説明

グルタミニルシクラーゼ阻害剤

【課題】なし
【解決手段】本発明は、ニューロン疾患を治療する、一般式(1〜9)により表された化合物を含む、QC阻害剤として作用する化合物、及びそれらの組合せに関するものである。


該ニューロン疾患とは、特にアルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆のことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、アンモニアを遊離して、N-末端グルタミン残基からピログルタミン酸(5-オキソ-プロリル、pGlu*)への分子内環化、及び水を遊離して、N-末端グルタメート(グルタミン酸塩またはエステル)残基からピログルタミン酸への分子内環化を触媒する、グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
グルタミニルシクラーゼ(QC、EC 2.3.2.5)は、アンモニアを遊離して、N-末端グルタミン残基からピログルタミン酸(pGlu*)への分子内環化を触媒する。QCは、1963年にMesserにより、熱帯植物カリーカ・パパイヤのラテックスから初めて単離された(Messer、M.の論文 1963 Nature 4874、1299)。24年後に、相当する酵素活性が、動物の下垂体で発見された(Busby, W. H. J.らの論文 1987 J Biol Chem 262、8532-8536; Fischer, W. H.、及びSpiess, J.の論文 1987 Proc Natl Acad Sci U S A 84、3628-3632)。哺乳類のQCにおいて、QCは、TRH、及びGnRHの前駆体に対して、GlnからpGluへの変換を示した(Busby, W. H. J.らの論文 1987 J Biol Chem 262、8532-8536; Fischer, W. H.、及びSpiess, J.の論文 1987 Proc Natl Acad Sci U S A 84、3628-3632)。さらに、初期の頃のQCの局在実験では、ウシ下垂体での触媒反応より推定される生成物と、共局在しており、ペプチドホルモン合成において示唆されている機能を改善することを示した(Bockers, T. M.らの論文 1995 J Neuroendocrinol 7、445-453)。対照的に、植物のQCの生理的機能は、まだ明らかにされていない。C.パパイヤ由来の酵素の場合、病原微生物に対して、該植物を防御する役割が提案されている(El Moussaoui, A.らの論文 2001 Cell Mol Life Sci 58、556-570)。他の植物由来の推定されるQC類は、近年、配列比較により同定されている(Dahl, S. W.らの論文 2000 Protein Expr Purif 20、27-36)。しかし、これらの酵素の生理的機能は、まだ不明瞭である。
【0003】
植物、及び動物由来の公知のQC類は、基質のN-末端位置のL-グルタミンに対して厳密な特異性を示し、かつこれらの速度論的挙動は、ミカエリスーメンテンの式に従うことがわかった(Pohl, T.らの論文 1991 Proc Natl Acad Sci U S A 88、10059-10063; Consalvo, A. P.らの論文 1988 Anal Biochem 175、131-138; Gololobov, M. Y.らの論文 1996 Biol Chem Hoppe Seyler 377、395-398)。しかし、C.パパイヤ由来のQCの一次構造と、哺乳類由来の高度に保存されたQCの一次構造との比較により、配列相同性が全くないことが示された(Dahl, S. W.らの論文 2000 Protein Expr Purif 20、27-36)。該植物QCは、新しい酵素ファミリーに属するように見え(Dahl, S. W.らの論文 2000 Protein Expr Purif 20、27-36)、一方、該哺乳類QCは、細菌のアミノペプチダーゼと明らかな配列相同性を有していることがわかった(Bateman, R. C.らの論文 2001 Biochemistry 40、11246-11250)。該植物、及び動物由来のQCは、進化起源が異なると結論付けられている。
【0004】
近年、組換え型ヒトQC、並びに脳抽出物由来のQC-活性が、N-末端グルタミニル、並びにグルタメート環化を触媒することを示した。最も著しいのは、シクラーゼ-触媒されたGlu1-変換は、約pH 6.0が好適であり、一方、pGlu-誘導体へのGln1-変換は、最適pH約8.0で生じるという発見である。組換え型ヒトQC、及びブタ下垂体抽出物由来のQC-活性の阻害により、pGlu-Ab-関連ペプチドの形成を抑制することができるので、該酵素QCは、アルツハイマー病の治療用薬剤の開発における標的である。
【0005】
EP 02 011 349.4は、昆虫グルタミニルシクラーゼをコードしているポリヌクレオチド、並びに、それによりコード化されたポリペプチドを開示している。さらに、この出願は、その発明のポリヌクレオチドを含む発現ベクターを含む宿主細胞を提供している。単離されたポリペプチド、及び昆虫QCを含む宿主細胞は、グルタミニルシクラーゼ活性を低下させる薬剤のスクリーニング方法として有用である。これらの薬剤は、殺虫剤として有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、グルタミニルシクラーゼ阻害剤(QC、EC 2.3.2.5)として作用する化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(定義)
該用語“DP IV-阻害剤”、又は“ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤”は、一般的に、当業者に公知であり、かつDP IV、又はDP IV-様酵素の触媒活性を阻害する酵素阻害剤を意味する。
DP IV-活性“は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP IV)、及びDP IV-様酵素の触媒活性として規定される。これらの酵素は、腎臓、肝臓、及び腸を含む、哺乳類の体内の様々な組織にあるセリンプロテアーゼを開裂するポスト-プロリン(より小さい範囲のポスト-アラニン、ポスト-セリン、又はポスト-グリシン)であり、これらは、これらの配列中において、該N-末端アミノ酸に隣接する残基がプロリン、又はアラニンである場合、高度な特異性で、生物学的活性ペプチドのN-末端から、ジペプチドを除去する。
【0008】
該用語“PEP-阻害剤”、又は“プロリンプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤”は、一般的に、当業者に公知であり、かつプロリンプロリルエンドペプチダーゼ(PEP)の触媒活性を阻害する、酵素阻害剤を意味する。
本明細書中で使用される用語“QC”は、グルタミニルシクラーゼ(QC)、及びQC-様酵素を含む。QC、及びQC-様酵素は、酵素活性が、同じか、又は類似しており、さらに、該酵素活性をQC活性と規定する。この点において、QC-様酵素は、QCのこれらの分子構造とは、基本的に異なり得る。
【0009】
本明細書中で使用される用語“QC活性”は、アンモニアを遊離して、N-末端グルタミン残基からピログルタミン酸(pGlu*)への分子内環化、あるいはN-末端L-ホモグルタミン、又はL-β-ホモグルタミンから環状ピロ-ホモグルタミン誘導体への分子内環化として規定される。スキーム1、及び2を参照されたい。
【0010】
【化1】

【0011】
【化2】

【0012】
本明細書中で使用される用語“EC”は、グルタメートシクラーゼ(EC)としてのQC、及びQC-様酵素の副活性を含み、さらに該活性をEC活性と規定する。
該表現“QC/EC”は、QC、又はEC活性を少なくとも1つ有する、好ましくはQC、及びEC活性を両方とも有する、グルタミニルシクラーゼのことである。
本明細書中で使用される用語“EC活性”は、QCによるN-末端グルタメート残基からピログルタミン酸(pGlu*)への分子内環化として規定される。スキーム3を参照されたい。
【0013】
【化3】

【0014】
該用語“QC-阻害剤”“グルタミニルシクラーゼ阻害剤”は、一般的に、当業者に公知であり、かつグルタミニルシクラーゼ(QC)、及び/又はそのグルタミルシクラーゼ(EC)の触媒活性を阻害する、酵素阻害剤を意味する。
本明細書中で使用される用語“対象”は、治療、観察、又は実験の目的のある、動物、好ましくは哺乳類、さらに好ましくはヒトのことである。
【0015】
本明細書中で使用される用語“治療的有効量”とは、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床医により探究される組織系、動物、又はヒトにおいて、生物学的、又は医薬的応答を発現する、活性のある化合物、又は医薬品の量のことであり、これらは、治療される疾病、又は疾患の症状の緩和を含む。
本明細書中で使用される用語“医薬として許容し得る”とは、ヒト、及び獣医の使用、両方を含み:例えば、該用語“医薬として許容し得る”は、獣医学的に許容し得る化合物、又はヒト医学、保健医療に許容し得る化合物を含む。
【0016】
本明細書、及びクレームを通して、該表現“アシル”は、C1-20アシル残基、好ましくはC1-8アシル残基、さらに好ましくはC1-4アシル残基のことを示し得る;“シクロアルキル”は、C3-12シクロアルキル残基、好ましくはC4、C5、又はC6シクロアルキル残基のことを示し得る;かつ“炭素環”は、C3-12炭素環残基、好ましくはC4、C5、又はC6炭素環残基のことを示し得る。“ヘテロアリール”は、環原子の1〜4個、及びそれ以上、好ましくは1、2、又は3個を、N、S、又はOのようなヘテロ原子で置換したアリール残基として規定される。“複素環”は、環原子の1、2、又は3個を、N、S、又はOのようなヘテロ原子で置換したシクロアルキル残基として規定される。“ペプチド”は、ジペプチド〜デカペプチドから選択され、好ましくはジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、及びペンタペプチドである。該“ペプチド”を形成するアミノ酸は、前述のものから選択することができる。
【0017】
本明細書、及びクレームを通して、該表現"アルキル(alkyl)"は、C1-50アルキル基、好ましくはC6-30アルキル基、さらに好ましくはC8-12アルキル基のことを示し得る;例えば、アルキル基を、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はブチル基とすることができる。例えば該表現"アルコキシ(alkoxy)"、及び該表現"アルカン(alkane)"、例えば該表現"アルカノイル(alkanoyl)"における、該表現"アルク(alk)"は、"アルキル(alkyl)"として規定され;芳香族化合物は、好ましくは置換された、又は任意に非置換のフェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニル、又はアントラセン基であり、好ましくは、これらは、少なくとも8C原子を有し;該表現"アルケニル"を、C2-10アルケニル基、好ましくはC2-6アルケニル基とすることができ、これらは、所望の位置すべてに二重結合を有し、かつ置換、又は非置換とすることができ;該表現"アルキニル"を、C2-10アルキニル基、好ましくはC2-6アルキニル基とすることができ、これらは、所望の位置すべてに三重結合を有し、かつ置換、又は非置換とすることができる。
【0018】
該表現"置換"、又は置換基を、1以上、好ましくは1、又は2のアルキル、アルケニル、アルキニル、1-、又は多価アシル、アルカノイル、アルコキシアルカノイル、又はアルコキシアルキル基で、所望されるすべての置換とすることができ;前述の置換基は、側鎖として、1以上(しかし、好ましくはゼロ)のアルキル、アルケニル、アルキニル、1、又は多価アシル、アルカノイル、アルコキシアルカノイル、又はアルコキシアルキル基を順繰りに有してもよく;各々8〜50C原子、好ましくは10〜20C原子を有する有機アミン、アミド、アルコール、又は酸は、式(アルキル)2N-、又はアルキル-NH-、-CO-N(アルキル)2、又は-CO-NH(アルキル)、-アルキル-OH、又は-アルキル-COOHを有することができる。
【0019】
さらに、該表現"置換"、又は“置換基”を、それぞれ、1、又は2の分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環とすることができ;前記置換基類は、側鎖(又は複数の側鎖)として、1以上の分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環を、順繰りに有してもよく;前述の鎖、残基、又は側鎖のすべては、1以上の、好ましくは1、又は2のエポキシ部位、及び1以上の、好ましくは1、又は2の置換又は非置換アジリジンを含んでもよく、一方、該置換基は、前述のR1として、再度特徴付けられ;すべての鎖、残基、又は側鎖を、1以上のF、Cl、Br、I、NH2、NO、NO2、CN原子、又はイソシアン化物、シアン酸塩、イソシアン酸塩、雷酸塩、チオシアン酸塩、イソチオシアン酸塩、セレノシアン酸塩、及びイソセレノシアン酸塩、経験式-S2H、-S2OH、-S3H、-S2O2H、-S3OH、及び-S4Hを有する硫黄のチオ酸、及びこれらの誘導体としてもよく、一方、該置換基は、R1として特徴付けされ;アゾン酸、アジン酸、スルホン酸(SO2H)、硫黄酸(sulphur acid)(SO3H)、及びこれらのエステルとしてもよく、一方、該エステル残基は、R1として特徴付けされ;亜ホスフィン酸、亜ホスホン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ホスフィノチオO-酸、ホスフィノチオS-酸、ホスフィンイミド酸、ホスホノチオO,O'-酸、ホスホノチオO,S'-酸、ホスホンイミドチオ酸のような、これらの置換修飾体、及びこれらのエステルとしてもよく、一方、該エステル残基は、R1として特徴付けされる。
【0020】
さらに、前述の鎖、残基、又は側鎖のすべては、1以上の、好ましくは1、2、又は3のアルコール、酸、アルデヒド、又はケトン、ホスファン、ホスホラン、スルホキシド(SO)、スルホン(SO2)、セレノキシド、及びセレノンと命名されたこれらのセレン、又はテルル類似体、無水スルホン酸[(SO2)2O]、及び無水スルホン酸[(SO)2O]、アゾ化合物のヒドラジド、N-オキシド;並びに式-NHR1、又はN(R1)2、-CON(R1)2、又は-CONHR1、-CO-OR1、R1-O-R1、-SO2N(R1)2、又は-SO2NHR1、-PHR1、-P(R1)2、-PH3R1、-PH2(R1)2、-PH(R1)3、-P(R1)4を有する、アミン、アミド、エステル、エーテル、又はスルホンアミド、ホスファン、又はホスホランを含み、一方、R1は前述と同じであり;並びに前記残基の対応するチオ類似体を含み得る。該酵素は、例えばチオール、チオアルデヒド、及びチオケトンのような硫黄で置換される。
【0021】
本発明中で使用され得るアミノ酸は、L、及びD-アミノ酸、N-メチル-アミノ酸、アザ-アミノ酸;Ile、及びTHrのアロ-、及びトレオ形態であり、これらを、例えばα-、β-、又はγ-アミノ酸とすることができ、α-アミノ酸が好ましい。
アミノ酸の例を挙げると、次のものがある:
アスパラギン酸 (Asp)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン (Arg)、リシン (Lys)、ヒスチジン (His)、グリシン (Gly)、セリン (Ser)、システイン (Cys)、トレオニン (Thr)、アスパラギン (Asn)、グルタミン (Gln)、チロシン (Tyr)、アラニン (Ala)、プロリン (Pro)、バリン (Val)、イソロイシン (Ile)、ロイシン (Leu)、メチオニン (Met)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン (Trp)、ヒドロキシプロリン (Hyp)、ベータ-アラニン(beta-Ala)、2-アミノオクタン酸 (Aoa)、アセチジン-(2)-カルボン酸(Ace)、ピペコリン酸(Pip)、3-アミノプロピオン酸、4-アミノ酪酸、及び以後、アルファ-アミノイソ酪酸 (Aib)、サルコシン (Sar)、オルニチン (Orn)、シトルリン (Cit)、ホモアルギニン (Har)、t-ブチルアラニン (t-ブチル-Ala)、t-ブチルグリシン (t-ブチル-Gly)、N-メチルイソロイシン (N-MeIle)、フェニルグリシン (Phg)、シクロヘキシルアラニン (Cha)、ノルロイシン (Nle)、システイン酸(Cya)、及びメチオニンスルホキシド(MSO)、アセチル-Lys、ホスホリル-セリン (Ser(P))、ベンジル-セリン (Ser(Bzl))、及びホスホリル-チロシン(Tyr(P))のような修飾アミノ酸、2-アミノ酪酸(Abu)、アミノエチルシステイン (AECys)、カルボキシメチルシステイン (Cmc)、デヒドロアラニン (Dha)、デヒドロアミノ-2-酪酸 (Dhb)、カルボキシグルタミニン酸 (Gla)、ホモセリン (Hse)、ヒドロキシリシン (Hyl)、cis-ヒドロキシプロリン (cisHyp)、trans-ヒドロキシプロリン (transHyp)、イソバリン (Iva)、ピログルタミン酸 (Pyr)、ノルバリン (Nva)、2-アミノ安息香酸 (2-Abz)、3-アミノ安息香酸 (3-Abz)、4- アミノ安息香酸 (4-Abz)、4-(アミノメチル)安息香酸 (Amb)、4-(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(4-Amc)、ペニシルアミン (Pen)、2-アミノ-4-シアノ酪酸 (Cba)、シクロアルカン-カルボン酸がある。ω-アミノ酸の例を挙げると、例えば:5-Ara (アミノラレリック酸(aminoraleric acid)、6-Ahx (アミノヘキサン酸)、8-Aoc (アミノオクタン酸)、9-Anc (アミノバノイック酸(aminovanoic acid))、10-Adc (アミノデカン酸)、11-Aun (アミノウンデカン酸)、12-Ado (アミノドデカン酸)がある。さらに、アミノ酸には:インダニルグリシン (Igl)、インドリン-2-カルボン酸(Idc),オクタヒドロインドール-2-カルボン酸(Oic)、ジアミノプロピオン酸 (Dpr)、ジアミノ酪酸 (Dbu)、ナフチルアラニン(1-Nal)、及び(2-Nal)、4-アミノフェニルアラニン(Phe(4-NH2))、4-ベンゾイルフェニルアラニン(Bpa)、ジフェニルアラニン(Dip)、4-ブロモフェニルアラニン(Phe(4-Br))、2-クロロフェニルアラニン(Phe(2-Cl))、3-クロロフェニルアラニン(Phe(3-Cl))、4-クロロフェニルアラニン(Phe(4-Cl))、3,4-クロロフェニルアラニン(Phe (3,4-Cl2))、3-フルオロフェニルアラニン(Phe(3-F))、4-フルオロフェニルアラニン(Phe(4-F))、3,4-フルオロフェニルアラニン(Phe(3,4-F2))、ペンタフルオロフェニルアラニン(Phe(F5))、4-グアジニノフェニルアラニン(Phe(4-グアジニノ))、ホモフェニルアラニン(hPhe)、3-ジュードフェニルアラニン(3-judophenylalanine)(Phe(3-J))、4-ジュードフェニルアラニン(Phe(4-J))、4-メチルフェニルアラニン(Phe(4-Me))、4-ニトロフェニルアラニン(Phe-4-NO2))、ビフェニルアラニン(Bip)、4-ホスホノメチルフェニルアラニン(Pmp)、シクロヘキシルグリシン(Ghg)、3-ピリジニルアラニン(3-Pal)、4-ピリジニルアラニン(4-Pal)、3,4-デヒドロプロリン(A-Pro)、4-ケトプロリン(Pro(4-ケト))、チオプロリン(Thz)、イソニペコ酸(Inp)、1,2,3,4,-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic)、プロパルギルグリシン(Pra)、6-ヒドロキシノルロイシン(NU(6-OH))、ホモチロシン(hTyr)、3-ジュードチロシン(Tyr(3-J))、3,5-ジジュードチロシン(Tyr(3,5-J2))、メチルチロシン(Tyr(Me))、2',6'-ジメチルチロシン(Dmt)、3-NO2-チロシン(Tyr(3-NO2))、ホスホチロシン(Tyr(PO3H2))、アルキルグリシン、1-アミノインダン-1-カルボン酸、2-アミノインダン-2-カルボン酸(Aic)、4-アミノ-メチルピロール-2-カルボン酸(Py)、4-アミノ-ピロリジン-2-カルボン酸(Abpc)、2-アミノテトラリン-2-カルボン酸(Atc)、ジアミノ酢酸 (Gly(NH2))、ジアミノ酪酸 (Dab)、1,3-ジヒドロ-2H-イソイノール-カルボン酸(Disc)、ホモシクロヘキシルアラニン(hCha)、ホモフェニルアラニン(hPhe、又はHof)、trans-3-フェニル-アゼチジン-2-カルボン酸、4-フェニル-ピロリジン-2-カルボン酸、5-フェニル-ピロリジン-2-カルボン酸、3-ピリジルアラニン(3-Pya)、4-ピリジルアラニン(4-Pya)、スチリルアラニン、テトラヒドロイソキノリン-1-カルボン酸(Tiq)、1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-3-カルボン酸 (Tpi)、-(2-チエンリル)-アラニン(Tha)がある。
【0022】
“ペプチド”は、ジペプチド〜デカペプチドから選択され、好ましくはジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、及びペンタペプチドである。該“ペプチド”を形成する該アミノ酸を、前述から選択することができる。
“アザ-アミノ酸”は、キラルα-CH基が、窒素原子で置換されたアミノ酸として規定され、一方、“アザ-ペプチド”は、ペプチド鎖中の1以上のアミノ酸残基の該キラルα-CH基が、窒素原子で置換されたペプチドとして規定される。
また、遺伝子暗号にコード化された他のアミノ酸置換基も、本発明の範囲内のペプチド化合物に含むことができ、かつ、この一般スキームに分類することができる。蛋白新生の(Proteinogenic)アミノ酸は、天然タンパク質誘導化α-アミノ酸として規定される。非蛋白新生の(Non-proteinogenic)アミノ酸は、他のアミノ酸すべてとして規定され、これらは一般的な天然タンパク質の構成単位ではない。
【0023】
“ペプチド模倣体”自体は、当業者に公知である。好ましくは、これらは、ペプチドのような二次構造、及び任意に、さらなる構造特性を有する化合物として規定され;これらの作用機序は、該天然ペプチドの作用機序によく類似しているか、又は同じである;しかし、これらの活性(例えば、アンタゴニスト、又は阻害剤として)を、天然ペプチド、特にレセプター、又は酵素に対して比較して、改質することができる。さらに、これらは、該天然ペプチド(アゴニスト)の作用を模倣することができる。ペプチド模倣体の例を挙げると、足場模倣体、非-ペプチド性模倣体、ペプトイド、ペプチド核酸、オリゴピロリノン、ビニログペプチド(vinylogpeptides)、及びオリゴカルバメート(オリゴカルバミン酸塩またはエステル)がある。これらのペプチド模倣体の定義は、Lexikon der Chemie、Spektrum Akademischer Verlag Heidelberg、Berlin、1999を参照されたい。
これらの模倣体構造を使う目的は、該活性を増加すること、副作用を減らし選択性を向上させること、該作用の延長の酵素的低下に対して、該化合物を保護することである。
【0024】
(立体異性体:)
請求項の化合物の可能な立体異性体すべては、本発明に含まれる。
本発明の化合物が、少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それに応じて、これらは、エナンチオマーとして存在し得る。該化合物が、2以上のキラル中心を有する場合、それに応じて、これらは、ジアステレオマーとして存在し得る。このような異性体、及びその混合物が、本発明の範囲内に含まれることは理解される。
【0025】
(立体異性体の製造、及び単離:)
本発明の化合物の製造方法が、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体を、分離クロマトグラフィーのような、従来の技術により分離することができる。該化合物を、ラセミ形態で製造することができ、又は個々のエナンチオマーを、エナンチオ特異的合成により、又は分割により製造することができる。例えば、該化合物を、(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸、及び/又は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸のような光学活性酸を用いて塩形成し、続いて分別結晶、及び遊離塩基への再生により、ジアステレオマー対を形成するような、標準的技術により、これらの成分であるエナンチオマーに分割することができる。また、該化合物を、ジアステレオマーエステル、又はアミドを形成し、続いて、クロマトグラフ分離、及びキラル補助基の除去により分割してもよい。または、該化合物をキラルHPLCカラムを用いて分割してもよい。
【0026】
(医薬として許容し得る塩:)
遊離化合物と、これらの塩形態化合物との密接な関係を考慮して、本明細書中に参照された化合物とは、対応する塩をも意図され、提供されるこれらの塩は、ある状況下で可能、又は適切である。
一般的に、該医薬として許容し得る塩は、アミノ酸塩基性側鎖が、無機、又は有機酸でプロトン化される形態をとる。代表的な有機、又は無機酸には、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸,リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、パモン酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、サッカリン酸、又はトリフルオロ酢酸がある。本発明の化合物の医薬として許容し得る酸付加塩形態すべては、本発明の範囲に含まれることが意図される。
【0027】
(多形結晶形態:)
さらに、該化合物の幾つかの該結晶形態は、多形体として存在し、それ自体が、本発明の範囲内に含まれることが意図される。さらに、該化合物の幾つかは、水との溶媒和物(すなわち、水和物)、又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成してもよく、そのような溶媒和物も、本発明の範囲内に含まれることが意図される。また、これらの塩を含む該化合物を、これらの溶媒和の形態で得ることができる、又は、該化合物は、これらの結晶化に使用する他の溶媒を含み得る。
【0028】
(プロドラッグ:)
さらに、本発明は、該化合物のプロドラッグを、本発明の範囲内に含む。一般的に、前記プロドラッグとは、生体内で、所望の治療的に活性のある該化合物に容易に変換され得る、該化合物の官能性誘導体であろう。従って、本発明の治療方法において、該用語"投与する"は、本請求項の1以上の化合物のプロドラッグ種で記載された、様々な疾患の治療を含むべきであろう。しかし、該化合物は、該対象に投与した後に、生体内で上述の特定の化合物に変換される。適切なプロドラッグ誘導体の従来の選択、及び製造手順は、例えば、"プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)"、ed. H. Bundgaard、Elsevier、1985、及び特許出願DE 198 28 113、DE 198 28 114、WO 99/67228、及びWO 99/67279に記載されており、これらは、引用により、本明細書中に完全に取り込まれている。
【0029】
(保護基:)
本発明の化合物の全製造プロセスの間に、関与する幾つかの分子の感受性基、又は反応性基を保護することが必要、又は所望され得る。これは、有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)、ed. J.F.W. McOmie, Plenum Press、1973;及び有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons, 1991 (これらは、引用により、本明細書中に完全に取り込まれている)に記載されているような、従来の保護基の手段により成し遂げることができる。該保護基を、都合の良い後の段階で、該技術の公知の方法を用いて、除去することができる。
本明細書中で使用する該用語"組成物"は、治療的有効量の本請求項の化合物を含む製品、並びに本請求項の化合物の組合せから直接的に、又は間接的に得られる製品すべてを含むことが意図される。
【0030】
(生薬配合用キャリア、及び添加剤:)
例えば、懸濁液、エリキシル、及び溶液のような、液体の経口用製剤に対して適切なキャリア、及び添加剤は、有利に、水、グリコール、オイル、アルコール、香料、保存料、及び着色剤などを含み得る;例えば、粉末、カプセル、ジェルキャップ、及び錠剤のような、個体の経口用製剤に対して適切なキャリア、及び添加剤は、デンプン、糖類、希釈剤、顆粒化剤、滑剤、結合剤、及び崩壊剤などを含む。
該混合物に添加され得るキャリアには、制限はないが、適切な結合剤、懸濁化剤、滑剤、風味剤、甘味料、保存料、コーティング剤、崩壊剤、染料、及び着色剤を含む、必須かつ不活性の医薬賦形剤がある。
【0031】
標的を定めることができる薬剤キャリアとしての可溶性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミド-フェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリルリシンを含み得る。さらに、本発明の化合物を、薬剤の制御放出の実現に有用な生分解性ポリマー類と結合することができ、例えば、ポリアクチック酸(polyactic acid)、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシブチエリック酸(polyhydroxy butyeric acid)、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート(ポリシアノアクリル酸塩またはエステル)、及びヒドロゲルの架橋、又は両親媒性コポリマーがある。
【0032】
適切な結合剤には、制限はないが、デンプン、ゼラチン、グルコース、又はベータラクトースのような天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガカント、又はオレイン酸ナトリウムのような天然、及び合成ゴム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムなどがある。
崩壊剤には、制限はないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、及びキサンタンガムなどがある。
【0033】
(ペプチド配列)
本明細書中に記載、及び使用したペプチドは、下記配列を有する:
Aβ(1-42):
Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val-Ile-Ala

Aβ(1-40):
Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val

Aβ(3-42):
Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val-Ile-Ala

Aβ(3-40):
Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val

Aβ(1-11)a:
Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-NH2

Aβ(3-11)a:
Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-NH2

Aβ(1-21)a:
Asp-Ala-Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-NH2

Aβ(3-21)a:
Glu-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-NH2

Gln3-Aβ(3-40):
Gln-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-Glu-Asp-Val-Gly-Ser-Asn-Lys-Gly-Ala-Ile-Ile-Gly-Leu-Met-Val-Gly-Gly-Val-Val

Gln3-Aβ(3-21)a:
Gln-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-Val-His-His-Gln-Lys-Leu-Val-Phe-Phe-Ala-NH2

Gln3-Aβ(1-11)a:
Asp-Ala-Gln-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-NH2

Gln3-Aβ(3-11)a:
Gln-Phe-Arg-His-Asp-Ser-Gly-Tyr-Glu-NH2
【0034】
(本発明の要旨)
本発明は、グルタミニルシクラーゼ阻害剤(QC、EC 2.3.2.5)として作用する化合物を提供する。これらの化合物は、一般式1〜6により表される。
【0035】
【化4】


【0036】
哺乳類におけるQCの生理学的基質は、例えば、[Glu3]アミロイドβ-タンパク質(3-40/42)、[Gln3]アミロイドβ-タンパク質(3-40/42)、ガストリン、ニューロテンシン、FPP、CCL 2、CCL 7、CCL 8、CCL 16、CCL 18、フラクタルキン、オレキシンA、[Gln3]-グルカゴン(3-29)、及び[Gln5]-基質P(5-11)である。本発明の化合物、及び本発明の化合物を少なくとも1つ含む医薬組成物は、QC活性の調節により治療され得る状態の治療に有用である。
QC/EC活性の阻害剤を哺乳類に投与することにより、ニューロン疾患(アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆)の予防、又は緩和、あるいは治療が可能となり得る。
【0037】
さらに、本発明の化合物を、哺乳類に投与することにより、骨髄球系前駆細胞の増殖を刺激することが可能となり得る。
さらに、本発明のQC阻害剤の投与により、オスの妊性を抑制し得る。
好ましい実施態様において、本発明は、他の薬剤と組合わせたQC/EC活性阻害剤、特にニューロン疾患治療用阻害剤の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、すべての立体異性体を含む、一般式1、及びその医薬として許容し得る塩を有する化合物を提供する:
【0039】
【化5】

【0040】
(式中、nは、1、2、3、又は4であり、好ましくは2、又は3であり、特に2であり、かつAは、飽和又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換又は非置換としてもよく、式中R1は、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;前記残基R1のすべては、任意に、互いに独立に置換されている。)。
さらに、本発明は、すべての立体異性体を含む、一般式2、及びその医薬として許容し得る塩により一般的に記載され得る化合物に関するものである:
【0041】
【化6】

【0042】
(式中、R1、R2、及びR3は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;前記残基R1、R2、及びR3のすべては、任意に、互いに独立に置換されている。)。
さらに、本発明は、すべての立体異性体を含む、一般式3、及びその医薬として許容し得る塩により一般的に記載され得る化合物に関するものである。
【0043】
【化7】

【0044】
(式中、nは、1、2、3、又は4であり、好ましくは2、又は3であり、特に2であり、かつAは、飽和又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換又は非置換としてもよく、かつ式中R1、及びR2は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、及びR2は、互いに独立に、置換されている。)。
さらに、本発明は、すべての立体異性体を含む、一般式4、及びその医薬として許容し得る塩により一般的に記載され得る化合物に関するものである:
【0045】
【化8】

【0046】
(式中、nは、1、2、3、又は4、好ましくは2、又は3、特に2であり、かつAは、飽和又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換又は非置換としてもよく、式中R1、R2、及びR3は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、及びR3は、互いに独立に、置換されている。)。
さらに、本発明は、すべての立体異性体を含む、一般式5、及びその医薬として許容し得る塩により一般的に記載され得る化合物に関するものである:
【0047】
【化9】

【0048】
(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立に、置換されている。)。
さらに、本発明は、概して、すべての立体異性体を含む、一般式6、及びその医薬として許容し得る塩により記載され得る化合物に関するものである:
【0049】
【化10】

【0050】
(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、独立に、H、あるいは分岐、又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立に、置換されている。)。
好ましい構造は、式2aに関するものである:
【0051】
【化11】

【0052】
(式中Aは、分岐又は非分岐C1-C7アルキル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルケニル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルキニル鎖であり、あるいは式中Aは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【0053】
【化12】

【0054】
(式中、R6-R10は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環であり、好ましくはH、又はメチルであり、
式中、n、及びn1は、独立に、15であり、mは15であり、oは04であり、
好ましくは、Aは、m = 1-4、1,4-ジメチルフェニル、又は1,3-ジメチルフェニルを有する式(IV)のC3アルキル鎖、C3メチル分岐アルキル鎖、シクロアルキル-1,1-ジメチルであり、かつ
式中、Bは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【0055】
【化13】

【0056】
(式中、D、及びEは、分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、又は複素環であり、
好ましくは、D、及びEは、置換フェニルであり、該置換基は、オキシアルキル、チオアルキル、ハロゲニル(halogenyl)、カルボン酸アルキルエステル、又はアリールエステルであり、
さらに好ましい実施態様において、式中、D、及びEは、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、ジヒドロベンゾオキサチインであり、
式中、Zは、CH、又はNであり、
好ましい実施態様において、Zは、Nであり、
式中、Xは、O、S、又はN-CNとすることができるが、但し、式(VIII)、及び(IX)において、Z = CHである場合、Xは、O、又はSであり、
式中、X1、X2、及びX3は、独立に、O、又はSであり、
好ましい実施態様において、Xは、Sであり、
式中、Yは、O、又はSであり、
【0057】
式中、R11-R14は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、ハロゲニル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシル、カルボン酸エステル、カルボニル、カルバミド(carbamide)、カルビミド(carbimide)、チオカルバミド、又はチオカルボニルであり、
好ましい実施態様において、R11、及びR14は、Hであり、
さらに好ましい実施態様において、R12、及びR13は、独立に、オキシアルキル、又はチオアルキル、ハロゲニル、又はカルボン酸アルキルエステル又はフェニルであり、あるいは結合して、及びR13が、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、ジヒドロベンゾオキサチインを形成しており、
【0058】
式中、R15、及びR16は、独立にH、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、又は分岐又は非分岐アルケニル鎖であり、
好ましい実施態様において、R15、及びR16の少なくとも1つはHであり、
最も好ましくは、R15、及びR16が、双方ともHであり、
式中、R17、及びR18は、互いに独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリールであり、又は6個までの環原子で炭素環を形成するように結合することができ、
好ましい実施態様において、R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がMeであり、
さらに好ましくは、R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がフェニルである化合物であり、
さらに好ましい実施態様において、R17、及びR18は、6個までの環原子で炭素環を形成していてもよく、
式中、nは、0、又は1であり、
任意に、前記残基のすべては、互いに独立に置換されている。)。)。)。
【0059】
さらに、本発明は、アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆からなる群から選択された疾病の治療用の薬剤を製造するための、式2aの化合物の使用を提供する:
【0060】
【化14】

【0061】
(式中Aは、分岐又は非分岐C1-C7アルキル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルケニル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルキニル鎖であり、あるいは式中Aは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【0062】
【化15】

【0063】
(式中、R6-R10は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環であり、好ましくはH、又はメチルであり、
式中、n、及びn1は、独立に、15であり、mは15であり、oは04であり、
好ましくは、Aは、m = 1-4、1,4-ジメチルフェニル、又は1,3-ジメチルフェニルを有する式(IV)のC3アルキル鎖、C3メチル分岐アルキル鎖、シクロアルキル-1,1-ジメチルであり、
式中、Bは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【0064】
【化16】

【0065】
(式中、D、及びEは、分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、又は複素環であり、
好ましくは、D、及びEは、置換フェニルであり、該置換基は、オキシアルキル、チオアルキル、ハロゲニル、カルボン酸アルキルエステル、又はアリールエステルであり、
さらに好ましい実施態様において、式中、D、及びEは、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、ジヒドロベンゾオキサチインであり、
式中、Zは、CH、又はNであり、
好ましい実施態様において、Zは、Nであり、
式中、Xは、O、S、又はN-CNとすることができるが、但し、式(VIII)、及び(IX)において、Z = CHである場合、Xは、O、又はSであり、
式中、X1、X2、及びX3は、独立に、O、又はSであるが、化合物(XIV)において、X2、及びX3の少なくとも1つが、Sでなくてはならず
好ましい実施態様において、Xは、Sであり、
【0066】
式中、Yは、O、又はSであるが、R17、及びR18により形成される炭素環が、該環において、3員環である場合、YをOとすることができなくてもよく、
式中、R11-R14は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、ハロゲニル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシル、カルボン酸エステル、カルボニル、カルバミド、カルビミド、チオカルバミド、又はチオカルボニルであり、
好ましい実施態様において、R11、及びR14は、Hであり、
さらに好ましい実施態様において、R12、及びR13は、独立に、オキシアルキル、又はチオアルキル、ハロゲニル、又はカルボン酸アルキルエステルであり、あるいはR12、及びR13が結合して、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、ジヒドロベンゾオキサチインを形成しており、
式中、R15、及びR16は、独立にH、あるいは分岐、又は非分岐アルキル鎖、又は分岐、又は非分岐アルケニル鎖であり、
好ましい実施態様において、R15、及びR16の1つが、Hであり、
さらに好ましい実施態様において、R15、及びR16の双方が、Hであり、
【0067】
式中、R17、及びR18は、互いに独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリールであり、又は6個までの環原子で炭素環を形成するように結合されていてもよく、
好ましい実施態様において、R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がMeであり、
さらに好ましくは、R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がフェニルである化合物であり、
さらに好ましい実施態様において、R17、及びR18は、6個までの環原子で炭素環を形成していてもよく、
式中、nは、0、又は1であり、
任意に、前記残基のすべては、互いに独立に置換されている。)。)。)。
【0068】
哺乳類におけるQCの生理学的基質は、例えば、Aβ3-40/42、[Gln3]Aβ3-40/42、[Glu11]Aβ11-40/42、[Gln11]Aβ11-40/42、[Gln1]ガストリン(17、及び34)、[Gln1]ニューロテンシン、[Gln1]FPP、[Gln1]TRH、[Gln1]GnRH、[Gln1]CCL 2、[Gln1]CCL 7、[Gln1]CCL 8、[Gln1]CCL 16、[Gln1]CCL 18、[Gln1]ELA、[Gln1]フラクタルキン、[Gln1]オレキシン A、[Gln3]-グルカゴン(3-29)、及び[Gln5]-基質P(5-11)である。さらなる詳細は、表2を参照されたい。本発明の化合物、及び/又は組合せ、並びに少なくとも1つのQC阻害剤を含む医薬組成物は、QC/EC活性の調節により治療され得る状態の治療に有用である。
【0069】
【表1】




【0070】
経上皮の形質導入細胞、特にガストリン(G)細胞は、胃に食物が到達することで、胃酸分泌を調節する。最近の研究で、複数の活性産物が、該ガストリン前駆体から生成され、ガストリン生合成に、複数の制御点があることが示された。生合成前駆体、及び中間体(プロガストリン、及びGly-ガストリン)は、おそらく、増殖因子である:これらの産物である、アミド化ガストリンは、上皮細胞増殖、酸分泌壁細胞、及びヒスタミン-分泌腸クロム親和性細胞様(ECL)細胞の分化、及びヒスタミン合成、及びECL細胞の貯蔵に関連した遺伝子の発現を制御し、酸分泌を強く刺激する。また、ガストリンは、上皮増殖因子(EGF)群に属する産物を刺激し、壁細胞機能を順に阻害する。しかし、これは、表面の上皮細胞の増殖を刺激する。血漿ガストリン濃度は、ヘリコバクターピロリを持つ対象において上昇し、十二指腸潰瘍、及び胃癌の危険性が増すことが知られている(Dockray, G.J.の論文 1999 J Physiol 15 315-324)。
【0071】
G細胞から放出されるペプチドホルモンガストリンは、酸分泌粘膜のECL細胞からCCK-2レセプターを介してヒスタミン合成、及び放出を刺激する。該動態化ヒスタミンは、壁細胞に在るH(2)レセプターに結合して、酸分泌を誘発する。近年の研究では、ガストリンの完全アミド化体、及び低処置化形態(プロガストリン、及びグリシン-拡張化ガストリン)の双方は、胃腸管に対する増殖因子であることが提案されている。アミド化ガストリンの主な栄養作用は、胃の酸分泌粘膜対してあり、胃基部細胞、及びECL細胞の増殖を引き起こし、壁、及びECL細胞集団の増加を生じる。一方、該低処置化ガストリン(例えば、グリシン-拡張化ガストリン)の主要な栄養標的は、結腸粘膜であるように見える(Koh, T.J.、及びChen, D.の論文 2000 Regul Pept 9337-44)。
【0072】
ニューロテンシン(NT)は、統合失調症の病態生理学に関係がある神経ペプチドあり、該疾患において間違い調節された、前述の神経伝達物質システムを特異的に調節する。脳脊髄液(CSF)NT濃度を測定した臨床研究により、CSF NTが低下した統合失調症患者の部分集団が、有効な抗精神病薬剤治療により修復されることを明らかにされた。また、抗精神病薬剤の作用機序におけるNTシステムの関与と調和しているという、多くの証拠がある。中心的にNTを投与した行動的、及び生化学的影響は、全身的に抗精神病薬剤を投与した影響に著しく似ており、かつ抗精神病薬剤は、NT神経伝達を増加する。この発見の連なりにより、NTが、内因性抗精神病薬として機能すると仮定された。さらに、典型的、及び非典型的抗精神病薬剤は、黒質線状体、及び中脳辺縁系ドーパミン末端領域のNT神経伝達を、差次的に変化させ、これらの作用は、それぞれ、予測される副作用の傾向、及び効果がある(Binder, E. B.らの論文 2001 Biol Psychiatry 50 856-872)。
【0073】
受精促進ペプチド(Fertilization promoting peptide) (FPP)は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotrophin releasing hormone) (TRH)に関連したトリペプチドであり、精漿で発見された。最近、インビトロ、及びインビボにおいて、FPPが、精子生産力の調節に重要な役割を担うことを示す証拠が得られた。特に、FPPは、最初に未受精(受精能未獲得)精子を刺激し、直ぐに転換させ"switch on"、かつ、繁殖性にする。しかし、精子は、自発的アクロソーム損失(spontaneous acrosome loss)をせず、かつ従って受精能を失うことはないので、次に受精能を獲得する。これらの応答は、アデニリルシクラーゼ(AC)/cAMPシグナル伝達経路を調節することで公知であるアデノシンにより模倣され、かつ実際に増強される。FPP、及びアデノシン、双方は、受精能未獲得細胞のcAMP産生を刺激するが、ACを調節するために、アデノシンレセプター、及びGタンパク質と、何とか相互作用するFPPレセプターを有する受精能獲得細胞では、それが阻害されることが示されている。これらの結果は、様々なタンパク質のチロシンホスホリル化状態に影響を与え、その幾つかは、最初の転換"switching on"に重要であり、その他は、おそらく、先体反応自体に関与する。また、精漿中に見つかったカルシトニン、及びアンギオテンシンIIも、インビトロにおいて、受精能未獲得精子に、類似の効果を有し、かつFPPへの応答を増加することができる。これらの分子は、インビボにおいて、類似の効果を有し、受精潜在力を刺激し、かつ次いで維持することにより生産力に影響を与える。FPP、アデノシン、カルシトニン、及びアンギオテンシンIIの有効性の低下、又はこれらのレセプターの欠陥は、男性不妊の一因となる(Fraser, L.R.、及びAdeoya-Osiguwa, S. A.の論文 2001 Vitam Horm 63、1-28)。
【0074】
CCL2、CCL7、CCL8、CCL16、CCL18、及びフラクタルカインは、骨髄球系前駆細胞の増殖抑制、新形成、炎症性宿主反応、癌、乾癬、リウマチ、関節炎、アテローム性動脈硬化、体液及び細胞媒介性免疫応答、白血球接着、及び内皮細胞での移行プロセスのような、病態生理学的状況に重要な役割を担う。
【0075】
近年、肝臓炎B、ヒト免疫不全ウイルス、及びメラノーマに対する、幾つかの細胞障害性Tリンパ球ペプチドベースのワクチンが、臨床試験において研究された。ある興味深いメラノーマワクチン候補単独、又は他の腫瘍抗原との組合せは、デカペプチドELAである。このペプチドは、N-末端グルタミン酸を有する、メラン-A/マート-1(Melan-A/MART-1)抗原免疫優性ペプチド類似体である。グルタミン酸の該アミノ基、及びガンマ-カルボキシル基、並びにグルタミンの該アミノ基、及びガンマ-カルボキサミド基は、ピログルタミン誘導体に容易に縮合される。この安定性の問題を克服するために、N-末端グルタミン、又はグルタミン酸の代わりにピログルタミン酸を有する、医薬特性の損失のない、幾つかの医薬興味のペプチドが開発されている。しかし、ELAと比較して、該ピログルタミン酸誘導体(PyrELA)、及び該N-末端アセチル-キャップ誘導体(AcELA)も、細胞障害性Tリンパ球(CTL)活性を誘発することはなかった。PyrELA、及びAcELAに、明らかな最小の修飾を導入したにもかかわらず、これらの2つの誘導体は、特定の分類Iの主な組織適合性複合体に対するELAよりも、低い親和性を有する。従って、ELAの完全な活性を保存するために、PyrELAの形成を回避しなければならない(Beck A.らの論文 2001, J Pept Res 57(6):528-38.)。
【0076】
オレキシンAは、神経ペプチドであり、おそらく、これらの相補的ホメオスタシス機構の該複雑な行動的、及び生理学的反応を協調することにより、食糧摂取量、及び睡眠覚醒の調節に有意な役割を担う。また、エネルギー代謝、自律機能、ホルモンバランス、及び体液の調節のホメオスタシス調節において役割を担う。
今日まで、ヒトQCの阻害は、初期に1,10-フェナントロリンに対して検出され、かつ6-メチルプテリンを減少しただけであった(Busby, W. H. J.らの論文 1987 J Biol Chem 262、8532-8536)。多くの複素環化合物の比較により、本発明は、イミダゾール誘導体が、該動物QCを阻害することを示す。多くのイミダゾール誘導体を、該連続的評価法(詳細は実施例1を参照。)を用いて、高度に保存された哺乳類QCの1つとしての該ヒトQCを阻害する能力に対して分析した。
従って、本発明は、阻害の種類や有効性の面から、QC活性、及び特性を低下するエフェクターとして、イミダゾール、及びその誘導体、並びにヒスチジン、及びその誘導体を提供する。構造、及びKi-値は、表2、及び3に示した。この結果は、実施例に詳細に記述する。
【0077】
【表2】




【0078】
【表3】

【0079】
驚くことに、該酵素活性の性質決定の間に、N-末端グルタミニル残基に加えて、N-末端β-ホモ-グルタミニル残基も、植物、及び動物由来のQCの基質としての特性を満たすことが、本発明により示された。該N-末端β-ホモ-グルタミニル残基は、それぞれヒト、及びパパイヤQCの触媒により、5員環ラクタム環に変換された。
本発明の他の好ましい実施態様は、QC阻害剤のスクリーニング方法を含む。
【0080】
化合物群からQC阻害剤を同定する、好ましいスクリーニング方法は、下記ステップを含む:
a) 前記化合物と、QCとを、結合できるであろう条件下で接触させる;
b) QCの基質を加える;
c) 該基質の変換をモニタリングする、又は任意に剰余QC活性を測定する;及び
d) QCの該基質変換、及び/又は酵素活性の変化を計算し、活性改質エフェクターを同定する。
【0081】
他の好ましいスクリーニング方法は、QCの金属イオンを結合した活性部位と直接的に、又は間接的に相互作用する阻害剤の同定、及び選択方法に関するものであり、下記ステップを含む:
a) 前記化合物と、QCとを、結合できるであろう条件下で接触させる;
b) QCにより変換を受けるQCの基質を加える;
c) 該基質の変換をモニタリングする、又は任意に剰余QC活性を測定する;及び
d) QCの該基質変換、及び/又は酵素活性の変化を計算する。ここで、変化を、QCの活性改質エフェクターを同定するように使用してもよい。
上述のスクリーニング方法の使用に好ましいものは、哺乳類QC、又はパパイヤQCである。特に好ましいのは、これらのスクリーニング方法により同定される該阻害剤は、哺乳類、特にヒトの疾患の治療に使用されるので、哺乳類QCである。
【0082】
本発明のQC-阻害剤、及び/又は組合せを哺乳類に投与することにより、下記からなる群から選択された状態を予防、又は緩和、若しくは治療することができる:
アルツハイマー病、ダウン症候群、潰瘍性疾患及び胃癌又はヘリコバクターピロリ感染、新形成、炎症性宿主反応、癌、メラノーマ、悪性転移、乾癬、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化、内皮細胞の白血球接着及び移行プロセス、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、及び体液の障害性調節である。
さらに、本発明のQC-阻害剤、及び/又は組合せを、哺乳類に投与することにより、骨髄球系前駆細胞の増殖を刺激することができる。
さらに、本発明のQC-阻害剤、及び/又は組合せを投与することにより、オスの任性を抑制することができる。
【0083】
好ましい実施態様において、本発明は、QC、及び/又はDP IV活性の調節により治療され得る状態を治療、又は緩和するために、DP IV阻害剤、又はDP IV-様酵素と組合わせた、QC/EC活性阻害剤の使用を提供する。
好ましい実施態様において、本発明は、QC/EC、及び/又はPEP活性の調節により治療され得る状態を治療、又は緩和するために、PEPの阻害剤と組合わせた、QC/EC活性阻害剤の使用を提供する。
さらに、ニューロン疾患の治療に対して、NPY-レセプター-リガンド、NPYアゴニスト、及び/又はNPYアンタゴニストを組合わせた、少なくとも1つのQC-阻害剤の使用が好ましい。
さらに、ニューロン疾患の治療に対して、少なくとも1のアセチルコリンエステラーゼ(ACE)阻害剤を組合わせた、少なくとも1つのQC-阻害剤の使用が好ましい。
【0084】
本発明は、任意に、通例のキャリア、及び/又は賦形剤を組み合わせた、少なくとも1のQC(EC)阻害剤を含み;若しくは、少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンドと、任意に通例のキャリア、及び/又は賦形剤とを組合わせた、少なくとも1のQC(EC)阻害剤を含む、非経口、経腸、又は経口投与用医薬組成物を提供する。
これらの組合せは、行動的状態に特に有利な効果を提供し、かつ従って、これらの組合せは、ニューロン疾患(アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆)の治療に有効、かつ有用であることを示す。
【0085】
従って、本発明は、ニューロン疾患(アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆)の治療方法を提供する。
該方法は、QC-阻害剤、及び/又は少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又は少なくとも1のACE-阻害剤の同時投与、若しくは、これらの経時投与を含む。
【0086】
同時投与は、少なくとも1のQC-阻害剤、及び/又は少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又は少なくとも1のACE-阻害剤を含む製剤の投与、若しくは各薬剤の個々の製剤の本質的な同時投与を含む。
他の態様において、本発明は、ニューロン疾患治療用組成物の製造に使用するための、少なくとも1のQC-阻害剤、及び/又は少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又は少なくとも1のACE-阻害剤の使用を提供する。
【0087】
本発明は、任意に、通例のキャリア、及び/又は賦形剤を組み合わせた、少なくとも1のQC(EC)阻害剤を含み;若しくは、少なくとも1のDP IV-阻害剤と、任意に通例のキャリア、及び/又は賦形剤とを組合わせた、少なくとも1のQC(EC)阻害剤を含む、非経口、経腸、又は経口投与用の医薬組成物を提供する。
【0088】
適切なプロリルエンドペプチダーゼの阻害剤は、例えば、プロリンの化学的誘導体、又は末端プロリンを含む小ペプチドである。ベンジルオキシカルボニル-プロリル-プロリナールが、該酵素の特定の遷移状態阻害剤(transition state inhibitor)となることを示している(Wilk, S.、及びOrloeski, M.の論文、J. Neurochem.、41、69 (1983)、Friedman, らの論文、Neurochem., 42、237 (1984))。L-プロリン、又はL-プロリルピロリジンのN-末端置換(Atack, らの論文、Eur. J. of Pharm., 205、157-163 (1991)、JP 03-56,460、EP 384,341)、並びにカルボキシ末端でプロリナールを含む、N-ベンジルオキシカルボニル (Z) ジペプチドの変形体が、プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤として合成されている(Nishikata, らの論文、Chem. Pharm. Bull. 34(7)、2931-2936 (1986)、Baker, Aらの論文、Bioorganic & Medicinalの論文 Chem. Letts., 1(11)、585-590 (1991))。該コア構造のチオプロリン、チアゾリジン、及びオキソピロリジン置換体が、プロリルエンドペプチダーゼを阻害することが報告されている(Tsuru, らの論文、J. Biochem., 94、1179 (1988)、Tsuru, らの論文、J. Biochem., 104、580-586 (1988)、Saito らの論文. J. Enz. Inhib. 5、51-75 (1991)、Uchida, I., らの国際特許出願WO 90/12,005、JP 03-56,461、JP 03-56,462)。類似して、多くのフッ化ケトン誘導体を含む、該カルボキシ末端プロリンの様々な改質が行われている。フッ化ケトン誘導体の一般的合成は、記載されている(Angelastro, M.R.,らの論文、Tetrahedron Letters 33(23)、3265-3268 (1992))。アシル-プロリン、又はアシルペプチド-プロリン(Z-Gly-Pro-CH2Cl)のクロロメチルケトン誘導体のような、他の化合物は、該酵素活性部位をアルキル化することにより、該酵素を阻害することが示されている(Yoshimoto, T.,らの論文、Biochemistry 16、2942 (1977))。
【0089】
EP-A-0 286 928には、プロピルエンドペプチダーゼ阻害剤として有用である2-アシルピロリジン誘導体が開示されている。
さらに、本発明の適切なプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤は、Fmoc-Ala-Pyrr-CN、及び下記リストのものがある:
【0090】
【化17】

【0091】
さらに、本発明の適切なプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤は、下記の公報に開示されている:JP 01-042465、JP 03-031298、JP 04-208299、WO 00/71144、US 5,847,155; JP 09-040693、JP 10-077300、JP 05-331072、JP 05-015314、WO 95/15310、WO 93/00361、EP 0 556 482、JP 06-234693、JP 01-068396、EP 0 709 373、US 5,965,556、US 5,756,763、US 6,121,311、JP 63-264454、JP 64-000069、JP 63-162672、EP 0 268 190、EP 0 277 588、EP 0 275 482、US 4,977,180、US 5,091,406、US 4,983,624、US 5,112,847、US 5,100,904、US 5,254,550、US 5,262,431、US 5,340,832、US 4,956,380、EP 0 303 434、JP 03-056486、JP 01-143897、JP 12-26880、EP 0 280 956、US 4,857,537、EP 0 461 677、EP 0 345 428、4JP 02-275858、US 5,506,256、JP 06-192298、EP 0 618 193、JP 03-255080、EP 0 468 469、US 5,118,811、JP 05-025125、WO 93/13065、JP 05-201970、WO 94/12474、EP 0 670 309、EP 0 451 547、JP 06-339390、US 5,073,549、US 4,999,349、EP 0 268 281、US 4,743,616、EP 0 232 849、EP 0 224 272、JP 62-114978、JP 62-114957、US 4,757,083、US 4,810,721、US 5,198,458、US 4,826,870、EP 0 201 742、EP 0 201 741、US 4,873,342、EP 0 172 458、JP 61-037764、EP 0 201 743、US 4,772,587、EP 0 372 484、US 5,028,604、WO 91/18877、JP 04-009367、JP 04-235162、US 5,407,950、WO 95/01352、JP 01-250370、JP 02-207070、US 5,221,752、EP 0 468 339、JP 04-211648、及びWO 99/46272である。これらの技術文献は、全体として、引用により、特に、これらの阻害剤、これらの定義、使用、及びこれらの製造に関して、本明細書中に取り込まれている。
【0092】
適切なDP IV-阻害剤は、テトラヒドロイソキノリン-3-カルボキサミド誘導体、N-置換2-シアノピロール、及び-ピロリジン、N-(N'-置換グリシル)-2-シアノピロリジン、N-(置換グリシル)-チアゾリジン、N-(置換グリシル)-4-シアノチアゾリジン、ボロニル阻害剤、及びシクロプロピル-溶融ピロリジンのような薬剤がある。ジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤は、下記公報に開示されている:US 6,011,155; US 6,107,317; US 6,110,949; US 6,124,305; US 6,172,081; WO 99/61431、WO 99/67278、WO 99/67279、DE 198 34 591、WO 97/40832、DE 196 16 486 C 2、WO 95/15309、WO 98/19998、WO 00/07617、WO 99/38501、WO 99/46272、WO 99/38501、WO 01/68603、WO 01/40180、WO 01/81337、WO 01/81304、WO 01/55105、及びWO 02/02560、WO 01/34594、WO 02/38541 (日本)、WO 02/ 083128、WO 03/072556、WO 03/002593、WO 03/000250、WO 03/000180、WO 03/000181、及びEP 1 258 476、WO 03/00002553、WO 03/00002531、及び、WO 03/00002530、WO 03/004496、WO 03/004498、WO 03/024942、WO 03/024965、WO 03/033524、WO 03/035057、WO 03/035067、WO 03/037327、WO 03/040174、WO 03/045977、WO 03/055881、WO 03/057144、WO 03/057666、WO 03/068748、WO 03/068757、WO 03/082817、WO 03/101449、WO 03/101958、WO 03/104229、WO 03/74500、WO 04/007446、WO 04/007468、WO 04/018467、WO 04/018468、WO 04/018469、及びWO 04/026822である。その技術文献の全体が、引用により、該阻害剤、これらの製造、及びこれらの使用に関し、本明細書中に取り込まれている。
好ましいDP IV-阻害剤は、バリンピロリジド(Novo Nordisk社)、Hughes らの論文Biochemistry、38 (36)、11597-11603、1999に開示されているNVP-DPP728A (1-[[[2-[{5-シアノピリジン-2-イル}アミノ]エチル]アミノ]アセチル]-2-シアノ-(S)-ピロリジン)(Novartis社)、Hughesらの論文、Meeting of the American Diabetes Association 2002、Abstract no. 272に開示されている又は(Novartis社)のLAF-237(1-[(3-ヒドロキシ-アダマント-1-イルアミノ)-アセチル]-ピロリジン-2(S)-カルボニトリル)、Yamadaらの論文、Bioorg. & Med. Chem. Lett. 8 (1998)、1537-1540に開示されているTSL-225(トリプトフィル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸)、Asworthらの論文、Bioorg. & Med. Chem. Lett.、6、No. 22、pp 1163-1166、及び2745-2748 (1996)に開示されている2-シアノピロリジド,及び4-シアノピロリジド、Sudreらの論文Diabetes 51 (5)、pp 1461-1469 (2002)(Ferring社)に開示されているFE-999011([(2S)-1-([2'S]-2'-アミノ-3',3'ジメチル-ブタノイル)-ピロリジン-2-カルボニトリル])、Randhawa SAらの研究ACS Meeting 2003、226th:New York (MEDI 91)により開示されているGW-229A(GlaxoSmithKline社)、815541(Tanabe/GlaxoSmithKline社)、MK-431(Merck&Co社)、PT-100(Point Therapeutics社)、及びWO 01/34594(Guilford社)に開示されている化合物があり、前記引用例に定められた投与量を使用する。
【0093】
疑いを避けるために、前述の各出版物に開示されている例は、個々に開示された化合物として、その全体を引用により明確に取り込んでおり、特にこれらの構造、これらの定義、使用、及びこれらの製造に関する。
QC-阻害剤と組合わせて、本発明に従って使用され得る他の適切な薬剤には、NPY、NPY模倣体、又はNPYアゴニスト又はアゴニスト、若しくは該レセプターのリガンドがある。
本発明に好ましいのは、該NPYレセプターのアンタゴニストである。
該NPYレセプターの適切なリガンド、又はアンタゴニストは、WO 00/68197に記載されている3a,4,5,9b-テトラヒドロ-1h-ベンゾ[e]インドール-2-イルアミン誘導化合物である。
【0094】
記載され得るNPYレセプターアンタゴニストには、欧州特許出願EP 0 614 911、EP 0 747 357、EP 0 747 356、及びEP 0 747 378;国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 96/12489、WO 97/19914、WO 96/22305、WO 96/40660、WO 96/12490、WO 97/09308、WO 97/20820、WO 97/20821、WO 97/20822、WO 97/20823、WO 97/19682、WO 97/25041、WO 97/34843、WO 97/46250、WO 98/03492、WO 98/03493、WO 98/03494、及びWO 98/07420;WO 00/30674、米国特許番号第5,552,411、第5,663,192、及び第5,567,714; 第6,114,336、日本特許出願JP 09-157253;国際特許出願WO 94/00486、WO 93/12139、WO 95/00161、及びWO 99/15498;米国特許番号No.5,328,899;ドイツ特許出願DE 393 97 97;欧州特許出願 EP 355 794、及びEP 355 793;及び日本特許出願JP 06-116284、及びJP 07-267988があり、これらの文献すべての開示は、引用により本明細書中に取り込まれている。好ましいNPYアンタゴニストには、これらの特許文献に具体的に開示されている化合物がある。さらに好ましい化合物には、アミノ酸、及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストがある。記載され得るアミノ酸、及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストには、欧州特許EP 0 614 911、EP 0 747 357、EP 0 747 356、及びEP 0 747 378;国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 96/12489、WO 97/19914、WO 96/22305、WO 96/40660、WO 96/12490、WO 97/09308、WO 97/20820、WO 97/20821、WO 97/20822、WO 97/20823、WO 97/19682、WO 97/25041、WO 97/34843、WO 97/46250、WO 98/03492、WO 98/03493、WO 98/03494、WO 98/07420、及びWO 99/15498;米国特許番号第5,552,411、第5,663,192、及び第5,567,714;及び日本特許出願JP 09-157253に開示されている化合物がある。好ましいアミノ酸、及び非-ペプチド-ベースのNPYアンタゴニストには、これらの特許文献に具体的に開示されている化合物がある。
【0095】
特に好ましい化合物は、アミノ酸-ベースのNPYアンタゴニストである。記載され得るアミノ酸-ベースの化合物には、国際特許出願WO 94/17035、WO 97/19911、WO 97/19913、WO 97/19914、又は好ましくはWO 99/15498に記載されている化合物がある。好ましいアミノ酸-ベースのNPYアンタゴニストには、これらの文献に具体的に記載されているものがあり、例えばBIBP3226、及び特に(R)-N2-(ジフェニルアセチル)-(R)-N-[1-(4-ヒドロキシ-フェニル)エチル]アルギニンアミド (国際特許出願WO 99/15498の実施例4)がある。
疑いを避けるために、前述の各出版物に開示されている例は、個々に開示された化合物として、特にこれらの構造、これらの定義、使用、及びこれらの製造に関して、その全体を引用により明確に取り込まれている。
【0096】
好ましいDP IV-阻害剤は、ジペプチド様化合物として以下に記載した、ジペプチド-様化合物、及びアミノ酸とチアゾリジン又はピロリジン基とから形成されたジペプチド化合物に類似した化合物、並びにこれらの塩である。好ましくは、該アミノ酸と該チアゾリジン又はピロリジン基は、アミド結合で結合している。前記化合物は、WO 99/61431に記載されている。
ジペプチド様化合物が、本発明の目的に特に適切であり、該化合物のアミノ酸は、好ましくは、例えばロイシン、バリン、グルタミン、グルタミン酸、プロリン、イソロイシン、アスパラギン、及びアスパラギン酸のような天然アミノ酸から選択される。
【0097】
本発明に使用される該ジペプチド様化合物は、血漿ジペプチジルペプチダーゼIVの活性低下、又は少なくとも10%、特に、少なくとも40%のDP IV類似体酵素活性低下となる、10μMの(ジペプチド化合物の)濃度で示される。頻繁に、少なくとも60%、又は少なくとも70%の活性低下も要求される。また、好ましい薬剤は、最大20%、又は30%の活性低下を示し得る。
【0098】
好ましい化合物は、N-バリルプロリル、O-ベンゾイルヒドロキシルアミン、アラニル ピロリジン、イソロイシルチアゾリジン様L-アロ-イソロイシルチアゾリジン、L-トレオ-イソロイシルピロリジン、及びこれらの塩、特にフマル酸塩、並びにL-アロ-イソロイシルピロリジン、及びその塩である。特に好ましい化合物は:
【0099】
【化18】

【0100】
式8、及び9のグルタミニルピロリジン、及びグルタミニルチアゾリジンである。
さらに好ましい化合物を、表4に示す。
該ジペプチド様化合物の塩は、ジペプチド(-類似体)成分:塩成分のモル比が、1:1、又は2:1で存在し得る。このような塩は、例えば、(Ile-チア)2フマル酸がある。
【0101】
【表4】

【0102】
さらに好ましいDP IV-阻害剤は、
(1)例えば、t-ブチル-Gly-Pro-D-Val、t-ブチル-Gly -Pro-Gly、t-ブチル-Gly -Pro-Ile、t-ブチル-Gly -Pro-Ile-アミド、t-ブチル-Gly-Pro-t-ブチル-Gly、t-ブチル-Gly-Pro-Valのような、WO 03/002593に開示されているようなペプチド構造、
(2)例えば、2-メチルカルボニル-1-N-[(L)-アラニル-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン臭化水素酸塩; 2-メチル)カルボニル-1-N-[(L)-バリニル-(L)-プロリル-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン臭化水素酸塩; 2-[(アセチル-オキシ-メチル)カルボニル]-1-N-[(L)-アラニル-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン臭化水素酸塩; 2-[ベンゾイル-オキシ-メチル)カルボニル]-1-N-[{(L)-アラニル}-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン臭化水素酸塩; 2-{[(2,6-ジクロロベンジル)チオメチル]カルボニル}-1-N-[{(L)-アラニル}-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン; 2-[ベンゾイ-ルオキシ-メチル)カルボニル]-1-N-[グリシル-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン臭化水素酸塩; 2-[([1,3]-チアゾール-2-イル)カルボニル]-1-N-[{(L)-アラニル}-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン トリフルオロ酢酸塩; 2-[(ベンゾチアゾール-2-イル)カルボニル]-1-N-[N-{(L)-アラニル}-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン トリフルオロ酢酸塩; 2-[(-ベンゾチアゾール-2-イル)カルボニル]-1-N-[{(L)-アラニル}-グリシル]-(2S)-ピロリジン トリフルオロ酢酸塩; 2-[(ピリジン-2-イル)カルボニル]-1-N-[N-{(L)-アラニル}-(L)-バリニル]-(2S)-ピロリジン トリフルオロ酢酸塩のような、WO 03/033524に開示されているようなペプチジルケトン、
(3)例えば、1-シクロペンチル-3-メチル-1-オキソ-2-ペンタナミニウムクロライド、1-シクロペンチル-3-メチル-1-オキソ-2-ブタナミニウムクロライド、1-シクロペンチル-3,3-ジメチル-1-オキソ-2-ブタナミニウムクロライド、1-シクロヘキシル-3,3-ジメチル-1-オキソ-2-ブタナミニウムクロライド、3-(シクロペンチルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニウムクロライド、及びN-(2-シクロペンチル-2-オキソエチル)シクロヘキサナミニウムクロライドのような、WO 03/040174に開示されているような置換アミノケトン化合物、
(4)WO 01/14318に開示されているような、側鎖修飾DP IV-阻害剤、及び
(5)WO 99/67278、及びWO 99/67279に開示されているような、DP IV-阻害剤のプロドラッグである。
疑いを避けるために、(1)〜(5)の前述の各出版物に開示されている例は、個々に開示された化合物として、その全体を引用により明確に取り込んでおり、特にこれらの構造、これらの定義、使用、及びこれらの製造に関する。
【0103】
(医薬組成物)
本発明の医薬組成物を製造するために、任意に、少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又は少なくとも1のACE-阻害剤を組合わせた、少なくとも1のQCエフェクターを、活性成分として使用することができる。該活性成分を、従来の医薬配合技術により、医薬キャリアと完全に混合することができ、該キャリアは、例えば、経口、又は筋内のような非経口投与に所望される製剤の形態に依存する、多種多様の形態にすることができる。
【0104】
経口投与形態の該組成物の製造において、幾つかの通常の医薬媒体を使用してもよい。従って、例えば、懸濁液、エリキシル剤、及び溶液のような、液体の経口用製剤にとって、適切なキャリア、及び添加剤は、水、グリコール、オイル、アルコール、香料、保存料、及び着色剤などであり;例えば、粉末、カプセル、ジェルキャップ、及び錠剤のような、固体の経口用製剤にとって、適切なキャリア、及び添加剤は、デンプン、糖類、希釈剤、顆粒化剤、滑剤、結合剤、及び崩壊剤などである。投与の容易さのために、錠剤、及びカプセルが、最も有利な経口投与単位形態であり、当然、固体医薬キャリアの場合に使用される。所望であれば、錠剤を、標準的技術により、糖衣、又は腸溶性の被覆をしてもよい。通常、非経口投与用のキャリアは、滅菌水であろう。しかし、例えば、溶解性を助ける目的の、又は保存用の他の成分を含んでもよい。
【0105】
また、注射可能な懸濁液を調製することができ、その場合の適切な液体キャリア、及び懸濁化剤などを使用してもよい。本明細書中の医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、注射、及び茶さじ1杯(teaspoonful)などのような投与単位ごとに、前述した有効量の輸送に必要な量の活性成分を含むであろう。本明細書中の該医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、注射、及び茶さじ1杯などのような投与単位ごとに、約0.03 mg〜100 mg/Kg(好ましくは0.1〜30 mg/Kg)の各活性成分、又はこれらの組合せを含み、1日につき、約0.1〜300 mg(好ましくは1日につき1〜50 mg/Kg)の投与量で与えてもよい。しかし、該投与量は、患者の要求治療される状態の重症度、及び使用される化合物に依存して変えてもよい。
【0106】
好ましくは、これらの組成物は;経口、非経口、経鼻、舌下、又は直腸投与に対して、若しくは吸入、又は吹送による投与に対して、錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、滅菌非経口溶液又は懸濁液、計量エアロゾル(metered aerosol)又は液体スプレー、ドロップ、アンプル、自動注入装置、又は坐薬のような単位投与量形態である。あるいは、該組成物を、週1回、又は月1回の投与に適した形態に調製することができ、例えば、デカン酸塩のような活性のある化合物の不溶性塩を、筋肉注射用デポ製剤の製造に適合させてもよい。錠剤のような固体組成物の製造では、該主要な活性成分を、例えば、トウモロコシ、デンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、又はゴムなどの従来の錠剤成形成分、及び例えば水などの他の医薬希釈剤のような、医薬キャリアと混合し、本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩の均一混合物を含む、固体予備処方組成物を形成する。これらの均一の予備処方組成物に関して、該組成物は、容易に、錠剤、ピル、及びカプセルのような均一で有効な投与形態にさらに分割することができるので、該活性成分は、該組成物の全体に均一に分散していることを意味する。次に、この固体予備処方組成物を、本発明の各活性成分、又はこれらの組合せを0.1〜約500 mg含む、前述の単位投与量形態に分割する。
【0107】
持続性作用の効果を持つ投与形態を提供するように、本発明の組成物の錠剤、又はピルを、コートするか、又は混合することができる。例えば、該錠剤、又はピルは、内部製剤(inner dosage)、及び外部製剤(outer dosage)を含み、後者は、前者の一面を包む形態である。該2つの成分を、胃での分解に耐える働きをする腸溶性層で分離させ、該内部成分が、十二指腸内に無傷で通過すること、又は放出を遅らせることを可能にし得る。前記腸溶性層、又はコーティング剤として、様々な物質を使用することができ、前記物質には、セラック、セチルアルコール、及び酢酸セルロースのような物質を有する、多くの重合体の酸がある。
【0108】
本発明の組成物を、経口的投与のために、又は注射により、取り込むことができる、この液体形態には、水溶液、適切に風味をつけたシロップ、水性又はオイル懸濁液、及び綿実油、ごま油、ココナッツ油、又はピーナッツ油のような食用油とともに、風味をつけたエマルション、並びにエリキシル剤、及び類似の医薬ビヒクルがある。水性懸濁液用の適切な分散剤、又は懸濁化剤には、トラガカント、アカシア、アルギネート(アルギン酸塩、又はエステル)、デキストラン、ナトリウム カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチンのような合成及び天然ゴムがある。
【0109】
本発明の化合物の製造プロセスが、立体異性体の混合物を生じる場合、これらの異性体を、分取クロマトグラフィーのような従来の技術により分離することができる。該化合物を、ラセミ体で製造してもよく、又はエナンチオ特異的合成により、又は分割により、個々のエナンチオマーを製造してもよい。例えば、(-)-ジ-p-トルオイル-d-酒石酸、及び/又は(+)-ジ-p-トルオイル-l-酒石酸のような光学活性酸を用いた塩形成によるジアステレオマー対の形成、続いて、分別結晶、及び該遊離塩基の再生のような、標準的技術により、該化合物を、これらの成分エナンチオマーに分割することができる。また、該化合物を、ジアステレオマーのエステル、又はアミドの形成、続いて、クロマトグラフィーの分離、及び該キラル補助基の除去により、分割することができる。あるいは、該化合物を、キラルHPLCカラムを用いて分割することができる。
【0110】
本発明の化合物の全製造プロセスの間に、関係する全ての分子上の感受性、又は反応性基を保護することを必要、及び/又は所望としてもよい。これは、有機化学(Organic Chemistry)、ed. J.F.W. McOmie、Plenum Press、1973中の保護基の項;及びT.W. Greene & P.G.M. Wuts、有機合成(Organic Synthesis)、John Wiley & Sons、1991中の保護基の項に記載されているような、従来の保護基の方法により、実現することができる。該保護基を、都合のよい次の段階で、該技術から公知である従来の方法を用いて除去することができる。
【0111】
また、本発明に記載したニューロン疾患の治療方法を、任意に少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又はACE-阻害剤、又は本明細書中で規定したような、すべての他の化合物、及び医薬として許容し得るキャリアと組合わせて、少なくとも1のQCエフェクターで、医薬組成物を用いて実行することができる。該医薬組成物は、各化合物の約0.01 mg〜100 mg、好ましくは5〜50 mgを含むことができ、かつ選択される投与様式に適した形態に構成することができる。キャリアは、必要な、及び不活性な医薬賦形剤を含み、制限されないが、結合剤、懸濁化剤、滑剤、風味剤、甘味料、保存料、染料、及びコーティング剤がある。経口投与に適した組成物は、ピル、錠剤、カプレット、カプセル(それぞれ、即時放出、徐放、及び持続放出配合を含む。)、顆粒、及び粉末のような固体形態、及び溶液、シロップ、エリキシル剤、エマルション、及び懸濁液のような液体形態がある。非経口投与に有用な形態には、滅菌溶液、エマルション、及び懸濁液がある。
都合のよいことに、本発明の化合物を、毎日1回の投与量で投与してもよく、又は1日当りの総量を、毎日2、3、又は4回に分割した投与量で投与してもよい。さらに、本発明の化合物を、当業者に公知である、適切な経鼻投与ビヒクルの局所使用を介して、又は経皮的な皮膚パッチ剤を介して、経鼻投与形態で投与することができる。経皮的な輸送システムの形態で投与するためには、もちろん、該投与法の間中、該投与は、断続的よりもむしろ、持続的となるであろう。
【0112】
例えば、錠剤、又はカプセルの形態で経口投与するために、該活性薬剤成分を、エタノール、グリセロール、及び水などのような、経口的な、無毒性の医薬として許容し得る不活性キャリアと組み合わせることができる。さらに、所望、又は必要とする場合、適切な結合剤;滑剤、崩壊剤、及び着色剤を、該混合物に組み入れてもよい。適切な結合剤には、制限はないが、デンプン、ゼラチン、グルコース又はベータラクトースのような天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガカント、又はオレイン酸ナトリウムのような天然、及び合成ゴム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムなどがある。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、及びキサンタンガムなどがある。
【0113】
該液体は、例えば、トラガカント、アカシア、及びメチル-セルロースなどの合成、及び天然ゴムのような、適切な風味をつけた懸濁剤、又は分散剤で構成する。非経口的投与にとって、滅菌懸濁液、及び溶液が所望される。静脈内投与が所望される場合、一般的に適切な保存料を含む等張製剤を使用する。
また、本発明の化合物、又は組合せを、小さい単層小胞、大きい単層小胞、及び多層小胞のような、リポソーム輸送システムの形態で投与することができる。リポソームを、コレステロール、ステアリルアミン、又はホスファチジルコリンのような、様々なリン脂質から形成することができる。
【0114】
また、本発明の化合物、又は組合せを、該化合物分子を結合させた個々のキャリアとしてモノクローナル抗体を用いることにより、運ぶことができる。また、本発明の化合物を、標的化薬剤キャリアとして溶解性ポリマーと結合させることができる。前記ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアルパルトアミド-エフェノール、又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリルリシンを含み得る。さらに、本発明の化合物を、薬剤の制御放出の実現に有用な生分解性ポリマー類と結合してもよく、該ポリマーには、例えば、ポリアクチック酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシブチエリック酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋、又は両親媒性ブロックコポリマーがある。
該扱われる疾患の治療が要求されるときには、本発明の化合物、又は組合せを、前述のすべての組成物によって、かつ該技術によって確立されている投与法に従って投与してもよい。
【0115】
該製品の毎日の投与量を、一日あたり哺乳類ごとに0.01〜1.000 mgの広い範囲に渡って変えてもよい。経口投与にとって、好ましくは、該組成物を、治療されるべき症候の調節に対して、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、150、200、250、及び500ミリグラムの各活性成分、又はその組合せを含む錠剤の形態で提供する。通常、該薬剤の有効量は、1日に約0.1 mg/kg体重〜約300 mg/kg体重の投与量水準で提供される。好ましくは、該範囲は、一日に約1 mg/kg体重〜約50 mg/kg体重である。該化合物、又は組合せを、1日に1〜4回で投与してもよい。
【0116】
投与されるべき最適の投与量を、当業者により容易に決定することができ、かつ使用される特定の化合物、投与様式、該製剤の強さ、投与様式、及び疾病状態の進行に伴って変化するであろう。さらに、患者年齢、体重、食事、及び投与時間を含む、治療を受ける特定の患者に関連した要因が、投与量の調節に必要となるであろう。
適切に、本発明の治療により提供される特に有益な効果は、該組合せの1つの化合物を単独で、及び本発明の組合せと同等の効果を提供する投与量で使用した場合の治療可能比と比較して、本発明の組合せによって治療可能比が改善されることである。
【0117】
好ましい態様において、本発明の治療により提供される特に有益な効果は、該個々の活性薬剤の効果から期待される制御と比較して、相乗効果となることが示される。
本発明のさらなる態様において、少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンドを有する少なくとも1のQC-阻害剤を組合わせた投与は、該組合せの薬剤に使用した、どちらかの薬剤を単独で2回投与して達成され得る効果よりも有益な効果を生じるであろう。
好ましい態様において、本発明の治療に従って使用する場合、該活性薬剤の各々の投与水準は、ニューロンの状態への純粋に添加剤効果から要求されているであろうものよりも低いだろう。
【0118】
また、本発明の治療は、個々の薬剤と比較して、pGlu-アミロイド-β-ペプチドの細胞内沈殿の減少、及びその結果による、哺乳類の脳内、好ましくはヒトの脳内のプラーク形成の劇的な減速において、改善をもたらすであろうことが考えられる。
さらなる態様において、また、本発明は、少なくとも1のPEP-阻害剤、及び/又は少なくとも1のDP IV-阻害剤、及び/又は少なくとも1のNPY-レセプター-リガンド、及び/又は少なくとも1のACE-阻害剤、及び医薬として許容し得るキャリアを任意に組合わせた、少なくとも1のQCエフェクターを含む、医薬組成物の製造方法を提供し、該方法は、QCエフェクター、及び/又はPEP-阻害剤、及び/又はDP IV-阻害剤、及び/又はNPY-レセプター-リガンド、及び/又はACE-阻害剤、抗肥満薬、及び医薬として許容し得るキャリアを混合することを含む。
好ましくは、該組成物は、適切な毎日の投与量に見合う量の単位投与量形態である。
【0119】
特に単位投与量を含む、該QC-阻害剤、該PEP-阻害剤、該DP IV-阻害剤、及び該NPY-レセプター-リガンドの適切な投与量は、イギリス、及びUS薬局方、Remingtonの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)(Mack Publishing社)、Martindale 特別な薬局方(The Extra Pharmacopoeia)(ロンドン、The Pharmaceutical Press) (例えば、31版、341ページ、及びその中で引用されているページを参照。)、又は前述の出版物などの参考テキストに記載、又は参照されているような、これらの化合物の単位投与量を含む、公知の投与量である。
【実施例】
【0120】
(本発明の実施例)
【表5】

【0121】
【表6】

【0122】
【表7】

【0123】
【表8】

【0124】
【表9】

【0125】
【表10】

【0126】
(前記実施例の合成)
【化19】

【0127】
【化20】

【0128】
【化21】

【0129】
【化22】

【0130】
(実施例1〜21)
1H-イミダゾール-1-プロパンアミンを、エタノール中で、対応するイソチオシアン酸塩と、8時間還流下で反応させた。その後、該溶媒を除去し、かつ該残留オイルを、塩化メチレンに溶解した。該有機相を、NaHCO3の飽和溶液、続いてNaHSO4、及び食塩水で2度洗浄し、乾燥し、続いて留去した。該残留固体を、酢酸エチルから再結晶し、本実施例のチオ尿素体を、80〜98%の収率で得た。
【0131】
(実施例22)
1H-イミダゾール-1-プロパンアミンを、エタノール中で、対応する2,3-ジメトキシ-イソシアン酸塩と、8時間還流下で反応させた。その後、該溶媒を除去し、かつ該残留オイルを、塩化メチレンに溶解した。該有機相を、NaHCO3の飽和溶液、続いてNaHSO4、及び食塩水で2度洗浄し、乾燥し、続いて留去した。該残留固体を、酢酸エチルから再結晶し、22を、85%の収率で得た。
【0132】
(実施例23〜30)
1H-イミダゾール-1-プロパンアミンを、1当量のトリエチルアミンを加えた塩化メチレン中で、対応する2-フェニルアセチルクロライドと反応させた。2時間後、該溶媒を除去し、かつ該残留オイルを、ラウェソンズ試薬(Laweson's Reagent)を加えたジオキサンに溶解した。1.5時間撹拌後に、NaHCO3の飽和溶液を加えた。ジオキサンを留去し、かつ該水相を、酢酸エチルの手段で抽出した。該有機相を分離し、乾燥し、かつ該溶媒を留去した。該残留固体を、アセチルアセテート/エーテルから再結晶し、22〜30を、62〜85%の収率で得た。
【0133】
(実施例31〜35)
全ての実施例は、対応するチオ尿素から、MeIと反応させ、チオウロニウム(thiouronium)塩を得ることにより作られる。これらの中間体を、ブタノール中に溶解し、かつシアナミドを加えた。還流下で8時間加熱後、ブタノールを除去し、かつ該残留オイルに、0.1 M HClを加えた。該水相を、pH10にして、かつ再度、塩化メチレンの手段により抽出した。次いで、該有機相を乾燥し、かつ留去し、31〜35を、40〜87%の収率で得た。
【0134】
(実施例36、37)
1H-イミダゾール-1-プロパンアミンを、該文献に従って、ω-ブロモ-アルキル-フタルイミド、イミダゾール塩、及び続くヒドラジン分解から調製した。該得られた生成物を、実施例1〜21に従ってチオ尿素体に変換し、88%(実施例36)、及び95%(実施例37)の収率で得た。
【0135】
(実施例38〜40)
イミダゾールを、1当量のNaHを利用して、DMF中の対応するブロモメチルフェニルシアニドと3時間室温で反応させ、1H-イミダゾール-1-メチルフェニルシアニドを得た。該溶媒を除去し、かつ該得られたオイルを、ジオキサン中に再溶解させた。該シアニドを、1当量のLiAlH4を用いて、該対応するアミンに変換した。KHSO4の飽和溶液を加えた後に、ジオキサンを留去し、かつ該水相を、CHCl3の手段で抽出した。該有機相を、減圧下で濃縮し、かつ該アミンを、実施例1〜21に従って、該対応するチオ尿素体に変換し、78%(実施例38)、及び65%(実施例39)、及び81%(実施例39)の収率で得た。
【0136】
(ペプチドの固相合成)
本明細書中で使用するペプチドを、改質されたFmoc-プロトコルを用いる自動合成機SYMPHONY(RAININ)で合成した。サイクルを、5倍過剰量のFmoc-アミノ酸、及び結合剤と、該ペプチドのC-末端からの第15番目のアミノ酸から二重結合を用いることにより改質した。該ペプチド結合を、25μmolのスケールで、0.23 mmol置換NovaSyn TGR-樹脂、又は該対応する前処置したWang-樹脂を用いて、TBTU/NMM-活性化により行った。該樹脂からの開裂を、94.5%TFA、2.5%水、2.5%EDT、及び1%TISからなる、開裂-混合物により行った。
【0137】
分析、及び分取HPLCを、Merck-Hitachi社のLiChrograph HPLCで、異なる勾配を用いて行った。該勾配を、2つの溶媒:A)H2O中の0.1%TFA、及び(B)アセトニトリル中の0.1%TFAから作った。分析HPLCを、次の条件で行った:溶媒を、UV検出器(l = 220 nm)を有する125-4 Nucleosil RP18-カラムを通して、15分に渡って5%-50%Bから、次に20分に渡って95%Bまでの勾配で、(1 ml/min)で流した。該ペプチドの精製を、ペプチド鎖長に依存して、様々な条件下で、250-20 Nucleosil 100 RP8-カラム、又は250-10 LiChrospher 300 RP18-カラム(流速6 ml/min、220 nm)の分取HPLCにより行った
該ペプチド、及びペプチド類似体の同定において、レーザー脱離質量分析計は、Hewlett-Packard社のHP G2025 MALDI-TOFシステムを使用した。
【0138】
(生物学的評価)
(実施例1):DP IV-阻害剤のIC50-値の測定
阻害剤の貯蔵液100μlを、100μlの緩衝液(HEPES pH 7.6)、及び50μlの基質(Gly-Pro-pNA、最終濃度0.4 mM)と混合し、かつ30℃で前保温した。精製したブタのDP IVを20μl添加して、反応を開始した。該生成物pNAの形成を、HTS 7000Plus プレートリーダー(Perkin Elmer)を用いて10分に渡り405 nmで測定し、かつスロープを保温した。該最終阻害剤濃度は、1 mM〜30 nMの間の範囲である。
IC50-値の計算には、GraFit 4.0.13(Erithacusソフトウェア)を使用した。
【0139】
(実施例2):DP IV-阻害剤のKi-値の測定
Ki-値の測定のために、DP IV活性を、最終基質濃度0.05、0.1、0.2、及び0.4 mM、及び、さらに該IC50濃度に及ぶ7阻害剤濃度で、実施例2に記載した方法と同様の方法で測定した。計算を、GraFitソフトウェアを用いて行った。
【0140】
(実施例3):プロリルエンドペプチダーゼ(PEP)酵素活性評価
PEPの酵素活性を、近年記載された(Schulzらの論文、2002、プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤による、イノシトール1,4,5-トリホスフェート濃度の調節、Eur J Biochem 269: 5813-5820)ように定量化した。前述のような細胞抽出物を、4つの細胞チェンジャーを備え、かつIBM-互換性パーソナルコンピューターにより制御されたKontron分光蛍光計SFM25(励起波長380 nm、発光波長460 nm、Kontron、Neufahrn、ドイツ)に、蛍光発生的な基質Z-Gly-Pro-NHMec(10μM;Bachem、Heidelberg、Germany)を用いて、該アッセイ緩衝液中で保温した。該得られたデータを、ソフトウェアFLUCOL(Machleidtら、1995)を用いて分析した。
【0141】
(実施例4):グルタミニルシクラーゼ活性評価
(蛍光分析評価法)
全ての測定を、マイクロプレート(Perkin Elmer)に対して、30℃で、BioAssay Reader HTS-7000Plusで行った。QC活性を、H-Gln-bNAを用いて、蛍光定量的に評価した。最終体積250μl内に、20 mMのEDTA、及び適切に希釈した一定分量のQCを含む0.2 Mトリス/HCl、pH 8.0の中に、0.2 mMの蛍光発生的基質、該試料0.25 U ピログルタミルアミノペプチダーゼ(Unizyme、Hrsholm、デンマーク)からなる。励起/発光波長は、320/410 nmとした。該評価反応は、グルタミニルシクラーゼの添加により開始した。QC活性を、評価条件下、β-ナフチルアミンの検量線から測定した。1単位は、前記条件下、1分につきH-Gln-βNAから1μmol pGlu-βNAの形成を触媒するQCの量として規定した。
【0142】
第二の蛍光分析評価法において、QCは、活性であり、基質としてH-Gln-AMCを用いて測定した。反応を30℃で、マイクロプレート用NOVOStarリーダー(BMG labtechnologies)を利用して行った。該試料は、最終体積250μl内に、5mMのEDTA、及び適切に希釈した一定分量のQCを含む0.05 Mトリス/HCl、pH 8.0の中に、該蛍光発生的基質、0.1 U ピログルタミルアミノペプチダーゼ(Qiagen)の異なる濃度からなる。励起/発光波長は、380/460 nmとした。該評価反応は、グルタミニルシクラーゼの添加により開始した。QC活性を、評価条件下、7-アミノ-4-メチルクマリンの検量線から測定した。該速度データを、GraFitソフトウェアを用いて評価した。
【0143】
(QCの分光光度的評価法)
この新規評価法を、ほとんどの該QC基質に対して、速度パラメーターを測定するように使用した。QC活性を、連続的な方法を用いて、分光光度的に分析した。該方法は、補助的な酵素としてグルタメートデヒドロゲナーゼを利用した、以前の非連続的評価法(Batemanの論文、R. C. J. 1989 J Neurosci Methods 30、23-28)をアレンジすることにより得られる。試料は、最終体積250μlの該個別のQC基質、3 mM NADH、14mM α-ケトグルタル酸、及び30 U/ml グルタメートデヒドロゲナーゼからなる。反応を、QCの添加により開始し、かつ8〜15分間、340 nmでの吸収の低下をモニタリングすることにより調べた。
該初期速度を評価し、かつ該酵素活性を、評価条件下で、アンモニアの検量線から測定した。すべての試料を、マイクロプレート用のSPECTRAFluor Plus、又はSunrise(両方ともTECAN社)リーダーを用いて、30℃で測定した。速度データを、GraFitソフトウェアを用いて評価した。
【0144】
(阻害剤評価法)
阻害剤試験のために、該試料組成物を、添加される推定上の阻害性化合物を除き、前述と同様のものとした。QC-阻害の迅速試験のために、試料は、4 mMの個別の阻害剤、及び1KMで基質濃度を含む。該阻害の詳細な調査、及びKi-値の測定のために、初めに、補助的な酵素の該阻害剤の影響を調査した。全ての場合において、検出された酵素の影響はなかった。従って、該QC阻害の信頼できる測定を可能にする。該阻害定数を、GraFitソフトウェアを用いて、一連のプログレス曲線と、競合阻害の一般的な式とを一致させることにより評価した。
【0145】
(実施例5):QCのエフェクターの特性
(イミダゾール誘導体)
5-員環の異なる位置に置換基を保有しているイミダゾール、及びベンゾイミダゾール誘導体を、QCの阻害剤として試験した(表3)。数字の構成は、該イミダゾール環を参照する。該適用した方法は、実施例1に記載されている。
(C-4(5)、及びC-4,5誘導体)
イミダゾール環の元来等しい4、又は5-位、又は両方の位置に置換基を保有している化合物が、ヒトQCの阻害に対して、減少した効力を示した。しかし、例外は、最も強力な阻害性化合物の1つであることが証明されている、N-ω-アセチル化ヒスタミンを含んでいた。これらの位置の小さい置換基は、イミダゾールと比較して、より小さい5-ヒドロキシメチル-4-メチル-イミダゾールの阻害定数により示されるように、結合のわずかな効果のみ有していた。これらの部位に結合した大きく、かつ、よりかさ高い基は、該酵素による化合物の結合を減少させ、又は消滅させた。試験した幾つかの他の置換基は、負の誘起、又はメソメリー効果を働くことが知られており、該イミダゾール環の電子密度を減少する。また、これらは、乏しい結合定数の原因となる。
【0146】
また、L-ヒスチジン、及びヒスチジンアミドのKi-値の違いは、結合上の電荷の幾つかの影響を示す。荷電した基質の静電的反発に対する証拠は、該基質の特異的研究により、既に示されている。すなわち、グルタミンアミドを、ヒトQCによる生成物に容易に変換されるが、基質としての遊離のグルタミンに再び活性が観測されることはない。
【0147】
(C-2誘導体)
試験した全ての誘導体は、イミダゾールのように、より弱いQCを示した。プロトンよりも大きい全ての置換基は、適切なQC-結合を妨害する。2-メチル-ベンゾイミダゾールのメチル基のために、該阻害定数は、約1桁下がる。ベンゾイミダゾール、及び2-アミノ-ベンゾイミダゾールのKi-値の比較により、非常に小さい関係が示された。さらに、該結果は、該影響が、電子変化に関連していないことを示している。
【0148】
(N-1誘導体)
ヒトQC阻害で試験した該イミダゾール誘導体の間に、イミダゾールを比較してKi-値が改善された、ほとんどの化合物が、1つの窒素原子で変化を示した。また、これらの化合物は、最も有効なQC阻害剤1-ベンジルイミダゾールの1つを含む。興味深いことに、この構造のわずかな変化は、阻害特性を損失させる。1-ベンゾイルイミダゾール、及びフェニルイミダゾールに対して見られるように、これらは、該実験条件下で不活性である。また、この場合において、該観測された変化は、該フェニル環の負のメソメリー効果ために該イミダゾール環の電子密度を減少させることだけに生じる。なぜなら、正の誘起効果を示す、該かさ高いトリメチルシリル基も、他の残基を比べて、結合の低下を示した。興味深いことに、この基の効果の低い化合物の1つは、1-アミノプロピル-イミダゾールであった。この化合物の小さい効果は、塩基性のアミノ基により生じる。なぜなら、該立体的に類似している化合物1-メチルイミダゾール、及び1-ビニルイミダゾールは、該活性部位への結合が改善されることを示した。従って、該正の荷電アミノ基は、該小さいKi-値の原因となり、この結果は、N-ω-アセチル化ヒスタミン(表3)、及びヒスタミン(表4)のKi-値の比較により確証される。
【0149】
(3,4、及び3,5誘導体化の効果)
4(5)位、又は両方の位置に置換基を含む該イミダゾール誘導体は、該酵素への結合に、制限された効果を有することが示された。該特定の置換基の効果は、L-ヒスタミンの阻害定数と、ヒスタミン、3-メチル-4-ヒスタミン、及び3-メチル-5-ヒスタミン(表4)の生分解における2つの中間体との比較により特定される。L-ヒスタミンは、そのアセチル化対応物と比較して、約1桁小さいKi-値を示した。1つの窒素のメチル化は、3-メチル-4-ヒスタミンの場合における効果の考えられる改善を得た。しかし、3-メチル-5-ヒスタミンを導くメチル化は、阻害活性の完全損失を生じる。従って、該観察された効果は、塩基性窒素原子に隣接する炭素原子の誘導体化のために、主に結合の立体的障害により生じるようである。おそらく、該塩基性窒素は、該酵素に結合する役割を担う。
【0150】
(実施例6):MALDI-TOF質量分析
マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析を、飛行線形時間分析計を備えたHewlett-Packard G2025 LD-TOFシステムを用いて行った。該機器は、337 nm窒素レーザー、電位加速源(5 kV)、及び1.0 mの飛行管を備えている。検出操作は、正イオンモードであり、かつシグナルを、パーソナルコンピューターに接続したLeCroy 9350Mデジタルストレージオシロスコープを用いて記録し、かつフィルターに通した。試料(5μl)を、等量の該マトリックス溶液と混合した。マトリックス溶液として、発明者らは、水(1/1、v/v)の1 mlアセトニトリル/0.1% TFA中に、30 mgの2',6'-ジヒドロキシアセトフェノン(Aldrich)、及び44 mgのクエン酸2アンモニウムを溶解させて調製したDHAP/DAHCを使用した。該マトリックス-検体-混合物の少量(≫1μl)を、プローブチップに移動させ、かつ直ぐに減圧チャンバー(Hewlett-Packard G2024A sample prep accessory)内で留去し、迅速、かつ一様な試料の結晶を確保した。
【0151】
Glu1-環化の長期試験のために、Aβ-誘導化ペプチドを、100μl 0.1 M 酢酸ナトリウム緩衝液、pH 5.2、又は0.1 Mビス-トリス緩衝液、pH 6.5で。30℃に保温した。ペプチドを、0.5 mM[Aβ(3-11)a]、又は0.15 mM[Aβ(3-21)a]濃度とし、かつ0.2 U QCを、全24時間加えた。Aβ(3-21)aの場合において、該評価法は、1%のDMSOを含んだ。異なる時間で、試料を、該アッセイチューブから除き、ZipTips(Millipore)を用いて、製造者説明書に従って抽出し、マトリックス溶液(1:1 v/v)と混合し、かつ次に該質量スペクトルを記録した。ネガティブコントロールは、QCを含まないか、又は加熱し不活性化した酵素を含む。該阻害剤の研究にとって、該試料組成物は、添加される阻害性化合物を除き、前述のものと同様である(5 mM ベンゾイミダゾール、又は2 mM 1,10-フェナントロリン)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類のアルツハイマー病、ダウン症候群、及びハンチントン舞踏病からなる群から選択される疾病の治療、又は予防用の薬剤を製造するための、グルタミニルシクラーゼ(QC)阻害剤の使用。
【請求項2】
該QC-阻害剤が、一般式1を有し、該式1の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化1】

(式中、nは、1、2、3、又は4であり、好ましくは2、又は3であり、特に2であり、かつAは、飽和、又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換、又は非置換であってもよく、かつ式中R1は、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;前記残基R1のすべては、任意に、互いに独立に置換されている。)。
【請求項3】
該QC-阻害剤が、一般式2を有し、該式2の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化2】

(式中、R1、R2、及びR3は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;前記残基R1、R2、及びR3のすべては、任意に、互いに独立に置換されている。)。
【請求項4】
該QC-阻害剤が、一般式2aを有し、該式2aの医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化3】

(式中Aは、分岐又は非分岐C1-C7アルキル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルケニル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルキニル鎖であり、あるいは式中Aは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【化4】

(式中、R6-R10は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環であり、好ましくはH、又はメチルであり、
式中、n、及びn1は、独立に、15であり、mは15であり、oは04であり、
式中、Bは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【化5】

(式中、D、及びEは、分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、又は複素環であり、
式中、Zは、CH、又はNであり、
式中、Xは、O、S、又はN-CNとすることができるが、但し、式(VIII)、及び(IX)において、Z = CHである場合、Xは、O、又はSであり、
式中、X1、X2、及びX3は、独立に、O、又はSであり、
式中、Yは、O、又はSであり、
式中、R11-R14は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、ハロゲニル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシル、カルボン酸エステル、カルボニル、カルバミド、カルビミド、チオカルバミド、又はチオカルボニルであり、
式中、R15、及びR16は、独立にH、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、又は分岐又は非分岐アルケニル鎖であり、
式中、R17、及びR18は、互いに独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリールであり、又は6個までの環原子で炭素環を形成するように結合することができ、
式中、nは、0、又は1であり、
任意に、前記残基のすべては、互いに独立に置換されている。)。)。)。
【請求項5】
該QC-阻害剤が、一般式3を有し、該式3の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化6】

(式中、nは、1、2、3、又は4であり、好ましくは2、又は3であり、特に2であり、かつAは、飽和又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換又は非置換としてもよく、式中R1、及びR2は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、及びR2は、互いに独立に、置換されている。)。
【請求項6】
該QC-阻害剤が、一般式4を有し、該式4の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化7】

(式中、nは、1、2、3、又は4、好ましくは2、又は3、特に2であり、かつAは、飽和又は不飽和複素環とすることができ、かつ置換又は非置換としてもよく、かつ式中R1、R2、及びR3は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、及びR3は、互いに独立に、置換されている。)。
【請求項7】
該QC-阻害剤が、一般式5を有し、該式5の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立に、置換されている。)。
【請求項8】
該QC-阻害剤が、一般式6を有し、該式6の医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、請求項1記載の使用:
【化9】

(式中、R1、R2、R3、R4、及びR5は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、アザ-アミノ酸、アミノ酸又はこれらの模倣体、アザ-ペプチド、ペプチド又はこれらの模倣体であり;任意に、前記残基R1、R2、R3、R4、及びR5は、互いに独立に、置換されている。)。
【請求項9】
式2aの化合物であって、その医薬として許容し得る塩を含み、すべての立体異性体、及び多形体を含む、前記化合物:
【化10】

(式中、Aは、分岐又は非分岐C1-C7アルキル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルケニル鎖、分岐又は非分岐C1-C7アルキニル鎖であり、又は
式中、Aは、下記から選択された化合物であり:
【化11】

(式中、R6-R10は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環であり、好ましくはH、又はメチルであり、
式中、n、及びn1は、独立に、15であり、mは15であり、oは04であり、
式中、Bは、下記からなる群から選択された化合物であり:
【化12】

(式中、D、及びEは、分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、又は複素環であり、
式中、Zは、CH、又はNであり、
式中、Xは、O、S、又はN-CNとすることができるが、但し、式(VIII)、及び(IX)において、Z = CHである場合、Xは、O、又はSであり、
式中、X1、X2、及びX3は、独立に、O、又はSであるが、化合物(XIV)において、X2、及びX3の少なくとも1つがSでなくてはならず、
式中、Yは、O、又はSであるが、R17、及びR18により形成される該炭素環が、該環において3員環である場合、YをOとすることができなくてもよく、
式中、R11-R14は、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリール、ヘテロアリール、複素環、ハロゲニル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシル、カルボン酸エステル、カルボニル、カルバミド、カルビミド、チオカルバミド、又はチオカルボニルであり、
式中、R15、及びR16は、独立にH、あるいは分岐、又は非分岐アルキル鎖、or 分岐、又は非分岐アルケニル鎖であり、
式中、R17、及びR18は、互いに独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、アリールであり、又は6個までの環原子で炭素環を形成するように結合することができ、
式中、nは、0、又は1であり、
任意に、前記残基のすべては、互いに独立に置換されている。)。)。)。
【請求項10】
Aが、m = 1-4、1,4-ジメチルフェニル、又は1,3-ジメチルフェニルを有する式(IV)のC3アルキル鎖、C3メチル分岐アルキル鎖、シクロアルキル-1,1-ジメチルである、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
D、及びEが、置換フェニルであり、該置換基が、オキシアルキル、チオアルキル、ハロゲニル、カルボン酸アルキルエステル、又はアリールエステルである、請求項9、又は10記載の化合物。
【請求項12】
D、及びEが、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、又はジヒドロベンゾオキサチインである、請求項9、又は10記載の化合物。
【請求項13】
Xが、Sである、請求項9〜12のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
Zが、Nである、請求項9〜13のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
R11、及びR14が、Hである、請求項9〜14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
R12、及びR13が、独立に、オキシアルキル、又はチオアルキル、ハロゲニル、又はカルボン酸アルキルエステルであり、あるいはR12、及びR13が結合して、ジヒドロベンゾジオキシン、ベンゾジオキソール、ベンゾジチオール、ジヒドロベンゾジチイン、ベンゾオキサチオール、ジヒドロベンゾオキサチインを形成している、請求項9〜15のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
R15、及びR16の少なくとも1つが、Hである、請求項9〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
R15、及びR16が、双方ともHである、請求項9〜17のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
Bが、下記式を有する、請求項9〜12のいずれか1項記載の化合物:
【化13】


【請求項20】
R17、及びR18が、独立に、H、あるいは分岐又は非分岐アルキル鎖、分岐又は非分岐アルケニル鎖、分岐又は非分岐アルキニル鎖、炭素環、又はアリールである、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がMeである、請求項19、又は20記載の化合物。
【請求項22】
R17、及びR18の1つが、Hであり、かつ他がフェニルである、請求項19、又は20記載の化合物。
【請求項23】
R17、及びR18が、6個までの環原子で炭素環を形成している、請求項19、又は20記載の化合物。
【請求項24】
医薬として使用する、請求項9〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
請求項9〜24のいずれか1項記載の化合物を少なくとも1つ含み、任意に、治療的に許容し得るキャリア、及び/又は賦形剤を組み合わせた、非経口、経腸、又は経口投与用の医薬組成物。
【請求項26】
活性治療剤として使用するために、さらに、PEP-阻害剤、DP IV/DP IV-様酵素の阻害剤、NPY-レセプターリガンド、NPYアゴニスト、NPYアンタゴニスト、及びACE阻害剤なる群から選択された薬剤を少なくとも1つ、並びに、そのための医薬として許容し得るキャリアを含む、請求項25記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記DP IV/DP IV-様酵素の阻害剤が、L-トレオ-イソロイシルピロリジド、L-アロ-イソロイシルチアゾリジド、L-アロ-イソロイシルピロリジド;及びそれらの塩、あるいはバリンピロリジド、NVP-DPP728A (1-[[[2-[{5-シアノピリジン-2-イル}アミノ]エチル]アミノ]アセチル]-2-シアノ-(S)-ピロリジン) LAF-237 (1-[(3-ヒドロキシ-アダマント-1-イルアミノ)-アセチル]-ピロリジン-2(S)-カルボニトリル);TSL-225(トリプトフィル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸)、FE-999011([(2S)-1-([2'S]-2'-アミノ-3',3'ジメチル-ブタノイル)-ピロリジン-2-カルボニトリル])、GW-229A、815541、MK-431、又はPT-100(Point Therapeutics社)からなる群から選択されたものである、請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記DP IV/DP IV-様酵素の阻害剤が、式(8)、及び(9)のグルタミニルピロリジン、及びグルタミニルチアゾリジンから選択されたもの、又はその医薬として許容し得る塩、好ましくは塩酸塩である、請求項26記載の医薬組成物:
【化14】


【請求項29】
前記NPYアンタゴニストが、3a,4,5,9b-テトラヒドロ-1h-ベンゾ[e]インドール-2-イルアミン、BIBP3226、及び(R)-N2-(ジフェニルアセチル)-(R)-N-[1-(4-ヒドロキシ-フェニル)エチル]アルギニンアミドから選択されたものである、請求項26〜28のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記PEP-阻害剤が、ベンジルオキシカルボニル-プロリル-プロリナール、N-末端置換L-プロリン、又はL-プロリルピロリジンのような、末端プロリン類を含むプロリン、又は小ペプチドの化学的誘導体、カルボキシ末端にプロリナールを含む、置換N-ベンジルオキシカルボニル(Z)ジペプチド、置換チオプロリン、置換チアゾリジン、置換オキソピロリジン、フッ素化ケトン誘導体を含む、カルボキシ末端修飾プロリン、アシル-プロリンのクロロメチルケトン誘導体、又はアシルペプチド-プロリン(Z-Gly-Pro-CH2Cl)、及び2-アシルピロリジン誘導体からなる群から選択されたものである、請求項26〜29のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記PEP-阻害剤が、Fmoc-Ala-Pyrr-CN、Z-321、ONO-1603、JTP-4819、及びS-17092からなる群から選択されたものである、請求項26〜29のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記ACE-阻害剤が、SDZ ENA 713 (リバスティグミン 酒石酸水素(+)-(S)-N-エチル-3-[(1-ジメチルアミノ)エチル]-N-メチルフェニルカルバメート)である、請求項26〜31のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項33】
ニューロン疾患、特にアルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、病原性精神病状態、統合失調症、障害性食料摂取、睡眠覚醒、エネルギー代謝の障害性ホメオスタティック調節、障害性自律機能、障害性ホルモンバランス、障害性調節、体液、高血圧症、発熱、睡眠調節不全、食欲不振、うつ病を含む不安関連疾患、てんかん、薬の離脱症状、及びアルコール依存症を含む発作、認知機能障害を含む神経変性障害、及び痴呆を治療するための、請求項25〜32のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。
【請求項34】
アルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン、及びハンチントン舞踏病からなる群から選択されるニューロン疾患を治療する、請求項25〜33のいずれか1項記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2006−525276(P2006−525276A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505375(P2006−505375)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004773
【国際公開番号】WO2004/098591
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505403119)プロビオドルグ エージー (39)
【Fターム(参考)】