説明

クッション装置および自動二輪車

【課題】広いレンジで減衰力を発生させることが可能なクッション装置を提供することを課題とする。
【解決手段】クッション装置13は、ショックアブソーバ2Aとアキュムレータ9Aを備える。ピストン32がシリンダ41内を矢視X1方向に移動することで、ショックアブソーバ2Aが圧縮すると、オイル室401内のオイルがオイルホース201を介してアキュムレータ9Aに流出する。ピストン32の圧縮動作に伴い、スライド部材43がスライドし、オイル室402の容積が小さくなる。オイル室402内のオイルはオイルホース203を介して調整ユニット910に流出する。調整ユニット910は、オイル室402から流入したオイルの圧力によってバルブを制御し、オイル室401からオイル室901へ流入するオイルに抵抗を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のサスペンションに用いられるクッション装置に関する。詳しくは、ピストンの変位に応じた減衰力を発生させるクッション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車などの車両にはサスペンションが設けられている。サスペンションは、自動二輪車の前輪あるいは後輪を支持する。サスペンションが機能することで、前輪あるいは後輪に加えられた力が吸収され、車両に加わる衝撃が軽減される。
【0003】
サスペンションは、車輪を支持するアームと、アームを支持するクッション装置とを備える。クッション装置は、スプリングとショックアブソーバの組み合わせで構成される。あるいは、スプリングの代わりに空気バネが利用される。
【0004】
ショックアブソーバは、ピストンとシリンダを含んでいる。スプリング力に反してシリンダ内をピストンが移動することでショックアブソーバが圧縮される。シリンダ内をピストンが移動するとき、シリンダ内のオイルによってピストンの移動に抵抗が加えられる。
【0005】
下記特許文献1において、ピストンの位置に依存した減衰力を発生させるショックアブソーバが開示されている。このショックアブソーバは、ショックアブソーバの外部にオイルを蓄積するアキュムレータを備えている。ショックアブソーバからアキュムレータに流出するオイルは減衰力発生部を通過するときに抵抗が加えられる。
【0006】
具体的には、ピストンの運動に伴ってショックアブソーバの外周に設けられたスプリングに圧力が加わる。スプリングに対する圧力が強くなり、スプリングの支持部が変位すると、この変位がクッション部材を介してバルブに伝達される。ピストンの変位が大きいほど、クッション部材の変位が大きくなり、バルブを通過するオイルに強い抵抗が加えられる。
【0007】
特許文献1のショックアブソーバは、このように、ピストンの位置に依存した減衰力を発生させる。しかし、クッション部材の変位によりバルブを制御するため、発生させる減衰力のレンジが広くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平5−38434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記背景技術に示された問題点に鑑み、広いレンジで減衰力を発生させることが可能なクッション装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0010】
上記課題を解決するため、本実施の形態に係るクッション装置は、シリンダを有する第1部材に対してピストンを有する第2部材の相対位置が変化するショックアブソーバと、前記ショックアブソーバから吐き出されたオイルを蓄積するアキュムレータと、を備える。前記ショックアブソーバは、前記第2部材の相対位置によって容積の変化する第1オイル室と、前記第2部材の相対位置によって容積の変化する第1流体室とを含む。前記クッション装置は、さらに、前記第1オイル室に接続されるオイル路と、前記第1流体室に接続される流体路とを備える。前記アキュムレータは、前記オイル路を介して前記第1オイル室に接続される第2オイル室と、前記流体路を介して前記第1流体室に接続される第2流体室と、前記流体路を介して前記第2流体室に供給された流体の圧力によって制御されるバルブとを含む。前記バルブは、前記第2部材の相対位置に応じて、前記第1オイル室から流出するオイルの流れに抵抗を加える。
【0011】
流体室内の圧力の変動によりバルブを調整するので、ピストンの相対位置の変化に対して広いレンジで減衰力を発生させることができる。
【0012】
他の実施の形態によれば、前記オイル路は、前記ショックアブソーバの圧縮時に前記第1オイル室内のオイルを前記第2オイル室に供給する第1オイル路を含む。前記バルブは、前記ショックアブソーバの圧縮時に前記第1オイル路を介して前記第2オイル室に流入するオイルに抵抗を加える第1バルブを含む。
【0013】
ピストンの圧縮動作時に、広いレンジで減衰力を発生させることができる。
【0014】
他の実施の形態によれば、前記オイル路は、前記ショックアブソーバの伸張時に前記第1オイル室内のオイルを前記第2オイル室に供給する第2オイル路を含む。前記バルブは、前記ショックアブソーバの伸張時に前記第2オイル路を介して前記第1オイル室から流出するオイルに抵抗を加える第2バルブを含む。
【0015】
ピストンの伸張動作時に、広いレンジで減衰力を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】自動二輪車の側面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図3】調整ユニットの断面図である。
【図4】(A)バルブ本体の平面図、(B)バルブ本体の側面断面図、(C)バルブ本体の底面図である。
【図5】調整ユニットの断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図7】調整ユニットの断面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図9】第4の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図10】第5の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図11】第5の実施の形態に係るクッション装置の断面図である。
【図12】第1の実施の形態に係るショックアブソーバによる減衰力を示す図である。
【図13】従来のショックアブソーバによる減衰力を示す図である。
【図14】第1の実施の形態に係るショックアブソーバと従来のショックアブソーバの減衰力とを比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る自動二輪車1の側面図である。自動二輪車1の図示せぬ車体フレームには、リヤアーム11が上下方向に回転可能に取り付けられている。リヤアーム11の後端には、後輪12が回転可能に支持されている。
【0018】
後輪12の前方には、クッション装置13が設けられている。クッション装置13は、ショックアブソーバ2とアキュムレータ9とを備えている。ショックアブソーバ2は、少し前方に傾斜して配置されている。アキュムレータ9は、ほぼ水平方向と平行に配置されている。リヤアーム11とクッション装置13とにより、後輪12を支持するリアサスペンションが構成されている。
【0019】
以下、本発明の第1〜第5の実施の形態について説明する。各実施の形態において、図1に示したショックアブソーバ2がショックアブソーバ2A〜2Eに置き換えられる。各実施の形態において、図1に示したアキュムレータ9がアキュムレータ9Aあるいは9Bに置き換えられる。
【0020】
{第1の実施の形態}
図2は、第1の実施の形態に係るクッション装置13の断面図である。第1の実施の形態に係るクッション装置13は、ショックアブソーバ2Aとアキュムレータ9Aとを備えている。
【0021】
ショックアブソーバ2Aは、シリンダ41を有する第1部材4と、ピストン32を有する第2部材3とを備えて構成される。ショックアブソーバ2Aは、第1部材4と第2部材3との相対位置が変化することで伸縮する。
【0022】
第1部材4のシリンダ41内にはオイル室401が形成されている。シリンダ41内には、第2部材3のピストン32が挿入されている。
【0023】
第2部材3は、ピストンロッド31とピストンロッド31の先端に取り付けられたピストン32とを備える。第2部材3の一端には連結部39が設けられている。連結部39は、図示せぬリンク機構を介してリヤアーム11に連結されている。連結部39が直接リヤアーム11に連結されていてもよい。
【0024】
第1部材4のシリンダ41の外周には、環状の支持部材42が取り付けられている。支持部材42の外周には、環状のスライド部材43が取り付けられている。スライド部材43は、支持部材42に対してシリンダ41の軸方向(図の矢視X1あるいはX2方向)にスライド可能に取り付けられている。
【0025】
スライド部材43の一端にはスプリング支持部材44が取り付けられている。一方、ピストンロッド3にはスプリング支持部材33が取り付けられている。スプリング支持部材44とスプリング支持部材33との間には、スプリング48が取り付けられている。ピストン32がシリンダ41の内部において軸方向に移動するときに、スプリング48が伸縮し、第2部材3の運動に抵抗を加える。
【0026】
オイル室401にはポート45が設けられている。ポート45にはオイルホース201が接続されている。オイル室401内のオイルは、ポート45およびオイルホース201を介して、アキュムレータ9Aへ流出あるいは流入する。第1部材4の端部には連結部49が設けられている。連結部49は、自動二輪車1の図示せぬフレームに取り付けられる。第1部材4は、連結部49において、上下方向に回転可能に取り付けられる。
【0027】
支持部材42とスライド部材43との間には、リング状のオイル室402が形成されている。スライド部材43が支持部材42に対して移動すると、オイル室402の容積が変化する。
【0028】
オイル室402には、ポート46が連結されている。ポート46には、オイルホース203が接続されている。オイル室402内のオイルは、ポート46およびオイルホース203を介して、アキュムレータ9Aへ流出あるいは流入する。
【0029】
アキュムレータ9Aは、タンク900を備えている。タンク900内には、オイル室901が形成されている。タンク900の一端には、ケーシング940が取り付けられている。ケーシング940は内部に調整ユニット910を備えている。調整ユニット910は、ショックアブソーバ2Aから流入するオイルに抵抗を与え、ショックアブソーバ2Aの圧縮動作に減衰力を与える役割を有する。
【0030】
調整ユニット910には、ポート903およびポート904が連結されている。ポート903には、オイルホース203が接続されている。ポート904には、オイルホース201が接続されている。シリンダ41のオイル室401内のオイルは、オイルホース201およびポート904を介して調整ユニット910に流入する。オイル室402内のオイルは、オイルホース203およびポート903を介して調整ユニット910に流入する。
【0031】
図3は、調整ユニット910の断面図である。調整ユニット910は、アキュムレータ9Aの配置によって上下方向が変わるため、絶対的な上下方向は存在しない。以下の説明においては、便宜的に、図3における上下方向を調整ユニット910の上下方向として説明する。
【0032】
調整ユニット910は、ユニット本体911を備える。ユニット本体911は、径の大きい支持部911aと、径が細くなり長く上方に向かって延びる延伸部911bとを備える。
【0033】
支持部911aの軸心は空洞になっており、ニードル916が挿入されている。延伸部911bの軸心は空洞になっており、オイル路R16を形成している。オイル路R16の下端にニードル916の上端が挿入され、オリフィスを形成している。
【0034】
延伸部911bの外周には、円環状のスライド部材912が嵌め込まれている。スライド部材912は、支持部911aの上部に位置しており、支持部911aとスライド部材912との間には、オイル路R11が形成されている。オイル路R11は、ポート903と連結している。オイル路R11は、ポート903、オイルホース203およびポート46を介してオイル室402と繋がっている。スライド部材912は、延伸部911bの軸方向に移動可能となっている。
【0035】
延伸部911bの外周には、スライド部材912の上部側に、バルブ本体913が取り付けられている。図4(A)は、バルブ本体913の平面図、図4(B)は、バルブ本体913の側面断面図、図4(C)は、バルブ本体913の底面図である。
【0036】
バルブ本体913には、平面視で断面の小さいポート9131と、平面視で断面の大きいポート9132とが形成されている。バルブ本体913の軸心部分は孔9133が形成されており、延伸部911bが挿入される。
【0037】
再び、図3を参照する。バルブ本体913の上部側には、オイル路R12が形成されている。オイル路R12は、ポート904と連結している。バルブ本体913の下部側には、円環状の板バネ914が取り付けられている。延伸部911bの外周面とスライド部材912の内周面と板バネ914の下面で囲まれる領域にオイル路R15が形成されている。スライド部材912の外周にはオイル路R14が形成されている。オイル路R14とオイル路R15は、スライド部材912に形成されたポートを介して繋がっている。
【0038】
ポート9131、スライド部材912および板バネ914によって、ポート9131からオイル路R14に流出するオイルの流れに抵抗を加えるバルブが構成されている。
【0039】
板バネ914の下部には、スライド部材912の上端が接触している。オイル路R11内のオイルの圧力が変動することで、スライド部材912が上下に移動、あるいは板バネ914に対するスライド部材912の接触圧力が変化する。スライド部材912の上下の移動、あるいは板バネ914に対する接触圧力の変化によって、板バネ914に対する上方向への圧力が変動する。これにより、ポート9131からオイル路R14へ流出するオイルに抵抗が加えられる。この抵抗は、後で説明するが、ショックアブソーバ2Aの圧縮動作時における減衰力となる。
【0040】
バルブ本体913の上部側には、円環状のバルブ部材915が取り付けられている。ポート9132とバルブ部材915とにより、ポート9132からオイル路R12へ向かう方向にオイルの流れを制御するチェックバルブが構成されている。
【0041】
以上のように構成されたクッション装置13の動作について説明する。まず、ショックアブソーバ2Aが圧縮動作する場合を説明する。図2を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に上方向に移動する。この動作に合わせて第2部材3と第1部材4との相対距離が縮まり、ピストン32がシリンダ41内を図の矢視X1方向に移動する。
【0042】
ピストン32の矢視X1方向の移動に伴い、オイル室401内のオイルはピストンロッド31の内周面のオリフィスを通過してピストン32の裏側(矢視X2方向)に逃げる。また、ピストン32の矢視X1方向の移動に伴い、オイル室401内のオイルはピストン32に形成されたポートを通過してピストン32の裏側に逃げる。
【0043】
ピストン32の矢視X1方向の移動に伴い、ピストンロッド31がシリンダ41内に侵入する。これにより、オイル室401内の容積が小さくなる。ピストンロッド31が侵入した体積の増加分だけオイル室401内のオイルがポート45から流出する。ポート45から流出したオイルは、オイルホース201を介してポート904から調整ユニット910に流入する。
【0044】
第2部材3と第1部材4との相対距離が縮まることにより、スプリング48が圧縮される。スプリング48が圧縮することにより、スプリング支持部材44が矢視X1方向に圧力を受ける。スプリング支持部材44が矢視X方向に圧力を受けることにより、スライド部材43が矢視X1方向にスライドする。これにより、オイル室402の容積が小さくなる。
【0045】
オイル室402の容積が小さくなることにより、オイル室402内のオイルがポート46から流出する。ポート46から流出したオイルは、オイルホース203を介してポート903から調整ユニット910に流入する。
【0046】
図3を参照する。オイル室401から流出したオイルは、ポート904からオイル路R12に流入する。オイル路R12に流入したオイルは、ポート9131を介して、オイル路R14に流出する。
【0047】
一方、オイル室402から流出したオイルは、ポート903からオイル路R11に流入する。オイル路R11に流入したオイルによりスライド部材912が図3における上方向に移動し、あるいは板バネ914に対する接触圧力を高めることにより、板バネ914に対して上方向の圧力が加えられる。これにより、ポート9131からオイル路R14に流出するオイルに対して、板バネ914を備えて構成されるバルブによって抵抗が加えられる。ピストン32のシリンダ41内への侵入距離が増加し、オイル室401内のオイル圧が高まると、ポート9131からオイル路R14に向かうオイルは、板バネ914を図5に示すように下方向に押し下げてオイル路R14に流出する。
【0048】
ポート9131からオイル路R14に流出するオイルに抵抗を加えるのは板バネ914を上方向に押し上げる圧力である。この圧力は、スライド部材912の上方向の変位あるいは板バネ914に対する接触圧力に基づき発生する。スライド部材912は、オイル室R11内のオイルの圧力に基づき上下方向に変位、あるいは板バネ914に対する接触圧力を変化させる。オイル室R11内のオイルの圧力は、図2に示すオイル室402内のオイルの圧力に基づき変動する。オイル室402内のオイルの圧力は、ピストン32を含む第2部材3の変位量に応じて変動する。つまり、ポート9131からオイル路R14に流出するオイルに加えられる抵抗は、オイル室402内のオイルの圧力に基づいて変動する。
【0049】
図3に示すように、ポート9131からオイル路R14に流出したオイルは、矢視D1方向に流れ、オイル室901に流入する。このようにして、ショックアブソーバ2Aの圧縮動作時には、オイル室401内のオイルが、矢視D1に沿ってオイル室901に流入する。また、ショックアブソーバ2Aの圧縮動作時には、オイル室401内のオイルが、矢視D2に沿ってオイル室901に流入する。矢視D2の経路とは、ポート904を介して流入したオイルが、オイル路R16を通り、オイル路R16の下端のオリフィスを通過する経路である。オリフィスを通過したオイルは、オイル路R15およびオイル路R14を経由してオイル室901に流入する。
【0050】
次に、ショックアブソーバ2Aが伸長動作する場合を説明する。図2を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に下方向に移動する。この動作に合わせて第2部材3と第1部材4との相対距離が広がり、ピストン32がシリンダ41内を図の矢視X2方向に移動する。
【0051】
ピストン32の矢視X2方向の移動に伴い、ピストンロッド31がシリンダ41から退出する。これにより、オイル室401内の容積が大きくなる。ピストンロッド31が退出した体積の増加分だけポート45を介してオイル室401内にオイルが流入する。アキュムレータ9A内のオイル室901内のオイルが、オイルホース201を介してオイル室401内に流入する。
【0052】
図3を参照する。オイル室901内のオイルは、オイル路R13を介してオイル路R14に流入する。オイル路R14に流入したオイルは、矢視D3で示すように、ポート9132およびバルブ部材915で構成されるチェックバルブを通過してオイル路R12に流出する。オイル路R12に流出したオイルは、ポート904およびオイルホース201を介してオイル室401に流入する。
【0053】
本実施の形態のクッション装置13は、ショックアブソーバ2Aが圧縮動作するときに、第2部材3の変位に応じてアキュムレータ9Aに流出するオイルに抵抗を加えることができる。第2部材3の変位は、オイル室402内のオイル圧力に変換される。オイル室402内のオイル圧力はスライド部材912の変位に変換され、スライド部材912が板バネ914を含むバルブを制御する。つまり、オイル室402内のオイル圧力によりバルブを制御する仕組みとなっている。これにより、広いレンジでショックアブソーバ2Aに減衰力を与えることができる。
【0054】
{第2の実施の形態}
図6は、第2の実施の形態に係るクッション装置13の断面図である。第2の実施の形態に係るクッション装置13は、ショックアブソーバ2Bとアキュムレータ9Bとを備えている。
【0055】
ショックアブソーバ2Bは、シリンダ51Aおよび51Bを有する第1部材5と、ピストン35を有する第2部材3とを備えて構成される。ショックアブソーバ2Bは、第1部材5と第2部材3との相対位置が変化することで伸縮する。
【0056】
第2部材3の構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、第2の実施の形態のピストン35には、ポートが形成されていない点が異なる。
【0057】
第1部材5は、シリンダ51Aの内部にシリンダ51Bが配置された二重構造となっている。第1部材5のシリンダ51B内にはオイル室501が形成されている。シリンダ51B内には、第2部材3のピストン35が挿入されている。シリンダ51Bの外周、かつ、シリンダ51Aの内周にはオイル室503が形成されている。オイル室501とオイル室503とはオイル路504を通じて連結している。
【0058】
シリンダ51Aの外周には、環状の支持部材52が取り付けられている。支持部材52の外周には、環状のスライド部材53が取り付けられている。スライド部材53は、支持部材52に対してシリンダ51Aの軸方向(図の矢視X1あるいはX2方向)にスライド可能に取り付けられている。
【0059】
スライド部材53の一端にはスプリング支持部材54が取り付けられている。スプリング支持部材54とスプリング支持部材33との間には、スプリング58が取り付けられている。
【0060】
オイル室501にはポート55が連結され、オイル室503にはポート57が連結されている。ポート55にはオイルホース201が接続されている。ポート57にはオイルホース202が接続されている。オイル室501内のオイルは、オイルホース201を介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。オイル室503内のオイルは、オイルホース202を介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。第1部材5の端部には連結部59が設けられている。連結部59は、自動二輪車1の図示せぬフレームに取り付けられる。第1部材5は、連結部59において、上下方向に回転可能に取り付けられる。
【0061】
支持部材52とスライド部材53との間には、リング状のオイル室502が形成されている。オイル室502には、ポート56が連結されている。ポート56には、オイルホース203が接続されている。オイル室502内のオイルは、オイルホース203を介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。
【0062】
アキュムレータ9Bは、タンク900を備えている。タンク900内には、オイル室901が形成されている。タンク900の一端には、ケーシング950が取り付けられている。ケーシング950は内部に調整ユニット910および調整ユニット920を備えている。調整ユニット910は、ショックアブソーバ2Bの圧縮動作時にショックアブソーバ2Bから流入するオイルに抵抗を与える役割を有するユニットであり、第1の実施の形態と同様である。調整ユニット920は、ショックアブソーバ2Bの伸長動作時にショックアブソーバ2Bから流入するオイルに抵抗を与える役割を有する。
【0063】
調整ユニット910には、ポート903およびポート904が連結されている。調整ユニット920には、ポート905が連結されている。ポート903には、オイルホース203が接続されている。ポート904にはオイルホース201が接続され、ポート905にはオイルホース202が接続されている。オイル室501内のオイルは、オイルホース201および調整ユニット910を介してオイル室901に流入あるいは流出する。オイル室503内のオイルは、オイルホース202および調整ユニット920を介してオイル室901に流入あるいは流出する。オイル室502内のオイルは、オイルホース203を介して調整ユニット910および調整ユニット920に流入する。
【0064】
図7は、調整ユニット910および920の断面図である。調整ユニット910および920は、アキュムレータ9Bの配置によって上下方向が変わるため、絶対的な上下方向は存在しない。以下の説明においては、便宜的に、図7における上下方向を調整ユニット910および920の上下方向として説明する。
【0065】
調整ユニット910の構成は第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。調整ユニット920の構成も調整ユニット910と同様であるので、同様の構成については簡単に説明する。調整ユニット920のユニット本体921は、支持部921aと延伸部921bとを備える。
【0066】
支持部921aの軸心には、ニードル926が挿入されている。延伸部921bの軸心には、オイル路R26が形成されている。オイル路R26の下端にニードル926の上端が挿入され、オリフィスを形成している。
【0067】
延伸部921bの外周には、円環状のスライド部材922が嵌め込まれている。支持部921aとスライド部材922との間には、オイル路R21が形成されている。オイル路R21は、オイル路R32を介して調整ユニット910のオイル路R11と連結している。したがって、オイル路R21は、オイル路R32、オイル路R11およびオイルホース203を介してオイル室502と連結している。
【0068】
延伸部921bの外周には、スライド部材922の上部側に、バルブ本体923が取り付けられている。バルブ本体923の構成は、図4に示したバルブ本体913と同様である。バルブ本体923には、ポート9231およびポート9232が形成されている。
【0069】
バルブ本体923の上部側には、オイル路R22が形成されている。バルブ本体923の下部側には、円環状の板バネ924が取り付けられている。延伸部921bの外周面とスライド部材922の内周面と板バネ924の下面で囲まれる領域にオイル路R25が形成されている。スライド部材922の外周にはオイル路R24が形成されている。オイル路R24とオイル路R25は、スライド部材922に形成されたポートを介して連結している。ポート9231、スライド部材922および板バネ924によって、ポート9231からオイル路R24に流出するオイルの流れに抵抗を加えるバルブが構成されている。
【0070】
板バネ924の下部には、スライド部材922の上端が接触している。オイル路R21内のオイルの圧力が変動することで、スライド部材922が上下に移動し、あるいは板バネ924に対する接触圧力を変化させる。スライド部材922の上下の移動、あるいは接触圧力の変化によって、板バネ924に対する上方向への圧力が変動する。これにより、ポート9231からオイル路R24へ流出するオイルに抵抗が加えられる。この抵抗は、後で説明するが、ショックアブソーバ2Bの伸長時における減衰力となる。
【0071】
バルブ本体923の上部側には、円環状のバルブ部材925が取り付けられている。ポート9232とバルブ部材925とによりポート9232からオイル路R22へ向かう方向にオイルの流れを制御するチェックバルブが構成されている。
【0072】
以上のように構成されたクッション装置13の動作について説明する。ショックアブソーバ2Bが圧縮する場合のクッション装置13の動作を説明する。ショックアブソーバ2Bが圧縮動作するときの調整ユニット910の動作は、第1の実施の形態と同様である。
【0073】
ポート904から流入したオイルは、ポート9131、スライド部材912および板バネ914を備えて構成されるバルブを介してオイル路R14に流出する。オイル路R14に流入したオイルは、オイル路R31を介して調整ユニット920のオイル路R24に流入する。オイル路R24に流入したオイルは、さらに、オイル路R23を介してオイル室901に流入する。このオイルの流れを図の矢視D11で示す。このように、ショックアブソーバ2Bの圧縮動作時には、ポート9131、スライド部材912および板バネ914を備えるバルブによって、減衰力が発生される。
【0074】
また、オイル路R24に流入したオイルは、ポートR9232およびバルブ部材925からなるチェックバルブを介してオイル路R22に流出する。このオイルの流れを図の矢視D12で示す。オイル路R22に流出したオイルは、ポート905およびオイルホース202を介してオイル室503に流入する。
【0075】
ショックアブソーバ2Bが伸長する場合のクッション装置13の動作について説明する。図6を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に下方向に移動する。この動作に合わせて第2部材3と第1部材5との相対距離が広がり、ピストン35がシリンダ51B内を図の矢視X2方向に移動する。
【0076】
ピストン35の矢視X2方向の移動に伴い、オイル室501内のオイルはピストンロッド31の内周面のオリフィスを通過してピストン35の表側(矢視X1方向)に逃げる。
【0077】
ピストン35の矢視X2方向の移動に伴い、ピストンロッド31がシリンダ51B内から退出する。これにより、オイル室501内の容積が拡大する。ピストンロッド31が退出したことにより増加した容積分、オイル室501内にポート55を介してオイルが流入する。ピストン35の矢視X2方向への移動に伴い、オイル室503内のオイルがポート57およびオイルホース202を介して調整ユニット920へ流出する。
【0078】
図7を参照する。オイル室901から流出したオイルは、オイル路R23、オイル路R24、オイル路R31およびオイル路R14へと流入する。このオイルの流れを矢視D13で示す。オイル路R14に流入したオイルは、ポート9132およびバルブ部材915を備えるバルブを介して、オイル路R12に流入する。オイル路R12に流入したオイルは、ポート904およびオイルホース201を介してオイル室501に流入する。
【0079】
一方、オイル室503から流出したオイルは、ポート57、オイルホース202およびポート905を介してオイル路R22に流入する。オイル路R22に流入したオイルは、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブを介してオイル路R24に流入する。オイル路R24に流入したオイルは、矢視D13方向に流れ、ポート9132およびバルブ部材915を備えるバルブを介してオイル路R12に流入する。オイル路R12に流入したオイルは、オイルホース201を介してオイル室501に流入する。
【0080】
ショックアブソーバ2Bが伸長する場合を説明しているが、スプリング58が圧縮状態にある場合は、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブが、オイル室503から流入するオイルの流れに抵抗を加えることになる。したがって、オイル室501に流入するオイルの流れに抵抗が加わることになる。
【0081】
ショックアブソーバ2Bが伸長する過程にあっても、スプリング58が圧縮状態にあれば、スライド部材922が図7における上方向に移動し、あるいは板バネ924に対する接触圧力を上昇させ、板バネ924に対する上方向の圧力が増す。これにより、ポート9231からオイル路R24に流出するオイルに対して板バネ924を備えるバルブにより抵抗が加えられる。
【0082】
ポート9231からオイル路R24に流入するオイルに抵抗を加えるのは板バネ924を上方向に押し上げる圧力である。この圧力は、スライド部材922の上方向の変位に基づき発生する。スライド部材922は、オイル室R21内のオイルの圧力に基づき上下方向に変位し、あるいは板バネ924に対する接触圧力を変化させる。オイル室R21内のオイルの圧力は、図6に示すオイル室502内のオイルの圧力に基づき変動する。オイル室502内のオイルの圧力は、ピストン35を含む第2部材3の変位に基づいて変動する。つまり、ポート9231からオイル路R24に流入するオイルに加えられる抵抗は、オイル室502内のオイルの圧力に基づいて変動する。
【0083】
本実施の形態のクッション装置13は、ショックアブソーバ2Aが伸長動作するときにも、第2部材3の変位に応じてショックアブソーバ2Bからアキュムレータ9Bに流入するオイルに抵抗を加えることができる。第2部材3の変位は、オイル室502内のオイル圧力に変換され、オイル圧力によりバルブを制御する。これにより、広いレンジでショックアブソーバ2Bに減衰力を与えることができる。
【0084】
{第3の実施の形態}
図8は、第3の実施の形態に係るクッション装置13の断面図である。第3の実施の形態に係るクッション装置13は、ショックアブソーバ2Cとアキュムレータ9Aとを備えている。
【0085】
ショックアブソーバ2Cは、シリンダ71を有する第1部材7と、ピストン62を有する第2部材6とを備えて構成される。ショックアブソーバ2Cは、第1部材7と第2部材6との相対位置が変化することで伸縮する。
【0086】
第1部材7のシリンダ71内にはオイル室701が形成されている。シリンダ71内には、第2部材6のピストン62が挿入されている。
【0087】
第2部材6は、ピストンロッド61とピストンロッド61の先端に取り付けられたピストン62とを備える。第2部材6の端部には連結部69が設けられている。連結部69は、自動二輪車1の図示せぬフレームに取り付けられる。第2部材6は、連結部69において、上下方向に回転可能に取り付けられる。
【0088】
第1部材7のシリンダ71の外周には、第1部材7を覆うように、第2部材6のケーシング63が設けられている。ケーシング63は円環状の形状を有している。シリンダ71の外周には、バルブ部材75が取り付けられている。バルブ部材75は円環状の形状を有している。バルブ部材75の外周面とケーシング63の内周面との間には、オリフィスが形成されている。バルブ部材75には、ポート703が形成されている。
【0089】
シリンダ71の外部であってケーシング63の内部の空間は、バルブ部材75によってエアー室601とエアー室602に区分けされている。エアー室601とエアー室602とはポート703によって連結されている。
【0090】
ピストン62がオイル室701内を矢視X1方向に移動し、第1部材7と第2部材6との相対距離が縮まるときには、エアー室601およびエアー室602とを有する空間の容積が小さくなり、ショックアブソーバ2Cが圧縮する動作に抵抗が加えられる。
【0091】
オイル室701にはポート73が連結されている。ポート73にはオイルホース211が接続されている。オイル室701内のオイルは、ポート73およびオイルホース211を介して、アキュムレータ9Aへ流出あるいは流入する。第1部材7の端部には連結部79が設けられている。連結部79は、図示せぬリンク機構を介してリヤアーム11に連結されている。あるいは、連結部79は、直接リヤアーム11に連結される。
【0092】
エアー室602には、ポート66が連結されている。ポート66には、エアーホース213が接続されている。エアー室602内のエアーは、ポート66およびエアーホース213を介して、アキュムレータ9Aへ流出あるいは流入する。
【0093】
アキュムレータ9Aの構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、調整ユニット910のスライド部材912を変位させるのはエアー圧力である点が第1の実施の形態と異なる。図3において、空間R11は、第1の実施の形態においてはオイル路として利用されたが、第3の実施の形態においては、空間R11はエアー路R11として利用される。
【0094】
ポート903には、エアーホース213が接続されている。エアー室602内のエアーは、エアーホース213およびポート903を介して調整ユニット910に流入する。
【0095】
以上のように構成されたクッション装置13の動作について説明する。まず、ショックアブソーバ2Aが圧縮動作する場合を説明する。図8を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に上方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6と第1部材7との相対距離が縮まり、ピストン62がシリンダ71内を図の矢視X1方向に移動する。
【0096】
ピストン62の矢視X1方向の移動に伴い、オイル室701内のオイルはピストンロッド61の内周面のオリフィスを通過してピストン62の裏側(矢視X2方向)に逃げる。また、ピストン62の矢視X1方向の移動に伴い、オイル室701内のオイルはピストン62に形成されたポートを通過してピストン62の裏側に逃げる。
【0097】
ピストン62の矢視X1方向の移動に伴い、ピストンロッド61がシリンダ71内に侵入する。これにより、オイル室701内の容積が小さくなる。ピストンロッド61が侵入したことによる容積の減少分だけオイル室701内のオイルがポート73から流出する。ポート73から流出したオイルは、オイルホース211を介してポート904から調整ユニット910に流入する。
【0098】
第2部材6と第1部材7との相対距離が縮まることにより、エアー室601およびエアー室602を有するエアー室の容積が小さくなる。エアー室の容積が小さくなることにより、エアー室602内のエアーがポート66から流出する。ポート66から流出したエアーは、エアーホース213を介してポート903から調整ユニット910に流入する。
【0099】
調整ユニット910における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第1の実施の形態と同様である。エアー室602から流出されたエアーは、図3に示すエアー路R11に流入する。エアー路R11内のエアー圧力が上昇することにより、スライド部材912が上方向に移動し、あるいは板バネ914に対する接触圧力を高めることにより、板バネ914に圧力が加えられる。これにより、ポート9131からオイル路R14に流れるオイルの流れに抵抗が加えられる。このようにして、ショックアブソーバ2Cの圧縮動作時において、第2部材6の変位に応じた減衰力が発生する。
【0100】
次に、ショックアブソーバ2Cが伸長動作する場合を説明する。図8を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に下方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6と第1部材7との相対距離が広がり、ピストン62がシリンダ71内を図の矢視X2方向に移動する。
【0101】
ピストン62の矢視X2方向の移動に伴い、ピストンロッド61がシリンダ71から退出する。これにより、オイル室701内の容積が大きくなる。ピストンロッド61が退出した体積の増加分だけポート73を介してオイル室701内にオイルが流入する。アキュムレータ9A内のオイル室901内のオイルが、オイルホース211を介してオイル室701内に流入する。
【0102】
調整ユニット910における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第1の実施の形態と同様である。図3において、オイル室901内のオイルが矢視D3および矢視D4の方向に流れ、オイル路R12に流入する。オイル路R12に流入したオイルは、ポート904およびオイルホース211を介してオイル室701に流入する。
【0103】
本実施の形態のクッション装置13は、ショックアブソーバ2Cが圧縮動作するときに、第2部材3の変位に応じてアキュムレータ9Aに流出するオイルに抵抗を加えることができる。第2部材3の変位は、エアー室602内のエアー圧力に変換され、エアー圧力によりバルブを制御する。これにより、広いレンジでショックアブソーバ2Cに減衰力を与えることができる。
【0104】
{第4の実施の形態}
図9は、第4の実施の形態に係るクッション装置13の断面図である。第4の実施の形態に係るクッション装置13は、ショックアブソーバ2Dとアキュムレータ9Bとを備えている。
【0105】
ショックアブソーバ2Dは、シリンダ81Aおよび81Bを有する第1部材8と、ピストン65を有する第2部材6とを備えて構成される。ショックアブソーバ2Dは、第1部材8と第2部材6との相対位置が変化することで伸縮する。
【0106】
第1部材8のシリンダ81B内にはオイル室801が形成されている。シリンダ81B内には、第2部材6のピストン65が挿入されている。
【0107】
シリンダ81Bの外周であってシリンダ81Aの内周には、オイル室803が形成されている。オイル室801とオイル室803とはオイル路804を介して連結されている。
【0108】
第1部材8のシリンダ81Aの外周には、第1部材8を覆うように、第2部材6のケーシング63が設けられている。ケーシング63は円環状の形状を有している。シリンダ81Aの外周には、バルブ部材85が取り付けられている。バルブ部材85は円環状の形状を有している。バルブ部材85の外周面とケーシング63の内周面との間には、オリフィスが形成されている。バルブ部材85には、ポート803が形成されている。
【0109】
シリンダ81Aの外部であってケーシング63の内部の空間は、バルブ部材85によってエアー室601とエアー室602に区分けされている。エアー室601とエアー室602とはポート803によって連結されている。
【0110】
ピストン65がオイル室801内を矢視X1方向に移動し、第1部材8と第2部材6との相対距離が縮まるときには、エアー室601およびエアー室602とを有する空間の容積が小さくなり、ショックアブソーバ2Dが圧縮する動作に抵抗が加えられる。
【0111】
オイル室801にはポート83が連結されている。ポート83にはオイルホース211が接続されている。オイル室801内のオイルは、ポート83およびオイルホース211を介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。オイル室803にはポート84が連結されている。ポート84にはオイルホース212が接続されている。オイル室803内のオイルは、ポート84およびオイルホース212を介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。第1部材8の端部には連結部89が設けられている。連結部89は、図示せぬリンク機構を介してリヤアーム11に連結されている。あるいは、連結部89は、直接リヤアーム11に連結される。
【0112】
アキュムレータ9Bの構成は、第2の実施の形態と同様である。ただし、調整ユニット910のスライド部材912および調整ユニット920のスライド部材922を変位させるのはエアー圧力である点が第2の実施の形態と異なる。図7において、空間R11および空間R21は、第2の実施の形態においてはオイル路として利用されたが、第4の実施の形態においては、空間R11はエアー路R11として、空間R21はエアー路R21として利用される。
【0113】
ポート903には、エアーホース213が接続されている。エアー室602内のエアーは、エアーホース213およびポート903を介して調整ユニット910および調整ユニット920に流入する。
【0114】
以上のように構成されたクッション装置13の動作について説明する。まず、ショックアブソーバ2Dが圧縮動作する場合を説明する。図9を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に上方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6と第1部材8との相対距離が縮まり、ピストン65がシリンダ81内を図の矢視X1方向に移動する。
【0115】
ピストン65の矢視X1方向の移動に伴い、オイル室801内のオイルはピストンロッド61の内周面のオリフィスを通過してピストン65の裏側(矢視X2方向)に逃げる。
【0116】
ピストン65の矢視X1方向の移動に伴い、ピストンロッド61がシリンダ81B内に侵入する。これにより、オイル室801内の容積が小さくなる。ピストンロッド61が侵入したことによる容積の減少分だけオイル室801内のオイルがポート83から流出する。ポート83から流出したオイルは、オイルホース211およびポート904を介して調整ユニット910に流入する。
【0117】
第2部材6と第1部材8との相対距離が縮まることにより、エアー室601およびエアー室602を有するエアー室の容積が小さくなる。エアー室の容積が小さくなることにより、エアー室602内のエアーがポート66から流出する。ポート66から流出したエアーは、エアーホース213を介してポート903から調整ユニット910に流入する。
【0118】
調整ユニット910における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第1の実施の形態と同様である。エアー室602から流出されたエアーは、図3に示すエアー路R11に流入する。エアー路R11内のエアー圧力が上昇することにより、スライド部材912が上方向に移動し、あるいは板バネ914に対する接触圧力を高めることにより、板バネ914に圧力が加えられる。これにより、ポート9131からオイル路R14に流れるオイルの流れに抵抗が加えられる。このようにして、ショックアブソーバ2Dの圧縮動作時において、第2部材6の変位に応じて減衰力が発生する。
【0119】
調整ユニット920における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第2の実施の形態と同様である。ポート9131からオイル路R14に流入したオイルは、オイル路R31、オイル路R24およびポート9232を介してオイル路R22に流入する。ポート9232からオイル路R22へ流出するオイルは、バルブ部材925を含むチェックバルブを通過する。オイル路R22に流入したオイルは、ポート905およびオイルホース212を介してオイル室803に流入する。
【0120】
次に、ショックアブソーバ2Dが伸長動作する場合を説明する。図9を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に下方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6と第1部材8との相対距離が広がり、ピストン65がシリンダ81B内を図の矢視X2方向に移動する。
【0121】
ピストン65の矢視X2方向の移動に伴い、ピストンロッド61がシリンダ81Bから退出する。これにより、オイル室801内の容積が大きくなる。ピストンロッド61が退出した体積の増加分だけポート83を介してオイル室701内にオイルが流入する。アキュムレータ9B内のオイル室901内のオイルが、オイルホース211を介してオイル室801内に流入する。
【0122】
ピストン65の矢視X2方向の移動に伴い、オイル室801内のオイルがオイル室803に流入する。オイル室803に流入したオイルは、ポート84およびオイルホース212を介して調整ユニット920に流入する。
【0123】
調整ユニット920における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第2の実施の形態と同様である。図7に示すように、オイル室803から調整ユニット920に流入するオイルは、オイル路R22に流入する。オイル路R22に流入したオイルは、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブを通過してオイル路R24に流入する。
【0124】
一方、ポート903から流入したエアーは、エアー路R11およびエアー路R32を介してエアー路R21に流入する。エアー路R21に流入したエアーにより、スライド部材922の上下方向の位置が制御される。ポート9231からオイル路R24に流入するオイルには、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブによって抵抗が加えられる。つまり、ショックアブソーバ2Dの伸長時においても、第2部材6の変位に応じた減衰力が加えられる。オイル路R24に流入したオイルは、図7における矢視D13およびD14方向に流れ、第1部材8のオイル室801に戻る。
【0125】
本実施の形態のクッション装置13は、ショックアブソーバ2Dが圧縮動作および伸長動作するときに、第2部材3の変位に応じてアキュムレータ9Bに流出するオイルに抵抗を加えることができる。第2部材3の変位は、エアー室602内のオイル圧力に変換され、オイル圧力によりバルブを制御する。これにより、広いレンジでショックアブソーバ2Dに減衰力を与えることができる。
【0126】
{第5の実施の形態}
図10および図11は、第5の実施の形態に係るクッション装置13の断面図である。第5の実施の形態に係るクッション装置13は、ショックアブソーバ2Eとアキュムレータ9Bとを備えている。図10および図11は、それぞれショックアブソーバ2Eを異なる角度から見た断面図である。
【0127】
図10を参照する。ショックアブソーバ2Eは、シリンダ71eを有する第1部材7eと、ピストン65eを有する第2部材6eとを備えて構成される。ショックアブソーバ2Eは、第1部材7eと第2部材6eとの相対位置が変化することで伸縮する。
【0128】
第1部材7eのシリンダ71e内にはオイル室701eが形成されている。シリンダ71e内には、第2部材6eのピストン65eが挿入されている。
【0129】
第2部材6eは、ピストンロッド61eとピストンロッド61eの先端に取り付けられたピストン65eとを備える。第2部材6eの他端には連結部69eが設けられている。連結部69eは、自動二輪車1の図示せぬフレームに取り付けられる。第2部材6eは、連結部69eにおいて、上下方向に回転可能に取り付けられる。
【0130】
第1部材7eのシリンダ71eの外周には、第1部材7eを覆うように、第2部材6eのケーシング63eが設けられている。ケーシング63eは円環状の形状を有している。シリンダ71eの外周には、バルブ部材75eが取り付けられている。バルブ部材75eは円環状の形状を有している。バルブ部材75eの外周面とケーシング63eの内周面との間は、シールされている。
【0131】
シリンダ71eの外部であってケーシング63eの内部の空間は、バルブ部材75eによってエアー室601eとエアー室602eに区分けされている。
【0132】
ピストンロッド61eの内部には、オイル路605eとオイル路606eが形成されている。オイル路605eは、その先端部がオイル室701eに連結している。オイル路606eは、ポート607eを介してオイル室702eに連結している。
【0133】
ピストン65eがオイル室701e内を矢視X1方向に移動し、第1部材7eと第2部材6eとの相対距離が縮まるときには、エアー室601eの空間の容積が小さくなり、エアー室602eの空間は膨張する。これにより、ショックアブソーバ2Eが圧縮する動作に抵抗が加えられる。
【0134】
オイル室701eは、オイル路605eを介してポート67eに連結している。オイル室702eは、ポート607eおよびオイル路606eを介してポート68eに連結している。ポート67eには、オイルホース201eが接続されている。ポート68eには、オイルホース202eが接続されている。オイル室701e内のオイルは、オイルホース201eを介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。オイル室702e内のオイルは、オイルホース202eを介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。第1部材7eの端部には連結部79eが設けられている。連結部79eは、図示せぬリンク機構を介してリヤアーム11に連結されている。あるいは、連結部79eは、直接リヤアーム11に連結される。
【0135】
図11を参照する。エアー室601eには、ポート66eが連結されている。ポート66eには、エアーホース203eが接続されている。エアー室601e内のエアーは、ポート66eおよびエアーホース203eを介して、アキュムレータ9Bへ流出あるいは流入する。
【0136】
アキュムレータ9Bの構成は、第2の実施の形態と同様である。ただし、調整ユニット910のスライド部材912および調整ユニット920のスライド部材922を変位させるのはエアー圧力である点が第2の実施の形態と異なる。図7において、空間R11、R21、R32は、第2の実施の形態においてはオイル路として利用されたが、第5の実施の形態においては、空間R11、R21、R32はエアー路R11、R21、R32として利用される。
【0137】
アキュムレータ9Bのポート903には、エアーホース203eが接続されている。エアー室601e内のオイルは、エアーホース203eおよびポート903を介して調整ユニット910および調整ユニット920に流入する。
【0138】
以上のように構成されたクッション装置13の動作について説明する。まず、ショックアブソーバ2Eが圧縮動作する場合を説明する。図10を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に上方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6eと第1部材7eとの相対距離が縮まり、ピストン65eがシリンダ71e内を図の矢視X1方向に移動する。
【0139】
ピストン65eの矢視X1方向の移動に伴い、オイル室701e内のオイルはポート605eに流出する。
【0140】
ピストン65eの矢視X1方向の移動に伴い、ピストンロッド61eがシリンダ71e内に侵入する。これにより、オイル室701e内の容積が小さくなる。ピストンロッド61eが侵入したことによる容積の減少分だけオイル室701e内のオイルがポート605eから流出する。ポート605eから流出したオイルは、ポート67e、オイルホース201eおよびポート904を介して調整ユニット910に流入する。
【0141】
第2部材6eと第1部材7eとの相対距離が縮まることにより、エアー室601eの容積が小さくなる。エアー室601eの容積が小さくなることにより、エアー室601e内のエアーがポート66e(図11参照)から流出する。ポート66eから流出したエアーは、エアーホース203eを介してポート903から調整ユニット910および調整ユニット920に流入する。
【0142】
調整ユニット910における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第2の実施の形態と同様である。エアー室601eから流出されたエアーは、図7に示すエアー路R11に流入する。エアー路R11内のエアー圧力が上昇することにより、スライド部材912が上方向に移動し、あるいは板バネ914に対する接触圧力を高めることにより、板バネ914に圧力が加えられる。これにより、ポート9131からオイル路R14に流れるオイルの流れに抵抗が加えられる。このようにして、ショックアブソーバ2Eの圧縮動作時において、第2部材6eの変位に応じて減衰力が発生する。
【0143】
調整ユニット920における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第2の実施の形態と同様である。ポート9131からオイル路R14に流入したオイルは、オイル路R31、オイル路R24およびポート9232を介してオイル路R22に流入する。ポート9232からオイル路R22へ流出するオイルは、バルブ部材925を含むチェックバルブを通過する。オイル路R22に流入したオイルは、ポート905およびオイルホース202eを介してオイル室702eに流入する。
【0144】
次に、ショックアブソーバ2Eが伸長動作する場合を説明する。図10を参照する。自動二輪車1が走行しているときに、車輪12およびリヤアーム11が車両に対して相対的に下方向に移動する。この動作に合わせて第2部材6eと第1部材7eとの相対距離が広がり、ピストン65eがシリンダ71e内を図の矢視X2方向に移動する。
【0145】
ピストン65eの矢視X2方向の移動に伴い、ピストンロッド61eがシリンダ71eから退出する。これにより、オイル室701e内の容積が大きくなる。ピストンロッド61eが退出した体積の増加分だけポート67eを介してオイル室701e内にオイルが流入する。アキュムレータ9B内のオイル室901内のオイルが、オイルホース201eを介してオイル室701e内に流入する。
【0146】
ピストン65eの矢視X2方向の移動に伴い、オイル室702e内のオイルは、ポート607e、ポート606e、ポート68eおよびオイルホース202eを介して調整ユニット920に流入する。
【0147】
調整ユニット920における動作は、ポート903を介して流入するのがオイルではなくエアーである点を除けば第2の実施の形態と同様である。図7に示すように、オイル室702eから調整ユニット920に流入するオイルは、オイル路R22に流入する。オイル路R22に流入したオイルは、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブを通過してオイル路R24に流入する。
【0148】
一方、ポート903から流入したエアーは、エアー路R11およびエアー路R32を介してエアー路R21に流入する。エアー路R21に流入したエアーにより、スライド部材922の上下方向の位置が制御される。ポート9231からオイル路R24に流入するオイルには、ポート9231、スライド部材922および板バネ924を備えるバルブによって抵抗が加えられる。つまり、ショックアブソーバ2Eの伸長時においても、第2部材6eの変位に応じた減衰力が加えられる。オイル路R24に流入したオイルは、図7における矢視D13およびD14方向に流れ、第1部材7eのオイル室701eに戻る。
【0149】
本実施の形態のクッション装置13は、ショックアブソーバ2Eが圧縮動作および伸長動作するときに、第2部材6eの変位に応じてアキュムレータ9Bに流出するオイルに抵抗を加えることができる。第2部材6eの変位は、エアー室601e内のエアー圧力に変換され、エアー圧力によりバルブを制御する。これにより、広いレンジでショックアブソーバ2Dに減衰力を与えることができる。
【0150】
第5の実施の形態においては、オイル用のポート67eおよびポート68eと、エアー用のポート66eとが全て第2部材6eに設けられている。第1部材7eと第2部材6eとの両方にホースが接続される構成と比べて、ホースの配線が行い易い。
【0151】
{シミュレーション結果}
図12は、第1の実施の形態に係るクッション装置13において、ショックアブソーバ2Aに加わった減衰力の測定結果を示す図である。グラフの横軸は、第2部材3のストローク位置を示す。グラフの右側ほど、ピストン32がシリンダ401内を矢視X1方向に進行している状態を示す。グラフの縦軸は、第2部材3に加わった減衰力値を示す。
【0152】
図12の測定結果は、第2部材3が0.1m/s〜1.0m/sまでの4つの速度で移動した場合の減衰力値を示している。ピストン32の矢視X1方向への変位が大きくなる程、つまり、ショックアブソーバ9Aが圧縮すればするほど減衰力値が大きくなっていることが分かる。
【0153】
図13は、従来のクッション装置を利用して同じ条件で減衰力値を測定した結果である。従来のクッション装置は、ショックアブソーバのピストンの変位をクッション部材などの変位に変換することでバルブを調整している。従来のクッション装置において、図13に示すように、ピストンの圧縮動作に伴って減衰力値が大きくなっている。
【0154】
図12および図13を比較すると、第1の実施の形態に係るクッション装置13は、ピストンの圧縮動作に伴う減衰力値の変位が大きいことが分かる。図14は、ピストンが0.6m/sで移動する場合の、本実施の形態と従来のクッション装置の減衰力の差を示す図である。このように、本実施の形態によれば、ピストンの変位に応じて広いレンジで減衰力を制御できる。
【0155】
第1〜第5の実施の形態において、シリンダを含む第1部材がリヤアーム11に接続され、ピストンを含む第2部材が車両のフレームに接続される場合を例に説明した。シリンダを含む第1部材が車両のフレームに接続され、ピストンを含む第2部材がリヤアーム11に接続される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0156】
1 自動二輪車
2(2A〜2E) ショックアブソーバ
9(9A,9B) アキュムレータ
11 リヤアーム
12 後輪
13 クッション装置
901 オイル室
910,920 調整ユニット
912,922 スライド部材
913,923 バルブ本体
914,924 バネ
915,925 バネ
D1,D2,D11,D12 圧縮動作時のオイルの流れ
D3,D4,D13,D14 伸長動作時のオイルの流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダを有する第1部材に対してピストンを有する第2部材の相対位置が変化するショックアブソーバと、
前記ショックアブソーバから吐き出されたオイルを蓄積するアキュムレータと、
を備えるクッション装置であって、
前記ショックアブソーバは、
前記第2部材の相対位置によって容積の変化する第1オイル室と、
前記第2部材の相対位置によって容積の変化する第1流体室と、
を含み、
前記クッション装置は、さらに、
前記第1オイル室に接続されるオイル路と、
前記第1流体室に接続される流体路と、
を備え、
前記アキュムレータは、
前記オイル路を介して前記第1オイル室に接続される第2オイル室と、
前記流体路を介して前記第1流体室に接続される第2流体室と、
前記流体路を介して前記第2流体室に供給された流体の圧力によって制御されるバルブと、
を含み、
前記バルブは、前記第2部材の相対位置に応じて、前記第1オイル室から流出するオイルの流れに抵抗を加えるクッション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のクッション装置であって、
前記オイル路は、
前記ショックアブソーバの圧縮時に前記第1オイル室内のオイルを前記第2オイル室に供給する第1オイル路、
を含み、
前記バルブは、
前記ショックアブソーバの圧縮時に前記第1オイル路を介して前記第2オイル室に流入するオイルに抵抗を加える第1バルブ、
を含むクッション装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のクッション装置であって、
前記オイル路は、
前記ショックアブソーバの伸張時に前記第1オイル室内のオイルを前記第2オイル室に供給する第2オイル路、
を含み、
前記バルブは、
前記ショックアブソーバの伸張時に前記第2オイル路を介して前記第1オイル室から流出するオイルに抵抗を加える第2バルブ、
を含むクッション装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクッション装置であって、
前記第1および第2流体室にはオイルが充填され、オイルの圧力により前記バルブを制御するクッション装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のクッション装置であって、
前記第1および第2流体室にはエアーが充填され、エアーの圧力により前記バルブを制御するクッション装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のクッション装置であって、
前記クッション装置は、
前記第1部材と前記第2部材との間に設けられたスプリング、
を有し、
前記スプリングの伸縮運動により前記流体室の容積が変化するクッション装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のクッション装置であって、
前記クッション装置は、
前記第1部材と前記第2部材との間に形成されるエアー室、
を有し、
前記エアー室は前記第1流体室を含むクッション装置。
【請求項8】
請求項6に記載のクッション装置であって、
前記第1部材は、
前記オイル路と前記第1オイル室とを連結する第1ポートと、
前記流体路と前記第1流体室とを連結する第2ポートと
含むクッション装置。
【請求項9】
請求項7に記載のクッション装置であって、
前記第1部材は、
前記オイル路と前記第1オイル室とを連結する第1ポート、
を含み、
前記第2部材は、
前記流体路と前記第1流体室とを連結する第2ポート、
含むクッション装置。
【請求項10】
請求項7に記載のクッション装置であって、
前記第2部材は、
前記オイル路と前記第1オイル室とを連結する第1ポートと、
前記流体路と前記第1流体室とを連結する第2ポートと
含むクッション装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のクッション装置を備える自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−58526(P2011−58526A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206713(P2009−206713)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】