説明

アルカリ性バチルスアミラーゼ

【課題】改善された食器洗浄及び/又は洗濯性能を有するアミラーゼの提供。
【解決手段】洗浄溶液において通常の条件であるpH8〜pH10及び30℃〜60℃の温度において高い比活性を有する、好アルカリ性バチルス種より獲得できる、特定のアミノ酸配列を有するα−アミラーゼ。このα−アミラーゼをコードするDNA、ベクター形質転換細胞、形質転換細胞を培養することを特徴とする該α−アミラーゼの製造方法。このα−アミラーゼは、洗浄組成物として利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改善された食器洗浄及び/又は洗濯性能を有するアミラーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
何年もの間、α−アミラーゼ酵素は多種多様な目的のために使用されており、その最も重要な目的はデンプンの液化、生地の糊抜き、紙及びパルプ工業におけるデンプンの改質、並びに醸造及びベーキングである。α−アミラーゼの更なる用途の重要性が高くなっており、それは洗濯及び食器洗浄の際のデンプン系の汚れの除去である。
【0003】
商業的なα−アミラーゼ製品の例はTermamyl( 登録商標)、BAN (登録商標) 及びFungamyl(登録商標)であり、それらは全てNovoNordisk A/S, デンマーク国より入手できる。これら及びその他の商業起源由来の類似の製品は酸性から中性に至る至適pH、一般にはpH5〜pH7.5 の範囲内の至適pHを有しており、このことはそれらが洗剤のアルカリ特性を原因に洗浄溶液中で至適活性を示さないことを意味する。
【0004】
本発明の目的は、アルカリ性溶液、特にアルカリ性洗浄溶液中での改善された性能をもつ新規のα−アミラーゼを提供することにある。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、洗浄溶液において通常の条件であるpH8〜10及び30℃〜約60℃の温度において非常に高い比活性を有するα−アミラーゼを提供する。
【0006】
従って、本発明は、本明細書に記載のα−アミラーゼ活性アッセイにより測定して、25℃〜55℃の範囲の温度及びpH8〜pH10の範囲のpH値においてTermamyl(登録商標)の比活性よりも25%以上高い比活性を有するα−アミラーゼに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のα−アミラーゼ
本発明の一態様は、本明細書に記載のα−アミラーゼ活性アッセイにより測定して、25℃〜55℃の範囲の温度又は25℃〜35℃の範囲の温度又は35℃〜45℃の範囲の温度又は45℃〜55℃の範囲の温度及びpH8〜pH10の範囲のpH値又はpH8〜8.5 の範囲のpH値又はpH8.5 〜9.0 の範囲のpH値又はpH9.0 〜9.5 の範囲のpH値又はpH9.5 〜10.0の範囲のpH値において、Termamyl (登録商標)の比活性よりも25%以上高い又は35%以上高い又は45%以上高い又は55%以上高い又は65%以上高い又は75%以上高い又は少なくとも25〜75%高い比活性を有するα−アミラーゼを提供する。
【0008】
驚くべきことに、本発明の好適な新規のα−アミラーゼは、本明細書に記載のα−アミラーゼ活性アッセイにより測定して、25℃〜55℃の範囲のどの温度及びpH8〜pH10の範囲のどのpH値においてもTermamyl (登録商標)の比活性よりも25%以上高い比活性を有することにより特徴付けられうることが見い出された。
【0009】
公知のα−アミラーゼと比べると、本発明のα−アミラーゼがpH10においてどれぐらい優れているかが非常に顕著である。従って、好適な態様において、このα−アミラーゼは、本明細書に記載のα−アミラーゼ活性アッセイを利用して、25℃〜55℃の範囲のどの程度及びpH10においてTermamyl(登録商標)の比活性よりも25%以上高い比活性を有することを特徴とする。
【0010】
別の観点において、本発明はSEQ ID No.1に示すアミノ酸配列を含んで成るα−アミラーゼ、又はそのアミノ酸配列(SEQ ID No.1)と80%以上相同である。好ましくはSEQ ID No.1と85%以上相同である、より好ましくはSEQ ID No.1と90%以上相同であるα−アミラーゼに関する。
【0011】
ポリペプチドは、公知のアルゴリズム、例えばLipmanとPearson のScience 227, 1985, p.1435に記載のものを介して行う対応のアミノ酸配列間の対比がx%の同一性を示すとき、親α−アミラーゼに対してx%相同であると考慮する。
【0012】
更なる観点において、本発明はSEQ ID No.2に示すアミノ酸配列を含んで成るα−アミラーゼ、又はそのアミノ酸配列(SEQ ID No.2)と80%以上相同である、好ましくはSEQ ID No.2と85%以上相同である、より好ましくはSEQ ID No.2と90%以上相同であるα−アミラーゼに関する。
【0013】
別の態様において、本発明はSEQ ID No.3に示すN−末端アミノ酸配列と同一なそれを含んで成るα−アミラーゼ、又はN−末端においてSEQ ID No.3と80%以上相同である、好ましくはN−末端においてSEQ ID No.3と90%以上相同であるα−アミラーゼに関する。
【0014】
本発明の好適なα−アミラーゼは好アルカリ性バチルス性より、特にバチルス性NCIB12289, NCIB12512, NCIB12513 及びDSM9375 のいづれかより獲得できる。本発明において、「より獲得できる」なる語は、バチルス株により産生されるα−アミラーゼを意味するだけでなく、かかるバチルス株から単離されたDNA 配列によりコードされ、且つこのDNA 配列により形質転換された宿主生物において産生されたα−アミラーゼも意味する。
【0015】
NCIB12289 株は EP0,277,216号に詳しく説明されている。NCIB12289 株は、寄託番号NCIB12289 のもとで、ザ・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・バクテリア(NCIB)に1986年7月8日に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って寄託してある。
【0016】
NCIB12512 株は EB0,277,216号に詳しく説明されている。NCIB12512 株は、寄託番号NCIB12512 のもとで、ザ・ナショナル・コレイション・オブ・インダストリアル・バクテリア (NCIB) に1987年8月5日に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って寄託してある。
【0017】
NCIB12513 株は EP0,277,216号に詳しく説明されている。NCIB12513 株は、寄託番号NCIB12513 のもとで、ザ・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・バクテリア (NCIB) に1987年8月5日に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って寄託してある。
【0018】
DSM 9375株は寄託番号 DSM9375のもとで、ドイツェ・サムルング・フォン・ミクロオルガニズメン・ウンド・ゼルクルツレンGmbH(DSM) に1994年8月16日に特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に従って寄託してある。
【0019】
α−アミラーゼをコードするDNA 配列のクローニング
本発明のα−アミラーゼをコードするDNA 配列は、当業界に公知の様々な方法を用い、課題のα−アミラーゼを産生する任意の細胞又は微生物から単離されうる。第一に、ゲノムDNA 及び/又はcDNAライブラリーを、試験すべきα−アミラーゼを産生する生物由来の染色体DNA 又はメッセンジャーRNA を用いて構築すべきである。次に、α−アミラーゼのアミノ酸配列がわかっているのなら、相同性のラベル化オリゴヌクレオチドプローブを合成し、そして課題の生物から調整したゲノムライブラリーからα−アミラーゼをコードするクローンを同定するのに利用することができる。他方、既知のα−アミラーゼ遺伝子に対して相同性の配列を含むラベル化オリゴヌクレオチドプローブを、低ストリンジェンジーのハイブリダイゼーション及び洗浄条件を利用して、α−アミラーゼをコードするクローンを同定するためのプローブとして用いることができる。本発明に従うと、好適なプローブはSEQ ID No.1又はSEQ ID No.2又はSEQ ID No.4又はSEQ ID No.5に基づいて構築できうる。
【0020】
α−アミラーゼをコードするクローンを同定するための更なる別の方法は、ゲノムDNA のフラグメントを発現ベクター、例えばプラスミドの中に挿入し、得られるゲノムDNA ライブラリーによりα−アミラーゼ陰性細菌を形質転換せしめ、次いで形質転換細菌をα−アミラーゼ用基質を含むアガー上でプレート培養し、これによりα−アミラーゼを発現するクローンを同定することを含むであろう。
【0021】
他方、該酵素をコードするDNA 配列は確立された標準方法、例えばS.L.Beaucage and M.H. Caruthers のTetrahedron Letters 22, 1981, p1859-1869に記載のホスホアミジット法又はMathesらのThe EMBO J. 3, 1984, p.801-805に記載の方法により合成的に調製できうる。ホスホアミジット法においては、オリゴヌクレオチドを例えば、自動DNA シンセサイザーで合成し、精製し、アニーリングし、ライゲーションし、そして適当なベクターの中でクローニングする。
【0022】
最後、このDNA 配列はゲノムと合成起源の複合型、合成とcDNA起源の複合型、又はゲノムとcDNA起源との複合型であってよく、標準技術に従い、合成、ゲノム又はcDNA起源のフラグメント(適宜、それらのフラグメントはDNA 配列全体の様々な部分に相当する)をライゲーションすることにより調整できる。DNA 配列は例えば米国第4,683,302 号又はR.K.Saiki らのScience 239, 1989, p487-491 に記載の通りにして、特定のプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により調整もできうる。
【0023】
α−アミラーゼの発現
本発明に従うと、上記の方法により、又は当業界公知の任意の別の方法により製造されたα−アミラーゼをコードするDNA 配列は、プロモーター、オペレーター、リボソーム結合性部位、翻訳開始シグナルをコードするコントロール配列及び任意的にレプレッサー遺伝子又は様々なアクチベーター遺伝子を一般に含む、発現ベクターを用い、酵素形態で発現されうる。
【0024】
本発明のα−アミラーゼをコードするDNA 配列を担持している組換発現ベクターは組換DNA 手順に簡単にかけることのできうる任意のベクターであってよく、ベクターの選択は導入を施す宿主細胞に往々にして依存するであろう。即ち、ベクターは自己複製式ベクター、即ち、染色体外質として存在するベクター(その複製は染色体の複製とは独立している)、例えばプラスミド、バクテリオファージ、又は染色体外要素、ミニ染色体、又は人工染色体であってよい。他方、ベクターは宿主細胞の中に導入されると、その宿主細胞のゲノムに組込まれ、そしてそれが組込まれた染色体と一緒に複製するものであってよい。
【0025】
ベクターにおいて、DNA 配列は適当なプロモーター配列に作用的に接続されているべきである。プロモーターは選定の宿主細胞において転写活性を示し、且つその宿主細胞にとって同種又は異種のいづれかのタンパク質をコードする遺伝子に由来しうる任意のDNA 配列であってよい。特に細菌系宿主の中で本発明のα−アミラーゼをコードするDNA 配列の転写を指令するのに適当なプロモーターの例は、E.コリE. coli)lac オペロン、ストレプトマイセス・コエリカラー (Streptomyces coelicolor) アガラーゼ遺伝子dag Aプロモーター、バチルス・リシュニホルミスB.licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL) のプロモーター、バチルス・ステアロサーモフィルス (B.Stearo thermophilus)マルトジェニックアミラーゼ遺伝子(amyM) のプロモーター、バチルス・アミロリケファシエンス (B.Amylolique faciens) α−アミラーゼ (amyQ) のプロモーター、バチルス・スブチリス (B.Subtilis) xylA及びxylB遺伝子のプロモーター、等である。菌類系宿主における転写にとって、有用なプロモーターの例は、A. オリザ (A.oryzae)TAKA アミラーゼ、リゾムコール・ミーヘイ (Rhizomucor mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガーA.niger)中性α−アミラーゼ、A.ニガー酸安定性α−アミラーゼ、A.ニガーグルコアミラーゼ、リゾムコール・ミ・ヘイリパーゼ、A.オリザアルカリ性プロテアーゼ、A.オリザリン酸トリオースイソペラーゼ又はA.ニドゥランスA.nidulans) アセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するものである。
【0026】
本発明の発現ベクターは適当な転写ターミネーターも含んで成り、そして真核細胞においては、ポリアデニル化配列が本発明のα−アミラーゼをコードするDNA 配列に作用的に接続されている。ターミネーション及びポリアデニル化配列はプロモーターと同一起源に由来していることが適当でありうる。
【0027】
ベクターは課題の宿主細胞の中でベクターが複製できるようにするDNA 配列を更に含んで成りうる。かかる配列の例はプラスミドpUC19, pAYC177, pUB110, pE194, pAMB1及びpIJ702の複製起点である。
【0028】
ベクターは選択マーカー、例えば遺伝子であってその産物が宿主細胞の欠陥を補完するもの、例えばB.スブチリスもしくはB.クシェニホルミス由来のdal 遺伝子、又はアンビシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性の如くの抗生物質耐性を授けるものも含んで成りうる。更に、ベクターはアスペルギルス (Asperigillus) 選択マーカー、例えばamdS, argB, niaD及びsC, 即ち、ヒグロマイシン耐性をもたらすマーカー、又は同時形質転換により選択が成し遂げられうるようにするマーカーをも含んで成りうる(例えば、WO91/17243 に記載)。
【0029】
細胞内発現はある観点、例えば宿主細胞として一定の細菌に用いる場合には好都合なときもあるが、一般には発現は細胞外的であることが好ましい。
【0030】
α−アミラーゼをコードし、且つプロモーター、ターミネーター及びその他の要素をそれぞれ含む本発明のベクターを構築するために適当な手順は当業者に公知である (例えば、Sambrookら、Molecular Cloning : A Laboratory Manual , 第2版,Cold Spring Harbor, 1989を参照のこと)。
【0031】
上記に定義した本発明のDNA 構築体又は発現ベクターのいづれかを含んで成る本発明の細胞は好都合には本発明のα−アミラーゼの組換生産における宿主細胞として用いる。この細胞は、宿主の染色体の中にDNA 構築体を(1又は複数のコピーにおいて)組込むことにより簡単にα−アミラーゼをコードする本発明のDNA 構築体により形質転換されうる。この組込みが一般に好都合と考えられており、その理由はDNA 配列が細胞の中で安定的に組換され易いからである。宿主染色体へのこのDNA 構築体の組込みは慣用の方法により、例えば相同又は異種組換により行われうる。他方、細胞は別のタイプの宿主細胞について前記した発現ベクターにより形質転換せしめてよい。
【0032】
本発明の細胞は哺乳動物又は昆虫の如くの高等生物の細胞であってよいが、しかし微生物細胞、例えば細菌又は菌類(酵母を含む)が好ましい。
【0033】
適当な細菌の例は、グラム陽性菌、例えばバチルス・スブチリスバチルス・リシェニホルミスバチルス・レンタス (B.lentus) 、バチルス・ブレビス (B.brevis) 、バチルス・ステアロサーモフィルスバチルス・アルカロフィルスバチルス・アミロリケファシエンスバチルス・コアギュランス (B.coagulans)バチルス・サーキュランス (B.circulans)バチルス・ロータス (B.lautus) 、バチルス・メガテリム (B.megaterium) 、バチルス・サリンジエンシス (B.thuringiensis)又はストプトマイセス・リビタンス (S.lividans) もしくはストレプトマイセス・ミュリナス (S.murinus) 、又はグラム陰性菌、例えばE.コリである。
【0034】
細菌の形質転換は、例えば周知の態様で、プロトプラスト形質転換により又はコンピテント細胞の利用により行うことができうる。
【0035】
酵母系生物は好ましくはサッカロマイセスSaccharomyces)又はシゾサッカロマイセス (Schizosaccharomyces)の種、例えばサッカロマイセス・セレビジエから選ばれる。糸状菌類はアスペルギス属の種に属していることが好都合であり、例えばアスペルギルス・オリザ又はアスペルギルス・ニガーである。菌類細胞は周知の態様でのプロトプラスト形成及びプロトプラストの形質転換、それに続く細胞壁の再生を含む方法により形質転換させることができうる。アスペルギルス宿主細胞の形質転換のそれの適当な手順は EP238,023号に記載されている。
【0036】
更なる別の観点において、本発明は本発明のα−アミラーゼを製造する方法に関連し、この方法は上記の宿主細胞をα−アミラーゼの産生を誘導する条件のもとで培養し、そしてその細胞及び/又は培養培地からα−アミラーゼを回収することを含んで成る。
【0037】
細胞を培養するために用いる倍地は、課題の宿主細胞を増殖させ、そして本発明のα−アミラーゼの発現を獲得するのに適当な任意の慣用の倍地であってよい。適当な倍地は商業的提供業者から入手するか、又は公開の処方に従って調整できうる(例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載)。
【0038】
宿主細胞から分泌されたα−アミラーゼは周知の手順、例えば細胞を遠心又は濾過により培養から分け、そして硫酸アンモニウムの如くの塩により培地のタンパク質性成分を沈殿させ、次いでイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーの如くのクロマトグラフィー手順を利用することにより、培養培地から簡単に回収できうる。
【0039】
α−アミラーゼ活性のためのアッセイ
α−アミラーゼ活性は基質としてPhadebas (登録商標)錠剤を利用する方法により決定した。Phadebas錠剤(Phadebas(登録商標)Amylase Test, Pharmacia Diagnostic より供給)は、牛血清アルブミン及びバッファー剤と混合され、且つ鉄錠化された架橋型不溶性青色デンプンポリマーを含む。
【0040】
各測定毎に1錠を5mlのBritton-Robinsonバッファー (50mMの酢酸、50mMのリン酸、50mMの硼酸、0.1mM のCaCl2, pH はNaOHにより目的の値に調整)を含むチューブの中に懸濁する。この試験は注目の温度において湯浴の中で行う。試験すべきα−アミラーゼをXmlの50mMのBritton-Robinsonバッファーの中に希釈する。1mlのこのα−アミラーゼ溶液を5mlの50mMのBritton-Robinsonバッファーに加える。デンプンはα−アミラーゼにより加水分解され、可溶性の青色の断片を供する。620nm において吸光度測定して得られる青色の溶液の吸収はα−アミラーゼ活性の関数である。
【0041】
10又は15分のインキュベーション(試験時間)後に測定される620nm の吸収は620nm において 0.2〜2.0 吸収単位の範囲内にあることが重要である。この範囲において、活性と吸収との間に直線性がある (Lambert-Beerの法則) 。それ故、酵素の希釈率をこの基準に合うように調整する。
【0042】
設定条件下で(温度、pH、反応時間、バッファー条件)、1mgの所定のα−アミラーゼは一定量の基質を加水分解し、そして青色が発色されるであろう。色の強度は620nm で測定する。測定される吸収は設定条件下での課題のα−アミラーゼの比活性(活性/純粋なα−アミラーゼタンパク質のmg)に正比例する。従って、様々な課題のα−アミラーゼ(対照のために用いるα−アミラーゼであるTermamyl (登録商標)を含む)を同一の条件下で試験することにより、所定の温度及び所定のpHでの各α−アミラーゼの比活性を直接対比することができ、そしてTermamyl (登録商標) の比活性に対する課題の各α−アミラーゼの比活性の比が決定できる。
【0043】
産業上の利用性
アルカリ性pHでのその活性に基づき、本発明のα−アミラーゼは様々な産業的工程における使用によく適し、特にこの酵素は洗濯、食器洗浄及び硬質面清浄洗浄組成物における成分としての潜在的な用途があるが、しかしそれはデンプンからの甘味料及びエタノールの製造においても有用でありうる。慣用のデンプン転換工程並びに液化及び/又は糖化工程のための条件は例えば米国第 3,912,590号並びにヨーロッパ特許公報第 252,730及び63,909号に記載されている。
【0044】
アルカリ性のとき、本発明のα−アミラーゼはデンプン補強型廃紙及びダンボールからのリグノセルロース系材料、例えばパルプ、紙及びダンボールの製造において有用な特性をも有し、特に再パルプ処理を7より高いpHで行う場合、そしてアミラーゼが補強用デンプンを分解を通じて廃材の崩壊を促進できうる場合に有用である。本発明のα−アミラーゼは古いデンプンコート化又はデンプン含有印刷紙から製紙におけるインク抜き/リサイクル工程において特に有用である。高輝度の新紙を作るためには印刷用インクを除去することが通常所望される。本発明のα−アミラーゼがどのようにしてこのために利用できるかの例は PCT/DK94/00437 号に記載されている。
【0045】
本発明のα−アミラーゼは、酵素的に改質されたデンプンを炭酸カルシウム、カオリン及び粘土の如くのアルカリ性充填材と一緒に製紙において使用する場合、デンプンを改質するうえで非常に有用でもありうる。本発明のアルカリ性α−アミラーゼにより、充填材の存在下でデンプンを改質することが可能となり、それ故一層簡単な貼り合わせ工程が可能となる。
【0046】
本発明のα−アミラーゼは生地の糊抜きにおいても非常に有用でありうる。生地の加工産量において、α−アミラーゼは、織りの際のよこ糸上の保護コーティングを担うデンプン含有糊の除去を助長するための糊抜き工程における助剤として伝統的に利用されている。
【0047】
織りの後の糊コーティングの完璧な除去は、布帛を精練し、漂白し、そして染色するその後の工程において最適な結果を保証するために重要である。酵素的デンプン分解が好ましく、その理由はそれが繊維材料に対する任意の有害な作用に関与しないからである。
【0048】
加工費を減らし、且つ工場の仕込み量を増やすため、糊抜き工程は時折り精練及び漂白工程を組合されている。かかるケースにおいて、非酵素的助剤、例えばアルカリ又は酸化剤が一般にデンプンを分解するのに用いられ、その理由は伝統的なα−アミラーゼは高いpHレベル及び漂白剤に極めて合わないからである。デンプン糊の非酵素的分解は多少の繊維損傷をもたらし、その理由はやや過激な化学品を使用するからである。
【0049】
従って、未発明のα−アミラーゼを使用することが所望され、なぜならこれはアルカリ性溶液の中で改善された性能を有するからである。このα−アミラーゼは単独で、又はセルロース含有布帛もしくは生地を糊抜きするときにはセルラーゼを組合せて使用してよい。
【0050】
本発明のα−アミラーゼはビール製造工程においても非常に有用でありうる。このα−アミラーゼは一般に裏ごし工程において加えられるであろう。
【0051】
洗浄組成物
本発明に従うと、α−アミラーゼは一般に洗浄組成物、例えば洗濯洗浄組成物又は食器洗い洗浄組成物の成分でありうる。かかる場合、それは無塵顆粒、安定化液体又は保護酵素の形態で洗浄組成物の中に含まれてよい。無塵顆粒は例えば米国第 4,106,991及び4,661,452 号(共にNovo Industri A/S に属する)に開示の通りに製造され、そして当業界に公知の方法により任意的にコーティングが施されていることがある。ワキシーコーティング材の例は 1,000〜20,000の平均分子量を有するポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG)、16〜50エチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニフェノール;エトキシル化脂肪アルコールであってそのアルコールが12〜20個の炭素原子を含み、そして15〜80個のエチレンオキシド単位のあるアルコール;脂肪アルコール;脂肪酸;並びに脂肪酸のモノ−及びジ−及びトリーグリセリドである。流動層技術により塗布に適するフィルム形成コーティング材は英国特許第 1,483,591号に示されている。液体酵素調整品はポリオール、例えばプロピリレングリコール、糖又は糖アルコール、乳酸又は硼酸を確立された方法に従って加えることにより安定化されうる。その他の酵素安定化剤が当業界に周知である。保護酵素は EP238,216号に開示されている方法に従って調整できうる。
【0052】
本発明の洗浄組成物は任意の慣用の形態、例えば粉末、顆粒、ペースト又は液体であってよい。液体洗剤は一般に70%までの水と0〜30%の有機溶媒とを含む水性であるか、又は非水性であってよい。
【0053】
この洗浄組成物は1又は複数種の界面活性剤を含んで成ってよく、それぞれはアニオン性、非イオン性、カチオン性又は両性(双イオン性)であってよい。洗剤は通常0〜50%のアニオン性界面活性剤、例えば線形アルキルベンゼンスルホネート(LAS) 、アルファー−オレフィンスルホネート(AOS) 、アルキルスルフェート (脂肪アルコールスルフェート)(AS) 、アルコールエトキシスルフェート(AEOS 又はAES)、第二アルカンスルホネート(SAS)、アルファー・スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−もしくはアルケニルコハク酸、又は石けんを含むであろう。それは0〜40%の非イオン性界面活性剤、例えばアルコールエトキシレート(AEO又はAE) 、アルコールプロポキシレート、カルボキシル化アルコールエトキシレート、ノニフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドも含みうる(例えば、WO92/06154 号に記載)。
【0054】
洗浄組成物は更に1又は複数種のその他の酵素、例えばプルラナーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、キュチナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ又はオキシダーゼ、例えばラッカーゼを更に含んで成りうる。
【0055】
通常、洗剤は1〜65%の洗浄ビルダーを含むが、しかしある種の食器洗い洗剤は90%に至るまでの洗浄ビルダー、又は錯形成剤、例えばゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキル−又はアルケニルコハク酸、可溶性珪酸塩又は層状珪酸塩(例えばHoechst 由来のSKS-6)を含むこともある。
【0056】
洗浄ビルターはリン含有型及び無リン型に小分類できうる。リン含有無機アルカリ性洗浄ビルダーの例には、水溶性塩、特にアルカリ金属ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩及びホスホン酸塩が含まれる。無リン系無機ビルダーの例には、水溶性アルカリ金属炭酸塩、硼酸塩、珪酸塩、並びに層状二珪酸塩及び様々なタイプの水不溶性結晶又は非結晶アルミノ珪酸塩が含まれ、その中でセオライドが最もよく知られた代表物である。
【0057】
適当な有機系ビルダーの例には、コハク酸、マロン酸、脂肪酸マロン酸、脂肪酸スルホン酸、カルボキシメトキシコハク酸、ポリ酢酸、カルボン酸、ポリカルボン酸、アミノポリカルボン酸及びポリアセチルカルボン酸のアルカリ金属、アンモニウム又は置換化アンモニウム塩が含まれる。
【0058】
洗剤は無ビルダー型、即ち洗浄ビルダーを本質的に含まないものであってもよい。
【0059】
洗剤は1又は複数種のポリマーを含んで成りうる。その例は、カルボキシルメルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG) 、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリカルボン酸塩、例えばポリアクリレート、ポリマレエート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0060】
この洗浄組成物は塩素/臭素系又は酸素系の漂白剤を含みうる。漂白剤はコーティングが施されているか、又は封入されていてよい。無機塩素/臭素系漂白剤の例はリチウム、ナトリウム又はカルシウムの次亜塩素塩又は次亜臭素塩、並びに塩素化リン酸三ナトリウムである。漂白系はH2O2源、例えば過硼素酸塩又は過炭酸塩も含んで成ってよく、これは過酸形成漂白アクチベーター、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)と組合されていてよい。
【0061】
有機塩素/臭素系漂白剤の例は複素環式N−プロモ及びN−クロロイミド、例えばトリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイシソアヌル酸及びジクロロイソシアヌル酸、並びにカリウム及びナトリウムの如くの水可溶性カチオンとのその塩である。ヒダントイン化合物も適当である。漂白系は例えばアミド、イミド又はスルホン型のペルオキシ酸をも含んで成りうる。
【0062】
食器洗い洗剤において、酸素系漂白剤は、好ましくは漂白前駆体と一緒に、又はペルオキシ酸化合物として、例えば無機過塩の形態が好ましい。適当なペルオキシ漂白化合物の典型例はアルカリ金属過硼酸塩(四水和及び一水和物の双方)、アルカリ金属過炭酸塩、過珪酸塩、及び過リン酸塩である。好ましいアクチベーターはTAED又はNOBSである。
【0063】
本発明の洗浄組成物の酵素は慣用の安定化剤、例えばポリオール、例えばプロピレングリコールもしくはグリセロール、糖もしくは糖アルコール、乳酸、硼酸、又は硼酸誘導体、例えば芳香族硼酸エステルを利用して安定化させることができ、そしてこの組成物は例えばWO92/19709 及びWO92/19708 号に記載の通りにして製剤化されうる。本発明の酵素は例えばEP0,544,777B1 に記載の如くのタンパク質タイプの可逆性酵素インヒビターを加えることにより安定化させることもできうる。
【0064】
この洗剤はその他の慣用の洗剤成分、例えば布帛コンディショナー、例えば粘土、解膠剤、発泡促進剤/発泡抑制剤(食器洗浄剤発泡抑制剤において)、石けん水発泡抑制剤、腐蝕防止剤、土壌懸濁剤、土壌再付着防止剤、染料、脱水和剤、殺菌剤、蛍光漂白剤又は香料も含みうる。
【0065】
pH(使用濃度で水性溶液中で測定)は通常中性又はアルカリ性、例えば7〜11の範囲であろう。
【0066】
本発明の範囲に属する洗濯洗浄組成物の特定の形態には以上のものが含まれる:
1)以上を含んで成る、 600g/l以上のバルク濃度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0067】
【表1】

【0068】
2)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0069】
【表2】

【0070】
3)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0071】
【表3】

【0072】
4)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0073】
【表4】

【0074】
5)以下を含んで成る水性液体洗浄組成物
【0075】
【表5】

【0076】
6)以下を含んで成る水性構造型液体洗浄組成物
【0077】
【表6】

【0078】
7)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0079】
【表7】

【0080】
8)以下を含んで成る顆粒として製剤化した洗浄組成物
【0081】
【表8】

【0082】
9)以下を含んで成る顆粒として製剤化した洗浄組成物
【0083】
【表9】

【0084】
10)以下を含んで成る水性液体洗浄組成物
【0085】
【表10】

【0086】
11)以下を含んで成る水性液体洗浄組成物
【0087】
【表11】

【0088】
12)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0089】
【表12】

【0090】
13)線形アルキルベンゼンスルホネートの全部又は一部が(C12−C18) アルキルスルフェートで置き換えられた1)〜12) に記載の洗浄組成物。
【0091】
14)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0092】
【表13】

【0093】
15)以下を含んで成る、 600g/l以上のバルク密度を有する顆粒として製剤化された洗浄組成物
【0094】
【表14】

【0095】
16)追加成分として又は既に記載した漂白系の代替物として安定化又は封入化過酸物を含む1)〜15)に記載の洗浄製剤。
【0096】
17)過硼酸塩が過炭酸塩により置き換えられている1),3),7),9)及び12)に記載の洗浄組成物。
【0097】
18)マンガン触媒を追加的に含む1),3),7),9),12),14)及び15)に記載の洗浄組成物。マンガン触媒は、例えば「Efficient manganese catalysts for low-temperature blenching 」Nature 369, 1994, p637-639 。
【0098】
19) 液体非イオン性界面活性剤、例えば線形アルコキシル化第一アルコール、ビルダー系(例えばリン酸塩)、酵素及びアルカリを含んで成る非水性洗剤液として製剤化した洗浄組成物。この洗剤はアニオン性界面活性剤及び/又は漂白系をも含んで成りうる。
【0099】
本発明の範囲に属する食器洗い洗浄組成物の特定の形態には以下のものが含まれる:
1)粉末自動食器洗い用組成物
【0100】
【表15】

【0101】
2)粉末自動食器洗い用組成物
【0102】
【表16】

【0103】
3)粉末自動食器洗い用組成物
【0104】
【表17】

【0105】
4)粉末自動食器洗い用組成物
【0106】
【表18】

【0107】
5)粉末自動食器洗い用組成物
【0108】
【表19】

【0109】
6)清浄界面活性剤を有する粉末及び液体食器洗い用組成物。
【0110】
【表20】

【0111】
7)非水性液体自動食器洗い用組成物
【0112】
【表21】

【0113】
8)非水性液体食器洗い用組成物
【0114】
【表22】

【0115】
9)チオキソトロピック液体自動食器洗い用組成物
【0116】
【表23】

【0117】
10)液体自動食器洗い用組成物
【0118】
【表24】

【0119】
11)保護漂白粒子を含む液体自動食器洗い用組成物
【0120】
【表25】

【0121】
11) 過硼酸塩が過炭酸塩により置き換えられている1),2),3),4),6)及び10)に記載の自動食器洗い用組成物。
【0122】
12) マンガン触媒を追加的に含む1)〜6)に記載の自動食器洗い用組成物。マンガン触媒は例えば「Efficient manganese catalysts for low-temperature Heaching」Nature 369, 1994, p637-639 に記載の化合物のいづれかであってよい。
【0123】
本発明のα−アミラーゼは洗剤において常用の濃度で含ませてよい。現状、本発明の洗浄組成物において、α−アミラーゼは洗濯/食器洗い液のリッター当り0.00001 〜1mg(純枠子酵素タンパク質として計算)に担当する量で加えてよいことが考えられる。
【0124】
本発明を以下の実施例で更に説明するが、それらは請求の範囲の如く本発明の範囲を何ら限定するものでもない。
【実施例】
【0125】
実施例1
バチルス株NCIB12289, NCIB12513, DSM9375 及びNCIB12512 由来のα−アミラーゼ調整品
上記のバチルス株それぞれを26℃にて、ロータリーシェーキング台(300rpm) 上で、100ml のBP−X培地+ 0.1Mの炭酸バッファーpH9.0 を含む500ml のバッフル付きエーレンマイヤーフラスコの中でインキュベートした。
BP−X倍地
ポテトスターチ 100g
顆粒バーレイ 50g
ダイズ粉 20g
カゼイン酸ナトリウム 10g
Na2HPO4 ・12H2O 9g
Termamyl (登録商標) 60L★ 0.1g
Pluronic (登録商標) 0.1g
★)Novo Nordisk A/Sより入手可能
培地中のデンプンを、培地を60℃から85℃に30分かけてゆっくり加熱することにより液化した。その後、この培地の温度を10分で95℃まで急速上昇させ、次いで冷却した。最後に、培地を 121℃で40分加熱することにより滅菌した。
【0126】
NCIB12289, DSM9375及びNCIB12512 からのα−アミラーゼの精製
インキュベーションの5日後、3KDの膜を有するFiltron(商標)限外濾過モジュールを用いて培養液を濾過及び濃縮し、そして脱イオン水で導電度が1mS/cmとなるまで洗った。pHを10%(v/v) の酢酸でpH5.9 に調整した。S-sepharose FFカラムをEKV −バッファーpH5.9 で平衡化した。何らかのことわりのない限り、精製用バッファーはNaOHに表示のpHに調整した100mM の硼酸、10mMのコハク酸、2mMのCaCl2 とした。
【0127】
酵素溶液をカラムに載せ、そのカラムをEKV −バッファー、pH5.9 で洗い、そしてアミラーゼを直線上NaCl勾配(0→500mM のNaCl) で溶出させた。アミラーゼ含有画分をプールし、そしてpHを3%(w/v)のNaOHでpH7に調整した。
【0128】
キレートアガロースカラムにCu++を負荷し、そして以下のようにして平衡化した。5mMのCuSO4, pH5をカラムにポンプしてカラム全体が青色となるようにし、次いで過剰のCu++イオンをそのカラムを500mM のイミダゾールpH7で洗うことにより除去し、そして最後にカラムをEKV-バッファーpH7で平衡化した。S-sepharose カラム由来のアミラーゼプールをCu++負荷キレートアガロースカラムに載せ、カラムをEKV −バッファーで洗い、そして酵素をイミダゾールの直線上勾配(0→500mM のイミダゾール)で溶出させた。アミラーゼ含有画分をプールし、そして飽和硫酸アンモニウム溶液をプール中の最終濃度が1Mの(NH4)2SO4となるように加えた。
【0129】
フェニルsepharose カラムをEKV −バッファー+1Mの(NH4)2SO4,pH7で平衡化した。Cu++カラム由来のアミラーゼプールを疎水性相互作用カラムに載せた。結合実験はアミラーゼがやや疎水性の酵素であり、それ故フェニルカラムに強く結合することを示した。カラムに強く結合しなかったタンパク質はEKV −バッファー、pH7でカラムから洗い流した。アミラーゼをEKV −バッファー+25%(v/v) のイソプロパノールでカラムから段階式に溶出させた。アミラーゼ含有プールを3%(w/v)のNaOHでpH9.5 に調整し、そして脱イオン水で5回希釈した。
【0130】
Q-SepharoseHP カラムを20mMのトリス−HCl, pH9.5で平衡化した。フェニルセファロースカラム由来のアミラーゼプールをそのカラムに載せ、そしてそのカラムを20mMのトリス−HCl, pH9.5で洗った。アミラーゼをNaClの直線上勾配(0→250mM のNaCl) で溶出させた。
【0131】
アミラーゼピークを10%(v/v) の酢酸でpH7に調整した。
【0132】
Cu++負荷キレート化セファロースFFカラム(キレートアガロースカラムについて記載の通りにしてCu++を負荷)をEKV −バッファー、pH7で平衡化した。Q-sepharose カラム由来のアミラーゼピークをカラムに載せ、そしてそのカラムをEKV −バッファーpH7で徹底的に洗った。アミラーゼをイミダゾールの階段式直線上勾配(0→500mM のイミダゾール) で溶出させた。
【0133】
精製したアミラーゼを SDS−PAGE電気泳動により純度検定した。クマジー染色したゲルは一本のバンドのみを有していた。
【0134】
NCIB12513 からのα−アミラーゼの精製
インキュベーションの5日後、培養液を3KDの膜の付いたFiltron(商標) 限外濾過モジュールを用いて濾過及び濃縮した。濃縮溶液を濾過し、そして20%w/w の硫酸アンモニウムで飽和にした。次いでこの溶液Kem-En-Tec A/S由来のAFFI−T(商標)マトリックスを用いてバッチ収着させた。脱イオン水でマトリックスを洗浄後、アミラーゼを20mMのトリスpH7.5 中の25%のイソプロパノールを用いて溶出させた。溶出した酵素を透析にかけ (20mMのトリスpH8.5)、そして色素除去のためにQ-Sepharose FF上への段階式バッチ収着を行った。
【0135】
キレートアガロースカラムにCu++を負荷し、そして以下のようにして平衡化した。50mMのCuSO4, pH5をカラムにポンプしてカラム全体を静にし、次いで過剰のCu++イオンを500mM のイミダゾールpH7でカラムを洗浄することにより除き、そして最後にカラムを50mMの硼酸バッファーpH7で平衡化した。
【0136】
低pI(5.8) にもかかわらず、アミラーゼはQ-sepharose FFにpH8.5 で結合しなかった。
【0137】
Q-sepharose FFカラムの素通り画分をCuキレート化アガロースに載せ、そして溶出したカラムを50mMの硼酸バッファーpH7.0 に対して透析した。pHをpH9.5 に調整し、そして透析溶液をQ-sepharose HPに結合させ、そして0〜250mM のNaClの直線上勾配を用いて10カラム分溶出させた。アミラーゼ含有画分をプールし、そして飽和硫酸ナトリウム溶液を20%w/w の最終濃度となるように加え、そして画分をフェニルsepharose カラムに載せた。そのカラムを脱イオン水で洗い、そして50mMの硼酸バッファーpH7.0 中の25%のイソプロパノールを用いて溶出させた。
【0138】
精製アミラーゼを SDS−PAGE電気泳動により純度検定した。クマジー染色したゲルは一本のバンドのみを有していた。
実施例2
α−アミラーゼの物理化学特性
実施例1に記載の通りにして発酵及び精製した、バチルス株NCIB12289 より獲得したα−アミラーゼは以下の特性をもつことが見い出された:
LKB Ampholine(登録商標)PAGプレート(3.5−9.5)(これは、このプレートが 3.5〜9.5 のpI域において有用であることを意味する)上での等電点電気泳動により決定された、約 8.8〜9.0 のpI。
【0139】
SDS−PAGEにより決定された、約55kDの分子量
図1に示すpHプロフィール。これは37℃にて、4〜10.5のpH域において決定した。前述したα−アミラーゼ活性についてのアッセイを、所定のpH値に調整したBritton-Robinsonバッファーを用いて利用した。図1から、この酵素は4〜10.5のpH値全てにおいてα−アミラーゼ活性を有し、 pH7.5〜8.5 において至適活性を有し、そしてpH9.5 において最大活性の60%以上の活性を有することが明らかとなった。
【0140】
α−アミラーゼのアミノ酸配列はペプチドを獲得及び配列決定するための標準方法を利用して決定した。参考のため、Findlay & Geisow(編)Protein Sequencing−a Practical Approach, 1989 IRL Press を参照のこと。
【0141】
N−末端アミノ酸配列は以下の通りであった:
His-His-Asn-Gly-Thr-Asn-Gly-Thr-Met-Met-Gln-Tyr-Phe-Glu-Trp-Tyr-Leu-Pro-Asn-Asp (SEQ ID No. 3)。
【0142】
実施例1に記載の通りに発酵及び精製したバチルス株NCIB12512 及びDSM9375 より獲得したα−アミラーゼはNCIB12289 より獲得したα−アミラーゼと同一のpI(8.8〜9.0)、同一の分子量(55kD)及び同一のN−末端配列(Seq ID No.3)を有することが見い出された。従って、NCIB12289 、NCIB12512 及びDSM937587 より獲得されたα−アミラーゼは以下の共通の特徴を有することが考えられうる。
【0143】
(a)LKB Ampholine(登録商標) PAG プレート上での等電点電気泳動により決定された約 8.6〜9.3 のpI;
(b)SDS −PAGEにより決定された約55kDの分子量;
(c)ID No.3に示すアミノ酸配列を有するN−末端アミノ酸。
【0144】
バチルス株NCIB12512 α−アミラーゼの全アミノ酸配列を本発明のSEQ ID No.1に開示する。バチルス株NCIB12512 α−アミラーゼの全DNA 配列を本発明のSEQ ID No.4に開示する。
【0145】
実施例1に記載の通りに発酵及び精製したバチルス株NCIB12513 より獲得したα−アミラーゼは約5.8pI 及び約55kDの分子量を有することが見い出された。
【0146】
バチルス株NCIB12513 α−アミラーゼの全アミノ酸配列を本発明のSEQ ID No.2に開示する。バチルス株NCIB12513 α−アミラーゼの全DNA 配列を本発明のSEQ ID No.5に開示する。
【0147】
実施例3
Termamyl (登録商標) と比較した、本発明に係るα−アミラーゼのpH及び温度プロフィール
バチルス株NCIB12512 より獲得したα−アミラーゼ(I)、バチルス株NCIB12513 より獲得したα−アミラーゼ(II)及びTermamyl(登録商標)(III)のpHプロフィールを55℃において、4から10.5に至るまでpH間隔を置いて決定した。本発明のα−アミラーゼは実施例1に記載の通りに発酵及び精製したものであり、そしてTermamyl(登録商標)はNovo Nordisk A/Sより獲得したものである。前述したα−アミラーゼ活性についてのアッセイを、所定のpH値に調整した50mMのBritton-Robinsonバッファー及び15分の反応時間を用いて利用した。その結果を図2に示す。図2から、本発明のα−アミラーゼはpH4からpH10.5に至る全てのpH値においてα−アミラーゼ活性を有し、 pH7.5〜8.5 において至適pHを有することが明らかとなった。
【0148】
バチルス株NCIB12512 より獲得したα−アミラーゼ(I)、バチルス株NCIB12513 より獲得したα−アミラーゼ(II)及びTermamyl(登録商標)(III)の温度プロフィールをpH10.0において、25℃から95℃に至るまで温度間隔を置いて決定した。本発明のα−アミラーゼは実施例1に記載の通りにして発酵及び精製したものであり、そしてTermamyl(登録商標)はNovo Nordisk A/Sより獲得したものである。前述したα−アミラーゼ活性についてのアッセイを、pH10.0に調整した50mMのBritton-Robinsonバッファー及び10分の反応時間を用いて利用した。その結果を図3に示す。図3から、本発明のα−アミラーゼは25℃から85℃に至る全ての温度値においてα−アミラーゼ活性を有し、そして本発明のα−アミラーゼの比活性が25℃から55℃に至る温度間隔における全ての温度においてTermamyl(登録商標)の比活性よりも25%高いことが明らかとなった。
【0149】
実施例4
新規α−アミラーゼの食器洗い性能
バチルス株NCIB12289 及びバチルス株12512 から実施例1に記載の通りにして得た本発明のα−アミラーゼを自動食器洗い用の洗剤アミラーゼに関して以下の試験を利用して試験した。
【0150】
皿を高温コーンスターチに浸し、そしてコップを1個のコップから別のコップにコーンスターチを注ぎ入れることにより汚した。皿及びコップを一夜乾燥させ、次いで以下の条件で食器洗浄器の中で洗浄した:
アミラーゼ用量:洗浄液1リッター当り0〜0.50mgの酵素タンパク質
洗 剤:市販ヨーロッパ式
洗 剤 用 量:洗浄液1リッター当り 4.0g
食 器 洗 浄:45℃, 55℃又は65℃プログラム、Cylinda
pH :食器洗浄中10.1
評価/等級システム:
皿及びコップからのデンプン膜の除去(RSF)を、それらの品目をヨウ素で着色してから評価した(ヨウ素はデンプン青色に変色する)。以下の等級スケールを利用した:
等 級 皿製品 コップ製品
6 清浄 清浄
5 汚点あり 薄い
4 薄い 中程度
3 中程度 濃厚
2 濃厚 非常に濃厚
1 非常に濃厚 極度に濃厚
0 覆い隠れる★ 覆い隠れる
★)未洗浄
各品目を上記の等級システムに従って評価した後、得られる評点の総合値を品目の総数で徐した。得られるRSF 値を洗浄液のリッター当りに使用したα−アミラーゼタンパク質のmgに対してプロットした。
【0151】
結果:
バチルス株NCIB12289 α−アミラーゼ:このα−アミラーゼは55℃で試験し、そしてその結果を図4に示した。図4から、3〜4のRSF 値が洗浄後のリッター当り0.1mg の酵素用量のα−アミラーゼタンパク質において得られることがわかる。
【0152】
バチルス株NCIB12512 α−アミラーゼ:このα−アミラーゼは45℃(・)、55℃(*)及び65℃(×)において試験し、そしてその結果を図5に示す。図5から、3〜4.5 のRSF 値が洗浄後のリッター当り0.1mg の酵素用量のα−アミラーゼにおいて得られることがわかる(RSF値は温度が上昇するごとに上昇する)。
【0153】
実施例5
新規のα−アミラーゼのミニ食器洗い性能
以下のミニ食器洗いアッセイを利用した。デンプン質材料の懸濁物を煮沸し、次いで20℃に冷やした。冷却したデンプン懸濁物を小型の個々に表示したガラスプレート(約2×2cm)に載せ、そしてドライキャビネットの中で60〜140 ℃の範囲の温度で乾かした。アッカイの目的のため、55℃の温度の標準ヨーロッパ型自動食器洗い洗浄(5g/l)の溶液を調製した。この洗剤を1分の溶解時間に委ね、その後課題のアミラーゼを 0.5mg/lの酵素濃度となるように洗浄溶液(マグネチックスターラーの付いたビーカーに入った)に加えた。同時に、小型の支持クランプに保持しておいた秤量済みのガラスプレートをこのアミラーゼ/洗剤溶液の中に実質的に鉛直の位置において浸し、その溶液を55℃で15分撹拌した。次いでガラスプレートをアミラーゼ/洗剤溶液から取り出し、蒸留水ですすぎ、ドライキャビネットの中で60℃で乾かし、そして再秤量した。課題のアミラーゼの性能〔Termamyl(登録商標)(指数100)に対する指数として表示〕を、以下の式により、処理前後でのガラスプレートの重量の差から決定した:
【0154】
【数1】

【0155】
結果
上記のミニ食器洗い試験はpH10.0で、Termamyl(登録商標)、NCIB12513 由来の新規のα−アミラーゼ及びNCIB12512 由来の新規のα−アミラーゼによって行った(この新規のα−アミラーゼは実施例1に記載の通りにして得た)。これらの試験は以下の結果を示した。
【0156】
Termamyl(登録商標) 指数:100
α−アミラーゼ(NCIB12512) 指数:163
α−アミラーゼ(NCIB12513) 指数:175
驚くべきことに、ミニ食器洗い試験における性能は、図3 からわかる通り、pH10.0、55℃において比活性と比例した。
【0157】
Termamyl(登録商標) 比活性:2200U/mg
α−アミラーゼ(NCIB12512) 比活性:4400U/mg
α−アミラーゼ(NCIB12513) 比活性:5200U/mg
【0158】
実施例6
洗濯洗浄
洗 剤:市販のUS強力顆粒洗剤(HDG)
洗 剤 用 量:2g/l
α−アミラーゼ用量:0.2mg 酵素タンパク質/l
土 壌:綿上のCibacron Blue 3GAで着色したポテトスターチ
水 の 硬 度:9°dH
時 間:15分
温 度:40℃
評価:
660nm での反射率。デルタ反射率は、対応の酵素で洗濯した見本について得られる反射率と、酵素抜きで洗濯した見本の反射率とから計算した。より詳しくは、デルタ反射率は酵素入りで得られる反射率、引く、酵素抜きで得られる反射率である。
結果
上記の洗濯洗浄試験をTermamyl(登録商標)、NCIB12513 由来の新規α−アミラーゼ及びNCIB12512 由来の新規α−アミラーゼにより行った(この新規のα−アミラーゼは実施例1に記載の通りにして得た)。これらの試験は以下の結果を示す。
【0159】
Termamyl(登録商標) 指数:100
α−アミラーゼ(NCIB12512) 指数:145
α−アミラーゼ(NCIB12513) 指数:133
上記の結果から、本発明のα−アミラーゼはTermamylと比べてかなり改善されたデンプン除去能を発揮する、換言すれば本発明のα−アミラーゼはTermamylと比べて改善された洗濯洗浄性能を有することが明らかである。
【0160】
実施例7
Termamyl(登録商標)と比べての、バチルス株NCIB12512 α−アミラーゼ及びバチルス株NCIB12513 α−アミラーゼの触媒効率
様々な基質濃度において本発明のα−アミラーゼ及びTermamyl(登録商標)により触媒される加水分解の反応速度を基質としてアミロース(Merck 4561) 及びアミロペクチン(Sigma A7780)によりSomogyi-Nelson法(以下に記載)を利用して決定した。
【0161】
加水分解速度を様々な濃度(1%, 0.5%, 0.3%, 0.25%及び0.2 %) で測定した。
【0162】
還元糖の数をSomogyi-Nelson法を利用して測定し、そして生成したグルコース当量/アミラーゼのmg×h(加水分解速度を示す)として決定した。データーをミハエリス−メンテン及びラインウェーバー−バーク式に従ってプロットした。これらの式より、Vmax/Kmは以下の近似式を利用することにより容易に計算できる:
【0163】
【数2】

【0164】
★一定の基質濃度ではF、その基質濃度がKmより小さいとき、式Vmax/Kmは一定のα−アミラーゼの触媒効率に担当する。以下の表1において、Vmax/Kmを3種のα−アミラーゼについて計算してある。
【0165】
【表26】

【0166】
α−アミラーゼ(NCIB12513)及びα−アミラーゼ (NCIB12512)の触媒効率はTermamylと比べ、アミロペクチン及びアミロースの双方に対して驚くべきほどに高いことが示された。特に、アミロースに対する高い触媒活性は、Termamylに比べての改善された比活性及び食器洗い/洗濯性能にとって重要な意義を有すると考えられる。
【0167】
線形アミロース分子は互いと並び合い、ヒドロキシル基を介して鎖間水素結合を形成できる。アミロース分子のこのネットワークは結晶特性を有し、そしてどの公知のアミラーゼによっても溶解及び加水分解されにくい。
【0168】
還元糖の決定のためのSomogyi 法
この方法は、糖が、第二銅を、モリブデン酸ヒ素と反応して光学的に測定される青色を発色する酸化第一銅へと還元する原理に基づいている。検査する溶液はリッター当り50〜600mg のグルコースを含まねばならない。
【0169】
1mgの糖溶液を1mlの銅試薬と混合し、そして沸騰湯浴の中に20分置く。得られる混合物を冷やし、そして1mlのNelson有色試薬及び10mlの脱イオン水と混合する。520nm での吸収を測定する。
【0170】
0〜2の範囲においては、吸収は糖の量に比例し、従ってそれは以下のようにして試算できうる:
【0171】
【数3】

【0172】
試薬
1.Somogyi 銅試薬
35.1gのNa2HPO4 ・2H2O及び40gの酒石酸カリウムナトリウム(KNaC4H4O2 ・4H2O)700mlの脱イオン水に溶かす。 100mlの1Nの水酸化ナトリウム及び80mlの10%硫酸第二銅(CuSO4 ・5H2O) を加え、 180gの無水硫酸ナトリウムをこの混合物に溶かし、そしてその容量を脱イオン水で1リッターにする。
2.Nelson有色試薬
50gのモリブデン酸アンモニウムを 900mlの脱イオン水に溶かす。次いで42mlの濃硫酸(Merck) を加え、次いで6gのヒ素水素二ナトリウム六水和物を50mlの脱イオン水に溶かし、そしてその容量を脱イオン水で1リッターにする。
【0173】
この溶液は使用前に37℃で24〜48時間放置しておかねばならない。これはガラス栓の付いた茶色のガラスボトルの中で暗所で保存しなくてはならない。
3.標準品
100mg のグルコース(May & Baker、無水物)を1リッターの脱イオン水に溶かす。
【0174】
参考文献:J.Biol.Chem.153, 375(1944)
【0175】
【表27】

【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】実施例2に記載の通りにして決定した、新規アミラーゼ(バチルス(Bacillus) 株NCIB12289 より獲得)のpHとα−アミラーゼ活性との関係を示す。
【図2】バチルス株NCIB12512 より獲得したα−アミラーゼ(I)、バチルス株NCIB12513 より獲得したα−アミラーゼ(II)及びTermamyl (登録商標)(III)のpHプロフィールを示し、その試験は実施例3に記載の通りにして行った。
【図3】バチルス株NCIB12512 より獲得したα−アミラーゼ(I)、バチルス株NCIB12513 より獲得したα−アミラーゼ(II)及びTermamyl (登録商標)(III)の温度プロフィールを示し、その試験は実施例3に記載の通りにして行った。
【図4】55℃での新規α−アミラーゼ(バチルス株NCIB12289 より獲得)の用量の関数としてのRSF 等級(皿及びガラス製品からのデンプン膜の除去)を示し、その試験は実施例4に記載の通りに行った。
【図5】45℃(・)、55℃(*)及び65℃(×)においての新規のα−アミラーゼ(バチルス株NCIB12512 より獲得)の用量の関数としてのRSF 等級(皿及びガラス製品からのデンプン膜の除去)を示し、その試験は実施例4に記載の通りにして行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID No.2に示すアミノ酸配列又はSEQ ID No.2に示すアミノ酸配列と90%以上の同一性を有することを特徴とするα−アミラーゼ。
【請求項2】
前記α−アミラーゼが好アルカリ性バチルス種より獲得できる、請求項1記載のα−アミラーゼ。
【請求項3】
NCIB12513より獲得できる、請求項2記載のα−アミラーゼ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼ及び界面活性剤を含んで成る洗浄組成物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼ及び界面活性剤を含んで成る洗濯洗浄組成物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼ及び界面活性剤を含んで成る食器洗い用洗浄組成物。
【請求項7】
1又は複数種のその他の酵素を更に含んで成る、請求項4〜6のいずれか1項記載の洗浄組成物。
【請求項8】
前記その他の酵素がプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ及び/又はオキシダーゼである、請求項7記載の洗浄組成物。
【請求項9】
無塵顆粒、安定化液体、スラリー又は保護酵素の形態を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを含んで成る洗浄添加剤。
【請求項10】
洗濯、食器洗い、又は硬質面洗浄のため、請求項4〜7のいずれか1項記載の洗浄組成物又は請求項9記載の洗浄添加剤を含んで成る洗剤を使用する方法。
【請求項11】
デンプンの液化の工程において請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを使用する方法。
【請求項12】
デンプン含有廃紙及び/又はデンプン含有廃ダンボールからリグノセルロース系材料を製造するため、請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを使用する方法。
【請求項13】
前記リグノセルロース系材料がパルプ、紙及びダンボールから成る群から選ばれる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
リサイクルしたデンプンコーティング化又はデンプン含有印刷紙のインク抜きのための、請求項12又は13記載の方法。
【請求項15】
アルカリ性鉱物充填剤を含む懸濁物中に存在する製紙用デンプンを改質するため、請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを使用する方法。
【請求項16】
前記アルカリ性鉱物充填剤が炭酸カルシウムである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
生地の糊抜きのため、請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを使用する方法。
【請求項18】
前記α−アミラーゼをセルラーゼと組合せて使用する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
ビール製造工程のため、請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを使用する方法。
【請求項20】
請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼをコードするDNAを含んで成るDNA 構築体。
【請求項21】
請求項20記載のDNA 構築体を担持している組換発現ベクター。
【請求項22】
請求項20記載のDNA 構築体又は請求項21記載のベクターで形質転換された細胞。
【請求項23】
微生物である、請求項22記載の細胞。
【請求項24】
細菌又は菌類である、請求項23記載の細胞。
【請求項25】
グラム陽性菌である、請求項24記載の細胞。
【請求項26】
前記グラム陽性菌がバチルス・スブチリス、バチルス・リシェンホルミス、バチルス・レンタス、バチルス・ブレビス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・アルカロフィルス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・コアギュランス、バチルス・サーキュランス、バチルス・ロータス、バチルス・スリンジエンシス、ストレプトマイセス・リビダンス又はストレプトマイセス・ミュリナスである、請求項25記載の細胞。
【請求項27】
グラム陰性菌である、請求項24記載の細胞。
【請求項28】
前記グラム陰性菌がE.コリである、請求項27記載の細胞。
【請求項29】
請求項1〜3のいずれか1項記載のα−アミラーゼを製造する方法であって、請求項22〜28のいずれか1項記載の細胞をα−アミラーゼの産生を誘導する条件下で培養し、そしてこのα−アミラーゼを次にその培地から回収する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−187285(P2006−187285A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−375802(P2005−375802)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【分割の表示】特願平7−524913の分割
【原出願日】平成7年3月29日(1995.3.29)
【出願人】(500586299)ノボザイムス アクティーゼルスカブ (164)
【Fターム(参考)】