説明

オーディオ・ビジュアル情報再生装置及び再生方法

【課題】固定式の記憶装置からオーディオ・ビジュアル情報の開始部分を再生させ、記憶媒体から上記オーディオ・ビジュアル情報の残り部分を連続して再生させるオーディオ・ビジュアル情報再生装置において、使用者が意図していない番組の再生を防止する。
【解決手段】複数の記憶媒体(MO)に格納されているオーディオ・ビジュアル情報の開始部分(M(na))と共に該オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含む管理情報(I(n))を、固定式の記憶装置に予め複写して格納しておき、固定式の記憶装置から再生されたオーディオ・ビジュアル情報の開始部分の管理情報の番組名と、データベース内の再生指示されたオーディオ・ビジュアル情報の番組名とを照合し(S12)、一致しない場合にはオーディオ・ビジュアル情報の再生を中止する(S16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光磁気ディスク装置等の記憶媒体を交換しながら再生する大容量記憶装置等にオーディオ・ビジュアル情報を蓄積しておき、使用者からのリクエストにより記憶媒体に格納したオーディオ・ビジュアル情報を提供するシステムの管理センタなどにおけるオーディオ・ビジュアル情報の再生装置および再生方法に関し、特に、大容量記憶装置等とは別にハードディスク装置等の固定式の記憶装置に各記憶媒体に記憶させたオーディオ・ビジュアル情報の各開始部分を複写しておき、再生時には固定式の記憶装置に記憶された各開始部分を先に再生して記憶媒体の交換時間中も再生を中断しないようにしたオーディオ・ビジュアル情報の再生装置および再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置としては、記憶媒体として光磁気(マグネトオプティカル:MO、以下、MOと記載する)ディスクを使用した大容量記憶装置(MASS・STORAGE・SYSTEM=ジュークボックス形式にて複数の光磁気ディスク装置を交換しながら情報再生する装置、以下、MSSと記載する)を使用したものがある。
【0003】
従来のMSSを使用したオーディオ・ビジュアル情報再生装置では、長時間のオーディオ・ビジュアル情報等を途切れることなく再生して使用者に提供するために、予め各記憶媒体に格納された開始部分のオーディオ・ビジュアル情報を各々ハードディスク等の固定式の記憶装置である磁気ディスク装置に複写して格納しておき、光磁気ディスクを交換する時には、これから再生しようとする光磁気ディスクに対応する磁気ディスク装置中のオーディオ・ビジュアル情報の開始部分を先に再生しておき、記憶媒体の交換が終了したら記憶媒体から再生するオーディオ・ビジュアル情報の残りの部分につなぐことにより一連の番組として連続してオーディオ・ビジュアル情報を再生できるようになっている。
【0004】
また、従来のMSSを使用したオーディオ・ビジュアル情報再生装置では、使用者からのリクエストに対する応答を早めるために、予め1枚目の各記憶媒体に格納された開始部分のオーディオ・ビジュアル情報を各々磁気ディスク装置に複写して格納しておき、最初の光磁気ディスクを再生させる時に、これから再生しようとする光磁気ディスクに対応する磁気ディスク装置中のオーディオ・ビジュアル情報の開始部分を先に再生しておき、記憶媒体の設置が終了したら記憶媒体から再生するオーディオ・ビジュアル情報の残りの部分につなぐことにより、リクエストに対する反応を早くしてオーディオ・ビジュアル情報を再生できるようになっている。
【0005】
このようにオーディオ・ビジュアル情報再生装置は、MSSの各記憶媒体に格納されたオーディオ・ビジュアル情報の開始部分を磁気ディスク装置に複写して格納しておくことにより、使用者からのリクエストに対してすばやく、且つ、記憶媒体の交換時にも再生を途切れさせること無く、長時間のオーディオ・ビジュアル情報を使用者に提供することができる。
【0006】
図9は、従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置の記憶媒体交換時における再生動作を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、使用者からリクエストされたオーディオ・ビジュアル情報の番組名を番組ABCとし、これから再生される光磁気ディスク等の記憶媒体を順にMO(n)とし、MO(n)に記録されているオーディオ・ビジュアル(AV)情報データをM(n)とし、M(n)中の開始部分データをM(na)とし、M(n)中の残り部分データをM(nb)とし、磁気ディスク装置にM(na)が複写されて格納されたデータをH(n)とする。但し、nは正の整数である。
【0007】
また、予め各MO(n)の開始部分データM(na)が磁気ディスク装置にH(n)として複写されていることとし、オーディオ・ビジュアル情報再生装置の制御部には、例えば、番組ABCに対応する各記憶媒体の格納位置および磁気ディスク装置中の各H(n)のアドレス位置等の番組名と各格納場所の関係が一覧表形式のデータベースに記憶されていることとする。
【0008】
使用者により番組ABCの再生指示が入力されてオーディオ・ビジュアル情報再生装置に受け付けられると、MSS内では、番組ABCの最初の記憶媒体であるMO(1)が収納された格納庫から取り出されて、再生装置であるドライブへのセットが開始される(ステップS21)。一方、MSS内では、前記再生指示が受け付けられると、ステップS21の処理と平行処理としてMO(1)のオーディオ・ビジュアル情報データの開始部分であるM(1a)に対応するH(1)が磁気ディスク装置から先に再生される(ステップS22)。
【0009】
MO(1)のセットが終了すると(ステップS23)、オーディオ・ビジュアル情報データの開始部分であるM(1a)の残り部分であるM(1b)が再生され(ステップS24)、H(1)に続けて出力される。
【0010】
また、上記した従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置は、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平08−098122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記した従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置は、各記憶媒体の開始部分データM(na)に対応する磁気ディスクのデータH(n)と残り部分データM(nb)とが交互に再生されるため、磁気ディスク装置への複写ミスやデータベースの作成ミスあるいはノイズや停電等によるデータベースの破壊等の原因によりデータベースに格納されたMOの格納位置データと磁気ディスク装置に格納された複写データのアドレス位置の対応関係が崩れてしまい、その結果、磁気ディスク装置中のデータH(n)≠光磁気ディスク中のデータM(na)である関係になった場合には、例えば、指示された番組とは異なる番組が磁気ディスク装置から再生されてしまうという問題があった。
【0013】
さらに具体的な問題としては、例えば、MOの格納位置データと磁気ディスク装置に格納された複写データのアドレス位置の対応関係が崩れた結果、子供向け番組が再生されている途中に、突然に、子供向け番組とは何も関係の無い大人向け番組の性的シーンや暴力シーンが再生される場合がありえるという問題があった。
【0014】
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであって、使用者に指示された番組と再生内容が異なる場合には、再生を中止するオーディオ・ビジュアル情報再生装置及び再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のオーディオ・ビジュアル情報再生装置は、
長時間のオーディオ・ビジュアル情報を予め複数の記憶媒体に分割して格納し、該記憶媒体を交換することにより前記オーディオ・ビジュアル情報を長時間再生する大容量記憶装置と、
前記複数の各記憶媒体に格納された前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分を予め複写して格納する固定式の記憶装置と、
前記固定式の記憶装置から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の開始部分に前記大容量記憶装置から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の残り部分を連続させることにより一連のオーディオ・ビジュアル情報として記憶するバッファメモリからなる一時記憶装置と、
前記オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含むデータベースを記憶する記憶部を有し、前記各装置の動作を制御することにより再生指示された前記長時間のオーディオ・ビジュアル情報信号を間断無く再生する制御装置と、
前記データデータベース内の少なくとも1個の番組名を入力することにより該番組の再生指示を発生させると共に、前記一連のオーディオ・ビジュアル情報を画像出力する入出力端末装置と
を備えるオーディオ・ビジュアル情報再生装置において、
前記固定式の記憶装置には、前記複数の各記憶媒体に格納されている前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分と共に該オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含む管理情報が予め複写して格納されており、
前記制御装置は、前記固定式の記憶装置から再生された前記オーディオ・ビジュアル情報の開始部分の管理情報の番組名と、前記データベース内の前記再生指示されたオーディオ・ビジュアル情報の番組名とを照合し、一致しない場合に前記一連のオーディオ・ビジュアル情報の再生を中止する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者が意図していない番組を視聴させられることを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の光MSSの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2の各光磁気ディスク装置に各々格納される情報内容、および、その各光磁気ディスク装置に対応させて図1の磁気ディスク装置に格納される情報内容を示す図である。
【図4】図1の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の磁気ディスク装置および光MSSから、バッファメモリおよび制御装置へのデータの移動状況を示す図である。
【図6】(a)〜(g)は図1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置の制御部で管理情報の内容を照合する際のタイミングチャートである。
【図7】図6に示した本実施の形態1における光磁気ディスク装置の交換処理と照合処理を各番組毎に実施される汎用の動作として示すフローチャートである。
【図8】図6に示した本実施の形態2における光磁気ディスク装置の交換処理と照合処理を各番組毎に実施される汎用の動作として示すフローチャートである。
【図9】従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置の記憶媒体交換時における再生動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明にかかわるオーディオ・ビジュアル(AV)情報再生装置及び再生方法を、その実施の一形態を示す図面に基づき具体的に説明する。なお、各図において、同一の機能を有するものには同一符号を付して示している。
【0019】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置1において、2は固定式の磁気ディスクによりオーディオ・ビジュアル情報の後述する各MOへの格納内容の開始部分を格納する磁気ディスク装置である。3は複数のMOに分割して長時間のオーディオ・ビジュアル情報を全て格納する光MSSである。4は複数の入力と複数の出力の経路を自在に変更できる電子スイッチである。5、(5a、5b、5n)は磁気ディスク装置から再生された情報とMSSから再生された内容を順に一時記憶するバッファメモリである。6(6a、6b、6n)はバッファメモリに一時記憶されたオーディオ・ビジュアル情報(コード化されたデジタル情報)を順にデコードする映像情報デコーダ装置である。7(7a、7b、7n)は使用者が番組を指示(リクエスト)する入力ができ、リクエストした番組のオーディオ・ビジュアル情報出力を視聴できる端末装置である。8(8a、8b、8n)はオーディオ・ビジュアル情報再生装置の使用者である。10は上述した各装置を制御して使用者にリクエスト(指示)された番組を再生させるマイクロプロセッサ等からなる制御装置である。
【0021】
また、MSS3の中には、MO格納庫31と、ドライブ部32とアーム制御部33とを有しており、それらについては、次の図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、図1の光MSS3の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
光MSS3中のMO格納庫31には、例えば、80枚の記録/再生可能な光磁気(マグネトオプティカル:MO)ディスクMO1〜MO80が1枚づつ棚T1〜T80に収容されている。光磁気ディスクの記憶容量を640MBの片面記録として100分の長時間番組を記録する場合には、3MbpsのMPEG2方式で圧縮しても4枚程度が必要になる。そこで、本実施形態では、番組ABCにMO1〜MO4の4枚の光磁気ディスクを割り付けることとする。
【0024】
また、MO格納庫31内の各光磁気ディスクが収容される棚について、ディスクMO1の棚番号をT1、MO2の棚番号をT2、MO3の棚番号をT3、MO4の棚番号をT4と順に収容場所を設定していく。上記と同様に、番組DEFをMO5〜MO8に記録して棚T5〜T8に収容し、番組GHIをMO9〜MO12に記録して棚T9〜T12に収容していき、最後に番組XYZをMO77〜MO80に記録して棚T77〜T80に収容する。
【0025】
ドライブ部32には、640MBの片面記録の光磁気ディスクMO1〜MO80を記録及び再生可能なヘッド等を備えるドライブ装置であるドライブ1〜16が備えられており、各ドライブ1〜16からは個別にオーディオ・ビジュアル情報を出力できるため、同時に16番組が再生可能になっている。
【0026】
アーム制御部33には、使用者8からのリクエストにより再生しようとする光磁気ディスクの棚に移動して必要とされる光磁気ディスクを棚から取り出し、その光磁気ディスクを空いているドライブ装置まで移送して装着するアーム33aが備えられている。また、アーム33aは、上記とは逆に、再生が終了した光磁気ディスクをドライブ装置から取り出して、MO格納庫31内の元の棚に戻す処理も実行する。
【0027】
図3は、図2の各光磁気ディスク装置MO1〜MO80に各々格納される情報内容、および、その各光磁気ディスク装置MO1〜MO80に対応させて図1の磁気ディスク装置2に格納される情報内容を示す図である。
【0028】
各光磁気ディスク装置MO1〜MO80には、番組の内容であるオーディオ・ビジュアル情報データM(n):(nは正の整数)とは別に、その情報データの番組名称や、その番組を記録するために何枚の光磁気ディスクを使用してこの光磁気ディスクはその何番目であるかや、光磁気ディスク中の何れのアドレスからオーディオ・ビジュアル情報データが始まるか等の管理情報I(n)が格納されている。また、オーディオ・ビジュアル情報データM(n)中で、磁気ディスク装置にも複写されて格納される内容がデータM(na)であり、その残り部分がデータM(nb)である。
【0029】
磁気ディスク装置2中には、予め、光磁気ディスク中からデータM(na)が転写されてデータH(n)として格納されると共に、光磁気ディスク中から管理情報I(n)が転写されて管理情報I(n)’として格納される。従来のオーディオ・ビジュアル情報再生装置では、磁気ディスク装置2の格納内容が光磁気ディスクの格納内容と一致しない事態は全く想定していないため、この管理情報I(n)については光MSS3中の各光磁気ディスクMO1〜MO80の管理に用いられるのみで、磁気ディスク装置2中には転写されていなかった。
【0030】
図4は、図1の制御装置10の構成を示すブロック図である。
【0031】
制御装置10は、中央演算装置(CPU)等からなる演算部12と、随時書き込み/読み出し可能メモリ(RAM)等からなる記憶部13とから構成され、記憶部13内には、各番組名に対応させて磁気ディスク装置2中のアドレスとMO格納庫31の棚番号が予め格納されるデータベース21と、光MSS3中の再生する光磁気ディスクから出力される管理情報I(n)を記憶する光MSS用管理情報記憶部22と、磁気ディスク装置2から出力される管理情報I(n)’を記憶する磁気ディスク装置用管理情報記憶部23とを有している。
【0032】
データベース21中には、例えば、番組名ABCに対応させて磁気ディスク装置2中のアドレスA1〜A4、及び、MO格納庫31中の棚番号T1〜T4が格納され、同様にして、番組名DEFに対応させて磁気ディスク装置2中のアドレスA5〜A8、及び、MO格納庫31中の棚番号T5〜T8が格納され、番組名GHIに対応させて磁気ディスク装置2中のアドレスA9〜A12、及び、MO格納庫31中の棚番号T9〜T12が格納されるというようにして、最後の番組名XYZに対応させて磁気ディスク装置2中のアドレスAn−3〜An(但し、nは正の整数)、及び、MO格納庫31中の棚番号Tn−3〜Tnが格納される。
【0033】
演算部12では、使用者8からのリクエスト内容(番組名)に基づきデータベース21の格納内容を参照して磁気ディスク装置2および光MSS3等の各装置を制御すると共に、光MSS用管理情報記憶部22に記憶された管理情報の内容(番組名、何枚組みの何番目等)と、磁気ディスク装置用管理情報記憶部23に記憶された管理情報の内容(番組名、何枚組みの何番目等)とを照合し、異なっている場合にはそのリクエストされた番組についての再生処理を中止する。
【0034】
図5は、図1の磁気ディスク装置2および光MSS3から、バッファメモリ5および制御装置10へのデータの移動状況を示す図である。
【0035】
使用者からのリクエストが制御装置10に入力されると、磁気ディスク装置2からは、管理情報I(n)’が制御装置10内の磁気ディスク装置用管理情報記憶部23に転送され、光磁気ディスクのデータM(na)に対応するデータH(n)がバッファメモリ5に転送される。また、それと共に、光MSSでは、アーム制御部33を用いてリクエストに基づく光磁気ディスクの変更処理が実施され、光磁気ディスクの変更後、光MSSからは、その光磁気ディスクに格納されている管理情報I(n)が制御装置10内の光MSS用管理情報記憶部22に転送され、光磁気ディスクのデータM(nb)がバッファメモリ5に転送される。
【0036】
具体的には、使用者8から番組ABCがリクエストされた場合、磁気ディスク装置2からは、管理情報I(1)’が磁気ディスク装置用管理情報記憶部23に転送され、データH(1)がバッファメモリ5aに転送される。また、それと共に、光MSSでは、アーム制御部33を用いてリクエストに基づく光磁気ディスクの変更処理が実施され、光磁気ディスクが棚T1の光磁気ディスク装置MO1に変更された後、光MSSからは、その光磁気ディスク装置MO1に格納されている管理情報I(1)が制御装置10内の光MSS用管理情報記憶部22に転送され、光磁気ディスクのデータM(1b)がバッファメモリ5に転送される。
【0037】
その後、制御部10では、管理情報I(1)’の内容と管理情報I(1)の内容との照合を実施してその後の再生動作を中止するか否かを決定する。また、バッファメモリ5aには、データH(1)に続けて、データM(1b)がデータH(1)の再生が終了する前に記憶され、その後もデータH(2)、データM(2b)・・・という順に前のデータの再生が終了する前に記憶されるので、リクエストされた番組を間断無く再生することができる。
【0038】
図6は、図1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置1の制御部10で管理情報I(n)’の内容と管理情報I(n)の内容とを照合する際のタイミングチャートである。
【0039】
なお、本タイミングチャートでは、光MSS3のドライブ部32内のドライブ2で番組DEF用の光磁気ディスク装置MO5〜MO8の再生を実施中であり、同ドライブ部32内のドライブ1で番組ABC用の光磁気ディスク装置MO1〜MO4の再生を新規に実施する場合とする。
【0040】
図6(a)のタイミングで、例えば、端末装置7aの使用者8aが番組名ABCを視聴したい旨の指示(リクエスト)を端末装置7aに入力すると、そのリクエストは制御装置10に送信される。制御装置10では、リクエストされた番組名ABCからデータベース21を参照して磁気ディスク装置2中の対応するアドレスA1〜A4と、MO格納庫31の棚番号T1〜T4が選択されて順次読み出されることになる。
【0041】
具体的には、以下の各タイミングに従って動作する。図6(a)のタイミングに番組ABCのリクエストが入力すると、図6(b)に示したように光MSS3では、光MSS3内のアーム制御部33によりMO保管庫31の棚T1に保管されていた光磁気ディスク装置MO1がドライブ部32のドライブ1に装着される。
【0042】
一方、図6(c)に示したように磁気ディスク装置2では、使用者8aのリクエストに基づいて、アドレスA1に格納されたデータH(1)が読み出されてバッファメモリ5aに入力され、映像デコーダ装置6aによりデコードされて端末装置7aに画像データと音声データが再生出力される。
【0043】
なお、この時点では、図6(e)に示したドライブ2では、使用者8bのリクエストに基づいて、光磁気ディスク装置MO6のデータM(6b)が再生されて、バッファメモリ5bに入力され、映像デコーダ装置6bによりデコードされて端末装置7bに画像データと音声データが再生出力されている。
【0044】
次に、図6(b)の光磁気ディスク装置MO1がドライブ部32のドライブ1に装着終了されたタイミングでは、図6(f)に示したように磁気ディスク装置から入力した管理情報I(1)’と、光磁気ディスク装置MO1から入力した管理情報I(1)との照合処理が実施される。なお、図6では、光磁気ディスク装置MO1がドライブ部32のドライブ1に装着終了されたタイミングとしているが、この照合処理は、光磁気ディスク装置MO1から管理情報I(1)が入力した後すぐに実施するようにしても良い。
【0045】
その後、図6(c)のデータH(1)の読み出し〜再生が終了すると、図6(d)に示したようにドライブ1から読み出された光磁気ディスク装置MO1のデータM(1b)の読み出し〜再生が実施される。
【0046】
一方、データM(1b)の読み出し中に、ドライブ2の方では、データM(6b)の再生が終了するので、制御装置10の制御により、光MSS3内のアーム制御部33により、ドライブ2から光磁気ディスク装置MO6が取り出されて、代わりに、MO保管庫31の棚T7に保管されていた光磁気ディスク装置MO7がドライブ2に装着される。
【0047】
上記光磁気ディスク装置MO7の装着と共に、図6(c)に示したように磁気ディスク装置2では、アドレスA7に格納されたデータH(7)が読み出されてバッファメモリ5bに入力され、映像デコーダ装置6bによりデコードされて端末装置7bに画像データと音声データが再生出力される。
【0048】
次に、図6(b)の光磁気ディスク装置MO7がドライブ部32のドライブ2に装着終了されたタイミングでは、図6(f)に示したように磁気ディスク装置から入力した管理情報I(7)’と、光磁気ディスク装置MO7から入力した管理情報I(7)との照合処理が実施される。
【0049】
その後、図6(c)のデータH(7)の読み出し〜再生が終了すると、図6(e)に示したようにドライブ2から読み出された光磁気ディスク装置MO7のデータM(7b)の読み出し〜再生が実施される。
【0050】
また、データM(7b)の読み出し中に、ドライブ1の方では、データM(1b)の再生が終了するので、制御装置10の制御により、光MSS3内のアーム制御部33により、ドライブ1から光磁気ディスク装置MO1が取り出されて、代わりに、MO保管庫31の棚T2に保管されていた光磁気ディスク装置MO2がドライブ1に装着される。
【0051】
上記光磁気ディスク装置MO2の装着と共に、図6(c)に示したように磁気ディスク装置2では、アドレスA2に格納されたデータH(2)が読み出されてバッファメモリ5aに入力され、映像デコーダ装置6aによりデコードされて端末装置7aに画像データと音声データが再生出力される。
【0052】
次に、図6(b)の光磁気ディスク装置MO2がドライブ部32のドライブ1に装着終了されたタイミングでは、図6(f)に示したように磁気ディスク装置から入力した管理情報I(2)’と、光磁気ディスク装置MO2から入力した管理情報I(2)との照合処理が実施される。
【0053】
その後、図6(c)のデータH(2)の読み出し〜再生が終了すると、図6(d)に示したようにドライブ1から読み出された光磁気ディスク装置MO2のデータM(2b)の読み出し〜再生が実施される。
【0054】
なお、図6(g)については、本実施の形態1では用いず、後述する実施の形態2にて用いることとする。
【0055】
図7は、図6に示した本実施の形態1における光磁気ディスク装置の交換処理と照合処理を各番組毎に実施される汎用の動作として示すフローチャートである。
【0056】
なお、図7には示していないが、固定式の記憶装置である磁気ディスク装置2には、複数の各記憶媒体に格納されているオーディオ・ビジュアル情報の各開始部分H(n)と共にオーディオ・ビジュアル情報に関する管理情報I(n)も予め複写されて格納されていることとする。
【0057】
番組のリクエスト又は制御装置10内のデータベース21の記憶内容に基づいて、制御部10は、光MSS3内のアーム制御部33を駆動させて光磁気ディスク装置MOnの交換を開始する(ステップS1)。それと共に、制御部10は、データベース21の記憶内容に基づいて、磁気ディスク装置2のアドレスAnに格納されていたデータH(n)を再生する(ステップS2)。
【0058】
データH(n)の再生中に光磁気ディスク装置MOnの交換が完了すると(ステップS3)、磁気ディスク装置のアドレスAnに格納されていた管理情報I(n)’と、光磁気ディスク装置MOnに格納されていた管理情報I(n)とが一致するか制御装置10の演算部12で照合される(ステップS4)。管理情報I(n)’と管理情報I(n)とが一致する場合(ステップS4:YES)には、光磁気ディスク装置MOnは使用者8のリクエストに従った正しい光磁気ディスク装置であると判断して、光磁気ディスク装置MOnからデータM(nb)を読み出して再生し、再生後に処理を終了する(ステップS5)。
【0059】
一方、管理情報I(n)’と管理情報I(n)とが一致しない場合(ステップS4:NO)には、光磁気ディスク装置MOnは使用者8のリクエストに従わない誤った光磁気ディスク装置、あるいは、磁気ディスク装置2のアドレスAnに格納されていたデータH(n)が誤ったデータであると判断して、光磁気ディスク装置MOnからのデータM(nb)の読み出しを中止してエラー処理を出力し、処理を終了する(ステップS6)。
【0060】
上記のように本実施の形態1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置および再生方法では、磁気ディスク装置に記憶された管理情報と光磁気ディスク装置に格納された管理情報との一致を照合できるので、使用者に指示(リクエスト)された番組と再生内容が異なる場合を検出することができる。そのため、再生内容がリクエストと異なる場合には、リクエストされたオーディオ・ビジュアル情報データの再生を途中で中止させることができ、使用者が意図していない番組を視聴させられることが少なくなる。
【0061】
実施の形態2.
上記した実施の形態1のオーディオ・ビジュアル情報再生装置および再生方法では、磁気ディスク装置2に格納された管理情報I(n)’と、各光磁気ディスク装置MOnに格納された管理情報I(n)とを照合することにより、磁気ディスク装置2に格納されたデータH(n)と、各光磁気ディスク装置MOnに格納されたデータM(nb)とが、連続する同じ番組のデータであることを確認していた。
【0062】
そのため、データM(nb)が誤って格納されたデータである場合には、その再生処理の最初から中止させることができるが、磁気ディスク装置2に格納されたデータH(n)が誤ったデータである場合には、アーム制御部33により光磁気ディスク装置MOnが光MSS3内のドライブ部32の何れかのドライブ装置に装着されるまでは、管理情報I(n)が読み出せなかった。
【0063】
例えば、磁気ディスク装置2に格納されたデータH(n)が誤って予め格納されたデータである場合には、データH(n)に対応する光磁気ディスク装置MOnが何れかのドライブ装置に装着されるまでの間は、データH(n)が再生されてしまうことになる。
【0064】
さらに具体的には、もし、再生される光磁気ディスク装置MOnに格納されたデータM(nb)が子供向け番組であり、データH(n)が上記したように子供向け番組とは何も関係の無い大人向け番組の性的シーンや暴力シーンである場合、光磁気ディスク装置MOnが何れかのドライブ装置に装着されるまでの間は好ましくないシーンが含まれるデータH(n)が再生されてしまうことになる。
【0065】
そこで、以下に説明する実施の形態2のオーディオ・ビジュアル情報再生装置および再生方法では、使用者にリクエストされた番組名と磁気ディスク装置2に格納された管理情報I(n)’とを照合することにより、磁気ディスク装置2に格納されたデータH(n)がリクエストされた番組名と一致することを確認することにより、データH(n)と後で再生される光磁気ディスク装置MOnに格納されたデータM(nb)とが、連続する同じ番組のデータであることを確認できるようにした。
【0066】
本実施の形態2が実施の形態1と主に相違する点としては、実施の形態1では、制御装置10の記憶部13内に記憶される光MSS用管理情報記憶部22内の管理情報I(n)と、磁気ディスク装置用管理情報記憶部23内に記憶される管理情報I(n)’とを用いて照合処理を行っていたが、本実施の形態2では、例えば、磁気ディスク装置用管理情報記憶部23内に記憶される管理情報I(n)’内の番組名と、データベース21内の番組名とを用いて照合処理を実施する点である。
【0067】
上記した本実施の形態2の照合処理のタイミングを示すのが、図6(g)のタイミングである。
【0068】
図6(g)に示したように、本実施の形態2によれば、例えば、番組ABCのリクエストを受け付けるとほぼ同時にリクエストされた番組名と磁気ディスク装置用管理情報記憶部23内に記憶される管理情報I(n)’とを用いて照合処理を行う。
【0069】
図8は、図6に示した本実施の形態2における光磁気ディスク装置の交換処理と照合処理を各番組毎に実施される汎用の動作として示すフローチャートである。
【0070】
なお、図8には示していないが、固定式の記憶装置である磁気ディスク装置2には、複数の各記憶媒体に格納されているオーディオ・ビジュアル情報の各開始部分H(n)と共にオーディオ・ビジュアル情報に関する管理情報I(n)も予め複写されて格納されていることとする。
【0071】
番組のリクエスト又は制御装置10内のデータベース21の記憶内容に基づいて、制御部10は、光MSS3内のアーム制御部33を駆動させて光磁気ディスク装置MOnの交換を開始する(ステップS11)。
【0072】
光磁気ディスク装置MOnの交換開始と共に、制御部10は、磁気ディスク装置のアドレスAnに格納されていた管理情報I(n)’中の番組名と、制御装置10のデータベース13に格納されている番組名とが一致するか制御装置10の演算部12で照合する(ステップS12)。
【0073】
管理情報I(n)’中の番組名とデータベース21中の番組名とが一致する場合(ステップS12:YES)には、磁気ディスク装置2のアドレスAnに格納されていたデータH(n)は使用者8のリクエストに従った正しいデータであると判断して、制御部10は、データベース21の記憶内容に基づいて、磁気ディスク装置2のアドレスAnに格納されていたデータH(n)を再生する(ステップS13)。データH(n)の再生中に光磁気ディスク装置MOnの交換が完了したら(ステップS14)、光磁気ディスク装置MOnからデータM(nb)を読み出して再生し、再生後に処理を終了する(ステップS15)。
【0074】
一方、管理情報I(n)’の番組名とデータベース21中の番組名とが一致しない場合(ステップS12:NO)には、データH(n)は使用者8のリクエストに従わない誤ったデータ、あるいは、データH(n)に続く棚Tnに収容された光磁気ディスク装置MOnからのデータM(nb)が誤ったデータと判断し、データH(n)の読み出しを中止してエラー処理を出力し、ディスク交換処理を完了(終了)させる(ステップS16)。
【0075】
上記のように本実施の形態2のオーディオ・ビジュアル情報再生装置および再生方法では、磁気ディスク装置に記憶された管理情報とリクエストに含まれる管理情報との一致を照合できるので、使用者に指示(リクエスト)された番組と再生内容が異なる場合を実施の形態1よりもすばやく検出することができる。そのため、再生内容がリクエストと異なる場合には、リクエストされたオーディオ・ビジュアル情報データの再生をほとんど行わせること無く中止させ、使用者が意図していない番組を視聴させられることがほとんどなくなる。
【0076】
なお、上記した各実施の形態においては、片面に記録する光磁気ディスクを交換するオーディオ・ビジュアル情報再生装置および再生方法の例について説明したが、本発明は必ずしもこれに限られることはなく、両面の光磁気ディスクの反転操作においても同様に実現可能である。また、記録媒体としても光磁気ディスクに限ったものでなく、DVD等の他の記録媒体でも同様に実現可能である。
【0077】
また、上記各実施の形態では、各光磁気ディスクの開始部分のオーディオ・ビジュアル情報について、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の磁気ディスク装置に複写して記憶する場合について説明したが、開始部分のオーディオ・ビジュアル情報を複写して記憶する記憶媒体としては磁気ディスク装置に限ったものではなく、半導体メモリ等の他の固定式の記憶媒体でも同様に実現可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 オーディオ・ビジュアル(AV)情報再生装置、 2 磁気ディスク装置、 3 光MSS、 4 電子スイッチ、 5、5a、5b、5n バッファメモリ、 6、6a、6b、6n 映像デコーダ装置、 7、7a、7b、7n 端末装置、 8、8a、8b、8n 使用者、 10 制御装置、 12 演算部、 13 記憶部、 21 データベース、 22 光MSS用管理情報記憶部、 23 磁気ディスク装置用管理情報記憶部、 31 MO格納庫、 32 ドライブ部、 33 アーム制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長時間のオーディオ・ビジュアル情報を予め複数の記憶媒体に分割して格納し、該記憶媒体を交換することにより前記オーディオ・ビジュアル情報を長時間再生する大容量記憶装置と、
前記複数の各記憶媒体に格納された前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分を予め複写して格納する固定式の記憶装置と、
前記固定式の記憶装置から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の開始部分に前記大容量記憶装置から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の残り部分を連続させることにより一連のオーディオ・ビジュアル情報として記憶するバッファメモリからなる一時記憶装置と、
前記オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含むデータベースを記憶する記憶部を有し、前記各装置の動作を制御することにより再生指示された前記長時間のオーディオ・ビジュアル情報信号を間断無く再生する制御装置と、
前記データデータベース内の少なくとも1個の番組名を入力することにより該番組の再生指示を発生させると共に、前記一連のオーディオ・ビジュアル情報を画像出力する入出力端末装置と
を備えるオーディオ・ビジュアル情報再生装置において、
前記固定式の記憶装置には、前記複数の各記憶媒体に格納されている前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分と共に該オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含む管理情報が予め複写して格納されており、
前記制御装置は、前記固定式の記憶装置から再生された前記オーディオ・ビジュアル情報の開始部分の管理情報の番組名と、前記データベース内の前記再生指示されたオーディオ・ビジュアル情報の番組名とを照合し、一致しない場合に前記一連のオーディオ・ビジュアル情報の再生を中止する
ことを特徴とするオーディオ・ビジュアル情報再生装置。
【請求項2】
長時間のオーディオ・ビジュアル情報を予め分割して複数の記憶媒体に該オーディオ・ビジュアル情報に関する番組情報と対応させて記憶させておくと共に、前記複数の各記憶媒体に格納されたオーディオ・ビジュアル情報の各開始部分を予め固定式の記憶装置に複写して格納しておき、
前記オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含むデータベースを記憶部に記憶しておき、
入出力端末装置により前記データデータベース内の少なくとも1個の番組名を入力することにより該番組の再生指示が発生された場合に、前記固定式の記憶装置から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分に、前記記憶媒体から再生される前記オーディオ・ビジュアル情報の残り部分を連続させることにより一連のオーディオ・ビジュアル情報として前記入出力端末装置にて長時間再生するオーディオ・ビジュアル情報再生方法において、
前記複数の各記憶媒体に格納されている前記オーディオ・ビジュアル情報の各開始部分と共に該オーディオ・ビジュアル情報の番組名を含む管理情報を、前記固定式の記憶装置に予め複写して格納しておくステップと、
前記固定式の記憶装置から再生された前記オーディオ・ビジュアル情報の開始部分の管理情報の番組名と、前記データベース内の前記再生指示されたオーディオ・ビジュアル情報の番組名とを照合するステップと、
一致しない場合には前記一連のオーディオ・ビジュアル情報の再生を中止するステップを有することを特徴とするオーディオ・ビジュアル情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−61783(P2010−61783A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197935(P2009−197935)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【分割の表示】特願2000−223740(P2000−223740)の分割
【原出願日】平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】