説明

カーナビゲーション装置、カーナビゲーションシステムおよびプログラム

【課題】ドライバの訪問等が望ましくない有害地にドライバが訪問等することを抑制する。
【解決手段】有害地接近抑止機能が解除されない場合には、自車位置の周辺のリンクやノードの情報、POIデータに付加された有害地情報が検出されると、自車位置と、自車位置の周辺の地図と、検出された有害地情報の内容に応じた注意喚起を行う表示とを重畳的にディスプレイ117に表示する処理を行うように構成した。これにより、たとえば、車両のドライバが未成年者である場合、未成年者の訪問等が望ましくない有害地に未成年者が訪問等することを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション装置、カーナビゲーションシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
徘徊癖のある人等の探索や移動中の事故防止を支援するため、移動中の歩行者の現在位置を認識して歩行者や他者に報知する歩行者移動支援装置が知られている。この歩行者移動支援装置では、歩行者の個人情報と歩行者の位置情報に基づいて歩行者が安全に移動しているか否かを判断し、安全ではないと判断されると警報メッセージ等を歩行者や他者に報知する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−122735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献に記載の装置では、危険な場所に歩行者が近づくことを抑制できるが、たとえばドライバが未成年者である場合に未成年者にとって有害な場所に向けて車を走行させることを効果的に抑制できない。すなわち、上述した特許文献に記載の装置では、未成年のドライバにとって有害と思われる歓楽街へ向けて車を走らせようとした場合や、運転経験の少ないドライバが交通事故の多発地点を車で通過しようとした場合等に、効果的に抑制できない。
【0005】
また、上述した特許文献に記載の装置では、歩行者と、歩行者が携帯する携帯送信機とが1対1で対応しているが、車両に搭載される装置の場合、車両のドライバが複数存在する。そのため、上述した特許文献に記載の装置では、たとえば、ドライバが未成年者であるか否かを判断できず、車両に搭載して未成年者にとって有害な場所に向けて車を走行させることを抑制するための装置としては適さない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 請求項1の発明によるカーナビゲーション装置は、車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に関する情報を記憶する有害地情報記憶手段と、ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、有害地情報記憶手段に記憶された有害地に関する情報と、自車位置検出手段で検出された自車位置とに基づいて、自車両が有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断手段と、ドライバが有害地を訪問することを許容された人ではないと認証手段で判断され、かつ、有害地到達可能性判断手段で自車両が有害地に到達するおそれがあると判断されると、ドライバに対して自車両が有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項7の発明によるカーナビゲーションシステムは、請求項6に記載のカーナビゲーション装置と、有害地に関する情報を配信するサーバとを備えることを特徴とする。
(3) 請求項8の発明によるプログラムは、車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証処理と、自車位置を検出する自車位置検出処理と、あらかじめ記憶されている有害地に関する情報と、自車位置検出処理で検出された自車位置とに基づいて、自車両が有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断処理と、ドライバが有害地を訪問することを許容された人ではないと認証処理で判断され、かつ、有害地到達可能性判断処理で自車両が有害地に到達するおそれがあると判断されるとドライバに対して自車両が有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ドライバの訪問等が望ましくない有害地にドライバが訪問等することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】カーナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】カーナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】POIデータやノードまたはリンクの情報に対して付加される有害地情報の例を示す図である。
【図4】有害地接近抑止機能解除コード入力画面を示す図である。
【図5】自車位置近辺の道路地図および自車位置が表示されたディスプレイを示す図である。
【図6】注意喚起を行う表示がディスプレイに表示された状態を示す図である。
【図7】注意喚起を行う表示がディスプレイに表示された状態を示す図である。
【図8】注意喚起を行う表示がディスプレイに表示された状態を示す図である。
【図9】自車位置の表示処理の動作を示したフローチャートである。
【図10】設定された目的地が有害地であった場合にディスプレイに表示される注意喚起を行う表示の一例を示す図である。
【図11】推奨経路演算処理の動作を示したフローチャートである。
【図12】車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するための処理の動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜9を参照して、本発明によるカーナビゲーション装置、カーナビゲーションシステムおよびプログラムの第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明によるカーナビゲーションシステムの構成を示す図である。このカーナビゲーションシステムでは、車両に搭載されるカーナビゲーション装置100と、カーナビゲーション装置100に後述する有害地情報を送信する情報配信センタ200とを有する。300は、カーナビゲーション装置100の後述する通信装置と情報配信センタ200との間で情報を送受信するための通信回線網であり、たとえば携帯電話回線網やインターネット回線などにより構築されている。
【0010】
カーナビゲーション装置100については、後に詳述する。情報配信センタ200には、たとえば有害地情報サーバ210が設けられている。有害地情報サーバ210には、後述する有害地情報の最新の情報が格納されている。有害地情報サーバ210は、カーナビゲーション装置100からの配信要求に基づいて、または、所定の期間毎に、通信回線網300を介して最新の有害地情報をカーナビゲーション装置100に配信する。
【0011】
図2は、カーナビゲーション装置の構成を示す図である。CPU110はカーナビゲーション装置100全体を制御する演算処理装置である。CPU110およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。CPU110には、インタフェース(I/F)およびバスを介して、GPSセンサ131、ジャイロセンサ132および車速センサ133からの信号が入力される。
【0012】
周辺回路は、たとえば、ROM111、RAM112、HDD115、通信装置116、グラフィックコントローラ121、オーディオコントローラ122を含んで構成される。ROM111は、制御プログラムを格納するメモリであり、RAM112は、CPU110の作業エリアとしてのメモリである。
【0013】
HDD115は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI(Point Of Interest、たとえば観光地や各種施設等)情報、後述する有害地情報等を格納するハードディスクドライブ装置である。ハードディスクドライブ装置に代えて、CD、DVD、フラッシュメモリ、またはその他の記録媒体、およびその読み出し装置であっても良い。なお、HDD115に格納された道路地図データには、ノードとリンクで表現した道路のデータが含まれている。通信装置116は、アンテナ141および通信回線網300を介して情報配信センタ200との間で情報を送受信するための通信装置である。
【0014】
グラフィックコントローラ121は、CPU110から出力される表示データを、画像データとして不図示の画像メモリ(ビデオRAM)に格納し、画像メモリに格納された画像データを後述するディスプレイ117に表示するための制御を行う。CPU110から出力される表示データには、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データ、後述する有害地接近抑止機能に係る表示画面のデータなどが含まれる。
【0015】
オーディオコントローラ122は、ナビゲーションの案内音声や警報音声の音声信号などを後述するスピーカ119へ出力するための制御を行う。
【0016】
カーナビゲーション装置100に接続されるディスプレイ117は、車室内の乗員が視認可能な位置に配設されて、地図や各種情報を表示する表示装置である。カーナビゲーション装置100に接続される入力装置118は、各種操作入力を行うためのスイッチであり、ディスプレイ117の表示面に設けられたタッチパネル式のスイッチや、ディスプレイ117の周辺の押ボタン式スイッチ、リモコンなどである。カーナビゲーション装置100に接続されるスピーカ119は、オーディオコントローラ122を介して入力される、ナビゲーションの案内音声や警報音声などを出力する。
【0017】
GPSセンサ131は、GPSアンテナ142で受信したGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号から、緯度、経度および高度などの自車の現在位置(自車位置)を検出する。ジャイロセンサ132は、車両の進行方位の変化(旋回状態)を検出する。車速センサ133は、車両に設けられており、車速を検出する。
【0018】
このように構成されるカーナビゲーション装置100では、GPSセンサ131、ジャイロセンサ132および車速センサ133から取得した情報およびHDD115に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。たとえば、CPU110は、自車位置近辺の道路地図および自車位置をディスプレイ117に表示し、経路探索によって得られた経路(推奨経路)に沿って運転者を誘導するように各部を制御する。
【0019】
−−−有害地接近抑止機能について−−−
たとえば、車両のドライバが未成年者である場合、公序良俗の観点や犯罪被害防止の観点から、歓楽街など未成年者の立ち入りが制限される店舗や、これらの店舗などが密集する地点(地域)、犯罪多発地などへ向けて車両を運転することが好ましくない。また、交通安全の観点から、たとえば未成年者のような運転経験の少ないドライバが車を運転して交通事故の多発地点(多発地)を通過することが好ましくない。このように、ドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある地点や地域が存在する、
【0020】
そこで、本実施の形態のカーナビゲーション装置100では、HDD115に格納されている、未成年者の訪問、接近、通過などが望ましくない地点や地域である有害地に関する情報(有害地情報)に基づいて、車両が有害地に接近した場合など、自車両が有害地に到達するおそれがあると判断されると、車両が有害地に接近していることを報知して、ドライバに注意を促す。
【0021】
−−−有害地情報について−−−
HDD115に格納されたPOIデータには、たとえば観光地や各種施設等の情報が含まれているが、本実施の形態では、有害地情報として、たとえば観光地や各種施設等の情報にその観光地や各種施設等が有害地であること、およびどのような有害地であるのかを示す情報(有害地種別データ)が付加されている。POIデータに付加される有害地種別データとは、たとえば、未成年者の立ち入りが制限される地点(地域)、施設等であることを示すデータ(立ち入り制限データ)である。立ち入り制限データは、たとえば、歓楽街、飲酒できる店舗(居酒屋等)等のように、未成年者の立ち入りが制限される、または未成年者の立ち入りが好ましくない店舗や、これらの店舗などが密集する地点(地域)についてのPOIデータに対して付加される。以下の説明では、制限データが付加されたPOIデータに係る観光地や各種施設等を、立ち入り制限地と呼ぶ。
【0022】
また、HDD115に格納された道路地図データには、上述したように、ノードとリンクで表現した道路のデータが含まれている。本実施の形態では、たとえば、交通事故多発地に相当するノードまたはリンクの情報に対して、有害地種別データとして交通事故多発地であることを示すデータ(交通事故多発地データ)が付加されている。また、たとえば、車上荒らしの多発地に相当するノードまたはリンクの情報に対して、有害地種別データとして車上荒らしの多発地であることを示すデータ(車上荒らし多発地データ)が付加されている。図3に、POIデータやノードまたはリンクの情報に対して付加される有害地情報の例を示す。
【0023】
なお、カーナビゲーション装置100側で有する有害地情報は、適宜更新可能である。たとえば、上述したように、カーナビゲーション装置100からの配信要求に基づいて、または、所定の期間毎に、情報配信センタ200の有害地情報サーバ210から最新の有害地情報が配信される。たとえば、車両の不図示のイグニッションスイッチがアクセサリ位置にされるなどして、カーナビゲーション装置100に電源が供給されたタイミングでカーナビゲーション装置100から配信要求を情報配信センタ200へ送信するようにしてもよい。カーナビゲーション装置100では、通信装置116を介して最新の有害地情報を取得すると、CPU110がHDD115に格納されているPOIデータや道路地図データに付加されている有害地情報を最新の有害地情報に置き換えるよう各部を制御する。
【0024】
−−−有害地情報に基づく注意喚起について−−−
本実施の形態のカーナビゲーション装置100では、上述した有害地情報に基づいて、次のようにしてドライバに注意を促す。
【0025】
車両の不図示のイグニッションスイッチがアクセサリ位置にされるなどして、カーナビゲーション装置100に電源が供給されると、カーナビゲーション装置100のディスプレイ117には、図4に示すような有害地接近抑止機能解除コード入力画面410が表示される。ディスプレイ117の表面を押圧するなどして、あらかじめ定められた解除コードが入力されて決定されると、有害地接近抑止機能が解除される。解除コードは、任意に設定可能である。解除コードとして、たとえば、このカーナビゲーション装置100が搭載された車両を運転する成年者のように、有害地を訪問することを許容された人のみが知りうる番号等に設定すればよい。このように解除コードを設定することによって、未成年者が当該車両を運転する際に、有害地接近抑止機能を働かせることができる。なお、有害地接近抑止機能が解除されると、従来のカーナビゲーション装置と同様に、道路地図と自車位置との重畳的な表示、経路探索および経路誘導が可能となる。有害地接近抑止機能が解除されると、後述する、車両が有害地に接近している旨の報知など、有害地接近抑止機能に係る動作が行われない。
【0026】
車両のドライバが未成年者である場合のように、ドライバが解除コードを知らない場合、すなわち、ドライバが有害地を訪問することを許容された人ではない場合、たとえば、ディスプレイ117に「解除しない」と表示されたタッチパネルスイッチ411を押圧すればよい。これにより、有害地接近抑止機能が解除されずに、ディスプレイ117の表示画面が有害地接近抑止機能解除コード入力画面410から、たとえば図5に示すような自車位置を周囲の道路地図とともに重畳的に表示する画面へと遷移する。図5において421は、自車位置を表す自車位置マークである。
【0027】
CPU110は、GPSセンサ131、ジャイロセンサ132および車速センサ133から取得した情報およびHDD115に格納されている道路地図データに基づき、自車位置を算出する。このとき、CPU110は、公知のマップマッチングの手法により、自車位置を道路地図データのリンク上に設定する。そして、CPU110は、算出した自車位置近辺の道路地図および自車位置を図5に示すようにディスプレイ117に重畳的に表示するよう各部を制御する。
【0028】
有害地接近抑止機能が解除されていない場合、次に述べる有害地接近抑止機能に係る動作が行われる。すなわち、CPU110は、公知のマップマッチングの手法により、自車位置を道路地図データのリンク上に設定すると、当該リンク、または当該リンクの車両の進行方向前方端に存在するノードの情報に対して、有害地種別データが付加されているか否かを判断する。なお、リンク上に設定した自車位置から車両の進行方向前方の所定の距離(たとえば100m)以内に存在するノードやリンクの情報に対して、有害地種別データが付加されているか否かを判断するようにしてもよい。
【0029】
また、マップマッチングによって自車位置を道路地図データのリンク上に設定できなかった場合、CPU110は、公知のデッドレコニングの手法によって自車位置を算出する。この場合、CPU110は、デッドレコニングによって算出した自車位置の周囲(たとえば半径100m以内の範囲)に存在する道路についてのリンクおよびノードの情報に対して、有害地種別データが付加されているか否かを判断する。
【0030】
また、CPU110は、公知のマップマッチングの手法により、自車位置を道路地図データのリンク上に設定すると、設定した自車位置の周囲(たとえば半径300m以内の範囲)に存在する観光地や各種施設等についてのPOIデータを読み込んで、有害地種別データが付加されたPOIデータが存在するか否かを判断する。なお、マップマッチングによって自車位置を道路地図データのリンク上に設定できなかった場合、CPU110は、デッドレコニングによって算出した自車位置の周囲(たとえば半径300m以内の範囲)に存在する観光地や各種施設等についてのPOIデータを読み込んで、有害地種別データが付加されたPOIデータが存在するか否かを判断する。
【0031】
リンクまたはノードの情報に有害地種別データが付加されている場合、CPU110は、付加されている有害地種別データに応じた警告画面をディスプレイ117に表示するよう各部を制御する。たとえば、リンクまたはノードの情報に付加されている有害地種別データが交通事故多発地データである場合、図6に示すように、交通事故多発地であることの注意喚起を行う表示431がディスプレイ117に表示される。たとえば、リンクまたはノードの情報に付加されている有害地種別データが車上荒らし多発地データである場合、図7に示すように、車上荒らし多発地であることの注意喚起を行う表示432がディスプレイ117に表示される。
【0032】
たとえば、POIデータに付加されている有害地種別データが立ち入り制限データである場合、すなわち、車両が立ち入り制限地の近傍に存在していると判断される場合、図8に示すように、立ち入り制限地が近くに存在することの注意喚起を行う表示433がディスプレイ117に表示される。このように、本実施の形態のカーナビゲーション装置100では、車両が有害地を含む所定の範囲内に進入していると判断される場合に、上述したようにしてドライバに注意を促す。
【0033】
また、CPU110は、立ち入り制限地の近傍で車両の不図示のイグニッションスイッチがオフされたと判断すると、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先(たとえばドライバである未成年者の親が所有する携帯電話機など)に宛てて、立ち入り制限地で車両のイグニッションスイッチがオフされた旨を連絡する(知らせる)電子メールを送信するよう各部を制御する。すなわち、立ち入り制限地が自車位置の周囲(たとえば半径300m以内の範囲)に存在していると判断し、かつ、車両の不図示のイグニッションスイッチがオフされたと判断すると、CPU110は、その旨を報知する電子メールをあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するよう各部を制御する。
【0034】
なお、ここで例示した距離や時間の数値は一例であり、ここで例示した距離や時間に限定されない。
【0035】
−−−フローチャート−−−
図9は、上述した第1の実施の形態のカーナビゲーション装置100における自車位置の表示処理の動作を示したフローチャートである。車両の不図示のイグニッションスイッチ(IGNスイッチ)がアクセサリ位置にされるなどして、カーナビゲーション装置100に電源が供給されると、図9に示す処理を行うプログラムが起動されてCPU110で実行される。ステップS1において、図4に示すような有害地接近抑止機能解除コード入力画面410をディスプレイ117に表示するよう各部を制御してステップS3へ進む。ステップS3において、解除コードが入力されて決定されて有害地接近抑止機能が解除されたのか、または、解除されずに次画面へ遷移するよう指示されたのか(すなわちディスプレイ117に「解除しない」と表示されたタッチパネルスイッチ411が押圧されたか)を判断する。
【0036】
ステップS3で有害地接近抑止機能が解除されたと判断されるとステップS5に進み、解除フラグに1をセットしてステップS9へ進む。また、ステップS3で解除されずに次画面へ遷移するよう指示されたと判断されるとステップS7に進み、解除フラグに0をセットしてステップS9へ進む。なお、解除フラグとは、後述する処理において、有害地接近抑止機能が解除されているか否かを判断するためのフラグである。
【0037】
ステップS9において、公知のデッドレコニング処理やマップマッチング処理によって自車位置を算出する処理を行ってステップS11へ進む。ステップS11において、解除フラグに0がセットされているか否かを判断する。ステップS11が肯定判断されると、すなわち、ステップS3で解除されずに次画面へ遷移するよう指示されたと判断されていた場合、ステップS13へ進む。
【0038】
ステップS13において、自車位置の周辺のリンクやノードの情報、POIデータに付加された有害地情報の検出処理を行う。すなわち、ステップS13において、ステップS9でマップマッチング処理によって道路地図データのリンク上に自車位置を設定した場合には当該リンク、または当該リンクの車両の進行方向前方端に存在するノードの情報に対して、有害地種別データが付加されているか否かを判断する。また、ステップS13において、ステップS9でデッドレコニング処理によって自車位置を算出した場合には、算出した自車位置の周囲に存在する道路についてのリンクおよびノードの情報に対して、有害地種別データが付加されているか否かを判断する。また、ステップS13において、自車位置の周囲に存在する観光地や各種施設等についてのPOIデータを読み込んで、有害地種別データが付加されたPOIデータが存在するか否かを判断する。
【0039】
ステップS13が実行されるとステップS15へ進む。ステップS15において、ステップS13で自車位置の周辺のリンクやノードの情報、POIデータに付加された有害地情報が検出されたか否かを判断する。ステップS15が否定判断されると、すなわち、ステップS13の処理によって自車位置の周辺のリンクやノードの情報、POIデータに有害地情報が付加されていなかった場合、ステップS17へ進み、ステップS9で算出した自車位置と、自車位置の周辺の地図とを重畳的にディスプレイ117に表示する処理を行ってステップS19へ進む。
【0040】
ステップS19において、車両の不図示のイグニッションスイッチがオフ位置にされたか否かを判断する。ステップS19が肯定判断されると、本プログラムを終了する。ステップS19が否定判断されると、ステップS9へ戻る。
【0041】
ステップS15が肯定判断されるとステップS21へ進み、ステップS9で算出した自車位置と、自車位置の周辺の地図と、ステップS13の処理によって検出された有害地情報の内容、すなわち有害地種別データに応じた注意喚起を行う表示とを重畳的にディスプレイ117に表示する処理を行う(図6,7,8参照)。ステップS21が実行されるとステップS23へ進み、車両の不図示のイグニッションスイッチがオフ位置にされたか否かを判断する。ステップS23が肯定判断されるとステップS25へ進み、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、立ち入り制限地の近傍で車両のイグニッションスイッチがオフされた旨を知らせる電子メールを送信するよう各部を制御して本プログラムを終了する。
【0042】
ステップS23が否定判断されると、ステップS9へ進む。ステップS11が否定判断されると、すなわち、ステップS3で有害地接近抑止機能が解除されたと判断されていた場合、ステップS17へ進む。
【0043】
上述した第1の実施の形態のカーナビゲーション装置100およびカーナビゲーションシステムでは、次の作用効果を奏する。
(1) 有害地接近抑止機能が解除されない場合には、自車位置の周辺のリンクやノードの情報、POIデータに付加された有害地情報が検出されると、自車位置と、自車位置の周辺の地図と、検出された有害地情報の内容に応じた注意喚起を行う表示とを重畳的にディスプレイ117に表示する処理を行うように構成した。これにより、たとえば、車両のドライバが未成年者である場合、未成年者の訪問等が望ましくない有害地に未成年者が訪問等することを抑制できる。
【0044】
(2) POIデータに付加される有害地種別データや、ノードまたはリンクの情報に付加される有害地種別データと、自車位置とに基づいて、車両が有害地を含む所定の範囲内に進入しているか否かを判断するように構成した。これにより、データ構成が複雑になることを防止できる。
【0045】
(3) 立ち入り制限地の近傍で車両の不図示のイグニッションスイッチがオフされたと判断される場合、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、立ち入り制限地の近傍で車両のイグニッションスイッチがオフされた旨を知らせる電子メールを送信するように構成した。これにより、たとえば、ドライバが未成年者である場合に、立ち入り制限地の近傍で車両のイグニッションスイッチがオフされた旨をたとえばドライバの親に知らせることができるので、未成年者のドライバが立ち入り制限地で降車することを抑止できる。すなわち、立ち入り制限地の近傍で車両のイグニッションスイッチがオフされた場合にその旨を知らせる電子メールが送信されることをドライバが知っていれば、ドライバが立ち入り制限地で降車することをためらうものと思われる。また、立ち入り制限地の近傍で車両のイグニッションスイッチがオフされた場合にその旨を知らせる電子メールが送信されることをドライバが知らなくても、電子メールを受け取った親が携帯電話等によるドライバへの連絡により、ドライバが立ち入り制限地で降車することを注意するものと思われる。
【0046】
(4) カーナビゲーション装置100からの配信要求に基づいて、または、所定の期間毎に、情報配信センタ200の有害地情報サーバ210から最新の有害地情報が配信されるように構成した。そして、カーナビゲーション装置100では、通信装置116を介して最新の有害地情報を取得すると、CPU110がHDD115に格納されているPOIデータや道路地図データに付加されている有害地情報を最新の有害地情報に置き換えるよう各部を制御するように構成した。これにより、車両側の有害地情報を最新の状態に保つことができ、注意喚起すべき場所ではないところで注意喚起をしてしまったり、注意喚起すべきところで注意喚起ができないなどの不具合を抑制できる。
【0047】
−−−第2の実施の形態−−−
図10〜12を参照して、本発明によるカーナビゲーション装置、カーナビゲーションシステムおよびプログラムの第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、主に、目的地を設定して経路探索を行う場合、および、経路誘導を行う場合について説明する。
【0048】
本実施の形態のカーナビゲーション装置100では、有害地接近抑止機能が解除されていなければ、CPU110は次のように各部を制御する。すなわち、経路探索を行う際に設定された経由地や目的地に係るPOIデータに有害地種別データが付加されている場合には、CPU110は、図10に示すように、当該経由地や目的地が有害地であることを報知して、ドライバに注意を促すよう各部を制御する。図10は、設定された目的地に係るPOIデータに、立ち入り制限データが付加されている場合の、ディスプレイ117に表示される注意喚起を行う表示441の一例である。図10において、451は演算された推奨経路であり、452は目的地を示すマークである。
【0049】
また、有害地を経由地や目的地とする推奨経路が算出されて、当該推奨経路に沿って所定距離La以上車両が移動したと判断された場合には、CPU110は、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するよう各部を制御する。なお、ここで、所定距離Laの例として、たとえば数kmとしてもよく、推奨経路算出時点における自車位置(出発地)から有害地までの距離のたとえば1/2としてもよい。
【0050】
なお、ここで例示した所定距離Laの数値は一例である。たとえば、電子メールを受け取った人物が携帯電話等によるドライバへの連絡により、ドライバが有害地を訪問等することを注意するのに要する時間を確保できれば、所定距離Laは、先に例示した距離に限定されない。
【0051】
−−−フローチャート−−−
図11は、上述した第2の実施の形態のカーナビゲーション装置100における推奨経路演算処理の動作を示したフローチャートである。車両の不図示のイグニッションスイッチ(IGNスイッチ)がアクセサリ位置にされるなどして、カーナビゲーション装置100に電源が供給されると、図11に示す処理を行うプログラムが起動されてCPU110で実行される。ステップS1からステップS9までは、図9に示した第1の実施の形態におけるステップS1からステップS9までの処理と同じである。
【0052】
ステップS9が実行されるとステップS31へ進み、目的地や経由地が入力されて設定されるまで待機する。ステップS31が肯定判断されるとステップS33のサブルーチンへ進み、ステップS9およびステップS31で得られた自車位置、経由地および目的地に基づいて、推奨経路を演算する。なお、ステップS33のサブルーチンで実行される推奨経路の演算は周知の方法にて行われる。そのため、ステップS33のサブルーチンの内容については説明を省略する。
【0053】
ステップS33のサブルーチンの処理が実行されるとステップS35へ進み、解除フラグに0がセットされているか否かを判断する。ステップS35が肯定判断されるとステップS37へ進み、ステップS31で設定された経由地や目的地に係るPOIデータに有害地種別データが付加されているか否かを判断する有害地情報の検出処理を行ってステップS39へ進む。ステップS39において、ステップS37で有害地情報が検出されたか否かを判断する。ステップS39が否定判断されるとステップS41へ進み、有害地フラグに0をセットしてステップS43へ進む。なお、有害地フラグとは、後述する、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するための処理において利用するためのフラグである。
【0054】
ステップS43において、ステップS33のサブルーチンで演算された推奨経路を道路地図や自車位置とともにディスプレイ117に表示させてステップS45へ進む。ステップS45において、ステップS33のサブルーチンで演算された推奨経路に基づいて経路誘導を開始する。ステップS45以降の経路誘導については、周知であるため詳細な説明を省略する。
【0055】
ステップS39が肯定判断されるとステップS47へ進み、有害地フラグに1をセットしてステップS49へ進む。ステップS49において、ステップS33のサブルーチンで演算された推奨経路と、ステップS37で検出した経由地や目的地に係るPOIデータに付加されている有害地種別データに応じた注意喚起表示とを、道路地図や自車位置とともに図10に示すようにディスプレイ117に表示させてステップS45へ進む。
【0056】
ステップS35が否定判断されるとステップS43へ進む。
【0057】
図12は、上述した、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するための処理の動作を示したフローチャートである。上述したように推奨経路が演算されて経路誘導が開始されると、図12に示す処理を行うプログラムが起動されてCPU110で実行される。ステップS51において、有害地フラグに1がセットされているか否かを判断する。ステップS51が否定判断されると本プログラムを終了する。ステップS51が肯定判断されるとステップS53へ進み、車両が推奨経路に沿って所定距離La以上移動するまで待機する。
【0058】
ステップS53が肯定判断されるとステップS55へ進み、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するよう各部を制御して本プログラムを終了する。
【0059】
上述した第2の実施の形態のカーナビゲーション装置100およびカーナビゲーションシステムでは、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 有害地接近抑止機能が解除されない場合には、有害地を経由地や目的地として設定されて推奨経路が演算されると、注意喚起を行う表示がディスプレイ117に表示されるように構成した。これにより、たとえば、車両のドライバが未成年者である場合、未成年者の訪問等が望ましくない有害地に未成年者が訪問等することを抑制できる。
【0060】
(2) 有害地を経由地や目的地とする推奨経路が算出されて、当該推奨経路に沿って所定距離La以上車両が移動したと判断された場合には、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールを送信するように構成した。これにより、たとえば、ドライバが未成年者である場合に、車両が有害地に向かって移動している旨をたとえばドライバの親に知らせることができるので、未成年者のドライバが有害地を訪問等することを抑止できる。すなわち、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールが送信されることをドライバが知っていれば、ドライバが有害地を訪問等することをためらうものと思われる。また、車両が有害地に向かって移動している旨を知らせる電子メールが送信されることをドライバが知らなくても、電子メールを受け取った親が携帯電話等によるドライバへの連絡により、ドライバが有害地を訪問等することを注意するものと思われる。
【0061】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、たとえば有害地が観光地や各種施設等である場合には、当該観光地や各種施設等のPOIデータに有害地情報が付加されるように構成されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、有害地情報として、有害地の周辺のリンクのデータに有害地が近くに存在することを示す情報(有害地種別データ)が付加されていてもよい。
【0062】
(2) 上述の説明では、有害地情報が、POIデータやノード・リンクの情報に付加されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、有害地情報がPOIデータやノード・リンクの情報とは独立したデータとしてHDD115に格納されていてもよい。この場合、たとえば、有害地情報として、有害地毎に有害地種別データや、緯度、経度で表現される有害地の位置または範囲の情報を有するように構成してもよい。そして、たとえば、自車位置と有害地情報に含まれる位置または範囲の情報とに基づいて、ドライバに注意喚起を行うか否かを判断するように構成してもよい。
【0063】
(3) 上述の説明では、有害地情報が、POIデータやノード・リンクの情報に付加されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、経由地や目的地を検索するための検索キーワードに有害地の検索に係るキーワードであることを示す情報(有害キーワード情報)が付加されていてもよい。そして、有害地接近抑止機能が解除されていなければ、経由地や目的地を検索する際に、検索に用いたキーワードに有害キーワード情報が付加されていた場合に、注意喚起を行う表示がディスプレイ117に表示されるように構成してもよい。
【0064】
(4) 上述の説明では、車両が有害地に到達するおそれがあるか否か、すなわち、車両が有害地に接近している否か、または、有害地を経由地や目的地として設定したか否かなどをカーナビゲーション装置100側で判断するように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、当該判断を情報配信センタ200側で行うように構成してもよい。この場合、カーナビゲーション装置100では、当該判断を情報配信センタ200側で行うのに必要な自車位置の情報や、設定された経由地や目的地の情報等を通信装置116を介して送信するように構成すればよい。
【0065】
(5) 上述の説明では、立ち入り制限地の近傍で車両の不図示のイグニッションスイッチがオフされたと判断されると、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、立ち入り制限地で車両のイグニッションスイッチがオフされた旨を知らせる電子メールを送信するように構成されているが、本発明はこれに限定されない。立ち入り制限地の近傍で車両が所定時間以上留まる可能性がある場合に、すなわち、立ち入り制限地の近傍でドライバが降車する可能性がある場合に、これを抑止するために所定の電子メールを送信するように構成されていればよい。たとえば、CPU110が、同一の立ち入り制限地の近傍に車両が所定時間以上(たとえば10分)存在していると判断される場合、通信装置116を介して、あらかじめ登録された連絡先に宛てて、車両が立ち入り制限地に留まっている旨を知らせる電子メールを送信するよう各部を制御するように構成してもよい。すなわち、継続して所定時間以上、同一の立ち入り制限地が自車位置の周囲(たとえば半径300m以内の範囲)に存在し続けていると判断される場合、CPU110が、その旨を報知する電子メールをあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するよう各部を制御するように構成してもよい。この場合、ドライバに立ち入り制限地で留まる意思がなく、単に渋滞のために同一の立ち入り制限地の近傍で車両が所定時間以上留まることも考えられる。そこで、たとえば、外部から入手した渋滞情報に基づいて、自車位置近傍の道路が渋滞していると判断される場合には、同一の立ち入り制限地の近傍に車両が所定時間以上存在していると判断される場合であっても、上述した電子メールを送信しないようにしてもよい。
【0066】
(6) 上述の説明では、CPU110が所定の電子メールをあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するよう各部を制御するように構成している。この際、カーナビゲーション装置100からの電子メールの送信は、情報配信センタ200を経由せずに通信装置116および情報配信センタ200を介してあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するようにしてもよい。また、情報配信センタ200を経由してあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するようにしてもよい。また、カーナビゲーション装置100から電子メールを送信するための指示を受信した情報配信センタ200が所定の電子メールをあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するようにしてもよい。
【0067】
(7) 上述の説明では、CPU110が所定の電子メールをあらかじめ登録された連絡先に宛てて送信するよう各部を制御するように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、電子メールに代えて、あらかじめ登録された連絡先に電話を掛けて、あらかじめ録音された音声または合成音声によって報知するようにCPU110が各部を制御するように構成してもよい。
【0068】
(8) 上述の説明では、経路探索を行う際に設定された経由地や目的地に係るPOIデータに有害地種別データが付加されている場合には、推奨経路探索後に当該経由地や目的地が有害地であることを報知するように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、経路探索を行う際に設定された経由地や目的地に係るPOIデータに有害地種別データが付加されている場合には、推奨経路探索前に当該経由地や目的地が有害地であることを報知するように構成してもよい。また、経路探索を行う際に設定された経由地や目的地に係るPOIデータに有害地種別データが付加されている場合には、当該経由地や目的地が有害地であることを報知するとともに、推奨経路の演算ができないように構成してもよい。
【0069】
(9) 上述の説明では、有害地接近抑止機能の作動させる対象となるドライバが未成年者である場合について言及しているが、本発明は、ドライバがたとえば成年者であっても初心者や高齢者などの場合であっても同様に適用できる。
(10) 上述の説明における通信装置116は、カーナビゲーション装置100にあらかじめ取り付けられている通信装置であってもよく、カーナビゲーション装置100に接続できる外部の携帯電話機等であってもよい。
(11) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に関する情報を記憶する有害地情報記憶手段と、ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、有害地情報記憶手段に記憶された有害地に関する情報と、自車位置検出手段で検出された自車位置とに基づいて、自車両が有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断手段と、ドライバが有害地を訪問することを許容された人ではないと認証手段で判断され、かつ、有害地到達可能性判断手段で自車両が有害地に到達するおそれがあると判断されると、ドライバに対して自車両が有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とする各種構造のカーナビゲーション装置、および、このカーナビゲーション装置と、有害地に関する情報を配信するサーバとを備えることを特徴とする各種構造のカーナビゲーションシステムを含むものである。
また、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証処理と、自車位置を検出する自車位置検出処理と、あらかじめ記憶されている有害地に関する情報と、自車位置検出処理で検出された自車位置とに基づいて、自車両が有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断処理と、ドライバが有害地を訪問することを許容された人ではないと認証処理で判断され、かつ、有害地到達可能性判断処理で自車両が有害地に到達するおそれがあると判断されるとドライバに対して自車両が有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知処理とをコンピュータに実行させるための各種プログラムを含むものである。
【符号の説明】
【0071】
100 カーナビゲーション装置 110 CPU
116 通信装置 117 ディスプレイ
131 GPSセンサ 132 ジャイロセンサ
200 情報配信センタ 210 有害地情報サーバ210
300 通信回線網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に関する情報を記憶する有害地情報記憶手段と、
前記ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
前記有害地情報記憶手段に記憶された前記有害地に関する情報と、前記自車位置検出手段で検出された前記自車位置とに基づいて、自車両が前記有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断手段と、
前記ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人ではないと前記認証手段で判断され、かつ、前記有害地到達可能性判断手段で自車両が前記有害地に到達するおそれがあると判断されると、前記ドライバに対して自車両が前記有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知手段とを備えることを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカーナビゲーション装置において、
前記有害地到達可能性判断手段は、前記有害地情報記憶手段に記憶された前記有害地に関する情報と、前記自車位置検出手段で検出された前記自車位置とに基づいて、自車両が前記有害地を含む所定の範囲内に進入していると判断される場合に自車両が前記有害地に到達するおそれがあると判断することを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のカーナビゲーション装置において、
外部と通信を行う通信装置を制御する通信装置制御手段と、
前記有害地情報記憶手段に記憶された前記有害地に関する情報と、前記自車位置検出手段で検出された前記自車位置とに基づいて、自車両が前記有害地を含む所定の範囲内に予め定められた設定時間以上留まる可能性があるか否かを判断する有害地到達判断手段とをさらに備え、
前記通信装置制御手段は、前記ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人ではないと前記認証手段で判断され、かつ、前記有害地到達判断手段で自車両が前記有害地を含む所定の範囲内に予め定められた設定時間以上留まる可能性があると判断されると、外部に連絡を行うように前記通信装置を制御することを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のカーナビゲーション装置において、
目的地を設定する目的地設定手段と、
前記目的地設定手段で設定された前記目的地までの誘導経路を探索する経路探索手段と、
前記目的地設定手段で設定された前記目的地が前記有害地であるか否かを判断する有害目的地判断手段とをさらに備え、
前記有害地到達可能性判断手段は、前記目的地設定手段で設定された前記目的地が前記有害地であると前記有害目的地判断手段で判断されると、自車両が前記有害地に到達するおそれがあると判断することを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のカーナビゲーション装置において、
外部と通信を行う通信装置を制御する通信装置制御手段と、
前記経路探索手段が前記有害目的地までの誘導経路を探索し、探索された前記有害目的地までの誘導経路に沿って自車両が所定の距離以上走行したか否かを判断する経路走行判断手段とをさらに備え、
前記通信装置制御手段は、前記ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人ではないと前記認証手段で判断され、かつ、前記経路走行判断手段で前記有害目的地までの誘導経路に沿って自車両が所定の距離以上走行したと判断されると、外部に連絡を行うように前記通信装置を制御することを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のカーナビゲーション装置において、
外部のサーバから配信される前記有害地に関する情報を取得する有害地情報取得手段をさらに備えることを特徴とするカーナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のカーナビゲーション装置と、
前記有害地に関する情報を配信するサーバとを備えることを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項8】
車両のドライバが訪問するとドライバによっては悪影響を受けるおそれがある有害地に訪問することを許容された人であるか否かを判断する認証処理と、
自車位置を検出する自車位置検出処理と、
あらかじめ記憶されている前記有害地に関する情報と、前記自車位置検出処理で検出された前記自車位置とに基づいて、自車両が前記有害地に到達するおそれがあるか否かを判断する有害地到達可能性判断処理と、
前記ドライバが前記有害地を訪問することを許容された人ではないと前記認証処理で判断され、かつ、前記有害地到達可能性判断処理で自車両が前記有害地に到達するおそれがあると判断されると前記ドライバに対して自車両が前記有害地に到達するおそれがある旨を報知する報知処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−233792(P2012−233792A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102744(P2011−102744)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】