説明

インプリント用モールドおよびパターン形成方法

【課題】モールド欠陥の発生を抑制できるインプリント用モールドを提供すること。
【解決手段】転写するべきパターンに対応した凹凸パターン11を備えたインプリント用モールド1において、少なくとも、凹凸パターン11の凹部の底と、前記凹部の底と対向する、前記凹凸パターンが形成された面と反対側の面との間の領域4は、石英よりもガスに対する透過性が高いことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリントリソグラフィに使用されるインプリント用モールドおよびそれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先端半導体製品の製造工程では、主に露光装置の解像力向上によって微細化が進められている。露光装置の解像力向上は、露光光の波長と投影レンズの高開口数(NA)によって決まり、波長は短いほど、NAは高いほど高い解像力が得られることが知られている。近年では波長193nmの深紫外線が用いられている。また、NAは1が大気中での理論的最高値であるが、さらに高いNAを得るために、投影レンズと処理基板の間を水で満たし、NAを1.35まで高めた液浸露光装置も実用化されている。現在、更なる微細化要求に応えるため、波長13.5nmの極端紫外線(EUV)を光源としたEUVリソグラフィが検討されているが、未だ研究段階にあり、実用化にはまだまだ解決しなければならない課題が多く山積している状況である。
【0003】
一方、インプリントリソグラフィも、次の微細パターン形成技術の1つとして注目されている(特許文献1)。インプリントリソグラフィとは、転写するべきパターンに対応した凹凸パターンをもつモールド(テンプレート、原版、スタンパとも呼ばれる。)を予め作成し、このモールドの凹凸パターンを被処理基板上に形成したインプリント剤に接触させ、インプリント剤に形成するべきパターンを転写する技術を指す。インプリント剤の種類(硬化方法)によって、インプリントリソグラフィは、光(UV)インプリントや、熱インプリントなどに分類される。
【0004】
光インプリントリソグラフィは、被処理基板上に光硬化性インプリント剤を塗布する工程と、この被処理基板と透光性のモールドとを位置合わせする工程(アライメント)と、光硬化性インプリント剤にモールドを接触させる工程と、この状態で光照射により光硬化性インプリント剤を硬化する工程と、硬化した光硬化性インプリント剤(レジストパターン)からモールドを離す工程(離型)とを含む。
【0005】
しかし、従来のインプリントリソグラフィには以下の問題があった。すなわち、モールドの離型時にインプリント剤が千切れて、モールドの凹凸パターンにインプリント剤が残る、所謂モールド欠陥が発生するという問題がある。このような欠陥が一度発生してしまうと、インプリントリソグラフィにおいては、同じモールドを用いて次のインプリント(ショット)を行うため、その欠陥が繰り返され、歩留まりが悪くなる。また、モールドの凹凸パターンに残ったインプリント剤は、適切な洗浄を行わないと、除去することが難しいという問題もある。
【特許文献1】特開2007−150053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、モールド欠陥の発生を抑制できるインプリント用モールドおよびパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によるインプリント用モールドは、転写するべきパターンに対応した凹凸パターンを備えたインプリント用モールドの少なく一部は、不純物が添加されていない溶融石英よりもガスに対する透過性が高いことを特徴とするインプリント用モールド。
【0008】
本発明の一態様によるパターン形成方法は、被処理基板上にインプリント剤を塗布する工程と、前記被処理基板上に塗布した前記インプリント剤に、本発明の一態様によるインプリント用モールドを接触させて、前記インプリント用モールドの凹凸パターンに前記インプリント剤を充填する工程と、前記インプリント剤に前記インプリント用モールドを接触させた状態で、前記インプリント剤を硬化する工程と、前記硬化したインプリント剤から前記インプリント用モールドを離す工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モールド欠陥の発生を抑制できるインプリント用モールドおよびパターン形成方法を実現できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、光インプリント用のモールド1、モールド1に形成された転写するべきパターンに対応した凹凸パターン11、被処理基板3上に塗布されたインプリント剤2、インプリント剤2を固化するための光10の位置関係を示す図である。図2−図6は、本実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図である。これらの断面図は、図1の側面から見た場合の断面図に相当する。
【0012】
[図2]
インプリント剤2を被処理基板3上に塗布する。
【0013】
本実施形態では、インプリント剤2は光により硬化する樹脂(光硬化性インプリント剤)である。また、本実施形態では、インプリント剤2の塗布は、インクジェット方式によるワンショット毎の塗布とする。なお、本実施形態の方法は、スピンコート方式により被処理基板3の全面にインプリント剤2を塗布する方法にも適用できる。
【0014】
また、被処理基板3は、例えば、シリコン基板やSOI基板等の半導体基板である。被処理基板3は、多層構造のものであっても構わない。例えば、上記半導体基板とその上に設けられた導電膜または絶縁膜とで構成されたもの(多層構造の被処理基板)であっても構わない。上記導電膜は、例えば、配線となる金属膜、ゲート電極となるポリシリコン膜である。上記絶縁膜は、例えば、ハードマスクとなるシリコン窒化膜やシリコン酸化膜である。
【0015】
[図3]
モールド1と被処理基板3との位置合わせを行う(アライメント)。
【0016】
ここで、本実施形態のモールド1は、以下の点で従来のものとは異なる。
【0017】
すなわち、本実施形態のモールド1は、ガスを透過させることができるガス透過性領域4を備えている。上記ガスは、例えば、ヘリウム(He)等の不活性ガスである。ガス透過性領域4の孔のサイズは、インプリント剤2を構成する分子よりも小さい。すなわち、本実施形態におけるガス透過性領域4は、シリコンの多孔質体(ポーラス)におけるような大きな孔を持っていない。したがって、凹凸パターン11の凹部内に浸透するべきインプリント剤2が、ガス透過性領域4内に浸透するという問題は生じない。
【0018】
本実施形態では、モールド1の全体がガス透過性領域4となっている例について説明する。ガス透過性領域4の上記ガスに対する透過性は、同じ温度(例えば室温)で比較すると、溶融石英のそれよりも高い。
【0019】
このようなモールド1の全体がガス透過性領域4であるモールド構造は、モールド材料として、ガス透過性材料を用いることで実現できる。例えば、不純物が添加された石英を用いる。この種の材料においては、石英を構成する原子の一部が上記不純物と置換され、格子間隔が広がることにより、不純物が添加されていない溶融石英よりも透過性が高くなる。
【0020】
石英は不純物が添加されても膨張係数が小さい。そのため、モールド材料として不純物が添加された石英を用いることは、モールド1の熱膨張によるアライメントずれの影響を小さくでき、インプリントリソグラフィにおいて有利である。また、上記の不純物が添加された石英は、石英が主成分であるので、光インプリントに使用するモールド1の材料(光透過性材料)としても適切である。
【0021】
モールド材料の他の例としては、インプリント剤は浸透しない材料であって、多孔質ガラス、多孔質セラミックなどの多孔質材料、あるいは、透過するべきガス分子よりも分子間が大きいモノマー混合物、あるいは、共重合体の樹脂などがあげられる。
【0022】
また、従来からモールド素材として用いられている溶融石英に不純物を添加することなく、モールド作成時に改質処理を施して、ガス透過性領域を含むモールド構造を形成しても構わない。これにより、モールドは、ガスを透過するが、インプリント剤を浸透しない構造となる。ここで改質処理の例としては、石英を作る際に加熱・冷却条件を調整することが挙げられる。
【0023】
[図4]
モールド1の凹凸パターンを被処理基板3上のインプリント剤2に接触させ、その後さらにモールド1の凹凸パターンを被処理基板3に近接させ、この状態でモールド1の凹凸パターンの凹部内に液状のインプリント剤2が充填するように一定時間保持する。
【0024】
この時、モールド1はガス透過性領域4を備えているので、インプリント剤2と接触している面(凹凸パターン面)とは反対側の面(裏面)から、モールド1内にガス5を取り込むことが可能となる。これにより、モールド1とインプリント剤2との間の真空度は従来に比べて低くなる。
【0025】
[図5]
一定時間保持の後、モールド1の凹凸パターンをインプリント剤2に接触させた状態で、モールド1の裏面側から、インプリント剤2に光(UV)10を照射し、インプリント剤2を硬化する。
【0026】
[図6]
硬化したインプリント剤2からモールド1を離す(離型)。
【0027】
この時、モールド1とインプリント剤2との間の真空度は従来よりも低くなっているので、硬化したインプリント剤2の一部がモールド1の凹凸パターンの凹部内に詰まったままちぎれる、所謂モールド欠陥(レジストパターンの離型欠陥)の発生を抑制することが可能となる。
【0028】
図6の離型工程の後は、周知のエッチング工程、その他の周知の工程を行うことで、被処理基板3上にパターンを形成することができる。上記の周知のエッチング工程、その他の工程について簡単に説明する。
【0029】
エッチング工程においては、被処理基板3上の残膜(インプリント剤2)が例えば主に酸素プラズマによる異方性エッチングにより除去されて、硬化したインプリント剤2で構成されたレジストパターンが形成される。さらに、このレジストパターンをマスクに用いて、被処理基板3へイオンを注入する、あるいは、被処理基板3をエッチングする等の処理を行う。
【0030】
その他の工程としては、例えば、離型工程後に行われるパターンの欠陥を検査する検査工程、レジストパターン(インプリント剤2)の除去工程などがある。
【0031】
残りのショット領域に対しても以上述べた工程を行う。本実施形態の場合、上記の通りに、モールド欠陥の発生を抑制できるので、同じモールド1を用いて次のインプリント(ショット)を行っても、モールド欠陥が繰り返されることによる、歩留まりの低下を軽減できる。また、モールド欠陥を抑制できることによって、モールド1の洗浄の頻度を下げることができ、生産性が向上する。
【0032】
その後、必要に応じてより上層のパターンを形成することが行われる。一つの被処理基板(ウェハ)についてパターン形成が完成したら、同様の方法により、残りの被処理基板に対してパターン形成を行うというシーケンスにうつる。
【0033】
かくして本実施形態によれば、ガスを透過するモールド1を用いることにより、硬化したインプリント剤2とモールド1との間に働く力を小さくでき、離型工程時においてモールド1の凹部内にインプリント剤2の一部が残ることを抑制でき、もって、モールド欠陥の減少、歩留まりの向上、生産性の向上を図れるようになる。
【0034】
(第2の実施形態)
図7および図8は、本発明の第2の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0035】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、モールド1を透過するガスを積極的に制御することにある。
【0036】
図7は、モールド1の離型工程において、モールド1の上面上の雰囲気の圧力をモールド1とインプリント剤2との間の雰囲気の圧力よりも上げ、モールド1とインプリント剤2との間にガス5を注入し、モールド1とインプリント剤2との間の圧力を高くすることにより、硬化したインプリント剤2がモールド1から押し出されるようにし、モールド欠陥の発生をより効果的に抑制できる方法を示している。
【0037】
図8は、モールド1の凹凸パターンへのインプリント材2の充填工程において、モールド1の上面上の雰囲気の圧力をモールド1とインプリント剤2との間の雰囲気の圧力よりもよりも下げ、モールド1とインプリント剤2との間に残存するガス5を、モールド1を通して抜くことにより、インプリント剤2の充填速度を速くする方法を示している。
【0038】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0039】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ガス5が飽和状態になる程度まで含まれたモールド1を用いることにある。このようなガス5が含まれたモールド1を用いることにより、インプリント剤2充填工程において、モールド1中のガス5が漏れて、モールド1とインプリント剤2との間にガスの層51が形成される。これにより、モールド1の凹部内にインプリント剤2の一部が残ることを抑制でき、第1の実施形態と同様の効果が得られる。本実施形態の方法は、モールド1自身のガス透過率が小さい場合でも、ガスの層51の補助によって、モールド欠陥の発生を効果的に抑制できるという利点を有する。
【0040】
同様の効果は、モールド1の周辺のガス圧を飽和状態になる程度に保つか、あるいは、飽和状態よりわずかに高いガス圧をモールド1にかけながらインプリント剤2に接触させることで、モールド1とインプリント剤2との間にガスの層51を形成することでも、得られる。
【0041】
ガス透過率が高い場合はインプリント時にガス圧を減らすことで充填速度を速めるという効果も考えられるが、モールド1のガス透過率が小さい場合は、逆に加圧した状態でわずかにガスが表面から出るような状態でインプリントすることで離型欠陥を抑制する効果が期待できる。
【0042】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0043】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、モールド1の全体ではなく一部分がガス透過性領域4になっていることにある。本実施形態では、凹凸パターンのない裏面側から多少凹凸パターンにかかるところまでをガス透過性領域4とし、残りの凹凸パターン自体はガス非透過性領域7とする。ガス非透過性領域7は、例えば、従来のモールド1と同じ材料で構成する。
【0044】
本実施形態の場合、凹凸パターンの側面はガス非透過性領域7となっているため、凹凸パターンの側面からはガス5の出入りがない。そのため、離型工程において、硬化したインプリント剤2の凸部は、凹凸パターンの側面から圧力を受けずに済む。この側面から圧力は、硬化したインプリント剤2の凸部をくびれさせる力として働き、レジスト千切れの原因となる。したがって、硬化したインプリント剤2の凸部はその上面からは圧力を受けるが、側面からは圧力は受けない。すなわち、硬化したインプリント剤2はそのままの形で押し出される。これにより、離型工程におけるモールド欠陥の発生をより効果的に抑制することができるようになる。
【0045】
なお、本実施形態の方法と第2の実施形態で述べた方法(図7、図8)を組み合わせても構わない。図7の方法と組み合わせた場合には、離型工程において、モールド1とインプリント剤2との間にガス5が積極的に注入されるので、本実施形態の効果(モールド欠陥の抑制)はより高くなる。一方、図8の方法と組み合わせた場合には、インプリント剤の充填工程において、モールド1とインプリント剤2との間に残存するガス5が積極的に抜かれるので、インプリント剤2の充填速度を速くすることができる。
【0046】
図11(a)−図11(c)は、本実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図である。
【0047】
まず、図11(a)に示すように、ガス透過性素材で形成された基板(ガス透過性領域)4を用意する。
【0048】
次に、図11(b)に示すように、上記基板(ガス透過性領域)4上にガス非透過性領域7を形成する。具体的には、所定の厚さを有するガス非透過性の基板を、上記基板(ガス透過性領域)4上に接着するか、所定の厚さになるまでガス非透過性の素材を、上記基板(ガス透過性領域)4上に蒸着するか、あるいは、凹凸パターンが形成される側の上記基板(ガス透過性領域)4の面を加熱して溶かすことにより、ガス非透過性領域7を形成する。
【0049】
そして、図11(c)に示すように、ガス非透過性領域7上に形成した図示しないレジストパターンをマスクにして、ガス非透過性領域7および上記基板(ガス透過性領域)4をエッチングし、凹部の底がガス透過性領域4にある凹凸パターンを形成することにより、モールド1が得られる。
【0050】
(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0051】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、互いにガス透過性が異なる第1および第2のガス透過性領域41 ,42 を備えたモールド1を用いることにある。
【0052】
第1のガス透過性領域41 は第2のガス透過性領域42 よりもガス透過性が高い。凹凸パターンを含まないモールド1の裏面側の部分が第1のガス透過性領域41 であり、凹凸パターンを含むモールド1の残りの部分が第2のガス透過性領域42 である。
【0053】
このようなモールド1は、例えば、ガス透過性の高い材料(第1の材料)でガス透過性領域41 を形成し、ガス透過性の低い材料(第2の材料)で第2のガス透過性領域42 を形成することにより実現できる。第1の材料と第2の材料は主成分が同じ場合もある。このような例としては、石英が主成分で、添加される不純物の種類や量が異なることで、ガス透過性が制御された材料があげられる。
【0054】
ここで、第1のガス透過性領域41 のガス透過性が、第1の実施形態のガス透過性領域4のガス透過性よりも高く、第2のガス透過性領域42 のガス透過性が、第1の実施形態のガス透過性領域4のガス透過性と同じであるとすると、本実施形態は第1の実施形態に比べて、モールド1の裏面からの圧力に対するモールド1内のガスの応答性が速くなる。
【0055】
第1および第2のガス透過性領域41 ,42 の合計の厚さと、第1の実施形態のガス透過性領域4の厚さとが同じ場合であれば、第1のガス透過性領域41 の厚さの分だけ、応答性は速くなる。
【0056】
また、第1および第2のガス透過性領域41 ,42 の合計の厚さが、第1の実施形態のガス透過性領域4の厚さよりも大きい場合でも、第1および第2のガス透過性領域41 ,42 の厚さの比率を調整することにより、応答性を速くできる。
【0057】
このように本実施形態によれば、モールド1の裏面からの圧力に対するモールド1内のガスの応答性を向上できるので、インプリント剤の充填工程においてはインプリント剤2の充填速度を速めることができ、離型工程においてはモールド1の離型速度を速めることができるようになる。
【0058】
また、凹凸パターンを含むガス透過性領域42 をガス透過性は高いが強度の弱い素材で構成し、凹凸パターンを含まないガス透過性領域41 をガス透過性は低いが強度の高い素材で構成することにより、充填速度や離型速度を速めることができるとともに、モールド強度を保つことができるのでモールドの寿命を延ばすことができる。
【0059】
また、ガス透過性領域41 ,42 の強度に異方性がある場合、強度の方向が異なるようにガス透過性領域41 ,42 を配置し、モールド全体としては強度が弱くなる方向が少なくなるように構成することにより、モールド1の寿命を延ばすことができる。
【0060】
図13(a)−図13(c)は、本実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図である。
【0061】
まず、図13(a)に示すように、低ガス透過性素材で形成された基板(第2のガス透過性領域)42 を用意する。
【0062】
次に、図13(b)に示すように、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に、高ガス透過性素材で形成された第1のガス透過性領域41 を形成する。具体的には、接着面でガス透過性が損なわれないように、所定の厚さを有するガス透過性の高い基板を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に接着するか、所定の厚さになるまで高ガス透過性素材を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に蒸着するか、あるいは、凹凸パターンが形成される面と反対の上記基板(第2のガス透過性領域)42 の面を加熱することにより、第1のガス透過性領域41 を形成する。
【0063】
そして、図11(c)に示すように、上記基板(第2のガス透過性領域)42 を図示しないレジストパターンをマスクにしてエッチングし、凹凸パターンを形成することにより、モールド1が得られる。
【0064】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0065】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1および第2のガス透過性領域41 ,42 ならびにガス非透過性領域7で構成されたモールド1を用いることにある。すなわち、本実施形態は、第4の実施形態と第5の実施形態とを組合せた実施形態に相当する。
【0066】
本実施形態では、凹凸パターンの無い裏面側から多少凹凸パターンにかかるところまでをガス透過性領域41 ,42 とし、残りの凹凸パターン自体は従来と同じガス非透過性領域7とする。ガス非透過性領域7は、例えば、従来のモールド1と同じ材料で構成する。
【0067】
第4の実施形態と同様に、パターンをくびれさせるような圧力がかからないためモールド欠陥の抑制する効果と、モールドのパターンではない部分を2種類以上のガス透過性の素材を用いて構成することで、第5の実施形態に示したようにガス圧を制御した時の応答が速くなり、インプリント剤の充填速度や離型速度を速めることや、モールドの強度を高めモールドの寿命を延ばすことができる。
【0068】
図15(a)−図15(d)は、本実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図である。
【0069】
まず、図15(a)に示すように、低ガス透過性素材で形成された基板(第2のガス透過性領域)42 を用意する。
【0070】
次に、図15(b)に示すように、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上にガス非透過性領域7を形成する。具体的には、所定の厚さを有するガス非透過性の基板を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に接着するか、所定の厚さになるまでガス非透過性の素材を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に蒸着するか、あるいは、凹凸パターンが形成される側の上記基板(第2のガス透過性領域)42 の面を加熱して溶かすことにより、ガス非透過性領域7を形成する。
【0071】
次に、図15(c)に示すように、ガス非透過性領域7を形成した面と反対側の上記基板(第2のガス透過性領域)42 の面(裏面)上に、高ガス透過性素材で形成された第1のガス透過性領域41 を形成する。具体的には、接着面でガス透過性が損なわれないように、所定の厚さを有するガス透過性の高い基板を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に接着するか、所定の厚さになるまで高ガス透過性素材を、上記基板(第2のガス透過性領域)42 上に蒸着するか、あるいは、凹凸パターンが形成される面と反対の上記基板(第2のガス透過性領域)42 の面を加熱することにより、第1のガス透過性領域41 を形成する。
【0072】
そして、図15(d)に示すように、ガス非透過性領域7上に形成した図示しないレジストパターンをマスクにして、ガス非透過性領域7および上記基板(第2のガス透過性領域)42 をエッチングし、凹部の底が上記基板(第2のガス透過性領域)42 上にある凹凸パターンを形成することにより、モールド1が得られる。
【0073】
図16(a)−図16(d)は、本実施形態のモールドの他の形成方法を説明するための断面図である。この他の形成方法が、先の形成方法(図15(a)−図15(d))と異なる点は、第1のガス透過性領域41 を形成した後に、ガス非透過性領域7を形成することにある。その他、第1のガス透過性領域41 、第2のガス透過性領域42 、ガス非透過性領域7の形成順序は適宜変更可能である。
【0074】
(第7の実施形態)
図17(a)および図17(b)は、本発明の第7の実施形態に係るモールドおよびその形成方法を説明するための断面図である。
【0075】
まず、図17(a)に示すように、表面S1ではガス透過性が低く、表面S1から裏面S2に向かってガス透過性が徐々に高くなる基板(ガス透過性領域)4’を用意する。
【0076】
次に、図17(b)に示すように、図示しないレジストパターンをマスクにして上記基板(ガス透過性領域)4’をエッチングし、ガス透過性が低い側の面に凹凸パターンを形成することにより、モールド1が得られる。
【0077】
本実施形態によれば、凹凸パターンの凹部の底の方がガス透過性は高くなるため、離型時のモールド欠陥を抑制できるなど、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0078】
(第8の実施形態)
図18(a)および図18(b)は、本発明の第8の実施形態に係るモールドおよびその形成方法を説明するための断面図である。
【0079】
まず、図18(a)に示すように、表面S1から一定の深さH0まではガス透過性がなく、それ以降は裏面S2に向かってガス透過性が徐々に高くなる基板(ガス非透過性/透過性領域)47を用意する。
【0080】
次に、図18(b)に示すように、図示しないレジストパターンをマスクにして上記基板(ガス非透過性/透過性領域47)をエッチングし、ガス透過性がない側の面に凹凸パターンを形成することにより、モールド1が得られる。
【0081】
本実施形態によれば、凹凸パターンの凸部の頂点部(先端部)にガス透過性がないことから、被処理基板に形成されるインプリント剤の凸パターンの付け根の部分に横からくびれさせるような圧力の発生を避けることができ、第7の実施形態に比べて、離型時のモールド欠陥をより効果的に抑制できるようになる。
【0082】
(第9の実施形態)
図19(a)−図19(d)は、本発明の第9の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0083】
本実施形態では、モールド1の上面上の雰囲気の圧力を制御するための方法/手段について具体的について説明する。本実施形態は、以上述べたいずれのモールド1にも適用できる。
【0084】
まず、図19(a)に示すように、周知の方法により、被処理基板3上にインプリント剤2を塗布し、その後、モールド1を被処理基板3上に配置し、アライメントを行う。
【0085】
この時、モールド1は図示しないモールドステージに固定され、このモールドステージはモールドステージ保持機構8に保持されている。
【0086】
モールドステージ保持機構8は、モールド1の凹凸パターン面と反対側の面(モールド外部)の雰囲気9を、モールド1の凹凸パターンの凹部(モールド内部)の雰囲気9’とを隔離し、雰囲気9,9’間の圧力の差を保持できるような、硬質な材料で構成されている。上記硬質な材料は、例えば、金属、セラミックまたはガラス等ある。モールド1の上面の雰囲気9は、例えば、Heなどの不活性ガスなどである。
【0087】
また、モールドステージ保持機構8は、図示しない駆動機構に接続されている。この駆動機構は、モールドステージ保持機構8を上下に駆動するためのものである。
【0088】
次に、図19(b)に示すように、モールドステージ保持機構8を上記駆動機構により下げ、モールド1をインプリント剤2に接触させる。
【0089】
この時、図示しない圧力制御機構(減圧手段)により、モールド1の上面とモールドステージ保持機構8との内壁で構成された空間の圧力(モールド上面側圧力)90を制御する。すなわち、モールド1をインプリント剤2に接触させた後に、モールド上面側圧力90を低くするか、または、モールド上面側圧力90を低くしながら、モールド1をインプリント剤2に接触させる。このようにモールド上面側圧力90を制御することにより、インプリント剤2の充填速度を効果的に速められ、スループットを高められる。
【0090】
上記の図示しない圧力制御機構(減圧手段)は、例えば、モールド1の上面とモールドステージ保持機構8との内壁で構成された空間内に存在するガスを排気するための、真空ポンプで構成されている。
【0091】
次に、図19(c)に示すように、モールド1の裏面側から光を照射し、インプリント剤2を硬化させる(光硬化)。ここでは、モールドステージ保持機構8は光を通さないとする。そのため、図19に示すように、モールドステージ保持機構8を外した状態で光硬化を行う。
【0092】
なお、モールドステージ保持機構8を外さないで、モールドステージ保持機構内部からモールドに光を照射することも可能である。モールドステージ保持機構内部からモールドに光を照射する利点は以下の通りである。
【0093】
インプリント剤の塗布工程において、インプリント剤を塗布するべきショット領域以外の領域にインプリント剤が塗布されることもある。しかし、モールドステージ保持機構内部からモールドに光を照射することで、ショット領域以外の領域に塗布されたインプリント剤(余剰インプリント剤)は光照射されず、余剰インプリント剤の硬化を防止できる。
【0094】
ここで、余剰インプリント剤は、塗布するべきショット領域に隣接するショット領域(隣接ショット領域)上に塗布されることが多い。隣接ショット領域は次にショットするべきショット領域である可能性が高い。次にショットするべきショット領域上において余剰インプリント剤が硬化した場合、インプリント剤の硬化工程の後に、硬化した余剰インプリント剤を除去する工程を追加する必要がある。
【0095】
しかし、光を通さないモールドステージ保持機構8を用い、モールドステージ保持機構内部からモールドに光を照射すれば、余剰インプリント剤の硬化は防止できるので、硬化した余剰インプリント剤を除去する工程を行わずに、インプリントを繰り返すことができる。したがって、余剰インプリント剤の発生に起因するスループットの低下を防止できる。
【0096】
次に、図19(d)に示すように、モールドステージ保持機構8を再び取り付け、モールドステージ保持機構8を上記の図示しない駆動機構により上げ、硬化したインプリント剤2からモールド1を離す(離型)。
【0097】
この時、図示しない圧力制御機構(加圧手段)により、モールド1の上面とモールドステージ保持機構8との内壁で構成された空間の圧力(モールド上面側圧力)90’が高くなるように制御する。これにより、モールド1内にガスを効果的に透過させることができ、より効果的に離型を行えるようになる。
【0098】
上記の図示しない圧力制御機構(加圧手段)は、例えば、モールド1の上面とモールドステージ保持機構8との内壁で構成された空間内に、He等の不活性ガスを供給するためのガス供給装置で構成されている。
【0099】
(第10の実施形態)
図20(a)−図20(c)は、本発明の第10の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。図20(a)−図20(c)の工程は、それぞれ、第8の実施形態の図19(b)−図19(d)の工程に対応する。
【0100】
本実施形態が第9の実施形態と異なる点は、光を通すモールドステージ保持機構8’を用いたことにある。したがって、本実施形態によれば、図20(b)のインプリント剤2の硬化工程において、モールドステージ保持機構8’を取り外す必要がなく、モールドステージ保持機構8’の上から光を照射でき、また、図20(c)の離型工程において、モールドステージ保持機構8’を再び取り付けるという作業も不要となる。したがって、モールドステージ保持機構8’取り外し/の取り付けに起因するスループットの低下を防止できる。本実施形態においても、以上述べたいずれのモールド1も使用可能である。
【0101】
(第11の実施形態)
図21(a)−図21(c)は、本発明の第11の実施形態に係るパターン形成方法を説明するための断面図である。図20(a)−図20(c)の工程は、それぞれ、第8の実施形態の図19(b)−図19(d)の工程に対応する。
【0102】
本実施形態が第8の実施形態と異なる点は、図21(b)の硬化工程において、加熱によりインプリント剤2を硬化することにある。すなわち、本実施形態は、熱硬化性のインプリント剤2を用いた熱インプリントの例である。モールドステージ保持機構8の代わりに、モールドステージ保持機構8’を用いても構わない。本実施形態においても、以上述べたいずれのモールド1も使用可能である。
【0103】
(第12の実施形態)
図22(a)には、第9の実施形態で述べたモールドステージ保持機構8およびそれを用いて保持されたモールド1が示されている。一方、図22(b)には、第10の実施形態で述べたモールドステージ保持機構8’およびそれを用いて保持されたモールド1が示されている。
【0104】
モールド1の裏面(凹凸パターンが形成された面とは反対側の面)にはガス55が供給されている。ガス55は予め決められた流量でもって供給される。ガス55はモールド1を通り抜け、モールド1の表面(凹凸パターンが形成された面)から抜け出る。
【0105】
モールド1の表面から抜け出たガス55’の流量は、モールド欠陥31(凹凸パターンの凹部内に付着した硬化したインプリント剤)の状態によって変わる。モールド欠陥31のサイズが大きいほど、または、モールド欠陥31の数が多いほど、ガス55’の流量は減る。
【0106】
したがって、ガス55’の流量を測定し、この測定したガス55’の流量F’とガス55の予め決められた流量Fとの差分(F−F’)を評価することにより、手間のかかるパターンレベルの細かい欠陥検査を行わずとも、モールド欠陥31が生じたかどうか確認することが可能となる。これにより、モールド1を洗浄するタイミングを管理することができる。
【0107】
上記知見に基づいたモールド洗浄工程を含む、本実施形態のパターン形成方法について説明する。図23は、本実施形態のパターン形成方法を示すフローチャートである。
【0108】
[ステップS1]
実施形態のモールドを用いた実施形態のパターン形成方法(インプリント)により、1ショット分の領域上にパターンを形成する。
【0109】
[ステップS2]
これまでに行ったインプリントの回数が、予め求めておいた所定の回数(基準回数)に達した否かを判断する。ここで、基準回数とは、モールドの洗浄が必要となるインプリントの回数である。基準回数は、例えば、以下のようにして決定する。すなわち、ステップS1において使用するモールドと同じモールドを用いて複数回のショットを行い、各ショット毎にモールド欠陥の有無を調べ、モールド欠陥が発見された時の回数を基準回数とする。
【0110】
ステップS2の判断の結果、インプリントの回数が基準回数に達していなければ(No)、ステップS1を再び行う。
【0111】
[ステップS3]
ステップS2の判断の結果、インプリントの回数が基準回数に達していたならば(Yes)、これまでに行ったインプリントの回数が、一枚のウェハを処理するために必要な回数(トータル回数)に達した否かを判断する。
【0112】
ステップS3の判断の結果、インプリントの回数がトータル回数に達していたならば(Yes)、その一枚のウェハについてはインプリントを終了する。
【0113】
[ステップS4]
ステップS3の判断の結果、インプリントの回数がトータル回数に達していなければ(No)、ステップS1で使用しているモールドを透過するガスの流量を測定する。この流量測定は、例えば、図22(a)および図22(b)に示しように、モールド1の表面から抜け出たガス55’の流量を測定することである。
【0114】
[ステップS5]
ステップS4で測定したガス流量に基づいて、モールドを透過するガスの流量が低下しているか否かを判断する。この判断は、例えば、ステップS4で測定したガス流量と、予め測定しておいたガス流量(基準流量)とを比べることにより行われる。ここで、基準流量とは、例えば、インプリントに使用されてない(モールド欠陥がない)、ステップS1において使用するモールドと同じモールドを用いて調べたガス流量である。
【0115】
ステップS5の判断の結果、ステップS4で測定したガス流量が基準流量と同じであるならば、流量の低下はないと判断し(No)、ステップS1に進む。
【0116】
[ステップS6]
ステップS5の判断の結果、ステップS4で測定したガス流量が基準流量よりも少なければ、流量の低下はあると判断し(Yes)、モールドを洗浄する。
【0117】
なお、ステップS4で測定したガス流量が基準流量よりも少なくても、その減少量が一定の範囲内なら、流量の低下はないと判断しても構わない。
【0118】
モールドを洗浄した後、ステップS4に進む。すなわち、洗浄によりモールド欠陥が除去されたことを確認し、その後、インプリント(ステップS1)を再び行う。
【0119】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ガス透過性領域の場所は、以下の条件を満たせば、特に限定はされない。すなわち、インプリント用モールドにおいて、少なくとも、凹凸パターンの凹部の底と、この凹部の底と対向する、凹凸パターンが形成された面と対向する側の面との間の領域が、石英よりもガスに対する透過性が高ければよい。
【0120】
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0121】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】モールドと、モールドの凹凸パターンと、被処理基板上に塗布されたインプリント剤と、インプリント剤2を固化するための光との位置関係を示す図。
【図2】第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図3】図2に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図4】図3に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図5】図4に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図6】図5に続く第1の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図7】第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図8】第2の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図9】第3の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図10】第4の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図11】第4の実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図。
【図12】第5の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図13】第5の実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図。
【図14】第6の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図15】第6の実施形態のモールドの形成方法を説明するための断面図。
【図16】第6の実施形態のモールドの他の形成方法を説明するための断面図。
【図17】第7の実施形態のモールドおよびその形成方法を説明するための断面図。
【図18】第8の実施形態のモールドおよびその形成方法を説明するための断面図。
【図19】第9の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図20】第10の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図21】第11の実施形態のパターン形成方法を説明するための断面図。
【図22】第12の実施形態の洗浄方法の原理を説明するための断面図。
【図23】第12の実施形態のパターン形成方法を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0123】
1…モールド、2…インプリント剤、3…被処理基板、4,41 ,42 ,4’…ガス透過性領域、5…ガス、7…ガス非透過性領域、8,8’…モールドステージ保持機構、9…モールド外部の雰囲気、9’…モールド内部の雰囲気、10…光、11…凹凸パターン、47…基板(ガス非透過性/透過性領域)、51…ガスの層、90,90’…モールド上面側圧力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写するべきパターンに対応した凹凸パターンを備えたインプリント用モールドの少なく一部は、不純物が添加されていない溶融石英よりもガスに対する透過性が高いことを特徴とするインプリント用モールド。
【請求項2】
前記インプリント用モールドにおいて、少なくとも、前記凹凸パターンの凹部の底と、前記凹部の底と対向する、前記凹凸パターンが形成された面と反対側の面との間の領域は、石英よりもガスに対する透過性が高いことを特徴とする請求項1記載のインプリント用モールド。
【請求項3】
前記凹凸パターンの凸部は、前記ガスに対して非透過性を有することを特徴とする請求項2に記載のインプリント用モールド。
【請求項4】
前記凹凸パターンが形成された面と反対側の面から、前記凹凸パターンが形成された面に向かって、前記ガスに対する透過性が異なる複数の領域が存在することを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
【請求項5】
被処理基板上にインプリント剤を塗布する工程と、
前記被処理基板上に塗布した前記インプリント剤に、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインプリント用モールドを接触させて、前記インプリント用モールドの凹凸パターンに前記インプリント剤を充填する工程と、
前記インプリント剤に前記インプリント用モールドを接触させた状態で、前記インプリント剤を硬化する工程と、
前記硬化したインプリント剤から前記インプリント用モールドを離す工程と
を含むことを特徴とするパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−149482(P2010−149482A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333077(P2008−333077)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】