説明

イミダゾリジノン誘導体

【課題】11β-HSD1阻害作用による十分な治療効果を有し、医薬品として満足できる化合物を提供する。
【解決手段】下記式( 1 )


で表されるイミダゾリジノン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物。〔式中、Aは、芳香族炭化水素の基本環;芳香族炭化水素化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環;芳香族複素環化合物の基本環;又は芳香族複素環化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環を示す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、11β−ヒドロキシステロイド デヒドロゲナーゼ タイプ1(11β-HSD1)阻害剤として有用なイミダゾリジノン誘導体若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物に関する。
【背景技術】
【0002】
11β-HSD1はコルチゾンからコルチゾールへ変換する酵素であり、肝臓、内臓脂肪などで発現しており、細胞内のコルチゾール濃度を各臓器レベルで増幅するファクターとして機能していると考えられている。また、11β-HSD1は局所的な作用を担っており、肝臓では糖新生を担い、内臓脂肪の蓄積に関係していることが示唆されるため、本酵素の活性を阻害することで肝臓においては糖新生の抑制による血糖降下作用、内臓脂肪においては脂肪蓄積の抑制という効果が期待される。
11β-HSD1の阻害剤としては、これまでチアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピロリジノン誘導体など多様な化合物の報告がある(特許文献1〜11)。一方、本発明化合物に関連するイミダゾリジノン誘導体が一般論文に開示されているが、その化合物が11β-HSD1阻害活性を有することは知られていない(非特許文献1)。また、これら公知の11β-HSD1阻害剤の活性は十分とは言えず、11β-HSD1阻害作用による治療効果を有し医薬品として満足できる化合物の開発が望まれている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO01/90090号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO01/90091号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO01/90092号パンフレット
【特許文献4】国際公開第WO01/90093号パンフレット
【特許文献5】国際公開第WO01/90094号パンフレット
【特許文献6】国際公開第WO03/065983号パンフレット
【特許文献7】国際公開第WO03/104207号パンフレット
【特許文献8】国際公開第WO05/108360号パンフレット
【特許文献9】国際公開第WO05/108361号パンフレット
【特許文献10】国際公開第WO99/31099号パンフレット
【特許文献11】国際公開第WO01/17975号パンフレット
【非特許文献1】Journal of Physical Organic Chemistry (2005), 18(8), 792-799
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた11β-HSD1阻害活性を有するイミダゾリジノン誘導体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、式(1)で表されるイミダゾリジノン誘導体が、優れた11β-HSD1阻害活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明とは、下記式(1)
【0007】
【化1】


[式中、
芳香族炭化水素化合物の基本環;芳香族炭化水素化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環;芳香族複素環化合物の基本環;又は芳香族複素環化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環を示し、
1及びR2は、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;又はC1-6アルキル基を示し、
3は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;カルボキシル基;ニトロ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルコキシ基;ヘテロアリール基;フェニル基で置換されたヘテロアリール基;又は式(2)
−X21−Y21−R21 (2)
(式中、X21は酸素原子;式−NR22−;式−NR23CO−;又は式−NR24SO2−(式中、R22、R23及びR24は、同一又は異なって、水素原子;又はC1-6アルキル基を示す。)を示し、Y21は単結合;又はC1-6アルキレン基を示し、R21は水素原子;カルバモイル基;アリール基;又はヘテロアリール基を示す。)で表される基を示し、
4は、ハロゲン原子;C1-6アルキル基;又はハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基を示し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;又はベンジル基を示し、
7は、C1-6アルキル基;ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びジフェニルメチル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;C2-10アルケニル基;C3-10シクロアルキル基;C3-10シクロアルキルC1-3アルキル基;シンナミル基;フェノキシエチル基;ベンジルオキシカルボニルメチル基;式(3)
−X31−Y31−R31 (3)
(式中、X31はC1-6アルキレン基を示し、Y31は単結合;酸素原子;式−CO−;式−CO−;又は式−OCO−を表し、R31はC3-10シクロアルキル基;又は飽和複素環基を示す。)で表される基;又は式(4)
【0008】
【化2】

(式中、X41、X42及びX43は、同一又は異なって、単結合;又はC1-4アルキレン基を示し、R41は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ヘテロアリール基;アミノ基;ジC1-3アルキルアミノ基;C1-3アルコキシ基;カルバモイルメトキシ基;又はシアノメトキシ基を示し、nは0又は1を示し、Bは芳香族炭化水素化合物の基本環;又は芳香族複素環化合物の基本環を示し、
42及びR43は、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;C1-6アルキル基;又はC1-6アルコキシ基を示し、
44は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;カルボキシル基;C1-6アルキルオキシカルボニル基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;C1-6アルコキシ基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルコキシ基;ヘテロアリール基;フェニル基;1から3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基;スチリル基;フェニルスルホニルメチル基;又は式(5)
−X51−Y51−R51 (5)
(式中、X51は酸素原子;C1-6アルキレン基;式−CO−;式−NR52−;式−NR53CO−;式−CONR54−;式−NR55SO2−;式−N(SO256)SO2−;又は式−CH2SO2−(式中、R52、R53、R54、R55及びR56は、同一又は異なって、水素原子;又はC1-6アルキル基を示す。)を表し、Y51は単結合;又はC1-6アルキレン基を示し、R51は水素原子;カルバモイル基;アリール基;又はヘテロアリール基を示す。)で表される基を示す。)で表される基を示す。]で表されるイミダゾリジノン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物(ただし、式(1)中、Aがベンゼン環、R1、R2、R3、R5及びR6が水素原子、Rがメチル基、R7が無置換の1−フェネチル基である場合を除く。)を提供する。
【0009】
本発明の他の態様によると、本発明は、上記式(1)で示されるいずれかのイミダゾリジノン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬を提供する。
【0010】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態を予防または治療するための前記医薬を提供する。
【0011】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が糖尿病である前記医薬を提供する。
【0012】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態がメタボリックシンドロームである前記医薬を提供する。
【0013】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が肥満症である前記医薬を提供する。
【0014】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が高血圧症である前記医薬を提供する。
【0015】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が動脈硬化症である前記医薬を提供する。
【0016】
本発明の他の態様によると、本発明は、11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が高脂血症である前記医薬を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、これまでに無い新しい骨格を持ち、優れた11β-HSD1阻害活性を示すイミダゾリジノン誘導体若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明のイミダゾリジノン誘導体についてさらに詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
【0019】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
【0020】
1-6アルキル基とは、炭素数1個から6個を有する直鎖または分枝鎖状アルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、1-エチルプロピル基、ヘキシル基が挙げられる。
【0021】
ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基とは、アルキル基における水素原子が1〜3個のハロゲン原子又は水酸基で置換された炭素数1個から6個を有する直鎖または分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられる。
【0022】
ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びジフェニルメチル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基とは、アルキル基における水素原子が1〜3個のハロゲン原子、水酸基、シアノ基又はフェニル基で置換された炭素数1個から6個を有する直鎖または分枝鎖状アルキル基を示し、例えば、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、シアノブチル基、3,3−ジフェニルプロピル基が挙げられる。
【0023】
2-10アルケニル基とは、炭素数2個から10個の直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル基を示し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、ゲラニル基が挙げられる。
【0024】
3-10シクロアルキル基とは、炭素数3個から10個の環状のアルキル基を示し、ここでの環状のアルキル基とは、単環炭化水素基又は多環炭化水素基を示し、さらに多環炭化水素基は縮合多環系炭化水素基、橋かけ環炭化水素基若しくはスピロ炭化水素基を示し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ビシクロ[3,3,0]オクチル基、アダマンチル基が挙げられる。
【0025】
3-10シクロアルキルC1-3アルキル基とは、炭素数3個から10個の環状のアルキル基と炭素数1個から3個のアルキレン基からなる基を示し、例えばシクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基、シクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニルメチル基、ビシクロ[3,3,0]オクチルメチル基、アダマンチルメチル基が挙げられる。
【0026】
アリール基とは、炭素数6個から15個の単環又は縮合多環式芳香族炭化水素基を示し、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基が挙げられる。
芳香族炭化水素化合物の基本環とは、炭素数6個から15個の単環又は縮合多環式芳香族炭化水素化合物における置換基を除いた骨格環を示し、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。
芳香族炭化水素化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環とは、芳香族炭化水素化合物と飽和脂環炭化水素化合物、又は芳香族炭化水素化合物と飽和複素環化合物が縮合した化合物の骨格環を示し、例えばインダン環、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン環、1,3-ベンゾジオキソール環、1,4-ベンゾジオキサン環、2,3-ジヒドロ-1-ベンゾチオフェン環、2,3-ジヒドロ-4H-1-ベンゾチオピラン環、インドリン環、イソインドリン環、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン環、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン環、1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン環、3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾキサジン環、3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾチアジン環が挙げられる。
【0027】
ヘテロアリール基とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する単環又は縮合環の芳香族複素環基を示し、例えばピロリル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、1,3,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、1,2,4-トリアジニル基、1,2,3-トリアジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾフラザニル基、ベンゾピラニル基、チアナフテニル基、イソチアナフテニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、2,1,3-ベンズオキサジアゾリル基、ベンゾキサジニル基、クマリル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、プリニル基、プテリジニル基、チエノフラニル基、イミダゾチアゾリル基、イミダゾピリジニル基、ピロロピリジニル基、ピロロピリミジニル基、ピリドピリミジニル基が挙げられる。
【0028】
芳香族複素環化合物の基本環とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する単環又は縮合環の芳香族複素環化合物における置換基を除いた骨格環を示し、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4-オキサジアゾール環、1,2,4-オキサジアゾール環、1,2,4-チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、1,2,4-トリアジン環、1,2,3-トリアジン環、1,3,5-トリアジン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイソキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイソチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾフラザン環、ベンゾピラン環、チアナフタレン環、イソチアナフタレン環、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソインドール環、インドール環、インダゾール環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、2,1,3-ベンズオキサジアゾール環、ベンゾキサジン環、クマリン環、ナフチリジン環、フタラジン環、プリン環、プテリジン環、チエノフラン環、イミダゾチアゾール環、イミダゾピリジン環、ピロロピリジン環、ピロロピリミジン環、ピリドピリミジン環が挙げられる。
芳香族複素環化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環とは、芳香族複素環化合物と飽和脂環炭化水素化合物、又は芳香族複素環化合物と飽和複素環化合物が縮合した化合物の骨格環を示し、例えば2,3-シクロペンテノピリジン環、3,4-シクロペンテノピリジン環、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン環、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン環が挙げられる。
【0029】
フェニル基で置換されたヘテロアリール基とは、ヘテロアリール基における水素原子が1個のフェニル基によって置換されたヘテロアリール基を示し、例えば、フェニルイミダゾリル基、フェニルピラゾリル基が挙げられる。
【0030】
飽和複素環基とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する単環又は縮合環の飽和複素環基を示し、飽和複素環の炭素原子又はヘテロ原子に結合手を有する基であり、例えばアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ジヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロチオピラニル基、ジヒドロチオピラニル基、テトラヒドロピリジニル基、ジヒドロピリジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基、チアゾリジニル基、ジオキサニル基、イミダゾリニル基、チアゾリニル基、イソチアゾリジニル基、チアジナニル基、ジアゼパニル基、ジオキソラニル基が挙げられる。
【0031】
1-6アルコキシ基とは、炭素数1個から6個を有する直鎖または分枝鎖状アルコキシ基を示し、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、1-エチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0032】
1-3アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。
【0033】
ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルコキシ基とは、アルコキシ基のおける水素原子が1〜3個のハロゲン原子又は水酸基で置換されたC1-6アルコキシ基を示し、例えば、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基が挙げられる。
【0034】
1-6アルキレン基とは、炭素数1個から6個の直鎖または分枝鎖状アルキレン基を示し、例えばメチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,2−(1,1−ジメチル)エチレン基、1,1−プロピレン基、2,2−プロピレン基、1,1−シクロプロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、が挙げられる。
【0035】
1-4アルキレン基とは、炭素数1個から4個の直鎖または分枝鎖状アルキレン基を示し、例えばメチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,2−(1,1−ジメチル)エチレン基、1,1−プロピレン基、2,2−プロピレン基、1,1−シクロプロピレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
ジC1-3アルキルアミノ基とは、炭素数1から3個の直鎖または分枝鎖状アルキル基が2個置換したアミノ基を示し、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基が挙げられる。
【0036】
1から3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基とは、フェノキシ基における水素原子1から3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基を示し、例えば、2,4-ジクロロフェノキシ基、2-フルオロフェノキシ基が挙げられる。
【0037】
1-6アルキルオキシカルボニル基とは、炭素数1個から6個の直鎖または分枝鎖状アルキルオキシカルボニル基を示し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、イソペントキシカルボニル基、1-エチルプロポキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0038】
本発明のイミダゾリジノン誘導体は、その薬学的に許容される塩、それらの水和物又はそれらの溶媒和物であっても良い。以下、本発明のイミダゾリジノン誘導体、その薬学的に許容される塩、それらの水和物及びそれらの溶媒和物を含めて、「本発明の化合物」ともいう。
【0039】
本発明において、薬学的に許容される塩とは、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩;シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩、あるいはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のような無機塩又はアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩であり、好適には塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩又はトリエチルアミン塩があげられ、好ましくはナトリウム塩、塩酸塩又は硫酸塩であり、より好ましくは塩酸塩である。なお、本明細書において、本発明の化合物には、生体内において代謝されて本発明の本発明の化合物に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも含まれる。
本発明における水和物又は溶媒和物とは、本発明化合物又はその塩の医薬上許容される水和物又は溶媒和物である。本発明化合物及びその塩は、大気にさらされ、又は再結晶することなどにより、水分又は溶媒を吸収し、吸着水又は吸着溶媒が付く場合や水和物又は溶媒和物となる場合がある。本発明における水和物又は溶媒和物には、そのような水和物又は溶媒和物をも含む。
【0040】
本発明の化合物は、不斉中心を持つことがあり、その場合種々の光学異性体又は配置のものが存在する。したがって、本発明の化合物は、(+)および(−)の別々の光学活性体として、およびラセミ体又は(±)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明の化合物は、これらすべての型を、任意の割合で含む。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。また、本発明の化合物は、シス体、トランス体などの異性体が存在することがある。本発明の化合物は、それらの異性体、及びそれらの異性体を任意の割合で含んだものも含む。
【0041】
本発明の化合物は、11β-HSD1活性阻害作用を有し、11β-HSD1の関与する疾患、例えば、糖尿病、メタボリックシンドローム、肥満症、高血圧症、動脈硬化症、高脂血症に有効に使用できる。すなわち、本発明の化合物は、11β-HSD1の阻害剤として、例えば、糖尿病、メタボリックシンドローム、肥満症、高血圧症、動脈硬化症、高脂血症の治療薬或いは予防薬として利用できる。本発明の化合物は、単独又は薬学的あるいは薬剤学的に許容される担体又は希釈剤と共に投与することができる。本発明の化合物を11β-HSD1阻害剤などとして使用する場合は、本発明の化合物をそのまま経口投与、又は非経口投与してもよい。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与、又は非経口投与してもよい。非経口投与としては、注射による静脈内投与があげられる。
【0042】
上記の剤を経口投与する場合は、希釈剤、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤
、コーティング剤、界面活性剤、可塑剤、着色剤、矯味矯臭剤などを混合して、本発明の
化合物を有効成分として含む顆粒剤、カプセル剤、錠剤、薬用ドロップ、トローチ、硬質
キャンディ、粉末剤、噴霧剤、などの製剤として投与されてもよい。また、適宜に甘味付
け、又は香味付けを行っても良い。上記の剤を非経口投与する場合は、本発明の化合物を
有効成分として含む注射剤、点滴剤、点眼剤、クリーム、膏薬、坐薬、ゼリー、ジェル、
ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液などの製剤として投与されてもよい。製剤化す
る際には、通常の製剤化の方法を使用できる。
【0043】
本発明の化合物は経口投与又は非経口投与でき、例えば1回につき1mg〜1000mg、好ましくは10mg〜200mg投与でき、例えば1日当り1回〜3回投与すればよい。本発明の化合物の投与量は、患者の年齢、体重及び症状によって適宜調整することができる。
【0044】
本発明の化合物の11β-HSD1活性阻害を評価するには、例えば、実施例に記載した方法
など、公知の手法に従って行なうことができる。
【0045】
本化合物に係る化合物の製造方法を詳細に説明するが、例示されたものに特に限定されない。また、反応に使用する溶媒においても、各反応を阻害しないものであればよく、特に下記の記載に限定されない。
[スキーム1]
【0046】
【化3】


(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7 はそれぞれ前記と同意義である。)
スキーム1は、アミド誘導体(11)、(12)又は(13)を還元してジアミン誘導体(14)を得て、更にイミダゾリジノン誘導体(1)へ変換する工程を示す。
【0047】
例えば、アミド誘導体(11)、(12)又は(13)を還元してジアミン誘導体(14)へ変換する工程では、種々の還元剤を用いて変換することができる。用いる還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、ジボラン、ボランメチルスルフィド錯体、ボランテトラヒドロフラン錯体、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。この反応に使用する溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらの反応は0〜150℃で行うことができる。
【0048】
また例えば、ジアミン誘導体(14)をイミダゾリジノン誘導体(1)へ変換する工程では、ホスゲン、トリホスゲン{ビス(トリクロロメチル)カーボネート}、フェニルクロロホルメートなどを用い、変換することができる。この際、反応は適当な塩基を用いて行うことができ、塩基としては、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン等のアミン類又は炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられ、これらの反応は−20〜50℃で行うことができる。
【0049】
また、ジアミン誘導体(14)からイミダゾリジノン誘導体(1)へ変換するこの工程は、カルボニルジイミダゾールや尿素などを用い、変換することができる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、水等が挙げられ、これらの反応は20〜200℃で行うことができる。
【0050】
[スキーム2]
【0051】
【化4】


(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7 はそれぞれ前記と同意義である。PGはアミノ基の保護基を示す。)
スキーム2は、アミン誘導体(21)からイミダゾリジノン誘導体(26)へ変換する工程を示す。
【0052】
例えば、アミン誘導体(21)からアミド誘導体(22)へのアミド化による変換は、脱水縮合剤を用いる方法、酸クロリド、酸ブロミド、カルボン酸活性エステル、混合酸無水物など活性化されたカルボン酸を用いる方法、エステル体を用いたエステルアミド交換反応を用いる方法などにより行うことができる。
【0053】
例えば、脱水縮合剤を用いる方法において、脱水縮合剤には例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド、カルボニルジイミダゾールがあげられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。この際、反応は適当な塩基を用いて行うことができ、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩又は炭酸カリウム等の無機塩基があげられる。この反応に使用する溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、これらの反応は−50〜50℃で行うことができる。
【0054】
また、例えば、カルボン酸とクロル炭酸エステル等から得られる混合酸無水物を用いてアミド化することができる。この際、反応は適当な塩基を用いて行うことができ、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩又は炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。これらの反応に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、これらの反応は−50〜50℃で行うことができる。
【0055】
また、例えばアミド化反応は、対応するカルボン酸やエステルをアシルクロリドやアシルブロミド等のアシルハライドに変換した後に、アミンとの縮合を行うことができ、対応するカルボン酸やエステルのアシルハライドへの変換は、チオニルクロリド、オキシ塩化リン、五塩化リン、塩化オギザリル等を用いることができる。これらの反応に使用する溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、これらの反応は−50〜100℃で行うことができる。アミンとアシルハライドとの縮合反応は、適当な塩基を用いて行うことができ、塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアミン類、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等の有機酸塩又は炭酸カリウム等の無機塩基が挙げられる。これらの反応に使用する溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、これらの反応は−50〜100℃で行うことができる。
【0056】
またアミド化反応の別の例として、例えば、1−ベンゾトリアゾリルエステルやスクシンイミジルエステル等の活性エステルを用いて行うことができる。これらの反応に使用する溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、酢酸エチル等が挙げられ、この反応は−50〜50℃で行うことができる。
【0057】
また、対応するエステル体を用いたエステルアミド交換反応を用いる方法としては、アミン誘導体(21)とエステルを、反応に関与しない溶媒中で加熱する方法が挙げられる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド等が挙げられ、この反応は50〜200℃で行うことができる。
【0058】
また例えば、アミド誘導体(22)から脱保護して(23)を得る工程は、保護基の種類により異なる方法を用いることができる。この脱保護については PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS,THEODORA W. GREENE and PETER G. M WUTS著に記載の方法を用いることが出来る。例えばPGがtert-ブトキシカルボニル基、トリチル基、o−ニトロベンゼンスルフェニル基等の酸で脱保護される基の場合は、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸を用い、脱保護することができる。これらの反応は基質である化合物を、有機溶媒若しくは水で希釈又は溶解して行うことができ、有機溶媒としては、例えばエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンが挙げられる。この反応は−50〜50℃で行うことができる。更に例えば、PGがベンジルオキシカルボニル基等の加水素分解反応により脱保護される基の場合は、パラジウム等の金属触媒を用いた加水素分解反応により脱保護することができる。この反応に使用する溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、これらの反応は0〜100℃で行うことができる。また、この反応において、水素ガスを用いることも可能であり、ぎ酸−ぎ酸アンモニウムを例とする加水素分解反応で用いられる試薬の組み合わせを適用することもできる。更に例えば、PGが塩基で脱保護されるフルオレニルオキシカルボニル基等の保護基の場合は、ジエチルアミン、ピペリジン、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基を用いて脱保護することができる。これらの塩基は、単独で、あるいは溶媒に希釈又は懸濁して用いることができる。この反応に使用する溶媒としては、水、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等が挙げられ、この反応は0〜100℃で行うことができる。更に例えば、PGがアリルオキシカルボニル基等の金属触媒により脱保護される基の場合は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を触媒又は試薬として用いることにより脱保護することができる。この反応に使用する溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の反応に関与しない溶媒が挙げられ、この反応は0〜100℃で行うことができる。
【0059】
また、例えばアミド誘導体(23)からジアミン誘導体(24)へ変換する工程は、スキーム1に示したジアミン誘導体(14)を得る方法と同様の方法で行うことができる。
【0060】
また、例えばジアミン誘導体(24)からイミダゾリジノン誘導体(25)へ変換する工程は、スキーム1に示したジアミン誘導体(14)からイミダゾリジノン誘導体(1)を得る方法と同様の方法で行うことができる。
【0061】
また、例えばイミダゾリジノン誘導体(25)からN-置換基を導入したイミダゾリジノン誘導体(26)を得る工程では、R7-Cl、R7-Br、R7-I、R7-OMs、R7-OTs(式中、R7 は前記と同意義である。Msはメタンスルホニル基を示し、Tsはp−トシル基を示す。)などを用い、塩基存在下で反応を行うことができる。用いる塩基としては、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン等のアミン類又は水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。この反応に使用する溶媒としては、クロロホルム、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、水等が挙げられ、これら反応は−50〜150℃で行うことができる。
【0062】
[スキーム3]
【0063】
【化5】


(式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7 はそれぞれ前記と同意義である。Xaは、塩素原子、臭素原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トシルオキシ基等の脱離基を示す。)
スキーム3は、アミド誘導体(31)又は(35)からイミダゾリジノン誘導体(26)又は(38)へ変換する工程を示す。
【0064】
例えば、アミド誘導体(31)又は(35)からジアミン誘導体(32)又は(36)への還元反応は、スキーム1に示したジアミン誘導体(14)を得る方法と同様の方法で行うことができる。
【0065】
また、例えばジアミン誘導体(32)又は(36)からイミダゾリジノン誘導体(33)又は(37)へ変換する工程は、スキーム1に示したイミダゾリジノン誘導体(1)を得る方法と同様の方法で行うことができる。
【0066】
また、例えばイミダゾリジノン誘導体(33)又は(37)から化合物(34)を用いてN,N'-二置換のイミダゾリジノン誘導体(26)又は(38)へ変換する工程は、スキーム2に示したイミダゾリジノン誘導体(25)からイミダゾリジノン誘導体(26)へ変換する方法と同様の方法で行うことができる。
【0067】
以下に、参考例、実施例及び試験例を示して本発明を具体的に説明するが、例示されたものに特に限定されない。
【0068】
参考例1 エチル オキソ{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}アセタートの合成
(S)-(-)-フェニルエチルアミン(11.07g)のクロロホルム(100ml)溶液にトリエチルアミン(19.1ml)を加えた後、氷冷下クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(12.4g)のクロロホルム溶液(40ml)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、1M塩酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜5:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(19.51g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.38 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.57 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 4.34 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 5.05 - 5.23 (m, 2 H), 7.18 - 7.46 (m, 5 H).
参考例2 エチル (ベンジルアミノ)(オキソ)アセタートの合成
参考例1と同様の方法でベンジルアミン(6.74g)を用い無色油状物質として表題化合物(13.87g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.39 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 4.36 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 4.53 (d, J=6.1 Hz, 2 H), 7.10 - 7.48 (m, 5 H).
参考例3 3-(4-メトキシフェニル)プロピル メタンスルホナートの合成
3-(4-メトキシフェニル)-1-プロパノール(1.66g)のクロロホルム(50ml)溶液にトリエチルアミン(2.09ml)を加えた後、氷冷下メタンスルホニルクロリド(0.93ml)を滴下し、室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。褐色個体として表題化合物(2.49g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.98 - 2.11 (m, 2 H), 2.64 - 2.74 (m, 2 H), 2.99 (s, 3 H), 3.79 (s, 3 H), 4.22 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.81 - 6.88 (m, 2 H), 7.07 - 7.14 (m, 2 H).
参考例4 1-(クロロメチル)-2-(2-フェニルエチル)ベンゼンの合成
2-フェネチルベンジルアルコール(609mg)のクロロホルム(20ml)溶液にトリエチルアミン(479μl)を加えた後、氷冷下メタンスルホニルクロリド(0.27ml)を滴下し、室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。黄色油状物質として表題化合物(730mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 2.83 - 3.16 (m, 4 H), 4.55 (s, 2 H), 7.12 - 7.44 (m, 9 H).
参考例5 (1S)-1-(2-クロロフェニル) エチルアミンの合成
(S)-(-)-フェニルエチルアミン(3.00g)のジエチルエーテル(27.5ml)溶液に氷冷下n−ブチルリチウム(2.6M n−ヘキサン溶液、9.6ml)を滴下し15分間攪拌した。続いてトリメチルシリルクロリド(3.14ml)を滴下し30分間攪拌した。さらにn−ブチルリチウム(2.6M n−ヘキサン溶液、28.6ml)を滴下し1時間攪拌した後、室温まで昇温させ、そのまま一晩攪拌した。次に反応液を−78℃に冷却し、ヘキサクロロエタン(11.72g)のジエチルエーテル(29.9ml)溶液を滴下した後、−45℃に昇温させ1時間攪拌した。次に3M塩酸水溶液(90ml)を滴下した後、室温に昇温させ1時間攪拌した。有機層を分液し、3M塩酸水溶液で洗浄した。水層に水酸化カリウムを加えてpH=12とした後、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:メタノール=1:0〜4:1)で精製し、淡黄色油状物質として表題化合物(1.005g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.40 (d, J=6.6 Hz, 3 H), 1.57 (s, 2 H), 4.55 (q, J=6.6 Hz, 1 H), 7.12 - 7.20 (m, 1 H), 7.23 - 7.36 (m, 2 H), 7.53 (d, J=7.8 Hz, 1 H).
参考例6 1-フェニルシクロプロピルアミンの合成
ベンゾニトリル(4.040g)のジエチルエーテル(130ml)溶液にチタンテトライソプロポキシド(12.6ml)を加えた後、−78℃下エチルマグネシウムブロミド(39% ジエチルエーテル溶液、28.5ml)を滴下し10分間攪拌した。室温に昇温した後、ボロントリフルオリド ジエチルエーテルコンプレックス(9.8ml)を滴下し1時間攪拌した。反応液に1M塩酸水溶液及びジエチルエーテルを加えて分液した後、水層に10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下しジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=20:1〜7:1)で精製し、淡黄色油状物質として表題化合物(3.563g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 0.95 - 1.02 (m, 2 H), 1.04 - 1.10 (m, 2 H), 1.89 (s, 2 H), 7.15 - 7.34 (m, 5 H).
実施例1 化合物(1−1)〜(1−73)の合成
(1)N-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(1A−1)の合成
参考例1で得られたエチル オキソ{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}アセタート(8.00g)のエタノール溶液(60ml)に28%アンモニア水(21.9g)を加え、90℃で2.5時間加熱還流した。室温まで冷却し、溶媒を減圧留去した。1.5日間かけて室温にて減圧乾燥し、無色粉末として表題化合物(6.61g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(1B−1)の合成
リチウムアルミニウムハイドライド(10.4g)のテトラヒドロフラン懸濁液(172ml)へ、実施例1(1)で得られたN-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(6.61g)を加え10時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、氷冷下、水を滴下して加えた。水酸化ナトリウム(8.5g、ペレット)を加え、30分間攪拌し、デカンテーションを行った。ジエチルエーテルを加え1時間攪拌し、デカンテーションを行った。さらにジエチルエーテルを加え、デカンテーションを行った。デカンテーションによって集めた溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。無色油状物質として表題化合物(7.92g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1C−1)の合成
実施例1(2)で得られたN-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(7.92g)のクロロホルム溶液(172ml)に氷冷下、トリホスゲン(3.37g)を加えた後、トリエチルアミン(10.5ml)を滴下し室温で2時間攪拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、0.1M塩酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3〜0:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(3.90g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(4)1-ベンジル-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1−1)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(123mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2ml)に水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、26mg)を加え、室温で15分間攪拌した。ベンジルブロミド(77μl)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3)で精製し、無色油状物質として表題化合物(92mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0069】
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オンとn-ブチルブロミド、シクロヘキシルメチルブロミド、4-クロロベンジルブロミド、4-メトキシベンジルクロリド、イソブチルブロミド、ヨードメタン、(2-ブロモエチル)ベンゼン、2-(ブロモメチル) ピリジン、1-(クロロメチル)ナフタレン、2-(ブロモメチル)ナフタレン、1-ブロモ-4-フェニルブタン、1-アダマンチルブロモメチルケトン、4-(tert-ブチル)ベンジルブロミド、1-ブロモ-3-フェニルプロパン、4-ブロモメチルビフェニル、4-シアノベンジルブロミド、5-ブロモバレロニトリル、2-(ブロモメチル)テトラヒドロ-2 H-ピラン、1-(ブロモメチル)アダマンタンを用い、上記と同様の方法で化合物(1−4)〜(1−22)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
(5)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-[3-(トリフルオロメチル)ベンジル]イミダゾリジン-2-オン(1−2)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(190mg)のテトラヒドロフラン溶液(3.3ml)に水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、40mg)を加え、室温で20分間攪拌した。3-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(239mg)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧にて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(288mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0070】
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オンとベンジルブロモアセテート、4-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド、2-メチルベンジルブロミド、4-メチルベンジルブロミド、3,4-ジフルオロベンジルブロミド、3-ベンジルオキシベンジルブロミド、4-(ブロモメチル)ベンゾフェノン、9-(ブロモメチル)アクリジン、2-(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド、3-(ブロモメチル)-5-クロロベンゾ[b]チオフェン、1-[3-(ブロモメチル)フェニル]-1H-ピロール、5-(ブロモメチル)ベンゾフラザン、1-(3-ブロモプロピル)ピロール、2-フルオロ-3-メチルベンジルブロミド、2-シクロヘキシルエチルブロミド、2-クロロベンジルクロリド、2,6-ジフルオロベンジルブロミド、2-(ジフルオロメトキシ)ベンジルブロミド、2-フルオロベンジルブロミド、β-ブロモフェネトール、メチル 3-(ブロモメチル)ベンゾアート、3-(2-フルオロフェノキシ)ベンジルブロミド、4-クロロメチルスチルベン、シンナミルブロミド、ゲラニルブロミド、3-(4-メトキシフェニル)プロピルメタンスルホナート(参考例3)、2-ブロモメチルビフェニル、2-メトキシベンジルクロリド、1-(クロロメチル)-2-(2-フェニルエチル)ベンゼン(参考例4)、3-クロロベンジルクロリド、2-シアノベンジルブロミド、2-ブロモベンジルブロミド、2,6-ジクロロベンジルブロミド、3-メチルベンジルブロミド、3-メトキシベンジルブロミド、2,6-ジメチルベンジルクロリド、2-(4-フルオロフェニル)オキシラン、1-ブロモメチル-2-[(フェニルスルホニル)メチル]ベンゼン、1-ベンジル-2-(クロロメチル)ベンゼン(2-ベンジルベンジルアルコールを用いて参考例4と同様の方法で合成)、2-(トリフルオロメトキシ)ベンジルブロミド、1-ブロモ-3,3-ジフェニルプロパン、メチル 1-(ヨードメチル)ベンゾエート、3-(2-メチルフェニル)プロピルメタンスルホナート(3-(2-メチルフェニル)プロパン-1-オールを用いて参考例3と同様の方法で合成)、3-シアノベンジルブロミド、2-(クロロメチル)キノリン、4-(クロロメチル)チアゾール、4-クロロメチル-3,5-ジメチルイソキサゾール、クロロアセトニトリル、3-ニトロベンジルブロミド、4-ニトロベンジルブロミド、2-ニトロベンジルブロミドを用い、上記と同様の方法で化合物(1−23)〜(1−73)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
(6)1-[2-(2,4-ジクロロフェノキシ)ベンジル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1−3)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(190mg)のテトラヒドロフラン溶液(3.3ml)に水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、40mg)を加え、室温で20分間攪拌した。2,4-ジクロロ-1-[2-(クロロメチル)フェノキシ]ベンゼン(288mg)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液にヨウ化ナトリウム(150mg)を加え、室温にて一晩攪拌した。反応液を減圧にて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物(167mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0071】
実施例2 化合物(2−1)〜(2−25)の合成
(1)N-[2-(3-メチルフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(2A-1)の合成
簡易封管中、参考例1で得たエチル オキソ{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}アセタート(670mg)のトルエン溶液(2ml)に3-メチルフェネチルアミン(817mg)を加え、130℃で4時間攪拌後、室温で一晩攪拌した。析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄して、無色粉末として表題化合物(800mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0072】
参考例1で得たエチル オキソ{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}アセタートとα,α-ジメチルフェネチルアミン、1-(2-アミノエチル)ピペリジン、2-(p-トリル)エチルアミン、2-メトキシフェネチルアミン、2-メチルフェネチルアミン、4-フェノキシフェネチルアミン、 (S)-(-)-1-(4-メトキシフェニルエチルアミン)、クミルアミン、(S)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミン、(S)-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミン、(S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミン、(R)-(-)-2-フェニルグリシノール、シクロプロピルアミン、2-(2-クロロフェニル)エチルアミン、2-(3-クロロフェニル)エチルアミン、(S)-(-)-1-(4-クロロフェニル)エチルアミン、(S)-1-(2-フルオロフェニル)エチルアミン、(S)-1-(4-フルオロフェニル)エチルアミン、参考例5で得た(1S)-1-(2-クロロフェニル)エチルアミン、2-(4-クロロフェニル)エチルアミン、参考例6で得た1-フェニルシクロプロピルアミン、(S)-(-)-1-(2-ナフチル)エチルアミン、(S)-(-)-1-(4-ブロモフェニル)エチルアミンを用い、上記と同様の方法で化合物(2A−2)〜(2A−25)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N-[2-(3-メチルフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(2B−1)の合成
加熱還流下、リチウムアルミニウムハイドライド(381mg)のテトラヒドロフラン懸濁液(10ml)へN-[2-(2-メチルフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(2A-1)(780mg)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を加え8時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、氷冷下28%アンモニア水を滴下して加えた。ろ過後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜クロロホルム:メタノール=10:1)で精製し、黄色油状物質として表題化合物(92mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0073】
化合物(2A−2)〜(2A−14)を用い、上記と同様の方法で化合物(2B−2)〜(2B−14)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)N-シクロプロピル-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(2B-15)の合成
アルゴン雰囲気下、表2に記載したN-シクロプロピル-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(2A-15)(556mg)とボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、12ml)の混合液を6時間加熱還流した。一度溶媒を減圧留去した後、6M塩酸水溶液を加え2時間加熱還流を行った。反応液を室温に戻した後、氷冷下、水、水酸化ナトリウムを加えクロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、薄黄色油状物質として表題化合物(1.38g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0074】
(2A−16)〜(2A−25)を用いて上記と同様の方法で表の化合物(2B−16)〜(2B−25)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(4)1-[2-(3-メチルフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法でN-[2-(2-メチルフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(2B−1)(87mg)、トリホスゲン(30mg)及びトリエチルアミン(95μl)を用い黄色油状物質として表題化合物(58mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0075】
化合物(2B−2)〜(2B−25)を用いて上記と同様の方法で化合物(2−2)〜(2−25)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0076】
実施例3 化合物(3−1)〜(3−4)の合成
(1)N-ベンジル-N'-[(1S)-1-(1-ナフチル)エチル]エタンジアミド(3A−1)の合成
実施例2(1)と同様の方法で、参考例1で得たエチル (ベンジルアミノ)(オキソ)アセタート(566mg)及び(S)-(-)-1-(1-ナフチル)エチルアミン(935mg)を用い無色粉末として表題化合物(600mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0077】
参考例1で得たエチル (ベンジルアミノ)(オキソ)アセタートと(S)-(-)-1-(4-メトキシフェニル)エチルアミン、 (S)-(-)-1-(2-ナフチル)エチルアミン又は(S)-1-(3-メトキシフェニル)エチルアミンを用い、上記と同様の方法で化合物(3A−2)〜(3A−4)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N-ベンジル-N'-[(1S)-1-(1-ナフチル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(3B−1)の合成
実施例2(2)と同様の方法で、N-ベンジル-N'-[(1S)-1-(1-ナフチル)エチル]エタンジアミド(3A−1)(600mg)及びリチウムアルミニウムハイドライド(548mg)を用い赤色油状物質として表題化合物(210mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0078】
化合物(3A−2)〜(3A−4)を用いて上記と同様の方法で化合物(3B−2)〜(3B−4)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)1-ベンジル-3-[(1S)-1-(1-ナフチル)エチル]イミダゾリジン-2-オン(3−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法でN-ベンジル-N'-[(1S)-1-(1-ナフチル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(3B−1)(180mg)、トリホスゲン(59mg)及びトリエチルアミン(181μl)を用い薄桃色油状物質として表題化合物(110mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0079】
化合物(3B−2)〜(3B−4)を用いて上記と同様の方法で化合物(3−2)〜(3−4)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0080】
実施例4化合物(4−1)〜(4−2)の合成
(1)エチル {[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(4A)の合成
参考例1と同様の方法で(S)-1-(2-フルオロフェニル)エチルアミン(924mg)、クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(907mg)及びトリエチルアミン(1.39ml)を用い薄黄色油状物質として表題化合物(1.71g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータは表1に示す。
(2)N-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタンジアミド(4B−1)の合成
実施例2(1)と同様の方法で、エチル {[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(4A)(710mg)及び(S)-1-(4-フルオロフェニル)エチルアミン(827mg)を用い無色粉末として表題化合物(779mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータは表1に示す。
【0081】
実施例4(1)で合成したエチル {[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(4A)(653mg)及び(S)-(-)-1-(2-ナフチル)エチルアミン(979mg)を用い上記と同様の方法で化合物(4B−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)N-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(4C−1)の合成
実施例2(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタンジアミド(4B−1)(490mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、9.8ml)を用い薄黄色油状物質として表題化合物(260mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータは表1に示す。
【0082】
実施例4(2)で合成したN-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(2-ナフチル)エチル]エタンジアミド(4B−2)(814mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、15ml)を用い上記と同様の方法で化合物(4C−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(4)1-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]イミダゾリジン-2-オン(4−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(4C−1)(650mg)、トリホスゲン(210mg)及びトリエチルアミン(0.66ml)を用い無色粉末として表題化合物(511mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0083】
実施例4(3)で合成したN-[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-(2-ナフチル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(4C−2)(651mg)、トリホスゲン(194mg)及びトリエチルアミン(0.60ml)を用い上記と同様の方法で化合物(4−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0084】
実施例5 1-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-3-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(5−1)の合成
(1)エチル {[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタートの合成
参考例1と同様の方法で(S)-(-)-1-(4-メトキシフェニル)エチルアミン(1.39g)、クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(1.25g)及びトリエチルアミン(1.92ml)を用い褐色油状物質として表題化合物(3.18g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.38 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 1.55 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 3.80 (s, 3 H), 4.33 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 5.03 - 5.16 (m, 1 H), 6.82 - 6.94 (m, 2 H), 7.18 - 7.33 (m, 3 H).
(2)N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-N'-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}エタンジアミドの合成
実施例2(1)と同様の方法で、エチル {[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(642mg)及び(S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチルアミン(725mg)を用い無色粉末として表題化合物(454mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.44 - 1.62 (m, 6 H), 3.77 (s, 3 H), 4.89 - 5.04 (m, 1 H), 5.27 - 5.45 (m, 1 H), 6.72 - 6.90 (m, 2 H), 7.13 - 7.84 (m, 8 H).
(3)N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-N'-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}エタン-1,2-ジアミンの合成
実施例2(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-N'-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}エタンジアミド(454mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、7.7ml)を用い薄黄色油状物質として表題化合物(270mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.16 - 1.42 (m, 6 H), 2.31 - 2.64 (m, 4 H), 3.52 - 3.70 (m, 1 H), 3.80 (s, 3 H), 3.92 - 4.22 (m, 1 H), 6.70 - 6.96 (m, 2 H), 7.11 - 7.42 (m, 3 H), 7.44 - 7.67 (m, 2 H), 7.68 - 7.83 (m, 1 H).
(4)1-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-3-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(5−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-N'-{(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}エタン-1,2-ジアミン(270mg)、トリホスゲン(74mg)及びトリエチルアミン(0.24ml)を用い無色油状物質として表題化合物(137mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0085】
実施例6 1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(6−1)の合成
(1)エチル オキソ({(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)アセタートの合成
参考例1と同様の方法で(S)-1-[(4-トリフルオロメトキシ)フェニル]エチルアミン(0.95g)、クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(0.63g)及びトリエチルアミン(0.97ml)を用い無色油状物質として表題化合物(1.45g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.39 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.50 - 1.66 (m, 3 H), 4.35 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 4.99 - 5.27 (m, 1 H), 6.98 - 7.58 (m, 5 H).
(2)N-[(1S)-1-フェニルエチル]-N'-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}エタンジアミドの合成
実施例2(1)と同様の方法で、エチル オキソ({(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)アセタート(730mg)及び(S)-(-)-フェニルエチルアミン(0.61ml)を用い無色粉末として表題化合物(817mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.26 - 1.74 (m, 6 H), 4.73 - 5.24 (m, 2 H), 6.96 - 7.96 (m, 11 H).
(3)N-[(1S)-1-フェニルエチル]-N'-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}エタン-1,2-ジアミンの合成
実施例2(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-フェニルエチル]-N'-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}エタンジアミド(817mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、14ml)を用い無色油状物質として表題化合物(190mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.18 - 1.47 (m, 6 H), 2.23 - 2.81 (m, 4 H), 3.36 - 3.90 (m, 2 H), 6.83 - 7.56 (m, 9 H).
(4)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(6−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-フェニルエチル]-N'-{(1S)-1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル}エタン-1,2-ジアミン(190mg)、トリホスゲン(53mg)及びトリエチルアミン(0.17ml)を用い無色油状物質として表題化合物(117mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0086】
実施例7 化合物(7−1)の合成
(1)エチル {[(1S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタートの合成
参考例1と同様の方法で(S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミン(1.04g)、クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(1.04g)及びトリエチルアミン(1.6ml)を用い無色粉末として表題化合物(1.83g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.37 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.54 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 4.34 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 4.95 - 5.20 (m, 2 H), 6.68 - 6.88 (m, 2 H), 7.04 - 7.36 (m, 3 H).
(2)N-[(1S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミドの合成
実施例2(1)と同様の方法で、エチル {[(1S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(1.83g)及び(S)-(-)-フェニルエチルアミン(2.0ml)を用い無色粉末として表題化合物(1.93g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.32 - 1.67 (m, 6 H), 4.80 - 5.25 (m, 2 H), 6.51 - 6.91 (m, 2 H), 7.02 - 7.48 (m, 7 H), 7.51 - 7.79 (m, 2 H).
(3)4-{(1S)-1-[(2-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}エチル)アミノ]エチル}フェノールの合成
実施例2(3)と同様の方法で、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、41ml)を用い無色油状物質として表題化合物(310mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.10 - 1.56 (m, 6 H), 2.10 - 2.80 (m, 6 H), 3.30 - 3.85 (m, 2 H), 6.43 - 6.80 (m, 2 H), 6.85 - 7.48 (m, 7 H).
(4)1-[(1S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(7−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、4-{(1S)-1-[(2-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}エチル)アミノ]エチル}フェノール(310mg)、トリホスゲン(107mg)及びトリエチルアミン(0.33ml)を用い無色粉末として表題化合物(78mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0087】
実施例8 化合物(8−1)の合成
(1)エチル {[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタートの合成
参考例1と同様の方法で(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチルアミン(3.01g)、クロログリオキシリックアシッドエチルエステル(2.03g)及びトリエチルアミン(5.40ml)を用い無色油状物質として表題化合物(4.02g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.39 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 1.60 (d, J=7.0 Hz, 3 H), 4.36 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 5.13 - 5.27 (m, 1 H), 7.41 (brs, 1 H), 7.47 - 7.54 (m, 2 H), 8.18 - 8.24 (m, 2 H).
(2)N-[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミドの合成
実施例2(1)と同様の方法で、エチル {[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]アミノ}(オキソ)アセタート(4.02g)及び(S)-(-)-フェニルエチルアミン(3.61g)を用いて無色粉末として表題化合物(3.89g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.53 - 1.62 (m, 6 H), 5.01 - 5.18 (m, 2 H), 7.25 - 7.39 (m, 5 H), 7.43 - 7.50 (m, 2 H), 7.62 - 7.68 (m, 1 H), 7.77 - 7.84 (m, 1 H), 8.16 - 8.22 (m, 2 H).
(3)N-[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミンの合成
実施例2(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタンジアミド(1.95g)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.01Mのテトラヒドロフラン溶液、45.1ml)を用い淡褐色油状物質として表題化合物(1.47g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.33 (d, J=6.7 Hz, 3 H), 1.37 (d, J=6.7 Hz, 3 H), 2.42 - 2.61 (m, 4 H), 3.65 - 3.79 (m, 2 H), 7.21 - 7.37 (m, 5 H), 7.42 - 7.49 (m, 2 H), 8.13 - 8.20 (m, 2 H).
(4)1-[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(8−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N-[(1S)-1-(4-ニトロフェニル)エチル]-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(1.47g)、トリホスゲン(459mg)及びトリエチルアミン(1.44ml)を用い無色油状物質として表題化合物(1.24g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0088】
実施例9 化合物(9−1)〜(9−4)の合成
1-(3-アミノベンジル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(9−1)の合成
実施例1(5)で合成した1-(3-ニトロベンジル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1−71)(910mg)のエタノール‐水(5:1)混合液(14ml)に塩化アンモニウム(90mg)と鉄粉(781mg)を加え、2時間加熱還流した。反応液を冷却後、セライトろ過した。溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加え、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:4)で精製し、黄色油状物質として表題化合物(730mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0089】
実施例1(5)で合成した化合物(1−72)と実施例8(4)で合成した化合物(8−1)、実施例1(5)で合成した化合物(1−73)を用い上記と同様の方法で化合物(9−2)〜(9−4)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0090】
実施例10 化合物(10−1)〜(10−4)の合成
(1)N-[3-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)フェニル]メタンスルホンアミド(10−1)の合成
実施例9で合成した1-(3-アミノベンジル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(9−1)(295mg)のクロロホルム溶液(5ml)に、氷冷下ピリジン(97μl)とメタンスルホニルクロリド(77μl)を順次加え、0℃にて1時間攪拌した後、室温にて2時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:3)で精製し、淡黄色ガム状物質として表題化合物(284mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0091】
実施例9で合成した化合物(9−2)及び(9−3)を用い上記と同様の方法で化合物(10−2)及び(10−3)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
(2)N-[2-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)フェニル]メタンスルホンアミド(10−4)及びN-(メチルスルホニル)-N-[2-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)フェニル]メタンスルホンアミド(10−5)の合成
実施例9で合成した1-(2-アミノベンジル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(9−4)(174mg)のクロロホルム溶液(3ml)にトリエチルアミン(123μl)とメタンスルホニルクロリド(55μl)を順次加え、室温にて一晩攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:3)で精製し、淡黄色ガム状物質として表題化合物(10−4)(36mg)と(10−5)(126mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0092】
実施例11 化合物(11−1)及び(11−2)の合成
N-[4-((1S)-1-{2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}エチル)フェニル]アセトアミド(11−1)の合成
実施例9で合成した1-[(1S)-1-(4-アミノフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(9−3)(100mg)のクロロホルム溶液(2ml)に、氷冷下トリエチルアミン(54μl)とアセチルクロリド(23μl)を順次加え、室温にて3時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜0:1)で精製し、淡褐色粉末として表題化合物(92mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0093】
実施例9で合成した化合物(9−4)を用い、上記と同様の方法で化合物(11−2)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0094】
実施例12 化合物(12−1)〜(12−2)の合成
(1)N,N'-ビス[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]エタンジアミド(12A−1)の合成
窒素雰囲気下、オキザリルクロライド(0.26ml)のテトラヒドロフラン溶液(30ml)へ(S)-1-(2-フルオロフェニル)エチルアミン(855mg)を加え、2時間加熱還流を行った。室温に戻した後、反応液に水を加え析出した結晶を濾取した。結晶をn−ヘキサンで洗浄し無色固体として表題化合物(490mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0095】
オキザリルクロライド(0.28ml)と(S)-(-)-1-(4-フルオロフェニル)エチルアミン(920mg)を用い上記と同様の方法で化合物(12A−2)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N,N'-ビス[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(12B−1)の合成
実施例2(3)と同様の方法で、N,N'-ビス[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]エタンジアミド(12A−1)(490mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、9.8ml)を用い薄黄色油状物質として表題化合物(260mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0096】
N,N'-ビス[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタンジアミド(12A−2)(853mg)及びボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.20Mのテトラヒドロフラン溶液、18ml)を用い上記と同様の方法で化合物(12B−2)を合成した。(12B−2)の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)1,3-ビス[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]イミダゾリジン-2-オン(12−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N,N'-ビス[(1S)-1-(2-フルオロフェニル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(12B−1)(260mg)、トリホスゲン(98mg)及びトリエチルアミン(0.26ml)を用い無色粉末として表題化合物(199mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
N,N'-ビス[(1S)-1-(4-フルオロフェニル)エチル]エタン-1,2-ジアミン(12B−2)(540mg)、トリホスゲン(175mg)及びトリエチルアミン(0.49ml)を用い上記と同様の方法で化合物(12−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0097】
実施例13 化合物(13−1)〜(13−4)の合成
(1)tert-ブチル ((1S)-1-メチル-2-オキソ-2-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}エチル)カルバマート(13A−1)の合成
(S)-(-)-フェニルエチルアミン(1.21g)とN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニン(1.89g)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(10ml)に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.73g)を加え、氷冷下1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.11g)を加えた。0℃で30分間攪拌し、室温で一晩攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:2)で精製し、無色粉末として表題化合物(2.84g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0098】
(S)-(-)-フェニルエチルアミンとN-(tert-ブトキシカルボニル)-D-アラニン、N-(tert-ブトキシカルボニル)-D-フェニルアラニン又は(2R)-2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ブタノイックアシッドを用い、上記と同様の方法で表の化合物(13A−2)〜(13A−4)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N-[(1S)-1-フェニルエチル]-L-アラニンアミド(13B−1)の合成
実施例14(1)で得られたtert-ブチル ((1S)-1-メチル-2-オキソ-2-{[(1S)-1-フェニルエチル]アミノ}エチル)カルバメート(13A−1)(2.84g)の酢酸エチル溶液(10ml)へ、氷冷下4N塩酸-酢酸エチル(30ml)を滴下し、室温にて一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。水層に1N水酸化ナトリウム水溶液(130ml)を加えpH9とした。クロロホルムにて抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。無色油状物質として表題化合物(1.82g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0099】
化合物(13A−2)〜(13A−4)を用い上記と同様の方法で化合物(13B−2)〜(13B−4)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)(2S)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]プロパン-1,2-ジアミン(13C−1)の合成
実施例13(2)で得られたN-[(1S)-1-フェニルエチル]-L-アラニンアミド(13B−1)(1.82g)を用い、実施例1(2)と同様の方法で、無色油状物質として表題化合物(1.20g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0100】
化合物(13B−2)〜(13B−4)を用い上記と同様の方法で化合物(13C−2)〜(13C−4)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(4)(4S)-4-メチル-1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(13D−1)の合成
実施例13(3)で得られた(2S)-N-[(1S)-1-フェニルエチル]プロパン-1,2-ジアミン(13C−1)(1.20g)を用い、実施例1(3)と同様の方法で、無色粉末として表題化合物(1.22g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0101】
化合物(13C−2)〜(13C−4)を用い上記と同様の方法で化合物(13D−2)〜(13D−4)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(5)(4S)-3-ベンジル-4-メチル-1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(13−1)の合成
実施例13(4)で得られた(4S)-4-メチル-1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(13D−1)(204mg)を用い、実施例1(4)と同様の方法で、無色油状物質として表題化合物(83mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0102】
化合物(13D−2)〜(13D−4)を用い上記と同様の方法で化合物(13−2)〜(13−4)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0103】
実施例14 化合物(14−1)〜(14−2)の合成
(1)エチル N-1-アダマンチルグリシナート(14A−1)の合成
1-アダマンタンアミン(508mg)のエタノール溶液(30ml)にエチルクロロアセテート(343mg)、ヨウ化カリウム(465mg)を加え室温で一晩攪拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜クロロホルム:メタノール=20:1〜5:1)で精製し無色油状物質として表題化合物(280mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0104】
(S)-(-)-1-フェニルプロピルアミンを用い、上記と同様の方法で表の化合物(14A−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(2)N-1-アダマンチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]グリシンアミド(14B−1)の合成
エチル N-1-アダマンチルグリシナート(14A−1)(280mg)のトルエン溶液(1ml)に(S)-(-)-1-フェニルエチルアミン(301μl)を加え、7時間加熱還流を行った。一度溶媒を減圧留去した後、130℃で3時間攪拌した。(S)-(-)-1-フェニルエチルアミン(0.75ml)を加え、130℃で9時間、室温に戻して1晩攪拌した後、130℃に昇温して12時間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、0.5N塩酸、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1〜クロロホルム:メタノール=30:1〜20:1)で精製し、薄黄色油状物質として表題化合物(235mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータは、表1に記載した。
【0105】
化合物(14A−2)とベンジルアミンを用いて上記と同様の方法で化合物(14B−2)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(3)N-1-アダマンチル-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(14C−1)の合成
実施例1(2)と同様の方法で、N-1-アダマンチル-N-[(1S)-1-フェニルエチル]グリシンアミド(14B−1)(217mg)とリチウムアルミニウムハイドライド(209mg)から黄色油状物質として表題化合物(58mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
【0106】
化合物(14B−2)を用い上記と同様の方法で化合物(14C−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表1に示す。
(4)1-(1-アダマンチル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(14−1)の合成
実施例1(3)と同様の方法で、N-1-アダマンチル-N'-[(1S)-1-フェニルエチル]エタン-1,2-ジアミン(14C−1)(58mg)、トリホスゲン(19mg)及びトリエチルアミン(59μl)を用い無色粉末として表題化合物(38mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0107】
化合物(14C−2)を用い上記と同様の方法で化合物(14−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0108】
実施例15 化合物(15−1)〜(15−7)の合成
(1)1-[(1S)-1-[4-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(15−1)の合成
簡易封管中、実施例2で得られた1-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−25)(218mg)の1-メチル-2-ピロリジノン溶液(0.78ml)にイミダゾール(79mg)、炭酸カリウム(160mg)とヨウ化銅(11mg)を加え、195℃で2時間攪拌した。反応液をろ過後、酢酸エチルを加え、水と飽和食塩水の1:1混合液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥を行い、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜クロロホルム:メタノール=50:1)で精製した。溶媒を減圧留去した後、酢酸エチルを加え水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し薄茶色粘性油状物質として表題化合物(166mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
(2)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-{(1S)-1-[4-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(15−2)の合成
実施例2で得られた1-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−25)(200mg)の1-メチル-2-ピロリジノン溶液(0.73ml)に1,2,4-トリアゾール(75mg)、炭酸カリウム(149mg)とヨウ化銅(10mg)を加え、マイクロウエーブ反応装置(バイオタージ社製)を用いて、195℃に加熱して、3時間反応を行った。反応液をろ過後、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜クロロホルム:メタノール=20:1)で精製した。得られた結晶をジエチルエーテル:n−ヘキサン(1:3)混合溶液で洗浄し、無色粉末として表題化合物(103mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0109】
実施例2で得られた1-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−25)とピロール、ピラゾール、ベンズイミダゾール、4-フェニルイミダゾール又は3-フェニル-1H-ピラゾールを用い、上記と同様の方法で表の化合物(15−3)〜(15−7)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0110】
実施例16 4-((1S)-1-{2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}エチル)ベンゾニトリル(16−1)の合成
簡易封管中、実施例2で得られた1-[(1S)-1-(4-ブロモフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−25)(211mg)の1-メチル-2-ピロリジノン溶液(0.60ml)にシアン化銅(92mg)を加え、200℃で3時間攪拌した。室温に戻した後、反応液に酢酸エチルを加え、水と飽和食塩水の1:1混合液、塩化鉄III(4.0g)/濃塩酸(7ml)水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥を行い、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜2:1)で精製し、薄茶色油状物質として表題化合物(131mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0111】
実施例17 化合物(17−1)、(17−2)の合成
1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-{(1S)-1-[4-(ピリジン-2-イルアミノ)フェニル]エチル}イミダゾリジン-2-オン(17−1)の合成
実施例9で合成した1-[(1S)-1-(4-アミノフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(9−3)(100mg)のトルエン‐tert-ブチルアルコール(5:1)混合溶液(3ml)に、2-ブロモピリジン(52mg)と酢酸パラジウム(1.5mg)、rac-BINAP(8.0mg)、ソディウム tert-ブトキシド(43mg)を順次加え、マイクロウエーブ反応装置(バイオタージ社製)を用いて、150℃に加熱して、30分間反応を行った。反応液をセライトろ過して、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜1:2)で精製し、淡黄色粉末として表題化合物(34mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0112】
実施例9で合成した化合物(9−3)及びブロモベンゼンを用い、上記と同様の方法で化合物(17−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0113】
実施例18 2-[4-((1S)-1-{2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}エチル)フェノキシ]アセトアミド(18−1)の合成
実施例7で得られた1-[(1S)-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(7−1)(75mg)のN,N-ジメチルホルムアミド溶液(2ml)に2-ブロモアセトアミド(36mg)と炭酸カリウム(50mg)を加え室温で一晩攪拌した後、2-ブロモアセトアミド(36mg)と炭酸カリウム(50mg)を加え80℃で2時間攪拌した。室温に戻した後、反応液をろ過し、酢酸エチルを加えた。水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥を行い、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜2:1)で精製し、得られた結晶をn−ヘキサン:酢酸エチル(1:1)混合溶液で洗浄し、無色粉末として表題化合物(19mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0114】
実施例19 化合物(19−1)〜(19−2)の合成
1-(2-ヒドロキシベンジル)-3-[(1)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(19−1)の合成
窒素雰囲気下、実施例1で得られた1-(2-メトキシベンジル)-3-[(1)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1−50)(105mg)のクロロホルム溶液(2.0ml)に氷冷下、三臭化ホウ素(1.0Mのヘキサン溶液)(0.41ml)を滴下し、室温にて3時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜5:1)で精製し、無色粘性油状物質として表題化合物(96mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0115】
実施例2で得られた1-[(1)-1-(4-メトキシフェニル)エチル]-3-[(1)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2−9)及び三臭化ホウ素(1.0Mのヘキサン溶液)(0.77ml)を用い、上記と同様の方法で化合物(19−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0116】
実施例20 化合物(20−1)、(20−2a)、(20−2b)の合成
(1)1-(1-クロロエチル)-2-メトキシベンゼンの合成
参考例4と同様の方法で1-(2-メトキシフェニル)エタノール(2.92g)、メタンスルホニルクロリド(1.49ml)及びトリエチルアミン(3.21ml)を用い無色油状物質として表題化合物(3.20g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.81 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 3.87 (s, 3 H), 5.61 (q, J=6.8 Hz, 1 H), 6.85 - 7.03 (m, 2 H), 7.23 - 7.32 (m, 1 H), 7.50 - 7.57 (m, 1 H).
(2)1-[1-(2-メトキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(20−1)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(2.28g)のテトラヒドロフラン溶液(40ml)に水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、528mg)を加え、室温にて20分間攪拌した。1-(1-クロロエチル)-2-メトキシベンゼン(2.25g)を加え、室温にて一晩攪拌した。9時間加熱還流した。反応液に水素化ナトリウム(240mg)とヨウ化ナトリウム(2.05g)を加え、さらに9時間加熱還流した。反応液を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)で精製し、無色油状物質として表題化合物である2種のジアステレオマーの混合物(1.43g)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
(3)1-[1-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(20−2a)および(20−2b)の合成
1-[1-(2-メトキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(20−1)(1.43g)のクロロホルム溶液(22ml)に三臭化ホウ素(1.0Mのヘキサン溶液)(5.29ml)を滴下し、室温にて3時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜1:1)で精製し、無色粉末として表題化合物であるジアステレオマーをそれぞれ(20−2a)(430mg)、(20−2b)(385mg)得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0117】
実施例21 化合物(21−1)、(21−2)の合成
1-[1-(2-メトキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(21−1)の合成
実施例20(3)で得られた1-[1-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(20−2a)(120mg)のテトラヒドロフラン溶液(2ml)に水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、19mg)を加え、室温にて15分間攪拌した。ヨードメタン(36μl)を加え、室温にて1.5時間攪拌した。反応液を減圧留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)で精製し、淡黄色油状物質として表題化合物(113mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0118】
1-[1-(2-ヒドロキシフェニル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(20−2b)((20−2a)のジアステレオマー)を用い、上記と同様の方法で(21−1)のジアステレオマーである(21−2)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0119】
実施例22 化合物(22−1)の合成
N-メチル-N-[4-((1S)-1-{2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}エチル)フェニル]メタンスルホンアミド(22−1)の合成
実施例10(1)で合成したN-[4-((1S)-1-{2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}エチル)フェニル]メタンスルホンアミド(10−3)(100mg)のテトラヒドロフラン溶液(1.3ml)に、水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、12mg)を加え、室温にて15分間攪拌し、ヨードメタン(24μl)を加え、室温にて2.5日間攪拌した。水素化ナトリウム(12mg)とヨードメタン(24μl)を加え、3時間加熱還流した。反応液を減圧留去し、N,N-ジメチルホルムアミド(1.3ml)、水素化ナトリウム(12mg)とヨードメタン(24μl)を順次加え、130℃で4時間攪拌した。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:9)で精製し、無色粉末として表題化合物(87mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0120】
実施例23 化合物(23−1)〜(23−3)の合成
2-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)ベンズアミド(23−1)の合成
実施例1(5)で合成した2-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)ベンゾニトリル(1−53)(61mg)のエタノール溶液(4ml)に、水酸化カリウム(100mg)を加え、25.5時間加熱還流を行った。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜クロロホルム:メタノール=19:1)で精製し、無色粉末として表題化合物(21mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0121】
化合物(1−19)及び(1−66)を用い、上記と同様の方法で化合物(23−2)及び(23−3)を合成した。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0122】
実施例24 化合物(24−1)の合成
1-[2-(2-オキソ-2-ピペリジン-1-イルエチル)ベンジル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(24−1)の合成
実施例1で得られたベンジル [2-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)フェニル]アセタート(1−23)(67mg)のピペリジン溶液(0.3ml)を100℃で10時間攪拌した。ピペリジンを減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜2:1〜酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、薄褐色油状物質として表題化合物(49mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0123】
実施例25 化合物(25−1)の合成
1-(3-ヒドロキシベンジル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(25−1)の合成
実施例1で得られた1-[3-(ベンジルオキシ)ベンジル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(1−28)(150mg)のエタノール溶液(10ml)に10%パラジウム-活性炭素(20mg)を加え、水素置換後室温で一晩攪拌した。反応液をろ過後、溶媒を減圧留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜3:1)で精製し、無色粘性油状物質として表題化合物(85mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0124】
実施例26 化合物(26−1)の合成
3-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)ベンゾイックアシッド(26−1)の合成
実施例1で得られたメチル 3-({2-オキソ-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-1-イル}メチル)ベンゾアート(1−43)(104mg)のメタノール溶液(0.2ml)に5M水酸化ナトリウム水溶液(0.2ml)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、水(1.0ml)、6M塩酸水溶液(0.2ml)を加えた。析出した結晶を濾取し、無色粉末として表題化合物(87mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0125】
実施例27 化合物(27−1a)、(27−1b)の合成
(1)N-メトキシ-N-メチルイソキノリン-3-カルボキサミドの合成
イソキノリン-3-カルボキシリックアシッド(962mg)とN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(599mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(878mg)、ジイソプロピルエチルアミン(1.06ml)のN,N-ジメチルホルムアミド(25ml)溶液に、氷冷下1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.12g)を加え室温で一晩攪拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=19:1〜9:1)で精製し、無色固体として表題化合物(970mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 3.47 (s, 3 H), 3.81 (s, 3 H), 7.66 - 7.79 (m, 2 H), 7.92 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 8.03 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 9.25 (s, 1 H).
(2)1-イソキノリン-3-イルエタノンの合成
窒素雰囲気下、N-メトキシ-N-メチルイソキノリン-3-カルボキサミド(970mg)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に氷冷下、3Mメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(3.5ml)を滴下し、同温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜2:1)で精製し、無色固体として表題化合物(680mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 2.84 (s, 3 H), 7.71 - 7.82 (m, 2 H), 7.98 - 8.10 (m, 2 H), 8.49 (s, 1 H), 9.30 (s, 1 H).
(3)1-イソキノリン-3-イルエタノールの合成
1-イソキノリン-3-イルエタノン(0.68g)のエタノール(30ml)溶液に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(396mg)を加え室温で3時間攪拌した。溶媒を減圧留去し氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液(15ml)を加え攪拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜1:1)で精製し、無色固体として表題化合物(0.37g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.62 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 3.74 (s, 1 H), 5.07 (q, J=6.4 Hz, 1 H), 7.55 - 7.63 (m, 1 H), 7.65 (s, 1 H), 7.67 - 7.74 (m, 1 H), 7.79 - 7.86 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 7.98 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 9.22 (s, 1 H).
(4)3-(1-クロロエチル)イソキノリンの合成
1-イソキノリン-3-イルエタノール(0.37g)のクロロホルム(15ml)溶液にトリエチルアミン(0.59ml)、リチウムクロライド(143mg)を加えた後、氷冷下メタンスルホニルクロリド(0.25ml)を滴下し、室温で4時間攪拌した。リチウムクロライド(91mg)、メタンスルホニルクロリド(0.17ml)を加え室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜2:1)で精製し、薄黄色油状物質として表題化合物(0.17g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 2.00 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 5.34 (q, J=6.8 Hz, 1 H), 7.59 - 7.66 (m, 1 H), 7.69 - 7.75 (m, 1 H), 7.79 (s, 1 H), 7.84 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.99 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 9.26 (s, 1 H).
(5)1-(1-イソキノリン-3-イルエチル)-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(27−1a)および(27−1b)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(191mg)をn−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、63mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5ml)に加え、室温で20分間攪拌した。実施例27(4)で得られた3-(1-クロロエチル)イソキノリン(0.17g)を加え、室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜1:1)で精製した後、プレパラティブTLC(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、無色粉末として表題化合物である(27−1a)(49mg)、無色粘性油状物質(27−1b)(35mg)得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0126】
実施例28 化合物(28−1a)、(28−1b)の合成
(1)1-キノリン-2-イルエタノールの合成
窒素雰囲気下、2-キノリンカルボキサルデヒド(2.08g)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に−50℃下、3Mメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(8.9ml)を滴下し、−30℃で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた結晶をn−ヘキサンで洗浄し、褐色固体として表題化合物(1.72g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.59 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 5.00 - 5.10 (m, 2 H), 7.36 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 7.52 - 7.58 (m, 1 H), 7.70 - 7.77 (m, 1 H), 7.84 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 8.09 (d, J=8.5 Hz, 1 H), 8.17 (d, J=8.5 Hz, 1 H).
(2)1-キノリン-2-イルエチル メタンスルホナートの合成
参考例3と同様の方法で1-キノリン-2-イルエタノール(1.72g)、トリエチルアミン(3.5ml)、メタンスルホニルクロリド(1.15ml)から褐色油状物質として表題化合物(2.50g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.86 (d, J=5.9 Hz, 3 H), 2.95 (s, 3 H), 5.92 - 6.01 (m, 1 H), 7.55 - 7.67 (m, 2 H), 7.72 - 7.88 (m, 2 H), 8.09 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 8.25 (d, J=8.1 Hz, 1 H).
(3)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-(1-キノリン-2-イルエチル)イミダゾリジン-2-オン(28−1a)および(28−1b)の合成
実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(241mg)をn−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、80mg)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(8ml)に加え、室温で20分間攪拌した。実施例28(2)で得られた1-キノリン-2-イルエチル メタンスルホナート(310mg)を加え、室温で一晩攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜2:1)で精製した後、プレパラティブTLC(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、薄黄色粘性油状物質として表題化合物である(28−1a)(39mg)を得た。さらに精製を行い薄黄色粘性油状物質として(28−1b)(35mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0127】
実施例29 化合物(29−1)の合成
(1)N-メトキシ-N-メチルキノリン-6-カルボキサミドの合成
実施例27(1)と同様の方法で、6-キノリンカルボキシリックアシッド(1.31g)、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(885mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.16g)、トリエチルアミン(1.3ml)及び1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.74g)を用い無色油状物質として表題化合物(1.21g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.69 (s, 12 H), 3.13 (s, 4 H), 7.04 - 7.48 (m, 10 H).
(2)1-キノリン-6-イルエタノンの合成
実施例27(2)と同様の方法で、N-メトキシ-N-メチルキノリン-6-カルボキサミド(1.21g)及び3Mメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(3.7ml)を用い褐色固体として表題化合物(880mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 2.75 (s, 3 H), 7.46 - 7.54 (m, 1 H), 8.14 - 8.20 (m, 1 H), 8.25 - 8.33 (m, 3 H), 8.43 - 8.50 (m, 1 H).
(3)1-キノリン-6-イルエタノールの合成
実施例27(3)と同様の方法で、1-キノリン-6-イルエタノン(880mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(486mg)を用い無色固体として表題化合物(620mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.60 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 5.06 - 5.18 (m, 1 H), 7.37 - 7.45 (m, 1 H), 7.70 - 7.78 (m, 1 H), 7.80 - 7.84 (m, 1 H), 8.06 - 8.20 (m, 2 H), 8.87 - 8.94 (m, 1 H).
(4)6-(1-クロロエチル)キノリンの合成
参考例4と同様の方法で1-キノリン-6-イルエタノール(620mg)、トリエチルアミン(1.0ml)及びメタンスルホニルクロリド(0.42ml)を用い黄色油状物質として表題化合物(325mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.95 (d, J=6.8 Hz, 3 H), 5.29 (q, J=6.8 Hz, 1 H), 7.39 - 7.48 (m, 1 H), 7.77 - 7.86 (m, 2 H), 8.07 - 8.21 (m, 2 H), 8.89 - 8.96 (m, 1 H).
(5)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-(1-キノリン-6-イルエチル)イミダゾリジン-2-オン(29−1)の合成
実施例27(5)と同様の方法で、実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(244mg)、n−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%オイル懸濁、77mg)及び6-(1-クロロエチル)キノリン(163mg)を用い薄桃色粘性油状物質として表題化合物である2種のジアステレオマーの混合物(186mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0128】
実施例30 化合物(30−1a)、(30−1b)の合成
(1)1-(1-ベンゾチエン-5-イル)エタノールの合成
実施例28(1)と同様の方法で、1-ベンゾチオフェン-5-カルバルデヒド(1.31g)及び3Mメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(8.0ml)を用い無色固体として表題化合物(1.90g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.56 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 5.04 (q, J=6.4 Hz, 1 H), 7.21 - 7.50 (m, 3 H), 7.78 - 7.94 (m, 2 H).
(2)1-[1-(1-ベンゾチエン-5-イル)エチル]-3-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(30−1a)および(30−1b)の合成
1-(1-ベンゾチエン-5-イル)エタノール(211mg)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に−20℃下、トリエチルアミン(0.25ml)、メタンスルホニルクロリド(0.11ml)を加え、同温で40分攪拌した。この反応溶液を実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(224mg)とn−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(72%オイル懸濁、94mg)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)に氷冷下加え、室温で3日間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。0.1N塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜5:1)で精製し、無色粘性油状物質として表題化合物である(30−1a)(58mg)を得た。さらに精製を行い無色粉末として(30−1b)(32mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
【0129】
実施例31 化合物(31−1)の合成
(1)1-キノリン-3-イルエタノールの合成
実施例28(1)と同様の方法で、3-キノリンカルボキサルデヒド(1.03g)及び3Mメチルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液(4.4ml)を用い無色油状物質として表題化合物(1.11g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-D) σ 1.64 (d, J=6.5 Hz, 3 H), 5.16 (m, 1 H), 7.46 - 7.62 (m, 1 H), 7.64 - 7.77 (m, 1 H), 7.79 - 7.86 (m, 1 H), 8.05 - 8.19 (m, 2 H), 8.93 (d, J=2.2 Hz, 1 H).
(2)1-[(1S)-1-フェニルエチル]-3-(1-キノリン-3-イルエチル)イミダゾリジン-2-オン(31−1)の合成
実施例30(2)と同様の方法で、1-キノリン-3-イルエタノール(309mg)、トリエチルアミン(0.37ml)、メタンスルホニルクロリド(0.17ml)、実施例1(3)で得られた1-[(1S)-1-フェニルエチル]イミダゾリジン-2-オン(339mg)及びn−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(72%オイル懸濁、142mg)を用い薄褐色固体として表題化合物である2種のジアステレオマーの混合物(31−1)(46mg)を得た。得られた化合物の構造及びNMRデータを表2に示す。
表1
【0130】
【表1】

【0131】
【表2−1】

【0132】
【表3−1】

【0133】
【表3−2】

【0134】
【表3−3】

【0135】
【表3−4】

【0136】
【表3−5】

【0137】
【表3−6】

【0138】
【表3−7】

【0139】
【表3−8】

【0140】
【表3−9】

【0141】
【表3−10】

【0142】
【表3−11】

【0143】
【表3−12】

【0144】
【表3−13】

【0145】
【表3−14】

【0146】
【表3−15】

【0147】
【表3−16】

【0148】
【表3−17】

【0149】
【表3−18】

【0150】
表2
【0151】
【表4】

【0152】
【表5−1】

【0153】
【表5−2】

【0154】
【表5−3】

【0155】
【表5−4】

【0156】
【表5−5】

【0157】
【表5−6】

【0158】
【表5−7】

【0159】
【表5−8】

【0160】
【表5−9】

【0161】
【表5−10】

【0162】
【表5−11】

【0163】
【表5−12】

【0164】
【表5−13】

【0165】
【表5−14】

【0166】
【表5−15】

【0167】
【表5−16】

【0168】
【表5−17】

【0169】
【表5−18】

【0170】
【表5−19】

【0171】
【表5−20】

【0172】
【表5−21】

【0173】
【表5−22】

【0174】
【表5−23】

【0175】
【表5−24】

【0176】
【表5−25】

【0177】
【表5−26】

【0178】
【表5−27】

【0179】
【表5−28】

【0180】
【表5−29】

【0181】
【表5−30】

【0182】
【表5−31】

【0183】
【表5−32】

【0184】


試験例[11βHSD1阻害試験]
試験化合物の評価は以下のように行った。
30mM TrisHCl(pH7.4)/1mM EDTA緩衝液中に200nM NADPHを加えた反応液に酵素源であるヒト肝臓ミクロソーム(Tissue Transformation Technologies社)を10μg/mlとして添加し、さらに試験化合物を加えた。その後、終濃度100nMとなるように基質であるコルチゾン溶液を加え反応を開始させた。37℃で80分間インキュベーションした後、非特異的な阻害剤である18βグリチルレチン酸を終濃度100μMとして加えることで反応を停止させた。生成したコルチゾール量をHTRF(Homogeneous Time-Resolved Fluorescence)法による検出キット(日本シエーリング株式会社)を用いて定量した。本系はユーロピウムで標識された抗コルチゾール抗体とXL665が標識されたコルチゾールの間で生じる蛍光共鳴エネルギー移動を検出する系であり、未標識のコルチゾールを加えると競合反応により、結合のシグナルが減弱する。この時、キット付属の濃度既知のコルチゾールにより標準曲線を作製し、反応によって生成するコルチゾール量を評価した。酵素を含まないウェルのコルチゾール生成量をバックグラウンド、化合物を含まないウェルのコルチゾール生成量を100%の酵素活性として、それぞれの化合物について50μMから公比3の希釈系列につき評価し、IC50値を算出した。
【0185】
化合物番号 IC50
1−1 16nM
1−5 17nM
1−10 4.9nM
1−31 5.9nM
3−3 2.9nM
27−1a 3.7nM
【産業上の利用可能性】
【0186】
本発明により、優れた11β-HSD1阻害活性を有する化合物の提供が可能となり、本発明化合物は、11β-HSD1阻害作用として十分な治療効果を有する医薬品の有効成分として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】


[式中、
Aは、芳香族炭化水素化合物の基本環;芳香族炭化水素化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環;芳香族複素環化合物の基本環;又は芳香族複素環化合物と飽和環化合物が縮合した化合物の基本環を示し、
1及びR2は、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;又はC1-6アルキル基を示し、
3は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;カルボキシル基;ニトロ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルコキシ基;ヘテロアリール基;フェニル基で置換されたヘテロアリール基;又は式(2)
−X21−Y21−R21 (2)
(式中、X21は酸素原子;式−NR22−;式−NR23CO−;又は式−NR24SO2−(式中、R22、R23及びR24は、同一又は異なって、水素原子;又はC1-6アルキル基を示す。)を示し、Y21は単結合;又はC1-6アルキレン基を示し、R21は水素原子;カルバモイル基;アリール基;又はヘテロアリール基を示す。)で表される基を示し、
4は、ハロゲン原子;C1-6アルキル基;又はハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基を示し、
5及びR6は、同一又は異なって、水素原子;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;又はベンジル基を示し、
7は、C1-6アルキル基;ハロゲン原子、水酸基、シアノ基及びジフェニルメチル基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;C2-10アルケニル基;C3-10シクロアルキル基;C3-10シクロアルキルC1-3アルキル基;シンナミル基;フェノキシエチル基;ベンジルオキシカルボニルメチル基;式(3)
−X31−Y31−R31 (3)
(式中、X31はC1-6アルキレン基を示し、Y31は単結合;酸素原子;式−CO−;式−CO−;又は式−OCO−を表し、R31はC3-10シクロアルキル基;又は飽和複素環基を示す。)で表される基;又は式(4)
【化2】

(式中、X41、X42及びX43は、同一又は異なって、単結合;又はC1-4アルキレン基を示し、R41は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ヘテロアリール基;アミノ基;ジC1-3アルキルアミノ基;C1-3アルコキシ基;カルバモイルメトキシ基;又はシアノメトキシ基を示し、nは0又は1を示し、Bは芳香族炭化水素化合物の基本環;又は芳香族複素環化合物の基本環を示し、
42及びR43は、同一又は異なって、水素原子;ハロゲン原子;C1-6アルキル基;又はC1-6アルコキシ基を示し、
44は、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;シアノ基;ニトロ基;アミノ基;カルボキシル基;C1-6アルキルオキシカルボニル基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルキル基;C1-6アルコキシ基;ハロゲン原子及び水酸基から選ばれる1〜3個の基で置換されたC1-6アルコキシ基;ヘテロアリール基;フェニル基;1から3個のハロゲン原子で置換されたフェノキシ基;スチリル基;フェニルスルホニルメチル基;又は式(5)
−X51−Y51−R51 (5)
(式中、X51は酸素原子;C1-6アルキレン基;式−CO−;式−NR52−;式−NR53CO−;式−CONR54−;式−NR55SO2−;式−N(SO256)SO2−;又は式−CH2SO2−(式中、R52、R53、R54、R55及びR56は、同一又は異なって、水素原子;又はC1-6アルキル基を示す。)を表し、Y51は単結合;又はC1-6アルキレン基を示し、R51は水素原子;カルバモイル基;アリール基;又はヘテロアリール基を示す。)で表される基を示す。)で表される基を示す。]で表されるイミダゾリジノン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物(ただし、式(1)中、Aがベンゼン環、R1、R2、R3、R5及びR6が水素原子、Rがメチル基、R7が無置換の1−フェネチル基である場合を除く。)。
【請求項2】
請求項1に記載されているイミダゾリジノン誘導体若しくはその薬学的に許容される塩又はそれらの水和物又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
【請求項3】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態を予防または治療するための請求項2に記載の医薬。
【請求項4】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が糖尿病である請求項3に記載の医薬。
【請求項5】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態がメタボリックシンドロームである請求項3に記載の医薬。
【請求項6】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が肥満症である請求項3に記載の医薬。
【請求項7】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が高血圧症である請求項3に記載の医薬。
【請求項8】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が動脈硬化症である請求項3に記載の医薬。
【請求項9】
11β-HSD1を阻害することで改善しうる疾患又は状態が高脂血症である請求項3に記載の医薬。

【公開番号】特開2007−254409(P2007−254409A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82507(P2006−82507)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】