説明

ガラス破損検知装置

【課題】設置作業の容易化を図りつつ、高い信頼性でガラスの破損有無を検知することができるガラス破損検知装置を提供する。
【解決手段】ウインドウガラス1には、破損時に断線状態となる平面コイルパターン2と、その平面コイルパターン2に電気的に接続されたチップコンデンサ4とによって第1共振回路部5が形成されている。また、平面コイル部9とコンデンサ10とを有する第2共振回路部7が、その第1共振回路部5に対向配置されている。そして、制御部は、両共振回路部5,7の電磁結合状態を監視し、該電磁結合状態に基づいてウインドウガラス1の破損有無を検知する。平面コイルパターン2は、ウインドウガラス1のガラス面に熱硬化性導電樹脂材料を固着することによって構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のウインドウガラスなどの破損を検知するガラス破損検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のウインドウガラスの破損を検知するガラス破損検知装置が種々提案されている。
この種のガラス破損検知装置として、例えば特許文献1に示されるように、ガラスに配設された抵抗体の断線有無を検知することにより、ガラスの破損有無を検知するものが提案されている。また、特許文献2〜6に示されるようなものもある。
【特許文献1】特開2003−141649号公報
【特許文献2】特開2005−43217号公報
【特許文献3】特開2006−251909号公報
【特許文献4】特開昭61−18099号公報
【特許文献5】特許第2952642号公報
【特許文献6】実用新案登録第2587340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のガラス破損検知装置では、ガラスに配設した抵抗体と検知部とを電気的に接続する必要がある。それゆえ、そのための接続端子をガラスに設けるとともに、ガラス枠からリード線を引き出すなどの措置が必要となってしまう。よって、ガラス破損検知装置の設置作業が煩雑であるとともに、美観も好ましいとはいえない。また、特許文献2に記載のものは、ガラスに設けたコイルを通じて同じくガラスに設けられた2つの電極間の静電容量の変化を検出する構成が採用されているところ、該コイルの両端を2つの電極に接続する作業が必要である。特許文献3のものは、ガラス破損に伴うスタブの破損を通じて異常を検出する構成が採用されているところ、ガラスの破損に伴うスタブの破損の確実性が懸念される。特許文献4のものは、ガラス中にガラス破壊警戒線を埋設する作業が必要である。特許文献5のものは、2枚のガラス間に透明導電体を配設するとともに、該透明導電体の端部に設けられたターミナルにフレキシブルプリント配線板を接続する作業が必要である。特許文献6のものは、2枚のガラス間に配設された導電体の断線を通じて異常検知する構成が採用されているところ、2枚のガラス間に導電体を配設するとともに、該導電体にコイル等を有する共振回路を接続する作業が必要である。
【0004】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置作業の容易化を図りつつ、高い信頼性でガラスの破損有無を検知することができるガラス破損検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、破損検知対象となるガラス面に形成されて該ガラスの破損時に断線状態となる平面コイルパターンと、その平面コイルパターンに電気的に接続されて共振回路を構成する第1コンデンサ機能部とを備える第1共振回路部と、前記平面コイルパターンと非接触状態で対向配置されて該第1共振回路部と電磁結合するコイル部と、そのコイル部に電気的に接続されて共振回路を構成する第2コンデンサ機能部とを備える第2共振回路部と、両共振回路部の電磁結合状態を監視し、該電磁結合状態に基づいてガラスの破損有無を検知する破損検知手段とを備え、前記平面コイルパターンは、前記ガラス面に熱硬化性導電樹脂材料を固着することによって構成されていることを要旨とする。
【0006】
上記構成によると、ガラスの非破損状態にあっては両共振回路部が電磁結合するものの、ガラスの破損状態にあっては平面コイルパターンが断線するため両共振回路部が電磁結合しなくなる。両共振回路部が電磁結合をしている状態としていない状態とでは、共振周波数における回路全体のインピーダンスに大幅な変化を生じるため、こうしたインピーダンスの変化を検知することにより、ガラスの破損有無を検知することが可能となる。しかも、破損検知手段と第1共振回路部とをリード線を用いて接続する必要がないため、破損検知対象として可動ガラスにも容易に適用可能となる。また、ガラス破損検知装置の設置作業の容易化が図られる。さらに、前記平面コイルパターンは、熱硬化性導電樹脂材料をガラス面に固着することにより構成される。このため、ガラスの破損によって確実に断線する平面コイルパターンを容易且つ確実に形成することができる。ひいては、高い信頼性でガラスの破損有無を検知することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のガラス破損検知装置において、前記第2共振回路部は直列共振回路によって構成され、前記破損検知手段は、該第2共振回路部の共振周波数におけるインピーダンスが予め設定された閾値を下回っている場合に、ガラスに破損が生じたと判断することを要旨とする。
【0008】
上記構成によると、第2共振回路部を直列共振回路によって構成することにより、その共振周波数で第2共振回路部を発振させるとインピーダンスが最小となるため、第1共振回路部との間で強固に電磁結合する。よって、ガラスの破損によって両共振回路部の電磁結合が失われた場合にはその変化が顕著に表れることとなり、その変化を確実に検知可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のガラス破損検知装置において、前記第1コンデンサ機能部は、前記平面コイルパターンの両端に別途接続されたチップコンデンサによって構成されていることを要旨とする。
【0010】
上記構成によると、チップコンデンサを平面コイルパターンの両端に接続することによって第1共振回路部を構成することができるため、第1共振回路部を簡素な構造で実現可能となる。また、高精度なチップコンデンサを用いることにより、第1共振回路部の共振周波数の設定も容易となる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のガラス破損検知装置において、前記破損検知対象は、自動車用のウインドウガラスであることを要旨とする。
【0012】
一般に、自動車用のウインドウガラスは、一箇所の破損で全体が粉々に破損するように構成されている。このため、平面コイルパターンをウインドウガラスのいずれの部位に配設した場合であれ、該ウインドウガラスの破損に伴い平面コイルパターンは断線する。すなわち、ウインドウガラスの破損可能性のある部位を想定し、この想定した部位に平面コイルパターンを必ずしも設ける必要はない。したがって、平面コイルパターンのウインドウガラスにおける配設の自由度が高められる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のガラス破損検知装置において、前記ウインドウガラスは、自動車のドアに対して開閉動作可能に設けられ、前記平面コイルパターンは、前記ウインドウガラスにおいて、その開閉状態にかかわらず常にドアの内部に収容された状態となる部位に設けられることを要旨とする。
【0014】
ガラス破損検知装置の破損検知対象を、ドアに対して開閉動作可能に設けられる自動車用のウインドウガラスとした場合には、平面コイルパターンは、本発明に示されるように、ウインドウガラスの開閉状態にかかわらず常にドアの内部に収容される部位に形成することが好ましい。この構成によれば、平面コイルパターンは常にドアに隠れるので、車両の見栄えがよい。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のガラス破損検知装置において、前記熱硬化性導電樹脂材料は、銀ペーストであることを要旨とする。
銀ペーストにより構成された平面コイルパターンは、該平面コイルパターンを例えば線材コイルとした場合と異なり、ウインドウガラスの破損に伴い確実に断線する。特に、本発明の銀ペーストによる平面コイルパターンを請求項4又は請求項5に記載される自動車用のウインドウガラスと併せて適用することにより、確実にウインドウガラスの破損を検知することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上詳述したように、本発明によれば、設置作業の容易化を図りつつ、高い信頼性でガラスの破損有無を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を車両用ウインドウガラスの破損有無を検知するガラス破損検知装置として具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
図1(a)に示すように、車両(自動車)のウインドウガラス1の一方の面(例えば室内側面)における下方部位には、平面コイルパターン2が形成されている。この平面コイルパターン2は、ペースト状の熱硬化性の導電性樹脂(ここでは銀ペースト)がウインドウガラス1のガラス面に塗布・加熱されることによって固着され、ウインドウガラス1の破損時には断線するようになっている。ちなみに、車両のウインドウガラスとして用いられるガラスは、一箇所が破損すると全体が粉々に破損するように構成されていることから、ウインドウガラス1の破損時には、平面コイルパターン2は必ず断線する。
【0018】
こうした平面コイルパターン2の両端にはフレキシブルプリント基板(FPC基板)3が接続され、該FPC基板3には第1コンデンサ機能部としての表面実装タイプのチップコンデンサ4が実装されている。これにより、平面コイルパターン2の両端がチップコンデンサ4を介して電気的に接続されている。このため、図3に示すように、平面コイルパターン2、FPC基板3及びチップコンデンサ4により、第1共振回路部5が構成されている。また、図2に示すように、第1共振回路部5は、ウインドウガラス1の全閉状態においても常にドア6内に収容された状態となる部位に形成されている。
【0019】
一方、図1及び図2に示すように、ドア6内において第1共振回路部5と対向する箇所には、第2共振回路部7が配設されている。この第2共振回路部7はプリント配線板8に形成され、第1共振回路部5の平面コイルパターン2と非接触状態で対向配置された平面コイル部9と、その平面コイル部9の一端に接続された第2コンデンサ機能部としてのコンデンサ10とを備えている。そして、図3に示すように、平面コイル部9のコンデンサ10と反対側の他端とコンデンサ10の平面コイル部9と反対側の端部との間には、発振部11が接続されている。また、平面コイル部9とコンデンサ10との接続点と該平面コイル部9のコンデンサ10と反対側の端部との間には検波部12が接続されている。このため、第2共振回路部7は、直列共振回路となっている。また、検波部12には、破損検知手段としての制御部13が接続されている。そして、これら第1共振回路部5、第2共振回路部7、発振部11、検波部12及び制御部13によってガラス破損検知装置14が構成されている。
【0020】
第1共振回路部5及び第2共振回路部7は、同じ共振周波数(図4に示す共振周波数fc)に設定され、発振部11の発振周波数は該共振周波数fcに設定されている。このため、該共振周波数fcとその近くの周波数においては、第2共振回路部7と第1共振回路部5とが電磁結合した状態となる。
【0021】
検波部12は、第2共振回路部7のインピーダンス変化に伴う電圧変化を検知するとともに、その検知信号を制御部13に出力する。第2共振回路部7は直列共振回路であるため、図4(a)に示すように、第2共振回路部7のインピーダンスZは共振周波数fcで最小となり、検波電圧Vは最大となる。ところが、第2共振回路部7と対向する箇所に第1共振回路部5が位置した状態(ウインドウガラス1の全閉状態)にあっては、第1共振回路部5が第2共振回路部7に電磁結合するとともに、該第1共振回路部5は並列共振回路であることから、図4(b)に示すように、共振周波数fcにおけるインピーダンスZは高くなる。また、第2共振回路部7と対向する箇所に第1共振回路部5が位置していない状態(ウインドウガラス1の開状態)や、第1共振回路部5の断線状態にあっては、第1共振回路部5が第2共振回路部7に電磁結合しなくなるため、図4(c)に示すように、共振周波数fcにおけるインピーダンスZは低くなる。よって、検波電圧Vは、電磁結合状態にあっては低くなり、非電磁結合状態にあっては高くなる。
【0022】
制御部13は、検波部12からの検知信号に基づいてウインドウガラス1の破損有無を判断する。詳しくは、図4(b),(c)に示すように、制御部13には予め設定された電圧閾値Vthが記録されており、該制御部13は、共振周波数fcにおける電圧変化を監視する。ウインドウガラス1が破損していない状態にあっては、第1共振回路部5と第2共振回路部7とが電磁結合した状態となるため、図4(b)に示すように共振周波数fcにおける検波電圧Vは電圧閾値Vthよりも低くなる。しかしながら、ウインドウガラス1が破損して第1共振回路部5の平面コイルパターン2が断線すると、第1共振回路部5と第2共振回路部7とは電磁結合しなくなるため、図4(c)に示すように共振周波数fcにおける検波電圧Vは電圧閾値Vthよりも高くなる。そして、制御部13は、検波部12によって検知された電圧値が電圧閾値Vthよりも高いか否かに基づいてウインドウガラス1の破損有無を判断し、ウインドウガラス1が破損していると判断した場合には、予め設定された制御対象に制御信号を出力する。具体的には、制御部13は、例えば制御対象としての報知器に対して作動制御信号を出力し、ウインドウガラス1の破損検知時においては該報知器を作動させてウインドウガラス1の破損を報知させることなどが挙げられる。
【0023】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)ウインドウガラス1の非破損状態にあっては両共振回路部5,7が電磁結合するものの、ウインドウガラス1の破損状態にあっては第1共振回路部5の平面コイルパターン2が断線するため、両共振回路部5,7が電磁結合しなくなる。両共振回路部5,7が電磁結合をしている状態としていない状態とでは、共振周波数fcにおける回路全体のインピーダンスZに大幅な変化を生じる。このため、制御部13は、こうしたインピーダンスZの変化に基づく検波電圧Vの変化を検知することにより、ウインドウガラス1の破損有無を検知することができる。しかも、制御部13側の回路と第1共振回路部5とをリード線を用いて接続する必要がないため、破損検知対象として車両用のウインドウガラス1のような可動ガラスにも容易に適用することができる。ガラス破損検知装置の設置作業の容易化も図られる。
【0024】
また、2つの共振回路部5,7を用いることにより、電磁結合状態と非電磁結合状態とでのインピーダンスZの変化幅、すなわち検波電圧Vの変化幅を大きく確保することができるため、ウインドウガラス1の破損有無を確実に検知することができる。ちなみに、例えば一次側(第2共振回路部7側)をコイル部のみで構成するなど共振回路としない場合には、第1共振回路部5との電磁結合力が小さくなってしまうため、電磁結合状態と非電磁結合状態とでのインピーダンスZの変化幅が小さくなってしまう。それゆえ検知精度が低く、第1共振回路部5に対するプリント配線板8(平面コイル部9)の配置をシビアに設定するなどの措置が必要となってしまう等の不都合が生じる。
【0025】
加えて、第1共振回路部5とのリード線等を用いた電気的接続が不要となるため、ウインドウガラス1等の可動ガラスにおいても、高い信頼性で破損有無を検知することができる。
【0026】
(2)第1共振回路部5は並列共振回路によって構成され、第2共振回路部7は直列共振回路によって構成されている。このため、両共振回路部5,7の共振周波数fcで第2共振回路部7を発振させると第1共振回路部5のインピーダンスZが最小となるため、第1共振回路部5との間で強固に電磁結合するとともに、その電磁結合状態においては、第1共振回路部5の影響により回路全体のインピーダンスZは高くなる。よって、ウインドウガラス1の破損によって両共振回路部5,7の電磁結合が失われた場合には、インピーダンスZの変化が顕著に表れることとなる。よって、制御部13は、該インピーダンスZの変化に伴う検波電圧Vの変化を確実に検知することができ、ウインドウガラス1の破損有無を高精度に検知することができる。
【0027】
(3)チップコンデンサ4を平面コイルパターン2の両端に接続することによって第1共振回路部5が構成されているため、第1共振回路部5を簡素な構造で実現可能となる。また、高精度なチップコンデンサを用いることにより、第1共振回路部の共振周波数の設定も容易となる。
【0028】
(4)平面コイルパターン2は、ウインドウガラス1のガラス面に熱硬化性導電樹脂材料を固着することによって構成した。このため、ウインドウガラス1の破損によって確実に断線する平面コイルパターン2を容易且つ確実に形成することができる。ひいては、高い信頼性でガラスの破損有無を検知することができる。
【0029】
(5)ドア6に対して開閉動作可能に設けられる自動車用のウインドウガラス1の破損有無をガラス破損検知装置14により検知するようにした。一般に、自動車用のウインドウガラス1、特にサイドガラス及びリアガラスは、一箇所の破損で全体が粉々に破損するように構成されている。このため、平面コイルパターン2(正確には、第1共振回路部5)をウインドウガラス1のいずれの部位に配設した場合であれ、該ウインドウガラス1の破損に伴い平面コイルパターン2は断線する。すなわち、ウインドウガラス1の破損可能性のある部位を想定し、この想定した部位に平面コイルパターン2を必ずしも設ける必要はない。したがって、平面コイルパターン2のウインドウガラス1における配設の自由度が高められる。
【0030】
(6)ガラス破損検知装置14の破損検知対象を、ドア6に対して開閉動作可能に設けられる自動車用のウインドウガラス1とした場合には、平面コイルパターン2は、ウインドウガラス1の開閉状態にかかわらず常にドア6の内部に収容される部位に形成することが好ましい。このようにすれば、平面コイルパターン2(正確には、第1共振回路部5)は常にドア6に隠れるので、車両の見栄えがよい。
【0031】
(7)平面コイルパターン2を構成する熱硬化性の導電樹脂材料として、ウインドウガラス1の破損時に確実に断線状態となる脆弱性を有する銀ペーストを採用した。このため、例えば第1共振回路部5の平面コイルパターン2を線材コイルとした場合と異なり、ウインドウガラス1の破損に伴い確実に断線する。特に、銀ペーストによる平面コイルパターン2を自動車用のウインドウガラス1と併せて適用したことにより、確実にウインドウガラス1の破損を検知することができる。
【0032】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 第2共振回路部7は、必ずしも直列共振回路である必要はなく、並列共振回路によって構成されていてもよい。
【0033】
・ チップコンデンサ4は、必ずしもFPC基板3を介して平面コイルパターン2に接続されている必要はない。
・ 第1共振回路部5の表面に、絶縁フィルムを被覆するなどの保護処理を施してもよい。
【0034】
・ 第2共振回路部7を構成するコイル部(平面コイル部9)は、必ずしも平面形状をなしている必要はない。
・ ガラス破損検知装置14は、必ずしも車両のウインドウガラス1の破損検知装置として適用される必要はなく、例えば住宅の窓ガラス等の破損検知装置として適用されてもよい。また、ガラス破損検知装置14は、必ずしも可動ガラスの破損検知装置として適用される必要はなく、固定ガラスの破損検知装置として適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】(a)は本発明の一実施形態のガラス破損検知装置の配設状態を概略的に示す斜視図、(b)は(a)の一部拡大図。
【図2】同実施形態のガラス破損検知装置の設置状態を概略的に示す断面図。
【図3】同実施形態のガラス破損検知装置の電気的構成を概略的に示す回路図。
【図4】(a)〜(c)は、同実施形態のガラス破損検知装置の検知波形特性を示すグラフ。
【符号の説明】
【0036】
1…ウインドウガラス、2…平面コイルパターン、4…チップコンデンサ、5…第1共振回路部、7…第2共振回路部、9…平面コイル部、10…コンデンサ、11…発振部、12…検波部、13…破損検知手段としての制御部、14…ガラス破損検知装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破損検知対象となるガラス面に形成されて該ガラスの破損時に断線状態となる平面コイルパターンと、その平面コイルパターンに電気的に接続されて共振回路を構成する第1コンデンサ機能部とを備える第1共振回路部と、
前記平面コイルパターンと非接触状態で対向配置されて該第1共振回路部と電磁結合するコイル部と、そのコイル部に電気的に接続されて共振回路を構成する第2コンデンサ機能部とを備える第2共振回路部と、
両共振回路部の電磁結合状態を監視し、該電磁結合状態に基づいてガラスの破損有無を検知する破損検知手段とを備え、
前記平面コイルパターンは、前記ガラス面に熱硬化性導電樹脂材料を固着することによって構成されていることを特徴とするガラス破損検知装置。
【請求項2】
前記第2共振回路部は直列共振回路によって構成され、前記破損検知手段は、該第2共振回路部の共振周波数におけるインピーダンスが予め設定された閾値を下回っている場合に、ガラスに破損が生じたと判断することを特徴とする請求項1に記載のガラス破損検知装置。
【請求項3】
前記第1コンデンサ機能部は、前記平面コイルパターンの両端に別途接続されたチップコンデンサによって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス破損検知装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のガラス破損検知装置において、
前記破損検知対象は、自動車用のウインドウガラスであるガラス破損検知装置。
【請求項5】
請求項4に記載のガラス破損検知装置において、
前記ウインドウガラスは、自動車のドアに対して開閉動作可能に設けられ、
前記平面コイルパターンは、前記ウインドウガラスにおいて、その開閉状態にかかわらず常にドアの内部に収容された状態となる部位に設けられるガラス破損検知装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載のガラス破損検知装置において、
前記熱硬化性導電樹脂材料は、銀ペーストであるガラス破損検知装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−292353(P2008−292353A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139125(P2007−139125)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】