説明

エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有する化粧料、薬剤および皮膚剤組成物

【課題】 天然に産するワックスと同様に良好なコンシステンシー付与性を有し、水性系および油性系との易相容性があり、視覚的に透明な外観を有し、容易に加工できそして有効物質(例えば日焦け止めフィルター)と相容性がるが、肌にやさしくかつ毒物学的に有害でなく、良好な肌感触性を有し、肌およびヘアに付着しそして耐水性がある、化粧料、薬剤および皮膚剤組成物のための物質の提供。
【解決手段】 この課題がメタロセン触媒の存在下にエチレンおよび/またはプロピレンを低圧重合することによって製造される、25,000g/モル以下の重量平均分子量Mおよび狭い分子量分布を有する、エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのある種のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2005年6月28日付けで出願されたドイツ特許出願第 102005026278.3号に基づいて優先権主張して出願するものであり、該ドイツ特許出願の内容を全てここに記載したものとする。
【0002】
本発明は、メタロセン触媒の存在下にエチレンおよび/またはプロピレンを低圧重合することによって得られるホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有する化粧料、薬剤および皮膚剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ワックスおよびワックス様物質は主として多くの化粧品のコンシステンシーを決める。ワックスは、化粧品の硬度および堅さに影響を及ぼすために使用される。高温でしか溶融しない特に硬質のワックスを使用すればするほど、生成物をますますより高い硬度になる。ワックスは液状、クリーム様およびジェル様組成物で有利に使用される。ワックスは肌やヘアでの組成物の耐水性および凝集性を改善し、臭いおよび味がなくそして容易に加工できる。
【0004】
化粧料においては動物および植物起源の天然ワックス、例えばみつろうワックス、ベリーワックス、バラ−ワックス、和ロウ、チャイナワックス、シェラックワックス、クインスワックス、シアバター、カンデリラワックス、カルナウバワックス、ラノリン(羊毛脂)、ホホバ油およびホホバワックがしばしば使用されている。農薬によって天然ワックスは汚染されているので、場合によっては植物保護剤およびアレルギー物質を含有していない合成製造されたワックスが探求されている。更に、良好な皮膚感触を発揮し、良好な造膜性およびフィルム安定性を有しそして慣用の化粧料成分と相容性のあるワックス様物質も探求されている。
【0005】
ドイツ特許出願公開第10,064,799号明細書は、高圧条件で製造されるエチレンポリマーワックスおよびエチレンコポリマーワックスを化粧料組成物において用いることを開示している。この方法では、脂肪族および脂環式ケトン類が適当な分子量のエチレン(コ)ポリマーワックスを得るために、分子量調整剤として使用されている。ケトン類は敏感にする効果を有し、化粧料においては望ましくない。
【0006】
国際特許出願公開第2002/049592 号明細書は、300〜3000g/モル、好ましくは300〜500g/モルの低分子量の専ら線状のポリエチレンワックス、例えばPerformalene(R)をシクロメチコン類および有効成分の他に含有する発汗抑制剤およびデオドラントが開示されている。これらの低分子量ポリエチレンは脆弱であり、全く弾性がなく、皮膚およびヘアへの付着性が低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、天然に産するワックスと同様に良好なコンシステンシー付与性を有し、水性系および油性系との良好な相容性があり、視覚的に透明な外観を有し、容易に加工できそして有効物質(例えば日焦け止めフィルター)と相容性があるが、肌にやさしくかつ毒物学的に有害でなく、良好な肌感触性を有し、肌およびヘアに良好に付着しそして耐水性がある、化粧料、薬剤および皮膚剤組成物のための物質を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに本発明者は、この課題がメタロセン触媒の存在下にエチレンおよび/またはプロピレンを低圧重合することによって製造される、25,000g/モル以下の重量平均分子量Mおよび狭い分子量分布を有する、エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのある種のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスによって達成されることを見出した。
【0009】
本発明の対象は、 エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの1種類以上を含有する化粧料、薬剤および皮膚用剤組成物において、該ホモポリマーおよびコポリマーワックスが、25,000g/モル以下の重量平均分子量M、15,000g/モル以下の数平均分子量M、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有しそしてメタロセン触媒によって得られ、その際に該コポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として0.1〜30.0重量%の、1種類のモノマーに由来する構造単位および70.0〜99.9重量%の、他のモノマーに由来する構造単位よりなることを特徴とする、化粧料、薬剤および皮膚用剤組成物に関する。
【0010】
このホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは白色の外観を有し、臭いおよび味がなく、容易に加工できそして固体組成物、例えばステックの形状安定化に非常に適している。これらはクリーム様のエマルジョンまたは分散物、およびヒドロキシ酸および電解質を含有する組成物の粘度を調整するのに適しそして加工して粉末化可能な組成物をもたらすことができる。これらは脂質相および顔料分散物への顔料収容能力を著しく改善しおよびまたエフェクト顔料の効果をも著しく改善する。化粧料用途にとって、この組成物の耐水性および接着強度は非常に有利である。固体成分(例えば顔料)の移動が抑制され、同じく肌に個々の成分が浸透するのも抑制する傾向がある。それ故に各成分による炎症作用が 減少する。このホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは有効物質を意図的に遅らせて放出するための有効成分担体マトリックスとして有利に使用できる。
【0011】
エチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは同様に穏やかな研磨成分として超微粉状態でピーリング剤および練り歯磨き粉において有利に使用することができる。
【0012】
メタロセン触媒によって製造されたホモポリマーおよびコポリマーワックスを使用することで非常に良好な溶剤結合剤、特に脂肪族溶剤で非常に堅いペーストおよびステックを製造することも可能である。
【0013】
有利な一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンモノマーの1種類以上のホモポリマーワックスを含有しており、該ホモポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは1000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは500〜12,000g/モル、特に好ましくは1000〜5000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有しており、かつメタロセン触媒によって得られている。
【0014】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよびプロピレンモノマーの1種類以上のコポリマーワックスを含有し、該コポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10,000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、且つメタロセン触媒によって得られており、その際に該コポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として70.0〜99.9重量%の、エチレンモノマーに由来する構造単位および0.1〜30.0重量%の、プロピレンモノマーに由来する構造単位よりなる。
【0015】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がプロピレンモノマーの1種類以上のホモポリマーワックスを含有し、該ホモポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜22,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、そして70%より多い、好ましくは75〜95%、特に好ましくは80〜90%のアイソタクチック指数を有し、そしてメタロセン触媒によって得られている。
【0016】
別の一つの有利な実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよびプロピレンモノマーの1種類以上のコポリマーワックスを有し、該コポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10,000g/モルの数平均分子量M、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、そしてメタロセン触媒によって得られており、且つ該コポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として0.1〜30.0重量%の、エチレンモノマーに由来する構造単位および70.0〜99.9重量%のプロピレンモノマーに由来する構造単位よりなる。
【0017】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよび/またはプロピレンモノマーの上記の1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーを含有し、該ホモポリマーおよび/またはコポリマーが80〜165℃の環球式滴り点または軟化点および170℃の温度で測定して20〜40,000mPa.sの溶融粘度を有する。
【0018】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよびプロピレンモノマーの上述のコポリマーワックスを含有し、該ワックスが最大−20℃のガラス転移温度を有している。
【0019】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよび/またはプロピレンモノマーの1種類以上の上述のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有し、該ワックスが55%より多い、好ましくは60〜90%の結晶化度を有している。
【0020】
別の一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエチレンおよび/またはプロピレンモノマーの1種類以上の上述のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有し、該ワックスが55%以下、好ましくは50%以下の結晶化度を有している。
【0021】
化粧料、薬剤または皮膚剤組成物において本発明に従って使用するエチレンおよびプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは、例えばヨーロッパ特許出願公開第571,882号明細書に記載の方法によって、該明細書に規定されたメタロセン触媒を用いて製造できる。適する方法は、例えばメタロセン触媒の存在下でのオレフィンの懸濁重合、溶液重合または気相重合もあり、その際にモノマー中での重合も可能である。
【0022】
本発明の目的のためには、メタロセン触媒を用いて製造されるホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは、未変性のまたは極性変性されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを意味する。本発明に従う化粧料、薬剤または皮膚剤組成物において1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは、専ら未変性ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択してもまたは専ら、極性変性ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択してもまたは極性変性されていないおよび極性変性されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの混合物から選択してもよい。
【0023】
極性変性ワックスは、公知の方法で未変性のワックスを酸素含有ガス、例えば空気で酸化するかまたは極性モノマー、例えばマレイン酸またはアクリル酸またはこれらの酸の誘導体でのグラフト反応によって製造できる。空気での酸化によるメタロセンポリオレフィンワックスの極性変性は例えばヨーロッパ特許出願公開第0,890,583号明細書(A1)に記載されておりそしてグラフト反応による変性は例えば米国特許第5,998,547号明細書に記載されている。
【0024】
特に有利な一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物が、メタロセン触媒によって製造された極性変性されていないホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの一種類以上および追加的に、メタロセン触媒によって製造された極性変性されている一種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有している。
【0025】
別の一つの有利な実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物中に存在するメタロセン触媒により製造された1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが極性変性されていないホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択される。
【0026】
別の有利な一つの実施態様においては、本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物中に存在するメタロセン触媒により製造された1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが極性変性されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択される。
【0027】
極性変性されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは、例えば本発明の化粧料、薬剤または皮膚剤組成物がエマルジョンである時に使用するのが有利である。
【0028】
本発明に従って使用されるホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの性質のプロフィールはモノマーの選択によて、重量比によって、平均分子量MおよびMによって、モル質量分布M/Mによって、プロピレンホモポリマーワックスの場合にはタクチシティーによっておよびホモポリマーまたはコポリマーワックスの結晶化度によって決められる。
【0029】
溶融物は澄んだ透明である。環球式滴り点または軟化点は80〜165℃、好ましくは85〜145℃の範囲にありそして密度は0.80〜1.00g/cm、好ましくは0.88〜0.98g/cmの範囲内にある。エチレンホモポリマーまたはコポリマーワックスの170℃で測定した粘度は好ましくは20〜10,000mPa.sの範囲内にありそしてプロピレンホモポリマーまたはコポリマーワックスの170℃で測定した粘度は好ましくは50〜10,000mPa.s、特に好ましくは60〜6000mPa.sの範囲内にある。
【0030】
ホモポリマーおよびコポリマーワックスの針入度は1より小さく10×0.1mmまでの範囲内、好ましくは1〜5×0.1mmm範囲にある。
【0031】
肌またはヘアにこれらのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含む組成物を適用する場合には、化粧料、薬剤および皮膚剤組成物の各成分、特に有効物質および/または顔料の移動および洗い落ちを防止する撥水性膜が生じる。
【0032】
更に本発明で使用されるホモポリマーまたはコポリマーワックスは非常に良好な溶剤結合能力、特に脂肪族溶剤、例えばベンジン、ホワイトオイルおよびパラフィン油への非常に良好な結合能力を発揮しそして液状脂質相で処理されて固体の熱安定性組成物、例えばリップステックをもたらす。
【0033】
上述の臭いのない白色のホモポリマーおよびコポリマーワックスを溶剤および油成分と一緒に使用すると、拡がり性および流動性のある20℃で500mPa.sより大きい粘度を有するクリーム、クリームフォームまたはペーストを製造することを可能とする。このものは特に油ベースの組成物のためのコンシステンシー付与剤として優れており、油の吸収のためにおよび顔料、香り物質または固体有効物質および他の固体添加物の分散のために利用できる良好な吸収特性を有している。
【0034】
ホモポリマーおよびコポリマーワックスは研磨成分として好ましくは歯科用ケア剤およびピーリング剤として非常に有利に使用することができる。
【0035】
本発明に従って使用されるホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスはその硬度のために、高い温度ですら例えばリップステック、コールおよびマスカラ−ステックに安定性を与える。ワックスはバインダーとしてラノリン、パラフィン油、ステアリン酸イソプロピルをアイシャドー、アイブローペンシル、パウダーおよび頬紅コンパクトを製造するための顔料および香料と一緒に使用できる。この場合、これらのホモポリマーおよびコポリマーワックスの撥水性およびまた増粘効果がベタベタしたメイキャップの流れ出しを抑制するために利用される。
【0036】
上記のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは化粧料、皮膚剤および薬剤組成物の製造に適しており、特に装飾化粧料、日焦け止め剤、デオドラント、ヘアケア用組成物およびスタイリング剤組成物、肌のためのクレンジング組成物、特にピーリング剤、およびまた脱毛剤組成物の製造に適している。
【0037】
本発明の組成物は非常に色々な化粧料、薬剤および皮膚剤組成物でもよい。特にこのものは、ペンシル、カバーステック、にきび用ステック、リップステック、メークアップ、ファンデーション、化粧用パウダー、頬紅、マスカラ、アイシャドー、アイライナー、ピーリングクリーム、フアワックス、ヘアスタイリング剤、スタイリング液、ヘアフォーム、ヘアジェル、ヘアスプレー、ム―ス、ヘアオイル、先端整ヘア液、ヘアトニック、ナイトクリーム、ケアクリーム、栄養クリーム、香りクリーム、ボディーローション、軟膏、リップケア剤、日焦け止め剤、デオドラント、発汗抑制剤、ペンシル状の有色ジェル、例えば多相ペンシル(multiphase pencil)、ステック、ペースト、粉末、クリーム、クリームフォーム、ローション、自己発泡性、泡状、後発泡性または発泡性エマルジョン、ジェル、ロール塗布剤、フォームまたは脱毛剤である。
【0038】
有利な一つの実施態様において、本発明の組成物はステッキまたはペンシルの形態である。
【0039】
別の有利な一つの実施態様において、本発明の組成物はエマルジョンの状態で存在する。
【0040】
特に有利な一つの実施態様において、上記のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスはエマルジョン中に超微粉砕された状態で混入されている。
【0041】
このエマルジョンは水/油−型エマルジョンでも油/水−型エマルジョンでも、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョンおよび多重エマルジョンでもよい。このエマルジョンは公知の様に、例えばコールド、ホット、ホット/コールドまたはPIT乳化によって製造できる。特に有利な一つの実施態様は自己発泡性、泡状、後発泡性または発泡性エマルジョンおよびマイクロエマルジョンである。本発明の組成物は肌への化粧料が特に良好に付着することに特徴があり、そして生じる肌の脂肪によって殆ど溶解されない疎水性膜を形成し、その結果不所望な顔料の変色および有効物質または固体添加物の移動を生じさせない。
【0042】
乳化剤によって多種のワックス組成物の製造が可能である。乳化剤の選択は非イオン性およびイオン性ワックス分散物の製造を可能とする。
【0043】
本発明のエマルジョンはそれぞれ少なくとも1種類の
a)上記のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス;
b)油成分;
c)乳化剤および
d)場合によっては別のワックス
を含有している。
【0044】
油成分は、有利には鉱油、鉱物ワックス、油、例えばトリグリセリド類、油脂、ワックス類および他の天然および合成脂肪化合物、好ましくは脂肪酸と低炭素原子数のアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロールとのエステルまたは脂肪アルコールと低炭素原子数のアルカン酸または脂肪酸または安息香酸アルキルよりなる群から選択される。
【0045】
本発明の有利な油脂の種類には、直鎖状のまたは分岐した、飽和または不飽和の場合によってはヒドロキシル化されたC〜C30−脂肪酸のトリグリセリド類、特に植物油、例えばひまわり油、トーモロコシ油、大豆油、米油、ホホバ油、バブースク(Babusscu)油、カボチャ油、ブドウ種子油、ごま油、ウオールナッツ油、杏油、オレンジ油、小麦麦芽油、杏仁油、マカデミア油、アボガト油、甘扁桃油、はなたねつけばな油、ヒマシ油、オリーブ油、落花生油、菜種油およびやし油、および合成トリグリセリド油、例えば市販のMyritol(R)318がある。水素化されたトリグリセリド類も本発明によれば有利である。動物起源の油、例えば牛脂、ペルヒドロスクワレンまたはラノチンも使用することができる。
【0046】
本発明に従う有利な油脂の別の種類には直鎖状のまたは分岐したされたC〜C22−アルカノールの安息香酸エステル、例えば市販名Finsolv(R)SB (イソステアリルベンゾエート)、Finsolv(R)TN (C12-C15-アルキルベンゾエート) およびFinsolv(R)EB (エチルヘキシルベンゾエート)がある。
【0047】
本発明に従う有利な油および脂肪の更に別の種類には、総炭素原子数8〜36、好ましくは12〜24のジアルキルエーテル類、例えばジ−n−オクチルエーテル(Cetiol(R)OE)、ジ−n−デシルエーテル、ジ−n−ノニルエーテル、ジ−n−ウンデシルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジ−3−エチルデシルエーテル、第三ブチルn−オクチルエーテル、イソペンチルn−オクチルエーテル、2−メチルペンチルn−オクチルエーテル、n−ヘキシルn−オクチルエーテル、n−オクチルn−デシルエーテル、n−デシルn−ウンデシルエーテル、n−ウンデシルn−ドデシルエーテルおよびn−ヘキシルn−ウンデシルエーテル、およびジ−第三ブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルがある。
【0048】
本発明で有利な油および脂肪類の更に別の種類は炭化水素油である:例えば直鎖状のまたは分岐した飽和または不飽和のC〜C40−炭素鎖を持つもの、例えばワセリン、ドデカン、イソドデカン、コレステロール、ラノリン、水素化ポリイソブチレン類、ドコサン類、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、パラフィン油類、パラフィンワックス類、イソパラフィン油類、例えば市販製品のPermetyl(R)シリーズ、スクワラン、スクワレン、合成炭化水素、例えばポリイソブテン、および脂環式炭化水素、例えば市販の1,3−ジ−(2−エチルヘキシル)シクロヘキサン(Cetiol(R)S)、オゾセライト、マイクロワックスおよびセレシンがある。
【0049】
炭素原子数6〜30の分岐した飽和または不飽和の脂肪アルコール、例えばイソステアリルアルコール、およびゲルベアルコール類も同様に適する。
【0050】
本発明で有利な油および脂肪類の他の種類にはヒドロキシカルボン酸アルキルエステルがある。有利なヒドロキシカルボン酸アルキルエステルはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸の完全エステルがある。原則として適する他のヒドロキシカルボン酸エステルはβ−ヒドロキシプロピオン酸、タルトロン酸(tartronic acid)、D−グルコン酸、糖酸、ムチン酸またはグルクロン酸のエステルがある。これらのエステルの適するアルコール成分には炭素原子数8〜22の直鎖状のまたは分岐した第一脂肪族アルコールが包含される。この場合、C12〜C15−脂肪アルコールのエステルが特に有利である。この種類のエステルは市販されている。例えばEniChem, Augusta IndustrialeからCosmacol(R)の商標名で市販されている。
【0051】
本発明で有利な油および脂肪類の別の種類には、直鎖状のまたは分岐したC〜C10−アルカノール類のジカルボン酸エステル、例えばジ−n−ブチルアジペート(Cetiol(R)B)、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジ(2−エチルヘキシル)スクシナート、およびジオールエステル類、例えばエチレングリコールジオレート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴナート、ブタンジオールジイソステアレート、およびネオペンチルグリコールジカプリレートがある。
【0052】
同様に有利な油および脂肪類にはカルボン酸と脂肪アルコールとの対称の、非対称のまたは環状のエステル、グリセロールカルボナートまたはジカプリリルカルボナート(Cetiol(R)CC)がある。
【0053】
本発明に従う有利な油および脂肪の更に別の種類には不飽和のC12〜C22−脂肪酸の二量体(二量体脂肪酸)と一価の直鎖状の、分岐したまたは環状のC〜C18−アルカノール類または多価の直鎖状または分岐したC〜C−アルカノール類とのエステルがある。
【0054】
本発明の別の一つの有利な実施態様においては、油成分がシリコーン油である場合には、本発明の組成物は好ましくは水/シリコーン型エマルジョンの形で存在しておりそして水、シリコーン、1種類以上の乳化剤および1種類以上のコポリマーワックスを含有している。
【0055】
有利に入手できるシリコーン油およびシリコーンワックスは、ジメチルポリシロキサン類およびシクロメチコン類、次式のポリジアルキルシロキサン類
R3SiO(R2SiO)xSiR3
[式中、Rはメチルまたはエチル、特に好ましくはメチルでありそしてxは2〜500である。]
である。例にはVICASIL (General Electric Company)、DOW CORNING 200、DOW CORNING 225、DOW CORNING 200 (Dow Corning Corporation)等の登録商標で市販されるジメチコン類および SilCare(R)Silicone 41M65、SilCare(R)Silicone 41M70、SilCare(R)Silicone 41M80 (Clariant GmbH)の登録商標で市販されるジメチコン類、ステアリルジメチルポリシロキサン、C20〜C24−アルキル−ジメチルポリシロキサン、 C24〜C28−アルキル−ジメチルポリシロキサンがあるが、 SilCare(R)Silicone 41M40、SilCare(R)Silicone 41M50 (Clariant GmbH)の登録商標で市販されるメチコン類、更に次式のトリメチルシロキシシリケート類
[(CH2)3SiO)1/2]x[SiO2]y
[式中、xは1〜500の数でありyは1〜500の数である。]、
次式のジメチコン類
R3SiO[R2SiO]xSiR2OH およびHOR2SiO[R2SiO]xSiR2OH
[両式中、Rはメチルまたはエチル基であり、xは500までの数である。];
ポリアルキルアリールシロキサン類、例えばSF 1075 METHYLPHENYL FLUID(General Electric Company) および 556 COSMETIC GRADE PHENYL TRIMETHICONE FLUID (Dow Corning Corporation)の商品名で市販されるポリメチルフェニルシロキサン類、ポリジアリールシロキサン類、シリコーン樹脂、環状シリコーン類およびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フルオロ−および/またはアルキル変性されたシリコーン化合物およびまたポリエーテルシロキサンコポリマーがある。
【0056】
本発明に従ってエマルジョンとして存在する組成物は非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性乳化剤よりなる群から選択される1種類以上の乳化剤を含有している。
【0057】
有利に入手できる非イオン性界面活性剤は0〜30モルのエチレンオキサイドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキサイドが炭素原子数6〜30、好ましくは10〜22、特に好ましくは14〜22の直鎖状脂肪アルコールに付加した付加生成物である。使用できるそれらには、例えばオクタノール(カプリルアルコール)、オクテノール、オクタジエノール、デカノール(カプリルアルコール)、デセノール、デカジエノール、ドデカノール(ラウリルアルコール)、ドデカジエノール、リシノーレイルアルコール、ミリスチルアルコール、セリルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリールアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコールが使用できる。使用できるそれらには、天然に産するトリグリセリド類、例えば牛脂、パーム油、落花生油、菜種油、綿実油、大豆油、ひまわり油およびアマニ油を還元することによって得られる脂肪アルコール留分または適当なアルコールを用いて脂肪酸エステルをエステル交換した生成物から生じるものおよびそれ故に種々の脂肪アルコールの混合物であるものも使用できる。この種の物質は例えばStenol(R)、例えばStenol(R)1618 またはLanette(R)、例えば Lanette(R) O およびLanette(R)22、または Lorol(R)、例えば Lorol(R)C18の様な商品名で市販されている。
【0058】
本発明に従う有利な乳化剤の別の種類には、0〜30モルのエチレンオキサイドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキサイドと炭素原子数6〜30、好ましくは10〜22の直鎖状のおよび/または分岐した、飽和および/または不飽和脂肪酸との付加生成物がある。イソステアリン酸、例えば市販品のEmersol(R)871およびEmersol(R)875、イソパルミチン酸、例えば市販品のEdenor(R)IP95、並びに商品名Edenor(R)(Cognis)で購入できる他のあらゆる脂肪酸を挙げることができる。かゝる脂肪酸の別の種類の例にカプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトーレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸および不飽和脂肪酸の二量体、およびそれらの工業用混合物がある。ココヤシ油またはパーム油からの脂肪酸留分が特に有利である。ステアリン酸がなかでも有利である。
【0059】
一般に脂肪酸は塩基剤、例えばNaOHで中和されており、例えばそれのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩および亜鉛塩の状態で使用される。
【0060】
使用できる有利な乳化剤の別の種類には、所望の場合にはC〜C30−脂肪酸でアルキル化された糖類のエステルがある。使用できる糖類はあらゆる単糖類またはオリゴ糖類である。5または6個の炭素原子を有する単糖類、例えばリボース、キシロース、リキソース、アルトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、アルトロース、マンノース、グロース、イドースおよびタロ―ス、およびデオキシ糖類のラムノースおよびフコースを使用するのが通例である。4個の炭素原子を有する糖類、例えばエリトロースおよびテレオスも使用することができる。本発明に適するオリゴ糖類は2〜10個の単糖類単位で構成されており、例えばスクロース(サッカロース)、ラクトースまたはトレハロースがある。有利な糖単位は単糖類のグルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよび二糖類のスクロースである。グルコースおよびスクロースが特に有利である。糖類はメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチル基で部分的にエーテル化されていてもよく、例えばメチルグルコシド、エチルグリコシドまたはブチルグルコシドである。エステル化のためには、上述のあらゆるC6−C30−脂肪酸およびそれらの混合物を使用することができる。原則として適するのはモノ−およびポリエステル化糖類である。モノエステル、セスキエステルおよびジエステルが有利であり、例えばスクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースモノココエート、スクロースジココエート、メチルグルコシドモノステアレート、メチルグルコシドセスキステアレート、メチルグルコシドイソステアレート、エチルグルコシドモノラウレート、エチルグルコシドジラウレート、エチルグルコシドモノココエート、エチルグルコシドジココエートおよびブチルグルコシドモノココエートがある。
【0061】
適する乳化剤の他の種類にはC〜C22−アルキルモノグリコシド類および−オリゴグリコシド類、次式
RO-(Z)x
[式中、RはC〜C22−アルキル基であり、
Zは糖でありそして
xは糖単位の数である。]
で表されるアルキル−モノ−および−オリゴ−グリコシド類がある。本発明に従って使用できるアルキル−モノ−および−オリゴグリコシド類は一つのある種のアルキル基Rしか含有していない。Rが実質的にCおよびC10−アルキル基、実質的にC12−およびC14−アルキル基、実質的にC〜C16−アルキル基、実質的にC12〜C16−アルキル基で構成されているかゝるアルキル−モノ−および−オリゴグリコシドが特に有利である。使用される糖単位Zとしては上述したあらゆる所望の単糖類またはオリゴ糖類を使用することができる。有利な糖単位はグルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノースおよびスクロースであり、グルコースが特に有利である。本発明に従って使用できるアルキル−モノ−および−オリゴグルコシド類は平均して1.1〜5、好ましくは1.1〜2.0、特に好ましくは1.1〜1.8の糖単位を含有している。
【0062】
上記のアルキル−モノ−および−オリゴグリコシド類のアルコキシル化同属体も本発明に従って使用できる。ここでは例えばココイルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、セテアリールグルコシドおよびアラキジルグルコシドが適する。
【0063】
上記のアルキル−モノ−および−オリゴグリコシド類の他にアルキル−モノ−および−オリゴグルコシド類と脂肪アルコールとの混合物、例えば市販のMontanov(R) 68およびMontanov(R)202も特に適している。
【0064】
別の種類の適する乳化剤はプロピレングリコール、グリセロールおよびソルビタンとC〜C22−脂肪酸との部分エステルである。エステル化のためには、既に上述したあらゆるC〜C22−脂肪酸およびそれの混合物を使用することができる。特に適する例はプロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノステアレート、グリセロールジステアレート、グリセロールモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、または市販品のMonomuls(R)90-0、Monomuls(R) 90-L 12およびCutina(R)MDがある。これらの乳化剤は1分子当たり平均して10個までのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド単位を含有し得る。
【0065】
乳化剤の別の有利な種類には、式
HO-CH2-CHOH-CH2[-O-CH2-CHOH-CH2]n-O-CH2-CHOH-CH2OH
[式中、nは0〜8である。]
で表されるポリグリセロール類およびそれと直鎖状または分岐した、アルキル鎖中に官能基を有していてもよいC〜C22−脂肪酸とのエステル、好ましくはポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート(市販品名Dehymuls(R)PGPH)およびポリグリセリル3−ジイソステアレート(市販品名Lameform(R) TGI)がある。
【0066】
有利な乳化剤の別の種類にはステロール類、特にコレステロール、ラノステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびエルゴステロール、およびミコステロール類がある。市販の慣用ステロール乳化剤は大豆ステロール類または菜種ステロール類をベースとして製造される。本発明によれば、1分子当たり5〜10個のエチレンオキサイド単位を含有するステロールを使用するのが有利である。例えば市販品のGenerol(R)122、 Generol(R) 122 E 5、 Generol(R) 122 E 10および Generol(R)RE 10が適している。
【0067】
同様に使用できる乳化剤はホスホリピド類であり、特にホスファチジコリン類(phosphatidycholine)またはレシチン類が有利である。ホスホリピド類はリン酸ジエステルであり、まれにリン酸モノエステルもあり、一般には直鎖状の飽和および不飽和C〜C22−脂肪酸のそれらである。大豆レシチンが有利である。
【0068】
有利な乳化剤の別の種類には乳酸またはグリコール酸を直鎖状のまたは枝分けれしたC〜C22−脂肪酸でエステル化した生成物およびこれらのエステル化生成物のナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウムおよび亜鉛塩がある。
【0069】
特に有利なエステル化生成物は一般式(5)
【0070】
【化1】

【0071】
[式中、Rは炭素原子数5〜21の直鎖状または分岐した飽和または不飽和のアルキル残基でありそしてRはメチル基または水素原子であり、そしてnは1〜4の整数である。]
で表されるものである。
【0072】
アシル基RCO−の内、カプロイル、カプリロイル、カプリノイル、ラウロイル、ミリストイル、セトイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイルおよびオレイル基よりなる群から選択される残基が有利である。特に有利なのはステアロイルおよびイソステアロイル基である。
【0073】
残基Rはメチル基であるのが有利である。
【0074】
オリゴ化度nは1または2であるのが有利である。
【0075】
特に有利な化合物はステアロイル−2−乳酸ナトリウムである。
【0076】
有利に使用される乳化剤の別の種類は、炭素原子数8〜30の飽和または不飽和の直鎖状のまたは分岐した脂肪アルコールのリン酸モノエステル類、−ジエステル類および−トリエステル類、および1分子当たり1〜10個のエチレンオキサイド基を持つそれのエチレンオキサイド付加生成物である。これらのアルキルおよびアルケニルホスファート類は一般式(6)
【0077】
【化2】

【0078】
[式中、Rは炭素原子数8〜30の飽和または不飽和の直鎖状のまたは分岐した炭化水素基であり、RおよびRは互いに無関係に水素原子、Xまたは残基(CH2CH2O)nR1であり、nは0〜10の数でありそしてXはアルカリ金属−またはアルカリ土類金属カチオンまたはNR4R5R6R7カチオンであり、その際にR〜Rは互いに無関係にC〜C−炭化水素基である。]
で表される。
【0079】
本発明の有利なアルキルおよびアルケニルホスファートは基Rとして炭素原子数12〜18のアルキル基を有しており、該アルキル基は飽和または不飽和で直鎖状でも分岐していてもよい。これらの基Rは特にラウリル、ミリスチル、セチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリルおよびオレイルである。nの有利な値は0であるかまたは1〜10、好ましくは2〜5、特に好ましくは3〜4である(アルキルおよびアルケニルホスファート)。更に、モノエステル類、ジエステル類およびトリエステルのエステル混合物を使用するのが有利であり、その際にモノエステル類およびジエステル類の割合はトリエステル類の割合に比較してを主である。しかしながら純粋なトリエステルを用いることも同様に有利である。適する市販品は例えばHostaphat(R) シリーズ(Clariant)、例えばHostaphat(R)(R)KW 340 D, Hostaphat(R) KO300 N、Hostaphat(R)KO380およびHostaphat(R)KL 340である。
【0080】
本発明で有利に使用される乳化剤の別の種類には式(7)
【0081】
【化3】

【0082】
[式中、COR−は0、1、2または3個の二重結合を有する炭素原子数6〜22の直鎖状または分岐したアシル基でありそしてXは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよび/またはグルカモニウムである。]
で表されるアシルグルタマート類である。例えば炭素原子数6〜22、好ましくは12〜18の脂肪酸から誘導されるアシルグルタマート類、例えばC12/14およびC12/18−ココヤシ脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸および/またはステアリン酸、特にN−ココイル−およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムがある。
【0083】
本発明の別の有利な乳化剤の種類には、一般式(8)
【0084】
【化4】

【0085】
[式中、XはHまたは-CH2COOR 基であり、Yは、Xが-CH2COOR 基である場合にはYはHであるという条件のもとで、Hまたは−OHであり、R、RおよびRは互いに無関係に水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム基、有機アンモニウム塩基のカチオンまたは残基Zであり、その際にZは1〜6個のモノマーの糖類単位を有するエーテル化した(C〜C18)−アルキル糖類の基および/または2〜16個の水酸基を持つエーテル化した脂肪族(C〜C16)−ヒドロキシアルキルポリオール基よりなる群から選択されるポリヒドロキシル化有機化合物から生じ、その際に基R、RまたはRの少なくとも1つが残基Zであることを条件とする。]
で表されるヒドロキシ置換されたジカルボン酸またはトリカルボン酸のエステルである。
【0086】
本発明に従う有利な乳化剤の別の種類は、式(9)
【0087】
【化5】

【0088】
[式中、RおよびRは互いに無関係に水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム基、有機アンモニウム塩基のカチオンまたは残基Zであり、その際にZは1〜6個のモノマー糖類単位を有するエーテル化した(C〜C18)−アルキル糖類の基および/または2〜16個の水酸基を持つエーテル化した脂肪(C〜C18)−ヒドロキシアルキルポリオール基よりなる群から選択されるポリヒドロキシル化有機化合物から生じ、その際に基RまたはRの少なくとも1つが残基Zであることを条件とし、そしてXはアルカリ金属またはアルカリ土類金属カチオン、アンモニウム基または有機アンモニウム塩基のカチオンである。]
で表されるスルホコハク酸塩のエステルである。
【0089】
本発明で有利な乳化剤の別の種類は、アルキル基中炭素原子数8〜24のスルホコハク酸モノアルキル−および−ジアルキルエステルおよびアルキル基中炭素原子数8〜24でエトキシ基数1〜6個のスルホコハク酸モノアルキルポリオキシエステル、およびそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である。
【0090】
本発明で有利な乳化剤の別の種類は、酒石酸およびクエン酸と、約2〜10分子のエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドと炭素原子数8〜22の脂肪アルコールとの付加生成物よりなるアルコールとのエステルおよびそれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である。
【0091】
本発明で有利な別の乳化剤は、式
R-O-(CH2-CH2O)x-CH2-COOH
[式中、Rは炭素原子数8〜30の直鎖状のアルキル基でありそしてxは0また は1〜10である。]
で表されるエーテルカルボン酸、炭素原子数6〜22で0、1、2または3個の二重結合を持つアシルサルコシナート類、炭素原子数6〜22で0、1、2または3個の二重結合を持つ直鎖状または分岐したアシル基を持つアシルタウレート類および炭素原子数6〜22で0、1、2または3個の二重結合を持つ直鎖状または分岐したアシル基を持つアシルイセチオナート類およびこれらの乳化剤のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩である。
【0092】
有利に入手し得る両性乳化剤はアルキルアミノアルキルカルボン酸、ベタイン類、スルホベタイン類およびイミダゾリン誘導体である。
【0093】
有利な脂肪アルコールエトキシレートはエトキシル化したステアリルアルコール類、セチルアルコール類、セチルステアリルアルコール類よりなる群から選択される。特にポリエチレングリコール(13) ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(14) ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(15) ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16) ステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(17) ステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(18) ステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(19) ステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(20) ステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(12) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(13) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(14) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(15) イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(16) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(17) イソステアリルエーテル、ポリエチレングリコール(18) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(19) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(20) イソステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(13) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(14) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(15) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(16) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(17) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(18) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(19) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(20) セチルエーテル、 ポリエチレングリコール(13) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(14) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(15) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(16) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(17) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(18) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(19) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(20) イソセチルエーテル、 ポリエチレングリコール(12) オレイルエーテル、 ポリエチレングリコール(13) オレイルエーテル、 ポリエチレングリコール(14) オレイルエーテル、 ポリエチレングリコール(15) オレイルエーテル、 ポリエチレングリコール(12) ラウリルエーテル、 ポリエチレングリコール(12) イソラウリルエーテル、 ポリエチレングリコール(13) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(14) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(15) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(16) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(17) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(18) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(19) セチルステアリルエーテル、 ポリエチレングリコール(20) セチルステアリルエーテルが有利である。
【0094】
好ましくは脂肪酸エトキシレートはエトキシル化 ステアレート類、イソステアレート類 および−オレエート類、特にポリエチレングリコール(20) ステアレート、 ポリエチレングリコール(21) ステアレート、 ポリエチレングリコール(22) ステアレート、 ポリエチレングリコール(23) ステアレート、 ポリエチレングリコール(24) ステアレート、 ポリエチレングリコール(25) ステアレート、 ポリエチレングリコール(12) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(13) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(14) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(15) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(16) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(17) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(18) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(19) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(20) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(21) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(22) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(23) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(24) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(25) イソステアレート、 ポリエチレングリコール(12) オレエート、 ポリエチレングリコール(13) オレエート、 ポリエチレングリコール(14) オレエート、 ポリエチレングリコール(15) オレエート、 ポリエチレングリコール(16) オレエート、 ポリエチレングリコール(17) オレエート、 ポリエチレングリコール(18) オレエート、 ポリエチレングリコール(19) オレエート、 ポリエチレングリコール(20) オレエートよりなる群から選択される。
【0095】
使用されるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはそれの塩はラウレス(11 EO)カルボン酸ナトリウムであるのが有利であり得る。
【0096】
有利なアルキルエーテルスルファートはラウリルジグリコールエーテル硫酸ナトリウムであり、有利なエトキシル化コレステロール誘導体は ポリエチレングリコール(30) コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25) 大豆ステロールも同様に有利である。
【0097】
使用される エトキシル化 トリグリセリド類はポリエチレングリコール(60) イブニングプリモス(evening primose)グリセリド類である。
【0098】
更に、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルはポリエチレングリコール(20) グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6) グリセリルカプロエート/カプレート、ポリエチレングリコール(20) グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20) グリセリルイソステアレートおよびポリエチレングリコール(18) グリセリルオレエート/ココエートよりなる群から選択するのが有利である。
【0099】
ソルビタンエステルの内では、ポリエチレングリコール (20)ソルビタン−モノラウレート、ポリエチレングリコール (20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール (20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール (20)ソルビタンモノパルミテートおよび ポリエチレングリコール (20)ソルビタンモノオレエートが特に適している。
【0100】
使用できる有利なW/O−型エマルジョンは、炭素原子数8〜30の脂肪アルコール類、炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐してないアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル類、 炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐していないアルカンカルボン酸のジグリセロールエステル類、炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐してないアルコールのモノグリセロールエーテル類 、炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐していないアルコールのジグリセロールエーテル類、炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐していないアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル類、および炭素原子数8〜24、好ましくは12〜18の鎖長の飽和および/または不飽和の分岐したおよび/または分岐していないアルカンカルボン酸のソルビタンエステル類である。
【0101】
特に有利なW/O−型エマルジョンはグリセリル モノステアレート、グリセリル モノイソステアレート、グリセリル モノミリステート、 グリセリル モノオレエート、 グリセリル モノラウレート、グリセリル モノカプリレート、グリセリル モノカプリナート、ジグリセリル モノステアレート、ジグリセリル モノイソステアレート、プロピレングリコール モノステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコール モノカプリレート、プロピレングリコール モノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノイソオレエート、サッカロースジステアレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキル(selachyl)アルコール、キミル(chimyl)アルコールまたはポリエチレングリコール(2) ステアリルエーテルがある。
【0102】
本発明の組成物においては、これらの沢山の物質群から選ばれた化合物の混合物が存在していてもよい。
【0103】
他の有利な一つの実施態様においては、本発明の組成物は油/水−型エマルジョンの状態で存在している。
【0104】
特に有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は、油/水−型エマルジョン、油/水−型の化粧料−または皮膚剤用エマルジョンとして存在しそして組成物の総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは60〜92重量%、特に70〜90重量%の、中でも75〜85重量%の水性相、
b)40重量%まで、好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜25重量%、 中でも5〜20重量%の油性相、
c)15重量%まで、好ましくは0.5〜12重量%、特に好ましくは1〜8重量%、中でも1〜5重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する。
【0105】
別の一つの特に有利な実施態様において、本発明の組成物は、油/水−型ジェルクリームとして、好ましくは油/水−型の化粧料−または皮膚剤用ジェルクリームとして存在しそして組成物の総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは50〜95重量%、特に70〜90重量%の、中でも75〜85重量%の水性相、
b)30重量%まで、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは3〜25重量%、 中でも5〜15重量%の油性相、
c)5重量%まで、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.2〜4重量%、中でも0.5〜3重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する。
【0106】
他の有利な一つの実施態様においては本発明の組成物は水/油−型エマルジョンの状態で存在している。
【0107】
特に有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は、水/油−型エマルジョン、特に水/油−型の化粧料−または皮膚剤用エマルとして存在しそして組成物総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは40〜95重量%、特に50〜90重量%の、中でも60〜85重量%の水性相、
b)60重量%まで、好ましくは2〜60重量%、特に好ましくは5〜40重量%、 中でも10〜30重量%の油性相、
c)20重量%まで、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜15重量%、中でも4〜12重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する。
【0108】
別の特に有利な一つの実施態様においては、本発明の組成物は水/シリコーン−型エマルジョン、好ましくは水/シリコーン−型の化粧料−または皮膚剤エマルジョンの状態で存在しそして組成物総重量を規準として
a)90重量%まで、好ましくは20〜90重量%、更に好ましくは40〜85重量%、特に好ましくは60〜80重量%の水性相、
b)80重量%まで、好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは20〜60重 量%、特に好ましくは30〜50重量%のシリコーン油相、
c)0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは3〜10重量%の1種類以上の乳化剤および
d)0.01〜5重量%まで、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する。
【0109】
別の一つの有利な実施態様において、本発明に従って使用されるホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは超微粉砕された好ましくは4〜45μm、特に好ましくは4〜20μmの粒度の状態で使用される。
【0110】
超微粉砕ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは例えばジェットミルまたは機械粉砕機で非常に細かく粉砕することによってまたは溶融物から噴霧法によって製造できる。この様にして得られる超微粉砕ワックスの平均粒度(いわゆるd50値)は一般に3〜30μm、好ましくは5〜15μmである。
【0111】
超微粉砕ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスは非常に容易に分散することができ、組成物により良好な滑り性をもたらしそして肌感触および肌およびヘアでの該組成物の展延性を改善する。上記のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスはピーリング剤中に肌の清浄化およびケアのために特に有利に混入することができる。
【0112】
本発明の別の一つの有利な実施態様においては、本発明の組成物は分散物の状態で存在しそして
a)担体材料、好ましくは1種類以上の油成分および/または溶剤、
b)1種類状の乳化剤および
c)上述の1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスおよび場合によっては1種類以上の他のワックス
を含有する。
【0113】
別の有利な実施態様においては、本発明の組成物は
a)担体材料、好ましくは1種類以上の油成分および/または溶剤、
b)1種類状の乳化剤および
c)上述の1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスおよび
d)場合によっては1種類以上の他のワックス
を含有しそしてワックス含有量が20〜45重量%である。このワックス分散物は、化粧料、薬剤および皮膚剤組成物に混入することができる。
【0114】
ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスまたは超微粉砕されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの他に、化粧料、薬剤および皮膚剤組成物または本発明のワックス分散物は別のワックス、例えば酸化されたポリエチレンワックス、アミドワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスを場合によっては親水性ワックス、例えばセチルステアリルアルコールと組合せて含有していてもよい。
【0115】
別のワックスとしては本発明に従う化粧料組成物は特に好ましくは
a)式
−CH−CHR−
[式中、Rが炭素原子数24〜58の直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基である。]
で表される1つ以上の構造単位、
b)b)場合によっては1種以上の下記構造単位
【0116】
【化6】

[式中、R1 は水素原子またはメチル基である。]
c)1種以上の下記構造単位
【0117】
【化7】

【0118】
[式中、R2 は水素原子またはメチル基であり、
Lは -COOR3、 -CONR7R8または -COO-X+であり、
R3 は炭素原子数1〜36の直鎖状のまたは分岐したアルキル基または炭素原子数2〜36の直鎖状のまたは分岐したアルケニル基であり、その際にこれらの基は場合によってはアルコキシル化されていてもよく、好ましくはエチレンオキシ基(EO)、プロピレンオキシ基 (PO)、ブチレンオキシ基 (BO) またはEO/PO 基を含有しているか;または
基 (AO)x-Hであり、その際に (AO) はエトキシ、プロポキシまたはブトキシ基でありそしてxは1〜50の数であるか;または
グリシジル基、 C2-C10-ヒドロキシアルキル基またはグリセロール基であるか;または
環員原子数5〜8、特に6の環状の芳香族基または非芳香族基、好ましくはシクロアルキル基あるか;または
環員原子数5〜8、特に6の環状の芳香族基または非芳香族基でありかつその環が炭素原子およびヘテロ原子、好ましくはOおよび/またはN、で形成されておりそして炭素原子と窒素原子の両方が炭素原子数1〜36の直鎖状のまたは分岐したアルキルまたはアルコキシ基でまたは炭素原子数2〜36の直鎖状のまたは分岐したアルケニルまたはアルケニルオキシ基でまたは-COR4で表されるアセチル基(ただし R4 は炭素原子数1〜22のアルキル基である)で置換されていてもよく、または
-(CR5R6)y-シクロアルキル基であるかまたは -(CR5R6)y-アリール基であり、その際に R5 および R6 はいずれの場合にも互いに無関係にHまたは炭素原子数1〜4の直鎖状のまたは分岐したアルキル基でありそして y は1〜10の数であり、または
炭素原子数8〜18のペルフルオロアルキル基であり、
R7 および R8 は互いに無関係に水素原子であるかまたは
炭素原子数1〜36の直鎖状のまたは分岐したアルキル基または炭素原子数2〜36の直鎖状のまたは分岐したアルケニル基であり、その際にこれらの基もアルコキシル化されていてもよく、好ましくはエチレンオキシ基(EO)、プロピレンオキシ基 (PO)、ブチレンオキシ基 (BO) またはEO/PO 基を含有しておいるか;または
(C2-C10)-ヒドロキシアルキル基であるか;または
-CH2-CH2-N(CH3)2であるか;または
ポリアミン残基であるか;または
環員原子数5〜8、好ましくは6の環状の芳香族基または非芳香族基、好ましくはシクロアルキル基であるか;または
環員原子数5〜8、特に6の環状の芳香族基または非芳香族基でありかつその環が炭素原子およびヘテロ原子、好ましくはOおよび/またはN、で形成されておりそして炭素原子と窒素原子の両方が炭素原子数1〜36の直鎖状のたは分岐したアルキルまたはアルコキシ基でまたは炭素原子数2〜36の直鎖状のまたは分岐したアルケニルまたはアルケニルオキシ基でまたは-COR9で表されるアセチル基(ただし R は炭素原子数1〜22のアルキル基である)で置換されていてもよく、または
R7 および R8は それらが結合する窒素原子と一緒に環員原子数5、6または7の芳香族環または非芳香族環を形成し、そしてそれらの環は窒素原子の他に好ましくはCH2 基だけを含有しており、
X+ は Li+、 Na+、 K+、 Mg++/2、 Ca++/2、 Al+++/3 、NH4+、モノアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウムおよび/またはテトラアルキルアンモニウムイオンであり、その際に該アンモニウムイオンのアルキル置換基は互いに無関係に (C1-C22)-アルキル基または (C2-C10)-ヒドロキシアルキル基である。]
および
d) 場合によっては、スチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレンまたはα−メチルスチレンから誘導される1種類以上の構造単位
を含有している。
別の一つの有利な実施態様において、本発明の組成物は装飾用組成物である。
【0119】
本発明の別の一つの有利な実施態様は、
a)少なくとも1種類の油成分および上述の少なくとも1種類のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの脂質相、
b)脂質相中に場合によっては溶解または分散し得る物質、
c)水性相、
d)水に場合によっては溶解または分散し得る物質、
e)場合によっては1種類以上の有効物質および
f)少なくとも1種類のW/O−乳化剤
を含有し、その際に水性相の割合が完成組成物を基準として30〜80重量%である、化粧料および皮膚剤用ステック、例えばリップステック、日焦け止めステック、にきび用ステック、アイブローステック、カバーステックおよびデオドラントステックである。
【0120】
別の有利な一つの実施態様において、特に装飾性組成物に関する場合には、本発明の化粧料および皮膚剤組成物は1種類以上の着色剤、好ましくは有色ラッカ、トナーおよび顔料から選択されるものを含有する。この関係では、このものは粉末、コンパクト、ペースト、クリームまたはステックの状態で存在しているのが有利である。
【0121】
特に有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は懸濁物の状態で存在しており、そして組成物の総重量を基準として
a)0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜6重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスおよび
b)0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%の固体粒子、特に染料、着色顔料、エフェクト顔料および対光保護顔料、吸着剤および研磨成分よりなる群から選択されるもの
を含有する。
【0122】
別の一つの特に有利な実施態様において、本発明の組成物はジェルベースのアイシャドーとして存在しており、組成物の総重量を基準として
a)0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜6重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスおよび
b)0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1.0〜10重量%の染料および/または着色顔料
を含有する。
【0123】
本発明の組成物は固体の無機および有機粒子を含有していてもよい。装飾用化粧料のためには、有色のおよび無色の顔料を使用する。以下に記載の顔料の幾つかの種類は紫外線吸収剤および/または対光保護顔料としても使用される。
【0124】
染料および有色顔料、および有機系および無機系染料の両方は化粧用作用の有利な具体的リストからおよび/または化粧品用着色剤のECリストから選択できる。例えば以下の物質を本発明の組成物において使用することができる:
【0125】
【表1a】

【表1b】

【表1c】

【表1d】

【表1e】

【表1f】

【表1g】

【0126】
更に、油溶性天然染料、例えばパプリカエキス、β−カロチンおよびコチニールも有利である。
【0127】
真珠光沢顔料、例えばシルバーグレー(魚鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合結晶)および真珠の源(粉砕されたイガイ貝殻)、単結晶の真珠光沢顔料、例えばビスマスオキシクロライド (BiOCl)、層状基質顔料、例えばマイカ/酸化金属、TiO2よりなるシルバーホワイト真珠光沢顔料、干渉顔料 (TiO2、様々な層厚)、有色光沢顔料(Fe2O3) およびコンビネーション顔料 (TiO2/Fe2O3, TiO2/Cr2O3, TiO2/プロシアブルー、TiO2/カルミン).
本発明の関係でのエフェクト顔料とは、それの反射特性によって特別な光学的効果を発揮する顔料である。エフェクト顔料は処理した表面(肌、髪、粘膜)に艶だし効果またはきらめき効果を与えるかまたは散乱光を散らばらせそしてそれによって肌の凹凸および皺を光学的に隠す。エフェクト顔料の特別な例として干渉顔料が好ましい。
【0128】
特に適するエフェクト顔料の例には少なくとも1種類の金属酸化物で被覆されたマイカ粒子がある。マイカの他に、層状珪酸塩、シリカゲルおよび他のSiO変態は担体としても適する。被覆にしばしば使用されるある種の金属酸化物には酸化チタンがある。これに酸化鉄を場合によっては混入してもよい。反射特性は顔料粒子のサイズおよび形状(例えば球状、楕円状、平坦、非平坦)によっておよび酸化物被覆の厚さにより影響されうる。他の金属酸化物、例えばビスマスオキシクロライド(BiOCl)および例えばチタンの酸化物、特にTiO変態のアナタース型およびルチル型、およびアルミニウム、タンタル、ニオブ、ジルコニウムおよびハフニウムの酸化物も使用する ことができる。フッ化マグネシウム(MgF)およびフッ化カルシウム(蛍光石、CaF)を用いてもエフェクト顔料を製造することができる。
【0129】
この効果は粒度だけでなく顔料集合体の粒度分布によっても制御することができる。適する粒度分布は例えば2〜50mm、5〜25mm、5〜40mm、5〜60 mm、5〜95mm、5〜100mm、10〜60mm、10〜100mm、10〜125mm、20〜100mm、20〜150mmおよび<15mmにある。20〜150μmの広い粒度分布は例えばきらきらした効果を与えるが、<15μmの狭い粒度分布は均一で絹の様な外観を提供する。
【0130】
本発明の組成物はエフェクト顔料をそれぞれ組成物の総重量を基準として好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜5重量%の量で含有している。
【0131】
有利な無機系の対光保護顔料は細かく分散するかまたはコロイド状に分散する金属酸化物および金属塩、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、珪酸塩類(タルク)および硫酸バリウムがある。これらの粒子はこの場合には、ナノ顔料と称される100nmより小さい、好ましくは5〜50nm、特に好ましくは15〜30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球状でもよいが、楕円形またはさもなければ球形から離れた形状を有していてもよい。顔料は表面処理されていてもよい。即ち、親水性化または疎水性化された状態で存在していてもよい。典型的な例には被覆された二酸化チタン、例えば二酸化チタンT805(Degussa)またはEusolex(R)T2000 (Merck)がある。この場合、適する疎水性コーティング剤はなかでもシリコーン、特にトリアルコキシオクチルシラン類またはシメチコン類がある。特に有利なのは酸化チタンおよび酸化亜鉛である。
【0132】
特に有利な無機系粒状物質は親水性であるか両親媒性である。有利にはこれらは表面被覆されていてもよく、特に有利には表面を撥水処理されている。それらの例にはステアリン酸アルミニウムで被覆された酸化チタン顔料、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)で被覆された酸化亜鉛、ジメチコンで被覆された窒化硼素、およびジメチルポリシロキサンとシリカゲルおよび酸化アルミニウム水和物の混合物で被覆された酸化チタン、オクチルシラノールで被覆された酸化チタンまたは球状のポリアルキルセスキオキサン粒子がある。
【0133】
有機系対光保護顔料は、室温で結晶状態で存在する物質でありそして紫外線を吸収することができそして吸収したエネルギーを長い波長の放射線の状態で、例えば熱の状態で放つ物質である。UVAフィルターとUVBフィルターとに区別される。UVAおよびUVBフィルターは個々におよび混合状態で使用することができる。本発明に適する有機UVフィルターはジベンゾイルメタンの室温で固体の誘導体、ケイ皮酸エステル類、ジフェン酸エステル、ベンゾフェノン、カンフル、p−アミノ安息香酸エステル、o−アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステル、ベンズイミダゾール類、1,3,5−トリアジン類、モノマーおよびオリゴマーの4,4−ジアリールブタジエンカルボン酸エステルおよび−カルボキシアミド類、ケトトリシクロ[5.2.1.0]デカン、ベンザルマロン酸エステルおよび上記化合物の所望のあらゆる混合物よりなる群から選択される。有機系紫外線フィルターは油溶性でも水溶性でもよい。本発明に従う特に有利な油溶性紫外線フィルターは1−(4−第三ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンフル、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−オクチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、アミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−エチルヘキシル4−メトキシシナマート、プロピル4−メトキシシナマート、イソペンチル4−メトキシシナマート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−フェニルシナマート(オクトクリレン)、2−エチルヘキシルサリチレート、4−イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメチルサリチレート(3,3,5−トリメチルオクチルヘキシル−サリチレート)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジ−2−エチルヘキシル−4−メトキシベンズマロナート、2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン(オクチルトリアゾン)およびジオクチルブタミドトリアゾン、および上記化合物の所望のあらゆる混合物が有利である。
【0134】
有利な水溶性紫外線フィルターは2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカモニウム塩、ベンゾフェノン類のスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそれの塩、3−ベンジリデンカンフルのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびそれの塩がある。
【0135】
本発明の組成物においては有機系および無機系対光保護顔料は組成物の総重量を基準として好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは2〜15重量%の量で存在している。
【0136】
本発明の組成物は1〜100μmの平均粒子径を有する微粒子の無機系または有機系収剤を含有していてもよい。吸収剤は層状珪酸塩、例えばエーロジル(Aerosil)グレード、沈降シリカ、シリカゲル、二酸化珪素、クレー、例えばベントナイト類またはカオリン、珪酸マグネシウムアルミニウム、例えばタルクおよび窒化硼素、場合によっては変性された澱粉および澱粉誘導体、セルロース粉末、ラクトグロブリン誘導体、ポリオレフィンのポリマー粉末、ポリカーボネート類、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、(メタ)アクリレートコポリマーまたは(メタ)アクリレート−ビニリデンコポリマー(これらは架橋されていてもよい)、テフロンまたはシリコーン類および上記の物質の混合物よりなる群から選択する。
【0137】
本発明の組成物は研磨成分を含有していてもよく、例えば粉砕した植物粒子、例えばアーモンド殻粉末またはふすま、結晶質セルロース、水素化ホホバ油、90〜600μmの平均径を有するポリマービーズ、好ましくはポリエチレンまたはポリアミド−11のビーズ、および有効物質含有マイクロカプセルまたはミリカプセル、石油化学ポリマー(例えばナイロン−11の様なポリアミド)および/またはバイオポリマー、例えばゼラチン、ペクチン、ベジタブルガム、アルギナート類およびカラゲナン(carrageenan)を含有していてもよい。アーモンド殻粉末、ふすま、水素化ホホバ油およびポリエチレンビーズを使用するのが有利である。
【0138】
別の有利な一つの実施態様において問題の組成物は特に耐水性、色バランス、真珠光沢効果、良好な肌感触特性および肌への組成分の良好な展延性に優れたメークアップ、アイメークアップ、マスカラ、アイライナーおよび頬紅がある。
【0139】
本発明の有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は優れた光沢効果を有するネール用ニスである。
【0140】
有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は1種類以上の紫外線保護フィルターを含有している。本発明のこの組成物は好ましくは日焦け止め剤である。日焦け止め剤はスプレー、ステック、ペースト、ジェルまたはローションの状態で存在しているのが好ましい。
【0141】
適する紫外線フィルター物質は好ましくは4−アミノ安息香酸;3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデン−ボラン−2−オン−メチルスルファート;3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルサリチレート;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそれのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩;3,3’−(1,4−フェニレンジメチン)−ビス−(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]−ヘプタン−1−メタンスルホン酸およびそれの塩;1−(4−第三ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、3−(4’−スルホ)−ベンジリデン−ボルナン−2−オンおよびそれの塩;2−シアン−3,3−ジフェニル−アクリル酸−(2−エチルヘキシルエステル);N−[2(および4)−(2−オキソボロン−3−イリデンメチル)ベンジル]−アクリルアミドのポリマー;4−メトキシ−桂皮酸2−エチルヘキシルエステル;エトキシル化4−アミノ−安息香酸エチルエステル;4−メトキシ−桂皮酸イソアミルエステル;2,4,6−トリス−[p−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−ジシロキサニル)プロピル)フェニル;4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)−アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−イル)ジイミノ]安息香酸ビス(2−エチルヘキシルエステル);3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンフル;3−ベンジリデン−カンフル;サリチル酸−2−エチルヘキシルエステル;4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル;ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸(sulisobenzonum)およびナトリウム塩;および/または4−イソプロピルベンジルサリチレート、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボロン−3−イリデンメチル)アニリウムメチルスルファート、ホモサレート(INN)、オキシベンゾネ(INN)、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 およびそれのNa、Kおよびトリエタノールアミン塩、α−(2−オキソボロン−3−イリデン)−トルエン−4−スルホン酸 およびそれの塩、メトキシ桂皮酸オクチル、4−メトキシ桂皮酸イソペンチル、p−メトキシ桂皮酸イソアミル、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1‘−オキシ)−1,3,5−トリアジン(オkチルトリアゾン)、フェノール、2−2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル(ドロメトリアゾールトリシロきさん)、安息香酸、4,4−((6−((((1,1−ジメチルエチル)アミノ)−カルボニル)フェニル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ)ビス、ビス(2−エチルヘキシル))エステル、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−1−カンフル(4−メチルベンジリデンカンフル)、 3−ベンジリデンカンフル、2−エチルヘキシルサリチレート(オクチルサリチレート)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル−2−ヘキシル (オクチルジメチル PABA)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸 (ベンゾフェノン−5)およびNa塩、2,2’-メチレンビス−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(テトラメチルブチル)−1,1,3,3−フェノール、2−2’−ビス(1,4−フェニレン)−1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、(1,3,5)−2,4−ビス((4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ)フェニル)−6−(4−メトキシフェニル)、2−シアノ−3、3−ジフェニル−2−プロペン酸2−エチルヘキシル、ジ−p−メトキシ桂皮酸グリセリルオクタノエート、p−安息香酸およびエステル、4−第三ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸オクチル、2,5−ジイソプロピル桂皮酸メチル、シノキサート、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、2,2’―ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、2−エチルヘキシル−ジメトキシベンジリデン−ジオキソイミダゾリジン−プロピオナート、テトラヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、2,4,6−トリス[4−2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル−トリメトキシ桂皮酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、p−メトキシ桂皮酸イソプロピル/ 桂皮酸ジイソプロピル、p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸 および三水和物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、Na塩、フェニルベンズミダゾールスルホン酸である。
【0142】
別の適するUVフィルターはジベンゾイルメタンの室温で固体の誘導体、ケイ皮酸エステル類、ジフェン酸エステル、ベンゾフェノン、カンフル、p−アミノ安息香酸エステル、o−アミノ安息香酸エステル、サリチル酸エステル、ベンズイミダゾール類、1,3,5−トリアジン類、モノマーおよびオリゴマーの4,4−ジアリールブタジエンカルボン酸エステルおよび−カルボキシアミド類、ケトトリシクロ[5.2.1.0]デカン、ベンザルマロン酸エステルおよび上記化合物の所望のあらゆる混合物よりなる群から選択される。有機系紫外線フィルターは油溶性でも水溶性でもよい。本発明に従う特に有利な油溶性紫外線フィルターは1−(4−第三ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンフル、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−オクチル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、アミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−エチルヘキシル4−メトキシシナマート、プロピル4−メトキシシナマート、イソペンチル4−メトキシシナマート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−フェニルシナマート(オクトクリレン)、2−エチルヘキシルサリチレート、4−イソプロピルベンジルサリチレート、ホモメチルサリチレート(3,3,5−トリメチルオクチルヘキシル−サリチレート)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ジ−2−エチルヘキシル−4−メトキシベンズマロナート、2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン(オクチルトリアゾン)およびジオクチルブタミドトリアゾン、および上記化合物の所望のあらゆる混合物が有利である。有利な水溶性紫外線フィルターは2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそれのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカモニウム塩、ベンゾフェノン類のスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそれの塩、3−ベンジリデンカンフルのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびそれの塩がある。
【0143】
本発明の組成物は紫外線保護フィルターを完成組成物を基準として好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜8重量%、なかでも1〜5重量%の量で含有している。
【0144】
しかしながらこの日焦け止め組成物は紫外線保護フィルターとして無機系紫外線吸収剤および上述顔料群のところで規定した対光保護顔料も含有していてもよい。本発明の組成物はこれらを組成物の総重量を基準として好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましくは0.5〜15重量%、なかでも1.0〜10重量%の量で含有している。
【0145】
有利な別の一つの実施態様において、本発明の組成物、例えば日焦け止め剤は1種類以上の酸化防止剤を含有している。
【0146】
酸化防止剤は有利には非常に低い許容分量でのアミノ酸類(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール類(例えばウロカン酸)およびその誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カモシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド類、カロチン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびそれの誘導体、リポ酸およびそれの誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシルエステル、それらのN−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリル−チオジプロピオナート、ジステアリル−チオジプロピオナート、チオジプロピオン酸およびそれの誘導体(例えばエステル類、エーテル類、ペプチド類、リピド類、ヌクレオチド類、ヌクレオシド類および塩)およびスルホキシミン化合物(例えばブチオニン−スルホキシイミン類、ホモシステイン−スルホキシイミン、ブチオニンスルホン類、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニン−スルホキシイミン)、更に金属キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸類(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれの誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、葉酸およびそれらの誘導体)、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびそれの誘導体(例えばアスコルビルパルミテート類、Mgアスコルビルホスファート類、アスコルビルアセテート類)、トコフェロールおよびその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよびその誘導体(例えばビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノーゼおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO )、セレニウムおよびそれの誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベン類およびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)、過酸化物ジスムターゼおよび本発明に適するここに記載した物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖類、ヌクレオチド類、ヌクレオシド類、ペプチド類およびリピド類)がある。
【0147】
本発明の目的にとって水溶性酸化防止剤を使用するのが特に有利である。
【0148】
酸化防止剤は酸化性ストレスに対して肌および髪を保護することができる。有利な酸化防止剤はビタミンEおよびそれの誘導体およびビタミンAおよびそれの誘導体である。
【0149】
本発明の組成物中の1種類以上の酸化防止剤の量は組成物の総重量を基準として好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.05〜20重量%、特に好ましくは1〜10重量%の量で含有する。
【0150】
ビタミンEおよび/またはそれの誘導体が酸化防止剤である場合には、組成物の総重量を基準として0.001〜10重量%の範囲内の濃度を選択するのが有利である。ビタミンAまたはビタミンA誘導体、またはカロチン類またはそれの誘導体が酸化防止剤である場合には、組成物の総重量を基準として0.001〜10重量%の範囲内の濃度を選択するのが有利である。
【0151】
本発明の一つの有利な実施態様においては、化粧料または皮膚用組成物がスーパーオキシド−ジスムターゼ、トコフェロール(ビタミンE)およびアスコルビン酸(ビタミンC)から選択される酸化防止剤を含有する。
【0152】
別の有利な一つの実施態様において、本発明の組成物は抗菌作用を有する物質、収斂剤および脱臭物質よりなる群から選択される1種類以上の物質を含有するデオドラントおよび発汗抑制剤である。この組成物は好ましくはスプレー、ステック、ペースト、ジェルまたはローションの状態で存在するのが有利である。
【0153】
特に適する抗菌作用化合物はセチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ナトリウムN−ラウリルサルコシナート、ナトリウムN−パルミチルサルコシナート、ラウリルサルコシン、N−ミリストイルグリシン、カリウムN−ラウリルサルコシン、トリメチルアンモニウムクロライド、ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシルラクテート、トリエチルシトレート、トリセチルメチルアンモニウムクロライド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、フェノキシエタノール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロカルバン)、ジアミノアルキルアミド、例えばl−リシンヘキサデシルアミド、クエン酸重金属塩、特にピリチオン亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ファルネゾールおよびこれらの有効物質の組合せ物がある。
【0154】
本発明の組成物は抗菌作用化合物を完成組成物を基準として好ましくは50重量%まで、更に好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%の量で含有している。
【0155】
有利な収斂剤は酸化物、好ましくは酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムおよび酸化亜鉛、酸化物水和物、好ましくは酸化アルミニウム水和物(ベーマイト)および水酸化物、好ましくはカルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウムまたは亜鉛の水酸化物である。
【0156】
本発明の組成物は収斂作用化合物を完成組成物を基準として好ましくは0〜50重量%、更に好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%の量で含有する。
【0157】
アラントインおよびビサボロールが脱臭物質として有利である。これらは0.0001〜10重量%の量で使用するのが有利である。
【0158】
一つの別の有利な実施態様において本発明の組成物はピーリング剤である。これらはピーリングクリームまたは肌のクレンジングおよびスムースにするためのジェルの状態で存在するのが有利である。
【0159】
別の有利な一つの実施態様においては本発明の組成物は歯科用ケア組成物、特に上述のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを超微粉砕状態て研磨成分として含有する歯科用ケア組成物である。この歯科用ケア組成物は練り歯磨き、歯用クリームまたは歯用ジェルの状態でもよい。
【0160】
別の有利な一つの実施態様においては、本発明の組成物は脱毛組成物である。
【0161】
別の助剤および添加物としては本発明の組成物は他の粉末状物質、充填物、カチオン性ポリマー、造膜剤、増粘剤および分散剤、過脂剤、加湿剤、安定剤、生理活性物質、グリセロール、保存剤、真珠光沢剤、香料、溶剤、乳白剤、別のワックス、別の蛋白質誘導体(例えばゼラチン)、コラーゲン加水分解物、天然および合成ベースのポリペプチド類、黄卵、レシチン、ラノリンおよびラノリン誘導体、脂肪アルコール、シリコーン類、冷却剤、例えば酢酸メチル、角質溶解および角質柔軟化効果を示す物質、酵素、担体物質を含有していてもよい。
【0162】
更に、使用される充填物質はSiO2、シリカ、ZnO、カオリン、SiO2−変性したカオリン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、タルク、マイカ、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリカルボナート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、天然ポリマー、シルク粉末、微晶質セウロース、天然有機化合物、例えばカプセル化したまたはカプセル化されていない粒状澱粉およびそれらの混合物である。
【0163】
適するカチオン性ポリマーはINCI−標記で“ポリクオタニウム(Polyquaternium)"として知られる化合物、特にポリクオータニウム−31、ポリクオータニウム−16、ポリクオータニウム−24、ポリクオータニウム−7、ポリクオータニウム−22、ポリクオータニウム−39、ポリクオータニウム−28、ポリクオータニウム−2、ポリクオータニウム−10、ポリクオータニウム−11、およびポリクオータニウム−37&鉱油PPGトリデセス((R)Salcare SC95) 、PVP−ジメチルアミノエチルメタクリレート−コポリマー、グアーヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロライド、およびアルギン酸カルシウムおよびアルギン酸アンモニウムが適している。更に以下のカチオン性セルロース誘導体も同様に適している:カチオン性澱粉;ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミド類のコポリマー;四級化されたビニルピロリドン/ビニルイミダゾール−ポリマー;ポリグリコール類とアミン類との縮合生成物;四級化されたコラーゲンポリペプチド;四級化された小麦ポリペプチド;ポリエチレンイミン類;カチオン性シリコーンポリマー(例えばアミドメチコン類);アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシ−プロピルジエチレントリアミンとのコポリマー;ポリアミノポリアミド類およびカチオン性キチン誘導体(例えばキトサン)が適する。
【0164】
適するシリコーン化合物の例には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン及びアミノ−、脂肪酸−,アルコール−,ポリエーテル−,エポキシ−,フルオロ−及び(又は)アルキル変性されたシリコーン化合物,並びにポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサン−コポリマー、例えば米国特許第5,104,645号明細書(この米国文献の内容をここに記載したものとする)に記載されている様なものがあり、これらは室温で液状でも樹脂状でも存在し得る。
【0165】
適する膜形成剤は用途目的次第でフェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩、水溶性のポリウレタン、例えばC10−ポリカルバミル−ポリグリセリルエステル)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、それらのコポリマー(例えばビニルピロリドン/醋酸ビニル−コポリマー)、水溶性アクリル酸ポリマー/コポリマーおよびそれらのエステルまたは塩(例えばアクリル酸/メタクリル酸の部分エステルコポリマー)、脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル(例えばアクリレート/ステアレス−20−メタクリレート−コポリマー)、水溶性セルロース(例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、水溶性クオータニウム、ポリクオータニウム、カルボキシビニル−ポリマー(例えばカルボマー(Carbomers)およびそれの塩)および/または多糖類(例えばポリデキストロースおよびグルカン)がある。
【0166】
使用できる過脂剤には、例えばラノリン、レシチン、ポリエトキシル化されたラノリン誘導体、レシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノトリグリセリド類および脂肪酸アルカノールアミドがあり、最後に挙げた化合物は同時に泡安定剤としても役立つ。
【0167】
加湿剤としては例えばイソプロピルパルミテート、グリセロールおよび/またはソルビトールが使用できる。これらは0.1〜50重量%の量で使用するのが有利である。
【0168】
使用できる生理活性物質は例えば植物性抽出物、例えばアロエベラ、およびビタミン錯塩、Bisabolol(R) Allantoin(R)Phytantriol(R) Panthenol(R)AHA酸、局所麻酔薬、抗生物質、抗炎症剤、抗アレルギー剤、コルチコステロイド、セボスタチック(sebostatics)、ファンテノール(phanthenol)、アラントインおよびタンパク質である。
【0169】
適する保存剤の例には、フェノキシエタノール、ジアゾリジニルウレア、パラベン類、ペンタンジオール、ブチレート化ヒドロキシトルエン、ブチレート化ヒドロキシアニソール又はソルビン酸がある。これらは完成組成物を基準として好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.01〜3重量%、なかでも0.1〜2重量%の量で使用される。
【0170】
使用できる着色剤は化粧料および薬剤の分野で公認され且つ適した物質である。
【0171】
真珠光沢付与成分として特に適する物質は、脂肪酸モノアルカノールアミド類、脂肪酸ジアルカノールアミド類、アルキレングリコールのモノエステルまたはジエステル、特にエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールまたはそれのオリゴマーと高級脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはべヘン酸またはそれらの混合物とのモノエステルまたはジエステル、グリセロールとカルボン酸、脂肪酸類およびそれらの塩類とのモノエステルまたはポリエステルである。グリコール単位を平均3個有するエチレングリコールジステアレートおよび/またはポリエチレングリコールジステアレートが特に有利である。
【0172】
本発明の組成物が真珠光沢付与化合物を含有する場合には、これらは本発明の組成物中に好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%の量で含まれている。
【0173】
適する殺菌作用化合物は、好ましくはケトコナゾール、オキシコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ミコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、テルコナゾール、ナフチフィン及びテルビナフィン、Zn−ピレチオン及びオクトピロックスである。
【0174】
特に適する増粘剤および分散剤は、炭素原子数14〜22、好ましくは16〜22の脂肪酸のエチレングリコールエステル、特にモノ−およびジエチレングリコールステアレートである。ステアリンモノエタノールアミド、ステアリンジエタノールアミド、ステアリンイソプロパノールアミド、ステアリンモノエタノールアミドステアレート、ステアリルステアレート、セチルパルミテート、グリセリルステアレート、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート、N,N−ジヒドロカルビル−(C12〜C22)−アミド安息香酸およびそれらの可溶性塩、N,N−ジ(C16〜C18)−アミド安息香酸およびそれの可溶性塩およびN,N−ジ(C16〜C18)−アミド安息香酸およびそれの誘導体が有利である。さらにポリアクリレートおよびカルボマー類、特にアクリルアミドアルキルスルホン酸およびN−ビニルカルボン酸アミドをベースとする水溶性または水膨潤性コポリマーも適している。
【0175】
色強度を増すために、本発明の組成物は化粧料において慣用されるキャリヤー、特にベンジルアルコール、バニリン(即ち、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)、イソバニリン、p−ヒドロキシアニソール、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、2−フェノキシエタノール、サリチルアルデヒド、3,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシフェニルアセトアミド、メチルp−ヒドロベンゾエート、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、2−(2’−ヒドロキシフェノキシ)エタノール、3,4−メチレンジオキシフェノール、レゾルシノールモノメチルエーテル、3,4−ジメトキシフェノール、3−トリフルオロメチルフェノール、レゾルシノールモノアセテート、エチルバニリン、2−チオフェンエタノール、ブチルアセテートおよびブチルグリコレートを含有していてもよい。フェノキシエタノールおよび/またはベンジルアルコールを含む本発明の組成物は相乗作用を示すので特に有利である。
【0176】
適する可溶化剤は原則としてあらゆる一価−または多価アルコールおよびエトキシル化 アルコール類である。炭素原子数1〜4のアルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびイソブタノール、グリセロールおよびそれらの混合物が使用される。さらに、好ましくは、2000以下の相対分子量を有するポリエチレングリコールが有利である。200〜600の相対分子量を有するポリエチレングリコールを45重量%までの量でそして400〜600の相対分子量を有するポリエチレングリコールを0.5〜15重量%の量であるのが特に有利である。さらに適する溶剤は例えばトリアセチン(グリセロールトリアセテート)および1−メトキシ−2−プロパノールである。
【0177】
使用される安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムおよび/またはステアリン酸亜鉛である。
【0178】
本発明の組成物はケア用添加物として慣用のセラミド類、疑似セラミド類、脂肪酸−N−アルキルポリヒドロキシアルキルアミド類、コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル、脂肪酸、トリグリセリド類、セレブロサイド類(cerebrosides)、ホスホリピド類およびこれらの類似物質と混合してもよい。
【0179】
使用できる芳香剤または香油は個々の着臭剤化合物、例えばエステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類および炭化水素よりなる合成生成物の種類である。エステル類よりなる種類の着臭剤は例えば酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチラート、酢酸p−第三ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、蟻酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルがある。エーテル類には例えばベンジルエチルエーテルが、アルデヒド類には例えば炭素原子数8〜18の直鎖状アルカノール類、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアルおよびブルジェナル(bourgeonal)が、ケトン類には例えばイオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドイリルケトン、シトロネロール、エウゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが、炭化水素には専らテルペン類およびバルサム類が包含される。一緒になって快い香りを生じる種々の着臭剤の混合物を使用するのが有利である。
【0180】
香油は、例えば植物または動物源から入手し易い天然の着臭剤混合物、例えばパイン、柑橘類、ジャスミン、ゆり、バラまたはイランイランノキ油を含有していてもよい。
【0181】
香料成分として一般に使用される比較的に低い揮発性のエーテル油も香油、例えばサージ油、カモミール油、チョージノキの油、メリッサ油、ミント油、シナモンの葉の油、シナノキの花油、ジュニパーベリーオイル、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油およびラダナム油も適している。
【0182】
他の添加物はシリコーン化合物、好ましくはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン類、環状シリコーン類、およびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、弗素化−および/またはアルキル変性シリコール化合物、即ち例えば SilCare(R) Silicone 41M10、SilCare(R) Silicone 41 M15、SilCare(R) Silicone 41 M20、SilCare(R) Silicone 41 M30 (Clariant)、アルキルメチコン類、即ち SilCare(R) 31M30、SilCare(R) 31 M40、SilCare(R) 31M 50、SilCare(R) 31 M 60 (Clariant)、フェニルトリメチコン類、即ちSilCare(R) 15M30、SilCare(R) 15M 40、SilCare(R) 15M50、SilCare(R) 15M60 (Clariant)、ポリアルキルアリールシロキサン類およびポリエーテルシロキサンコポリマーがある。
【0183】
本発明の組成物は上記のシリコーン化合物を完成組成物を基準として好ましくは0.1〜20重量%、更に好ましくは0.2〜15重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%の量で上述のシリコーン化合物を含有していてもよい。
【0184】
この組成物は通例には2〜12の範囲内、好ましくは3〜8の範囲内のpHを有している。
【0185】
以下の実施例および使用例は本発明を更に詳細に説明するものであり、本発明はこれらに限定されない(全ての百分率は重量%である)。
【0186】
表1に記載したメタロセンポリオレフィンワックスはエチレンおよび/またはプロピレンモノマーからヨーロッパ特許出願公開第571,882号明細書に記載の方法に従って製造した。モノマーの重量割合を表1に示す。
【0187】
【表2】

ポリオレフィンワックス1〜4の滴り点、粘度、重量平均分子量Mwおよび密度を測定した。結果を表2に示す。
【0188】
【表3】

ポリオレフィンワックス2を含む組成物のペースト硬度およびポリオレフィンワックス2の代わりに標準の市販ワックスを含む2種類の相応する組成物のペースト硬度を測定しそして互いに比較した。結果を表3に示す。
【0189】
【表4】

表3の結果は、メタロセン触媒を用いて製造されたポリオレフィンワックスがステックおよびペンシル、例えばリップステックの製造に非常に適している。
【0190】
組成物例:
【実施例1】
【0191】
W/O−型クリーム
A Hostacerin(R) DGI 6.0%
ステアリン酸マグネシウム 1.0%
鉱油(低粘度) 5.0%
ワセリン 10.0%
Cetiol(R) V 5.0%
B 1,2-プロピレングリコール 3.0%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
保存剤 適量
C 香料 0.4%
D ポリオレフィンワックス1(超微粉砕) 3.0%
製法:
I Aを80℃で溶融する。
II Bを80℃に加熱する。
III IにIIを攪拌混合する。
IV 35℃の温度に達するまで攪拌する。
V 35℃でCを IV に添加する。
VI 室温でDをV中に攪拌添加する。
【実施例2】
【0192】
O/W−型クリーム:
A Hostacerin(R) DGI 2.0%
SilCare(R) Silicone 31M30 Clariant 4.0%
鉱油(Perliquidum) 4.0%
ポリオレフィンワックス2 2.0%
Eutanol G Clariant 4.0%
パルミチン酸イソプロピル Clariant 4.0%
Carbopol 980 0.7%
B Hostapon(R)KCG 0.6%
水酸化ナトリウム溶液 (水中10%) 2.1%
保存剤 適量
香料 0.4%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
製造:
I Aを80℃に加熱する。
II Bを80℃に加熱する。
III BをA中にゆっくり混入攪拌して乳化する。
【実施例3】
【0193】
発汗抑制剤:
A Locron(R)L Clariant 10.0%
エタノール 50.0%
ファルネソール 0.5%
香料 0.2%
ポリオレフィンワックス1 0.5%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
Extrapon Avocado special 1.5%
製造:
Aの各成分を混合する。
【実施例4】
【0194】
W/O−型発汗抑制クリーム
A Abil EM90 2.0%
Abil B8839 20.0%
ポリオレフィンワックス1 2.0%
B Aloxicoll L 17.0%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
香油 適量
保存剤 適量
製造:
I A相にB相を室温で攪拌下に添加する。
II 均一化する。
【実施例5】
【0195】
デオドラントステック
A OCTOPIROX(R) (Clariant) 0.1%
ポリオレフィンワックス2 3.0%
プロピレングリコール 71.0%
Rewoderm 66E 5.0%
ステアリン酸ナトリウム 5.0%
Genapol(R)HS 020 (Clariant) 1.0%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
製造:
I Aの各成分を50℃で混合しそして溶液が透明になるまで攪拌する。
II ボトルに充填しそして冷却する。
【実施例6】
【0196】
アルコール不含のロール塗布用デオドラント(不透明)
A Tegodeo CW 90 2.0%
ポリエチレングリコール(3) ラウリルエーテル 1.0%
トリエタノールアミン 1.0%
B ポリオレフィンワックス1 1.2%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
C Tagat R 40 3.0%
香油 適量
保存剤 適量
D クエン酸(水中50%濃度) 0.2%
製造:
I A相およびB相を別々に80℃に加熱する。
II B相をA相中に攪拌混入しそして均一化する。
III ゆっくり攪拌下に冷却する。
IV C相を30℃で添加する。
V D相を用いてpH調整する。
【実施例7】
【0197】
ファンデーション:
A Nexbase(R)2004 FG 9.0%
Myritol(R) 318 5.0%
アーモンド油 4.0%
SilCare(R)Silicone 31M40 (Clariant) 4.0%
SilCare(R)Silicone 41M15 (Clariant) 3.0%
Genapol(R)HS020 (Clariant) 1.6%
Genapol(R)HS200 (Clariant) 2.4%
ポリオレフィンワックス1 1.0%
B Vanclay(R) 1.5%
タルク 3.0%
酸化鉄顔料 7.9%
C グリセロール 5.0%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
Aristoflex(R)AVC (Clariant) 0.4%
D 香料 適量
Nipaguard(R)PDU (Clariant) 適量
製造:
I Aの各成分を混合しそして70℃で溶融する。
II IにBを攪拌下に70℃で添加する。
III Aristoflex(R)AVC が溶解するまで混合しそして70℃に加熱する。
IV 攪拌下にIIにCを添加しそして均一化する。
V IVにDを<40℃で添加する。
【実施例8】
【0198】
マスカラ
A Tylose(R)H 4000 G4 (Clariant) 0.7%
1,2−プロピレングリコール 1.0%
蒸留水 全部で100%とする為の不足量
B トリエタノールアミン(99%濃度) 1.2%
C ステアリン酸 3.0%
SilCare(R)Silicone 41M15 (Clariant) 1.0%
SilCare(R)Silicone 31M40 (Clariant) 2.0%
Tegocare(R)450 4.0%
Nexbase(R)2006 2.0%
ミツロウ 2.5%
カンデリラワクス 2.5%
ポリオレフィンワックス1 3.5%
D 顔料 10.0%
E Nipagin(R)M (Clariant) 0.2%
Nipasol(R)M (Clariant) 0.1%
F 香料 適量
製造:
I 室温で攪拌下にAの各成分を膨潤させる。即ち85℃に加熱する。
II BをAに添加しそして攪拌する。
III C成分を85℃で溶融する。
IV DをIIIに攪拌下に85℃で添加する。
V IIをIVに激しい攪拌下に(85℃で15分、さらに加熱せずに15分)添加 する。
VI EおよびFをVに35〜40℃で添加する。
VII 35〜40℃でボトル詰めする。
【実施例9】
【0199】
歯科用クリーム:
A 蒸留水 全部で100%とする為の不足量
グリセロール 20.0%
安息香酸ナトリウム 2.5%
サッカリン(10%濃度) 1.0%
アーモンド油 1.0%
Cosmenyl Green GG 0.005%
Medialan(R)LD 6.6%
B Tylose H 20 2.4%
C Aerosil(R) 300 2.0%
ポリオレフィンワックス1(超微粉砕) 32.0%
製造:
I Aの各成分を混合しそして攪拌する。
II BをI中に混入攪拌する。
III II中にCの各成分を続けて混入攪拌する。
【実施例10】
【0200】
歯科用クリーム:
A 蒸留水 全部で100%とする為の不足量
グリセロール 20.0%
安息香酸ナトリウム 2.5%
サッカリン(10%濃度) 1.0%
アーモンド油 1.0%
Cosmenyl Green GG 0.005%
Medialan(R)LD 6.6%
B Tylose H 20 2.4%
C Aerosil(R) 300 2.0%
ポリオレフィンワックス3(超微粉砕) 32.0%
製造:
I Aの各成分を混合しそして攪拌する。
II BをI中に混入攪拌する。
III II中にCの各成分を続けて混入攪拌する。
【実施例11】
【0201】
脱毛剤
A パラフィン油 12.0%
合成ゴム SIS&SBS 28.0%
Piccotac 1095 50.0%
B ポリオレフィンワックス4 10.0%
製造:
I 200℃でAの各成分を溶融しそして均一化する。
II IにBを200℃で添加しそして均一化する。膜剥きのために塗布する。
【0202】
使用した市販品のINCI 名称:
Abil B8839 シクロペンタシロキサン/シクロヘキサシロキサン
Abil EM90 セチルジメチコン/コポリオール
A-C8 (Honeywell) ポリエチレンワックス
Aerosil(R) 200 (Degussa) シリカゲル
Aerosil(R) 300 (Degussa) シリカゲル
Aloxicoll L. 塩化アルミニウム水和物
Aristoflex(R)AVC (Clariant) アンモニウム−アクリロイルジメチルタウ レート/VPコポリマー
Carbopol 980 ポリアクリレート
Cetiol(R)V (Cognis) オレイン酸デシル
Eutanol G 2−オクチルドデカノール
Extrapon(R) (Dragoco) 植物抽出物
Extrapon Avocado special 水/エトキシジグリコール/プロピレング リコール/ブチレングリコール/アボガド 抽出物
GENAPOL(R)HS 020 (Clariant) ステアレス−2
Genapol(R)HS200 (Clariant) ステアレス−20
Hostacerin(R)DGI ポリグリセリル−2 セスキイソステア レート
Hostapon(R)KCG ココイルグルタミン酸ナトリウム
Licowax(R)PE 520 (Clariant) チグラー合成 によるポリプロピレン
Locron(R) L (Clariant) 塩化アルミニウム水和物
Medialan(R) LD (Clariant) ナトリウム-ラウロイルサルコシナート
Myritol(R) 318 カプリン/カプリル−トリグリセリド
Nexbase(R)2004 FG 水素化ポリ−1−デセン
Nexbase(R) 2006 ポリ−1−デセン
Nipagin(R)M (Clariant) メチルパラベン
Nipaguard(R)PDU (Clariant) プロピレングリコール(および)ジアゾー ルインジニル尿素(および)メチルパラベ ン(および)プロピルパラベン
Nipasol(R)M (Clariant) プロピルパラベン
OCTOPIROX(R) (Clariant) ピロクトンオラミン
Piccotac 1095 (Eastman) ピペリレン/ブテン/ペンテン−コポリ マー
Rewoderm 66E イソステアレート
SilCare(R) Silicone 31M30 (Clariant) カプリリルトリメチコン
SilCare(R) Silicone 31M40 (Clariant) カプリリルトリメチコン
SilCare(R) Silicone 41M15 (Clariant) カプリリルメチコン
SiS/SBS スチレン−イソプレン−スチレン&スチレ ン−ブタジエン−スチレン
Tagat R40 PEG-40 水素化ひまし油
Tegocare(R) 450 ポリグリセリル−3 メチルグルコースジ ステアレート
Tegodeo CW 90 リシンオレイン酸亜鉛/テトラヒドロキシ プロピル−エチレンジアミン/ラウレス− 3/プロピレングリコール
Tylose(R)CB カルボキシメチルセルロース
Tylose(R)H 20 ヒドロキシエチルセルロース
Tylose(R)H 4000 G4 ヒドロキシエチルセルロース
Tylose(R)H 100000 YP2 ヒドロキシエチルセルロース
Vanclay(R) カオリン
ホワイトスピリット 脂肪族炭化水素
【0203】
以下の測定法を使用した:
滴り点: DIN 51801/2
軟化点: DIN EN 1427に従う環球法溶融粘度: DIN 53019:回転粘度計使用
ガラス転移温度: DIN 51700:示差熱分析
結晶化度:結晶化度の測定は溶融熱によって算出する。これは示差熱量測定法(DSC)を用いて測定する。100%結晶ポリエチレンの対照値として292J/gを使用する。理想的に結晶化したポリプロピレンについては207J/gを使用する。
アイソタクチック指数:J.P. Luongo, J. Appl. Polm. Chem., 3, 302 (1960)に従ってIR分光法いよって測定。
重量平均分子量M、数平均分子量Mおよび得られる商M/Mは1,2−ジクロロベンゼン中で135℃でゲルパーミッションクロマトグラフィーによって測定した。
ペースト硬度: ペースト硬度はペースト中に侵入させるために1cmの面積を有するパンチを負荷するべき質量(g)を示す。この方法は Seifen-Oele-Fette-Wachse, 83, 第595頁(1957)に説明されている。
密度(23℃で測定;g/cm): DIN 53479
針入度(NPZ)(0.1mm): DIN 51579;DGF−M−III 9B(98);ASTM D 1321

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンおよび/またはプロピレンモノマーの1種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有する化粧料、薬剤および皮膚用剤組成物において、該ホモポリマーおよびコポリマーワックスが、25,000g/モル以下の重量平均分子量M、15,000g/モル以下の数平均分子量M、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有しそしてメタロセン触媒によって得られそしてコポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として0.1〜30.0重量%の、1種類のモノマーに由来する構造単位および70.0〜99.9重量%の、他のモノマーに由来する構造単位よりなることを特徴とする、化粧料、薬剤および皮膚用剤組成物。
【請求項2】
エチレンモノマーの1種類以上のホモポリマーワックスを含有しており、該ホモポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは1000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは500〜12,000g/モル、特に好ましくは1000〜5000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
エチレンおよびプロピレンモノマーの1種類以上のコポリマーワックスを含有し、該コポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10,000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、且つ該コポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として70.0〜99.9重量%の、エチレンモノマーに由来する構造単位および0.1〜30.0重量%の、プロピレンモノマーに由来する構造単位よりなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
プロピレンモノマーの1種類以上のホモポリマーワックスを含有し、該ホモポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜22,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、そして70%より多い、好ましくは75〜95%、特に好ましくは80〜90%のアイソタクチック指数を有している、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
エチレンおよびプロピレンモノマーの1種類以上のコポリマーワックスを含有し、該コポリマーワックスが、25,000g/モル以下、好ましくは2000〜22,000g/モル、特に好ましくは4000〜20,000g/モルの重量平均分子量M、15,000g/モル以下、好ましくは1000〜12,000g/モル、特に好ましくは2000〜10,000g/モルの数平均分子量Mおよび1.5〜10、好ましくは1.5〜5、特に好ましくは1.5〜3、中でも2〜2.5のモル質量分布M/Mを有し、且つ該コポリマーワックスが該コポリマーワックスの総重量を規準として0.1〜30.0重量%の、エチレンモノマーに由来する構造単位および70.0〜99.9重量%のプロピレンモノマーに由来する構造単位よりなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが80〜165℃の環球式の滴り点または軟化点および170℃の温度で測定して20〜40,000mPa.sの溶融粘度を有する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項7】
エチレンおよびプロピレンモノマーのコポリマーワックスが最大−20℃のガラス転移温度を有する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項8】
エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが55%より多い、好ましくは60〜90%の結晶化度を有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項9】
エチレンおよび/またはプロピレンモノマーのホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが55%以下、好ましくは50%以下の結晶化度を有する、請求項1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項10】
極性変性されていない一種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスおよび追加的に、極性変性されている一種類以上のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスを含有する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項11】
ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが極性変性されていないホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択される、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項12】
ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが極性変性されたホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスから選択される、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
ペンシル、カバーステック、にきび用ステック、リップステック、メークアップ、ファンデーション、化粧用パウダー、頬紅、マスカラ、アイシャドー、アイライナー、ピーリングクリーム、ポマード、ヘアスタイリング剤、スタイリング液、ヘアフォーム、ヘアジェル、ヘアスプレー、ム―ス、ヘアオイルおよび先端整ヘア液、ヘアトニック、ナイトクリーム、ケアクリーム、栄養クリーム、香りクリーム、ボディーローション、軟膏、リップケア剤、日焦け止め剤、デオドラント、発汗抑制剤、ペンシル状の有色ジェル、例えば多相ペンシル(multiphase pencil)、ステック、ペースト、粉末、クリーム、クリームフォーム、ローション、自己発泡性、泡状、後発泡性または発泡性エマルジョン、ジェル、ロール塗布剤、フォームまたは脱毛剤である請求項1〜12のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項14】
ステックまたはペンシルの形態で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
エマルジョンの状態で存在する請求項1〜14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項16】
油/水−型エマルジョンの状態で存在する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
油/水−型エマルジョン、好ましくは油/水−型の化粧料または皮膚剤エマルジョンの状態で存在しそして組成物の総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは60〜92重量%、特に70〜90重量%の、中でも75〜85重量%の水性相、
b)40重量%まで、好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは2〜25重量%、 中でも5〜20重量%の油性相、
c)15重量%まで、好ましくは0.5〜12重量%、特に好ましくは1〜8重量%、中でも1〜5重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
油/水−型ジェルクリーム、好ましくは油/水−型の化粧料または皮膚剤ジェルクリームの状態で存在しそして組成物の総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは50〜95重量%、特に70〜90重量%の、中でも75〜85重量%の水性相、
b)30重量%まで、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは3〜25重量%、 中でも5〜15重量%の油性相、
c)5重量%まで、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.2〜4重量%、中でも0.5〜3重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
水/油−型エマルジョンの状態で存在する、請求項15に記載の組成物。
【請求項20】
水/油−型エマルジョン、好ましくは水/油−型の化粧料または皮膚剤エマルジョンの状態で存在しそして組成物の総重量を基準として
a)95重量%まで、好ましくは40〜95重量%、特に50〜90重量%の、中でも60〜85重量%の水性相、
b)60重量%まで、好ましくは2〜60重量%、特に好ましくは5〜40重量%、 中でも10〜30重量%の油性相、
c)20重量%まで、好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましくは1〜15重量%、中でも4〜12重量%の1種類以上の乳化剤および
d)5重量%まで、好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.05〜3重量%、中でも0.1〜2重量%のホモポリマーおよび/またはコポリマーワックス
を含有する、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
ホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスが超微粉砕された状態で使用される、請求項1〜20のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項22】
分散物の状態で存在しそして
a)担体材料、好ましくは1種類以上の油成分および/または溶剤、
b)1種類状の乳化剤および
c)請求項1に規定するホモポリマーおよび/またはコポリマーワックスの他に、場合によっては1種類以上の他のワックス
を含有する、請求項1〜21のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項23】
装飾用組成物の状態で存在する、請求項1〜22のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項24】
1種類以上の着色剤、好ましくは有色ラッカ、トナーおよび顔料から選択されるものを含有する好ましくは粉末、コンパクト、ペースト、クリームまたはステックの状態の請求項1〜23のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項25】
1種類以上の紫外線保護フィルターを含有し、好ましくは日焦け止め剤であり、そして好ましくはスプレー、ステック、ペースト、ジェルまたはローションの状態で存在する請求項1〜24のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項26】
1種類以上の酸化防止剤を含有する、請求項1〜25のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項27】
デオドラントまたは発汗抑制剤でありそして抗菌作用を有する物質、収斂剤および脱臭物質よりなる群から選択される1種類以上の物質を含有する好ましくはスプレー、ステック、ペースト、ジェルまたはローションの状態の請求項1〜22および24〜26のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項28】
1種類以上の脱臭物質を含有しそしてそれがアラントインおよびビサボロールよりなる群から選択される請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
ピーリング剤である、請求項1〜22および24〜26のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項30】
歯科用ケア剤組成物である、請求項1〜26のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項31】
脱毛剤である、請求項1〜22および24〜26のいずれか一つに記載の組成物。

【公開番号】特開2006−342163(P2006−342163A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158002(P2006−158002)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】