説明

クランク付きロッドポンプ装置および方法

地下の層または貯留場所から水および/または炭化水素等の流体を汲み上げるために、ポンプストロークを有する吸い上げロッドポンプのロッドに実質的に鉛直方向の往復運動を付与するためのクランク付きロッドポンプ(CRP=Cranked rod pumping)装置を用いた、改良された装置および方法を提供する。このクランク付きロッドポンプ装置は、モータによって駆動される機械式のクランクアクチュエータ機構を備える。機械式のクランクアクチュエータ機構は、吸い上げロッドポンプのロッドに鉛直方向の運動を与え、かつ制御するために、吸い上げロッドポンプのロッドに取付けられた実質的に鉛直方向に運動可能な鉛直可動部材を有する。機械式のクランクアクチュエータ機構は気圧式のカウンターバランス装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下の層または貯留場所から水および/または炭化水素等の流体をポンプにより汲み上げることに関し、より具体的には、そのようなポンプによる汲み上げの用途に用いるポンプ装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下の地層から水および/またはオイル等の液体をポンプで汲み上げるために、「ホースヘッド」として馴染まれているウォーキングビーム式の機構が長年用いられてきた。(本願と)共通に譲渡され同時に係属中のBeck等による、発明の名称を「リニアロッドポンプ装置および方法」とする米国特許出願No.11/761,484において詳しく考察されているように、従来のウォーキングビーム装置には多くの欠点、特にサイズが大きいという欠点がある。その上、ウォーキングビーム式のポンプ装置の性能は、最大効率を得るようにコントロールすることが困難な、巨大なカウンターウェイトおよび複雑な駆動機構を含む多くの機械部品の設計により大きく影響を受け、また、長期間にわたる井戸の状態の変化に対応することが難しい。
【0003】
また、きわめて遠隔の地、また特にポンプ用の送電網にアクセスできない場所、ポンプ装置またはポンプ装置のためのエンジン発電機、バッテリ、あるいは他の従来の独立電源(スタンドアローン電源)の定期サービスのための道路アクセスが事実上存在しない場所にあるような潜在的な井戸に関しては、従来のウォーキングビーム装置または他の公知のポンプ装置および方法を利用することは、これまで実用的でないか、または不可能であった。その結果、貴重なエネルギ源となり得る資源が活用されないままとなっていた。
【0004】
上記で引用したBeck等の’484米国特許出願で開示されているリニアロッドポンプ装置および方法では、多くのポンプを用いた汲み上げの用途において、他の従来のポンプ装置に対する顕著な改良を提供するものの、Beck等の’484米国特許出願に開示されているリニアロッドポンプ装置および方法で用いられる連続反転モータは、いくつかのポンプを用いた汲み上げの用途においては、望ましくない場合もあり得る。そのような用途に関しては、モータを連続的に反転させずに作動できる他のタイプの装置および方法が、より好ましいと考えられるかもしれない。
【0005】
電力供給電線またはアクセス道路から非常に遠隔の地にあって、無人運転でポンプ装置に動力を供給するための唯一の便利なエネルギ源がソーラーアレイであるような炭化水素の井戸または他の液体の貯蔵場所から液体をポンプで汲み上げる、そのように改良された装置および方法を提供することは、特に望ましい。この点に関して、いくつかの用途において、ソーラーアレイを唯一の動力源とし、バックアップ電池または他の容量式のエネルギ貯蔵装置に依存する必要がないことは、格別に望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、所定のポンプストロークを有する吸い上げロッドポンプのロッドに実質的に鉛直方向の往復運動を与えるクランク付きロッドポンプ(CRP)装置を用いて、地下の地層または貯蔵場所から水および/または炭化水素等の液体を汲み上げるための改良された装置および方法を提供する。本発明によるクランク付きロッドポンプ装置では、モータで駆動される機械式のクランクアクチュエータ機構が構成される。この機械式のクランクアクチュエータ機構は、汲み上げロッドポンプのロッドに鉛直方向の運動を与え、かつ制御するための実質的に鉛直方向に運動可能な汲み上げロッドポンプのロッドに取り付けられた鉛直可動部材を有する。
【0007】
機械式のクランクアクチュエータ機構は、井戸のウェルヘッド(井戸の上部構造物)に取付けることができるように設けられたベースを有するフレームを備えるものとしてもよい。このフレームはベースがウェルヘッドに取り付けられた状態において、ベースから鉛直方向の上方に伸びる少なくとも2つのリニアガイドレールをさらに備える。鉛直方向に運動可能な部材(鉛直可動部材)は、摺動可能にリニアガイドレールに取付けられ、このリニアガイドレールによって、リニアガイドレールに沿って実質的に鉛直方向に往復直線運動するように拘束される。
【0008】
本発明のいくつかの形態においては、機械式のクランクアクチュエータ機構は、さらにクランク要素と関節(連結)リンク要素を備えるものとしてもよい。クランク要素は、クランク要素の第1の取付け点においてモータの回転可能要素に機能的に結合され、モータの回転可能要素と共に一定の駆動比で回転する。本発明のいくつかの形態においては、機械式のアクチュエータ機構はまた、クランク要素が一定の駆動比においてモータの回転可能要素とは異なるスピードで回転するようにクランク要素の第1の取付け点においてクランク要素とモータの回転可能要素との間に駆動機構を備えるものとしてもよい。機械式のクランクアクチュエータ機構の関節リンク要素は、関節リンク要素に沿って、互いに離間して配置された関節リンク要素の第1および第2の取付け点を有するものとしてもよい。関節リンク要素の第1の取付け点は、クランク要素の第1の取付け点から半径方向の外側方向へ偏心して離間するクランク要素の第2の取付け点においてクランク要素にピボット結合するものとしてもよい。関節リンク要素の第2の取付け点は、鉛直可動部材にピボット結合するものとしてもよい。
【0009】
本発明のいくつかの形態においては、クランク要素および/または関節リンク要素の少なくとも一方は、さらに、リニアガイドレールに沿った鉛直可動部材のストロークを変更することによりポンプストロークを変更するための追加の取付け点を有するものとしてもよい。モータおよび/または駆動装置はフレームのベースに取付けるものとしてもよい。
【0010】
本発明のいくつかの形態においては、機械式のロッドクランクアクチュエータは、フレームと鉛直可動部材との間に機能的に結合された気圧式のカウンターバランス機構をさらに備えるものとしてもよい。気圧式のカウンターバランス機構は、鉛直可動部材の下降ストロークの一部でエネルギを蓄え、後続する鉛直可動部材の上昇ストロークの一部で蓄えたエネルギを放出することができる、ベースと鉛直可動部材との間に機能的に接続された少なくとも一つのエアシリンダを有するものとしてもよい。本発明のいくつかの形態においては、物理的にコンパクトな装置を提供し、また、鉛直可動部材とベースとの間においてオフセットしてではなく、直接に荷重を加えることができるように、より有利にエアシリンダを配列するために、少なくとも一つのエアシリンダを鉛直可動部材とベースとの間に配置することができる。
【0011】
本発明のいくつかの形態においては、関節リンク要素は、クランク付きロッドポンプ装置の多種の可動部品同士の間のアライメント(整列)の精度を上げるためのオフセット部を有するものとしてもよい。
【0012】
本発明はまた、本発明に従ってクランク付きロッドポンプ装置を構築し、設置し、運転し、交換し、および/または保守するための方法の形態を採ることができる。本発明の一形態においては、ウォーキングビーム装置を有する炭化水素の井戸内に配置された一定のストロークを有する吸い上げロッドポンプのロッドに実質的に鉛直方向の往復運動を与えるように、ウォーキングビーム装置からロッドを切り離し、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置にロッドを接続することにより、炭化水素の井戸の寿命を延長する方法を提供する。
【0013】
ウォーキングビーム装置をクランク付きロッドポンプ装置に交換する本発明による方法によれば、さらに、クランク付きロッドポンプ装置に交換される前のウォーキングビームポンプのストロークレートよりも遅いストロークレートでクランク付きロッドポンプ装置を運転するものとしてもよい。本発明による方法によれば、クランク付きロッドポンプ装置用の取付け構造を不要とするために、クランク付きロッドポンプ装置を井戸のウェルヘッド上に直接取付けるものとしてもよい。本発明による一方法によれば、また、ウォーキングビーム装置を、クランク付きロッドポンプ装置を設置した後に、井戸に隣接する場所に残しておくものとしてもよい。
【0014】
本発明によるクランク付きロッドポンプ装置はまた、モータを実質的に一定の入力パワーとする運転モードで運転するためのモータ駆動装置(モータードライブ)とコントローラとを含むものとしてもよい。クランク付きロッドポンプ装置は、実質的に電力貯蔵要素を含まないように構成するものとしてもよい。モータの回転可能要素の慣性が不十分であるために、入力を一定に維持しても過度の速度変動が発生するいくつかの場合においては、モータの回転可能要素に追加の慣性を加えるものとしてもよい。
【0015】
本発明によるクランク付きロッドポンプ装置または方法では、モータを駆動するための電力の一部または全部を供給するためにソーラーエネルギ電源を機能的にクランク付きロッドポンプ装置に結合するものとしてもよい。本発明のいくつかの形態においては、クランク付きロッドポンプ装置用のソーラーエネルギ電源はモータを駆動するための唯一の電源であり、ソーラーエネルギ電源が、モータを駆動するのに十分な電力を生成しているときにのみ、クランク付きロッドポンプ装置が作動する。当業者は、ソーラー電源のみを用い、電力貯蔵装置が不要な本発明の機能が、装置と方法とを、電力線またはメインテナンス道路へのアクセスがほとんどまたは全く存在しない遠隔の地において用いるのに特に望ましいものとすることができることを認識するであろう。
【0016】
本発明はまた、クランク付きロッドポンプ装置を本発明に従って液体の供給源に機能的に取付けることにより、遠隔の地にある液体の供給源から液体を汲み上げる方法の形態を採ることができる。この方法では、さらに、エンジン駆動発電機、電池、またはソーラーコレクターアレイのような独立電源にクランク付きロッドポンプ装置を取付けるものとしてもよい。本発明のいくつかの形態においては、独立電源はソーラー電源である。
【0017】
本発明による方法のいくつかの形態においては、さらに、液体の供給源を遠隔の地に設けるものとしてもよい。遠隔の地にある液体の供給源が液体の井戸である場合、本発明による方法は、さらに、井戸の掘削および/または既存の放棄された井戸の再開などのステップによって液体の井戸を提供するものとしてもよい。
【0018】
本発明の他の態様、目的および利点は、添付図面、写真他を参照した、以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0019】
本明細書に組み込まれ、その一部を成す添付図面他は、本発明のいくつかの態様を示し、詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、炭化水素の井戸のウェルヘッドに取付けられた、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置(CRP)の第1の実施例の略図である。
【0021】
【図2】図2は、図1に示した井戸のウェルヘッドに取付けられ、井戸から液体をポンプで汲み上げるために、ウォーキングビーム装置の代わりに機能的に接続された本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第1の実施例の略図を示す。クランク付きロッドポンプ装置とウォーキングビームポンプ装置とは同一縮尺で描いてあり、同様なポンプ出力を提供していたウォーキングビーム装置に比べて本発明によるクランク付きロッドポンプ装置のサイズと複雑さとが実質的に減少していることを示す。
【0022】
【図3】図3は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第2の実施例を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第2の実施例を示す斜視図である。
【0023】
【図5】図5は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造を示す略図である。
【図6】図6は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造を示す略図である。
【図7】図7は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造を示す略図である。
【0024】
【図8】図8は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造の詳細と動作とを追加的に示す略図である。
【図9】図9は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造の詳細と動作とを追加的に示す略図である。
【図10】図10は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の代替の実施例の構造の詳細と動作とを追加的に示す略図である。
【0025】
【図11】図11は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第3の実施例の斜視図である。
【図12】図12は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第3の実施例の斜視図である。
【図13】図13は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第3の実施例の斜視図である。
【0026】
【図14】図14は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第4の実施例の斜視図である。
【図15】図15は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第4の実施例の斜視図である。
【図16】図16は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置の第4の実施例の斜視図である。
【0027】
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、均等物を、本発明の精神と範囲内に含まれるものとして、カバーすることである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、炭化水素の井戸のウェルヘッドに取付けられた、クランク付きロッドポンプ(CRP)装置100の一の実施例を示す略図である。図1に示すように、本発明は、ソーラーアレイ101とともに、または従来の電力網103への取付けを含む種々の電力源によって、実施可能である。
【0029】
図2は、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置100が従来のウォーキングビームポンプ装置50に代えて用いられることで大きな利益が得られることを示す。図2において、クランク付きロッドポンプ装置100は炭化水素の井戸56のウェルヘッド54に取付けられている。
【0030】
図1に戻ると、この井戸は、地下の地層62を貫通してオイルの貯留場所64に達する深さまで地中の下方へ延びるケーシング60を含む。ケーシング60は一連のパーフォレーション66を有し、これらを通って液体が炭化水素の貯留場所からケーシング60へ入り、これによって長いチュービング70の底に設置されたダウンホール(底穴)ポンプ装置68のための液体の供給源を提供し、チュービング70の底部に導入される。チュービング70は、地表面74の上方に位置する液体出口72が端末となる。ケーシング60の端末は地表面74の上方のガス出口76である。
【0031】
ダウンホールポンプ装置68は、固定弁78と移動弁80とを有する。移動弁80はロッドストリング82に取付けられ、ロッドストリング82はチュービング70を通って上向きに延び、磨きロッド52の所でウェルヘッド54から出る。当業者が認識するように、ダウンホールポンプ装置68は、本発明の実施例においては液体を井戸56の底から導き揚げるための伝統的な吸い上げロッドポンプ装置であり、磨きロッド52がロッドストリング82に往復運動を与えると、入れ替わってロッドストリング82が移動弁80にポンプストローク84にわたる往復運動を行わせる。典型的な炭化水素の井戸において、ロッドストリング82は数千フィートの長さであり得る。またポンプストローク84は数フィートの長さであり得る。
【0032】
図1に示すように、本発明によるクランク付きロッドポンプ装置100の第1の実施例は、機械式のクランクアクチュエータ機構102、モータ104、およびコントロール装置106を備え、コントロール装置106はコントローラ108とモータ駆動装置110とを有する。本発明によるコントローラおよび/またはモータ駆動装置は、Beck等により共通に譲渡された米国特許第7,168,924B2号、発明の名称「パラメータエスティメータを含むロッドポンプ制御システム」と、Petersonの同時係属中の米国特許出願第11/380,861号、発明の名称「サイクル負荷のためのパワー変動制御システム」に開示されている装置および方法の一部または全部を含む種々の形態を採ることができる。Beck‘924特許とPeterson‘861特許出願の開示、教示および示唆は、引用によって全て本明細書に組み込まれる。
【0033】
本発明のすべての形態において、モータの速度とトルクとはモータの電圧と電流との測定値から計算する。クランクの速度とトルクとは、ギアボックスの比を考慮して計算する。クランクの位置は、既知の基準位置からスタートするクランク速度を積分して求める。基準(位置)は、基準スイッチから、またはクランクの回転の全体にわたるクランクトルクのパターンを分析することによって決定することができる。基準点の推定は、クランクへの負荷がストロークの頂点と最下点でほぼゼロになり、これらの2点が180°離れているという事実を利用して行う。従って、クランク回転における点(複数)のうち、負荷はほぼゼロであるが類似点から180°離れていない点は、無視することができる。ロッドの位置は、クランクの位置とクランク付きロッドポンプ装置のジオメトリ(形状、寸法)によって決定できる。
【0034】
図3および図4は、クランク付きロッドポンプ装置200を第2の実施例として示す。クランク付きロッドポンプ装置は矢印202で示すような実質的に鉛直方向の運動を、ポンプストローク206として有し、ポンプストローク206を図1に52として示したような吸い上げロッドポンプのロッド204に、与えるためのものである。このクランク付きロッドポンプ装置200の実施例は、吸い上げロッドポンプのロッド204に取付けられた実質的に鉛直方向に運動する鉛直可動部材210を有するとともに、吸い上げポンプのロッド204の鉛直方向の運動を制御する機械式のクランクアクチュエータ機構208を備える。特に、実施例200において、ロッド204は、鉛直可動部材210の上部クロスバー212内の貫通孔(不図示)を通り抜けてクランプ214に把持され、鉛直可動部材210の上側で鉛直可動部材210に固定されている。
【0035】
クランク付きロッドポンプ装置200の第1の実施例はまた、リニアアクチュエータ機構208の実質的に鉛直方向に運動する鉛直可動部材210に、以下に詳述する方法により機能的に結合される回転要素(不図示)を有するモータ216を備える。
【0036】
図3および図4に示すように、本発明の実施例200における機械式のクランクアクチュエータ機構208は、井戸のウェルヘッドへの取付けに適するベース220を有するフレーム218を備える。装置200はまた、ベースがウェルヘッドに取付けられた状態において、ベース220の鉛直方向の上方に延在する二つのリニアガイドレール222および224を有する。鉛直可動部材210は、リニアベアリング(不図示)によってリニアガイドレール222および224に摺動可能に取付けられ、図3および図4に示すように、リニアガイドレール222および224に沿って実質的に鉛直方向に往復運動するようにリニアガイドレール222および224によって拘束される。
【0037】
図3および図4に示すように、クランク付きロッドポンプ装置200の実施例における機械式のクランクアクチュエータ機構208の実施例では、ベース220上に取付けられる直交ギアボックス226の形態の駆動装置を有する。モータ216の回転可能部材は直交ギアボックス226の鉛直方向に配置されたインプット(不図示)に取付けられ、直交ギアボックス226内のギアトレイン(不図示)によって直交ギアボックス226の水平方向に配置された出力軸228の運動に変換される。このようにして、モータ216の回転可能部材は、固定駆動比において、直交ギアボックスの出力軸228に機能的に結合されている。図3および図4からさらに分かるように、リニアガイドレール222および224の各上端は上部フレームクロスメンバ230によって結合され、フレーム218は、さらにモータ216を直交ギアボックス226の上部において鉛直方向に配置して支持するための上部フレームクロスメンバ230から下方に延在するモータ取付けブラケット232を有する。
【0038】
図3および図4にさらに示すように、第1の実施例200の機械式のクランクアクチュエータ機構208はクランク要素234と関節リンク要素236とを有する。図3および図4から分かるように、クランク要素234はその第1の取付け点においてモータ216の回転可能要素に機能的に結合され、上記のようにモータ216が直交ギアボックス226に取付けられているため、クランク要素の第1の取付け点は直交ギアボックス226の出力軸228に取付けられ、その結果、クランク要素234がモータ216の回転可能要素とともに一定の駆動比で回転する。
【0039】
関節リンク要素236は、第1および第2の取付け点を有し、これらは関節リンク要素236に沿って相互に離間して配置されている。関節リンク要素236の第1の取付け点はクランク要素234の第2の取付け点においてクランク要素234にピボット結合されている。この取付け点は、クランク要素234の第1の取付け点から半径方向の外側方向へ偏心している。関節リンク要素236の第2の取付け点は鉛直可動部材210にピボット結合されている。
【0040】
当業者が認識するように、上記の構成によりモータ216が直交ギアボックス226の出力軸を駆動すると、クランク要素234が直交ギアボックス226の出力軸とともに回転し、各ストロークの一部をベース220のスロットを介して伝達する。関節リンク要素236が鉛直可動部材210をリニアガイドレール222および224に沿って上下に駆動し、それによって往復するポンプストロークをロッド204に与える。
【0041】
図4を検討することにより分かるように、クランク要素234は、実施例200においては、本質的に一つのレバーであって、クランク要素234への取付け点を変更することによってポンプストローク206(ストローク長さ)を変更するための関節リンク要素236のための追加の取付け点235を有する。当業者がさらに認識するように、実施例200においては単純なレバーのような形状を用いたが、本発明の他の実施例においては、クランク要素234は、三角形、四角形、または円形等の、他の形状を有することができ、また追加の取付け点を有してポンプストローク(ストローク長さ)の選択幅を拡大することができる。さらに認識すべきこととして、本発明の他の実施例においては、関節リンク要素236は追加の取付け点を有し、これをポンプストローク(ストローク長さ)の変更に用いることができる。
【0042】
図3および図4に示すように、クランク付きロッドポンプ装置200の実施例の機械式のロッドクランクアクチュエータ208は、さらにフレーム218と鉛直可動部材210との間に機能的に接続される4本のエアシリンダ239を有する気圧式のカウンターバランス機構238を備える。機械式のクランクアクチュエータ機構208には、以下に詳細に述べるように、さらに他の部品が適切な方法で機能的に結合されている。ここに示す図面と説明を見直せばわかるように、クランク付きロッドポンプ装置200の実施例の気圧式のカウンターバランス機構238は、鉛直可動部材210が下降ストロークをおこなう期間の一部においてエネルギを蓄積し、続いて、鉛直可動部材210が上昇ストロークをおこなう期間の一部において蓄えたエネルギを放出するようにベース220と鉛直可動部材210との間に機能的に接続された、いくつかのエアシリンダ239を有する。気圧式のカウンターバランス機構238を追加した結果、クランク付きロッドポンプ装置から得ることができるリフト力を、本発明によって、気圧式のカウンターバランス機構238を含まないクランク付きロッドポンプ装置のリフト能力に対して実質的に増大させることができる。
【0043】
いくつかの場合においては、装置の電源、電気駆動定格、または機械的限度のために、利用可能な電力がクランクを完全に下降した静止位置から全周を回転させるために十分でないこともあり得る。そのような場合には、モータの回転速度が負荷によって特定の閾値を下回るまで、クランクを一つの方向へ回転させる。このとき回転方向を第2の反対方向のコマンドトルクへ反転させる。この揺動アクションのそれぞれの繰り返しの間に、ロッドストリング、ポンプおよび液柱の持上げられた質量にエネルギが蓄えられる。このエネルギは次に、持上げられた質量が下げられるときに、ポンプ機構の運動エネルギへ戻されるか、または気圧式のカウンターバランス機構の昇圧に変換される。このようにして、クランク付きロッドポンプ装置は、それが最下降位置を通過するたびに、次第に増大する速度と慣性を達成し、および/または気圧式のカウンターバランス機構が、液柱、ロッドストリング、およびダウンホールポンプ装置の重量の次第に大きくなる部分を支持し、やがて、慣性、カウンターバランシング、および利用可能な動力の合計が増加して機構をフルサイクルにわたって回転させるのに十分となる。この点以降、この機構は単一回転方向を継続する。
【0044】
図5はクランク付きロッドポンプ装置200の一部の略図であり、図3および図4に関して上に示しかつ考察したような構成の気圧式のカウンターバランス機構の一対のエアシリンダ239の配置を示す。特に図3ないし図5に示す構成において、エアシリンダ239のピストンロッド240は上部クロスバー212に機能的に取付けられ、エアシリンダ239のベースはフレーム218のベース220に取付けられている。しかし、当業者が認識するように、本発明による気圧式のカウンターバランス機構は、図6および図7に略図で示すように、他の多様な形態を採ることができる。図6において、エアシリンダ239は上部フレームクロスメンバ230に取付けられ、エアシリンダ239のピストンロッド240は下方へ延びて上部クロスバー212に機能的に結合されている。図7はエアシリンダ239の代替の配置を示し、上部フレームクロスメンバ230と可動の上部クロスバー212との間に配置している。
【0045】
エアシリンダ239に関する代替の構成に加えて、任意の用途に用いるシリンダの数は、本発明の種々の実施例において、図3ないし図7に示す数より多いかまたは少ないものとして設ける可能性を考慮することができる。また、エアシリンダ239の作動軸を磨きロッド204にできるだけ近づけてシリンダから生じるカウンターバランス力が機能的に磨きロッド204にできるだけ直接伝達されるように設けることが有利であると考えられる。
【0046】
図8ないし図10は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構238のいくつかの代替の実施例の略図である。図8ないし図10は本発明による気圧式のカウンターバランス機構の構造と動作の一般原理を示すものであって、限定する意図は全くないことが認められるであろう。当業者は、本発明の意図する範囲内で気圧式のカウンターバランス機構を構築し作動させる多くの他の方法があり得ることを認識するであろう。更に注目されることとして、図8ないし図10に示す実施例はすべて「ブートストラップ(独力昇圧)」原理で作動し、この原理においては、流入逆止弁244の作動と組み合わされた上部クロスバー212の上向き方向の運動によってエアシリンダ239のピストンロッド240に生じさせる往復運動の過程で、空気がエアシリンダ239内へ取り込まれ、エアシリンダ239のピストン242の下の容積に閉じ込められる。ピストン242の繰返し上下サイクル運動の結果、カウンターバランス圧力がピストンの下方のエアシリンダ239に蓄積し、これが次にピストン242に上向きの力を及ぼし、この力が、ピストンロッド240を介して上部クロスバー212の下向き運動に対する上向きのカウンターバランス力としてピストンロッド240を介して伝達される。こうして発生する合力としてのカウンターバランス力は、ポンプの下降ストロークにおいて、ロッドとポンプ機構の重量に抗して作用し、さらに後続のストロークにおいてクランク付きロッドポンプ装置がロッド204を引き上げるのをアシストするように作用する。
【0047】
図8に示す実施例において、クランク付きロッドポンプ装置200の上昇ストロークにおいてピストンロッド240がピストン242を引上げると、流入逆止弁244が開いて、ピストン242と流入逆止弁244との間のスペースによって画成される容積を有する気圧シリンダ239の下側チャンバへの空気の流入を許容する。ピストン242がそのストロークの上端に達し、その下降ストロークにおいて下方へ動き始めると、流入逆止弁244が閉じて、ピストン242と流入逆止弁244との間に取り込まれた空気を閉じ込める。ピストン242が引続き下降すると、ピストン242と流入逆止弁244との間のスペースは減少し、ピストン242と流入逆止弁244との間に閉じ込められた空気の圧力が上昇する。この圧力上昇の結果、エネルギが蓄えられ、次にこのエネルギが、ピストン242が上昇する後続の上昇ストロークにおいて解放され、カウンターバランス力を生み出し、上昇ストロークにおいて、ロッド204を上昇させるクランク付きロッドポンプ装置を補助する。実際の問題として、図8に示す構成を用いると、ポンプストローク206の下端におけるピストン242と流入逆止弁244との間の圧力を最高作動値にまで「ブートストラップ(独力昇圧)」することを可能とするために、上記のような揺動アクションが必要かも知れない。流入逆止弁244は連続的に開き、クランク付きロッドポンプ装置の運転の間に、ピストン242を通過して空気が漏れれば補充することとなる。図8の実施例において、エアシリンダ239はシングルアクション・シリンダまたはダブルアクション・シリンダのいずれであってもよい。
【0048】
図9に示す気圧式のカウンターバランス機構238は、図8に示し説明した実施例と本質的には同一であり、異なるのは、図9の実施例における気圧式のカウンターバランス機構238は、さらに流出逆止弁246を有し、エアシリンダ239がダブルアクション・シリンダであることである。図9に示す実施例の作動は、先に説明した図8の実施例の作動と本質的に同一であるが、流出逆止弁246の作動が異なる。図9を検討すれば分かるように、流入逆止弁244は、ピストンが上昇するときに空気をエアシリンダ239へ導入し、ピストンの下降ストロークにおいて空気をピストン242と流入逆止弁244との間に閉じ込めるように構成されているが、流出逆止弁246は、ピストン242が上昇するとき、ピストン242と流出逆止弁246との間からの空気の排出を許容し、ピストンが下降するとき、ピストン242と流出逆止弁246との間への空気の逆流を阻止するように構成されている。この構成により、ピストン242がエアシリンダ239内で往復運動をすると、ピストン242の下方のスペースに圧力が蓄積されることに加えて、ピストン242の上方の圧力は、ピストンロッド240上の上部クロスバー212の作動によってピストン242が強制的に下降させられることで、大気圧以下となる。この構成が提供する利点は、図9の実施例では、ピストン242の前後の差圧とその結果のカウンターバランス力が、図8に示した実施例のものよりも大きいことである。
【0049】
図10は、本発明による気圧式のカウンターバランス機構238のさらに別の代替の実施例を示す。要するに、図10に示す実施例では、図9に関して説明したように作動する構成の流入逆止弁244と流出逆止弁246とを有するエアシリンダ239を、図8の実施例に関して説明したものと類似の構成と動作を有する追加のポンプシリンダ248に、組み合わせたものである。
【0050】
ポンプシリンダ248は、ピストンロッド252によって駆動されるピストン250を有し、このロッドは上部クロスバー212に機能的に結合され、エアシリンダ239のピストンロッド240と実質的に平行に作動する。第2の流入逆止弁254が設けられ、クランク付きロッドポンプ装置200の第1の上昇ストロークにおいて、ピストン250およびピストン242の各下方のポンプシリンダ248およびエアシリンダ239の各内部へ、空気が導入される。後続の上昇ストロークにおいて、貯留キャビティ256内の圧力はポンプキャビティ258内の圧力を超えるものと考えられ、(第1の)流入逆止弁244は閉じたままとなる。クランク付きロッドポンプ装置200の下降ストロークにおいては、各ピストン242および250は、ポンプキャビティ258および貯留キャビティ256内の空気を圧縮する。ポンプキャビティ258内の空気が圧縮されると、空気は大気圧を超えることになり、(第2の)流入逆止弁254が閉じる。ポンプキャビティ258内の空気は引き続き圧縮され、その容積が比較的小さいために、貯留キャビティ256内の空気よりも高い圧力へ圧縮される。これが起こると、第1の流入逆止弁244が開き、より高い圧力の空気の、貯留キャビティ256内への流入を許容する。クランク付きロッドポンプ装置200が往復運動を行うと、各ピストン242と250とは、貯留キャビティ256内の空気を大気圧以上にする。第1の流入逆止弁244への流入口における圧力を大気圧以上にすることにより、図10に示す実施例の貯留キャビティ256内に、第1の流入逆止弁244の上流の圧力が大気圧に制限されている図8および図9に示す実施例で達成した圧力よりも高いカウンターバランス圧力が生成される。また、ポンプキャビティ258内に生成される圧力は、カウンターバランス効果に寄与し、ポンプシリンダ248のピストンロッド252を介して上部クロスバー212に伝達されることも認識されるであろう。実際には、図10に示す構成を用いると、ポンプストローク206の下端におけるピストン242と第1の流入逆止弁244との間の圧力が最大作動値へ「ブートストラップ(独力昇圧)」するまでに、上記のクランク付きロッドポンプ装置200または揺動アクションの数ストロークが必要となり得る。
【0051】
図10に示すように、運転の改善のために、本発明による気圧式のカウンターバランス機構の適当な位置にエアタンク260を追加することが望ましいものと考えられる。また、貯留キャビティ256、ポンプキャビティ258、およびピストン242と流出逆止弁246との間のキャビティ内の作動圧力をコントローラ264を用いて監視および制御するために、適切な位置に何らかの形の圧力ゲージまたはセンサ262を設けることも、有利であろう。コントローラ264は、マニュアル制御または自動制御を含む任意の適切な形態を採り得ることが認識されるであろう。
【0052】
図11ないし図13は、本発明による第3の実施例のクランク付きロッドポンプ装置300を示す。第3の実施例のクランク付きロッドポンプ装置300は上記の第2の実施例のクランク付きロッドポンプ装置200と実質的に同一であるが、第3の実施例のクランク付きロッドポンプ装置300は気圧式のカウンターバランス機構を含まない点が異なる。図11ないし図13は、第3の実施例のクランク付きロッドポンプ装置300の上部クロスバー312、関節リンク要素336、およびクランク要素334を、ポンプストローク306における異なる位置において示す。
【0053】
図14ないし図16は、本発明による第4の実施例のクランク付きロッドポンプ装置400を示す。第4の実施例のクランク付きロッドポンプ装置400は以上に説明した実施例と多くの点において同様である。第4の実施例400と以上に説明した実施例との主な相違は、モータ416と直交ギアボックス420とを、フレーム418の上部フレームクロスメンバ430の上に取付けたことであり、クランク付きロッドポンプ装置の第2の実施例200および第3の実施例300においては、モータ216と直交ギアボックス226とをフレーム218のベース220に取付けている。図14ないし図16は、クランク付きロッドポンプ装置400の鉛直可動部材410、クランク要素434、および関節リンク要素436を、ポンプストローク406の異なる数か所において示す。
【0054】
本明細書中で引用する公報、特許出願および特許を含むすべての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、また、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
【0055】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0056】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0057】
50 従来のウォーキングビームポンプ装置
52 磨きロッド
54 ウェルヘッド
56 炭化水素の井戸
60 ケーシング
62 地下の地層
64 オイルの貯留場所
66 パーフォレーション
68 ダウンホール(底穴)ポンプ装置
70 チュービング
72 液体出口
74 地表面
76 ガス出口
78 固定弁(ダウンホールポンプ装置)
80 移動弁(ダウンホールポンプ装置)
82 ロッドストリング
84 ポンプストローク
100 クランク付きロッドポンプ(CRP)装置
101 ソーラーアレイ
102 機械式のクランクアクチュエータ機構
103 従来の電力網
104 モータ
106 コントロール装置
108 コントローラ
110 モータ駆動装置(モータードライブ)
200 クランク付きロッドポンプ(CRP)装置
202 実質的に鉛直方向の運動
204 ロッド(吸い上げロッドポンプ)
206 ポンプストローク
208 機械式のクランクアクチュエータ機構
210 鉛直可動部材
212 上部クロスバー
214 クランプ
216 モータ
218 フレーム
220 ベース
222 リニアガイドレール
224 リニアガイドレール
226 直交ギアボックス
228 出力軸(直交ギアボックス)
230 上部フレームクロスメンバ
232 モータ取付けブラケット
234 クランク要素
235 追加の取付け点
236 関節リンク要素
238 気圧式のカウンターバランス機構
239 エアシリンダ
240 ピストンロッド(エアシリンダ)
242 ピストン
244 (第1の)流入逆止弁
246 流出逆止弁
248 ポンプシリンダ
250 ピストン(ポンプシリンダ)
252 (第2の)ピストンロッド
254 第2の流入逆止弁
256 貯留キャビティ
258 ポンプキャビティ
260 エアタンク
262 圧力ゲージ(センサ)
264 コントローラ
300 クランク付きロッドポンプ(CRP)装置
306 ポンプストローク
312 上部クロスバー
334 クランク要素
336 関節リンク要素
400 クランク付きロッドポンプ(CRP)装置
406 ポンプストローク
410 鉛直可動部材
416 モータ
418 フレーム
420 直交ギアボックス
430 上部フレームクロスメンバ
434 クランク要素
436 関節リンク要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプストロークを有する吸い上げロッドポンプのロッドに実質的に鉛直方向の往復運動を与えるためのクランク付きロッドポンプ装置であって:
前記吸い上げロッドポンプの前記ロッドに鉛直方向の運動を与え、かつ制御するために、前記吸い上げロッドポンプの前記ロッドに取付けられた実質的に鉛直方向に運動する鉛直可動部材を有する機械式のクランクアクチュエータ機構と;
回転可能要素を有するモータとを備え;
前記モータが有する前記回転可能要素の回転位置と前記機械式のリニアアクチュエータ機構の実質的に鉛直方向に運動する前記鉛直可動部材の前記鉛直方向の運動との間に一定の関係が成立するように前記回転可能要素と前記鉛直可動部材とが機能的に連結されるように構成された;
クランク付きロッドポンプ装置。
【請求項2】
実質的に一定のインプットパワーによる運転モードで前記モータを運転するために、モータ駆動装置とコントローラとをさらに備える、請求項1のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項3】
前記クランク付きロッドポンプ装置は実質的に電力貯留要素を有しない、請求項2のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項4】
前記クランク付きロッドポンプ装置は実質的にパワー貯留要素を有しない、請求項2のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項5】
前記クランク付きロッドポンプ装置は、前記モータを駆動するための動力の一部または全部を供給するために機能的に取付けられた、ソーラーエネルギ源を有する、請求項1のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項6】
前記モータを駆動するための唯一の動力源は前記ソーラーエネルギ源であって、前記ソーラーエネルギ源が前記モータの駆動に十分なパワーを生成しているときにのみ前記クランク付きロッドポンプ装置がポンプによる汲み上げをおこなうように設けられた、請求項5のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項7】
前記機械式のクランクアクチュエータ機構は、井戸のウェルヘッドへの取付けに適したベースを有するフレームと、前記ベースが前記ウェルヘッドに取付けられた状態で前記ベースから鉛直方向の上方に延在する少なくとも2つのリニアガイドレールとをさらに備え、前記鉛直可動部材はリニアガイドレールに摺動可能に取付けられ、かつリニアガイドレールによってリニアガイドレールに沿って実質的に鉛直方向に往復直線運動をするように拘束されるように構成された、請求項1のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項8】
機械式のロッドクランクアクチュエータは、前記フレームと前記鉛直可動部材との間に機能的に結合された気圧式のカウンターバランス機構をさらに備える、請求項7のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項9】
前記気圧式のカウンターバランス機構は、前記フレームと前記鉛直可動部材との間に機能的に結合された少なくとも一つのエアシリンダを備え、前記鉛直可動部材の下降ストロークの一部の期間にエネルギを蓄積し、蓄積したエネルギを前記鉛直可動部材の後続する上昇ストロークの一部の期間に放出するように構成された、請求項8のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つのエアシリンダが前記鉛直可動部材と前記ベースとの間に配置されるように構成された、請求項9のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項11】
前記クランクアクチュエータ機構は:
一定の駆動比において前記モータの前記回転可能要素と共に回転するように前記第1の取付け点において前記モータの前記回転可能要素に機能的に結合されたクランク要素と;
関節リンク要素であって、互いに離間して前記関節リンク要素に沿って配置された第1および第2の取付け点を有する前記関節リンク要素とを備え;
前記関節リンク要素の前記第1の取付け点は、前記クランク要素の前記第1の取付け点から半径方向の外側方向に偏心して離間する前記クランク要素の第2の取付け点において前記クランク要素にピボット結合されるように構成され;
前記関節リンク要素の前記第2の取付け点は前記鉛直可動部材にピボット結合されるように構成された;
請求項7のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項12】
前記関節リンク要素と前記クランク要素とは、前記関節リンク要素と前記磨きロッド上の前記鉛直可動要素の作用力の作用線とが実質的に整列するように構成された、請求項11のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項13】
前記関節リンク要素はオフセット部を有するように構成された、請求項12のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項14】
前記ポンプストロークを変更するために、前記リニアガイドレールに沿った前記鉛直可動部材のストロークを変更するための追加の取付け点を、前記クランク要素および前記関節リンク要素の少なくともいずれか一方が有する、請求項11のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項15】
前記機械式のロッドクランクアクチュエータは、前記モータの前記回転可能要素と前記クランク要素の前記第1の取付け点との間に機能的に結合された駆動機構をさらに備える、請求項11のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項16】
前記ポンプストロークを変更するために、前記リニアガイドレールに沿った前記鉛直可動部材のストロークを変更するための追加の取付け点を、前記クランク要素および前記関節リンク要素の少なくともいずれか一方が有する、請求項15のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項17】
前記駆動装置は前記ベース上に取付けられた、請求項15のクランク付きロッドポンプ装置。
【請求項18】
井戸内に配置されたポンプストロークを有する吸い上げポンプのロッドに実質的に鉛直方向の往復運動を与えることにより、ウォーキングビーム装置を有する炭化水素の井戸の稼動寿命を延長するための方法であって、前記ロッドをウォーキングビーム装置から取り外し、前記ロッドを機能的にクランク付きロッドポンプ装置に接続する方法。
【請求項19】
前記クランク付きロッドポンプ装置に取り替える前の前記ウォーキングビーム装置の生産率よりも低い生産率で前記クランク付きロッドポンプ装置を運転するようにさらに構成された、請求項18の方法。
【請求項20】
前記クランク付きロッドポンプを前記井戸のウェルヘッドに直接取付けるようにさらに構成された、請求項18の方法。
【請求項21】
前記ウォーキングビーム装置を前記井戸に隣接する場所に離して置くようにさらに構成された、請求項18の方法。
【請求項22】
クランク付きロッドポンプ装置を液体の供給源に機能的に取付ける工程を有する、遠隔の地にある液体の供給源から液体を汲み上げる方法。
【請求項23】
クランク付きロッドポンプ装置を独立した動力源に取付ける工程をさらに有する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記独立した動力源はソーラーエネルギ動力源により構成される、請求項23の方法。
【請求項25】
前記遠隔の地において前記液体の供給源を提供する工程をさらに有する、請求項22の方法。
【請求項26】
前記遠隔の地における前記液体の供給源は液体の井戸によりなり、前記液体の井戸を提供する工程をさらに有する、請求項25の方法。
【請求項27】
クランク付きロッドポンプ装置を始動するための方法であって:
モータを回転させるステップと;
回転速度が閾値を下回ると、前記モータの回転方向を反転させるステップと;
前記回転速度が前記閾値を下回らなくなるまで、前記反転させるステップに従って、回転方向の反転を継続するステップとを有する;
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−501029(P2011−501029A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530082(P2010−530082)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/079985
【国際公開番号】WO2009/052175
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(509116565)ユニコ、インコーポレーテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Unico,Inc.
【住所又は居所原語表記】3725 Nicholson Road,P.O.Box 0505,Franksville,Wisconsin 53126‐0505 United States of America
【Fターム(参考)】