説明

エコ運転支援装置及び方法

【課題】 エコ運転に有効な情報をドライバの認識し易い表示形態で表示することができるエコ運転支援装置を提供する。
【解決手段】 エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態を表示するエコ運転支援装置であって、エコ判断部22は、エコ運転状態量をエンジン始動しきい値Gに対する相対量で図形表示させる際の表示制御を、エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させるエンジン始動しきい値Gと、エンジンが始動状態にあることを示す表示から始動状態にないことを示す表示に変更させる、エンジン始動しきい値Gとは異なる値である表示変更しきい値Hとに基づいて行うものであり、エンジン始動しきい値Gは、実際の車両制御でエンジンの始動が行われるしきい値である構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバのエコ運転を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点からドライバのエコ運転を支援するエコ運転支援装置が車両に搭載されるようになってきた。例えば、アクセルの踏み込み量やエンジンとトランスミッションの効率、さらには走行速度や加速度などから燃費のよい走行状態(以下、燃費のよい走行状態をエコ運転状態と呼ぶ)にあるか否かをエコ運転支援装置が判定し、エコ運転状態にあると判定される場合には、LED(Light Emitting Diode)を点灯させる技術が提案されている。また、車両が走行中のある瞬間での燃料消費率を計算して、瞬間燃費として表示する技術も知られている。
【0003】
この他に、エコ運転を支援する表示として、特許文献1では、マークで表示される目標燃費と、バーグラフで表示される瞬間燃費の大きさを共通の指標で示している。また、特許文献2では、ハイブリッド車両において、エンジン回転数を数値にて表示すると共に、このエンジン回転が車両の走行とバッテリの充電にどのように配分されるのかを表す配分比率を表示している。
【0004】
【特許文献1】特開2000−205925号公報
【特許文献2】特開平11−220808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ドライバのエコ運転を支援する情報を表示するときには、車両の運転状態を表す運転状態量とエコ運転であるか否かを判定する判定しきい値とを比較して、比較結果を表すエコ運転情報を表示させている。ドライバはエコ運転情報を参照して車両の状態がエコ運転状態にあるか否かを判定している。また、エコ運転情報の表示の際に、エンジンが始動状態にあるか否かを判定して、判定結果を表示する場合がある。このとき、エコ運転情報がエコ運転状態を表しているのに、エンジンが始動した状態にあると、エコ運転情報とエンジンの運転状態を表す情報とにずれが生じドライバにとって紛らわしい表示となってしまう。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エコ運転情報の表示と、エンジンの運転状態とのずれを軽減させることができるエコ運転支援装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために本発明のエコ運転支援装置は、エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態を表示するエコ運転支援装置であって、車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するエコ運転状態量算出手段と、前記エコ運転状態量を前記車両の運転状態がエコ運転状態にあるか否かを示すエコ表示しきい値に対する相対量で図形表示させると共に、前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記エコ運転状態量を前記始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる際の表示制御を、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から始動状態にないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは異なる値である第2の表示変更しきい値とに基づいて行うものであり、前記第1の表示変更しきい値は、実際の車両制御で前記エンジンの始動が行われるしきい値である構成を採用している。
エコ運転状態量と、第1の表示変更しきい値と第2の表示変更しきい値との比較によってエコ運転状態量の始動表示しきい値に対する図形表示が制御されるので、エコ運転情報の表示と、エンジンの運転状態とのずれを軽減させることができる。
【0008】
上記エコ運転支援装置において、前記第1の表示変更しきい値は、前記第2の表示変更しきい値よりも、エコ運転状態のエコ度合いが悪い側に設定されるとよい。
【0009】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御してもよい。
従って、エコ運転情報と、エンジンの運転状態とのずれを軽減させることができる。
【0010】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値を超えて前記第1の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示制御するとよい。
従って、エンジンの始動に合わせてエコ運転状態量を始動表示しきい値よりもエコ度合いが悪い側に表示させることができる。
【0011】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値を超えて前記第1の表示変更しきい値に達し、車両制御手段によって前記エンジンの始動が行われた場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示を制御するとよい。
従って、エンジンの始動に合わせてエコ運転状態量を始動表示しきい値よりもエコ度合いが悪い側に表示させることができる。
【0012】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御するとよい。
従って、エコ運転状態量をエンジンの状態に合わせた表示とすることができる。
【0013】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値に達し、車両制御手段によって前記エンジンが停止された場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御するとよい。
従って、エコ運転状態量をエンジンの状態に合わせた表示とすることができる。
【0014】
上記エコ運転支援装置において、前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値を超えて前記第2の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが良い側に超えるように表示を制御するとよい。
従って、エコ運転状態量をエコ度合いに合わせた表示とすることができる。
【0015】
上記エコ運転支援装置は、前記エンジンが始動された場合には、前記エンジンが始動されてから所定時間の間は前記エンジンを始動状態に維持する制御を行うハイブリッド車両に搭載されるとよい。
【0016】
本発明のエコ運転支援装置は、エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態を表示するエコ運転支援装置であって、車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するエコ運転状態量算出手段と、前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記エコ運転状態量を前記始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる際の表示制御を、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から始動状態にないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは異なる値である第2の表示変更しきい値とに基づいて行うものであり、前記第1の表示変更しきい値は、実際の車両制御で前記エンジンの始動が行われるしきい値である構成を採用している。
【0017】
本発明のエコ運転支援方法は、エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態量を表示手段に表示して、運転者の運転操作を支援するエコ運転支援方法であって、車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するステップと、算出したエコ運転状態量と、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から前記始動状態にはないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは値の異なる第2の表示変更しきい値とを比較して、前記エコ運転状態量を前記車両がエコ運転状態にあるか否かを示すエコ表示しきい値に対する相対量で図形表示するステップと、前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させるステップとを有している。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、エコ運転に有効な情報をドライバの認識し易い表示形態で表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本実施例の最良の実施例を説明する。
【実施例】
【0020】
まず、図1を参照しながら本実施例の構成を説明する。図1には、エコ運転を支援するエコ運転支援システム1Aの構成を示す。なお、本明細書におけるエコの定義として、エコノミーとエコロジーの両方、又は何れか一方の意味を持つものとする。
エコノミーとは、燃料の消費を抑えて燃料を節約(省燃費)することを意味する。また、エコロジーとは、化石燃料の消費を抑えたり、又は化石燃料の燃焼などによって生じる有害物質や二酸化炭素の発生、排出を抑えることを意味する。
【0021】
図1に示すエコ運転支援システム1Aは、エンジン及びトランスミッションの制御を行うパワートレインECU(Electronic Control Unit)10と、ハイブリッドシステムの制御を行うハイブリッドECU(以下、HV−ECUと表示する)20と、インジケータパネル40の表示を制御するメータECU30と、モータ・ジェネレータの制御を行うモータ・ジェネレータECU50とを車内通信バスによって接続したシステム構成を有している。なお、ハイブリッドシステムとは、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにエンジンとモータとを駆動制御するシステムであって、図1に示すHV−ECU20、パワートレインECU10やモータ・ジェネレータECU50等がこれに含まれる。
また、図1には、車内通信バスに接続するECUとしてパワートレインECU10と、HV−ECU20と、メータECU30と、モータ・ジェネレータECU50とを図示しているが、車内通信バスには、その他複数のECUが接続された構成であってもよい。
また、図1に実線で示す矢印は、信号の物理的な接続状態を表しており、図1に点線で示す矢印は、データの流れを表している。
【0022】
パワートレインECU10は、各種センサ2から吸入空気量や空燃比等を表すセンサ信号を取得して、取得したセンサ信号に基づいて燃料噴射量、点火時期、変速タイミング等の制御指令値の演算を行う。また、この演算結果に基づいてインジェクタや点火コイル等のアクチュエータを制御する。
【0023】
HV−ECU20は、不図示のバッテリECU、エンジンECUや、モータ・ジェネレータECU50等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステムの全体を制御する。本実施例では、HV−ECU20がエコ運転支援装置としての機能を有しており、HV−ECU20にはHV制御部21の他に、エコ判断部22が設けられている。
【0024】
HV制御部21は、各種センサ2によって測定されたセンサ信号や、他のECUから出力された信号を入力して、ハイブリッドシステムを制御する制御信号を生成する。生成した制御信号は、パワートレインECU10やモータ・ジェネレータECU50に出力される。
また、HV制御部21は、エコ判断部22にハイブリッドシステムの状態を示すHV状態信号を出力する。このHV状態信号には、車両パワー、車両の限界出力パワー、バッテリの充電許可電力などが含まれる。
【0025】
エコ判断部22は、HV制御部21から出力されるHV状態信号と、各種センサ2によって測定されたセンサ信号とを入力する。エコ判断部22に入力されるセンサ信号には、アクセル開度センサ(不図示)によって測定されるアクセル開度、車速センサ(不図示)によって測定される車速、シフトポジションセンサ(不図示)によって検出されるシフト位置、車両の制御モード(パワーモード、スポーツモード等)を切り替えるスイッチの状態などが挙げられる。
エコ判断部22は、入力したHV状態信号とセンサ信号とをもとに車両の運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態量を算出する。エコ運転状態量の詳細については後述する。
また、エコ判断部22は、算出したエコ運転状態量に基づいて、車両の運転状態がエコ運転状態にあるのか、非エコ運転状態にあるのかを判定する。この処理の詳細についても後述する。
エコ判断部22は、エコ運転状態量や、車両が現在エコ運転状態にあるか否かを判定した判定結果等を示すエコ状態信号をメータECU30の通知制御部31に出力する。
【0026】
メータECU30は、インジケータパネル40の表示を制御するECUである。本実施例では、メータECU30は、エコ判断部22からエコ状態信号を取得して、インジケータパネル40のエコ表示部41にエコ状態信号に基づいて生成したエコ運転の状態を表す表示をリアルタイムに表示させる。
インジケータパネル40には、車両がエコ運転状態にあるか否かを表示するエコ表示部41が設けられている。エコ表示部41は、通知制御部31の制御に基づいて、エコ運転の状態をリアルタイムに表示する。エコ表示部41の具体的な表示内容については後述する。
【0027】
モータ・ジェネレータECU50は、HV−ECU20から出力される各種状態信号や各種制御信号に従って、モータ・ジェネレータの駆動を制御する。
【0028】
図2には、HV−ECU20、パワートレインECU10、メータECU30やモータ・ジェネレータECU50のハードウェア構成を示す。これらのECU20、10、30、50には、ECUによる制御処理を実現するためのプログラムや、特に、HV−ECU20においては後述するエコ判断のためのプログラムなどが格納されたROM26と、ROM26に格納されたプログラムを読み込んで処理を実行する中央処理装置(CPU)25と、演算時に使用する一時的なデータを保存するRAM28と、データの入出力部27などを有している。
【0029】
次に、エコ判断部22で生成されるエコ運転状態量について説明する。
本実施例ではエコ運転状態量を車両パワーに基づいて算出する。ハイブリッド車両においては、電力で駆動されるモータと、エンジンとが設けられているので、モータとエンジンの双方で発生するエネルギーを1つの基準で表すために車両パワーを用いる。車両パワーは、電力量や仕事率と表現され、エンジンのトルクとエンジン回転数との積と、モータのトルクとモータの回転数との積との和で求めることができる。
エコ判断部22は、まず、各種センサ2から車速を取得すると共に、HV制御部21から車両パワーを取得する。次に、図3に示すエコ判定しきい値マップを参照して、現在の車速において、車両がエコ運転状態にあると判定できる車両パワーの上限値(以下、この値をエコ判定しきい値と呼ぶ)を求める。このエコ判定しきい値マップには、車速に応じて設定されたエコ判定しきい値が記録されている。また、このエコ判定しきい値マップには、車速に応じて設定された、エンジンの始動が必要な車両パワー(以下、エンジン始動しきい値(第1の表示変更しきい値に該当する)Gと呼ぶ)も記録されている。
エコ判断部22は、図3に示すエコ判定しきい値マップを参照して、車両パワーのエコ判定しきい値とエンジン始動しきい値とを求めると、これらの値とHV制御部21から取得した現在の車両パワーとに基づいてエコ運転状態量を算出する。エコ運転状態量の具体的な算出方法については、図4を参照しながら説明する。
【0030】
図4には、インジケータパネル40のエコ表示部41に表示されるエコバー表示60の一例を示す。
なお、このエコバー表示60は、エコ判断部22から通知されるエコ状態信号等に基づいて、メータECU30の通知制御部31で表示画像を作成することで、エコ表示部41に表示される。
エコバー表示60は、エコ運転状態量をエコ判定しきい値に対する相対量で図形表示するものである。また、エコ運転状態量をエンジン始動しきい値Gに対する相対量で図形表示するものである。
【0031】
エコバー表示60には、図4(A),(B),(C),(D)に示すように、ドライバの要求するエコ運転状態量のバー表示61と、HVエコ運転領域62(図4に示すO−A区間)と、エコ運転領域63(図4に示すA−B区間)と、非エコ運転領域64(図4に示すB−C区間)と、回生運転領域(図4に示すO−P間)65と、エンジンの始動しきい値(図4(A),(B),(C),(D)に示すG点)と、エコ判定しきい値(図4(A),(B),(C),(D)に示すB点)とが表示される。
【0032】
図4(A)には、エコ運転状態量のバー表示61をHVエコ運転領域62内に表示した例を示す。エコ運転状態量のバー表示61がHVエコ運転領域62内に表示されている時には、車両がモータで走行している状態を表示している。HVエコ運転領域62では、車両で発生する現在の車両パワーの、エンジン始動しきい値Gに対する相対量でエコ運転状態量を表示している。
HVエコ運転領域62でのエコ運転状態量の算出式を以下に示す。
エコ運転状態量=(現在の車両パワー/エンジン始動しきい値)×50[%]・・・(1)
また、HVエコ運転領域62の上限値が、エンジンの始動しきい値Gとなっている。エンジン始動しきい値Gは、ドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gよりも高くなった場合に、エンジンを始動させるしきい値である。
【0033】
図4(B)には、エコ運転状態量のバー表示61をエコ運転領域63内に表示した例を示す。ドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gを超えると、エコ運転状態量がエコ運転領域63に表示される。すなわち、エンジンが始動状態にある時には、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界上、又はエンジン始動しきい値Gよりもエコ度合いが悪い側に位置するように表示される。
エコ運転状態量のバー表示61がHVエコ運転領域62内に表示されている時には、車両がモータとエンジンとで走行し、車両の運転状態がエコ運転状態にあることを示している。
エコ運転領域63では、車両の現在の車両パワーと、エンジン始動しきい値と、エコ判定しきい値とを用いて以下に示す式(2)でエコ運転状態量を求める。
エコ運転状態量={(現在の車両パワー−エンジン始動しきい値)/エコ判定しきい値−エンジン始動しきい値}×50[%]+50[%]・・・(2)
【0034】
図4(C)には、エコ運転状態量のバー表示61を非エコ運転領域64内に表示した例を示す。ドライバの要求する車両パワーがエコ判定しきい値を超えると、エコ運転状態量が非エコ運転領域64内に表示される。エコ運転状態量のバー表示61が非エコ運転領域64内に表示されているときには、車両が非エコ運転状態にあることを示している。
非エコ運転領域64でのエコ運転状態量も上述した式(2)によって求められる。
【0035】
図4(D)には、エコ運転状態量のバー表示61を回生運転領域65内に表示した例を示す。回生ブレーキ等の操作によって車両の運転状態が回生運転状態にあると、エコ運転状態量のバー表示61が回生運転領域65内に表示される。
回生運転領域65でのエコ運転状態量は以下に示す式(3)によって求められる。
エコ運転状態量=(現在の車両パワー/回生限界値)×−100[%]・・・(3)
なお、回生限界値は、回生によって発電可能な限界値や、充電可能な限界値などが設定されている。
【0036】
図4(A)〜(D)に示すO点は原点位置であり、エコ運転領域63と回生運転領域65との境界線を示している。エコ運転状態量がO点に表示されると、エコ運転状態量が0%であることを示している。
【0037】
なお、エンジン始動しきい値Gは、車速やバッテリ残量等によって変動し、最小値は0[kW]となる。すなわち、エンジン始動しきい値が0[kW]のときには、O点とA点とで同じ0[kW]を表すことになる。
【0038】
また、エコ運転状態量は、図5に示すマップから算出してもよい。マップを利用してエコ運転状態量を算出することで、エコ運転状態量の算出を簡略化することができる。
図5に示すマップは、横軸が車両パワー[kW]を示し、縦軸がエコ運転状態量[%]を表す。マップに示すA’点がエンジンの始動しきい値を示す。また、A点は、バー表示61をHVエコ運転領域62からエコ運転領域63に切り替える表示変更しきい値を表す。A’点とA点でのエコ運転状態量は、50[%]を示す。
また、マップに示すB点がエコ判定しきい値を示す。B点でのエコ運転状態量は、100[%]である。また、C点がエコ運転状態量が150[%]の状態を示し、P点は回生限界値を示す。P点でのエコ運転状態量は、−100[%]を表す。
なお、Px<Ox≦Ax≦A’x≦Bx<Cxとする。Pxはマップに示すP点のX座標値、Oxはマップに示すO(原点)のX座標値、Axはマップに示すA点のX座標値、A’xはマップに示すA’点のX座標値、Bxはマップに示すB点のX座標値、Cxはマップに示すC点のX座標値を示す。
【0039】
本実施例は、ドライバがエコ運転状態量をHVエコ運転領域62に調整しやすいようにエンジン始動しきい値Gの他に表示変更しきい値H(第2の表示判定しきい値に該当する)を設けている。
この表示変更しきい値Hをエンジン始動しきい値Gよりも上側(すなわち、エンジン始動しきい値Gよりもエコ度合いの悪い側)に設定した場合を、図6を参照しながら説明する。なお、図6(A)及び(C)には、エンジン始動しきい値Gを表すマップと、このエンジン始動しきい値Gの上側に設定した表示変更しきい値Hを表すマップと、ドライバの要求する車両パワーとを示す。また、図6(B)には、ドライバの要求する車両パワーが図6(A)の状態にあるときのエコバー表示60の例を示し、図6(D)には、ドライバの要求する車両パワーが図6(C)の状態にあるときのエコバー表示60の例を示す。
ドライバのアクセル操作によって、ドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gと表示変更しきい値Hとの間に位置した場合(図6(A)参照)、エコ判断部22はエコ運転状態量を表すバー表示61をHVエコ運転領域62の上限(すなわち、エンジン始動しきい値Gの位置)に一致するように表示する(図6(B)参照)。そして、図6(C)に示すようにドライバの要求する車両パワーが、エンジン始動しきい値Gの上側に設けた表示変更しきい値Hを超えると、エコ判断部22は車両パワーを表すバー表示61をエコ運転領域63に移行させる(図6(D)参照)。
【0040】
しかしながら、車両パワーが、エンジン始動しきい値Gと表示変更しきい値Hとの間に位置する場合、エンジンは始動状態にあり、HVエコ運転領域62の上限値として表示させたバー表示62の表示内容と矛盾する。
【0041】
そこで、本実施例では、表示変更しきい値Hをエンジン始動しきい値Gの下側(すなわち、エンジン始動しきい値Gよりもエコ度合いの良い側)に設定する。この場合について、図7を参照しながら説明する。なお、図7(A)及び(C)には、エンジン始動しきい値Gを表すマップと、このエンジン始動しきい値Gの下側に設定した表示変更しきい値Hを表すマップと、ドライバの要求する車両パワーとを示す。
また、図7(B)には、車両パワーが図7(A)の状態にあるときのエコバー表示60の例を示し、図7(D)には、車両パワーが図7(C)の状態にあるときのエコバー表示60の例を示す。
ドライバの要求する車両パワーが表示変更しきい値Hとエンジン始動しきい値Gとの間に位置すると(図7(A)参照)、エコ判断部22は、エコ運転状態量を表すバー表示61をHVエコ運転領域62の上限(すなわち、表示変更しきい値Hの位置)に一致するように表示する(図7(B)参照)。そして、図7(C)に示すようにドライバの要求する車両パワーがエンジン始動しきい値Gを超えると、車両パワーを表すバー表示61をエコ運転領域63に移行させる(図7(D)参照)。
また、エコ運転領域63に表示されていたエコ運転状態量がドライバのアクセル操作によって減少し、エンジン始動しきい値Gと表示変更しきい値Hとの間に位置した場合には、車両パワーを表すバー表示61をHVエコ運転領域62の上限に一致するように表示する(図7(B)に示す状態)。そして、車両パワーが表示変更しきい値Hよりも小さくなると、車両パワーを表すバー表示61をHVエコ運転領域62内に表示させる。
【0042】
このようにドライバの要求する車両パワーが表示変更しきい値Hとエンジン始動しきい値Gとの間にある間は、エコ運転状態量の表示に変化がないので、ドライバはエコ運転状態量をHVエコ運転領域62内であって、車両パワーが最大限に引き出せる位置に容易に操作することができる。また、表示変更しきい値Hを、エンジン始動しきい値Gの下側に設定したことにより、エコ運転状態量のバー表示61と、実際の車両状態とにずれが生じることがない。
【0043】
ここで、エコ判断部22がエコ運転情報の表示と、エンジンの運転状態とのずれを軽減させる表示制御について具体例を挙げて説明する。
エコ判断部22は、まず、エンジンが始動状態にないときに、エコ運転状態量が表示変更しきい値Hに達した場合に、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界上にあるように表示を制御する。従って、エコ運転情報の表示と、エンジンの運転状態とのずれを軽減させることができる。
また、エコ判断部22は、エンジンが始動状態にないときに、エコ運転状態量が表示変更しきい値Hを超えてエンジン始動しきい値Gに達した場合に、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示を制御する。従って、エンジンの始動に合わせてエコ運転状態量を始動表示しきい値よりもエコ度合いが悪い側に表示させることができる。
また、エコ判断部22は、エンジンが始動状態にないときに、エコ運転状態量が表示変更しきい値Hを超えてエンジン始動しきい値Gに達し、パワートレインECU10(車両制御手段)によってエンジンの始動が行われた場合に、エコ運転状態量がエンジン始動表示しきい値Gの境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示を制御する。従って、エコ運転状態量をエンジンの状態に合わせた表示とすることができる。
また、エコ判断部22は、エンジンが始動状態にあるときに、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gに達した場合に、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界上にあるように表示を制御する。従って、エコ運転状態量をエンジンの状態に合わせた表示とすることができる。
また、エコ判断部22は、エンジンが始動状態にあるときに、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gに達し、パワートレインECU10によってエンジンが停止された場合に、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界上にあるように表示を制御する。従って、エコ運転状態量をエコ度合いに合わせた表示とすることができる。
また、エコ判断部22は、エンジンが始動状態にあるときに、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gを超えて表示変更しきい値Hに達した場合に、エコ運転状態量がエンジン始動しきい値Gの境界をエコ度合いが良い側に超えるように表示を制御する。
なお、以上の制御は、エンジンが始動された場合には、エンジンが始動されてから所定時間の間はエンジンを始動状態に維持する制御を行うハイブリッド車両に搭載されたエコ運転支援システム1Aに用いて好適である。
【0044】
インジケータパネル40のエコ表示部41にエコバー表示60を表示させるためのエコ判断部22の処理手順について図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まずエコ判断部22は、各種センサ2から測定データを入力すると、入力したデータが正常であるか否かを判定する(ステップS1)。エコ判断部22は、入力したデータから各種センサ2が正常に動作しているか否かを判定する。例えば、所定時間以上継続して同一のデータを入力した場合には、各種センサ2に固着異常が発生していると判定する。
エコ判断部22は、測定データが正常ではないと判定すると(ステップS1/NO)、センサ2のフェール時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS8)。
【0045】
測定データが正常であると判定すると(ステップS1/YES)、エコ判断部22は、車両の状態がエコ運転表示(エコバー表示60)を提供可能な状態にあるか否かを判定する(ステップS2)。シフトレバーがバックやパーキングの位置にあったり、パワースイッチをオンする信号が入力されている場合には、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定する。
エコ判断部22は、エコ運転表示が可能な状態ではないと判定すると(ステップS2/NO)、除外時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS9)。
【0046】
次に、エコ判断部22は、図3に示すマップを参照してエコ判定しきい値を求める(ステップS3)。本実施例ではセンサ2から入力した車速に基づいてエコ判定しきい値を算出する。エコ判断部22は、図3に示すマップをメモリに記憶しており、各種センサ2のうちの車速センサで測定された車速から車両パワーの上限しきい値であるエコ判定しきい値を求める。なお、図3に示すマップは適合によって算出される。
【0047】
次にエコ判断部22は、ステップS3で求めたエコ判定しきい値と、各種センサ2の測定データ等から求めた現在の車両パワーとからエコ運転状態量を算出する(ステップS4)。エコ運転状態量は、上述した式(1)〜(3)で求めることができる。
【0048】
次に、エコ判断部22は、車両が現在停車状態にあるか否かを判定する(ステップS5)。各種センサ2のうちの車速センサから入力した車速に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。例えば、車速が2Km/hよりも小さくなったの場合には、車両が停止状態にあると判定し、車速が4Km/hよりも大きくなった場合には、車両が走行状態にあると判定する。また、車速が2Km/h以上で4Km/h以下の場合には、停車判定を直ちに行わずに、その後、車速の変化があるまで待機する。
車両が停止状態にあると判定した場合には(ステップS5/YES)、車両停止時のエコ運転状態量として0%を算出する(ステップS10)。
【0049】
次に、エコ判断部22は、算出したエコ運転状態量からバー表示61の表示状態を決定する。この処理の詳細については、図9に示すフローチャートを参照しながら後ほど説明する。
エコバー表示60の表示状態を決定すると、エコ判断部22は、エコ運転状態量や、エコバー表示60の表示状態等を表す情報を含んだエコ状態信号をメータECU20に通知する。メータECU20は、エコ判断部22により通知されたエコ状態信号に基づいてエコバー表示60をエコ表示部41に表示させる。
【0050】
次に、図9に示すフローチャートを参照しながらステップS6の詳細な手順について説明する。
まず、エコ判断部22は、エコ運転状態量の現在の表示位置がHVエコ運転領域62にあるか否かを判定する。この処理は、エコ判断部22がHV制御部21から取得した車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出し、算出したエコ運転状態量とエンジン始動しきい値Gとを比較することで判定を行ってもよいし、前回算出したエコ運転状態量のエコバー表示60上での表示位置をメモリに記録しておいてもよい。
エコ判断部22は、エコ運転状態量の表示位置がHVエコ運転領域62内にあると判定すると(ステップS11/YES)、HV制御部21から車両パワーを取得して、取得した車両パワーを表示変更しきい値H及びエンジン始動しきい値Gと比較する(ステップS12)。
車両パワーが表示変更しきい値H以上で、エンジン始動しきい値Gよりも小さい場合には(ステップS12/YES)、エコ判断部22は、エコ運転状態量がHVエコ運転領域62の上限に一致する表示となるようにエコ状態信号を生成して、メータECU30に送信する(ステップS13)。また、車両パワーが表示変更しきい値Hよりも小さい場合や、エンジン始動しきい値G以上である場合には(ステップS12/NO)、エコ判断部22はこの処理を終了する。
【0051】
次に、エコ判断部22は、車両パワーをHV制御部21から取得し、取得した車両パワーとエンジン始動しきい値Gとを比較する(ステップS14)。車両パワーがエンジン始動しきい値G以上となると(ステップS14/YES)、エコ判断部22は、車両パワーをもとに算出したエコ運転状態量がエコ運転領域63の表示となるようにエコ状態信号を生成して、メータECU30に送信する(ステップS15)。また、車両パワーがエンジン始動しきい値Gよりも小さい場合には(ステップS14/NO)、エコ判断部22は、車両パワーをもとに算出したエコ運転状態量をHVエコ運転領域62の上限に一致する表示を継続させる。
【0052】
また、ステップS11において、エコ運転状態量の現在の表示位置がHVエコ運転領域62内にはなかった場合には(ステップS11/NO)、エコ判断部22は、エコ運転状態量の現在の表示位置がエコ運転領域63内にあるか否かを判定する(ステップS16)。エコ判断部22は、エコ運転状態量の表示位置がエコ運転領域63内にあると判定した場合(ステップS16/YES)、HV制御部21から車両パワーを取得して、取得した車両パワーとエンジン始動しきい値Gとを比較する(ステップS17)。
エコ判断部22は、車両パワーがエンジン始動しきい値Gよりも小さいと判定すると(ステップS17/YES)、車両パワーをもとに算出したエコ運転状態量をHVエコ運転領域62の上限に一致する表示となるようにエコ状態信号を生成して、メータECU30に送信する(ステップS18)。
【0053】
次に、エコ判断部22は、車両パワーをHV制御部21から取得し、取得した車両パワーと表示変更しきい値Hとを比較する(ステップS19)。エコ判断部22は、取得した車両パワーが表示変更しきい値Hよりも小さいと判定すると(ステップS19/YES)、車両パワーをもとに算出したエコ運転状態量がHVエコ運転領域62内の表示となるようにエコ状態信号を生成し、メータECU30に送信する(ステップS20)。また、車両パワーが表示変更しきい値H以上である場合には、エコ判断部22は、車両パワーをもとに算出したエコ運転状態量がHVエコ運転領域62の上限に一致する表示を継続させる。
【0054】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
例えば、上述した実施例では、HV−ECU20にエコ判断部22を設けているが、図10に示すようにメータECU30にエコ判断部22を設けたエコ運転支援システム1Bとしてもよい。また、図示はしていないが、車内通信バスにナビECUを接続し、このナビECUにエコ判断部22を設けることもできる。
【0055】
また、図4に示すエコバー表示60の例では、回生側の表示領域として、回生運転領域65だけを表示しているが、図11(A)に示すように回生運転領域65側の非エコ運転領域66を表示させてもよい。この非エコ運転領域66は、回生ブレーキだけでなく、機械式のブレーキを使用したブレーキ操作が行われている状態を示している。
また、図11(A)に示すようにエコバー表示60と共に、車両の運転状態がエコ運転状態にあるか否かをLED等のランプの点灯、消灯で表示するエコランプ70の表示を表示させてもよい。
さらに、上述したエコバー表示60に代えて、図11(B)に示すスピードメータのような円表示を採用してもよい。
【0056】
また、上述した実施例では、エコ判断部22を車両の制御装置(HV−EUC)に設けて、車速等に基づいて車両のエコ運転状態量を求めて、リアルタイムにこれを表示している。これ以外に、エコ判断部22で求めた車速とエコ運転状態量を記録媒体等に記録しておき、降車後にコンピュータ装置に記録媒体の記録内容を読み込んで、エコ運転状態量の経時的な変化を表示させるようにしてもよい。
また、上述した実施例では、エンジン始動しきい値Gを第1の表示変更しきい値に設定しているが、エンジン始動しきい値Gと第1の表示変更しきい値とを異なるしきい値に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】エコ運転支援システムの構成を示す図である。
【図2】ECUのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】車速から車両パワーのエコ判定しきい値を算出するマップの一例を示す図である。
【図4】エコバー表示を説明するための図である。
【図5】エコ運転状態量の算出用に用意されたマップを示す図である。
【図6】(A)及び(D)は、エンジン始動しきい値と、この上側に設けた表示変更しきい値とを示すマップ上に車両パワーの推移を表示しており、(B)及び(C)は、車両パワーが(A)及び(C)の状態にあるときのエコバー表示の例を示す図である。
【図7】(A)及び(D)は、エンジン始動しきい値と、この下側に設けた表示変更しきい値とを示すマップ上に車両パワーの推移を表示しており、(B)及び(C)は、車両パワーが(A)及び(C)の状態にあるときのエコバー表示の例を示す図である。
【図8】エコ判断部の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】表示内容決定の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】エコ判断部をメータECUに設けた構成を示す図である。
【図11】エコバー表示の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1A,1B エコ運転支援システム
2 各種センサ
10 パワートレインECU
20 HV−ECU
21 HV制御部
22 エコ判断部
30 メータECU
31 通知制御部
40 インジケータパネル
41 エコ表示部
50 モータ・ジェネレータECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態を表示するエコ運転支援装置であって、
車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するエコ運転状態量算出手段と、
前記エコ運転状態量を前記車両の運転状態がエコ運転状態にあるか否かを示すエコ表示しきい値に対する相対量で図形表示させると共に、前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記エコ運転状態量を前記始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる際の表示制御を、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から始動状態にないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは異なる値である第2の表示変更しきい値とに基づいて行うものであり、
前記第1の表示変更しきい値は、実際の車両制御で前記エンジンの始動が行われるしきい値であることを特徴とするエコ運転支援装置。
【請求項2】
前記第1の表示変更しきい値は、前記第2の表示変更しきい値よりも、エコ運転状態のエコ度合いが悪い側に設定されていることを特徴とする請求項1記載のエコ運転支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のエコ運転支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値を超えて前記第1の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にないときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第2の表示変更しきい値を超えて前記第1の表示変更しきい値に達し、車両制御手段によって前記エンジンの始動が行われた場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが悪い側に超えるように表示を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値に達し、車両制御手段によって前記エンジンが停止された場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界上にあるように表示を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記エンジンが始動状態にあるときに、車両パワーに基づくエコ運転状態量が前記第1の表示変更しきい値を超えて前記第2の表示変更しきい値に達した場合に、前記エコ運転状態量が前記始動表示しきい値の境界をエコ度合いが良い側に超えるように表示を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項9】
前記エンジンが始動された場合には、前記エンジンが始動されてから所定時間の間は前記エンジンを始動状態に維持する制御を行うハイブリッド車両に搭載されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載のエコ運転支援装置。
【請求項10】
エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態を表示するエコ運転支援装置であって、
車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するエコ運転状態量算出手段と、
前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記エコ運転状態量を前記始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させる際の表示制御を、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から始動状態にないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは異なる値である第2の表示変更しきい値とに基づいて行うものであり、
前記第1の表示変更しきい値は、実際の車両制御で前記エンジンの始動が行われるしきい値であることを特徴とするエコ運転支援装置。
【請求項11】
エンジンとモータとを駆動源として備えるハイブリッド車両における運転状態のエコ度合いを表すエコ運転状態量を表示手段に表示して、運転者の運転操作を支援するエコ運転支援方法であって、
車両で発生する車両パワーに基づいてエコ運転状態量を算出するステップと、
算出したエコ運転状態量と、前記エンジンが始動状態にないことを示す表示から始動状態にあることを示す表示に変更させる第1の表示変更しきい値と、前記エンジンが始動状態にあることを示す表示から前記始動状態にはないことを示す表示に変更させる、前記第1の表示変更しきい値とは値の異なる第2の表示変更しきい値とを比較して、前記エコ運転状態量を前記車両がエコ運転状態にあるか否かを示すエコ表示しきい値に対する相対量で図形表示するステップと、
前記エコ運転状態量を前記エンジンが始動状態にあるか否かを示す始動表示しきい値に対する相対量で図形表示させるステップと、
を有することを特徴とするエコ運転支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−30536(P2010−30536A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197082(P2008−197082)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】