説明

オートバイブレーキ装置

【課題】
後輪ブレーキ回路或いは前輪ブレーキ回路が独立して制御されるか否かと無関係に、ポンプの始動の際に開始した圧力振動が手作動或いは足作動されたメインブレーキシリンダに戻りされ得るように、公知の種類のオートバイブレーキ装置を改良すること。
【解決手段】
この発明は、分離切換弁(19、20)を有しないブレーキ回路が手作動或いは足作動されたメインブレーキシリンダ(7或いは13)へのポンプ(9)により発生できる圧力の戻り作用を阻止する弁切替部(23、24)を備えている油圧オートバイブレーキ装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の上位概念に基づくオートバイブレーキ装置、即ち油圧作動可能な前輪及び後輪ブレーキ回路を備え、両ブレーキ回路を独立的に作動する二つのメインブレーキシリンダを備え、各ブレーキ回路にブレーキ圧を制御するように設けられた入出口弁を備え、逆送り原理に基づき作動する前輪並びに後輪ブレーキ回路に圧力供給するポンプを備え、ポンプ吸込み側に接続された低圧アキュムレータを備え、第一ブレーキ内の第一車輪ブレーキと第二ブレーキ内の第二車輪ブレーキを備え、並びに独立してブレーキ圧を発生するために両車輪ブレーキの一方にそのブレーキに付属したメインブレーキシリンダの作動と無関係にポンプの輸送圧を作用できるそれぞれのブレーキ回路内の分離切換弁を備えるオートバイブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第1277635号明細書(特許文献1)から、既にこの種のオートバイブレーキ装置が知られている。ブレーキ装置は油圧作動可能な前輪及び後輪ブレーキ回路を有し、この際に各個別のブレーキ回路は足作動或いは手作動されたメインブレーキシリンダに接続されている。ブレーキスリップ制御のために、前輪及び後輪ブレーキ回路に電磁式作動可能な入出力弁が使用され、両ブレーキ回路に圧力を発生させるポンプを備えている。後輪ブレーキ回路は、後輪ブレーキ回路のメインブレーキシリンダが作動される必要なしに、前輪ブレーキ回路の手作動の際に同時にポンプを介して後輪ブレーキにおける圧力発生を可能とする追加的配置を有する。
【0003】
前輪ブレーキ回路には第一圧力センサーが配置され、前輪ブレーキ回路の手作動を検出し、後輪ブレーキ回路内に独立したブレーキ圧を発生させるポンプを作動できる。
【0004】
前輪ブレーキ回路のメインブレーキシリンダの確実な認識に依存して、ポンプが電気的に作動でき、制御されたブレーキ圧が後輪ブレーキ内に発生される。
【0005】
けれども、ポンプの始動に伴って、手作動されたメインブレーキシリンダに戻し作用されて手動ブレーキレバーにて不快に感じる圧力振動が開始される問題が生じる。この圧力振動はポンプ吸込み弁の開放圧の著しい引き上げによって阻止され得なく、このことはいずれにしろ、ポンプ輸送効率に関する更なる欠点と接続された車輪ブレーキへの望ましからぬ作用を導いた。
【0006】
それに類似して、後輪ブレーキ回路に接続されたメインブレーキシリンダの作動の際に後輪ブレーキ回路に代わって今や前輪ブレーキ回路にて独立したブレーキ圧力発生がポンプの電気的始動によって可能であったときに、足踏みブレーキレバーにも圧力振動が不快に感じたことが紹介できる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1277635号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、本発明の課題は、後輪ブレーキ回路或いは前輪ブレーキ回路が独立して制御されるか否かと無関係に、ポンプの始動の際に開始した圧力振動が手作動或いは足作動されたメインブレーキシリンダに戻され得るように、公知の種類のオートバイブレーキ装置を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、前記種類のオートバイブレーキ装置に特許請求項1の特徴とする特徴事項を備えることにより、即ち分離切換弁を有しないそれぞれのブレーキ回路はポンプにより発生できる圧力の手作動或いは足作動されたメインブレーキシリンダへの戻り作用を阻止する弁切替部を備えていることにより、解決される。
【0009】
この発明の他の特徴と利点は、従属請求項及び図面に基づく実施例の次の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1はこの発明のオートバイブレーキ装置の油圧接続平面図を概略的表示で示す。このブレーキ装置は、前輪ブレーキ回路4に接続されて手動力によって比例的に作動可能なメインブレーキシリンダ7と後輪ブレーキ14における足力比例的作動可能なメインブレーキシリンダ13とを備える油圧作動可能な前輪及び後輪ブレーキ回路4、10から成る。
【0011】
ブレーキスリップ制御のために、前輪及び後輪ブレーキ回路4、10に電磁式作動可能な入出口弁6、12が組み込まれ、この際にそれぞれに基本状態で開放された入口弁6が前輪或いは後輪ブレーキ回路4、10のブレーキ導管に組み込まれ、そのブレーキ回路は付属メインブレーキシリンダ7、13を前輪或いは後輪ブレーキ5、14に接続する。基本状態で閉鎖された出口弁12がそれぞれに各ブレーキ回路の帰還導管15に組み込まれ、その帰還導管が前輪ブレーキ5或いは後輪ブレーキ14をそれぞれに一個の低圧アキュムレータ16と二回路に分割されたポンプ9の吸込み側と接続し、ポンプは逆送り原理に基づき作動する。このポンプ9は両ブレーキ回路に組み込まれた消音室17を介してブレーキ導管18と接続しているので、それぞれに前輪ブレーキ5或いは後輪ブレーキ14から吐出されたブレーキ液容積の需要に応じた帰還が保証されている。
【0012】
後輪ブレーキ回路10は前輪ブレーキ回路4の既に記載された特徴に加えてメインブレーキシリンダ13と入口弁6の間でブレーキ導管18に組み込まれた電磁式作動可能な分離弁19を有し、この分離弁はその基本状態で開放されている。さらに、分離弁19とメインブレーキシリンダ13との間で後輪ブレーキ回路10のブレーキ導管18には電気式切換弁20を介して案内する吸込み路21がポンプ9まで接続されて、それにより後輪ブレーキ回路10に有効なポンプ部材は切換弁20の電気的励起の際にメインブレーキシリンダ13から後輪ブレーキ14へ独立して圧力を上昇させる圧力媒体を吐出し、分離弁19がメインブレーキシリンダ13への帰還を回避するためにその電気的励起された遮断状態に維持される間に後輪ブレーキ14まで輸送される。
【0013】
前輪ブレーキ回路4に供給されたメインブレーキシリンダ圧力を検出するために、前輪ブレーキ回路4のブレーキ導管18における入口弁6の上流に第一圧力センサー1が存在する。後輪ブレーキ回路10内の後輪ブレーキ圧力を検出するために、第二圧力センサー2が後輪ブレーキ回路における入口弁6の上流に接続され、並びに第三圧力センサーが分離弁19に対して上流に接続され、それによりメインブレーキシリンダ13の作動も確実に知られ得る。
【0014】
入口弁6によって二回路ブレーキ装置にはブレーキ導管18に、発生されたブレーキ圧が限定される。後輪ブレーキ内のブレーキ圧低下は電磁式切換可能な出口弁12を介して両低圧アキュムレータ16の方向に生じる。このための詳細は次の記載部分の一部にてブレーキスリップを制御する機能記載を採用すべきである。
【0015】
前輪ブレーキ回路4内の第一圧力センサー1によって検出されたメインブレーキシリンダ圧力は後輪ブレーキ回路10内に組み込まれたポンプ9を電気的作動させる案内量を形成し、そのポンプは、最終的に前輪ブレーキ回路4に接続されたメインブレーキシリンダ7が作動されるときに、入出口弁6、12と共働して分離切換弁19、20に制御装置8内で行なわれた電子式ブレーキ力分配特性曲線に基づき後輪ブレーキ回路10内の電子油圧式ブレーキ圧発生を奏させる。
【0016】
圧力センサー信号を評価するために、電子式制御装置8内に論理回路が設けられ、制御装置では圧力センサー信号の評価結果に依存して、電気式作動可能なポンプ9によって油圧が後輪ブレーキ回路10内に発生される。
【0017】
制御装置8はブレーキユニット11の積分構成部材を形成し、その構成部材は特にブレーキユニット11に一体化された圧力センサーやそれに一体化された入出口弁6、12と電気的接触するように挿入されている。それによりブレーキユニット11は特にコンパクトな構成に基づき電池の付近でオートバイフレームに固定され得る。
【0018】
原理的適用:
1.前輪或いは後輪のブロック勾配は図示されていない車輪回転数センサーとその信号評価によって制御装置8内で確実に認識される。前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10に配置された入口弁6が制御装置8によって電磁式に閉鎖されて、前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10にそれ以上の圧力発生を中断させる。
【0019】
2.ブロック勾配を減少させるために、補足的に更なる圧力減少が前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10にて必要ならば、これは、それぞれに低圧アキュムレータ16と接続できる通常には流れなし閉鎖された出口弁12によって達成される。この出口弁12は車輪加速度が再び一定程度にわたり増加するとすぐに閉鎖される。圧力減少相では、適切な入口弁6が閉じられたままであるので、前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10に発生されたメインブレーキシリンダ圧力は前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10に伝播され得ない。
【0020】
3.検出されたスリップ値が再び前輪ブレーキ回路4或いは後輪ブレーキ回路10内の圧力上昇を許容するならば、入口弁6が制御装置8に一体化されたスリップ調整器の要件に一致して時間的に限定されて解放される。圧力上昇のために必要な油圧容積がポンプ9によって自由に使用される。
【0021】
ブレードスリップ調整の以外に油圧接続概念に基づいて後輪ブレーキ回路10に接続されたメインブレーキシリンダ13の(足力に比例する)作動では、専ら後輪ブレーキ14、即ち前輪ブレーキ回路4の力比例する圧力作用は前輪ブレーキ回路4に接続されたメインブレーキシリンダ7の(手動力に比例する)作動にまで圧力なしにいつまでもとどまる。
【0022】
紹介されたオートバイブレーキ装置の特性として、前輪ブレーキ回路の力比例する作動では、後輪ブレーキが適切なポンプ採用によって独立して一緒にブレーキされることが適用される。このために、ポンプ9は電気的に開放された切換弁20を介してメインブレーキシリンダ13から圧力媒体を取り出し、この圧力媒体を後輪ブレーキ14へ輸送する。この場合には、分離弁19が電気的に作動されて閉鎖状態にいつもとどまり、それによってポンプ圧力がメインブレーキシリンダ13に漏れないことが保証される。
【0023】
両ブレーキ回路においてポンプ9とそれと接続された同時圧力上昇の二回路に基づいて手作動されたメインブレーキシリンダ7を有するブレーキ回路へのポンプ圧力の戻り作用が望まれなく、それ故に、独立してそれと自由採用可能な圧力上昇の際に手作動されないブレーキ回路にて回避されなければならなく、それ故に、この発明によると、手作動されたメインブレーキシリンダへのポンプ圧力の戻り作用を回避する弁切替部が提案されている。
【0024】
基本的に図1−4に基づくすべての油圧接続平面に適用でき、それ故にこの発明は分離切換弁19、20を有するそれぞれのブレーキ回路がポンプ9により発生できる圧力の手或いは足作動されたメインブレーキシリンダ7或いは13への戻り作用を阻止する弁切替部23、24或いは23、25を備えていることを企図する。
【0025】
弁接続部は図1−4に基づく全実施例の基本的構成部材として導管路27に組み込まれるポンプ循環弁23を有し、この導管路はポンプ9の吸込み側と圧力側の間の迂回接続部を形成する。
【0026】
図1−4に基づくすべての実施例では、ポンプ循環弁23は基本状態で閉鎖された2/2路座弁として形成され、この路座弁は、ポンプ9の始動の際にポンプ循環弁23に対する上流に接続されたメインブレーキシリンダ7或いは13が手作動されて、独立した車輪ブレーキ圧力がポンプ9によって分離切換弁19、20を有するブレーキ回路に発生されるべきであるならば、電気的に解放され、そのために、分離弁19がその遮断状態を取り、切換弁20がその解放接続状態を取り、ポンプが切換弁20に接続されたメインブレーキシリンダ7或いは13からのブレーキ液の吸込みを可能とする。
【0027】
解放されたポンプ循環弁23によって、油圧短絡或いはポンプ吸込み側とポンプ圧力側の間の内部ポンプ循環が生じ、この場合には、図1、2における手或いは足作動されたメインブレーキシリンダ7、13へのポンプ圧力の戻り作用を回避するために、遮断可能な多方路弁24が、図3、4において選択的にばね付勢された逆止弁24がポンプ圧力導管への接続前にブレーキ導管18に配置されている。
【0028】
図1、2に基づく接続平面から、ポンプ圧力側に接続された導管路27の一端がポンプ9の出口と多方路弁24の間に接続されるのに対して、ポンプ吸込み側に導く導管路27の他端が低圧アキュムレータ16の出口に配置されている圧力保持弁28に対する上流に接続されていることが明らかになる。
【0029】
これに対して、図3、4に基づく接続平面から、ポンプ圧力側における導管路27の一端がポンプ9の出口と逆止弁25の間に接続されるのに対して、ポンプ吸込み側に導く導管路27の他端が図1、2におけるのと同様に、低圧アキュムレータ16の出口に配置されている圧力保持弁28に対する上流に接続されていることが明らかになる。
【0030】
逆止弁25の使用は、機能信頼性に関して制限を受ける必要なしに、多方路弁24に対して小さく且つ安価である利点を有する。逆止弁25は、およそ5バールの開放圧力の超過の際にすべての場合に開放するので、一方では、作動されたメインブレーキシリンダ13へのポンプ圧力の戻り作用が確実に阻止されるが、しかし他方では、許容されない高いシステム圧力が回避されるように設計されている。逆止弁25を有するブレーキ回路内のポンプ9によって積極的ブレーキスリップ調整が使用されないとすぐに、付属出口弁12が遮断状態にいつまでもとどまるので、ポンプ9が逆止弁25の比較的高い開放圧力を達成しないかもしれない。それ故に、オートバイブレーキ装置のブレーキスリップのない運転では、それぞれに作動されたメインブレーキシリンダ7或いは13へのポンプ圧力の戻り作用が簡単な方法で阻止される。
【0031】
図3には、逆止弁25はポンプ圧力弁とポンプ圧力導管に分岐された導管路27に対する上流に配置されている。図4によるポンプ9の適切な切換えの際には、ポンプ圧力弁は逆止弁25の機能を知覚するので、ポンプ循環弁23に設けられた導管路27が直接にポンプ9の本来のポンプ要素と逆止弁25の間にポンプ圧力空間の中に案内される。
【0032】
さらに、図1乃至3に基づく接続平面がそれぞれにポンプ9の吸込み側に排気弁26を有し、この排気弁26は電気的に開放された接続状態においてポンプ吸込み側をブレーキ導管18に接続されたメインブレーキシリンダ7或いは13と接続する。これによってポンプ吸込み側と圧力保持弁28の間の空気の貯蔵が確実に回避され得る。排気弁26は基本状態に閉鎖された2/2路座弁として形成され、この路座弁は換気過程後に写像された遮断状態を取る。
【0033】
今まで図2乃至4から明らかになるすべての別の詳細部が論じられていない限り、これは機能的に且つ構造的に図1に基づく説明された接続平面に一致し、この場合には、等しい要素用のすべての図は同じ参照符号を有する。図1とは異なって、図2乃至4に基づく接続平面には、前輪ブレーキ回路がそれぞれに後輪ブレーキ回路の手作動に依存して独立して制御でき、この際にそれぞれに後輪ブレーキ14並びに前輪ブレーキに生じるブレーキ圧を精密に検出するために、特に両ブレーキ回路のブレーキスリップ制御のために、後輪ブレーキ14並びに前輪ブレーキには圧力センサー2が配置されている。
【0034】
それ故に、要約して、後輪ブレーキ或いは前輪ブレーキが付属分離切換弁の共働作用のもとで電気油圧式にそれで独立して制御できるか否かに無関係に確認され得て、手或いは足作動されたメインブレーキシリンダにおけるこの発明による弁配列によって、そのメインブレーキシリンダに接続されたブレーキ回路が同様に独立して制御できなく、二回路ポンプ9が運転中に独立したブレーキ回路内の圧力上昇をさせるならば、ポンプ圧力の戻り作用が感じない。
【0035】
ポンプ9は提案された発明的特徴に基づいてその上に段付ピストンポンプとして形成され得て、この際に公知のように、排気弁26が閉鎖されて、接続された低圧アキュムレータ16が空であるならば、段付ピストンポンプが容積を搬送できる。このための原因は、ポンプ9の吸込み弁29と通常に閉鎖された排気弁26の間の段付ピストンにより発生された負圧であり、それはブレーキ液の放出を導き得る。吹出し容積はそのような場合に吸込み弁29を介してポンプ9の圧縮室に到達し、独立したブレーキ回路内の圧力上昇の際に手作動されたブレーキ回路には手或いは足作動されたメインブレーキシリンダ7或いは13の方向に代わって、今やこの発明による弁配列によってポンプ循環内の短絡流として搬送され、この際に導管路27に接続された低圧アキュムレータ16が好ましくはポンプ9により発生された圧力インパルスを緩衝するのに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第一実施態様のオートバイブレーキ装置用の油圧接続平面を示し、前輪ブレーキ回路が後輪ブレーキの独立した運転の際に手動ブレーキレバーへのポンプの戻り作用を阻止する弁配列を備えている。
【図2】第二実施態様のオートバイブレーキ装置用の油圧接続平面を示し、前輪ブレーキ回路が前輪ブレーキ回路の独立した運転の際に足ブレーキレバーへのポンプの戻り作用を阻止する弁配列を備えている。
【図3】前輪ブレーキ回路の独立した作動の際に後輪ブレーキ回路内で足ブレーキレバーへのポンプの戻り作用を阻止する簡略化した弁接続部を備える図2に基づく油圧接続平面を示す。
【図4】足ブレーキレバーへのポンプの戻り作用を阻止する再度簡略化した弁接続部を備える図3に基づく油圧接続平面を示す。
【符号の説明】
【0037】
1.....圧力センサー
2.....圧力センサー
3.....圧力センサー
4.....前輪ブレーキ回路
5.....前輪ブレーキ
6.....入口弁
7.....メインブレーキシリンダ
8.....制御装置
9.....ポンプ
10....後輪ブレーキ回路
11....ブレーキユニット
12....出口弁
13....メインブレーキシリンダ
14....後輪ブレーキ
15....循環導管
16....低圧アキュムレータ
17....消音室
18....ブレーキ導管
19....分離弁
20....切換弁
21....吸込み側
22....補償容器
23....ポンプ循環弁
24....多方路弁
25....逆止弁
26....排気弁
27....導管路
28....圧力保持弁
29....吸込み弁
30....圧力センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧作動可能な前輪及び後輪ブレーキ回路を備え、両ブレーキ回路を独立的に作動する二つのメインブレーキシリンダを備え、各ブレーキ回路にブレーキ圧を制御するように設けられた入出口弁を備え、逆送り原理に基づき作動する前輪並びに後輪ブレーキ回路に圧力を供給するポンプを備え、ポンプ吸込み側に接続された低圧アキュムレータを備え、第一ブレーキ内の第一車輪ブレーキと第二ブレーキ内の第二車輪ブレーキを備え、並びに独立してブレーキ圧を発生するために両車輪ブレーキの一方にそのブレーキに付属したメインブレーキシリンダの作動と無関係にポンプの輸送圧を作用できるそれぞれのブレーキ回路内の分離切換弁を備えるオートバイブレーキ装置において、分離切換弁(19、20)を有しないそれぞれのブレーキ回路はポンプ(9)により発生できる圧力の手作動或いは足作動されたメインブレーキシリンダ(7或いは13)への戻り作用を阻止する弁切替部(23、24;23、25)を備えていることを特徴とするオートバイブレーキ装置。
【請求項2】
弁接続部はポンプ(9)の吸込み側と圧力側の間の迂回結合部をつくる導管路(27)に挿入されているポンプ循環弁(23)から形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項3】
導管路(27)はポンプ(9)の出口とばね付勢された逆止弁(25)の間のポンプ(9)の圧力側に接続されており、逆止弁は定義された開放圧の惹起の際にポンプ輸送流の方向に油圧的に弁座から持ち上げできることを特徴とする請求項2に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項4】
ポンプ循環弁(23)は基本状態で閉鎖された2/2路座弁として形成され、ポンプ(9)の始動の際に分離切換弁(19、20)を有するブレーキ回路に接続されていないそれぞれのメインブレーキシリンダ(7或いは13)が手作動されるときに、2/2路座弁が電気的に開放されていることを特徴とする請求項1に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項5】
導管路(27)はポンプ(9)の出口と多方路弁(24)の間のポンプ圧力側に接続され、この多方路弁(24)がポンプ輸送流の方向に電気的に弁座から持ち上げできることを特徴とする請求項2に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項6】
ポンプ循環弁(23)を介してポンプ圧力側に接続できるポンプ(9)の吸込み側には、追加的に排気弁(26)が接続されており、この排気弁はその開放接続状態においてポンプ吸込み側をブレーキ導管(18)に接続されたメインブレーキシリンダ(7或いは13)と接続していることを特徴とする請求項2に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項7】
排気弁(26)は基本状態においてばね力により閉鎖された2/2路座弁として形成され、その2/2路座弁が電気的に作動できることを特徴とする請求項6に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項8】
ポンプ吸込み側における導管路(27)は圧力保持弁(28)に対して上流で低圧アキュムレータ(16)の入口に接続されており、その低圧アキュムレータ出口は圧力保持弁(28)を有することを特徴とする請求項2に記載のオートバイブレーキ装置。
【請求項9】
ポンプ(9)の始動の際に分離切換弁(19、20)を有するブレーキ回路に接続されていないそれぞれのメインブレーキシリンダ(7或いは13)が手作動されるときに、ポンプ循環弁(23)がその電気的開放接続状態を取り、多方路弁(24)がその電気的閉鎖接続状態を取ることを特徴とする前記請求項1乃至8のいずれか一項に記載のオートバイブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−238084(P2007−238084A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53724(P2007−53724)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】