説明

ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラ

【課題】導電性ローラの弾性層に用いた場合、従来よりも高弾性であり、かつ、弾性層中の気泡が微細な導電性ローラを得ることができるウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラを提供する。
【解決手段】側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、エポキシ基を有する架橋剤と、発泡剤として糖と炭素数16〜24の分岐を有さない飽和脂肪酸とからなるエステルと、を含む。前記脂肪酸はステアリン酸であることが好ましく、また、さらに発泡助剤を含有することが好ましく、前記糖はスクロースであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、導電性ローラの弾性層に用いた場合、従来よりも高弾性であり、かつ、弾性層中の気泡が微細な導電性ローラを得ることができるウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、画像形成の各工程で、転写ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、帯電ローラ、クリーニングローラ、中間転写ローラ、ベルト駆動ローラ等の、導電性を付与したローラが用いられている。
【0003】
かかるローラ部材としては、従来、軸の外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与したゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる弾性層を形成した構造を基本構造として、所望の表面粗さや導電性、硬度などを得るために、その外周に一層または複数層の塗膜を設けたものが使用されている。
【0004】
このような一層または複数層の塗膜を設けた弾性ローラの製造方法として、特許文献1には、シャフトの周りに配設された弾性層を含む、複数の層よりなる弾性ローラを製造するにあたり、これらの層のすべてをディップ塗装により形成する方法が提案されている。これによれば、設備費を削減することができ、特に、小さなローラ径のものにおいて大幅にコストを低減することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−234517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
導電性ローラの中でも、例えば、帯電ローラにおいては、感光体の耐久性向上のため、またはより均質な画像を得るため、さらに柔らかく感光体に当接することが要求されている。しかしながら、実際には、帯電ローラを柔らかくすればするほど、荷重を除去したあとに永久歪が残留しやすくなってしまう。このため、これらの帯電ローラを回転させずに長期間押圧した状態で放置すると、押圧されている周方向部分の残留歪が他の部分より大きく、以降の使用において均一な当接状態で回転することが難しくなり、その結果、印刷画像の品質の低下を招いてしまうこととなる。そのため、弾性層には一定の弾性を維持する必要がある。
【0007】
また、弾性層を自由発泡により作製する際には表面に気孔が形成されるが、この気孔径が大きいと、弾性層上に他の層を塗工形成する際に、気孔内に塗料が浸み込んでしまい、最終的に得られるローラ表面にも凹凸を生ずる場合がある。したがって、弾性層表面の気孔径は微細であることが好ましい。
【0008】
そこで本発明の目的は、導電性ローラの弾性層に用いた場合、従来よりも高弾性であり、かつ、弾性層中の気泡が微細な導電性ローラを得ることができるウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の知見を得た。すなわち、水分散性樹脂を主成分とする塗料溶液に機械的に気泡を生じさせて発泡塗料とした後、この発泡塗料中にシャフトを浸漬(ディッピング)して導電性ローラの弾性層を形成するにあたって、弾性層をウレタンフォームとする場合、ウレタン樹脂の側鎖に含まれるカルボキシル基と、架橋剤に含まれるエポキシ基と、が反応して架橋が進行して弾性層を形成する。しかしながら、発泡剤にカルボキシル基が含まれていると、このカルボキシル基により架橋剤が消費されてしまい、弾性層の架橋が阻害されることを見出した。かかる問題を解決する手段としては、カルボキシル基を含まないポリエーテルを主骨格とする発泡剤を用いることが挙げられる。しかしながら、カルボキシル基を含まないポリエーテルを主骨格とする発泡剤を用いると、発泡工程において気泡を十分に微細化できないため、得られる導電ローラの表面に凹凸が生じ、モヤ画像の原因になるという新たな問題も生じる。
【0010】
かかる知見を基に、本発明者らはさらに鋭意検討した結果、弾性層を形成するウレタン樹脂組成物中の発泡剤の構造を所定のものとすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明のウレタン樹脂組成物は、側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、エポキシ基を有する架橋剤と、発泡剤として糖と炭素数16〜24の分岐を有さない飽和脂肪酸とからなるエステルと、を含むことを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、前記脂肪酸はステアリン酸であることが好ましい。また、本発明においては、さらに発泡助剤を含有することが好ましい。さらに、本発明においては、前記糖はスクロースであることが好ましい。さらにまた、本発明においては、前記発泡助剤はステアリン酸アンモニウムであることが好ましい。
【0013】
また、本発明の導電性ローラは、シャフトと、該シャフトの外周に順次形成された弾性層および表層と、を備える導電性ローラにおいて、
前記弾性層が上記本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導電性ローラの弾性層に用いた場合、従来よりも高弾性であり、かつ、弾性層中の気泡が微細な導電性ローラを得ることができるウレタン樹脂組成物およびそれを用いた導電性ローラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の導電性ローラの一例を示す長手方向断面図である。
【図2】本発明の導電性ローラの他の例を示す長手方向断面図である。
【図3】本発明の導電性ローラのさらに他の例を示す長手方向断面図である。
【図4】本発明の導電性ローラを製造する一好適な工程の流れを示す工程図である。
【図5】溶液中からシャフトを引き上げて弾性層を形成する途中の状態を示すディップ槽の側面図である。
【図6】発泡塗料を製造するための攪拌装置の一例の模式図である。
【図7】図6の攪拌装置の容器近傍の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のウレタン樹脂組成物の好適な実施の形態について、詳細に説明する。
本発明のウレタン樹脂組成物は、側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、エポキシ基を有する架橋剤と、糖と炭素数16〜24の分岐していない飽和の脂肪酸エステルを発泡剤として含む。上述のとおり、ウレタン樹脂と架橋剤は、ウレタン樹脂中に存在するカルボキシル基と、架橋剤中に存在するエポキシ基と、が反応し架橋する。しかしながら、発泡剤中にカルボキシル基が存在すると、架橋剤中のエポキシ基が発泡剤中のカルボキシル基と反応してしまい、ウレタン樹脂の架橋が阻害されてしまう。
【0017】
そこで、本発明においては、発泡剤として、糖と炭素数16〜24の分岐していない飽和の脂肪酸エステルを用いている。この発泡剤は、疎水基である脂肪酸と親水基である糖とが共有結合で結合されているため、エポキシ基と反応する遊離のカルボキシル基を有しておらず、また、親水基にもエポキシ基と反応する官能基を有していない。そのため、架橋剤と発泡剤とが反応することはなく、ウレタン樹脂と架橋剤との架橋反応を阻害することはない。したがって、本発明のウレタン樹脂組成物を用いて導電性ローラの弾性層を形成した場合、弾性層は従来よりも高い弾性率を示す。
【0018】
また、本発明に係る発泡剤は、ポリエーテルを主骨格とする発泡剤とは異なり、発泡工程において気泡の微細化が可能であり、弾性層表面が凹凸状となるのを防ぐことができるため、モヤ画像の発生を防止することができる。上記成分の配合としては、側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂100質量部に対して、エポキシ基を有する架橋剤を10〜50質量部とすることが好ましい。架橋剤の配合量がこの範囲より多いと、架橋点が多くなりすぎ、弾性層の弾性率が高くなりすぎるおそれがある。一方、架橋剤の添加量が上記範囲より少ないと、十分な弾性率を得ることができないおそれがある。また、発泡剤は0.5〜16質量部とするのが好ましい。発泡剤の配合量をこの範囲より多くしても、もはや得られる発泡の効果の程度は変わらない。一方、発泡剤の配合量が上記範囲より少ないと、弾性層に十分な気泡を作ることができない場合がある。
【0019】
本発明に係る発泡剤中の炭素数が16〜24の分岐していない飽和脂肪酸としては、具体的には、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸を挙げることができ、本発明においては、ステアリン酸を好適に用いることができる。
【0020】
また、本発明に係る発泡剤中の糖としては、カルボキシル基のような架橋剤中のエポキシ基と反応してしまう官能基を有していないものであれば特に制限はないが、例えば、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド、エリトルロース、エリトロース、リブロース、キシルロース、リボース、アラビノース、アピオース、キシロース、リキソース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、イドース、ガラクトース、フコース、フクロース、ラムノース等のような単糖類や、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ツラノース、セロビロース等のような2糖類や、ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース等のような3糖類や、アルカボース、スタキオース等のような4糖類や、フラクオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖等のようなオリゴ糖を挙げることができる。本発明においては、好適にはスクロースを用いることができる。
【0021】
本発明に係るカルボキシル基を有するウレタン樹脂は、カルボキシル基を有するポリオール類等とイソシアネート化合物を用い、公知の方法によって製造することができる。ポリオールとしては、分子中にヒドロキシル基を2個以上有するものであれば特に制限はない。例えば、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
ポリアクリルポリオールとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと、水酸基を有する単量体とを共重合させることにより得ることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等を挙げることができる。水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルや、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステルや、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。これらは単独用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
ポリアクリルポリオールとしては、単量体以外にも、他の単量体と共重合したものを用いてもよい。他の単量体としては、共重合可能な限り特に制限はない。例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、これらの無水物およびモノまたはジエステル類や、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化α,β−不飽和脂肪族単量体、スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族単量体等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸成分とポリオール成分とを反応させることにより得られたものを用いることができる。多塩基酸成分としては、例えば、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等の芳香族ジカルボン酸や、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、酒石酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、または、これらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、1−メチル−1,4−ペンチレングリコール、2−メチル−1,4−ペンチレングリコール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンチレングリコール、2−メチル−1,5−ペンチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンチレングリコール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、2,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、多価アルコールにアルキレンオキシドを開環重合して付加させて得られたものを用いることができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明に係るカルボキシル基を有するウレタン樹脂は、例えば、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートとに加え、遊離カルボキシル基を有する鎖長剤を反応させることにより得ることができる。遊離カルボキシル基を有する鎖長剤は、例えば、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスクシン酸等を挙げることができる。ジヒドロキシカルボン酸は、例えば、ジメチロールアルカン酸(例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸)等のジアルキロールアルカン酸を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明に係るカルボキシル基を有するウレタン樹脂の製造においては、上記の成分に加えて、他のポリオール、他の鎖長剤を添加してもよい。他のポリオールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基数が3個以上のポリオールを挙げることができる。他の鎖長剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン等の芳香族ジアミン等を挙げることができる。
【0030】
本発明に係るカルボキシル基を有するウレタン樹脂の製造方法としては、公知の手法であればいずれを用いてもよい。例えば、上記各成分を一度に反応させるワンショット法を用いてもよく、段階的に反応させる多段法を用いてもよいが、カルボキシル基を容易に導入することができるという観点から、多段法が好ましい。なお、カルボキシル基を有するウレタン樹脂の製造の際に、ウレタン反応触媒を用いてもよい。
【0031】
本発明に係るカルボキシル基を有するウレタン樹脂の数平均分子量は、好ましくは数万〜数十万である。数平均分子量をこの範囲とすることにより、ウレタン樹脂組成物を後述するディップ液としたときに好適な粘度に調整しやすい。
【0032】
本発明に係るエポキシ基を有する架橋剤としては、ジエチレングリコール・ジグリシジルエーテル、ポリエチレン・ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、ポリグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ペンタエリチオール・ポリグリシジルエーテル、ジグリセロール・ポリグリシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエーテル等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応生成物;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を挙げることができるが、これらに制限されるものではない。本発明においては、これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明のウレタン樹脂組成物においては、高級脂肪酸のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、アルキルスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を発泡助剤として含有していることが好ましく、特にステアリン酸アンモニウムが好適である。発泡助剤の添加量としては、側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂100質量部に対して、0.5〜16質量部、好適には0.5〜8質量部である。
【0034】
本発明のウレタン樹脂組成物は、側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、エポキシ基を有する架橋剤と、糖と炭素数16〜24の分岐を有さない飽和の脂肪酸エステルを発泡剤として含むことのみが重要であり、その他の添加剤については、架橋剤中のカルボキシル基と反応する官能基を有しないものであれば、特に制限はない。本発明のウレタン樹脂組成物は、導電性ローラの弾性層に好適に用いることができるため、導電性ローラの弾性層に通常添加されるその他公知の添加剤を添加することができる。
【0035】
本発明のウレタン樹脂組成物を導電性ローラの弾性層に用いる場合は、ウレタン樹脂組成物に導電剤を添加することができる。これにより、導電性ローラに導電性を付与し、または調整して、所定の抵抗値とすることができる。導電剤としては、特に制限はなく、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等のハロゲン化ベンジル塩等の第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩、高級アルコール燐酸エステル塩、高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、高級アルコールエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等の非イオン性帯電防止剤等の帯電防止剤、NaClO、LiAsF、LiBF、NaSCN、KSCN、NaCl等のLi、Na、K等の周期律表第1族の金属塩、あるいはNHの塩等の電解質、また、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属および金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマー等を挙げることができる。これらの導電剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、弾性層の体積抵抗率が10〜10Ω・cm、好ましくは10〜10Ω・cmとなるように調整される。
【0036】
また、本発明のウレタン樹脂組成物には、上記導電剤の他にも、必要に応じて、湿潤剤、整泡剤、硬化剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤、ブロッキング防止剤、成膜助剤等の公知の添加剤を適量配合してもよい。湿潤剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤を好適に使用することができる。ポリエーテル変性シリコーンは、ポリ(ジアルキルシロキサン)のアルキル基の一部を、ポリオキシアルキレン基を持つ置換基に置き換えた構造を有する。このようなポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重合体を挙げることができる。弾性層に湿潤剤を含有させることで、湿潤剤本来の効果であるレベリング効果が得られることに加え、発泡セルの粗大化を抑制して気泡径の微細化を図ることができる。また、自由発泡させた際の塗料の発泡比重をより精密に制御することが可能となる。このような湿潤剤の配合量は、ポリウレタン樹脂100質量部に対し、0.1〜2質量部とすることが好ましい。湿潤剤の配合量が多すぎると、塗料のゲル化が生じやすくなる。一方、湿潤剤の配合量が少なすぎると、所期の効果を十分に得られない場合がある。
【0037】
次に、本発明の導電性ローラについて説明する。
図1は、本発明の導電性ローラの一例を示す長手方向断面図である。図示するように、本発明の導電性ローラ10は、シャフト1と、その外周に順次形成された弾性層2および表層3と、を備えるものである。
【0038】
本発明の導電性ローラ10においては、弾性層2が、上記本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成されていることが肝要である。本発明の導電性ローラ10は、弾性層2を本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成されているため、弾性層2は従来と比較して高弾性率を有しており、また、弾性層2中の気泡が微細であるため、モヤ画像の発生も防止することができる。
【0039】
弾性層2の厚みとしては、0.8〜1.5mmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.3mmである。弾性層2の厚みをこの範囲とすることで、スパーク放電を防止することができる。また、弾性層2の発泡倍率としては、特に制限されるものではないが、好ましくは1.2〜10倍、より好ましくは1.5〜2.2倍程度であり、密度は、好ましくは0.4〜0.6g/cm程度である。
【0040】
本発明のローラに用いるシャフト1としては、金属製またはプラスチック製の、中空円筒体または中実円柱体を使用することができるが、好ましくは金属製の中空円筒体または中実円柱体であり、より好ましくは金属製の中空円筒体である。これにより、コスト性を向上することができる。
【0041】
また、本発明において弾性層2上に設ける表層3は、好適には、水系塗料を用いて形成する。表層3に用いる水系塗料には、ローラ等の材料として公知のゴムや樹脂を用いることができる。樹脂としては、例えば、ウレタン変性アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ゴム系の水系塗料としては、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のラテックス、ポリウレタン樹脂系の水系塗料としては、エーテル系、エステル系等のエマルションやディスパージョン、アクリル樹脂系の水系塗料としては、アクリル、アクリルスチレン等のエマルション、フッ素樹脂系の水系塗料としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン‐エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン‐エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン‐ビニリデンフルオライド共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等を好適に用いることができる。
【0042】
本発明においては、上記の中でも、水系塗料として、水系アクリル樹脂が好適である。水系アクリル樹脂としては、アクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとを必須成分とし、任意にその他のモノマーを含むものが好ましく、その他のモノマーとしては、例えば、エチルアクリレート、アクリル酸2−エチルへキシル、アクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができる。アクリロニトリルおよびn−ブチルアクリレートを必須成分とするのは、これらが弾性(セット性)の向上に寄与するためであり、このような観点からは、可能な限りn−ブチルアクリレート量を増量し、他の成分を減量するとともに、必須成分以外のその他のモノマー成分のモノマー比率を減らすことが好ましい。一方、アクリロニトリルの比率が高すぎると、形成された層が硬くなってしまい好ましくない。したがって、必須成分であるアクリロニトリルとn−ブチルアクリレートとのモノマー比率は、モル比で1〜25:99〜75、特には5〜20:95〜80の範囲内が好適である。
【0043】
また、上記水系アクリル樹脂は、分子中に活性水素を有する基を含んでいることが好ましい。活性水素を有する基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等を挙げることができ、好適にはカルボキシル基である。また、活性水素を有する基を含むモノマーの比率は、全モノマー量の3〜6%であることが好ましい。活性水素を有する基を含むモノマーの比率をこの範囲内とすることで、表面酸価が10mg/g以上、例えば、10〜20mg/gに調整された水系アクリル樹脂を好適に用いることができる。
【0044】
また、表層3を形成する水系塗料中には、特に制限されるものではないが、導電剤を添加して、表層3の導電性(電気抵抗)を付与または調整することができる。この場合に用いる導電剤としては、特に制限はなく、弾性層2に使用されるのと同様のものを、1種にて、または2種以上を混合して、適宜用いることができる。また、これら導電剤の配合量は、組成物の種類に応じて適宜選定され、通常、表層3の体積抵抗率が1×10〜1×1012Ω・cm、好ましくは1×10〜1×10Ω・cmとなるように調整される。
【0045】
なお、この表層3を形成する水系塗料中には、架橋剤、増粘剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の添加剤を、必要に応じて添加することができる。
【0046】
表層3の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜30μm、特には1〜20μmとすることができる。表層3の厚みが1μm未満であると、ローラの耐久性に劣る場合があり、一方20μmを超えると、帯電特性等に悪影響を与えたり、表面にしわを生じたりするなど、良好な表面性が得られない場合がある。
【0047】
本発明の導電性ローラ10は、上記弾性層2上に少なくとも表層3を有するものであるが、必要に応じて、弾性層2と表層3との間に、中間層として抵抗調整層を設けることができ、また、弾性層2と抵抗調整層5との間に、さらに接着層を介在させることもできる。さらに、シャフト1の外周に、弾性層2を形成するに先立って、接着層を設けて、シャフト1と弾性層2との接着性を向上させることもできる。図2は、本発明の導電性ローラの他の構成例を示す長手方向断面図である。図示する導電性ローラ20は、シャフト1と、その外周に順次形成された接着層4、弾性層2、抵抗調整層5および表層3と、を備えるものである。
【0048】
抵抗調整層5は、樹脂に導電剤を添加した樹脂組成物により形成することができる。この樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に制限されるものではないが、具体的には例えば、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、エステル樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができ、これらのうちの1種を、または、2種以上を混合して用いることができ、中でも、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂等の水系塗料が好ましく用いられる。また、この水系塗料に添加される導電剤としては、弾性層2に用いられた導電剤と同じものを使用することができる。
【0049】

抵抗調整層5は、導電性ローラの電気抵抗値を調整するために任意に設けられるものであり、抵抗調整層5の抵抗値は、弾性層2の抵抗値や、ローラに求められる抵抗値に応じて適宜設定されるが、通常は1×10〜1×10Ω・cm、特には1×10〜1×10Ω・cmの範囲とすることができる。この場合、導電剤の配合量は、この抵抗値が達成される適量とすることができるが、通常は、水系塗料の基材樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、特には1〜10質量部とすることが好ましい。
【0050】
また、抵抗調整層5には、導電剤の他に、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の添加剤を配合することができる。例えば、オキサゾリン系、エポキシ系、メラミン系、グアナミン系、イソシアネート系、フェノール系等の架橋剤を、使用する基材樹脂に応じて適量にて配合することができ、その他、造膜助剤、分散剤、増粘剤、レベリング剤、チクソトロピー性付与剤、構造粘性付与剤等の公知の添加剤を適量にて配合してもよい。
【0051】
抵抗調整層5の厚みは、弾性層2の厚みや導電性ローラの形態などに応じて適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常は10〜500μm、特には50〜300μmとすることが好ましい。抵抗調整層5の厚みが50μm未満であると、十分な抵抗値の調整を行うことが困難になる場合があり、一方、300μmを超えると、相対的に弾性層の厚みが薄くなって、ローラ硬度(部材硬度)が高くなってしまったり、必要以上にコスト高となったりする場合がある。
【0052】
また、接着層4は、シャフト1と弾性層2との間、または、弾性層2と抵抗調整層5との間を強固に接着させるために、所望に応じ設けることができるものであり、その厚みは1〜100μm程度とすることができる。接着層4は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂材料を用いて形成することができ、必要に応じて導電剤や他の添加剤を添加することもできる。
【0053】
図3は、本発明の導電性ローラのさらに他の例を示す長手方向断面図である。導電性ローラを帯電ローラ等として用いる場合には、感光ドラムに押圧される際に長さ方向に均一な当たり面を形成することが重要であるため、図示する好適例の導電性ローラ30は、長手方向中央部において端部よりも径が大きいクラウン形状を有している。
【0054】
導電性ローラをクラウン形状とする場合に、ローラ長手方向断面における、長さ方向中央の突出の程度を表すクラウン量としては、50〜300μmとすることが好ましく、これにより、通常の画像を一層良好なものにすることができる。クラウン量が50μm未満であると、ローラ長さ方向中央部の接触圧が低くなり、一方、クラウン量が300μmを超えると、ローラ長さ方向中央部が強く接触しすぎてしまい、いずれの場合も帯電量の不均一等の不具合を招くおそれがある。なお、本発明において導電性ローラのクラウン量の測定は、ミツトヨ(株)製高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行うことができる。この測定機により、ローラ中央部および中央部から端部へ向かう90mmの位置において外径を測定し、中央部の外径と両端部方向へ各90mmの位置における外径の平均値との差をローラクラウン量とする。例えば、ローラ長250mmの導電性ローラにおいては、一方の端から35mm、125mm、215mmの3点において外径を測定する。その際、一方の端から35mm位置における外径をA(mm)、125mm位置における外径をB(mm)、215mm位置における外径をC(mm)とすると、クラウン量(μm)は下記計算式(1)、
クラウン量(μm)={B−(A+C)/2}×1000 (1)
で求めることができる。
【0055】
また、本発明の導電性ローラにおいては、振れ(膜厚精度)を、ローラ長さ方向全領域において、70μm以下とすることが好ましい。導電性ローラを帯電ローラとして使用して、感光体と接触させながら回転させた場合、導電性ローラの振れが大きいと、導電性ローラと感光体との間に空隙が生じ、さらに、その空隙距離も様々になってしまう。この場合、感光体上に残留しているトナー粒子および外添剤が、その空隙に侵入しやすくなり、導電性ローラにムラとなって付着する。そのため、ローラ表面がまだらに汚れて、画像不良の原因となってしまう。なお、本発明において導電性ローラの振れの測定は、ミツトヨ(株)製の高精度レーザ測定機LSM−430vを用いて行うことができる。この測定機により、外径を、ローラ長さ方向各5点について測定し、各点について測定した外径の最大値と最小値との差の平均値を振れとする。
【0056】
続いて、本発明の導電性ローラの製造方法について説明する。
本発明の導電性ローラの各層は、ディッピング法、スプレー法、ロールコーター法、ダイコート法、リング塗装法等の公知の手法を用いて形成することができるが、すべての層をディップ塗装により形成するのが好ましい。従来は、表層等の形成のためのディップ塗装設備の他に、押出成形もしくは金型成形によって弾性層を形成する際の押出機や金型が必要であるが、ディップ塗装設備だけで済ませることができ、弾性ローラの製造に必要な設備コストを大幅に削減することができる。特に、ローラ径の小さなローラの場合、少ない層数で弾性ローラを形成することができ、一層有利なものとなる。
【0057】
図4は、図2に示すタイプの導電性ローラ20を製造する一好適な工程の流れを示す工程図であり、図4に基づいて、導電性ローラ20の製造方法について説明する。図示する製造工程には、シャフト1を用意しこれを供給するシャフト供給工程と、シャフト1上に弾性層2をディップ塗装する弾性層ディップ塗装工程と、弾性層2を強制乾燥させる弾性層乾燥工程と、弾性層2の半径方向外側に抵抗調整層5をディップ塗装する抵抗調整層ディップ塗装工程と、抵抗調整層5を強制乾燥させる抵抗調整層乾燥工程と、抵抗調整層5の半径方向外側に表層3をディップ塗装する表層ディップ塗装工程と、表層3を強制乾燥させる表層乾燥工程と、が含まれ、表層乾燥工程を終えた導電性ローラ20は、例えば、検査工程等の次の工程に移される。
【0058】
弾性層2と抵抗調整層5との間や抵抗調整層5と表層3との間に他の層を形成する場合には、弾性層乾燥工程と抵抗調整層ディップ塗装工程との間や、抵抗調整層乾燥工程と表層ディップ塗装工程との間に、この他の層をディップ塗装する工程とその後に続くディップ塗装された層を乾燥させる工程とを設ければよく、半径方向内側の層から順に、ディップ塗装と乾燥とを繰り返すことにより導電性ローラ20を形成することができる。
【0059】
これらの層をディップ塗装にて形成するにあたっては、通常、工業的には、30本以上の複数本のローラをハンガーに垂直に吊るし、これらのローラを同時に、各層を構成する材料の溶液に浸漬して引き上げ、送風により乾燥させる方法がとられる。この場合、塗料塗布時における塗料や塗布されるローラの温度管理および乾燥のための送風条件を厳格に制御することが、良好な層を得るために重要である。
【0060】
また、上記の工程を実現するための設備としては、それぞれの層をディップ塗装する溶液を満たしたディップ槽、ディップされた層を乾燥させるための送風機、それぞれの工程で形成途中のローラの温度を制御するための温度調節槽、および、ローラを搬送するための搬送コンベアが必要となる。複数のサイズの導電性ローラを、順に、切り替えながら生産する場合は、ディップ槽等の設備を、異なるサイズで兼用するのが、設備コストを抑制するうえで好ましい。
【0061】
上記溶液を調製するための溶媒としては、各層を構成する材料の種類などに応じて適宜選定すればよく、弾性層2を形成するにあたっては、溶媒として水を用い、それ以外の層、例えば、表層3の基材樹脂としてフッ素樹脂を用いる場合には、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン等が好適に用いられる。
【0062】
厚肉の弾性層を形成する場合、一回のディップ塗装でできるだけ厚い付着量を得られるのが生産性の点で好ましい。そのためには、例えば、塗料中にセルロースを分散させた増粘剤を混合し、この塗料を溶かした溶液にシャフト1を浸漬して形成することにより、厚い付着量を得ることができる。
【0063】
塗料温度の管理については、ディップ槽にヒータおよび温度センサーを設け、塗布時の塗料温度を25〜35℃の範囲でほぼ一定に保持することが好ましく、具体的には塗料を上記温度範囲で±1℃の範囲に維持した状態でディッピングによる塗料塗布を行うことが好ましい。また、ローラの温度管理については、塗料に浸漬する直前の全てのローラをヒータや温風によりほぼ均一の温度に調整することが好ましく、より具体的には30℃以上の温度にローラを加熱し、各ローラの温度のばらつきを全ローラの平均温度の±1℃とすることが好ましい。さらに、送風条件については、ハンガーに吊るした複数本のローラに対して、下方から上方へと向けて送風することにより乾燥を行うことが好ましく、さらには全ローラの表面各所における空気流の速度のばらつきを±0.1m/s以内とすることか好ましい。そして、これら塗料温度管理、ローラ温度管理および送風条件管理を行うことにより、塗料の液ダレや膜張り、または気泡の発生などを生じることなく、抵抗調整層5、表層3、接着剤層などを良好に形成することができる。
【0064】
図5は、溶液中からシャフト1を引き上げて弾性層を形成する途中の状態を示すディップ槽の側面図である。図示する導電性ローラは図3に示すタイプのクラウン形状を有する導電性ローラ30であり、導電性ローラ30は、感光ドラムに押圧される際長さ方向に均一な当たり面を形成することが重要で、そのため、長さ方向中央部が端部よりも径が大きいクラウン形状とするのが好ましい。図5に示すように、ハンガー8に吊るされたシャフト1を、ディップ槽9の溶液6から引き上げる時の引き上げ速度を引き上げ位置に応じて変化させることにより、弾性層2の長さ方向中央部で厚く、弾性層2の長さ方向端部で薄くなるよう形成途中の弾性層7の付着量を制御して、クラウン形状の弾性ローラ30を形成することができる。この場合、抵抗調整層および表層の厚さを長さ方向に変化させる必要がなく、例えば、抵抗調整層、もしくは表層の厚さを長さ方向中央部で厚く端部で薄くしてクラウン形状の弾性ローラを形成した場合に、これらの層が薄肉の層であるがゆえに発生する可能性のある、電気的特性の長さ方向のバラツキを防止することができる。
【0065】
本発明の導電性ローラの製造においては、弾性層を形成する際に用いる本発明のウレタン樹脂組成物を発泡させて発泡塗料を調製するにあたって、メカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法を採用することができるが、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌により発泡させるメカニカルフロス法が好ましい。下記する手法は、弾性層中の気泡をより微細化することができるため、特に好ましい。以下、メカニカルフロス法について説明する。
【0066】
図6に、メカニカルフロス法により本発明のウレタン樹脂組成物を発泡させて発泡塗料を製造するための攪拌装置の一例の模式図を示す。図中の攪拌装置101の容器102は、その内側に本発明のウレタン樹脂組成物を収容する。
【0067】
この容器102内のウレタン樹脂組成物を攪拌するための回転駆動力を伝達する回転軸103が垂直方向に延在し、その回転軸103の下方向の先端部、すなわち下端部を容器102内に位置させている。回転軸103の下端部近傍には、攪拌翼104が取り付け固定されている。回転軸103の回動によって攪拌翼104は、回転軸103近傍でこの回転軸103に沿う方向にウレタン樹脂組成物の流動を生じさせる。具体的には、回転軸103が正転方向の回転の場合には、ウレタン樹脂組成物の流動方向が容器102の底面から液面に向かう方向になり、反対に回転軸103が逆転方向の回転の場合には、ウレタン樹脂組成物の流動方向が液面から容器102の底面に向かう方向になる。
【0068】
攪拌翼104の周りには、円筒形状の固定筒体105が、攪拌翼104に近接して設けられている。図示した攪拌装置101の例では、固定筒体105は、この固定筒体105上方の梁106から固定筒体105に向けて延びる複数の支持棒7によって支持固定されている。この梁106は、攪拌装置101のベース108から立設された支柱109の上端近傍に取り付けられている。
【0069】
梁106には回転軸103の上端部と接続して当該回転軸103を正転方向及び逆転方向のいずれにも回転させることのできるモータ110が設けられている。
【0070】
このような構成を有する攪拌装置101を用いて、容器102に収容した本発明のウレタン樹脂組成物を攪拌する。このとき、まず攪拌装置101の攪拌翼104を、ウレタン樹脂組成物の回転軸103近傍の流動方向が液面から容器102の底面になるように回転(逆転運転)させ、ウレタン樹脂組成物を発泡させる。その後、この攪拌翼の回転の向きを切り替えて、ウレタン樹脂組成物の回転軸103近傍の流動方向が容器102の底面から液面になるように攪拌翼104を回転(正転運転)させ、ウレタン樹脂組成物の気泡を微細化する。
【0071】
上記方法による気泡の発泡および微細化を詳述すると、まず固定筒体105の内側で攪拌翼104が回転軸103の逆転方向に回転する場合、すなわち、ウレタン樹脂組成物の回転軸103近傍の流動方向が図中矢印Aで示すように容器102の液面から底面になる場合、図7(a)に容器102近傍の模式図を示すように、回転速度がおよそ5000〜15000rpmで攪拌翼104によって回転軸103の周りに渦を生じさせウレタン樹脂組成物の液面から空気を巻き込んで気泡を発生させる。攪拌翼104の位置は、発泡開始時において容器102の底面およびウレタン樹脂組成物の液面からほぼ等距離にある位置とするのが好ましい。
【0072】
気泡が発生した状況を図7(b)に模式的に示す。気泡の発生により、ウレタン樹脂組成物の体積が大きくなる。なお、発生した気泡は、気泡径の、ばらつきが大きいものである。発泡前のウレタン樹脂組成物の体積に対する発泡後のウレタン樹脂組成物の体積の倍率、すなわち体積倍率が所定の値、例えば2倍(発泡体の比重は0.5)になったときに攪拌翼104の回転を止める。この体積倍率の調整によって、製造する発泡体の比重を調整することができる。
【0073】
その後に固定筒体105の内側で攪拌翼104が回転軸103の正転方向に回転する場合、すなわち、ウレタン樹脂組成物の回転軸103近傍の流動方向が図7(c)中の矢印Aに示すように容器102の底面から液面になる場合、回転速度がおよそ2000〜8000rpmでウレタン樹脂組成物中の気泡に対して固定筒体105内の攪拌翼104でせん断力を作用させて、気泡を微細化する。
【0074】
上記の製造方法によれば、攪拌翼104の逆転運転によって発泡させた気泡を攪拌翼104の正転運転によって微細化できるので、気泡が微細で、かつ、気泡径のバラツキが小さい発泡体を製造することができる。
【0075】
上記の製造方法に用いる攪拌装置101は、攪拌翼104および固定筒体105が、上述のように逆転運転のときに空気を巻き込んで気泡を発生させ、正転運転のときに固定筒体5内の攪拌翼104でせん断力を作用させて、気泡を微細化することのできる形状を有している。固定筒体105は、側面にその厚さ方向に貫く孔を具備していてもよい。このような形状の攪拌翼104および固定筒体を有する攪拌装置としては、例えば、液体の分散機や乳化機、またはホモミキサーと呼ばれるものを適用することが可能である。
【0076】
攪拌翼の回転の向きを逆転運転から正転運転に切り替える時は、ウレタン樹脂組成物を発泡させた後、発泡前のウレタン樹脂組成物の体積に対する発泡後のウレタン樹脂組成物の体積の倍率が所定の倍率に達した時に攪拌翼の回転を止めることが好ましい。その理由は、目標の発泡倍率として所定の体積倍率まで発泡した時点で回転を止めることで、製造する発泡体で目標とする比重を任意に制御することができるからである。これにより、発泡体の比重の調整を容易に、かつ正確に行うことができる。
【0077】
逆転運転によりウレタン樹脂組成物を発泡させるときの攪拌翼の回転速度は5000〜15000rpmとするのが好ましい。5000rpmに満たないと十分に発泡できず、そのため生産効率の点で好ましくない。また、15000rpmを超えると、塗料にかかるせん断エネルギーに起因する発熱が著しく、その熱で架橋反応または造膜し易くなる点で好ましくない。より好ましい範囲は、8000〜10000rpmである。
【0078】
正転運転により、ウレタン樹脂組成物の泡を微細化するときの攪拌翼の回転速度は2000〜8000rpmとするが好ましい。回転速度が高いほど、気泡を微細化することができ、2000rpmに満たないと、気泡を十分に微細化できず、均一な導電性が達成できない点で好ましくない。また、8000rpmを超えると、液流が激しくなり過ぎて、外気から空気を新たに巻き込み、比重の制御が困難になる点で好ましくない。より好ましい範囲は、4000〜6000rpmである。
【0079】
以上、導電性ローラ20、30を例にとって導電性ローラの製造方法について説明したが、これ以外の導電性ローラについても、すべての層をディップ塗装で形成する方法を用いることができ、同様の効果を得ることができる。
【実施例】
【0080】
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
水系塗料(アクリロニトリル−アクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸−メタクリル酸グリシジル共重合物の水性エマルション)100質量部に対し、エポクロス(オキザゾリン基含有スチレン−アクリル共重合物のエマルション)5質量部、水分散カーボン10質量部、ファインシールX−12(親水性シリカ)7.5質量部、SNデフォーマー777(消泡剤)1質量部、SNウェット970(湿潤剤)1質量部、UH420(増粘剤)1.6質量%を配合し、撹拌機で撹拌した。各成分を配合した水系塗料をメッシュでろ過し、凝集物を取り除いた。シャフト1を、この水系塗料にディッピング塗布して熱乾燥することにより、シャフト1の外周に、厚み100μmの接着層4を形成した。
【0081】
次に、下記表1および2に示す配合で実施例1〜6および比較例1〜8のウレタン樹脂組成物を調製した。まず、ウレタン樹脂組成物を容器に230gとなるように計量して攪拌機で30分間攪拌した。その後、24時間静置し、ホモミキサー(プライミクス(株)製TKロボミクス)を用いて、攪拌翼を樹脂原料液が液面から容器の低面に向う方向に5,000rpmで10分間回転さて樹脂原料を発泡させた後、攪拌翼を樹脂原料が容器の低面から液面に向うように4,000rpmで5分間回転させて気泡を微細化することにより、発泡ウレタン水分散液とした。なお、使用した発泡剤1〜9の詳細については、表3にまとめる。得られた発泡ウレタン水分散液をディッピングにて、予め接着層を形成した上記シャフト1に塗装し、熱風オーブンで乾燥、硬化させることで層厚が1.2mmの弾性層を形成した。
【0082】
次いで、水系塗料(アクリルシリコン樹脂,EX102SI、日本触媒(株)製)100質量部に対し、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(CS−12,チッソ(株)製)70質量部、水系シリコーングラフトアクリルポリマー(サイマックUS−450、東亞合成(株)製)8質量部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK−333,ビックケミー・ジャパン(株)製)27質量部、含フッ素ノニオン系界面活性剤(フタージェント215M,(株)ネオス製)2質量部、シリカ(ファインシールX−12,(株)トクヤマ製)10質量部、ナイロン粒子(ガンツパールGPA−550,ガンツ化成(株)製)15質量部、黒色有機顔料の水系分散液(BONJET BLACK CW−3(オリエント化学(株)製)10質量部を配合し、撹拌機で撹拌した。得られた水系塗料を、上記弾性層2上にディッピング塗布し、室温で30分間、110℃で20分間乾燥することにより表層3を形成して、各導電性ローラを得た。
【0083】
得られたローラにつき、下記手順で弾性層のセル径の平均、セル径の標準偏差、弾性層凹み率およびモヤ画像の発生の有無につき評価した。
【0084】
<弾性層平均セル径の測定>
得られた各ローラから弾性層を肉厚1.2mmで切り出し、デジタルマイクロスコープ((株)キーエンス製VHX−100)にて画面上で大きいものからセルの直径を30点測定し、平均と標準偏差を求めた。得られた結果を表1および2に併記する。
【0085】
<弾性層凹み率の測定>
1mm厚みに作製した発泡弾性層シートの上に、φ6mmの円柱上の重りを乗せ、その上から500gfの荷重をかけた状態で、40℃×95%の高温高湿環境下で3日間静置した。その後、シートを取り出し、重り跡を断面が観察できるように切り出し、デジタルマイクロスコープにて荷重部の凹み量と非荷重部の厚みを測定し、下記式、
凹み率=凹み量/非荷重部厚み
を用いて算出した。得られた結果を表1および2に併記する。なお、弾性層凹み率が3%以下であれば、弾性層の弾性は良好であるといえる。
【0086】
<モヤ画像の評価>
キヤノン製プリンターLBP5000に、導電ローラを組み込んだCRG307をセットした後、ハーフトーンパターンで印刷し、モヤ発生有無を確認した。モヤが発生した場合を×、モヤが発生しなかった場合を○として、結果を表1および2に示す。
【0087】
【表1】

※:製膜時にクラックが発生して評価不可
【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
ウレタン樹脂:アデカボンタイターHUX−950((株)ADEKA製)
整泡剤:ネオゲンS−20D(第一工業製薬(株)製)
湿潤剤:SNウェット125(サンノプコ(株)製)
消泡剤:SNデフォーマー777(サンノプコ(株)製)
導電剤:BSYD15007(御国色素(株)製)
架橋剤:デナコールEX−313(ナガセケムテックス製)
耐水化剤:AZコート5800MT(サンノプコ(株)製)
発泡助剤:ノプコDC−100−A(サンノプコ(株)製)
【0091】
表1および2の結果より、本発明のウレタン樹脂組成物を用いて弾性層を形成した導電性ローラは、高弾性であり、かつ、気泡が微細であるためモヤ画像の発生を抑えることができていることがわかる。また、実施例3〜6を見ると、発泡助剤を併用すると、弾性層凹み率を3%以下に維持しつつ、セル径の平均、およびセル径のバラツキ(セル径標準偏差)を小さくすることができることがわかる。
【符号の説明】
【0092】
1 シャフト
2 弾性層
3 表層
4 接着層
5 抵抗調整層
6 溶液
7 形成途中の弾性層
8 ハンガー
9 ディップ層
10,20,30 導電性ローラ
101 攪拌装置
102 容器
103 回転軸
104 攪拌翼
105 固定筒体
106 梁
107 支持棒
108 ベース
109 支柱
110 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側鎖にカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、エポキシ基を有する架橋剤と、発泡剤として糖と炭素数16〜24の分岐を有さない飽和脂肪酸とからなるエステルと、を含むことを特徴とするウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
前記脂肪酸がステアリン酸である請求項1記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
発泡助剤を含有する請求項1または2記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記糖がスクロースである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記発泡助剤がステアリン酸アンモニウムである請求項1〜4のうちいずれか一項記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
シャフトと、該シャフトの外周に順次形成された弾性層および表層と、を備える導電性ローラにおいて、
前記弾性層が請求項1〜5のうちいずれか一項記載のウレタン樹脂組成物を用いて形成されていることを特徴とする導電性ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−1788(P2013−1788A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133822(P2011−133822)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】