説明

インタフェース装置、画像形成装置

【課題】送信データの書き込み要求と、受信データの読み出し要求とが重複して発生しているときに、受信データによるメモリオーバーを起こすことなく、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理を行う時間を短縮することができるインタフェース装置を提供する。
【解決手段】調停部24は、送信データの書き込み要求と、受信データの読み出し要求とが重複して発生して、書き込み要求を読み出し要求に優先して有効としている間において、送信データ記憶部20に記憶されている送信データのデータ量が予め設定された第1データ量を超えており、且つ、受信データ記憶部22に記憶されている受信データのデータ量が、記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えているときには、書き込み要求を有効とすることを中断して、一時的に読み出し要求を書き込み要求に優先して有効とした後に、書き込み要求を有効とすることを再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタフェース装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、画像形成装置において、制御モジュールと機能モジュールとの間や、複数の機能モジュール相互間を、PCIE(PCI Express)規格に準拠した高速シリアルバスを通じて接続することにより、画像形成装置の高速化が図られている。
【0003】
この種の画像形成装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の画像形成装置では、制御モジュールであるシリアル通信制御部には、PCIE規格に準拠した高速シリアルバス(以下、PCIEシリアルバスという)を通じて、機能モジュールとして、プリンタコントローラ、画像入力部、画像処理部、記憶部、及び画像出力部が接続されている。
【0004】
一般に、特許文献1のように、PCIEシリアルバスを通じて、制御モジュールに各機能モジュールを接続するために、図7に示すようなPCIE(PCI Express)規格に準拠したインタフェース装置(以下、PCIEインタフェース装置という)100が使用されている。
【0005】
図7に示すPCIEインタフェース装置100は、インタフェース部101及びバスBを備えて構成されている。インタフェース部101は、PCIEシリアルバスが接続される送信ポートP1、PCIEシリアルバスが接続される受信ポートP2、送信ポートP1を通じて外部に送信すべき送信データをFIFO(First-In First-Out)方式で記憶する送信バッファ102、及び、外部から送信され受信ポートP2において受け付けられた受信データをFIFO方式で記憶する受信バッファ103を備える。
【0006】
バスBには、例えば、DMAコントローラ(Direct Memory Access Controller)で構成されており、予め定められた各種の要求を外部に行うマスタ104(#1)〜104(#n)がそれぞれ接続されている。
【0007】
マスタ104(#1)は、送信バッファ102に送信データを書き込むために、送信データの書き込み要求を行う。マスタ104(#2)は、受信バッファ103から受信データを読み出すために、受信データの読み出し要求を行う。
【0008】
バスBは、マスタ104(#1)〜104(#n)からの要求について、所定の条件で調停を行う調停部105を備えている。調停部105は、マスタ104(#1)による要求とマスタ104(#2)による要求とが重複して発生しているときには、マスタ104(#1)の要求をマスタ104(#2)の要求に優先して受け付けるように予め設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−354658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これにより、従来のインタフェース装置100では、マスタ104(#1)による要求とマスタ104(#2)による要求とが重複して発生しているときには、マスタ104(#1)の要求による送信データの書き込みが終了した後、マスタ104(#2)の要求による受信データの読み出しが行われる。
【0011】
そのため、マスタ104(#1)の要求と、マスタ104(#2)の要求とが重複して発生してから、送信データの書き込みと受信データの読み出しという一連の処理が終了するまで、比較的時間を要していた。そのため、一連の処理が終了するまでの時間を短縮させたいというニーズがある。
【0012】
また、受信データの読み出しが待機されている間、外部から送信されてきたデータが受信バッファ103に記憶されて、受信バッファ103の記憶容量に達してしまうことがある。
【0013】
このように、受信バッファ103の受信データが受信バッファ103の記憶容量に達すると、PCIEインタフェースは、読み出しの要求を受け付けることができない。
【0014】
そのため、受信データが受信バッファ103の記憶容量に達しないうちに、受信バッファ103の受信データを読み出させたいというニーズもあった。
【0015】
本発明は、上記問題を解決するために提案されるものであり、送信データの書き込み要求と、受信データの読み出し要求とが重複して発生しているときに、受信データによるメモリオーバーを起こすことなく、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理を行う時間を短縮することができるインタフェース装置、及び、画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一局面に係るインタフェース装置は、所定の高速シリアルバスに接続され、当該高速シリアルバスへ送信されるべきデータである送信データを記憶する送信データ記憶部と、前記高速シリアルバスに接続され、当該高速シリアルバスを通じて受信したデータである受信データを受け付けて記憶する受信データ記憶部と、前記送信データ記憶部に前記送信データを書き込むための書き込み要求と、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データを読み出すための読み出し要求とが重複して発生しているときには、前記書き込み要求を前記読み出し要求に優先して有効とする調停部と、を備えており、前記調停部は、前記送信データの書き込み要求と、前記受信データの読み出し要求とが重複して発生して、前記書き込み要求を前記読み出し要求に優先して有効としている間において、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が予め設定された第1データ量を超えており、且つ、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が、前記受信データ記憶部の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えている条件が満たされているときには、前記書き込み要求を有効とすることを中断して、一時的に前記読み出し要求を前記書き込み要求に優先して有効とし、一時的に前記読み出し要求を有効とした後に、前記書き込み要求を有効とすることを再開することを特徴とする(請求項1)。
【0017】
この構成によれば、調停部は、送信データの書き込み要求と、受信データの読み出し要求とが重複して発生しているときには、原則的には、送信データの書き込み要求を、受信データの読み出し要求に優先して有効とする。
【0018】
ところが、調停部は、送信データの書き込み要求と、受信データの読み出し要求とが重複して発生して、送信データの書き込み要求を、受信データの読み出し要求に優先して有効としている間において、送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が予め設定された第1データ量を超えており、且つ、受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が、受信データ記憶部の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えている条件が満たされているときには、書き込み要求を有効とすることを中断して、一時的に読み出し要求を書き込み要求に優先して有効とし、一時的に読み出し要求を有効とした後に、書き込み要求を有効とすることを再開する。
【0019】
これにより、送信データが送信データ記憶部にある程度書き込まれ、且つ、受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が、受信データ記憶部の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えると、送信データの書き込みの途中で当該書き込みが中断して、受信データの読み出しが一時的に行われる。その後、中断していた送信データの書き込みが再開されて当該送信データが継続して書き込まれ、当該送信データの書き込みが完了すると、残りの受信データの読み出しが継続して行われる。
【0020】
これにより、送信データ記憶部へ送信データがある程度書き込まれた時点で、受信データ記憶部の受信データの一部を読み出し、残りの受信データの全てを、送信データの継続した書き込みが完了してから継続して読み出すことができる。
【0021】
その結果、書き込み要求と読み出し要求とが重複して発生しているときに、受信データによるメモリオーバーを起こすことなく、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理を行う時間を短縮することができる。
【0022】
さらに、このように、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理を行う時間を短縮することができるため、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理に要する時間の間に書き込むことができる送信データの量や受信データの量を増加させることができる。
【0023】
これにより、データの書き込み或いは読み出しの速度が増加して、データの書き込み或いは読み出しを行うパフォーマンスが向上する。
【0024】
上記構成において、前記送信データ記憶部に記憶されている前記送信データのデータ量を検出する送信データ検出部をさらに備えており、前記送信データ量検出部は、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第1カウンタで構成されており、前記調停部は、前記第1カウンタによるカウント値が予め設定された第1の値を超えるときには、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が前記第1データ量を超えていると判断することが好ましい(請求項2)。
【0025】
この構成によれば、送信データ量検出部は、送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第1カウンタで構成されている。この第1カウンタのカウンタ値に基づいて、調停部が、送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が第1データ量を超えているか否かを判断する。
【0026】
これにより、送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量を検出し、予め設定された第1データ量を超えているか否かを判断する構成を具現化することができる。
【0027】
上記構成において、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量を検出する受信データ量検出部をさらに備えており、前記受信データ量検出部は、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第2カウンタで構成されており、前記調停部は、前記第2カウンタによるカウント値が予め設定された第2の値を超えるときには、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が前記第2データ量を超えていると判断することが好ましい(請求項3)。
【0028】
この構成によれば、受信データ量検出部は、受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第2カウンタで構成されている。この第2カウンタのカウンタ値に基づいて、調停部が、受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が第2データ量を超えているか否かを判断する。
【0029】
これにより、受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量を検出し、予め設定された第2データ量を超えているか否かを判断する構成を具現化することができる。
【0030】
上記構成において、前記高速シリアルバスは、PCIE(PCI Express)規格に準拠したシリアルバスであることが好ましい(請求項4)。
【0031】
この構成によれば、PCIE規格に準拠したシリアルバスを通じて、送信データの書き込みを行うためのチップや、受信データの読み出しを行うためのチップを接続することができる。これにより、各チップの長寿命化や拡張性を適切に確保することができる。
【0032】
また、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、制御モジュールと、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、原稿から当該原稿の画像を表す画像データを読み取る画像読取部と、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、前記画像データの符号化及び復号を行うコーデックと、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、前記画像データを記録紙上に形成する画像形成部と、を備えており、前記制御モジュールは、前記画像読取部、前記コーデック、及び前記画像形成部を制御し、前記画像読取部は、前記送信データの書き込み要求を発生させる送信データ書込部を構成し、前記コーデックは、前記受信データの読み出し要求を発生させる受信データ読出部を構成することを特徴とする(請求項5)。
【0033】
この構成によれば、画像読取部が、送信データの書き込み要求を発生させる送信データ書込部を構成しており、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて、制御モジュールに接続されている。
【0034】
また、コーデックが、受信データの読み出し要求を発生させる受信データ読出部を構成しており、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて、制御モジュールに接続されている。
【0035】
これにより、請求項1乃至請求項4の効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、送信データ記憶部へ送信データがある程度書き込まれた時点で、受信データ記憶部の受信データの一部を読み出し、残りの受信データの全てを、送信データの継続した書き込みが完了してから継続して読み出すことができる。
【0037】
その結果、書き込み要求と読み出し要求とが重複して発生しているときに、受信データによるメモリオーバーを起こすことなく、送信データの書き込みと受信データの読み出しとからなる一連の処理を行う時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るインタフェース装置の機能モジュールの一例を示したブロック図である。
【図4】調停部の動作の一例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るインタフェース装置における各信号出力のタイミングチャートを示した図である。
【図6】従来のインタフェース装置における各信号出力のタイミングチャートを示した図である。
【図7】従来のインタフェース装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符合を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0040】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。図1に示されるように、画像形成装置Aは、画像読取部200と装置本体Mとを備える。画像読取部200は、原稿給紙部210と、スキャナ部220と、CIS231と、ユーザインタフェース部Iと、後述する反転機構を備えてなる。
【0041】
原稿給紙部210は、ADF(Automatic Document Feeder)を備え、原稿トレイ211、ピックアップローラ212、プラテン213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。原稿トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。原稿トレイ211に載置された原稿は、1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれ、間隙を介して順次プラテン213へ搬送される。プラテン213を経由した原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ順次排出される。
【0042】
前記プラテン213の周面に対向する位置のうち、原稿の搬送方向において読取位置Pより手前の予め定められた位置には、用紙を検出する図略のタイミングセンサが設置されており、該タイミングセンサの出力要求に基づき、前記読取位置Pへの原稿の搬送タイミングが図られる。前記タイミングセンサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。
【0043】
スキャナ部220は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部220は、ガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(Charged Coupled Device)229を備える。
【0044】
このスキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、前記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導く。スキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いて構成されていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
【0045】
ガラス221には、前記原稿給紙部210によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
【0046】
画像読取部200の原稿読取方式として、ガラス221上に載置された原稿をスキャナ部220が読み取るフラットベッド読取モードと、原稿を原稿給紙部210(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。
【0047】
フラットベッド読取モードでは、光源222がガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。
【0048】
CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像データを重複して処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、副走査方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
【0049】
ADF読取モードでは、原稿給紙部210が原稿トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方に位置する予め定められた読取位置Pに配置される。
【0050】
原稿給紙部210による原稿搬送で、原稿がプラテン213から排紙トレイ215への搬送経路に設けられた読取窓230上を通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部210によって搬送され、次のラインが読み取られる。
【0051】
更に、原稿給紙部210は、切換ガイド216、反転ローラ217及び反転搬送路218を備えた原稿反転機構を有する。この原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによって表面が読み取られた原稿を表裏反転させて読取窓230に再搬送することで、再度CCD229によって裏面の読み取りが行われる。
【0052】
この原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。
【0053】
両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド216は下側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は反転ローラ217によって反転搬送路218へ搬送される。その後、切換ガイド216は上側へ切り替わり、反転ローラ217が逆回転して原稿をプラテン213へ再給紙する。以下、原稿反転機構を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面反転読取モードと表記する。
【0054】
更に、本実施形態の画像読取部200は、ADF読取モード時において、前述したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部220)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略重複して(略並行して)、CIS231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。この場合、原稿トレイ211から原稿給紙部210により搬送された原稿は、読取窓230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231の配置箇所を通過する際に裏面が読み取られる。なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。
【0055】
このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部210による原稿トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面同時読取モードと表記する。
【0056】
この両面反転読取モード及び両面同時読取モードは、ADF読取モードを用いて原稿の両面読み取りを行う際の読取モードとして備えられている。両面反転読取モードは、両面の印刷画像の画質を揃えたい場合に利用される一方、両面同時読取モードは、両面の印刷画像の画質に差があっても、読取時間の短縮化を優先させたい場合に利用される。なお、本実施形態における画像形成装置Aは、両面同時読取モードに初期設定されており、前記読取モードのモード設定操作が何も行われないまま画像形成指示が入力された場合には、両面同時読取モードで原稿の画像読取動作が行われるようになっている。
【0057】
画像処理装置Aは、装置本体Mと、装置本体Mの左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体Mは、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。また、装置本体Mは、給紙トレイ471と該給紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ画像形成部40に向けて繰り出す繰り出しローラ472とを備える。
【0058】
画像形成部40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部220で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43の表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。
【0059】
なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、図略のトナーカートリッジから行われる。また、画像形成部40を通過した記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
【0060】
記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部40の上流域に再度搬送し、画像形成部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
【0061】
また、装置本体Mの前方には、タッチパネルなどで構成された表示部5、及び、各種の操作ボタンを有する操作部16が組み込まれたユーザインタフェース部Iが、装置本体Mの前方に露出するように設けられている。
【0062】
図2は、図1に示す画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、画像形成装置Aは、ユーザインタフェース部I、CPUなどを備えて構成されている制御モジュール10、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Ramdom Access Memory)13、画像読取部200、画像形成部40、画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部11、公衆回線を通じたファクシミリ通信を行うためのFAX通信部17、及び、画像データの符号化及び復号を行うコーデック19を備える。
【0063】
この画像形成装置Aにおいて、ROM12及びRAM13には、この画像形成装置Aが動作するために必要な各種のプログラムなどが記憶されている。
【0064】
また、画像形成装置Aにおいて、ユーザインタフェース部I、画像読取部200、画像形成部40、画像処理部11、FAX通信部17、コーデック19、ROM12、RAM13、及び、FAX通信部17の各々は、本発明の一実施形態に係るインタフェース装置1を通じて、制御モジュール10に接続されている。
【0065】
インタフェース装置1は、制御モジュール10に、PCIEシリアルバスPBを通じて接続されている。また、インタフェース装置1は、ユーザインタフェース部I、画像読取部200、画像形成部40、画像処理部11、FAX通信部17、コーデック19、ROM12、RAM13、及び、FAX通信部17の各々に、バスB(図3参照)を通じて接続されている。
【0066】
図3は、本発明の一実施形態に係るインタフェース装置1の機能モジュールの一例を示したブロック図である。図3に示すインタフェース装置1は、PCIE(PCI Express)規格に準拠したインタフェース装置であり、インタフェース部24、及び、バスBを備える。
【0067】
インタフェース部24は、PCIEシリアルバスを通じて制御モジュール10が接続された送信ポートP1、PCIEシリアルバスを通じて制御モジュール10が接続された受信ポートP2、送信ポートP1を通じて制御モジュール10に送信すべき送信データをFIFO(First-In First-Out)方式で記憶する送信バッファ(送信データ記憶部)20、送信バッファ20に記憶されている送信データのデータ量を検出するための送信側カウンタ(第1カウンタ、送信データ量検出部)21、受信ポートP2を通じて送信されてきたデータを受信データとしてFIFO方式で記憶する受信バッファ(受信データ記憶部)22、及び、受信バッファ22に記憶されている受信データのデータ量を検出するための受信側カウンタ(第2カウンタ、受信データ量検出部)23を備える。
【0068】
送信側カウンタ21は、送信バッファ20に記憶されている送信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、送信バッファ20に記憶されている送信データが1単位分減少したときには1カウントダウンする。これにより、送信バッファ20に記憶されている送信データのデータ量をカウント値の形で表すことができる。
【0069】
このような送信側カウンタ21によるカウント値がα(但し、αは正の整数)を超えているときに、調停部24が、送信バッファ20に記憶されている送信データのデータ量が予め設定された第1データ量を超えていると判断する。
【0070】
また、受信側カウンタ23は、受信バッファ22に記憶されている受信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、受信バッファ22に記憶されている受信データが1単位分減少したときには1カウントダウンする。これにより、受信バッファ22に記憶されている受信データのデータ量をカウント値の形で表すことができる。
【0071】
このような受信側カウンタ23によるカウント値がβ(但し、βは正の整数)を超えているときに、調停部24が、受信バッファ22に記憶されている受信データのデータ量が、受信バッファ22の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えていると判断する。
【0072】
バスBには、予め定められた各種の要求を行うマスタ26(#1)〜26(#n)が接続されている。マスタ26(#1)〜26(#n)は、例えば、DMAコントローラ(Direct Memory Access Controller)で構成されている。
【0073】
マスタ26(#1)は、送信データ書込部を構成している。マスタ26(#1)は、例えば、画像読取部200を構成するチップに組み込まれており、画像読取部200により読み取られた原稿の画像データを送信データとして送信バッファ20に書き込むために、送信データの書き込み要求を行う。
【0074】
マスタ26(#2)は、受信データ読出部を構成している。マスタ26(#2)は、例えば、コーデック19を構成するチップに組み込まれており、制御モジュール10から送信され受信バッファ22に記憶されている画像データを、受信データとして読み出すために、受信データの読み出し要求を行う。
【0075】
バスBは、調停部24及びデータ振分部25を備える。調停部24は、例えば、バスBの使用権を、マスタ26(#1)とマスタ26(#2)との間で振り分けるアービタで構成されており、マスタ26(#1)による書き込み要求と、マスタ26(#2)による読み出し要求とについて調停を行う。
【0076】
データ振分部25は、受信バッファ22に記憶されている受信データを、マスタ毎に振り分けて送信する。データ振分部25は、例えば、受信データをデコードするデコーダなどを備えて構成されており、受信データに含まれる宛先データに基づいて当該受信データを送信すべきマスタを判断し、判断したマスタに当該受信データを送信する。
【0077】
調停部24は、マスタ26(#1)による書き込み要求、及び、マスタ26(#2)による読み出し要求が重複して発生しているときには、原則的には、マスタ26(#1)による書き込み要求を、マスタ26(#2)による読み出し要求に優先して有効とする。
【0078】
このとき、マスタ26(#1)の書き込み要求に基づいて、送信バッファ20への送信データの書き込みが開始されるが、送信データが送信バッファ20にある程度書き込まれた時点で、制御モジュール10から到来して受信バッファ22に書き込まれた受信データが、受信バッファ22の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えることがある。このような場合、調停部24は、書き込み要求を有効とすることを中断して、一時的に読み出し要求を書き込み要求に優先して有効とし、一時的に読み出し要求を有効とした後に、書き込み要求を有効とすることを再開する。
【0079】
以上の調停部24の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、調停部24の動作の一例を示したフローチャートである。
【0080】
調停部24は、マスタ26(#1)による書き込み要求と、マスタ26(#2)による読み出し要求とが重複して発生しているときには(ステップS1のYES)、書き込み要求を送信バッファ20に中継する(ステップS2)。
【0081】
そして、調停部24は、送信バッファ20に記憶されている送信データのデータ量を、送信側カウンタ21のカウント値を参照して判断するとともに、受信バッファ22に記憶されている受信データのデータ量を、受信側カウンタ23のカウント値を参照して判断する(ステップS3)。
【0082】
調停部24は、送信側カウンタ21のカウント値が値α(第1の値;但し、αは正の整数)を超えており、且つ、受信側カウンタ23のカウント値が値β(第2の値;但し、βは正の整数)を超えているときには(ステップS3のYES)、マスタ26(#1)からの書き込み要求があっても(ステップS4のYES)、当該書き込み要求を中継せずに、マスタ26(#2)による読み出し要求を一時的に受信バッファ22に中継する(ステップS5)。
【0083】
一方で、調停部24は、ステップS3の条件が満たされていても(ステップS3のYES)、書き込み要求が発生していない場合には(ステップS4のNO)、ステップS8の処理を行う。
【0084】
ついで、調停部24は、マスタ26(#1)による書き込み要求がない場合には(ステップS6のNO)、ステップS8の処理を行うが、マスタ26(#1)による書き込み要求が発生している場合には(ステップS6のYES)、当該書き込み要求を送信バッファ20に中継する(ステップS7)。
【0085】
ステップS8では、調停部24は、読み出し要求の有無を判断している。調停部24は、読み出し要求が発生しているときには(ステップS8のYES)、当該読み出し要求を受信バッファ22に中継する(ステップS9)。
【0086】
その一方で、調停部24は、ステップS3の条件が満たされていないときには(ステップS3のNO)、書き込み要求が発生している限り(ステップS10のYES)、当該書き込み要求を送信バッファ20に中継し(ステップS2)、ステップS3以降の処理を行う。
【0087】
調停部24は、ステップS10の条件が満たされていないときには(ステップS10のNO)、読み出し要求が発生している限り(ステップS11)、当該読み出し要求を受信バッファ22に中継する(ステップS12)。
【0088】
本発明の一実施形態に係るインタフェース装置1によれば、以下の効果が奏される。これについて、図5及び図6を用いて説明する。
【0089】
図5は、インタフェース装置1における各信号出力のタイミングチャートを示した図である。図6は、従来のインタフェース装置100(図7参照)における各信号出力のタイミングチャートを示した図である。
【0090】
尚、図5及び図6において、「T」は、1つの信号が出力されている時間である単位時間を示している。また、図5及び図6は、送信バッファ及び受信バッファの双方にデータが記憶されていない初期状態において、書き込み要求と読み出し要求とが重複して発生した場合における各信号出力のタイミングチャートを示している。
【0091】
さらに、図5及び図6において、WRITE TXVLD信号は、送信データの書き込みを要求するための信号である。WRITE TXACKは、WRITE TXVLD信号を受け付けている間返信される信号である。READ TXVLD信号は、受信データの読み出しを要求するための信号である。READ TXACKは、READ TXVLD信号を受け付けたときに返信される信号である。
【0092】
READ RXVLD信号は、READ TXVLD信号を受け付けたときに返信される信号である。このREAD RXVLD信号が返信されている間、受信データが送信される。READ RXACK信号は、受信データを受け付けたことを示す信号であり、READ RXVLD信号が返信されている間、出力される信号である。
【0093】
まず、インタフェース装置1における各信号出力について、図5を用いて説明する。ここにおいて、マスタ26(#1)は、WRITE TXACK信号を合計して5単位時間(5T)分受け付けるまで、WRITE TXVLD信号を連続的に出力する。
【0094】
また、マスタ26(#2)は、READ TXACK信号を合計して5単位時間(5T)分受け付けるまで、READ TXVLD信号を連続的に出力する。
【0095】
図5に示すように、時間T1において、マスタ26(#1)からWRITE TXVLD信号の出力が開始されるとともに、マスタ26(#2)からREAD TXVLD信号の出力が開始されている。この状態は、図4のステップS1のYESで示される状態である。
【0096】
調停部24は、このように、WRITE TXVLD信号とREAD TXVLD信号とが重複して出力されているときには、原則的には、WRITE TXVLD信号を送信バッファ20に中継するが、READ TXVLD信号の中継は行わない。この状態は、図4のステップS2、ステップS3のNO、ステップS10のYESからなる処理ループで示される状態である。そのため、原則的には、WRITE TXACK信号が送信バッファ20より返信されるが、READ TXACKは受信バッファ22より返信されない。
【0097】
そして、時間T2において、送信側カウンタ21のカウント値がαを超えており、且つ、受信側カウンタ23のカウント値がβを超えている条件が満たされたとする。この状態は、図4のステップS3のYESで示される状態である。
【0098】
そうすると、調停部24は、時間T2において、WRITE TXVLD信号の中継を中断して、時間T2から時間T3までの1単位時間(T)の間だけ、READ TXVLD信号を受信バッファ22に中継する。この状態は、図4のステップS4及びS5に示す状態である。このとき、受信バッファ22からは、時間T2から時間T3までの1単位時間(1T)の間だけ、READ TXACK信号が返信される。
【0099】
時間T3の時点では、マスタ26(#1)は、送信バッファ20からWRITE TXACK信号を時間T1から時間T2までの2単位時間(2T)の間しか受け付けていない。したがって、時間T3の時点では、マスタ26(#1)からは、継続してWRITE TXVLD信号が継続して出力されている。この状態は、図4のステップS6のYESで示す状態である。
【0100】
そのため、調停部24は、READ TXVLD信号の中継を中止して、WRITE TXVLD信号の中継を再開する。この状態は、図4のステップS7で示す状態である。
【0101】
その間、送信バッファ20からマスタ26(#1)には、WRITE TXACK信号が返信され続ける。マスタ26(#1)は、WRITE TXACK信号の計5単位時間(5T)分の受け付けが完了した時間T4の時点で、WRITE TXVLD信号の出力を終了する。この状態は、図4のステップS6のNOで示す状態である。
【0102】
時間T2から時間T3までの1単位時間(1T)の間READ TXACK信号の返信を行った受信バッファ22は、時間T3から2単位時間(2T)が経過した時間T5の時点で、READ RXVLD信号を受信データとともに返信する。READ RXVLD信号及び受信データは、時間T5から3単位時間(3T)後の時間T6までの間、継続して返信される。
【0103】
時間T5から3単位時間(3T)後の時間T6までの間、READ RXVLD信号が返信されてから1単位時間(1T)が経過した時間T7以降は、受信バッファ22とマスタ26(#2)との間で、以下の信号の送受が行われる。ここにおいて、時間T7以降には、調停部24により、図4のステップS8及びS9からなる処理ループが実行されている。
【0104】
つまり、受信バッファ22は、時間T7から時間T8までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T8から2単位時間(2T)が経過した時間T9の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T10の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T7から時間T10までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0105】
ついで、受信バッファ22は、時間T10から時間T11までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T11から2単位時間(2T)が経過した時間T12の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T13の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T10から時間T13までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0106】
ついで、受信バッファ22は、時間T13から時間T14までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T14から2単位時間(2T)が経過した時間T15の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T16の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T13から時間T16までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0107】
ついで、受信バッファ22は、時間T16から時間T17までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信する。この時間T17の時点では、マスタ26(#2)は、受信バッファ22からのREAD TXACK信号を計5単位時間(5T)の間受け付けたことになる。これを受け、マスタ26(#2)は、WRITE TXVLD信号の出力を終了する。
【0108】
そして、受信バッファ22は、時間T17から2単位時間(2T)が経過した時間T18の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T19の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T16から時間T19までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0109】
インタフェース装置1は、以上のタイミングチャートに示す信号の送受を行うため、マスタ26(#1)からのWRITE TXVLD信号の出力と、マスタ26(#2)からのREAD TXVLD信号の出力とが重複して発生する時間T1から、最後のREAD RXVLD及び受信データの送信が完了する時間T19までに要する時間は、33単位時間(33T)である。
【0110】
次に、従来のインタフェース装置100における各信号出力について、図6を用いて説明する。ここにおいて、マスタ104(#1)は、WRITE TXACK信号を合計して5単位時間(5T)分受け付けるまで、WRITE TXVLD信号を連続的に出力する。
【0111】
また、マスタ104(#2)は、READ TXACK信号を合計して5単位時間(5T)分受け付けるまで、READ TXVLD信号を連続的に出力する。
【0112】
図6に示すように、時間T1において、マスタ104(#1)からWRITE TXVLD信号の出力が開始されるとともに、マスタ104(#2)からREAD TXVLD信号の出力が開始されている。
【0113】
調停部105は、このように、WRITE TXVLD信号とREAD TXVLD信号とが重複して出力されているときには、WRITE TXVLD信号を送信バッファ20に中継するが、READ TXVLD信号の中継は行わない。そのため、WRITE TXACK信号が送信バッファ102より返信されるが、READ TXACKは受信バッファ103より返信されない。
【0114】
マスタ104(#1)は、WRITE TXACK信号を計5単位時間(5T)分受け付けた時間T20の時点で、WRITE TXVLD信号の出力を終了する。すると、調停部105は、時間T20から、マスタ104(#2)から出力されるREAD TXVLD信号の受信バッファ103に対する中継を開始する。
【0115】
このように、READ TXVLD信号が受信バッファ103に中継され始めた時間T20以降は、受信バッファ103とマスタ104(#2)との間で、以下の信号の送受が行われる。
【0116】
つまり、受信バッファ103は、時間T20から時間T4までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T4から2単位時間(2T)が経過した時間T21の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T22の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T20から時間T22までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0117】
ついで、受信バッファ103は、時間T22から時間T23までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T23から2単位時間(2T)が経過した時間T24の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T25の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T22から時間T25までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0118】
ついで、受信バッファ103は、時間T25から時間T26までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T26から2単位時間(2T)が経過した時間T27の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T28の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T25から時間T28までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0119】
ついで、受信バッファ103は、時間T28から時間T29までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信し、時間T29から2単位時間(2T)が経過した時間T30の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T31の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T28から時間T31までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0120】
ついで、受信バッファ22は、時間T31から時間T32までの1単位時間(1T)の間、READ TXACK信号を返信する。この時間T32の時点では、マスタ104(#2)は、受信バッファ103からのREAD TXACK信号を計5単位時間(5T)の間受け付けたことになる。これを受け、マスタ103(#2)は、WRITE TXVLD信号の出力を終了する。
【0121】
そして、受信バッファ103は、時間T32から2単位時間(2T)が経過した時間T33の時点で、READ RXVLD信号の返信及び受信データの送信を行う。READ RXVLD信号及び受信データの送信は3単位時間(3T)の間行われ、時間T34の時点で終了する。このような信号の送受が、時間T31から時間T34までの6単位時間(6T)の間行われる。
【0122】
従来のインタフェース装置100は、以上のタイミングチャートに示す信号の送受を行うため、マスタ104(#1)からのWRITE TXVLD信号の出力と、マスタ104(#2)からのREAD TXVLD信号の出力とが重複して発生する時間T1から、最後のREAD RXVLD及び受信データの送信が完了する時間T34までに要する時間は、35単位時間(35T)である。
【0123】
これにより、インタフェース装置1によれば、従来のインタフェース装置100よりも、処理時間が2単位時間(2T)だけ短縮されることが判る。
【符号の説明】
【0124】
1 インタフェース装置
10 制御モジュール
11 画像処理部
19 コーデック
20 送信バッファ
21 送信側カウンタ
22 受信バッファ
23 受信側カウンタ
24 調停部
40 画像形成部
200 画像読取部
A 画像形成装置
α 第1の値
β 第2の値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の高速シリアルバスに接続され、当該高速シリアルバスへ送信されるべきデータである送信データを記憶する送信データ記憶部と、
前記高速シリアルバスに接続され、当該高速シリアルバスを通じて受信したデータである受信データを受け付けて記憶する受信データ記憶部と、
前記送信データ記憶部に前記送信データを書き込むための書き込み要求と、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データを読み出すための読み出し要求とが重複して発生しているときには、前記書き込み要求を前記読み出し要求に優先して有効とする調停部と、
を備えており、
前記調停部は、
前記送信データの書き込み要求と、前記受信データの読み出し要求とが重複して発生して、前記書き込み要求を前記読み出し要求に優先して有効としている間において、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が予め設定された第1データ量を超えており、且つ、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が、前記受信データ記憶部の記憶容量未満の範囲で予め設定された第2データ量を超えている条件が満たされているときには、前記書き込み要求を有効とすることを中断して、一時的に前記読み出し要求を前記書き込み要求に優先して有効とし、一時的に前記読み出し要求を有効とした後に、前記書き込み要求を有効とすることを再開することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項2】
前記送信データ記憶部に記憶されている前記送信データのデータ量を検出する送信データ検出部をさらに備えており、
前記送信データ量検出部は、
前記送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第1カウンタで構成されており、
前記調停部は、
前記第1カウンタによるカウント値が予め設定された第1の値を超えるときには、前記送信データ記憶部に記憶されている送信データのデータ量が前記第1データ量を超えていると判断することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量を検出する受信データ量検出部をさらに備えており、
前記受信データ量検出部は、
前記受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分増加したときに1カウントアップする一方で、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データが1単位分減少したときに1カウントダウンする第2カウンタで構成されており、
前記調停部は、
前記第2カウンタによるカウント値が予め設定された第2の値を超えるときには、前記受信データ記憶部に記憶されている受信データのデータ量が前記第2データ量を超えていると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記高速シリアルバスは、PCIE(PCI Express)規格に準拠したシリアルバスであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のインタフェース装置。
【請求項5】
制御モジュールと、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、原稿から当該原稿の画像を表す画像データを読み取る画像読取部と、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、前記画像データの符号化及び復号を行うコーデックと、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のインタフェース装置を通じて前記制御モジュールに接続されており、前記画像データを記録紙上に形成する画像形成部と、
を備えており、
前記制御モジュールは、前記画像読取部、前記コーデック、及び前記画像形成部を制御し、
前記画像読取部は、前記送信データの書き込み要求を発生させる送信データ書込部を構成し、
前記コーデックは、前記受信データの読み出し要求を発生させる送信データ読出部を構成する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−180656(P2011−180656A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41787(P2010−41787)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】