説明

エンコーダ

【課題】小型かつ高精度な位置検出が可能なエンコーダを提供すること
【解決手段】エンコーダにおいて、スケール20のパターン列はX方向に垂直なY方向に周期的に配列され、X方向にそれぞれ異なるピッチを有する複数の領域23A、25Aを有し、領域25Aのエネルギー分布の振幅がスケールのX方向の位置に従って変化するように構成されている。エンコーダは、受光素子アレイ16Aの出力信号からそれぞれ対応する領域の振幅を取得する第1、第2の振幅取得手段37、38と、第1、第2の振幅取得手段37、38が取得した複数の領域の2つの振幅の比で表される振幅信号S_ampをスケールの絶対位置を表す絶対位置信号として取得する位置情報取得手段34と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ストライプパターンと三角形パターンとを合成した光学パターンを有するスケールを有し、スケールの移動に対して単調増加もしくは単調減少の信号を出力するアブFソリュートエンコーダを開示している。スケールの位置によって受光素子の受光量が連続的に変化するのでアナログ信号を絶対位置情報に変換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−248359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、光源の出射光量の変動や反射率または透過率の面内ムラによって受光素子の受光量が変動して検出誤差が生じ、また、光量補正用にモニター受光素子および参照パターンを設ければ装置が大型化するという問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明は、小型かつ高精度な位置検出が可能なエンコーダを提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエンコーダは、エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するパターン列が形成されているスケールと、前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記パターン列からの前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイと、前記検出素子アレイの出力信号を処理して位置情報に変換する信号処理手段と、を有する。前記パターン列は前記移動方向に異なる複数の変調周期を有し、少なくとも一つの変調周期を有するパターンは前記エネルギー分布の振幅が前記スケールの前記移動方向の位置に従って変化するように構成される。前記信号処理手段は、それぞれが前記検出素子アレイの出力信号から、対応する変調周期の前記エネルギー分布の振幅を取得する複数の振幅取得手段と、前記複数の振幅取得手段が取得した複数の振幅を正規化することによって得られた振幅信号を前記スケールの位置を表す位置信号として取得する位置情報取得手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型かつ高精度な位置検出が可能なエンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】エンコーダのブロック図である。(実施例1、2)
【図2】トラックの部分拡大平面図である。(実施例1)
【図3】受光素子アレイの受光面の平面図である。(実施例1)
【図4】受光素子アレイの信号処理回路の回路図である。(実施例1)
【図5】振幅信号と位相信号とスケール位置の関係を示す図である。(実施例1)
【図6】トラックの部分拡大平面図である。(実施例2)
【図7】トラックの部分拡大平面図である。(実施例3)
【図8】各種信号とスケール位置の関係を示す図である。(実施例3)
【図9】トラックの部分拡大平面図である。(実施例4)
【図10】受光素子アレイの受光面の平面図である。(実施例4)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本実施形態の光学式エンコーダのブロック図である。エンコーダは、固定部に取り付けられるセンサユニット10、不図示の可動部に取り付けられるスケール20、信号処理回路(信号処理手段)30、記憶装置40を有する。なお、固定部と可動部の関係は逆でもよく、センサユニット10とスケール20が相対的に移動可能な構成であれば足りる。
【0010】
センサユニット10は、プリント基板11、プリント基板11に実装された光源12、受光IC14、プリント基板上で光源12と受光IC14を封止する樹脂13、樹脂上に設けられた透明ガラス基板15を有する受発光一体型のセンサユニットである。
【0011】
光源12は、例えば、LEDからなる。受光IC14は複数の受光素子からなる受光素子アレイ16を有する。受光素子アレイ16は、スケール20のパターンからのエネルギー分布を検出する複数の検出素子が、スケール20(または可動部の)移動方向(測長方向)であるX方向に並べられた検出素子アレイとして機能する。本実施形態ではエネルギーは光であるが、後述するように、磁気、電気などその種類は光に限定されない。
【0012】
スケール20は、ガラス基板上にクロム反射膜のパターンを複数有するパターン列がトラック21にパターニングされている。パターンはエネルギー分布を空間変調するためのパターンである。
【0013】
各トラック21は、X方向に垂直なY方向に周期的に配列され、X方向にそれぞれ異なるピッチ(変調周期)を有する複数の領域を有する。例えば、2種類の領域が設けられている場合には、X方向に第1のピッチ(第1の変調周期)を有する第1の領域とX方向に第2のピッチ(第2の変調周期)を有する第2の領域が設けられる。そして、本実施形態では、複数の領域の少なくとも一つの領域のエネルギー分布の振幅(本実施形態ではパターンのY方向の幅)がX方向の位置に従って変化する。
【0014】
なお、本実施形態では、受光素子アレイ16はスケール20のパターンの反射光を受光しているが、スケール20のパターンの透過光を受光する場合にも本実施形態は適用可能である。即ち、受光素子アレイ16は、スケール20のパターンからの光を受光できれば足りる。
【0015】
信号処理回路30は、センサユニット10の受光素子アレイ16の出力信号を処理して位置情報に変換する。信号処理回路30は、センサユニット10で得られたエンコーダ信号の内挿処理や、記憶装置40への信号の書き込み、および、読み出しも行う。
【0016】
信号処理回路30は、不図示のノイズフィルタ、増幅回路、A/D変換回路の他に、信号分離手段31、第1の位相取得手段32、第2の位相取得手段33、位置情報取得手段34、第1の振幅取得手段37、第2の振幅取得手段38を有する。但し、実施例に応じて第2の位相取得手段33などが設けられない場合もある。
【0017】
信号分離手段31は、受光素子アレイ16の出力をトラック21の各領域に対応する信号に分離する機能を有する。信号分離手段31は、受光IC14にスイッチ回路が設けられる場合にはスイッチ回路による接続を切り替える信号を送信し、受光IC14にスイッチ回路が設けられない場合には高速フーリエ変換(FFT)を行うことによって信号を分離することができる。あるいは、信号分離手段31は、受光素子アレイ16にパターンピッチごとに別々の受光面を有する受光素子を設けることによって実現してもよい。
【0018】
第1の位相取得手段32は、(第1の領域に対応する)受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して逆正接演算を行うことによって第1の領域のエネルギー分布の位相(第1の位相)を取得する。第1の位相取得手段32は後述する相対位置信号取得手段として機能してもよい。
【0019】
第2の位相取得手段33は、(第2の領域に対応する)受光素子アレイ16の出力信号(デジタル信号)に対して逆正接演算を行うことによって第2の領域のエネルギー分布の位相(第2の位相)を取得する。
【0020】
複数の振幅取得手段(第1の振幅取得手段37と第2の振幅取得手段38)はそれぞれ対応する領域の振幅を取得する。
【0021】
第1の振幅取得手段37は、(第1の領域に対応する)受光素子アレイ16の出力(デジタル信号)の二乗和に対して平方根演算を行うことによって第1の領域のエネルギー分布の振幅(第1の振幅)を取得する。
【0022】
第2の振幅取得手段38は、(第2の領域に対応する)受光素子アレイ16の出力(デジタル信号)の二乗和に対して平方根演算を行うことによって第2の領域のエネルギー分布の振幅(第2の振幅)を取得する。
【0023】
なお、トラック21に第3のピッチを有する領域などが設けられている場合にはそれに合わせて第3の位相取得手段や第3の振幅取得手段等が設けられてもよいことは言うまでもない。
【0024】
位置情報取得手段34は、スケール20の位置の情報を取得する。位置情報取得手段34は、スケール20の相対位置を表す相対位置信号を取得する相対位置信号取得手段とスケール20の絶対位置を表す絶対位置信号を取得する絶対位置信号取得手段を有してもよい。
【0025】
本実施形態では、位置情報取得手段34は、複数の振幅取得手段が取得した複数の振幅を正規化(無次元量化)することによって得られる振幅信号をスケール20の位置を表す位置信号として取得する。正規化によってこれらの複数の振幅の間で光源12からの射出光量の変動や反射率ムラの影響をなくすことができる。
【0026】
例えば、第1の振幅取得手段37が取得した第1の振幅と第2の振幅取得手段38が取得した第2の振幅という2つの振幅が存在する場合、正規化は、2つの振幅の比によって行うことができる。2つの振幅の比は、例えば、第2の振幅を第1の振幅で除したもの(またはその逆数)でもよいが、第1の振幅と第2の振幅の差を和で除したもの(またはその逆数)などでもよい。
【0027】
また、3つの振幅(第1の振幅、第2の振幅、第3の振幅)が存在する場合、正規化は、第1の振幅と第2の振幅の差を第3の振幅で除したもの(またはその逆数)などでもよい。この場合も、振幅信号は無次元量化されて複数の振幅の間で光源12からの射出光量の変動や反射率ムラの影響をなくすことができるからである。
【0028】
動作において、センサユニット10内の光源12から出射した発散光束はスケール20のトラック21に照射され、トラック21で反射した光束はセンサユニット10の受光素子アレイ16に受光される。受光素子アレイ16は、トラック21の反射率分布が2倍拡大された像として受光する。受光素子アレイ16によって受光された光束は電気信号に変換され、エンコーダ信号として信号処理回路30に送られる。信号処理回路30は、受光素子アレイ16からの出力を位置情報に変換し、スケール20の位置の情報を高精度に取得および出力する。
【実施例1】
【0029】
図2は、図1に示すトラック21に適用可能な実施例1のトラック21Aの部分拡大平面図である。トラック21Aは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23A、領域25A)が交互に並べられてり、その単位ブロックパターンKのY方向の幅Y0は50μmである。図2において、白色部は光を透過または吸収する非反射部22である。図2の下に拡大した範囲が1トラックに対応する。
【0030】
領域23Aは上述した第1の領域に相当し、複数の同一形状の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に50μmの幅を有し、Y方向に25μmの長さを有する反射部24Aから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP1(=100μm)で等間隔に配置され、ピッチP1は上述した第1の変調周期として機能する。また、領域23AのY方向の幅もW1=25μmとしている。
【0031】
領域25Aは上述した第2の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に100μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次減少する反射部26Aから構成されている。反射部26AのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端で25μmであり、他方の端で0μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に減少する。複数のパターンは、X方向にピッチP2(=200μm)で等間隔に配置され、ピッチP2は上述した第2の変調周期として機能する。また、領域25AのY方向の幅もW2=25μmとしている。
【0032】
なお、本実施例におけるパターンのピッチP1、P2の値は単なる例示であり、これに限定されない。2つの領域のピッチの比が整数倍あるいは整数倍からわずかにずれた関係でもよい。
【0033】
図3は、図1の受光素子アレイ16に適用可能な実施例1の受光素子アレイ16Aの受光面の平面図である。受光素子アレイ16Aにおいては、受光素子17AがX方向に50μmピッチで24個並んでおり、一つの受光素子17AはX方向の幅X_pdが50μmであり、Y方向の幅Y_pdは800μmである。受光素子アレイ16Aの全幅X_totalは1200μmである。
【0034】
スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール上の検出範囲はY方向400μm、X方向600μmの範囲となる。よって、スケール上の検出範囲には、位置検出方向に100μmのピッチを有する領域23Aと200μmのピッチを有する領域25AがY方向にそれぞれ8ライン分ずつ含まれる。
【0035】
各受光素子17Aからの出力は、スイッチ回路18を介して切り替えられ、選択的に後段の4つの初段増幅器に接続されている。スイッチ回路18は信号処理回路30の信号分離手段31からの入力によって受光素子17Aと出力端子との接続を切り替えることができる。この結果、複数の受光素子17Aにおいて電気的に加算される間隔が切り替わる。
【0036】
信号処理回路30からの入力がハイレベルの場合は、図3(a)に示すように、電気的に受光素子17Aが3つおきに接続され、同一の初段増幅器に入力されている。よって、スケールパターンは100μm(反射像周期200μm)の検出ピッチとなっており、領域23A(P1=100μm)を分離して検出することができる。
【0037】
信号処理回路30からの入力がローレベルの場合は、図3(b)に示すように、電気的に受光素子17Aが7つおきに接続され、同一の初段増幅器に入力されている。よって、スケールパターンは200μm(反射像周期400μm)の検出ピッチとなっており、領域25A(P2=202μm)を分離して検出することができる。
【0038】
図4は、受光素子アレイ16Aからの出力を処理する信号処理回路の回路図である。図4に示すように、信号処理回路は、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)の生成に用いられる初段増幅器としての4つのIV変換アンプ19a〜dを有する。なお、初段増幅器は受光IC14に設けられていてもよいし、信号処理回路30に設けられていてもよい。
【0039】
4相正弦波状信号の相対位相はそれぞれの検出ピッチに対し、S(A+)を基準とすると、S(B+)は約+90度S(A−)は約+180度S(B−)は約+270度の関係にある。
【0040】
信号処理回路30は、A相用差動アンプ36a、B相用差動アンプ36bを有し、4相正弦波出力S(A+)、S(B+)、S(A−)、S(B−)について次式の演算を行って直流分が除去された2相正弦波状信号S(A)、S(B)を生成する。
【0041】
【数1】

【0042】
【数2】

【0043】
スイッチ回路18への入力がハイレベルのときのS(A)、S(B)より、信号処理回路30の第1の位相取得手段32は領域23Aのエネルギー分布の位相(位相信号)Φ1を次式の演算によって取得する。ATAN2[Y,X]は、象限を判別して0〜2π位相に変換する逆正接演算関数である。また、信号処理回路30の第1の振幅取得手段37は第1の振幅amp1を次式によって取得する。SQRT[X]は、平方根を演算する関数である。
【0044】
【数3】

【0045】
【数4】

【0046】
同様に、スイッチ回路18への入力がローレベルのときのS(A)、S(B)より、信号処理回路30の第2の振幅取得手段38は次式の演算によって第2の振幅amp2を取得する。
【0047】
【数5】

【0048】
更に、信号処理回路30の位置情報取得手段の絶対位置信号取得手段は、振幅信号S_ampを下記の演算によって取得する。
【0049】
【数6】

【0050】
領域23Aの第1の振幅amp1と領域25Aの第2の振幅amp2の比をとることにより、光源12からの出射光量の変動や、反射膜の不均一性による反射率ムラの影響をキャンセルすることができる。
【0051】
図5(a)は、振幅信号S_ampとスケール位置との関係を示す図である。振幅信号S_ampはスケール位置に応じてほぼ線形に単調減少し、スケール端で0になる。振幅信号S_ampとスケール20のX方向の位置の関係は予め記憶装置40に記憶されている。
【0052】
記憶装置40に記憶された設定値に基づいて、信号処理回路30の位置情報取得手段34は振幅信号S_ampからスケール20のX方向の位置への変換を行うことでスケール20の絶対位置の情報を取得することができる。また、図5(b)は、位相信号Φ1とスケール位置との関係を示している。
【0053】
本実施例の位置信号取得手段は、第1の位相取得手段32の出力を相対位置信号(インクリメンタル信号)として取得する。相対位置信号の変化を計数することによってスケール20が測定開始位置から所定周期として何周期目に位置するかの情報を得ることができる。
【0054】
記憶装置40に記憶する振幅信号S_ampとスケール20のX方向の位置の関係は、設計値より決定してもよいし、初期化動作を行って決定してもよい。この際、各アンプのオフセット、ゲインバラつき等に起因するS(A)およびS(B)に含まれるオフセット誤差、ゲイン比を補正するのが望ましい。
【0055】
例えば、所定の領域のS(A)、S(B)それぞれの(最大値−最小値)/2から振幅比を取得し、振幅を等しくするように補正を行う。同様に、(最大値+最小値)/2から、オフセット誤差量を取得し、そのオフセットの補正を行う。いずれも、補正値を記憶装置40に記憶しておき、位置取得時にその補正値を読みだして補正を行う。
【0056】
このようにして、検出素子を大型化することなく高精度にスケール20の絶対位置の情報を取得することができる。
【実施例2】
【0057】
実施例2は、実施例1と同様であるが、図1に示す光学式アブソリュートエンコーダの構成において、図2に示すトラック21Aの代わりに図6に示すトラック21Bを使用している点で実施例1と相違している。
【0058】
図6は、実施例2のトラック21Bの部分拡大平面図である。トラック21Bは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23B、領域25B)が交互に並べられており、その単位ブロックパターンKのY方向の幅Y0は50μmである。図6において、白色部は非反射部22である。図6の下に拡大した範囲が1トラックに対応する。
【0059】
領域23Bは上述した第1の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に50μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次増加する反射部24Bから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP1(=100μm)で等間隔に配置されている。
【0060】
領域25Bは上述した第2の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に100μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次減少する反射部26Bから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP2(=200μm)で等間隔に配置されている。
【0061】
領域23Bと領域25BのそれぞれのY方向の幅はX方向の位置によって異なる。領域23BのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端(X=0mm)で20μmであり、他方の端(X=80.8mm)で50μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に増加する。一方、領域25BのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端(X=0mm)で30μmであり、他方の端(X=80.8mm)で0μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に減少する。反射部24BのY方向の幅は領域23BのY方向の幅に等しく、反射部26BのY方向の幅は領域25BのY方向の幅に等しい。
【0062】
実施例1と同様に、信号処理回路30は、数式3〜5に基づいて、第1の位相Φ1、第1の振幅amp1、第2の振幅amp2を取得し、絶対位置信号取得手段は数式12の代わりに次式を使用して振幅信号S_ampを取得する。
【0063】
【数7】

【0064】
(amp1−amp2)と(amp1+amp2)の比をとることにより、光源12からの出射光量の変動や、反射膜の不均一性による反射率ムラの影響をキャンセルすることができる。また、第1の振幅と第2の振幅の変化の方向がX方向の位置によって逆向きに変化していることにより、振幅信号S_ampの変化幅を大きく取ることができ、より高精度にX方向位置と対応させることが可能である。振幅信号S_ampとスケール20のX方向の位置の関係は予め記憶装置40に記憶されている点は実施例1と同様である。
【0065】
なお、検出回路のダイナミックレンジを有効に利用するため、和信号SUMを次式により取得し、和信号SUMが一定となるようにLED出射光量を制御することが望ましい。
【0066】
【数8】

【0067】
本実施例では反射部24B、26Bの面積と非反射部22の面積の比率(検出領域からの平均のエネルギー分布)が、X方向の位置によらず一定になっているため、光源12の出射光量をほぼ一定値で使用することができ、性能の確保が容易である。
【0068】
以上、本実施例は、実施例1に比べ、より高精度に絶対位置信号を得ることができる。
【実施例3】
【0069】
実施例3は、実施例1と同様であるが、図1に示すエンコーダの構成において、図2に示すトラック21Aの代わりに図7に示すトラック21Cを使用している点で実施例1と相違している。
【0070】
図7は、実施例3のトラック21Cの部分拡大平面図である。トラック21Cは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、2種類の領域(領域23C、領域25C)が交互に並べられており、その単位ブロックパターンKのY方向の幅Y0は50μmである。図7において、白色部は非反射部22である。図7の下に拡大した範囲が1トラックに対応する。
【0071】
領域23Cは上述した第1の領域に相当し、複数の同一形状の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に50μmの幅を有し、Y方向に25μmの長さを有する反射部24Cから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP1(=100μm)で等間隔に配置されている。また、領域23CのY方向の幅W1も25μmとしている。
【0072】
領域25Cは上述した第2の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に101μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次減少する反射部26Cから構成されている。反射部26CのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端(X=0mm)で25μmであり、他方の端(X=80.8mm)で10μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に減少する。複数のパターンは、X方向にピッチP2(=202μm)で等間隔に配置されている。また、領域25CのY方向の幅もW2=25μmとしている。このように、本実施例では、2つの領域23C、25Cのピッチの比が整数倍からわずかにずれている。
【0073】
ここで、領域25Cから得られる信号の補正について説明する。受光素子17Aの検出ピッチ(200μm)と、スケール状のパターン周期(202μm)がわずかにずれているため、2相正弦波状信号S(A)、S(B)間の相対位相差補正処理を行うことが望ましい。以下に、位相差補正の方法について説明する。
【0074】
まず、相対位相差誤差eを含む2相正弦波信号S(A)、S(B)は、位相をθとして、次式のように表すことができる。
【0075】
【数9】

【0076】
【数10】

【0077】
数式9、10より、2相正弦波信号S(A)、S(B)の和と差を取ると次に示すように誤差成分eを分離することができる。
【0078】
【数11】

【0079】
【数12】

【0080】
相対位相差誤差eは設計値よりe=(1−200/202)・πと表すことができる。数式11、12の振幅成分2・sin(e(x)/2−π/4)、2・cos(e(x)/2−π/4)について、それぞれ逆数を乗じることにより、以下のように位相差誤差を補正した2相正弦波信号S(A)’、S(B)’を算出する。但し、φ=θ−π/4である。
【0081】
【数13】

【0082】
【数14】

【0083】
相対位相差誤差eを初期化動作によって記憶してもよい。例えば、所定のX方向範囲のS(A)+S(B)の(最大値−最小値)/2から振幅成分2・sin(e(x)/2−π/4)を取得し、−S(A)+S(B)の(最大値−最小値)/2から振幅成分2・cos(e(x)/2−π/4)を取得する。そして、それぞれの値を記憶装置40に記憶してもよい。この場合、光源12と受光素子アレイ16Aの実装高さずれや、スケール20とセンサの相対傾きによる像倍率の誤差の影響を含めて補正することが可能である。
【0084】
以上のようにして得られたS(A)´をS(A)、S(B)´をS(B)とおく。
【0085】
まず、スイッチ回路18への入力がハイレベルのときのS(A)、S(B)と数式3、4より、信号処理回路30は第1の位相Φ1と第1の振幅amp1を取得する。
【0086】
同様に、スイッチ回路18への入力がローレベルのときのS(A)、S(B)より、信号処理回路30の第2の位相取得手段33は領域25のエネルギー分布の位相(位相信号)Φ2を次式の演算によって取得する。また、信号処理回路30の第2の振幅取得手段38は数式5から第2の振幅amp2を取得する。
【0087】
【数15】

【0088】
更に、信号処理回路30の位置情報取得手段34の絶対位置信号取得手段は、数式6から振幅信号S_ampを取得する。
【0089】
次に、信号処理回路30の位置情報取得手段34は、絶対位置信号として機能するバーニア信号Svを下記の演算によって取得する。
【0090】
【数16】

【0091】
このとき、信号処理回路30は、Sv<0のときはSv=Sv+2π、Sv>2πのときはSv=Sv−2πの演算を繰り返し行って0〜2πの出力範囲に変換する。
【0092】
なお、バーニア信号Svは数式16に示す係数に限定されない。即ち、第1の変調周期P1と第2の変調周期P2について|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|の条件を満たす整数m、nに対し、A/B=n/mの関係を満たす2つの係数A、Bを用いて、Sv=A・Φ1−B・Φ2のように表すことができる。
【0093】
図8(a)は、振幅信号S_ampとスケール位置との関係を示す図である。振幅信号S_ampはスケール位置に応じてほぼ線形に単調減少している。
【0094】
図8(b)は、バーニア信号Svとスケール位置との関係を示す図である。バーニア信号Svは、10.1mmの周期をもった周期信号となり、X方向への総ストローク80.8mmで8周期分の周期信号となる。
【0095】
複数のトラック、受光素子からそれぞれ位相を取得し、それらの差分によってバーニア信号を取得する場合に比べ、同一受光面から取得される複数の位相信号の差分を取ることで、センサの回転ガタ等による相対位相ずれの発生を抑えることができる。
【0096】
図8(c)は、位相信号Φ1とスケール位置との関係を示している。
【0097】
次に、信号処理回路30の位置情報取得手段34による絶対位置の情報を取得するための処理について説明する。まず、信号処理回路30は、フルストロークをスキャンする初期化動作を行い、X方向の移動範囲の始点(X=0mm)における振幅信号S_ampの値S_initと終点(X=80.8mm)における振幅信号S_ampの値S_endを記憶装置40に記憶する。
【0098】
次に、信号処理回路30は、記憶装置40に記憶された値S_init、S_endと次式を用いて上位信号Cを取得する。
【0099】
【数17】

【0100】
次に、信号処理回路30は、上位信号Cとバーニア信号Svとの同期をとり、上位信号CからSvの周期の何番目にあるかを算出し、Φbをつなぎ合わせてΦbの位置精度を持つ絶対位置信号(次式の中位信号M)を取得する。
【0101】
【数18】

【0102】
ここで、ROUND[x]は、xに最も近い整数に変換する関数、FSはX方向の総ストローク、Tvはバーニア信号SvのX方向の周期であり、本実施例では、FS=80.8mm、Tv=10.1mmである。
【0103】
続いて、信号処理回路30は、中位信号MとΦ1との同期をとり、中位信号MからΦ1の周期の何番目にあるかを算出し、Φ1をつなぎ合わせてΦ1の位置精度を持つ絶対位置信号ABSを取得する。
【0104】
【数19】

【0105】
本実施例は相対位置信号としてのΦ1の位置精度を有する絶対位置信号ABSを生成しているので相対位置信号を使用する必要がない。本実施例は、中位信号Mを生成するので各周期信号間の同期が容易となり、実施例1よりも長ストロークで高精度に絶対位置信号を取得することができる。
【0106】
なお、実施例2と同様なスケールパターンにおいて、領域25のピッチP2を202μmとしても上述と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0107】
実施例4は、実施例1と同様であるが、図1に示すエンコーダの構成において図9に示すトラック21Dを使用し、図10に示す受光素子アレイ16Dを使用している点で実施例1と相違している。
【0108】
図9は、実施例4のトラック21Dの部分拡大平面図である。トラック21Dは、スケール20の移動方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)に、3種類の領域(領域23D、領域25D、領域28)が交互に並べられており、その単位ブロックパターンKのY方向の幅Y0は100μmである。図9において、白色部は非反射部22である。図9の下に拡大した範囲が1トラックに対応する。
【0109】
領域23Dは上述した第1の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に50μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次増加する反射部24Dから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP1(=100μm)で等間隔に配置されている。
【0110】
領域25Dは上述した第2の領域に相当し、複数の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に101μmの幅を有し、Y方向の幅がX方向に漸次減少する反射部26Dから構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP2(=202μm)で等間隔に配置されている。
【0111】
領域28は、複数の同一形状の矩形形状のパターンからなるパターン列から構成されている。各パターンは、X方向に200μmの幅、Y方向に50μmの幅を有する反射部29から構成されている。複数のパターンは、X方向にピッチP3(=400μm)で等間隔に配置されている。
【0112】
領域23Dと領域25Dを含む領域のY方向の幅は50μmである。領域23Dと領域25DのY方向のそれぞれの幅はX方向の位置によって異なる。領域23DのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端(X=0mm)で15μmであり、他方の端(X=80.8mm)で35μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に増加する。一方、領域25BのY方向の幅は、X方向の移動範囲の一方の端(X=0mm)で35μmであり、他方の端(X=80.8mm)で15μmとなるようにX方向の位置に応じて線形に減少する。
【0113】
反射部24DのY方向の幅は領域23DのY方向の幅に等しく、反射部26DのY方向の幅は領域25DのY方向の幅に等しく、反射部29のY方向の幅は領域28のY方向の幅に等しい。
【0114】
図10は、図1の受光素子アレイ16に適用可能な実施例4の受光素子アレイ16Dの受光面の平面図である。受光素子アレイ16Dは、クロックタイミングに同期して、各受光素子17Dの受光量に対応した出力を順番に取りだすことができる、いわゆるリニアセンサアレイである。
【0115】
受光素子アレイ16Dは受光素子17BがX方向に12.5μmピッチで128個並んでおり、Y方向の幅Y_pdは800μm、X方向の全幅X_totalは1600μmである。
【0116】
スケール上のパターンは2倍の拡大投影となるため、スケール上の検出範囲はY方向400μm、X方向800μmの範囲となる。よって、スケール上の検出範囲には、領域23D、領域25D、および領域28がY方向にそれぞれ4ライン分ずつ含まれる。
【0117】
受光素子アレイ16Dの出力部19から出力されるリニアイメージ信号Vより領域23、25、28の各周期信号成分を分離する方法としては、高速フーリエ変換(FFT)を行ってもよいし、実施例1と同様に各周期に対応した4相正弦波に変換してもよい。
【0118】
こうして得られた領域23D(P1=100μm周期)に対応する信号の第1の位相をΦ1、第1の振幅をamp1とする。同様に、領域25(P2=202μm周期)に対応する信号の第2の位相をΦ2、第2の振幅をamp2とする。領域28(P3=400μm周期)に対応する信号の第3の位相をΦ3、第3の振幅をamp3とする。移動範囲の片方の端(X=0mm)において、Φ1=Φ2=Φ3=0となるように、スケール20上の3つの周期パターンの初期位相が設定されている。
【0119】
次に、信号処理回路30は、振幅信号S_ampを次式から取得する。
【0120】
【数20】

【0121】
更に、信号処理回路30は、バーニア信号Svを数式16から取得し、Sv<0のときはSv=Sv+2π、Sv>2πのときはSv=Sv−2πの演算を繰り返し行って、0〜2πの出力範囲に変換する。
【0122】
バーニア信号Svは10.1mmの周期をもった周期信号となるため、X方向に総ストローク80.8mmで8周期分の周期信号となる。複数のトラックからそれぞれ位相を取得し、それらの差分によってバーニア信号を取得する場合に比べ、同一受光面から取得される複数の位相信号の差分を取ることで、センサの回転ガタ等による相対位相ずれの発生を抑えることができる。
【0123】
次に、信号処理回路30は、実施例3と同様に、数式17を用いて上位信号Cを取得し、数式18を用いて中位信号Mを取得する。
【0124】
続いて、信号処理回路30は、中位信号MとΦ3との同期をとり、中位信号MからΦ3の周期の何番目にあるかを算出し、Φ3をつなぎ合わせてΦ3の位置精度を持つ下位信号Fを取得する。
【0125】
【数21】

【0126】
続いて、信号処理回路30は、下位信号FとΦ1との同期をとり、下位信号FからΦ1の周期の何番目にあるかを算出し、Φ1をつなぎ合わせてΦ1の位置精度を持つ絶対位置信号ABSを取得する。
【0127】
【数22】

【0128】
本実施例は、中位信号M、下位信号Fを生成するので各周期信号間の同期が容易となり、実施例1よりも長ストロークで高精度に絶対位置信号を取得することができる。
【0129】
本実施例では、光学式エンコーダの例となっているが、磁気式エンコーダ、静電容量式エンコーダ等でも同様な効果が得られる。磁気式エンコーダの場合、スケール20に磁性体を用い、磁性の極性分布を本実施例のスケール20の反射膜と同様の形状で形成する。このスケールに近接してアレイ状に並べた磁界検出素子を配して検出する。静電容量式の場合は、本実施例のスケール反射膜と同様の形状に導電性の電極パターンを形成し、別のアレイ状の電極パターンを近接対向させて検出するようにすればよい。
【0130】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
エンコーダは位置(変位)を検出する用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0132】
16、16A、16D…受光素子アレイ(検出素子アレイ)、20…スケール、23A〜23D…第1の領域、25A〜25D…第2の領域、30…信号処理回路(信号処理手段)、34…位置情報取得手段、37…第1の振幅取得手段、38…第2の振幅取得手段、S_amp…振幅信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー分布を空間変調する複数のパターンを有するパターン列が形成されているスケールと、
前記スケールに相対的に移動するように配置され、前記パターン列からの前記エネルギー分布を検出する複数の検出素子が移動方向に並べられた検出素子アレイと、
前記検出素子アレイの出力信号を処理して位置情報に変換する信号処理手段と、
を有し、
前記パターン列は前記移動方向に異なる複数の変調周期を有し、少なくとも一つの変調周期を有するパターンは前記エネルギー分布の振幅が前記スケールの前記移動方向の位置に従って変化するように構成され、
前記信号処理手段は、
それぞれが前記検出素子アレイの出力信号から、対応する変調周期の前記エネルギー分布の振幅を取得する複数の振幅取得手段と、
前記複数の振幅取得手段が取得した複数の振幅を正規化することによって得られた振幅信号を前記スケールの位置を表す位置信号として取得する位置情報取得手段と、
を有することを特徴とするエンコーダ。
【請求項2】
前記パターン列は、前記移動方向に垂直な方向に周期的に配列され、前記移動方向にそれぞれ異なるピッチを有する複数の領域を有し、前記複数の領域の少なくとも一つの領域のエネルギー分布の振幅が前記スケールの前記移動方向の位置に従って変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項3】
前記複数の領域は、前記エネルギー分布の振幅が前記スケールの前記移動方向の位置に従って変化する2つの領域を有し、当該2つの領域の間で前記振幅が変化する方向は逆であることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項4】
前記検出素子アレイの検出範囲に対応する前記スケールの検出領域からの平均のエネルギー分布は前記スケールの前記移動方向の位置によらず一定であることを特徴とする請求項3に記載のエンコーダ。
【請求項5】
前記信号処理手段は、前記検出素子アレイの出力信号から第1の変調周期の第1の位相を取得する第1の位相取得手段を更に有し、
前記位置情報取得手段は、前記第1の位相取得手段が検出した前記第1の位相を前記スケールの相対位置を表す相対位置信号として使用することを特徴とする請求項1乃至4のうち1項に記載のエンコーダ。
【請求項6】
前記信号処理手段は、前記位置信号と前記第1の位相取得手段が検出した前記第1の位相との同期をとることによって前記スケールの絶対位置信号を取得することを特徴とする請求項5に記載のエンコーダ。
【請求項7】
前記信号処理手段は、前記検出素子アレイの出力信号から第2の変調周期の第2の位相を取得する第2の位相取得手段を更に有し、
前記位置情報取得手段は、前記第1の位相取得手段が取得した前記第1の位相と、前記第2の位相取得手段が取得した前記第2の位相と、
|(m・P1−n・P2)|<|(P1−P2)|
の条件を満たす整数m、nに対し、
A/B=n/m
の関係を満たす2つの係数A、Bを用いて次式を満たすバーニア信号Svを取得し、
Sv=A・Φ1−B・Φ2
前記信号処理手段は、前記位置信号と前記バーニア信号との同期をとることによって中位信号を取得し、当該中位信号と前記第1の位相との同期をとることによって前記絶対位置信号を取得することを特徴とする請求項6に記載のエンコーダ。
但し、Φ1は前記第1の位相、Φ2は前記第2の位相、P1は前記第1の変調周期、P2は前記第2の変調周期である。
【請求項8】
前記信号処理手段は、前記複数の検出素子の電気的に加算される間隔を切り替えることによって前記検出素子アレイの出力信号を前記パターン列の各領域に対応する信号に分離する信号分離手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のうち1項に記載のエンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−220457(P2012−220457A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89728(P2011−89728)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】