説明

アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置

【課題】電磁駆動(ムービングコイル)方式において、配線の断線を防止して、優れた信頼性を発揮することができるアクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】可動板21と、可動板21を支持する1対の軸部材22、23とを備えた振動部と、振動部に設けられたコイル212と、コイル212に通電するための配線221、231と、コイル212に対向して設置された磁石41、42とを有し、磁石41、42の磁界中に配されたコイル212に通電することにより、可動板21を各軸部材22、23の捩れ変形を伴って回動させるように構成され、配線221、231は、その一部が各軸部材22、23に対し離間するように配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、レーザープリンタ等にて光走査により描画を行うための光スキャナとして、捩り振動子を構成する構造体を有するアクチュエータを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたアクチュエータでは、ミラーを有する可動板が1対のトーションバーを介して基板に対し連結されている。そして、コイルが可動板に設けられているとともに、磁石が可動板に対向して設けられている。また、コイルに通電するための配線がトーションバーに設けられており、この配線を介してコイルに通電することにより、トーションバーの捩れ変形を伴って、磁石の磁界中に配された可動板を回動させる。
【0003】
しかしながら、特許文献1にかかる光スキャナでは、トーションバー上に配線が設けられているため、トーションバーの捩れ変形によって配線に大きな応力が生じてしまう。そのため、配線の断線が生じやすく、アクチュエータの信頼性を低下させてしまう。
また、配線から生じる熱の影響によりトーションバーのバネ特性(バネ定数)が変動するため、可動板を所望の周波数で安定して動作するように制御することが難しい。
【0004】
【特許文献1】国際公開第96/39643号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電磁駆動(ムービングコイル)方式において、配線の断線を防止して、優れた信頼性を発揮することができるアクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータは、可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させるように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、各軸部材の捩れ変形によって配線に生じる応力を低減して、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
また、各軸部材に対する配線からの熱の影響を防止または抑制することができる。そのため、各軸部材のバネ特性(バネ定数)の変動を防止または抑制して、長期にわたり簡単に、可動板を所望の周波数で安定して動作させることができる。
さらに、軸部材上に可動板の挙動検知のためのPZR等のセンサを設けた際、コイルからの配線を軸部材上に設けることが難しい場合であっても、コイルからの配線の取り出しが簡単となる。
【0008】
本発明のアクチュエータでは、前記配線は、前記1対の軸部材のうちの少なくとも一方の軸部材に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、可動板の回動によって配線に生じる応力を低減して、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記振動部を支持する支持部を有しており、前記配線は、前記振動部上に接合された第1の接合点と、前記支持部上に接合された第2の接合点とを有し、前記第1の接合点と前記第2の接合点との間をワイヤーボンディングすることにより形成されたものであることが好ましい。
これにより、配線の形成を比較的簡単なものとしつつ、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
【0009】
本発明のアクチュエータでは、前記コイルは、絶縁膜を介して前記振動部上に設けられ、当該絶縁膜は、前記各軸部材に対し離間しつつ延長された延長部を有し、前記配線は、当該延長部上に設けられていることが好ましい。
これにより、コイルおよび配線の形成を比較的簡単なものとしつつ、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
【0010】
本発明のアクチュエータでは、前記コイルは、前記可動板に設けられていることが好ましい。
これにより、振動部を可動板および1対の軸部材からなる1自由度振動系とすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記コイルは、前記可動板の板面に沿って渦巻状に形成されていることが好ましい。
これにより、コイルの構成を比較的簡単なものとするとともに、駆動電圧を抑えつつ、コイルに生じる磁力を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記配線は、前記可動板と前記各軸部材との境界部付近に接合された1対の第1の接合点を有していることが好ましい。
これにより、可動板の回動によって配線に生じる応力を低減して、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
【0011】
本発明のアクチュエータでは、前記振動部を支持する支持部を有しており、前記配線は、前記支持部と前記各軸部材との境界部付近に接合された1対の第2の接合点を有していることが好ましい。
これにより、可動板の回動によって配線に生じる応力を簡単かつ確実に低減して、アクチュエータの信頼性を向上させることができる。
【0012】
本発明のアクチュエータでは、前記1対の第1の接合点および前記1対の第2の接合点は、前記1対の軸部材に対する前記配線の影響が互いに等しくなるように設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの設計を簡単なものとしつつ、振動部の振動特性を優れたものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記配線は、前記1対の軸部材に対する影響が互いに等しくなるように設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータの設計を簡単なものとしつつ、振動部の振動特性を優れたものとすることができる。
【0013】
本発明のアクチュエータでは、前記可動板および前記各軸部材は、シリコンで一体的に形成されていることが好ましい。
これにより、振動部の振動特性および耐久性を優れたものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記コイルおよび前記配線は、それぞれ、金属で構成されていることが好ましい。
金属は一般に優れた電気伝導性を有するものの変形を繰り返すことにより金属疲労が生じる。したがって、金属で構成されたコイルや配線を用いた場合に、本発明を適用することによる効果が顕著となる。
【0014】
本発明の光スキャナは、光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とする。
これにより、本発明の光スキャナは、電磁駆動(ムービングコイル)方式において、優れた信頼性を発揮することができる。
【0015】
本発明の画像形成装置は、光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させ、前記光反射部で反射した光を走査して、画像を形成するように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とする。
これにより、本発明の画像形成装置は、優れた信頼性を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のアクチュエータの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示すアクチュエータの平面図、図3は、図1に示すアクチュエータの断面図((a)は図2中のA−A線断面図、(b)は図2中のB−B線断面図)、図4は、図1に示すアクチュエータに備えられたコイルを説明するための部分拡大斜視図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すように、本実施形態のアクチュエータ1は、電磁駆動方式(より具体的にはムービングコイル方式)を採用するアクチュエータであって、振動系(振動部)を有する基体2と、この基体2を支持する支持体3と、1対の磁石(永久磁石)41、42とを有している。
【0017】
以下、アクチュエータ1を構成する各部を順次説明する。
基体2は、図1に示すように、可動板21と、可動板21を支持する1対の軸部材22、23と、これらを囲むように枠状に形成された支持部24とを有している。
可動板21は、板状をなし、本実施形態では、平面視形状が長方形をなしている。そして、可動板21の板面(上面)には、光反射性を有する光反射部211が設けられている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチ等の光学デバイスに適用することができる。
【0018】
また、図2に示すように、可動板21の下面には、コイル212が設けられている。このコイル212は、後述する1対の磁石41、42の磁界中に配され、通電により可動板21に電磁力を作用させることができる。
このコイル212は、可動板21の光反射部211とは反対側の面に設けられているため、光反射部211の設計の自由度が低下することはない。
【0019】
また、本実施形態では、コイル212は、図2および図4に示すように、可動板21の板面に沿って渦巻状に形成されている。このような渦巻状のコイル212は、単に環状に形成したコイルに比し大きな磁力を発生させることができ、また、可動板21の厚さ方向に積層して形成したコイルに比し構成が簡単で製造も容易である。すなわち、コイル212の構成を比較的簡単なものとするとともに、駆動電圧を抑えつつ、コイル212に生じる磁力を大きくすることができる。
【0020】
また、コイル212を構成する素線の一端(渦巻きの外周側の端)は、可動板21と軸部材23との境界部付近に位置し、後述する配線231に電気的に接続されている。また、コイル212を構成する素線の他端(渦巻きの中心側の端)は、可動板21の板面の中心付近に位置しているが、ワイヤーボンディングで構成された配線214を介して、可動板21と軸部材22との境界部付近で、後述する配線221に電気的に接続されている。
なお、コイル212を構成する素線の他端(渦巻きの中心側の端)と配線221との接続は、ワイヤーボンディングに限定されず、例えば、振動部上に絶縁膜を介して配線パターンを成膜するとともに、その絶縁膜に配線パターンに導通する貫通電極を設けた構成でもよい。
【0021】
ここで、前述した配線214は、その一端がコイル212を構成する素線の他端(渦巻きの中心側の端)付近の接合点で可動板21に接合・固定され、他端が可動板21と軸部材22との境界部付近の第1の接合点222に接合・固定されている。
また、可動板21(振動部)とコイル212との間には、絶縁膜が介在しているのが好ましい。これにより、コイル212と可動板21と間の絶縁性を優れたものとし、信頼性を向上させることができる。この場合、コイル212を構成する素線の外周に絶縁膜を形成してもよいし、可動板21の下面(コイル212側の面)の全面に絶縁膜を形成してもよい。また、この絶縁膜の構成材料としては、絶縁性を有していれば特に限定されないが、樹脂、金属酸化物等が挙げられる。
また、コイル212の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、アルミニウム等の金属が好適に用いられる。
【0022】
このような可動板21は、1対の軸部材22、23によって支持(両持ち支持)されている。
1対の軸部材22、23は、それぞれ、弾性変形可能であるとともに、可動板21と支持部24とを連結している。
また、1対の軸部材22、23は、互いに同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)Xとして、可動板21が各軸部材22、23の捩れ変形を伴って支持部24に対して回動可能となっている。
【0023】
支持部24の下面には、各軸部材22、23との境界部付近に、端子241、242が設けられている。
そして、端子241は、前述したコイル212と配線221を介して電気的に接続され、端子242は、コイル212と配線231を介して電気的に接続されている。これにより、配線221、231を介してコイル212に通電することができる。
【0024】
配線221は、その一端が可動板21と軸部材22との境界部付近の第1の接合点222で、可動板21に接合・固定され、他端が端子241上の第2の接合点223で支持部24に接合・固定されている。
このような配線221は、第1の接合点222と第2の接合点223とをワイヤーボンディングすることにより形成されたものである。
【0025】
同様に、配線231は、その一端が可動板21と軸部材23との境界部付近の第1の接合点232で、可動板21に接合・固定され、他端が端子242上の第2の接合点233で支持部24に接合・固定されている。
このような配線231は、前述した配線221と同様、第1の接合点232と第2の接合点233とをワイヤーボンディングすることにより形成されたものである。
なお、配線221、231は、ワイヤーボンディング法により形成されたものに限定されない。
【0026】
このような各配線221、231は、各軸部材22、23に対し離間するように配設されている。これにより、各軸部材22、23の捩れ変形によって配線221、231に生じる応力を低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
また、配線221が軸部材22に沿って設けられているとともに、配線231が軸部材23に沿って設けられているため、可動板21の回動によって配線221、231に生じる応力を低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
【0027】
また、各配線221、231は前述したようにワイヤーボンディングを用いて形成されたものであるため、配線221、231の形成を比較的簡単なものとしつつ、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
また、配線221、231が前述したような1対の第1の接合点222、232を有しているため、可動板21の回動によって配線221に、231生じる応力を低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
その上、配線221、231が前述したような1対の第2の接合点223、233を有しているため、可動板21の回動によって配線に生じる応力を簡単かつ確実に低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
【0028】
また、各接合点222、223、232、233が回動中心軸X上に位置するとともに、第1の接合点222と第2の接合点223との間の距離と、第1の接合点232と第2の接合点233との間の距離とが等しくなっている。したがって、1対の第1の接合点222、232および1対の第2の接合点223、233は、1対の軸部材22、23に対する配線221、231の影響が互いに等しくなるように設けられている。これにより、アクチュエータ1の設計を簡単なものとしつつ、振動部の振動特性を優れたものとすることができる。
【0029】
また、各配線221、231は、1対の軸部材22、23に対する影響が互いに等しくなるように設けられている。より具体的には、配線221の長さと配線231の長さとが等しく設定され、また、配線221の横断面形状と配線231の横断面形状とが等しく設定され、さらに、配線221の横断面積(太さ)と配線231の横断面積(太さ)とが等しく設定されている。言い換えすれば、配線221と配線231とは対称的に構成されている。これにより、アクチュエータ1の設計を簡単なものとしつつ、振動部の振動特性を優れたものとすることができる。
【0030】
また、配線221は第1の接合点222と第2の接合点223との間の距離よりも長く、また、配線231は第1の接合点232と第2の接合点233との間の距離よりも長くなっている。これにより、各配線221、231に生じる張力を小さくして、配線221、231に生じる応力を低減することができる。
このような各配線221、231についても、前述したコイル212と同様に、軸部材22(振動部)と配線221との間や、軸部材23(振動部)と配線231との間には、絶縁膜が介在しているのが好ましい。これにより、配線221、231と振動部と間の絶縁性を優れたものとし、信頼性を向上させることができる。
【0031】
また、各配線221、231の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されないが、本実施形態のようにワイヤーボンディング法を用いる場合、金のような金属が好適に用いられる。
金属は一般に優れた電気伝導性を有するものの変形を繰り返すことにより金属疲労が生じる。したがって、金属で構成された配線を用いた場合、本発明を適用することによる効果が顕著となる。
【0032】
このような可動板21および1対の軸部材22、23は、振動系(振動部)を構成している。すなわち、本実施形態では、振動部が可動板21および1対の軸部材22、23からなる1つの振動系(すなわち1自由度振動系)を有するものである。
このような振動系を有する基体2は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板21と1対の軸部材22、23と支持部24が一体的に形成されている。これにより、振動部の振動特性および耐久性を優れたものとすることができる。
【0033】
また、このような振動部は、1つの基板をエッチングすることにより一体的に形成されたものである。これにより、シリコンで一体的に形成された振動部を簡単に製造することができる。
この基板の平均厚さ(すなわち可動板21や軸部材22、23の厚さ)は、それぞれ、特に限定されないが、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
【0034】
また、前述したような振動系(振動部)を支持するための支持部24は、可動板21の外周を囲むように枠状をなしている。そして、この支持部24の下面に、支持体3が接合されている。
支持体3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。そして、基体2と支持体3とは直接接合または陽極接合により接合されている。なお、基体2と支持体3とは、例えば、ガラス、シリコン、またはSiOを主材料として構成された接合層を介して接合されていてもよいし、接着剤を介して接合されていてもよい。
【0035】
支持体3は、前述した支持部24に沿って枠状をなしている。なお、支持体3の形状は、前述したものに限定されない。
このような支持体3にあっては、その内側の空間が、基体2の振動系の振動、すなわち可動板21が回動(振動)する際に、支持体3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。このような逃げ部を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、可動板21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
【0036】
このような支持体3の側面には、1対の磁石41、42が接合・固定されている。
この1対の磁石41、42は、可動板21の回動中心軸Xを介して互いに対向するとともに、それぞれ非回動時の可動板21の端面に対向するように設けられている。このようにして各磁石41、42は、コイル212に対向している。
また、磁石41は、可動板21側をS極とし、磁石42は、可動板21側をN極とするように設置されている。したがって、1対の磁石41、42は、可動板21付近に、非回動時の可動板21の板面に平行で、かつ、可動板21の回動中心軸Xに直角な方向の磁界を発生させる。
なお、磁石41、42は、永久磁石ではなく、電磁石であってもよい。また、磁石41、42の極性は、図示のものに限定されないことは言うまでもない。
【0037】
以上のような構成を有するアクチュエータ1は、次のようにして作動する。
図示しない電源回路が配線221、231を介してコイル212に交番電圧を印加することにより、コイル212に生じる磁界の方向が上方向と下方向とで交互に切り換わる。
そのため、1対の磁石41、42の磁界中に配された可動板21は、各軸部材22、23の捩れ変形を伴いながら、可動板21が支持部24に対し回動(振動)する。
【0038】
ここで、可動板21と1対の軸部材22、23とからなる振動系の固有振動数ωは、可動板21の慣性モーメントJと、1対の軸部材22、23のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。コイル212に印加する交番電圧の周波数は、固有振動数ω1と同じであっても異なっていてもよいが、固有振動数ω1と同じである場合、効率よくアクチュエータ1を作動させることができる。
【0039】
以上説明したように構成されたアクチュエータ1によれば、コイル212に通電するための各配線221、231が各軸部材22、23に対し離間するように配設されているため、各軸部材22、23の捩れ変形によって配線221、231に生じる応力を低減して、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
特に、本実施形態では、ワイヤーボンディングを用いて各配線221、231を形成することにより、配線221、231の形成を比較的簡単なものとすることができる。
【0040】
また、各軸部材22、23に対する配線221、231からの熱の影響を防止または抑制することができる。そのため、各軸部材22、23のバネ特性(バネ定数)の変動を防止または抑制して、長期にわたり簡単に、可動板21を所望の周波数で安定して動作させることができる。
さらに、軸部材22、23上に可動板21の挙動検知のためのPZR等のセンサを設けた際、コイル212からの配線221、231を軸部材22、23上に設けることが難しい場合であっても、コイル212からの配線221、231の取り出しが簡単となる。
【0041】
<第2実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図5は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す断面図、図6は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す部分拡大斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のアクチュエータは、コイルの設置方法および配線の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態のアクチュエータ1Aでは、図5および図6に示すように、コイル212が絶縁膜25を介して可動板21(振動部)上に設けられている。
この絶縁膜25は、可動板21に接合・固定された本体部251と、各軸部材22、23に対し離間しつつ延長された延長部252、253とを有している。
そして、軸部材22に沿って設けられた延長部252上には、配線221Aが設けられ、軸部材23に沿って設けられた延長部253上には、配線231Aが設けられている。
【0043】
このような配線221Aは、その一端が第1の接合点222で絶縁膜25を介して可動板21に接合・固定され、他端が第2の接合点223で絶縁膜25を介して支持部24に接合・固定されている。これと同様に、配線231Aは、一端が第1の接合点232で絶縁膜25を介して可動板21に接合され、他端が第2の接合点233で絶縁膜25を介して支持部24に接合・固定されている。
【0044】
このような配線221A、231Aは各軸部材22、23に対し離間しているため、各軸部材22、23の捩れ変形によって配線221A、231Aに生じる応力を低減して、アクチュエータ1Aの信頼性を向上させることができる。
ここで、配線221Aは、薄膜形成された配線214Aを介して、コイル212を構成する素線の他端(渦巻きの中心側の端)に電気的に接続されている。また、配線231Aは、コイル212を構成する素線の一端(渦巻きの外周側の端)に接続されている。
【0045】
また、配線214Aは、絶縁膜254を介してコイル212上に設けられている。絶縁膜254には、図示しないが、配線214と配線221Aとの接合、および、配線214とコイル212との接合のための貫通電極が挿通されている。
このように各配線221A、231Aおよびコイル212(さらには絶縁膜254、配線214)は、蒸着、メッキなどの各種薄膜形成方法を用いて絶縁膜25上に形成することができる。したがって、コイル212および配線221A、231Aの形成を比較的簡単なものとしつつ、アクチュエータ1の信頼性を向上させることができる。
このような各配線221A、231Aおよびコイル212は、絶縁膜25上に形成した後に、基体2に接合する。
【0046】
絶縁膜25の構成材料としては、絶縁性を有していれば、特に限定されないが、樹脂材料が好適に用いられる。
また、絶縁膜25と基体2との接合は、特に限定されず、例えば、エポキシ系の接着剤等を用いて行うことができる。
以上説明したような、第2実施形態のアクチュエータ1Aによっても、前述した第1実施形態のアクチュエータ1と同様の効果を発揮することができる。
【0047】
以上説明したようなアクチュエータ1、1Aは、例えば、光スキャナ、光スイッチ、光アッテネータなどに適用することができる。
アクチュエータ1、1Aを光スキャナとして用いた場合、アクチュエータ1(本発明にかかる光スキャナ)は、光反射部211で反射した光を走査する。このような本発明にかかる光スキャナは、優れた信頼性を発揮することができる。
このような光スキャナは、例えば、レーザープリンタ、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。
【0048】
以下、本発明の光スキャナを備えた画像形成装置の具体例を説明する。
まず、電子写真方式を採用するプリンタに本発明を適用した例を説明する。
図7は、本発明の光スキャナを備える画像形成装置(プリンタ)の一例を示す全体構成の模式的断面図、図8は、図7に示す画像形成装置に備えられた露光ユニットの概略構成を示す図である。
【0049】
図7に示す画像形成装置110(プリンタ)は、露光・現像・転写・定着を含む一連の画像形成プロセスによって、トナーからなる画像を紙やOHPシートなどの記録媒体に記録するものである。このような画像形成装置110は、図7に示すように、図示矢印方向に回転する感光体111を有し、その回転方向に沿って順次、帯電ユニット112、露光ユニット113、現像ユニット114、転写ユニット115、クリーニングユニット116が配設されている。また、画像形成装置110は、図7にて、下部に、紙などの記録媒体Pを収容する給紙トレイ117が設けられ、上部に、定着装置118が設けられている。
【0050】
このような画像形成装置110にあっては、まず、図示しないホストコンピュータからの指令により、感光体111、現像ユニット114に設けられた現像ローラ(図示せず)、および中間転写ベルト151が回転を開始する。そして、感光体111は、回転しながら、帯電ユニット112により順次帯電される。
感光体111の帯電された領域は、感光体111の回転に伴って露光位置に至り、露光ユニット113によって、第1色目、例えばイエローYの画像情報に応じた潜像が前記領域に形成される。
【0051】
感光体111上に形成された潜像は、感光体111の回転に伴って現像位置に至り、イエロー現像のための現像装置144によってイエロートナーで現像される。これにより、感光体111上にイエロートナー像が形成される。このとき、現像ユニット114は、現像装置144が選択的に前記現像位置にて感光体111と対向している。なお、この選択は、保持体145の軸146まわりの回転により、現像装置141〜144の相対位置関係を維持しつつそれぞれの位置を変えることで行う。
【0052】
感光体111上に形成されたイエロートナー像は、感光体111の回転に伴って一次転写位置(すなわち、感光体111と一次転写ローラ152との対向部)に至り、一次転写ローラ152によって、中間転写ベルト151に転写(一次転写)される。このとき、一次転写ローラ152には、トナーの帯電極性とは逆の極性の一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。なお、この間、二次転写ローラ155は、中間転写ベルト151から離間している。
【0053】
前述の処理と同様の処理が、第2色目、第3色目および第4色目について繰り返して実行されることにより、各画像信号に対応した各色のトナー像が、中間転写ベルト151に重なり合って転写される。これにより、中間転写ベルト151上にはフルカラートナー像が形成される。
一方、記録媒体Pは、給紙トレイ117から、給紙ローラ171、レジローラ172によって二次転写位置(すなわち、二次転写ローラ155と駆動ローラ154との対向部)へ搬送される。
【0054】
中間転写ベルト151上に形成されたフルカラートナー像は、中間転写ベルト151の回転に伴って二次転写位置に至り、二次転写ローラ155によって記録媒体Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ155は中間転写ベルト151に押圧されるとともに二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。また、中間転写ベルト151は、駆動ローラ154を回転させることで一次転写ローラ152および従動ローラ153を従動回転させながら回転する。
【0055】
記録媒体Pに転写されたフルカラートナー像は、定着装置118によって加熱および加圧されて記録媒体Pに融着される。その後、片面プリントの場合には、記録媒体Pは、排紙ローラ対173によって画像形成装置110の外部へ排出される。
一方、感光体111は一次転写位置を経過した後に、クリーニングユニット116のクリーニングブレード161によって、その表面に付着しているトナーが掻き落とされ、次の潜像を形成するための帯電に備える。掻き落とされたトナーは、クリーニングユニット116内の残存トナー回収部に回収される。
【0056】
両面プリントの場合には、定着装置118によって一方の面に定着処理された記録媒体Pを一旦排紙ローラ対173により挟持した後に、排紙ローラ対173を反転駆動するとともに、搬送ローラ対174、176を駆動して、当該記録媒体Pを搬送路175を通じて表裏反転して二次転写位置へ帰還させ、前述と同様の動作により、記録媒体Pの他方の面に画像を形成する。
【0057】
このような画像形成装置に備えられた露光ユニット113は、図示しないパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータから画像情報を受けこれに応じて、一様に帯電された感光体111上に、レーザーを選択的に照射することによって、静電的な潜像を形成する装置である。
より具体的に説明すると、露光ユニット113は、図8に示すように、光スキャナであるアクチュエータ1と、レーザー光源131と、コリメータレンズ132と、fθレンズ133とを有している。
【0058】
露光ユニット113にあっては、レーザー光源131からコリメータレンズ132を介してアクチュエータ1(光反射部211)にレーザー光Lが照射される。そして、光反射部211で反射したレーザー光Lがfθレンズを介して感光体111上に照射される。
その際、アクチュエータ1の駆動(可動板21の回動中心軸Xまわりの回動)により、光反射部211で反射した光(レーザーL)は、感光体111の軸線方向に走査(主走査)される。一方、感光体111の回転により、光反射部211で反射した光(レーザーL)は、感光体111の周方向に走査(副走査)される。また、レーザー光源131から出力されるレーザー光Lの強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
このようにして露光ユニット113は、感光体111上を選択的に露光して画像形成(描画)を行う。
【0059】
次に、イメージングディスプレイ(表示装置)に本発明を適用した例を説明する。
図9は、本発明の画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す概略図である。
図9に示す画像形成装置119は、光スキャナであるアクチュエータ1と、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の光源191、192、193と、クロスダイクロイックプリズム(Xプリズム)194と、ガルバノミラー195と、固定ミラー196と、スクリーン197とを備えている。
【0060】
このような画像形成装置119にあっては、光源191、192、193からクロスダイクロイックプリズム194を介してアクチュエータ1(光反射部211)に各色の光が照射される。このとき、光源191からの赤色の光と、光源192からの緑色の光と、光源193からの青色の光とが、クロスダイクロイックプリズム194にて合成される。
そして、光反射部211で反射した光(3色の合成光)は、ガルバノミラー195で反射した後に、固定ミラー196で反射し、スクリーン197上に照射される。
【0061】
その際、アクチュエータ1の駆動(可動板21の回動中心軸Xまわりの回動)により、光反射部211で反射した光は、スクリーン197の横方向に走査(主走査)される。一方、ガルバノミラー195の軸線Yまわりの回転により、光反射部211で反射した光は、スクリーン197の縦方向に走査(副走査)される。また、各色の光源191、192、193から出力される光の強度は、図示しないホストコンピュータから受けた画像情報に応じて変化する。
このようにして画像形成装置119は、スクリーン197上に画像形成(描画)を行う。
【0062】
以上、本発明のアクチュエータ、光スキャナ、および画像形成装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のアクチュエータ等では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
前述した実施形態では、配線221、231が軸部材22、23の略全長にわたって離間している構成を説明したが、コイル212に通電するための配線の一部が軸部材22、23に離間していればよく、例えば、配線221、231が軸部材22、23の一部で接合していてもよい。
【0063】
また、前述した実施形態では、振動部が1自由度振動系を構成するものについて説明したが、振動部が2次自由度以上の振動系を構成していてもよい。例えば、振動部が2自由度振動系を構成する場合、振動部は、各軸部材の途中に駆動部材(質量部)を設けることにより構成する。これにより、振動部が2自由度振動系を構成し、駆動電圧を低減しつつ、可動板の振れ角を大きくすることができる。この場合、電磁駆動用のコイルは、1つまたは1対の駆動部材に設け、また、配線の接合点を駆動部材上に設ける。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すアクチュエータの平面図である。
【図3】図1に示すアクチュエータの断面図((a)は図2中のA−A線断面図、(b)は図2中のB−B線断面図)である。
【図4】図1に示すアクチュエータに備えられたコイルを説明するための部分拡大斜視図である。
【図5】本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す部分拡大斜視図である。
【図7】本発明の光スキャナを備える画像形成装置(プリンタ)の一例を示す模式的断面図である。
【図8】図7の画像形成装置に備えられた露光ユニットの概略構成を示す図である。
【図9】本発明の光スキャナを備える画像形成装置(イメージングディスプレイ)の一例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1、1A‥‥‥アクチュエータ 2‥‥‥基体 21‥‥‥可動板 22、23‥‥‥軸部材 24‥‥‥支持部 211‥‥‥光反射部 212‥‥‥コイル 221、221A、231、231A‥‥‥配線 222、232‥‥‥第1の接合点 223、233‥‥‥第2の接合点 241、242‥‥‥端子 214、214A‥‥‥配線 25、254‥‥‥絶縁膜 252、253‥‥‥延長部 41、42‥‥‥磁石 3‥‥‥支持体 110、119‥‥‥画像形成装置 110‥‥‥感光体 112‥‥‥帯電ユニット 113‥‥‥露光ユニット 114‥‥‥現像ユニット 115‥‥‥転写ユニット 116‥‥‥クリーニングユニット 117‥‥‥給紙トレイ 118‥‥‥定着装置 131‥‥‥レーザー光源 132‥‥‥コリメータレンズ 133‥‥‥fθレンズ 141〜144‥‥‥現像装置 145‥‥‥保持体 146‥‥‥軸 151‥‥‥中間転写ベルト 152‥‥‥一次転写ローラ 153‥‥‥従動ローラ 154‥‥‥駆動ローラ 155‥‥‥二次転写ローラ 161‥‥‥クリーニングブレード 171‥‥‥給紙ローラ 172‥‥‥レジローラ 173‥‥‥排紙ローラ対 174、176‥‥‥搬送ローラ対 175‥‥‥搬送路 191〜193‥‥‥光源 194‥‥‥クロスダイクロイックプリズム 195‥‥‥ガルバノミラー 196‥‥‥固定ミラー 197‥‥‥スクリーン 251‥‥‥本体部 P‥‥‥記録媒体 X‥‥‥回動中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させるように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記配線は、前記1対の軸部材のうちの少なくとも一方の軸部材に沿って設けられている請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記振動部を支持する支持部を有しており、前記配線は、前記振動部上に接合された第1の接合点と、前記支持部上に接合された第2の接合点とを有し、前記第1の接合点と前記第2の接合点との間をワイヤーボンディングすることにより形成されたものである請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記コイルは、絶縁膜を介して前記振動部上に設けられ、当該絶縁膜は、前記各軸部材に対し離間しつつ延長された延長部を有し、前記配線は、当該延長部上に設けられている請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記コイルは、前記可動板に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記コイルは、前記可動板の板面に沿って渦巻状に形成されている請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記配線は、前記可動板と前記各軸部材との境界部付近に接合された1対の第1の接合点を有している請求項6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記振動部を支持する支持部を有しており、前記配線は、前記支持部と前記各軸部材との境界部付近に接合された1対の第2の接合点を有している請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記1対の第1の接合点および前記1対の第2の接合点は、前記1対の軸部材に対する前記配線の影響が互いに等しくなるように設けられている請求項8に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記配線は、前記1対の軸部材に対する影響が互いに等しくなるように設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記可動板および前記各軸部材は、シリコンで一体的に形成されている請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記コイルおよび前記配線は、それぞれ、金属で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載のアクチュエータ。
【請求項13】
光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とする光スキャナ。
【請求項14】
光反射部が設けられた可動板と、該可動板を支持する1対の軸部材とを備えた振動部と、
前記振動部に設けられたコイルと、
前記コイルに通電するための配線と、
前記コイルに対向して設置された磁石とを有し、
前記磁石の磁界中に配された前記コイルに通電することにより、前記可動板を前記各軸部材の捩れ変形を伴って回動させ、前記光反射部で反射した光を走査して、画像を形成するように構成され、
前記配線は、その一部が前記各軸部材に対し離間するように配設されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−69340(P2009−69340A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236298(P2007−236298)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】