説明

アミン誘導体

式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、BおよびXが請求項1に記載の意味を有する化合物は、チロシンキナーゼ、特にTIE−2、およびRafキナーゼ類の阻害薬であり、とりわけ腫瘍の治療のために使用することができる。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、価値ある特性、特に薬剤の調製に使用することができる特性、を有する新規化合物を見出す目的を有していた。
【0002】
本発明は、キナーゼシグナル伝達、特にチロシンキナーゼおよび/またはセリン/トレオニン・キナーゼシグナル伝達の阻害、制御および/または調節に役割を果たす化合物および化合物の使用、さらにこれらの化合物を含む医薬品組成物、およびキナーゼ誘発性疾患の治療のための該化合物の使用に関する。
【0003】
具体的には、本発明は、チロシンキナーゼシグナル伝達を、阻害、制御および/または調節する式Iの化合物および化合物の使用に関し、さらにそれらの化合物を含む組成物、および哺乳動物における血管新生、癌、腫瘍形成、腫瘍成長および腫瘍増殖、動脈硬化、加齢黄斑変性、脈絡膜血管新生および糖尿病性網膜症などの眼疾患、炎症性疾患、関節炎、血栓症、線維症、糸球体腎炎、神経変性、乾癬、再狭窄、創傷治癒、移植による拒絶、代謝性疾患、および免疫系疾患、また、不安定性および透過性を含む自己免疫疾患、肝硬変、糖尿病および血管疾患、および同種のもの等のチロシンキナーゼ誘発性疾患および状態の処置のための使用方法に関する。
【0004】
チロシンキナーゼは、アデノシン三リン酸の末端リン酸(ガンマ−リン酸)のタンパク質基質内のチロシン残基への移動に触媒作用をする少なくとも400種を有する酵素の一種である。チロシンキナーゼは、基質のリン酸化反応を介して多数の細胞機能に対するシグナル伝達において重要な役割を果たしていることが考えられる。シグナル伝達の正確な機構は依然として不明確であるが、チロシンキナーゼは、細胞増殖、発癌および細胞分化における重要な因子であることが示されている(Schlessinger and Ullrich, Neuron 9, 383−391(1992)および1−20(1992)を参照)。
【0005】
チロシンキナーゼは受容体型チロシンキナーゼまたは非受容体型チロシンキナーゼに分類することができる。受容体型チロシンキナーゼは、細胞外部分、膜貫通部分および細胞内部分を有しており、一方非受容体型チロシンキナーゼは、もっぱら細胞内だけである。
【0006】
受容体型チロシンキナーゼは、異なる生物活性を有するさまざまな膜貫通受容体からなる。かくして、受容体型チロシンキナーゼの約20のサブファミリーが確認されている。HERサブファミリーとして知られる1つのチロシンキナーゼサブファミリーは、EGFR、HER2、HER3およびHER4からなる。受容体のこのサブファミリーに由来するリガンドは、上皮増殖因子、TGF−α、アンフィレグリン(amphiregulin)、HB−EGF、ベータセルリンおよびヘレグリンを含む。これら受容体型チロシンキナーゼの別のサブファミリーは、インスリンサブファミリーであり、それはINS−R、IGF−IRおよびIR−Rを含む。PDGFサブファミリーは、PDGF−αおよびPDGF−β受容体、CSFIR、c−キットおよびFLK−IIを含む。さらに、キナーゼ挿入ドメイン受容体(KDR)、胎児肝臓キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝臓キナーゼ−4(FLK−4)およびfmsチロシンキナーゼ−1(flt−1)からなるFLKファミリーがある。PDGFとFLKファミリーは、その2つの群の類似点のために通常一緒に議論される。受容体型チロシンキナーゼの詳細な論議については、参照により本明細書に組み込まれているPlowmanらによる論文、DN & P7(6):334〜339、1994を参照されたい。
【0007】
RTK(受容体型チロシンキナーゼ)はまたTIE2およびそのリガンドアンギオポイエチン1および2を含む。これらリガンドの相同体がより多く発見されるが、それらの活性は詳細にはまだ実証されていない。TIE1はTIE2の相同体として知られている。TIE PRKは内皮細胞上で選択的に発現しており、血管新生および血管の成熟に関与している。それらは、したがって特に、血管系の疾患および血管が利用されまたは改善されている病状において価値のある標的である。血管新生および成熟を妨げることに加えて、血管新生の刺激もまた活性化合物にとって価値のある標的である。血管新生、腫瘍発達およびキナーゼシグナル伝達に関する文献を以下に参照として挙げる:
G.Breier Placenta(2000)21,Suppl A,Trophoblasr Res 14,S11−S15
F.Bussolino et al. TIBS 22,251-256(1997)
G.Bergers & L.E.Benjamin Nature Rev Cancer 3,401−410
P.Blume−Jensen &.Hunter Nature 411, 355−365 (2001)
M.Ramsauer & P.D'Amore J.Clin.Invest. 110,1615−1617(2002)
S.Tsigkos et al.Expert Opin. Investig. Drugs 12,933−941(2003)
癌の治療においてすでに試験されているキナーゼ阻害剤の例としては、L.K. Shawyer et al. Cancer Cell 1,117−123(2002)およびD.Fabbro & C.Garcia−Echeverria Current Opin.Drug Discovery & Development 5,701−712(2002)に挙げられている。
【0008】
非受容体型チロシンキナーゼも同様に、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、AckおよびLIMKを含むさまざまなサブファミリーからなる。これらサブファミリーのそれぞれはさらに異なる受容体に細分化される。例えばSrcサブファミリーは最も大きいサブファミリーの1つである。それはSrc、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、FgrおよびYrkを含む。酵素のSrcサブファミリーは腫瘍形成と関連している。非受容体型チロシンキナーゼの詳細な論議については参照により本明細書に組み込まれているBolenによる論文、Oncogene,8:2025〜2031(1993)を参照されたい。
【0009】
受容体型チロシンキナーゼおよび非受容体型チロシンキナーゼは両方共、癌、乾癬および過免疫応答を含むさまざまな病的状態に導く細胞シグナル伝達経路に関与する。
【0010】
さまざまな受容体型チロシンキナーゼおよびそれらに結合する増殖因子が、あるものは血管新生を間接的に促進するかもしれないが、血管新生における役割を果たすことが提唱されている(Mustonen およびAlitalo、J.Cell Biol.129:895〜898、1995)。これらの受容体型チロシンキナーゼの1つは、FLK−1とも呼ばれる胎児肝臓キナーゼ1である。ヒトのFLK−1の類似体は、それが高い親和性でVEGFに結合するために、血管内皮細胞増殖因子受容体2(vascular endothelial cell growth factor receptor 2)またはVEGFR−2としても知られるキナーゼ挿入ドメイン含有受容体(kinase insert domain-containing receptor)KDRである。最後に、この受容体のネズミのバージョンはまた、NYKとも呼ばれている(Oelrichsら、Oncogene 8(1):11〜15,1993)。VEGFおよびKDRは、血管内皮細胞の増殖と血管の形成および出芽に極めて重要な役割を果たすリガンド受容体のペアであり、それぞれ血管形成および血管新生と呼ばれる。
【0011】
血管形成の工程は、脈管構造が存在する前から新しい血管、一般には毛細血管の発達である。血管形成は、(i)内皮細胞の活性化、(ii)血管浸透の増加、(iii)続く、基底膜の溶解および仮の線維素ゲル細胞外マトリックスの形成を導く血漿成分の血管外遊走、(iv)内皮細胞の増殖および授動、(v)授動内皮細胞を再組織化し、機能的な毛細血管の形成、(vi)ループ状毛細血管の形成、および(vii)基底膜の沈着および血管周囲細胞の補充により新しい血管の形成、を含むことを定義している。
【0012】
通常の血管形成は、胎児の発達から成熟する間の組織の成長の間に活性化され、続いて成人期の比較的無活動である期間に入る。通常の血管形成は、また、創傷治癒および女性の生殖周期のある段階において活性化される。不適切なまたは病的な血管形成は、種々の網膜症;虚血性疾患;アテローム性動脈硬化症;慢性炎症疾患;関節リウマチ、および癌を含むさまざまな症状に関連する。各症状における血管形成の役割は、例えば、Fanら、Trends in Pharmacol Sci.16:54 66;Shawverら、DOT Vol.2,No.2 February 1997;Folkmann,1995,Nature Medicine 1:27−31に記載されている。
【0013】
癌において、固形腫瘍の成長は血管形成依存であると見られている(Folkmann,J., J.Nat'l.Cancer Inst., 1990, 82, 4−6を参照)。血管形成前の経路の標的は、この領域においてすばらしく、まだ見つけられない、医療需要のある新規治療を提供するために広く追及されている戦略である。
【0014】
血管新生は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の過剰活性を特徴とする。VEGFは実はリガンドのファミリーからなる(KlagsburnおよびD’Amore、Cytokine & Growth Factor Reviews 7:259〜270, 1996)。VEGFは、高い親和力の膜貫通のチロシンキナーゼ受容体KDRと、Flt−1または血管内皮細胞増殖因子受容体1(VEGFR−1)としても知られる同類のfmsチロシンキナーゼ−1とを結合する。細胞培養および遺伝子ノックアウト実験により、各受容体は血管新生の異なる態様の一因となっていることが示されている。KDRはVEGFの分裂促進機能を媒介し、一方Fit−1は細胞癒着と関連するもの等の非分裂促進機能を調節するようである。KDRの抑制はしたがって分裂を促進するVEGFの活動のレベルを調節する。実際に、腫瘍増殖はVEGF受容体拮抗薬の抗血管新生効果により影響されやすいことが示されている(Kimら、Nature 362, pp.841〜844, 1993)。
【0015】
VEGFRに対する3つのPTK(タンパク質チロシンキナーゼ)受容体:VEGFR−1(Flt−1)、VEGRF−2(Flk−1またはKDR)およびVEGFR−3(Flt−4)、が同定されている。VEGRF−2が特に重要である。
【0016】
固形腫瘍は、それ故、これらの腫瘍がその増殖を支えるために必要な血管の形成のための血管新生に依存するため、チロシンキナーゼ阻害薬により治療することができる。これらの固形腫瘍としては、単球性白血病、脳、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭および肺の癌腫が挙げられ、肺腺癌および小細胞腺癌を含む。さらなる例として、Raf活性化腫瘍遺伝子(例えば、K−ras、erb−B)の過剰発現または活性化が見られる癌腫が挙げられる。これらの癌腫としては膵臓癌および乳癌が挙げられる。したがって、これらのチロシンキナーゼの阻害薬は、これらの酵素によって引き起こされる増殖性疾患の予防および治療に適している。
【0017】
VEGFの血管新生作用は腫瘍に限定されない。VEGFは糖尿病性網膜症における網膜内またはその付近に生ずる血管新生作用の主な原因となる。網膜内のこの血管増殖は視覚退化を最高にして失明に導く。眼のVEGFのmRNAおよびタンパク質のレベルは、霊長類における網膜静脈閉鎖症およびマウスにおける減少したpO2レベル等の新血管新生をもたらす条件により上昇する。抗VEGFモノクローナル抗体またはVEGF受容体免疫融合体の眼球内注射は、霊長類およびげっ歯類モデルの両方における眼の新血管新生を阻害する。ヒトの糖尿病性網膜症におけるVEGFの誘発の原因とは関係なく、眼のVEGFを阻害することは、この疾患の治療に対して適切である。
【0018】
VEGFの発現はまた、壊死の部位と隣接する動物およびヒトの腫瘍の低酸素領域において著しく増加する。加えて、VEGFは、腫瘍遺伝子のRas、Raf、Srcおよび変異体p53(それらはすべて癌との闘いにおいて重要である)の発現により上方制御される。抗VEGFモノクローナル抗体は、ヌードマウスにおけるヒト腫瘍の増殖を阻害する。同じ腫瘍細胞が培養液中でVEGFを発現し続けるものの、その抗体はそれらの分裂速度を低下しない。したがって、腫瘍から誘導されたVEGFは自己分泌分裂促進因子としては機能しない。VEGFは、それ故そのパラ分泌血管内皮細胞の走化活性および分裂促進活性を通して血管新生を促進することによりインビボの腫瘍の増殖に寄与する。これらのモノクローナル抗体はまた、無胸腺マウスにおいて、一般的にはよく血管新生されていないヒト結腸癌の増殖を阻害し、接種した細胞から起こる腫瘍の数を減少する。
【0019】
細胞質のチロシンキナーゼドメインを取り除くために切断されているが膜アンカーを保持しているマウスKDR受容体のホモログである、Flk−1、Flt−1のVEGF結合コンストラクトのウイルス中の発現は、おそらく膜貫通内皮細胞VEGF受容体との異種二量体形成の優勢な負のメカニズムによって、マウスにおける移植可能な神経膠芽腫の増殖を事実上停止する。ヌードマウスにおける固形腫瘍として通常は増殖する胚性幹細胞は、両方のVEGF対立遺伝子がノックアウトされている場合は検知される腫瘍を生じない。総合すれば、これらのデータは固形腫瘍の増殖におけるVDGFの役割を示している。KDRまたはFlt−1の阻害は、病的血管新生に関与し、腫瘍の増殖は血管新生に依存することが知られているため、これらの受容体は、血管新生が全体的な病変の一部である疾患、例えば、炎症、糖尿病網膜血管新生、ならびにさまざまな形態の癌の治療に適している(Weidnerら、N.Engl.J.Med., 324, pp.1〜8, 1991)。
【0020】
内皮特異性受容体型のチロシンキナーゼTIE−2のリガンド、アンジオポイエチン1(Ang1)は、新規血管新生因子である(Davisら、Cell, 1996, 87:1161〜1169;Partanenら、Mol.Cell Biol., 12:1698〜1707(1992);米国特許第5521073号;同第5879672号;同第5877020号;および同第6030831号)。その頭文字のTIEは「IgおよびEGFホモロジードメインを有するチロシンキナーゼ」を表す。TIEは、もっぱら血管内皮細胞および初期の造血細胞中に発現する受容体型のチロシンキナーゼの種類を識別するために使用される。TIE受容体キナーゼは、鎖間のジスルフィド架橋結合により安定化された細胞外の折り畳み単位からなるEGF様のドメインおよび免疫グロブリン(Ig)様のドメインが存在することを特徴とする(Partanenら、Curr.Topics Microbiol.Immunol., 1999,237:159〜172)。血管発達の初期段階にその機能を発揮するVEGFとは対照的に、Ang1およびその受容体TIE−2は血管発達の後期中すなわち血管変換(血管内腔の形成に関係する変換)および成熟の途中に作用する(Yancopoulosら、Cell, 1998, 93:661〜664;Peters,K.G., Circ.Res., 1998, 83(3):342〜3;Suriら、Cell 87, 1171〜1180(1996))。
【0021】
したがって、TIE−2の阻害は、血管新生による新たな血管系の変換および成熟を妨げ、したがって血管新生の過程を妨げるはずであるものと期待される。その上、VEGFR−2のキナーゼドメイン結合部位の阻害は、チロシン残基のリン酸化反応を妨害し、血管新生の開始を妨げることに寄与するであろう。それ故、TIE−2および/またはVEGFR−2の阻害は、腫瘍の血管新生を妨げ、腫瘍の増殖を遅くするかまたは完全になくすことに寄与することが想定されるはずである。
【0022】
したがって、不適切な血管新生が伴う癌およびその他の疾患の治療を提供することができる。
【0023】
本明細書で議論されているように、前記シグナル経路は様々な疾患に関係している。したがって本発明の化合物は、前記シグナル経路の一つまたは複数と相互作用することによって前記シグナル経路に左右される疾患の予防および/または処置において有用である。
【0024】
本発明は、未制御または支障のあるTIE−2活性に関連する疾患の予防および/または治療のためにTIE−2を制御、調節または阻害する方法を対象とする。特に式Iの化合物はまた、いくつかの形態の癌の治療において使用することもできる。さらに、式Iの化合物は、いくつかの既存の癌化学療法における相加作用または相乗効果を提供することができかつ/またはいくつかの既存の癌化学療法および放射線治療の有効性を修復するために使用することができる。
【0025】
式Iの化合物はさらにTIE−2の活性または発現の単離および調査のために用いることが出来る。さらに、その化合物は、特に、不規則なまたは支障のあるTIE−2活性に関連する疾患の診断方法において使用されることが適切である。
【0026】
本発明は、さらに、不規則かまたは支障のあるVEGFR−2活性に関連する疾患の予防および/または治療のためにVEGFR−2を制御、調節または阻害する方法を対象とする。
【0027】
細胞制御を達成する主要な機構の1つは、細胞内の生化学的経路を順次調節する膜を越える細胞外シグナルの伝達によるものである。タンパク質リン酸化反応は、細胞内シグナルが分子から分子に伝播し、最終的に細胞の応答をもたらす1つの過程である。これらのシグナル伝達カスケードは、多くのタンパク質キナーゼならびにホスファターゼの存在から明らかなように、高度に制御され、しばしば重複する。タンパク質のリン酸化反応は、大部分はセリン、トレオニンまたはチロシン残基において発生し、タンパク質キナーゼは、したがって、それらのリン酸化反応部位の特異性により、すなわち、セリン/トレオニンキナーゼおよびチロシンキナーゼに分類されている。リン酸化反応は、そのような細胞内の遍在性の過程であるためと、細胞の表現型が、これらの経路の活性度に大きく影響されるために、多くの状態および/または疾病は、キナーゼカスケードの分子成分における異常な活性化または機能の変異のいずれかに起因するものと現在では考えられている。このため、多くの注目がそれらの活性を調節することができるこれらタンパク質および化合物の特徴付けに向けられている(総説論文参照:Weinstmono−Oppenheimerら、Pharma.&.Therap.,2000,88,229〜279)。
【0028】
タンパク質キナーゼPKB(AKTおよびRAC−PKとしても知られる)は、セリン/トレオニンキナーゼのAKT/PKBファミリーのメンバーであり、ヒト悪性腫瘍における多種多様な一連のシグナル伝達経路に関与することが示されている(Nicholsonら、Cell.Signal.,2002,14,381〜395)。PKBは、AKT/PKBファミリーの他のメンバーと同様に、刺激されていない細胞のサイトゾル中に位置し、刺激を受けて細胞膜に移動する。PKBの移動は、血小板由来の成長因子、上皮細胞成長因子、塩基性線維芽細胞成長因子、細胞ストレス例えば熱ショックおよび高浸透圧等、ならびにインスリンを含む多数のリガンドによって活性化することができ(Bos、Trends Biochem.Sci.,1995,20,441〜442)、他の研究によれば、この活性化は、ワートマニン感応性のPI3キナーゼを介することが示されている(Frankeら、Science,1997,275,665〜668)。原形質膜に一旦局部集中すると、PKBは、アポトーシス、インスリンの代謝効果、分化および/または増殖の誘発、タンパク質合成ならびにストレス応答を含む細胞内のいくつかの機能を媒介することが示されている(AlessiおよびCohen、Curr.Opin.Genet.Dev.,1998,8,55〜62;Downward、Curr.Opin.Cell Biol.,1998,10,262〜267)。
【0029】
PKBは、1991年に3つのグループによって独立にクローン化された(Bellacosaら、Science,1991,254,274〜277;CofferおよびWoodgett,Eur.J.Biochem.,1991,201,475〜481;Jonesら、Cell Regul.,1991,2,1001〜1009)が、その原発性ヒト胃癌との関連は、早くも1987年には認められた(Staalら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1987,84,5034〜5037)。PKBαの配列決定により、キナーゼ領域内の相同性がPKAアイソザイム(約68%)およびPKCアイソザイム(約73%)に対して明らかにされており(Jonesら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1991,88,4171〜5)、その事実がそれをPKBとして改名することをもたらした。PKBの3つの細胞アイソフォームおよび2つのスプライス変異体が存在する(PKBα、β、γ、β1、γ1;Brazilら、Trends in Bio Sci,2001,26,657〜663)。PKBαは、胃腺癌および乳癌細胞系中で増幅または過剰発現することが見出された(Staalら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,1987,84,5034〜7;Jonesら、Cell Regul.,1991,2,1001〜9)。PKB□は、乳癌の3%(Bellacosaら、Int.J.Cancer,1995 64,280〜5)、膵臓癌の12%(Chengら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1996,93,3636〜41)および卵巣癌の15%(Bellacosaら、Int.J.Cancer,1995 64,280〜5;Chengら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1992,89,9267〜71)において増幅または過剰発現する。
【0030】
PKBγは、エストロゲン受容体欠乏性乳癌およびアンドロゲン非依存性前立腺細胞系において過剰発現する(Nakataniら、J.Biol.Chem.1999,274,21528〜32)。
【0031】
PKBは、染色体バンド14q32における染色体再配列に関与する遺伝子であるとの提議がなされている。この遺伝子座は、ヒトのT細胞悪性腫瘍例えば前リンパ球性白血病および混合性小児白血病などにおいて再配列を起こすことが知られている(Staalら、Genomics,1988,2,96〜98)。
【0032】
PKBは、また、ASK−1、Bad、Caspase9およびFKHRの抑制性リン酸化による「プログラム化された細胞死」すなわちアポトーシスの阻止においても役割を果たす(総説参照、Nicholsonら、Cell Signalling 2001,14,281〜395)。PKBは、生存シグナルを細胞に提供し(総説参照、Lawlorら、J.of Cell Science 2001,114,2903〜2910)、それらを、UV照射(Dudekら、Science,1997,275,661〜665)、神経細胞からのIGF1の離脱、細胞外基質からの脱離、ストレスおよび熱ショック(AlessiおよびCohen、Curr.Opin.Genet.Dev.,1998,8,55〜62)を含む多数の作用因子から保護する。
【0033】
二重特異的ホスファターゼPTEN(第10染色体上で欠失するホスファターゼおよびテンシン相同体)は、細胞中のPtdlns(3,4,5)P3のレベルをPtdlns(3,4,5)P3の脱リン酸化により増加させる。Ptdlns(3,4,5)P3は、PKBのPHドメイン(プレクストリン相同ドメイン)に結合する。この結合は、PKBの膜転位および活性化に対する必須段階である。PTENは、多くは、神経膠芽腫およびメラノーマ細胞系、進行した前立腺癌および子宮内膜癌において変異した腫瘍抑制遺伝子である。さらに、それは、遺伝性疾患、例えば、カウデン(Cowden)病、レルミットデュクロ(Lhermitte−Duclose)病およびバナイアンゾナナ(Bannayan−Zonana)症候群などの患者の>80%で欠失される。その患者達は、多発性良性腫瘍(血腫)ならびに乳房および甲状腺の悪性腫瘍に対する感受性の増大を含む多数の類似した特徴を見せる(Di Cristofanoら、Cell,2000,100,387〜390)。
【0034】
PTEN+/-ヘテロ接合体マウス(PTEN-/-ヘテロ接合体マウスは不可能)由来の細胞系は、PKB活性の増大と平行してPtdlns(3,4,5)P3のレベルの増加を示し、同時にアポトーシスに対する感受性が減少する(Di Cristofanoら、Nat.Genet.1998,19,348〜355;Stambolicら、Cell,1998,95,29〜39;Myersら、Proc.Natl.Acad.Si.U.S.A.,1998,96,13513〜13518)。
【0035】
PKBは、また、p21細胞周期阻害因子により細胞周期進行を促進することができる(Zhouら、Nat.Cell Biol.,2002,3,245〜252)。
【0036】
これらの発見事項により、アポトーシスに向けた正常な進行を回避することによる癌腫の優先的な生存および増殖を可能にする癌細胞において観察されるPKBの過剰発現を説明することができる。
【0037】
現在、PKBの活性を有効に阻害する既知の治療薬は存在しない。したがって、化学療法薬としてすべての種類の癌におけるアポトーシス促進性タンパク質の活性に対するPKB機能を有効に阻害することができるさらなる薬剤に対する長く続く切実な必要性が残されている。
【0038】
チロシンキナーゼシグナル形質導入を特に阻害し、制御し、および/または調整する化合物の合成は、したがって、望ましいものであり本発明の目的である。
【0039】
本発明の化合物およびそれらの塩は、非常に価値のある薬理学的性質を有する上に、優れた耐容性である。
【0040】
本発明による化合物は、シグナル経路、特に本明細書に記載のシグナル経路と相互に作用し合うことができることが見出された。本発明による化合物は、酵素に基づくアッセイ、例えば本明細書に記載のアッセイにおいて容易に実証することができる有利な生物活性を好ましくは示す。上記の酵素に基づくアッセイにおいて、本発明による化合物は、適当な範囲、好ましくはミクロモル範囲、より好ましくはナノモル範囲のIC50により通常記録される阻害効果を、好ましくは示しかつ引き起こす。
【0041】
本明細書で述べたように、これらのシグナル経路はさまざまな疾患と関連性がある。したがって、本発明による化合物は、前記シグナル経路の1つまたは複数と相互作用することによって前記シグナル経路に左右される疾患の予防および/または治療に適している。
【0042】
本発明はしたがって、促進剤または阻害剤としての本発明の化合物に関する。
【0043】
したがって、本発明は前記疾患の処置および/または予防における薬剤および/または薬剤活性成分としての本発明の化合物、および、前記疾患の処置および/または予防のための医薬品の調製のための本発明の化合物の使用、さらに、投与を必要としている患者に本発明の1つまたは複数の化合物を投与することを含む、前記疾患の処置のための方法、に関する。
【0044】
比較測定において、さらに式Iの化合物はPKB阻害剤としての役割があることが分かっている。この活性は例えば、Alessi et al.EMBO L.1996,15,6541−6551に記載されている方法により明らかにすることができる。
【0045】
本発明による化合物は、異種移植腫瘍モデルにおいてインビボの抗増殖性作用を有することを示すことができる。本発明による化合物は、高増殖性疾患を有する患者に、例えば、腫瘍の増殖を阻止するため、リンパ増殖性疾患に伴う炎症を減少させるため、組織修復による移植片拒絶または神経障害を阻止するなどのために投与する。本化合物は予防または治療目的に適する。本明細書で使用する用語「処置」とは、疾患の予防および前から存在する状態の処置の両方を指して使用される。増殖の予防は、顕在的な疾患が進行する前に、例えば腫瘍の増殖を予防する、転移性の増殖を予防する、心血管手術に伴う再狭窄を軽減するなどのため、本発明による化合物を投与することによって達成される。別法では、該化合物は、患者の臨床症状を安定化または改善することによる進行中の疾患の治療のために使用する。
【0046】
ホストまたは患者は、任意の哺乳類の種、例えば、霊長類の種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含むげっ歯類;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属することができる。動物モデルは、ヒトの疾患の治療のためのモデルを提供する実験的研究に対して重要である。
【0047】
本発明による化合物による治療に対する特定の細胞の感受性は、インビトロ試験により測定することができる。一般的には、細胞の培養液をさまざまな濃度の本発明による化合物と、活性剤が細胞死を引き起こすかまたは遊走を阻止することを可能にするのに十分な期間、通常は約1時間と1週間の間、混ぜ合わせる。インビトロ試験は、生検試料からの培養細胞株を使用して実施することができる。処理後残っている生存細胞を次に数える。
【0048】
投与量は、使用する特定の化合物、特定の疾患、患者の状態などにより変動する。薬用量は、一般的には、患者の生存率を維持しながら標的組織中の望ましくない細胞の個体群を大幅に減少させるのに十分な量である。その治療は、かなりの、例えば苦痛を与える細胞の少なくとも約50%の減少が起こるまで、一般に継続し、基本的にそれ以上望ましくない細胞が体内に検出されなくなるまで継続することができる。
【0049】
シグナル伝達経路の同定および種々のシグナル伝達経路の間の相互作用の検出のために多くの科学者が適切なモデルおよびモデル系を開発している。例えば細胞培養モデル(例えばKhwajaら、EMBO,1997,16,2783−93)およびトランスジェニック動物のモデル(例えば、Whiteら、Oncogene、2001、20、7064−7072)を挙げる。シグナル伝達カスケードにおけるある段階を定義するために、相互作用化合物を利用してシグナルを調整することができる(例えば、Stephensら、Biochemica J.,2000、351、95−105)。本発明の化合物はまた、動物および/または細胞培養モデルにおいて、あるいは本明細書において言及されている臨床疾患において、キナーセ依存性シグナル伝達経路を試験するための試薬として用いることができる。
【0050】
キナーゼ活性の測定は、当業者にとってはよく知られている技術である。ヒストン(例えば、Alessiら、FEBS Lett.1996、399,3、333−338頁)または塩基性ミエリンタンパク質などの基質を用いてキナーゼ活性を定量するための一般的な試験系は文献に記載されている(例えば、Campos−Gonzalez, R.およびGlenney,Jr.,J.R. 1992、J.Biol.Chem.267、14535頁)。
【0051】
キナーゼ阻害剤を識別するためにさまざまなアッセイ系を利用することができる。シンチレーション近接アッセイ(Sorgら, J.of.Biomolecular Screening, 2002, 7, 11〜19)およびフラッシュプレートアッセイにおいては、γATPを含む基質としてのタンパク質またはペプチドの放射性リン酸化反応を測定する。阻害性化合物の存在下では、探知できる放射性シグナルは減少しているかまたは全くない。さらに、均一時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(HTR−FRET)および蛍光偏光(FP)技術が、アッセイ方法として適している(Sillsら,J.of Biomolecular Screening,2002,191〜214)。
【0052】
他の非放射性のELISAアッセイ方法は、特異的リン酸化抗体(ホスホAB)を使用する。そのホスホABはリン酸化した基質のみに結合する。この結合は、第2のペルオキシダーゼ複合抗ヒツジ抗体を使用する化学発光により検知することができる(Rossら,2002,Biochem.J.、ちょうど出版されるところである、原稿BJ20020786)。
【0053】
細胞増殖の調節解除および細胞死(アポトーシス)と関連する多くの疾患が存在する。重要な状態としては、非限定で以下のものが挙げられる。本発明による化合物は、平滑筋細胞および/または炎症細胞の血管の内膜層中への増殖および/または遊走に関与し、例えば新生内膜閉塞性障害の場合におけるような、その血管を通る限定された血流を引き起こす多数の異なる状態の治療に適している。重要な閉塞性移植血管疾患としては、アテローム性動脈硬化、移植後の冠状動脈血管性疾患、静脈移植狭窄、吻合部周囲人工器官再狭窄、血管形成またはステント留置後の再狭窄、および同種のものが挙げられる。
【0054】
本発明の化合物はまた、p38キナーゼ阻害剤として適する。
p38キナーゼを阻害するヘテロアリール尿素はWO02/85859に記載されている。
【0055】
(従来技術)
トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルアミン誘導体はWO02/064211においてトロンビン阻害剤として記載されている。
【0056】
(発明の概要)
本発明は式Iの化合物
【0057】
【化1】

【0058】
[式中、
Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
1は、H,A,OH,NH2,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
2は、X=Nの場合は存在せず、X=Cの場合は、H,A,Hal,CN,−(CH2p−Ar,−(CH2)p−COOH,−(CH2)p−COOA,−(CH2)p−Het3,−(CH2)p−NH2,SO2A,またはCOAを意味し、
3は、H,A,−S−A,−(CH2)p−Ar,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Ar,NH−(CH2)p−Het,NH2,NHA,NA2,NH−アルキレン−NH2,NH−アルキレン−NHA,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレンNA2を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒に
【0059】
【化2】

【0060】
を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Yは、O,S,−(CH2)qまたはNHを意味し、
Arは、フェニル、ナフチル、またはビフェニルを意味し、各々は、非置換であるか、Hal,A,OH,OA,NH2,NO2,CH,COOH,COOA,CONH2,NHCOA,NHCONH2,NHSO2A,CHO,COA,SO2NH2,SO2A,−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHにより、一置換、二置換または三置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Hetは、非置換、またはHal、A、NHA、NA2、OA、COOA、CN、−(CH2)p−Ar、−(CH2)t−OH、−(CH2)p−Het1、もしくはカルボニル酸素(=O)で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、非置換、またはA、もしくはカルボニル酸素(=O)で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Het2は、非置換、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい1個から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式芳香族複素環を意味し、
Het3は、非置換、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい1個から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het4は、非置換、またはHal、A、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar2は、非置換、またはHal,A,OH,OA,NH2,NO2,CN,COOH,COOA,CONH2,NHCOA,NHCONH2,NHSO2A,CHO,COA,SO2NH2もしくはSO2Aで一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいフェニルを意味し、
6、R7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立に、H、A、または−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1から10個のC原子を有するアルキルを意味し、さらに1から7個のH原子がFおよび/または塩素によって置換されていてもよく、
mは、0,1,2,3または4を意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0,1,2,3または4を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
およびX=Cの場合、
1およびR2は、一緒になって−(CH2)4−または
2およびR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−を意味し、
およびAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまたHまたは1から6個のC原子を有するアルキルを意味する)
ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)に関する。
【0061】
本発明はまた、これらの化合物の光学活性形態(立体異性体)、光学異性体、ラセミ化合物、ジアステレオマーおよび水和物、溶媒和物にも関する。化合物の溶媒和物という語は、不活性溶媒分子のその化合物へのそれらの相互の引力によって形づくる付加を意味するものと理解される。溶媒和物は、例えば一水和物、二水和物またはアルコキシドである。
【0062】
医薬品として使用可能な誘導体という語は、例えば、本発明による化合物の塩およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと理解される。
プロドラッグ誘導体の語は、例えば、アルキルまたはアシル基、砂糖またはオリゴペプチドを用いて変性し、生物体中で急速に開裂して本発明による有効な化合物を形成する式Iの化合物を意味するものと理解される。
【0063】
これらにはまた、例えばInt.J.Pharm.115,61〜67(1995)に記載されているように、本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体も含まれる。
【0064】
「有効量」という表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師により探究または所望される生物学的または医学的反応を引き起こす薬剤量または医薬活性成分の量を意味する。
【0065】
加えて、「治療有効量」という表現は、この量を受けなかった対象と比較して、以下の結果:疾患、症候群、状態、愁訴、障害または副作用の改善された治療、治癒、予防または除去、または同様に疾患、状態または障害の減少をもたらす量を意味する。
「治療有効量」という表現はまた、通常の生理的機能を増すために有効である量も包含する。
【0066】
本発明はまた、式Iの化合物の混合物の使用に関し、例えば2つのジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の混合物に関する。これらは特に立体異性を示す化合物の混合物であることが好ましい。
【0067】
本発明は式Iの化合物およびそれらの塩に関し、さらに請求項1から33に記載の式Iの化合物および薬学的に使用可能であるそれらの誘導体、塩、溶媒和物ならびに立体異性体を調製する方法に関するものであり、
a)XがCを意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物
【0068】
【化3】

【0069】
(式中、R4、R5およびBは、請求項1で示した意味を有する)を、
i)式IIIaの化合物
【0070】
【化4】

【0071】
(式中、R1OAおよびR2およびR3は、請求項1で示した意味を有する)または
ii)式IIIbの化合物
【0072】
【化5】

【0073】
(式中、R1、R2およびR3は請求項1で示した意味を有し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルを意味を有する)または
iii)式IIIcの化合物
【0074】
【化6】

【0075】
(式中、R1は請求項1で示した意味に加えてOAもまた意味し、R2およびR3は請求項1で示した意味を有し、A、A’はそれぞれ互いに独立に1,2,3または4C原子を有するアルキルを意味し、またはAおよびA’は一緒にブチレンまたはペンチレン鎖を形成しうる)と反応させる
または
b)XがNを意味し、R1がNH2を意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物を式IIIdの化合物
【0076】
【化7】

【0077】
(式中、R3は請求項1で示した意味を有し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルを意味を有する)と反応させる
または
c)XがNを意味し、R1がH,A,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、R3が−S−Aを意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物を式IIIeの化合物
【0078】
【化8】

【0079】
(式中、R1はH,A,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルを意味を有する)と反応させる、
および/または式Iの化合物の1つまたは複数の基R1、R2および/またはR3は、1つまたは複数の基R1、R2および/またはR3に変換される。例えば、
i)アルキルスルファニル基をアミンに変換する
ii)エステルをその酸に加水分解し、それをアルデヒドまたはアルコールに還元する
iii)ニトリルをアルデヒドまたはアミンに還元する
および/または
式Iの酸または塩基をその塩の1つに変換する。
【0080】
上記および下記において、R1、R2、R3、R4、BおよびXは、他にはっきりと定義されない限り、式Iにおいて意図した意味を有する。
【0081】
Aは、アルキルを意味し、非分枝(線状)か、または分枝しており、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチル、さらには、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチルまたはt−ブチル、さらにまた、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチル−プロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは、例えばトリフルオロメチルを意味する。
【0082】
Aは、まさに特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロメチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを意味する。Aは、また、シクロアルキルを意味する。
【0083】
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを好ましくは意味する。
【0084】
アルキレンは、好ましくは非分枝であり、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはペンチレンを好ましくは意味する。
【0085】
1は、A、OH、NH2、例えば、非置換であるか、またはHal、OA、AもしくはCOOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルなどの−(CH2)m−Ar’、または例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルもしくはピリジルなどの−(CH2)m−Het2を好ましくは意味する。
【0086】
Xが、Cを意味する場合、R1は、A、OH、例えば、非置換であるか、またはHal、OA、AもしくはCOOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルなどの−(CH2)m−Ar’、または例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルまたはピリジルなどの−(CH2)m−Het2を好ましくは意味する。
【0087】
XがNを意味する場合、R1は好ましくはNH2を意味する。
【0088】
XがCを意味する場合、R2は、H、CN、(CH2)o−Ar''、(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、ただし、Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを好ましくは意味し、
oは、0または1を好ましくは意味する。
【0089】
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2もしくはNA−アルキレン−NA2を意味し、ただし、Hetは、1から3個のNおよび/またはO原子を有しており、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい単環式飽和もしくは芳香族複素環を好ましくは意味し、
これに関して、Het1は、1から2個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環、あるいは
【0090】
【化9】

【0091】
を意味する。
【0092】
特に、Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリジル、フリル、チエニル
または
【0093】
【化10】

【0094】
を意味する。
【0095】
特に、Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル、
または
【0096】
【化11】

【0097】
を意味する。
【0098】
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを好ましくは意味し、そのそれぞれは、非置換であるか、またはHal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHもしくは−OCH2−COOHにより一置換、二置換もしくは三置換されている。
【0099】
アリールは、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)−フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)−フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)−フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、さらに2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを好ましくは意味する。
【0100】
Hetは、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を好ましくは意味し、それは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、OA、COOA、CN、−(CH2)p−Ar、−(CH2)t−OH、−(CH2)p−Het1もしくはカルボニル酸素(=O)により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい。
【0101】
Hetは、特に好ましくは、1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、それは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、ただし
Het1は、1から3個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環
または
【0102】
【化12】

【0103】
を好ましくは意味する。
【0104】
さらなる置換とはかかわりなく、Hetは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4オキサジニルを、さらに好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを意味する。
【0105】
複素環基は、また、部分的または完全に水素化されていてもよい。
【0106】
Hetは、したがって、また、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、より好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニル、またはさらに3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを意味することができる。
【0107】
さらなる実施形態において、Hetは、特に好ましくは、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、それらは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、ただし、Het1は、好ましくは、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0108】
【化13】

【0109】
を意味する。
【0110】
さらなる置換とはかかわりなく、非置換のHet1は、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、さらにより好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを意味する。
【0111】
複素環基は、また、部分的または完全に水素化されていてもよい。
【0112】
Het1は、したがって、また、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、さらにより好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)−フェニル、またはさらに3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル
または
【0113】
【化14】

【0114】
を意味することができる。
【0115】
Aによるさらなる置換とはかかわりなく、非置換のHet2は、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、さらにより好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを意味する。
【0116】
Het2は、好ましくは、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する非置換の単環式芳香族複素環を意味する。
【0117】
Aによるさらなる置換とはかかわりなく、非置換のHet3は、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、さらにより好ましくは、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを意味する。
【0118】
複素環基は、また、部分的または完全に水素化されていてもよい。
【0119】
Het3は、したがって、また、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニルを、さらにより好ましくは、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、またはさらに3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは、2,3−ジヒドロベンゾフラニルを意味する。
【0120】
Het4は、1から3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を好ましくは意味し、それは、非置換であるか、またはA、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2により一置換、二置換もしくは三置換されていてよく、ただし、Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを好ましくは意味する。
【0121】
Het4は、特に好ましくは、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、そのそれぞれは、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/もしくはAr2で置換されており、ただし、Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを好ましくは意味する。
【0122】
Ar1の意味において、ピペラジンジイルは、ピペラジン−1,4−ジイルを好ましくは意味する。Halは、好ましくは、F、ClまたはBrを意味するが、Iもまた意味し、特に好ましくはFまたはClである。
【0123】
本発明を通して、1回より多く現れるすべての基は、同じであるか、または異なることができ、すなわち互いに独立のものである。
【0124】
式Iの化合物は1つまたは複数のキラル中心を持つことができ、したがって、さまざまな立体異性形態で存在することができる。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
【0125】
したがって、本発明は、特に、少なくとも1つの前記基が、上で示した好ましい意味を有する式Iの化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群は、以下のサブ式IaからIgにより表すことができ、それは式Iに適合し、式中ことさら詳細に示されていない基は、式Iに対して示した意味を有しており、ただしその中で、
Iaにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Ibにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
6は、Het4を意味し、
Yは、Oを意味し、
Het4は、非置換であるか、またはCONHA、またはベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルで一置換されたピリジルを意味し、
Icにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、1を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、。
【0126】
Idにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、1、2、3または4を意味し、
Ieにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNH意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
Ifにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、1、2、3または4を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、1から2個のNおよび/またはO原子を有しており、非置換であるか、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい単環式飽和複素環を意味し、。
【0127】
Igにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
Ihにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、1、2、3または4を意味し、
Iiにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0を意味し、。
【0128】
Ijにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
Ikにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNHを意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
Ilにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNH意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、。
【0129】
Imにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
6は、Het4を意味し、
Yは、Oを意味し、
Het4は、非置換であるか、またはCONHA、またはベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルで一置換されたピリジルを意味し、
Inにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、。
【0130】
Ioにおいて、Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、1から3個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環
または
【0131】
【化15】

【0132】
を意味し、
Ipにおいて、Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0133】
【化16】

【0134】
を意味し、
Iqにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNHを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/もしくはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Irにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、1から2個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環
または
【0135】
【化17】

【0136】
を意味し、
Isにおいて、R4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し
Het4は、非置換であるか、またはA、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Itにおいて、Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/もしくはAr2で一置換されており、
Iuにおいて、R4は、4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル、4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチルまたは4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニルを意味し、そのピリジン基は、CONHCH3で置換されていてもよく、
Ivにおいて、Het1は、1から2個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環
または
【0137】
【化18】

【0138】
を意味し、
Iwにおいて、Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリジル
または
【0139】
【化19】

【0140】
を意味し、
Ixにおいて、Het2は、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する非置換単環式芳香族複素環を意味し、
Iyにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OA、COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H、CN、COOAまたはフェニルを意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Izにおいて、R2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H、CN、(CH2)oAr''、(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味し、
Iabにおいて、R1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Ar’または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar’は、非置換であるか、またはHal、OA、A、もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルまたはピリジルを意味し、。
【0141】
Iacにおいて、Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N、CHまたはC−CNを意味し、
1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Ar’または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar’は、非置換であるか、またはHal、OA、A、もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルまたはピリジルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H、CN、(CH2)oAr''、(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0142】
【化20】

【0143】
を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【0144】
【化21】

【0145】
も意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立して、H、Aまたは−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
X=Cの場合、
1とR2は、一緒になって−(CH2)4−も意味するか、または
2とR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−も意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味し、。
【0146】
Iadにおいて、Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N、CHまたはC−CNを意味し、
1は、A、OH、NH2、−(CH2)m−Ar’または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar’は、非置換であるか、またはHal、OA、A、もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する非置換単環式芳香族複素環を意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H、CN、(CH2)oAr''、(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味し、
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0147】
【化22】

【0148】
を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【0149】
【化23】

【0150】
も意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、非置換であるか、またはA、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立して、H、Aまたは−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
X=Cの場合、
1とR2は、一緒になって−(CH2)4−も意味するか、または
2とR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−も意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味し、。
【0151】
Iaeにおいて、Xは、Nを意味し、
Bは、N、CHまたはC−CNを意味し、
1は、NH2を意味し、
2は、存在せず、
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0152】
【化24】

【0153】
を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、R4とR5は、一緒になって
【0154】
【化25】

【0155】
も意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味し、。
【0156】
Iafにおいて、Xは、Nを意味し、
Bは、N、CHまたはC−CNを意味し、
1は、NH2を意味し、
2は、存在せず、
3は、H、A、−S−A、フェニル、NH−ベンジル、−(CH2)p−Het、NH−(CH2)p−Het、NA2、NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal、A、NHA、NA2、COOA、ベンジル、−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【0157】
【化26】

【0158】
を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【0159】
【化27】

【0160】
も意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、非置換であるか、またはA、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味し、
すべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体、および立体異性体である。
【0161】
式Iの化合物、および同様に、それらを調製するための出発材料は、別に、文献(例えば、Houben−WeylのMethoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg−Thieme−Verlag,Stuttgart等の標準的な著作物)に記載されているそれ自体知られている方法により、正確には既知であって前記反応に適した条件下で調製する。それ自体知られている別形を使用することもできるがここでさらに詳しく記述することはしない。
【0162】
必要に応じて、出発材料はまた、それらが反応混合物から分離せず、それよりむしろ直ちに式Iの化合物にさらに変換するように、元の位置で形成させることもできる。
【0163】
XがCを意味する式Iの化合物は、式IIの化合物を式IIIa、IIIbまたはIIIcの化合物と反応させることによって好ましくは得ることができる。
式IIの化合物は新規であり、式IIIa、IIIbおよびIIIcの化合物は一般に知られている。
その反応は、不活性溶媒中で、場合により有機塩基例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンなどの存在下で、一般に行う。使用する条件により、反応時間は、数分と14日の間であり、反応温度は約0℃と180℃の間、通常は25℃と160℃の間、特に好ましくは60℃と160℃の間である。
【0164】
適当な不活性溶媒は、例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の炭化水素類;トリクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムまたはジクロロメタン等の塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等のグリコールエーテル類;アセトンまたはブタノン等のケトン類;アセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;二硫化炭素;ギ酸または酢酸等のカルボン酸類;ニトロメタンまたはニトロベンゼン等のニトロ化合物類;酢酸エチル等のエステル類、あるいは前記溶媒の混合物である。
【0165】
XがNを意味し、R1がNH2を意味する式Iの化合物は、さらに好ましくは、式IIの化合物を式IIIdの化合物と反応させることによって得ることができる。式IIIdの化合物は一般に知られている。その反応は、不活性溶媒中、上で示した条件下で一般に行う。
【0166】
XがNを意味し、R1がH,A,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het3を意味し、R3が−S−Aを意味する式Iの化合物は、さらに好ましくは、式IIの化合物を式IIIeの化合物と反応させることによって得ることができる。式IIIdの化合物は一般に知られている。その反応は、不活性溶媒中、上で示した条件下で一般に行う。
【0167】
式Iの化合物を、1つまたは複数の基R1、R2、またはR3を1つまたは複数の異なる基R1、R2、またはR3に変換することによる別の式Iの化合物に、変換することもさらに可能であり、例えば、
a)アルキルスルファニル基をアミンに置換する
b)ニトロ基をアミノ基に還元する、例えばメタノールまたはエタノールなどの不活性溶媒中でラネーニッケルまたはPd/炭素上で水素化を行うことによる
b)エステル基をカルボキシル基に変換する
c)還元的アミノ化によりアミノ基をアルキル化アミンに変換する
d)アルコールと反応することによりカルボキシル基をエステル化する。
【0168】
アルキルスルファニル基をアミンに変換することは、アルキルスルファニル化合物を対応するアミンと不活性溶媒中で反応させることにより行われた。使用する条件により、反応時間は数分と14日の間であり、反応温度は約0℃と180℃の間、通常は25℃と160℃の間、特に好ましくは60℃と160℃の間である。
【0169】
さらに、遊離アミノ基は、通常の方法で、酸塩化物または酸無水物または非置換またはハロゲン化アルキルを用いたアルキル化により、有利にはジクロロメタンまたはTHFなどの不活性溶媒中、および/またはトリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下で、−60℃と+30℃との間の温度でアシル化することができる。
【0170】
所望により式Iの化合物中の機能的に修飾されたアミノ基および/またはヒドロキシル基は、通常の方法により加溶媒分解または水素化分解により遊離することができる。例えばNaOHまたはKOH水溶液、水/THFまたは水/ジオキサンを0℃から100℃の温度で実行することができる。
【0171】
エステルからアルデヒドまたはアルコールへの還元、またはニトリルからアルデヒドまたはアミンへの還元は当業者に公知の方法で行われ、有機化学の通常の著作物に記載されている。
【0172】
薬剤の塩およびその他の形態
本発明による前記化合物は、それらの最終的な塩ではない形態で使用することができる。他方、本発明はまた、技術的に知られている方法によりさまざまな有機および無機の酸および塩基から誘導することができる医薬品として許容されるこれら化合物の塩の形態でのそれらの使用に関する。式Iの化合物の医薬品として許容される塩の形態は、大部分を従来の方法により調製する。式Iの化合物が、カルボキシル基を含有する場合、その適当な塩の1つは、その化合物を適当な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を生じさせることにより形成することができる。上記塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属アルコキシド、例えば、カリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;およびさまざまな有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミン、N−メチルグルタミンなどがある。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iのいくつかの化合物の場合、酸付加塩は、これらの化合物を、医薬品として許容される有機酸および無機酸、例えば、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素等のハロゲン化水素、その他の無機酸および硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩および同種のものなど対応するそれらの塩、およびエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のアルキルおよびモノアリールスルホン酸、ならびにその他の有機酸、および、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、および同種のもの等対応するそれらの塩で処理することにより形成することができる。したがって、医薬品として許容される式Iの化合物の酸付加塩としては、以下のもの:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、硫酸ドデシル、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩が挙げられるが、これは、限定を意味しない。
【0173】
さらに、本発明による化合物の塩基塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄(III)塩、鉄(II)塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン(III)塩、マンガン(II)塩、カリウム塩、ナトリウム塩および亜鉛塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。上記の塩のうち、優先されるのは、アンモニウム塩、アルカリ金属塩のナトリウム塩およびカリウム塩、ならびにアルカリ土類金属塩のカルシウム塩およびマグネシウム塩である。医薬品として許容される毒性のない有機塩基から誘導される式Iの化合物の塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、天然の置換アミンも含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂も含む、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジクロロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0174】
塩基性窒素含有基を含有する本発明の化合物は、(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば、メチル、エチル、イソプロピルおよびt−ブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸、例えば、ジメチル、ジエチルおよびジアミル硫酸;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば、デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ならびにアリール(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチル等の作用物質を用いて第四級化することができる。水溶性および油溶性の両方の本発明による化合物を上記の塩を用いて調製することができる。
【0175】
上記のうちの好ましい薬剤の塩としては、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0176】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、その遊離の塩基の形態を十分な量の所望の酸と接触させて、従来どおりに塩を形成させることにより調製する。遊離の塩基は、その塩の形態を塩基と接触させて従来どおりに遊離の塩基を単離することにより再生させることができる。その遊離の塩基の形態は、極性溶媒中の溶解性等の本発明のためのある一定の物理的性質に関して、対応するその塩の形態とは異なるが、一方で、その塩は、その他の点において、そのそれぞれの遊離の塩基の形態に対応する。
【0177】
言及したように、医薬品として許容される式Iの化合物の塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン等の金属類またはアミン類により形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0178】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、その遊離の酸の形態を十分な量の所望の塩基と接触させて、従来どおりに塩を形成させることにより調製する。その遊離の酸は、その塩の形態を酸と接触させて従来どおりに遊離の酸を単離することにより再生させることができる。その遊離の酸の形態は、極性溶媒中の溶解性等の本発明のためのある一定の物理的性質に関して、対応するその塩の形態とは異なるが、一方で、その塩は、その他の点において、そのそれぞれの遊離の酸の形態に対応する。
【0179】
本発明による化合物が、このタイプの医薬品として許容される塩を形成することができる複数の基を含有する場合、本発明はまた、多塩も包含する。典型的な多塩の形態としては、例えば、酸性酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0180】
上で述べたことに関しては、現在の関連における「医薬品として許容される塩」という表現は、特にこの塩の形態が、活性成分の遊離の形態または以前に使用された活性成分のいずれか別の塩の形態と比較してその活性成分に改良された薬物動態学的特性を与える場合に、式Iの化合物をその塩の1つの形態で含む活性成分を意味すると捉えるものと理解することができる。活性成分の医薬品として許容される塩の形態はまた、この活性成分にそれが以前は有していなかった望ましい薬物動態学的特性を初めて提供し、体内におけるその治療効果に対するこの活性成分の薬力学についての好ましい影響を有することさえできる。
【0181】
本発明はまた、式I−1の中間体化合物
【0182】
【化28】

【0183】
(式中、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒になって
【0184】
【化29】

【0185】
を意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Yは、O,S,−(CH2qまたはNHを意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Het4は、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を好ましくは意味し、それは、非置換であるか、またはHal、A、CONH2、CONHA、CONA2またはAr2により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい、
Ar2は、非置換であるか、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2もしくはSO2Aにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1から10の炭素原子を有するアルキルを意味し、さらに、1から7の水素原子がフッ素および/または塩素で置換されていても良い、
nは、0または1を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
さらにAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまた、Hまたは1から6の炭素原子を有するアルキルを意味し、
および、それらの溶媒和物、塩および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)に関する。
【0186】
好ましくは式I−1の次の化合物が与えられ、式中、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒になって
【0187】
【化30】

【0188】
を意味し、
6は、Het4、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれは非置換またはCONHA、Aおよび/またはAr2により一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるかAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1から10の炭素原子を有するアルキルを意味し、さらに、1から7の水素原子がフッ素および/または塩素で置換されていても良い、
nは、0または1を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
さらにAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまた、Hまたは1から6の炭素原子を有するアルキルを意味し、
および、それらの溶媒和物、塩および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)に関する。
【0189】
本発明は、さらに、少なくとも1つの式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびに場合により賦形剤および/または補助剤を含む薬剤に関する。
【0190】
医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。上記単位は、処置する状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態により、例えば、本発明による化合物の0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、特に好ましくは5mgから100mgを含むことができ、または医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。好ましい投薬単位の製剤は、有効成分の上で示した1日量または分割投与量、あるいは対応するそれらの画分を含むものである。さらに、この型の医薬品製剤は、医薬品技術において一般に知られている方法を使用して調製することができる。
【0191】
医薬品製剤は、任意の望ましい適切な方法、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)の方法による投与に適合させることができる。上記製剤は、例えば、有効成分を賦形剤(1つまたは複数)または補助剤(1つまたは複数)と組み合わせることにより、医薬品技術において知られているすべての方法を使用して調製することができる。
【0192】
経口投与に適合する医薬品製剤は、例えばカプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用気泡または気泡食品;あるいは水中油滴型乳濁液または油中水滴型乳濁液等の独立単位として投与することができる。
【0193】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形の経口投与の場合、有効成分要素は、例えばエタノール、グリセロール、水および同種のものなど、経口で、毒性がなく、医薬品に許容される不活性の賦形剤と組み合わせることができる。粉末は、化合物を適当な細かい粒度に粉砕し、それを同じように粉砕した医薬品用賦形剤、例えば食用になる炭水化物等、例えばデンプンまたはマンニトール等と混合することにより調製する。香料、防腐剤、分散剤および染料をさらに存在させることができる。
【0194】
カプセルは、粉末混合物を上記のように調製し、成型したゼラチンの殻にそれを充填することにより製造する。例えば、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固形のポリエチレングリコール等の流動促進剤および滑剤を充填作業の前に粉末混合物に添加することができる。例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム等の錠剤分解物質または可溶化剤を、カプセルが摂取された後の薬剤の有効性を改良するためにさらに加えることができる。
【0195】
さらに、所望によりまたは必要に応じて、適当な結合剤、滑剤および錠剤分解物質ならびに染料をその混合物中にさらに組み込むことができる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖例えばグルコースまたはβ−ラクトース等、トウモロコシからつくった甘味料、天然および合成ゴム例えばアラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム等、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス類などが挙げられる。これらの剤形に使用される滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。錠剤分解物質としては、それらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、その混合物を粒状にするか乾式プレスにかけ、滑剤および錠剤分解物質を加え、全体の混合物を加圧成型して錠剤を生じさせることにより製剤化する。粉末混合物は、適当な方法で粉砕した化合物を、上記のような希釈剤または基材および場合により結合剤例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン等、溶解遅延剤例えばパラフィン等、吸収促進剤例えば第四級塩等、および/または吸収剤例えばベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウム等と混合することにより調製する。粉末混合物は、それを結合剤例えばシロップ、デンプン糊、アカディア(acadia)粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液等、で湿潤させ、それを加圧して篩を通すことにより顆粒状にすることができる。顆粒化の別法として、粉末混合物を打錠器に通し、不均一の形状の塊を生じさせてそれを破砕して顆粒を形成させることもできる。その顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油を添加して錠剤の鋳型へのくっつきを防止するように滑らかにすることができる。その滑らかにした混合物を、次に加圧して錠剤を生じさせる。本発明による化合物はまた、自由に流れる不活性賦形剤と混合し、次いで、顆粒化または乾式プレスのステップを行わずに直接加圧して錠剤を生じさせることもできる。セラックシール層、糖またはポリマー材料の層からなる透明または不透明な保護層およびワックスの光沢層が存在してもよい。異なる用量単位の間を区別することができるように、染料をこれらのコーティングに添加することができる。
【0196】
経口液例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤等は、所定量が化合物の事前に特定した量を含むように用量単位の形で調製することができる。シロップは適当な香料の水溶液中に化合物を溶解することによって調製することができ、一方、エリキシル剤は毒性のないアルコール媒体を使用して調製する。懸濁剤は毒性のない媒体中に化合物を分散させることによって製剤化することができる。可溶化剤および乳化剤例えばエトキシレート化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類等、防腐剤、香料添加剤例えばペパーミント油等、あるいは天然甘味料もしくはサッカリン、またはその他の人工甘味料などをさらに添加することができる。
【0197】
経口投与のための用量単位の製剤は、所望に応じて、マイクロカプセルに封入することができる。その製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスおよび同種のもの中の粒子材料のコーティングまたは埋め込みによって、放出が延長または遅延するように調製することができる。
【0198】
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、例えば小さい単層小胞、大きい単層小胞および多層小胞等のリポソーム送達系の形で投与することができる。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン等さまざまなリン脂質から形成することができる。
【0199】
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、化合物分子が結合する個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達することもできる。該化合物はまた、目標の薬剤の担体としての可溶性ポリマーに結合させることもできる。上記ポリマーは、パルミトイル基により置換されている、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリシンを包含し得る。該化合物は、さらに、薬剤の制御放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリラート、およびヒドロゲルの橋かけまたは両親媒性ブロック共重合体に結合させることができる。
【0200】
経皮的投与に適合する医薬品製剤は、レシピエントの表皮に伸ばして密接に接触させる独立した硬膏剤として投与することができる。かくして、例えば、有効成分は、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)中、一般用語で記載されているイオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
【0201】
局所投与に適合する医薬品化合物は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤または油剤として製剤化することができる。
【0202】
眼またはその他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療のためには、製剤は、好ましくは局所の軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を与える製剤の場合、有効成分はパラフィンまたは水混和性のクリーム基剤のいずれかと共に使用することができる。別法では、有効成分は水中油滴型クリーム基剤または油中水滴型基剤により製剤化して、クリーム剤を生じさせることができる。
【0203】
眼の局所適用に対応する医薬品製剤としては点眼液が挙げられ、その有効成分は適当な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁させる。
【0204】
口中の局所適用に対応する医薬品製剤としては、トローチ剤、パステル剤およびうがい薬が含まれる。
【0205】
直腸投与に適合する医薬品製剤は、座剤または浣腸剤の形で投与することができる。
【0206】
担体物質が固体である経鼻投与に適合する医薬品製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末を含み、それは、鼻呼吸をするやり方で、すなわち、鼻の近くに保持した粉末を含有する容器から鼻腔を通して急速に吸入することにより投与される。担体物質が液体の鼻腔用スプレーまたは鼻点滴剤としての投与に適した製剤は、水または油中の有効成分の溶液を含む。
【0207】
吸入による投与に適合する医薬品製剤は、微細な粒子状粉末または霧を含み、それはさまざまな型のエアロゾルの加圧容器、噴霧器または吸入器により発生させることができる。
【0208】
膣投与に適合する医薬品製剤は、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫またはスプレー製剤として投与することができる。
【0209】
非経口的投与に適合する医薬品製剤としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤および溶質を含んでおり、それを用いて製剤を治療されるレシピエントの血液と等張にする水性および非水性の無菌の注射液、ならびに懸濁媒体および増粘剤を含むことができる水性および非水性の無菌の懸濁剤が挙げられる。その製剤は、単回投与または複数回投与の容器、例えば密閉したアンプルおよびガラス瓶で投与することができ、使用直前に無菌の担体液(例えば注射のための水)の添加のみが必要であるように凍結乾燥した状態で保存することができる。処方せんにしたがって調製される注射液または懸濁剤は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0210】
上で特に言及した構成要素に加えて、該製剤が、独特のタイプの製剤に対して技術的に通常のその他の作用物質も含むことができることは言うまでも無く、したがって、例えば、経口投与に適する製剤は香料を含むことができる。
【0211】
式Iの化合物の治療有効量は、例えば、その動物の年齢と体重、治療を必要とする正確な状態、およびその重傷度、製剤の性質および投与の方法を含む多数の要因に依存し、最終的には治療をする医師または獣医により決定される。しかしながら、腫瘍性増殖、例えば結腸癌または乳癌の治療のための本発明による化合物の有効量は、一般に、1日にレシピエント(哺乳類)の体重1kg当たりの0.1から100mgの範囲、特に、典型的には、1日に体重1kg当たりの1から10mgの範囲である。したがって、体重70kgの成熟した哺乳類に対する1日当たりの実際量は、通常、70と700mgの間であり、この量は、1日当たりの単回投与量として、または通常は、全体の1日の投与量が同じになるように1日当たりの連続した分割投与量(例えば、2回、3回、4回、5回または6回等)として投与することができる。塩または溶媒和物あるいはそれらの生理的に機能する誘導体の有効量は、本発明による化合物それ自体の有効量の一部分として決定することができる。同様の投与量が上記のその他の状態の治療に対して適しているものと見なすことができる。
【0212】
本発明は、その上、少なくとも1つの式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体と、少なくとも1つのさらなる薬剤有効成分を含む薬剤に関する。
【0213】
本発明はまた、
(a)式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体の有効量と、
(b)さらなる薬剤有効成分の有効量
の別々のパックからなるセット(キット)に関する。
【0214】
該セットは、箱、個々の瓶、袋またはアンプル等の適当な容器よりなる。そのセットは、例えば、それぞれが有効量の式Iの化合物ならびに/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体と、有効量のさらなる薬剤有効成分を、溶解された形または凍結乾燥された形で含む。
【0215】
(使用)
本化合物は、チロシンキナーゼにより誘発される疾患の治療における、哺乳類特に人に対する医薬品有効成分として適している。これらの疾患としては、腫瘍細胞の増殖、固形腫瘍の増殖を促進するする病的な新血管形成(または血管新生)、眼の新血管形成(糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症など)および炎症(乾癬、関節リウマチなど)が挙げられる。
【0216】
本発明は、式Iの化合物および/またはそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物の、癌の治療および予防のための薬剤を調製するための使用を含む。治療のため選択される癌腫は、脳癌、尿生殖路癌、リンパ系の癌、胃癌、喉頭癌および肺癌の群から始まる。選択される癌の形態のさらなる群は、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽腫および乳癌である。
【0217】
同様に含まれるのは、式Iの化合物および/またはそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物の、血管新生が関与する疾患の治療または予防のための薬剤を調製するための使用である。
【0218】
血管新生が関与する上記疾患は、網膜血管新生、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症および同種のもの等の眼疾患である。
【0219】
式Iの化合物ならびに/またはそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物の、炎症性疾患の治療または予防のための薬剤を調製するための使用も、また、本発明の範囲に含まれる。上記炎症性疾患の例としては、関節リウマチ、乾癬、接触性皮膚炎、遅延型過敏反応などが挙げられる。
【0220】
同様に含まれるのは、本発明による化合物ならびに/またはそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物の、哺乳類におけるチロシンキナーゼ誘発性疾患もしくはチロシンキナーゼ誘発性状態の治療または予防のための薬剤を調製するための使用であって、この方法は、本発明による化合物の治療有効量を、上記治療を必要としている病気の哺乳動物に投与する。その治療量は、その特定の疾患によって変化し、必要以上の努力無しで当該技術に熟達した者によって決定され得る。
【0221】
本発明はまた、請求項1による本発明の化合物ならびに/またはそれらの生理的に許容される塩および溶媒和物の、網膜血管新生の治療または予防のための薬剤を調製するための使用を含む。
【0222】
糖尿病性網膜症および加齢黄斑変性症等の眼疾患の治療または予防のための方法は、同じく本発明の一部である。関節リウマチ、乾癬、接触性皮膚炎および遅延型過敏反応等の炎症性疾患の治療または予防、ならびに骨肉腫、骨関節炎およびクル病の群に由来する骨の病態の治療または予防のための使用は、同じく本発明の範囲に含まれる。
【0223】
「チロシンキナーゼ誘発性疾患または状態」という表現は、1つまたは複数のキナーゼの活動によって決まる病的状態を指す。チロシンキナーゼは、増殖、接着ならびに遊走および分化を含むさまざまな細胞活動のシグナル伝達経路に直接または間接的に参加する。チロシンキナーゼ活性と関連する疾患としては、腫瘍細胞の増殖、固形腫瘍の増殖を促進する病的な新血管形成、眼の新血管形成(糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症など)および炎症(乾癬、関節リウマチなど)が挙げられる。
【0224】
本発明による化合物は、癌の治療のために患者に投与することができる。本化合物は、腫瘍の血管新生を阻害し、それにより腫瘍の増殖に影響を及ぼす(J.Rakら、Cancer Research,55:4575〜4580,1995)。本発明による化合物の血管新生阻害特性はまた、網膜新生血管と関係するある一定の形の失明の治療にも適している。
【0225】
本発明による化合物はまた、癌化骨軟化症としても知られる、骨肉腫、骨関節炎およびクル病(Hasegawaら,Skeletal Radiol.28,pp.41〜45,1999;Gerberら、Nature Medicine,Vol.5,No.6,pp.623〜628,June 1999)等のある骨の病態の治療にも適している。VEGFは、成熟した破骨細胞中に発現するKDR/Flk−1を介して破骨細胞の骨吸収を直接促進するため(FEBS Let.473:161〜164(2000);Endocrinology,141:1667(2000))、本化合物はまた、骨粗鬆症およびパジェット病等の骨吸収と関係する状態の治療および予防にも適する。
【0226】
該化合物はまた、脳卒中等の脳の虚血の発症の後に起こる組織障害を、虚血に続く脳水腫、組織障害および再灌流傷害を減少することによって(Drug News Perspect 11:265〜270(1998);J.Clin.Invest.104:1613〜1620(1999))、減少または予防するために使用することができる。
【0227】
説明したとおり、前記シグナル経路は種々の疾患に関連している。したがって、1つまたは複数の前記シグナル経路の相互作用により、本発明の化合物は、前記シグナル経路に依存する疾患の予防および/または処置において有益である。
【0228】
本発明の化合物は好ましくはキナーゼ修飾物質であり、より好ましくはキナーゼ阻害剤である。本発明によると、キナーゼには、それだけに限定されるのではないが、1つまたは複数のRafキナーゼ、1つまたは複数のVEGFRキナーゼ、1つまたは複数のPDGFRキナーゼ、p38キナーゼおよび/またはSAPK2αが含まれる。
【0229】
本発明は、式Iの化合物およびすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体を、キナーゼシグナル伝達の阻害、制御および/または調節が役割を果たしている疾患の処置のための医薬品の調整のために使用することに関する。
【0230】
好ましくは、チロシンキナーゼの群から選択されるキナーゼがここで与えられる。
前記チロシンキナーゼは好ましくは、TIE−2,VEGFR,PDGFR,FGFRおよび/またはFLT/KDRである。
【0231】
請求項1による化合物によるチロシンキナーゼの阻害により影響される疾患を治療する薬剤を調製するための、式Iの化合物、ならびにすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体の使用が選択される。
【0232】
請求項1による化合物によるTIE−2、VEGFR、PDGFR、FGFRおよび/またはFLT/KDRの阻害により影響される疾患を治療する薬剤を調製するための使用が特に選択される。
【0233】
特別な選択は、疾患が固形腫瘍である疾患の治療のための使用に与えられる。
【0234】
前記固形腫瘍は、好ましくは、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭部および頸部、食道、頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭および/または肺の腫瘍の群から選択される。
【0235】
前記固形腫瘍は、さらに好ましくは、肺腺腫癌、小細胞癌、膵臓癌、膠芽細胞腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
【0236】
優先的には、血液および免疫系の腫瘍の処置のための使用であり、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍の処置のための使用である。
【0237】
本発明は、さらに式Iの化合物の、血管新生が関与する疾患の治療のための使用に関する。
該疾患は好ましくは眼疾患である。
本発明は、さらに、網膜血管新生、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症および/または炎症性疾患の治療のための使用に関する。
【0238】
該炎症性疾患は、好ましくは、関節リウマチ、乾癬、接触性皮膚炎および遅延型過敏反応からなる群から選択される。
【0239】
本発明は、さらに、式Iの化合物の、骨の病態の治療のためであって、該骨の病態が、骨肉腫、骨関節炎およびクル病の群を起源とするものである使用に関する。
【0240】
式Iの化合物はまた、治療中の状態に対してそれらが特に有用であるために選択される他のよく知られた治療薬と同時に投与することもできる。例えば、骨の状態の場合、有利である組み合わせとしては、アレンドロネートおよびリセドロネート等の再吸収抑制性ビスフォスフォネート、αvβ3拮抗薬等のインテグリン遮断薬(以下でさらに明らかにする)、プレムプロ(Prempro)(登録商標)、プレマリン(Premarin)(登録商標)およびEndometrion(登録商標)等のホルモン補充療法で使用される共役エストロゲン;ラロキシフェン、ドロロキシフェン、CP−336,156(Pfizer)およびラソフォキシフェン(lasofoxifene)等の選択的エストロゲン受容体調節物質(SERM)、カテプシンK阻害薬、およびATPプロトンポンプ阻害薬とのものが挙げられる。
【0241】
本化合物はまた、既知の抗癌剤との組み合わせにも適している。これらの既知の抗癌剤としては、以下の:エストロゲン受容体調節物質、アンドロゲン受容体調節物質、レチノイド受容体調節物質、細胞傷害性作用物質、抗増殖性作用物質、プレニル化タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、HIVプロテアーゼ阻害薬、逆転写酵素阻害薬およびその他の血管新生阻害薬が挙げられる。本化合物は、放射線治療と同時に投与するのに特に適している。放射線治療との組み合わせにおけるVEGF阻害の相乗効果が技術的に記載されている(WO00/61186参照)。
【0242】
「エストロゲン受容体調節物質」とは、その機構は無視して、エストロゲンの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体調節物質の例としては、非限定で、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−l−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)フェニル2,2−ジメチルプロパノアート、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンおよびSH646が挙げられる。
【0243】
「アンドロゲン受容体調節物質」とは、機構は無視して、アンドロゲンの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体調節物質の例としては、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害薬、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよび酢酸アビラテロンが挙げられる。
【0244】
「レチノイド受容体調節物質」とは、機構は無視して、レチノイドの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。上記レチノイド受容体調節物質の例としては、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4'−ヒドロキシフェニル)レチナミドおよびN−4−カルボキシフェニルレチナミドが挙げられる。
【0245】
「細胞傷害性作用物質」とは、主として細胞機能に対する直接作用によるかまたは細胞減数分裂を伴う阻害もしくは干渉により細胞死をもたらす化合物を指し、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、マイクロチューブリン阻害薬およびトポイソメラーゼ阻害薬が含まれる。
【0246】
細胞傷害性作用物質の例としては、非限定で、チラパザミン、セルテネフ、カケクチン、イフォスアミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモロゾマイド、ヘプタプラチン(heptaplatin)、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス)ビス−μ−(ヘキサン−1,6−ジアミン)μ−[ジアミン白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−l0−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトザントロン、ピラルビシン、ピナフィド(pinafide)、バイルビシン(valrubicin)、アムルビシン、アンチネオプラストン、3'−デアミノ−3'−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン(galarubicin)、エリナフィド、MEN10755および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニルダウノルビシンが挙げられる(WO00/50032参照)。
【0247】
マイクロチューブリン阻害薬の例としては、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3',4'−ジデヒドロ−4'−デオキシ−8'−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オウリスターチン(auristatin)、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、無水ビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258およびBMS188797が挙げられる。
【0248】
トポイソメラーゼ阻害薬のいくつかの例は、トポテカン、ヒカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3',4'−O−エキソベンジリデンシャルトルーシン(chartreusin)、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3',4':b,7]インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル](20S)−カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2'−ジメチルアミノ−2'−デオキシエトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−l−カルボキシアミド、アスラクライン(asulacrine)、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3',4':6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]フォルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキシアミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オンおよびジメスナである。
【0249】
「抗増殖性作用物質」としては、アンチセンスRNAおよびアンチセンスDNAのオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、INX3001など、および、代謝拮抗物質、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフル、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスファート、フォステアビン水酸化ナトリウム(fosteabine sodium hydrate)、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2'−デオキシ−2'−メチリデンシチジン、2'−フルオロメチレン−2'−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾルリル)スルホニル]−N'−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノヘプトピラノシル]アデニン、アピリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b]−1,4−チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−フォルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワンソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2'−シアノ−2'−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンなどが挙げられる。「抗増殖性作用物質」としてはまた、「血管新生阻害薬」のもとで掲げたもの以外のトラスツズマブ等の増殖因子に対するモノクローナル抗体、および組換えウイルスが介在する遺伝子により送達することができるp53等の腫瘍抑制遺伝子導入も含まれる(例えば、米国特許第6069134号参照)。
【0250】
本発明は、さらに、疾患を治療する薬剤を調製するための式Iの化合物の使用に関するものであり、その疾患は血管新生障害を特徴とする。その疾患は好ましくは癌性の疾患である。
血管新生障害は、VEGFR−1、VEGRF−2および/またはVEGFR−3活性が阻害されることにより好ましくはもたらされる。
したがって、VEGRF−2活性を阻害する薬剤を調製するための本発明による化合物の使用もまた特に優先される。
【0251】
アッセイ法
実施例に記載した本発明による化合物は、下記のアッセイ法により試験し、キナーゼ阻害活性を有することが見出された。他のアッセイ法は、文献から知られており当業者により容易に実施することができよう(例えば、Dhanabalら、Cancer Res.59:189〜197;Xinら、J.Biol.Chem.274:9116〜9121;Sheuら、Anticancer Res.18:4435〜4441;Ausprunkら、Dev.Biol.38:237〜248;Gimbroneら、J.Natl.Cancer Inst.52:413〜427;Nicosiaら、In Vitro 18:538〜549を参照)。
【0252】
一般に、本発明による化合物は、適切なキナーゼ調節物質、特に、それらが、好ましくは1つまたは複数のキナーゼ、好ましくは1つまたは複数のrafキナーゼに対して、IC50値として測定して100μmol以下、好ましくは10μmol以下の範囲、より好ましくは3μmol以下の範囲、さらにより好ましくは1μmol以下の範囲、最も好ましくはナノモルの範囲に1つの効果または1つの活性を示す場合、本発明による適切なキナーゼ阻害薬として認識すべきである。本発明による使用に対して特に好ましいのは、上文/下文で定義されているキナーゼ阻害薬であり、それはIC50値として測定して、0.5μmol以下の範囲、特に0.1μmol以下の範囲の1つまたは複数のrafキナーゼに対して活性を示す。多くの場合与えられた範囲の下端のIC50値が有利であり、場合によってその1つのIC50値ができるだけ小さいこと、またはその複数のIC50値ができるだけ小さいことが非常に望ましいが、一般に、上で示した上限と下限の間で、0.0001μmol、0.001μmol、0.01μmolまたは0.1μmolの上さえ含む範囲にあるIC50値が、所望の薬剤活性を示すには十分である。しかしながら、測定される活性度は、それぞれの試験系または選択されたアッセイ法によって変動し得る。
【0253】
別法では、本発明による化合物の有利な生物活性は、インビトロ増殖アッセイ法またはインビトロ成長アッセイ法等のインビトロアッセイ法において容易に証明することができる。適当なインビトロアッセイ法は、例えば本明細書に引用した文献およびその文献に引用されている参照から技術的に知られているか、または以下に記載のように実行することができ、またはそれと類似のやり方で展開し、かつ/または実行することができる。
【0254】
インビトロ成長アッセイ法についての例として、ヒト腫瘍細胞株、例えば、変異K−Ras遺伝子を含有するHCT116、DLD−1またはMiaPaCaを、例えばプラスチック上の足場依存性成長または軟寒天中の足場非依存性成長の標準的な増殖アッセイ法で使用することができる。ヒト腫瘍細胞株は、例えばATCC(ロックビル、米国メリーランド州)から市販されており、技術的に知られている方法により、例えば、10%の熱で不活性にしたウシ胎仔血清および200mMのグルタミンによるRPMI中で培養することができる。細胞培養媒体、ウシ胎仔血清および添加剤類は、例えばInvitrogen/Gibco/BRL(カルルスルーエ、ドイツ)および/またはQRH Biosciences(レネクサ、米国カンザス州)から市販されている。足場依存性成長に対する標準的な増殖アッセイにおいては、3×103個の細胞を、96ウェルの組織培養プレート中に播種し、例えば、5%CO2インキュベーター中に37℃で一晩置いたままにすることができる。化合物は、希釈系列をなす媒体中に滴下し、96ウェルの細胞培養液に加えることができる。細胞は、例えば、1日から5日間成長させ、一般的には、媒体を含有する新鮮な化合物を成長期間の約半分の時間、例えば、細胞を5日間成長させる場合は3日目に供給する。増殖は、技術的に知られている方法、例えば、1μCuの3Hチミジンで8時間培養した後の3HチミジンのDNA中への取り込みを、セルハーベスターを用いて細胞をガラス繊維マット上に収穫し、液体シンチレーション計測、またはクリスタルバイオレット染色等の染色法によって測定することによる、標準的なELISAプレートリーダによりOD490/560において測定される標準的なXTT比色アッセイ(Boehringer Mannheim)による代謝活性の測定などにより観察することができる。他の適当な細胞アッセイシステムも技術的に知られている。
【0255】
足場非依存性細胞成長に対する別法では、細胞は、例えば、24ウェルの組織培養プレート中で、RPMI完全培地中にわずか0.64%の寒天を含有する底層を覆っているRPMI完全培地中の0.4%のシープラーク(Seaplaque)アガロース中に1×103個から3×103個蒔くことができる。希釈した一連の化合物を加えた完全培地をウェルに加え、例えば、5%CO2インキュベーター中に37℃で十分な時間、例えば10〜14日間、好ましくは、化合物を含有する新鮮な媒体の供給を一般的には3〜4日の間隔で繰り返しながら培養することができる。当技術分野で既知の方法、例えばイメージプロプラス(Image Pro Plus)またはメディアサイバネティクス(media Cybernetics)等のイメージキャプチャー技術およびイメージ分析ソフトウェアを使用して、コロニー形成および全体の細胞集団は観察することができ、平均のコロニーの大きさおよびコロニーの数を、定量化することができる。
【0256】
VEGF受容体キナーゼアッセイ法
VEGF受容体キナーゼ活性は、放射標識されたリン酸塩を4:1のポリグルタミン酸/チロシン基質(pEY)に組み込むことによって測定する。リン酸化したpEY生成物は、フィルター膜に捕捉され、放射標識されたリン酸塩の組み込みが、シンチレーション計数により定量化される。
【0257】
材料
VEGF受容体キナーゼ
ヒトKDRの細胞間チロシンキナーゼドメイン(Terman,B.I.ら、Oncogene(1991)Vol.6,pp.1677〜1683.)およびFlt−1(Shibuya,M.ら、Oncogene(1990)Vol.5,pp.519〜524)は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子融合タンパク質としてクローン化した。これは、GST遺伝子のカルボキシル末端におけるインフレーム融合物としてのKDRキナーゼの細胞質ドメインをクローン化することによって達成された。可溶性組換え型GSTキナーゼドメイン融合タンパク質を、バキュロウイルス発現ベクター(pAcG2T、Pharmingen社)を使用してヨトウガ(Spodoptera frugiperda(Sf21))由来昆虫細胞(Invitrogen社)中に発現させた。
【0258】
溶解緩衝液
50mMのトリス(pH7.4)、0.5MのNaCl、5mMのDTT、1mMのEDTA、0.5%のトリトンX−100、10%のグリセロール、ロイペプチン、ペプスタチン、アプロチニンの各10mg/ml、および1mMのフェニルメチルスルホニルフッ化物(すべてSigma社)。
【0259】
洗浄緩衝液
50mMのトリス(pH7.4)、0.5MのNaCl、5mMのDTT、1mMのEDTA、0.05%のトリトンX−100、10%のグリセロール、ロイペプチン、ペプスタチン、アプロチニンの各10mg/ml、および1mMのフェニルメチルスルホニルフッ化物
透析用緩衝液
50mMのトリス(pH7.4)、0.5MのNaCl、5mMのDTT、1mMのEDTA、0.05%のトリトンX−100、50%のグリセロール、ロイペプチン、ペプスタチン、アプロチニンの各10mg/ml、および1mMのフェニルメチルスルホニルフッ化物。
【0260】
10×反応緩衝液
200mMのトリス(pH7.4)、1.0MのNaCl、50mMのMnCl2、10mMのDTTおよび5mg/mlのウシ血清アルブミン[BSA](Sigma社)
酵素希釈緩衝液
50mMのトリス(pH7.4)、0.1MのNaCl、1mMのDTT、10%のグリセロール、100mg/mlのBSA。
【0261】
10×基質
750μg/mlのポリ(グルタミン酸/チロシン;4:1)(Sigma社)
停止溶液
30%トリクロロ酢酸、0.2Mのピロリン酸ナトリウム(いずれもFisher社)
洗浄溶液
15%トリクロロ酢酸、0.2Mのピロリン酸ナトリウム
フィルタープレート
ミリポア#MAFC NOB、GF/Cグラスファイバー 96−ウェルプレート。
【0262】
方法A−タンパク質精製
1.Sf21細胞に、5ウイルス粒子/細胞の感染多重度の組換えウイルスにより感染させ、27℃で48時間培養した。
【0263】
2.すべてのステップを4℃で実施した。感染した細胞は、1000×gで遠心分離することにより収集し、1/10容の溶解緩衝液により4℃で30分間溶解させ、続いて100.000×gで1時間の遠心分離をした。その上清を次に溶解緩衝液で平衡化させたグルタチオンセファローズカラム(Pharmacia社)に通し、5容の同じ緩衝液、続いて5容の洗浄緩衝液で洗浄した。組換え型GST−KDRタンパク質を洗浄緩衝液/10mMの還元グルタチオン(Sigma社)により溶出し、透析用緩衝液に向かって透析させた。
【0264】
方法B−VEGF受容体キナーゼアッセイ
1.50%DMSO中のアッセイに5μlの阻害薬または対照を加える
2.5μlの10×反応緩衝液、5μlの25mM ATP/10μCi[33P]ATP(Amersham社)および5μlの10×基質を含有する35μlの反応混合物を加える
3.酵素希釈緩衝液中の10μlのKDR(25nM)を添加することにより反応を開始させる
4.混合し、室温で15分間培養する
5.50μlの停止溶液を加えて反応を停止させる
6.4℃で15分間培養する
7.90μlのアリコートをフィルタープレートに移す
8.吸引し、洗浄溶液により3回洗浄する
9.30μlのシンチレーションカクテルを加え、プレートをシールし、Wallace Microbetaシンチレーションカウンターで数える。
【0265】
ヒト臍静脈内皮細胞有糸分裂誘発アッセイ
増殖因子に対して細胞分裂応答を仲介するVEGF受容体の発現は、血管内皮細胞に大部分は限定される。培養液中のヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)は、VEGFの処置により増殖し、VEGF刺激に対するKDRキナーゼ阻害薬の影響を数量化するアッセイ系として使用することができる。記載されているアッセイにおいて、静止状態のHUVECの単層は、VEGFまたは塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の添加2時間前に、媒体または試験化合物で処理する。VEGFまたはbFGFに対する細胞分裂の応答は、[3H]チミジンの細胞DNAへの取り込みを計量することによって測定する。
【0266】
材料
HUVEC
初代培養単離品としての凍結HUVECを、クロネティクス社(Clonetics Corp.)から購入する。その細胞は、内皮増殖培地(EGM;クロネティクス社)で得られ、継代3〜7における分裂促進アッセイに使用する。
【0267】
培養皿
NUNCLON 96ウェルポリスチレン組織培養皿(NUNC #167008)
アッセイ培地
1g/mlのグルコース(低グルコースDMEM;Mediatech社)と10%(V/V)のウシ胎仔血清(Clonetics社)を含有するダルベッコ変法イーグル培地
試験化合物
試験化合物の作業原液は、100%ジメチルスルホキシド(DMSO)中に、それらの望ましい最終濃度の400倍の大きさに希釈する。1倍濃度への最終の希釈は、細胞に加える直前にアッセイ培地中で行った。
【0268】
10×増殖因子
ヒトVEGF165(500ng/ml;R&D Systems社)およびbFGF(10ng/ml;R&D Systems社)の溶液をアッセイ培地中で調製する。
10×[3H]チミジン
[メチル−3H]チミジン(20Ci/mmol;Dupont-NEN社)を低グルコースDMEM培地中80μCi/mlに希釈する。
【0269】
細胞洗浄培地
1mg/mlのウシ血清アルブミン(Boehringer-Mannheim社)を含有するハンクの平衡塩類溶液(Hank's balanced salt solution)
細胞溶解液
1N NaOH、2%(w/v)のNa2CO3
【0270】
方法1
EGM中に保存したHUVEC単層を、トリプシン化によって収集し、96ウェルプレートに1ウェル当たり100μlのアッセイ培地につき4000個の細胞密度で蒔く。5%のCO2を含有する湿った雰囲気中、37℃で24時間にわたり細胞増殖を阻止する。
【0271】
方法2
増殖阻止培地を、媒体(0.25%[v/v]のDMSO)または望ましい最終濃度の試験化合物のいずれかを含有する100μlのアッセイ培地により置換する。測定はすべて3回繰り返して行う。細胞を次に、試験化合物が細胞に入るようにするため、37℃/5%CO2で2時間培養する。
【0272】
方法3
2時間にわたる前処理の後、細胞を、アッセイ培地、10×VEGH溶液または10×bFGF溶液のいずれかの10μl/ウェルを添加して刺激する。細胞を次に37℃/5%CO2で培養する。
【0273】
方法4
24時間後、増殖因子の存在下、10×[3H]チミジン(10μl/ウェル)を加える。
【0274】
方法5
3H]チミジンの添加3日後、培地を吸引により除去し、細胞を細胞洗浄培地で2度洗浄する(400μl/ウェルに続いて200μl/ウェル)。洗浄した接着細胞を、次に、細胞溶解液(100μl/ウェル)を加え、37℃に30分加温して可溶化する。細胞溶解物を、150μlの水を含有する7mlのシンチレーションガラス瓶に移す。シンチレーションカクテル(5ml/ガラス瓶)を加え、細胞関連放射能を液体シンチレーション分光法により測定する。
【0275】
これらのアッセイによれば、式Iの化合物はVEGFの阻害薬であり、したがって、眼疾患、例えば糖尿病性網膜症の治療、および癌腫、例えば固形腫瘍の治療等における血管新生の阻害に適している。本化合物は、培養液中のヒト血管内皮細胞のVEGF刺激の有糸分裂誘発を0.01〜5.0μMのIC50値で阻害する。これらの化合物はまた、関係するチロシンキナーゼについての選択性を示す(例えば、FGFR1およびSrcファミリー;SrcキナーゼとVEGFRキナーゼの間の関係、Eliceiriら、Molecular Cell, Vol.4, pp.915〜924, December 1999参照)。
【0276】
TIE−2試験は、例えば、WO02/44156に示されている方法と同様に行うことができる。
該アッセイ法は、放射性33P−ATPの存在下のTie−2キナーゼによる基質ポリ(Glu、Tyr)のリン酸化反応において試験される物質の阻害活性を測定する。そのリン酸化された基質は、培養時間中に「フラッシュプレート」マイクロタイタープレートの表面に結合する。反応混合物を除去した後、マイクロタイタープレートを何回も洗浄し、その表面の放射能をその後測定する。測定される物質の阻害効果により、影響を受けていない酵素反応と比較して低い放射能の結果となる。
【0277】
上文および下文において、温度はすべて℃で示している。以下の実施例において、「従来のワークアップ」とは、必要ならば水を加え、必要ならpHを最終生成物の構成により2と10の間の値に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相分離し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、生成物をシリカゲルに基づくクロマトグラフィーにより、かつ/または結晶化により精製することを意味する。シリカゲルに基づくRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1
質量分析法(MS):EI(電子衝撃イオン化)M+
FAB(高速原子衝撃)(M+H)+
ESI(電気スプレーイオン化)(M+H)+
APCI−MS(大気圧化学イオン化−質量分析)(M+H)+
【0278】
HPLCによるRf値の測定のための条件:
装置:Agilent 1100ダイオードアレイ検出器を備えたHPシリーズ1100(220nm)
カラム:Chromolith Speed Rod RP18e, 50−4.6mm;
流速:2.4ml/分
開始時の注剤比:
溶媒(S)A(水+0.01%のTFA):80%
溶媒B(アセトニトリル+0.01%のTFA):20%
タイムテーブル
【0279】
【表1】

【実施例】
【0280】
式I−1の開始化合物の調製の実施例
(実施例1)
N−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン(“1”)の調製
【0281】
【化31】

【0282】
4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミン(9.80g、52.6mmol)をエタノール(250ml)に溶解し、N−シアノジチオイミノ炭酸ジメチル(7.75g、52.6mmol)を添加し、混合物を還流下で2日間撹拌する。減圧下で揮発性成分を完全に除去し、残渣を再びエタノール(250ml)で取り出し、ヒドラジン水和物(50ml)を添加して、還流下で2時間過熱する。冷却後に沈殿した生成物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し乾燥すると、10.6g(3.95mmol,75%)の“1”が得られる、[M+H]+269、Rf0.573分。
【0283】
同様にして、以下の化合物が得られる
N−{4−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、[M+H]+326、Rf0.884分;
N−{3−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、Rf1.058分;
N−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチル]−4H−1,2,4−チロアゾール−3,5−ジアミン、[M+H]+283、Rf0.510分;
N−(5−メチル−2−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、[M+H]+271、Rf1.169分;
N−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、[M+H]+273、Rf1.168分;
N−[4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、Rf0.462分;
N−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、[M+H]+326、Rf1.310分;
N−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン。
【0284】
(実施例2)
5−アミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(“2”)の調製
【0285】
【化32】

【0286】
実施例1と同様に、4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミン(10.2g、54.7mmol)をまず、3,3−ビス(メチルチオ)−2−シアノアリールニトリル(9.33g、54.7mmol)と反応させ、それからヒドラジン水和物(50ml)と反応させる。冷却後に沈殿した生成物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄して乾燥し、13.6g(46.5mmol,85%)の淡茶色の物質(“2”)を得る、Rf0.607分。
【0287】
(実施例3)
**−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3,5−ジアミン(“3”)の調製
【0288】
【化33】

【0289】
THF(乾燥、20ml)中のアセトニトリル(0.79ml、15.0mmol)を−78℃に冷却し、ヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液(2.36M、5.10ml、12.0mmol)をゆっくり滴下し、混合物を同じ温度で30分間撹拌する。イソチオシアネート(0.50g、2.19mmol、THF中に溶解、8ml)を−78℃で添加すると固体が形成するが、それは0℃に暖めても溶解しない。酢酸エチルを添加し、その有機相を水で3回洗浄する。CH3I(0.29ml、2.5mmol)を水相に添加し、混合物を室温で5時間撹拌する。溶液を酢酸エチルで2回抽出し、乾燥し、溶媒を除去する。無色固体の“3”が得られる(0.34g、1.2mmol、55%)、[M+H]+268、Rf0.544分。
【0290】
式Iの化合物の調製の実施例
(実施例4)
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“4”)の調製
【0291】
【化34】

【0292】
”1”(100mg、0.37mol)および4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン(81mg、0.37mmol)を閉じた容器内で酢酸(2ml)中で100℃で18時間加熱する。酢酸エチルおよび石油エーテルをその冷却した溶液に加え、形成した沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して121mgの“4”*0.6酢酸塩(0.25mmol,68%)の無色固体;[M+N]+449を得る。
【0293】
以下の化合物も同様に得る。
【0294】
【表2】

【0295】
【表3】

【0296】
(実施例4.1)
N−{3−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる実施例4と同様の反応により、化合物“11−12b”を得る。
【0297】
(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“11”)、[M+N]+444;
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“12”)、[M+N]+506;
塩酸塩(“12a”)、[M+N]+506;
(7−メチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“12b”)、[M+N]+376;
N−{4−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる同様の反応により、化合物“13”および“14”を得る。
【0298】
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“13”)、[M+N]+506;
(5,7−ビストリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“14”)、[M+N]+498;
N−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる同様の反応により、化合物“15−17”を得る。
【0299】
(5,7−ジメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン(“15”)、[M+N]+390;
(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン(“16”)、[M+N]+444;
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン(“17”)、[M+N]+506。
【0300】
N−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる同様の反応により、化合物“18−19”を得る。
【0301】
(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン(“18”)、[M+N]+453;
(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン(“19”)、[M+N]+391。
【0302】
N−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる同様の反応により、化合物“20”を得る。
【0303】
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)ベンジル]アミン(“20”)、[M+N]+463。
【0304】
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミンから始まる同様の反応により、化合物“21”を得る
(3−ジメチルアミノプロピル)−(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン(“21”)、[M+N]+303
【0305】
【化35】

【0306】
5−アミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(“2”)から始まる同様の反応により以下の化合物“22−24”をえる。
【0307】
7−フェニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(“22”)、[M+N]+473;
7−メチル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(“23”)、[M+N]+411;
5,7−ジメチル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(“24”)、[M+N]+357。
【0308】
以下の化合物“25−28c”は同様に得られる
7−フェニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(“25”)、[M+N]+487;
【0309】
【表4】

【0310】
【表5】

【0311】
先立つ実施例と同様の反応により、化合物6−ベンジル−2−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6,9−ペンタアザシクロペンタ[b]ナフタレン−4−オール(“29”)、ニ塩酸塩、(M+N)+438、以下の反応スキームに見られる互変異性型を得る。
【0312】
【化36】

【0313】
同様にして以下の化合物“30−75”が得られる。
【0314】
【表6】

【0315】
【表7】

【0316】
【表8】

【0317】
【表9】

【0318】
【表10】

【0319】
【表11】

【0320】
【表12】

【0321】
【表13】

【0322】
(実施例5)
7−(4−クロロフェニル)−5−メチルスルファニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−炭酸塩(“76”)の調製
【0323】
【化37】

【0324】
“1”(100mg、0.37mol)および2−(4−クロロベンゾイル)−3,3−ビスメチルスルファニルアクリロニトリル(114mg、0.40mmol)を閉じた容器内でエタノール(1ml)中で100℃で18時間加熱する。酢酸エチル(5ml)をその冷却した溶液に加え、形成する沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、125mg(0.26mmol、69%)の“76”、[M+N]+486の淡い茶色固体を得る。
【0325】
同様にして以下の化合物“77−125a”が得られる。
【0326】
【表14】

【0327】
【表15】

【0328】
【表16】

【0329】
【表17】

【0330】
【表18】

【0331】
【表19】

【0332】
【表20】

【0333】
【表21】

【0334】
【表22】

【0335】
【表23】

【0336】
【表24】

【0337】
(実施例6)
ジエチル7−(2−フルオロフェニル)−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−炭酸塩(“126”)の調製
【0338】
【化38】

【0339】
“1”(100mg、0.37mol)およびエチル3−ジメチルアミノ−2−(2−フルオロベンゾイル)アクリル炭酸塩(135mg、0.51mmol)を、閉じた容器内でエタノール(1ml)中で100℃で18時間加熱する。酢酸エチル(5ml)をその冷却した溶液に加え、形成する沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、109mg(0.23mmol、62%)の“126”、[M+N]+471の無色固体を得る。
【0340】
同様にして以下の化合物“127−133”が得られる。
【0341】
【表25】

【0342】
【表26】

【0343】
(実施例7)
4−アミノ−2−メチルスルファニル−7−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−8−カルボニトリル(“134”)の調製
【0344】
【化39】

【0345】
“2”(4.00、13.7mmol)およびジメチルN−シアノジチオイミノ炭酸塩(2.00g、13.7mmol)をDMF(30ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(23.3ml、137mmol)を加えて、その混合物を150℃で18時間加熱する。水をその冷却した溶液に加えて、形成する沈殿物を濾別し、水で洗浄し、乾燥させると、4.70mg(12.1mmol、88%)の“134”、[M+N]+391の無色固体を得る。
【0346】
同様にして以下の化合物“135”および“135−a”が得られる。
【0347】
【化40】

【0348】
【化41】

【0349】
(実施例8)
7−(3−クロロフェニル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−カルボニトリル(“136”)の調製
【0350】
【化42】

【0351】
7−(3−クロロフェニル)−5−メチルスルファニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−カルボニトリル(50mg、0.10mol)を、閉じた容器内で1−メチルピペラジン(1ml)中で100℃で18時間加熱する。酢酸エチル(5ml)をその冷却した溶液に加えて、形成する沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、32mg(0.06mmol、55%)の“136”、[M+N]+539を得る。
【0352】
同様にして以下の化合物“137―139”が得られる。
【0353】
【表27】

【0354】
(実施例9)
4−アミノ−2−[(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ]−7−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−8−カルボニトリル(“140”)の調製
【0355】
【化43】

【0356】
4−アミノ−2−メチルスルファニル−7−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピラゾロ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−8−カルボニトリル(60.3mg、0.15mol)を最初にDMF(0.5mmol)中に導入し、2−ジメチルアミノ−N−メチルエチルアミン(19.4mg、0.19mmol)を加え、さらにその混合物を100℃で18時間加温する。酢酸エチル(5ml)をその冷却した溶液に加えて、形成する沈殿物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、39mg(0.09mmol、57%)の“140”、[M+N]+446の無色固体を得る。
【0357】
同様にして以下の化合物“141―157”が得られる。
【0358】
【表28】

【0359】
【表29】

【0360】
【表30】

【0361】
【表31】

【0362】
(実施例10)
(5−メチルスルファニル−7−フェニル−1,2,4−トリアゾール[1,5−a]−1,3,5−トリアジン−2−イル)−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン(“158”)の調製を以下に示す通りに行う。
【0363】
【化44】

【0364】
化合物1(268g、1.00mmol)を、80℃で18時間、N−(ビス−メチルスルファニルメチレン)ベンズアミド*(225mg、1.00mmol)と一緒にエタノール中で撹拌する。生成物をジエチルエーテルを加えて沈殿させ、濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させると、220mg(0.51mmol、51%)の“158”を得る。 *Synthesis 1981,554−557。
【0365】
以下の実施例は、医薬品組成物に関する
実施例A:注射バイアル
100gの式Iの有効成分および5gのリン酸一水素二ナトリウムの3lの2回蒸留水の溶液を、2Nの塩酸、を用いてpH6.5に調整し、無菌ろ過し、注射バイアルに移し、無菌状態で凍結乾燥し、無菌条件下で密封する。各注射バイアルは5mgの有効成分を含有する
実施例B:坐薬
20gの式Iの有効成分と、100gのダイズレシチンおよび1400gのカカオバターとの混合物を溶融し、型に注ぎ冷却させる。各坐薬は20mgの有効成分を含有する。
【0366】
実施例C:溶液
940mlの2回蒸留水中の、1gの式Iの有効成分、9.38gのNaH2PO4・2H2O、28.48gのNa2HPO4・12H2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、溶液を調製する。そのpHを6.8に調整し、その溶液を1lとし、放射殺菌により無菌化する。この溶液は点眼液の形で使用することができる
実施例D:軟膏
500mgの式Iの有効成分を、99.5gのワセリンと無菌状態のもとで混合する。
【0367】
実施例E:錠剤
1kgの式Iの有効成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムを、圧縮成型して、各錠剤が10mgの有効成分を含有するように従来どおりに錠剤を生じさせる
実施例F:コーティング錠
錠剤を実施例Eと同様に圧縮成型し、その後、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料のコーティングで従来どおり被覆する。
【0368】
実施例G:カプセル
2kgの式Iの活性成分を、各カプセルが20mgの活性成分を含有するように、従来どおり硬質のゼラチンカプセルに導入する
実施例H:アンプル
60lの2回蒸留水中の1kgの式Iの有効成分の溶液を、無菌ろ過し、アンプル中に移し、無菌条件下で凍結乾燥させ、無菌条件下で密封する。各アンプルは10mgの活性成分を含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

[式中、
Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
1は、H,A,OH,NH2,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
2は、X=Nの場合は存在せず、X=Cの場合は、H,A,Hal,CN,−(CH2)p−Ar,−(CH2)p−COOH,−(CH2)p−COOA,−(CH2)p−Het3,−(CH2)p−NH2,SO2AまたはCOAを意味し、
3は、H,A,−S−A,−(CH2)p−Ar,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Ar,NH−(CH2)p−Het,NH2,NHA,NA2,NH−アルキレン−NH2,NH−アルキレン−NHA,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレンNA2を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒に
【化2】

を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Yは、O,S,−(CH2)qまたはNHを意味し、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを意味し、各々は、非置換であるか、Hal,A,OH,OA,NH2,NO2,CH,COOH,COOA,CONH2,NHCOA,NHCONH2,NHSO2A,CHO,COA,SO2NH2,SO2A,−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHにより、一置換、二置換または三置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Hetは、非置換、またはHal,A,NHA,NA2,OA,COOA,CN,−(CH2)p−Ar,−(CH2)t−OH,−(CH2)p−Het1,もしくはカルボニル酸素(=O)で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、非置換、またはA、もしくはカルボニル酸素(=O)で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Het2は、非置換、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい1個から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式芳香族複素環を意味し、
Het3は、非置換、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい1個から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het4は、非置換、またはHal、A、CONH2、CONHA、CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1個から4個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar2は、非置換、またはHal,A,OH,OA,NH2,NO2,CN,COOH,COOA,CONH2,NHCOA,NHCONH2,NHSO2A,CHO,COA,SO2NH2もしくはSO2Aで一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいフェニルを意味し、
6、R7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立に、H,Aまたは−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1から10個のC原子を有するアルキルを意味し、さらに1から7個のH原子がFおよび/または塩素によって置換されていてもよく、
mは、0,1,2,3または4を意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0,1,2,3または4を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
およびX=Cの場合、
1およびR2は、一緒になって−(CH2)4−または
2およびR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−を意味し、
およびAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまたHまたは1から6個のC原子を有するアルキルを意味する]
ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)。
【請求項2】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味する、
請求項1に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項3】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
6は、Het4を意味し、
Yは、Oを意味し、
Het4は、非置換であるか、または、CONHAまたはベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルで一置換されたピリジルを意味する、
請求項1または2に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項4】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、1を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味する、
請求項1から3の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項5】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2、−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、1、2、3または4を意味する、
請求項1から4の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項6】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNHを意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味する、
請求項1から5の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項7】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、1、2、3または4を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、1から2個のNおよび/またはO原子を有しており、非置換であるか、またはAで一置換もしくは二置換されていてもよい単環式飽和複素環を意味する、
請求項1から6の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項8】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味する、
請求項1から7の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項9】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、1、2、3または4を意味する、
請求項1から8の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項10】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0を意味する、
請求項1から9の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項11】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味する、
請求項1から10の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項12】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O,(CH2)qまたはNHを意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味する、
請求項1から11の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項13】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、(CH2)qを意味し、
6は、−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
Yは、O、(CH2)qまたはNH意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味する、
請求項1から12の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項14】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H,A,−S−A、フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0を意味し、
nは、1を意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
6は、Het4を意味し、
Yは、Oを意味し、
Het4は、非置換であるか、または、CONHAまたはベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルで一置換されたピリジルを意味する、
請求項1から13の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項15】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA,Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味する、
請求項1から14の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項16】
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、1から3個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環、または
【化3】

を意味する、
請求項1から15の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項17】
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【化4】

を意味する、
請求項1から16の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項18】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0または1を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、O,(CH2)qまたはNHを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、チアゾール、1,2,3−トリアゾール、チエニルまたはフリルを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/もしくはAr2で一置換されており、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味する、
請求項1から17の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項19】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arを意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、CNを意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニルまたは−(CH2)p−Hetを意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、1から2個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環、または
【化5】

を意味する、
請求項1から18の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項20】
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
nは、0または1を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
Ar1は、フェニレンを意味し、
qは、0を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し
Het4は、非置換であるか、またはA,CONH2,CONHA,CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味する、
請求項1から19の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項21】
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/もしくはAr2で一置換されている、
請求項1から20の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項22】
4は、4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル、4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチルまたは4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニルを意味し、そのピリジン基はCONHCH3で置換されていてもよい、
請求項1から21の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項23】
Het1は、1から2個のNおよび/またはO原子を有する非置換単環式飽和または芳香族複素環、または
【化6】

を意味する、
請求項1から22の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項24】
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピリジルまたは
【化7】

を意味する、
請求項1から23の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項25】
Het2は、1−2個のN、Oおよび/またはS原子を有する非置換単環式芳香族複素環を意味する、
請求項1から24の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項26】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、
mは、0を意味し、
Arは、非置換であるか、またはHal,A,OA,COOHもしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H,CN,COOAまたはフェニルを意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニル,NH−ベンジル,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Het,NA2,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味する、
請求項1から25の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項27】
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H、CN、(CH2)oAr''、(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味する、
請求項1から26の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項28】
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Ar'または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar'は、非置換であるか、またはHal,OA,A,もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルまたはピリジルを意味する、
請求項1から27の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項29】
Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Ar’または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar’は、非置換であるか、またはHal,OA,A,もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、チエニル、フリル、イミダゾリル、ピロリル、チアゾリルまたはピリジルを意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H,CN,(CH2)oAr'',(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニル,NH−ベンジル,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Het,NA2,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジル
または
【化8】

を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【化9】

も意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立して、H,Aまたは−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、さらに、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
X=Cの場合、
1とR2は、一緒になって−(CH2)4−を意味するか、または
2とR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−を意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味する、
請求項1から28の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項30】
Xは、CまたはNを意味し、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
1は、A,OH,NH2,−(CH2)m−Ar’または−(CH2)m−Het2を意味し、
Ar’は、非置換であるか、またはHal,OA,A,もしくはCOOAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
mは、0を意味し、
Het2は、1−2個のN、Oおよび/またはS原子を有する非置換単環式芳香族複素環を意味し、
2は、X=Nの場合、存在しないか、またはX=Cの場合、H,CN,(CH2)oAr'',(CH2)oCOOAまたはSO2Aを意味し、
Ar''は、非置換であるか、またはHalもしくはOAで一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
oは、0または1を意味し、
3は、H,A,−S−A,フェニル,NH−ベンジル,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Het,NA2,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたは
【化10】

を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【化11】

も意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、非置換であるか、またはA、CONH2,CONHA,CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
7、R8、R9、R10は、それぞれ互いに独立して、H,Aまたは−(CH2)p−Arを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
X=Cの場合、
1とR2は、一緒になって−(CH2)4−を意味するか、または
2とR3は、一緒になって−(CHR7−NR8−CHR9−CHR10)−を意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルを意味する、
請求項1から29の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項31】
Xは、Nを意味し、
Bは、N、CHまたはC−CNを意味し、
1は、NH2を意味し、
2は、存在せず、
3は、H,A,−S−A,フェニル,NH−ベンジル,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Het,NA2,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよいピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたはフリルを意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたは
【化12】

を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、R4とR5は、一緒になって
【化13】

も意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれが、非置換であるか、またはCONHA、Aおよび/またはAr2で一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味する、
請求項1から30の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項32】
Xは、Nを意味し、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
1は、NH2を意味し、
2は、存在せず、
3は、H,A,−S−A,フェニル,NH−ベンジル,−(CH2)p−Het,NH−(CH2)p−Het,NA2,NH−アルキレン−NA2またはNA−アルキレン−NA2を意味し、
Hetは、非置換であるか、またはHal,A,NHA,NA2,COOA,ベンジル,−(CH2)t−OHもしくは−(CH2)p−Het1で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のNおよび/もしくはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Het1は、モルホリニル、ピロリジニル、ピリジルまたは
【化14】

を意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4とR5は、一緒になって
【化15】

も意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、非置換であるか、またはA,CONH2,CONHA,CONA2もしくはAr2で一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい1から3個のN、Oおよび/もしくはS原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるか、またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1〜10個のC原子を有しており、その上、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素で置換されていてもよいアルキルを意味し、
nは、0または1を意味し、
pは、0、1、2、3または4を意味し、
qは、0、1、2、3または4を意味し、
rは、0、1、2、3または4を意味し、
sは、0、1、2、3または4を意味し、
tは、1、2、3または4を意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
Ar1が、ピペラジンジイルを意味する場合、R6は、Hまたは1〜6個のC原子を有するアルキルも意味する、
請求項1から31の1つまたは複数に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項33】

(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
【化16】

(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
(7−メチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[3−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
(5,7−ビストリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]アミン、
(5,7−ジメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン、
(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン、
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]アミン、
(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン、
(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン、
(7−フェニル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)ベンジル]アミン、
(3−ジメチルアミノプロピル)−(7−メチル−5−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)アミン、
7−フェニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
7−メチル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
5,7−ジメチル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
7−フェニル−2−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチルアミノ]−5−トリフルオロメチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、
【化17】

【化18】

6−ベンジル−2−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,3,3a,6,9−ペンタアザシクロペンタ[b]ナフタレン−4−オール、
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(すべての比率のそれらを含む)。
【請求項34】
請求項1から33に記載の式Iの化合物ならびに医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体の調製方法であって、
a)XがCを意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物
【化44】

(式中、R4、R5およびBは、請求項1で示した意味を有する)を、
i)式IIIaの化合物
【化45】

(式中、R1OAおよびR2およびR3は、請求項1で示した意味を有する)または
ii)式IIIbの化合物
【化46】

(式中、R1、R2およびR3は請求項1で示した意味を有し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルの意味を有する)または
iii)式IIIcの化合物
【化47】

(式中、R1は請求項1で示した意味に加えてOAもまた意味し、R2およびR3は請求項1で示した意味を有し、A、A’はそれぞれ互いに独立に1,2,3または4C原子を有するアルキルを意味し、またはAおよびA’は一緒にブチレンまたはペンチレン鎖を形成しうる)と反応させる
または
b)XがNを意味し、R1がNH2を意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物を式IIIdの化合物
【化48】

(式中、R3は請求項1で示した意味を有し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルの意味を有する)と反応させる
または
c)XがNを意味し、R1がH,A,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、R3が−S−Aを意味する式Iの化合物を調製するために、式IIの化合物を式IIIeの化合物
【化49】

(式中、R1はH,A,−(CH2)m−Arまたは−(CH2)m−Het2を意味し、Aは1,2,3または4C原子を有するアルキルの意味を有する)と反応させる、
および/または式Iの化合物の1つまたは複数の基R1、R2および/またはR3は、1つまたは複数の基R1、R2および/またはR3に変換される。例えば、
i)アルキルスルファニル基をアミンに変換する
ii)エステルをその酸に加水分解し、それをアルデヒドまたはアルコールに還元する
iii)ニトリルをアルデヒドまたはアミンに還元する
および/または
式Iの酸または塩基をその塩の1つに変換する、ことを特徴とする調製方法。
【請求項35】
少なくとも1つの請求項1の式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびに場合により賦形剤および/または補助剤を含む薬剤。
【請求項36】
請求項1の化合物およびすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の使用であって、
キナーゼシグナル伝達の阻害、制御および/または調節に役割を果たす、疾患の治療のための薬剤を調整するための使用。
【請求項37】
前記キナーゼが、チロシンキナーゼの群から選択される、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
前記チロシンキナーゼが、TIE−2、VEGFR、PDGFR、FGFRおよび/またはFLT/KDRである、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
請求項1の化合物およびすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の請求項37に記載の使用であって、
請求項1による化合物によるチロシンキナーゼの阻害により影響される疾患を治療するための使用。
【請求項40】
請求項1の化合物による、TIE−2、VEGFR、PDGFR、FGFRおよび/またはFLT/KDRの阻害により影響される疾患の処理のための医薬品の調製のための、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
前記処置される疾患が固形腫瘍である、請求項39または40に記載の使用。
【請求項42】
前記固形腫瘍が、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭部および頸部、食道、頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭および/または肺の腫瘍の群からの由来である、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記固形腫瘍が、単球性白血病、肺腺腫癌、小細胞癌、膵臓癌、膠芽細胞腫および乳癌の群からの由来である、請求項41に記載の使用。
【請求項44】
前記固形腫瘍が、肺腺腫癌、小細胞癌、膵臓癌、膠芽細胞腫、結腸癌および乳癌の群からの由来である、請求項41に記載の使用。
【請求項45】
前記処置される疾患が血液および免疫系の腫瘍である、請求項39または40に記載の使用。
【請求項46】
前記腫瘍が、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群からの由来である、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
血管新生が関与する疾患の治療のための、請求項39または40に記載の使用。
【請求項48】
前記疾患が眼疾患である、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
網膜血管新生、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症および/または炎症性疾患の処置のための、請求項39または40に記載の使用。
【請求項50】
前記炎症性疾患が、関節リウマチ、乾癬、接触性皮膚炎および遅延型過敏反応からなる群からの由来である、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
骨肉腫、骨関節炎およびクル病の群からの由来である骨の病態の処置のための、請求項39または40に記載の使用。
【請求項52】
固形腫瘍を処置する薬剤を調製するための請求項1に記載の式Iの化合物および/または生理的に許容されるそれらの塩および溶媒和物の使用であって、式Iの化合物の治療有効量を、1)エストロゲン受容体調節物質、2)アンドロゲン受容体調節物質、3)レチノイド受容体調節物質、4)細胞傷害性作用物質、5)抗増殖性作用物質、6)プレニル化タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、7)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、8)HIVプロテアーゼ阻害薬、9)逆転写酵素阻害薬および10)その他の血管新生阻害薬の群からの化合物と組み合わせて投与する使用。
【請求項53】
固形腫瘍を処置する薬剤を調製するための請求項1に記載の式Iの化合物および/または生理的に許容されるそれらの塩および溶媒和物の使用であって、式Iの化合物の治療有効量を、放射線治療、ならびに1)エストロゲン受容体調節物質、2)アンドロゲン受容体調節物質、3)レチノイド受容体調節物質、4)細胞傷害性作用物質、5)抗増殖性作用物質、6)プレニル化タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、7)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、8)HIVプロテアーゼ阻害薬、9)逆転写酵素阻害薬および10)別の血管新生阻害薬の群からの化合物と組み合わせて投与する使用。
【請求項54】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を成長因子受容体阻害薬と組み合わせて投与するTIE−2活性を阻害することに基づく疾患を処置する薬剤を調製するための請求項39または40に記載の使用。
【請求項55】
式I−1の中間体化合物
【化50】

(式中、
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒になって
【化51】

を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Yは、O,S,−(CH2qまたはNHを意味し、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Het4は、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を好ましくは意味し、それは、非置換であるか、またはHal,A,CONH2,CONHA,CONA2またはAr2により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい、
Ar2は、非置換であるか、Hal,A,OH,OA,NH2,NO2,CN,COOH,COOA,CONH2,NHCOA,NHCONH2,NHSO2A,CHO,COA,SO2NH2もしくはSO2Aにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1から10の炭素原子を有するアルキルを意味し、さらに、1から7の水素原子がフッ素および/または塩素で置換されていても良い、
nは、0または1を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
さらにAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまた、Hまたは1から6の炭素原子を有するアルキルを意味する)、
および、それらの溶媒和物、塩、互変異性体および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)。
【請求項56】
Bは、N,CHまたはC−CNを意味し、
4は、−(CH2)s−(Ar1)n−Y−R6を意味し、
Yは、Oまたは(CH2)qを意味し、
5は、HまたはCH3を意味し、
4およびR5は、また、一緒になって
【化52】

を意味し、
6は、Het4,−(CH2)r−NH2,−(CH2)r−NHAまたは−(CH2)r−NA2を意味し、
Het4は、ピリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イル、ピペラジン、チアゾールまたはイミダゾールを意味し、それぞれは非置換またはCONHA、Aおよび/またはAr2により一置換されており、
Ar1は、フェニレンまたはピペラジンジイルを意味し、
Ar2は、非置換であるかAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを意味し、
Aは、1から10の炭素原子を有するアルキルを意味し、さらに、1から7の水素原子がフッ素および/または塩素で置換されていても良い、
nは、0または1を意味し、
qは、0,1,2,3または4を意味し、
rは、0,1,2,3または4を意味し、
sは、0,1,2,3または4を意味し、
Halは、F,Cl,BrまたはIを意味し、
さらにAr1がピペラジンジイルを意味するとき、R6はまた、Hまたは1から6の炭素原子を有するアルキルを意味する、
請求項55に記載の中間体化合物、および、それらの溶媒和物、塩、互変異性体および立体異性体(すべての比率のそれらの混合物を含む)。
【請求項57】

N−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−{4−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−{3−[2−(N−メチルアミノカルボニル)ピリジン−4−イルオキシ]フェニル}−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルメチル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−(5−メチル−2−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−(2−フェニルチアゾール−4−イルメチル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−[4−(2−ジエチルアミノエトキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−[4−(ベンゾ−1,2,5−チアジアゾール−5−イルオキシ)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
N−[4−(ピリジン−4−イルスルファニル)フェニル]−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジアミン、
5−アミノ−3−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニルアミノ]−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル、
**−[4−(ピリジン−4−イルオキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−3,5−ジアミン、
から選択される、請求項55または56に記載の中間体化合物、ならびにすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物、互変異性体および立体異性体。

【公表番号】特表2007−513099(P2007−513099A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541813(P2006−541813)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012523
【国際公開番号】WO2005/054246
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】