説明

アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース、その製造金型及び製造方法

【課題】本発明は、アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース、その製造金型及び製造方法に関する。
【解決手段】本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースは、金属薄板で形成されるアンテナパターン部を含む放射部が一面に露出するように射出成形される放射体フレームと、上記放射体フレームの上部に射出成形され、上記放射部が上記放射体フレームとの間に埋め込まれるようにするケースフレームと、上記放射体フレームと上記ケースフレームとの境界をなし、上記ケースフレームの内側に凹溝に形成される境界部と、を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース、その製造金型及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を支援する携帯電話、PDA、ナビゲーション、ノート型パソコンなどの移動通信端末機のような電子装置は現代社会ではなくてはならない重要な装置である。上記移動通信端末機はCDMA、無線LAN、GSM、DMBなどの機能が加わる傾向で発展しており、これらの機能を可能にする最も重要な部品の一つがアンテナに関するものである。
【0003】
このような移動通信端末機に用いられるアンテナは、ロッドアンテナやヘリカルアンテナのような外装型から端末機内部に配置する内蔵型に発展する傾向にある。
【0004】
外装型は外部の衝撃に脆弱であるという問題点があり、内蔵型は端末機自体の体積が増加するという問題点があった。
【0005】
このような問題点を解決するために、アンテナを移動通信端末機と一体化させるための研究が活発に行われている。
【0006】
アンテナを機構物に一体化させる方法として、端末機の胴体にフレキシブルアンテナを接着剤で取り付けるか、または端末機の外部面にアンテナフィルムが形成されるようにアンテナフィルムをモールディングする方法まで提示されている。
【0007】
しかし、フレキシブルアンテナを単に接着剤を用いて取り付ける場合は、接着力が弱くなると、アンテナの信頼性が低下するという問題点が発生する。また、外観が悪くて消費者によくない感性品質を提供するという問題点がある。
【0008】
また、端末機の外部面にアンテナフィルムを形成するようにアンテナフィルムをモールディングする場合は、製品の安定性は確保されるが、アンテナフィルム自体の弾性によって射出物から分離されるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アンテナパターンフレームが電子装置ケースの製造金型内で射出圧によって移動または変形しないように射出された電子装置ケースを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、上記電子装置ケースの製造金型と製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに他の目的は、導電性インクやフィルム型放射体フレームを用いる場合にも、電子装置ケースの製造金型内で高温高圧の射出条件に耐えることができる電子装置の製造金型を提供することにある。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、低周波用アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース、その製造金型と製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースは、金属薄板で形成されるアンテナパターン部を含む放射部が一面に露出するように射出成形される放射体フレームと、上記放射体フレームの上部に射出成形され、上記放射部が上記放射体フレームとの間に埋め込まれるようにするケースフレームと、上記放射体フレームと上記ケースフレームとの境界をなし、上記ケースフレームの内側に凹溝に形成される境界部と、を含むことができる。
【0014】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記放射体フレームは貫通ホールを含み、上記アンテナパターン部は上記貫通ホールの外部を巻線するループアンテナを形成することができる。
【0015】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記貫通ホールは、上記ケースフレームが射出される電子装置ケースの製造金型の内部境界突部に挿入されることができる。
【0016】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記ケースフレームと上記貫通ホールとの境界には、貫通ホール境界グルーブが形成されることができる。
【0017】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記貫通ホール境界グルーブは、上記貫通ホールから上記貫通ホールの内部に形成される上記ケースフレームの方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することができる。
【0018】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記放射体フレームの外部に形成される上記ケースフレームと上記放射体フレームとの境界には、外部境界グルーブが形成されることができる。
【0019】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記外部境界グルーブは、上記放射体フレームから上記放射体フレームの外部に形成される上記ケースフレームの方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することができる。
【0020】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記放射部は、上記放射体フレームの一面に形成される連結端子部を備え、上記連結端子部は上記放射体フレームの外部に突出形成される連結端子部支持部上に露出するように射出成形されることができる。
【0021】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記連結端子部支持部は、上記連結端子部と対応する位置にインターコネクションホールを含むことができる。
【0022】
また、本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの上記放射体フレームは、上記放射部の上面より高い外部突部を含むことができる。
【0023】
他の側面において、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型は、金属薄板で形成されるアンテナパターン部を含む放射部が露出するように射出される放射体フレームが接触支持される上部または下部金型と、上記上部、下部または上部及び下部金型に形成され、上記上部及び下部金型が合型されて形成されるケースフレーム形状の内部空間がケースフレームとなるように、樹脂材が流入されるようにする樹脂材流入部と、上記上部または下部金型のうち少なくとも一つに提供され、上記放射体フレームが挿入される境界部形成部と、を含むことができる。
【0024】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記放射体フレームの外部境界を設定する外周部と上記放射体フレームに形成される貫通ホールの内周部とが挿入されるように、上記上部または下部金型から突出される突起を含むことができる。
【0025】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記樹脂材が上記内部空間で移動する方向に向かって傾斜が増加することができる。
【0026】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、流入される上記樹脂材が上記放射体フレームの上面と先に接触するようにする傾斜を有することができる。
【0027】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記放射体フレームの境界となる部分の高さが高く、上記内部空間の方向に向かって高さが低くなることができる。
【0028】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記樹脂材流入部は、上記境界部形成部の外部に形成されることができる。
【0029】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記樹脂材を上記ケース形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内する傾斜部と、上記傾斜部から連続的に延長されて上記樹脂材を水平に案内するフラット部と、を含むことができる。
【0030】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記傾斜部は、底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加することができる。
【0031】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記フラット部の高さは、上記放射体フレームの高さと対応することができる。
【0032】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記樹脂材を上記ケース形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内し、底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加する傾斜部を含むことができる。
【0033】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記傾斜部の最上部の高さは、上記放射体フレームの高さと対応することができる。
【0034】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造金型の上記境界部形成部は、上記樹脂材を上記ケース形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内し、底面の接線の勾配が増加した後、一地点で変換されて減少することができる。
【0035】
また他の側面において、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造方法は、金属薄板で形成されるアンテナパターン部を含む放射部となるようにプレス成形する段階と、上記アンテナパターン部が放射体フレームの一面に埋め込まれて露出するように射出する段階と、上記放射体フレームの外周面が電子装置ケースの製造金型に形成される境界部形成部の内側に挿入されて装着されるようにする段階と、上記境界部形成部の外側から樹脂材が流入され、上記樹脂材が上記境界部形成部を経て上記放射体フレームの上面から満たされ、上記電子装置ケースの製造金型に形成されるケースフレーム形状の内部空間に充填される段階と、を含むことができる。
【0036】
また、本発明の一実施例による電子装置ケースの製造方法において、上記放射体フレームは上記アンテナパターン部の内側に貫通ホールが形成されるように成形され、上記放射体フレームは上記貫通ホールが挿入される境界部形成部が提供される上記電子装置ケースの製造金型内に装着されることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一実施例によるアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース、その製造方法及び製造金型によると、アンテナパターン部が形成される放射体を電子装置ケースに埋め込むことができるため、従来の外装型アンテナが有する外部衝撃に対する脆弱性の問題点及び内蔵型アンテナが有する体積増加の問題点を解決することができる。
【0038】
また、低周波用アンテナを小型化された電子装置で具現することができるため、小型器機で別途の外部アンテナを用いなくても低周波放送の受信が可能であるだけでなく、RFID通信用アンテナ及び無線充電式アンテナなど、多様に応用することができる。
【0039】
また、アンテナパターンフレームが高温高圧で射出が行われる電子装置ケースの製造金型内で移動または変形しないため、外観不良率が低く、アンテナ性能が向上されることができる。
【0040】
また、ケースの外部面にアンテナフィルムを付着するものではないため、アンテナフィルムの弾性によってケースからフィルムが剥がれ落ちるという問題点を解決することができる。
【0041】
また、アンテナパターンフレームを利用して、アンテナが必要な全ての電子装置に適用してアンテナパターン部が埋め込まれた電子装置ケースを製造することができるため、多様に応用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例による電子装置である移動通信端末機のケースを部分切開して図示した概略斜視図である。
【図2】本発明によるアンテナパターンフレームを利用して製造された移動通信端末機を分解して概略的に図示した分解斜視図である。
【図3】本発明によるアンテナパターンフレームの第1実施例の概略斜視図である。
【図4】図3のA部分の第1実施例の概略拡大斜視図である。
【図5】図3のA部分の第2実施例の概略拡大斜視図である。
【図6】図3のA部分の第3実施例の概略拡大斜視図である。
【図7】(a)は図3の連結端子部フレームの部分拡大斜視図であり、(b)は図7の(a)のVII−VII線の断面図である。
【図8a】図3のアンテナパターンフレーム及びこれを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図8b】図3のアンテナパターンフレーム及びこれを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図8c】図3のアンテナパターンフレーム及びこれを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図8d】図3のアンテナパターンフレーム及びこれを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図9】本発明によるアンテナパターンフレームの第2実施例の概略斜視図である。
【図10】図9のX−X線の断面図である。
【図11a】図9のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図11b】図9のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図12】本発明によるアンテナパターンフレームの第3実施例の概略斜視図である。
【図13a】図12のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図13b】図12のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図13c】図12のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図13d】図12のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図14a】図12のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図14b】図12のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図15】図12のC部分の第1実施例の概略拡大斜視図である。
【図16】図12のC部分の第2実施例の概略拡大斜視図である。
【図17】図15のアンテナパターンフレームを製造するための製造金型の概略断面図である。
【図18】図16のアンテナパターンフレームを製造するための製造金型の概略断面図である。
【図19】図15のアンテナパターンフレームを利用して製造された移動通信端末機のケースの断面図である。
【図20】本発明によるアンテナパターンフレームの第4実施例の概略斜視図である。
【図21a】図20のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図21b】図20のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図21c】図20のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図21d】図20のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図である。
【図22a】図20のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図22b】図20のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【図23】本発明による移動通信端末機のケースの製造金型の変形例を図示した断面図である。
【図24】図23のD部分の概略拡大断面図である。
【図25】図23のD部分の第1変形例を図示した概略断面図である。
【図26】図23のD部分の第2変形例を図示した概略断面図である。
【図27】図23のD部分の第3変形例を図示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内で他の構成要素の追加、変更、削除等によって、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができ、これも本発明の思想の範囲内に含まれる。
【0044】
また、各実施例の図面に示す同一または類似する思想の範囲内における機能が同一または類似する構成要素は、同一または類似する参照符号を用いて説明する。
【0045】
図1は本発明の一実施例による電子装置である移動通信端末機のケースを部分切開して図示した概略斜視図であり、図2は本発明によるアンテナパターンフレームを利用して製造された移動通信端末機を分解して概略的に図示した斜視図である。
【0046】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による電子装置である移動通信端末機100のケース120には、アンテナパターン部222を含む放射部220が埋め込まれている。
【0047】
上記アンテナパターン部222が上記電子装置ケース120内に埋め込まれるように上記アンテナパターン部222が形成される放射体フレーム210が必要である。
【0048】
電子装置及び電子装置ケース
電子装置の一実施例である移動通信端末機100は、アンテナパターンフレーム200と、ケースフレーム130と、回路基板140とを含むことができる。
【0049】
上記アンテナパターンフレーム200は図1及び図2に図示されたように、移動通信端末機100のケースフレーム130の内部に固定されることができる。また、以下で詳細に説明するように、アンテナパターンフレーム200を電子装置ケース120の製造のための電子装置製造金型400でモールド射出成形しケースフレーム130と一体化させることができる。
【0050】
上記回路基板140には、放射体フレーム210のアンテナパターン部222と信号を送信または受信するための回路素子が実装され、上記アンテナパターンフレーム200の連結端子部224と連結される連結配線144が形成されることができる。
【0051】
上記電子装置ケース120は、放射体フレーム210と、放射部220と、ケースフレーム130と、を含むことができる。
【0052】
上記放射体フレーム210はポリマープラスチック射出液で射出成形されることができる。
【0053】
上記放射部220は適切な帯域の信号を送信または受信することができるアンテナパターン部222を有することができる。
【0054】
上記ケースフレーム130は上記放射部220の上部に射出形成されることにより、上記放射部220が上記放射体フレーム210と上記ケースフレーム130との間に埋め込まれることができる。
【0055】
上記放射体フレーム210はプラスチック材質のプレートであることができ、上記プレートの内部には、電子装置のケース120の完成時においてはケースフレームが貫通している貫通ホール240が形成されることができる。この際、上記アンテナパターン部222は上記貫通ホール240の外部を巻線するループアンテナを形成することができる。
【0056】
上記ケースフレーム130と上記貫通ホール240との境界には貫通ホール境界グルーブ126が形成されることができる。ここで、上記貫通ホール境界グルーブ126は、上記貫通ホール240から上記貫通ホール240の内部に形成される上記ケースフレーム130の方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することができる。
【0057】
また、上記放射体フレーム210の外部に形成される上記ケースフレーム130と上記放射体フレーム210との境界には、外部境界グルーブ124が形成されることができる。ここで、上記外部境界グルーブ124は、上記放射体フレーム210から上記放射体フレーム210の外部に形成される上記ケースフレーム130の方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することができる。
【0058】
上記貫通ホール境界グルーブ126と上記外部境界グルーブ124を含む上記放射体フレーム210の境界部122は、以下で説明する電子装置ケースの製造金型400に形成される境界突部442、444によって形成されることができる(図8c及び図8d)。
【0059】
上記境界突部442、444は、上記ケースフレーム130を射出成形する時、高温高圧の射出液が電子装置ケースの製造金型400内に配置される上記放射体フレーム210の底面または側面を直接的に押し出す現象を減らすことができる。
【0060】
即ち、上記境界突部442、444は、上記放射体フレーム210への射出液の流れを改善するだけでなく、上記放射体フレーム210に加えられる射出圧を弱くしてアンテナパターンフレーム200が上記電子装置ケースの製造金型400内で安定的に配置されるようにすることができる。
【0061】
従って、電子装置ケース120の外観不良が改善され、安定的なアンテナの放射特性を確保することができる。
【0062】
図3は本発明によるアンテナパターンフレームの第1実施例の概略斜視図で、図4は図3のA部分の第1実施例の概略拡大斜視図で、図5は図3のA部分の第2実施例の概略拡大斜視図で、図6は図3のA部分の第3実施例の概略拡大斜視図で、図7の(a)は図3の連結端子部フレームの部分拡大斜視図で、図7の(b)は図7の(a)のVII−VII線の断面図で、図8aから図8dは図3のアンテナパターンフレーム及びこれを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【0063】
二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第1実施例
図3から図7を参照すると、アンテナパターンフレーム200の第1実施例には、放射体フレーム210の一面210aに伝導性物質が被覆及び固形化されて形成されるアンテナパターン部222を備える放射部220が形成されることができる。
【0064】
上記放射体フレーム210はポリマープラスチック射出液で射出成形されたプラスチックプレートであることができ、上記プレートの内部に貫通ホール240が形成されることができる。この際、上記アンテナパターン部222は、上記貫通ホール240の外部を巻線するループアンテナを形成することができる。
【0065】
上記放射部220は、上記放射体フレーム210の一面210aの反対面210bに形成される連結端子部224と、上記アンテナパターン部222と上記連結端子部224とを連結する連結部225と、を含むことができる。
【0066】
上記連結端子部224は上記放射体フレーム210の外部に突出して形成される連結端子部支持部215に形成され、アンテナパターン部222との距離が一定範囲に維持されることができる。
【0067】
上記連結部225は上記放射体フレーム210の側面に形成され、上記アンテナパターン部222と連結端子部224を異なる平面に配置させることができる。
【0068】
図4は図3のA部分の断面を示す拡大斜視図であり、平らな上記放射体フレーム210の一面210a上に伝導性物質が塗布されてアンテナパターン部222を形成する。図5は図3のA部分の一部が変形された実施例の拡大斜視図であり、上記放射体フレーム210の一面210a上に形成される陰刻の位置決め溝212上に伝導性物質が塗布されてアンテナパターン部222を形成する。
【0069】
図6は図3のA部分の一部が変形された他の実施例の拡大斜視図であり、伝導性物質のアンテナパターン部222が固形化された後、上記アンテナパターン部222上にケースフレーム130の射出液が高温高圧で充填される時、高温高圧の射出液に対する耐性を提供するための絶縁保護層230が形成されることができる。
【0070】
この際、上記放射体フレーム210の外周面には、上記放射部220の上部より高い外部突部214を形成することができる。上記外部突部214は伝導性物質が流れることを防止することができる。
【0071】
アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの製造方法及び製造金型
図8aから図8dを参照して、アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの製造方法及び製造金型について説明する。
【0072】
まず、射出成形される放射体フレーム210(図8a)上に伝導性インクを塗布して固形化することで、アンテナパターン部222を形成する(図8b)。上記アンテナパターン部222は、上記放射体フレーム210上にスパッタリング(sputtering)、印刷(printing)、メッキ(plating)、スタンピング(stamping)、ドローイング(drawing)及びディスペンシング(dispensing)のうち選択される少なくとも一つの方法で形成されることができる。図8bはインクジェット印刷によって伝導性インクを塗布して、アンテナパターン部が上記放射体フレーム210上に形成されることを図示している。
【0073】
上記アンテナパターン部222は上記放射体フレーム210上に形成される位置決め溝212(図5参照)上に形成されることができ、上記アンテナパターン部222上には高温高圧の射出条件でアンテナパターンを保護するための絶縁保護層230が形成されることができる。
【0074】
また、上記放射体フレーム210は上記アンテナパターン部222の内側に貫通ホール240が形成されるように成形されることができる。
【0075】
このように製造された放射体フレーム210は、上記放射体フレーム210の外周面が電子装置ケースの製造金型400に形成される境界部形成部の内側に挿入されて装着されることができる(図8c)。
【0076】
上記境界部形成部は、上記電子装置ケースの製造金型400から突出形成される境界突部であり、上記放射体フレーム210の貫通ホール240が挿入される内部境界突部444と、上記放射体フレーム210の外周部が挿入される外部境界突部442と、を含むことができる。
【0077】
そして、上記境界部形成部の外側から樹脂材が流入され、上記樹脂材が上記境界部形成部を経て上記放射体フレーム210の上面から満たされ、上記電子装置ケースの製造金型400に形成されたケースフレーム130形状の内部空間450に充填される(図8d)。
【0078】
以下、図8c及び図8dを参照して、電子装置ケースの製造金型400について説明する。
【0079】
上記電子装置ケースの製造金型400は、上部金型420と下部金型440とを含むことができる。
【0080】
上記上部金型420または下部金型440には、伝導性物質が被覆及び固形化された放射部220を含む放射体フレーム210が接触支持されることができる。上記上部及び下部金型420、440が合型されて形成されるケースフレーム形状の内部空間450がケースフレーム130となるように、上記上部、下部または上部及び下部金型420、440に樹脂材流入部460が形成されることができる。
【0081】
ここで、上記上部または下部金型420、440のうち少なくとも一つには、上記放射体フレーム210が挿入される境界部形成部が提供されることができる。
【0082】
上記境界部形成部は、上記放射体フレーム210の外部境界を設定する外周部と上記放射体フレーム210に形成される貫通ホール240の内周部とが挿入されるように、上記上部または下部金型から突出される突起であることができる。上記突起は外部境界突部442と内部境界突部444を含むことができる。
【0083】
ここで、上記境界部形成部は上記樹脂材が上記内部空間450で移動する方向に向かって傾斜が増加することができ、流入される上記樹脂材が上記放射体フレーム210の上面と先に接触するようにする傾斜を有することができる。
【0084】
即ち、上記境界部形成部は、上記放射体フレーム210との境界となる部分の高さが高く、上記内部空間の方向に向かって高さが低くなることができる。
【0085】
ここで、放射体フレーム210の表面に伝導性物質で形成されるアンテナパターン部222が射出時に押し出されたり、剥がれると、アンテナ特性が変わるため注意が必要である。
【0086】
上記樹脂材流入部460は、上記境界部形成部の外部に、射出成形において問題とならない範囲内でアンテナパターン部222から遠く配置されることができる。
【0087】
図9は本発明によるアンテナパターンフレームの第2実施例の概略斜視図であり、図10は図9のX−X線の断面図であり、図11a及び図11bは図9のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【0088】
二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第2実施例
図9から図11を参照して二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第2実施例について説明する。本実施例では、アンテナパターンフレームの第1実施例と異なる内容についてのみ説明し、その他の内容はアンテナパターンフレームの第1実施例の説明内容に代える。
【0089】
本実施例のアンテナパターンフレーム200はポリマープラスチックで放射体フレーム210を射出した後に伝導性物質で被覆するものではなく、金属薄板で形成されるアンテナパターン部222を含む放射部220が一面210aに露出するように射出成形される放射体フレーム210を含むことができる。
【0090】
上記放射部220は金属薄板をプレス加工してアンテナパターン部222を形成することができる。
【0091】
また、上記放射部220は上記放射体フレーム210の一面210aに形成される連結端子部224を備え、上記連結端子部224は上記放射体フレーム210の外部に突出されて形成される連結端子部支持部215に埋め込まれて露出することができる。
【0092】
この際、上記連結端子部支持部215に形成される連結端子部224の下部には、電子装置の回路基板140(図2参照)のコネクションピン148が挿入されるインターコネクションホール218が形成されることができる。
【0093】
このようなアンテナパターンフレーム200は、アンテナパターンフレームの第1実施例を利用して電子装置ケースを製造する製造金型400と実質的に同一である製造金型400の内部に形成される境界部形成部に挿入されることができる。
【0094】
また、上記電子装置ケースの製造金型400の内部空間450に射出液を注入して、電子装置ケース120を製造することができる。
【0095】
上記境界部形成部は、上記アンテナパターンフレームが上記電子装置ケースの製造金型400内で移動することを防止することができる。
【0096】
図12は本発明によるアンテナパターンフレームの第3実施例の概略斜視図であり、図13aから図13dは図12のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図であり、図14a及び図14bは図12のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図であり、図15は図12のC部分の第1実施例の概略拡大斜視図であり、図16は図12のC部分の第2実施例の概略拡大斜視図である。
【0097】
また、図17は図15のアンテナパターンフレームを製造するための製造金型の概略断面図であり、図18は図16のアンテナパターンフレームを製造するための製造金型の概略断面図であり、図19は図15のアンテナパターンフレームを利用して製造された移動通信端末機のケースの断面図である。
【0098】
二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第3実施例及び低周波信号の伝達のためのアンテナパターンフレーム
図12から図19を参照して二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第3実施例について説明する。本実施例では、アンテナパターンフレームの第1実施例と異なる内容についてのみ説明し、その他の内容はアンテナパターンフレームの第1実施例の説明内容に代える。
【0099】
本実施例のアンテナパターンフレーム200は、フィルム250に形成されるアンテナパターン部222を含む放射部220が一面210a上に形成されるように射出成形される放射体フレーム210を含むことができる。
【0100】
このようにフィルム250にアンテナパターンを形成することで、金属薄板を利用する場合より、細長いアンテナパターンを容易に具現することができる。
【0101】
上記放射体フレーム210は貫通ホール240を含み、上記アンテナパターン部222は上記貫通ホール240の外部を巻線するループアンテナを形成することができる。
【0102】
また、上記アンテナパターン部222は、低周波信号の送信または受信ができるように多数回巻線されるアンテナコイルからなることができる。上記アンテナパターン部222がアンテナコイルからなることにより、移動通信端末機のような小型電子機器でも別途の外部アンテナを用いることなく低周波帯域の放送周波数を送信または受信することができ、RFID通信も可能になる。また、低周波用アンテナパターン部は無線充電用アンテナパターンとしても利用することができる。
【0103】
このように低周波用アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースも、二重射出で製造されることができる。
【0104】
低周波用アンテナパターン部を含む放射部220は細長いアンテナパターンからなり、上記低周波用アンテナパターン部を含む放射部220はフィルム250に伝導性物質を被覆して形成することができる。勿論、金属パターンも細長く形成すれば、低周波用アンテナパターン部として用いることができる。
【0105】
低周波アンテナパターン部222を含む放射部220が一面210a上に形成されるように、磁性体成分を含むポリマー複合材で放射体フレーム210を射出成形する。
【0106】
放射部220が装着されるベースである放射体フレーム210の材質の誘電率を変更すると、放射部220の周りにキャパシタンス成分が存在するようになるため、アンテナパターンの長さを減らすことができる。このようにアンテナパターンの長さを減らすと、放射体フレーム210自体のサイズを減らすことができる。
【0107】
低周波アンテナパターン部222の放射体フレーム210も貫通ホール240を含み、上記アンテナパターン部222は上記貫通ホール240の外部に多数回巻線されるアンテナコイルからなることができる。
【0108】
上記磁性体成分を含むポリマー複合材は、フェライトのような高透磁率の磁性体成分を含み、低周波帯域のアンテナ性能を向上させることができ、セット装備の動作時に発生するノイズ、電磁波の遮蔽などを効率的に行うことができる。
【0109】
このような低周波アンテナパターン部222が一面210aに形成される磁性体成分を含むポリマー複合材の放射体フレーム210を電子装置ケースの製造金型400に装着させた後、射出液を注入することにより、上記低周波アンテナパターン部222が上記放射体フレーム210と上記ケースフレーム130との間に埋め込まれるようにすることができる。
【0110】
上記ケースフレーム130は、PC、ABS、レジン及びポリマープラスチックのうち選択される少なくとも一つ以上の材質の射出液で射出されることができる。
【0111】
一方、本実施例のフィルム型アンテナパターンフレーム200は、図13aから図13dの製造工程によってアンテナパターン部222が形成されるフィルム250をアンテナパターンフレームの製造金型300内に挿入して、アンテナパターンフレーム200を製造することができる。
【0112】
上記アンテナパターン部222が形成されるフィルム250は、アンテナパターンフレームの製造金型300の上部金型320に接着されるか、または流動ピン342などによって支持固定されることができる。
【0113】
この際、下部金型340には、流動ピン342や放射体フレーム210の貫通ホール240に対応する形状の貫通ホール形成部348、インターコネクションホール形成ピン344などが形成されることができる。
【0114】
上記上部金型320と下部金型340の合型によって形成される放射体フレーム210形状の内部空間350に樹脂を充填することにより、アンテナパターン部222が形成されるフィルム250が射出固定される放射体フレーム210を形成することができる。
【0115】
上記フィルム250はCu成分が含まれたポリマープラスチック材質を含むことができる。ポリマープラスチック材質は、PC、PET、ABS、これらの複合材などがありえる。
【0116】
アンテナパターン部222をフィルム250に形成する過程は、金属薄板をプレスして接着する方法だけでなく、フィルム250上にスパッタリング(sputtering)、印刷(printing)、メッキ(plating)、スタンピング(stamping)、ドローイング(drawing)及びディスペンシング(dispensing)などの方法を利用することができる。
【0117】
特に、低周波帯域やRFID通信に用いられるアンテナを利用するためには、金属薄板をプレスして接着する方法より、伝導性物質を利用して塗布する方法が細長いアンテナパターンを形成するにおいて有利である。
【0118】
このようなアンテナパターンフレーム200は、図14aのような電子装置ケースの製造金型400に挿入され、図14bのような樹脂材注入の過程を経て、電子装置ケース120が形成されることができる。電子装置ケースの製造金型及び製造方法は、図8c及び図8dの説明に代えることができる。
【0119】
図15及び図16は図12のアンテナパターンフレーム200のC部分の変形例である。
【0120】
図15を参照すると、上記放射体フレーム210は、隣接する上記アンテナパターン部222の一部を夫々覆うように形成されるオーバーモールド部217を含むことができる。そして図16を参照すると、上記放射体フレーム210は、隣接する上記アンテナパターン部222の全部を覆うように形成されるオーバーモールド部217を含むことができる。
【0121】
上記オーバーモールド部217は、上記放射体フレーム210上で上記アンテナパターン部222が浮く現象を防止するだけでなく、強固に固定する役割をする。
【0122】
図17及び図18のアンテナパターンフレームの製造金型300を用いて、夫々図15及び図16のアンテナパターンフレーム200を製造することができる。
【0123】
上記アンテナパターンフレームの製造金型300のアンテナパターン部222を含むフィルム250が接触する上部金型320には、オーバーモールド部形成グルーブ322が形成されている。
【0124】
図19はオーバーモールド部217が備えられるアンテナパターンフレーム200を二重射出して製造されるケースフレーム130を含む電子装置ケース120の断面図である。
【0125】
二次射出時の樹脂材は、上記オーバーモールド部217及び放射体フレーム210の表面が溶ける温度の樹脂材を用いることができる。
【0126】
これにより、図19のように、ケースフレーム130と放射体フレーム210の接触部分が溶けて表面が粗面化され、上記ケースフレーム130と放射体フレーム210との接着力をより強固にする。
【0127】
図20は本発明によるアンテナパターンフレームの第4実施例の概略斜視図であり、図21aから図21dは図20のアンテナパターンフレームの製造段階を図示した概略図であり、図22a及び図22bは図20のアンテナパターンフレームを利用した移動通信端末機のケースの製造段階を図示した概略図である。
【0128】
二重射出で製造される電子装置ケースの製造に用いられるアンテナパターンフレームの第4実施例
本実施例のアンテナパターンフレーム200もフィルム250を利用してアンテナパターン部222を固定するという点で、第3実施例と基本的な思想は同一である。しかし、本実施例は、金属薄板をプレスした多数の放射部220a、220bをフィルム上に固定する(図21a)という点で、低周波通信のためのアンテナに用いることが困難である。
【0129】
上記多数の放射部220a、220bはフィルム250に接着などの方法で固定(図21b)する。ここで、上記フィルム250にはピンホール252が形成され、上記ピンホール252がアンテナパターンフレームの製造金型300に形成される接触ピン346などに挿入固定されるため、射出液の流入時の移動を防止することができる。
【0130】
このように製造されたアンテナパターンフレーム200が図22a及び図22bのような電子装置ケースの製造金型400の境界部形成部442、444内に挿入されて射出される点は、図8c及び図8dを参照して既に説明した通りである。
【0131】
図23は本発明による移動通信端末機ケースの製造金型の変形例を図示した断面図であり、図24は図23のD部分の概略拡大断面図であり、図25は図23のD部分の第1変形例を図示した概略断面図であり、図26は図23のD部分の第2変形例を図示した概略断面図であり、図27は図23のD部分の第3変形例を図示した概略断面図である。
【0132】
アンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケースの製造金型の変形例
図23から図26は第1実施例のアンテナパターンフレーム200が適用された電子装置ケースの製造金型400を示す。
【0133】
しかし、上述したアンテナパターンフレーム200の夫々の実施例は、以下で説明する電子装置ケースの製造金型の変形例に全て適用可能である。
【0134】
図23及び図24を参照すると、放射体フレーム210の外部境界を設定する外部境界突部442は、射出液をケースフレーム形状の内部空間450内で上部または下部に向かって傾斜して案内する傾斜部4422と、射出液を上記放射体フレーム210の上部に水平に案内するフラット部4424と、を含むことができる。
【0135】
上記外部境界突部442の傾斜部4422は底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加または減少することができる。
【0136】
即ち、樹脂材流入部460と近い外部境界突部442は底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加し、樹脂材流入部460と遠い外部境界突部442(図23)は底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって減少することができる。
【0137】
図25を参照すると、放射体フレーム210の高さH2と外部境界突部442のフラット部4424の高さH1が対応する電子装置ケースの製造金型400の変形例が開示される。このように放射体フレーム210の高さH2と外部境界突部442のフラット部4424の高さH1が同一であると、ケースフレーム形状の内部空間450での射出液の方向転換による渦現象を減らすことができる。
【0138】
図26を参照すると、図23及び図24の実施例と異なって、フラット部4424が形成されていない外部境界突部442を有する電子装置ケースの製造金型400の変形例が開示される。
【0139】
本変形例でも、外部境界突部442の最上部の高さが放射体フレーム210の高さと対応することができる。
【0140】
図27を参照すると、図23及び図24の実施例と異なって、サイン波状の傾斜を有する外部境界突部442の傾斜部が開示される。
【0141】
即ち、樹脂材流入部460と近い外部境界突部442を基準に、底面の接線の勾配Δ1が増加する途中で変換され、勾配Δ2が減少することができる。このような構造は射出液の移動の抵抗を減少させることができる。
【0142】
本変形例でも、外部境界突部442の最上部の高さが放射体フレーム210の高さと対応することができる。
【0143】
以上のように説明したアンテナパターンフレームの実施例のインターコネクション方法、アンテナパターン部と連結端子部の形状や製造方法、製造金型は周波数帯域の目的に応じて、他の実施例で説明した方法を適宜選択して用いることができる。
【符号の説明】
【0144】
100 移動通信端末機
120 移動通信端末機のケース
200 アンテナパターンフレーム
210 放射体フレーム
220 放射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄板で形成されたアンテナパターン部を含む放射部が一面に露出するように射出成形された放射体フレームと、
前記放射体フレームの上部に射出成形され、前記放射部が前記放射体フレームとの間に埋め込まれるようにするケースフレームと、
前記放射体フレームと前記ケースフレームとの境界をなし、前記ケースフレームの内側に凹溝形状に形成された境界部と
を含むアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項2】
前記放射体フレームは貫通ホールを含み、
前記アンテナパターン部は前記貫通ホールの外部を巻線するループアンテナを形成することを特徴とする請求項1に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項3】
前記ケースフレームは、当該ケースフレームが射出される電子装置ケースの製造金型の内部境界突部に前記貫通ホールが挿入された状態で射出成形されたことを特徴とする請求項2に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項4】
前記境界部は、前記ケースフレームと前記貫通ホールとの境界に形成された貫通ホール境界グルーブを含むことを特徴とする請求項2または3に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項5】
前記貫通ホール境界グルーブは、前記貫通ホールの周部から前記貫通ホールの内部に形成された前記ケースフレームの方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することを特徴とする請求項4に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項6】
前記境界部は、前記放射体フレームの外部に形成された前記ケースフレームと前記放射体フレームとの境界に形成された外部境界グルーブを含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項7】
前記外部境界グルーブは、前記放射体フレームの外部境界を設定する外周部から前記放射体フレームの外部に形成された前記ケースフレームの方向に向かうほど浅くなる傾斜を有することを特徴とする請求項6に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項8】
前記放射部は前記放射体フレームの一面に形成される連結端子部を備え、
前記連結端子部は前記放射体フレームの外部に突出形成されている連結端子部支持部上に露出するように射出成形されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項9】
前記連結端子部支持部は、前記連結端子部と対応する位置にインターコネクションホールを含むことを特徴とする請求項8に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項10】
前記放射体フレームは前記放射部の上面より高く突出した外部突部を含むことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のアンテナパターンが埋め込まれる電子装置ケース。
【請求項11】
金属薄板で形成されたアンテナパターン部を含む放射部が露出するように射出された放射体フレームを接触支持する上部金型または下部金型と、
前記上部金型及び前記下部金型の少なくとも一方に形成され、前記上部金型及び前記下部金型が合型されて形成されるケースフレーム形状の内部空間がケースフレームとなるように、樹脂材が流入されるようにする樹脂材流入部と、
前記上部金型または前記下部金型に提供され、前記放射体フレームが挿入される境界部形成部と
を含む電子装置ケースの製造金型。
【請求項12】
前記境界部形成部は、前記放射体フレームの外部境界を設定する外周部と前記放射体フレームに形成される貫通ホールの周部とが挿入されるように、前記上部金型または前記下部金型から突出される突起を含むことを特徴とする請求項11に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項13】
前記境界部形成部は、前記樹脂材が前記内部空間で移動する方向に向かって傾斜が増加することを特徴とする請求項11または12に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項14】
前記境界部形成部は、流入される前記樹脂材が前記放射体フレームの上面と先に接触するようにする傾斜を有することを特徴とする請求項11から13の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項15】
前記境界部形成部は、前記放射体フレームとの境界となる部分の高さが周囲より高く、前記内部空間の方向に向かって高さが低くなることを特徴とする請求項11から14の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項16】
前記樹脂材流入部は、前記境界部形成部の外部に形成されることを特徴とする請求項11から15の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項17】
前記境界部形成部は、前記樹脂材を前記ケースフレーム形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内する傾斜部と、前記傾斜部から連続的に延長されて前記樹脂材を水平に案内するフラット部と、を含むことを特徴とする請求項11から16の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項18】
前記傾斜部は、底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加することを特徴とする請求項17に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項19】
前記フラット部の高さは前記放射体フレームの高さと対応することを特徴とする請求項17または18に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項20】
前記境界部形成部は、前記樹脂材を前記ケースフレーム形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内し、底面の接線の勾配が射出液が移動される方向に向かって増加する傾斜部を含むことを特徴とする請求項11から16の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項21】
前記傾斜部の最上部の高さは前記放射体フレームの高さと対応することを特徴とする請求項20に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項22】
前記境界部形成部は、前記樹脂材を前記ケースフレーム形状の内部空間内で上部または下部に向かって傾斜して案内し、底面の接線の勾配が増加した後、一地点で変換されて減少する傾斜部を含むことを特徴とする請求項11から16の何れか1項に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項23】
前記傾斜部の最上部の高さは前記放射体フレームの高さと対応することを特徴とする請求項22に記載の電子装置ケースの製造金型。
【請求項24】
金属薄板で形成されたアンテナパターン部を含む放射部となるようにプレス成形する段階と、
前記アンテナパターン部が放射体フレームの一面に埋め込まれて露出するように射出する段階と、
前記放射体フレームの外周面が電子装置ケースの製造金型に形成される境界部形成部の内側に挿入されて装着されるようにする段階と、
前記境界部形成部の外側から樹脂材が流入され、前記樹脂材が前記境界部形成部を経て前記放射体フレームの上面から満たされ、前記電子装置ケースの製造金型に形成されるケースフレーム形状の内部空間に充填される段階と
を含む電子装置ケースの製造方法。
【請求項25】
前記放射体フレームは、前記アンテナパターン部の内側に貫通ホールが形成されるように成形され、
前記放射体フレームが装着される前記電子装置ケースの製造金型内部には、前記貫通ホールが挿入される境界部形成部が提供されていることを特徴とする請求項24に記載の電子装置ケースの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図21d】
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【図22a】
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【図22b】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−239367(P2011−239367A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83550(P2011−83550)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】