説明

キーボード配線構造およびコンピュータ

【課題】 ケーブル端子と基板端子との位置のずれに対応し、一種類のキーボード・ユニットで複数のプレイナー・ボードの配置に対応できる接続構造を提供する。
【解決手段】 フラット・ケーブル31は、ベース・プレート21とプレイナー・ボード17との間に、折り返し部110で曲面状に折り曲げられている。フラット・ケーブルの先端にはケーブル端子33が取り付けられ、さらにスリット111a、111bが形成されている。プレイナー・ボード17には、基板端子19が取り付けられている。基板端子の位置がずれてケーブル端子33が面内方向に変位すると、スリットで区切られたケーブル・ブロック119a〜119cが回転してフラット・ケーブル31に発生するストレスを吸収する。ケーブル・ブロックの回転量は、スリット幅が決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフラット・ケーブルを使用してコンピュータのキーボードとプレイナー・ボードを接続するキーボードの配線構造に関し、さらにはキーボードとプレイナー・ボードをFPCケーブルで接続する際に端子の位置がシフトしてもストレスが発生しない配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートブック型パーソナル・コンピュータ(以下、ノートPCという。)では、液晶表示装置がシステム筐体に回動自在に取り付けられた蓋の内側に設けられている。蓋を閉じた状態で液晶表示装置の表示面に対向するようにキーボード・ユニットがシステム筐体に取り付けられている。キーボード・ユニットは、ノートPCに対する入力装置の1つである。キーボード・ユニットには、ベース・プレートの上面に英字キー、テンキー、ファンクション・キーといった複数の打鍵用ボタン(キー)が配列されている。
【0003】
一方、システム筐体の中には、CPU、メモリ、BIOS ROM、拡張スロットなどの基本的なデバイス群を搭載したプレイナー・ボードが収納されている。プレイナー・ボードは、マザー・ボードあるいはシステム・ボードとも言われている。キーボード・ユニットの各キーが押下されたときの信号は、ノートPCに対するユーザの入力信号としてプレイナー・ボードに転送される。一般に、キーボード・ユニットはシステム筐体とは別に製作され、プレイナー・ボードが取り付けられた後にシステム筐体に取り付けられる。
【0004】
したがって、キーボード・ユニットをシステム筐体に取り付ける際には、キーボード・ユニットとプレイナー・ボードを電気的に接続する必要がある。キーボード・ユニットとプレイナー・ボードを接続する方法には、たとえば特許文献1に記載されているような移動の自由度をもたせてキーボード・ユニットに取り付けた端子とプレイナー・ボードの端子を直接接続する方法がある。
【0005】
また、特許文献1の発明に対する従来技術として、キーボード・ユニットとプレイナー・ボードを、端子が取り付けられたフレキシブル・プリント回路基板(以下、FPCという。)で接続する方法が同文献に記載されている。FPCは、ポリイミドからなるベース・フィルムの片面または両面に、銅箔の精密エッチングによって回路部を形成し、さらにその上にポリイミドまたはポリエステルなどのフィルムによるカバー・レイで表面を保護する構造である。FPCは、その平面に垂直な方向(面外方向)に屈曲させるのに適した構造であり、ノートPCや携帯電話などのような電子機器の配線に多く使われている。しかし、FPCは平面に平行な方向(面内方向)への屈曲ができない構造のため、面内方向に無理に屈曲させるとFPCにストレスが発生して配線パターンの亀裂や端子のハンダ接続部に剥離をもたらすという欠点を有する。
【0006】
特許文献2は、複数の配線ごとにスリットを入れ、分離構造を持つことによりあらゆる方向に屈曲することができる狭ピッチ構造のフレキシブル・フラット・ケーブルを開示する。このような構造を採用して、同文献の図2に記載されたクランク状の接続を可能にしている。特許文献3には、複数の導体を絶縁被覆テープで挟んだ構造を採用し、絶縁被覆テープに導体と平行に切り欠き部を形成して可撓性を向上した補強板付テープ電線を開示する。
【特許文献1】特開2001−297813号公報
【特許文献2】特開平7−288041号公報
【特許文献3】実開平1−176316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ノートPCにおけるキーボード・ユニットとプレイナー・ボードとの電気的な接続構造として、特許文献1に記載されたようなFPC接続方式を採用するとプレイナー・ボードにおける端子取り付け位置の変化に対応する自由度が向上する。FPC接続方式では、FPCケーブルの一端がキーボード・ユニットを構成するベース・プレートでキーからの信号回路に接続され、他端にはケーブル端子が取り付けられている。そして、FPCケーブルは通常ベース・プレートからの引き出し部以外はベース・プレートに固定されている部分はない。このようなケーブル端子付きFPCケーブルは、キーボード・ユニットの構成要素になっておりキーボード・ユニットはキーボード・メーカで製造される。また、プレイナー・ボードには、ケーブル端子に接続される基板端子が取り付けられる。
【0008】
プレイナー・ボードには、イーサネット(登録商標)、USB、および電源などの各種外部コネクタが周辺部に取り付けられ、これらのコネクタに対してシステム筐体の外からアクセスすることができるようになっている。近年、ノートPCもLCDパネルのサイズが拡大したり縦横のアスペクト比が多様になったりして、プレイナー・ボードは変更しないでシステム筐体の縦横のサイズだけを変更したモデルが多くなってきている。この場合でも、プレイナー・ボードは外部コネクタがシステム筐体の外からアクセス可能となる位置に配置されるようにシステム筐体に取り付ける必要があるため、ノートPCの中心位置に対するプレイナー・ボードの位置はモデルにより変化する。一方、キーボード・ユニットは、キー数に応じてその大きさが規格で決まっており、モデルが変わっても、システム筐体の中央部に配置される。
【0009】
同一のキーボード・ユニットをさまざまなモデルのノートPCに適用しようとすると、FPCケーブルの幅方向におけるケーブル端子の位置とプレイナー・ボードの基板端子の位置にずれが発生する場合がある。その場合でもFPCケーブルは、面内方向にはほとんど可撓性がないので捻りを加えたり余分な曲がりを加えたりして歪みが発生するように変形させて、面外方向の屈曲性を捻出することである程度は対応できる。しかし、ケーブル・ユニットのベース・プレートとプレイナー・ボードとの間隔は数ミリ程度と非常に狭いため、FPCケーブルの歪みに期待する方法では対応に限度がある。
【0010】
たとえばFPCケーブルに曲面状の折り返し部を設けてFPCケーブルの幅方向に位置がずれた基板端子にケーブル端子を接続すると、FPCケーブルは面内移動により生じたストレスを吸収するために面外方向に捻れた形状になる。ケーブル端子をプレイナー・ボードに接続したあとにベース・プレートをシステム筐体に取り付けると、ベース・プレートとプレイナー・ボードとの間隔が狭いため、FPCケーブルはベース・プレートとプレイナー・ボードから圧力を受けて部分的に折れ曲がり導体パターンの亀裂や被覆層の剥離などが発生することがある。
【0011】
ノートPCの製造メーカは、全世界の主要言語に対応するためにノートPCの1モデルに対して30種類以上の異なるキー配列を備えるキーボードを常備する必要がある。このため、上述の位置ずれに対応するためにキーボード・ユニットからのFPCケーブルの引き出し位置やFPCケーブルの形状を変更してノートPCのモデルごとにキーボード・ユニットを用意するとなると部品点数が増えるため、コストの増大や部品管理の煩雑化を招き好ましくない。したがって、同一のキーボード・ユニットで多くのノートPCのモデルに対応できることが望ましい。
【0012】
そこで本発明の目的は、ケーブル端子と基板端子との位置がずれてもストレスを発生させないキーボート・ユニットと回路基板の接続構造を提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような配線構造を採用したコンピュータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明においては、キーボード・ユニットの配線構造が、ベース・プレートと回路基板とフラット・ケーブルとケーブル端子と基板端子で構成される。ベース・プレートと回路基板は所定の間隔で対向している。ベース・プレートから引き出されたフラット・ケーブルは、曲面状の折り返し部を備えベース・プレートと回路基板との間に挟み込まれている。フラット・ケーブルの先端側にはケーブル端子が取り付けられ、回路基板には基板端子が取り付けられている。自然状態にあるフラット・ケーブルについてケーブル端子の中心を通過する第1の基準線が定義されている。第1の基準線は、ケーブル端子の長手方向の中心線に直角またはそれ以外の角度で交差している。
【0014】
基板端子は、第1の基準線に対して実質的に平行で第1の基準線から所定の距離だけ離れた位置に定義された第2の基準線が中心を通過するように回路基板に取り付けられている。第1の基準線と第2の基準線の距離は、ケーブル端子の面内方向のシフト量を画定する。したがって、ケーブル端子と基板端子とを接続したときには、フラット・ケーブルは自然状態を維持することができなくなり、かつ、上下がベース・プレートと回路基板で挟まれているためフラット・ケーブルにストレス原因が発生する。
【0015】
本発明では、ケーブル端子が基板端子に接続されるときは、ケーブル端子が第1の基準線に対して垂直な方向へ移動する垂直移動を含むようにしているが、基板端子の中心線とケーブル端子の中心線が所定の角度で交差するように両端子を取り付けて、垂直移動に加えてさらに折り返し部を中心とする回転移動を含むようにしてもよい。ケーブル端子が回転移動を含むようにすると、垂直移動だけの場合よりも第1の基準線と第2の基準線の間隔に相当する基板端子の許容シフト量をより多くすることができる。
【0016】
折り返し部は、自然状態にあるフラット・ケーブルがベース・プレートと回路基板とに挟まれてもベース・プレートや回路基板には接触しない。基板端子に接続するためにケーブル端子を垂直移動させたとき、フラット・ケーブルは折り返し部においてケーブル・ブロックが回転して傾斜することでストレス原因を吸収する。フラット・ケーブルがベース・プレートと回路基板との間に挟まれたとき、回転したケーブル・ブロックの端部がベース・プレートと回路基板に当たりさらにケーブル・ブロックの端部同士が当たって回転動作が制約されるまで折り返し部はフラット・ケーブルに発生するストレス原因を吸収する。このようなケーブル端子の垂直移動に対するスリットのストレス吸収作用によりフラット・ケーブルの損傷やケーブル端子または基板端子のハンダ接続部の損傷などを防止することができる。
【0017】
キーボードは通常、ユーザが使用するときに左右方向に長くなっている。第1の基準線がベース・プレートの長手方向に実質的に平行になるようにフラット・ケーブルをベース・プレートに配置すると、フラット・ケーブルの長手方向において発生するケーブル端子に対する基板端子の取り付け位置の許容シフト量を増大させることができる。スリット幅は、第1の基準線と第2の基準線の距離であるフラット・ケーブルの面内方向における基板端子の許容シフト量の最大値を決定する要素となる。スリット幅の最低値は、スリットで分割される個々のケーブル・ブロックの幅、ベース・プレートと回路基板との間隔、およびケーブル端子がフラット・ケーブルの幅方向にシフトする距離で計算することができる。スリット幅を大きくしてゆくと折り返し部全体の幅が広くなってベース・プレートと回路基板との間に収まらなくなったり、接続作業時に作業員が工具などに引っかけてケーブル・ブロックを切断したりするので、スリット幅の最大値はこれらの点を考慮して決定する。
【0018】
ケーブル・ブロックの幅をベース・プレートと回路基板との間隔より小さくすると、ケーブル・ブロックがベース・プレートと回路基板の制約を受けないでスリットを消費しながら円滑に回転することができ、フラット・ケーブルにストレスを与えることがない。スリットは、折り返し部の境界から引き出し部側とケーブル端子側にそれぞれ少なくともベース・プレートと回路基板との距離にほぼ等しい距離だけ確保されている。このような構成を採用することで、スリットの長さを折り返し部だけに限定する場合よりも、ケーブル・ブロックの回転を円滑に行い、フラット・ケーブルに発生するストレスを抑制することができる。
【0019】
フラット・ケーブルは、引き出し部近辺で5層の両面構造を採用して引き出し部でのキー側の配線との接続を容易にするとともに、途中で導体パターンをスルー・ホールによって片面側に集め、スリットが形成された位置では3層の片面構造を採用して柔軟性を向上させている。また、3層構造と4層構造の境界ではカバー層が略L字状に形成されて屈曲したときにストレスが集中することを回避している。また、各スリットの長手方向の2つの端部を曲線状に形成してスリットの端部で亀裂が入らないようにしている。
【0020】
スリットで分割されたケーブル・ブロックの数を多くしたほうが折り返し部の柔軟性を向上することができるが、あまり多くするとスリットのエッジから最低確保しなければならない導線パターンまでの距離により、スリット部におけるフラット・ケーブルの幅に対する導線パターンの収納効率が低下する。本発明では、フラット・ケーブルの折り返し部以外の場所における幅をベース・プレートと回路基板との距離で除した値を整数化した数として決定することが望ましい。整数化するには、小数点以下を切り捨てたり切り上げたりあるいは四捨五入したりする。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、ストレスが少なくて自由度の高いキーボート・ユニットと回路基板の接続構造を提供することができた。さらに本発明によりそのような配線構造を採用したコンピュータを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本実施の形態にかかるノートブック型パーソナル・コンピュータ10(以下、ノートPCという。)の斜視図である。ノートPC10は、PC本体11の上面にキーボード・ユニット13が着脱可能に取り付けられており、さらにPC本体11の略後端部には液晶表示ディスプレイ(LCD)15が回動可能に取り付けられている。
【0023】
図2は、本実施の形態にかかるノートPCからキーボード・ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。PC本体11は、CPUやノースブリッジ等を実装したCPUカード、CPUを冷却するCPUクーラー、メモリ、周辺コントローラ・チップ等を実装したプレイナー・ボード17を収納している。PC本体11はさらにハードディスク・ドライブ(HDD)、フロッピー(登録商標)ディスク・ドライブ(FDD)、CD−ROMドライブ等の記憶装置を含む各種周辺機器類を収納している。プレイナー・ボード17上には、キーボード・ユニット13に接続される基板端子19が取り付けられている。キーボード・ユニット13の表側には複数のキーで構成されたキー配列面23がベース・プレート21上に形成されている。さらにキー配列面23のほぼ中央部には、液晶表示ディスプレイ15の画面上に表示されるカーソルを移動させるためのポインティング・デバイス25(トラック・ポイント:IBM社商標)が装備されている。
【0024】
図3は、本実施の形態にかかるキーボード・ユニット13を裏側からみた図である。ベース・プレート21には、中央部には、ポインティング・デバイス25を支持するとともにその操作によって発生した電気信号を中継するためのセンサ・モジュール27が取り付けられている。ベース・プレート21に設けられた引き出し部35から、キーボードおよびポインティング・デバイス25の操作によって発生した電気信号を中継するためのFPCケーブル31が、ベース・プレート21の長手方向の縁に垂直に引き出されている。引き出し部35では、キーボード回路の配線がFPCケーブル31の端子に接続される。FPCケーブル31は、途中で直角に曲がって大部分の領域がベース・プレート21の長手方向の縁にほぼ平行に延びている。
【0025】
FPCケーブル31は、ベース・プレート21の短手方向の縁から長手方向の縁にほぼ平行に延びるように引き出してもよい。その場合は、直角に折れ曲がる部分を設ける必要がない。FPCケーブル31の先端には、プレイナー・ボード17上の基板端子19に接続されるケーブル端子33が取り付けられている。ケーブル端子33は、FPCケーブル31が曲面状に折り曲げられて上向きになっており、基板端子19に接続される直前の姿勢として示されている。
【0026】
図4は、本実施の形態にかかるFPCケーブル31の詳細な構造を示す図である。FPCケーブル31は、引き出し部端子101から引き出された直後の部分が中央部の絶縁層を挟んで導体パターンとカバー・レイが両面に形成された5層構造部103になっている。5層構造にしているのは、両面に導体パターンを形成することで引き出し部35の長さをできるだけ短くするためである。5層構造部103の中では、随所にスルー・ホールを形成してFPCケーブル31の導体パターンを片面側に集めている。導体パターンの片面側への集約がすべて終わったあとの5層構造の先端側では、導体パターンが片面にだけ形成され、カバー・レイが両面に形成された4層構造部105となってスリット部107まで延びている。4層構造部105はFPCケーブル31の中で最も長い領域であり、4層構造によってFPCケーブル31の機械的強度を確保している。スリット部107には2本のスリット111a、111bが形成されている。FPCケーブル106は、センサ・モジュール27からの信号を、FPCケーブル31を通じてプレイナー・ボード17に送るために設けられているが、本発明との直接的な関連はない。
【0027】
スリット部107は、4層構造部105から導体パターンのない面のカバー・レイを除去して片面側に導体パターンおよびカバー・レイが形成された3層構造になっている。このため面外方向への屈曲や後に説明する回転動作がしやすい構造になっている。FPCケーブル31は、スリット部107を過ぎると4層構造へと戻って先端に取り付けられたケーブル端子33まで延び、ケーブル端子に接続される直前で5層構造になってケーブル端子33の各接点に接続される。スリット部107は、後に説明するようにキーボード・ユニット13をPC本体11に取り付けるときに曲面状に折り曲げられるためストレスが発生しやすい部位である。したがって、FPCケーブル31の4層構造部とスリット部107の境界部109a、109bは、曲げ応力が一箇所に集中して破断が生じることを防ぐためにほぼL字状の折れ線形状に形成されている。
【0028】
スリット部107では、FPCケーブル31が2つのスリット111a、111bにより3つのケーブル・ブロック119a、119b、119cに分割されている。各ケーブル・ブロックは同じ幅になっている。各ケーブル・ブロックでは空間との境界を画定する端部から導体パターンまでの最低の絶縁距離を確保する必要があるため、スリット部107は4層構造部105に比べて全体の幅が広くなっている。スリット111a、111bの長手方向の端部113a〜113dは、特定の部分に応力が集中して亀裂が入らないようにするために曲線状に形成することが望ましい。ここでは、スリット幅を直径とする半円状としている。
【0029】
図5は、ケーブル端子の垂直移動の前後に発生する折り返し部の状態を説明する図である。図5(A)は、ケーブル端子33を基板端子19に接続して、ベース・プレート21をPC本体11に取り付けベース・プレート21とプレイナー・ボード17が所定の間隔で対向している状態を示す模式的な側面図であり、図5(B)は図5(A)のFPCケーブル31を矢印A1方向からみた平面図である。なお、説明の便宜上図5の縮尺は正確ではない。本実施の形態では、ベース・プレート21とプレイナー・ボード17との間隔は約5mmである。
【0030】
図5(A)に示すように、FPCケーブル31はスリット部107で曲面状に折り返されて折り返し部110が形成され、ケーブル端子33が基板端子19に接続される。ここで、自然状態にあるFPCケーブル31に対して、ケーブル端子33の長手方向の中心線120aに垂直な直線を図5(B)に示すように基準線115とする。本実施の形態では基準線115は、ベース・プレート21の長手方向の縁に平行であるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。ここで自然状態とは、FPCケーブル31に面内方向の力が加えられていない状態をいい、面外方向の力が加えられた状態と面外方向の力が加えられていない状態を含む。
【0031】
図5(A)および図5(B)に示したFPCケーブル31は、面外方向に変位した自然状態になっている。さらに、基準線115に対して平行で、プレイナー・ボード17上に取り付けられた基板端子19の長手方向の中心線120bに垂直な直線を基準線117と定義する。図5(B)では、基準線115および基準線117が平面的に一致している。したがって、FPCケーブル31は自然状態において折り返し部110で屈曲してケーブル端子33が基板端子19に接続されている。図5(B)には、折り返し部110でケーブル・ブロック119a〜119cが屈曲した状態が示されている。塗りつぶし部分121は、ベース・プレート21とFPCケーブル31とが接触している面を表している。塗りつぶし部分121に対応するFPCケーブル31のプレイナー・ボード17側も同様にプレイナー・ボード17に接触している。
【0032】
折り返し部110は、ベース・プレート21にもプレイナー・ボード17にも接触していない部分をいう。折り返し部110は必ずスリット部107を含むが、スリット部107には折り返し部110を構成しないでベース・プレート21またはプレイナー・ボード17に接触している部分を含んでもよい。図5(A)、図5(B)に示したようにFPCケーブル31が自然状態で屈曲している場合は、本実施の形態にかかるスリット111a、111bは、ケーブル・ブロックの回転動作によるストレス吸収作用を発揮せず、かつ面内変位が生じないのでFPCケーブル31にストレスは発生しない。
【0033】
図5(C)は、基板端子19がプレイナー・ボード17に基準線115に垂直な方向にシフトした位置に取り付けられ、ケーブル端子33がシフトした基板端子19に接続された状態を示している。基板端子19の中心を通過する基準線117は、基準線115に対して平行にシフトしている。この場合は、ケーブル端子33を基板端子19に接続するために、FPCケーブル31が基準線115に対して垂直な方向への面内変位をする必要がありFPCケーブル31にストレス原因が発生する。ケーブル端子33の垂直移動によって、折り返し部110の曲面が変形し、ベース・プレート21とFPCケーブル31とが接している接触面121の範囲も折り返し部との境界部分で変化する。
【0034】
図5(D)は、図5(C)の折り返し部110を矢印A2の位置で切断して折り返しの頂部側である矢印A3の方向からみた断面図である。図5(D)は、折り返し部110の切断面だけを示している。折り返し部110の曲面の断面では、スリット111a、111bで区切られた各々のケーブル・ブロック119a〜119cが、ケーブル端子33の垂直移動によって、折り返し部にある上下の2つの断面を含む矩形の重心またはその近辺を中心として回転動作をしている。このとき、折り返し部の上下の2つの断面は、ベース・プレート21およびプレイナー・ボード17の平面に対して傾斜している。FPCケーブル31は、ケーブル・ブロック119a〜119cの回転動作または傾斜により面内変位に起因するストレスを除去することができる。スリット111a、111bの幅は、ケーブル・ブロックの回転動作を十分に許容できるように決定する必要がある。
【0035】
図6は、スリット幅の決定方法を説明する図で図5(D)と同じ方向からケーブル・ブロックをみた図である。図6(A)はFPCケーブル31が面内方向へのシフトのない自然状態になっており、図6(B)はFPCケーブル31の面内方向への垂直移動によってケーブル・ブロック119a、119bが回転した状態になっている。図6(A)、図6(B)でケーブル・ブロック119a、119bとして示した形状は、自然状態ではベース・プレート21とプレイナー・ボード17に接触していないが、回転動作により端部がスリットを消費して相互に接触し、かつコーナーがベース・プレート21とプレイナー・ボード17に接触する折り返し部110のいずれかの部位を示している。
【0036】
図6(A)の状態から図6(B)の状態に移行するまでの間は、スリット111aを消費しながらケーブル・ブロック119a、119bが回転動作をするため、FPCケーブル31にはストレスが発生しない。ケーブル・ブロック119a、119bの回転角が最大となるのは、スリット111aを隔てて隣接するケーブル・ブロック119a、119bの端部122a、122bが接触し、かつケーブル・ブロック119a、119bがそれぞれベース・プレート21およびプレイナー・ボード17に接触した図6(B)のときである。
【0037】
このような状態は、ケーブル端子33を自然状態から所定の距離だけ垂直移動させて基板端子19に接続し、かつ、ベース・プレート21をPC本体11に取り付けてFPCケーブル31をプレイナー・ボード17との間に挟み込んで圧力を加えたときに発生する。スリット111aは、図6(B)の状態になるまでFPCケーブル31に発生するストレスを抑制するが、それ以上の回転動作を要求するような面内方向への垂直移動があるとスリット111aのストレス吸収能力を超えてしまい、FPCケーブルに対して物理的なストレスを生じさせてしまう。
【0038】
ここで、図6(B)に基づいてスリット111aの幅を求める方法を説明する。ケーブル・ブロック119a、119bは先端側からみると図6に示すようにほぼ長方形であり、ベース・プレート21およびプレイナー・ボード17は平行になっている。また、各々のケーブル・ブロック119a、119bは同じ幅で、同じ角度だけ回転している。このため、角BACと角BDEは等しくなっている。この角度をθとし、さらに基準線115と基準線117との距離をm、スリット111aによって区切られたケーブル・ブロック119a、119bの幅をa、プレイナー・ボード17とベース・プレート21との間隔をb、スリット111aの幅をsとする。まず三角形BACに着目すると、式(1)が成立する。次に三角形BDEに着目すると、式(2)が成立する。式1および式2で左辺を消去し、sについてまとめると、式(3)となる。式(3)をsに関する2次方程式として解くと、a≠bの場合、sは式(4)のように求められる。a=bの場合、式(3)は1次方程式となり、sは式(5)のように求められる。
【0039】
【数1】

【0040】
【数2】

【0041】
【数3】

【0042】
【数4】

【0043】
【数5】

【0044】
以上によって求められたsの値が、基準線115と基準線117との距離m、ケーブル・ブロック119の幅a、プレイナー・ボード17とベース・プレート21との間隔bが与えられたときに必要なスリット幅の最小値となる。スリット幅の最大値は、ノートPC内部におけるキーボード・ユニットの実装上の制約から決定される。なお、式(4)、式(5)は、ケーブル端子33を垂直移動させたときのスリット幅の計算式である。ケーブル端子33を垂直移動に加えて回転移動も含めて移動させることにより、基板端子19の基準線115からのシフト量をより大きくさせることも可能である。
【0045】
図7は、ケーブル端子を回転移動させたときの状態を示す図である。図7(A)は、図5(C)と同じようにケーブル端子33を基板端子19に接続するために垂直移動だけをさせたときの状態を示している。図7(B)はケーブル端子33に折り返し部110を中心にした回転移動だけをさせときの状態を示している。図7(B)では、基板端子19の長手方向の中心線120bが基準線115に対して傾斜して交差している。基準線117は基板端子19の中心線120bに垂直に交差しているため、基準線115に対してある角度で交差している。ケーブル端子33を基板端子19に接続するためにケーブル端子33を折り返し部110の先端を中心にして回転移動をさせる。回転移動させたときのケーブル・ブロックの挙動は、垂直移動させたときのそれとは異なる。
【0046】
回転移動のときは、ケーブル・ブロック119a〜119bが図5(D)のようには回転しない。回転移動のときは、図7(B)に示すようにケーブル・ブロック119cの頂部がケーブル・ブロック119aの頂部より先に突き出るように変形してFPCケーブル31に発生するストレスを吸収する。このときスリット111a、111bの幅はほとんど変化しない。基板端子19の中心を通過する基準線117が基準線115に所定の角度で交差するように基板端子19をプレイナー・ボード17に取り付けることができれば、回転移動だけでケーブル端子33を接続することができる。ケーブル端子33に回転移動だけをさせるときは、折り返し部110とケーブル端子33の位置との距離を半径とする円弧上を移動させることになるが、ケーブル端子33の移動経路が円弧から外れるときは回転移動と垂直移動が発生し、ケーブル・ブロックに回転が発生する。
【0047】
回転移動は、ストレスを吸収するために必要なスリット幅の制約がないため、垂直移動に比べて基板端子19の許容シフト量を大きくすることができる。ただし、回転移動だけの場合もスリット部107は折り返し部110の柔軟な変形に寄与する。通常は、基板端子を図7(B)の状態でプレイナー・ボード17に取り付けることは設計上の制約があるので困難な場合が多い。基板端子19の中心線120bが基準線115に対してわずかに傾斜するように基板端子19をプレイナー・ボード17に取り付けて、ケーブル端子33の接続時に垂直移動に回転移動が加わるようにすると、垂直移動に対するスリットの効果に回転移動の効果が加わって、垂直移動だけの場合よりも許容シフト量を大きくすることができる。ケーブル端子の移動が垂直移動を含むか否かは、ケーブル・ブロックに回転動作が発生するか否かで判断することができる。
【0048】
図8は、基準線117の方向における基板端子19の位置に応じて必要となるスリットの長さを決定する方法を説明する図である。図8(A)は、引き出し部(図3参照のこと。)35側への基板端子19のシフト量を最大にした状態、図8(B)はケーブル端子33側への基板端子19のシフト量を最大にした状態である。本実施の形態では折り返し部110には必ずスリット111a、111bが含まれる必要がある。引き出し部側のスリット111a、111bの端部は、図8(A)に示すように折り返し部110の境界より少なくともベース・プレート21とプレイナー・ボード17との距離に等しい距離Lだけ確保した位置まで延びていることが望ましい。また、先端側のスリット111a、111bの端部も同様に図8(B)に示すように折り返し部110の境界より距離Lだけ確保した位置まで延びていることが望ましい。
【0049】
FPCケーブル31の幅方向への変位によって発生するケーブル・ブロックの回転動作は折り返し部110の境界よりFPCケーブルの引き出し部側および先端側まで及ぶため、このようにスリットの長さを決定すると、基板端子19が基準線117の方向に最大距離Lmaxの範囲で移動しても、図5の塗りつぶし部分121までスリットが延びてケーブル・ブロック119の回転動作を円滑に行うことができる。
【0050】
スリットの本数は多いほど、FPCケーブル31は幅方向へのより大きな変位に対応できる。しかし、スリットの本数が多くなればなるほど、その分だけケーブル全体の幅が広くなるのでPC本体への収納上の制約を受けることになる。ケーブル・ブロックの回転動作を円滑に行うために、ケーブル・ブロックの1本あたりの横幅は、ベース・プレート21とプレイナー・ボード17との距離よりも少し小さい程度にすることが望ましい。ケーブル・ブロックの数は、FPCケーブル31のスリット部107以外の場所における幅をベース・プレート21とプレイナー・ボード17との距離で除した値を整数化した数として決定するとよい。FPCケーブル31のスリット部107以外の場所における幅は、電気的な規格に基づいて定まった最低限必要な幅に相当する。スリットの本数は、ケーブル・ブロックの数からさらに1を引いた数になる。なお、ここでいう整数化は、キーボード・ユニットの実装上の条件に合わせて小数点以下の切り捨て、切り上げ、または四捨五入のいずれかを採用することができる。
【0051】
本実施の形態では、たとえばプレイナー・ボード17とベース・プレート21との間の隙間をb=5mm、設計上対応すべきFPCケーブル31の幅方向への変位をm=2.5mm、FPCケーブル31のスリット部107以外の場所における幅を14mmとする。14÷5=2.8であることから、ケーブル・ブロックの数は2.8の小数点以下を切り上げて3本となり、スリットの本数は2本となる。14mmを3等分すると約4.67mmとなるが、ケーブル・ブロックの幅方向の空間との境界部では、導体パターンまで所定の距離が必要であることから、ここではケーブル・ブロック119の1本あたりの横幅をa=4.9mmとする。以上を式(4)に代入することにより、スリット幅の最小値s=約1.19mmと決定される。同様に、a=4.95mmとするなら、s=約1.22mmと決定される。また、a=5mmとするなら、a=bとなるため、式(5)よりs=1.25mmと決定される。
【0052】
なお、本実施の形態においては、FPCケーブルを例にして説明したが、本発明の適用はFPCケーブルに限定されるものではなく、リボン・ケーブル、テープ・ケーブルといわれているようなフラット・ケーブル全般に適用することができる。具体的には、スリット部107においてケーブル・ブロックを形成するために、導体パターンを直線から変化させることができる構造の平型のケーブルを適用することができる。
【0053】
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態にかかるノートPCの外形図である。
【図2】ノートPCからキーボード・ユニットを取り外した状態を示す図である。
【図3】キーボード・ユニットの裏面を示す図である。
【図4】FPCケーブルの先端の詳細な構造を示す図である。
【図5】ケーブル端子の垂直移動の前後に発生する折り返し部の状態を説明する図である。
【図6】スリット幅の決定方法を説明する図である。
【図7】ケーブル端子を回転移動させたときの状態を示す図である。
【図8】スリットの長さの決定方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0055】
10 ノートブック型パーソナル・コンピュータ
11 PC本体
13 キーボード・ユニット
15 液晶表示ディスプレイ(LCD)
17 プレイナー・ボード
19 基板端子
21 ベース・プレート
23 キー配列面
25 ポインティング・デバイス
27 センサ・モジュール
31 FPCケーブル
33 ケーブル端子
35 引き出し部
101 引き出し部端子
103 5層構造部
105 4層構造部
107 スリット部
109a、109b 境界部
110 折り返し部
111a、111b スリット
115、117 基準線
119a、119b、119c ケーブル・ブロック
121 ベース・プレートとFPCケーブルとが接触している面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボード・ユニットの配線構造であって、
複数のキーが配置されたベース・プレートと、
前記ベース・プレートに対して所定の間隔で対向する回路基板と、
前記ベース・プレートの引き出し部から引き出され複数のケーブル・ブロックを構成するように長手方向にスリットが形成された曲面状の折り返し部を備えるフラット・ケーブルと、
前記フラット・ケーブルの先端側に取り付けられたケーブル端子と、
自然状態にある前記フラット・ケーブル面内において定義された前記ケーブル端子の中心を通過する第1の基準線に対して実質的に平行で該第1の基準線から所定の距離だけ離れた位置に定義された第2の基準線が中心を通過するように前記回路基板に取り付けられ前記ケーブル端子に接続された基板端子とを有し、
前記ケーブル端子を前記基板端子に接続した状態において前記ケーブル・ブロックが前記折り返し部で回転している配線構造。
【請求項2】
前記フラット・ケーブルが自然状態で折り返した状態において前記ケーブル端子の中心線と前記基板端子の中心線が平行であり、前記フラット・ケーブルの前記ケーブル端子を前記第1の基準線に垂直な方向に垂直移動をさせて前記基板端子に接続した請求項1記載の配線構造。
【請求項3】
前記フラット・ケーブルは幅sの前記スリットによりそれぞれ幅aの第1のケーブル・ブロックと第2のケーブル・ブロックに分割され、前記第1の基準線と前記第2の基準線の間隔がmであり、前記第1のケーブル・ブロックの端部と前記第2のケーブル・ブロックの端部が回転して相互に接触しかつ前記第1のケーブル・ブロックと前記第2のケーブル・ブロックが前記折り返し部において間隔bで対向している前記ベース・プレートと前記回路基板に接触しているときに、前記スリット幅sが、
【数1】

で計算した値以上である請求項2記載の配線構造。
【請求項4】
前記フラット・ケーブルが自然状態で折り返した状態において前記ケーブル端子の中心線と前記基板端子の中心線が所定の角度で交差しており、前記ケーブル端子を前記第1の基準線に垂直な方向の垂直移動と前記折り返し部を中心とする回転移動をさせて前記基板端子に接続した請求項1記載の配線構造。
【請求項5】
前記第1の基準線が前記ベース・プレートの長手方向の縁に実質的に平行になるように前記フラット・ケーブルを前記ベース・プレート上に配置した請求項1記載の配線構造。
【請求項6】
前記ケーブル・ブロックの幅は、前記ベース・プレートと前記回路基板との間隔より小さい請求項1記載の配線構造。
【請求項7】
前記スリットは、前記折り返し部の境界から前記引き出し部側と前記先端側にそれぞれ少なくとも前記ベース・プレートと前記回路基板の間の距離だけ形成されている請求項1記載の配線構造。
【請求項8】
前記フラット・ケーブルは少なくとも前記引き出し部近辺で5層の両面構造となっており前記両面構造に続いて前記スリットの位置の近辺まで4層の片面構造になっており前記スリットの位置で3層の片面構造となっている請求項1記載の配線構造。
【請求項9】
前記4層の片面構造と前記3層の片面構造の境界ではカバー層が略L字状になっている請求項8記載の配線構造。
【請求項10】
前記スリットを形成する長手方向の2つの端部を曲線状に形成した請求項1記載の配線構造。
【請求項11】
前記ケーブル・ブロックの数を前記フラット・ケーブルの前記折り返し部以外の場所における幅を前記ベース・プレートと前記回路基板の間の距離で除した値を整数化した数として選択した請求項1記載の配線構造。
【請求項12】
表示装置と
前記表示装置を回動可能に支持するシステム筐体と、
前記システム筐体に収納される回路基板と、
前記システム筐体の表面に実装されたキーボード・ユニットと、
前記キーボード・ユニットと前記回路基板とを接続する配線構造とを有し、
前記配線構造が請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載された配線構造であるコンピュータ。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−80929(P2007−80929A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263618(P2005−263618)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【Fターム(参考)】