説明

エストロゲン受容体リガンドとしての置換ピラゾール

本発明は、式(I)の化合物(式中、Gは、明細書に定義したピラゾール環であり、R、R、R、およびRは、明細書に定義した通りである)、または医薬として許容可能なそのエステルもしくはアミドの塩、および医薬として許容可能なそのエステル、アミド、もしくは塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、溶媒和物、もしくは塩を提供する。本発明は、エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害に関連する状態の治療または予防におけるそのような化合物の使用も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エストロゲン受容体リガンドであり、好ましくはエストロゲン受容体βイソ型に対して選択的である化合物、そのような化合物の調製方法、およびエストロゲン受容体に関係する疾患、例えば、抑うつ障害、不安障害、アルツハイマー病、認知障害、骨粗鬆症、血中トリグリセリドレベル上昇、アテローム性動脈硬化、子宮内膜症、尿失禁、自己免疫疾患、ならびに肺、大腸、乳房、子宮および前立腺の癌を含む様々な癌などの治療における、そのような化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エストロゲン受容体(ER)は、遺伝子発現の上方および下方制御に関与するリガンド活性化哺乳動物転写因子である。エストロゲン受容体に関する天然ホルモンは、β−17−エストラジオール(E2)および密接に関係した代謝産物である。エストロゲン受容体へのエストラジオールの結合により、受容体の二量体化が生じ、次にこの二量体は、DNA上のエストロゲン応答エレメント(ERE)に結合する。ER/DNA複合体は、EREより下流のDNAをmRNAへ転写に関与する他の転写因子を動員し、mRNAは最終的にタンパク質に翻訳される。あるいは、ERのDNAとの相互作用は、他の転写因子、最も顕著にはfosとjunの媒介を通して間接的となり得る。数多くの遺伝子の発現は、エストロゲン受容体によって制御され、エストロゲン受容体は、多くの細胞型において発現されるので、天然ホルモン、または合成ERリガンドのいずれかの結合を介したエストロゲン受容体の調節は、生物体の生理および病態生理に対して大きな影響を及ぼす場合がある。
【0003】
歴史的には、ただ1種のエストロゲン受容体が存在すると考えられてきた。しかし、第2の亜型(ER−β)が発見された。「古典的な」ER−αと、つい最近発見されたER−βの両方は、様々な組織中に広く分布しているが、これらは、顕著に異なる細胞型および組織分布を示す。したがって、ER−αまたはER−β選択的のいずれかである合成リガンドは、望ましくない副作用のリスクを低減すると同時に、エストロゲンの有益な効果を維持することができる。
【0004】
エストロゲンは、メスの性的発育に重要である。さらに、エストロゲンは、骨密度の維持、血中脂質レベルの制御において重要な役割を果たし、神経保護効果も有するように思われる。したがって、閉経後の女性におけるエストロゲン産生の減少は、いくつかの疾患、例えば、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化、抑うつおよび認知障害などに関連している。反対に乳癌および子宮癌などのある特定の種類の増殖性疾患ならびに子宮内膜症は、エストロゲンによって刺激され、したがって、抗エストロゲン剤(すなわち、エストロゲンアンタゴニスト)は、これらの種類の障害の予防および治療において有用性を有する。
【0005】
様々な形態の抑うつ病の治療に対する、天然エストロゲンである17β−エストラジオールの効力も実証されており、エストロゲンの抗うつ活性は、トリプトファンヒドロキシラーゼ活性の制御、および引き続くセロトニン合成によって媒介され得ることが示された(例えば、Lu N Z、Shlaes T A、Cundlah C、Dziennis S E、Lyle R E、Bethea C L、「Ovarian steroid action on tryptophan hydroxylase protein and serotonin compared to localization of ovarian steroid receptors in midbrain of guinea pigs.」Endocrine 11:257〜267、1999を参照)。天然エストロゲンの多面的性質は、乳房、子宮および卵巣組織への増殖効果のリスクの増大のため、その普及した、より長期的な使用を妨げる。エストロゲン受容体、ERβの同定により、ERαによって媒介される増殖効果の非存在下で、所望の抗うつ活性を有する、より選択的なエストロゲン剤を同定するための手段が提供された。したがって、ERβ選択性を有する治療剤は、抑うつの治療において潜在的に有効であることが示された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当技術分野で必要とされるものは、負の副作用を伴うことなく、エストロゲン代償療法と同じ正の応答を生じさせることができる化合物である。身体の様々な組織に対して、選択的効果を発揮するエストロゲン様化合物も必要とされている。
【0007】
Haroutounianら、「Synthesis of novel nitro−substituted triaryl pyrazole derivatives as potential estrogen receptor ligands」、Molecules 2007、12、1259〜1273には、ある特定のニトロ置換されたトリアリールピラゾール誘導体の合成、ならびにエストロゲン受容体(ER)サブタイプERαおよびERβに対するこれらの結合親和性が開示されている。WiglendaおよびGust、「Structure−activity relationship to understand the estrogen receptor−dependent gene activation of aryl− and alkyl−substituted 1H−imidazoles」、J.Med.Chem.、2007、50、1475〜1484には、一連のC5置換された1,2,4−トリアリール−1H−イミダゾールの合成、およびプラスミドEREetclucを安定にトランスフェクトしたエストロゲン受容体α陽性MCF−7乳癌細胞(MCF−7−2a細胞)に対するこれらの遺伝子活性化特性の判定が開示されている。WO2008/006626には、3つのフェニル部分で置換されたある特定の5員複素環、好ましくは、ピロール、フラン、およびチオフェンが開示され、この化合物は、抗増殖効果、およびシクロオキシゲナーゼに対する阻害効果を示すことがさらに開示されている。Perumalら、「Synthesis and antinociceptive activity of pyrazolyl isoxazolines and pyrazolyl isoxazoles」、Bioorg.Med.Chem.Lett.、2009、19、3370〜3373には、ある特定のジフェニルピラゾリルイソオキサゾリンおよびピラゾリルイソオキサゾールの合成および抗侵害活性が開示されている。WO00/07996には、エストロゲン受容体モジュレーターとしての生物活性を有する化合物が開示されている。WO2003/055860、JP2006306755、およびOrg.Lett.7巻、11号、2005、2157〜2160頁には、熱ショックタンパク質90阻害剤としての生物活性を有するピラゾール化合物が開示されている。US2007/0191336には、ニコチンアセチルコリン受容体モジュレーターとしての生物活性を有する化合物が開示されている。
【0008】
本発明の化合物は、エストロゲン受容体のためのリガンドであり、それ自体は、エストロゲン機能に関係する様々な状態の治療または予防に有用となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、式(I)の化合物またはそのエステル、もしくはアミドの塩、およびそのエステル、アミド、もしくは塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、溶媒和物もしくは塩を提供し、
【化1】

(I)
式中、Gは、基:
【化2】

のうちの1つを表し、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR、N(R、−C(O)C1〜4アルキル、−SO1〜4アルキル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、トリハロC1〜6アルキル、ハロC2〜6アルケニル、ジハロC2〜6アルケニル、トリハロC2〜6アルケニル、シアノC1〜6アルキル、C1〜4アルコキシC1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジル、および5〜10員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記ベンジルまたはヘテロシクリル基は、非置換であるか、前記フェニル、ベンジルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、OR、N(R、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(O)C1〜4アルキル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
は、シアノ、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、−C(O)NH、C1〜6アルキル−NHおよびC1〜6アルキル−OHからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル;ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、トリハロC1〜6アルキル、フェニル、ベンジルおよび5〜10員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記ベンジルまたはヘテロシクリル基は、非置換であるか、前記フェニル、ベンジルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、OR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
およびRのうちの1つのみが、同時に置換または非置換のフェニルであってもよく、
、R、RおよびRのそれぞれは、水素、OR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
それぞれのRは、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジルおよび5〜10員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、それぞれは1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されており、
それぞれのRは、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジルおよび5〜10員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、それぞれは1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されている。
【0010】
本発明の化合物は、エストロゲン受容体のリガンドであることが驚いたことに判明した。したがってこの化合物は、エストロゲン受容体活性に関連する状態の治療または予防において使用される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化合物は、キラル(不斉)中心を含有することができ、または分子全体がキラルとなり得る。個々の立体異性体(鏡像異性体およびジアステレオ異性体)およびこれらの混合物は、本発明の範囲内にある。
【0012】
本発明のある特定の化合物はオキシム基を含有し、これは、(E)または(Z)オキシム異性体として存在することができる。個々の(E)および(Z)オキシム異性体、ならびにこれらの混合物は、本発明の範囲内である。本明細書全体にわたって、オキシム構造が波線の結合で示されている場合、これは、単一の異性体が存在するが、立体配置は未知であること、または両異性体の混合物が存在することを示す。
【0013】
本発明は、エストロゲン受容体リガンドであるピラゾール化合物を提供する。本明細書で使用される場合、用語「エストロゲン受容体リガンド」は、エストロゲン受容体に結合する任意の部分を網羅することが意図されている。このリガンドは、アゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、または部分アンタゴニストとして作用することができる。このリガンドは、ERβ選択的となることができ、または混合したERαとERβの活性を示すことができる。例えば、このリガンドは、ERβのアゴニストまたは部分アゴニスト、およびERαのアンタゴニストまたは部分アンタゴニストの両方として作用することができる。本発明の化合物は、ERβ選択的アゴニズムを示すエストロゲン受容体リガンドであることが好ましい。
【0014】
Gは、以下から選択されるピラゾール基であることが好ましい。
【化3】

がヘテロシクリル基を表す場合、この基は飽和していても、不飽和であってもよく、1つまたは複数のO、Nおよび/またはS原子を含有することができる。好適な一実施形態では、これは、6員、または特に5員であり、好ましくは、不飽和、特に芳香族である。適当なヘテロシクリル基として、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピリジル、モルホリニル、およびピペリジルが挙げられ、フリル、ピロリル、イソオキサゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリルが好ましいヘテロシクリル基であり、イソオキサゾリルが特に好ましいヘテロシクリル基である。
ヘテロシクリル基に対する好ましい置換基は、1〜3個、例えば、1個または2個の置換基を含み、それぞれの置換基は、OR、ハロゲン、シアノ、−C(O)C1〜4アルキル、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、ハロC1〜4アルキル、ジハロC1〜4アルキルおよびトリハロC1〜4アルキルからなる群から選択される。特に好ましい置換基は、ハロゲン、シアノ、C1〜4アルキル(特にメチルまたはエチル)、−C(O)C1〜4アルキル、およびOR(Rは、好ましくは水素原子またはC1〜4アルキル基を表す)から選択される。さらに特に好ましい置換基は、ハロゲン、シアノ、およびC1〜4アルキル(特にメチルまたはエチル)から選択される。
【0015】
フェニル基Rに対する好ましい置換基には、ヘテロシクリル基Rについて上述したものが含まれる。
【0016】
別段の記載のない限り、それぞれのRは、水素、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C2〜4アルキニル、C3〜6シクロアルキル、フェニル、およびベンジルからなる群から独立に選択されることが好ましい。それぞれのRは、水素またはC1〜4アルキル、特にメチルを独立に表すことが好ましい。
【0017】
別段の記載のない限り、それぞれのRは、水素およびC1〜4アルキル、特にメチルからなる群から独立に選択されることが好ましい。
【0018】
は、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、N(R、フェニル、ベンジル、または5〜10員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記ベンジルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニル、ベンジルまたはヘテロシクリル基は、上記のように置換されていることが好ましい。Rは、N(R、フェニル、または5〜10員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲンおよびC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、RはC1〜6アルキルを表すことがより好ましい。Rは、N(R、フェニル、または5〜6員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲンおよびC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、RはC1〜6アルキルを表すことが最も好ましい。さらに好適な実施形態では、Rは、N(R、フェニル、または5員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1個または2個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲンおよびC1〜3アルキルからなる群から独立に選択され、RはC1〜3アルキルを表す。
【0019】
がN(R基を表す場合、それぞれのRは、好ましくは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジル、および5〜10員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、それぞれは1〜3個のハロゲン原子によって場合により置換されており、好適なR置換基は、C1〜6アルキル基、特にC1〜3アルキル基である。
【0020】
好適な一実施形態では、Rは、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜10員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、特にC1〜3アルキル、およびトリハロC1〜6アルキル、特にトリハロC1〜3アルキルからなる群から独立に選択され、それぞれのRは、C1〜6アルキル、特にC1〜3アルキルを表す。
【0021】
は、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、または−C(O)NH、特に−CH=N−OHまたは−C(NH)=N−OHを表すことが好ましい。
【0022】
一実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、フェニル、または5〜10員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、上記のように置換されている。好適な複素環は上述した通りである。Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、フェニル、または5〜10員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択されることがより好ましい。さらに好適な実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニル、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される。
【0023】
は、水素、ハロゲン、またはC1〜3アルキル、特に水素、フッ素、メチル、またはエチルを表すことが最も好ましい。
【0024】
、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、OR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4アルキル、例えば、メチル、ハロC1〜4アルキル、例えば、クロロ−またはフルオロメチル、ジハロC1〜4アルキル、例えば、ジクロロ−またはジフルオロメチル、およびトリハロC1〜4アルキル、例えば、トリクロロ−またはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択されることが好ましい。より好ましくは、R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、OH、ハロゲン、シアノ、メチル、もしくはトリフルオロメチルからなる群から独立に選択され、またはR、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、もしくはC1〜6−、好ましくはC1〜3−アルキルを独立に表す。R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、メチルおよび/またはハロゲン、特にフッ素を表すことが最も好ましい。例えば、R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素を表すことができ、またはRは、水素、メチル、またはハロゲン、特にフッ素を表すことができ、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素を表すことができる。
【0025】
本発明の一実施形態では、Gは、
【化4】

を表し、Rは、2個のC1〜3アルキル基で置換された5員複素環を表し、Rは−C(NH)=N−OHを表し、RはC1〜3アルキルを表し、Rはフルオロを表し、R、R、およびRは水素を表す。
【0026】
好適な一実施形態では、Rは、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜10員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル(特にC1〜3アルキル)、およびトリハロC1〜6アルキル(特にトリハロC1〜3アルキル)からなる群から独立に選択され、それぞれのRは、C1〜6アルキル(特にC1〜3アルキル)を表し、Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキル、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、またはC1〜6アルキル(特にC1〜3アルキル)を独立に表す。
【0027】
この実施形態では、R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素、ハロゲン、およびメチルからなる群、例えば、水素およびハロゲンから独立に選択されることが好ましい。例えば、Rは、水素、メチル、またはハロゲン、特にハロゲンを表すことができ、R、R、およびRは、水素を表すことができる。Rは、水素、メチル、またはフルオロを表し、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素を表すことが好ましい。
【0028】
上記実施形態では、Gは、
【化5】

特に
【化6】

を表すことが好ましく、Rは、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、および−C(O)NH、特に−CH=N−OHおよびC(NH)=N−OHからなる群から選択されることが好ましく、RはC1〜3アルキル、特にメチルまたはエチル、最も特にメチルであることが好ましい。
【0029】
この実施形態では、Rは、フェニル、および5員または6員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲンおよびC1〜3アルキルからなる群から独立に選択されることが好ましい。最も好ましくは、Rは、5員または6員のヘテロシクリル、特に5員のヘテロシクリルを表し、好ましくは、前記ヘテロシクリルは、2個のC1〜3アルキル基、例えば、メチル基で置換されている。R中の成分は、5員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは、2個のメチル基で置換されていることが特に好適である。
【0030】
5員のヘテロシクリルは、好ましくは芳香族であり、適切にはイソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、フラニル、ピラゾリル、およびチオフェニル、特にイソオキサゾリル、特にジメチルイソオキサゾリルから選択される。
【0031】
したがって、特定の実施形態では、Gは、
【化7】

を表し、Rは、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜6員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、およびC1〜3アルキルからなる群から独立に選択され、それぞれのRは、C1〜3アルキルを表し、Rは、シアノ、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、−C(O)NH、およびC1〜6アルキル−OHからなる群から選択され、Rは、水素およびC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、R、R、R、およびRのうちのそれぞれは、水素またはハロゲンを独立に表す。
【0032】
さらなる特定の実施形態では、Gは、
【化8】

を表し、Rは、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル、1,3−ジメチルピロール−2−イル、または−C(CH)=CH.CHを表し、Rは、−CH=N−OHまたは−C(NH)=N−OHを表し、Rは、メチルまたはエチルを表し、Rは、水素、フッ素、またはメチルを表し、R、R、およびRのうちのそれぞれは水素を表す。
【0033】
Gが、
【化9】

を表し、Rは、5員のヘテロシクリル、特にイソオキサゾリルを表し、前記ヘテロシクリルは、2個のメチル基で置換されており、Rは、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、および−C(O)NH、特に−CH=N−OH、または−C(NH)=N−OHからなる群から選択され、Rは、水素およびC1〜3アルキル、特にメチルからなる群から独立に選択され、Rは、ハロゲン、特にフッ素を表し、R、R、およびRのうちのそれぞれは水素を表す化合物が特に好適である。
【0034】
式(I)の化合物には、それだけに限らないが、本明細書の実施例において具体的に命名された化合物、ならびに医薬として許容可能なそのエステルおよびアミドの塩や、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、および塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なエステル、アミド、溶媒和物、および塩が含まれる。
【0035】
式(I)のさらなる化合物には、それだけに限らないが、以下の化合物、すなわち、
5−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
4−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(5−フルオロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(5−クロロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
5−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
4−(1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
5−(5−フルオロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(5−クロロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(5−フルオロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(5−クロロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
5−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
4−(1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
5−(5−フルオロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(5−クロロ−2,4−ジメチルフラン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
4−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(1,4−ジメチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
または医薬として許容可能なそのエステルもしくはアミドの塩、および医薬として許容可能なそのエステル、アミド、もしくは塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、溶媒和物、もしくは塩が含まれる。
【0036】
上記に挙げた化合物においておよび実施例において、化合物名は、ACD Labs 8.0/名称プログラム、バージョン8.05によるIUPAC、ならびに/またはISIS DRAW Autonom2000、および/もしくはChemBioDraw Ultraバージョン11.0に従って作成した。
【0037】
式Iの化合物中に存在する置換基に応じて、化合物は、エステル、アミド、カルバメートおよび/または塩を形成することができる。医薬において使用するのに適した、式(I)の化合物の塩および溶媒和物は、対イオンまたは関連する溶媒が医薬として許容可能であるものである。しかし、医薬として許容可能でない対イオンまたは関連する溶媒を有する塩および溶媒和物も、例えば、式(I)の化合物ならびにその医薬として許容可能な塩、溶媒和物、および生理的機能性誘導体の調製における中間体として使用するために、本発明の範囲内にある。用語「生理的機能性誘導体」とは、例えば、体内で式(I)の遊離化合物に転換可能であることによって、式(I)の遊離化合物と同じ生理的機能を有する、式(I)の化合物の化学誘導体を意味する。エステル、アミド、およびカルバメートが、生理的機能性誘導体の例である。
【0038】
本発明による適当な塩には、有機または無機の酸で形成されるものが含まれる。特に、本発明による、酸で形成される適当な塩として、鉱酸、非置換であるか、例えば、ハロゲンによって置換されている1から4個の炭素原子のアルカンカルボン酸などの強有機カルボン酸、飽和もしくは不飽和ジカルボン酸など、ヒドロキシカルボン酸など、アミノ酸など、または非置換であるか、例えば、ハロゲンによって置換されている(C〜C)−アルキル−もしくはアリール−スルホン酸などの有機スルホン酸で形成されるものが挙げられる。医薬として許容可能な酸付加塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フタル酸、アスパラギン酸、およびグルタミン酸、リシンおよびアルギニンから形成されるものが挙げられる。それ自体は医薬として許容可能ではないが、シュウ酸などの他の酸も、本発明の化合物およびその医薬の許容可能な酸付加塩を得ることにおいて、中間体として有用となり得る。
【0039】
式(I)の化合物は、エステル、アミド、またはカルバメートに転換される適切な基を有することができる。式Iの化合物中の−OHまたは−NHR基から形成される、一般的なエステルおよびアミドおよびカルバメート基には、−OC(O)R、−NRC(O)R、−NRCO−OSO、および−NRSOが含まれ、Rは、上記に示した意味のうちの1つを有する。
【0040】
有機化学の当業者は、多くの有機化合物は、これらが反応する、またはこれらが沈殿または結晶化する溶媒と複合体を形成することができることを理解するであろう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。
【0041】
レシピエントに投与すると、上述した式(I)の化合物、またはその活性な代謝産物、もしくは残基に転換されることができる化合物は、「プロドラッグ」として知られている。プロドラッグは、例えば、血中での加水分解によって体内で転換されて、医療効果を有する活性形態になることができる。医薬の許容可能なプロドラッグは、T.HiguchiおよびV.Stella、Prodrugs as Novel Delivery Systems、A.C.S.Symposium Series(1976)の14巻(1976);「Design of Prodrugs」H.Bundgaard編、Elsevier、1985;ならびにEdward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987に記載されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれている。
【0042】
以下の定義は、特定の場合において別に制限されていない限り、本明細書全体にわたって使用される用語に適用する。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、直鎖および分岐鎖の両方の飽和炭化水素基を意味する。アルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、ペンチルおよびヘキシル基が挙げられる。非分岐アルキル基の中では、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル基が好ましい。分岐アルキル基の中では、t−ブチル、i−ブチル、1−エチルプロピルおよび1−エチルブチル基を挙げることができる。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、基O−アルキルを意味し、「アルキル」は、上述した通りに使用される。アルコキシ基の例として、メトキシおよびエトキシ基が挙げられる。他の例として、プロポキシおよびブトキシが挙げられる。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する、直鎖および分岐鎖の両方の不飽和炭化水素基を意味する。アルケニル基の例として、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルが挙げられる。好ましいアルケニル基として、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブタ−2−エニルが挙げられる。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素炭素三重結合を有する、直鎖および分岐鎖の両方の不飽和炭化水素基を意味する。アルキニル基の例として、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルが挙げられる。好ましいアルキニル基として、エチニル、1−プロピニルおよび2−プロピニルが挙げられる。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、環系における飽和基を意味する。シクロアルキル基は、単環式または二環式とすることができる。二環式の基は、例えば、縮合または架橋することができる。単環式シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチルおよびシクロペンチルが挙げられる。単環式シクロアルキル基の他の例は、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。二環式シクロアルキル基の例には、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルが含まれる。シクロアルキル基は、単環式であることが好ましい。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素および臭素が特に好ましい。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」は、ハロゲン置換基を有するアルキル基を意味し、用語「アルキル」および「ハロゲン」は、上記に概説した意味を有すると理解される。同様に、用語「ジハロアルキル」は、2個のハロゲン置換基を有するアルキル基を意味し、用語「トリハロアルキル」は、3個のハロゲン置換基を有するアルキル基を意味する。ハロアルキル基の例として、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、フルオロプロピルおよびフルオロブチル基が挙げられ、ジハロアルキル基の例として、ジフルオロメチルおよびジフルオロエチル基が挙げられ、トリイハロアルキル(triihaloalkyl)基の例として、トリフルオロメチルおよびトリフルオロエチル基が挙げられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」は、1から3個の炭素原子が、窒素、酸素または硫黄から独立に選択される、1個または複数個のヘテロ原子によって置換されている、芳香族または非芳香族の炭素原子の環式基を意味する。ヘテロシクリル基は、例えば、単環式または二環式とすることができる。二環式ヘテロシクリル基では、各環、または環のうちの1つのみに1個または複数個のヘテロ原子が存在することができる。ヘテロ原子は、OまたはNであることが好ましい。適当な窒素原子を含有するヘテロシクリル基には、対応するN−オキシドが含まれる。
【0051】
単環式の非芳香族へテロシクリル基(単環式へテロシクロアルキル環とも呼ばれる)の例として、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびアゼパニルが挙げられる。
【0052】
環のうちの1つが非芳香族である、二環式ヘテロシクリル基の例として、ジヒドロベンゾフラニル、インダニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリルおよびベンゾアゼパニルが挙げられる。
【0053】
単環式の芳香族へテロシクリル基(単環式ヘテロアリール基とも呼ばれる)の例として、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリルおよびピリミジニルが挙げられ、好ましい単環式の芳香族へテロシクリル基は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリルおよびピリミジニルである。
【0054】
二環式の芳香族ヘテロシクリル基(二環式ヘテロアリール基とも呼ばれる)の例として、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ナフチリジニル、キノリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル[4,5−b]ピリジイル、ピリドピリミジニル、イソキノリニルおよびベンゾドロキサゾールが挙げられる。
【0055】
好ましいヘテロシクリル基の例として、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジル、ピリミジニルおよびインドリルが挙げられる。好ましいヘテロシクリル基には、チエニル、チアゾリル、フラニル、ピラゾリル、ピロリル、イソキサゾリルおよびイミダゾリルも含まれる。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基を通じて結合した基シクロアルキル−アルキル−を意味し、「シクロアルキル」および「アルキル」は、上記に概説した意味を有すると理解される。
【0057】
上述したように、本発明の化合物は、エストロゲン受容体リガンドとしての活性を有する。本発明の化合物は、エストロゲン受容体モジュレーターとしての活性を有し、エストロゲン受容体のアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、または部分アンタゴニストとなり得る。本発明の特に好ましい化合物は、ERβのアゴニストまたは部分アゴニストとしての活性を有する。この種類の好ましい化合物は、エストロゲン受容体β(ERβ)の選択的アゴニストである。
【0058】
したがって、本発明の化合物は、エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害の治療において使用することができる。特に、エストロゲン受容体のアゴニストまたは部分アゴニストである本発明の化合物は、エストロゲン受容体の選択的アゴニストまたは部分アゴニストが適応される疾患または障害の治療において使用することができる。エストロゲン受容体のアンタゴニストまたは部分アンタゴニストである本発明の化合物は、エストロゲン受容体の選択的アンタゴニストまたは部分アンタゴニストが適応される疾患または障害の治療において使用することができる。
【0059】
アゴニストまたは部分アゴニストが適応される臨床状態として、それだけに限らないが、骨減少、骨折、骨粗鬆症、軟骨変性、子宮内膜症、子宮筋腫疾患、のぼせ、LDLコレステロールレベル上昇、心血管疾患、認知機能障害、脳変性障害、再狭窄、女性化乳房、血管平滑筋細胞増殖、肥満、失禁、不安、抑うつ、自己免疫疾患、炎症、IBD、IBS、性機能障害、高血圧症、網膜変性、ならびに肺癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、および前立腺癌、リンパ腫、ならびに/またはエストロゲン機能に関係する障害が挙げられる。
【0060】
本発明の化合物は、以下のもの、すなわち、骨減少、骨折、骨粗鬆症、軟骨変性、子宮内膜症、子宮筋腫疾患、のぼせ、LDLコレステロールレベル上昇、心血管疾患、認知機能障害、年齢関連性軽度認知障害、脳変性障害、再狭窄、女性化乳房、血管平滑筋細胞増殖、肥満、失禁、不安、抑うつ、閉経期うつ病、産後抑うつ、月経前症候群、躁うつ病、認知症、強迫的行動、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、睡眠障害、被刺激性、衝動性、アンガーマネジメント、聴覚障害、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、脳卒中、自己免疫疾患、炎症、IBD、IBS、性機能障害、高血圧、網膜変性症、肺癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、前立腺癌、および胆管癌(cholangiocarcinoma)と命名された胆管癌(bile duct cancer)の治療または予防において特定の用途を見出す。本発明の化合物はまた、以下のもの、すなわち、良性前立腺肥大症、下部尿路症状、過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱疼痛症状、膣萎縮、創傷治癒、慢性疼痛、敗血症、炎症性疼痛および神経因性疼痛、卵巣癌、黒色腫、ならびにリンパ腫(B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫)の治療または予防において特定の用途を見出す。
【0061】
血管運動症状を誘発することが知られている薬剤と組み合わせて、本発明の化合物は、以下、すなわち、SERMによって誘発される血管運動症状を軽減するために、乳癌の治療のためのその使用におけるタモキシフェン、ならびに骨粗鬆症の治療および/または予防のために使用されるラロキシフェンなどのSERMと組み合わせて;アロマターゼ阻害剤によって誘発される血管運動症状を軽減するために、乳癌または子宮内膜症を治療するのに使用されるアロマターゼ阻害剤と組み合わせて;アンドロゲン遮断療法を受けた男性の前立腺癌患者において、有用性を見出す。
【0062】
本発明の一実施形態では、本化合物は、抑うつ、閉経期うつ病、産後抑うつ、月経前症候群、および躁うつ病の治療または予防において特定の用途を見出す。
【0063】
男性におけるのぼせ(hot flash)(または顔面紅潮(hot flush))の治療または予防は、前立腺癌を治療するためにアンドロゲン除去をした患者にとって好ましい。
【0064】
語句「抑うつ」として、それだけに限らないが、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、気分循環性障害、一般的な医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、季節性情動障害(SAD)、産後抑うつ、および月経前不快気分障害が挙げられる。
【0065】
本発明は、エストロゲン受容体によって媒介される、哺乳動物における状態の治療または予防方法も提供し、これは、治療有効量の、本発明による化合物を、哺乳動物に投与するステップを含む。本発明の方法によって治療することができる、エストロゲン受容体によって媒介される臨床状態は、好ましくは上述したものである。
【0066】
本発明は、エストロゲン受容体によって媒介される状態の治療または予防用薬物の製造のための、本発明による化合物の使用も提供する。本発明の方法によって治療することができる、エストロゲン受容体によって媒介される臨床状態は、好ましくは上述したものである。
【0067】
治療効果を達成するのに必要とされる活性成分の量は、もちろん、特定の化合物、投与経路、種類、種、年齢、体重、性別を含めた、治療下にある対象、対象の医学的状態、ならびに対象の腎機能および肝機能、ならびに治療中の特定の障害または疾患、ならびにその重症度によって変動することになる。通常に熟練した医師、獣医、または臨床医は、状態の進行を防止する、進行に対抗する、または進行を停止するのに必要とされる薬剤の有効量を容易に決定し、処方することができる。
【0068】
示した効果のために使用される場合、本発明の経口投与量は、成人について、1日当たり、体重1kg当たり約0.01mg(mg/kg/日)から約100mg/kg/日、好ましくは、1日当たり、体重1kg当たり0.01mg(mg/kg/日)から10mg/kg/日、最も好ましくは、0.1から5.0mg/kg/日の間の範囲となる。経口投与については、組成物は、治療される患者への投与量の対症調整(symptomatic adjustment)のために、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、および500ミリグラムの活性成分を含有する別個の単位で提供される、錠剤の形態、または他の提示形態で提供されることが好ましい。薬物は、約0.01mgから約500mgの活性成分、好ましくは約1mgから約100mgの活性成分を一般に含有する。静脈内投与では、最も好ましい用量は、一定速度の注入の間で、約0.1から約10mg/kg/分の範囲となる。有利には、本発明の化合物は、単回の1日量で投与することができ、または全1日投与量は、1日に2、3または4回の分割用量で投与することができる。さらに、本発明の好ましい化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所使用、または当業者に周知の経皮皮膚パッチの形態を使用する、経皮経路によって、鼻腔内形態で投与することができる。経皮送達系の形態で投与されるためには、投与量投与は、もちろん、投与計画全体を通して、断続的ではなく、連続的となる。
【0069】
活性成分を単独で投与することが可能であるが、活性成分は、医薬製剤または医薬組成物中に存在することが好ましい。したがって、本発明は、本発明による化合物、および医薬として許容可能な希釈剤、賦形剤、または担体(本明細書では、まとめて「担体」材料と呼ばれる)を含む医薬製剤を提供する。本発明の医薬組成物は、以下に説明される医薬製剤の形態をとることができる。
【0070】
本発明による医薬製剤には、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内[ボーラスまたは注入]、および関節内を含めて)、吸入(様々な種類の定量加圧エアロゾルによって生成することができる微粒子ダストまたはミストを含めて)、噴霧器または注入器、直腸、腹腔内および局所(皮膚、頬側、舌下、および眼内を含めて)の投与に適したものが含まれるが、最も適当な経路は、例えば、レシピエントの状態および障害に依存し得る。
【0071】
製剤は、適宜単位剤形として存在することができ、薬学の技術分野で周知の任意の方法によって調製することができる。すべての方法は、活性成分を、1つまたは複数の副成分を構成する担体と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液体担体、または微粉固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要な場合、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
【0072】
経口投与に適した本発明の製剤は、別個の単位、例えば、カプセル、カシェ剤、ピル、または錠剤として提供することができ、それぞれは、所定量の活性成分を、粉末もしくは顆粒として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、例えば、エリキシル剤、チンキ、懸濁液もしくはシロップとして、または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして含有する。活性成分は、巨丸剤、舐剤またはペーストとしても提供することができる。
【0073】
錠剤は、場合により1つまたは複数の副成分とともに、圧縮または成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、場合により、結合剤、滑剤(lubricant)、不活性希釈剤、滑剤(lubricating agent)、界面活性剤または分散剤と混合した、易流動性形態、例えば粉末または顆粒などとしての活性成分を、適当な装置中で圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を、適当な装置中で成形することによって作製することができる。錠剤は、場合によりコーティングする、または切れ目を入れることができ、錠剤中の活性成分が緩徐放出または徐放されるように製剤化することができる。本化合物は、例えば、即時放出または持続放出に適した形態で投与することができる。即時放出または持続放出は、本化合物を含む適当な医薬組成物の使用、または特に、持続放出の場合、皮下インプラントもしくは浸透圧ポンプなどのデバイスの使用によって達成することができる。本化合物は、リポソームで投与することもできる。
【0074】
経口投与用の例示的組成物として、例えば、バルクを与えるための微結晶性セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、粘性エンハンサーとしてのメチルセルロース、および当技術分野で既知のものなどの甘味剤または香味剤を含有することができる懸濁液、ならびに例えば、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ソルビトール、グルコースおよび/またはラクトース、および/または当技術分野で既知のものなどの他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤、滑剤を含有することができる即時放出錠剤が挙げられる。適当な結合剤として、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはβ−ラクトースなどの天然糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。崩壊剤として、制限することなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。式(I)の化合物は、舌下および/または頬側投与による口腔を通じて送達することもできる。成形錠剤、圧縮錠剤、または凍結乾燥錠剤は、使用することができる例示的な形態である。例示的な組成物には、本化合物(複数も)を、速溶性希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、スクロースおよび/またはシクロデキストリンなどと製剤化しているものが含まれる。高分子量賦形剤、例えば、セルロース(アビセル)またはポリエチレングリコール(PEG)などもそのような製剤に含めることができる。そのような製剤は、粘膜付着を助長するための賦形剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(SCMC)、無水マレイン酸コポリマー(例えば、Gantrez)など、およびポリアクリル酸コポリマー(例えば、Carbopol 934)などの放出を制御するための作用剤も含むことができる。滑剤、流動促進剤、香料、着色剤および安定剤も、製造および使用を容易にするために加えることができる。これらの剤形に使用される滑剤として、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。液体形態での経口投与については、経口薬剤成分は、任意の経口、無毒性の医薬として許容可能な不活性担体、例えば、エタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。
【0075】
本発明の化合物は、リポソーム送達システム、例えば、小単層小胞、大単層小胞および多層小胞などの形態でも投与することができる。リポソームは、様々なリン脂質、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン(セファリン)、またはホスファチジルコリン(レシチン)から形成することができる。
【0076】
非経口投与用の製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌薬、および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含有することができる、水性および非水性滅菌注射溶液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含むことができる、水性および非水性滅菌懸濁液が含まれる。製剤は、単位用量または多回用量の容器、例えば、密封されたアンプルおよびバイアルで提供することができ、使用直前に、滅菌液体担体、例えば、生理食塩水または注射用水を加えるだけが必要な、凍結乾燥(freeze−dried(lyophilsed))状態で貯蔵することができる。即席の注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および以前に説明した種類の錠剤から調製することができる。非経口投与用の例示的な組成物には、注射用溶液または懸濁液が含まれ、これらは、例えば、適当な無毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンガー液、等張塩化ナトリウム溶液など、あるいは合成モノグリセリドもしくはジグリセリド、およびオレイン酸を含めた脂肪酸、またはCremaphorを含めた他の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を含有することができる。
【0077】
経鼻、エアロゾルまたは吸入投与用の例示的な組成物には、生理食塩水溶液が含まれ、これは、例えば、ベンジルアルコール、または他の適当な保存剤、バイオアベイラビリティーを高めるための吸収促進剤、および/または当技術分野で既知のものなどの他の可溶化剤もしくは分散剤を含有することができる。
【0078】
直腸投与用の製剤は、通常の担体、例えば、カカオバター、合成グリセリドエステル、またはポリエチレングリコールなどを含む坐剤として提供することができる。そのような担体は、常温で一般に固体であるが、直腸腔内で液化および/または溶解して薬剤を放出する。
【0079】
口内、例えば頬側または舌下での局所投与用の製剤には、スクロース、およびアカシアまたはトラガカントなどの風味付けされた基剤中に活性成分を含むロゼンジ、ならびにゼラチン、およびグリセリンまたはスクロース、およびアカシアなどの基剤中に活性成分を含む香錠が含まれる。局所投与用の例示的な組成物には、Plastibase(ポリエチレンでゲル化した鉱油)などの局所担体が含まれる。
【0080】
好ましい単位剤形(unit dosage formulation)は、先に述べたような有効用量、またはその適切な一部の活性成分を含有するものである。
【0081】
特に上述した成分に加えて、本発明の製剤は、当該の製剤の種類を考慮して、当技術分野で通常の他の作用剤を含むことができ、例えば、経口投与に適したものは、香味剤を含むことができることを理解するべきである。
【0082】
本発明の化合物は、薬物中の唯一の活性成分として使用することができるが、この化合物を、1つまたは複数の追加の活性剤と組み合わせて使用することも可能である。そのような追加の活性剤は、本発明による追加の化合物とすることができ、あるいはこれらは、異なる治療剤、例えば、抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬、骨粗鬆症の予防もしくは治療に有用な薬剤、癌の予防もしくは治療に有用な薬剤、または他の医薬として活性な物質とすることができる。例えば、本発明の化合物は、有効量の他の薬剤、例えば、抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬、有機ビスホスホネート、またはカテプシンK阻害剤などと組み合わせて有効に投与することができる。好適な一実施形態では、本発明の化合物は、有効量の抗うつ剤と組み合わせて有効に投与することができる。抗うつ剤の限定しない例として、ノルアドレナリン再取込み阻害剤(NRI)、選択的セロトニン再取込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、三環系抗うつ剤(TCA)、ドーパミン再取込み阻害剤(DRI)、オピオイド、選択的セレトニン再取込みエンハンサー(seretonic reuptake enhancer)、四環系抗うつ剤、モノアミンオキシダーゼの可逆阻害剤、メラトニンアゴニスト、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、5HT1α受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、リチウムおよび異型抗精神病薬が挙げられる。SSRIの分類の抗うつ剤の例には、フルオキセチンおよびセルトラリンが含まれ、SNRIの分類の抗うつ剤の例は、ベンラファキシン、シタロプラム、パロキセチン、エスシタロプラム、フルボキサミンであり、SNRIの分類の抗うつ剤の例には、デュロキセチンが含まれ、DRIおよびNRIの分類の抗うつ剤の例には、ブプロピオンが含まれ、TCAの分類の抗うつ剤の例には、アミトリプチリンおよびドチエピン(ドスレピン)が含まれる。異型抗精神病薬の例として、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドンおよびドーパミン部分アゴニストが挙げられる。抗不安薬の限定しない例には、ベンゾジアゼピンおよび非ベンゾジアザピン(non−benzodiazapine)が含まれる。ベンゾジアザピンの例として、ロラゼパム、アルプラゾラム、およびジアゼパムが挙げられる。非ベンゾジアザピンの例には、ブスピロン(Buspar(登録商標))、バルビツレートおよびメプロバメートが含まれる。これらの追加の抗うつ剤の1つまたは複数を、組み合わせて使用することができる。
【0083】
抗癌剤の例には、乳癌の治療において使用される、タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害剤が含まれる。
【0084】
のぼせが特定の治療によって誘発される場合、本発明の化合物は、そのような治療の薬剤とともに併用療法で使用することができる。そのような併用療法の非限定例として、乳癌のタモキシフェン治療と組み合わせた本発明の化合物、乳癌のアロマターゼ阻害剤治療と組み合わせた本発明の化合物、または骨粗鬆症のラロキシフェン治療と組み合わせた本発明の化合物が挙げられる。
【0085】
上記有機ビスホスホネートの限定しない例として、アデンドロネート(adendronate)、クロドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、インカドロネート、ミノドロネート、ネリドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、チルドロネート、ゾレドロネート、医薬として許容可能なそれらの塩またはエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい有機ビスホスホネートには、アレンドロネート、ならびに医薬として許容可能なその塩および混合物が含まれる。アレンドロネート一ナトリウム三水和物が最も好ましい。
【0086】
ビスホスホネートの正確な投与量は、投与スケジュール、選択した特定のビスホスホネートの経口効力(oral potency)、哺乳動物またはヒトの年齢、サイズ、性別、および状態、治療される障害の性質および重症度、ならびに他の関連する医学的および身体的要因とともに変動することになる。したがって、正確な医薬有効量は、前もって特定することはできないが、介護者または臨床医によって容易に求めることができる。適切な量は、動物モデルおよびヒトの臨床研究から、日常的な実験によって求めることができる。一般に、ビスホスホネートの適切な量は、骨吸収疎外作用を得るように選択され、すなわち、ビスホンスホナートの骨吸収阻害量が投与される。ヒトについては、ビスホスホネートの有効経口用量は、一般に、体重1kg当たり約1.5から約6000μgであり、体重1kg当たり約10から約2000μgが好ましい。
【0087】
アレンドロネート、医薬として許容可能なその塩、または医薬として許容可能なその誘導体を含むヒトの経口組成物については、単位投与量は、一般に、アレンドロン酸活性重量に基づいて、すなわち、対応する酸に基づいて、約8.75mgから約140mgのアレンドロネート化合物を含む。
【0088】
本発明の化合物は、エストロゲン媒介状態を治療するのに有用な他の薬剤と組み合わせて使用することができる。そのような組合せの個々の成分は、治療過程の間、異なる時間に別々に投与するか、または分割もしくは単一の組合せ形態で同時に投与することができる。したがって、本発明は、同時治療または交互治療のすべてのそのような投与法を包含すると理解され、用語「投与すること」は、それに応じて解釈される。本発明の化合物の、エストロゲン媒介状態を治療するのに有用な他の薬剤との組合せの範囲は、原理的には、エストロゲン機能に関係する障害を治療するのに有用な任意の医薬組成物との任意の組合せを含むことが理解されよう。
【0089】
本発明の化合物と組み合わせて使用される場合、上記の他の治療剤は、例えば、医師用卓上参考書(PDR)に示された量、またはさもなければ当業者によって決定される量で使用することができる。
【0090】
本発明の化合物が、同時または逐次的に、1つまたは複数の治療剤と組み合わせて利用される場合、以下の組合せの比および投与量の範囲が好ましい。抗うつ剤、抗不安薬、抗精神病薬、有機ビスホスホネートまたはカテプシンK阻害剤と組み合わされる場合、式(I)の化合物は、約10:1から約1:10の範囲内の、追加の薬剤との重量比で使用することができる。
【0091】
上述した本発明の化合物は、エストロゲン受容体の機能不全に関連する状態の診断用診断薬として、場合により、標識された形態でも使用される。例えば、そのような化合物は、放射能標識することができる。
【0092】
場合により標識された形態での、上述した本発明の化合物は、エストロゲン受容体の他のアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニストまたは部分アンタゴニストの発見方法において、参照化合物としても使用される。したがって、本発明は、エストロゲン受容体のリガンドの発見方法を提供し、これは、参照化合物としての、本発明の化合物、または標識された形態での本発明の化合物の使用を含む。例えば、そのような方法は、競合的結合実験を伴うことができ、この実験において、本発明の化合物の、エストロゲン受容体への結合は、エストロゲン受容体結合特性、例えば、当該の本発明の化合物よりも強いエストロゲン受容体結合特性を有する、追加の化合物の存在によって低減される。
【0093】
本発明の化合物への多数の合成経路は、任意の当業者によって考案することができ、以下に説明される可能な合成経路により、本発明は限定されない。ピラゾールの合成についての文献、例えば、Heterocyclic Chemistry、Joule,J.A.;Mills,K.2000において、多くの方法が存在する。いくつかの可能な合成経路を以下に概略的に示す。適切な場合、本発明による任意の最初に生成される化合物は、既知の方法によって、本発明による別の化合物に転換することができる。
【0094】
一般的な方法I
Gが、
【化10】

を表し、Rがシアノ、−CH=N−OH、−C(O)NH、または−C(NH)=N−OHである式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0095】
【化11】

【0096】
上記反応スキームに示した一般的な方法Iを、以下の実施例1〜3、17〜37、39、54および55の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例1、2、3、4および5に示す。
【0097】
一般的な方法II
Gが、
【化12】

を表し、Rが、シアノ、−CH=N−OH、または−C(NH)=N−OHである式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0098】
【化13】

【0099】
上記反応スキームに示した一般的な方法IIを、実施例4および5の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例4および5に示す。
【0100】
一般的な方法III
Gが、
【化14】

を表し、Rが、その窒素を通じて結合したピロリル基であり、Rがシアノまたは−C(NH)=N−OHである、式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0101】
【化15】

【0102】
上記反応スキームに示した一般的な方法IIIを、以下の実施例6、40、41、42、56および57の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例6に示す。
【0103】
一般的な方法IV
Gが、
【化16】

を表し、RがN(R基であり、Rが−C(NH)=N−OHである、式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0104】
【化17】

【0105】
上記反応スキームに示した一般的な方法IVを、実施例7の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例7に示す。
【0106】
一般的な方法V
Gが、
【化18】

を表し、Rが、炭素を通じて結合したピロリル基であり、Rがシアノまたは−C(NH)=N−OHである、式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0107】
【化19】

【0108】
上記反応スキームに示した一般的な方法Vを、以下の実施例8、9、10、43、44および45の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例8、9および10に示す。
【0109】
一般的な方法VI
Gが、
【化20】

を表し、Rが、シアノ、C1〜6アルキル−OH、−CH=N−OH、−C(O)NH、または−C(NH)=N−OHである、式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0110】
【化21】

【0111】
上記反応スキームに示した一般的な方法VIを、以下の実施例11、12、13、14、16、46、47、48、49、50、59、60、61、63、64および65の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例11、12、13、14および16に示す。
【0112】
一般的な方法VII
Gが、
【化22】

を表し、RがC1〜6アルキル−OHである、式(I)の化合物を調製するのに、以下の一般的な方法を使用することができる。
【0113】
【化23】

【0114】
上記反応スキームに示した一般的な方法VIIを、実施例15の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例15に示す。
【0115】
一般的な方法VIII
【化24】

【0116】
上記反応スキームに示した一般的な方法VIIIを、以下の実施例51、52および53の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例51および52に示す。
【0117】
一般的な方法IX
【化25】

【0118】
上記反応スキームに示した一般的な方法IXを、実施例58、66、67および68の合成のために使用した。これらの実施例の最終化合物の合成のために適用可能な一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細を、実施例58および66に示す。
【実施例】
【0119】
[実施例1、2、および3]
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E1)
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(E2)
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(E3)
【化26】

【0120】
ステップ(a):無水酢酸(9mL)中のマロノニトリル(2.64g、40.0mmol)の撹拌した溶液に、1,1,1−トリエトキシエタン(6.48g、40.0mmol)を加えた。この溶液を還流しながら15時間撹拌し、冷却し、水中に注いだ。この混合物をエーテルで抽出し、有機抽出液をNaHCO水溶液、次いでブラインで洗浄した。この溶液を乾燥(MgSO)し、減圧下で濃縮することによって、2−(1−エトキシエチリデン)マロノニトリル(4.35g、80%)として同定された固体を得た。この手順は、J.Med.Chem.2004、47、5894〜5911から適応させた。
【0121】
ステップ(b):EtOH(12mL)中の2−(1−エトキシエチリデン)マロノニトリル(958mg、7.04mmol)の撹拌した溶液に、(4−メトキシフェニル)ヒドラジン(1.12g、8.09mmol)を加えた。(ヒドラジンを使用する前に、そのHCl塩をNaHCO/CHClで洗浄した。有機相を濃縮し、直接使用した。)この溶液を、電子レンジ内で105℃に20分間加熱した。CHClを加え、有機相を1MのHClで洗浄し、有機抽出液をNaHCO水溶液で洗浄した。この溶液を、相分離器を使用して乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、5−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.30g、81%)を得、これをそのまま次ステップに使用した。この手順は、J.Med.Chem.2004、47、5894〜5911から適応させた。
【0122】
ステップ(c):MeCN(8mL)中の5−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.30g、5.70mmol)の撹拌した溶液に、ジヨードメタン(1.93mL、23.9mmol)を加え、その後亜硝酸イソアミル(0.19mL、1.42mmol)を加えた。反応器を、加熱ガンを使用して加熱することによって反応を開始した。亜硝酸イソアミルの残り(1.72mL、12.8mmol)を加えた後、反応物を50℃で1時間撹拌した。この反応物をシリカ中に濃縮し、シリカゲル(ヘプタン−CHCl 1:0〜0:1)を使用して精製して、5−ヨード−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.45g、75%)を得た。
【0123】
ステップ(d):5−ヨード−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(450mg、1.33mmol)、3,5−ジメチル−4−(トリブチルスタンニル)イソオキサゾール(907mg、2.35mmol)、およびPdCl(PPh(186mg、0.27mmol)を、電子レンジ用バイアル中、窒素下で、1mLの脱気したジオキサンおよび1mLの脱気したDMEとともに混合した。反応は、電子レンジ内で、145℃で30分間実施した。水を加え、CHClで抽出し、相分離器を通して濾過した。有機相を蒸発させ、残留物を、シリカを使用して精製することによって、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(555mg、>100%)を得、これをそのまま次ステップに使用した。
【0124】
ステップ(e):5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(555mg、1.33mmol)を、CHCl(50mL)中に溶解させ、BBr(DCM中1Mの溶液、7mL、7.0mmol)を加えた。反応物を室温で一晩撹拌した。水を加え、生成物をCHClで抽出した。相分離器に通した濾過、濃縮、およびシリカを使用した精製により、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(303mg、78%)を得た。
【0125】
ステップ(f):ヒドロキシルアミン溶液を調製した。水(0.2mL)、メタノール(0.4mL)中に溶解したヒドロキシルアミン−HCl(26mg、0.37mmol)およびNaHCO(32mg、0.37mmol)を、ガスが発生するのが止まるまで2分撹拌し、この混合物を濾過し、脱気した(N)。これを、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(11mg、0.037mmol)に加え、電子レンジ内で、130℃で30分間撹拌した。EtOAcおよびブラインを加え、相を分離した。分取HPLCを使用して精製することにより、E1である5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(2.52mg、7.71μmol、21%)ES/MS m/z: 328.19 (M+H), 326.22 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.10 m 2H; 6.84 m 2H; 2.36 s 3H; 2.10 s 3H; 1.89 s 3Hを得た。出発原料の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(0.99mg、3.36μmol)、ならびにE2である5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(3.22mg、0.01mmol)ES/MS m/z: 313.17 (M+H), 311.22 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.10 m 2H; 6.85 m 2H; 2.47 s 3H; 2.12 s 3H; 1.95 s 3Hを回収した。 H−NMRによる実施例6の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【0126】
ステップ(g):−78℃のN下の乾燥CHCl(3mL)中の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(69mg、0.23mmol)の撹拌した溶液に、DIBAL−H(ヘキサン中1Mの溶液、1.17mL、1.17mmol)を、約10分にわたって加えた。この反応物を室温に到達させた。1時間後、反応物を−78℃に再び冷却し、EtOH(1mL)、その後3MのHCl(6mL)を、慎重に加えた。この混合物をEtOAc中に抽出し、シリカ上への濃縮および精製(シリカの短いプラグ、EtOAc:ヘプタン 1:1)の後、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドを定量的収率で得、これを次ステップに直接使用した。
【0127】
ステップ(h):半粗製の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドを、乾燥エタノール(1.5mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg、0.014mmol)およびピリジン(0.15mL)とともに混合し、電子レンジ内で、150℃で10分間加熱した。1MのHClおよびCHClを加え、相を分離した。オキシムを分取HPLCで精製することによって、E3である5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(37mg、50%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、生成物が、(E)および(Z)オキシム異性体の約1:1の混合物であることが示された。ES/MS m/z: 313.17 (M+H), 311.19 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.83 s 1H;7.13 m 2H; 6.87 m 2H; 2.41 s 3H; 1.88 s 3H.
【0128】
ステップ(i):n−BuLi(ヘキサン中の1.6Mの溶液、6mL、9.6mmol)を、窒素下のTHF(24mL)中の4−ヨード−3,5−ジメチルイソオキサゾール(1.47g、6.60mmol)の冷却した(−78℃)の溶液に加えた。15分後、トリブチルスズ塩化物(26mL、9.60mmol)を加え、この反応物を、室温に加温しながら一晩撹拌した。反応を1MのHClによってクエンチし、CHClを加え、相を分離し、溶媒を蒸発させた。残留物を、ヘプタン:CHCl(75:25〜0:100)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、3,5−ジメチル−4−(トリブチルスタンニル)イソオキサゾール(1.00g、39%)を得た。
【0129】
[実施例4および5]
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(E4)
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E5)
【化27】

【0130】
ステップ(a):AcOH(3.5mL)中のエチル3−オキソヘキサノエート(0.58mL、3.62mmol)および(4−メトキシフェニル)ヒドラジン(0.50g、3.62mmol)の懸濁液に、EtN(0.58mL、4.16mmol)を加えた。この混合物を120℃で30時間撹拌した。溶媒を蒸発によって除去し、残留物をDCM/EtOAc中に溶解させ、これを、NaHCO飽和水溶液、その後水で洗浄し、相分離器を使用して乾燥させた。真空で濃縮し、シリカクロマトグラフィー(CHCl:EtO 3:1)を使用して精製することにより、1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−5(4H)−オン(495mg、59%)を得た。
【0131】
ステップ(b):1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−5(4H)−オン(495mg、2.13mmol)をマイクロ波管内に入れて閉じ、MeCN(2.1mL)およびPBr(6.4mL、68.2mmol)を、シリンジを介して加え、この反応物を電子レンジ内で、150℃で40分間撹拌した。生成物を氷上に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機相を水相から分離し、蒸発させた。粗生成物をシリカカラム(CHCl/EtO、1:1)で精製することによって、5−ブロモ−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール(287mg、46%)を得た。
【0132】
ステップ(c):5−ブロモ−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール(287mg、0.97mmol)、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルボロン酸(274mg、1.94mmol)、KCO(806mg、5.83mmol)、ヨウ化ナトリウム(291mg、1.94mmol)、およびPd(PPh(90mg、0.08mmol)を、電子レンジ用バイアル中、窒素下で、脱気したジオキサン(1mL)および脱気したHO(1mL)とともに混合した。この反応物を150℃で20分間加熱した。粗混合物をCHClで希釈し、水で洗浄した。有機相を水相から分離し、相分離器を使用して乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をシリカカラム(CHCl:EtO、90:10)で精製することによって、4−(1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(178mg、59%)を得た。
【0133】
ステップ(d):オキシ塩化リン(599μL、6.42mmol)を、0℃で、トルエン(0.6mL)中の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(497μL、6.42mmol)に液滴で加えた。この混合物を5分間撹拌した。次いで、4−(1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(160mg、0.51mmol)を加え、トルエン(0.5mL)中に溶解させ、この反応混合物を、電子レンジ内で、150℃で20分間加熱した。CHClおよび水を加え、相分離器を使用して分離し、有機相を乾燥させた。短いシリカプラグを通して濾過することにより、半粗製の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドを得、これを、さらに精製することなくそのまま次ステップに使用した。
【0134】
ステップ(e):ステップ(d)からの半粗製の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドを、乾燥エタノール(3mL)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(200mg、2.89mmol)およびピリジン(0.3mL、3.71mmol)とともに混合し、電子レンジ内で、150℃で10分間加熱した。1MのHClおよびCHClを加え、相を分離した。オキシムを分取HPLCで精製することによって、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(13mg、0.037mmol)を得た。
【0135】
ステップ(f):ステップ(e)からの粗製の(E)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシムのうちの10%(1.2mg、0.003mmol)を、CHCl(4mL)中に溶解させ、BBr(DCM中1Mの溶液、0.4mL、0.37mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。水およびDCMを加え、相を分離した。有機相を分取HPLCで精製することによって、E4である5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(0.58mg、3つのステップにわたって3%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 341.16 (M+H), 339.25 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.84 s 1H; 7.14 m 2H; 6.85 m 2H; (m 2H、水に隠れて不明); 2.18 s 3H; 1.85 s 3H; 1.75 m 2H; 0.99 t (7.6Hz) 3H.
【0136】
ステップ(g):ステップ(e)からの粗製の(E)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシムのうちの90%(12mg、0.034mmol)を、無水酢酸中に溶解させ、電子レンジ内で、140℃で40分間加熱した。この反応混合物をシリカ上で濃縮し、シリカプラグを通して濾過することによって、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(12mg、100%)を得た。
【0137】
ステップ(h):(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−メトキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(12mg、0.036mmol)を、CHCl(3mL)中に溶解させ、BBr(DCM中1Mの溶液、0.3mL、0.28mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。水およびDCMを加え、相を分離した。有機相をシリカプラグで精製することによって、5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5.4mg、47%)を得た。
【0138】
ステップ(i):水中のヒドロキシルアミン塩酸塩およびNaOHの2Mの中性溶液(0.5mL、1.0mmol)を、DMSO(0.5mL)中の5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5.4mg、0.017mmol)に加え、65℃で一晩撹拌した。反応混合物に対する大雑把なLCMSは、41%の生成物、38%のアミド、および21%の出発原料を示す。分取HPLCを使用した精製により、E5である5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(1.42mg、24%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 356.2 (M+H), 354.21 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.11 m 2H; 6.85 m 2H; 2.77 m 2H; 2.11 s 3H; 1.88 s 3H; 1.75 m 2H; 0.98 t (7.5Hz) 3H.
【0139】
[実施例6]
5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E6)
【化28】

【0140】
ステップ(a):0℃に冷却した濃HCl(5.5mL)中の2−フルオロ−4−メトキシアニリン塩酸塩(665mg、3.7mmol)の激しく撹拌した懸濁液に、HO(1mL)中のNaNO(312mg、4.5mmol)の冷溶液を加えた。この混合物を0℃で90分間撹拌した。次いで、濃HCl(5.5mL)中のSnCl−2HO(3.4g、15.0mmol)の冷溶液を、ジアゾニウム塩の溶液に徐々に加えた。この反応物を室温に加温させ、30分間撹拌し、反応物を濾過した。収集した析出物を、フィルター上で、いくつかの大量のエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させた。固体をDCM中に溶解させ、飽和NaHCOで洗浄し、抽出し、相分離器を使用して乾燥させた。蒸発により(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ヒドラジン(220mg、38%)を得、これを、さらに精製することなく、次ステップに使用した。この手順は、J.Med.Chem.2000、43、4701から適応させた。
【0141】
ステップ(b):2−(1−エトキシエチリデン)マロノニトリル(167mg、1.23mmol)の撹拌した溶液に、EtOH(3mL)中の(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)ヒドラジン(220mg、1.41mmol)を加えた。この溶液を、電子レンジ内で105℃に30分間加熱した。CHClおよび1MのHClを加え、分離し、有機抽出液をNaHCO水溶液で洗浄した。この溶液を、相分離器を使用して乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(256mg、85%)を得、これを、さらに精製することなく次ステップに使用した。
【0142】
ステップ(c):上記からの粗製の5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(256mg、1.04mmol)をCHCl(25mL)中に溶解させ、BBr(DCM中1Mの溶液、5mL、5.0mmol)を加え、一晩撹拌した。CHClおよび水を加え、相を分離した。水相をEtOAc/CHCl(1:1)で再び抽出した。この溶液を、相分離器を使用して乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(217mg、76%)を得、これを、そのまま次ステップに使用した。
【0143】
ステップ(d):氷酢酸(3mL)中の5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(100mg、0.43mmol)およびアセトニルアセトン(507μL、4.31mmol)の溶液を、マイクロ内で、140℃で30分間加熱した。この混合物を、EtOAcを使用して丸底フラスコに移し、蒸発させ、トルエンを加え、再び蒸発させ、CHClおよびシリカを最後に加え、この混合物を蒸発させて乾燥させた。シリカクロマトグラフィー(短いプラグ)を使用した精製により、出発原料のアセトニルアセトンとの1:1の混合物として、5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(132mg、99%)を得た。この生成物をそのまま次ステップに使用した。
【0144】
ステップ(e):ヒドロキシルアミン(水中50wt%の溶液、0.8mL、13.5mmol)を、MeOH(1.6mL)中に溶解した5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(28mg、0.09mmol)に加えた。この反応物を、電子レンジ内で、150℃で15分間加熱した。分取HPLCを使用した精製により、5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(8.68mg、28%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 344.14 (M+H), 342.25 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.13 (t, 1H, J=8.5Hz), 6.68 (m, 2H), 5.76 (s, 2H), 2.40 (s, 3H)および1.95 (s, 6H).
【0145】
[実施例7]
5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E7)
【化29】

【0146】
ステップ(a):無水酢酸(9mL)中のマロノニトリル(2.64g、40.0mmol)の撹拌した溶液に、1,1,1−トリエトキシプロパン(8.04g、40.0mmol)を加えた。この溶液を還流しながら15時間撹拌し、冷却し、水中に注いだ。この混合物をエーテルで抽出し、有機抽出液をNaHCO水溶液、次いでブラインで洗浄した。この溶液を乾燥(MgSO)し、減圧下で濃縮することによって、2−(1−エトキシプロピリデン)マロノニトリル(5.80g、97%)として同定された固体を得た。この手順は、J.Med.Chem.2004、47、5894〜5911からから適応させた。
【0147】
ステップ(b):EtOH(8mL)中の2−(1−エトキシエチリデン)マロノニトリル(1.00g、6.66mmol)の撹拌した溶液に、(4−メトキシフェニル)ヒドラジン(1.29g、9.32mmol)を加えた。(ヒドラジンを使用する前に、そのHCl塩をNaHCO/CHClで洗浄した。有機相を濃縮し、直接使用した。)この溶液を、電子レンジ内で105℃に20分間加熱した。CHClを加え、有機相を1MのHClで洗浄し、有機抽出液をNaHCO水溶液で洗浄した。この溶液を、相分離器を使用して乾燥させ、減圧下で濃縮することによって、5−アミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(1.38g、85%)を得、これを、そのまま次ステップで使用した。この手順は、J.Med.Chem.2004、47、5894〜5911から適応させた。
【0148】
ステップ(c):−78CのTHF(10mL)中の5−アミノ−3−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(0.50g、2.06mmol)に、LDA(THF中0.6M、4.5mL、2.7mmol)を加え、5分間撹拌し、その後EtBr(500μL、6.81mmol)を加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。EtOおよび水を加え、有機相を分離した。水相を、1MのHClを使用して酸性化し、これをEtOAcで抽出した。MgSOを使用して乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、未精製物を、シリカクロマトグラフィーを使用して精製することによって、3−エチル−5−(エチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(130mg、23%)を得た。
【0149】
ステップ(d):−78CのTHF(2.4mL)中の3−エチル−5−(エチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(130mg、0.48mmol)に、LDA(THF中の0.6Mの溶液、1.0mL、0.6mmol)を加え、5分間撹拌し、その後EtBr(118μL、1.5mmol)を加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。EtOおよび水を加え、有機相を分離した。水相を1MのHClを使用して酸性化し、これをEtOAcで抽出した。MgSOを使用して乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、未精製物を、シリカクロマトグラフィーを使用して精製することによって、3−エチル−5−(エチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(39mg、27%)を得た。
【0150】
ステップ(e):上記からの5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(39mg、0.13mmol)を、CHCl(5mL)中に溶解させ、BBr(DCM中の1Mの溶液、1mL、1.0mmol)を加え、一晩撹拌した。CHClおよび水を加え、相を分離し、水相をEtOAc/CHCl(1:1)で再び抽出した。この溶液を、相分離器を使用して乾燥させ、減圧下で濃縮した。分取HPLCを使用した精製により、5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(36mg、97%)を得た。
【0151】
ステップ(f):ヒドロキシルアミン(水中の50wt%の溶液、0.45mL、7.3mmol)を、電子レンジ用バイアル中のDMSO(1mL)中に溶解した5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(16mg、0.06mmol)に加えた。反応物を、電子レンジ内で、160℃で30分間加熱した。分取HPLCを使用した精製により、(Z)−5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(6.22mg、35%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 318.29 (M+H), 316.32 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.40 (m, 2H), 6.90 (m, 2H), 2.96 (q, 4H, J=7.2Hz), 2.65 (q, 2H, J=7.4Hz), 1.19 (t, 3H, J=7.4Hz)および0.95 (t, 6H, J=7.2Hz).
【0152】
[実施例8および9]
5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E8)
5−(5−ブロモ−1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E9)
【化30】

【0153】
ステップ(a):ヘプタン(5mL)中のエチル2−(ジエトキシホスホリル)プロパノエート(450μL、2.1mmol)の撹拌した溶液に、2,2−ジメトキシアセトアルデヒド(水中60%、1.0mL、4.2mmol)を加えた。この溶液を60℃で15時間撹拌した。この反応物を冷却した後、水を加え、この混合物をCHClで抽出し、相分離器およびシリカプラグを通して濾過した。減圧下での濃縮により、(E)−エチル4,4−ジメトキシ−2−メチルブト−2−エノエート(480mg、>100%)を得た。この手順は、Tetrahedron 2002、2533から適応させた。
【0154】
ステップ(b):EtOAc(30mL)中の(E)−エチル4,4−ジメトキシ−2−メチルブト−2−エノエート(1.32g、7.01mmol)の撹拌した溶液に、PtO(51mg、0.22mmol)を加えた。このスラリーを一晩水素化した。セライトに通した濾過、濃縮、およびシリカゲル(CHCl−EtO 1:0〜0:1)を使用した精製により、エチル4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノエート(0.88g、66%)を得た。
【0155】
ステップ(c):−20℃のTHF(1mL)中のエチル4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノエート(90μL、0.53mmol)およびN,O−ジメチルアミン塩酸塩(80mg、0.81mmol)の撹拌した溶液に、イソプロピル塩化マグネシウム(THF中2Mの溶液、0.8mL、1.58mmol)を液滴で加えた。−10℃で90分間撹拌した後、水で反応をクエンチし、EtOAc/CHCl中に抽出し、相分離器を使用して乾燥させた。濃縮により、N,4,4−トリメトキシ−N,2−ジメチルブタンアミド(80mg、74%)を得た。大雑把なH−NMRにより、ワインレブアミドへの完全な変換が示された。この生成物をそのまま次ステップで使用した。
【0156】
ステップ(d):−78℃のEtO(1.5mL)中の1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−5−ヨード−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(66mg、0.18mmol)に、n−BuLi(ヘキサン中の2.5Mの溶液、0.1mL、0.24mmol)を加えた。15分間撹拌した後、N,4,4−トリメトキシ−N,2−ジメチルブタンアミドをEtO(1.5mL)中に加えた。この反応物を−78℃で15時間撹拌する一方で、−40℃に加温した。反応を水でクエンチし、EtOおよびDCMの混合物を使用して抽出した。相分離器を使用して乾燥させ、その後の濃縮、およびシリカゲル(ヘプタン−EtOAc、1:0〜0:1)を使用した精製により、5−(4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノイル)−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(33mg、48%)を得た。
【0157】
ステップ(e):CHCl(1.5mL)中の5−(4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノイル)−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(33mg、0.09mmol)の溶液に、TFA(0.4mL)および水(0.4mL)を加え、この反応物を室温で3時間撹拌した。この混合物をNaHCOの飽和水溶液およびCHClで希釈した。有機相を分離し、水相をCHClで抽出した。次いで有機相を、NaHCOの飽和水溶液で洗浄した。合わせた抽出液を、相分離器を用いて乾燥させ、濃縮した。所望の1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(2−メチル−4−オキソブタノイル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(29mg、100%)を得、次ステップに直ちに使用した。
【0158】
ステップ(f):CHCl(2mL)中の1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(2−メチル−4−オキソブタノイル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(29mg、0.09mmol)の撹拌した溶液に、メチルアミン(メタノール中2.0Mの溶液、0.61mL、1.2mmol)を、閉じたマイクロ波管内で、周囲温度で加えた。この反応混合物を周囲温度で14時間撹拌し、減圧下で濃縮した。シリカプラグ(ヘプタン/CHCl/EtO−1:0:0−1:1:0−0:1:0−0:1:1)を使用した精製により、5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(20mg、62%)を得た。
【0159】
ステップ(g):5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(20mg、0.06mmol)をCHCl(3mL)中に溶解させ、BBr(DCMに対して1Mの溶液、0.3mL、0.3mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応を、水を使用してクエンチし、CHClで抽出した。濃縮および分取HPLCを使用した精製により、5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(10mg、53%)を得た。5−(5−ブロモ−1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(7mg)も単離した。
【0160】
ステップ(h):ヒドロキシルアミン(水中16.3Mの溶液、0.3mL、4.8mmol)を、MeOH(0.6mL)中の5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(10mg、0.032mmol)に加え、この反応物を、マイクロ波反応器内で、150℃で20分間撹拌した。粗反応物を分取HPLCで精製することによって、E8である5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(4.27mg、39%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 344.12 (M+H), 342.24 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 8.11 (s, 1H), 7.17 (t, 1H, J=8.8Hz), 6.70 (d, 1H, J=2.87Hz), 6.67 (m, 1H), 6.61 (dd, 1H, J= 2.6, 11.9Hz), 5.83 (d, 1H, J=2.71), 3.38 (s, 3H), 2.39 (s, 3H)および1.72 (s, 3H).
【0161】
ステップ(i):ヒドロキシルアミン(水中16.3Mの溶液、0.3mL、4.8mmol)を、MeOH(0.6mL)中の5−(5−ブロモ−1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(7mg、0.018mmol)に加え、この反応物を、電子レンジ内で、150℃で20分間撹拌した。粗反応物を分取HPLCで精製することによって、E9である5−(5−ブロモ−1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(2.47mg、33%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 422.00, 424.00 (M+H), 420.09, 422.07 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 8.11 (s, 1H), 7.20 (t, 1H, J=8.8Hz), 6.86 (s, 1H), 6.70 (m, 1H), 6.62 (dd, 1H, J= 2.6, 11.9Hz), 3.41 (s, 3H), 2.39 (s, 3H)および1.66 (s, 3H).
【0162】
[実施例10]
3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E10)
【化31】

【0163】
ステップ(a):MeOH(1.5mL)中の5−(4,4−ジメトキシ−2−メチルブタノイル)−3−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(20mg、0.05mmol)の撹拌した溶液に、メチルアミン(メタノール中2.0Mの溶液、0.20mL、0.4mmol)および濃HCl(0.1mL)を、閉じたマイクロ波管内で、周囲温度で加えた。この反応混合物を周囲温度で14時間撹拌し、次いで、さらなるメチルアミン(メタノール中2.0Mの溶液、2.70mL、5.4mmol)および濃HCl(0.3mL)を加え、この反応物を80Cで14時間加熱した。水およびCHClを加え、相を分離し、有機相を減圧下で濃縮した。シリカプラグ(ヘプタン/CHCl/EtO−1:0:0−1:1:0−0:1:0−0:1:1)を使用した精製により、3−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5mg、0.02mmol、30%)を得た。
【0164】
ステップ(b):3−エチル−1−(4−メトキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5mg、0.02mmol)をCHCl(3mL)中に溶解させ、BBr(DCMに対して1Mの溶液、0.3mL、0.3mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応を、水を使用してクエンチし、CHClで抽出した。濃縮により、粗製の3−エチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5mg、0.02mmol、100%)を得、これをそのまま次ステップに使用した。
【0165】
ステップ(c):ヒドロキシルアミン(水中16.3Mの溶液、0.3mL、4.8mmol)を、MeOH(0.6mL)中の3−エチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(5mg、0.02mmol)に加え、この反応物を、マイクロ波反応器内で、150℃で20分間撹拌した。粗反応物を分取HPLCで精製することによって、3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(3.34mg、63%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 327.1 (M+H), 325.23 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 8.13 (s, 1H), 7.53 (d, 1H, J=1.9Hz), 7.05 (m, 2H), 6.80 (m, 2H), 6.36 (d, 2H, J=1.9Hz), 2.83 (q, 2H, J=7.6Hz), 1.76 (s, 3H),および1.26 (t, 3H, J=7.6Hz).
【0166】
[実施例11、12、13、および14]
4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(E11)
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム(E12)
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(E13)
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(E14)
【化32】

【0167】
ステップ(a):THF(2.5mL)中のプロプ−2−イン−1−オール(61.7mg、1.10mmol)、メトキシベンゾイルクロリド(396mg、2.32mmol)、およびトリエチルアミン(229μL、1.65mmol)の混合物を、室温で50分間撹拌し、次いでPdCl(PPh(30.9mg、0.04mmol)、CuI(16.8mg、0.09mmol)および別の1.5当量のトリエチルアミン(167mg、1.65mmol)をこの混合物に加え、Nを用いて脱気し、室温で1時間撹拌した。次いで、MeOH(0.6mL)、AcOH(0.6mL)、およびメチルヒドラジン(118μL、2.2mmol)を反応混合物に加え、電子レンジ内で、150℃で25分間照射した。この混合物を濃縮し、シリカゲルで精製することによって、(3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル4−メトキシベンゾエート(269mg、0.76mmol、69%)を得た。
【0168】
ステップ(b):THF/エーテル(2mL/3mL)中の(3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル4−メトキシベンゾエート(80.0mg、0.23mmol)の溶液に、LiBH(12.0mg、0.44mmol)を加え、この反応物を室温で2時間撹拌した。TLCにより低い消費量が示されたので、さらにLiBH(12.0mg、0.44mmol)を加え、一晩撹拌し、水でクエンチし、EtOAc(2×10mL)で抽出し、濃縮し、シリカゲルで精製することによって、(3−(4−メトキシフェニル−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(44.0mg、0.20mmol、89%)を得た。
【0169】
ステップ(c):MeCN(35mL)中の(3−(4−メトキシフェニル−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(398mg、1.82mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(341mg、1.91mmol)の溶液を、室温で40分間撹拌した。この溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(812mg、1.91mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濾過し、濃縮し、シリカゲルで精製することによって、4−ブロモ−3−(4−メトキシフェニル−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(477mg、1.62mmol、89%)を得た。
【0170】
ステップ(d):DME/水(1mL/1mL)中の4−ブロモ−3−(4−メトキシフェニル−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(74.5mg、0.25mmol)、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルボロン酸(53.4mg、0.38mmol)、KCO(140mg、1.01mmol)、およびPd(PPh(14.6mg、0.01mmol)の混合物にアルゴンを流し、電子レンジ内で、140℃で30分間照射し、3mLの水を加えた後、EtOAc(3×4mL)で抽出した。この混合物を濃縮し、シリカゲルで精製することによって、4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(25.6mg、0.08mmol、33%)を得た。
【0171】
ステップ(e):ジエチルエーテル(3mL)中の4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(4.1mg、0.013mmol)の溶液に、LiBH(12mg、0.55mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。次いで、水で反応をクエンチし、EtOAcで抽出し、相分離器を通して濾過し、濃縮した。DCM(1mL)中の未処理生成物に、BF3*MeS(DCM中1Mの溶液、0.2mL、0.2mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。形成した析出物を、0.5mLのDCMで2回洗浄し、MeOH中に溶解させ、分取HPLCで精製することによって、E11である4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(2.8mg、0.009mmol、71%)を得た。ES/MS m/z: 299.6 (M+H), 297.7 (M-H); 1H NMR (MeOD, 500MHz): 7.18 (m, 2H), 6.71 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.74 (s, 2H), 2.20 (s, 3H)および1.87 (s, 3H).
【0172】
ステップ(f):乾燥EtOH(1mL)中の4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(9.1mg、0.029mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(54.9mg、0.79mmol)、およびピリジン(69μL、0.85mmol)の混合物を、電子レンジ内で、100℃で3分間加熱した。1mLの2MのHClおよび5mLのDCMを加え、相を分離した。有機相を、相分離器を通して濾過し、濃縮することによって未処理生成物を得、これをDCM(0.5mL)中に溶解させた。BF3*MeS(DCM中1Mの溶液、0.5mL、0.5mmol)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。メタノールを加えて反応をクエンチし、この混合物を分取HPLCで精製することによって、E12である4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム(3.0mg、0.01mmol、32%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 313.22 (M+H), 311.21 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.92 (s, 1H), 7.31 (m, 2H), 6.79 (m, 2H), 4.08 (s, 3H), 2.15 (s, 3H)および1.86 (s, 3H).
【0173】
ステップ(g):エタノール(1mL)中の4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(45.0mg、0.14mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(100mg、1.45mmol)、およびピリジン(129μL、1.59mmol)の混合物を、電子レンジ内で、100℃で3分間加熱した。1mLの2MのHClおよび5mLのDCMを加えた。析出物が形成され、これは、所望の生成物であることが判明した。残りの溶液をDCM(5×3mL)で抽出した。DCM層を、相分離器を通して濾過し、析出物と一緒に濃縮することによって、未処理生成物を得た。これに塩化チオニル(3mL)を加え、この混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮した。乾燥DCM(1mL)およびBF3*MeS(DCM中1Mの溶液、0.5mL、0.5mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、MeOHを加えて反応をクエンチした。粗生成物をシリカゲルで精製することによって、4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(30.5mg、0.01mmol、68%)、および3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(6.0mg、0.018mmol、13%)を得た。
【0174】
ステップ(h):DMSO(1.5mL)中の4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリルの溶液に、中性のヒドロキシルアミン溶液(水中2M、1.27mL、2.55mmol)を加え、130℃で10分間撹拌した。EtOAcおよび水を加え、相を分離した。粗生成物を分取HPLCで精製することによって、E13である4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(11.3mg、0.035mmol、34%)ES/MS m/z: 328.1 (M+H), 326.5 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.29 (m, 2H), 6.78 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.10 (s, 3H)および1.88 (s, 3H)、およびE14である4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(12.7mg、0.041mmol、40%)、ES/MS m/z: 313.1 (M+H), 311.5 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.25 (m, 2H), 6.79 (m, 2H), 4.11 (s, 3H), 2.11 (s, 3H)および1.92 (s, 3H)を得た。実施例18について、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【0175】
[実施例15]
4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(E15)
【化33】

【0176】
ステップ(a):PdCl(PPh(14.0mg、0.02mmol)およびCuI(7.6mg、0.04mmol)を乾燥THF(2mL)に加え、脱気した。4−メトキシ安息香酸クロリド(171mg、1.0mmol)、ブト−3−イン−1−オール(77.1mg、1.1mmol)、およびトリエチルアミン(292μL、1.1mmol)をこの混合物に加え、室温で1時間撹拌した。メチルヒドラジン(50.7mg、1.1mmol)を、MeOH(0.5mL)および酢酸(0.5mL)と一緒に反応混合物に加え、この混合物を、電子レンジ内で、150℃で10分間照射した。この溶液を濃縮し、シリカゲルで精製することによって、2−(3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)エタノール(173mg、0.74mmol、74%)を得た。
【0177】
ステップ(b):乾燥MeCN(4mL)中の2−(3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)エタノール(153mg、0.66mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(123mg、0.69mmol)の溶液を、0℃で40分間撹拌し、濃縮し、さらに精製することなく使用した。未処理生成物をDCM(6mL)中に溶解させ、TEA(183μL、1.31mmol)を加えた。この混合物を室温で5分間撹拌し、次いでTBSOTf(159μL、0.69mmol)を0℃で加え、この反応物を0℃で1時間撹拌し、濃縮し、シリカゲルで精製することによって、4−ブロモ−5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1−H−ピラゾール(281mg、0.66mmol、100%)を得た。
【0178】
ステップ(c):DME(1mL)および水(1mL)中の4−ブロモ−5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1−H−ピラゾール(140mg、0.33mmol)、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルボロン酸(92.8mg、0.66mmol)、KCO(328mg、2.37mmol)、およびPd(PPh(19.0mg、0.02mmol)の混合物にアルゴンを流し、電子レンジ内で、140℃で20分間照射した。完全な変換は、達成されなかった。この混合物を濾過してパラジウム黒を除去した。完全な変換が達成されるまで、電子レンジ内の照射を継続した。全体で、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イルボロン酸(233mg、1.66mmol)およびPd(PPh(57.0mg、0.06mmol)を使用し、3回の照射を実施した。水を加え、粗混合物をEtOAcで抽出した。シリカゲルでの精製により、4−(5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(34.4mg、0.078mmol、24%)を得た。
【0179】
ステップ(d):DCM(3ml)中の4−(5−(2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,5−ジメチルイソオキサゾール(41.5mg、0.094mmol)に、BF3Me2S(DCM中1Mの溶液、0.5mL、0.5mmol)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。DCM層を廃棄し、析出物を別の0.2mlのDCMで洗浄した。未処理生成物をシリカゲルで精製することによって、4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール(28.6mg、0.091mmol、97%)を得た。ES/MS m/z: 314.22 (M+H), 312.31 (M-H); 1H NMR (MeOD, 500MHz): 7.15 (m, 2H), 6.70 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.54 (t, 2H, J=6.8Hz), 2.70 (t, 2H, J=6.8Hz), 2.16 (s, 3H)および1.87 (s, 3H).
【0180】
[実施例16]
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(E16)
【化34】

【0181】
ステップ(a):無水酢酸(1mL)中の4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム(30.0mg、0.09mmol)に、電子レンジ内で20分間照射した。1.5mlの水を加え、この混合物を室温で3時間撹拌し、DCMで抽出し、相分離器を通して濾過し、濃縮した。未処理生成物をDMSO(1mL)中に溶解させ、中性のヒドロキシルアミン溶液(水中50wt%、0.12mL、1.96mmol)を加えた。この混合物を、電子レンジ内で、130℃で10分間撹拌した。EtOAcおよび水を加え、相を分離した。この混合物を分取HPLCで精製することによって、(Z)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(5.2mg、0.016mmol、18%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 345.11 (M+H), 343.26 (M-H); 1H NMR (MeOD, 500MHz): 7.37 (m, 1H), 7.15 (m, 2H), 6.96 (m, 2H), 6.65 (m, 2H)および3.99 (s, 3H).
【0182】
[実施例17〜42]
以下の化合物を、上記の一般的な方法I、II、およびIIIに従って調製した。その一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細は、上記実施例1、2、3、4、5、および6に記載されている。
【0183】
実施例18、19、20、23、24、25、27、および30〜42のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。実施例21、22、26、28、および29のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、生成物が(E)オキシム異性体と(Z)オキシム異性体の約1:1の混合物であることが示された。
【化35】

【0184】






【0185】
[実施例43〜50]
以下の化合物を、上記の一般的な方法VおよびVIに従って調製した。この一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細は、上記実施例11、12、13および14に記載されている。
【0186】
実施例44、45、47、48および50のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【化36】

【0187】


【0188】
[実施例51および52]
5−((Z)−ブト−2−エン−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E51)
5−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E52)
【化37】

【0189】
ステップ(a):5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(256mg、1.0mmol)をCHCl(25mL)中に溶解させ、BBr(DCM中1Mの溶液、4.91mL、4.91mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応を、水を使用してクエンチし、CHClで抽出し、相分離器を使用して乾燥させた。濃縮により、5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(232.1mg、100%)を得、これをそのまま次ステップに使用した。
【0190】
ステップ(b):MeCN(2.5mL)中の5−アミノ−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(114mg、0.49mmol)の撹拌した溶液に、ジヨードメタン(0.293mL、3.63mmol)を加え、その後亜硝酸イソアミル(0.029mL、0.216mmol)を加えた。反応器を、加熱ガンを使用して加熱することによって反応を開始した。亜硝酸イソアミルの残り(0.261mL、1.94mmol)を加えた後、反応物を50℃で1時間撹拌した。この反応物をDCMで希釈し、シリカ中に濃縮し、シリカゲル(ヘプタン−EtOAc 1:0〜0:1)を使用して精製することによって、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヨード−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(90.0mg、53%)を得た。
【0191】
ステップ(c):DME(1mL)および水(1mL)中の1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヨード−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(40mg、0.12mmol)、(E)−ブト−2−エン−2−イルボロン酸(23.3mg、0.23mmol)、KCO(96.7mg、0.70mmol)、およびPd(PPh(13.47mg、0.01mmol)の混合物にNを流し、電子レンジ内で、150℃で10分間照射した。水およびDCMを加え、相を分離した。有機層を濃縮し、粗生成物をHPLCで精製することによって、(Z)−5−(ブト−2−エン−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(23.0mg、73%)を得た。
【0192】
ステップ(d):1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−ヨード−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(40mg、0.12mmol)、トリブチル(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)スタンナン(140.3mg、0.35mmol)、およびPdCl(PPh(24.55mg、0.03mmol)を、電子レンジ用バイアル中、窒素下で0.5mLの脱気したジオキサンおよび0.5mLの脱気したDMEとともに混合した。反応を、電子レンジ内で、145℃で30分間実施した。水を加え、この混合物をCHClで抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をHPLCで精製することによって、5−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(13mg、34%)を得た。
【0193】
ステップ(e):ヒドロキシルアミン(水中50wt%の溶液、0.5mL、8.11mmol)を、MeOH(1.0mL)中に溶解した(Z)−5−(ブト−2−エン−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(22mg、0.08mmol)に加え、またはヒドロキシルアミン(水中50wt%の溶液、0.24mL、3.97mmol)を、MeOH(0.8mL)中に溶解した5−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル(13mg、0.04mmol)に加えた。この反応物を、電子レンジ内で、150℃で15分間加熱した。分取HPLCを使用した精製により、5−((Z)−ブト−2−エン−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E51)(11.44mg、46%)、ES/MS m/z: 305.08 (M+H), 303.13 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.22 (m, 1H), 6.76-6.71 (m, 2H), 5.65 (m, 1H), 2.30 (s, 3H), 1.83 (s, 3H)および1.39 (d, 3H, J=6.7Hz)または5−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド(E52)(4.31mg、30%)ES/MS m/z: 361.05 (M+H), 359.17 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.14 (t, 1H, J=8.8Hz), 6.83 (q, 1H, J=1.0Hz), 6.66 (m, 1H), 6.61 (dd, 1H, J=11.9, 2.7Hz), 2.38 (s, 3H), 2.16 (s, 3H)および1.94 (d, 3H, J=1.0Hz)を得た。
H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【0194】
[実施例53〜57]
以下の化合物を、上記の一般的な方法I、IIIおよびVIIIに従って調製した。この一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細は、上記実施例1、2、3、6および51に記載されている。
【0195】
実施例53〜57のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【化38】

【0196】

【0197】
[実施例58]
4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(E58)
【化39】

【0198】
ステップ(a):エタノール(2mL)中の4−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(64.9mg、0.21mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(144mg、2.07mmol)、およびピリジン(184μL、2.28mmol)の混合物を、電子レンジ内で、110℃で3分間加熱した。DCMを加え、析出物が形成され、これは所望の生成物であった。残りの溶液をDCMで抽出した。DCM層を、相分離器を通して濾過し、析出物と一緒に濃縮することによって、未処理生成物を得た。これに無水酢酸(1mL)を加え、この混合物を、電子レンジ内で、150℃で50分間加熱した。DCMを加え、この混合物をHCl(2M)、NaHCO(飽和)で洗浄し、次いで相分離器を通して濾過した。溶媒を濃縮することによって、4−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(58.0mg、89%)を得た。
【0199】
ステップ(c):4−ブロモ−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(49mg、0.16mmol)、トリブチル(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)スタンナン(82.24mg、0.20mmol)、Pd(dba)(14.44mg、0.02mmol)、およびトリオ−トリルホスフィン(9.6mg、0.03mmol)を、1.5mLのDMFとともに混合し、この混合物を、バイアル中、窒素下で脱気した。バイアルを密封し、反応物を85℃で一晩加熱した。水を加え、この混合物をCHClで抽出し、有機層を濃縮した。粗生成物をシリカで精製することによって、4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(17mg、32%)を得た。
【0200】
ステップ(c):4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(17mg、0.05mmol)を乾燥DCM(2mL)中に溶解させ、BF3*MeS(DCM中1Mの溶液、0.3mL、0.3mmol)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、MeOHを加えることによって反応をクエンチした。粗生成物をシリカゲル精製することによって、−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(7.0mg、43%)を得た。
【0201】
ステップ(d):DMSO(0.6mL)中の4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボニトリル(7mg、0.02mmol)の溶液に、中性のヒドロキシルアミン溶液(水中16M、0.33mL、5.35mmol)を加えた。この反応物を、電子レンジ内で、150℃で15分間加熱した。EtOAcおよび水を加え、相を分離した。粗生成物を分取HPLCで精製することによって、4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド(3.62mg、47%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 361.06 (M+H), 359.14 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.05 (t, 1H, J=8.6Hz), 6.77 (q, 1H, J=0.9Hz), 6.59 (dd, 1H, J=8.6, 2.5Hz), 6.51 (dd, 1H, J=11.7, 2.5Hz), 4.01 (s, 3H), 2.07 (s, 3H)および1.88 (d, 3H, J=0.9Hz).
【0202】
[実施例59〜68]
以下の化合物を、上記の一般的な方法VIおよびIXに従って調製した。この一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細は、上記実施例12、13、14、16および58に記載されている。
実施例59、61、62、63、64、66、67および68のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【化40】

【0203】


【0204】
[実施例69]
4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム(E69)
【化41】

【0205】
ステップ(a):メチル4−(5−ホルミル−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,5−ジメチルフラン−2−カルボキシレート(55mg、0.15mmol)をCHCl(7.5mL)中に溶解させ、BBr(DCMに対して1Mの溶液、0.75mL、0.75mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応を、水を使用してクエンチし、CHClで抽出した。濃縮、およびシリカの短いプラグに通す濾過により、4−(5−ホルミル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,5−ジメチルフラン−2−カルボン酸(45mg、75%)を得、これをそのまま次ステップに使用した。
【0206】
ステップ(b):キノリン(0.73ml)およびNMP(2.19mL)中の4−(5−ホルミル−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,5−ジメチルフラン−2−カルボン酸(45mg、0.13mmol)、フェナントロリン(9.53mg、0.05mmol)、およびCuO(3.78mg、0.026mmol)の混合物にNを流し、電子レンジ内で、190℃で15分間照射した。HCl(1M)およびCHClを加え、相を分離した。粗生成物を分取HPLCで精製することによって、4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(20.0mg、51%)を得た。
【0207】
ステップ(f):乾燥EtOH(1.6mL)中の4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−メトキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(20mg、0.07mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(93.8mg、1.35mmol)、およびピリジン(164μL、2.02mmol)の混合物を、電子レンジ内で、120℃で15分間加熱した。水およびDCMを加え、相を分離した。粗生成物を分取HPLCで精製することによって、4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム(6.2mg、30%)を得た。H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。ES/MS m/z: 312.1 (M+H), 310.26 (M-H); 1H NMR (アセトン-d6, 500MHz): 7.77 (s, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.32 (q, 1H, J=1.0Hz), 6.76 (m, 2H), 4.09 (s, 3H), 2.02 (s, 3H)および1.63 (q, 3H, J=1.0Hz).
【0208】
[実施例70および71]
以下の化合物を、上記の一般的な方法VIIに従って調製した。この一般的な方法の個々のステップの完全な実験的詳細は、上記実施例12、13、14および16に記載されている。実施例70および71のそれぞれについて、H−NMRによる表題の化合物の同定では、オキシム生成物が単一の異性体であることが示されたが、(E)オキシム異性体が得られたのか、または(Z)オキシム異性体が得られたのかどうかは確定されなかった。
【化42】

【0209】

【0210】
結合アッセイ1:エストロゲン受容体結合アッセイ
エストロゲン受容体リガンド結合アッセイは、トリチウム標識したエストラジオール(H−E2)を使用し、および組換え発現されたビオチン標識したエストロゲン受容体結合ドメインを使用する、シンチレーション近接アッセイ(SPA)として設計される。ヒトERα(ERα−LBD、pET−N−AT #1、aa301−595)およびERβ(ERβ−LBD、pET−N−AT #1、aa255−530)タンパク質の結合ドメインは、50μMのビオチンを補充した2×LB培地中、22Cで、大腸菌(E.coli)((BL21、(DE3)、pBirA))において産生される。3時間のIPTG誘導(0.55mM)の後、細胞を7300×gで15分間遠心することによって採取し、細胞ペレットを−20Cで凍結して貯蔵する。ERαおよびERβの抽出は、50mLの抽出緩衝液(50mMのTris、pH8.0、100mMのKCl、4mMのEDTA、4mMのDDTおよび0.1mMのPMSF)中に懸濁した、5gの細胞を使用して実施する。細胞懸濁液を、マイクロフルイダイザーM−110L(Microfluidics)に2回かけ、15,000×gで60分間遠心する。上澄みをアリコートし、−70Cで貯蔵する。
【0211】
ERα−LBDまたはERβ−LBD抽出物を、アッセイ緩衝液(18mMのKHPO、2mMのKHPO、20mMのNaMoO、1mMのEDTA、1mMのTCEP)で、αおよびβそれぞれについて、1:676および1:517に希釈する。希釈した受容体濃度は、900fmol/Lであるはずである。この抽出物を、0.43mg/mLの濃度で、室温で1時間、ストレプトアビジンをコーティングしたポリビニルトルエンSPAビーズ(RPNQ0007、GE Healthcare)とプレインキュベートする。
【0212】
試験化合物を、157μMから37.5pMの濃度範囲にわたって評価する。試験化合物原液は、アッセイでの試験に対して望まれる最終濃度の5倍で、100%DMSOで作製されるべきである。384ウェルプレートの試験ウェル中のDMSO量は、20%になる。18μlの試験化合物のアリコートをアッセイプレートに加え、その後に35μlのプレインキュベートした受容体/SPAビーズ混合物を加え、最後に35μlの、3nMのH−E2を加える。このプレートをプラスチックシーラーで覆い、1000rpmで1分間遠心し、振盪機上で、室温で一晩平衡化する。翌朝、このプレートを2000rpmで5分遠心し、プレートシンチレーションカウンター、例えば、PerkinElmer Microbeta 1450 Triluxで測定する。
【0213】
受容体からの3[H]−E2を置換することができる化合物について、IC50値(3[H]−E2の結合の50%を阻害するのに必要な濃度)を、非線形4パラメータロジスティックモデル;b=((bmax−bmin)/(1+(I/IC50)S))+bmin(Iは、結合阻害剤の添加濃度であり、IC50は、最大半量の結合での阻害剤の濃度であり、Sは、傾き係数である)によって求めた。Microbeta装置は、平均cpm(カウント毎分)値/分をもたらし、検出器同士間の個々の変動を補正し、したがって補正されたcpm値をもたらす。
【0214】
トランス活性化アッセイ1:pERE−ALPおよびヒトエストロゲン受容体αを安定にトランスフェクトされたヒト胚腎臓293細胞におけるトランス活性化アッセイ
発現ベクターpMThERαは、リーダーが欠失した野生型ヒトエストロゲン受容体αのインサートを含有する。pERE−ALPレポーターコンストラクトは、胎盤アルカリホスファターゼ(ALP)およびビテロゲニンエストロゲン応答要素(ERE)の分泌型についての遺伝子を含有する。ヒト胚腎臓293細胞を2ステップでトランスフェクトする。第1に、選択のために、pERE−ALPレポーター遺伝子コンストラクトおよびpSV2−Neoをトランスフェクトされた安定なクローンミックス(clone mix)を作る。第2に、選択のために安定なクローンミックスにpMThERαおよびpKSV−Hyg耐性ベクターをトランスフェクトする。すべてのトランスフェクションは、供給者の勧告に従って、Lipofectamine(Invitrogen)を使用して実施する。pERE−ALPおよびpMThERαの両方を有する選択されたクローンを、トランス活性化アッセイに使用する。
【0215】
細胞を、10%のデキストランコート木炭処理(DCC)ウシ胎児血清(FBS)、2mMのL−グルタミン、および50μg/mlのゲンタマイシンを含む、Ham’s F12 Coon改変(フェノールレッドを含まない)中で、1ウェル当たり12500細胞で384ウェルプレート中に播種する。24時間のインキュベーション(37℃、5%のCO)の後、播種培地を処分し、1.5%DCC−FCS、2mMのL−グルタミンを含み、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを補充した20μlのHam’s F12 Coon改変(フェノールレッドを含まない)と置換する。選択した化合物を、3.3pMから33μMの範囲の12の濃度でウェルに加える。この化合物を、100%のジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解させ、アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.1%である。72時間のインキュベーション(37℃、5%のCO)の後、化学発光アッセイによってALP活性について培地をアッセイする;細胞培地の10μlのアリコートを、100μlのアッセイ緩衝液(0.1Mのジエタノールアミン、1mMのMgCl)、および0.5mMの二ナトリウム3−(4−メトキシスピロ 1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−4−イル)フェニルホスフェート(CSPD)(Tropix、Applied Biosystems)と混合し、37℃で20分間、および室温で15分間インキュベートした後、Wallac Microbeta Trilux 1450−028(PerkinElmer)で化学発光シグナル(1ウェル当たり1秒)を測定する。最大半量の有効濃度(EC50)を、XLfitソフトウェアバージョン2.0(IDBS)またはそれ以降における4パラメータロジスティックモデルを用いて濃度−応答データにフィットした曲線から計算する。
【0216】
トランス活性化アッセイ2:pERE2−ALPおよびヒトエストロゲン受容体βを安定にトランスフェクトしたヒト胚腎臓293細胞におけるトランス活性化アッセイ
レポーターベクターpERE2−ALPおよびヒトエストロゲン受容体β(hERβ530)を発現する、安定なHEK293細胞系(CRL−1573;American Type Culture Collection)の生成が記載されている(Mol Pharmacol 1998、54、105〜112;Endocrinology 2002、143、1558〜1561)。
【0217】
細胞を、10%デキストランコート木炭処理(DCC)ウシ胎児血清(FBS)、2mMのL−グルタミン、および50μg/mlのゲンタマイシンを含む、Ham’s F12 Coon改変(フェノールレッドを含まない)中で、1ウェル当たり12500細胞で384ウェルプレート中に播種する。24時間のインキュベーション(37℃、5%のCO2)の後、播種培地を処分し、1.5%DCC−FCS、2mMのL−グルタミンを含み、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを補充した20μlのHam’s F12 Coon改変(フェノールレッドを含まない)と置換する。選択した化合物を、3.3pMから33μMの範囲の12の濃度でウェルに加える。この化合物を、100%のジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解させ、アッセイにおけるDMSOの最終濃度は0.1%であった。72時間のインキュベーション(37℃、5%のCO2)の後、化学発光アッセイによってALP活性について培地をアッセイする;調整培地の10μlのアリコートを、100μlのアッセイ緩衝液(0.1Mのジエタノールアミン、1mMのMgCl2)、および0.5mMの二ナトリウム3−(4−メトキシスピロ 1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−4−イル)フェニルホスフェート(CSPD)(Tropix、Applied Biosystems)と混合し、37℃で20分間、および室温で15分間インキュベートした後、Wallac Microbeta Trilux1450−028(PerkinElmer)で化学発光シグナル(1ウェル当たり1秒)を測定する。LCPSにおいて発現されるALP活性は、細胞によって発現されるALPのレベルに直接比例する。試験化合物の最大半量の有効濃度(EC50)を、XLfitソフトウェアバージョン2.0(IDBS)またはそれ以降における4パラメータロジスティックモデルを用いて濃度−応答データにフィットした曲線から計算する。
【0218】
実施例化合物を、結合アッセイ1、ならびにトランス活性化アッセイ1および2で試験した。
【0219】
実施例1〜71の化合物は、以下のうちの1つまたは複数を示す:
(i)結合アッセイ1における1〜10,000nMのIC50の範囲でのエストロゲン受容体α−サブタイプに対する結合親和性;
(ii)結合アッセイ1における1〜10,000nMのIC50の範囲でのエストロゲン受容体β−サブタイプに対する結合親和性;
(iii)トランス活性化アッセイ1における、エストロゲン受容体α−サブタイプでの1〜10,000nMのEC50の範囲の効力;
(iv)トランス活性化アッセイ2における、エストロゲン受容体β−サブタイプでの1〜10,000nMのEC50の範囲の効力。
【0220】
本発明の好ましい実施例の化合物は、上記に示したIC50の範囲内で、より低い濃度で、エストロゲン受容体β−サブタイプに対する結合親和性を示すものである。例えば、実施例12、18、19、27、44、45、48および63の化合物は、結合アッセイ1において、1〜100nMのIC50の範囲で、エストロゲン受容体β−サブタイプに対する結合親和性を示す。
【0221】
本発明の好ましい実施例の化合物は、結合アッセイ1において、エストロゲン受容体α−サブタイプよりもエストロゲン受容体β−サブタイプに対して選択的であるものである。例えば、実施例3、4、6、8、12、18、19、26、27、33、38、39、44、45、56、58、59、63、66および68の化合物は、結合アッセイにおいて、10以上のエストロゲン受容体β−サブタイプに対する選択性を示す。
【0222】
本発明の好ましい実施例の化合物は、上記に示したEC50の範囲内で、より低い濃度で、エストロゲン受容体β−サブタイプでの効力を示すものである。例えば、実施例3〜6、8、9、12、13、18、19、20、24〜27、30〜35、37〜41、44、45、47、48、50、51、52、54〜57、62〜64、66〜68、70および71の化合物は、トランス活性化アッセイ2におけるエストロゲン受容体βサブタイプでの0.1〜100nMのEC50の範囲の効力を示す。
【0223】
本発明の好ましい実施例の化合物は、トランス活性化アッセイ1および2において、エストロゲン受容体α−サブタイプよりもエストロゲン受容体β−サブタイプに対して選択的であるものである。例えば、実施例3、5、8、13、19〜22、24、31、32、36、48、50、51、54、64、67、70および71の化合物は、トランス活性化アッセイにおいて、50以上のエストロゲン受容体β−サブタイプに対する選択性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはそのエステル、もしくはアミドの塩、およびそのエステル、アミド、もしくは塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、溶媒和物もしくは塩
【化1】

(I)
[式中、Gは、基:
【化2】

のうちの1つを表し、
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、OR、N(R、−C(O)C1〜4アルキル、−SO1〜4アルキル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、トリハロC1〜6アルキル、ハロC2〜6アルケニル、ジハロC2〜6アルケニル、トリハロC2〜6アルケニル、シアノC1〜6アルキル、C1〜4アルコキシC1〜6アルキル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジル、および5〜10員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記ベンジルまたはヘテロシクリル基は、非置換であるか、前記フェニル、ベンジルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、OR、N(R、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−C(O)C1〜4アルキル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
は、シアノ、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、−C(O)NH、C1〜6アルキル−NH、およびC1〜6アルキル−OHからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、トリハロC1〜6アルキル、フェニル、ベンジル、および5〜10員のヘテロシクリルからなる群から選択され、前記ベンジルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニル、ベンジルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、OR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
およびRのうちの1つのみが、同時に置換または非置換のフェニルであってもよく、
、R、RおよびRのそれぞれは、水素、OR、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、ハロC1〜6アルキル、ジハロC1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、
それぞれのRは、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジルおよび5〜10員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、それぞれは1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されており、
それぞれのRは、水素、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜8シクロアルキル、C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル、フェニル、ベンジルおよび5〜10員のヘテロシクリルからなる群から独立に選択され、それぞれは1〜3個のハロゲン原子で場合により置換されている]。
【請求項2】
Gが、
【化3】

から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、N(R、フェニル、または5〜10員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、およびC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、RはC1〜6アルキルを表す、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜10員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、特にC1〜3アルキル、およびトリハロC1〜6アルキル、特にトリハロC1〜3アルキルからなる群から独立に選択され、それぞれのRは、C1〜6アルキル、特にC1〜3アルキルを表す、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、フェニル、または5〜10員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、C1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、およびC2〜6アルキニル、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
、R、R、およびRのうちのそれぞれが、水素、ハロゲン、およびメチルからなる群から独立に選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Gが、
【化4】

を表し、Rが、2個のC1〜3アルキルで置換された5員複素環を表し、Rが−C(NH)=N−OHを表し、RがC1〜3アルキルを表し、Rがフルオロを表し、R、R、およびRが水素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜10員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、非置換であるか、または前記フェニルもしくはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜6アルキル、およびトリハロC1〜6アルキルからなる群から独立に選択され、それぞれのRはC1〜6アルキルを表し、
が、シアノ、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、−C(O)NH、C1〜6アルキル−NH、およびC1〜6アルキル−OHからなる群から選択され、
が、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、およびC3〜8シクロアルキルからなる群から選択され、
、R、R、およびRのうちのそれぞれが、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、またはC1〜6アルキルを独立に表す、
請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
、R、R、およびRのうちのそれぞれが、水素、ハロゲン、およびメチルからなる群から独立に選択される、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が水素、ハロゲン、またはメチルを表し、R、R、およびRが水素を表す、請求項9または請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
がフルオロを表す、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Gが、
【化5】

を表す、請求項9から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
Gが、
【化6】

を表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、および−C(O)NHからなる群から選択される、請求項9から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
がC1〜3アルキルである、請求項9から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
がフェニルおよび5員または6員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲンおよびC1〜3アルキルからなる群から独立に選択される、請求項9から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が5員または6員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは、2個のC1〜3アルキル基で置換されている、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が5員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは、2個のメチル基で置換されている、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記5員のヘテロシクリルが、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、フラニル、ピラゾリル、およびチオフェニルから選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
前記5員のヘテロシクリルがジメチルイソオキサゾリルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Gが、
【化7】

を表し、
が、C2〜6アルケニル、N(R、フェニル、および5〜6員のヘテロシクリルから選択され、前記フェニルまたはヘテロシクリル基は、1〜3個の置換基で置換されており、それぞれの置換基は、ハロゲン、シアノ、およびC1〜3アルキルからなる群から独立に選択され、それぞれのRは、C1〜3アルキルを表し、
が、シアノ、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、−C(O)NH、およびC1〜6アルキル−OHからなる群から選択され、
が、水素およびC1〜6アルキルからなる群から選択され、
、R、R、およびRのうちのそれぞれが、水素、ハロゲン、またはメチルを独立に表す、
請求項9に記載の化合物。
【請求項23】
Gが、
【化8】

を表し、
が5員のヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは2個のメチル基で置換されており、
が、−CH=N−OH、−C(NH)=N−OH、および−C(O)NHからなる群から選択され、
が水素またはC1〜3アルキルであり、
がハロゲンを表し、
、R、およびRがそれぞれ水素を表す、
請求項9に記載の化合物。
【請求項24】
以下の化合物:
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(ジエチルアミノ)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(5−ブロモ−1,3−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(3−メチルフラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)フェノール;
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボニトリル;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(異性体A);
1−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム(異性体B);
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
1−(2,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(2,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−プロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
1−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−エチル−5−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
2−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2’,4’,5−トリメチル−2H,2’H−3,3’−ビピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
2−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−2’,4’,5−トリメチル−2H,2’H−3,3’−ビピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,6−ジメチルフェニル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,6−ジメチルフェニル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒドオキシム;
5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−1−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(2,3−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
1−(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(2,6−ジフルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(2,6−ジクロロフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
5−((Z)−ブタ−2−エン−2−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルピリジン−4−イル)−1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−エチル−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
5−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
N’−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−メチル−5−(2−メチル−5−プロピル−1H−ピロール−1−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシミドアミド;
4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
(Z)−4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
(E)−4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
4−(2,4−ジメチルチオフェン−3−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(2,6−ジメチルフェニル)−3−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−N’−ヒドロキシ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド;
4−(2,4−ジメチルフラン−3−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒドオキシム;
4−(3,5−ジメチルイソチアゾール−4−イル)−N’−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシミドアミド
のうちのいずれか1つ、またはそのエステル、もしくはアミドの塩、およびそのエステル、アミドもしくは塩の溶媒和物を含めた、医薬として許容可能なそのエステル、アミド、溶媒和物もしくは塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
医薬として許容可能な担体と一緒に、また任意選択でさらなる治療剤と一緒に、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項26】
薬物として使用するための、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害に関連する状態の治療または予防において使用するための、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害に関連する状態の治療または予防用薬物の製造のための、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項29】
哺乳動物におけるエストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害を治療または予防するための方法であって、前記哺乳動物に、治療有効量の、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物、または請求項25に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
【請求項30】
エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害に関連する状態の診断用診断薬としての、標識された形態での、請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物の使用、またはエストロゲン受容体のリガンドの同定方法における参照化合物としての、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物、もしくはそのような化合物の標識された形態の使用。
【請求項31】
前記エストロゲン受容体活性に関連する疾患または障害に関連する状態が、骨減少、骨折、骨粗鬆症、軟骨変性、子宮内膜症、子宮筋腫疾患、のぼせ、LDLコレステロールレベル上昇、心血管疾患、認知機能障害、年齢関連性軽度認知障害、脳変性障害、再狭窄、女性化乳房、血管平滑筋細胞増殖、肥満、失禁、不安、抑うつ、閉経期うつ病、産後抑うつ、月経前症候群、躁うつ病、認知症、強迫的行動、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、睡眠障害、被刺激性、衝動性、アンガーマネジメント、聴覚障害、多発性硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、脳卒中、自己免疫疾患、炎症、IBD、IBS、性機能障害、高血圧、網膜変性症、肺癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、前立腺癌、胆管癌(cholangiocarcinoma)と命名された胆管癌(bile duct cancer)、良性前立腺過形成、下部尿路症状、過活動膀胱、間質性膀胱炎、疼痛性膀胱症状、膣萎縮、創傷治癒、慢性疼痛、敗血症、炎症性および神経障害性疼痛、卵巣癌、黒色腫、ならびにリンパ腫から選択される、請求項27に記載の化合物、請求項29に記載の方法、または請求項28もしくは請求項30に記載の使用。

【公表番号】特表2013−507336(P2013−507336A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532583(P2012−532583)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064941
【国際公開番号】WO2011/042475
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(500561610)カロ バイオ アクチェブラーグ (17)
【Fターム(参考)】