説明

カルビノール官能性シリコーン樹脂

本発明はカルビノール官能性シリコーン樹脂とカルビノール官能性シリコーン樹脂の製造方法に関する。本発明はカルビノール官能性シリコーン樹脂を含むエマルジョン組成物にも関する。該カルビノール官能性シリコーン樹脂は、所定の有機物質とこれらのシリコーン樹脂とを配合することおよび反応することによって、強く、耐水性、耐溶媒性、傷つきにくさ、および耐熱性のある物質にするために使われ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカルビノール官能性シリコーン樹脂およびカルビノール官能性シリコーン樹脂の製造方法に関する。該カルビノール官能性シリコーン樹脂は、所定の有機物質とこれらのシリコーン樹脂とを配合させて反応させることによって、強く、耐水性、耐溶媒性、傷つきにくさ、および耐熱性のある物質にするために使われ得る。カルビノール官能性シリコーン樹脂の製造方法は当技術分野で説明されている。例えば、米国特許第5,290,901号明細書では、カルビノール官能性有機シロキサンの調製方法とカルビノール官能性有機シロキサン樹脂とが開示されている。該方法は、サイクリックシリルエーテルと、有機シロキサンまたは有機シロキサン樹脂とを、約25℃〜150℃の範囲内の温度で接触することを含む。該方法は、反応物質の溶解と接触を促進するために、不活性有機溶媒存在下で処理をされてもよい。該’901号特許では、式
【0002】
【化1】

【0003】
で記載されているカルビノール官能性有機シロキサン樹脂の調製方法も開示されており、該方法は、式
【0004】
【化2】

【0005】
で記載されているサイクリックシリルエーテルと、式
【0006】
【化3】

【0007】
で記載される有機シロキサン樹脂とを約25℃〜150℃の範囲内の温度で接触することを含み、各Rは、独立して、1〜20個の炭素原子を含むアルキル類、3〜20個の炭素原子を含むシクロアルキル類、2〜20個の炭素原子を含むアルケニル類、アラルキル類、およびアリール類から成る群から選択され;各Rは独立して、水素、R、および1〜20個の炭素原子を含む置換されたハイドロカルビル類から成る群から選択され;b=3,4,または5であり;w,x,y,zはモルパーセントの値で、w<100,w+x>0,およびw+x+y+z=100であり;該有機シロキサン樹脂は、0重量パーセントより大きく約30重量パーセントまでのシラノールを含み、そして該aの値はカルビノール官能性シリルで置換されたシラノールのパーセントで表し、a>0である。
【背景技術】
【0008】
米国特許第5,814,679号明細書では、カルビノール官能基化シリコーン類が開示されており、それはエポキシ官能基化シリコーンと共−光硬化すること(co−photo−curing)によってエポキシシリコーン光硬化性剥離組成物の剥離力を低くする。’679号特許では、カルビノール官能基を含有する長鎖シリコーン化合物と硬化可能なシリコーン組成物がエポキシ官能性光硬化可能なシリコーンと共重合もしくは共硬化して、その結果優れた剥離光硬化性シリコーン組成物を形成することが開示されている。
【0009】
米国特許第6,297,331号明細書では、ケイ素に炭素を介して結合しているエチルヒドロキシアルキルエーテルを伴う有機シロキサニル誘導体類、およびそれらの調製、塗料原材料としての利用、ならびにシリコーンポリエーテル類、シリコーンポリエステル類、シリコーンポリウレタン類、シリコーンアクリレート類、およびシリコーンイソシアネート類の調製のための中間体としてのそれらの使用が開示されている
該化合物は一般式:
【0010】
【化4】

【0011】
である。(式中、Rは同一もしくは異なる脂肪族、または芳香族炭化水素基、RはCHCHO(CROH、R=RまたはR、a=1〜50およびb=0〜500)
【0012】
米国特許第5,939,491号明細書には、さまざまな反応性官能基を含有し得る有機ポリシロキサンと、ポリシロキサンの官能基と反応性である官能基を含有する硬化剤とを含む硬化性組成物が開示されている。このような硬化性組成物は、特に、室温条件と、ポットライフの増大やタックタイム、接着性、表面摩擦抵抗性及び酸エッチング(酸食)抵抗性の改善などの優れた性質をもたらす熱硬化条件との双方で硬化可能なコーティング組成物に有用である。
【0013】
該硬化性組成物は反応性官能基を含む有機ポリシロキサンを含み、一般的な構造:
【0014】
【化5】

【化6】

【0015】
(式中、mは少なくとも1であり;m’は0〜50であり;nは0〜50であり;Rは、ケイ素原子に結合した、OH及び一価の炭化水素基からなる群より選択され;Rは、以下の構造:R−O−X(式中、Rは、アルキレン、オキシアルキレン又はアルキレンアリールであり;Xは、OH、COOH、NCO、エステル、炭酸塩及び無水物などのカルボキシレート、第一級アミン、第二級アミン、アミド、カルバメート及びエポキシ官能基からなる群より選択される官能基を含有する部分である));そして有機ポリシロキサンの官能基と反応性である官能基を含有する構成成分とを有する。好ましくは、硬化性組成物は、(a)反応性官能基を含有し、式(II)又は(III)(式中、m、m’、n、R、Ra及びXは上記のとおりである)を有する前記ポリシロキサン;(b)反応性官能基を含有するポリマー又はオリゴマー;及び(c)(a)及び(b)の官能基と反応性である官能基を含有する硬化剤を含む。好ましい一つの実施の形態では、n+m及びn+m’は、2又は3である。
【0016】
米国特許第6,593,417号明細書では、
(a)少なくとも1つの反応性官能基を含むポリシロキサンで、該ポリシロキサンが少なくとも1つの以下の構造上の構成単位(I)
【0017】
【化7】

【0018】
(式中、各Rは、同一または異なってもよく、H、OH、または一価の炭化水素基を表す;各Rは同一または異なってもよく、少なくとも1つの反応性官能基を含む基で表され、該ポリシロキサンが部分的にシラノールの縮合物である場合に、そのときは部分縮合物の70重量%未満がCHSi(OH)の部分的縮合物である)を含むポリシロキサン;および(b)組成物中に混ぜられる前に100ナノメーターより小さい平均粒子サイズを有する多数の粒子で、式中、各構成成分は異なっており、少なくとも1つのポリシロキサンの少なくとも1つの反応性官能基が、該粒子と十分に反応しない;
:を含む、構成成分から形成される組成物が開示されている。
【0019】
米国特許第6,610,777号明細書には、(a)少なくとも1個の反応性官能基を含有する少なくとも1つのポリシロキサンであって、以下の構造単位(I):
【0020】
【化8】

【0021】
(式中、各Rは、同一であっても異なっていてもよく、H、OH、一価の炭化水素基又は一価のシロキサン基を表し、各Rは、同一であっても異なっていてもよく、少なくとも1個の反応性官能基を含む基を表し、m及びnは、0<n<4、0<m<4及び2<(m+n)<の要件を満たす)の少なくとも1種類を含む少なくとも1つのポリシロキサン;(b)100〜200の範囲のヒドロキシル価を有する少なくとも1つのポリオール;及び(c)少なくとも1つのポリシロキサン(a)の少なくとも1個の反応性官能基及び少なくとも1つのポリオール(b)の少なくとも1個の官能基から選択される少なくとも1個の官能基と反応性である少なくとも1個の官能基を含む少なくとも1つの反応体:を含む構成成分から形成されるコーティング組成物が開示され、各構成成分は異なっていてもよく、このコーティング組成物から形成されるコーティングは、硬化させると、70°の温度における可撓性試験法(Flexibility Test Method)による少なくとも6の可撓性ランクを有する。
【0022】
米国特許第5,916,992号明細書では、新規のポリシロキサンポリオール類とかかるポリシロキサンポリオール類の調製方法が開示されている。該ポリシロキサンポリオールは、一般式:
【0023】
【化9】

【化10】

【0024】
を有し、nが0〜50であり;mが少なくとも1つであり;m’が0〜50であり;Rが
OHおよびケイ素原子に結合する一価の炭化水素基から成る群から選択され;Rがアルキレン、オキシアルキレンまたはアルキレンアリールであり;そしてXがH、一価の水酸基置換されたアルキレンまたはオキシアルキレンであり、またはR−(CH−OH)であり(式中、pが2または3である)、そしてpが2で、RがC〜Cのアルキルである場合、Rが、
【0025】
【化11】

【0026】
であり、またはpが3である場合、Rが、
【0027】
【化12】

【0028】
であり、そして式中少なくともXの一部分がR−(CH−OH)である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、
構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RとRは、各々独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、そして樹脂1分子あたり平均して少なくとも1つのカルビノール基があるものとする)
を含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂に関する。
【0030】
本発明の他の実施態様は、
構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、Rは、独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも6個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、そしてa+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、そしてカルビノール官能性シリコーン樹脂内のR+R+R基の25重量パーセントより多くがフェニルであるものとする)
を含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂に関する。
【0031】
本発明の目的のため、「カルビノール基」は、少なくとも1つの炭素結合ヒドロキシル(COH)基を含有する任意の基と定義される。したがって、カルビノール基は、例えば
【0032】
【化13】

などの1個より多いCOH基を含有している。
【0033】
構成成分(B)であるカルビノール官能性シリコーン樹脂のR及びRのアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びオクチルが例示され、該アルキル基は、典型的にはメチルである。R及びRのアリール基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、トルイル、キシリル、キセニル、メチルフェニル、2−フェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、クロロフェニル、ブロモフェニル及びフルオロフェニルが例示され、アリール基は、典型的にはフェニルである。
【0034】
少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基としては、式ROH(式中、Rは、少なくとも3個の炭素原子を有する二価の炭化水素基又は少なくとも3個の炭素原子を有する二価のヒドロカルボノキシ基)を有する基が例示される。R基としては、−(CH−(式中、xは3〜10の値を有する)、−CHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCH(CHCH)CHCHCH−及び−OCH(CH)(CH−(式中、xは1〜10の値を有する)から選択されるアルキレン基が例示される。また、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基としては、式R(OH)CHOHを有する基が例示され、Rは、式−CHCH(CHOCHCH−(式中、xは1〜10の値を有する)を有する基である。
【0035】
少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基としては、式ROH(式中、Rは、−(CH−(式中、xは0〜10の値を有する)、−CHCH(CH)(CH−(式中、xは0〜10の値を有する)及び−(CH(CH−(式中、xは1〜10の値を有する)から選択されるアリーレン基である)を有する基が例示される。アリール含有カルビノール基は、典型的には6〜14個の原子を有する。
【0036】
カルビノール官能性シリコーン樹脂において、aは、典型的には0.1〜0.6、あるいは0.2〜0.4の値を有し、bは、典型的には0〜0.4、あるいは0〜0.1の値を有し、cは、典型的には0.3〜0.8、あるいは0.4〜0.8の値を有し、dは、典型的には0〜0.3、あるいはゼロの値を有する。各Rがメチルのとき、bの値は0.3未満、あるいは0.1未満である。
【0037】
カルビノール官能性シリコーン樹脂は、樹脂1分子あたり、平均で少なくとも1個のカルビノール基を有する。典型的には、カルビノール官能性シリコーン樹脂上のカルビノール基の当量は、100〜1000、あるいは200〜800である。
【0038】
典型的には、カルビノール官能性シリコーン樹脂のR又はRはカルビノール基を含有し、このようなR又はRの各々に1個だけのカルビノール基が存在する。
【0039】
前記カルビノール官能性シリコーン樹脂は、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−CHCH(CH)CHOH
((H)(CHSiO1/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
および
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
(式中aは典型的に0.1〜0.6の値を有し、bは典型的に0〜0.4の値を有し、そしてcは典型的に0.3〜0.8の値を有する)によって例示される。
【0040】
カルビノール官能性シリコーン樹脂は、所定の有機物質とこれらのシリコーン樹脂とを配合させ、反応させることにより強く、水、溶媒、そして熱に抵抗性の物質にするために使われ得る。必要に応じて、カルビノール官能性シリコーン樹脂内の前記R+R+R基は十分高いフェニル含有量を含有し、他の構成成分と適当な相溶性を提供しうる。典型的にR+R+R基の10重量パーセントより多くがフェニルであり、さらに典型的にはR+R+R基の25重量パーセントより多くがフェニルである。
【0041】
本発明はさらに、
(A’)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RとRは、各々独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、または水素原子であり、R,a,b,c,およびdは上記に定義したとおりであり、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値は0.3未満であり、少なくとも2つのケイ素結合水素原子がシリコーン樹脂内に存在する)を含む、少なくとも1つの水素官能性シリコーン樹脂;および(B’)少なくとも1つのビニル末端アルコールを;(C’)ヒドロシリル化触媒;ならびに任意の(D’)少なくとも1つの溶媒の存在下で反応させることを含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂の調製方法にも関する。
【0042】
本発明の他の実施態様は、
(A’)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RとRは、各々独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、または水素原子であり、R,a,b,c,およびdは上記に定義したとおりであり、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満の値であり、少なくとも2つのケイ素結合水素原子が該シリコーン樹脂内に存在し、そしてR+R+R基の30wt%より多くがフェニルであるものとする)を含む、少なくとも1つの水素官能性シリコーン樹脂;および(B’)少なくとも1つのビニル末端アルコールを;(C’)ヒドロシリル化触媒;ならびに任意の(D’)少なくとも1つの溶媒の存在下で反応させることを含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂の調製方法に関する。
【0043】
前記アルキル基とアリール基は上記に例示したとおりである。典型的には、前記アルキル基はメチルであり、アリール基はフェニルである。構成成分(A’)内で、aが典型的に0.1〜0.6、あるいは0.2〜0.4の値を有し、bが典型的に0〜0.4、あるいは0〜0.1の値を有し、cが典型的に0.3〜0.8、あるいは0.4〜0.8の値を有し、dが典型的に0〜0.3、あるいは0の値を有する。各Rがメチルの場合bの値が0.3未満、あるいは0.1未満である。典型的には、R基の70重量パーセント未満がメチルである。
【0044】
ここで使われている「反応」は、構成成分(A’)〜(C’)および任意の構成成分を室温(20℃〜25℃)で混合すること、もしくは構成成分(A’)〜(C’)を室温以上の温度、例えば200℃くらいまでの温度に加熱することを意味する。しかしながら、構成成分(A’)〜(C’)および任意構成成分が加熱される場合は、70℃〜110℃の温度で加熱されることが好ましい。
【0045】
前記水素官能性シリコーン樹脂の(A’)は、
構成単位:
((CHSiO1/2
((H)CHSiO2/2
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((H)(CHSiO1/2
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
構成成分:
((H)(CHSiO1/2
(CHSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
構成成分:
((H)(CHSiO1/2
(CHSiO3/2 および
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、および
構成成分:
((CHSiO1/2
((H)(CHSiO1/2
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
(式中、aが典型的に樹脂の0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に樹脂の0〜0.4の値を有し、cが典型的に樹脂の0.3〜0.8の値を有する)
によって例示される。
【0046】
水素官能性シリコーン樹脂の構成成分(A’)の量は、典型的に25〜95重量パーセントであり、前記重量パーセントは構成成分(A’)+(B’)+(C’)+(D’)の総重量に基づいたものである。
【0047】
構成成分(B’)、末端不飽和アルコールは、式CH=CH(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するビニル末端アルコール類、式CH=CHCH(CH)(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するアリル末端アルコール類、式CH=C(CH)(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するメチルアリル末端アルコール類、式CH=CH(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するビニル末端アルコール類、式CH=CHCH(CH)(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するアリル末端アルコール類、および式CH=C(CH)(CHOH(式中、xは1〜10の値を有する)を有するメチルアリル末端アルコール類、によって例示される。上記のいくつかの典型的な末端不飽和アルコールとしては、CH=CHCHOH、CH=CHCHOH、CH=C(CH)CHOH、およびCH=CHCH(CH)(CH)OHが挙げられる。
【0048】
末端不飽和アルコールである構成成分(B’)の量は、5〜60重量パーセントであり得るが、しかし典型的には5〜40重量パーセントであり、前記の重量パーセントは構成成分(A’)+(B’)+(C’)+(D’)の総重量に基づくものである。
【0049】
構成成分(C’)である前記ヒドロシリル化触媒は、構成成分(A’)のケイ素結合水素原子と構成成分(B)のビニル基との反応を促進する任意の金属含有触媒が例示される。該金属類はルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、またはプラチナである。
【0050】
前記金属含有触媒は典型的にはプラチナ含有触媒であるのは、それらが最も広く使われて、入手可能であり、改善された反応速度により好ましい効果を本発明の組成物に与えるからである。プラチナ含有触媒は、化合物又はプラチナ金属錯体であり得る。
【0051】
本発明の組成物の典型的な1つのタイプのプラチナ含有触媒は、有機ケイ素系で分散容易性のため、塩化白金酸がジビニルテトラメチルジシロキサンのような脂肪化不飽和有機ケイ素化合物と反応して得られる組成物である。
【0052】
好ましくは、構成成分(C’)は、塩化白金酸、アルコール改質塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体、炭素キャリアに吸収された高純度の白金粒子、Pt(Al)のような金属オキシドのキャリア上に支持された白金、白金黒、プラチナアセチルアセトネート、白金(ジビニルテトラメチルジシロキサン)、PtCl、PtCl、Pt(CN)によって例示されるハロゲン化白金、エチレン、プロピレン、および有機ビニルシロキサンで例示される不飽和化合物とハロゲン化白金との錯体、スチレンヘキサジメチルジプラチナム、およびRhCl(BuS)から選択される。
【0053】
使用されるヒドロシリル化触媒の量は、室温または室温以上の温度で構成成分(A’)および(B’)間の反応を促進するための十分な量がある限り厳密に制限されない。本触媒の正確な必要量は、個々の触媒の使用に依っており、容易には予測できない。しかしながら、プラチナ含有触媒に関し、その量は、構成成分(A’)+(B’)100万重量部ごとに白金1重量部とできる限り低くできる。該触媒は、構成成分(A’)+(B’)100万部あたり10〜120重量部の量が加えられ得るが、典型的には構成成分(A’)+(B’)100万部あたり10〜60重量部の量が加えられる。
【0054】
構成成分(D’)の溶液は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、またはn−プロパノールのようなアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、またはメチルイソブチルケトンのようなケトン;ベンゼン、トルエン、またはキシレンのような芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、またはオクタンのような脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、またはエチレングリコールn−ブチルエーテルのようなグリコールエーテル、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタンまたはメチレンクロライド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素、ジメチルスルホン酸、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、揮発油、軽油、またはナフサであり得る。
【0055】
構成成分(D’)の溶媒の量は50重量パーセントまでであり得るが、典型的には20〜50重量パーセントであり、前記の重量パーセントは構成成分(A’)+(B’)+(C’)+(D’)の総重量に基づくものである。
【0056】
本発明は、
(A)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RとRは、各々独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、樹脂1分子あたり平均して少なくとも1つのカルビノール基があるものとする)
を含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂;
(B)少なくとも1つの界面活性剤;および
(C)水、
を含む、エマルジョン組成物にも関する。
【0057】
構成成分(A)の該カルビノール官能性シリコーン樹脂は、その典型的な実施態様を包含する上述のものである。前記エマルジョン組成物の構成成分(A)の量は、典型的に25〜75重量パーセントであり、前記重量パーセントはエマルジョン組成物の総重量に基づくものである。
【0058】
構成成分(B)は少なくとも1つの界面活性剤である。該界面活性剤は陰イオン、陽イオン、非イオン、または両性の界面活性剤であってもよい。該界面活性剤類は単独でまたは2以上の組み合わせで用いられてもよい。適切な陰イオン界面活性剤類の例として、アルカリ金属スルホリシネート、ココナツオイル酸のスルホン酸化モノグリセリド類のような脂肪酸のスルホン酸化グリセリルエステル、オレイルイセシアネートナトリウムのようなスルホン酸化一価アルコールエステル類の塩、オレイルメチルタウライドのナトリウム塩のようなアミノスルホン酸のアミド類、パルミトニトリルスルホン酸のような脂肪酸ニトリル類のスルホン化生成物、アルファナフタレンモノスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸化芳香族炭化水素類、ホルムアルデヒドとナフタレンスルホン酸の縮合生成物、オクタヒドロアントラセンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムのようなアルカリ金属アルキル硫酸塩類、ラウリル硫酸アンモニウムまたはトリエタノールアミンラウリル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアリールエーテル硫酸ナトリウム、およびアルキルアリールエーテル硫酸アンモニウムのような8個以上の炭素原子のアルキル基を有するエーテル硫酸塩類、8個以上の炭素原子のアルキル基を1以上有するアルキルアリールスルホン酸類、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、およびミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩によって例示されるアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩類、CH(CHCHO(CO)SOH、CH(CHCHO(CO)3.5SOH、CH(CHCHO(CO)SOH、CH(CH19CHO(CO)SOH、およびCH(CH10CHO(CO)SOHを包含するポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル類、アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩類、カルシウム塩類、およびアミン塩類が挙げられる。
【0059】
陽イオン界面活性剤類の例として、多種の脂肪酸アミン類およびアミド類およびそれらの誘導体類、並びに脂肪酸のアミン類およびアミド類の塩類が挙げられる。脂肪酸アミン類の例として、ドデシルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテート、およびタロウ脂肪酸のアミンのアセテート類、ドデシルアナリン(dodecylanalin)のような脂肪酸を有する芳香族アミンの相同物(homologues)類、ウンデシルイミダゾリンのような脂肪族ジアミン類由来の脂肪アミド類、オレイルアミノジエチルアミンのような二置換アミン由来の脂肪アミド類、エチレンジアミン誘導体類、タロウトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジヘキサデシルアンモニウムクロライドによって例示される第四級アンモニウム化合物類とそれらの塩類、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、またはヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドのようなアルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド類、オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドのようなジアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシド類、タロウトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ココナツオイル、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロライド、およびジパルミチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、ベータ−ヒドロキシルエチルステアリルアミドのようなアミノアルコールのアミド誘導体類、および長鎖脂肪酸のアミン塩類が挙げられる。
【0060】
非イオン性界面活性剤類の例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノレート類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシ化トリメチルノナノール類、およびポリオキシアルキレングリコール改質ポリシロキサン界面活性剤類が挙げられる。
【0061】
使用可能な両性界面活性剤類の例として、アミノ酸界面活性剤類およびベタイン酸界面活性剤類が挙げられる。
【0062】
典型的な市販の界面活性剤は、例えば、2,6,8−トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6EO)(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)によってTergitol(登録商標)TMN−6として販売されている)、2,6,8−トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(10EO)(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)によってTergitol(登録商標)TMN−10として販売されている)、アルキレン−オキシポリエチレンオキシエタノール(C11−15 第二級アルキル、9EO)(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)によってTergitol(登録商標)15−S−9として販売されている)、アルキレン−オキシポリエチレンオキシエタノール(C11−15 第二級アルキル、15EO)(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)によってTergitol(登録商標)15−S−15として販売されている)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40EO)のような可変量のエチレンオキシドの構成単位を有するオクチルフェノキシポリエトキシエタノール類(ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム&ハースカンパニー(Rohm and Haas Company)によってTriton(登録商標)X405として販売されている)、一般的な商品名Trycolとしてサウスカロライナ州モールディンのエメリーインダストリー(Emery Industries)から入手可能な非イオンエトキシ化トリデシルエーテル類、一般的な商品名Aerosolとしてニュージャージー州ウェイン(Wayne)のアメリカンシアナミドカンパニー(American Cyanamid Company)から入手可能なジアルキルスルホコハク酸塩のアルカリ金属塩類、
Ethoquad,Ethomeen,またはArquadの商品名でイリノイ州シカゴのアーマックカンパニー(Armak Company)から入手可能な、ポリエトキシ化第四級アンモニウム塩類およびエチレンオキシド縮合生成物の第一級脂肪族アミン類、およびポリオキシアルキレングリコール改質ポリシロキサン類、などを11〜15個まで有する線状アルキル基を含有する、トリメチルノニルポリエチレングリコールエーテル類およびポリエチレングリコールエーテルアルコール類が挙げられる。これらの好適な界面活性剤類は、異なった商品名で他の供給業者から得てもよい。
【0063】
本発明の有用な界面活性剤として、シリコーン由来の界面活性剤、ソルビタン誘導体類、および脂肪族アルコール誘導体類も挙げられる。限定されるものではないが、より具体的に適切な界面活性剤は、セスキオレイン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン;ラウレス−4、ラウレス−7、デセス−12、ステアレス−10を包含するエトキシ化脂肪族アルコールのようなアルコキシ化アルコール類;ジメチコンコポリオールのような重合シリコーンのヒドロキシ化誘導体類;セチルジメチコンコポリオールのようなヒドロキシル化重合シリコーンのアルキル化誘導体類;ポリグリセリル−4−イソステアリン酸のようなグリセリルエステル類;およびそれらの混合物、特に重合シリコーンのヒドロキシ化誘導体類、ヒドロキシ化重合シリコーンのアルキル化誘導体とグリセリルエステル類との混合物であり、最も特別にはジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオールおよびポリグリセリル−4−イソステアリン酸の混合物が挙げられる。最も好ましいのは、そのような界面活性剤類、すなわちジメチコンコポリオール、セスキオレイン酸ソルビタンおよびラウレス−7、の混合物である。
【0064】
前記エマルジョン組成物の構成成分(B)の量は典型的に1〜20重量パーセントであり、前記重量パーセントは前記エマルジョン組成物の総重量に基づくものである。
【0065】
構成成分(C)は水である。典型的に水は約20〜80重量パーセントのレベルで存在し、前記重量パーセントは前記エマルジョン組成物の総重量に基づくものである。
【0066】
本発明の前記エマルジョン組成物は、香水類、防腐剤類、ビタミン類、セラミド類、アミノ酸誘導体類、リポソーム類、例えばグリセリンおよびプロピレングリコールのようなポリオール類、および植物類(植物抽出物類)、および第四級ポリマー類またはシリコーン物質類のような付加的コンディショニング剤をさらに含み得る。下記の用途により制限されないが、他の添加物として、グリコール類、ビタミンA、多種の形態のビタミンCおよびビタミンE、プロビタミンB5、日焼け防止剤類(これらは約290〜320ナノメートルの(UV−B帯域)の間の紫外線光および320〜400(UV−B帯域)の範囲の紫外線光を吸収するものを包含する)、保湿剤類、パラベン類として知られているような防腐剤類、皮膚軟化剤類、閉塞剤類およびエステル類が挙げられる。他の添加剤類は、特に該エマルジョンがメイクアップとして使われるときに顔料を包含し得る。
【0067】
本発明による組成物は、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)のような人工的な日焼けおよび/または肌褐色(セルフタンニング剤類)の薬剤も含有してもよい。これらの任意の構成成分は、エマルジョン組成物の100重量部あたり5重量部までの量で、本発明のエマルジョン組成物内に存在し得るが、典型的にはエマルジョン組成物の100重量部あたり0.1〜1重量部の量が存在する。該エマルジョンは、噴霧乾燥されて樹脂/活性合成粒子を形成されうる。
【0068】
本発明のエマルジョン組成物は、構成成分(A)〜(C)および任意成分と混合することにより(機械的に撹拌して)調製されてもよく、均質な混合物を形成する。これは当技術分野に知られている、スパチュラ、機械的攪拌器、バッフルおよび/またはブレードを含有する直列混合システム、動力直列混合器、ホモジェナイザー、ドラムローラー、三本ロールミル(three roll mill)、シグマブレードミキサー、パン生地ミキサー(bread dough mixer)、および二本ロールミル(two roll mill)によって例示される任意の便利な混合法によってなされてよい。
【実施例】
【0069】
<シリコーン樹脂A1〜A8>
フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、および/またはフェニルメチルジメトキシシランを、トリフルオロメタンスルホン酸(TFMSA)によって触媒して、脱イオン化水で加水分解し、その後副生成物のメタノールを留去した。1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(TMDS)および/またはメチル水素シクロシロキサンおよび酢酸を加え、該混合物を50℃で3時間加熱した。(任意にヘキサメチルジシロキサン(HMDS)および追加の酢酸も加えた。)メタノールおよびメチルアセテートを留去し、その後任意にさらなる酢酸の添加と50℃に追加加熱をした。炭化水素溶媒を加え、該混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液と複数回一定分量の脱イオン水で洗い、必要があればろ過し任意に溶媒を除去した。構成成分の量は以下の表1に記入している。結果生成物は以下の表2に示している。
【0070】
<シリコーン樹脂B1>
6240グラム(g)のフェニルトリエトキシシランを1875.36gのジメトキシエタンに溶解し、これに1291.68gの1wt%の塩酸で1時間還流して加水分解し、その後副生成物のメタノールといくらかの溶媒を留去した。追加の1872gの溶媒と131.04gの1wt%の塩酸を加え、さらなる揮発物を留去した。追加の2126.4gのジメトキシエタンを加え、その後該構造体を順次に1181.62gのクロロジメチルシランと80.71gのクロロトリメチルシランでキャップした。揮発物を留去し、該生成物を3725.8gのトルエンに溶解して、一定分量の重炭酸ナトリウム飽和水溶液と水で洗った。406gの水と2035gのジメトキシエタンを加え留去した。このステップは1218gの水と2500mlのジメトキシエタンを使用して繰り返し、その後全ての揮発物を留去して、4100gの生成物を産出させた。該シリコーン樹脂B1の組成物はNMR分析によってM0.20Ph0.80であると測定された。
【0071】
<シリコーン樹脂C1>
4958.4gのメチルトリメトキシシランを、4.93gのトリフルオロメタンスルホン酸の存在下で252.3gの脱イオン水で加水分解した。5456.4gの1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシロキサン(TMDS)と追加の725.8gの脱イオン水を加えた。揮発物を留去し、その後該生成物の混合物を2210gのヘキサンに溶解した。該生成物溶液は、複数回一定量の重炭素ナトリウム飽和水溶液と脱イオン水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過して溶媒を除去した。該シリコーン樹脂C1の組成物はNMR分析によってM0.55Me0.45であると測定された。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
上記表2で:
Mは(CHSiO1/2を表す
はH(CHSiO1/2を表す
はH(CH)SiO2/2を表す
PhはC(CH)SiO2/2を表す
MeはCHSiO3/2を表す
PhはCSiO3/2を表す
【0075】
<実施例1〜12>
1%Pt(Al)の触媒量を加え、その後アリルアルコールまたはアリルフェノールのいずれかを加えた。その後のFTIRスペクトル(〜2165cm−1)でピークが消滅により測定されるように、該混合物を該SiHが消費されるまで70〜110℃に加熱した。任意にトリフェニルフォスフィンとカーボンブラックを加えた。該生成混合物をろ過し、溶媒を除去した。該シリコーン樹脂のタイプ、試薬重量、産出量、および樹脂組成物を下記の表3に示す。
【0076】
【表3】

【0077】
上記表3で:
PrOHは(HO(CH)(CHSiO1/2を表す
PrOHは(HO(CH)(CH)SiO2/2を表す
Phenolは(HOC(CH)(CHSiO1/2を表す
Phenolは(HOC(CH)(CH)SiO2/2を表す
Mは(CHSiO1/2を表す
Dは(CHSiO2/2を表す
Phは(C)(CH)SiO2/2を表す
PhはCSiO3/2を表す
meはCHSiO3/2を表す
アリルアルコールはCH=CHCHOHを表す
^アリルフェノールはCH=CHCHOHを表す
【0078】
<実施例13>
上記で調製した、シリコーン樹脂のひとつを任意でトルエンに溶解し、70〜100℃に加熱した。0.52%白金(ジビニルテトラメチルジシロキサン)(白金触媒)の触媒量を加え、その後メタリルアルコールを加えた。その後FTIRスペクトル(〜2165cm−1)のピークの消滅により測定されるように、該混合物を該SiHが消費されるまで70〜110℃に加熱した。該生成物の混合物を任意にろ過し、溶媒除去した。該シリコーン樹脂のタイプ、試薬重量、産出量、および樹脂組成物を以下の表4に示す。
【0079】
【表4】

【0080】
上記表4で:
iBuOHは(HOCHCH(CH)CH)(CHSiO1/2を表す
は(H)(CHSiO1/2を表す
PhはCSiO3/2を表す
メタリルアルコールはCH=C(CH)CHOHを表す
【0081】
<実施例14および15>
イソプロピルアルコール中のORGANOSILICASOL(登録商標)IPA−ST−aの10〜15nmコロイド状シリカ分散30%固形物は、日本の日産化学工業株式会社(Nissan Chemicals Ind.Ltd)から入手できる。
DOW CORNING(登録商標)Z−6124シラン−フェニルトリメトキシシランは、ミシガン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーション(Dow Corning Corp.)から入手できる。
DOW CORNING(登録商標)3−7010の流動体−テトラメチルジシロキサンはミシガン州ミッドランドのダウコーニングコーポレーション(Dow Corning Corp.)から入手できる。
FC−24−トリフルオロメタンスルホン酸は、ミネソタ州セントポールの3Mから入手できる。
トリフェニルフォスフィンはウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ−アルドリッチケミカルカンパニー(Sigma−Aldrich Chemical Co.)から入手できる。
オランダ王国ジョージアのアメルスフォールトのノリットアメリカンズ(Norit Americans)からDARGO(登録商標)G−60活性炭
アリルアルコール(ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ−アルドリッチケミカルカンパニー(Sigma−Aldrich Chemical Co.))
テトラエトキシシラン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ−アルドリッチケミカルカンパニー(Sigma−Aldrich Chemical Co.))
【0082】
<実施例14>
225.0gのフェニルトリメトキシシランと111.5gのORGANOSILICASOL(登録商標)IPA−STとの混合物を、42.9gの水と0.12gの濃塩酸とで加水分解した。15分間の加熱還流後、256.8gのトルエン、76.2gのテトラメチルジシロキサンおよび0.36gのトリフルオロメタンスルホン酸を加え、該混合物を3時間65℃で熱した。揮発物を留去し、2.4gの炭酸カルシウムを加えた。該混合物をろ過し、追加の溶媒を留去した。1.38gの1wt%Pt/Al(触媒)と197.8gのアリルアルコールとを加え、該混合物を2.5時間加熱還流した。0.06gのトリフェニルフォスフィンと1gのDARCO(登録商標)G60を加えた。該混合物はろ過され、溶媒を真空下留去し、293.2gの乳白光を発する無色の液体を生成した。該樹脂をSi29NMRによって分析し、以下の組成:MPrOH0.38Ph0.410.21を有することを見出した。
【0083】
<実施例15>
93.8gのテトラエトキシシラン、356.9gのフェニルトリメトキシシラン、108.1gのジメチルジメトキシシラン、2.1gの水に前もって混合した0.3gのトリフルオロメタンスルホン酸を、2Lフラスコに入れた。該混合物を1時間50℃で加熱し、その後さらに91.6gの追加の水で加水分解した。200gのトルエン、93.8gのテトラメチルジシロキサンと148.0gの酢酸とを加え、加熱を2時間50℃で続けた。揮発物を留去後、該混合物を重炭素ナトリウム飽和水溶液と水とで洗い、その後共沸蒸留して、43%の非揮発性の内容物を有する透明な溶液を産出させた。この溶液約767.6gを95℃に加熱し、その後1.84gの1%Pt/Alと154.4gのアリルアルコールとを添加、その後15時間加熱還流した。次に約0.074gのトリフェニルフォスフィンと約1gのカーボンブラックを加えた。該混合物をろ過し、揮発物を留去し、その後125gのブチルアセテートに溶解し、少し不明瞭な無色の生成物溶液(75%固形物)を産出させた。該生成物のSi29NMR分析では以下の組成、MPrOH0.260.21Ph0.410.10でMPrOHを示し、D,TPhおよびQは上記に定義した通りである。
【0084】
<実施例16〜23、対照および比較例1>
ポリオール:Desmophen(登録商標)870BAは、バイヤーコーポレーション(Bayer Corporation)(ペンシルバニア州ピッツバーグ)により供給されるブチルアセテート(70%固形物)中のヒドロキシ官能性ポリアクリレート樹脂である。
イソシアネート:Desmodur N−3390はバイヤーコーポレーション(Bayer Corporation)(ペンシルバニア州ピッツバーグ)によりブチルアセテート(90%固形物)中のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)ベースのポリイソシアネートである。
BA:n−ブチルアセテート。
線状物は3−ヒドロキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンである。
対照塗膜は上記に記載したようなポリオール、イソシアネートおよびBAのみを含む。
【0085】
上塗り適合性:本テスト条件(適用方法、膜厚および硬化計画)は、特別な塗料配合に関連して指定される。最初の硬化後、該試験品は同一の塗料配合で上塗りされる。第2塗膜を硬化後、該パネルは、基礎膜を湿らせる第2塗装性能に関して評価された。
5−優秀な濡れおよび流動性;フィルムに穴や斑点のような欠陥はない
4−軽い乾燥(dewetting)および/または端部のめくれ(edge crawling);最小限欠陥
3−中程度の乾燥および/または端部のめくれ;最小限欠陥
2−多大な乾燥および/または端部のめくれ;少ない欠陥
1−多大な乾燥および/または端部のめくれ;多数の欠陥
0−甚大な乾燥および/または端部のめくれ;多大な欠陥
【0086】
上記イソシアネート、上記ポリオール、上記表3で調製されたカルビノール官能性シリコーン樹脂(表5でCSRと表した)、およびn−ブチルアセテート(溶媒)を混合皿に加え、スパチュラで勢いよく攪拌した。磨かれたスチールパネル上でテストを行った。前記配合を6ミル(mil)(湿式)のドローダウンバー(drawndown bar)によって適用した。該塗装パネルを15分間空気乾燥し、その後30分間265F°でオーブン硬化(oven cured)させた。硬化膜の外観を1=貧弱 および 5=優良、で評価し、その値を表5に記録した。
【0087】
次いで、硬化した膜に、同一の配合物(同一物)を元の塗装に対して垂直に塗装し、第2塗膜を第1塗膜と同様に硬化した(15分間空気乾燥後、30分間265°Fでオーブン硬化)。各配合の上塗り適合性を評価し表5に記録した。
【0088】
【表5】

【0089】
全ての塗料配合は表5に記載されており、記載した硬化条件下で乾燥膜を硬化した。フェニル含有量が他の塗料構成成分と相溶性を与えるのに十分であるならば、カルビノール樹脂で調製された該塗料は容易に上塗りできる良質の塗膜を生成した。25wt%を超えるフェニルの対照塗料配合物中に使用されているような同一のイソシアネートとポリオールとを利用することが、高い相溶性と高い塗装品質とを実現するために必要とされる。直鎖カルビノール官能性ジメチルシロキサン物質を使用することで調製された比較例の塗料は、貧弱な塗装品質と貧弱な上塗り被覆性を示している。
【0090】
<実施例24>
22℃で4.7Pa・sの粘度を有する約6gの例4のCSRを、その後10.6のHLBを有する0.20gのC12−14の第2級アルコールエトキシレート(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)のTergitol(登録商標)15−S−5)、18.0のHLBを有する0.20gのC12−14の第2級アルコールエトキシレート(ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー(The Dow Chemical Company)Tergitol(登録商標)15−S−40)および3.6gのDI(脱イオン)水を量って20mlのガラス瓶に入れた。該組成物は研究室で、マイクロチップを備えている超音波処理装置(フィッシャーモデル550ソニックディスメンブレーター(Fisher Model 550 Sonic Dismembrator))を使って、高煎断された。該チップを液体表面の下約1cmにおき、超音波プローブに20秒間、最大電力550ワットの50%の電圧を加えた。超音波プローブに加圧したところ乳白色のエマルジョンが、ほぼ瞬時に形成を始めた。該ガラス瓶を超音波プローブから取り出し、ガラス瓶にふたをかぶせ、ガラス瓶を振った。該ガラス瓶を超音波プローブに戻し、プローブを同電圧で他に30秒間設定し加圧した。該ガラス瓶を再び取り出し、ふたをかぶせて振り、その後超音波プローブに戻した。この手順をガラス瓶の内容物が80秒の超音波処理を施されるように繰り返した。該結果として生じた組成物は、約60重量パーセントの水性カルビノール官能性シリコーン樹脂の油/水エマルジョンで構成され、以下の粒子サイズ:D(v,0.5)=0.742um およびD(v,0.9)=3.22umであることを特徴とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii)および
(SiO4/2(iv)
(式中、RとRは、各々独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、樹脂1分子あたり平均して少なくとも1つのカルビノール基が存在するものとする)、
を含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項2】
式中、
前記アルキル基がメチルである;
前記アリール基がフェニルである;
前記少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基が、式ROHを有する群から選択され、式中、Rは、
(1)式−(CH−を有する基(式中、xが3〜10の値を有する)、
(2)−CHCH(CH)−、
(3)−CHCH(CH)CH−、
(4)−CHCHCH(CHCH)CHCHCH−、および
(5)式−OCH(CH)(CH−を有する基(式中xが1〜10の値を有する)、および式ROHを有する基(式中Rは式CHCH(CHOCHCH−を有する基(式中、いずれの場合にもxが1〜10の値を有する)から選択される;
前記少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基が、式ROHを有する基であり、式中、Rは、
(1)式−(CH−を有する基(式中、xが0〜10の値を有する)、
(2)式−CHCH(CH)(CH−を有する基(式中、xが0〜10の値を有する)、および
(3)式−(CH(CH−を有する基(式中、xが1〜10の値を有する)、
から選択される;
請求項1に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項3】
構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii)および
(SiO4/2(iv)
(式中、Rは、独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも6個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、そして各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、カルビノール官能性シリコーン樹脂内のR+R+R基の25wt%より多くがフェニルであるものとする)、
を含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項4】
aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、cが典型的に0.3〜0.8の値を有し、そしてdが典型的に0〜0.3の値を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項5】
式中、カルビノール官能性シリコーン樹脂が、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−CHCH(CH)CHOH
((H)(CHSiO1/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
(式中、aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、そしてcが典型的に0.3〜0.8の値を有するものとする)
から選択される、請求項1または2に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項6】
式中、R+R+R基の10重量パーセントより多くがフェニルである、請求項1,2、または5のいずれか1項に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂。
【請求項7】
(A’)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RおよびRは、各々独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、または水素原子であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、少なくとも2つのケイ素結合水素原子がシリコーン樹脂内に存在するものとする)、
を含む、少なくとも1つの水素官能性シリコーン樹脂;および(B’)少なくとも1つのビニル末端アルコールを;(C’)ヒドロシリル化触媒;ならびに任意の
(D’)少なくとも1つの溶媒の存在下で反応させることを含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂の調製方法。
【請求項8】
(A’)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RおよびRは、各々独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基であり、または水素原子であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、少なくとも2つのケイ素結合水素原子がシリコーン樹脂内に存在し、そしてR+R+R基の30重量パーセントより多くがフェニルであるものとする)、
を含む、少なくとも1つの水素官能性シリコーン樹脂;および(B’)少なくとも1つのビニル末端アルコールを;(C’)ヒドロシリル化触媒;ならびに任意の(D’)少なくとも1つの溶媒の存在下で反応させることを含む、カルビノール官能性シリコーン樹脂の調製方法。
【請求項9】
aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、cが典型的に0.3〜0.8の値を有し、そしてdが典型的に0〜0.3の値を有する、請求項7または8に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂の製造方法。
【請求項10】
(A)の水素官能性シリコーン樹脂が、
構成単位:
((CHSiO1/2
((H)CHSiO2/2
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((H)(CHSiO1/2
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
((H)(CHSiO1/2
(CHSiO3/2
構成単位:
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((H)(CHSiO1/2
(CHSiO3/2 および
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
および
構成単位:
((CHSiO1/2
((H)(CHSiO1/2
(CSiO3/2
を含む水素官能性シリコーン樹脂、
(式中aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、そしてcが典型的に0.3〜0.8の値を有するものとする)
から選択される、請求項7に記載のカルビノール官能性シリコーン樹脂の調製方法。
【請求項11】
(A)構成単位:
(RSiO1/2(i)
(RSiO2/2(ii)
(RSiO3/2(iii) および
(SiO4/2(iv)
(式中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基であり、または少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基であり、Rは1〜8個の炭素原子を有するアルキル基またはアリール基であり、aが0.6以下の値を有し、bが0以上の値を有し、cが0より大きい値を有し、dが0.5未満の値を有し、a+b+c+dの値が1であり、各Rがメチルの場合bの値が0.3未満であり、樹脂1分子あたり平均して少なくとも1つのカルビノール基があるものとする)、
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂;
(B)少なくとも1つの界面活性剤;および
(C)水、
:を含むエマルジョン組成物。
【請求項12】
式中、
前記アルキル基がメチルである;
前記アリール基がフェニルである;
前記少なくとも3個の炭素原子を有するアリール基無含有カルビノール基が、式ROHを有する群から選択され、式中、Rは、
(1)式−(CH−を有する基(式中、xが3〜10の値を有する)、
(2)−CHCH(CH)−、
(3)−CHCH(CH)CH−、
(4)−CHCHCH(CHCH)CHCHCH−、および
(5)式−OCH(CH)(CH−を有する基(式中、xが1〜10の値を有する)および式ROHを有する基(式中Rは式CHCH(CHOCHCH−を有する(式中、いずれの場合にもxが1〜10の値を有する))、
から選択される;
前記少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基が、式ROHを有する基であり、式中、Rは、
(4)式−(CH−を有する基(式中、xが0〜10の値を有する)、
(5)式−CHCH(CH)(CH−を有する基(式中、xが0〜10の値を有する)、および式−(CH(CH−を有する基(式中、xが1〜10の値を有する)、
から選択される;
請求項11に記載のエマルジョン組成物。
【請求項13】
式中、aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、cが典型的に0.3〜0.8の値を有し、そしてdが典型的に0〜0.3の値を有する、請求項11または12に記載のエマルジョン組成物。
【請求項14】
前記カルビノール官能性樹脂が、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)CHSiO2/2 で、R=−(CHOH
((C)CHSiO2/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((CHSiO1/2
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−CHCH(CH)CHOH
((H)(CHSiO1/2 および
(CSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
構成単位:
((R)(CHSiO1/2 で、R=−(CHOH
(CHSiO3/2
を含むカルビノール官能性シリコーン樹脂、
(式中aが典型的に0.1〜0.6の値を有し、bが典型的に0〜0.4の値を有し、そしてcが典型的に0.3〜0.8の値を有する)
から選択される、請求項11または12に記載のエマルジョン組成物。
【請求項15】
式中、R+R+R基の10重量パーセントより多くがフェニルである請求項11〜14のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物。
【請求項16】
前記エマルジョン組成物が、香水類、防腐剤類、ビタミン類、セラミド類、アミノ酸誘導体類、リポソーム類、ポリオール類、植物類、コンディショニング剤類、グリコール類、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、プロビタミンB5、日焼け防止剤類、保湿剤類、防腐剤類、皮膚軟化剤類、閉塞剤類、エステル類、顔料類、および日焼け剤、から選択される少なくとも1つの構成成分をさらに含む、請求項11〜15のいずれか1項に記載のエマルジョン組成物。

【公表番号】特表2007−508424(P2007−508424A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534366(P2006−534366)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/033189
【国際公開番号】WO2005/037891
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】