説明

アンドロゲンレセプターアンタゴニスト

本発明は、新規なクラスの6−スルホンアミド−キノリン−2−オン及び6−スルホンアミド−2−オキソ−クロメン−2−オン誘導体、アンドロゲンアンタゴニストとしてのそれらの使用、及びアンドロゲンレセプターの不適切な活性化に伴う状態を軽減するためのそれらの使用に向けられている。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、新規なクラスのキノリン−2−オン類及びクロメン−2−オン類(以下、“キノリン類及びクロメン類”)、アンドロゲンレセプターアンタゴニストとしてのそれらの使用、これら化合物を含有する医薬品、及びアンドロゲンレセプターの不適切な活性化に伴う状態を軽減するためのそれらの使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
アンドロゲンレセプター(AR)は、アンドロゲンにより運ばれるシグナリング情報を変換する転写調節タンパク質のステロイドレセプター(SR)ファミリーのメンバーである(Chang et al., 1995 及び Wilson et al., 1991)。アンドロゲンが結合すると、Hsp90をベースとする調節複合体のそれぞれの効果からアンドロゲンレセプターが放出され、そのレセプターがホルモン依存的やり方で標的遺伝子の転写の活性化又は阻害のいずれかをする(Suina et al., 1996; Fang et al., 1996; Fang et al., 1998; Picard et al., 1990; Segnitz et al., 1997; Jenster et al., 1991; 及び Jenster et al., 1992)。アンドロゲンレセプターが雄性決定に果たす役割に加えて、その活性化は、良性前立腺肥大、前立腺癌、脂漏症、ニキビ、月経前症候群、肺癌、卵巣多周(ovarian polycyclic)症候群、多毛症、及び毛喪失の発症及び進行に重要な役割を果たしている。かくして、アンドロゲンレセプターは、薬剤発見の複数の領域において重要な標的である。
【0003】
米国特許No.6,017,924は、アンドロゲンレセプターに親和性を有する非ステロイド化合物のクラスのピリジノキノリン類を開示している。この '924特許は、これら化合物をアゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト、及び部分的アンタゴニスト等として記載している。この '924特許は、具体的な生物学的効果(即ち、アゴニストvsアンタゴニスト)をどのように達成するかについて何の知見も提供していない。アゴニストは雌性を雄性化する能力を有するに反して、アンタゴニストは雄性を雌性化する。そのような副作用は、アンドロゲン療法の潜在的利用性を限ったものにする。
【0004】
PCT出願のWO01/16133及びWO01/16139も、アンドロゲンレセプターに親和性を有する非ステロイド化合物を開示している。そのような構造体の例には、ピラジノキノリン類、オキサジノキノリン類、及びピリジノキノリン類が含まれる。このPCT出願は、いかなる6−スルホンアミド−キノリン−2−オン類も、6−スルホンアミド−クロメン−2−オン類も開示していない。
【0005】
PCT出願WO01/16108は、アンドロゲンレセプターに親和性を有する非ステロイド化合物を開示している。上記の '924特許が記載しているように、それら化合物は、アゴニスト及びアンタゴニスト効果の両方を有すると記載されている。このPCT出願の幾つかの化合物は、キノリン−2−オン誘導体である。このPCT出願は、いかなる6−スルホンアミド−キノリン−2−オン類も、6−スルホンアミド−クロメン−2−オン類も開示していない。
【0006】
先行技術は、アンドロゲンレセプターに親和性を有する化合物を記載するものの、この親和性に関する選択性をどのように達成するか(即ち、アゴニストかアンタゴニストか)を記載していない。この親和性の生理学的衝撃は患者の性別に依存して、望ましくない副作用であることが多い。かくして、アンドロゲンレセプターアンタゴニストの必要性が当該技術分野に存在している。
【発明の要旨】
【0007】
本発明によれば、新規なクラスのアンドロゲンレセプターアンタゴニストが発見された。これら化合物は、次の式により表されることができ:
【0008】
【化1】

【0009】
式中:
a.Mは、NZ又はOであり;
b.Zは、H又はC1〜C4アルキルを表し;
c.R1は、水素、1又はそれを越えるハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C2)アルキル、又は1又はそれを越えるハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C2)アルコキシを表し;
d.R2は、存在しないか、又は、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニル、(C2〜C4)アルキニル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から選択される2までの置換基を表すことができ;
e.Aは、−S(O2)を表し;
f.Bは、ヘテロ環式環を完結し;
g.R3は、存在しなくても、又は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトリル、(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルキル、置換されていてもよいヘテロ環、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいフェニル、−[CH2mC(O)OR4、−[CH2mC(O)R4、−[CH2mC(O)NR45(C1〜C4)アルキルR6、−[CH2n−Y[−CH2m−X−[−CH3q、(C3〜C8)シクロアルキル、及び−SR4からなる群から選択される2までの置換基を表すこともでき;
h.R4は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、又は置換されていてもよいヘテロ環を表すか、又は、R4とR5が該隣接する窒素原子と一緒に組合わさってヘテロ環又はヘテロアリール環を形成することができ;
i.R5は、水素、置換されていてもよいフェニル、(C1〜C4)アルキル、又は置換されていてもよいベンジルを表し;
j.R6は、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、又は置換されていてもよいヘテロ環を表し;
k.nは、1、2、3、又は4から選択される整数であり;
l.Yは、存在しないか、又は、O、C(O)、OH、SH、又はSを表し;
m.mは、0、1、2、3、又は4から選択される整数を表し;
n.Xは、存在しないか、又は、O、C(O)、OH、SH、又はSを表し;
o.qは、0又は1の整数を表し、
そして、薬学的に許容できるその化合物の塩、その化合物の溶媒和物、及びその化合物のプロドラッグでもある。但し、XとYの両方が存在するときは、mはゼロではない。
【0010】
式Iの化合物は、アンドロゲンレセプターアンタゴニストである。本化合物は、アンドロゲンによるアンドロゲンレセプターの活性化を阻害するか又は低下させるであろう。本化合物は、アンドロゲンレセプターの不適切な活性化に伴う状態を治療し又は軽減するために使用されることができる。そのような状態の例には、ニキビ、過剰分泌脂漏症、脱毛症、前立腺癌、多毛症等が含まれるがこれらに限定されない。
【0011】
本発明は、少なくとも1の式Iの化合物を、アンドロゲンレセプターの活性化を低下させるのに効果的である量で含有する医薬組成物にも向けられている。更なる態様では、本発明は、アンドロゲンレセプターの不適切な活性化に伴う状態を改善するために式Iの化合物をどのように使用するかを消費者に知らせる使用説明書と一緒に、小売販売のためにパッケージに入れられた式Iの化合物を含有する製造物品に向けられている。追加の態様は、アンドロゲンレセプターの不適切な活性化を検出するための診断薬としての式Iの化合物の使用に向けられている。
【0012】
更なる態様では、式Iの化合物は、毛の成長を誘発及び/又は刺激し及び/又は毛喪失を遅らせるために局所的に使用される。本化合物は、過剰脂漏症及び/又はニキビの治療において局所的に使用されることもできる。
【発明の詳細な説明】
【0013】
この書面の冒頭部分は、読み手による概観を促進するためにのみ利用される。いかなるやり方ででも、それらが本発明又は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0014】
定義と例示
特許請求の範囲を含む本願全体を通して、次の用語は、特に断りがなければ以下に定義した意味を有する。複数と単数は、数を示す場合のほかは、互換性あるものとして扱われるべきである。
【0015】
a.“C1〜C4アルキル”及び“低級アルキル”は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル等などの1〜4の炭化水素を含有する分枝状又は直鎖状アルキル基を意味する。
【0016】
b.“ハロゲン”は、塩素、フッ素又は臭素原子を意味する。
c.“1又はそれを越えるハロゲンで置換されたC1〜C2アルキル”は、少なくとも1の水素原子がハロゲンで置換されている1又は2の炭素原子を含有する直鎖状アルキル基、即ち、メチル又はエチルを意味する。例には、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル等が含まれる。
【0017】
d.“低級アルコキシ基”及び“C1〜C4アルコキシ”は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ等などの1〜4の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状アルコキシ基を意味する。
【0018】
e.“C2〜C4アルケニル”は、2〜4の炭素原子と1又はそれを越える炭素−炭素二重結合を含有する直鎖状又は分枝状炭化水素基を意味する。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、1,2−ブタンジエニル等が含まれる。
【0019】
f.“C2〜C4アルキニル”は、2〜4の炭素原子を含有しかつ1又はそれを越える炭素−炭素三重結合を有する直鎖状又は分枝状炭化水素基を意味する。アルキニル基の例には、エチニル、プロピニル、ブチニル等が含まれる。
【0020】
g.“置換されていてもよいフェニル”は、2までの置換基で置換されたフェニル(C65)のことであって、各々の置換基が、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から独立に選択される、フェニルを意味する。これら置換基は、同じでも異なっていてもよくて、オルト、メタ又はパラ位置のいずれに位置してもよい。
【0021】
h.“置換されていてもよいベンジル”は、2までの置換基で置換されたベンジル,−CH2−(C65)のことであって、各々の置換基が、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から独立に選択される、ベンジルを意味する。これら置換基は、同じでも異なっていてもよくて、オルト、メタ又はパラ位置のいずれに位置してもよい。
【0022】
i.“1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ”は、少なくとも1の水素原子がハロゲンで置換されている、1又は2の炭素原子を含有する直鎖状アルコキシ基、即ち、メトキシ又はエトキシを意味する。
【0023】
j.“ヘテロアリール”は、酸素、窒素及び硫黄から選択される1又はそれを越えるヘテロ原子を有する芳香族環を意味する。より具体的には、1、2又は3の窒素原子;1の酸素原子;1の硫黄原子;1の窒素原子と1の硫黄原子;1の窒素原子と1の酸素原子;2の窒素原子と1の酸素原子;又は2の窒素原子と1の硫黄原子;を含有する5又は6員環を意味する。5員環は2の二重結合を有し、そして、6員環は3の二重結合を有する。ヘテロアリールという用語には、そのヘテロアリールが、ベンゼン環、ヘテロ環式環、シクロアルキル環、又は別のヘテロアリール環に縮合した二環式基も含まれる。そのようなヘテロアリール環系の例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、インドリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、プリニル、キノリニル、及びイソキノリニルが含まれるがこれらに限定されない。
【0024】
k.“置換されていてもよいヘテロアリール”は、その2までの炭素原子が置換基で置換されていてもよい上で定義したばかりのヘテロアリール部分のことであって、各々の置換基が、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から独立に選択される、ヘテロアリールを意味する。
【0025】
l.“ヘテロ環”又は“ヘテロ環式環”は、酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含有するあらゆる3又は4員環;又は、1、2又は3の窒素原子;1の酸素原子;1の硫黄原子;1の窒素原子と1の硫黄原子;1の窒素原子と1の酸素原子;隣接しない位置での2の酸素原子;隣接しない位置での1の酸素原子と1の硫黄原子;又は、隣接しない位置での2の硫黄原子;を含有する5、6、7、8、9、又は10員環を意味する。5員環は0〜1の二重結合を有し、6及び7員環は0〜2の二重結合を有し、そして8、9又は10員環は0、1、2、又は3の二重結合を有することができる。“ヘテロ環”という用語には、上のいずれかのヘテロ環式環が、ベンゼン環、シクロヘキサン又はシクロペンタン環、又は別のヘテロ環式環に縮合した二環式基(例えば、インドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル又はベンゾチエニル等)も含まれる。ヘテロ環には:ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパン、アゾカン、モルホリニル、及びキノリニルが含まれる。
【0026】
m.“置換されていてもよいヘテロ環”は、その2までの炭素原子が置換基で置換されていてもよい上で定義したばかりのヘテロ環部分のことであって、各々の置換基が、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から独立に選択される、ヘテロ環を意味する。
【0027】
n.“C3〜C8シクロアルキル”は、飽和又は部分飽和の単環式、二環式又は三環式アルキル基であって、各々の環部分が約3〜約8の炭素原子を有するアルキルを意味する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれる。
【0028】
o.“アンドロゲン”は、テストステロン及びその前駆体と代謝産物、及び5−α還元アンドロゲンを意味し、ジヒドロテストステロンが含まれるがこれに限定されない。アンドロゲンは、睾丸、副腎腺、及び卵巣からのアンドロゲン類、並びに、天然、合成、及び置換若しくは修飾されたアンドロゲン類の全形態を意味する。
【0029】
p.“薬学的に許容できる塩”は、化合物の実際の構造に依存して、“薬学的に許容できる酸付加塩”又は“薬学的に許容できる塩基付加塩”のいずれかを意味することが意図される。
【0030】
q.“薬学的に許容できる酸付加塩”は、式Iにより表される塩基性化合物又はあらゆるその中間体のあらゆる無毒の有機又は無機酸付加塩に適用することが意図される。適する塩を形成する例示的無機酸には、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、及び、一水素オルトリン酸ナトリウムや硫酸水素カリウムなどの酸金属塩が含まれる。適する塩を形成する例示的有機酸には、モノ、ジ及びトリカルボン酸が含まれる。そのような酸の例は、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、スクシン酸、グルタル酸、フマル酸、りんご酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、及び、メタンスルホン酸や2−ヒドロキシエタンスルホン酸などのスルホン酸類である。そのような塩は水和物で又は実質的に無水物で存在することができる。一般に、これら化合物の酸付加塩は、水及び種々の親水性有機溶媒に可溶であり、それらのフリー塩基形態と比較して概してより高い融点を示す。
【0031】
r.“薬学的に許容できる塩基付加塩”は、式Iにより表される化合物又はあらゆるその中間体のあらゆる無毒の有機又は無機塩基付加塩に適用することが意図される。適する塩を形成する例示的塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、又は水酸化バリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物;アンモニア;及び、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、及びピコリンなどの脂肪族、脂環族又は芳香族有機アミンが含まれる。
【0032】
s.“プロドラッグ”は、例えば、血液中での加水分解によりin vivo で急速に変換されて上記式の親化合物を生成する化合物を意味する。徹底的な説明が、T. Higuchi と V. Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," the A.C.S. Symposium Series の Vol. 14, 及び Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987 に与えられており、これら両方は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
t.“式Iの化合物”、“本発明の化合物”及び“化合物”は、本願全体を通して互換的に使用されるので、同義語として取り扱われるべきである。
u.“患者”は、例えば、モルモット、マウス、ラット、アレチネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、サル、チンパンジー及びヒトなどの温血動物を意味する。
【0034】
v.“治療”は、患者の疾患(又は障害)又はその疾患に伴うあらゆる組織損傷を安堵させ、軽減し、又はその進行を遅らせる化合物の能力を意味する。
式Iの幾つかの化合物は、光学異性体として存在するであろう。この出願の式Iにより表される1つの化合物への言及は、(明示的に除外されない限り)具体的な光学異性体又は光学異性体の混合物のいずれかを包含することが意味される。具体的な光学異性体は、キラルな固定相でのクロマトグラフィー又はキラルな塩形成とそれに続く選択的結晶化による分離を介する分割などの当該技術分野で公知の技術により分離及び回収されることができる。また、出発原料として具体的な光学異性体を使用すると、最終生成物として対応する異性体をもたらすであろう。
【0035】
加えて、本発明の化合物は、非溶媒和形態で、並びに、水、エタノール等などの薬学的に許容できる溶媒との溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、本発明の目的のためには非溶媒和形態と等価であると考えられる。
【0036】
式Iの化合物の幾つかは、6−スルホンアミド−キノリン−2−オン核を基本にしている。本発明を更に例示するために、この環が番号付けを伴って以下に描かれる:
【0037】
【化2】

【0038】
キノリン核の位置1は、窒素原子を含有する。この窒素原子は、上記のような低級アルキル基で置換されていてもよい。キノリン環の位置6は、式Iに描かれるように、常にSO2で置換されている。キノリン核の位置3、5、7、又は8は、R2について記載したリストからの置換基で置換されていてもよい。これら位置の2までが置換されていてもよい。キノリン核の位置4は、R1について上記した、1つのハロゲン化された低級アルキル又はアルコキシ部分で置換されていてもよい。典型的には、位置4は、トリフルオロメチル基で置換されている。
【0039】
式Iの残りの化合物は、6−スルホンアミド−2−オキソ−クロメン核を基本としている。本発明を更に例示するために、この環は、番号付けを伴って以下に描かれる:
【0040】
【化3】

【0041】
クロメン核の位置1は、酸素原子を含有する。クロメン環の位置6は、式Iに描かれるように、常にSO2で置換されている。クロメン核の位置3、5、7又は8は、R2について記載したリストからの置換基で置換されていてもよい。これら位置の2までが置換されていてもよい。クロメン核の位置4は、R1について上記した、1つのハロゲン化された低級アルキル又はアルコキシ部分で置換されていてもよい。典型的には、位置4は、トリフルオロメチル基で置換されている。
【0042】
本発明のより具体的な態様は、式Iの化合物であって:
a.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、そしてBとR3が式Iで定義された通りである;
b.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、Bが5又は6員窒素含有ヘテロ環式環を完結し、そしてR3が存在しない;
c.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、Bが5又は6員硫黄含有ヘテロ環式環を完結し、そしてR3が存在しない;
d.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、Bが7又は8員窒素含有環を完結し、そしてR3が存在しない;
e.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、Bが、チアゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、又はアゾカン環を完結し、そしてR3が存在しない;
f.MがNZで、ZがHであり;R1がトリフルオロメチルであり、R2が存在せず、Bが、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパン、アゾカン、モルホリニル、テトラヒドロキノリニルからなる群から選択されるヘテロ環式環を完結し、そしてR3が存在しない、
化合物に向けられている。
【0043】
本発明により包含される化合物のより具体的な例には:
6−(アゾカン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[4−(4−メトキシフェニル)−3−メチルピペラジン−1−スルホニル]−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
1−(2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル;
6−(4−ヒドロキシ−4−チオフェン−2−イルピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−フラン−2−イルメチルピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
1−(2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニル)ピロリジン−2−カルボン酸メチルエステル;
6−{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル]ピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン−8−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[4−(2−オキソ−2−ピロリジン−1−イルエチル)ピペラジン−1−スルホニル]−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−メチルピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(チアゾリジン−3−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−ピリジン−4−イルピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−フェニルピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[2−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン−1−スルホニル]−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(オクタヒドロキノリン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[4−(2−チオフェン−2−イルエチル)ピペラジン−1−スルホニル]−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(ピロリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2−オキサ−5−アザビシクロ−[2.2.1]ヘプタン−5−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(アゼパン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2−メチルピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−シクロペンチルピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(アゼチジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−ピリジン−2−イルピペラジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2−ピロリジン−1−イルメチル−ピロリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2,3,5,6−テトラヒドロ−[1,2']ビピラジニル−4−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
1−(1−メチル−2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル;
6−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−スルホニル)−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(4−エチルピペラジン−1−スルホニル)−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル]ピペラジン−1−スルホニル}−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
1−メチル−6−(チアゾリジン−3−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
1−メチル−6−(オクタヒドロ−キノリン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(アゼパン−1−スルホニル)−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−スルホニル)−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン;及び
6−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル)−1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン
が含まれる。
【0044】
合成
式の化合物は、スルホンアミドの調製について当該技術分野で公知の方法に類似する方法を用いて調製されることができる。そのような合成のより詳細な説明については、読み手の注意は、J. March, Advanced Organic Chemistry, 3r d edition, page 445, John Wiley & Sons (1985) に向けられる。以下のスキーム1は、概観を提供するものである:
【0045】
【化4】

【0046】
上に描かれるように、出発原料の1種が、適切に置換されたキノリン−2−オン又は2−オキソ−クロメン(即ち、R1、R2、及びMは目的化合物の通りである)であって、6位が塩化スルホニル部分で官能化されている(式II)。これら化合物は、約140℃でクロルスルホン酸でクロロスルホニル化することによりキノリン−2−オン及び2−オキソ−クロメンの6位に塩化スルホニル部分を導入することにより製造されることができる。これら反応は、実施例により詳細に記載される。読み手の注意は、そのような反応が詳細に記載されている、Furniss et al, Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry, 5th Edition, pages 877-879 にも向けられる。
【0047】
他の出発原料は、NBR3(即ち、R3及びBは最終化合物の通りである)により表される適切に置換された窒素含有ヘテロ環部分を有する。これらヘテロ環部分は、典型的には、St. Louis, Mo. USA に事務所を有する Aldrich から得られることができる。更なる情報が、Aldrich から www.sigmaaldrich.com で得られることができる。
【0048】
式Iのスルホンアミド誘導体は、式IIの塩化スルホニル誘導体を式IIIにより記載された適切な窒素親核体と、ピリジン又はジイソプロピルエチルアミンなどの非親核性塩基の存在下、凡そ室温で、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性溶媒中で反応させることにより調製されることができる。その反応は、典型的には、2〜24時間進めれば完結する。望ましければ、本化合物は、抽出やフラッシュクロマトグラフィーなどの当該技術分野で公知の技術を使用して単離されて精製されることができる。これら反応は、実施例により詳細に記載される。
【0049】
医療及び化粧用途
式Iの化合物は、アンドロゲンレセプターアンタゴニストである。それらは、アンドロゲンレセプターの不適切な活性化に伴うあらゆる状態を軽減するするのに使用されることができる。そのような状態の例には、前立腺癌、良性前立腺肥大、ニキビ、多毛症、脂漏症、脱毛症、月経前症候群、肺癌、及び性的早熟が含まれる。
【0050】
上記の治療的特性を発揮するために、本化合物は、アンドロゲンレセプターの活性化を阻害するのに十分な量で投与される必要がある。このアンタゴニスト量は、治療される特定の疾患/障害、患者の疾患/障害の重さ、患者、投与される特定の化合物、投与経路、及び患者における他の根底にある疾患状態の存在等に依存して変動することができる。全身投与されるとき、本化合物は、上に挙げた疾患又は状態のいずれかについて、典型的には、約0.1〜約100mg/kg/日の投与量範囲でそれらの効果を発揮する。毎日の反復的投与が望ましく、上に概略が示された状態に従って変動するであろう。
【0051】
本発明の化合物は、種々の経路により投与されることができる。それらは、経口投与されれば効果的である。本化合物は、非経口(即ち、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、又は鞘内)、直腸内、又は局所でも投与されることができる。
【0052】
典型的な態様では、本化合物は、局所的に投与される。局所投与は、多毛症、脱毛症、ニキビ、及び過剰脂漏症に特に適切である。投与量は変動するが、一般的なガイドラインとして、本化合物は、皮膚学的に許容できる担体中に0.1〜10w/w%の量で存在し、そして、その皮膚学的製剤は、害された領域に一日当たり1〜4回適用される。“皮膚学的に許容できる”とは、皮膚又は毛に適用されることができる担体であって、作用部位に薬剤を拡散させる担体を意味する。より具体的には、アンドロゲンレセプターの活性化の阻害が望まれる部位を意味する。更なる態様では、本化合物は、脱毛症、特にアンドロゲン性脱毛症を軽減するために局所的に使用される。アンドロゲンは、毛の成長と毛の喪失の両方に深い効果を有する。髭のある皮膚や陰部の皮膚などの殆どの身体部位において、アンドロゲンは、毛サイクルの成長期(発育相)を延ばすことにより及び小胞の大きさを増やすことにより毛の成長を刺激する。頭皮上での毛の成長はアンドロゲンを必要としないが、逆説的に、発育相の期間と毛小胞の大きさの漸進的な低下が起こる、遺伝的素因のある個体における禿頭には、アンドロゲンが必要である。アンドロゲン性脱毛症は、女性にも広まっていて、男性に見られるパターンを示さずに通常は毛の喪失の拡散として存在する。
【0053】
本化合物は、最も典型的にはアンドロゲン性脱毛症を軽減するために使用されるが、本発明はこの特定の状態に限定されない。本化合物は、あらゆるタイプの脱毛症を軽減するのに使用されることができる。非アンドロゲン性脱毛症の例には、円形脱毛症、放射線療法又は化学療法に起因する脱毛症、傷跡脱毛症、ストレス関連脱毛症等が含まれる。
【0054】
この出願で使用される“脱毛症”は、頭皮上の部分的又は完全な毛の喪失を意味する。本化合物は、典型的には、アンドロゲン性脱毛症を軽減するために使用される。この状態は、男性及び女性の両方を苦しめる。男性では、毛の喪失は、側前頭領域で又は頭頂部で始まる。女性については、前頭及び頭頂領域での薄毛が伴う。女性における完全な毛の喪失は稀である。
【0055】
かくして、本化合物は、禿頭を予防し又は軽減するために頭皮及び毛に局所的に適用されることができる。更に、本化合物は、頭皮上の毛の成長を誘発又は促進するために、局所的に適用されることができる。
【0056】
本発明の更なる態様では、式Iの化合物は、毛の成長が望まれない領域における毛の成長を阻止するために局所的に適用される。そのような使用の1つは、多毛症を軽減するための使用であろう。多毛症は、典型的には、毛のない領域(即ち、女性の顔)における過剰な毛の成長である。そのような不適切な毛の成長は、女性に最も広く起こり、更年期に頻繁に見られる。本化合物の局所投与は、この状態を軽減して、この不適切で望まれない毛の成長を少なくするか排除する。
【0057】
本化合物は、脂漏生成を減らすために、より特定的には、過剰脂漏症(油性肌)を減らすために、局所的に使用されることもできる。同じく、本化合物はニキビを軽減するために局所的に使用されることができる。
【0058】
製剤
望ましいなら、本化合物は、いかなる担体もなしに直接に投与されることができる。しかしながら、投与を容易にするために、それらは、典型的には製剤上の担体の中に配合される。同じく、それらは、最も典型的には皮膚学上の又は化粧料の担体の中に配合される。この出願では、“皮膚学上の担体”及び“化粧料の担体”という用語は、互換的に使用される。それらは、皮膚又は毛に直接に投与するために設計された製剤を意味する。
【0059】
医薬及び化粧料組成物は、当該技術分野で公知の技術を使用して製造されることができる。典型的には、アンタゴニスト量の本化合物が薬学的/化粧料的に許容できる担体と混合される。
【0060】
経口投与のためには、本化合物は、カプセル剤、ピル剤、錠剤、ロゼンジ剤、溶融剤、散剤、懸濁液剤又は乳液剤などの固体又は液体製剤に製剤されることができる。固体単位投与形態は、例えば、界面活性剤、滑剤、及び、ラクトース、スクロース、及びコーンスターチなどの不活性充填剤を含有する普通のゼラチンタイプのカプセル剤であっても、持続放出製剤であってもよい。
【0061】
別の態様では、式Iの化合物は、ラクトース、スクロース、及びコーンスターチなどの慣用的な錠剤ベースで、アラビアゴム、コーンスターチ、又はゼラチンなどの結合剤、ポテトスターチ又はアルギン酸などの崩壊剤、及びステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムなどの滑剤と組み合わせて、錠剤化されることができる。液体製剤は、水性又は非水性の薬学的に許容できる溶媒中に活性成分を溶解させることにより調製され、当該技術分野で公知の懸濁剤、甘味剤、フレーバー付与剤、及び保存剤を含有してもよい。
【0062】
非経口投与のためには、本化合物は、生理学的に許容できる製剤上の担体に溶解されて、溶液剤又は懸濁液剤のいずれかとして投与される。適する製剤上の担体の例は、水、生理食塩水、デキストロース溶液、フルクトース溶液、エタノール、又は、動物、植物又は合成起源の油である。製剤上の担体は、当該技術分野で公知であるように、保存剤、緩衝液等も含有することができる。本化合物が鞘内投与されるとき、それらは、当該技術分野で公知であるように、脳脊髄液に溶かされてもよい。
【0063】
この発明の化合物は、典型的には局所投与される。本明細書で使用される“局所”は、本化合物(及び任意の担体)の皮膚又は毛への直接適用を意味する。本発明による局所組成物は、溶液剤、ローション剤、軟膏剤(salves)、クリーム剤、軟膏剤(ointments)、リポソーム剤、スプレー剤、ゲル剤、ローラースティック剤、又は皮膚学で日常的に使用される他のあらゆる製剤の形態であることができる。
【0064】
かくして、更なる態様は、化粧料又は医薬組成物、特に皮膚学的組成物であって、上の式Iに対応する化合物の少なくとも1種を含んでなる組成物に関する。そのような皮膚学的組成物は、0.001〜10w/w%の本化合物を、皮膚学上許容できる担体と混合して含有し、より典型的には0.1〜5w/w%の本化合物を含有する。そのような組成物は、典型的には、一日当たり1〜4回適用される。読み手の注意は、そのような製剤をどのように調製するかの説明についての Remington's Pharmaceutical Science, Edition 17, Mack Publishing Co., Easton, PA に向けられる。
【0065】
本発明による組成物は、クレンジング石鹸又はバーを構成する固体製剤からなることもできる。これら組成物は、通常の方法に従って調製されることができる。
本化合物は、水性、アルコール性若しくは水−アルコール性溶液剤の形態ででも、クリーム剤、ゲル剤、乳液剤若しくはムース剤の形態ででも、また、加圧下で噴射剤をも含んでなるエアゾール組成物の形態ででも、毛のために使用されることができる。本発明による組成物は、ヘアケア組成物、特に、シャンプー、ヘアセットローション、トリーティングローション、スタイリングクリーム若しくはゲル、染料組成物、毛の喪失を予防するためのローション若しくはゲル等であることもできる。本発明による皮膚学的組成物中の種々の構成成分の量は、考慮される分野で慣用的に使用される量である。
【0066】
本発明の化合物を含有する医薬及び化粧料は、典型的には、小売販売のためにパッケージに入れられる(即ち、製造物品)。そのような物品は、その製品をどのように使用するかを患者に指示するやり方で、ラベルが付されてパッケージに入れられる。そのような使用説明書は、治療されることができる状態、治療期間、投与スケジュール等を含む。
【0067】
式Iの化合物は、何らかの不活性担体と混合されて、当該技術分野で公知であるように、患者の血清、尿等における本化合物の濃度を測定するために、実験室アッセイで利用されることもできる。本化合物は、研究ツールとしても使用されることができる。
【0068】
本発明が、具体的な態様と関連させながら説明されてきたが、更なる修飾が可能であるので、この出願は、あらゆる変法、使用、又は本発明の原理に一般的に従って本開示からのそのような出発を含めて本発明に適合させる行為をカバーすることを意図していることが理解されるであろう。次の実施例及び生物学的データは、本発明を更に例示するために提示されている。この開示は、いかなるやり方ででも本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0069】
材料及び方法
カラムクロマトグラフィーが、SiO2(40〜63メッシュ)で行われた。0.1%HCO2Hを含有するH2O−MeCN中5%MeCNの溶液(4:1〜1:4)で2.55分かけて溶離する、Phenomenex Mercury Luna 3μC18カラム(2x10mm,流速=1.5mL分-1)及びダイオードアレイ検出器を使用して、LCMSデータが得られた。正(ES+)及び負(ES−)イオンモードで電子スプレーイオン化源を用いて、質量スペクトルが得られた。0.1%HCO2Hを含有するH2O−MeCN中5%MeCNの溶液(4:1〜1:4)で7分かけて溶離する、Waters Xterra 5μC18カラム(19x50mm,流速=20mL分-1)及びダイオードアレイ検出器を使用して、分取質量指向(preparative mass-directed)液体クロマトグラフィー精製が行われた。1H NMRスペクトルが、400MHzで Varian Mercury 分光計で27℃で記録された。ジュウテリウム化溶媒がロックとして使用され、残りの溶媒ピークが内部標準として使用された。頭字語:DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;HATU=O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N’−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート;NMP=1−メチル−2−ピロリジノン;PE=石油エーテル(bp=60〜80℃);RT=保持時間。
【0070】
出発原料の調製
調製例1:1−メチル−2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニルクロリド
【0071】
【化5】

【0072】
KOH(10.54g,188.0mmol)が、DMF(160mL)中の4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン(4.00g,18.8mmol)の溶液に加えられた。1時間後、その混合液はMeI(11.7mL,188.0mmol)で処理されてから一晩攪拌が続けられた。EtOAc(200mL)が加えられてから、NH4Clの飽和水溶液が加えられてpH6.5に調節された。層を分離した後、水相が更にEtOAc(2x200mL)で抽出された。合せた有機抽出液がH2O(200mL)と食塩水(200mL)で洗浄された後、乾燥された(MgSO4)。濾過、溶媒留去、及びカラムクロマトグラフィー(PE−EtOAc,4:1〜7:3)をして、1−メチル−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン(4.00g,94%)が得られた:δH((CD32SO)= 3.65 (s, 3H), 7.10 (s, 1H), 7.40 (t, 1H), 7.65-7.80 (m, 3H)。この化合物(8.70g,38.3mmol)が、攪拌しながら20分かけて、発煙H2SO4(30%オレウム,17.5mL)に84℃で滴下された。浴温が120℃に1時間上げられた後、20℃まで冷却された。そのとき、その混合液は、ゆっくりNaCl飽和水溶液(60mL)に加えられて30分間攪拌された。生成した固体が濾取されて50℃で減圧濃縮され、1−メチル−2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホン酸ナトリウムを与えた:δH((CD32SO)= 3.65 (s, 3H), 7.10 (s, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 8.00 (d, 1H)。この化合物は、MeCN−スルホラン(1:1,52mL)中に懸濁された後、POCl3(18.8mL,201.7mmol)で処理された。この混合物は88℃に1.5時間加熱された後、0.5時間かけて20℃まで冷却された。<5℃に冷却されたときに氷冷H2O(128mL)が加えられ、温度が7℃以下に維持された。その混合液は0℃で20分間攪拌され、次いで、形成された固体が濾取されてH2Oで洗浄され、乾燥後に標題化合物(9.62g,73%)を与えた:δH(CDCl3)= 3.80 (s, 3H), 7.25 (s, 1H), 7.65 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 8.50 (d, 1H)。
【0073】
調製例2:2−オキソ−4−トリフルオロメチル−2H−クロメン−6−スルホニルクロリド
【0074】
【化6】

【0075】
調製例1に記載した通りに、4−トリフルオロメチルクロメン−2−オン(5.00g,23.3mmol)をスルホニル化してからNaCl処理して、2−オキソ−4−トリフルオロメチル−2H−クロメン−6−スルホン酸ナトリウムを生成した:δH((CD3)2SO)= 7.10 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.90 (dd, 1H), 7.95 (d, 1H)。この化合物をPOCl3(10.3mL,110.5mmol)と反応させて標題化合物を与えた(5.48g,75%):δH(CDCl3)= 7.00 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 8.30 (dd, 1H), 8.40 (d, 1H)。
【0076】
調製例3:2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニルクロリド
【0077】
【化7】

【0078】
4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン(5.00g,23.5mmol)がClSO3H(3.1mL,47.0mmol)と0℃で処理された。次いで、その混合液は、攪拌しながら140℃で7時間加熱された。冷却時に氷冷H2O(50mL)が加えられた。生成した固体が濾取されて乾燥され、標題化合物(2.93g,41%)を与えた:δH(CDCl3)= 7.20 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.50 (d, 1H)。
【0079】
式Iの化合物の調製
実施例1
1−メチル−6−(ピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン
【0080】
【化8】

【0081】
1−メチル−2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニルクロリド(調製例1,65mg,200μmol)の無水DMF(1.5mL)中の溶液が、NEt3(31μL,220μmol)とピペリジン(21μL,210μmol)で処理された後、N2気流下で一晩攪拌された。その反応混合液は、EtOAc(70mL)で稀釈された後、H2O(30mL)、1M HCl(30mL)、H2O(30mL)、NaHCO3飽和水溶液(30mL)、H2O(30mL)、及び食塩水(30mL)で洗浄された。乾燥(MgSO4)後、有機相が濾過されて濃縮され残渣を与えた。これは、EtOAc−PEから再結晶されて標題化合物を与えた(40mg,53%):δH(CDCl3)= 1.40-1.50 (m, 2H), 1.60-1.70 (m, 4H), 3.05 (t, 4H), 3.80 (s, 3H), 7.20 (s, 1H), 7.55 (d, 1H), 8.00 (dd, 1H), 8.20 (d, 1H); m/z (ES+) = 375.1 [M + H]+
【0082】
実施例2
6−(ピペリジン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン
【0083】
【化9】

【0084】
2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニルクロリド(調製例3,50mg,160μmol)をピペリジン(17μL,168μmol)と、塩基としてNEt3(23μL,168μmol)を用いて、実施例1で概説した通りに縮合して、標題化合物を与えた(25mg,42%):δH((CD3)2SO)= 1.30-1.40 (m, 2H), 1.50-1.60 (m, 4H), 2.90 (t, 4H), 7.15 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.90-8.00 (m, 2H); m/z (ES+) = 361.0 [M + H]+
IC50181nm(実施例57の操作に従った)
【0085】
実施例3〜11
これら化合物は、溶液相並行合成により調製された。反応スキーム1の式IIIに記載された適切に置換されたアミン(30μLのNMP中0.33M溶液,9.9μmol)、i−Pr2NEt(20μLのNMP中0.50M溶液,10.0μmol)、及び反応スキーム1の式IIに記載された適切に置換されたスルホニルクロリド誘導体(50μLのNMP中0.20M溶液,10.0μmol)が、自動液体取り扱い機を使用して、96−ウェルプレートの1ウェル中に一緒に混合された。66時間攪拌した後、溶媒が減圧留去されてDMF(50μL)が加えられた。溶解を確実にするため、この混合液は震盪された後、EtOAc(450μL)で処理された。自動液−液抽出装置を使用して、その溶液はH2O(150μL)と1%NaHCO3水溶液(150μL)で洗浄された。有機層が濃縮されて、表1に示した化合物を与えた。
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
実施例12〜42
実施例3〜11について上記した操作を用いて、適切なアミン(120μLのNMP中0.33M溶液,39.6μmol)が、2−オキソ−4−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロキノリン−6−スルホニルクロリド(200μLのNMP中0.20M溶液,40.0μmol)とi−Pr2NEt(80μLのNMP中0.50M溶液,40.0μmol)の存在下で反応させられた。NMPの留去後、残渣がDMSO(450μL)中に溶解されてから、分取質量指向液体クロマトグラフィー精製に付されて、表2に示された化合物を提供した。
【0089】
【表3】

【0090】
【表4】

【0091】
【表5】

【0092】
【表6】

【0093】
【表7】

【0094】
【表8】

【0095】
実施例57
生物学的データ
アンドロゲンレセプターへのアンドロゲンの効果に拮抗する本化合物の能力が、以下に記載したプロトコルで確認された。結果が表3に示される。
【0096】
ARアンタゴニスト細胞アッセイについての実験操作
細胞株:MDA−MB453−MMTVクローン54−19。この細胞株はMDA−MB453細胞バックグランドを有する安定なトランスフェクテッド細胞株(高レベルのアンドロゲンレセプターを発現するヒト乳癌細胞)である。AREを含有するMMTV最小プロモーターが、まずホタルルシフェラーゼリポーター遺伝子の前部分にクローン化された。次いで、そのカスケードがトランスフェクションベクターpUV120プロの中にクローン化された。MDA−MB−453細胞をトランスフェクトするために、エレクトロポレーション法が使用された。プロマイシン耐性安定細胞株が選択された。
【0097】
細胞培養培地及び試薬:
培養培地:DMEM(高グルコース,Gibco cat #: 11960-044)、10%FBS、及び1%L−グルタミン。
プレーティング培地:DMEM(フェノールレッドなし)、10%活性炭処理 HyClone 血清、1%L−グルタミン。
アッセイ培地:DMEM(フェノールレッドなし)、1%活性炭処理 HyClone 血清、1%L−グルタミン、及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン。
3Xルシフェラーゼ緩衝液:細胞溶解緩衝液中2%β−メルカプトエタノール、0.6%ATP、0.0135%ルシフェリン。
【0098】
アッセイ操作:
1.細胞が培養培地中に維持され、それらが80〜90%集密度に達したときに細胞を割く。
2.化合物を試験するために、10,000細胞/ウェルが、曇った96細胞培養プレートの100ul/ウェルプレーティング培地中にプレートされ、細胞培養インキュベーター中で37℃で一晩培養される。
3.注意してプレーティング培地を取り出してから、80ul/ウェルの予め温められたアッセイ培地が加えられ、10ul/ウェルの試験化合物が加えられ(10uM又は1uMの最終濃度)、37℃で30分間インキュベートされる。
4.10ul/ウェルの調製したばかりのDHT(100pMの最終濃度)が各々のウェルに加えられ、37℃で17時間(一晩)インキュベートされる。
5.50ul/ウェルの3Xルシフェラーゼ緩衝液が加えられ、室温で5分間インキュベートされ、次いで、ルミノメーターで計測される。
【0099】
試験化合物不存在下での100pM DHTによるバックグランドを越える重畳誘発(fold induction)が100%として標準化され、実験結果が、試験化合物による阻害のパーセンテージとして表される。
【0100】
【表9】

【0101】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

の化合物であって、式中:
a.Mは、NZ又はOであり;
b.Zは、H又はC1〜C4アルキルを表し;
c.R1は、水素、1又はそれを越えるハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C2)アルキル、又は1又はそれを越えるハロゲンで置換されていてもよい(C1〜C2)アルコキシを表し;
d.R2は、存在しないか、又は、ハロゲン、ニトリル、ヒドロキシ、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C4)アルケニル、(C2〜C4)アルキニル、(C1〜C4)アルコキシ、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルキル、1又はそれを越えるハロゲンで置換された(C1〜C2)アルコキシ、SR4、及びNR45からなる群から選択される2までの置換基を表すことができ;
e.Aは、−S(O2)を表し;
f.Bは、ヘテロ環式環を完結し;
g.R3は、存在しなくてもよいか、又は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトリル、(C1〜C4)アルコキシ、(C1〜C4)アルキル、置換されていてもよいヘテロ環、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいフェニル、−[CH2mC(O)OR4、−[CH2mC(O)R4、−[CH2mC(O)NR45、(C1〜C4)アルキルR6、−[CH2n−Y[−CH2m−X−[−CH3q、(C3〜C8)シクロアルキル、及び−SR4−からなる群から選択される2までの置換基を表わすことができ;
h.R4は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、又は置換されていてもよいヘテロ環を表すか、又は、R4とR5が該隣接する窒素原子と一緒に組合わさってヘテロ環又はヘテロアリール環を形成することができ;
i.R5は、水素、置換されていてもよいフェニル、(C1〜C4)アルキル、又は置換されていてもよいベンジルを表し;
j.R6は、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、又は置換されていてもよいヘテロ環を表し;
k.nは、1、2、3、又は4から選択される整数であり;
l.Yは、存在しないか、又は、O、C(O)、OH、SH、又はSを表し;
m.mは、0、1、2、3、又は4から選択される整数を表し;
n.Xは、存在しないか、又は、O、C(O)、OH、SH、又はSを表し;そして
o.qは、0又は1の整数を表す、
化合物、薬学的に許容できるその塩、その溶媒和物、及びそのプロドラッグ。但し、XとYの両方が存在するときは、Mはゼロではない。
【請求項2】
請求項1の化合物であって、R1がトリフルオロメチルを表す化合物。
【請求項3】
請求項2の化合物であって、MがNZである化合物。
【請求項4】
請求項2の化合物であって、Bが、アゾカン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、イソキノリン、チアゾリジン、モルホリン、アゼパン、及びアゼチジンからなる群から選択される化合物。
【請求項5】
請求項1の化合物であって、前記化合物が、6−(チアゾリジン−3−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン、6−(アゾカン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オン、及び6−[4−(ピペリジン−1−スルホニル)]−4−トリフルオロメチル−1H−キノリン−2−オンからなる群から選択される化合物。
【請求項6】
請求項1の化合物の医薬品としての使用。
【請求項7】
請求項1の化合物の、アンドロゲンレセプターの活性化を阻害するための医薬品の製造における使用。
【請求項8】
請求項1の化合物を、1又はそれを越える薬学的に許容できる賦形剤と混合して含んでなる医薬組成物。
【請求項9】
請求項1の化合物を、1又はそれを越える、皮膚適用に適する薬学的に許容できる賦形剤と混合して含んでなる局所医薬組成物。
【請求項10】
ニキビ、脱毛症、及び油肌からなる群から選択される状態を改善するために請求項1の化合物をどのように用いるかを消費者に知らせる、小売販売のためにパッケージに入れられた請求項1の化合物を含んでなる製造物品。

【公表番号】特表2006−515605(P2006−515605A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500298(P2006−500298)
【出願日】平成16年1月8日(2004.1.8)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000094
【国際公開番号】WO2004/065379
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(391011308)ワーナー−ランバート・カンパニー、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー (37)
【氏名又は名称原語表記】WARNER−LAMBERT COMPANYLLC
【Fターム(参考)】