説明

めっき装置及び半導体装置の製造方法

【課題】ウェハの周縁部で膜を正常に成長させることができるめっき装置を提供する。
【解決手段】めっき槽2内部に取り付けられた第1電極6と、めっき槽2の側壁5cにおいて、環状のフランジ7cを介してめっき槽2の内から外に向けて直径の小さい順に隣接する環状の第1、第2の開口部7a,7bと、第2の開口部7b内でフランジ7cの上に取り付けられるシールパッキン8と、シールパッキン8の上に、第2の開口部7bの内壁から離れて取り付けられる環状の第2の電極9と、第2の電極9に対向する位置に周縁を有するウェハ保持領域11xを有する第2の開口部7bよりも大きなウェハステージ11と、ウェハステージ11のウェハ保持領域11xの周囲の領域に形成され、シールパッキン8に一端が向けられる加圧用ホール11iと、ウェハステージ11を移動してめっき槽2の側壁5cに押し当てて前記第2の開口部7bを閉塞させる駆動部13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高集積化、微細化に伴って、バンプを介して半導体装置を接続する製品が多くなっている。バンプの形成方法として、主に電解めっき法が採用される。電解めっき法は、スパッタ法、気相成長法等に比べて製造設備が安価であり、成膜速度が速いという利点がある。
【0003】
電解めっき装置として、例えば、ウェハを保持するウェハキャリアと、ウェハの裏面をウェハキャリアに吸着させる吸引部とを有する装置が知られている。この装置によれば、ウェハキャリアを回転させながらウェハの表面に電解液を供給することにより、ウェハの表面に膜を成長させている。
【0004】
ウェハキャリアの周辺では電解液がウェハの裏側に回り込み易いので、その回り込みを防止するために、ウェハキャリアからウェハの周辺を通してガスを電解液中に吹き流す構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−528794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ウェハの周辺からガスを電解液中に吹き流す構造によれば、ウェハの外周領域に電解液が十分に供給されなくなり、ウェハの外周領域で膜が成長しにくくなるという問題が生じる。また、ウェハを回転させない構造を備えためっき装置も知られているが、ウェハの周縁部において膜が正常に形成されにくいといった問題は存在している。
【0007】
本発明の目的は、ウェハの周縁部で膜を正常に成長させることができるめっき装置とこのメッキ装置により膜を成長するめっき装置と、めっき工程を含む半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの観点によれば、めっき槽と、前記めっき槽の内部に取り付けられた第1の電極と、前記めっき槽の側壁において、環状のフランジを介して前記めっき槽の内側から外側に向けて直径の小さい順に隣接する環状の第1の開口部と環状の第2の開口部と、前記第2の開口部内で前記フランジの上に取り付けられるシールパッキンと、前記シールパッキンの上に、前記第2の開口部の内壁から離れて取り付けられる環状の第2の電極と、前記第2の電極に対向する位置に周縁を有するウェハ保持領域を有し、前記第2の開口部よりも大きく形成されるウェハステージと、前記ウェハステージのうち前記ウェハ保持領域の周囲の領域に形成されて、前記シールパッキンに一端が向けられる加圧用ホールと、前記ウェハステージを前記めっき槽の側壁に押し当てて前記第2の開口部を閉塞させる駆動部と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電位差を生じさせる電圧源と、を有するめっき装置が提供される。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解すべきである。
【発明の効果】
【0009】
ウェハステージのウェハ保持領域に取り付けたウェハをめっき槽の第2の開口部内に嵌め込んだ状態で、第2の開口部、シールパッキン、ウェハ及びウェハステージにより囲まれる空間の気圧を調整することができる。これにより、第2の開口部の内側のフランジにウェハを押圧する力を従来よりも弱くしても、めっき槽内のめっき液がその空間に漏れることを防止でき、しかも、その空間内のガスがめっき液に入ることを防止できる。
従って、第1の開口部周囲の側壁の厚みを従来よりも薄くすることができるので、ウェハからめっき槽内に突出する側壁の厚みを抑え、側壁とウェハの段差を小さくしてその段差によるめっき液の滞留を防止できる。この結果、めっき法によりウェハの周縁部に形成される金属の厚みのバラツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、本実施形態に係るめっき装置の一例を示す側断面図、図1(b)は、図1(a)に例示するメッキ装置の部分拡大断面図である。
【図2】図2は、実施形態に係るめっき装置に適用されるめっき槽の開口部の一例を示す正面図である。
【図3】図3は、実施形態に係るめっき装置に適用されるウェハステージの第1面の一例を示す平面図である。
【図4】図4(a)は、本実施形態に係るめっき装置におけるめっき状態の一例を示す側断面図、図1(b)は、図4(a)に例示するメッキ装置の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るめっき装置により膜が形成されるウェハの一例を示す平面図である。
【図6】図6は、比較例に係るめっき装置の一部を示す断面図である。
【図7】図7は、実施形態に係るめっき装置の他の例の部分拡大図である。
【図8A】図8A〜図8Cは、実施形態に係る半導体装置の製造工程の第1例の一部を示す断面図である。
【図8D】図8D〜図8Fは、実施形態に係る半導体装置の製造工程の第1例の一部を示す断面図である。
【図9A】図9A〜図9Cは、実施形態に係る半導体装置の製造工程の第2例の一部を示す断面図である。
【図9D】図9D〜図9Fは、実施形態に係る半導体装置の製造工程の第2例の一部を示す断面図である。
【図10】図10は、実施形態に係るめっき装置に使用されるウェハステージの第1面の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、図を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。図において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1(a)は、本実施形態に係るめっき装置の一例を示す側断面図、図1(b)は、図1(a)の破線で囲まれた部分を拡大した断面図である。また、図2は、図1に示すめっき装置に形成される開口部の一例を示す正面図である。さらに、図3は、図1に示すめっき装置に装着されるウェハステージの一例を示す平面図である。
【0012】
図1に示すめっき装置1は、チタンのような金属から形成されるめっき槽2と、塩化ビニルのような絶縁材から形成される円盤状のウェハステージ11を有している。
【0013】
めっき槽2の中には、外周壁よりも低く形成される仕切3により2つに仕切られた第1
の槽4と第2の槽5が設けられている。第1の槽4の底面に形成された第1の通液口4aは、第1の液管20を通してめっき液貯蓄槽21に接続されている。また、第2の槽5の底面に形成された第2の通液口5aは、第2の液菅22、ポンプ23を通してめっき液貯蓄槽21に接続されている。
【0014】
第2の槽5において、仕切3の壁にはアノード電極6が取り付けられている。アノード電極6に対向する第2の槽5の側壁は、後述するカソード電極9を支持するカソードホルダ5cとして機能する。カソードホルダ5cには、ウェハステージ11の直径よりも小さい内径を有する円形の開口部7が形成されている。開口部7は、図2に例示するように、同じ中心軸を有する第1の開口部7aと第2の開口部7bを有している。
【0015】
第1の開口部7aは、第2の開口部7bよりも第2の槽5の内側寄りに形成され、しかも第2の開口部7bに比べて小径に形成されている。これにより、第1の開口部7aの周囲、即ち第1の開口部7aと第2の開口部7bとの境界には、図1(b)、図2に示すように、円環状の内側フランジ7cが形成されている。
【0016】
第1の開口部7aの内径は、第2の開口部7b内に嵌め込まれるウェハ30の直径よりも小さく形成されている。また、第2の開口部7bの内径は、ウェハステージ11の直径よりも小さく形成される一方、ウェハ30の直径よりも大きく形成されている。
【0017】
また、第1の開口部7aの内面は、例えば約1mmの厚さを有している。また、第2の開口部7bの内面は、ウェハ30と後述するシールパッキン8、カソード電極9のそれぞれの厚さの合計の厚さと同じか又はそれよりも僅かに薄く形成され、例えば約2mm〜4mmの厚さを有している。ここで、第1、第2の開口部7a、7bの厚さは、1、第2の開口部7a、7bの中心軸に沿った方向の厚さである。
【0018】
第2の開口部7b内には、図1(b)に例示するように、内側フランジ7cに重ねられる円環状のシールパッキン8が嵌め込まれている。シールパッキン8は、絶縁材、例えばシリコーンのような樹脂から例えば約1mmの厚さに形成されている。
【0019】
さらに、第2の開口部7b内には、シールパッキン8上に重ねられて固定される円環状のカソード電極9が取り付けられている。カソード電極9の外径は、第2の開口部7bの内壁に接触しない大きさを有し、さらに、カソード電極9の内径は、ウェハ30の直径よりも僅かに小さく、ウェハ30の周縁部に接触可能な大きさを有している。カソード電極9は、例えば、チタンとプラチナの二層構造を有している。
【0020】
ウェハステージ11は、図1(a)、図3に示すように、カソードホルダ5cの第2の開口部7bより大きな直径を有する円盤状に形成されている。また、ウェハステージ11の第1面は、カソードホルダ5cの第2の開口部7bを塞ぐ面であり、また、その第2面は、めっき槽2に対して進退可能に駆動するプランジャ13に接続される面である。
【0021】
図3に例示するように、ウェハステージ11の第1の面には、同じ中心軸を有し且つ直径の異なる円環状の内側シール用溝11aと円環状の外側シール用溝11bが形成されている。内側シール用溝11aの外周の直径は、ウェハ30の直径よりも小さく、ウェハ30の周縁部に重ねられる大きさに形成されている。また、外側シール用溝11bは、図2に示す第2の開口部7bを囲む領域のカソードホルダ5cの外壁に当接する直径を有している。
【0022】
ウェハステージ11の第1の面において、内側シール用溝11aと外側シール用溝11bの間の環状領域は、周方向に沿って複数に区画されて加圧領域11d、11e、11f
として使用される。加圧領域11d、11e、11f内は、ウェハ30を保持するウェハ保持領域11xの周縁部となっている。各加圧領域11d、11e、11fの境界のそれぞれには区画シール用溝11cが形成されている。区画シール用溝11cは、内側シール用溝11aと外側シール用溝11bに接続されている。図3では、環状シール領域を3つの加圧領域11d〜11fに区画した例を示している。
【0023】
第1の加圧領域11dは、第2の開口部7bの上部に対応した位置に配置されている。また、第2、第3の加圧領域11e、11fを区画する区画シール用溝11cは、第2の開口部7bの下部に位置している。
【0024】
そのような内側シール用溝11a、外側シール用溝11b及び区画シール用溝11c内には、それらの溝11a、11b、11cから突出する厚さの環状シール12が嵌め込まれている。環状シール12は、シリコーンのような絶縁性弾性材から形成され、ウェハ30の裏面からウェハステージ11に押圧されることにより沈み込んでウェハステージ11の第1の面からほぼ突出しない形状に変形する条件で形成されている。環状シール12のうち区画シール用溝11に位置する部分には、図3に示すように、突起12aが形成されている。突起12aは、ウェハステージ11の開口部7をカソードホルダ5cで閉塞した状態で、ウェハ30の周囲に形成される環状の空間を密閉状態で仕切るために使用される。
【0025】
ウェハステージ11において、内側と外側シール用溝11a、11bと区画シール用溝11cにより囲まれる第1〜第3の加圧領域11d〜11fのそれぞれには、ウェハステージ11を厚み方向に貫通する第1〜第3の加圧用ホール11g〜11iが形成されている。加圧用ホール11g〜11iは、ウェハ保持領域11xの周囲に形成され、図4に例示するようにウェハステージ11により第2の開口部7bを閉塞した状態で、ウェハ30周囲のシールパッキン8に対向する位置に形成される。
【0026】
第1〜第3の加圧用ホール11g〜11iのそれぞれは、図1(a)に例示するように、ウェハステージ11の第2面側から第1〜第3のガス管25a〜25cに接続され、さらに、第1〜第3のガス管25a〜25cを通して同じ加圧ポンプ26に接続されている。第1〜第3のガス管25a〜25cのそれぞれの途中には圧力調整用バルブ27a〜27cが接続されている。
【0027】
ウェハステージ11の第1面において内側シール用溝11aに囲まれる吸気領域11jには、同じ中心軸を有し且つ直径の異なる円環状の内側と外側の吸気用溝11k、11mが形成されている。さらに、内側吸気用溝11kと外側吸気用溝11mのそれぞれの複数箇所には、ウェハステージ11を厚さ方向に貫通する吸気用ホール11nが形成されている。複数の吸気用ホール11nにおけるウェハステージ11の第2の面側には、図1(a)に例示するように、それぞれ吸気管28の分岐管が接続されている。吸気管28は、吸気ポンプ29に接続されている。
【0028】
次に、上記のようなめっき装置1を使用することにより、ウェハ30としてシリコンウェハ31を使用し、シリコンウェハ31上に電解めっきにより金属層を形成する方法について説明する。
【0029】
まず、図1(a)に例示するように、ウェハステージ11の第1面にシリコンウェハ31を載せ、シリコンウェハ31の位置を調整することにより、シリコンウェハ31の縁部を図3に示す環状シール領域11d、11e、11fの内部に重ねる。これにより、シリコンウェハ31の裏面にはその外周に沿って内側シール用溝11a上の環状シール12が接触するので、環状シール12、シリコンウェハ31及びウェハステージ11の間には密
閉状態の空間が形成される。
【0030】
ここで、シリコンウェハ31の一面には金属層32が形成され、さらに、金属層32の上にはレジストパターン33が形成されている。レジストパターン33は、図4(b)の拡大図に例示するように、パターン開口部33aを有するとともにシリコンウェハ31の外周縁部で金属層32を露出するための縁取り開口部33bを有している。
【0031】
続いて、吸気管28を通して吸気ポンプ29によりウェハステージ11の吸気用ホール11nを吸気する。これにより、環状シール12の内側部分とウェハステージ11とシリコンウェハ31により閉じられる空間は減圧され、図1(a)に示すように、シリコンウェハ31はウェハステージ11に吸着される。
【0032】
さらに、シリコンウェハ31を吸着しているウェハステージ11をプランジャ13により移動させ、図4(a)に示すように、カソードホルダ5cの第2の開口部7b内にシリコンウェハ31を嵌め込む。この場合、シリコンウェハ31は、第2の開口部7bの内面に接触させないように配置される。また、ウェハステージ11上の環状シール12の外側部分により第2の開口部7bを囲みながら環状シール12をカソードホルダ5cの外面に押し当て、図4(b)に示すように第2の開口部7bをシール12及びウェハステージ11により閉塞する。
【0033】
これにより、シリコンウェハ31上でレジストパターン33の縁取り開口部33bから露出した金属層32は、図5に網掛け模様で示す領域で第2の開口部7b内の環状のカソード電極9に押圧されつつ電気的に接続される。また、図4(b)に例示するように、カソード電極9よりも内側のレジストパターン33の周縁部はシールパッキン8により押圧される。さらに、第2の開口部7bの内周壁とシリコンウェハ31の間の空間は、その後方のカソード電極9とシールパッキン8によってめっき槽2から気密分離される。
【0034】
その空間は、前方のウェハステージ11の第1の面とその上の環状のシール12により密閉されるとともに、図3に示す環状シール12の突起12aによって3つの領域に気密状態で仕切られる。
【0035】
次に、ポンプ23を使用してめっき液貯蓄槽21からめっき液18を汲み上げ、めっき槽3の第2の槽5に供給し続けると、第2の槽5内のめっき液18は嵩が増して仕切板3を越えて第1の槽4に流れ込む。さらに、第1の槽4の底部の流出口4aから第1の液管20を通してめっき液18をめっき液貯蓄槽21に戻す。このように、めっき槽2内でめっき液18を循環させる。さらに、アノード電極6がプラス、カソード電極9がマイナスとなる極性で、アノード電極6とカソード電極9に直流電圧電源19から電圧を印加する。
【0036】
そのような状態で、加圧ポンプ26から第1〜第3のガス管25a〜25cを通して、大気圧よりも大きな一定の圧力のガス、例えば空気又は窒素を加圧用ホール11g〜11iに加える。この場合、圧力調整バルブ27a〜27cの圧力調整により、第1〜第3のガス管25a〜25cを通して圧送されるガスはめっき槽2の中に漏れ出ない程度の圧力に調整される。即ち、図3に示す第1〜第3の加圧領域11d〜11fに加えられる気圧は、シリコンウェハ31の周囲の空間に加わる水圧に等しいかそれよりも僅かに小さい圧力に調整される。
【0037】
ウェハステージ11の第1〜第3の加圧領域11d〜11f内のそれぞれの加圧用ホール11g〜11iに加えられる気圧は同じである必要はなく、めっき槽3内のめっき液18の深さ、即ちめっき液18の水圧に応じて変更される。即ち、めっき液18のうちめっ
き槽2の浅い領域では深い領域に比べて水圧が低いので、最も上に位置する第1の加圧領域111dに加えられる圧力は、その下の第2、第3の加圧領域11e、11fに加えられる圧力よりも小さく設定される。なお、シリコンウェハ31の周囲において第1〜第3の加圧領域11d〜11fに該当する空間のそれぞれは、環状パッキン12の突起12aにより気密状態で仕切られる。
【0038】
以上のようにシリコンウェハ31の周囲の空間の圧力を調整することにより、それらの空間内にめっき液18が漏れることが防止される。即ち、図6に例示するように加圧用ホール11g〜11iを設けずにシリコンウェハ31の周囲の空間の圧力を調整しない構造に比べて、上記のように空間内の圧力を調整すると、めっき液18がその空間内に漏れることがなくなる。
【0039】
以上のことから本実施形態によれば、めっき液18がシリコンウェハ31周囲の空間に漏れることを防止できるので、シールパッキン8、カソード電極9とシリコンウェハ31の接触領域を従来よりも狭くすることができる。これにより、図3に示すようなシリコンウェハ31の素子形成領域の面積を広くすることができ、その領域に複数区画して形成される半導体装置35の個数を従来よりも増やすことができる。
【0040】
また、シリコンウェハ31周囲の空間の圧力の調整により、その空間内のガスがめっき液18に漏れることを防止できるだけでなく、その空間内にめっき液18が漏れることも防止できる。これにより、第1の開口部7aの周囲の内部フランジ7cに内側と外側から加わる応力の差を小さくすることができるので、第1の開口部7aの厚みを薄くしてシリコンウェハ31の押圧力に対する強度を低くしてもよくなる。この結果、シリコンウェハ31の外周と第1の開口部7aの厚みにより形成される段差を低くすることができ、その段差によるめっき液18の滞留を防止することができる。
【0041】
これに対し、図6に示すように、シリコンウェハ31周辺の空間の圧力を調整しない場合には、シリコンウェハ31から内部フランジ7cへの押圧力を高くしてその空間へのめっき液の漏れを防止する必要がある。即ち、第1の開口部7aの厚みを増してカソードホルダ5cの圧力耐性を高める必要が生じる。これによれば、シリコンウェハ31の上面に対するカソードホルダ5cの段差が高くなるので、図6の一点鎖線で示すように、その段差においてめっき液の滞留が生じて、シリコンウェハ31の周縁部にめっきされる金属がそれより内側の領域よりも薄くなる。
【0042】
ところで、シリコンウェハ31の表面からカソードホルダ5cの内面までの距離をさらに小さくするために、図7に示すように、シールパッキン8上のカソード電極9の取り付け位置を調整してシリコンウェハ31の外周縁に接触させてもよい。この場合、シリコンウェハ31の外周縁に至る領域まで金属層32を広げることにより、カソード電極9と金属層32の接続を確保する必要がある。
【0043】
以上のような状態で、直流電圧電源19からアノード電極6の電位に対してカソード電極9の電位をマイナスになるように、電圧を印可する。これにより、めっき液18に含まれる金属は、レジストパターン33の開口部33aを通して金属層32の上に堆積し、図4(b)に示すようなめっき金属層34が形成される。
【0044】
本実施形態に係るなめっき装置1を使用して金属膜を半導体ウェハ上にめっきする方法を以下に説明する。
図8A〜図8Fは、シリコン(半導体)ウェハ31の上に銅配線を形成する工程を示す断面図である。なお、図8A〜図8Fでは、シリコンウェハ31の上に形成される金属パッド、絶縁膜及び金属膜については断面で示される。
【0045】
シリコンウェハ31は、図5に示すように複数に区画され、それらの区画された領域には半導体装置35が形成される。半導体装置35として、MOSトランジスタ、配線等の半導体集積回路が形成される。
【0046】
シリコンウェハ31のうち配線等が形成される層の上には、図8Aに示すように、アルミニウム製の金属パッド41が形成されている。金属パッド41は、シリコンウェハ31内に形成された半導体集積回路(不図示)に電気的に接続されている。さらに、シリコンウェハ31の上には、金属パッド41上に開口部42aを有するカバー膜42が形成されている。カバー膜42として、例えばCVD法によりシリコン窒化膜が形成される。
【0047】
また、カバー膜42の上には例えばポリイミドからなる絶縁性の保護膜43が形成されている。ポリイミドは、例えば感光剤を含み、シリコンウェハ31上に塗布され、露光、現像により形成される開口部43aが形成されている。保護膜43の開口部43aは、金属パッド41の上においてカバー膜42の開口部42aの縁を覆う大きさに形成されている。
【0048】
そのような金属パッド41、カバー膜42及び保護膜43が形成されているシリコンウェハ31の上に、図8Bに例示するように、チタン層44と銅シード層45をスパッタ法により順に形成する。この場合、チタン層44と銅シード層45は、金属パッド41及び保護膜43を覆い、シリコンウェハ41の周縁部に至る全面に形成される。
【0049】
次に、図8Cに例示するように、銅シード層45の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像することにより、図4に示したレジストパターン33に対応するレジストパターン46を形成する。レジストパターン46は、金属パッド41を含む配線形成領域に配線用開口部46aを有し、さらに、図4(b)に示すと同様に、シリコンウェハ31の外周縁部の銅シード層45を露出する環状の縁取りをしている。その後に、配線用開口部46aを通して銅シード層45を洗浄する。
【0050】
次に、上述したと同様な方法により、ウェハステージ11の第1面上にシリコンウェハ31を取り付ける。その後に、上述したと同様な方法により、ウェハステージ11を移動してシリコンウェハ31上のレジストパターン46の周縁部をカソードホルダ5cの内側フランジ7c上のシールパッキン8に押しつける。これと同時に、レジストパターン46の縁取りから露出する銅シード層45を環状のカソード電極9に接触させて電気的に接続する。
【0051】
その後に、上記と同様な方法により、めっき槽2内にめっき液18を供給する。めっき液18として、例えば、硫酸銅を含む溶液を使用する。続いて、アノード電極6とカソード電極9に直流電圧源19から電圧を印可してレジストパターン46の配線用開口部46aから露出した銅シード層45上に図8Dに示すように銅層47をめっきする。この場合、上述したように、シリコンウェハ31の周囲に形成される空間には、ウェハステージ11の加圧ホール11g〜11iを通して上記の条件でガス圧力が加えられる。これにより、その空間からめっき槽2内にガスが漏れ出ることが防止され、さらに、めっき液18がシリコンウェハ31の周囲の空間に漏れることが防止される。
【0052】
ついで、めっき槽2内のめっき液18をめっき液貯留槽21に戻してめっき槽2内を空にする。さらに、ウェハステージ31の吸気ホール11nを通してシリコンウェハ31をウェハステージ11に吸引した状態にする。その後に、プランジャ13の駆動により、ウェハステージ11をめっき槽2から後退させる。そして、シリコンウェハ31の吸引を解いてシリコンウェハ31をウェハステージ11から取り出す。
【0053】
次に、図8Eに例示するように、シリコンウェハ31を洗浄した後に、溶剤を使用してレジストパターン46を除去する。さらに、図8Fに例示するように、銅シード層45とチタン層44をウェットエッチングすることにより保護膜43を露出させる。銅シード層45のエッチング液として例えば塩化第二鉄溶液を含む溶液を使用し、チタン層44のエッチング液として例えばフッ酸等の還元性の酸を含む溶液を使用する。
【0054】
銅シード層45のエッチング時には、配線領域に形成された銅層47が僅かに薄くなるが、残された銅シード層45と銅層47の合計の厚さは、めっきされた銅層47の初期の厚さとほぼ等しくなる。残された銅層47とその下の銅シード層45は銅配線として使用される。
【0055】
次に、上記のめっき装置1を使用してはんだ(半田)バンプを形成する工程の一例を以下に説明する。
図9A〜図9Fは、半導体ウェハの上に半田バンプを形成する工程を示す断面図である。
半田バンプが形成されるウェハ30として、上記と同様にシリコンウェハ31を使用する。シリコンウェハ31は、図5に示すように複数に区画され、それらの区画された領域には半導体装置35が形成される。半導体装置35として、MOSトランジスタ、配線等の半導体集積回路(不図示)がシリコンウェハ31の中とその上に形成されている。
【0056】
シリコンウェハ31の最上面には、図9Aに示すように、半導体集積回路に接続されるアルミニウム製の金属パッド51が形成されている。さらに、シリコンウェハ31の上には金属パッド51の上に開口部52aを有するカバー膜52が形成されている。カバー膜52として、例えばシリコン窒化膜がCVD法により形成される。
【0057】
また、カバー膜52の上には例えばポリイミドからなる絶縁性の保護膜53が形成されている。ポリイミドは、例えば感光剤を含み、シリコンウェハ上に塗布された後に、露光、現像により開口部53aが形成される。保護膜53の開口部53aは、金属パッド51の上においてカバー膜52の開口部52aの縁を覆う大きさに形成される。
【0058】
そのような金属パッド51、カバー膜52及び保護膜53が形成されているシリコンウェハ31の上に、チタン層54と銅シード層55をスパッタ法により順に形成する。この場合、チタン層54と銅シード層55は、保護膜53及び金属パッド51を覆い、図4(b)に示したと同様にシリコンウェハ31の周縁に至る全面に形成される。
【0059】
次に、図8Bに例示するように、銅シード層55の上にフォトレジストを塗布し、これを露光、現像することによりレジストパターン56を形成する。レジストパターン56は、金属パッド51の上にバンプ形成用開口部56aを有し、さらに、図4(b)に示したと同様に、シリコンウェハ31の外周縁部で銅シード層55を露出する環状の縁取りを有している。縁取りは、シリコンウェハ31の周縁部において、上記したカソード電極9に銅シード層55を接触させる形状を有している。
【0060】
レジストパターン56の開口部56a及び縁取りから露出した銅シード層55を洗浄した後に、上記のウェハステージ11の第1面上にシリコンウェハ31を取り付ける。シリコンウェハ31は、上述したと同様な方法により、ウェハステージ11に取り付けられる。その後に、上述したと同様な方法により、ウェハステージ11を移動してシリコンウェハ31のレジストパターン56の外周縁部をカソードホルダ5cの内側フランジ7c上のシールパッキン8に押しつける。これと同時に、シリコンウェハ31の外周部の銅シード層55を環状のカソード電極9に接続する。
【0061】
次に、図9Cに示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、上記と同様な方法により、めっき槽2内にめっき液18を供給して、直流電圧源19からアノード電極6とカソード電極9の間に電圧を印可してレジストパターン56の開口部56aから露出した銅シード層55上にニッケル層57をめっきする。ニッケル層57を形成するためのめっき液18として、例えば、硫酸ニッケル又はスルファミン酸ニッケルのいずれかを含む溶液を使用する。
【0062】
次に、めっき槽3内のめっき液18を変えて、ニッケル層57の上にSnAgはんだ層58をめっきする。SnAgはんだ層58を形成するためのめっき液18として、例えば、メタンスルホン酸銀、メタンスルホン酸錫を含む溶液を使用する。なお、ニッケル層57のめっきとSnAgはんだ層58のめっきは、上記と同じ構造を有する別々のめっき装置を使用してもよい。
【0063】
それらのめっきの際には、上述したように、第2の開口部7b内においてシリコンウェハ31の周囲に形成される空間には、ウェハステージ11の加圧ホール11g〜11iを通して上記と同様な条件でガス圧力が加わる。これにより、その空間からめっき液18内にガスが漏れ出ることが防止され、さらにめっき液18がシリコンウェハ31の周囲の空間に漏れることが防止される。
【0064】
SnAgはんだ層58を形成した後に、直流電圧源19の出力をオフにし、めっき槽2内のめっき液18をめっき液貯留槽21に戻して中を空にする。その後に、ウェハステージ11の吸気ホール11nを通してシリコンウェハ31をウェハステージ11に吸引した状態にし、さらに、ウェハステージ11をめっき槽2から後退させる。その後に、シリコンウェハ31の吸引を解くことによりシリコンウェハ31をウェハステージ11から取り外す。
【0065】
次に、図9Dに例示するように、シリコンウェハ11を洗浄した後に、溶剤を使用してレジストパターン56を除去する。さらに、図9Eに例示するように、SnAgはんだ層58をマスクに使用し、銅シード層55とチタン層54を順にウェットエッチングすることにより保護膜を露出させる。
【0066】
次に、金属パッド51の上方に残されたSnAgはんだ層58を不活性ガス雰囲気中で例えば約230℃の温度で加熱し、リフローすることにより露出面を略球形にする。略球形のSaAgはんだ層58はバンプとして使用される。
【0067】
上述のように、シリコンウェハ31に半導体装置を形成する工程で、上記のめっき装置1を使用して配線47、はんだ層58を形成すると、図5に示したようにシリコンウェハ31とシールパッキン8、カソード電極9の接触面積を減らすことができる。これにより、シリコンウェハ31における半導体装置35を形成する領域が広がり、半導体装置35を形成する数を増やすことができる。
【0068】
しかも、第2の開口部7b内におけるシリコンウェハ31周囲の空間の圧力を調整している。これにより、カソードホルダ5cの内側フランジ7cに加わる圧力を従来よりも弱くしても、空間内のガスのめっき液18への漏れや、めっき液18の空間への漏れを防止することができる。
【0069】
さらに、押圧力が抑制される第1の開口部7aの周囲のカソードホルダ5cを薄くすることができ、シリコンウェハ31周縁部近傍でのめっき液18の滞留が解消される。この結果、シリコンウェハ31へのめっき金属の膜厚分布の均一性が良好になる。
【0070】
ところで、図10に例示するように、上記のウェハステージ11の一面において、内側パッキン用溝11aと外側パッキン用溝11bの間の領域を区画シール用溝11cにより4以上の領域11o〜11tに区画してもよい。この場合、区画された領域11o〜11t内のそれぞれには加圧用ホール11uが形成されている。
【0071】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈し、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解する。
【0072】
次に、本発明の実施形態について特徴を付記する。
(付記1)めっき槽と、前記めっき槽の内部に取り付けられた第1の電極と、前記めっき槽の側壁において、環状のフランジを介して前記めっき槽の内側から外側に向けて直径の小さい順に隣接する環状の第1の開口部と環状の第2の開口部と、前記第2の開口部内で前記フランジの上に取り付けられるシールパッキンと、前記シールパッキンの上に、前記第2の開口部の内壁から離れて取り付けられる環状の第2の電極と、前記第2の電極に対向する位置に周縁を有するウェハ保持領域を有し、前記第2の開口部よりも大きく形成されるウェハステージと、前記ウェハステージのうち前記ウェハ保持領域の周囲の領域に形成され、前記シールパッキンに一端が向けられる加圧用ホールと、前記ウェハステージを移動して前記めっき槽の側壁に押し当てて前記第2の開口部を閉塞させる駆動部と、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電位差を生じさせる電圧源と、を有するめっき装置。(付記2)前記ウェハ保持領域の中に、ウェハ吸着用の吸気用ホールを有することを特徴とする付記1に記載のめっき装置。
(付記3)前記吸気用ホールは、ガス管を介して吸気ポンプに接続されることを特徴とする付記2に記載のめっき装置。
(付記4)前記ウェハステージのうち前記ウェハ保持領域の内側と外側のそれぞれに形成され、前記ウェハ保持領域の外周縁と前記加圧ホールを挟む環状の内側パッキン用溝と環状の外側パッキン用溝と、前記内側パッキン用溝と前記外側パッキン用溝に嵌め込まれるパッキンと、を有することを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1つに記載のめっき装置。
(付記5)前記内側パッキン用溝と前記外側パッキン用溝に囲まれる環状領域には、前記環状領域を前記内側パッキン用溝の外周に沿って複数に分割する複数の区画シール用溝が形成され、前記環状領域のうち複数の前記区画シール用溝により区画される各領域のそれぞれには、前記加圧用ホールが形成されていることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1つに記載のめっき装置。
(付記6)前記加圧用ホールにはガス管及び加圧調整器を介して加圧ポンプに接続されていることを特徴とする付記1乃至付記5のいずれか1つに記載のめっき装置。
(付記7)半導体ウェハの一方の面の全体に第1金属層を形成する工程と、前記半導体ウェハの外周縁部で前記第1金属層を露出する環状の縁取り開口部と、前記縁取り開口部よりも内側で前記第1金属層の一部を露出するパターン開口部とを有するレジストパターンを前記第1金属層の上に形成する工程と、前記半導体ウェハをウェハステージ上に取り付ける工程と、めっき槽に形成されためっき開口部を前記ウェハステージにより閉塞して前記めっき開口部内に前記半導体ウェハを嵌め込むことにより、前記めっき開口部の内周に沿って形成されたフランジ上に取り付けられた環状のシールパッキンを前記レジストパターンの外周縁部に接触させ、さらに前記レジストパターンの前記縁取り開口部を通して前記第1金属層上に前記シールパッキン上の環状の第1電極を接続する工程と、前記めっき槽内にめっき液を供給する工程と、前記めっき開口部内で前記シールパッキン、前記第1
電極、前記半導体ウェハ及びウェハステージにより囲まれた空間に大気圧よりも大きな気圧を加えて維持する工程と、前記めっき槽内の前記めっき液中に配置した第2電極と前記第1電極の間に電位差を生じさせることにより、前記めっき液に含まれる金属に基づく第2金属膜を前記パターン開口部内の前記第1金属層の上に形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)前記第2金属層を形成した後に、前記めっき槽から前記めっき液を排出する工程と、前記半導体ウェハを前記ウェハステージから取り外す工程と、前記半導体ウェハ上の第2金属層をマスクにして前記第1金属層をエッチングする工程と、を有することを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)前記気圧は、前記めっき液の前記空間への漏れを抑制し、さらに前記空間内のガスの前記めっき液への漏れを抑制する大きさであることを特徴とする付記7に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0073】
1 めっき装置
2 めっき槽
3 仕切り
4 第1の槽
5 第2の槽
6 アノード電極
7 開口部
7a 第1の開口部
7b 第2の開口部
7c 内側フランジ
8 シールパッキン
9 カソード電極
11 ウェハステージ
11a 内側パッキン用溝
11b 外側パッキン用溝
11c 区画シール用溝
11d、11e、11f 加圧領域
11g、11h、11i 加圧用ホール
11n 吸気用ホール
12 環状シール
13 プランジャ
25a〜25c ガス管
26 加圧ポンプ
27 圧力調整バルブ
28 吸気管
29 ポンプ
30 ウェハ
31 シリコンウェハ
32 金属層
33 レジストパターン
33a パターン開口部
33b 縁取り開口部
34 めっき金属層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
めっき槽と、
前記めっき槽の内部に取り付けられた第1の電極と、
前記めっき槽の側壁において、環状のフランジを介して前記めっき槽の内側から外側に向けて直径の小さい順に隣接する環状の第1の開口部と環状の第2の開口部と、
前記第2の開口部内で前記フランジの上に取り付けられるシールパッキンと、
前記シールパッキンの上に、前記第2の開口部の内壁から離れて取り付けられる環状の第2の電極と、
前記第2の電極に対向する位置に周縁を有するウェハ保持領域を有し、前記第2の開口部よりも大きく形成されるウェハステージと、
前記ウェハステージのうち前記ウェハ保持領域の周囲の領域に形成され、前記シールパッキンに一端が向けられる加圧用ホールと、
前記ウェハステージを前記めっき槽の側壁に押し当てて前記第2の開口部を閉塞させる駆動部と、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に電位差を生じさせる電圧源と、
を有するめっき装置。
【請求項2】
前記ウェハ保持領域の中に、ウェハ吸着用の吸気用ホールを有することを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
前記ウェハステージのうち前記ウェハ保持領域の内側と外側のそれぞれに形成され、前記ウェハ保持領域の外周縁と前記加圧ホールを挟む環状の内側パッキン用溝と環状の外側パッキン用溝と、
前記内側パッキン用溝と前記外側パッキン用溝に嵌め込まれるパッキンと、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のめっき装置。
【請求項4】
前記内側パッキン用溝と前記外側パッキン用溝に囲まれる環状領域には、前記環状領域を外周に沿って複数に分割する複数の区画シール用溝が形成され、
前記環状領域のうち複数の前記区画シール用溝により区画される各領域のそれぞれには、前記加圧用ホールが形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のめっき装置。
【請求項5】
半導体ウェハの一方の面の全体に第1金属層を形成する工程と、
前記半導体ウェハの外周縁部で前記第1金属層を露出する環状の縁取り開口部と、前記縁取り開口部よりも内側で前記第1金属層の一部を露出するパターン開口部とを有するレジストパターンを前記第1金属層の上に形成する工程と、
前記半導体ウェハをウェハステージ上に取り付ける工程と、
めっき槽に形成されためっき開口部を前記ウェハステージにより閉塞して前記めっき開口部内に前記半導体ウェハを嵌め込むことにより、前記めっき開口部の内周に沿って形成されたフランジ上に取り付けられた環状のシールパッキンを前記レジストパターンの外周縁部に接触させ、さらに前記レジストパターンの前記縁取り開口部を通して前記第1金属層上に前記シールパッキン上の環状の第1電極を接続する工程と、
前記めっき槽内にめっき液を供給する工程と、
前記めっき開口部内で前記シールパッキン、前記第1電極、前記半導体ウェハ及びウェハステージにより囲まれた空間に大気圧よりも大きな気圧を加えて維持する工程と、
前記めっき槽内の前記めっき液中に配置した第2電極と前記第1電極の間に電位差を生じさせることにより、前記めっき液に含まれる金属に基づく第2金属膜を前記パターン開口部内の前記第1金属層の上に形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9D】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−233224(P2012−233224A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101744(P2011−101744)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】