説明

ガス・蒸気複合タービン設備の始動方法

本発明は、少なくとも1台のガスタービン(2)を有するガスタービン設備(1a)並びに少なくとも1台の蒸気タービン(20)と少なくとも1個の蒸気系とを有する蒸気タービン設備(1b)を有し、ガスタービン(2)で膨張した作動媒体(AM)の廃熱が、蒸気タービン(20)を駆動する蒸気を発生するために蒸気系に導かれ、始動時に、蒸気タービン(20)が始動される前にガスタービン(2)が始動される、ガス・蒸気複合タービン設備(1)の始動方法に関し、蒸気タービン(20)が、蒸気系に最初の蒸気が存在する際に既に始動され、蒸気を供給されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス・蒸気複合タービン設備の始動方法に関し、特にかかる設備の高速始動方法に関する。
【0002】
ガスタービン設備において、気体燃料あるいは液体燃料例えば天然ガスあるいは石油が圧縮空気と混合されて燃焼される。加圧状態にある燃焼ガスはガスタービンのタービンに作動媒体として供給される。その作動媒体は膨張しながらタービンを回転させ、熱エネルギが機械作業に転換され、即ち、タービンの回転運動に転換される。膨張済み作動媒体がガスタービン設備から流出する際、その作動媒体は代表的にはなお500〜600℃の温度を有する。
【0003】
ガス・蒸気複合タービン設備において、ガスタービン設備からの燃焼ガスとも呼ぶ膨張済み作動媒体は、蒸気タービンを駆動するための蒸気を発生するために利用される。そのために、作動媒体は、排気ガス側においてガスタービンに後置接続された廃熱ボイラに導入される。この廃熱ボイラに管あるいは管束の形態で複数の伝熱面(加熱器)が配置されている。それらの伝熱面は、少なくとも1つの圧力段、通常は複数の圧力段を有する蒸気タービン設備の水・蒸気・回路に挿入接続されている。それらの圧力段は、蒸気発生用伝熱面に供給される水が種々の圧力レベルを有する点で相互に区別される。唯一の圧力段を有する水・蒸気・回路を備えたガス・蒸気複合タービン設備は、独国特許出願公開第19736888号明細書に記載され、3つの圧力段、即ち、高圧段と中圧段と低圧段とを有するガス・蒸気複合タービン設備は、独国特許第10004187号明細書に記載されている。
【0004】
ガス・蒸気複合タービン設備を始動するために、通常は、ガスタービン設備が始動され、その膨張済み作動媒体が蒸気タービン設備の廃熱ボイラに供給される。その廃熱ボイラで発生された蒸気は、はじめ蒸気タービン設備のタービン部分に導入されず、バイパス装置を介してタービンを迂回して流れ、蒸気を凝縮して復水する復水器に直接導かれる。その復水は給水としてボイラに供給される。多くの実施形態のガス・蒸気複合タービン設備において、迂回された蒸気は大気にも導かれる。
【0005】
水・蒸気・回路の蒸気管ないしガスタービン設備のタービン部分に通ずる蒸気管において、所定の蒸気パラメータ例えば所定の蒸気圧力および蒸気温度が維持されたときにはじめて、蒸気タービンが作動される。その蒸気パラメータの維持は、厚肉構造部品において予想される応力を低いレベルに保つようにする。
【0006】
ガスタービン設備の始動後、出力上昇が行われ、この出力上昇は、蒸気系における圧力上昇を生じさせる。ガスタービン設備が始動される負荷勾配、即ち、単位時間当たりのガスタービン設備の出力上昇の度合いは、廃熱ボイラの設計と構造様式並びに蒸気タービンの内部における構造的制限にかなり左右される。ガスタービン負荷の増大に伴って、従って、ガスタービン設備から排出された廃ガスの温度ないし体積流量の増大に伴って、蒸気温度および蒸気系における圧力も増大される。
【0007】
蒸気タービンの始動前、ガスタービンは一般に、ガスタービン設備および蒸気系において定常状態が形成されるまで、所定の部分負荷に保たれる。安定した蒸気発生が達成されるや否や、蒸気系に存在する蒸気が蒸気タービンに導入され、これにより、蒸気タービンが加速される。そしてタービン回転数は定格回転数まで増大される。蒸気タービンに連結された発電機と電源系統との同期が行われた後、あるいはタンデム形設備の場合に自動一方向クラッチの連結後、蒸気タービンは蒸気供給量増加によって一層負荷される。その場合、蒸気圧力をほぼ一定に維持するため、および廃熱ボイラにおけるレベル変動を最小にするために、バイパス装置を徐々に閉鎖する。
【0008】
バイパス装置が閉鎖され、廃熱ボイラで発生された蒸気が蒸気タービンに導入されるや否や、いまやガス・蒸気タービン複合運転する設備の大きな出力要求において、一層のガスタービン出力上昇が生ずる。
【0009】
ガス・蒸気複合タービン設備の始動過程は、ガスタービンが基礎負荷に到達し、すべてのバイパス装置が閉じられたときにはじめて、規定に応じて終了される。
【0010】
本発明の課題は、冒頭に述べた方法より速い始動過程を可能とするガス・蒸気複合タービン設備の始動方法を提供することにある。
【0011】
この課題は、請求項1に記載のガス・蒸気複合タービン設備の始動方法によって解決される。本発明に基づく方法の有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明に基づいて、少なくとも1台のガスタービンを有するガスタービン設備並びに少なくとも1台の蒸気タービンと少なくとも1個の蒸気系とを有する蒸気タービン設備を有し、ガスタービンで膨張した作動媒体の廃熱が、蒸気タービンを駆動する蒸気を発生するために蒸気系に導入される、ガス・蒸気複合タービン設備を始動する方法、特に高速始動する方法が提供される。
【0013】
本発明に基づく方法において、始動時に、蒸気タービンが始動される前にまずガスタービンが始動される。そして蒸気タービンが、蒸気系に最初の蒸気が存在する際に既に始動され、蒸気を供給される。
【0014】
本発明に基づく方法において、蒸気系が定常状態になるまで待機する必要なしに、蒸気タービンはできるだけ早く始動され、廃熱ボイラからの最初の蒸気で加速される。この処置は、ガス・蒸気複合タービン設備の始動過程を大幅に短縮することを可能にする。
【0015】
通常の始動方式と異なって、蒸気タービンの始動時における蒸気系の蒸気温度は、蒸気タービンないしその車室の材料温度より低い温度にできる。従って、蒸気タービンへの蒸気の早期導入は、構造部品の冷却および熱応力を生じさせる。しかし、続いて蒸気温度が上昇する際の勾配が相応して小さくされることにより、確実に補償される。
【0016】
始動過程時における蒸気系の調和は、蒸気圧力が連続して増大するように選定されている。これは例えば、蒸気系の蒸気バイパス装置が、作動媒体の廃熱の一部で蒸気タービンの加速および/又は同期のために必要な最低蒸気量が発生され、作動媒体の廃熱の残留部分で蒸気系の圧力上昇が生じさせられるほどしか開かれないことによって達成される。
【0017】
蒸気バイパス装置の比較的僅かな開度は、蒸気系における圧力上昇のほかに、廃熱ボイラにおける蒸気発生を低減させる。その結果、復水器への熱負荷が減少され、バイパス装置を一層早く閉鎖できる。
【0018】
本発明に基づく方法の特別な実施態様においては、バイパス装置が全く開かれない。
【0019】
本発明に基づく方法は特に、ガスタービン設備が全始動過程中に特に基礎負荷が達成されるまで負荷増大されるようにできる。換言すれば、ガスタービン設備を所定の部分負荷に維持すること、およびガスタービン設備と蒸気タービン設備の蒸気系に定常状態が形成されるまで待機することが不要とされる。この処置も、ガスタービン設備の始動時間を短縮させ、そのようにして、高速始動を可能にする。
【0020】
特別な実施態様においては、ガスタービン設備の負荷増大が最大負荷勾配で行われ、即ち、単位時間当たり最大のガスタービン出力上昇が行われる。
【0021】
ガス・蒸気複合タービン設備は、ガスタービン設備の基礎負荷への立ち上げ中にガス・蒸気タービン複合運転に切り換えられ、これにより、ガスタービン基礎負荷に到達した際、規定通りに始動過程が終了される。ガス・蒸気タービン複合運転への切換は、特に、蒸気タービンに連結された発電機と電源系統との同期、あるいはタンデム形設備の場合に自動一方向クラッチの連結を含んでいる。
【0022】
上述した本発明に基づくガス・蒸気複合タービン設備の始動方法は、設備の始動時間を著しく短縮する。冒頭に述べた方法に比べて始動時間を約50%減少することができる。従って、ガス・蒸気複合タービン設備は瞬時の需要に非常に柔軟に反応でき、これにより、電力売却益が増大できる。また、蒸気タービンの早い蒸気受給と、出力損失を僅かにさせる復水器における減少された熱負荷とによって、ガス・蒸気複合タービン設備の平均効率が増大し、これは特に頻繁な始動の際に非常に価値があり、設備の経済性を向上する。
【0023】
また、ガス・蒸気複合タービン設備の本発明に基づく始動方法におけるより僅かな蒸気発生は、より小形のバイパス装置を設置すること、およびそのようにして設備投資費を減少することを可能にする。
【0024】
ガス・蒸気複合タービン設備の高速始動を可能にする上述した始動方法は、本質的にソフトウエア変更により実現できる。従って、既存のガス・蒸気複合タービン設備にも本発明に基づく始動方法を採用させることができる。
【0025】
本発明の他の特徴、特性および利点は、以下の図を参照した実施例の詳細から理解できる。
【0026】
図1に概略的に示されたガス・蒸気複合タービン設備1は、ガスタービン設備1aと蒸気タービン設備1bを有している。ガスタービン設備1aは、ガスタービン2と、圧縮機4と、圧縮機4とガスタービン2との間に挿入接続された燃焼器6とが装備されている。圧縮機4によって、新鮮空気Lが吸い込まれ、圧縮され、新鮮空気配管8を介して燃焼器6の1個あるいは複数のバーナに導かれる。導入された空気は、燃料供給管10を介して導入された液体燃料あるいは気体燃料Bと混合され、その混合気が点火される。その際に生ずる燃焼ガスが、ガスタービン2に導入されるガスタービン設備1aの作動媒体AMを形成する。そこで作動媒体AMは、膨張しながら仕事をし、ガスタービン2に連結された軸14を駆動する。この軸14は、ガスタービン2に連結されているほかに、空気圧縮機4並びに発電機12に連結され、これらを駆動する。膨張済み作動媒体AMは廃ガス管34を介して蒸気タービン設備1bの廃熱ボイラ30に排出される。
【0027】
廃熱ボイラ30において、約500〜600℃の温度でガスタービン1aから排出された作動媒体が、蒸気の発生とその過熱のために利用される。
【0028】
蒸気タービン設備1bは、特に強制貫流系として形成される廃熱ボイラ30のほかに、タービン段20a、20b、20cを備えた蒸気タービン20と復水器26とを有している。廃熱ボイラ30と復水器26は、復水管ないし給水管35、40並びに蒸気管48、53、64、70、80、100と共に蒸気系を形成し、この蒸気系は、蒸気タービン20と共に水・蒸気・回路を形成している。
【0029】
給水タンク38からの水は、給水ポンプ42によって、エコノマイザとも呼ばれる高圧予熱器44に供給され、そこから、出口側がエコノマイザ44に接続され貫流運転式に設計された蒸気発生器46に導かれる。蒸気発生器46は出口側が、気水分離器50が挿入接続された蒸気管48を介して、過熱器52に接続されている。過熱器52は出口側が、蒸気管53を介して、蒸気タービン20の高圧段20aの蒸気入口54に接続されている。
【0030】
過熱器52で過熱された蒸気は、それが高圧段20aの蒸気出口56から再熱器58に導かれる前に、蒸気タービン20の高圧段20aにおいてタービンを駆動する。
【0031】
再熱器58における再熱後、その蒸気は継続蒸気管81を介して、蒸気タービン20の中圧段20bの蒸気入口60に導かれ、そこで、タービンを駆動する。
【0032】
中圧段20bの蒸気出口62は、転流管64を介して、蒸気タービンの低圧段20cの蒸気入口66に接続されている。低圧段20cの貫流後およびそれに伴うタービン駆動後、冷却され膨張された蒸気は、低圧段20cの蒸気出口68から、復水器26に通じている蒸気管70に排出される。
【0033】
復水器26は流入する蒸気を復水に転換し、その復水は復水管35を介して復水ポンプ36によって給水タンク38に送られる。
【0034】
水・蒸気・回路は、上述した構成要素のほかに、蒸気管53が高圧段20aの蒸気入口54に到達する前にその蒸気管53から分岐しているバイパス管100、いわゆる高圧バイパス管を有している。この高圧バイパス管100は高圧段20aを迂回し、再熱器58への供給管80に開口している。蒸気管81が中圧段20bの蒸気入口60に到達する前にその蒸気管81からバイパス管200、いわゆる中圧バイパス管が分岐している。中圧バイパス管200は中圧段20b並びに低圧段20cを迂回し、復水器26に通じている蒸気管70に開口している。
【0035】
高圧バイパス管100および中圧バイパス管200に、それらをしゃ断できる止め弁102、202が組み込まれている。蒸気管53ないし蒸気管81にも同様に止め弁104、204が、詳しくは、それぞれバイパス管100ないし200の分岐点と高圧段20aの蒸気入口54ないし中圧段20bの蒸気入口60との間に存在している。
【0036】
バイパス管200にそれをしゃ断できる止め弁202が組み込まれている。蒸気管53にも同様に止め弁104が、詳しくは、バイパス管100の分岐点と蒸気タービン20の高圧段20aの蒸気入口54との間に存在している。
【0037】
バイパス管100および止め弁102、104は、ガス・蒸気複合タービン設備1の始動中に蒸気の一部を蒸気タービン2を迂回して導くために用いられる。
【0038】
次に、図1について述べた設備1を参照して、本発明に基づくガス・蒸気複合タービン設備の始動方法の実施例を説明する。
【0039】
その手順のはじめに、ガスタービン設備1aが始動され、そこから流出する作動媒体AMが廃熱ボイラ30にその入口30aを介して導入される。膨張済み作動媒体AMは廃熱ボイラ30を貫流し、廃熱ボイラ30の出口30bから、図1に示されていない煙突を通して大気に出る。廃熱ボイラ30の貫流中、作動媒体AMの熱は水・蒸気・回路における水ないし蒸気に伝達される。
【0040】
ガスタービン設備の始動後、作動媒体の廃熱が廃熱ボイラ30において蒸気系における蒸気発生を開始する。
【0041】
始動過程のこの早い段階で、止め弁102と止め弁104ないし止め弁202と止め弁204が、発生された蒸気のほんの一部しかバイパス管100、200を通して流れず、始動過程のこの段階で既に蒸気の大部分が蒸気タービン20に導入される、ように調整される。蒸気タービン20に導入された蒸気部分は蒸気タービンを加速し、蒸気がタービンおよび蒸気管の材料より熱い限りにおいて、蒸気タービンを暖機する。
【0042】
ほんの僅かな蒸気しか中圧バイパス管200を介して復水器26に直接導かれないので、蒸気タービン20の加速および暖機中に利用されない廃熱部分は、蒸気系における圧力上昇を生じさせる。従って、始動過程の継続経過において、蒸気系の蒸気圧力は連続して増大し、このため、廃熱ボイラにおける蒸気発生は減少される。これは、復水器26への入熱量を減少させ、もともと全開されていない止め弁102、202が、従来における始動方法に比べて速く閉鎖できるようにさせる。
【0043】
ガスタービン設備1aの始動後、ガスタービン設備の負荷は、好適には、基礎負荷に到達するまで最大負荷勾配で高められる。
【0044】
蒸気タービン20への蒸気の導入開始時に蒸気温度がタービン20の材料温度より低いとき、ガスタービン設備の負荷の増大中、蒸気温度は連続して上昇し、比較的速く、蒸気タービンおよびそれに通じる蒸気管の材料温度を超える。最大負荷勾配でのガスタービン設備の始動に基づくタービン部品の比較的低い温度から高い温度までの急速な温度上昇が、材料の所定の熱応力限界点を超過する場合には、ガスタービン設備の出力を最大負荷勾配より小さな負荷勾配でも増大することができ、これによって、蒸気温度はゆっくり増大する。
【0045】
本発明に基づく始動方法においてバイパス管100、200が早く閉鎖され、ガス・蒸気複合タービン設備1がガスタービン設備1aの基礎負荷への立ち上げ中に既にガス・蒸気タービン複合運転に切り換えられるので、ガスタービン基礎負荷に到達した際に始動過程が終了される。
【0046】
ガスタービン基礎負荷に到達した際に蒸気タービン負荷が約80〜90%の大きさにしか到達されなくとも、ガスタービン設備の基礎負荷に到達しバイパス管が閉じられた際に始動過程が終了される、という基準に応じて始動過程が完了されたものと見なされる。廃熱ボイラの動的特性に応じて、数分間にわたり一層の圧力上昇が行われ、この圧力上昇は約10〜20分経過後に完了される。それに応じて、蒸気量が増大され、蒸気温度に応じて、95%を超える蒸気タービン出力が得られる。
【0047】
本発明に基づく始動方法を、唯一の圧力段を有する水・蒸気・回路を備えたガス・蒸気複合タービン設備について説明したが、この本発明に基づく方法は、水・蒸気・回路に複数の圧力段を有するガス・蒸気複合タービン設備にも利用できる。本発明に基づく始動方法を利用することができる、水・蒸気・回路に3つの圧力段、即ち、高圧段と中圧段と低圧段とを有するガス・蒸気複合タービン設備は、例えば独国特許第10004187号明細書に記載されているが、複数の圧力段を備えたガス・蒸気複合タービン設備の形態についてはこれに記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ガス・蒸気複合タービン設備の概略構成図。
【符号の説明】
【0049】
1 ガス・蒸気複合タービン設備
1a ガスタービン設備
1b 蒸気タービン設備
2 ガスタービン
16 蒸気タービン設備
20 蒸気タービン
100 バイパス管
200 バイパス管
102 止め弁
202 止め弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1台のガスタービンを有するガスタービン設備(1a)並びに少なくとも1台の蒸気タービン(20)と少なくとも1個の蒸気系とを有する蒸気タービン設備(1b)を有し、ガスタービン(2)で膨張した作動媒体(AM)の廃熱が、蒸気タービン(20)を駆動する蒸気を発生するために蒸気系に導入され、始動時に蒸気タービン(20)が始動される前にガスタービン(2)が始動される、ガス・蒸気複合タービン設備(1)の始動方法において、
蒸気タービン(20)が、蒸気系に最初の蒸気が存在する際に既に始動され、蒸気を供給されることを特徴とするガス・蒸気複合タービン設備の始動方法。
【請求項2】
始動過程時、蒸気タービン(20)の加速中に蒸気温度が小さな勾配で増大するように、蒸気系の調和が行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
始動過程時、蒸気圧力が連続して増大するように、蒸気系の調和が行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
調和が、蒸気系の少なくとも1個の蒸気バイパス装置(100、102、200、202)で行われ、その蒸気バイパス装置(100、102、200、202)が、作動媒体の廃熱の一部で蒸気タービン(20)の加速および/又は同期のために必要な最低蒸気量が発生され、作動媒体の廃熱の残留部分で蒸気系の圧力上昇が生じさせられるほどしか開かれないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
蒸気系における蒸気タービン(20)の迂回路に通じているバイパス装置(100、102、200、202)が全く開かれないことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ガスタービン設備(1a)が全始動過程中に負荷増大されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
ガスタービン設備(1a)の基礎負荷が到達されるまで、負荷増大が維持されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
負荷増大が最大負荷勾配で行われることを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
ガス・蒸気複合タービン設備(1)が、負荷増大中にガス・蒸気タービン複合運転に切り換えられることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−534860(P2008−534860A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504748(P2008−504748)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061217
【国際公開番号】WO2006/106075
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】