説明

オピオイド受容体拮抗薬の使用

本発明は、オピオイド受容体拮抗薬の新規の使用に関する。より詳しくは、本発明は、ヒトの皮膚におけるメラニン形成の抑制のための局所組成物を製造するためのオピオイド受容体拮抗薬の使用と、オピオイド受容体拮抗薬を含むヒトの皮膚におけるメラニン形成の抑制のための局所組成物、特に化粧品組成物と、有効な量のオピオイド受容体拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、ヒトの皮膚の美白および/または色素異常症の治療方法とに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、オピオイド受容体拮抗薬の新規の使用に関する。より詳しくは、本発明は、ヒトの皮膚におけるメラニン形成の抑制のための局所組成物を製造するためのオピオイド受容体拮抗薬の使用と、オピオイド受容体拮抗薬を含むヒトの皮膚におけるメラニン形成の抑制のための局所組成物、特に化粧品組成物と、有効な量のオピオイド受容体拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、ヒトの皮膚の美白および/または色素異常症の治療方法とに関する。
【0002】
本発明によると、オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体の拮抗薬は、細胞内メラニン産生を低減し、従って、特に局所用途のため(特に、化粧品のため)の組成物中の皮膚美白剤および日焼け防止剤として、ヒトの皮膚の所望されない色素沈着に対して、および/または色素異常症の治療のために使用可能であることが分かった。
【0003】
このような化粧品の目的は、再色素沈着の予防、太陽または紫外線で誘発される皮膚の黒ずみに対する保護および皮膚のメラニンレベルの低下または皮膚の漂白作用、染みに対する作用の強化であり得る。
【0004】
本発明によると、オピオイド受容体の拮抗薬は、色素性母斑、雀卵斑(若年性そばかす、遺伝的特徴、しみ、およびカフェオレ斑)および黒子(日光黒子、老年性黒子、老年性そばかす、肝斑)を含む局所的な色素過剰症などの母斑性、先天性または後天性のものを含む原発性の色素過剰症、ならびにざ瘡を含む別の皮膚科学的な状態の後に発生するもの(このような障害は皮膚の浅黒い人において最も一般的に見られ、炎症後色素沈着過剰と呼ばれる)を含む続発性の色素過剰症などの色素異常症の治療および予防のための局所組成物、特に医薬品組成物においても使用され得る。
【0005】
さらなる色素過剰症は、砒素によるメラノーシスおよびアジソン病に関連する障害と、神経線維腫症により生じるそばかすおよびカフェオレ斑と、妊娠中に生じるか、あるいはエストロゲン−プロゲステロン避妊に続発する特発性黒皮症などの、メラノサイトの機能亢進によって起こる領域性またはパターン化色素沈着過剰とを含む。
【0006】
本発明に従ってオピオイド受容体拮抗薬の局所適用により治療または予防することができる障害のその他の例としては、物理的な外傷、(類湿疹の出現はエリテマトーデスである)、ならびにばら色粃糠疹、乾癬、皮膚炎ヘルペス状皮膚炎、固定薬疹、紫外皮膚炎および慢性単純性苔癬、癜風(正常な皮膚上に存在する皮膚真菌の酵母型に特異的な環境条件下)および黒色表皮腫などの皮膚疾患の後の色素沈着と、擦過傷、やけど、創傷、虫刺され、皮膚炎、およびその他の同様の小さい固定された色素性病変部による結果として生じ得る炎症後色素沈着過剰と、ライムおよび他の柑橘類果実の外皮ならびにセロリ中の化学物質からの光毒性によるベルロック色素沈着過剰と、そして病変後の光増感および瘢痕の結果生じ得る偶発性の色素沈着過剰とがあげられる。
【0007】
色素異常症の更なる例としては、クロロキン、クロルプロマジン、ミノサイクリンおよびアミオダロンを含むいくつかの薬物によって生じるものがある。過酸化ベンゾイル、フルオロウラシルおよびトレチノインは色素沈着過剰を引き起こし得る。固定薬疹は、緩下剤中のフェノールフタレイン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)およびテトラサイクリンの結果生じ得る。
【0008】
白斑などの白斑症の特定の形態において損傷した皮膚を再度着色できなければ、正常な皮膚の残りの範囲が脱色されて、皮膚全体に均一な白色を付与する。これらの全ての状態において、本発明に従う治療を考慮することができる。
【0009】
特に、オピオイド受容体拮抗薬は、本発明に従って、免疫抑制を低減するため(例えば、UV照射の後)、鎮痛効果を及ぼすため(例えば、日焼けまたは皮膚刺激において)、そして皮脂の産生を低減するため(そのため、ざ瘡および皮膚不純物の局所治療においても用途を見出し得る)に使用することができる。
【0010】
μ−オピオイド受容体拮抗薬が本発明の目的のために好ましいが、κ−またはδ−オピオイド受容体に選択的に結合する、あるいはμ−および/またはκ−および/またはδ−オピオイド受容体に非選択的に結合する拮抗薬も用途を見出し得る。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、ヒトの皮膚内のメラニンを低減するために使用することができる薬剤を同定する方法に関し、本方法は、オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体を阻害するための前記薬剤の活性を決定することを含む。従って、本発明は、局所用途において細胞内メラニン産生を低減することにより上記の美容または治療効果を達成するための局所組成物中で使用可能な薬剤を同定するための手段を提供する。オピオイド受容体のシグナル伝達の阻害における薬剤の活性を決定するためのどの方法も本発明のその態様のために使用することができるが、それに限定されない。このような方法は、例えば、J.Invest.Dermatol.111:297〜311頁、1998年、国際公開第2004/051264号パンフレット、国際公開第2004/038005号パンフレット、国際公開第2004/014310号パンフレット、国際公開第2004/005294号パンフレット、国際公開第03/101963号パンフレットおよび国際公開第02/098422号パンフレットに開示されている。
【0012】
特に、オピオイド受容体の阻害における薬剤の活性は、好ましくは皮膚IV型からのヒト一次メラノサイトにおける細胞内メラニン産生全体の実質的な減少を引き起こすための薬剤の効力を測定することによってさらに決定することができる。細胞内メラニン産生全体の少なくとも20%の低下は、局所組成物として適用されたときに、メラニン形成の阻害のためおよび皮膚の美白のための薬剤の有用性を示すと見なされる。
【0013】
本明細書中で使用される場合の「オピオイド受容体の拮抗薬」という用語は、オピオイド受容体のシグナル伝達を阻害するか、あるいはヒトの皮膚細胞(特にメラノサイトであるが、限定はされない)におけるオピオイド受容体の発現を下方制御する化合物を示す。オピオイド受容体拮抗薬は、オピオイド類似体、例えば(適切な場合には括弧内にCAS番号が与えられる)、ナロキソン(465−65−6)、ナロキソナジン(82824−01−9)、シプロダイム(118111−54−9)、β−フナルトレキサミン(72782−05−9)、ナルブフィン(20594−83−6)、RX8008M(40994−80−7)、SDZ210−096(109026−86−0)、クロシンナモックス(Clocinnamox)(117332−69−1)、NIH10236(88167−37−7)、BU165(173321−27−2)、BU164(173429−52−2)、BU158(173429−53−3)、BU160(173429−56−6)、BU161(173429−57−7)、BU162(173429−58−8)、ブプレノルフィン(52485−79−7)、IOXY(141392−28−1)、NPC168(115160−07−1)、ナロキサゾン(Naloxazon)(73674−85−8)、ヨウ化N−メチルナロキソニウム(N−Methylnaloxonium Iodide)(93302−47−7)、3−メトキシナルトレキソン塩酸塩、7−ベンジリデンナルトレキソン129468−28−6)、ナルトリンドールイソチオシアナート(126876−64−0)、BNTX(153611−34−8)、ナルトリベン(111555−58−9)、ナルトレキソン(16590−41−3)、ナルメフェン(55096−26−9)、β−クロルナルトレキサミン(67025−94−9)、ジプレノルフィン(14357−78−9)、ノルビナルトルフィミン(105618−27−7)、ナルトリンドール(111555−53−4)か、あるいは(ポリ)ペプチド、例えば、CTAP(103429−32−9)、TCTOP(115981−70−9)、TCTAP(115981−71−0)、CTOP(103429−31−8)、Tyr MIF−1(77133−61−0)、CCK−8(25126−32−3)、CG3703(90243−66−6)、Peptide Research 1995年、8(3)、124〜37頁、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(1993年)、90(22)、10811〜15頁、Regulatory Peptides(1994年)、(付録1)、S53〜S54頁において開示される化合物、SMS201−995(83150−76−9)、Medicinal Chemistry Research(1994年)、4(4)、245〜53頁において開示されるようなe−PMTC、CTP(103335−28−0)、TIPP(146369−65−5)、ICI154129(83420−94−4)、ICI174864(89352−67−0)か、あるいはピペリジン誘導体、例えば、J.Med.Chem.1993年、36(20)、2833〜41頁、EP657428号明細書およびEP506478号明細書において開示されるか、あるいはクァダゾシン(71276−43−2)などの異なる構造に属し得る化合物、フルマゼニル(78755−81−4)、BIT(85951−65−1)、デゾシン(53648−55−8)、シラマドール(63269−31−8)、Journal of Ethnopharmacology(1994年)、42(1)、45〜51頁のようなニンジンの根の抽出物、リムカゾール(75859−04−0)、MR2266(56649−76−4)、およびWIN44441−3(71276−44−3)であり得る。
【0014】
さらなるオピオイド受容体拮抗薬(特に、μ−受容体)、および受容体との結合におけるその効力を決定するためのアッセイは、例えば、国際公開第02/098422号パンフレット、米国特許第5,270,328号明細書、米国特許出願公開第2001/0036951号明細書、国際公開第01/42207号パンフレット、国際公開第01/37785号パンフレット、国際公開第01/41705号パンフレット、国際公開第03/101963号パンフレット、国際公開第2004/005294号パンフレット、国際公開第2004/014310号パンフレット、国際公開第2004/038005号パンフレット、および国際公開第2004/051264号パンフレットに開示されている。
【0015】
本発明に従って使用するための典型的なμ−オピオイド受容体拮抗薬には、ナロキソン、ナロキソナジン、上記で引用されたようなピペリジン誘導体、シプロダイム、β−フナルトレキサミン、ナルブフィン、CTAP、TCTOP、TCTAP、CTOP、クァダゾシン、フルマゼニル、RX8008M、SDZ210−096、Tyr MIF−1、CCK−8、CG3703、クロシンナモックス、Peptide Research 1995年、8(3)、124〜37頁、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(1993年)、90(22)、10811−15頁、Regulatory Peptides(1994年)、(付録1)、S53〜S54頁に開示されるようなペプチド、NIH10236、BU165、BU164、BU158、BU160、BU161、BU162、ブプレノルフィン、IOXY、SMS201−995、Medicinal Chemistry Research(1994年)、4(4)、245〜53頁において開示されるようなe−PMTC、CTP、BIT、NPC168、ナロキサゾン、デゾシンおよびシラマドールが含まれるが、これらに限定されない。本明細書において使用するためのその他の典型的なκ−、δ−受容体または非選択性(それでもμ−受容体にも結合する)拮抗薬には、ヨウ化N−メチルナロキソニウム、3−メトキシナルトレキソン塩酸塩、7−ベンジリデンナルトレキソン、Journal of Ethnopharmacology(1994年)、42(1)、45〜51頁に開示されるようなニンジンの根の抽出物、リムカゾール、ナルトリンドールイソチオシアナート、BNTX、TIPP、ナルトリベン、ナルトレキソン、ICI154129、MR2266、WIN44441−3、ナルメフェン、β−クロルナルトレキサミン、ICI174864、ジプレノルフィン、ノルビナルトルフィミンおよびナルトリンドールが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
実施例において概説されるようなスクリーニングの間に検出され、本発明の目的のために使用することができるさらなるオピオイド受容体拮抗薬は、3,5−ジ没食子酸エピガロカテキン(37484−73−4)、イリゲノール(Irigenol)ヘキサアセタート(103652−04−6)、イリゲノール ex Iris spp(4935−93−7)、ベルバミン塩酸塩(5956−76−3)、クェルセタゲチン(90−18−6)、アセチルシコニン(24502−78−1)、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン(484−76−4)、β,β−ジメチルアクリルシコニン(24502−79−2)、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン(605−94−7)、2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン(3066−90−8)、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン(3117−02−0)、2,3−ジメトキシヒドロキノン(52643−52−4)、塩化デルフィニジン(528−53−0)、オーレウシジン(38216−54−5)、イソセンブロール(Isocembrol)(25269−17−4)およびロビネチン(490−31−3)を含むが、これらに限定されない。
【0017】
本発明のために使用することができるさらなるオピオイド受容体拮抗薬は、特開昭63−290897号公報、米国特許第4906655号明細書、国際公開第9302707号パンフレット、CA2064373号明細書、米国特許第5270220号明細書、米国特許第5352680号明細書、国際公開第9504734号パンフレット、国際公開第9513071号パンフレット、EP657428号明細書、国際公開第9606855号パンフレット、国際公開第9640208号パンフレット、米国特許第5641861号明細書、国際公開第9733174号パンフレット、DE19622866号明細書、米国特許第5919897号明細書、米国特許第5948807号明細書、国際公開第9945925号パンフレット、国際公開第2000008027号パンフレット、国際公開第2001037785号パンフレット、国際公開第2001041705号パンフレット、国際公開第2001042207号パンフレット、国際公開第2001046198号パンフレット、国際公開第2001068080号パンフレット、米国特許出願公開第2001036951号明細書、国際公開第2002053533号パンフレット、国際公開第2003020277号パンフレット、国際公開第2003035622号パンフレット、国際公開第2003035645号パンフレット、国際公開第2003066050号パンフレット、国際公開第2003101963号パンフレット、国際公開第2004014310号パンフレット、国際公開第2004026305号パンフレット、国際公開第2004033458号パンフレット、米国特許出願公開第2004186135号明細書、国際公開第2004080968号パンフレット、国際公開第2004080996号パンフレット、米国特許出願公開第2004204445号明細書、国際公開第2004091593号パンフレット、国際公開第2004099194号パンフレット、米国特許出願公開第2004254156号明細書、国際公開第2005003131号パンフレット、国際公開第2005030722号パンフレットに開示されており、これらの内容は参照によって本明細書中に援用される。
【0018】
上記で同定されたオピオイド受容体拮抗薬は、無機酸(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩)または有機酸(例えば、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩)との生理学的に許容可能な塩の形態で、あるいは必要に応じて水和物として、適切に使用することができる。上記で確認されたオピオイド受容体拮抗薬またはその塩は、ラセミ体として、あるいは純粋なエナンチオマーまたはジアステレオマーあるいはこれらの混合物として使用され得る。好ましくは、純粋なエナンチオマーが使用される。1つまたは複数のキラル中心が存在する場合には、混合物の光学純度は、好ましくは80%ee以上であり、より好ましくは90%ee以上であり、最も好ましくは95%de以上である。2つ以上のキラル中心が存在する場合には、混合物の純度は好ましくは80%de以上であり、より好ましくは90%de以上であり、最も好ましくは95%de以上である。
【0019】
本発明の全ての実施形態において、「オピオイド受容体拮抗薬」という用語は、植物材料または抽出物の全重量を基準として、少なくとも30重量%(すなわち、30〜100重量%)の量、好ましくは少なくとも50重量%(すなわち、50〜100重量%)の量、より好ましくは少なくとも70重量%(すなわち、70〜100重量%)の量、最も好ましくは少なくとも90重量%(すなわち、90〜100重量%)の量の少なくとも1つのオピオイド受容体拮抗薬を含有する植物の材料または抽出物も包含する。本発明との関連で使用される「植物の材料」および「植物材料」という用語は、植物の任意の部分を意味する。
【0020】
さらに、必要に応じてエステル、アミド、ニトリル、オキシム、イミン、ヒドラゾン、エーテル、アセタール、セミアセタール(semiacetal)などのこれらの化合物の誘導体も用途を見出すことができる。エステルまたはエーテル基は、例えば、1〜26個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル基、あるいは1〜26の炭素原子を有する置換または非置換の直鎖状または分枝状脂肪族、芳香脂肪族または芳香族カルボン酸から誘導され得る。エーテル化ヒドロキシ基の例としては、さらに、グリコシド基がある。エステル化ヒドロキシ基の例としては、さらに、グルクロニドまたは硫酸基がある。
【0021】
本発明のために特に重要であるのは、オピオイド受容体拮抗薬のナロキソン、ナロキソナジン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン、特に、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンおよび2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンである。
【0022】
本発明によると、上記の定義および選択を有するオピオイド受容体の拮抗薬は、ヒトの皮膚内のメラニンの低下のため、ヒトの皮膚の美白および日焼け防止のため、および/または色素異常症の治療および予防のための局所組成物、特に局所化粧品または医薬品組成物において使用することができる。従って、本発明は、ヒトの皮膚内のメラニンの低下のため、ヒトの皮膚の美白および日焼け防止のため、および/または色素異常症の治療および予防のための、少なくとも1つの拮抗薬、オピオイド受容体拮抗薬と、局所組成物において従来使用されているキャリアおよび/または賦形剤または希釈剤とを含む局所組成物にも関する。他に何も記載されていなければ、以下で言及される賦形剤、添加剤、希釈剤などは、医薬品組成物および化粧品組成物のいずれに対しても適切である。化粧品および皮膚科学的補助剤および添加剤の必要量は、所望される製品に基づいて当業者により容易に決定することができる。
【0023】
もう1つの実施形態では、本発明は、上記の定義および選択を有するオピオイド受容体拮抗薬と、少なくとも1つの追加の皮膚美白剤および/またはUV遮蔽剤と、従来のキャリアとを含む局所組成物に関する。
【0024】
本発明の全ての実施形態において、本発明に従う組成物は、少なくとも0.00001重量%の量のオピオイド受容体拮抗薬を含む。好ましくは、約0.00001重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.0001重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.005重量%〜約5重量%である。
【0025】
さらに、本発明は、上記の定義および選択を有する有効な量のオピオイド受容体拮抗薬、特にμ−オピオイド受容体の拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、ヒトの皮膚の美白方法に関する。さらに、本発明は、有効な量のオピオイド受容体拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、色素異常症の治療または予防方法に関する。
【0026】
「有効な量」という用語は、生理学的な効果を得るために必要な量を指す。生理学的な効果は、1回の適用量によってまたは頻回の適用によって達成され得る。投与される量は、当然ながら、任意でレチノイドと組み合わせて上記のような定義および選択を有する脂肪酸あるいは塩、エステルまたはアミドを含む特定の組成物の生理学的特徴ならびにその投与のモードおよび経路、レシピエントの年齢、健康および重量、症候の性質および程度、同時的な治療の種類、治療の頻度、そして所望される効果などの既知の因子に依存して変化し、当業者により調整することができる。
【0027】
好ましくは、本発明は本発明に従う方法に関し、1日あたり皮膚1平方センチメートルにつき約0.2μg〜約200μgのオピオイド受容体拮抗薬が適用される。
【0028】
好ましい局所組成物は、ヒトの皮膚への適用を対象とする局所化粧品または医薬品組成物である。
【0029】
本発明において使用される場合の「化粧品調製剤」または「化粧品組成物」という用語は、例えば、Roempp Lexikon Chemie、第10版、1997年、Georg Thieme Verlag Stuttgart、ニューヨークの表題「Kosmetika」において定義されるような化粧品組成物を指す。
【0030】
局所化粧品および医薬品組成物の種類および局所化粧品および医薬品調製剤の調製、ならびにさらに適切な添加剤に関しては、関連の文献、例えばノバク(Novak)G.A.、Die kosmetischen Praeparate−Band 2、Die kosmetischen Praeparate−Rezeptur,Rohstoffe,wissenschaftliche Grundlagen(Verlag fuer Chem.Industrie H.Ziolkowski KG、アウグスブルグ)を参照することができる。
【0031】
好ましくは、本発明の局所化粧品または医薬品組成物は、溶媒または脂肪性物質中の懸濁液または分散液の形態、あるいはエマルジョンまたはミクロエマルジョン(特に、O/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)、PET−エマルジョン、多重エマルジョン、ビッカーリング(bickering)エマルジョン、ヒドロゲル、アルコールゲル、リポゲル、一相または多相溶液または気泡分散液(vesicular dispersion)および、ペンによって、マスクとして、あるいはスプレーとして適用することもできる他の通常の組成物の形態である。エマルジョンは、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性界面活性剤を含有することもできる。
【0032】
本発明に従う好ましい局所化粧品または医薬品組成物は、スキンケア調製剤、装飾調製剤、光保護調製剤および機能性調製剤である。
【0033】
スキンケア調製剤の例は、特に、ボディオイル、ボディローション、ボディジェル、トリートメントクリーム、皮膚の保護軟膏、シェービングフォームまたはジェルなどのシェービング調製剤、ベビーパウダーなどのスキンパウダー、保湿ジェル、保湿スプレー、リバイタライジングボディスプレー、セルライトジェル、抗ざ瘡調製剤およびピーリング調製剤である。
【0034】
装飾調製剤の例は、特に、口紅、アイシャドウ、マスカラ、ドライおよびモイストメイクアップ、ルージュ、パウダー、および日焼けローションである。
【0035】
機能性調製剤の例は、ホルモン調製剤、ビタミン調製剤、野菜抽出物調製剤、抗老化調製剤、および抗菌(抗細菌または抗真菌)調製剤など(これらに限定されない)の活性成分を含有する局所化粧品または医薬品組成物である。
【0036】
本発明に従う化粧品組成物は、液体、ローション、高粘度のローション、ジェル、クリーム、乳液、軟膏、ペースト、粉末、メイクアップ、または固体チューブスティックの形態でよく、任意で、エアロゾルとしてパッケージ化されて、エアロゾルムースなどのムース、フォームまたはスプレーフォーム、スプレー、スティック、ジェル、膏薬、粉末、クレンザー、石鹸またはエアロゾルまたはワイプの形態で提供され得る。好ましい局所組成物は、クリーム、ジェル、軟膏、ローション、チンキ、スプレー、ムース、クレンジング組成物またはフォームを含む。
【0037】
また本発明の局所化粧品または医薬品組成物は、防腐剤/酸化防止剤、脂肪性物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、日焼け止め剤、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性ポリマーあるいはこれらの混合物、推進剤、酸性化または塩基性化剤、染料、着色剤、顔料またはナノ顔料、例えば、紫外放射を物理的に遮断することによって光防御効果を提供するのに適したもの、あるいは局所化粧品または医薬品組成物に通常処方される他の成分などの通常の化粧品または医薬品の補助剤および添加剤を含有することもできる。化粧品および皮膚科学的補助剤および添加剤の必要量は所望される製品に基づいて当業者により容易に選択することができ、実施例において明示され得るが、これらに限定されない。乳化剤、増粘剤、界面活性成分およびフィルム形成剤などの通常の化粧品の補助剤および添加剤は相乗作用を示すことができ、これは、当業者によって通常の試験、あるいは局所化粧品または医薬品組成物の製剤に関する通常の考察で決定することができる。
【0038】
追加の量の酸化防止剤/防腐剤は通常好ましい。本発明に基づいて、局所化粧品または医薬品組成物に通常処方される全ての既知の酸化防止剤を使用することができる。特に好ましいのは、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)および誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよび誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−およびラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−およびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に低い適合性用量(例えば、pmol〜μmol/kg)のスルホキシミン化合物(ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミンなど)、さらに(金属)−キレート剤(α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミン酸(palmic acid)、フィチン酸(phytinic acid)、ラクトフェリンなど)、β−ヒドロキシ酸(クエン酸、乳酸、リンゴ酸など)、フミン酸、没食子酸、没食子抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(γ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸など)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(パルミチン酸アスコルビルおよびテトライソパルミチン酸アスコルビル、Mg−リン酸アスコルビル、Na−リン酸アスコルビル、Na−酢酸アスコルビルなど)、トコフェロールおよび誘導体(ビタミン−E−アセタートなど)、天然ビタミンEの混合物、ビタミンAおよび誘導体(ビタミン−A−パルミタートおよび−アセタート)、ならびに安息香酸コニフェリル、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシ−ブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよび誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよび誘導体(スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシドなど)、そして指定された活性成分の適切な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群から選択される酸化防止剤である。1つまたは複数の防腐剤/酸化防止剤は、本発明の局所化粧品または医薬品組成物の全重量の約0.01重量%〜約10重量%の量で存在し得る。好ましくは、1つまたは複数の防腐剤/酸化防止剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0039】
通常、局所化粧品または医薬品組成物は、乳化剤、可溶化剤などのような界面活性成分も含有する。乳化剤は、2つ以上の非混和性成分が均一に混ざることを可能にする。さらに、乳化剤は、組成物を安定化する働きをする。O/W、W/O、O/W/OまたはW/O/W型エマルジョン/ミクロエマルジョンを形成するために本発明において使用され得る乳化剤には、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステリン酸ポリグリセリル−3、オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリグリセリル−4/PEG−8プロピレングリコールココアート、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ナトリウムココアート、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が含まれる。更に適切な乳化剤は、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(Amphisol(登録商標))、セチルリン酸カリウム(Amphisol(登録商標)K)、ナトリウムグリセリルオレアートホスファート、水素化リン酸ベジタブルグリセリドおよびこれらの混合物などのリン酸エステルおよびその塩である。さらに、1つまたは複数の合成ポリマーが乳化剤として使用されてもよい。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、ならびにこれらの混合物である。好ましい乳化剤は、リン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(Amphisol(登録商標))、セチルリン酸カリウム(Amphisol(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10〜30−アルキルアクリレートクロスポリマー、イソステアリン酸PEG−20ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびこれらの混合物である。1つまたは複数の乳化剤は、本発明の局所化粧品または医薬品局所組成物の全重量の約0.01重量%〜約20重量%の全量で存在する。好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤が使用される。
【0040】
局所化粧品または医薬品組成物の脂質相は、鉱油およびミネラルワックスと、カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドおよびヒマシ油などの油と、油またはワックスおよび他の天然または合成油、好ましい実施形態では、脂肪酸とアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリンとのエステル、あるいは脂肪アルコールとカルボン酸または脂肪酸とのエステルと、アルキルベンゾアートと、そして/またはジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコンなどのシリコーン油およびこれらの混合物とから有利に選択することができる。
【0041】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物のエマルジョン、ミクロエマルジョン、オレオゲル、ヒドロディスパージョン(hydrodispersion)またはリポディスパージョン(lipodispersion)の油相中に取り込むことができる例示的な脂肪性物質は、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状または分枝状アルキルカルボン酸と、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状および/または分枝状アルコールとのエステル、ならびに芳香族カルボン酸と、3〜30個の炭素原子の飽和および/または不飽和の線状または分枝状アルコールとのエステルから有利に選択される。このようなエステルは、パルミチン酸オクチル、オクチルココアート、イソステアリン酸オクチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、ヘプタン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ステアリン酸トリデシル、トリメリト酸トリデシル、ならびにこのようなエステルの合成、半合成または天然混合物、例えばホホバ油から有利に選択することができる。
【0042】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物において使用するのに適切なその他の脂肪性成分には、レシチンなどの極性油および脂肪酸トリグリセリド、すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の直鎖状または分枝状カルボン酸のトリグリセロールエステルが含まれるが、脂肪酸トリグセリドは、好ましくは、合成、半合成または天然油(例えば、ココグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、スイートアーモンド油、ヤシ油、ココナッツ油、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、コムギ油、グレープシード油、マカダミアナッツ油など)と、線状および/または分枝状の炭化水素およびワックス、例えば鉱油、ワセリン(ペトロラタム)などの無極性油と、パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテンおよびイソヘキサデカン(好ましいポリオレフィンはポリデセンである)と、ジカプリリルエーテルなどのジアルキルエーテルと、好ましくはシクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)およびこれらの混合物などの線状または環状シリコーン油とから選択される。
【0043】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に有利に取り込むことができるその他の脂肪性成分は、イソエイコサン、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、カプリル酸/カプリン酸/コハク酸ジグリセリル、カプリル酸/カプリン酸ブチレングリコール、C12〜13−アルキルラクタート、ジ−C12〜13−アルキルタルトラート、トリイソステアリン、ヘキサカプリル酸/ヘキサカプリン酸ジペンタエリスリチル、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、トリカプリリン、ジメチルイソソルビドである。特に有益なのは、C12〜15−アルキルベンゾアートおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、C12〜15−アルキルベンゾアートおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、ならびにC12〜15−アルキルベンゾアート、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物の使用である。
【0044】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物の油相は、蜜蝋、チャイナワックス、マルハナバチ蜜蝋およびその他の昆虫のワックスならびにシアバターおよびココアバターなどの天然の植物性または動物性ワックスを含有することもできる。
【0045】
水和を保持するためまたは皮膚を再水和するために本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に保湿剤が取り込まれてもよい。
【0046】
保護コーティングを提供することによって皮膚から水が蒸発するのを防止する保湿剤は、皮膚軟化薬と呼ばれる。さらに、皮膚軟化薬は皮膚表面に軟化または鎮静効果を提供し、通常、局所使用のために安全であると考えられる。好ましい皮膚軟化薬には、鉱油、ラノリン、ペトロラタム、カプリン酸/カプリル酸トリグリセルアルデヒド、コレステロール、ジメチコン、シクロメチコンなどのシリコーン、アーモンド油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ココナッツ油およびグレープシード油、ココアバター、オリーブ油アロエ抽出物、オレイン酸およびステアリン酸などの脂肪酸、セチルおよびヘキサデシル(ENJAY)などの脂肪アルコール、アジピン酸ジイソプロピル、ヒドロキシ安息香酸エステル、C9〜15−アルコールの安息香酸エステル、イソノナン酸イソノニル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルおよびポリオキシプロピレンセチルエーテルなどのエーテル、ならびにC12〜15−アルキルベンゾアート、そしてこれらの混合物が含まれる。最も好ましい皮膚軟化薬は、ヒドロキシ安息香酸エステル、アロエベラ、C12〜15−アルキルベンゾアート、そしてこれらの混合物である。皮膚軟化薬は、局所化粧品または医薬品組成物の全重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。皮膚軟化薬の好ましい量は、約2重量%〜約15重量%、最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0047】
水と結合し、それにより水を皮膚表面に保持する保湿剤は、湿潤剤と呼ばれる。グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびこれらの混合物などの適切な湿潤剤を本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に取り込むことができる。さらに適切な保湿剤は、ヒアルロン酸、キトサンおよび/または例えばSOLABIA Sによってフコゲル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS番号178463−23−5)として入手可能なフコースが豊富な多糖類などの、水溶性および/または膨潤性/および/または水でゲル化する多糖類群の高分子保湿剤である。1つまたは複数の湿潤剤は、本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%で任意で存在する。
【0048】
本発明の好ましい局所化粧品または医薬品組成物の水相は、アルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級ジオールまたはポリオールおよびそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールのモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールのモノメチル−または−モノエチル−または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールのモノメチル−またはモノエチルエーテルおよび類似生成物、ポリマー、気泡安定剤、電解質および特に1つまたは複数の増粘剤などの通常の化粧品または医薬品の添加剤を含有することができる。しかしながら、好ましくは本発明の局所化粧品または医薬品組成物はエタノールを含まず、より好ましくはアルコールを含まず、そして最も好ましくは有機溶媒を含まない。それは、このような化合物は皮膚刺激を引き起こし得るからである。
【0049】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物において生成物の粘稠度を適切にするのを助けるために使用され得る増粘剤には、カルボマー、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウムおよび/またはケイ酸アルミニウム、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール多糖類、およびキサンタンガムなどのこれらの誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリレートクロスポリマー、好ましくは980、981、1382、2984、5984のタイプのカルボポール(carbopole)(登録商標)などのカルボマーが単独で、あるいはこれらの混合物が含まれる。
【0050】
例えば乳化剤またはフォーム形成剤/安定剤などの成分を中和するために本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に含まれ得る適切な中和剤には、水酸化ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ水酸化物、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノール、およびこれらの混合物などの有機塩基、アルギニンおよびリシンなどのアミノ酸、ならびに上記のいずれかの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。中和剤は、約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは1重量%〜約5重量%の量で本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に存在し得る。
【0051】
疎水性乳化剤の挙動を変化させるために、本発明の局所化粧品または医薬品組成物への電解質の添加が必要なこともある。従って、本発明のエマルジョン/ミクロエマルジョンは、好ましくは、塩化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオン、ホウ酸イオンおよびアルミン酸イオン(これらに限定されない)などのアニオンを含む1つまたはいくつかの塩の電解質を含有し得る。その他の適切な電解質は、ラクタート、アセタート、ベンゾアート、プロピオナート、タルトラートおよびシトラートなどの有機アニオンに基づくことができるが、これらに限定されない。カチオンとしては、好ましくは、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、マグネシウムイオン、鉄イオンまたは亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよびナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、ならびにこれらの混合物である。電解質は、約0.01重量%〜約8重量%の量で本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に存在することができる。
【0052】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物は、好ましくは少なくとも1日1回、例えば1日に2回または3回適用される。皮膚に適用すべき局所化粧品または医薬品組成物の量は、組成物中のオピオイド拮抗薬および任意で他の活性成分の濃度、ならびに所望される美容または薬学的効果に依存する。例えば、適用は、クリームを皮膚に塗布するようなものであり得る。通常、クリームは皮膚1cmあたりクリーム2mgの量で塗布される。しかしながら、皮膚に塗布される局所化粧品または医薬品組成物の量は重要ではなく、特定の量の塗布された局所化粧品または医薬品組成物で所望の効果を達成することができなければ、例えば、局所化粧品または医薬品組成物をより多く塗布することによって、あるいはより多くのオピオイド拮抗薬を含有する局所化粧品または医薬品組成物を塗布することによって、より高濃度のオピオイド拮抗薬を使用することができる。
【0053】
本発明に従う組成物は、特に、皮膚の美白のため、日焼け予防のため、色素沈着過剰の治療のため、ざ瘡、しわ、ライン、萎縮症、炎症を予防または低減するための1つまたは複数の追加の薬学的または美容的に活性な成分、ならびに局所麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、キレート剤および金属イオン封鎖剤、抗セルライト剤および日焼け止め添加剤を含有することもできる。このような成分の例は、ペプチド(例えば、マトリキシル(MatrixylTM)[ペンタペプチド誘導体])、オリゴペプチド、ワックスベースの合成ペプチド(例えば、パルミチン酸オクチルおよびトリベへニンおよびイソステアリン酸ソルビタンおよびパルミトイル−オリゴペプチド)、グリセロール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン)と、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンA(例えば、パルミチン酸レチニルまたはプロピオン酸レチニルなどのレチノイド誘導体)、ビタミンE(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンB(例えば、ナイアシンアミド)およびビタミンB(例えば、パンテノール)、ビタミンBおよびビタミンB12、ビオチン、葉酸などのビタミンおよびその誘導体と、抗ざ瘡活性物質または薬剤(例えば、レゾルシノール、サリチル酸など)と、酸化防止剤(例えば、植物ステロール、リポ酸)と、フラボノイド(例えば、イソフラボン、植物エストロゲン)と、アロエベラ抽出物、アラントインなどの皮膚の鎮静および治療剤と、精油、香料、皮膚感覚剤(skin sensate)、乳白剤などの美的な目的に適切な薬剤、芳香族化合物(例えば、クローブ油、メントール、カンファー、ユーカリ油、およびオイゲノール)、角質剥離活性物質(desquamatory active)、AHA酸などのヒドロキシ酸、ラジカル捕捉剤、ファルネソール、抗真菌活性物質、特にビサボロール、1,2−ペンタンジオール、ヘキサンジオールまたは1,2−オクタンジオールなどのアルキルジオール、フィトール、フィタントリオールなどのポリオール、セラミドおよび疑似セラミド、アミノ酸、タンパク質加水分解物、多価不飽和脂肪酸、キネチンのような植物抽出物、DNAまたはRNAおよびこれらの断片化産物、炭水化物、複合脂肪酸、カルニチン、カルノシン、ビオチノネン(biochinonen)、フィトフルエン、フィトエン、そしてこれらの対応する誘導体である。
【0054】
本発明のさらなる実施形態によると、オピオイド受容体拮抗薬は、皮膚美白剤およびUV遮蔽剤から選択される1つまたは複数の薬剤と組み合わせて使用することができる。従って、本発明は、オピオイド受容体拮抗薬と、少なくとも1つの追加の皮膚美白剤および/またはUV遮蔽剤とを含む新規の局所化粧品または医薬品組成物にも関する。皮膚美白剤の組み合わせの使用は、異なるメカニズムによって皮膚美白の利益を提供し得るという点で有利であり得る。本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に存在し得る追加の他の皮膚美白剤の例は、特に、国際公開第2004/062635号パンフレット、国際公開第2004/037213号パンフレット、およびDE10238449号明細書に開示されるものである。
【0055】
好ましくは、追加の皮膚美白剤は、アスコルビン酸化合物、ビタミンB化合物、アゼライン酸、没食子酸およびその誘導体、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワの実抽出物、ならびにこれらの混合物から選択される水溶性皮膚美白剤を含む。1つの好ましい実施形態では、アスコルビン酸化合物およびビタミンB化合物の組み合わせが使用される。本明細書における皮膚美白剤には、アスコルビン酸化合物、ビタミンB化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸およびその誘導体、グリチルリジン酸、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワの実抽出物、ならびにこれらの混合物が含まれる。皮膚美白剤の種類および量は、特定の薬剤の包含が組成物の安定性に影響を与えないように選択される。例えば、水溶性の薬剤は組成物の安定性の観点から好ましいが、水に不溶性の薬剤は、カルボン酸/カルボキシラートコポリマーおよびまたは任意の低級アルキルアルコールキャリアで分散され得る範囲で含まれ、従って本発明の組成物の安定性に影響を与えない。本明細書における皮膚美白剤に関する「水溶性」という用語は、周囲温度で十分な量の水に溶解されたときに完全に溶解されて透明な溶液になる化合物に関する。本明細書において有用なアスコルビン酸化合物には、L−形態のアスコルビン酸自体、アスコルビン酸塩、およびこれらの誘導体が含まれる。本明細書において有用なアスコルビン酸塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウムおよびプロタミン塩が含まれる。本明細書において有用なアスコルビン酸誘導体には、例えば、アスコルビン酸のエステル、およびアスコルビン酸のエステル塩が含まれる。特に好ましいアスコルビン酸化合物としては、2−O−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸(アスコルビン酸およびグルコースのエステルであり、通常L−アスコルビン酸2−グルコシドまたはアスコルビルグルコシドと呼ばれる)およびその金属塩、ならびにアスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸カリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、およびアスコルビルリン酸カルシウムなどのL−アスコルビン酸リン酸エステル塩があげられる。市販のアスコルビン酸化合物としては、アスコルビルリン酸マグネシウム、2−O−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、およびL−アスコルビルリン酸ナトリウムがある。
【0056】
本明細書において有用なビタミンB化合物には、例えば、ナイアシンアミドおよびニコチニルアルコール、これらの誘導、およびこれらの塩が含まれる。上記のビタミンB化合物の例示的な誘導体には、非血管拡張性のニコチン酸のエステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシドおよびナイアシンアミドN−オキシドを含むニコチン酸エステルが含まれる。好ましいビタミンB化合物はナイアシンアミドおよびニコチン酸トコフェロールであり、より好ましくはナイアシンアミドである。好ましい実施形態において、ビタミンB化合物は限られた量の塩形態を含有し、より好ましくはビタミンB化合物の塩を実質的に含まない。好ましくは、ビタミンB化合物は約50%未満のこのような塩を含有し、より好ましくは本質的に塩形態を含まない。
【0057】
スキンケア製品中に存在し得る酢酸またはパルミチン酸ビタミンAは、約0.01重量%〜約1.00重量%の量である。
【0058】
本発明に従って使用するためのアスコルビン酸誘導体は、無毒性で非皮膚刺激性の水溶性または油溶性アスコルビン酸誘導体のいずれでもよい。このような油溶性誘導体の例は、パルミチン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、リノール酸アスコルビル、オクタン酸アスコルビルである。好ましいのは、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウムおよびアスコルビルグリコシドなどの水溶性アスコルビル誘導体である。本発明に従って使用するためのスキンケア製品中のアスコルビン酸誘導体の量は、約0.1重量%〜約5重量%の範囲が適切である。
【0059】
本発明において使用するためのビタミンE誘導体は酢酸トコフェリルである。酢酸トコフェリルは、約0.05重量%〜約5重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。もう1つの対象となるビタミンE誘導体はリノール酸トコフェリルである。リノール酸トコフェリルは、約0.05重量%〜約5重量%の量でスキンケア組成物中に存在し得る。
【0060】
本発明において使用するためのB複合体からのビタミンの例は、ビタミンB、Bおよびビオチンである。ビタミンBは、約0.01重量%〜約1.00重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。ビタミンBは、約0.01重量%〜約1.00重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。ビオチンは、約0.001重量%〜約0.5重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。
【0061】
パンテノールは、約0.05重量%〜約5.00重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。フィタントリオールは、約0.01重量%〜約2.5重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。ビサボロールは、約0.05重量%〜約5.00重量%の量でスキンケア製品中に存在し得る。
【0062】
オピオイド受容体拮抗薬と組み合わせて本発明において使用され得るさらなる皮膚美白剤は、
ビス−パントイル−シスタミンと、
約0.05重量%〜約5重量%の量で本発明のスキンケア製品中に存在し得るコウジ酸またはその誘導体と、
約0.05重量%〜約5重量%の量で本発明のスキンケア製品中に存在し得るアルブチンまたはその誘導体と、
約0.05重量%〜約2重量%の量で本発明のスキンケア製品中に存在し得るヒドロキノンまたはその誘導体と、
0.05重量%〜約3重量%の量で本発明のスキンケア組成物中に存在し得るフィランツス・エンブリカ(Phyllanthus Emblica)果実抽出物(商品名:エンブリカ(EmblicaTM)と、
0.05重量%〜約3重量%の量で本発明のスキンケア組成物中に存在し得る白血球抽出物と、
0.05重量%〜約3重量%の量で本発明のスキンケア組成物中に存在し得るベアベリー抽出物と、
0.05重量%〜約3重量%の量で本発明のスキンケア組成物中に存在し得るカンゾウ抽出物と、そして
0.05重量%〜約3重量%の量で本発明のスキンケア組成物中に存在し得るクワの実抽出物とである。
【0063】
安全および有効な量の角質剥離活性物質(desquamation active)が本発明の組成物に添加されてもよく、より好ましくは組成物の約0.1重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.2重量%〜約5重量%である。角質剥離活性物質は、本発明の皮膚の外観の利益を増強する。本明細書において使用するのに適切な1つの角質剥離系はスルフヒドリル化合物および両性イオン界面活性剤を含有し、米国特許第5,681,852号明細書に記載されている。本明細書において使用するのに適切なもう1つの角質剥離系はサリチル酸および両性イオン界面活性剤を含有し、米国特許第5,652,228号明細書に記載されている。これらの出願において記載されているような両性イオン界面活性剤は、本明細書における角質剥離剤としても有用であり、セチルベタインが特に好ましい。
【0064】
本発明によると、組成物を調製するために活性成分はそのまま、あるいはカプセル化形態、例えばリポソーム形態で使用することができる。リポソームは、好ましくは、レシチンを用いて、ステロールまたは植物ステロールを添加してまたは添加せずに形成される。活性成分のカプセル化は単独でも他の活性成分と一緒でもよい。その他の実施形態には、レチノイドを分解から保護することを目標とする、または制御された送達のための固体または半固体カプセルが含まれる。適切なカプセル化技術は、例えば、国際公開第0180823号パンフレット、国際公開第9903450号パンフレット、国際公開第9317784号パンフレットまたはFragrance Journal(2001年)、29(2)、83−90頁に記載されている。
【0065】
さらに、本発明の化粧品および医薬品局所組成物は、UV−遮蔽剤を含有してもよい。追加のUV−遮蔽剤は、IR、UV−A、UV−B、UV−Cおよび/または広域帯フィルタから有利に選択される。UV−Bまたは広域性遮蔽剤、すなわち約290nmと340nmの間の吸収極大を有する物質の例は、有機化合物でも無機化合物でもよい。有機UV−Bまたは広域帯遮蔽剤は、例えば、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン、パーソル(PARSOL)(登録商標)340)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルなどのアクリレートと、4−メチルベンジリデンカンファー(パーソル(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、メト硫酸カンファーベンザルコニウム、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸スルホン酸などのカンファー誘導体と、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(パーソル(登録商標)MCX)、メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン(パーソル(登録商標)Hydro)、メトキシケイ皮酸イソアミルなどのケイ皮酸誘導体、ならびにシロキサンに結合されたケイ皮酸誘導体と、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N−オキシプロピレン化p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルなどのp−アミノ安息香酸誘導体と、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノンと、4−メトキシベンザルマロン酸ジ−(2−エチルヘキシル)などのベンザルマロン酸エステルと、欧州特許公開第EP0895776号明細書に記載されるような2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステルなどの2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸エステルと、欧州特許公開第EP0358584B1号明細書、EP0538431B1号明細書およびEP0709080A1号明細書に記載されるようなパーソル(登録商標)SLXなどのベンズマロナート基を含有するオルガノシロキサン化合物と、ドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリル(Mexoryl)XL)と、例えば、2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸およびその塩(パーソル(登録商標)HS)(2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の塩は、例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩のような第1級、第2級および第3級アミンの塩などである)などのイミダゾール誘導体と、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸エチルヘキシル(パーソル(登録商標)EHS、ネオヘリオパン(Neo Heliopan)OS)、サリチル酸イソオクチルまたはサリチル酸ホモメンチル(ホモサレート、パーソル(登録商標)HMS、ネオヘリオパンHMS)などのサリチル酸誘導体と、エチルヘキシルトリアゾン(ユビナール(Uvinul)T−150)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Uvasorb HEB)などのトリアジン誘導体とである。カプセル化メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(Eusolex UV−pearls)などのカプセル化UV−フィルタまたはUV−フィルタが装填されたマイクロカプセルは、例えば、EP1471995号明細書などに開示されている。
【0066】
広域性またはUVA遮蔽剤、すなわち約320nmと400nmの間の吸収極大を有する物質の例は、有機化合物でも無機化合物でもよい。有機広域性またはUVA遮蔽剤には、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(パーソル(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなどのジベンゾイルメタン誘導体と、2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブ(Tinosorb)M)などのベンゾトリアゾール誘導体と、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS)などと、2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパンAP)などのフェニレン−1,4−ビス−ベンゾイミダゾールスルホン酸または塩と、欧州特許公開第EP1046391号明細書に記載されるような2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(ユビナールA plus)などのアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノンと、国際公開第2005080341A1号パンフレットに記載されるようなイオン性UV−Aフィルタとが含まれる。ジベンゾイルメタン誘導体は限られた光安定性を有するので、これらのUV−A遮蔽剤を光安定化することが望ましいであろう。従って、「従来のUV−A遮蔽剤」という用語は、例えば、欧州特許公開第EP0514491B1号明細書およびEP0780119A1号明細書に記載されるような3,3−ジフェニルアクリレート誘導体、米国特許第5,605,680号明細書に記載されるようなベンジリデンカンファー誘導体、欧州特許公開第EP0358584B1号明細書、EP0538431B1号明細書およびEP0709080A1号明細書に記載されるようなベンズマロナート基を含有するオルガノシロキサンによって安定化された例えばパーソル(登録商標)1789などのジベンゾイルメタン誘導体も指す。
【0067】
本発明の組成物に添加することができるUV−A遮蔽剤およびUV−B遮蔽剤の優れた概説は、DE−A10327432号明細書においても見出すことができる。この文献で開示される全てのUVフィルタ化合物は本発明の組成物のための成分としても有用であり、参照によって本明細書中に援用される。
【0068】
安全および有効な量のUV−遮蔽剤が使用され、一般的には約1重量%〜約20重量%、より一般的には約2重量%〜約10重量%である。
【0069】
本発明の局所化粧品または医薬品組成物中に取り込まれ得るその他の適切なUV−遮蔽剤は、微粒子化された金属酸化物(例えば、パーソル(登録商標)TX)などの無機顔料である。このような化合物の例としては、例えば、約15nm〜約100nmの平均一次粒径を有する二酸化チタン、約15nm〜約150nmの平均一次粒径を有する酸化亜鉛、約15nm〜約150nmの平均一次粒径を有する酸化ジルコニウム、約15nm〜約500nmの平均一次粒径を有する酸化鉄、およびこれらの混合物があげられる。金属酸化物粒子は、例えば酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの金属酸化物によって、あるいは例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランなどの有機コーティングによって被覆されてもよい。このようなコーティングは当該技術分野においてよく知られている。本明細書中で使用される場合、無機日焼け止め剤は、約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0070】
自然な皮膚色を薄くするため、または色素沈着過剰の皮膚領域を明るくするための日焼け防止用皮膚美白剤の有用性は、当該技術分野において既知の方法によって決定することができ、例えば、グリーテンス(Greatens),A.ら、「レクチンおよびナイアシンアミドによるメラノソームのケラチノサイトへの移動の有効な阻害は可逆的である(Effective inhibition of melanosome transfer to keratinocytes by lectins and niacinamide is reversible)」、Experimental Dermatology,2005年、14(7)、498〜508頁と、ハコザキ(Hakozaki),Tら、「皮膚の色素沈着の低下およびメラノソームの移動の抑制に対するナイアシンアミドの効果(The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer)」、British journal of dermatology FIELD Publication date:2002年7月、2002年、147(1)、20〜31頁と、グリフィス(Griffiths),C.E.ら、「局所的なトレチノイン(レチノイン酸)は黒皮症を改善する。媒体対照臨床試験(Topical tretinoin(retinoic acid)improves melasma.A vehicle−controlled,clinical trial)」、British journal of dermatology FIELD Publication Date:1993年10月、1993年、129(4)、415〜21頁と、ハヤカワ(Hayakawa),R.ら、「カルシウムパンテテイン−S−スルホナートの生化学的および臨床的な研究(Biochemical and clinical study of calcium pantetheine−S−sulfonate)」、Acta vitaminologica et enzymologica FIELD Publication Date:1985年、1985年、7(1−2)、109〜14頁とが参照される。
【0071】
上記のグリーテンスらおよび上記のハコザキらにおいて特に言及されるような臨床研究設計に従って、0.1%〜10%の範囲、あるいはさらにより好ましくは1%〜5%の範囲の異なる濃度で試験される成分を含む実施例5において言及されるようなO/W型の皮膚美白クリームが実行される。簡単に言うと、ヒトの臨床研究は、二重盲検無作為化媒体対照スプリットフェース(split−face)設計において1グループにつき少なくとも30人で実施される。適用は、少なくとも4週間にわたって、より好ましくは8週間にわたって、そして特に12週間にわたって毎日2回の投薬対照法で行われる。
【0072】
美白効果の定量化は、上記のハコザキらの自己評価、上記のグリーテンスらの視覚評価、画像分析による評価またはクロマメーターによる評価(ハコザキら、上記)などのいくつかの方法を用いて実施することができる。簡単に言うと、有効な皮膚美白剤を同定するために、自己評価は、治療グループの50%よりも多くが少なくともわずかな増白を実感したという結果を生じなければならない。視覚評価については、少なくとも8人の批評者の評価が1〜4の等級付けで行われ、平均値の著しい差をもたらさなければならず、p値は0.05よりも小さい。画像分析による評価は、CCDカメラシステムを用い、ビデオ画像のコンピュータ分析により基礎皮膚色(L、a、b)および色素沈着過剰面積(mm)を定量することによって行われる。基礎皮膚色は、茶色色素沈着のみについてのLおよびbに依存して、デルタLあるいはITA°のいずれかで定量することができる。データは、p値が0.05よりも小さい場合にのみ有効である。クロマメーターによる評価は、定量化のためにL値および/またはITA°値を用いて画像分析について記載されたものと同じ方法で行われる。
【0073】
以下の実施例は実例であるが、本発明の限定するものではない。
【0074】
[実施例1]
皮膚内のメラニン産生の低下におけるオピオイド受容体拮抗薬の有用性、従って色素脱失すなわち皮膚美白剤として作用するための有用性は、内因性メラニン産生が多い皮膚IV型からのヒト一次メラノサイトにおいて細胞内メラニン産生全体をインビトロ測定することによって示すことができる。
【0075】
[ヒトメラノサイトの培養]
正常なヒトメラノサイトを皮膚IV型の新しく切除した包皮から培養し、ディスパーゼ(Dispase)(使用準備済、ロシュ(Roche))により4℃で一晩処理した。表皮から分離されたメラノサイトを、対応する成長因子(Promocell)が追加されたメラノサイト成長培地(Melanocyte Growth Medium)M2(Promocell)を用いて培養フラスコ内に高密度でプレーティングした。37℃において100%湿度および5%CO下でこれらの一次細胞を培養した。第2継代において、メラノサイトを6ウェルプレートに移し、80%の表面コンフルエンスに到達させた。
【0076】
[ヒト一次メラノサイトの色素脱失]
既知の無毒性濃度(5×10−6および1×10−4M)のナロキソン(Alltech)が追加されたメラノサイト成長培地内で、細胞を4日間成長させた。実験の2日目に培地を新しくした。細胞を収集し、カウントし、そして超音波浴内で激しいボルテックスおよび30分インキュベーションを用いて1NのNaOH中に溶解した。475nmにおける細胞ライセートの吸収を測定することによってメラニン含量を決定した。合成メラニン(シグマ(sigma))に基づいた標準曲線に対して値を較正した。100万個の細胞あたりのメラニンの量が報告される。それぞれの処理を2通り実行した。
【0077】
表1から分かるように、ナロキソンは、対照と比較して細胞内メラニン含量を著しく低下させる。未処理細胞内のメラニン含量は100万個の細胞あたり平均して7.39μgであり、5×10−6Mおよび1×10−4Mのナロキソンで処理した細胞ではそれぞれ1.58および1.05であることと比較される。
【0078】
【表1】

【0079】
データから分かるように、より高い濃度では、ナロキソンは、平均メラニン含量を86%低下させ、従って、色素脱失すなわち皮膚美白剤として適切である。以下の実施例は、オピオイド受容体拮抗薬の同定のために有用である典型的なスクリーニングアッセイを例示する。
【0080】
[実施例2]
[μ−オピオイド受容体結合アッセイ]
μ−オピオイド受容体を過剰発現しているCHO細胞(パーキン・エルマー(Perkin Elmer))からの250μg/mlの膜を、負の対照のDMSO(フルカ(Fluka))または試験化合物の存在下で、50mMのTrisHCl、pH7.4(シグマ)、10mMのMgCl(シグマ)および0.2%のBSA(シグマ)中の50nM[H]DAMGO(アマシャム(Amersham))と共に穏やかに振とうさせながら2時間インキュベートした。インキュベーション混合物をフィルタープレート(パーキン・エルマー)に移し、真空の適用により液体を底部から吸引し、プレートをPBS(インビトロジェン(Invitrogen))で2回洗浄した。プレートを乾燥させ、35μlのシンチレーションカクテル(Ultima Gold、パーキン・エルマー)を添加して密封し、シンチレーションカウントのためにTopCount(パッカード(Packard))に置いた。
【0081】
[μ−オピオイド受容体GTP−補充アッセイ]
μ−オピオイド受容体を過剰発現しているCHO細胞(パーキン・エルマー)からの10μg/mlの膜を、負の対照のDMSO(フルカ)または試験化合物の存在下で、20mMのHEPES、pH7.4(シグマ)、10mMのMgCl(シグマ)、100mMのNaCl(フルカ)、1μMのGDP(シグマ)および10nMのGTP−Eu(パーキン・エルマー)中の100nMのDAMGO(シグマ)と共に穏やかに振とうさせながら1.5時間インキュベートした。インキュベーション混合物をフィルタープレート(パーキン・エルマー)に移し、真空の適用により液体を底部から吸引し、プレートをPBS(インビトロジェン)で2回洗浄し、乾燥させた。アナリスト・リーダー(Analyst reader)(LJL Biosystems)内でプレートを読み取った。
【0082】
上記で概説される方法を用いて、以下のμ−オピオイド受容体拮抗薬:
3,5−ジ没食子酸エピガロカテキン(37484−73−4)、イリゲノールヘキサアセタート(103652−04−6)、イリゲノール ex Iris spp(4935−93−7)、ベルバミン塩酸塩(5956−76−3)、クェルセタゲチン(90−18−6)、アセチルシコニン(24502−78−1)、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン(484−76−4)、β,β−ジメチルアクリルシコニン(24502−79−2)、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン(605−94−7)、2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン(3066−90−8)、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン(3117−02−0)、2,3−ジメトキシヒドロキノン(52643−52−4)、塩化デルフィニジン(528−53−0)、オーレウシジン(38216−54−5)、イソセンブロール(25269−17−4)、ロビネチン(490−31−3)
が同定された。
【0083】
以下の実施例は、当該技術分野においてそれ自体が既知の手順によって調製され得る局所組成物に関する。
【0084】
[実施例3]
【表2】

【0085】
[実施例4]
【表3】

【0086】
[実施例5]
【表4】

【0087】
[実施例6]
【表5】

【0088】
[実施例7]
【表6】

【0089】
[実施例8]
【表7】

【0090】
[実施例9]
【表8】

【0091】
[実施例10]
【表9】

【0092】
[実施例11]
【表10】

【0093】
[実施例12]
【表11】

【0094】
[実施例13]
【表12】

【0095】
[実施例14]
【表13】

【0096】
[実施例15]
【表14】

【0097】
[実施例16]
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの皮膚におけるメラニン形成の抑制のための局所組成物を製造するためのオピオイド受容体拮抗薬の使用。
【請求項2】
ヒトの皮膚の美白および日焼け防止のための化粧品組成物を製造するためのオピオイド受容体拮抗薬の使用。
【請求項3】
色素異常症の治療および予防のための医薬品組成物を製造するためのオピオイド受容体拮抗薬の使用。
【請求項4】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、オピオイド類似体、ペプチドまたはポリペプチド、あるいはピペリジンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、μ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、ナロキソン、ナロキソナジン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン、特に、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンである請求項5に記載の使用。
【請求項7】
少なくとも1つの追加の皮膚美白剤および/またはUV遮蔽剤と組み合わせた請求項1〜6のいずれか一項に記載のオピオイド受容体拮抗薬の使用。
【請求項8】
ヒトの皮膚内のメラニンを低減するため、ヒトの皮膚の美白および日焼け防止のため、および/または色素異常症の治療および予防のための、オピオイド受容体拮抗薬および従来のキャリアを含む局所組成物。
【請求項9】
オピオイド受容体拮抗薬と、少なくとも1つの追加の皮膚美白剤および/またはUV遮蔽剤と、従来のキャリアとを含む局所組成物。
【請求項10】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、μ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項8または9に記載の組成物。
【請求項11】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、ナロキソン、ナロキソナジン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン、特に、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンである請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
クリーム、ジェル、軟膏、ローション、チンキ、スプレー、ムース、クレンジング組成物またはフォームである請求項8〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、約0.00001重量%〜約20重量%、好ましくは約0.0001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約5重量%の量で存在する請求項8〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
有効な量のオピオイド受容体拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、ヒトの皮膚の美白方法。
【請求項15】
有効な量のオピオイド受容体拮抗薬をこのような治療を必要としている人の適切な皮膚領域に局所投与することを含む、色素異常症の治療または予防方法。
【請求項16】
1日あたり皮膚1平方センチメートルにつき約0.2μg〜約200μgのオピオイド受容体拮抗薬が適用される請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、μ−オピオイド受容体の拮抗薬である請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記オピオイド受容体拮抗薬が、ナロキソン、ナロキソナジン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノン、特に、ナロキソン、イソセンブロール、2’,3’,4’,3,4−ペンタヒドロキシカルコン、オーレウシジンまたは2,3−ジメトキシ−5−メチルヒドロキノンである請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの追加の皮膚美白剤および/またはUV遮蔽剤がさらに投与される請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
ヒトの皮膚内のメラニンを低減するために使用することができる薬剤を同定する方法であって、オピオイド受容体、特にμ−オピオイド受容体を阻害するための前記薬剤の活性を決定することを含む方法。
【請求項21】
前記薬剤が、皮膚IV型からのヒト一次メラノサイトにおける細胞内メラニン産生全体の実質的な低下を引き起こすかどうかを決定することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記細胞内メラニン産生全体の少なくとも20%の低下が、局所組成物として適用されたときに、メラニン形成の阻害のためおよび皮膚の美白のための薬剤の有用性を示すと見なされる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
特に実施例を参照して以下に特に記載される発明。

【公表番号】特表2009−508895(P2009−508895A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531584(P2008−531584)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008962
【国際公開番号】WO2007/039058
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】