説明

アニオンポリマーを含有するスキンケア組成物

約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)と、約90〜約20モル%1つ以上のアニオンまたは非イオンモノマーから構成されるアニオンポリマーを、ポリマー固体に基づいて、約0.1〜約20重量%含有する肌の処置用の化粧品に適した組成物(cosmetically acceptable composition)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌を処置する組成物および方法に関するものである。より具体的には、本発明は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)、および1つ以上のアニオンまたは非イオンモノマーのコポリマーを含有する化粧品に適した組成物、およびその組成物を肌の処置に用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
絹のような、または脂っこくない感触をもたらすスキンケア製品への需要の急激な成長を市場調査は示す。これらの特性は、使用者にとって快適な、新鮮、柔らかな感覚をもたらす。
【0003】
多種多様なスキンケア製品がセチルやステアリルアルコールなどの高分子量アルコール内で策定されており、アルコールはキャリアとしてのみではなく肌に皮膚軟化効果(emollient effect)をもたらすために用いられる。皮膚軟化剤は、肌の乾燥の症状を緩和するために用いられる脂質物質である。皮膚軟化剤の効果は主に、皮膚軟化剤の透水性が制限された薄い脂質の膜を肌上に残す能力に基づく。しかしながら肌軟化剤は、スキンケア製品を肌に塗布した際に絹のような、スベスベした感触を必ずしも提供するものではない。
【0004】
特許文献1には、アルコールおよび2−アクリルアミドプロパンスルホン酸塩ホモポリマーを含有する、髪および肌を処置するための組成物が開示されている。上記組成物は、肌に潤滑性の感触を付与すると言われている。
【0005】
特許文献2には、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)、および1つ以上のアニオンまたは非イオンモノマーのコポリマーを含有する髪固定組成物が開示されている。
【0006】
本発明は、潤滑性または絹のような感触を肌に付与する、新たなスキンケア組成物を開発することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,065,422号
【特許文献2】PCT US02/08620号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
我々は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸の水溶性アニオンコポリマーを含有するスキンケア組成物が、肌に潤滑性または絹のような感触を提供することを発見した。加えて、そのような組成物は、肌を間接的に柔らかくし、かつ、柔軟性も増加させる。
【0009】
このように、本発明は、ポリマー固体に基づいて、約0.1〜約20重量%のアニオンポリマーを含有し、上記アニオンポリマーは約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)と、約90〜約20モル%1つ以上のアニオンまたは非イオンモノマーから構成される、化粧品に適した肌を処置するための組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
用語の定義
「アニオンモノマー」とは、ここで述べるように、ある一定のpH値よりも高い正味(net)負電荷を有するモノマーを意味する。代表的なアニオンモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレートまたはメタクリレートまたはこれらの他の水溶性形の塩基付加塩(base addition salt)またはその他の重合可能なカルボンまたはスルホン酸、スルフォメチル化アクリルアミド、アリルスルフォン酸塩、スチレンスルホン酸、ビニルスルフォン酸ナトリウム等を含む。好ましいアニオンモノマーは、アクリル酸および2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸である。
【0011】
「塩基付加塩(base addition salt)」とは、カルボン酸(-CO2H)基が、メタルカチオンまたはテトラアルキルアンモニウムカチオンの水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩などの好適な塩基(base)と、またはアンモニア、またはカルボキシル酸基と塩を形成するのに十分な塩基性度の有機第1級、第2級、または第3級アミンとの反応から得られる塩を意味する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含む。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等を含む。
【0012】
「IV」とは、固有粘性(intrinsic viscosity)の略語であり、ポリマーの濃度がゼロに相当する際に存在する無限希釈の限界を推定(extrapolated)したRSVである。
【0013】
「モノマー」とは、重合可能なアリル、ビニル、またはアクリル化合物を意味する。上記モノマーは、アニオン、カチオンまたは非イオン性でもよい。ビニルモノマーが好ましく、アクリルモノマーがより好ましい。
【0014】
「非イオンモノマー」とは、ここで述べるように、電気的に中性のモノマーを意味する。代表的な非イオン、水溶性モノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルメチルアセトアミド、N−ビニルピロリドンヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−t−ブチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等を含む。
【0015】
「RSV」は、還元比粘性(Reduced Specific Viscosity)の略である。実質的に直線であり、十分に溶媒和された一連の高分子同族体において、希薄高分子溶液の「還元比粘性(RSV)」の測定値は、Paul J.Flory著“Principles of Polymer Chemistry”,Cornell University Press,Ithaca,NY,copyright 1953,Chapter VII,“Determination of Molecular Weights”,PP.266-316,によれば、高分子鎖長および平均分子量の指標である。上記RSVは、所定の高分子の濃度および温度で測定され、下記の式により計算される。
【0016】
【数1】

【0017】
濃度「C」の単位は、(grams/100mlまたはg/deciliter)である。そのため、RSVの単位は、dl/gである。本特許出願においては、特に明記した場合以外は、1.0モル濃度の硝酸ナトリウム溶液がRSVの測定に使用される。この溶媒における上記高分子濃度は、0.045g/dLである。上記RSVは、30℃で測定される。粘性ηおよびηはCannon Ubbelohde semimicro dilution viscometer,size 75を用いて測定される。上記粘性測定装置は、完全に垂直状態に、30±0.02℃に調整された恒温浴に設置される。RSVの測定における特有の誤差は、約2dl/gである。一連の2つのポリマー同族体が近いRSVの数値を有する場合、それは両者が近い分子量を有することを示す。
【0018】
「溶液ポリマー」とは、ここに述べるように、溶液重合により調製される水溶性アニオンポリマーを意味する。水溶性モノマーの溶液重合を行うために、所望のモノマーは、通常は5と40%との間の濃度で、任意の緩衝液、酸または苛性剤(caustic)、キーラント(chelants)および連鎖移動剤と共に、水に溶解される。上記溶液は窒素でパージされ、重合温度まで加熱される。重合温度に達した後、1つ以上の水溶性の反応抑制剤が添加される。これらの反応抑制剤は、アゾタイプでもレドックスタイプでもよい。その後、所望のポリマーの特性に応じて、上記温度は無制御で上昇させる(断熱)か、または、発生する熱を除去するために冷却制御(等温)される。重合完了後、ポリマーの溶液は、反応槽から除去され、貯蔵庫へ移送されて特徴付け(characterized)されてもよい。
【0019】
「化粧品に適した付形剤」とは、毒性がなく、刺激性ではなく、本発明のアニオンポリマーと混合された際に、上記ポリマーを肌への塗布により適したものとする物質を意味する。
【0020】
好ましい態様
本発明の好ましい態様においては、アニオンポリマーは、約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)と、約90〜約20モル%1つ以上のアニオンモノマーから構成される。
【0021】
他の好ましい態様においては、上記アニオンモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸およびスチレンスルホン酸からなる群から選択される。
他の好ましい態様においては、上記アニオンポリマーは、約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩と、約90〜約20モル%1つ以上の非イオンモノマーから構成される。
【0022】
他の好ましい態様においては、上記アニオンポリマーが、orアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである。
他の好ましい態様においては、上記アニオンポリマーが、約20,000〜約5,000,000g/molの分子量を有する。
他の好ましい態様においては、上記アニオンポリマーが、メタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーまたは、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである。
他の好ましい態様においては、上記アニオンポリマーが、メタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである。
【0023】
他の好ましい態様においては、上記組成物が1つ以上の化粧品に適した付形剤(excipients)をさらに含有する。
他の好ましい態様においては、上記化粧品に適した付形剤が、糖類(saccharides)、表面活性剤、湿潤剤、鉱油(petrolatum)、ミネラルオイル、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル軟化剤(emollient)、ワックスおよびシリコン含有ワックス、シリコンオイル、シリコン溶液、シリコン表面活性剤、揮発性炭化水素オイル、第4級窒素化合物、アミノ機能(functionalized)シリコン、コンディショニングポリマー、レオロジー改質剤、酸化防止剤、日焼け止め活性剤、約C10〜C22のジー長鎖アミン、約C10〜C22の長鎖脂肪族アミン、脂肪族アルコール、エトキシル化された脂肪族アルコールおよびジーテイル(di-tail)リン脂質からなる群から選択される。
【0024】
代表的な糖類としては、非イオン、カチオンの糖質、例えば、アガロース、アミロペクチン類、アミロース類、アラビナン類、アラビノガラクタン類、アラビノキシレン類、カラギーナン類、アラビアゴム、カルボキシメチルグアールガム、カルボキシメチル(ヒドロキシプロピル)グアールガム、ヒドロキシエチルグアールガム、カルボキシメチルセルロース、カチオングアールガム、メチルセルロースを含むセルロースエーテル、コンドロイチン類、キチン類、キトサン類、キトサンピロリドンカルボキシレート、キトサングリコレートキトサンラクテート、ココジモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、コロミン酸(ポリ−Nアセチル−ノイラミン酸)、コーンスターチ、カードラン(curdlan)、デルマチン(dermatin)スルフェート、デキストラン類、フルセララン類(furcellarans)、デキストラン類、架橋デキストラン類、デキストリン、エマルサン(emulsan)、エチルヒドロキシエチルセルロース、亜麻の種サッカライド(酸性)、ガラクトグルコマンナン類、ガラクトマンナン類、グルコマンナン類、グリコーゲン類、グアールガム、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピル化グアールガム類、ゲランガム、ゲラン、ガムガッティ、ガムカラヤ、ガムトラガンカンス(トラガカンチン)、ヘパリン、ヒアルロン酸、イヌリン、ケラチン硫酸塩、コンニャクマンナン、変性スターチ類、ラミナラン類、ロージモニウムヒドロキシプロピルオキシエチルセルロース、オクラガム、酸化スターチ、ペクチン酸、ペクチン、ポリデキシトローズ、ポリクアテルニウム−4、ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−28、ジャガイモスターチ、プロトペクチン類、オオバコの種ガム、プルラン、ナトリウムヒアルロネート、スターチジエチルアミノエチルエーテル、スターチヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、ヒドロキシプロピルスターチリン酸塩、ステアジモニウムヒドロキシエチルセルロース、ラフィノース、ラムサン、タピオカスターチ、ウィーラン、レバン、スクレログルカン、ナトリウムアルギネート、スタシロース、スクシノグリカン、小麦スターチ、キサンタンガム、キシラン類、キシログルカン類、およびそれらの混合物を含有する。細菌性の糖類は、参考文献として全体的に盛り込まれている、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Fourth Edition,Vol.16,John Wiley and Sons, NY pp.578-611(1994)で見つけることができる。複合炭水化物は、本明細書において参考文献として盛り込まれているKirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Fourth Edition,Vol.4,John Wiley and Sons, NY pp.930-948,1995で見つけることができる。
【0025】
本発明の化粧品に適した組成物は、表面活性剤類を含有していてもよい。表面活性剤類は、一般的には製剤に洗浄性の機能を与え、または単に湿潤剤類として作用する界面活性剤類を含有する。表面活性剤類は、一般的に、アニオン表面活性剤類、カチオン表面活性剤類、非イオン表面活性剤類、両性(amphoteric)表面活性剤類および両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類に区別される。
【0026】
本発明において有用なアニオン表面活性剤は、参考文献として本明細書に盛り込まれている米国特許第5,573,709号に開示されているものを含む。例としては、アルキルおよびアルキルエーテルスルフェート類を含む。本発明において使用可能なアルキルエーテルスルフェート類の具体例としては、ラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェートのナトリウムおよびアンモニウム塩;獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェート、および獣脂アルキルヘキサオキシエチレンスルフェートである。好ましいアルキルエーテルスルフェート類は、個々の化合物の混合物を含有するものであり、上記混合物は、約12〜約16の炭素原子の平均アルキル鎖長および、エトキシル化の平均程度が約1〜約6モルのエチレンオキシドを含有するものである。
【0027】
他の好ましい種類のアニオン表面活性剤は、アルキル硫酸塩である。重要な例は、約8〜約24の、中でも約12〜約18の炭素原子を有し、イソ−、ネオ−、イネソ−、およびn−パラフィンを含有する、メタン類の炭化水素の有機硫酸反応生成物の塩およびスルホン酸化剤であり、例えば、脱色剤および加水分解を含む公知のスルホン化の方法により得られたSO、HSO、オレウムを挙げることができる。好ましくは、アルカリ金属およびアンモニウム硫酸化C12−38n−パラフィンである。
【0028】
さらに、合成アニオン表面活性剤は、オレフィンスルホネート類、ベータ−アルキロキシアルカンスルホネート類、および、イセチオン酸によりエステル化されたおよびナトリウムヒドロキシドで中和された脂肪酸類の反応生成物、をスクシナメートの他に挙げることができる。スクシナメートの具体例は、ジナトリウムN−オクタデシルスルホスクシナメート;テトラナトリウムN−(1,2−ジカルボキシエチル)N−オクタデシルスルホスクシナメート;ナトリウムスルホサクシン酸のジアミルエステル;ナトリウムスルホサクシン酸のジヘキシルエステル;ナトリウムスルホサクシン酸のジオクチルエステルを挙げることができる。
【0029】
本発明の化粧品に適した組成物において、好適に用いられるアニオン表面活性剤類は、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、トリレチルアミンラウリルスルフェート、トリエチルアミンラウレススルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウレススルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレススルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレススルフェート、ラウリックモノグリセリドナトリウムスルフェート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレススルフェート、カリウムラウリルスルフェート、カリウムラウレススルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、アンモニウムココイルサルフェート、アンモニウムラウロイルスルフェート、ナトリウムココイルスルフェート、ナトリウムラウロイルスルフェート、カリウムココイルスルフェート、カリウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルエフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルフォネート、およびナトリウムドデシルベンゼンスルフォネートを挙げることができる。
【0030】
本発明の化粧品に適した組成物において、使用可能な両性(amphoteric)表面活性剤は、脂肪族第2および第3アミンの派生物を挙げることができ、脂肪族置換基は、約8〜18の炭素原子およびアニオン性水溶性溶液グループ、例えば、カルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートを挙げることができる。代表的な例は、ナトリウム3−ドデシル−アミノプロピオネート、ナトリウム3−ドデシルアミノプロパンスルホネート、ナトリウムラウリルサルコシネート、米国特許第2,658,072号に記載されたナトリウムイセチオネートでドデシルアミンを反応させることにより調製されたもののようなN−アルキルタウリン類、米国特許第2,438,091号に開示されたN−ハイヤーアルキルアスパチック酸類、および米国特許第2,528,378号に開示された商品名MIRANOLTMで売られているものを挙げることができる。他のサルコシネートおよびサルコシネート派生物は、本発明の参考文献として盛り込まれたCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Fifth Edition,1988,page 42に開示されている。
【0031】
カチオン表面活性剤類は特に限定はされないが、約8〜約18の炭素原子を有する脂肪族第4級アンモニウム化合物類を挙げることができる。第4級アンモニウム化合物のアニオンは、塩化物、エソスルフェート、メソスルフェート、アセテート、臭化物、ラクテート、ニトレート、ホスフェート、またはトシレート、およびそれらの混合物のような通常のイオンを挙げることができる。長鎖アルキルグループは、付加または置換された炭素または水素原子、またはエーテル結合を含む。第4級窒素の他の置換基は、水素、水素、ベンジルまたは短鎖アルキルまたはメチル、エチル、ヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルまたはそれらの組合せのようなヒドロキシアルキルグループでもよい。代表的な第4級アンモニウム化合物類の骨格は、CTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Fifth Edition,1988,page 40の中に提供されている。
【0032】
第4級アンモニウム化合物類の例は、特に限定はされないが:ベーエントリモニウムクロライド、ココトリモニウムク0ロライド、臭化セセチルジモニウム、ジベーエニルジモニウムクロライド、ジヒドロゲネート獣脂ベンジルモニウムクロライド、ジソイアジモニウムクロライド、ジ獣脂ジモニウムクロライド、ヒドロキシセチルヒドロキシエチルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチルベーエンアミドプロピルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチルセチルジモニウムクロライド、ヒドロキシエチル獣脂ジモニウムクロライド、マイリスタルコニウムクロライド、PEG−2オレアモニウムクロライド、PEG−5ステアロモニウムクロライド、PEG−15ココイルカテルニウム4、PEG−2スステアラルコニウム4、ラウリルトリモニウムクロライド;カテルニウム−16;カテルニウム−18;ラウラルコニウムクロライド、オレアルクモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ポリカテルニウム−5、ポリカテルニウム−6、ポリカテルニウム−7、ポリカテルニウム−10、ポリカテルニウム−22、ポリカテルニウム−37、ポリカテルニウム−39、ポリカテルニウム−47、ポリカテルニウム−55、セチルトリモニウムクロライド、ジラウリルジモニウムクロライド、セタルコニウムクロライド、ジセチルジモニウムクロライド、ソイアトリモニウムクロライド、ステアリルオクチルジモニウムメソスルフェート、およびそれらの混合物を含む。他の第4級アンモニウム化合物類は、参考文献として本明細書の中に盛り込まれたCTFA Cosmetic Ingredient Handbook, First Edition, on pages 41-42に挙げられている。
【0033】
化粧品に適した組成物は、約C10からC22までのジ−長鎖アミン類、約C10からC22までの長鎖脂肪族アミン類、およびそれらの混合物を含有していてもよい。具体的な例は、ジパルミティルアミン、ラウラミドプロピルジメチル、ステアルアミドプロピルジメチルアミンを含む。
【0034】
本発明の化粧品に適した組成物は、脂肪族アルコール類(一般的にはモノヒドリックアルコール類)、エトキシル化された脂肪測アルコール類、およびジ−テイルリン脂質類を含有していてもよく、それらは、上記化粧品に適した組成物の乳化物または分散物を安定化させるために用いることができる。それらは、化粧品に適した粘性も与える。脂肪族アルコールの選択は重要ではないが、C10〜C32の脂肪鎖、中でもC14〜C22の脂肪鎖を有するものとして特徴付けられるアルコールは、実質的に飽和されたアルカノール類であり、一般的に使用されているものである。例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキドアルコール、イソステアリルアルコールおよびイソセチルアルコールを含む。中でも、セチルアルコールが好ましく、単独または他の脂肪族アルコール類、好ましくはステアリルアルコールと組み合わせて用いてもよい。上記脂肪アルコール類を用いた場合には、脂肪族アルコールが約1〜約8重量%、より好ましくは約2〜約6重量%の濃度で、本発明の製剤の中に含まれることが好ましい。上記脂肪アルコール類は、エトキシ化されていてもよい。具体的な例としては、cetereth-20,steareth-20,steareth-21,およびこれらの混合物を含む。ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン、およびこれらの混合物のようなリン脂質類が含有されていてもよい。
【0035】
本発明の化粧品に適した組成物に使用することができる非イオン表面活性剤類は、アルキレンオキシドグループ(実際は親水性)を疎水性の有機物と縮合することによって調製される化合物として広く定義されているものを含み、実質的には、脂肪族またはアルキル芳香族であってもよい。非イオン表面活性剤類として好ましい例としては:長鎖アルカノルアミド類;アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物類;直鎖状または側鎖状の構造であり、約8〜約18の炭素原子を有する脂肪族アルコールとエチレノキシドとの縮合物;長鎖第3アミンオキシド類;長鎖第3ホスフィンオキシド類;1つの短鎖アルキルまたは約1〜約3の炭素原子のヒドロキシアルキルラジカルを含む長鎖ジアルキルスルホキシド類;およびアルキルポリグリコシド類のようなアルキルポリサッカリド(APS)サーファクタント類;ポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪族エステル類である。
【0036】
ベタイン類のような両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類も、本発明の化粧品に適した組成物に使用可能である。ここで有用なベタイン類の例としては、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、およびラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタインのような高アルキルベタイン類を含む。スルホベタイン類は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等;アミドベタイン類およびアミドスルホベタイン類により代表することができ、RCONH(CHラジカルがベタインの窒素原子に付着しているものも本発明において有用である。
【0037】
本発明の化粧品に適した組成物に使用されるアニオン、カチオン、非イオン、両性(amphoteric)または両性イオン(zwitterionic)表面活性剤類は、通常約0.1〜50重量%、中でも約0.5〜約40重量%、さらには約1〜約20重量%の量で使用されることが好ましい。
【0038】
本発明の化粧品に適した組成物は、吸湿剤として作用する湿潤剤類を含有していてもよく、水の吸収、保持、維持量を増加させる。本発明の製剤に適した湿潤剤類としては、特に限定はされないが:アセトアミドMEA、アンモニウムラクテート、キトサンおよびその派生物、コロイドオートミール、ガラクトアラビナン、グルコースグルタメート、glerecyth-7、glygeryth-12、glycereth-26、glyceryth-31、グリセリン、ラクトアミドMEA、ラクトアミドDEA、乳酸、メチルgluceth-10、メチルgluceth-20、パンテノール、プロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,2,6−ヘキサネトリオール、水素化されたスターチヒドロリセート、イノシトール、マニトール、PEG−5ペンタエリスリトールエーテル、ポリグリセリルソルビトール、キシリトール、スクロース、ナトリウムヒアルロネート、ナトリウムPCA、およびそれらの混合物を含む。グリセリンは、特に湿潤剤として好ましい。湿潤剤の濃度は、約0.5〜約40重量%、中でも、約0.5〜約20重量%、さらには、約0.5〜約12重量%で組成物中に存在することが好ましい。
【0039】
本発明の化粧品に適した組成物は、鉱油、ミネラルオイルの成分を含有していてもよく、選択した際には、一般的にUSPまたはNFのグレードになる。鉱油は、白または黄色のものでよい。鉱油の粘性または堅さの程度は、それほど厳密ではない。鉱油は、炭化水素物質で部分的に代用することができ、表面上および堅さの点において鉱油と似たように製剤化することができる。例えば、鉱油またはミネラルオイルと、異なるワックス等との混合物を組み合わせてもよい。好ましいワックスは、ヤマモモ蝋、カンデリラ蝋、セレシン、ホホババター、ラノリン蝋、モンタン蝋、地蝋、ポリグリセリル−3−はち蝋、ポリグリセリル−6−ペンタステアレート、ミクロクリスタリン蝋、パラフィン蝋、イソパラフィン、ワセリン固体パラフィン、スクアラン、オリゴマーオレフィン、蜂蜜蝋、合成カンデリア蝋、合成カルナウバ、合成蜂蜜蝋等を共に混ぜたものであってもよい。肌に保持される水分量を高めるために、置換の程度を変えたアルキルメチルシロキサンを使用することができる。2503ワックスとして公知のステアリルジメチコーン、AMS−C30ワックスとして知られるC30−45アルキルメチコーン、および580ワックスとして知られるステアロキシトリメチルシラン(および)ステアリルアルコール、などのシロキサン類はどれも、Dow Corning(商標登録)、Midland, MI, USAから入手可能である。追加的なアルキルおよびフェニルシリコンは、保湿性を高めるために用いられてもよい。Dow Corning(商標登録)593として公知のジメチコーン(および)トリメチルシロキシキシシリケート、または、Dow Corning(商標登録)749流体として公知のシクロメチコーン(および)トリメチルシロキシシリケートなどの樹脂をスキンケア製品の成膜性を向上させるために用いてもよい。使用した場合には、鉱油、ワックスまたは炭化水素または油成分は、約1〜約20重量%、中でも約1〜約12重量%の濃度で製剤中に含有されることが好ましい。使用した場合には、シリコン樹脂は約0.1〜約10.0重量%で含有されてもよい。
【0040】
軟化剤とは、肌の柔らかさ、すべすべ感、およびしなやかな外観を維持することを助けるものである。軟化剤は、肌の表面または角質層内部に残留する能力によって機能する。本発明の化粧品に適した組成物は、脂肪族エステル軟化剤を含有していてもよく、それらは、International Cosmetic Ingredient Dictionary, Eighth Edition,2000,p.1768 to 1773に記載されている。本発明の製剤への使用に適した脂肪エステルの具体例としては、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、カプリル酸(caprylic/caplic)トリグリセリデス、セチルラクテート、セチルパルミテート、水素化されたカストール油、グリセリルエステル、ヒドロキシセチルイソステアレート、ヒドロキシセチルホスフェート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、ジイソプロピルセバケート、PPG−5−セテス−20、2−エチルヘキシルイソノノアート、2−エチルヘキシルステアレート、C12〜C16脂肪族アルコールラクテート、イソプロピルラノレート、2−エチル−ヘキシルサリシレート、およびそれらの混合物を含む。現在好ましい脂肪族エステルは、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、PPG−5−セテス-20、およびカプリル酸(caprylic/caplic)トリグリセリドである。脂肪族エステル軟化剤を用いた場合は、本発明の製剤に約1〜約8重量%、中でも約2〜約5重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0041】
本発明の組成物は、シリコン化合物も含有していてもよい。シリコン化合物の粘性は、25℃で、約0.5〜約12,500cpsであることが好ましい。好適な物質の例としては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン−ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコーン、トリメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびそれらの混合物である。ジメチコーン、トリメチルユニットで終末端された一つのジメチルポリシロキサンは好ましい一例である。50および1000cpsの間の粘性を有するジメチコーンは、特に好ましい。シリコンオイルがしようされる際は、本発明の製剤中に0.1〜5重量%、中でも1〜2重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0042】
本発明の化粧品に適した組成物は、揮発性または非揮発性のシリコンオイルまたはシリコン流体を含有していてもよい。上記シリコン化合物は、直線状または環状で、約0.5〜約100centistokesの粘性を有するポリジメチルシロキサンとすることができる。最も好ましい直線状のポリジメチルシロキサン化合物は、約0.5〜約50centistokesの範囲内である。直線状で、低分子量、揮発性のポリジメチルシロキサンの一例は、オクタメチルトリシロキサンであり、約1centistokeの粘性を有するものがDow Corning 200 fluidの商品名で入手可能である。シリコンオイルを使用する場合は、本発明の製剤中に0.1〜30重量%、中でも1〜20重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0043】
本発明の化粧品に適した組成物は、揮発性で環状の低分子量のポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン)を含有していてもよい。好ましい環状で揮発性シロキサンは、平均繰り返しユニットが4〜6であり、約2.0〜約7.0centistokesの粘性を有するポリジメチルシクロシロキサンおよびそれらの混合物を挙げることができる。好ましいシクロメチコーンは、Dow Corning, Midland, MI, USAの商品名Dow Corning (商標登録)244fluid、商品名Dow Corning(商標登録)245fluid、商品名Dow Corning(商標登録)246、商品名Dow Corning(商標登録)344fluidおよび商品名Dow Corning(商標登録)345fluid、および,General Electric,Waterford,NY,USAのシリコンSF-1173およびシリコンSF-1202が入手可能である。シリコンオイルを使用する場合は、0.1〜30重量%、中でも1〜20重量%の濃度で本発明の製剤中に含有されていることが好ましい。
【0044】
ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン側鎖を有するシリコン界面活性剤類または乳化剤類は、本発明の組成物にもちいることができる。好ましい例は、ジメチコーン共重合体、Dow Corning(商標登録)3225Cおよび5225C Formulation Aidsを挙げられ、Dow Corning, Midland, MI, USAから入手可能である。さらにGeneral Electric, Waterford, NY, USAからシリコンSF−1528も入手可能である。側鎖もまたラウリルまたはセチルのようなアルキルグループを含有していてもよい。好ましくは、Dow Corning(商標登録)5200 Formulation Aidsとして公知のラウリルメチコーン共重合体、および、Goldschmidt Chemical Corporation, Hopewell, VA.から入手可能な、Abil EM-90として公知のセチルジメチコーン共重合体である。また好ましくはWacker-Chemie, Munchen, GER.から入手可能な、Belsil LDM 3107 VPとして公知のラウリルジメチルコーンである。シリコン界面活性剤を使用する場合、本発明の製剤中に0.1〜30重量%、中でも1〜15重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0045】
アミノ機能シリコン類および乳化剤が、本発明において用いられてもよい。好ましい例は、Dow Corning(商標登録)8220, Dow Corning (商標登録)939, Dow Corning (商標登録)949, Dow Corning(商標登録)2-8194を挙げられ、全て、Dow Corning, Midland, MI,USAから入手可能である。さらに、Silicone SM 253が好ましく、General Electric, Waterford, NY, USAから入手可能である。アミノ機能シリコンを用いるばあいは、本発明の製剤中に0.1〜5重量%、中でも、0.1〜2.0重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0046】
本発明の化粧品に適した組成物は、揮発性の炭化水素油類を含有してもよい。上記揮発性の炭化水素油は、約CからC20の原子を含有する。揮発性炭化水素は、約CからC16の炭素原子の長さの鎖を有する脂肪族炭化水素であることが好ましい。そのような化合物の例は、商品名Permethyl 101Aのイソヘキサデカンであり、Presperse, South Plainfield, NJ, USA.から入手可能である。揮発性炭化水素の他の好ましい例としては、商品名Isopar MのC12からC14までのイソパラフィンであり、Exxon, Baytown, TX, USA.から入手可能である。揮発性炭化水素を使用する場合、本発明の製剤中に0.1〜30重量%、中でも、1〜20重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0047】
本発明の化粧品に適した組成物は、カチオンおよび脂肪族コンディショニングポリマー類を含有していてもよい。そのような例としては、これらに限定はされないが、Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association(CTFA), 1101 17th Street, N.W., Suite 300, Washington,D.C.20036出版のInternational Cosmetic Ingredient Dictionaryに記載されているものである。一般的な例は、セルロースエーテルの第4級派生物、グアールの第4級派生物、DADMACのホモポリマーおよびコポリマー、MAPTACのホモポリマーおよびコポリマー、およびスターチの第4級派生物を挙げることができる。具体例としては、CTFA指定の、これらに限定はされないが、ポリクアテルニウム−10、グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、スターチヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、ポリクアテルニウム−4、ポリクアテルニウム−5、ポリクアテルニウム−6、ポリクアテルニウム−7、ポリクアテルニウム−14、ポリクアテルニウム−15、ポリクアテルニウム−22、ポリクアテルニウム−24、ポリクアテルニウム−28、ポリクアテルニウム−32、ポリクアテルニウム−33、ポリクアテルニウム−36、ポリクアテルニウム−37、ポリクアテルニウム−39、ポリクアテルニウム−45、ポリクアテルニウム−47およびポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド、ポリクアテルニウム−55およびこれらの混合物を挙げることができる。上記コンディショニングポリマーを使用する場合は、本発明の化粧品に適した組成物に、0.1〜10重量%、中でも、0.2〜6重量%、さらには、0.2〜5重量%の濃度で含有されていることが好ましい。
【0048】
本発明の化粧品に適した組成物は、一以上のレオロジカル改質剤類を含有していてもよい。本発明において使用可能なレオロジカル改質剤類は、これらに限定はされないが、アクリル酸の高分子量の架橋ホモポリマー類、および共にNoveon, Inc., Cleveland, OH, USAから入手可能なCarbopol(商標登録)およびPemulen(商標登録)シリーズのようなアクリレート/C10−C30アルキルアクリレート架橋ポリマー; Ciba Specialties, High Point, NC, USAから入手可能なSalcare(商標登録)ASTのようなアニオンアクリレートポリマー、および。Salcare(商標登録)SC96のようなカチオンアクリレートポリマー;アクリルアミドプロピルトリモニウムクロライド/アクリアミド;ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー、Steareth-10アリルエーテル/アクリレートコポリマー;Aculyn(商標登録)28として公知であり、Rohm and Haas/International Specialties Wayne, NJ, USAから入手可能なアクリレート/Beheneth-25メタクリレート共コポリマー、;グリセリルポリメタクリレート、アクリレート/Steareth-20メタクリレートコポリマー;ベントナイト;アルギネート、カラギーナン、ガムアカシア、アラビアガム、ガムガッティ、ガムカラヤ、ガムトラガカンテ、グアールガムのようなガム;グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、キサンタンガムまたはゲランガム;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、エチルセルロース、スルフェート化セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ミクロクリスタリンセルロースのようなセルロース派生物;アガール;ペクチン;ゲラチン;スターチおよびその派生物;ヒドロキシエチルキトサンのような、キトサンおよびキトサンの派生物;ポリビニルアルコール、PVM/MAコポリマー、PVM/MAデカジエン架橋ポリマー、ポリ(エチレンオキシド)ベースの増粘剤、ナトリウムカルボマー、およびそれらの混合物を挙げることができる。レオロジー改質剤を使用する場合には、本発明の化粧品に適した組成物に0.01〜12重量%、中でも0.05〜10重量%、さらには、0.1〜6重量%の濃度で混含有されていることが好ましい。
【0049】
本発明の化粧品に適した組成物は、これらには限定されないが、アスコルビン酸、BHT、BHA、エルソルビン酸、ビスルファイト、チオグリコレート、トコフェロール、ナトリウムメタビスルファイト、ビタミンEアセテート、およびアスコルビルパルミテートを含む一以上の酸化防止剤類を含有していてもよい。酸化防止剤は、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、最も好ましくは0.2〜2重量%、化粧品に適した組成物の中に存在することが好ましい。
【0050】
本発明の化粧品に適した組成物は、一以上の日焼け止め活性剤類を含有していてもよい。日焼け止め活性剤の具体的な例は、これらには限定はされないが、オクチルメトキシシンナメート(エチルヘシルp−メトキシシナンメート)、オクチルサリシレートオキシベンゾン(ベンゾフェノン−3)、ベンゾフェノン−4、メチルアンスラニレート、ジオキシベンゾン、アミノ安息香酸、アミルジメチルPABA、ジエタノールアミンp−メトキシシンナメート、エチル4−bis(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、2−エチルヘキシ1−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、ホモメンチルサリシレート、グリセリルアミノベンゾエート、ジヒドロキシアセトン、オクチルジメチルPABA,2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、トリエタノールアミンサリシレート、酸化アエン、および酸化チタン、およびそれらの混合物を挙げることができる。本発明の化粧品に適した組成物に用いられる日焼け止め活性剤の量は、使用する特定の日焼け止め活性の固有紫外線吸収波長に応じて変化するものであるが、一般的には、0.1〜10重量%、2〜8重量%の範囲内とすることができる。
【0051】
本発明の化粧品に適した組成物は、一以上の防腐剤類を含有していてもよい。防腐剤類の例としては、これらに限定はされないが、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノ−ブタン(ONDEO Nalco Company, Naperville, IL, USAから入手可能であり、MERGUARD(商標登録)として公知のメチルジブロモグルタロニテリル)ベンジルアルコール、イミダゾリジニルウレア、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5、5−ジメチル−2、3−イミダゾリジネジオン(例えば、DMDM Hydantoin, GLYDANT(商標登録)として公知,Lonza, Fairlawn, NJ,USA.)、メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン(例えば、Kathon(商標登録), Rohm & Haas Co., Philadelphia, PA, USA)、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、およびナトリウムベンゾエート、およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0052】
本発明の化粧品に適した組成物は、化粧品において通常用いられているいかなる他の原料も含有していてもよい。そのような原料の例は、これら限定はされないが、緩衝剤類、香料成分類、キレート剤類、着色剤類、または、組成物自身またはケラチンに色付けする染料類、抑制剤類、柔軟剤類、泡拮抗剤類、泡安定剤類、紫外線防止剤類および解こう剤類等を挙げることができる。
【0053】
二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カルシウムカーボネートまたはカオリンのような顔料類の表面は、本明細書に記載のアニオンポリマーと処理されてから、本発明の化粧品に適した組成物の中に使用されることができる。処理された顔料は、日焼け止め活性としてより効果的であり、メークアップやマスカラのようなカラー化粧品に使用可能である。
【0054】
本発明の化粧品に適した組成物は、水および化粧品に適したいかなる溶媒を含んでいてもよい。使用可能な溶媒の例は、これらに限定はされないが、1〜8炭素原子を含有するアルカノール類(エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、およびフェニルエチルアルコール等)のようなモノアルコール類、アルキレングリコール類(グリセリン、エチレングリコール、およびプロピレングリコール等)のようなポリアルコール類、およびモノ−、ジ−およびトリ−エチレングリコールモノアルキルエーテルのようなグリコールエーテル類、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができ、単独でも混合して用いてもよい。それらの溶媒は、70重量%までの比率で存在していてもよく、例えば、全組成物の重量に対して0.1〜70重量%である。
【0055】
本発明の化粧品に適した組成物は、アルミニウムクロロヒドレート、アルカリ金属のような電解質、例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム塩を含有していてもよく、これらの塩は塩化物または臭化物のようなハロゲン化物、およびスルフェート、または、アセテート類またはラクテート類のような有機酸類を含有する塩、および、アルカリ土類金属塩であることが好ましく、好ましくはカルボネート類、シリケート類、ニトレート類、アセテート類、グルコネート類、パントテネート類、およびカルシウム、マグネシウムおよびストロンチウムのラクテートを挙げることができる。
【0056】
肌を処理する組成物は、マスカラ、目引き締めジェル、シェービングジェル、シェービングクリーム、アフターシェーブ、日焼け止め、アフターサンジェル、ハンドおよびボディーローションおよびクリーム、鎮静ジェル、液体石鹸、棒状石鹸、バスオイルバー、洗顔料、ボディーウォッシュ、手洗いまたは機械食器洗い用組成物、シャワージェル、バブルバス、デオドラントおよび制汗剤等を含む。
【0057】
本発明におけるスキンケア組成物は、水中油型または油中水型の乳液、3重乳液、または分散液のいずれかの状態で調製されてもよい。
【0058】
好ましい水中油型の乳液は、最初に例えば、不飽和第4級アンモニウム化合物、保湿剤、水溶性防腐剤等の水溶性成分の水性混合物を形成し、次に水溶性ではない成分を添加することによって調製される。上記水溶性ではない成分は、乳化剤、水溶性ではない防腐剤、鉱油またはミネラルオイル成分、脂肪アルコール成分、脂肪エステル軟化剤、およびシリコンオイル成分を挙げることができる。高い混合エネルギーが付加され、そしてなめらかな外見(乳液中に比較的小さなミセルが存在を示唆する)を有する油中水型乳液を形成するのに充分な時間保持される。好ましい分散液は、一般的に水溶性成分の水性混合物を形成し、次に水溶性ではない物質を混濁する力を持つ増粘剤の付加により調製される。
【0059】
本発明の化粧品に適した組成物は、エアロゾルとして梱包されることもでき、その場合、エアロゾルスプレー状、またはエアロゾルフォームの泡状のいずれに適用されてもよい。これらのエアロゾルの推進ガスには、特に、ジメチルエーテル、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、空気およびブタン、イソブタン、およびプロパンのような揮発性炭化水素類等を使用することができる。
【0060】
上述したことは、以下の実施例を参照することによりより深く理解することができ、実施例は、本発明の説明をするために挙げたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0061】
[実施例1]
代表的なアクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーの調製
スターラー、温度制御装置、水冷凝縮装置が装備された1.5リットルの樹脂反応装置に、脱イオン水を1690.19g、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩の58%溶液を229.01g、アクリル酸を80.00g、EDTAを0.20g添加した。得られた溶液に1L/minの窒素を噴霧して72℃まで加熱し、そして重亜硫酸ナトリウムを0.10gおよび2,2´アゾビス(N,N´2−アミディノプロパン(amidinopropane))ジヒドロクロライド(V-50, Wako Chemicals, Richmond, VA, USA)を0.50g添加した。5分以内に重合が開始し、10分後に上記溶液は粘性が高まり、そして上記反応の温度は80℃まで上昇する。上記反応は、78〜82℃において、合計16時間継続された。得られた10%ポリマー溶液の25℃におけるブルックフィールド(Brookfield)粘性は1000cpsであり、アクリル酸/AMPSの60/40w/wコポリマーを1.0モル濃度NaNO中で2.8dL/gの固有粘性で含有する。
代表的なアクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(AA/AMPS)コポリマーの特性を表1に概略する。
【0062】
【表1】

【0063】
[実施例2]
代表的なメタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸コポリマーの調製
スターラー、温度制御装置、水冷凝縮装置が装備された1.5リットルの樹脂反応装置に、脱イオン水を939.21g、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)のナトリウム塩の58%溶液を191.92g、メタクリル酸を92.50g、水酸化ナトリウム50%溶液を92.00g(反応混合物をpH=7.0に調節するため)およびEDTAを0.20g添加した。得られた溶液に1L/minの窒素を噴霧して45℃まで加熱し、そしてV−50を0.50g添加した。15分以内に重合が開始し、60分後に上記溶液は粘性が高まり、そして上記反応の温度は50℃まで上昇する。上記反応は、48〜52℃において、18時間継続された。上記反応混合物はその後80℃まで加熱され、78〜82℃に24時間維持された。得られたポリマー溶液の25℃におけるブルックフィールド(Brookfield)粘性は43200cpsであり、15%のメタクリル酸/AMPSの49/51w/w(70/30M/M)コポリマーを1.0モル濃度NaNO中で4.28dL/gmの固有粘性で含有する。
代表的なメタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(MAA/AMPS)コポリマーの特性を表2に概略する。
【0064】
【表2】

【0065】
[実施例3]
代表的なアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーの調製
スターラー、温度制御装置、水冷凝縮装置が装備された1.5リットルの樹脂反応装置に、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩(Na−AMPS)(58%固体)を225.07g、アクリルアミド(49.3%固体)を191.61g、脱イオン水を1080.70g、EDTAの40%溶液を0.50gおよび次亜リン酸ナトリウムを0.50g添加した。いったんモノマー溶液が添加されたら、上記ビーカーは600gの脱イオン水でリンスされ、上記反応装置にリンス剤が添加された。上記反応混合物攪拌され、45℃まで加熱された。45℃になったら、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(VA-044, Wako Chemicals USA, INC., Richmond, VA)開始剤(モノマーに基づいて500ppm)の10%wt溶液を1.13g添加し、上記反応混合物を約1L/minの窒素でパージした。数分後に上記反応混合物は粘性が高まった。約8時間後、上記反応混合物は室温まで冷却され、内容物を放出した。上記ポリマーのIVは約2.5dL/gであり、ブルックフィールド粘性は約7500cps(15%ポリマー溶液)である。
【0066】
[実施例4]
クリアーフェイシャルクレンザー
フェイシャルクレンザーは、顔からほこり、脂および垢を除去する。上記製品は通常肌に優しいクレンジング剤、シックナー、保湿剤および水を含有する。
【0067】
クリアーフェイシャルクレンザー製剤への、本発明のアニオンポリマーの添加は、上記製剤に大幅に心地よくスベスベした感触を付与し、かつ、上記製剤の粘性を330cpsから1600cpsへ増加させる。
【0068】
本発明のアニオンポリマーを含有する代表的なクリアーフェイシャルクレンザー組成物を表3に示す。上記組成物は、ヒドロキシエチルセルロースを水で3時間水和することにより調製される。水中のD1−パンテノールの溶液は、別の容器において調製される。上記D1−パンテノール溶液および残りの原料は、その後上記ヒドロキシエチルセルロース溶液にゆっくりと添加される。
【0069】
【表3】

【0070】
[実施例5]
目引き締めジェル
本発明の代表的なアニオンポリマーを含有する目引き締めジェル組成物を表4に示す。上記組成物は、ヒドロキシエチルセルロースを加熱することなく水和し、その後パートBの原料を表に記載された順番に添加し、各添加の間によく攪拌することにより調製される。
【0071】
本発明のアニオンポリマーを含有する目引き締めジェル組成物は、アニオンポリマーを含有しない組成物に比べて肌上に広げやすく、向上されたスベスベ感を有する。
【0072】
【表4】

【0073】
[実施例6]
クリアーマスカラ
クリアーマスカラは、まつげおよび眉のコンディションを整える。クリーンスカルプティングジェルは眉の色を固定し、眉を適所に固定して輪郭を描くのを容易にする。上記クリアーマスカラは、タール、ターペンティン油またはシェラックを含有せず、まつげを傷付けず、耐にじみ性であり、はげ落ちない。
【0074】
本発明の代表的なアニオンポリマーを含有スルクリアーマスカラ組成物を表5に示す。上記組成物は、カルボマーをトリエタノールアミンで中和し、その後パートAの残りの原料をカルボマージェルに添加することにより調製される。パートBおよびCの原料は、水で希釈されてパートAに添加される。
【0075】
【表5】

【0076】
[実施例7]
顔鎮静(facial soothing)クリーム
顔鎮静クリームは、肌を柔らかくし、スベスベにする。それはスベスベで、乾質性で、長持ちで、柔軟性のある膜を肌の上に形成し、角質層の再水和を誘発する。本発明の顔鎮静クリーム組成物は、上記クリームを塗布すると鎮静および冷却感を付与する。
【0077】
本発明の代表的なアニオンポリマーを含有する顔鎮静クリームを表6にしめす。上記組成物は、キサンタンガムおよびマグネシウムアルミニウムシリケートの混合物を、混合物が水和して濃くなり始めるまで約80%の水と約400rpmの混合物とにゆっくりとシフトする(sifting)ことにより調製される。添加完了後、上記混合物は、上記マグネシウムアルミニウムシリケートを活性化するために少なくとも30分間800rpmで混合される。残った水中のアニオンポリマーの混合物がその後添加され、上記混合物が均一になるまで混合は継続される。防腐剤を添加する。
【0078】
【表6】

【0079】
[実施例8]
真珠色(pearlized)液体ハンドソープ
上記液体ハンドソープは、手にクレンジング機能を提供する。それは、油脂、ほこりを手から除去する。それは、界面活性剤および保湿剤を製剤中にしばしば含有する。
【0080】
本発明の代表的なアニオンポリマーを含有する真珠色の液体ハンドソープ組成物を表7に示す。上記組成物は、各原料を脱イオン水に表7に示す順番で、攪拌機付きの混合容器に添加し、各添加間によく混合することにより調製される。その後、pHは約6.0に調節される。
【0081】
【表7】

【0082】
[実施例9]
保湿ローション
本発明の保湿ローション組成物は、上記ローションの塗布後に肌に必要な湿度を加える。上記ローションは、通常バニシングクリームタイプの水中油型乳剤として製剤化される。それは、上記乳剤を濃くし、軟化性の膜を肌の上に形成する脂肪酸または脂肪族アルコールを含有する。
【0083】
本発明のアニオンポリマーを含有する保湿ローション組成物を表8に示す。上記組成物は、カルボマーを、80℃まで水にゆっくりとシフトさせ(sifting)、カルボマーが水和されるまで80℃において混合する。パートBは80℃まで加熱され、迅速な攪拌をしながらパートAに添加された。80℃で5分間攪拌を継続し、トリエタノールアミンが添加され、均一になるまで(約10分)攪拌を継続した。上記混合物は、その後混合を継続する間火からおろされた。40℃において、アニオンポリマー、メチルジブロモグルタロニトリルおよびジプロピレングリコールが添加され、均一になるまで混合が継続された。
【0084】
【表8】

【0085】
[実施例10]
真珠色のボディーウォッシュ
本発明の真珠色のボディーウォッシュは、体の洗浄に用いられるクレンジング製品である。それは、シャワーの後に肌により柔らかくスベスベした感触を与える保湿原料と共にしばしば製剤化される。
【0086】
本発明のアニオンポリマーを含有する真珠色のボディーウォッシュ組成物を表9に示す。上記組成物は、ニノール(Ninol)M10、スタンダポール(Standapol)ES−2、スタンダポールWAQ−LC、テゴベタイン(Tdgo Betaine)L−7およびEGMS−VAを混合容器中の水に70〜75℃で添加し、各添加間でよく混合することにより調製される。上記温度は70〜75℃に10分間維持され、その後約40℃まで下げられる。ディソルベン(Disolvene)Na−2X2ナトリウムEDTAが終始混合されながら添加され、クエン酸でpHは約6に調節された。混合されながらマーガード(Merguard)が添加され、所望の濃度を得るために追加の脱イオン水が添加された。
【0087】
【表9】

【0088】
[実施例11]
アフターシェーブローション
本発明のアフターシェーブローション組成物は、脂っぽさやべとつきの痕跡を残さずに、顔にスベスベの絹のような感触を与える。女性用のボディーフレッシュナーやコロンスプラッシュタイプの製品においても、同様の利益を得ることができる。
【0089】
本発明のアニオンポリマーを含有するアフターシェーブローション組成物を表10に示す。上記組成物は、各添加に続いて均一な混合が得られるための十分な攪拌とともに原料を表10に記載した順番で添加することにより調製される。
【0090】
【表10】

【0091】
アニオンポリマーを含有する化粧用製剤の試験を以下の実施要網を用いて行った。
I.クリアーフェイシャルクレンザーおよび保湿ローションのつるつる感の感触評価
ローションまたはクレンザーはパネリストによって評価された。パネリストは、ローションまたはクレンザーを人差し指と親指の間に押しつけ、2本の指を前後にこすってつるつる感を感じた。上記つるつる感は、1〜5で評価された;1はつるつる感が最も少なく(水が1に選定された)、5が最もつるつるしていることを意味する。
【0092】
II.顔鎮静クリームの感触試験
6人のパネリストがこの評価の訓練をされ、ポリマーを含有するサンプルと含有しないサンプルとが比較された。各パネリストは、各試験の前にイソプロピルアルコールで前膊部分を拭き取った。約75μlを前膊の手のひら側に置いた。3xおよび15xの回転後、サンプルは評価された。完全にこすり込んだ後、乾燥した製品のスベスベ感を評価した。上記試験は、大気条件下(23.5℃および>50%相対湿度)で行った。
【0093】
III.手洗い標準手順
液体ハンドソープ評価の前に、パネリストは以下の手洗い標準手順に従って手を洗う。パネリストは、試験日の評価の前は手にいかなるローションも用いてはならない。
【0094】
1.手首および手から全ての装身具類を除去する。
2.アイボリーソープバーおよび手を38±1℃の水道水で完全にぬらす。
3.両手で上記ソープバーを取り、上記バーを10回回転させる。上記ソープバーを横に置く。
4.手を10回前後にこすり合わせる。
5.右手を左手の上にしてこすり、左手を右手の上にしてこする。2回繰り返す。
6.10秒間完全に手をすすぎ、ペーパータオルで乾くまで軽くたたく。
【0095】
IV.液体ハンドソープ評価
アニオンポリマーを含有する液体ハンドソープの瞬間的な(flash)および最終的な(ultimate)石鹸の泡(lather)、濡れた泡の滑り、濃さ、洗い流した直後およびしばらく経ってからの感触を、以下のプロトコルを用いたパネリストによって評価した。試験前に、パネリストは上記手順IIIに従って手を洗う。パネリストは、各項目を、1が最も低く、10が最も高い、1〜10の指標で石鹸を評価する。
【0096】
1.水道水を流し、38±1℃の温度にセットする。
2.水に3回くぐらせることにより、手を濡らす。
3.余分な水を振り落とす。
4.片方の手(手のひら)に1.5mlの液体ハンドソープを塗布する。
5.水2.5mlを同一の手のひらに添加する。
【0097】
IVa.瞬間的なおよび最終的な石鹸の泡
1.手を10回前後にこする(片方の手のひらをもう片方の手のひらの上を上下にスライドさせる=1回)。
2.3回手を回転させる(右手で左手の上を軽くこすり、左手で右手の上を軽くこする=1回転)。
3.右手を左手の底(手首部分)の周りに置く。左手から石鹸の泡を右手の人差し指と親指との間の領域へ絞りあげる。左手について繰り返す。
4.写真のために、左の親指を拳に押し込んで、瞬間的な石鹸の泡のみを見せる。
5.瞬間的な石鹸の泡の体積、密度、および泡のサイズを記録する。
6.手を5回さらに回転(工程2と同様に)させる。
7.工程3を繰り返す。
8.写真のために、左の親指を拳に押し込んで、最終的な石鹸の泡のみを見せる。
9.最終的な石鹸の泡の体積、密度、および泡のサイズを記録する。
10.手をすすいではならない。
【0098】
IVb.濡れた泡の滑り
1.上記液体ハンドソープが、手の上でどの程度滑りやすく感じられるかを評価する。
2.手をすすいではならない。
【0099】
IVc.濃さ
1.同一の手の人差し指と親指との間にいくらかの泡を置く。
2.親指と人差し指とをそっとこすり合わせる。
3.上記泡の濃さを判断する。
【0100】
IVd.すすぐ
1.手を38±1℃の水道水の下ですすぐ。
2.手が完全にすすがれた感じがするまでにかかる時間を記録する。
【0101】
IVe.直後の感触
1.ワイプ−オール(Wyp-All)で手を乾かす。
2.以下の特性を評価する:べとつき/粘着性、圧迫感、滑りやすさ、残留物の量および残留物の種類。
【0102】
IVf.しばらく経ってからの感触
パネリストは、乾燥後10分および乾燥後30分に再度以下の特性について手を評価する:べとつき/粘着性、圧迫感、滑りやすさ、残留物の量、残留物の種類および柔軟性。
【0103】
V.ボディーウォッシュ評価
アニオンポリマーを含有するボディーウォッシュの瞬間的な(flash)および最終的な(ultimate)石鹸の泡(lather)、濡れた泡の滑り、濃さ、洗い流した直後およびしばらく経ってからの感触を、以下のプロトコルを用いたパネリストによって評価した。試験前に、パネリストは上記手順IIIに従って手を洗う。パネリストは、各項目を、1が最も低く、10が最も高い、1〜10の指標で石鹸を評価する。
【0104】
1.上記標準化された手洗い手順を用いて手を洗う。
2.38℃の水道水下でウェットプーフ(poof)する。
3.上記プーフの上に5mlのボディーウォッシュおよび10mlの38℃の水道水を添加する(パネリストは、両手にプーフを所持する)。
4.両手で上記プーフを25回絞る。
5.上記プーフから石鹸の泡を絞り上げる。
6.右手を左手の底(手首部分)の周りに置く。左手から石鹸の泡を右手の人差し指と親指との間の領域へ絞りあげる。左手について繰り返す。
7.石鹸の泡の滑りやすさ、濃さおよび密度について評価する(指標1〜10、1=最低、10=最高)。
8.泡のサイズ、石鹸の泡の感触および石鹸の泡の知覚を書き留める。
9.石鹸の泡のすすぎについて評価する(指標1〜10、1=最低、10=最高)。
10.プーフをよくすすぐ。
【0105】
[実施例12]
実施例7の方法に従って調製された顔鎮静クリームを、アニオンポリマーを含有していない以外は同一の手順により調製された対照の鎮静クリームと比較した。上述したプロトコルを用いたパネリストによって感触試験を評価した。表11に上記結果を概要する。
【0106】
【表11】

【0107】
表11に示すように、上記製剤へのアニオンポリマーの添加は、3x(4.17対2.67)および15x塗り込み(5.50対4.17)後のべとつきの減少を示す。また、上記アニオンポリマーの添加は、肌のスベスベ度を向上させるかもしれないという徴候がある(5.00対6.50アニオンポリマー含有)。
【0108】
[実施例13]
実施例8に述べた本発明のアニオンポリマーを含有する真珠色の液体ハンドソープを、同じ手順で調製されたが、アニオンポリマーを含有していない対照組成物と比較した。感触結果は、上述したプロトコルを用いたパネルによって評価された。結果を表12に概略する。
【0109】
【表12】

【0110】
上記アニオンポリマーを含有する組成物は、上記対照を超えて、瞬間的な石鹸の泡の体積、密度および泡のサイズを予想外に向上させた。上記アニオンポリマーは、最終的な石鹸の泡の体積も引き続き向上させた。表12が示すように、上記アニオンポリマーは、石鹸の泡の滑りやすさおよび濃さをも実際的に向上させる。これは、より豪華な石鹸の泡になると認識できる。上記組成物は、上記「直後の感触」段階での実際的な柔軟性をも明確に示す。上記表12に結果は、アニオンポリマーがハンドソープ、液体シャワージェルまたはボディーウォッシュのようなスキンケア組成物での使用に適していることを例証する。
【0111】
[実施例14]
実施例9に述べた本発明のアニオンポリマーを含有する保湿ローションを、同じ手順で調製されたが、アニオンポリマーを含有していない対照組成物と比較した。感触結果は、上述したプロトコルを用いたパネルによって評価された。結果を表13に概略する。
【0112】
【表13】

【0113】
表13に示すように、ローション中のフィクソマー(Fixomer)のレベルが増加すると、ローションの滑りやすさ感が増加する。
【0114】
[実施例15]
実施例10に述べた本発明のアニオンポリマーを含有する真珠色のボディーウォッシュ組成物を、同じ手順で調製されたが、アニオンポリマーを含有していない対照組成物と比較した。感触結果は、上述したプロトコルを用いたパネルによって評価された。結果を表14に概略する。
【0115】
【表14】

【0116】
表14に示すように、上記アニオンポリマーを含有する組成物は特性を向上させた。上記ボディーウォッシュは良い密度のより豪華な、クリーミーな石鹸の泡を提供する。上記石鹸の泡は、消費者により豪華だと認識させる、小さい泡サイズおよび良い滑りおよび濃さを有する。
【0117】
上記アニオンポリマーの添加は、ボディーウォッシュの粘性も4,100cps(アニオンポリマーを含有しない)から6,300cps(アニオンポリマーを含有する)へ増加させる。
【0118】
本発明は説明のために詳細に記述されているが、このような詳細さは単にその目的のためであり、それには数々の改良、代用および変更がこの技術に精通する者によって請求の範囲に限定されているもの以外の本発明の精神や範囲を逸脱することなくすることができることは明白である。請求の範囲が意味し、同等の範囲に属する全ての変更はそれらの範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー固体に基づいて、約0.1〜約20重量%のアニオンポリマーを含有し、
前記アニオンポリマーは、約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩(base addition salt)と、約90〜約20モル%1つ以上のアニオンまたは非イオンモノマーから構成される、肌の処置用の化粧品に適した組成物(cosmetically acceptable composition)。
【請求項2】
前記アニオンポリマーは、約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩と、約90〜約20モル%1つ以上のアニオンモノマーから構成される請求項1に記載の化粧品に適した組成物。
【請求項3】
前記アニオンモノマーが、アクリル酸、メタクリル酸およびスチレンスルホン酸からなる群から選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオンポリマーは、約10〜約80モル%の2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、またはその塩基付加塩と、約90〜約20モル%1つ以上の非イオンモノマーから構成される請求項1に記載の化粧品に適した組成物。
【請求項5】
前記アニオンポリマーが、orアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記アニオンポリマーが、約20,000〜約5,000,000g/molの分子量を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アニオンポリマーが、メタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーまたは、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記アニオンポリマーが、メタクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩コポリマーである請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
ポリマー固体に基づいて、約0.5〜約10重量%のアニオンポリマーを含有する請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
1つ以上の化粧品に適した付形剤(excipients)をさらに含有する請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記付形剤が、水、糖類(saccharides)、表面活性剤、湿潤剤、鉱油(petrolatum)、ミネラルオイル、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル軟化剤(emollient)、ワックスおよびシリコン含有ワックス、シリコンオイル、シリコン溶液、シリコン表面活性剤、揮発性炭化水素オイル、第4級窒素化合物、アミノ機能(functionalized)シリコン、コンディショニングポリマー、レオロジー改質剤、酸化防止剤、日焼け止め活性剤、約C10〜C22のジー長鎖アミン、約C10〜C22の長鎖脂肪族アミン、脂肪族アルコール、エトキシル化された脂肪族アルコールおよびジーテイル(di-tail)リン脂質からなる群から選択される請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
マスカラ、目引き締めジェル、シェービングジェル、シェービングクリーム、アフターシェーブ、日焼け止め、アフターサンジェル、ハンドおよびボディーローションおよびクリーム、鎮静ジェル、液体石鹸、棒状石鹸、バスオイルバー、洗顔料、ボディーウォッシュ、手洗いまたは機械食器洗い用組成物、シャワージェル、バブルバス、デオドラントおよび制汗剤からなる群から選択される請求項1に記載の化粧品に適した組成物。
【請求項13】
洗顔料およびボディーウォッシュからなる群から選択される請求項12に記載の化粧品に適した組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の化粧品に適した組成物を肌に塗布することを含む肌の処置方法。
【請求項15】
潤滑性または絹のような感触が肌に付与される請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2006−516961(P2006−516961A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564789(P2004−564789)
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/032635
【国際公開番号】WO2004/060273
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(503270032)ナルコ カンパニー (22)
【氏名又は名称原語表記】NALCO COMPANY
【住所又は居所原語表記】1601 W.Diehl Road,Naperville,IL 60563−1198,United States of America
【Fターム(参考)】