説明

アクチュエーターを備えている圧力レギュレーター

【課題】アクチュエーターを備えている圧力レギュレーターを提供する。
【解決手段】本発明は、第一および第二のチャンバー(Vp1,Vp2)の間の液圧流れの圧力を調節するための圧力レギュレーターに関し、圧力は、ソレノイドの通電によって部分的または全体的に調節される。ソレノイドはドライバーの位置を調節し、ドライバーは、ソレノイドアーマチャーロッド(13a)のまわりに配置された、またはそれと統合されたソレノイドアーマチャー(13b)を備えており、ハウジング(2)内のソレノイドチャンバー(V)の内側において軸方向に変位可能である。ソレノイドチャンバー(V)は、ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の一つ以上の穴(13c,13d)が第一のチャンバー(Vp1)をソレノイドチャンバー(V)に連結するという事実によってソレノイドチャンバー圧力(P)で圧力調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気抑制圧力レギュレーターに関し、それは、ショックアブソーバーの減衰チャンバー間の減衰媒体流れの圧力を主として決定するように意図されたソレノイドの形態のアクチュエーターを備えている。
【背景技術】
【0002】
本発明の分野の既知の設計は、本出願人のスェーデン王国発明特許第531108号明細書によって説明されており、その中では、ショックアブソーバーバルブのパイロットステージの閉鎖作動力は電気抑制ソレノイドからの力によって決まる。
【0003】
この特許出願では、パイロット制御二段バルブの形態のバルブ/圧力レギュレーターが説明されており、それは、液圧式ショックアブソーバーの二つの減衰チャンバー間の減衰媒体流れを制御するように意図されている。ショックアブソーバーバルブは、パイロットスライドを備えているパイロットバルブのほかに、メインバルブばね配列とシートの間に配置されたメインコーンの形態の可動バルブ部品を備えた少なくとも一つのメインバルブを有しているバルブハウジングを備えている。メインコーンは、バルブハウジング内のパイロットチャンバーの境界を定めており、その中に、バルブメインばねとパイロットスライドが配置されている。ショックアブソーバーバルブの特性は、パイロットチャンバーの圧力増大によって主に制御され、それは、パイロットチャンバー内のパイロットスライドの位置によって調節される。位置は、パイロットばねのばね力と電気抑制ソレノイドからの反対方向の作動力との間の力バランスによって、またパイロットチャンバー内の圧力によって作り出されるフィードバック圧力開放力によって決まる。ソレノイドの通電は、ソレノイド内のソレノイドチャンバーの内側の配置されたソレノイドアーマチャーロッドを有しているドライバーまたはソレノイドアーマチャーの位置を調節する。ソレノイドチャンバーは、縦および横穴がソレノイドアーマチャーロッドの中を走っており、パイロットチャンバーをソレノイドチャンバーに連結しているという事実によって圧力調整される。パイロットスライドの上側および下側部分の異なる直径の結果として、パイロットスライドの移動のある減衰が作り出される。
【0004】
ソレノイドチャンバーの圧力調整は、減衰媒体がソレノイドを通って流れるようにし、したがって、それは汚れにより敏感になることが可能である。したがって、ソレノイドアーマチャーロッドとバルブハウジングの間の正確な許容差が、汚れ鈍感さが達成されることを可能にするために必要とされる。これは高い製造価格とある不所望な摩擦をもたらすことがある。
【0005】
本発明は、ソレノイドによって調節される圧力レギュレーターの摩擦と製造価格を低減することを目標とする。
【0006】
本発明はまた、頑丈な構築を有している圧力レギュレーターを作り出すことを目標とし、それは許容差に比較的鈍感である。
【0007】
本発明はさらに、汚れることに最小の感度を有している圧力レギュレーターを作り出すことを提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】スェーデン王国発明特許第531108号明細書
【特許文献2】欧州発明特許第0942195号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明による圧力レギュレーターは、第一および第二のチャンバーの間の液圧流れの圧力を調節する。圧力は、ドライバーの位置を調節するソレノイドの通電によって部分的または全体的に調節される。前記ドライバーは、ソレノイドアーマチャーロッドのまわりに配置された、またはそれと統合されたソレノイドアーマチャーを備えており、ハウジング内のソレノイドチャンバーの内側において軸方向に変位可能である。前記ソレノイドチャンバーは、前記ソレノイドアーマチャーロッドの一つ以上の穴が前記第一のチャンバーを前記ソレノイドチャンバーに連結するという事実によってソレノイドチャンバー圧力で圧力調節される。本発明は、請求項1に説明される詳細によって特徴づけられる。
【0010】
本発明は、添付図面を参照して、以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、ショックアブソーバーに接続された圧力レギュレーターを示している。
【図2】図2は、互いに移動可能であり、それらの間で液圧流れが通過することが可能である圧力レギュレーターの部品の詳細図を示している。
【図3a】図3aは、圧力レギュレーターのソレノイド制御ドライバーの第一の実施形態を示している。
【図3b】図3bは、圧力レギュレーターのソレノイド制御ドライバーの第二の実施形態を示している。
【図3c】図3cは、圧力レギュレーターのソレノイド制御ドライバーの第三の実施形態の詳細図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、乗り物のための液圧式ショックアブソーバーSAに接続されたショックアブソーバーバルブを示し、ショックアブソーバーの二つの減衰チャンバーC1,C2の中への、からの、または、の間の減衰媒体流れQin,Qoutの圧力をバルブが制御する。二つの減衰チャンバー間の流れは、ダンパー本体内に配置され、二つの減衰チャンバーC1,C2の境界を定めるメインピストンDPの変位によって生じる。バルブ内の減衰媒体の流れは、メインピストンDPの速度によって、またそのピストンおよびピストンロッドの直径によって主に決まる。バルブは一方向バルブであり、流れQinはバルブの中に入って行き、流れQoutはバルブから出て行き、すなわち、減衰媒体流れは同一経路を取り、メインピストンDPがダンパー本体の中で動く方向にかかわりない方向に流れる。圧力はECU制御連続電気信号によって調節され、それは、欧州発明特許第0942195号明細書に説明された動作原則にしたがうバルブへの電源供給を制御する。
【0013】
図1のショックアブソーバーバルブは、軸方向可動メインコーン9を有している少なくとも一つのメインバルブを備えているバルブハウジング2を有している。メインコーン9は、メインバルブばね10によってメインシート11に逆らってバイアスされている。メインコーン9はまた、バルブハウジング2内にパイロットチャンバーVの境界を定めるように配置されている。パイロットチャンバーV内には、メインバルブばね10と、パイロットバルブコーン4およびパイロットバルブシート3が配置されている。
【0014】
メイン流れQinは、バルブを開くレギュレーター力Rの原因となるメインコーン9に対する圧力を作り出す、すなわち、メインコーン9をメインシート11から追いやる。一旦バルブが開いたならば、メイン流れは、メインシート11とメインコーン9の間に発生する調節可能流れ開口を通ってQin〜Qoutの方向に、またはパイロットチャンバーVの中へのメインコーン9中の穴9aを通って移動する。バルブは好ましくは二段パイロット制御バルブであり、それは、メインバルブを開く力が、パイロットチャンバーVの中に発生するパイロット圧力Pに依存することを意味する。
【0015】
したがって、ショックアブソーバーバルブの特性は、第一のチャンバーVp1と第二のチャンバーVp2の間の液圧流れを調節する圧力レギュレーターによって主に制御される。チャンバー間の流れは、ソレノイドの通電によって部分的または全体的に調節され、それは、ハウジングに関するドライバーの軸方向位置を調節する。ドライバーはそれ自体接続され、シートに関する軸方向可動コーンの位置を調節する。
【0016】
この場合、圧力レギュレーターは、パイロットバルブシート3に関するパイロットバルブコーン4の位置の調節によって、パイロットチャンバーV内の圧力を、すなわち、第一および第二のパイロットバルブチャンバーVp1,Vp2の間の流れを調節する、図2参照。
【0017】
パイロットバルブコーン4とパイロットバルブシート3の相互の関係は、パイロット減衰媒体流れqを制限するように配置された調節可能流れ開口を作り出す。調節可能流れ開口は、寸法D1によって規定される流れ直径を有しており、流れqの制限を作り出し、それは、制限に上流と下流にそれぞれ発生する圧力Pp1,Pp2の間の圧力差を生成する。この圧力差は10bar近くになりえる。流れ開口の大きさとパイロットチャンバーV内のパイロットバルブコーン4の位置は、パイロットバルブコーン4上の力バランスによって決まる。力バランスは、作動力Fと、メイン流れQinによって作り出される調節力Rの動作に対抗するばね配列からの力Fの合計によって主に作り出される。ばね配列は、たとえば、第一および/または第二のばね5,6を備えており、それらは、コイルばねおよび/またはワッシャー形状シムばねとして構成されることが可能である。図1および2では、第一のばね5はコイルばねであり、第二のばね6はシムばねである。
【0018】
作動力Fは、バルブハウジング2内において軸方向に移動可能であり、ソレノイドアーマチャーロッド13aとソレノイドアーマチャー本体13bを備えているドライバー13によってパイロットバルブシート3に関するパイロットバルブコーン4の位置を調節するために配置された電気抑制ソレノイド12によって作り出される。
【0019】
図3aおよび3bには、ドライバー13とその部品の拡大図が示されている。ソレノイドアーマチャーロッド13aは、ソレノイドアーマチャー本体13bの直径d2よりも小さい直径d1を有している。ソレノイドアーマチャーロッド13aが軸方向に変位されると、それは、バルブハウジング2に配置された上側および下側滑り軸受14a,14bに対してスライドする。滑り軸受14a,14bとロッド13aの間には、生産工学理由のために(すなわち製造の視点から)、所定大きさの第一のすき間cl1がある。この第一のすき間cl1の大きさは、とりわけ、低減された摩擦の原因となり、ソレノイドアーマチャーロッド13aとバルブハウジング2の許容差要求をできる限り低減するのを助ける。
【0020】
図3aでは、穴13cは、ロッド13aの対称性の軸と平行に、ソレノイドアーマチャーロッド13aの全体を貫いて延びている。この穴13cを通って、減衰媒体は、バルブハウジング2の中にソレノイド12の内側に配置されたソレノイドチャンバーVに通過することが可能である。減衰媒体は穴13cを通って流れ、その結果、ソレノイドチャンバーVはソレノイドチャンバー圧力Pで圧力調節される。穴13cの大きい直径のおかげで、パイロットチャンバーVとソレノイドチャンバーVの間の減衰媒体流れの制限は、ソレノイドチャンバー圧力Pがパイロット圧力Pと実質的に同じくらい大きくなるほどに十分に小さい。
【0021】
図1,2,3aに示されるように、シムばねが第二のばね6として使用されるならば、その中央に直径dhの穴16が配置されることが可能であり、その穴は、ほとんどまたはまったく制限なくソレノイドアーマチャーロッド13aの軸方向穴を通って減衰媒体13cが流れ得ることを確実にする。小さい制限は、ドライバー13の動作のある程度の減衰をもたらす。
【0022】
ばね配列の総力Fと反対方向に作用する作動力Fの大きさは、たとえば、流れ限定と空間理由、すなわちソレノイド設計のために限定される。言い換えれば、ばね配列からの力Fと作動Fの間の差は、パイロット圧力Pがどの程度高くなり得るかを制限する。パイロット圧力の最大レベルを増大させるために、総圧力フィードバックエリアAと呼ばれる、パイロット圧力によって作用されるエリアは低減される。総フィードバックエリアAは、第一および第二のエリアA1−A2の間の差によって決まる。A1は、パイロット圧力Pによって作用される直径D1の有効第一のエリアであり、この場合、パイロット減衰媒体流れqを制限する調節可能流れ開口のシート直径D1によって決まる。A2は、ソレノイドロッド13aの直径d1によって決まる、ソレノイドチャンバー圧力Pによって作用される有効第二のエリアである。ソレノイドチャンバー内に配置された他の部品のまわりには、実質的に同一圧力Pが普及しており、それは、それらが静的力のどんな変化の原因にならないことを意味する。したがって、A=pi*(D1−d1)/4。
【0023】
それぞれの有効エリアのための直径は自由に選択されることが可能であるので、圧力フィードバックエリアAはどんな下方大きさ限界を有しておらず、また、パイロット圧力Pが調節されることが可能である高さに対するどんな上側限界も理論的にはない。好ましくは、圧力フィードバックエリアを決めるために内側シート縁3bによって規定されるシート直径D1だけが使用される。一次元の成分の選択だけによってたくさんの圧力範囲を選択することを可能にすることは、製造価格にとって大きな重要性を有している。圧力フィードバックは、ソレノイドアーマチャーロッド13aの穴13cを介したパイロットチャンバーVとソレノイドチャンバーVの液圧連結によって可能である。この圧力フィードバックまたは差分フィードバックを高めるために、それがまた呼ばれてよいように、上側滑り軸受14aの中に溝20が配置されることが可能である。溝は、液圧媒体がパイロットからソレノイドチャンバーに制限なく流れるより大きい可能性を提供する。溝20は、図3aに破線で示されている。
【0024】
ワッシャー18の形態の境界限定部品は、バルブハウジング2に隣接してソレノイドアーマチャーロッド13aのまわりに配置されている。ワッシャー18は、その内側直径d18iとソレノイドアーマチャーロッド13aの間に適切に小さい第三のすき間cl3を有し、また、その外側直径d18yとハウジング2の間に第二のより大きいすき間cl2を有している。第二のすき間cl2は、ソレノイドアーマチャーロッド13aとバルブハウジング2の間の第一のすき間cl1に一致するか、それよりも大きく、好ましくは三倍まで大きいが、この関係は変更可能である。すき間の間のこの関係の結果、ドライバーとハウジング2の間にある程度の半径方向移動が許される。さらに、ソレノイドアーマチャーロッド13aとパイロットバルブコーン4の間に遊び21もあり、それは、ソレノイドからバルブハウジング2への横方向力の伝達をもたらさない。
【0025】
第三のすき間cl3は、生産工学側面からできる限り小さく、好ましくはソレノイドロッドの外側直径d1の6/1000の最大すき間と1/1000の最小すき間の間の大きさ、すなわちH7/g6と最適でH6/g5、最大でH6/f5の間にあるソレノイドロッドの外側直径d1とハウジング2の間のフィットを有している。ワッシャー18の内側直径とソレノイドアーマチャーロッド13aの間の最小の第三のすき間cl3を有している結果、減衰媒体は、ソレノイドアーマチャーロッド13aの穴13cを通って、ソレノイドチャンバーVを経由して下流パイロットチャンバーVp2にほとんど流れない。小さなすき間cl3は、ソレノイドの内側の汚れ敏感部品を介する低い漏れの要請のため要求される。
【0026】
ワッシャー18は、下側滑り軸受14bに隣接しているバルブハウジング12にもたれて摩耗する。バルブハウジング2とワッシャー18の間の接触表面は、運転状況にかかわらず、閉鎖および密閉に維持される。これは、油が突き刺し力で働くという事実によって、ソレノイドチャンバー圧力Pによってワッシャー18が作用されるのと同時に、ワッシャー18をバルブハウジング2に押し付ける。押し付け力は、ワッシャー18にかかる圧力差によって作り出され、それは、第二のパイロット圧力Pp2が、パイロットバルブシート3とパイロットバルブコーン4の間の制限に下流では、ソレノイドチャンバー圧力Pよりも著しく小さく、第一のパイロット圧力Pp1に実質的に等しいという事実によって発生する。
【0027】
図3bには、ソレノイドアーマチャーロッド13aを通る軸方向延在穴13cがもはや連続的ではなく、上側エリアA2と直径d1を有しているソレノイドアーマチャーロッドの第二の部分が中実であるように終端している代替実施形態が示されている。したがって、穴13cは、ソレノイドアーマチャーロッド13aの第一の部分のみを貫いて延びている。減衰媒体をソレノイドチャンバーVに導き、圧力バランスソレノイドアーマチャー13bを作り出すために、軸方向穴13cは、ソレノイドアーマチャーロッドの穴13cとソレノイドチャンバーVの間に延びている半径方向穴13dで終端している。この実施形態では、ソレノイドアーマチャーロッド13aは、ソレノイドアーマチャーロッド13aの上方に配置された上側ソレノイドチャンバーVsuの形態の限定空間内の余分な減衰ピストンとして動作する。減衰は、ソレノイドアーマチャーロッド13aによって追いやられる上側ソレノイドチャンバーVsu内の減衰媒体が、第一のギャップcl1を通ってソレノイドチャンバーVの中に流れ込むことが強いられるという事実によって作り出される。
【0028】
さらに、この図3bでは、ばね力Fを作り出すばね配列は単一のコイルばね5に置き換えられている。もちろん、図1〜3aに示されたばね配列もこの実施形態に使用されることが可能である。それから、第二のシムばね6の穴16は、空間Vsu内のソレノイドアーマチャーロッドの減衰動作と直列の余分な減衰を作り出す。
【0029】
さらなる圧力調節圧力が、ワッシャー18とソレノイドアーマチャー本体13bの間に、図3c参照、ばね19の配列によって作り出されることが可能である。ばね19は、ワッシャー18の自重よりも常にいくらか大きい低い力で、別な方法でバルブ機能に影響を与えないように低いばね係数で動作する。ばね19は、真っ直ぐなまたは円錐状のコイルばね19として、または曲げ上げアームを備えたシムばね/カップばねとしていずれかに構成される。別の代替物は、ワッシャー18それ自体が密閉するとともに弾性があり、シム状特徴、好ましくは、曲げ上げアームを備えた薄いワッシャーの形態を有することが可能であることである。
【0030】
本発明は、例として上に示された実施形態に制限されず、それよりも続く請求の範囲と発明概念の要旨の範囲内において修正されることが可能である。たとえば、ソレノイド制御圧力レギュレーターは、もちろん、ショックアブソーバーバルブ内のパイロット圧力以外を制御することに使用されることが可能であり、また、ばねによってバイアスされたさまざまなタイプの一方向またはチェックバルブなどの他のタイプのバルブに使用されることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一および第二のチャンバー(Vp1,Vp2)の間の液圧流れの圧力を調節するための圧力レギュレーターであって、圧力は、ドライバーの位置を調節するソレノイドの通電によって部分的または全体的に調節され、前記ドライバーは、ソレノイドアーマチャーロッド(13a)のまわりに配置された、またはそれと統合されたソレノイドアーマチャー(13b)を備えており、ハウジング(2)内のソレノイドチャンバー(V)の内側において軸方向に変位可能であり、前記ソレノイドチャンバー(V)は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の一つ以上の穴(13c)が前記第一のチャンバー(Vp1)を前記ソレノイドチャンバー(V)に連結するという事実によってソレノイドチャンバー圧力(P)で圧力調節される圧力レギュレーターにおいて、前記ハウジング(2)に隣接して前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)のまわりに境界限定部品(18)が配置され、前記境界限定部品(18)は、その内側直径(d18i)と前記ソレノイドアーマチャーロッドの外側直径(d1)の間に第三のすき間(cl3)を有し、また、その外側直径(d18y)とハウジング(2)の間に前記第三のすき間(cl3)よりも大きい第二のすき間(cl2)を有しており、前記第二のすき間(cl2)は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の外側直径(d1)と前記ハウジング(2)の間の第一のすき間(cl1)に一致するか、それよりも大きく、それにより、前記ドライバーと前記ハウジング(2)の間にある程度の半径方向移動が許されると同時に、前記境界限定部品(18)と前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の間には減衰媒体がほとんど流れないことを特徴とする圧力レギュレーター。
【請求項2】
前記第三のすき間(cl3)は、製造の視点からできる限り小さく、好ましくは、ソレノイドロッド(13a)の外側直径(d1)の6/1000の最大すき間と1/1000の最小すき間の間の大きさを有していることを特徴とする請求項1に記載の圧力レギュレーター。
【請求項3】
ソレノイドチャンバー圧力(P)が前記ソレノイドチャンバー(V)内に作用し、前記境界限定部品(18)を前記ハウジング(2)に対して押し付ける力を作り出すという事実によって、前記境界限定部品(18)は前記ハウジング(2)にもたれて摩耗し、前記ハウジング(2)と前記境界限定部品(18)の間の接触表面は、運転状況にかかわらず、閉鎖または密閉に維持されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力レギュレーター。
【請求項4】
前記境界限定部品(18)にかかる押し付け力は、前記境界限定部品(18)にかかる圧力差によって生み出され、それは、前記第二のチャンバー(Vp2)内の第二の圧力(Pp2)が前記ソレノイドチャンバー圧力(P)よりも著しく小さいという事実によって発生することを特徴とする請求項3に記載の圧力レギュレーター。
【請求項5】
さらなる押し付け圧力が、前記境界限定部品(18)と前記ソレノイドアーマチャー本体(13b)の間のばね(19)の配列によって作り出されることが可能であることを特徴とする請求項4に記載の圧力レギュレーター。
【請求項6】
前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)に配置され、前記チャンバー(Vp1,V)を連結するする前記一つ以上の穴(13c)が、前記チャンバー間の実質的不乱液圧流れを可能にする直径を有しているという事実によって、前記ソレノイドチャンバー(V)内の前記ソレノイドチャンバー圧力(P)は、前記第一のチャンバー(Vp1)内に普及している第一の圧力(Pp1)に実質的に等しいことを特徴とする上記請求項のいずれかひとつに記載の圧力レギュレーター。
【請求項7】
前記ソレノイドチャンバー(V)前記第一のチャンバー(Vp1)の連結は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の全体を貫いて延びている軸方向穴(13c)によって実現されることを特徴とする請求項6に記載の圧力レギュレーター。
【請求項8】
前記ソレノイドチャンバー(V)と前記第一のチャンバー(Vp1)の連結は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の第一の部分のみを貫いて延びている軸方向穴(13c)によって実現され、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の第二の部分は中実のままであり、前記軸方向穴(13c)は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の穴(13c)と前記ソレノイドチャンバー(V)の間に延びている半径方向穴(13d)で終端していることを特徴とする請求項6に記載の圧力レギュレーター。
【請求項9】
前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の前記第二の中実部分は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)の上方の、前記ハウジング(2)によって前記ソレノイドチャンバー(V)から分割された上側ソレノイドチャンバー(Vsu)の形態の限定区間内を移動するように配置されており、それにより、前記ソレノイドアーマチャーロッド移動の減衰が達成されることを特徴とする請求項8に記載の圧力レギュレーター。
【請求項10】
前記上側ソレノイドチャンバー(Vsu)は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)と前記ハウジング(2)の間の第一のギャップ(Cl1)を介して前記ソレノイドチャンバー(V)に連結されることを特徴とする請求項9に記載の圧力レギュレーター。
【請求項11】
前記ソレノイドアーマチャーロッド移動の減衰は、前記ソレノイドアーマチャーロッド(13a)によって追いやられる液圧媒体が第一のギャップ(cl1)を通って前記ソレノイドチャンバー(V)の中に流れ込むことが強いられるという事実によって達成されることを特徴とする請求項10に記載の圧力レギュレーター。
【請求項12】
前記圧力レギュレーターは、前記ショックアブソーバーバルブ内のメインバルブ上のメイン減衰媒体流れを決定するパイロット圧力(P)を調節することを特徴とする請求項1−11のいずれかひとつに記載の圧力レギュレーター。
【請求項13】
前記メインバルブはメインコーン(9)を備えており、それは、少なくとも一つの第一のメインバルブばね(10a)の作用と圧力レギュレーターによって決定されるパイロット圧力(P)に反してメインシート(11)に対して軸方向に移動するように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の圧力レギュレーター。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【公表番号】特表2012−530887(P2012−530887A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516697(P2012−516697)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058809
【国際公開番号】WO2010/149652
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(509343149)オーリンス・レイシング・エービー (11)
【氏名又は名称原語表記】OEHLINS RACING AB
【住所又は居所原語表記】Box 722, 194 27 Upplands Vaesby, Sweden
【Fターム(参考)】