1に示すように、載荷板2aとフレーム部2dとの間に各載荷板2aに対応して合計6個配置されている。荷重作用装置3は、図1〜図3に示すように、シリンダ部3aと、ピストンロッド部3bと、流体圧回路3cなどを備えている。シリンダ部3aは、作動流体が流入及び流出する部分であり、ピストンロッド部3bを進退自在に収容しており、後端部がフレーム部2eに回転自在にピン結合(ヒンジ結合)によって連結されている。ピストンロッド部3bは、作動流体の流体圧によって進退する部分である。ピストンロッド部3bは、シリンダ部3a内に作動流体が供給されるとこのシリンダ部3a内の流体圧が上昇して進出し、シリンダ部3aから作動流体が排出されるとこのシリンダ部3a内の流体圧が下降して後退する。ピストンロッド部3bは、先端部が載荷板2aに回転自在にピン結合(ヒンジ結合)によって連結されている。流体圧回路3cは、ピストンロッド部3bの動作を切り替える部分である。流体圧回路3cは、ピストンロッド部3bの進出時には流体圧力源からシリンダ部3aに作動流体を供給し、ピストンロッド部3bの後退時にはシリンダ部3aから流体圧力源に作動流体を戻し、ピストンロッド部3bの停止時には作動流体の供給及び排出を停止する切替弁などを備えている。
【0029】
図4は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の一部を破断して示す外観図である。図5は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の一部を省略して模式的に示す断面図である。図6は、図5のVI-VI線で切断した状態を示す断面図である。図7は、図5のVII部分の一部を省略して示す拡大図である。図8は、図5のVIII-VII線で切断した状態を示す断面図である。
【0030】
図1及び図2に示すひずみ測定装置4A,4Bは、模型鏡ボルトBに発生するひずみを測定する装置である。ひずみ測定装置4A,4Bは、荷重作用装置3が模型地盤Gに荷重Fを加えたときに、この模型地盤G中の埋設されている模型鏡ボルトBに発生するひずみを測定するとともに、この模型地盤Gに発生するひずみも測定する。図2に示すように、ひずみ測定装置4Aは半径R1の円弧上に埋設された3本の模型鏡ボルトBのうち中央の模型鏡ボルトBのひずみを測定し、ひずみ測定装置4Bは半径R2の円弧上に埋設された5本の模型鏡ボルトBのうち中央の模型鏡ボルトBのひずみを測定する。ひずみ測定装置4A,4Bは、図4及び図5に示すひずみ検出部5A〜5Lと、図1及び図2に示す光照射部6A,6Bと、光検出部7A,7Bと、図1、図2、図5及び図8に示す光ファイバ8A,8Bと、図1及び図2に示すひずみ演算部9A,9Bと、図4〜図6に示す挿入部材10と、図5及び図6に示す接着剤層11と、図4及び図5に示す塞ぎ部12と、取付部13などを備えている。ひずみ測定装置4A,4Bは、いずれも同一構造であり、以下ではひずみ測定装置4Aを中心に説明する。
【0031】
図4及び図5に示すひずみ検出部5A〜5Lは、模型鏡ボルトBに発生するひずみを検出する部分である。ひずみ検出部5A〜5Lは、模型鏡ボルトBの長さ方向に沿ってこの模型鏡ボルトBの内周面に所定の間隔をあけて配置されており、模型鏡ボルトBの各検出位置(各装着位置)PA〜PLに発生するひずみをそれぞれ検出するひずみセンサである。ひずみ検出部5A〜5Fは、図4及び図5に示すように、模型鏡ボルトBの中心線と平行な直線上に配置されている。ひずみ検出部5G〜5Lは、ひずみ検出部5A〜5Fと同様に、模型鏡ボルトBの中心線と平行な直線上に配置されており、図6に示すようにこの中心線を挟みこの中心線に対して180°ずらしてひずみ検出部5A〜5Fとそれぞれ対向して配置されている。図4及び図5に示すひずみ検出部5A〜5Lは、模型鏡ボルトBのひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージを備えている。ひずみ検出部5A〜5Lは、模型鏡ボルトBの内周面の各検出位置PA〜PLに発生するひずみ量に応じて反射光の波長が変化する特性を有するセンシングプローブ(検出子)であり、検出位置PA〜PL毎に反射光の中心波長を変えており、検出位置PA〜PL毎に異なる特定の波長の光を反射する。ひずみ検出部5A〜5Lは、検出位置PA〜PL毎に屈折率の異なる領域が形成された回折格子構造を有しており、特定の波長の光を反射する特性を有する。ひずみ検出部5A〜5Lは、図7に示すように、ひずみの検出領域L1が10mmの局所的であって複数の検出位置PA〜PLのひずみを同時に計測可能であり、ひずみ情報を光の波長情報(波長の変化)に変換するファイバ・ブラッググレーティング(Fiber Bragg Gratings(FBG))センサである。
【0032】
図1及び図2に示す光照射部6A,6Bは、光を照射する部分である。光照射部6Aは、光ファイバ8Aの一端部から入射光を入射させる光源であり、図4及び図5に示す各ひずみ検出部5A〜5Fを通過して光検出部7Aに向かう光を照射する。一方、図1及び図2に示す光照射部6Bは、光ファイバ8Bの一端部から入射光を入射させる光源であり、図4及び図5に示す各ひずみ検出部5G〜5Lを通過して光検出部7Bに向かう光を照射する。
【0033】
図1及び図2に示す光検出部7Aは、ひずみ検出部5A〜5Fから反射する反射光を検出する部分であり、光検出部7Bはひずみ検出部5G〜5Lから反射する反射光を検出する部分である。光検出部7Aは、光ファイバ8Aの一端部から入射して図4及び図5に示すひずみ検出部5A〜5Fで反射し、光ファイバ8Aの他端部から出射する反射光を検出する光検出器であり、模型鏡ボルトBにひずみが発生したときの反射光と、光照射部6Aが照射する入射光との波長の変化を検出する。一方、図1及び図2に示す光検出部7Bは、光ファイバ8Bの一端部から入射して図4及び図5に示すひずみ検出部5G〜5Lで反射し、光ファイバ8Bの他端部から出射する反射光を検出する光検出器であり、模型鏡ボルトBにひずみが発生したときの反射光と、光照射部6Bが照射する入射光との波長の変化を検出する。図1及び図2に示す光検出部7A,7Bは、光信号を電気信号に変換する光電気変換部として機能し、検出した反射光に応じた電気信号(光検出信号)をひずみ演算部9A,9Bに出力する。
【0034】
図1、図2、図5及び図8に示す光ファイバ8A,8Bは、光を伝送する部材である。光ファイバ8A,8Bは、光信号によって情報を伝達する際に使用される光通信の伝送路(伝送線)である。図4及び図5に示すように、光ファイバ8Aは光照射部6A、各ひずみ検出部5A〜5F及び光検出部7Aを一本で直列に接続しており、光ファイバ8Bは光照射部6B、各ひずみ検出部5G〜5L及び光検出部7Bを一本で直列に接続している。光ファイバ8A,8Bは、小さな曲率で曲げることが困難であるため、模型鏡ボルトBの長さ方向に沿ってこの模型鏡ボルトBの内周面と平行に一直線上に配線されている。光ファイバ8A,8Bは、図7に示すコア8aと、クラッド8bと、被覆層8cと、図5に示すコネクタ部8d,8eと、図7に示す被覆層8fと、図8に示す被覆層8gなどを備えている。コア8aは、光ファイバ8A,8Bの芯となる部分であり、外径10μmに形成されている。クラッド8bは、コア8aを被覆する部分であり、外径120μmに形成されている。被覆層8cは、クラッド8bを被覆する部分であり、紫外線(UV)硬化型樹脂によって外径250μmに形成されている。被覆層8cは、光ファイバ8A,8Bの各検出領域L1を含む前後40mmの所定領域L2には形成されていない。図5に示すコネクタ部8dは、光ファイバ8A,8Bと光照射部6A,6Bとを着脱自在に接続する部分であり、コネクタ部8eは光ファイバ8A,8Bと光検出部7A,7Bとを着脱自在に接続する部分である。図7に示す被覆層8fは、クラッド8bを被覆する部分であり、ポリイミド樹脂によって所定領域L2に外径130μm、薄さ5μmで形成されている。図8に示す被覆層8gは、光ファイバ8A,8Bを保護する部分であり、光ファイバ8A,8Bのうち模型鏡ボルトBから引き出される部分を保護するために、外径0.9mmのルースチューブによって被覆され形成されている。
【0035】
図1及び図2に示すひずみ演算部9A,9Bは、模型鏡ボルトBに発生するひずみを演算する部分である。ひずみ演算部9Aは、光検出部7Aの検出結果に基づいて模型鏡ボルトBの各検出位置PA〜PFのひずみを演算し、ひずみ演算部9Bは光検出部7Bの検出結果に基づいて模型鏡ボルトBの各検出位置PG〜PLのひずみを演算する。ひずみ演算部9A,9Bは、光検出部7A,7Bが出力する光検出信号に基づいて、検出位置PA〜PL毎にひずみ量を演算し、この演算結果をひずみ量情報(ひずみ量信号)として制御装置17に出力する。ひずみ演算部9A,9Bは、反射光の中心波長が異なる各検出位置PA〜PFのひずみ検出部5A〜5Fが一本の光ファイバ8Aによって直列に接続されており、反射光の中心波長が異なる各検出位置PG〜PLのひずみ検出部5G〜5Lが一本の光ファイバ8Bによって直列に接続されているため、光検出部7A,7Bの出力信号に基づいて各検出位置PG〜PLのひずみ量を個別に同時に特定可能である。
【0036】
図4〜図6に示す挿入部材10は、模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを接着するために、このひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって外周面に保持した状態で、この模型鏡ボルトBに挿入される部材である。挿入部材10は、模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを接着するときに、このひずみ検出部5A〜5Lを模型鏡ボルトB内に案内し検出位置PG〜PLに位置決めするための治具として機能する。挿入部材10は、図6に示すように、この挿入部材10の外周面と模型鏡ボルトBの内周面との間に所定の隙間が形成されるように、この模型鏡ボルトBの内径よりも外径が僅かに小さく形成されている小径の芯材である。挿入部材10は、断面形状が円形の軸状部材であり、模型鏡ボルトBと同様にステンレス製である。挿入部材10は、接着剤層11が未硬化状態であるときに、ひずみ検出部5A〜5L及び光ファイバ8A,8Bをこの接着剤層11の表面に搭載し支持した状態で模型鏡ボルトB内に挿入される。挿入部材10は、接着剤層11が硬化状態になったときに、この挿入部材10の外周面がこの模型鏡ボルトBの内周面と接着剤層11によって接合し、この模型鏡ボルトBと一体となりこの模型鏡ボルトBを二重構造の中実の円柱部材にする。
【0037】
図5及び図6に示す接着剤層11は、模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを接着する部分である。接着剤層11は、挿入部材10の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて形成されている。接着剤層11は、例えば、ポリウレタンなどの合成樹脂を発泡成形した合成スポンジ、又はゴムに発泡剤及び軟化剤などを練り込み加硫したゴムスポンジなどを挿入部材10の外周面に貼り付けて、これらのスポンジによって挿入部材10の外周面を被覆し、これらのスポンジにエポキシ樹脂系接着剤などの流動性接着剤を染み込ませて形成される。接着剤層11は、挿入部材10の外周面と模型鏡ボルトBの内周面との間に充填されて、この挿入部材10の外周面とこの模型鏡ボルトBの内周面とを接着するとともに、ひずみ検出部5A〜5L及び光ファイバ8A,8Bを模型鏡ボルトBの内周面に接着する。
【0038】
図4及び図5に示す塞ぎ部12は、模型鏡ボルトBの一方の開口端を塞ぐ部分である。塞ぎ部12は、模型鏡ボルトBの光ファイバ8A,8Bが引き出される側と反対側であって、模型地盤G内に埋設されたときに下端部に位置する側の開口部に嵌め込まれる円板状の部材である。塞ぎ部12は、外径が模型鏡ボルトBの外径と同一であり黄銅製である。塞ぎ部12は、模型鏡ボルトBに接着剤などによって固定されている。
【0039】
取付部13は、模型鏡ボルトBを支持部2fに取り付ける部分である。取付部13は、塞ぎ部12が装着される側とは反対側の模型鏡ボルトBの端部に着脱自在に連結可能であり、載荷試験時の実験用治具として機能する。取付部13は、図5に示すように、模型鏡ボルトBから引き出された光ファイバ8A,8Bが挿入される管状部材であり、図4及び図5に示す連結管13aと、固定管13bと、ナット13c〜13eと、座金13f,13gなどを備えている。連結管13aは、固定管13bと模型鏡ボルトBとを連結する部材である。連結管13aは、塞ぎ部12が装着される側とは反対側の模型鏡ボルトBの開口部の内周面に嵌め込まれており、接着剤などによってこの模型鏡ボルトBの開口端に固定されている。連結管13aは、ステンレス製であり外周面に雄ねじ部13hを備えている。固定管13bは、図1に示す支持部2fに固定される部材であり、模型鏡ボルトBを模型地盤G内に保持されるように支持部2fの貫通孔に挿入される。固定管13bは、連結管13aと着脱自在に連結可能であり、一方の端部が模型鏡ボルトBよりも外径が大きく他方の端部が模型鏡ボルトBと外径が等しい真鍮製の異径管である。固定管13bは、大径部側の外周面に雄ねじ部13iを備え、小径部側の外周面に雄ねじ部13jを備えている。ナット13cは、連結管13aと固定管13bとを着脱自在に締結する部材であり、連結管13a側の雄ねじ部13hと固定管13b側の雄ねじ部13jと噛み合う雌ねじ部を備えている。ナット13d,13eは、固定管13bと支持部2fとを着脱自在に締結する部材であり、固定管13bの雄ねじ部13iと噛み合う雌ねじ部を備えている。座金13f,13gは、固定管13bの雄ねじ部13iに装着される部材であり、座金13fは支持部2fとナット13dとの間に挟み込まれ、座金13gは支持部2fとナット13dとの間に挟み込まれる。
【0040】
図1〜図3に示す演算装置14は、ひずみ測定装置4A,4Bの測定結果に基づいて模型鏡ボルトBに発生する力及び/又はモーメントを演算する装置である。演算装置14は、ひずみ測定装置4A,4Bのひずみ演算部9A,9Bが出力するひずみ量情報に基づいて、図4及び図5に示す模型鏡ボルトBの検出位置PA〜PL毎にこの模型鏡ボルトBに作用する応力、軸力又はモーメントなどを演算する。演算装置14は、例えば、模型鏡ボルトBに発生する圧縮応力、引張応力、せん断応力、圧縮力、引張力、せん断力及び曲げモーメントなどを演算する。演算装置14は、模型鏡ボルトBに作用する応力、軸力又はモーメントなどの演算結果に基づいて、実際の鏡ボルトに作用する応力、軸力又はモーメントなどを予測演算する。演算装置14は、例えば、実際の鏡ボルトが中空の円筒部材であるときには、模型鏡ボルトBが中実の円柱部材であるときのひずみ量情報を中空の円筒部材のひずみ量情報に補正して、実際の鏡ボルトに発生する圧縮応力、引張応力、せん断応力、圧縮力、引張力、せん断力及び曲げモーメントなどを予測演算する。演算装置14は、これらの演算結果を力/モーメント演算情報(力/モーメント演算信号)として制御装置17に出力する。
【0041】
図1〜図3に示す設定装置15は、載荷試験装置1に関する種々の試験条件及び測定条件を設定する装置である。設定装置15は、例えば、荷重作用装置3の圧縮動作、引張動作又は圧縮/引張動作を決定するための試験条件を設定したり、ひずみ測定装置4A,4Bの照射動作及び検出動作の開始及び停止のタイミングなどを決定するための測定条件を設定したりする。設定装置15は、試験者によって種々の試験条件及び測定条件が入力される入力装置であり、この試験条件及び測定条件に応じた設定情報(設定信号)を制御装置17に出力する。
【0042】
記憶装置16は、載荷試験装置1に関する種々の情報を記録する装置である。記憶装置16は、例えば、ひずみ測定装置4A,4Bのひずみ演算部9A,9Bが出力するひずみ量情報を記憶したり、演算装置14が出力する力/モーメント演算情報を記憶したりするメモリである。
【0043】
制御装置17は、載荷試験装置1に関する種々の動作を制御する中央処理装置(CPU)である。制御装置17は、設定装置15が出力する設定情報に基づいて、荷重作用装置3の載荷動作、ひずみ測定装置4A,4Bのひずみ測定動作、及び演算装置14の演算動作などを制御する。制御装置17は、例えば、流体圧回路3cの切替弁に切替動作を指令したり、光照射部6A,6Bに照射動作を指令したり、光検出部7A,7Bに検出動作を指令したり、ひずみ演算部9A,9Bにひずみ量の演算を指令したり、ひずみ測定装置4A,4Bが出力するひずみ量情報を演算装置14及び記憶装置16に出力したり、演算装置14が出力する力/モーメント演算情報を記憶装置16に出力したり、設定装置15が出力する設定情報を記憶装置16に出力したり、ひずみ量情報、力/モーメント演算情報及び設定情報などの記憶を記憶装置16に指令したりする。制御装置17には、荷重作用装置3、ひずみ測定装置4A,4B、演算装置14、設定装置15及び記憶装置16が相互に通信可能なように接続されている。
【0044】
次に、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の製造方法について説明する。
図9は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置の製造方法を説明するための工程図である。
図9に示す保持工程#100は、模型鏡ボルトBに発生するひずみを検出するひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって挿入部材10の外周面に保持する工程である。保持工程#100では、図6に示すように、挿入部材10の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて接着剤層11を形成し、光ファイバ式のひずみゲージをこの挿入部材10の外周面にこの接着剤層11によって保持する。先ず、挿入部材10の一方の端部から他方の端部までこの挿入部材10の外周面を覆うようにこの挿入部材10の外周面に多孔質材を接着剤などによって取り付ける。次に、この多孔質材に流動性接着剤を染み込ませて挿入部材10の外周面に接着剤層11を形成する。その後に、模型鏡ボルトBの検出位置PA〜PLに対応する位置にひずみ検出部5A〜5Lが位置決めされるように、未硬化状態の接着剤層11の外周面に光ファイバ8A,8Bを接着する。
【0045】
図9に示す挿入工程#110は、ひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって挿入部材10の外周面に保持した状態で、模型鏡ボルトBにこの挿入部材10に挿入する工程である。未硬化の接着剤層11の外周面に光ファイバ8A,8Bを接着した状態で、図4及び図5に示す模型鏡ボルトBの連結管13a側の開口端から挿入部材10を挿入する。その結果、図5及び図6に示すように、模型鏡ボルトBの内周面と挿入部材10の外周面との間の間隙部に未硬化状態の接着剤層11が充填される。
【0046】
図9に示す接着工程#120は、ひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって模型鏡ボルトBの内周面に接着する工程である。接着工程#120では、図6に示すように、接着剤層11の硬化後に模型鏡ボルトBと挿入部材10とを一体にする。未硬化状態の接着剤層11が形成された挿入部材10を模型鏡ボルトB内に挿入すると、この模型鏡ボルトBの内周面とこの挿入部材10の外周面とが接合される。また、模型鏡ボルトBの内周面と挿入部材10の外周面との間にひずみ検出部5A〜5L及び光ファイバ8A,8Bが挟み込まれて、ひずみ検出部5A〜5L及び光ファイバ8A,8Bが模型鏡ボルトBの内周面に接着剤層11によって接着される。
【0047】
次に、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置の動作を説明する。
図10は、この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、制御装置17の動作を中心として説明する。
図10に示すステップ(以下、Sという)200において、制御装置17が荷重作用装置3に載荷動作の開始を指令する。図1〜図3に示す設定装置15によって試験者が設定した設定情報を記憶装置16から制御装置17が読み出して、この設定情報に基づいて荷重作用装置3の流体圧回路3cの切替弁をこの制御装置17が制御する。その結果、流体圧回路3cからシリンダ部3aに作動流体が供給されて、設定情報に基づいて各載荷板2aをピストンロッド部3bが駆動し、模型地盤G及び模型鏡ボルトBにせん断力が作用する。
【0048】
S210において、制御装置17がひずみ測定装置4A,4Bにひずみ測定動作の開始を指令する。制御装置17が記憶装置16から読み出した設定情報に基づいて、ひずみ測定装置4A,4Bの光照射部6A,6Bの照射動作と光検出部7A,7Bの検出動作とをこの制御装置17が制御する。光照射部6A,6Bが光を照射すると、この光が光ファイバ8A,8Bを通過して図4及び図5に示すひずみ検出部5A〜5Lで反射しこの反射光を光検出部7A,7Bが検出する。このとき、模型鏡ボルトBにひずみが発生するとひずみ検出部5A〜5Lからの反射光の波長が変化し、光検出部7A,7Bがこの反射光の変化を検出して光検出信号をひずみ演算部9A,9Bに出力する。その結果、光検出部7A,7Bが出力する光検出信号に基づいて、ひずみ演算部9A,9Bが各検出位置PA〜PLのひずみ量を演算する。ひずみ演算部9A,9Bがひずみ量情報を制御装置17に出力すると、このひずみ量情報を制御装置17が記憶装置16に出力し、このひずみ量情報を記憶装置16が記憶する。
【0049】
S220において、制御装置17が演算装置14に演算動作の開始を指令する。図1〜図3に示す制御装置17が記憶装置16からひずみ量情報を読み出して演算装置14に出力するとともに、制御装置17が記憶装置16から読み出した設定情報に基づいて、模型鏡ボルトBに作用する力及び/又はモーメントの演算を演算装置14に指令する。その結果、模型鏡ボルトBに発生する圧縮応力、引張応力、せん断応力、圧縮力、引張力、せん断力又は曲げモーメントなどを検出位置PA〜PL毎に演算装置14が演算する。演算装置14が力/モーメント演算情報を制御装置17に出力すると、この力/モーメント演算情報を制御装置17が記憶装置16に出力し、この力/モーメント演算情報を記憶装置16が記憶する。
【0050】
この発明の第1実施形態に係るひずみ測定装置とその製造方法及び載荷試験装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、模型鏡ボルトBに発生するひずみを検出するひずみ検出部5A〜5Lをこの模型鏡ボルトBの内周面に接着するために、このひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって挿入部材10の外周面に保持した状態で、この模型鏡ボルトBにこの挿入部材10が挿入される。このため、ひずみ検出部5A〜5Lを挿入部材10の外周面に仮接着状態で位置決めしておき、模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを貼り付けるときに、この挿入部材10を取付用治具として利用することができる。その結果、模型鏡ボルトBの表面を加工せずに、この模型鏡ボルトBの内周面にひずみ検出部5A〜5Lを簡単に貼り付けることができ、模型鏡ボルトBに発生するひずみを容易に計測することができる。
【0051】
(2) この第1実施形態では、模型鏡ボルトBが外径5mm以下の小径管であり、この小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージをひずみ検出部5A〜5Lが備えている。このため、模型地盤G中に小径管を埋設することによって模型地盤Gに与える影響を小さくすることができる。また、小径管の外周面ではなく小径管の内周面に光ファイバ式のひずみゲージを貼り付けることによって、光ファイバ式のひずみゲージが模型地盤Gと直接接触するのを防ぐことができ、光ファイバ式のひずみゲージが周囲の模型地盤Gの影響を受けてしまうのを防ぐことができる。
【0052】
(3) この第1実施形態では、挿入部材10の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて接着剤層11が形成されている。このため、流動性接着剤を多孔質材に吸収させて挿入部材10の外周面からこの流動性接着剤が流れ出すの防ぎ、挿入部材10の外周面に流動性接着剤を保持することができる。
【0053】
(4) この第1実施形態では、接着剤層11の硬化後に模型鏡ボルトBと挿入部材10が一体となる。このため、模型鏡ボルトBの内周面と挿入部材10の外周面との間にひずみ検出部5A〜5Lを挟み込み、このひずみ検出部5A〜5Lを保護しこのひずみ検出部5A〜5Lの耐久性を向上させることができる。
【0054】
(5) この第1実施形態では、模型鏡ボルトBに発生するひずみを検出するひずみ検出部5A〜5Lを接着剤層11によって挿入部材10の外周面に保持した状態で、この模型鏡ボルトBにこの挿入部材10を挿入し、このひずみ検出部5A〜5Lをこの接着剤層11によってこの模型鏡ボルトBの内周面に接着する。このため、模型鏡ボルトBの内径が小さくてひずみ検出部5A〜5Lを模型鏡ボルトBの内周面に手作業で貼り付けることができない場合であっても、挿入部材10を取付用治具として利用することによってひずみ検出部5A〜5Lを模型鏡ボルトBの内周面に簡単に貼り付けることができる。
【0055】
(6) この第1実施形態では、模型鏡ボルトBが外径5mm以下の小径管であり、この小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージを挿入部材10の外周面に接着剤層11によって保持する。このため、手作業で貼り付けが困難な極めて細い小径管の内周面に光ファイバ式のひずみゲージを簡単に貼り付けることができる。
【0056】
(7) この第1実施形態では、挿入部材10の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて接着剤層11を形成する。このため、多孔質材に流動性接着剤を吸収させて挿入部材10の外周面に流動性接着剤を均一に保持させ、この挿入部材10の外周面に簡単に接着剤層11を形成することができる。
【0057】
(8) この第1実施形態では、接着剤層11の硬化後に模型鏡ボルトBと挿入部材10とを一体にする。このため、模型鏡ボルトBの内周面と挿入部材10の外周面との間に接着剤層11を充填して、この模型鏡ボルトBの内周面とこの挿入部材10の外周面との間にひずみ検出部5A〜5Lを挟み込み、このひずみ検出部5A〜5Lをこれらの間で保護することができる。
【0058】
(9) この第1実施形態では、模型地盤G中に埋設されている模型鏡ボルトBに発生するひずみをひずみ測定装置4A,4Bが測定する。このため、内径が極めて小さい模型鏡ボルトBにひずみ検出部5A〜5Lを貼り付けて、この模型鏡ボルトBに発生するひずみをひずみ測定装置4A,4Bによって簡単に計測することができる。
【0059】
(10) この第1実施形態では、実際のトンネルを模擬した模型トンネルTが模型地盤G中に埋設されているときに、この模型トンネルTの模型切羽T5からこの模型地盤G中に模型鏡ボルトBが埋設されている。このため、模型鏡ボルトBに発生するひずみを計測することによって、実際の地盤に埋設された鏡ボルトの軸力、耐力及び強度などを予測することができる。
【0060】
(第2実施形態)
図11は、この発明の第2実施形態に係るひずみ測定装置を備える載荷試験装置を概略的に示す斜視図である。図12は、この発明の第2実施形態に係るひずみ測定装置の一部を省略して模式的に示す断面図である。図13は、図12のXIII-XIII線で切断した状態を示す断面図である。以下では、図1〜図6に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
【0061】
図11〜図13に示す模型鏡ボルトBは、図1〜図7に示す模型鏡ボルトBよりも外径が太く、作業者が手を挿入することが不可能な外径が5mm以上10mm以下のステンレス製の小径管である。図11に示すひずみ測定装置4Cは、図2に示す半径R1の円弧上に埋設された3本の模型鏡ボルトBのうち中央の模型鏡ボルトBのひずみを測定し、図11に示すひずみ測定装置4Dは図2に示す半径R2の円弧上に埋設された5本の模型鏡ボルトBのうち中央の模型鏡ボルトBのひずみを測定する。ひずみ測定装置4C,4Dは、いずれも同一構造であり、図12に示すひずみ検出部5M,5Nと、挿入部材10と、図12及び図13に示す接着剤層11と、図12に示す塞ぎ部12と、取付部13と、図11に示す電力供給部18A,18Bと、通電状態検出部19A,19Bと、図11及び図12に示す信号線20A,20Bと、図11に示すひずみ演算部21A,21Bなどを備えている。ひずみ測定装置4C,4Dは、図1〜図7に示すひずみ測定装置4A,4Bと同様の製造方法によって製造される。図11に示す設定装置15は、例えば、ひずみ測定装置4C,4Dの通電動作及び検出動作の開始及び停止のタイミングなどを決定するための測定条件を設定する。制御装置17は、記憶装置16から読み出した設定情報に基づいて、ひずみ測定装置4C,4Dの電力供給部18A,18Bの給電動作を制御するとともに、通電状態検出部19A,19Bの検出動作を制御する。制御装置17は、例えば、電力供給部18A,18Bに給電動作を指令したり、通電状態検出部19A,19Bに検出動作を指令したりする。
【0062】
図12に示すひずみ検出部5M,5Nは、模型鏡ボルトBに発生するひずみを検出する部分である。ひずみ検出部5M,5Nは、模型鏡ボルトBの各検出位置(各装着位置)PM,PNに発生するひずみをそれぞれ検出するひずみセンサである。ひずみ検出部5M,5Nは、図12に示すように、模型鏡ボルトBの中心線と平行な直線上に配置されており、図13に示すようにこの中心線を挟みこの中心線に対して180°ずらして対向して配置されている。ひずみ検出部5M,5Nは、模型鏡ボルトBのひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージを備えており、模型鏡ボルトBに発生するひずみ量に応じて電気抵抗値が変化する。
【0063】
図11に示す電力供給部18Aは、ひずみ検出部5Mに電力を供給する部分であり、電力供給部18Bはひずみ検出部5Nに電力を供給する部分である。電力供給部18Aは、ひずみ検出部5Mと直列に接続されており、電力供給部18Bはひずみ検出部5Nと直列に接続されている。電力供給部18A,18Bは、例えば、ひずみ検出部5M,5Nの電気抵抗式のひずみゲージに直流電流を流す直流電源、又は交流電流を流す交流電源などである。
【0064】
通電状態検出部19Aは、ひずみ検出部5Mの通電状態を検出する部分であり、通電状態検出部19Bはひずみ検出部5Nの通電状態を検出する部分である。通電状態検出部19A,19Bは、例えば、ひずみ検出部5M,5Nの電気抵抗式のひずみゲージに流れる電流値などを検出し、検出した電流値に応じた電気信号(通電状態情報(電流値情報))をひずみ演算部21A,21Bに出力する。
【0065】
図11及び図12に示す信号線20A,20Bは、電気信号を伝送する部材である。信号線20A,20Bは、電流の流れる電線(伝送線)であり、信号線20Aは電力供給部18A、ひずみ検出部5M及び通電状態検出部19Aを一本の電線によって直列に接続しており、信号線20Bは電力供給部18B、ひずみ検出部5N及び通電状態検出部19Bを一本の電線によって直列に接続している。信号線20A,20Bは、図11に示すように、電力供給部18A,18Bに着脱自在に接続されるコネクタ部20aと、通電状態検出部19A,19Bに着脱自在に接続されるコネクタ部20bとを備えている。
【0066】
図11に示すひずみ演算部21A,21Bは、模型鏡ボルトBに発生するひずみを演算する部分である。ひずみ演算部21Aは、通電状態検出部19Aの検出結果に基づいて模型鏡ボルトBの検出位置PMのひずみを演算し、ひずみ演算部21Bは通電状態検出部19Bの検出結果に基づいて模型鏡ボルトBの検出位置PNのひずみを演算する。ひずみ演算部21A,21Bは、通電状態検出部19A,19Bが出力する電気信号に基づいて各検出位置PM,PNのひずみ量を演算し、この演算結果をひずみ量情報(ひずみ量信号)として制御装置17に出力する。
【0067】
この発明の第2実施形態に係るひずみ測定装置とその製造方法及び載荷試験装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、模型鏡ボルトBの外径が5mm以上10mm以下の小径管であり、この小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージをひずみ検出部5M,5Nが備えている。このため、模型鏡ボルトBに発生するひずみを光ファイバ式のひずみゲージに比べて安価な電気抵抗式のひずみゲージによって簡単に測定することができる。
【0068】
(2) この第2実施形態では、模型鏡ボルトBの外径が5mm以上10mm以下の小径管であり、この小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージを挿入部材10の外周面に接着剤層11によって保持する。このため、模型鏡ボルトB内に電気抵抗式のひずみゲージを簡単に挿入し、この模型鏡ボルトBの内周面に電気抵抗式のひずみゲージを確実に貼り付けることができる。
【0069】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、測定対象物が模型鏡ボルトBである場合を例に挙げて説明したが、模型鏡ボルトB以外の他の管状部材についてもこの発明を適用することができる。例えば、実際のトンネルのアーチ及び側壁から地盤中に埋設される実際のロックボルトを模擬した模型ロックボルト、又は地盤中に埋設されて実際の構造物を支持する実際の杭基礎を模擬した模型杭基礎などの管状部材についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、模型鏡ボルトBと挿入部材10とが同一の材料である場合を例に挙げて、両者を異なる材料にすることもできる。さらに、この実施形態では、挿入部材10が中実の円柱部材である場合を例に挙げて説明したが、挿入部材10を中空の管状部材にすることもできる。
【0070】
(2) この第1実施形態では、模型鏡ボルトBの内周面と挿入部材10の外周面との間に接着剤層11を隙間なく充填する場合を例に挙げて説明したが、ひずみ検出部5A〜5L及び光ファイバ8A,8Bを貼り付けるために必要な部分のみに接着剤層11を形成することもできる。また、この第2実施形態では、模型鏡ボルトBの長さ方向にひずみ検出部5M,5Nを1つずつ配置した場合を例に挙げて説明したが、模型鏡ボルトBの内径が大きく信号線20A,20Bの配線が可能な場合には、この模型鏡ボルトBの長さ方向に間隔をあけて複数配置することもできる。
【符号の説明】
【0071】
1 載荷試験装置
2 せん断土槽
3 荷重作用装置
4A〜4D ひずみ測定装置
5A〜5N ひずみ検出部
6A,6B 光照射部
7A,7B 光検出部
8A,8B 光ファイバ
9A,9B ひずみ演算部
10 挿入部材
11 接着剤層
18A,18B 電力供給部
19A,19B 通電状態検出部
20A,20B 信号線
21A,21B ひずみ演算部
F 荷重
G 模型地盤
T 模型トンネル
5 模型切羽
B 模型鏡ボルト(管状部材)
A〜PN 検出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状部材に発生するひずみを測定するひずみ測定装置であって、
前記管状部材に発生するひずみを検出するひずみ検出部と、
前記管状部材の内周面に前記ひずみ検出部を接着する接着剤層と、
前記管状部材の内周面に前記ひずみ検出部を接着するために、このひずみ検出部を前記接着剤層によって外周面に保持した状態で、この管状部材に挿入される挿入部材と、
を備えるひずみ測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のひずみ測定装置において、
前記管状部材は、外径が5mm以下の小径管であり、
前記ひずみ検出部は、前記小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージを備えること、
を特徴とするひずみ測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のひずみ測定装置において、
前記管状部材は、外径が5mmm以上10mm以下の小径管であり、
前記ひずみ検出部は、前記小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージを備えること、
を特徴とするひずみ測定装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置において、
前記接着剤層は、前記挿入部材の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて形成されていること、
を特徴とするひずみ測定装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置において、
前記挿入部材は、前記接着剤層の硬化後に前記管状部材と一体となること、
を特徴とするひずみ測定装置。
【請求項6】
管状部材に発生するひずみを測定するひずみ測定装置の製造方法であって、
前記管状部材に発生するひずみを検出するひずみ検出部を接着剤層によって挿入部材の外周面に保持する保持工程と、
前記ひずみ検出部を前記接着剤層によって前記挿入部材の外周面に保持した状態で、前記管状部材にこの挿入部材を挿入する挿入工程と、
前記ひずみ検出部を前記接着剤層によって前記管状部材の内周面に接着する接着工程と、
を含むひずみ測定装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のひずみ測定装置の製造方法において、
前記管状部材は、外径が5mm以下の小径管であり、
前記保持工程は、前記小径管のひずみに応じて反射光の波長が変化する光ファイバ式のひずみゲージを前記挿入部材の外周面に前記接着剤層によって保持する工程を含むこと、
を特徴とするひずみ測定装置の製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載のひずみ測定装置の製造方法において、
前記管状部材は、外径が5mm以上10mm以下の小径管であり、
前記保持工程は、前記小径管のひずみに応じて電気抵抗が変化する電気抵抗式のひずみゲージを前記挿入部材の外周面に前記接着剤層によって保持する工程を含むこと、
を特徴とするひずみ測定装置の製造方法。
【請求項9】
請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置の製造方法において、
前記保持工程は、前記挿入部材の外周面に装着された多孔質材に流動性接着剤を含浸させて前記接着剤層を形成する工程を含むこと、
を特徴とするひずみ測定装置の製造方法。
【請求項10】
請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置の製造方法において、
前記接着工程は、前記接着剤層の硬化後に前記管状部材と前記挿入部材とを一体にする工程を含むこと、
を特徴とするひずみ測定装置の製造方法。
【請求項11】
実際の地盤を模擬した模型地盤に荷重を載荷する載荷試験装置であって、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のひずみ測定装置を備え、
前記ひずみ測定装置は、前記模型地盤中に埋設されている前記管状部材に発生するひずみを測定すること、
を特徴とする載荷試験装置。
【請求項12】
請求項11に記載の載荷試験装置において、
前記管状部材は、実際のトンネルを模擬した模型トンネルが前記模型地盤中に埋設されているときに、この模型トンネルの切羽からこの模型地盤中に埋設される模型鏡ボルトであること、
を特徴とする載荷試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−112920(P2012−112920A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264588(P2010−264588)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】