説明

ガラス搬送装置及びその制御方法、並びに車両の製造方法

【課題】ガラスを精度よく取付位置まで搬送することができるガラス搬送装置、ガラス搬送装置の制御方法、及び自動車の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様にかかるガラス搬送装置は、自動車100のガラスをその取付位置まで搬送するガラス搬送装置である。ガラスを保持する吸着治具60と、吸着治具60を移動させるための関節52を有するアーム機構50と、吸着治具60で保持したリアガラス2bを、ボディ101形状に応じた仮想ガイドGrに沿って移動させるよう、アーム機構50を制御する制御部80とを備えている。フロントガラス2aの取付位置の高さを記憶し、取付位置の高さに応じて仮想ガイド高さを算出し、仮想ガイド高さの仮想ガイドGrに沿って、リアガラス2aを移動させている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対して取り付けられるガラスを搬送するガラス搬送装置及びその制御方法、並びに車両の製造方法に関し、特に、ガラスを車両へ取り付けるためにガラスを取付位置まで移動させるガラス搬送装置及びその制御方法、並びに車両の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に対しウィンドウガラス(以下、これをガラスと称す)を組み付けるガラス組付装置として、例えば特許文献1に開示されているものがある。この特許文献1には、車両の組立工程における車両の搬送ライン上で、人手を介することなく車両に対しガラスを組み付けるガラス貼付装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−272562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にガラス組付装置は、吊下げ設置タイプと床設置タイプとに分けられる。前者の場合、アーム機構が車両の組立工程ライン上方に設置される。具体的には、この組立工程ラインが設けられる工場等の天井側に配設される。そして、ロボットアームが車両搬送位置に応じて設置されたレール等にスライド自在に取り付けられている。そして、搬送されてくる車両に対してアーム機構が同期移動して、ガラスを供給している。
【0005】
また後者の場合、アーム機構が組立工程ラインにおける車両搬送位置近傍に配設される。そして、アーム機構は、搬送される車両位置に応じて固定または移動可能に設けられている。いずれの場合も搬送される車両に対して、アーム機構を駆動することでガラスを供給している。因みに、車両の組立工程としては、上述したように組み立てる車両が搬送ライン上を所定の速さで流れながら組み立て作業を行う場合と、搬送ラインから分岐して設けられる工程別ラインにおいて車両を停止した状態で組み立て作業を行う場合とがある。
【0006】
そして、ガラス組付装置は、ガラスを保持するガラス保持機構と、ガラス保持機構を回動自在に保持するアーム機構とを備えている。例えば、アーム機構の先端に、保持機構が取り付けられている。そして、アーム機構を駆動することによって、保持機構に保持されているガラスを取付位置まで移動させることができる。
【0007】
ところで、かかる従来のガラス組付装置は、自動車の進行方向に対し後方(以下、これをリア側と称する)のリアガラスと、自動車の進行方向に対し前方(以下、これをフロント側と称する)のフロントガラスの両方に対して使用される。すなわち、同一のガラス貼付装置で、車両のフロントガラス、及びリアガラスを順番に取り付ける。この場合、たとえば、フロントガラスを保持した状態で、フロントガラスの取付位置まで移動させる。そして、フロントガラスの保持を開放して、フロントガラスを自動車のボディに取り付ける。その後、リアガラスを保持して、リアガラスの取付位置まで移動させる。そして、リアガラスを開放して、リアガラスを自動車のボディに取り付ける。
【0008】
フロントガラスの前方は開放しているため、障害物がない。よって、フロントガラス組み付け軌道上、単純な上下動作、及び回転動作で組み付けることができる。一方、セダン型自動車の場合、ボディに、トランクフードがある。従って、リアガラスを取り付ける場合、トランクフードとボディとの隙間にリアガラスを通さなければならない。例えば、トランクフードとボディとの隙間は、30〜40mm程度である。よって、リアガラスを取り付けるためには、高い軌跡精度が要求される。しかしながら、ボディの床面からの位置精度がコンベア上の車両毎にばらついている。従って、ボディに対して高い軌跡精度で移動させることが困難になってします。すなわち、ボディとトランクフードとの隙間に挿入することが困難になってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ガラスを精度よく取付位置まで搬送することができるガラス搬送装置,ガラス搬送方法、及び車両の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかるガラス搬送装置は、車両の第1のガラス、及び第2のガラスを取り付けるため、ガラスを保持した状態で、取付位置まで搬送するガラス搬送装置であって、前記車両に取り付けられるガラスを保持する保持機構と、前記保持機構を移動させるための関節を有するアーム機構と、前記関節の位置を測定するために設けられた測定器と、前記保持機構で保持した第2のガラスを、前記車両のボディ形状に応じた仮想ガイドに沿って移動させるよう、前記測定器での測定結果に応じて前記アーム機構を制御する制御部とを備えた、ガラス搬送装置であって、前記制御部が、前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された前記取付位置の高さを記憶し、前記取付位置の高さに応じて仮想ガイド高さを算出し、前記仮想ガイド高さの前記仮想ガイドに沿って、前記第2のガラスを移動させるものである。これにより、車両毎に仮想ガイド高さが算出されるため、車両毎に設定された仮想ガイドに沿って、保持機構が移動する。よって、ガラスや保持機構が車両と衝突するのを防ぐことができ、確実にガラスを搬送することができる。
【0011】
本発明の第2の態様にかかるガラス搬送装置は、上記のガラス搬送装置であって、前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度のいずれか一つ以上を記憶し、前記水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度に応じて、前記仮想ガイドの位置、又は角度を決定するものである。これにより、より高い位置精度でガラスを搬送することができる。
【0012】
本発明の第3の態様にかかるガラス搬送装置の制御方法は、車両に取り付けられる第1のガラス、又は第2のガラスを保持する保持機構と、前記保持機構を移動させるための関節を有するアーム機構と、前記関節の位置を測定するために設けられた測定器と、を備え、前記保持機構で保持した第2のガラスを、前記車両のボディ形状に応じた仮想ガイドに沿って移動させるよう、前記測定器での測定結果に応じて前記アーム機構を制御するガラス搬送装置の制御方法であって、前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された前記取付位置の高さを記憶し、前記取付位置の高さに応じてガイド高さを算出し、前記ガイド高さの前記仮想ガイドに沿って、前記第2のガラスを移動させるものである。これにより、車両毎に仮想ガイド高さが算出されるため、車両毎に設定された仮想ガイドに沿って、保持機構が移動する。よって、ガラスや保持機構が車両と衝突するのを防ぐことができ、確実にガラスを搬送することができる。
【0013】
本発明の第4の態様にかかるガラス搬送装置は、上記のガラス搬送装置であって、前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度のいずれか一つ以上を記憶し、前記水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度に応じて、前記仮想ガイドの位置又は角度を決定するものである。これにより、より高い位置精度でガラスを搬送することができる。
【0014】
本発明の第5の態様にかかるガラス搬送装置は、上記のガラス搬送装置の制御方法を用いてガラス搬送装置を制御して、ガラスを車両の窓枠に取り付けるステップを有するものである。これにより、ガラスを安全、確実に取り付けることができるため、生産性を向上することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ガラスを精度よく取付位置まで搬送することができるガラス搬送装置、ガラス搬送方法、及び車両の製造方法を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本実施の形態にかかるガラス搬送装置は、例えば、作業者との協調動作によって、ガラスを車両の窓枠に取り付けるため、ガラスを搬送する。ガラス搬送装置は、車両の第1のガラス、及び第2のガラスを取り付けるため、ガラスを保持した状態で、取付位置まで搬送するガラス搬送装置である。そして、車両に取り付けられるガラスを保持する保持機構と、保持機構を移動させるための関節を有するアーム機構と、関節の位置を測定するために設けられた測定器とを備えている。さらに、ガラス搬送装置には、保持機構で保持した第2のガラスを、車両のボディ形状に応じた仮想ガイドに沿って移動させるよう、測定器での測定結果に応じてアーム機構を制御する制御部が設けられている。その制御部が、第1のガラスの取付位置まで移動した際に、測定器での測定結果に基づいて算出された前記取付位置の高さを記憶し、取付位置の高さに応じて仮想ガイド高さを算出し、仮想ガイド高さの前記仮想ガイドに沿って、前記第2のガラスを移動させる。
【0017】
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかるガラス搬送装置について、図1を用いて説明する。図1は、ガラス搬送装置の構成を示す模式図である。図1に示すガラス搬送装置10は、車両のウィンドウガラスを搬送するロボットである。ここでは、車両がトランクフード(ラゲージハッチ)を有するセダン型の自動車として説明する。ガラス搬送装置10は、作業者1との協調動作によって、車両のウィンドウガラスを取り付けるため、ガラス2を取付位置まで搬送する。すなわち、自動車のガラス取付工程において、ガラス搬送装置10は、作業者の補助を行うアシスト装置である。また、ガラス搬送装置10は、工場の天井などに吊るされた吊下げ設置タイプの装置である。従って、ガラス搬送装置10は、自動車の組立工程ライン上方に設置される。
【0018】
ガラス搬送装置10は、アーム機構50と吸着治具60とを有している。吸着治具60は、ガラスを保持するための保持機構である。吸着治具60には、ハンドル61と、デッドマンSW62と、フレーム63とが設けられている。フレーム63は、吸着治具60の枠組みで、枠形状を有している。フレーム63の下方には、ガラス2を吸着するための吸盤が設けられている。また、吸盤には、図示しないポンプに接続された吸引口が設けられている。吸盤をガラス2に密着させ、吸盤内の吸引口から空気を吸引する。これにより、ガラス2が吸着治具60に吸着保持される。ガラス2を吸着した状態で取付位置まで移動させ、吸引口から空気を排出すると、保持したガラス2が開放される。これにより、ガラス2の取付が可能になる。なお、吸着治具60は、自動車のフロントガラス、及びリアガラスのいずれも吸着可能な構成をしている。
【0019】
さらに、フレーム63の両側には、それぞれハンドル61が取り付けられている。2つのハンドル61は、平面視略U字状である。そして、ハンドル61は吸着治具60の両端部に配置されている。取付作業を行う際には、作業者1は、このハンドル61を把持する。そして、作業者1がハンドル61に力を加えると、後述するアーム機構50の関節が回転する。これにより、作業者1の操作により、ガラス2の位置を変えることができる。また、一方のハンドル61には、デッドマンSW62が設けられている。デッドマンSW62が、作業者1が把持する方のハンドル61に設けられている。デッドマンSW62は、ハンドル61の幅方向の一端に配設されている。作業の安全性確保のため、デッドマンSW62をONしている間のみ、アーム機構50のアクチュエータが動作する。もちろん、デッドマンSW62を両方のハンドル61にそれぞれ配設してもよい。これにより、作業性を向上することができる。
【0020】
吸着治具60は、アーム機構50の先端に取り付けられている。すなわち、アーム機構50の手先54の位置で吸着治具60がアーム機構50に接続されている。アーム機構50は、製造組立てラインの工場の天井から下方に延設されている。アーム機構50は、吸着治具60を移動させるための複数の関節52を有している。すなわち、アーム機構50は、ロボットアームであり、吸着治具60を回動自在に保持している。
【0021】
関節52には、リンク51が接続されている。各関節52を駆動することによって、関節角度が変化する。すると、リンク51の角度が変わり、吸着治具60が移動する。なお、関節52の一部は、受動関節であってもよい。すなわち、モータ等を有する能動関節が1以上設けられていればよい。能動関節とする場合は、関節52にモータ等のアクチュエータを設け、受動関節とする場合は、関節52にフリージョイントなどを設ける。
【0022】
ここでは、アーム機構50が4つのリンク51を有する閉ループ機構になっている。4つのリンク51が同じ長さであり、菱形状に配置されている。各リンク51は、関節52を介して接続されている。さらに、アーム機構50はスライド機構70を介して、天井から吊り下げられている。また、関節52を介して、吸着治具60がアーム機構50に接続されている。
【0023】
各関節52は、例えば、回転関節である。従って、アーム機構50には、関節52を駆動するためのモータやギア等が設けられている。さらに、各関節52は、モータ等の回転角度を検出するためのエンコーダを内蔵している。そして、後述する制御部は、エンコーダからの出力に応じて、フィードバック制御する。すなわち、エンコーダが関節角度を検出することで、関節の位置を測定することができる。この測定結果に応じて関節をフィードバック制御する。これにより、手先54をガラス2の取付位置まで移動させることができる。吸着治具60に保持されたガラス2を所定の取付位置まで移動させることができる。このように、アーム機構50は、ガラス保持機構である吸着治具60の位置を制御している。なお、アーム機構50の構成は特に限定されるものではなく、アーム機構50が旋回関節や直動関節を含んでいてもよい。さらに、関節52の数やリンク51の数は、特に限定されるものでない。吸着治具60を3次元的に移動可能であればよい。
【0024】
アーム機構50はスライド機構70に接続されている。すなわち、スライド機構70はアーム機構50をスライド可能に保持している。スライド機構70は、例えば、ガイドレールやモータなどを有しており、アーム機構50をスライド移動させる。これにより、前後方向にアーム機構がスライドする。スライド機構70は、製造組立てラインの工場の天井に設置されている。
【0025】
スライド機構70は、車両のボディを搬送するコンベアと同期移動している。すなわち、スライド機構70は、コンベアの搬送速度と同じ速度で、ガラス搬送装置10を移動させている。さらに、スライド機構70には、モータの回転角度を検出するエンコーダが設けられている。そして、制御部によって、スライド機構70の移動が制御される。なお、制御部による制御については、後述する。もちろん、ボディ101が停止している状態で取付作業を行ってもよい。この場合、スライド機構70を同期移動させる必要はない。
【0026】
アーム機構50の具体的な一構成例について図2を用いて説明する。ここでは、図2に示すようなXYZ座標系(直交座標系)を用いて、アーム機構50の説明を行う。なお、説明の明確化のため、図2に示すように、スライド機構70側の関節52を上関節52aとし、手先54側の関節52を下関節52bとする。また、上関節52aに接続された2つのリンク51を上リンク51aとし、下関節52bに接続された2つのリンク51を下リンク51bとする。さらに、下リンク51bと上リンク51aとを接続する関節52を、中関節52cとする。また、Z方向は鉛直方向であり、X方向、及びY方向は水平面に平行な方向である。
【0027】
上関節52aは、上リンク51aをそれぞれ前後方向に駆動する。すなわち、上関節52aが駆動すると、上リンク51aはY軸に平行な回転軸回り(ピッチ軸回り)に回転する。これにより、XZ平面内における手先位置が変化する。より具体的には、X方向、及びZ方向において、手先位置が変化する。さらに、上関節52aは、アーム機構50全体を左右方向に駆動する。すなわち、X軸に平行な回転軸回り(ロール軸回り)に回転する。これにより、Y方向及びZ方向において、手先位置が変化する。
【0028】
また、下関節52bは、吸着治具60を前後方向に駆動する。すなわち、下関節52bが駆動すると、吸着治具60がY軸に平行な回転軸回りに回転する。これにより、吸着治具60の傾きが変わり、ガラス2の傾斜角度が変化する。よって、ガラス2を取り付けやすい角度で保持することができる。さらに、下関節52bに3次元揺動可能なフリージョイントを設けてもよい。これにより、作業者がガラス2の姿勢を変えることができる。中関節52cは、受動関節になっている。従って、上リンク51aは、中関節52cのフリージョイントを介して、下リンク51bと接続される。
【0029】
さらに、各関節の回転角度から、取付位置を算出することができる。例えば、図2に示すように、XZ平面において、X軸を基準とする上リンク51aの回転角度をそれぞれθ、θとする。さらに、XZ平面において、下リンク51bを基準とする下関節52bの回転角度をθとする。これらの関節角度θ、θ、θ並びにリンク51の長さに基づいて、手先位置が算出される。ここでは、例えば、上関節52aの位置を基準位置(原点)とする手先位置を取付位置とすることができる。もちろん、上関節52aをX軸に平行な回転軸回りに回転させた場合は、その回転角度を考慮して、取付位置を算出する。このように、エンコーダによって読み取られた関節角度が、取付位置の3次元座標に変換される。上関節52aの高さを基準とする取付位置の高さを算出することができる。もちろん、アーム機構50の構成は上記の構成に限られるものではない。また、上記の方法以外で、手先位置、及び取付位置を求めてもよい。
【0030】
次に、ガラスの組み付け工程におけるガラス搬送装置10の動作について図3〜図7を用いて、説明する。図3は、フロントガラスを取り付けている様子を示す側面図である。図4は、図3の点線丸枠で示すフロント部分を拡大して示す側面図である。図5は、リアガラスを取り付けている様子を示す側面図である。図6は、図5の点線丸枠で示すリア部分を拡大して示す側面図である。図7は、ガラス搬送装置10を用いたガラス取付工程を示すフローチャートである。すなわち、図7のフローにしたがって、ガラス搬送装置10と作業者1が協調して、ボディ101の窓枠にガラスを取り付ける。
【0031】
図3〜図6は、XZ平面における作業の様子を示す図である。なお、図3〜図6では、XYZ座標系(直交座標系)において、−X方向にボディ101を移動するものとする。コンベア(不図示)などによって自動車100のボディ101が−X方向に流れていく。スライド機構70は、コンベアの搬送速度に同期して移動する。図3〜図6では、ガラス搬送装置10の構成を適宜省略している。また、図4、及び図6では、作業者1及び吸着治具60を省略して図示している。
【0032】
図3に示すように、フロントガラス2aを取付位置まで移動して、フロントガラス2aの取付を行う(ステップS101)。そのため、まず、スライド機構70及びアーム機構50などを駆動して、吸着治具60をフロントガラス2aが用意されているガラス搬出エリアまで移動する。そして、吸着治具60によってフロントガラス2aを吸着する。具体的には、吸盤に設けられている吸引口から空気を吸引して、吸着治具60がフロントガラス2aを吸着保持する。なお、ガラスの吸着動作をガラス搬送装置10と作業者1が協調して行ってもよい。例えば、作業者1がフロントガラス2aの位置及び姿勢を調整しながら、アーム機構50を誘導して、フロントガラス2aをフロント窓枠101a近傍まで移動してもよい。
【0033】
そして、スライド機構70を駆動して、アーム機構50がフロント側の同期位置になった状態で、同期移動を行う。これにより、ボディ101のフロント部分の上方にアーム機構50が配置された状態で、コンベアとともにアーム機構50が−X方向に移動していく。すなわち、自動車100のボディ101とガラス搬送装置10が同じ速度で移動する。
【0034】
そして、フロントガラス2aを取付位置まで移動させる。例えば、ハンドル61を把持した作業者1が、吸着治具60に力を加えて、フロントガラス2aを移動させる。あるいは、アーム機構50を駆動して、フロントガラス2aを移動させてもよい。これにより、ボディ101に対する吸着治具60、及びフロントガラス2aの位置が変化する。フロント窓枠101aに対応する位置までフロントガラス2aが移動したら、取付作業を行う。例えば、作業者1が吸着治具60に設けられている取付動作ボタンを押す。これにより、アーム機構50がフロントガラス2aをフロント窓枠101a側に押し込む。この状態で、吸着治具60がフロントガラス2aの吸着を開放する。フロントガラス2aがフロント窓枠101aにはめ込まれる。作業者1とガラス搬送装置10は適宜協調して、フロントガラス2aの取付処理を行っている。
【0035】
ここでは、フロントガラス2aの押し込み動作が行われた位置を、取付位置としている。フロントガラス2aの取付位置は、ボディ101の形状、コンベア上のボディ高さに応じてほぼ決まる。より具体的には、フロントガラス2aの取付位置は、フロント窓枠101aの位置に応じて決まる。従って、取付位置は、車両毎に異なっている。例えば、コンベア上の車両の高さにばらつきがあると、取付位置の高さが変化する。
【0036】
このように、作業者1とガラス搬送装置10の協調作業によって、フロントガラス2aを取り付ける。自動車100のフロント側では、トランクフード102などの障害物がないため、作業しやすい。ガラス搬送装置10のガラス2の搬送に対する制約も少ない。例えば、コンベア上のボディ101の高さが基準となるボディ高さからずれていても、フロントガラス2aや吸着治具60等がボディ101に衝突することがない。
【0037】
そして、ガラス搬送装置10は、フロントガラス2aの取付位置の高さ(以下、取付高さHfr)を記録する(ステップS102)。例えば、押し込み動作を行っているときの手先54の位置を関節角度から算出する。すなわち、吸着を開放したときの手先54の位置を取付位置とすることができる。そして、鉛直方向における取付位置を取付高さHfrとする。なお、関節角度は、各関節のエンコーダによって検出されている。従って、エンコーダで検出された関節角度から、手先54の座標を算出することができる。ここでは、天井の高さを基準として取付高さHfrを求めている。取付高さHfrはメモリ等に記憶される。
【0038】
そして、取付高さHfrとフロントガラス2aの標準取付高さHfsとの差FHerrを算出する(ステップS103)。すなわち、取付高さHfrとフロントガラス2aの標準取付高さHfsとを比較して、標準取付高さHfsから取付高さHfrがどの程度ずれているかを求める。この差FHerrは、実際の取付高さHfrの標準取付高さHfsからのずれ量を示すことになる。差FHerrは車両毎に異なっている。すなわち、差FHerrはボディ101の高さのずれ量に応じた値になっている。従って、差FHerrは車両毎に更新される。一方、同一車種では、標準取付高さHfsが一定となるため、車両毎に異ならない。標準取付高さHfsは予めメモリ等に記憶されている。
【0039】
次に、リアガラスの標準仮想ガイド高さHrsに差FHerrを加算して、リアガラス用の仮想ガイド高さFrrを算出する(ステップS104)。すなわち、ボディ101の高さのずれに応じて、標準仮想ガイド高さHrsからずらす。標準仮想ガイド高さHrsを差FHerrだけずらすことで、リアガラス用の仮想ガイド高さFrrが算出される。標準仮想ガイド高さHrsは、車種によって一定となるため、車両毎に異ならない。標準仮想ガイド高さHrsは予めメモリ等に記憶されている。一方、リアガラス用の仮想ガイド高さFrrは車両毎に更新される。
【0040】
リアガラス用の仮想ガイド高さFrrに応じて仮想ガイド設定高さHrrを調整する(ステップS105)。これにより、その自動車100の仮想ガイドGrの位置(座標)が決定される。すなわち、差FHerrが0のときの仮想ガイドを標準仮想ガイドとすると、標準仮想ガイドを鉛直方向に差FHerrだけ平行移動させると、その車両の仮想ガイドGrになる。仮想ガイド高さFrrの仮想ガイドGrは、仮想ガイド設定高さHrrで示される。なお、仮想ガイドGrは、ボディ101の形状に沿っている。すなわち、基準仮想ガイドは車種毎に決まっており、その車種のボディ形状に応じた形状の面になっている。仮想ガイドGrはボディ101のリア窓枠101bの部分にほぼ平行になるように設定されている。仮想ガイドGrはボディ101のリア窓枠101bの部分から一定の距離だけ離れている。なお、基準仮想ガイドは、車両に応じた変わらないため、その座標が予めメモリ等に記憶されている。
【0041】
そして、図5に示すように、リアガラス2bを取付位置まで移動して、リアガラス2bの取り付けを完了させる(ステップS106)。そのため、フロントガラス2aの取付完了後、アーム機構50を駆動して、吸着治具60をボディ101から離間させ、リアガラス2bを吸着する。すなわち、スライド機構70及びアーム機構50などを駆動して、リアガラス2bが用意されているガラス搬出エリアまで吸着治具60を移動する。そして、フロントガラス2aと同様に、吸着治具60がリアガラス2bを吸着する。これにより、吸着治具60によってリアガラス2bが吸着保持され、リアガラス2bが移動可能になる。スライド機構70を駆動して、アーム機構50がリア側の同期位置になった状態で、同期移動を行う。リア側の同期位置は、フロント側の同期位置から所定距離だけ、+X方向にずれている。前後の同期位置は、車両のボディ101寸法に応じて既定の距離だけ離れている。すなわち、同期位置は、ボディ101のフロント窓枠101aとリア窓枠101bとの位置に応じて既定されている。なお、ステップS106の動作の一部については、ステップS102からステップS105までの処理と重複して行ってもよい。
【0042】
ガラス搬送装置10を同期移動させたら、図5に示すように、作業者1が吸着治具60を把持する。そして、作業者1は、デッドマンSW62をONする。これにより、アーム機構50が駆動して、吸着治具60が移動する。このとき、調整された仮想ガイド設定高さHrrで表される仮想ガイドGrに沿って、手先54が移動する。そして、リア側の取付位置まで移動したら、作業者1の操作によって、アーム機構50の駆動を停止する。これにより、リアガラス2bは、リア窓枠101bに対応する位置まで移動する。そして、フロントガラス2aの取り付けと同様にリアガラス2bを取り付けるため、取付動作ボタンを押す。これにより、リアガラス2bの押し込み動作が行わ、リアガラス2bがリア窓枠101b側に押し込まれる。このようにして、リアガラス2bがリア窓枠101bにはめ込まれ、リアガラス2bの取り付けが完了する。そして、次の車両に対しても、同様の制御によって、フロントガラス2a、及びリアガラス2bの取り付けを行う。
【0043】
上記のようにガラス搬送装置10を制御することで、確実にフロントガラス2a、及びリアガラス2bを取り付けることができる。すなわち、リアガラス2bの搬送時において、車両毎にボディ高さのばらつきがあったとしても、そのボディ高さに応じた仮想ガイド高さFrrの仮想ガイドGrが設定される。よって、コンベア上のボディ高さのばらつきがあったとしても、ボディ101の高さに応じて仮想ガイドGrが鉛直方向に移動する。このため、仮想ガイドGrを車両毎に調整することができる。そして、この調整された仮想ガイド高さFrrの仮想ガイドGrに沿って、リアガラス2bが移動する。このため、車両毎に最適化された仮想ガイドGrに沿ってリアガラス2bが移動する。トランクフード102やボディ101にリアガラス2bが衝突するのを防ぐことができ、トランクフード102とボディ101との隙間にリアガラス2bが確実に挿入することが可能になる。よって、ガラス2の搬送、貼り付けを容易に行うことができる。さらに、作業性及び安全性を向上することができる。上記のガラス搬送装置の制御方法を用いて、ガラス2を取り付けることで、車両の生産性を向上することができる。
【0044】
次に、ガラス搬送装置10において、手先54を仮想ガイドGrに沿って移動させるための制御系について図8を用いて説明する。図8は、ガラス搬送装置10の制御系を示すブロック図である。また、図8の説明では、図6を適宜参照する。制御部80は、第1演算部81、第2演算部83、及び記憶部82を備えている。そして、第1演算部81、第2演算部83、及び記憶部82間のデータのやり取りがインターフェースを介して行われる。制御部80は、エンコーダ56で測定した関節角度に応じた測定信号が入力されている。
【0045】
記憶部82は例えば、ハードディスク装置、RAM,ROMなどの記憶装置を有している。そして、記憶部82は、手先54の進入を認めない領域を3次元座標上の位置として記述した仮想ガイドGrを記憶している。もちろん、仮想ガイドGrの位置は、吸着治具60の大きさやガラス2の厚さを考慮して設定されている。さらに、記憶部82は、車種に応じた標準取付高さHfs、及びリアガラス2bの標準仮想ガイド高さHrs等を記憶している。
【0046】
第1演算部81は、関節52の角度に基づいて、手先位置を算出することができる。つまり、第1演算部81は、エンコーダ56の出力に基づいて、3次元座標系での手先54の位置情報(例えば、XYZ座標)をリアルタイムで算出する。もちろん、手先位置ではなく、ガラス2の位置を算出してもよい。
【0047】
第2演算部83は、上記のように車両毎に仮想ガイド設定高さHrrを求める。すなわち、取付高さHfrと標準取付高さHfsから差FHerrを算出する。さらに、差FHerrと標準仮想ガイド高さHrsからリアガラス2b用の仮想ガイド高さFrrを算出する。そして、仮想ガイド高さFrrに基づいて、仮想ガイド設定高さHrrを調整する。なお、第2演算部83は、適宜算出した値を記憶部82に記憶させるととも、必要な値を記憶部82から読み出す。
【0048】
さらに、第2演算部83は、第1演算部81で算出された手先位置と、仮想ガイドGrの位置を比較する。そして、その比較結果に応じて、仮想ガイドGrと手先位置を認識し、手先位置が仮想ガイドGrを越えないように、アーム機構50のアクチュエータ57を制御する。具体的には、仮想ガイドGrを越えないように、手先54の目標速度に制限をかける速度指令値を算出する。速度指令値は、アクチュエータ57に出力されて、手先速度が制御される。
【0049】
なお、第1演算部81と第2演算部83は、物理的に独立している必要はなく、例えば、1つの中央処理装置(CPU)としても構わない。すなわち、制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有し、ガラス搬送装置10の各種動作を制御する。そして、この制御部80は、例えばROMに格納された制御プログラムに従って各種の制御を実行する。もちろん、ソフトウェアによる処理に限らず、ハードウェアによる処理と組み合わせて、上記の演算処理を行ってもよい。
【0050】
次に、仮想ガイドGrについて説明する。仮想ガイドGrは、いわゆる境界またはポテンシャル場と称するものである。例えば、アーム機構50の手先54が進入できない領域と進入できる領域との境界を仮想ガイドGrとすることができる。手先位置がこの仮想ガイドGrを越えると、リアガラス2bがボディ101と衝突してしまうおそれがある。また、手先位置が仮想ガイドGrから一定以上離れていると、吸着治具60やリアガラス2bトランクフード102に衝突してしまうおそれがある。
【0051】
仮想ガイドGrは、設定された座標系上の3次元データとして記憶される。すなわち、仮想ガイドGrは、3次元座標の集合として示される。従って、手先54が進入できない領域と進入できる領域との境界面上の座標が記憶部82に記憶される。そして、第2演算部83は、手先位置と仮想ガイドGrの相対位置を常に比較して、アーム機構50をフィードバック制御している。これにより、手先54が仮想ガイドGrよりもボディ側に侵入しなくなる。具体的には、手先速度を制御して、仮想空間上で手先位置に制限をかけている。なお、仮想ガイドGrの3次元データとしては、特に平面に限られるものではなく、曲面や断続的な面や開口部を備えた曲面などを適宜設定することも可能である。さらに、仮想ガイドGrの位置は3次元座標ではなく、3次元空間における数式で表してもよい。
【0052】
そして、制御部80からは速度指令値をアクチュエータ57に出力する。ここでは、まず、リアガラス2bが上方に配置されている状態でデッドマンSW62がONされると、−Z方向の速度Aを速度指令値として出力する(図6参照)。これにより、鉛直下方に手先54が移動して、仮想ガイドGrに向かう。手先54が降下して、仮想ガイドGrに到達する。なお、速度Aの速度指令値の発生は、作業者1の操作によって開始してもよい。例えば、作業者1が吸着治具60をヨー軸回りに回転させることによって、鉛直下方の降下が開始してもよい。
【0053】
仮想ガイドGrに到達すると、+X方向の速度Bを速度指令値として出力する。すると、速度Aと速度Bの合成である合成速度Cが実現され、手先54が後斜め下方に移動していく。速度Aと速度Bの大きさの比をボディ形状に応じた値にすることで、手先54がボディ101の表面に沿って移動する。すると、リアガラス2bがボディ101とトランクフード102に衝突することなく、ボディ101とトランクフード102の隙間に入っていく。さらに、仮想ガイドGrに沿って移動して、リア窓枠101bに対応する位置まで、リアガラス2bを移動させる。そして、リアガラス2bがその位置まで移動したら、作業者1の操作などによって、アーム機構50の駆動を停止する。そして、押し付け動作を行い、リア窓枠101bにリアガラス2bを取り付ける。
【0054】
このように、フロントガラス2aを取り付ける際の取付高さHfrに基づいて仮想ガイドGrの高さを補正している。これにより、車両毎に仮想ガイドGrの位置を最適化することができる。トランクフード102やボディ101にリアガラス2bが衝突するのを防ぐことができ、トランクフード102とボディ101との隙間にリアガラス2bが確実に挿入することが可能になる。よって、ガラス2の搬送、貼り付けを容易に行うことができる。もちろん、車両はトランクフードを有するセダン型の自動車に限らず、他のタイプの車両に対して、ガラスを取り付けることが可能である。例えば、乗用車以外の車両でも適用可能である。さらに、フロントガラス及びリアガラスの取付に限らず、他のガラスを取り付ける場合にも適用可能である。もちろん、フロントガラス及びリアガラスの2種類に限らず、3種類以上のガラスを取り付けるためのガラス搬送装置10であってもよい。例えば、サイドウィンドウとなるガラスを取り付けてもよい。
【0055】
なお、上記の説明では、関節の位置を測定する測定器としてエンコーダ56を用いたが、それ以外の測定器を用いてもよい。さらに、アーム機構50を、速度指令値に応じてフィードバック制御したが、その他の指令値に応じてフィードバック制御してもよい。例えば、位置指令値や、トルク指令値に応じて制御してもよい。また、吸着以外の方法で、ガラスを保持してもよい。
【0056】
その他の実施の形態.
上記の実施の形態では、取付高さのずれ分だけ、仮想ガイドの高さを調整したが、さらに、傾きを調整してもよい。例えば、フロントガラス2aの取付位置におけるピッチ軸、ロール軸、又はヨー軸の傾きを測定する。そして、測定結果に応じて、仮想ガイドGrの傾きを調整する。例えば、図9に示すように、ボディのピッチ軸の傾き(ピッチ角度)が標準ピッチ角度からθずれていたとする。この場合、その角度θに相当する角度θだけ、仮想ガイドGrを傾斜させる。ここでθとθとを一致させることが好ましい。このように、標準仮想ガイドから傾斜した仮想ガイドGrを設定する。これにより、より正確な制御を行うことができる。よって、より確実にトランクフード102、及びボディ101との衝突を防ぐことができる。
【0057】
さらには、Y方向の位置、及びX方向の位置を考慮して、仮想ガイドGrを設定してもよい。もちろん、フロントガラス取付時のY方向の位置、X方向の位置、ヨー角度、ピッチ角度、ロール角度の少なくとも1つを考慮して、仮想ガイドGrを設定すればよい。すなわち、フロントガラス2aの取付位置まで移動した際に、エンコーダでの測定結果に基づいて、水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度のいずれか一つ以上を記憶する。測定した水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度に応じて、仮想ガイドGrの位置、又は角度を決定する。これにより、より位置精度の高い移動が可能になる。
【0058】
また、上記のガラス搬送装置10として産業用ロボットを用いることで、リアガラス2bの自動取付を行ってもよい。リアガラス2bの自動取付を行なう場合のフローについて図10を用いて説明する。ます、実施の形態1のように、フロントガラス2aと作業者1とロボットの協調作業で取り付ける(ステップS201)。そして、取り付けた際のフロントガラス2aの角度、位置を記憶する(ステップS202)。この位置、及び角度は、ロボットアームの関節に設けられているエンコーダの読み値から求めることができる。次に、フロントガラスの角度、及び位置から、リアガラス2bを取り付けるべき位置、及び角度を推定する(ステップS203)。そして、推定されたリアガラスの取付位置、及び角度に基づき、協調作業用のロボット単独で自動取付を行う(ステップS204)。このようにすることで、リアガラスの自動取付が可能になる。産業用ロボットを用いることで、仮想ガイドGrに頼った作業者1による作業ではなく、自動取付が可能になる。この場合、位置制御を行うことができる産業用ロボットを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるガラス搬送装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるガラス搬送装置のアーム機構を説明するための側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかるガラス搬送装置において、フロントガラスを取り付けている様子を示す側面図である。
【図4】図3のフロント部分を拡大して示す側面図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるガラス搬送装置において、フロントガラスを取り付けている様子を示す側面図である。
【図6】図5のフロント部分を拡大して示す側面図である。
【図7】本発明に実施の形態1にかかるガラス搬送装置を用いて、ガラスを取り付ける工程のフローを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1にかかるガラス搬送装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】本発明のその他の実施形態にかかるガラス搬送装置の動作を示す。
【図10】リアガラスの自動取付を行うときのフローを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 作業者、2 ガラス、2a フロントガラス、2b リアガラス、
10 ガラス搬送装置、
50 アーム機構、51 リンク、52 関節、54 手先、
56 エンコーダ、57 アクチュエータ、
60 吸着治具、61 ハンドル61、62 デッドマンSW、63 フレーム、
64 フリージョイント、
70 スライド機構、
80 制御部、81 第1演算部、82 記憶部、
100 車両、101 ボディ、101a フロント窓枠、101b リア窓枠、
102 トランクフード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の第1のガラス、及び第2のガラスを取り付けるため、ガラスを保持した状態で、取付位置まで搬送するガラス搬送装置であって、
前記車両に取り付けられるガラスを保持する保持機構と、
前記保持機構を移動させるための関節を有するアーム機構と、
前記関節の位置を測定するために設けられた測定器と、
前記保持機構で保持した第2のガラスを、前記車両のボディ形状に応じた仮想ガイドに沿って移動させるよう、前記測定器での測定結果に応じて前記アーム機構を制御する制御部とを備えた、ガラス搬送装置であって、
前記制御部が、
前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された前記取付位置の高さを記憶し、
前記取付位置の高さに応じて仮想ガイド高さを算出し、
前記仮想ガイド高さの前記仮想ガイドに沿って、前記第2のガラスを移動させるガラス搬送装置。
【請求項2】
前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度のいずれか一つ以上を記憶し、
前記水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度に応じて、前記仮想ガイドの位置、又は角度を決定する請求項1に記載のガラス搬送装置。
【請求項3】
車両に取り付けられる第1のガラス、又は第2のガラスを保持する保持機構と、
前記保持機構を移動させるための関節を有するアーム機構と、
前記関節の位置を測定するために設けられた測定器と、を備え、
前記保持機構で保持した第2のガラスを、前記車両のボディ形状に応じた仮想ガイドに沿って移動させるよう、前記測定器での測定結果に応じて前記アーム機構を制御するガラス搬送装置の制御方法であって、
前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された前記取付位置の高さを記憶し、
前記取付位置の高さに応じてガイド高さを算出し、
前記ガイド高さの前記仮想ガイドに沿って、前記第2のガラスを移動させるガラス搬送装置の制御方法。
【請求項4】
前記第1のガラスの取付位置まで移動した際に、前記測定器での測定結果に基づいて算出された水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度のいずれか一つ以上を記憶し、
前記水平面内における取付位置、取付ロール角度、取付ピッチ角度、及び取付ヨー角度に応じて、前記仮想ガイドの位置又は角度を決定する請求項3に記載のガラス搬送装置の制御方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のガラス搬送装置の制御方法を用いてガラス搬送装置を制御して、ガラスを車両の窓枠に取り付けるステップを有する車両の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−143293(P2009−143293A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320572(P2007−320572)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】