説明

コレステリルエステル転送蛋白阻害剤

式(I)


の化合物及び前記化合物の医薬的に許容可能な塩はCETP阻害剤であり、HDLコレステロールの上昇、LDLコレステロールの低減、及びアテローム性動脈硬化症の治療又は予防に有用である。式(I)の化合物において、A及びAは各々芳香環、5〜6員複素環、複素環に縮合した芳香環、複素環に縮合したフェニル環、又はシクロアルキル環であり、Zは芳香環又は複素環である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)を阻害し、従って、アテローム性動脈硬化症の治療及び予防に有用であると思われる類の化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アテローム性動脈硬化症とその臨床帰結である冠動脈心疾患(CHD)、脳卒中及び末梢血管障害は先進工業世界の保健医療制度の実に甚大な負担となっている。米国だけでも約1300万人の患者がCHDと診断されており、CHDの年間死亡者は50万人を上回る。更に、肥満症と糖尿病の多発は増加し続けているので、この数字は今後四半世紀の間に増加すると予想される。
【0003】
哺乳動物で循環リポ蛋白プロファイルの変動がアテローム性動脈硬化症及びCHDの危険と相関することは古くから認められている。冠動脈イベントの低減におけるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、特にスタチン類の臨床成功はアテローム性動脈硬化症の危険の増加と直接相関する値である循環低比重リポ蛋白コレステロール(LDL−C)の低下による。更に最近では、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL−C)値とアテローム性動脈硬化症の逆相関が疫学的研究により立証され、血清HDL−C値の低下がCHDの危険の増加につながるという結論に至っている。
【0004】
リポ蛋白値の代謝制御は多数の因子を伴う複雑で動的なプロセスである。ヒトにおける1つの重要な代謝制御はHDLからapoB含有リポ蛋白、特にVLDLへのコレステリルエステルの移動を触媒する血漿糖蛋白であるコレステリルエステル転送蛋白(CETP)である(Hesler,C.B.ら(1987)Purification and characterization of human plasma cholesteryl ester transfer protein.J.Biol.Chem.262(5),2275−2282参照)。生理条件下で、実反応はCETPがトリグリセリドをapoBリポ蛋白からHDLに輸送し、コレステロールエステルをHDLからapoBリポ蛋白に輸送する異種交換である。
【0005】
ヒトでは、CETPはコレステロールを肝臓から末梢組織に戻すプロセスであるコレステロール逆輸送に役割を果たす。興味深いことに、HDL値が高く、冠動脈心疾患になりにくいことが知られている齧歯類等の動物を含む多くの動物はCETPをもたない(Guyard−Dangremont,V.ら,(1998)Phospholipid and cholesteryl ester transfer activities in plasma from 14 vertebrate species.Relation to atherogenesis susceptibility,Comp.Biochem.Physiol.B Biochem.Mol.Biol.120(3),517−525参照)。CETP活性の自然変動の効果を冠動脈心疾患の危険と相関させた多数の疫学的研究が行われており、その中には少数の公知ヒトヌル突然変異に関する研究も含まれる(Hirano,K.−I.,Yamashita,S.and Matsuzawa,Y.(2000)Pros and cons of inhibiting cholesteryl ester transfer protein,Curr.Opin.Lipidol.11(6),589−596参照)。これらの研究は血漿HDL−C濃度とCETP活性の逆相関を明白に立証しており(Inazu,A.ら(2000)Cholesteryl ester transfer protein and atherosclerosis,Curr.Opin.Lipidol.11(4),389−396参照)、CETP脂質転送活性の薬理学的阻害はLDL値を低下しながらHDL−C値を増加することによりヒトに有益であると仮定される。
【0006】
シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))等のスタチン類により治療は著しく前進しているが、アテローム性動脈硬化症及び付随するアテローム硬化性疾患イベントの治療及び予防には約3分の1の危険低減しか得られていない。現状では、循環HDL−C値を良好に上昇させる薬理療法は殆どない。所定のスタチン類と所定のフィブラート類はHDL−C上昇率が低い。ナイアシンは臨床的に立証されているもののうちでHDL−Cを上昇させるために最も有効な治療薬であるが、フラッシング等の副作用などにより、患者のコンプライアンスの問題がある。HDLコレステロール値を安全且つ有効に上昇させる薬剤があるならば、既存療法を補うメカニズムにより循環脂質プロファイルを有意に改善できる薬理療法手段を提供することにより未解決の大きな医療上の要求に応えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
CETPを阻害する新規類の化合物が数種の製薬会社で研究中又は臨床試験中である。CETP阻害剤は現状では全く販売されていない。安全で有効な1種以上の医薬化合物を発見できるように、新規化合物が必要である。本明細書に記載する新規化合物は非常に強力なCETP阻害剤である。いずれも本願の優先日後に公開されたWO2005/100298及びWO2006/056854には所定の構造的に類似する化合物が記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の概要)
式I
【0009】
【化6】

の化合物と前記化合物の医薬的に許容可能な塩は下記効用をもつCETP阻害剤である。
【0010】
式Iのフェニル環Aは、式Iにおける置換基をもたない4つの位置のの1つの位置において−(CH)=の代わりに−N=を場合によりもつことができる。
【0011】
式Iの化合物において、
は、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)場合により1〜2個の二重結合を含む5〜7員非芳香族シクロアルキル環と縮合したフェニル環;
(c)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、カルボニル基又は−N(O)−基を含み、フェニル環とAの結合点が炭素原子である5〜6員複素環;並びに
(d)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、フェニル環とAの結合点がAの炭素原子であるベンゾ複素環
から構成される群から選択され;
は場合によりRから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
は、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)場合により1〜2個の二重結合を含む5〜7員非芳香族シクロアルキル環と縮合したフェニル環;
(c)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、カルボニル基又は−N(O)−基を含み、Aの結合点がAの炭素原子である5〜6員複素環;
(d)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、Aの結合点がAの炭素原子であるベンゾ複素環;並びに
(e)場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル環
から構成される群から選択され;
は場合によりRから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R及びRは、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、ハロゲン、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更にカルボニル基を含み、場合により更に1〜3個の二重結合を含む。)から構成される群から独立して選択され、
及びRが複素環、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cシクロアルキル及び−C(=O)C−Cシクロアルキルから構成される群から選択されるとき、R及びRの複素環と−C−Cシクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており、前記−C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜7個のハロゲンで置換されており、
及びRが−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから構成される群から選択されるとき、R及びRのアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR1011、(d)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−C−Cシクロアルキル、(e)場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換された−OC−Cアルキル、(f)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−OC−Cシクロアルキル、(g)−COH、(h)−C(=O)CH、及び(i)場合により1〜9個のハロゲンで置換された−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環の隣接炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されており;
各Rは−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、ハロゲン、−CN、−NO、フェニル並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更にカルボニル基を含み、場合により更に1〜3個の二重結合を含む。)から構成される群から独立して選択され、
が複素環、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cシクロアルキル及び−C(=O)C−Cシクロアルキルから構成される群から選択されるとき、Rの複素環と−C−Cシクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−NR1011、−OC−Cアルキル、−COH、−CN及び−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜7個のハロゲンと場合により1個の−OH基で置換されており、
が−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから構成される群から選択されるとき、Rのアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR1011、(d)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−C−Cシクロアルキル、(e)場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換された−OC−Cアルキル、(f)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−OC−Cシクロアルキル、(g)−COH、(h)−C(=O)CH、及び(i)場合により1〜9個のハロゲンで置換された−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
がフェニルであるとき、前記フェニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、場合によりC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ。)から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、前記複素環は場合により更にカルボニル基を含み、場合により更に1〜3個の二重結合を含み、場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基を含み;Rがフェニルである場合にフェニル上の置換基が−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから選択されるとき、前記置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1〜5個のハロゲン置換基を含み、場合により−OH、−NR1011、場合により1〜3個のFで置換された−OCH、並びに場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルから選択される1個の置換基を含み;
nは0及び1から選択される整数であり;
pは0〜4の整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
Zはフェニル又は5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ。)であり、前記複素環は場合により更にカルボニル基と1〜3個の二重結合を含み、前記複素環は前記複素環が結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル又は5〜6員複素環は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH及び−COHから選択される1個の置換基で置換されており;
、R12、R13、R14、R15及びR16は各々独立してH、−OH、ハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル及び−NR1011から構成される群から選択され、前記−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル及び−OC−Cアルキルは各々場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、各々場合により更に−OH、−C(=O)CH、−OC(=O)CH、−OC−Cアルキル及び−OC−CアルキレンOC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されており、RとR12は場合により一緒になってオキソ基を形成してもよく;
10及びR11は各々独立してH、−C−Cアルキル、−C(=O)C−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから選択され、全出現時における−C−Cアルキルは場合により1〜11個のハロゲンで置換されている。
【0012】
式Iの化合物及び下記化合物において、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は特に指定しない限り、直鎖でも分岐鎖でもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
式Iの化合物の1サブセットにおいて、各種基は以下の定義をもつ。
【0014】
化合物の1サブセットにおいて、
は、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、カルボニル基又は−N(O)−基を含み、フェニル環とAの結合点が炭素原子である5〜6員複素環;並びに
(c)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、フェニル環とAの結合点が炭素原子であるベンゾ複素環
から構成される群から選択され;
は場合により−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−COH、ハロゲン、−NR1011、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−CN、−NO、−C−Cシクロアルキル、フェニル並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合を含む。)から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル、−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンと1個の−OH又は−COH基から独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており;−C−Cシクロアルキル、フェニル及び5〜6員複素環は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンと場合により1個の−OH基で置換されている。
【0015】
化合物の1サブセットにおいて、
はフェニル、ナフチル、−C−Cシクロアルキル並びに5〜6員複素環(この複素環は、O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合とカルボニル基又は−N(O)−基を含む。)から構成される群から選択され、Aは場合により−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−NO、−CN、−S(O)−Cアルキル、−NHS(O)−Cアルキル、−NR1011、−NR10C(=O)R11、−C−Cアルケニル、−C(=O)NR1011、ハロゲン、−C−Cシクロアルキル、並びにN、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合を含む5〜6員複素環から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、全出現時における前記C−Cアルキル、C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は場合によりハロゲン及び−C−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0016】
化合物の1サブセットにおいて、各RはH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、場合により二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、場合により二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH,−CO−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子と、場合により1〜3個の二重結合をもつ。)から構成される群から独立して選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は全出現時において場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環の隣接炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されている。
【0017】
化合物の1サブセットにおいて、RはH、F、OH、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから構成される群から選択され、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは各々場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、更に場合により1個の−OC−Cアルキルで置換されている。
【0018】
化合物の1サブセットにおいて、R10及びR11は各々独立してH及び−C−Cアルキルから選択される。
【0019】
化合物の1サブセットにおいて、R12、R13、R14、R15及びR16は各々Hである。
【0020】
化合物の1サブセットにおいて、Zはフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素環から選択され、前記複素環は場合により更に1〜3個の二重結合を含み、前記複素環は前記複素環が結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル又は5〜6員複素環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されている。
【0021】
本発明の化合物の多くは式Ia
【0022】
【化7】

の構造をもつ化合物又はその医薬的に許容可能な塩である。
【0023】
化合物の1サブセットは式Ib
【0024】
【化8】

の化合物とその医薬的に許容可能な塩である。
【0025】
化合物の別のサブセットは式Ic
【0026】
【化9】

の化合物とその医薬的に許容可能な塩である。
【0027】
式Ia、Ib及びIcにおいて、Yは−N=及び−CH=から構成される群から選択される。
【0028】
式Ibにおいて、R及びRは各々独立してH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、場合により二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、場合により二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−CN、−NO、並びにN、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子と、場合により1〜3個の二重結合をもつ5〜6員複素環から構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は全出現時において場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
とRが式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環の隣接炭素原子上にある場合には、RとRは場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されており、式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環の残りの1又は2個の−CH=位は場合によりRで置換されている。
【0029】
他の基は上記のように定義することができる。
【0030】
式Ibの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の態様において、R、R及びRは各々独立してH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている。
【0031】
Icの化合物又はその医薬的に許容可能な塩の態様において、RはH、ハロゲン、シクロプロピル、−NR1011、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記シクロプロピル、C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、ピリジルは場合によりハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
はH、ハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から選択され;
はハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−CN、−NO、及びピリジニルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、ピリジニルは場合によりハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0032】
上記化合物の態様では、Aはフェニル、チエニル、フリル、ピリジル、1−オキシドピリジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びオキサジアゾリルから構成される群から選択される。Aは場合により上記のように置換されている。
【0033】
他の態様では、Aはフェニル、チエニル、フリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル及びイソオキサゾリルから構成される群から選択される。多くの好ましい態様では、Aはフェニルである。いずれの場合も、Aは場合により上記のように置換されている。
【0034】
上記化合物の態様では、Aはフェニル、チエニル、フリル、ピリジル、1−オキシドピリジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル及びC−Cシクロアルキルから構成される群から選択される。Aは場合により上記のように置換されている。
【0035】
他の態様では、Aはフェニル、ピリジル、チエニル、1−オキシドピリジニル及びシクロヘキシルから選択される。多くの好ましい態様では、Aはフェニルである。いずれの場合も、Aは場合により上記のように置換されている。
【0036】
多くの態様では、RはH又はCHである。多くの態様では、RはHである。多くの態様では、nは0である。
【0037】
本発明の多くの化合物とその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル及びジオキシニルから構成される群から選択され、Zは場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されている。
【0038】
式I及びIaの化合物のサブセットとその医薬的に許容可能な塩において、式I及びIaのフェニル環又は場合によりピリジル環の隣接炭素原子上の2個のR基は一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成して、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成する選択肢を取らない。
【0039】
式Iの化合物のサブセットとその医薬的に許容可能な塩において、式Iのフェニル環はフェニル環の1個の−CH=の代わりに−N=をもつ選択肢を取らない。
【0040】
一般に、本発明の化合物は3個の環(A、A、及びAが結合しているフェニル環、場合によりピリジン環)の少なくとも2個にH以外の少なくとも1個の置換基をもち、多くの場合、3個の環の各々に少なくとも1個の置換基をもつ。A環は多くの場合にH以外の2個の置換基をもつ。A環は多くの場合にH以外の2個の置換基をもち、多くの好ましい化合物では、H以外の3個の置換基をもつ。
【0041】
化合物の1サブセットは下式II
【0042】
【化10】

の化合物とその医薬的に許容可能な塩である。
【0043】
式IIの化合物において、
Yは−N=及び−CH=から選択され;
はH及びCHから選択され;
はH、ハロゲン、−NR1011、−OC−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており;
はH及び場合により1〜3個のFで置換された−C−Cアルキルから構成される群から選択され;
式IIの化合物において、RとRは一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成する選択肢を取らず;
はH、ハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−SC−Cアルキル及び−CNから構成される群から選択され、前記−C−Cアルキル、−SC−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のFで置換されており;
及びRは各々独立してH、ハロゲン、−CH及び−OCHから構成される群から選択され、前記−CH及び−OCHは場合により1〜3個のFで置換されており;
はH、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、ハロゲン、−CN、−COH、−CO−Cアルキル、−SC−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−C(=O)H、−C(=O)C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニル及び5−(1,2,4−オキサジアゾリル)から構成される群から選択され、
全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルキルは場合により1〜5個のハロゲンと1個の−OHから独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており、
−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、
1,2,4−オキサジアゾリル及びC−Cシクロアルキルは場合によりハロゲン、C−Cアルキル及びCFから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、
フェニルは場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており;
及びRは各々独立してH、−C−Cアルキル、ハロゲン、−S(O)−Cアルキル、−NR1011、−OC−Cアルキル、C−Cアルケニル、−NO、−CN、−C(O)NR1011、−C(=O)H、−NHC(=O)C−Cアルキル、−NHS(O)−Cアルキル、COH、CO1−3アルキル、C−Cシクロアルキル及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、C−Cシクロアルキル及びピリジルは場合によりハロゲン及びC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており;
10及びR11は各々H又はC−Cアルキルであり;
Zはフェニル、テトラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル及びピリミジニルから構成される群から選択され、これらの基は場合により−CH及び−CFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
nは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数である。
【0044】
式IIの化合物のサブセットにおいて、Rは−OCF、−OCH、−NO、−CN、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−NH及び3−ピリジルから選択され、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のFで置換されている。
【0045】
式IIの化合物のサブセットにおいて、RはH又はCHである。他のサブセットでは、RはHである。
【0046】
式IIの化合物のサブセットにおいて、RはH、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−OCH、−OCF、−OC、−SCH及び−CNから構成される群から選択される。他のサブセットでは、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−OCH、−OCF、−OC、−SCH及び−CNから構成される群から選択される。
【0047】
式IIの化合物のサブセットにおいて、RはH又はFである。
【0048】
式IIの化合物のサブセットにおいて、RはH、F、−CH、又は−OCHである。他のサブセットでは、RはFである。
【0049】
式IIの化合物のサブセットにおいて、RはH、C−Cアルキル、−C(=O)H、−C(=O)CH、−CH=CH、−CN、Cl、F、−COH、−CO−Cアルキル、−OCH、−SCH、−C(=O)NR1011、3−メチル−5−(1,2,4−オキサジアゾリル)及びフェニルから構成される群から選択され、前記C−Cアルキル及びC−Cアルキルは場合により1〜5個のFと1個の−OHから独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており、フェニルは場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている。他のサブセットでは、RはHを除く上記の通りである。
【0050】
式IIの化合物のサブセットにおいて、R及びRは各々独立してH;場合により1〜3個のFで置換されたC−Cアルキル;ハロゲン;−CN;−NO;場合により1〜3個のFで置換された−S(O)CH;場合により1〜3個のFで置換された−OCH;−CH=CH;−C(=O)H;−C(O)NR1011;−COH;−NR1011;−CO−Cアルキル;−NHC(=O)CH;−NHS(O)CH;及び4−ピリジルから構成される群から選択される。
【0051】
式IIの化合物のサブセットにおいて、R及びRはCFである。
【0052】
上記のような化合物のサブセットにおいて、R10及びR11は各々独立してH及びCHから選択される。
【0053】
上記化合物のサブセットにおいて、RはHであり、nは0である。
【0054】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Yは−CH−である。
【0055】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Yは−N=である。
【0056】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニル、テトラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル及びピリミジニルから構成される群から選択され、これらの基は場合により−CH及び−CFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0057】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素環から構成される群から選択され、前記複素環は場合により更に1〜3個の二重結合を含み、前記複素環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル及び前記5〜6員複素環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されている。
【0058】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素芳香環から構成される群から選択され、前記複素芳香環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル及び前記5〜6員複素芳香環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている。
【0059】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素芳香環から構成される群から選択され、前記複素芳香環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル及び前記5〜6員複素芳香環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている。
【0060】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、ZはN、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素芳香環であり、前記複素芳香環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記5〜6員複素芳香環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている。
【0061】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはテトラゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル及びチアジアゾリルから構成される群から選択され、これらの基は場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0062】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニル、イソオキサゾリル及びトリアゾリルから構成される群から選択され、Zは場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0063】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはイソオキサゾリル及びトリアゾリルから構成される群から選択され、Zは場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている。
【0064】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはフェニル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル及び1,2,3−トリアゾール−4−イルから構成される群から選択され、これらの基は場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0065】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zはイソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル及び1,2,3−トリアゾール−4−イルから構成される群から選択され、これらの基は場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0066】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zは場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルである。
【0067】
上記化合物のサブセット又はその医薬的に許容可能な塩において、Zは場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから選択される1個の置換基で置換されたテトラゾリルである。
【0068】
式Ia、Ib、Ic又はIIの化合物のサブセットにおいて、Yは−N=又は−CH=であり;但しZがテトラゾリルである場合には、Yは−N=である。
【0069】
式Ia、Ib、Ic又はIIの化合物のサブセットにおいて、Yは−N=又は−CH=であり;但しZが複素芳香基である場合には、Yは−N=である。
【0070】
(定義)
「Ac」とはアセチル即ちCHC(=O)−である。
【0071】
「アルキル」とは炭素鎖を特に定義しない限り、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい飽和炭素鎖を意味する。「アル」で始まる他の基(例えばアルコキシ及びアルカノイル)も炭素鎖を特に定義しない限り、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。
【0072】
「アルキレン」基とは単官能性ではなく、二官能性のアルキル基である。例えば、メチルはアルキル基であり、メチレン(−CH−)は対応するアルキレン基である。
【0073】
「アルケニル」とは少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルケニルの例としてはビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
【0074】
「アルキニル」とは少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、直鎖でも分岐鎖でもその組合せでもよい炭素鎖を意味する。アルキニルの例としてはエチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が挙げられる。
【0075】
「シクロアルキル」とは特に指定しない限り、炭素原子数3〜8の飽和炭素環を意味する。この用語はアリール基に縮合したシクロアルキル環も包含する。シクロアルキルの例としてはシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。「シクロアルキル」はシクロヘキセニルやシクロヘキサジエニルのように1個以上の二重結合をもつものと定義することもできるが、シクロアルキル基を芳香基にするような数の二重結合をもつことはできない。
【0076】
ある構造中の置換基又は基を表すために使用する場合に「アリール」(及び「アリーレン」)とは環が芳香環であり、炭素環原子のみを含む単環又は二環式化合物を意味する。「アリール」なる用語はシクロアルキル又は複素環に縮合したアリール基を意味する場合もある。好ましい「アリール」はフェニルとナフチルである。フェニルが一般に最も好ましいアリール基である。
【0077】
「ヘテロシクリル」、「複素環」及び「複素環式」とは特に指定しない限り、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に含む完全もしくは部分飽和又は芳香族5〜6員環を意味する。複素環は場合によりカルボニル基又は−N(O)−基を環構造の一部として含むものと定義することもできる。後者の1例はピリジンN−オキシドである。
【0078】
「ベンゾ複素環」とは各々O、N、又はSである1〜2個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素環に縮合したフェニル環を意味し、複素環は飽和でも不飽和でもよい(即ち、複素環はフェニル環の二重結合以外に1〜2個の二重結合をもつことができる)。例としてはインドール、2,3−ジヒドロインドール、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、キノリン及びイソキノリンが挙げられる。縮合複素環が芳香環である場合には、ベンゾ複素環をベンゾ複素環芳香環又はベンゾヘテロアリールとも言う。
【0079】
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。ハロゲン置換基は殆どの場合にはフッ素又は塩素である。
【0080】
「Me」はメチルを表す。
【0081】
医薬組成物等における「組成物」なる用語は活性成分とキャリヤーを構成する不活性成分を含有する製剤だけでなく、成分の任意2種以上の配合、錯化もしくは凝集、又は成分の1種以上の解離、又は成分の1種以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを混合することにより製造される任意組成物を包含する。
【0082】
置換基「テトラゾール」とは2H−テトラゾール−5−イル置換基とその互変異性体を意味する。
【0083】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
式Iの化合物は1個以上の不斉中心を含むことができ、従ってラセミ化合物、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。本発明は式Iの化合物のこのような全異性体及び化合物の全混合物を含むものとする。構造を立体化学表示で示す場合には、エナンチオマー、(ジアステレオマーが可能な場合には)ジアステレオ異性体、並びにエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物(ラセミ混合物を含む)等の他の立体化学構造も個別的及び集合的に含まれる。
【0084】
本明細書に記載する化合物にはオレフィン二重結合を含むものもあり、特に指定しない限り、E及びZ両者の幾何異性体を含むものとする。
【0085】
本明細書に記載する化合物には互変異性体として存在するものもある。1例はケトンとそのエノール形である(ケト−エノール互変異性体と言う)。個々の互変異性体とその混合物が式Iの化合物に含まれる。
【0086】
1個以上の不斉中心をもつ式Iの化合物は当分野で周知の方法によりジアステレオ異性体、エナンチオマー等に分離することができる。
【0087】
あるいは、光学的に純粋な出発材料及び/又は公知構造の試薬を使用して立体特異的合成によりエナンチオマー及びキラル中心をもつ他の化合物を合成することもできる。
【0088】
本明細書に記載するビフェニル及びビアリール化合物にはNMRスペクトルにアトロプ異性体(回転異性体)の混合物を含むものもある。個々のアトロプ異性体とその混合物が本発明の化合物に含まれる。
【0089】

「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2種以上の結晶構造で存在することもできるし、水和物形態でもよい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二及び第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。
【0090】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機及び有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0091】
当然のことながら、本明細書で式Iの化合物という場合には医薬的に許容可能な塩も含むものとする。
【0092】
代謝産物−プロドラッグ
代謝産物自体が本発明の範囲に含まれる場合には、治療薬として活性な代謝産物も本発明の化合物である。患者に投与している間又は患者に投与した後に本発明の化合物に変換される化合物であるプロドラッグも本発明の化合物である。
【0093】
用途
本発明の化合物はCETPの強力な阻害剤である。従って、CETP阻害剤により治療される疾患及び症状の治療に有用である。
【0094】
本発明の1側面は治療を必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物を投与することにより、CETPの阻害により治療又は予防することができる疾患又は症状を治療又はその発症の危険を低減する方法を提供する。患者はヒト又は哺乳動物であり、殆どの場合にはヒトである。「治療有効量」とは特定疾患の治療に所望臨床転帰を得るのに有効な化合物の量である。
【0095】
本発明の化合物で治療することができるか又は本発明の化合物で治療した結果として患者に発症の危険を減らすことができる疾患又は症状としては、アテローム性動脈硬化症、末梢血管障害、脂質異常症、高β−リポ蛋白血症、低α−リポ蛋白血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、家族性高コレステロール血症、心臓血管障害、狭心症、虚血、心筋虚血、脳卒中、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成術後の再狭窄、高血圧、糖尿病の血管合併症、肥満症、内毒素血症及び代謝症候群が挙げられる。
【0096】
本発明の化合物はHDL−Cの上昇及び/又はHDL−CとLDL−Cの比の増加に特に有効であると期待される。HDL−CとLDL−Cのこれらの変化はアテローム性動脈硬化症の治療、アテローム性動脈硬化症発症の低減もしくは遅延、アテローム性動脈硬化症発症の危険低減、又はアテローム性動脈硬化症の予防に有益であると思われる。
【0097】
投与と用量範囲
哺乳動物、特にヒトに有効用量の本発明の化合物を投与するのに適した任意投与経路を使用することができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼内、肺、鼻腔内等の経路を使用することができる。剤形としては錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾール等が挙げられる。式Iの化合物は経口投与することが好ましい。
【0098】
使用する活性成分の有効用量は使用する特定化合物、投与方式、治療する症状及び治療する症状の重篤度によって異なる。このような用量は当業者が容易に確認することができる。
【0099】
式Iの化合物の適応症である疾患を治療する場合、約0.01mg〜約100mg/kg動物又はヒト体重の1日用量で本発明の化合物を投与すると一般に満足な結果が得られ、1日用量を一度に投与するか又は1日2〜6回に分けるか又は徐放形態で投与することが好ましい。70kgの成人の場合には、合計1日用量は一般に約0.5mg〜約500mgである。特に強力な化合物では、成人用量を0.1mg程度まで減らすことができる。用量レジメンは最適治療応答が得られるように上記範囲内又は上記範囲外で調節することができる。
【0100】
通常、経口投与は錠剤を使用して実施される。錠剤の用量の例は0.5mg、1mg、2mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、250mg及び500mgである。他の経口剤形(例えばカプセル)も同様の用量で投与することができる。
【0101】
医薬組成物
本発明の別の側面は式Iの化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は活性成分としての式Iの化合物又は医薬的に許容可能な塩に加え、医薬的に許容可能なキャリヤーと場合により他の治療成分を含有する。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機塩基又は無機酸と有機塩基又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。プロドラッグを投与する場合には、医薬組成物はプロドラッグ又は医薬的に許容可能なその塩を含有する場合もある。医薬組成物は他の治療成分を加えずに原則的に式Iの化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーから構成されるものでもよい。
【0102】
組成物としては経口、直腸、局所、非経口(例えば皮下、筋肉内及び静脈内)、眼内(眼科薬)、肺(鼻腔内又は口腔吸入)、又は鼻腔内投与に適した組成物が挙げられるが、任意所与患者に最適な経路は治療する症状の種類と重篤度及び活性成分の種類により異なる。組成物は単位用量形態とすると簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。
【0103】
実際の使用時には、式Iの化合物を活性成分として慣用薬剤配合技術に従って医薬キャリヤーと緊密に混和することができる。キャリヤーは投与に所望される製剤形態、例えば経口か非経口(例えば静脈内)かに応じて多様な形態をとることができる。経口剤形用組成物を製造する場合には、通常の医薬媒体の任意のものを使用することができ、例えば懸濁液、エリキシル剤及び溶液等の経口液体製剤の場合には例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等を使用することができ、例えば散剤、ハードカプセル、ソフトカプセル及び錠剤等の経口固体製剤の場合には澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のキャリヤーを使用することができ、固体経口製剤のほうが液体製剤よりも好ましい。
【0104】
投与し易いという理由から錠剤とカプセルが最も有利な経口単位用量形態であり、その場合には当然のことながら固体医薬キャリヤーを使用する。所望により、標準水性又は非水性技術により錠剤に被覆してもよい。このような組成物及び製剤は少なくとも0.1%の活性化合物を含有すべきである。これらの組成物における活性化合物の百分率は当然のことながら変えることができ、用量単位の重量の約2%〜約60%とすると適切であると思われる。このような治療薬として有用な組成物における活性化合物の量は有効用量が得られるような量である。活性化合物は例えば滴剤又はスプレーとして鼻腔内投与することもできる。
【0105】
錠剤、ピル、カプセル等は更に結合剤(例えばトラガカントガム、アラビアガム、コーンスターチ又はゼラチン);賦形剤(リン酸2カルシウム);崩壊剤(例えばコーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸);滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム);及び甘味料(例えばスクロース、ラクトース又はサッカリン)を添加することができる。用量単位形態がカプセルである場合には、上記型の材料に加え、脂肪油等の液体キャリヤーを添加することができる。
【0106】
被覆として使用するため又は用量単位の物理的形状を変化させるために他の各種材料を使用してもよい。例えば、錠剤はシェラック、糖又はその両者でコーティングすることができる。シロップ又はエリキシル剤は活性成分に加え、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素及びフレーバー(例えばチェリー又はオレンジフレーバー)を添加することができる。
【0107】
式Iの化合物は非経口投与することもできる。これらの活性化合物の水溶液又は水性懸濁液を製造することができ、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と混合すると適切である。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物中で分散液を製造することもできる。通常の保存及び使用条件下で、これらの製剤には微生物増殖を防ぐために防腐剤を添加する。
【0108】
注射用に適した医薬形態としては滅菌水溶液又は分散液と、滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用滅菌粉末が挙げられる。いずれの場合も、製剤は無菌でなければならず、注射針を容易に通過できる程度まで流動性でなければならない。製剤は製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌や真菌等の微生物の汚染作用から保護しなければならない。キャリヤーは例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、適切なその混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
【0109】
併用療法
併用療法
本発明の化合物(例えば式I及びIa−Ij)は式Iの化合物が有用である疾患又は症状の治療又は改善に同様に有用であると考えられる他の薬剤と併用することができる。このような他の薬剤はこのような薬剤に通常使用されている経路と量で式Iの化合物と同時又は順次投与することができる。式Iの化合物を1種以上の他の薬剤と同時に使用する場合には、このような他の薬剤と式Iの化合物を含有する単位用量形態の医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は式Iの化合物と1種以上の他の薬剤を別のスケジュールで投与する療法も含む。
【0110】
経口製剤を使用する場合には、薬剤を単一の併用錠剤又は他の経口剤形に合剤化してもよいし、薬剤を別々の錠剤又は他の経口剤形として一緒にパッケージングしてもよい。1種以上の他の活性成分と併用する場合には、本発明の化合物と他の活性成分を各々単独で使用する場合よりも使用量を減らすことができるとも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は式Iの化合物に加えて1種以上の他の活性成分を含有するものを含む。
【0111】
別個又は同一医薬組成物として本発明の化合物(例えば式I)と併用投与することができる他の活性成分の例としては限定されないが、患者の脂質プロファイルを改善する他の化合物が挙げられ、例えば(i)(一般にロバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン及び他のスタチン類等のスタチン類である)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、(ii)胆汁酸抑制剤(コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標))、(iii)ナイアシン及び関連化合物(例えばニコチニルアルコール、ニコチンアミド及びニコチン酸又はその塩)、(iv)PPARαアゴニスト(例えばゲムフィブロジル及びフェノフィブリン酸誘導体(フィブラート)、例えばクロフィブラート、フェノフィブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート及びエトフィブラート)、(v)コレステロール吸収阻害剤(例えばスタノールエステル、β−シトステロール、ステロールグリコシド(例えばチクエシド)、及びアゼチジノン(例えばエゼチミブ))、(vi)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えばアバシミブやメリナミドであり、選択的ACAT−1及びACAT−2阻害剤と二重阻害剤を含む)、(vii)フェノール性抗酸化剤(例えばプロブコール)、(viii)ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)/ApoB分泌阻害剤、(ix)抗酸化ビタミン(例えばビタミンC及びEやβカロチン)、(x)甲状腺ホルモンミメティクス、(xi)LDL(低比重リポ蛋白)受容体インデューサー、(xii)血小板凝集阻害剤(例えば糖蛋白IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン)(xiii)ビタミンB12(別称シアノコバラミン)、(xiv)葉酸又はその医薬的に許容可能な塩もしくはエステル(例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩)、(xv)阻害剤とアゴニストの両者を含むFXR及びLXRリガンド、(xvi)ABCA1遺伝子発現を強化する物質、並びに(xvii)回腸胆汁酸トランスポーターが挙げられる。
【0112】
患者の脂質プロファイルの改善(即ち、HDL−Cの上昇とLDL−Cの低下)用として本発明の化合物と併用することができる好適類の治療化合物としてはスタチン類とコレステロール吸収阻害剤の一方又は両方が挙げられる。本発明の化合物をシンバスタチン、エゼチミブ、又はシンバスタチンとエゼチミブの両者と併用すると特に好ましい。本発明の化合物とシンバスタチン以外のスタチン(例えばロバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、イタバスタチン及びZD−4522)の併用も好ましい。
【0113】
最後に、本発明の化合物は糖尿病、高血圧及び肥満症等の他の疾患の治療に有用な化合物や、他のアテローム性動脈硬化症治療用化合物と併用することができる。このような併用剤は糖尿病、肥満症、アテローム性動脈硬化症及び脂質異常症等の疾患の1種以上、又は代謝症候群に関連する疾患の2種以上を治療するために使用することができる。併用剤はこれらの疾患の治療に相乗活性を示し、活性成分の投与用量を減らすことが可能になり、例えば単独での治療用量未満の量にすることができる。
【0114】
本発明の化合物と併用投与することができる他の活性成分の例としては限定されないが、主に抗糖尿病化合物である化合物が挙げられ、例えば、
(a)グリタゾン及びグリタゾン以外の化合物を含むPPARγアゴニスト及び部分アゴニスト(例えばピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾン、ネトグリタゾン、T−131、LY−300512及びLY−818);
(b)ビグアニド(例えばメトホルミンやフェンホルミン);
(c)蛋白チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤(例えばビルダグリプチン、シタグリプチン及びサクサグリプチン);
(e)インスリン又はインスリンミメティクス(例えばインスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液及び吸入インスリン製剤);
(f)スルホニル尿素(例えばトルブタミド、グリピジド、グリメピリド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド及び関連物質);
(g)αグルコシダーゼ阻害剤(例えばアカルボース、アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;及びサルボスタチン);
(h)PPARα/γデュアルアゴニスト(例えばムラグリタザール、テサグリタザール、ファルグリタザール及びナベグリタザール);
(i)PPARδアゴニスト(例えばGW501516及びWO97/28149に開示されているもの);
(j)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(k)GLP−1;GLP−1誘導体;GLP−1アナログ(例えばエキセンディン(例えばエキセナチド(Byetta)));及び非ペプチジルGLP−I受容体アゴニスト;
(l)GIP−1;並びに
(m)非スルホニル尿素インスリン分泌促進薬(例えばメグリチニド(例えばナテグリニドやレパグリニド))が挙げられる。
【0115】
本発明の化合物と併用することができる他の活性成分としては、更に5−HT(セロトニン)阻害剤、ニューロペプチドY5(NPY5)阻害剤、メラノコルチン4受容体(Mc4r)アゴニスト、カンナビノイド1(CB−1)アンタゴニスト/逆アゴニスト、及びβアドレナリン作用性受容体アゴニスト)等の抗肥満化合物が挙げられる。これらについては本セクションで下記に詳述する。
【0116】
これらの他の活性成分としては更に、炎症症状を治療するために使用される活性成分が挙げられ、例えばアスピリン、非ステロイド性抗炎症薬、グルココルチコイド、アザルフィジン及び選択的シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤(例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ及びBextra)が挙げられる。
【0117】
抗高血圧化合物も本発明の化合物との併用療法で有利に使用することができる。本発明の化合物と併用することができる抗高血圧化合物の例としては、(1)アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えばロサルタン);(2)アンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)(例えばエナラプリルやカプトプリル);(3)カルシウムチャネル遮断薬(例えばニフェジピンやジルチアザム);及び(4)エンドセリンアンタゴニストが挙げられる。
【0118】
抗肥満化合物も本発明の化合物と併用投与することができ、例えば(1)成長ホルモン分泌促進薬及び成長ホルモン分泌促進薬受容体アゴニスト/アンタゴニスト(例えばNN703、ヘキサレリン及びMK−0677);(2)蛋白チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド(例えばカンナビノイドCB受容体アンタゴニスト又は逆アゴニスト、例えばリモナバント(Sanofi Synthelabo)、AMT−251、SR−14778及びSR 141716A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY 65−2520(Bayer));(4)抗肥満セロトニン作動薬(例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミン及びシブトラミン);(5)β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト(例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、Trecadrine、Zeneca D7114及びSR 59119A);(6)膵リパーゼ阻害剤(例えばオルリスタット(Xenical(登録商標))、Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン及びリン酸ジエチルウンベリフェリル);(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト(例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A);(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト(例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A及びJCF−104);(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト;(10)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト(例えばT−226296(Takeda));(11)メラニン凝集ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン−1受容体アンタゴニスト(例えばSB−334867−A);(13)メラノコルチンアゴニスト(例えばMelanotan II);(14)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト(例えばCHIR86036(Chiron)、ME−10142及びME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141及びPT−14(Palatin));(15)5HT−2アゴニスト;(16)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト(例えばBVT933、DPCA37215、WAY161503及びR−1065);(17)ガラニンアンタゴニスト;(18)CCKアゴニスト;(19)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト(例えばAR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A−71623及びSR146131);(20)GLP−1アゴニスト;(21)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(22)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/逆アゴニスト(例えばチオペラミド、N−(4−ペンテニル)カルバミン酸3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン及びGT2394(Gliatech));(24)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(11β−HSD−1阻害剤)(例えばBVT 3498及びBVT 2733);(25)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤(例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム及びシロミラスト);(26)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(27)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤(例えばGW 320659、デスピラミン、タルスプラム及びノミフェンシン);(28)グレリン受容体アンタゴニスト;(29)組換えヒトレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)及び組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(30)レプチン誘導体;(31)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト(例えば[D−Phe6,β−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)や[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド);(32)CNTF(毛様体神経栄養因子)(例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292及びPD 149164(Pfizer));(33)CNTF誘導体(例えばアキソキン(Regeneron));(34)モノアミン再取り込み阻害剤(例えばシブトラミン);(35)UCP−1(脱共役蛋白−1、2又は3)活性化剤(例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)及びレチノイン酸);(36)甲状腺ホルモンβアゴニスト(例えばKB−2611(KaroBioBMS));(37)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤(例えばCerulenin及びC75);(38)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(39)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(40)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(41)グルココルチコイドアンタゴニスト;(42)アシル−エストロゲン(例えばオレオイル−エストロン);(43)ジカルボン酸トランスポーター阻害剤;(44)ペプチドYY、PYY 3−36、ペプチドYYアナログ、誘導体及びフラグメント(例えばBIM−43073D、BIM−43004C)(45)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト(例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY 24−36、TASP−V及びシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY);(46)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト(例えば膵ペプチド(PP));(47)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト(例えばBIBP3226、J−115814、BIBO 3304、LY−357897、CP−671906及びGI−264879A);(48)オピオイドアンタゴニスト(例えばナルメフェン(Revex(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン及びナルトレキソン);(49)グルコーストランスポーター阻害剤;(50)リン酸トランスポーター阻害剤;(51)5−HT(セロトニン)阻害剤;(52)β遮断薬;(53)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト);(54)クロベンゾレクス;(55)クロフォレクス;(56)クロミノレクス;(57)クロルテルミン;(58)シクレキセドリン;(59)デキストロアンフェタミン;(60)ジフェメトキシジン;(61)N−エチルアンフェタミン;(62)フェンブトラザート;(63)フェニソレクス;(64)フェンプロポレクス;(65)フルドレクス;(66)フルミノレクス;(67)フルフリルメチルアンフェタミン;(68)レボアンフェタミン;(69)レボファセトペラン;(70)メフェノレクス;(71)メタンフェプラモン;(72)メタンフェタミン;(73)ノル偽エフェドリン;(74)ペントレクス;(75)フェンジメトラジン;(76)フェンメトラジン;(77)ピシロレクス;(78)フィトファーム57;(79)ゾニサミド;(80)アミノレクス;(81)アンフェクロラール;(82)アンフェタミン;(83)ベンズフェタミン;並びに(84)クロルフェンテルミンが挙げられる。
【0119】
本発明の化合物を使用する上記併用療法は代謝症候群の治療にも有用であると思われる。広く使用されている1つの定義によると、代謝症候群患者は(1)腹部肥満;(2)高トリグリセリド血症;(3)高比重リボ蛋白コレステロール(HDL)が低い;(4)高血圧;及び(5)絶食時血糖値が高く、患者が糖尿病も併発している場合には2型糖尿病の特徴的範囲となるという5種の症状群から選択される3種以上の症状をもつと特徴付けられる。これらの症状は各々最近発行されたThird Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(Adult Treatment Panel IIIないしATP III),National Institutes of Health,2001,NIH Publication No.01−3670に臨床的に定義されている。代謝症候群患者はアテローム性動脈硬化症及び冠動脈心疾患を含む上記大小血管合併症を発症する危険が高い。上記併用剤は代謝症候群の2種以上の症状(例えば2種の症状、3種の症状、4種の症状又は全5種の症状)を同時に改善すると思われる。
【0120】
CETPアッセイ
BODIPY(登録商標)−CEをコレステリルエステル脂質供与体として使用してEppsらにより記載されている方法の変法によりCETP阻害剤である化合物を同定するためにIC50を測定するin vitro連続アッセイを実施した。Eppsら(1995)Method for measuring the activities of cholesteiyl ester transfer protein(lipid transfer protein),Chem.Phys.Lipids.11,51−63参照。
【0121】
アッセイで使用した粒子は以下のように作製した。DOPC(ジオレオイルホスファチジルコリン)、BODIPY(登録商標)−CE(Molecular Probes C−3927)、トリオレイン(トリグリセリド)、及びアポHDLを含む合成供与体HDL粒子は、バックグラウンド蛍光を減らすために非拡散性クエンチャー分子であるダブシルジアセチルアミドを添加した以外は原則的にEppsらにより記載されているようにプローブ音波処理により作製した。ダブシルジアセチルアミドはDMF中、ジイソプロピルアミン触媒の存在下でダブシルn−スクシンイミドをジアセチルアミンと共に95℃に一晩加熱することにより作製した。ヒト血液に由来する天然リポ蛋白を受容体粒子として使用した。密度1.063g/ml未満の粒子を超遠心により採取した。これらの粒子はVLDL、DDL及びLDLを含む。粒子濃度はBCAアッセイ(Pierce,USA)により測定した蛋白濃度として表した。使用時まで粒子を4℃で保存した。
【0122】
Dynex Microfluor 2 U底黒色96ウェルプレート(Cat#7205)でアッセイを実施した。CETP、1×CETPバッファー(50mM Tris,pH7.4,100mM NaCl,1mM EDTA)、及び最終濃度の2分の1の受容体粒子を含有するアッセイカクテルを調製し、アッセイカクテル100μLをプレートの各ウェルに加えた。容量3μLのDMSO中の試験化合物を加えた。プレートをプレートシェーカーで混合した後、25℃で1時間インキュベートした。供与体粒子と残りの受容体粒子と1×CETPバッファーを含有する第2のアッセイカクテルを調製した。第2のアッセイカクテル47μLを反応ウェルに加え、アッセイを開始した。アッセイは25℃で実施し、最終容量150μLとした。化合物の試験時の材料の最終濃度は供与体粒子5ng/μL、受容体粒子30ng/μL(各々蛋白含量で表す)、1×CETPバッファー、0.8nM組換えヒトCETP(CHO細胞で表し、部分精製)、及びDMSO2%までとした。アッセイは25℃で蛍光プレートリーダー(Molecular Devices Spectramax GeminiXS)を45分間運転に設定して実施し、495nmのカットオフフィルターを使用し、光電子増倍管をミディアムに設定し、カリブレーションをオンにし、Ex=480nm、Em=511nmでサンプルを45秒毎に各ウェル6回ずつ読取った。
【0123】
多くの場合には0〜500秒又は1000秒間である曲線の擬似直線部分で毎秒相対蛍光単位で表した初期速度を得ることによりデータを評価した。阻害剤を加えたサンプルと阻害剤を加えない(DMSOのみの)陽性対照の速度と比較し、阻害百分率を得た。シグモイド4パラメーター方程式にフィットさせた阻害剤濃度の対数に対する阻害百分率のプロットを使用してIC50を計算した。
【0124】
以下のスキーム及び実施例により、本発明はより十分に認識及び理解されよう。出発材料は公知手順又は下記手順により製造される。
【0125】
以下の実施例は如何なる点でも本発明を限定すると解釈すべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲のみにより定義される。
【0126】
本発明の化合物は上記アッセイを使用して測定した場合に50μM以下、好ましくは10μM未満、より好ましくは1μM未満のIC50値をもつ。実施例に記載する化合物は約13μM〜約300μMのIC50値をもつ。
【0127】
本発明の化合物の数種の製造方法を以下のスキーム及び実施例に例証する。出発材料は公知手順又は下記手順により製造される。
【0128】
【化11】

【0129】
本発明で利用する中間体1−2、1−3及び1−4は購入することもできるし、スキーム1に示すように製造することもできる。適切に置換された2−ハロアニリン1−1(ハロゲンはヨード又はブロモが好ましい)を高温のDMF中、CuCNで処理すると、対応する2−シアノアニリン1−2が得られる。あるいは、パラジウム(II)塩の存在下又は所定の銅もしくはニッケル錯塩の存在下に1−1をKCNとCuIで処理することによりニトリルを製造することもできる(Smith,M.B.and March,J.“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,pp.867(2001)とその引用文献参照)。ヨウ化物1−3はジヨードメタン中、1−2を亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル等で処理することにより製造される(例えばSmithら,J.Org.Chem.55,2543,(1990)とその引用文献参照)。あるいは、まず亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸等を使用してジアゾニウムを形成した後にヨウ化銅、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等のヨウ化物塩の存在下で加熱することによりヨウ化物を製造することもできる。イソプロパノール及び水中で水酸化カリウムを使用してヨード−ニトリル1−3の加水分解を実施すると、ヨード酸1−4が得られる。更にエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の中でボラン、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム等で還元すると、2−ヨードアルコール1−5が得られる。ジクロロメタン等の溶媒中でトリフェニルホスフィンや四臭化炭素等の試薬を使用して中間体1−5を臭化ベンジル1−6に変換することができる(Smith,M.B.and March,J.“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,pp.518−199(2001)とその引用文献参照)。
【0130】
【化12】

【0131】
本発明で利用する中間体2−2はスキーム2に示すように製造することができる。ベンジルアルコール1−5は購入することもできるし、スキーム1に概説した手順に従って製造することもできる。中間体2−1はパラジウム触媒の存在下で1−5を適切に置換されたアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルとカップリングする鈴木反応により製造することができる。カップリング反応はアセトン水溶液中で酢酸Pd(II)と炭酸カリウムを使用して還流下に実施することができる。あるいは、反応はエタノール/トルエン混合物中で炭酸ナトリウムの存在下にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを利用して実施することもできる。あるいは、当業者に通常実施されているように、反応は多数の溶媒中で各種配位子、塩基及び助触媒の存在下に多数のパラジウム(0)化合物及びパラジウム(II)塩を利用して実施することもでき、必ずしもそうでなくてもよいが、一般には加熱及び/又はマイクロ波照射下で実施する。所定の適切な反応条件はMiyauaら,Chem.Rev.95,2457(1995)とその引用文献及びSmith,M.B.and March,J.“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,pp.868−869(2001)とその引用文献に記載されている。化合物2−2は中間体2−1からスキーム1に記載したように製造される。
【0132】
【化13】

【0133】
本発明の化合物はスキーム3に示すように製造することができる。ベンジルアミン3−2はメタノール、エタノール、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の存在下にアミンを適切に置換されたベンズアルデヒドで処理する方法又はSmith,M.B.and March,J.“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,pp.1187−1189(2001)とその引用文献に記載の方法により製造することができる。ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の中でトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、リチウムジイソプロピルアミド又はリチウム、ナトリウムもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミド等の塩基の存在下に適切に置換されたハロゲン化ベンジル、メシラート又はトシラート等で処理することにより3−1のアルキル化を実施すると、ジベンジルアミン3−3が得られる。ビアリールアミン3−4は上記スキーム2に記載したような鈴木反応により中間体3−3から製造することができる。アミン3−1は市販品を入手するか又は公知手順により製造した。例えば、夫々J.Am.Chem.Soc.1954,76,923−926及びJ Am.Chem.Soc.1956,78,411−415に記載の手順に従って5−アミノ−1H−テトラゾール及び2−メチル−5−アミノテトラゾールを製造した。
【0134】
【化14】

【0135】
本発明の化合物はスキーム4に示すように製造することができる。2−ハロベンジルブロミド2−2(ハロはヨード又はブロモが好ましい)は購入することもできるし、スキーム1及び2に記載したように製造することもできる。テトラヒドロフラン、DMF等の中で水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシド等の塩基の存在下に2−2を3−1等の適切に置換されたベンジルアミンで処理すると、ビアリールベンジルアミン4−1が得られる。
【0136】
【化15】

【0137】
複素環式ビアリールアミン5−5はスキーム5に示すように製造することができる。亜硝酸イソアミル、亜硝酸n−ペンチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸等を使用してジアゾニウムを形成した後に濃HClで処理することにより、適切に置換されたアミノピリジン5−1を対応するクロロピリジン5−2に変換することができる。次に四塩化炭素等の溶媒中でN−ブロモスクシンイミドと過酸化ベンゾイルを使用して5−2の臭素化を実施すると、臭化ベンジル5−3が得られる。他のベンジルハロゲン化法はSmith,M.B.and March,J.“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,pp.911(2001)とその引用文献に記載されている。ベンジルアミン5−4及び5−5への変換はベンジルアミン3−1でアルキル化後に夫々上記スキーム2及び3に記載したように逐次鈴木反応を行うことにより実施することができる。
【0138】
中間体1
【0139】
【化16】

【0140】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(877μL,5.29mmol)と2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(628mg,6.35mmol)のトルエン(15mL)溶液を撹拌下に2.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOH(15mL)に再溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(400mg,10.58mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、HO(25mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をIPA:HO(3:7)から再結晶させ、4℃に14時間冷却した。形成した沈殿を濾取し、真空オーブンで乾燥し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを白色固体として得た。LCMS=326.1(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.86(s,2H),7.82(s,1H),4.69(s,2H),4.19(s,3H)。
【0141】
中間体2
【0142】
【化17】

【0143】
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップA:2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール
2−フルオロ−4−メトキシアセトフェノン(4.45g,26.5mmol)の0℃のTHF(50mL)溶液に2.4M MeMgBr溶液(11.6mL,27.8mmol)を加えた。混合物を0℃、次いで室温で4時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチした。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAc:ヘキサン=2:8を溶離液として使用してフラッシュカラム後に標記化合物が油状物として得られた。
【0144】
ステップB:2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン
ステップAからの2−(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)プロパン−2−オール(3.89g,21.14mmol)の0℃の塩化メチレン(50mL)溶液にMsCl(1.95mL,25.4mmol)とトリエチルアミン(6.52mL,46.5mmol)を加えた。溶液を0℃、次いで室温で2時間撹拌した。溶液を塩化メチレン(100mL)で希釈し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。EtOAc:ヘキサン=1:9を溶離液として使用してフラッシュカラム後に標記化合物が油状物として得られた。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.25(t,J=9.0Hz,1H),6.68(dd,J=8.5,2.5Hz,1H),6.63(dd,J=13,2.5Hz,1H),5.20(d,J=17.0Hz,2H),3.82(s,3H),2.18(s,3H)。
【0145】
中間体3
【0146】
【化18】

【0147】
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン
2−フルオロ−1−イソプロペニル−4−メトキシベンゼン(中間体2,1.96g,11.81mmol)のMeOH(30mL)溶液に1気圧水素と触媒量のPd/Cを導入した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過した。次に濾液をMeOH(10mL)中の硫酸銀(3.68g,11.81mmol)とヨウ素(3.00g,11.81mmol)の混合物に加えた。溶液の色が薄い黄色になるまで混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。EtOAc:ヘキサン5:95を溶離液として使用してシリカゲルフラッシュカラム後に標記化合物が得られた。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.61(d,J=8.0Hz,1H),6.56(d,J=12.5Hz,1H),3.90(s,3H),3.18(m,1H),1.28(m,6H)。
【0148】
中間体4
【0149】
【化19】

【0150】
(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸
1−フルオロ−4−ヨード−2−イソプロピル−5−メトキシベンゼン(中間体3,2.61g,8.88mmol)の−78℃のTHF溶液にn−BuLi(4.26mL,10.65mmol,2.5M)を滴下した。溶液を−78℃で30分間撹拌した。硼酸トリメチル(2.98mL,26.6mmol)を加えた。次に溶液を−78℃で3時間撹拌した。−78℃にて飽和塩化アンモニウムで反応をクエンチし、混合物を室温まで昇温した。有機層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。標記化合物が白色固体として得られた。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.74(d,J=10.0Hz,1H),6.62(d,J=12.5Hz,1H),5.65(br s,2H),3.92(s,3H),3.20(m,1H),1.22(m,6H)。
【0151】
中間体5
【0152】
【化20】

【0153】
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2リットル容フラスコに4−アミノ−3−ヨードベンゾトリフルオリド100g(0.348mol)、CuCN 40g及びDMF750mLを仕込んだ。混合物を還流温度まで加熱した後、1時間維持した。反応混合物を冷却し、濃水酸化アンモニウム300mLを加えた水3Lに注いだ。混合物にCHCl 1Lを加えた。次に混合物をセライトで濾過した。層分離し、水層をCHClで逆抽出した。有機抽出層を合わせ、溶媒を減圧除去した。残渣をエーテル1.5Lに溶かし、得られた溶液を1N水酸化アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム水溶液、1N HCl水溶液及びブラインで洗浄した。溶液を無水MgSOで乾燥し、表面にMgSO層を含むシリカゲルプラグで濾過した。プラグをエーテル0.5Lで洗浄した。エーテル溶液を合わせて750mLまで濃縮し、室温で放置した。2日後に得られた固形分を集め、ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥し、2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.68(s,1H),7.58(d,J=8.5Hz,1H),6.81(d,J=8.5Hz,1H),4.80(br s,2H)。
【0154】
中間体6
【0155】
【化21】

【0156】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル
2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体5,15.1g)とジヨードメタン(24mL)の35℃のアセトニトリル(150mL)溶液に亜硝酸t−ブチル(21mL)を滴下した。添加中は反応混合物を約35℃に維持した。反応混合物を30分間エージングさせた後、60℃まで30分間加熱した。反応混合物を冷却し、エーテルで希釈し、水で2回、亜硫酸水素ナトリウム水溶液で2回、水、次いでブラインで洗浄した。溶液を無水MgSOで乾燥し、シリカゲルプラグで濾過した後、濃縮し、赤色油状物を得た。ヘキサン、3:1ヘキサン/CHCl及び1:1ヘキサン/CHClを順次溶離液としてシリカゲルクロマトグラフィーにより生成物を精製し、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルを得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.10(d,J=8.5Hz,1H),7.85(d,J=1.8Hz,1H),7.52(dd,J=8.5,1.8Hz,1H)。
【0157】
中間体7
【0158】
【化22】

【0159】
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸
2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(中間体6;4g;0.0135mol)を1:1イソプロパノール:HO溶液(60mL)に溶かした溶液に撹拌下に水酸化カリウム(3.78g;0.0673mol)を加えた。反応混合物を14時間加熱還流した後、HO(50mL)とEtOAc(50mL)に分配した。水層をEtOAc(50mL)で抽出し、6N HClでpH5まで酸性化した。水層を更にEtOAc(4×50mL)で抽出した後、抽出層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸を黄色固体として得た。LCMS=317.0(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ8.27(d,J=1.6Hz,1H),8.25(d,J=8.2Hz,1H),7.47(dd,J=8.2,1.8Hz,1H)。
【0160】
中間体8
【0161】
【化23】

【0162】
[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール
下で2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(中間体7,2.97g;9.4mmol)の0℃のTHF(300mL)溶液に撹拌下にボラン−THF(THF中1.0M溶液;94mL;94mmol)を加えた。反応混合物を90分間加熱還流した後、ガスが発生しなくなるまで6N HClで注意深くクエンチした。反応混合物をHO(250mL)で希釈し、EtOAc(3×250mL)で抽出した。抽出層を合わせてブライン(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗材料をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0−25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノールを白色固体として得た。LCMS=285.0(M−17)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.97(d,J=8.3Hz,1H),7.79(s,1H),7.28(d,J=8.4Hz,1H),4.75(s,2H)。
【0163】
中間体9
【0164】
【化24】

【0165】
2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
下で[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体8,1.13g;3.74mmol)の0℃のCHCl(25mL)溶液に撹拌下に四臭化炭素(1.86g;5.6mmol)とトリフェニルホスフィン(1.47g;5.6mmol)を順次加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌した。2回目の等量の四臭化炭素(1.2g;3.74mmol)とトリフェニルホスフィン(0.98g;3.74mmol)を加え、反応混合物を更に14時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0−25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを透明油状物として得た。H NMR(CDCl,500MHz):δ8.02(d,J=8.2Hz,1H),7.73(d,J=1.8Hz,1H),7.26(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),4.64(s,2H)。
【0166】
中間体10
【0167】
【化25】

【0168】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
雰囲気下で水素化ナトリウム(油中60%;30.7mg,0.77mmol)の0℃のTHF(1mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロエチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体1;100mg,0.31mmol)のTHF(2mL)溶液を滴下した。得られた混合物を0℃て20分間撹拌した後に2−(ブロモメチル)−1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(中間体9;135mg,0.37mmol)をTHF(1mL)溶液として加えた。反応混合物を室温まで昇温し、5時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを透明油状物として得た。LCMS=610.0(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.98(d,J=8.2Hz,1H),7.79(s,1H),7.70(s,2H),7.42(s,1H),7.24(d,J=8.2Hz,1H),4.83(s,2H),4.81(s,2H),4.26(s,3H)。
【0169】
中間体11
【0170】
【化26】

【0171】
[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール
ベンゼン/EtOH/HO(7:1:3,250mL)中の[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(中間体8,3.09g,10.2mmol)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体4,4.34g,20.5mmol)、(PhP)Pd(1.42g,1.23mmol)及びNaCO(9.11g,85.9mmol)の混合物をN下で24時間加熱還流した。室温まで冷却後、水相を分離し、CHCl(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0−20% EtOAc勾配)により精製し、4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノールを得た。R=0.50(ヘキサン中20% EtOAc)。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.86(s,1H),7.59(d,J=6.7Hz,1H),7.30(d,J=7.9Hz,1H),6.99(d,J=8.6Hz,1H),6.68(d,J=12.0Hz,1H),4.52(br s,1H),4.46(br s,1H),3.73(s,3H),3.25−3.17(m,1H),1.82(br s,1H),1.24(d,J=6.8Hz,6H)。
【0172】
中間体12
【0173】
【化27】

【0174】
2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル
トリフェニルホスフィン(3.11g,11.8mmol)の無水CHCl(7mL)溶液をN下で四臭化炭素(3.93g,11.8mmol)と4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール(中間体11,3.38g,9.87mmol)の0℃の無水CHCl(56mL)溶液に撹拌下にカニューレで加えた。反応混合物を室温まで昇温した。2時間後に、反応混合物を減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0−20% EtOAc勾配)により精製し、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニルを得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ7.83(s,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),7.15(d,J=8.6Hz,1H),6.72(d,J=12.0Hz,1H),4.43(br d,J=10.0Hz,1H),4.30(br d,J=10.2Hz,1H),3.76(s,3H),3.30−3.22(m,1H),1.29(d,J=6.9Hz,6H)。
【0175】
中間体13
【0176】
【化28】

【0177】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−5−メチルイソオキサゾール−3−アミン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(338μL,2.04mmol)と5−メチルイソオキサゾール−3−アミン(200mg,2.04mmol)のトルエン(8mL)溶液を撹拌下に3.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOH(8mL)に再溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(154mg,4.08mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、HO(25mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0−25% EtOAc勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−5−メチルイソオキサゾール−3−アミンを白色固体として得た。LCMS=325.1(M+1)
【0178】
中間体14
【0179】
【化29】

【0180】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−3−メチルイソオキサゾール−5−アミン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(338μL,2.04mmol)と3−メチルイソオキサゾール−5−アミン(200mg,2.04mmol)のトルエン(8mL)溶液を撹拌下に3.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOH(8mL)に再溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(154mg,4.08mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、HO(25mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(65×200mm,ヘキサン中0−25% EtOAc勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−3−メチルイソオキサゾール−5−アミンを白色固体として得た。LCMS=325.1(M+1)
【0181】
中間体15
【0182】
【化30】

【0183】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(356μL,2.15mmol)とアニリン(200mg,2.15mmol)のトルエン(8mL)溶液を撹拌下に3.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をEtOH(8mL)に再溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(163mg,4.30mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を飽和NHClでクエンチし、HO(25mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−25% EtOAc勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリンを黄色油状物として得た。LCMS=320.2(M+1)
【0184】
中間体16
【0185】
【化31】

【0186】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
雰囲気下で水素化ナトリウム(油中60%;105mg,2.53mmol)の0℃のTHF(10mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体1;411mg,1.26mmol)のTHF(2mL)溶液を滴下した。得られた混合物を0℃で20分間撹拌した後に3−ブロモ−2−ブロモメチル−6−クロロピリジン(300mg,1.05mmol)をTHF(3mL)溶液として加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(25mL)とEtOAC(35mL)に分配した。水層をEtOAc(3×35mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−25% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを透明油状物として得た。LCMS=531(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.76−7.75(brs,3H),7.70(d,J=8.2Hz,1H),7.07(d,J=8.2Hz,1H),4.91(brs,2H),),4.89(brs,2H),4.19(s,3H)。
【0187】
中間体17
【0188】
【化32】

【0189】
2−(ブロモメチル)−4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル
ステップA:2−ヨード−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)アニリン
下でヨウ素(145mg,0.571mmol)の室温のEtOH(4.5mL)溶液に硫酸銀(178mg,0.571mmol)を懸濁した懸濁液に撹拌下に4−メチル−3−(トリフルオロメチル)アニリン(100mg,0.571mmol)を滴下した。混合物を一晩撹拌し、セライトプラグで濾過した。濾液を減圧濃縮し、2−ヨード−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)アニリンを得た。LCMS計算値=302.0;実測値=302.1(M+1)H NMR(500MHz,CDOD):δ7.79(s,1H);7.39(s,1H);5.25(br s,2H);2.34(s,3H)。
【0190】
ステップB:4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−アミン
1N KCO水溶液(6.7mL)とTHF(6.7mL)中の2−ヨード−4−メチル−5−(トリフルオロメチル)アニリン(ステップA,200.9mg,0.667mmol)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体4,212mg,1.00mmol)及び1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(43.5mg,0.0667mmol)の混合物を脱気し、N下で3時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。抽出層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25×160mm,ヘキサン中0−40% EtOAc勾配)により精製し、4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−アミンを無色固体として得た。R=0.54(20% EtOAc/ヘキサン)。LCMS計算値=342.2;実測値=342.1(M+1)H NMR(500MHz,CDCl):δ7.10(d,J=8.7Hz,1H);7.02(s,1H);6.99(s,1H);6.71(d,J=12.1Hz,1H);3.80(s,3H);3.71(s,2H);3.26−3.18(m,1H);2.40(d,J=1.6Hz,3H);1.27(d,J=6.8Hz,6H)。
【0191】
ステップC:4−フルオロ−2’−ヨード−5−イソプロピル−2−メトキシ−5’−メチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル
下で4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−アミン(ステップB,84.0mg,0.246mmol)とヨウ素(68.7mg,0.271mmol)の室温の溶液に亜硝酸イソアミル(96%,51μL,43.2mg,0.369mmol)を加えた。溶液を5分間撹拌した後に2時間加熱還流した。反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、飽和NaSO(10mL)、飽和NaHCO(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した後に乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25×160mm,ヘキサン中0−10% EtOAc勾配)により精製し、4−フルオロ−2’−ヨード−5−イソプロピル−2−メトキシ−5’−メチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(72mg)を得た。R=0.85(10% EtOAc/ヘキサン)。H NMR(500MHz,CDCl):δ8.18(s,1H);7.03(d,J=8.5Hz,1H);6.74(d,J=11.9Hz,1H);3.82(s,3H);3.33−3.25(m,1H);2.51(s,3H);1.35−1.31(m,6H)。
【0192】
ステップD:4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−カルボン酸メチル
4−フルオロ−2’−ヨード−5−イソプロピル−2−メトキシ−5’−メチル−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(ステップC,71.9mg,0.159mmol)、プロパン−1,3−ジイルビス(ジフェニルホスフィン)(17.0mg,0.0413mmol)、トリエチルアミン(119mg,163μL,1.17mmol)及び酢酸パラジウム(II)(6.4mg,0.0286mmol)のDMF/MeOH(1:1,3mL)溶液をCO(60psi)下で70℃に18時間加熱した。反応混合物を冷却し、50%飽和ブライン(20mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。抽出層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25×160mm,ヘキサン中0−20% EtOAc勾配)により精製し、4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−カルボン酸メチルを得た。R=0.75(20% EtOAc/ヘキサン)。LCMS計算値=353.1;実測値=353.1(M+1)H NMR(600MHz,CDCl):δ8.14(s,1H);7.25(s,1H);7.08(d,J=8.5Hz,1H);6.62(d,J=12.0Hz,1H);3.71(s,3H);3.70(s,3H);3.25−3.19(m,1H);2.56(s,3H);1.29(d,J=7.0Hz,6H)。
【0193】
ステップE:[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール
下で4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−カルボン酸メチル(ステップD,35.4mg,0.0921mmol)の室温の無水THF(4mL)懸濁液に撹拌下に水素化ホウ素リチウムのTHF(461μL,0.461mmol)溶液を滴下した。4時間後に反応混合物を1N HCl(5mL)と水(10mL)で希釈した後にEtOAc(3×20mL)で抽出した。抽出層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25×160mm,ヘキサン中0−20% EtOAc勾配)により精製し、[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノールを得た。R=0.51(20% EtOAc/ヘキサン)。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.82(s,1H);7.12(s,1H);7.01(d,J=8.5Hz,1H);6.69(d,J=12.0Hz,1H);4.46−4.41(m,2H);3.74(s,3H);3.26−3.18(m,1H);2.51(s,3H);2.12(br s,1H);1.27(br d,J=5,1Hz,6H)。
【0194】
ステップF:2−(ブロモメチル)−4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル
下で[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メタノール(ステップE,33.4mg,0.0937mmol)と四臭化炭素(37.3mg,0.112mmol)の0℃の無水CHCl(1mL)溶液に撹拌下にトリフェニルホスフィン(29.5mg,0.112mmol)を加えた。反応混合物を室温まで一晩昇温した。反応混合物を減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(25×160mm,ヘキサン中0−20% EtOAc勾配)により精製し、2−(ブロモメチル)−4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニルを得た。R=0.92(20% EtOAc/ヘキサン)。H NMR(500MHz,CDCl):δ7.81(s,1H);7.18(s,1H);7.17(d,J=8.5Hz,1H);6.73(d,J=12.0Hz,1H);4.41(d,J=10.1Hz,1H);4.29(d,J=10.1Hz,1H);3.77(s,3H);3.32−3.24(m,1H);2.53(s,3H);1.31(d,J=6.9Hz,8H)。
【0195】
中間体18
【0196】
【化33】

【0197】
2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル
ステップ1:4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4−ブロモ−3−メチル安息香酸メチル(92g,0.402mol)、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(61.1g,0.402mol)、NaCO(85.2g,0.804mol)、及びPdCl(PPh(1410mg,2.01mmol)にEtOH(1.23L)と水(0.61L)を加えた。次に反応混合物を80℃まで1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水550mlを加え、混合物を1時間放置した。得られた固形分を濾過し、EtOHとHOの溶液(1:1,750mL)で洗浄した。固形分を乳鉢乳棒で粉砕した後、室温のHO 250mLで1時間スラリー化した後、濾過し、水洗(2×125mL)し、乾燥し、4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.95(s,1H),7.89(d,J=7.9Hz,1H),7.29(d,J=7.9Hz,1H),7.27(d,J=8.7Hz,2H),6.98(d,J=8.7Hz,2H),3.94(s,3H),3.87(s,3H),2.33(s,3H)。
【0198】
ステップ2:3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル
4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(71.5g,0.279mol)をアセトニトリル(1.43L)と水(572mL)に溶かした溶液にオキソン(180.1g,0.293mol)を加えた。次にKBr(38.2g,0.321mol)の水(143mL)溶液を30分間かけてゆっくりと加えた。反応混合物を2.5時間撹拌した後、水(715mL)を加え、混合物を1時間放置した。固形分を濾過し、MeCN/水溶液(1:1,350mL,2回)、水(700mL,2回、次いで350mL)で順次洗浄した後、乾燥し、3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.94(s,1H),7.89(d,J=8.1Hz,1H),7.53(d,J=2.2Hz,1H),7.3−7.2(m,2H),6.97(d,J=8.4Hz,1H),3.96(s,3H),3.94(s,3H),2.32(s,3H)。
【0199】
ステップ3:2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル
3’−ブロモ−4’−メトキシ−2−メチルビフェニル−4−カルボン酸メチル(80.0g,0.239mol)、ピナコールボラン(72.8g,0.287mol)、Pd(dba)(4120mg,7.17mmol)、P(Cy)(2140mg,7.65mmol)、及びKOAc(70.3g,0.717mol)の混合物にジオキサン(1.2L)を加えた。反応混合物を80℃まで加熱し、3時間撹拌した。次に反応混合物を室温まで冷却し、濾過した。固形分をEtOAc(800mL)に溶かし、ブライン(400mL,2回)で洗浄し、濃縮した。残渣をTHF(300mL)に溶かし、[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(47.1g,0.223mol)と(t−BuP)フェロセンPdClを加えた。KCO(83.7g,0.606mol)の水(214mL)溶液を加え、混合物を45℃まで加熱し、9時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(428mL)で希釈し、水(428mL)とブライン(428mL)で洗浄した。有機材料に活性炭(Darco KB−100メッシュ)21.5gを加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過し、固形分をEtOAc(428mL)で洗浄した。濾液を濃縮した後、MeOH(677mL)に再溶解し、1時間放置した。混合物に水(169mL)を2時間かけて加えた後、混合物を1時間放置した。得られた固形分をMeOHと水の溶液(4:1,170mL,3回)で洗浄し、乾燥し、2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。
【0200】
ステップ4:2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル
2”−(ヒドロキシメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル(1.500g,3.49mmol)の0℃のCHCl(14mL)溶液にCBr(2.429g,7.33mmol)を加えた。次に、トリフェニルホスフィン(1.830g,6.98mmol)のCHCl(15mL)溶液を加えた。溶液を室温まで昇温し、12時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(0→25% EtOAc/ヘキサン)により精製し、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチルを得た。R=0.59(50% EtOAc/ヘキサン)。LCMS=494.8(M+1)H NMR(CDCl,500MHz)δ7.95(s,1H),7.89(d,J=8.0Hz,1H),7.80(s,1H),7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.40−7.33(m,3H),7.21(d,J=2.3Hz,1H),7.06(d,J=8.5Hz,1H),4.44−4.39(m,2H),3.93(s,3H),3.82(s,3H),2.37(s,3H)。
【実施例】
【0201】
(実施例1)
【0202】
【化34】

【0203】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
雰囲気下で水素化ナトリウム(油中60%;12mg,0.31mmol)の0℃のTHF(1mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体1;48mg,0.15mmol)を少量ずつ加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体12;50mg,0.12mmol)のTHF(1mL)溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを黄色ガムとして得た。LCMS=650.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.73(s,1H),7.58(d,J=8.0Hz,1H),7.51(s,2H),7.50(s.1H),7.32(d,J=8.0Hz,1H),6.92(d,J=8.5Hz,1H),6.60(d,J=12.1Hz,1H),4.63(s,2H),4.51(s,2H),4.16(s,3H),3.70(s,3H),3.81−3.13(m,1H),1.23(d,J=7.1Hz,3H),1.19(d,J=6.9Hz,3H)。
【0204】
(実施例2)
【0205】
【化35】

【0206】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン
ステップA:N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(42μL,0.25mmol)を中間体1に記載したように1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン(25mg,0.25mmol)と水素化ホウ素ナトリウム(19mg,0.51mmol)で順次処理した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−75% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミンを白色固体として得た。LCMS=325.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.85(s,2H),7.79(s,1H),6.68(s,1H),4.48(s,2H),3.97(s,3H)。
【0207】
ステップB:N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミン(ステップA;44mg,0.14mmol)を実施例1に記載したように水素化ナトリウム(油中60%;12.3mg,0.31mmol)と2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体12;50mg,0.12mmol)で処理し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−アミンを透明油状物として得た。LCMS=649.3(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.72(s,1H),7.64(s,2H),7.57(s,1H),7.54(d,J=8.0Hz,1H),7.28(d,J=7.8Hz,1H),6.90(d,J=8.5Hz,1H),6.62(d,J=12.1Hz,1H),6.39(s,1H),4.57(d,J=7.3Hz,2H),4.36−4.17(m,2H),3.92(s.3H),3.67(s,3H),3.20−3.14(m,1H),1.26−1,17(m,6H)。
【0208】
(実施例3)
【0209】
【化36】

【0210】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体10;37mg,0.06mmol)と(2−クロロ−5−イソプロピルフェニル)ボロン酸(18mg,0.91mmol)のTHF(1.0mL)溶液に1M KCO水溶液(1.0mL)を加え、溶液を2分間窒素で脱気した。1,1−ビス(ジ−t−ブチルホスフィン)フェロセンパラジウムジクロリド(7.8mg,0.12mmol)を加え、溶液を14時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、HO(5mL)に注ぎ、EtOAc(3×15mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。15%EtOAC/ヘキサンを溶離液としてシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[2’−クロロ−5’−イソプロピル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを薄黄色油状物として得た。R=0.65(15% EtOAc/ヘキサン)。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.79(s,1H),7.64−7.60(m,2H),7.58(s,2H),7.39(m,2H),7.18(dd,J=8.3 and 2.3Hz,1H),6.97(d,J=2.3Hz,1H),4.67(d,J=16Hz,1H),4.62(d,J=16Hz,1H),4.54(d,J=16Hz,2H),4.16(s,3H),2.93(m,1H),1.21(d,J=2.0Hz,3H),1.20(d,J=2.0Hz,3H)。
【0211】
実施例3に概説した手順に従って表1に記載する化合物を製造した。
【0212】
【表2】

【0213】
(実施例7)
【0214】
【化37】

【0215】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチルイソオキサゾール−3−アミン
雰囲気下でカリウムtert−ブトキシド(15mg,0.130mmol)の0℃のDMF(1mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−5−メチルイソオキサゾール−3−アミン(中間体13;30mg,0.093mmol)を5分間かけて少量ずつ加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体12;37mg,0.093mmol)のDMF(1mL)溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−5−メチルイソオキサゾール−3−アミンを無色油状物として得た。LCMS=649.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.77(s,1H),7.62−7.54(m,3H),7.52(s,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),6.95(d,J=8.5Hz,1H),6.67(d,J=11.9Hz,1H),5.38(s,1H),4.57−4.18(m,4H),3.71(s,3H),3.22(m,1H),2.32(s,3H),1.27(d,J=6.9Hz,3H),1.22(d,J=6.9Hz,3H)。
【0216】
(実施例8)
【0217】
【化38】

【0218】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−3−メチルイソオキサゾール−5−アミン
雰囲気下でカリウムtert−ブトキシド(15mg,0.130mmol)の0℃のDMF(1mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−3−メチルイソオキサゾール−5−アミン(中間体14;30mg,0.093mmol)を5分間かけて少量ずつ加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体12;37mg,0.093mmol)のDMF(1mL)溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−3−メチルイソオキサゾール−5−アミンを無色油状物として得た。LCMS=649.3(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.79(s,1H),7.62(d,J=7.8Hz,1H),7.52(s,2H),7.44(s,1H),7.33(d,J=7.8Hz,1H),6.94(d,J=8.5Hz,1H),6.67(d,J=11.9Hz,1H),4.66(s,1H),4.50−4.30(m,4H),3.70(s,3H),3.22(m,1H),2.18(s,3H),1.27(d,J=6.9Hz,3H),1.22(d,J=6.9Hz,3H)。
【0219】
(実施例9)
【0220】
【化39】

【0221】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}アニリン
雰囲気下でカリウムtert−ブトキシド(20mg,0.18mmol)の0℃のDMF(2mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリン(中間体15;40mg,0.13mmol)を5分間かけて少量ずつ加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、2’−(ブロモメチル)−4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシ−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体12;53mg,0.13mmol)のDMF(1mL)溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHOでクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}アニリン31mgを無色油状物として得た。LCMS=644.4(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.79(s,1H),7.64(s,2H),7.58(d,J=8.1Hz,1H),7.34(d,J=8.0Hz,1H),7.22−7.18(m,3H),6.98(d,J=8.5Hz,1H),6.82(m,1H),6.68−6.62(m,2H),4.66(d,J=6.8Hz,1H),4.64(d,J=17.7Hz,1H),4.32−4.26(d,J=17.4Hz,1H),3.72(s,3H),3.26(m,1H),1.28(d,J=7.1Hz,3H),1.22(d,J=7.1Hz,3H)。
【0222】
(実施例10)
【0223】
【化40】

【0224】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
雰囲気下で水素化ナトリウム(油中60%;2.4mg,0.06mmol)の0℃のTHF(1mL)懸濁液に撹拌下にN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体1;7.8mg,0.024mmol)を少量ずつ加えた。得られた溶液を0℃で20分間撹拌した後、2−(ブロモメチル)−4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル(中間体17;10mg,0.024mmol)のTHF(1mL)溶液を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、14時間撹拌した。反応混合物をHO(1mL)でクエンチし、HO(15mL)とEtOAC(25mL)に分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で再抽出し、抽出層を合わせてブライン(25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0−10% EtOAc/ヘキサン勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[4’−フルオロ−5’−イソプロピル−2’−メトキシ−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを無色油状物として得た。LCMS=664.3(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.75(s,1H),7.48(brs,2H),7.42(s,1H),7.11(s,1H),6.89(d,J=8.5Hz,1H),6.58(d,J=12.1Hz,1H),4.58(s,2H),4.47(d,J=4.4Hz,2H),4.16(s,3H),3.70(s,3H),3.18−3.13(m,1H),2.47(s,3H),1.22(d,J=7.0Hz,3H),1.18(d,J=6.8Hz,3H)。
【0225】
(実施例11)
【0226】
【化41】

【0227】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
炭酸カリウム水溶液/THF(18mL,18mL)中のN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[(3−ブロモ−6−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体16,307mg,0.58mmol)、(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(中間体4,246mg,1.16mmol)及び1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(38mg,0.58mmol)の混合物をN下で2.5時間加熱還流した。室温まで冷却後、水相を分離し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15% EtOAc勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを得た。LCMS=617.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.87(d,J=8.0Hz,1H),7.70−7.64(m,3H),7.70(m,1H),6.90(d,J=12.1Hz,1H),6.68(d,J=12.1Hz,1H),4.92(brs,2H),4.08(s,3H),3.84(s,2H),3.68(s,3H),3.22(m,1H),1.26(d,J=6.8Hz,3H),1.21(brs,3H)。
【0228】
(実施例12)
【0229】
【化42】

【0230】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
炭酸カリウム水溶液/THF(15mL,15mL)中のN−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[6−クロロ−3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(実施例11,285mg,0.46mmol)、イソプロペニルボロン酸(396mg,4.6mmol)及び1,1’−ビス(ジ−t−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(29mg,0.046mmol)の混合物をN下で2.5時間加熱還流した。室温まで冷却後、水相を分離し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−15% EtOAc勾配)により精製し、N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを得た。LCMS=623.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.70(s,1H),7.68(brs,2H),7.53(d,J=8.0Hz,1H),7.45(d,J=8.0Hz,1H),6.92(d,J−8.5Hz,1H),6.62(d,J=12.1Hz,1H),5.88(brs,1H),5.34(brs,1H),4.85(brs,4H),4.15(s,3H),4.13(s,3H),3.17(m,1H),2.11(3H,s),1.29(brs,6H)。
【0231】
(実施例13)
【0232】
【化43】

【0233】
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロペニルピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(実施例12,34mg,0.055mmol)のEtOH(3mL)溶液に1気圧水素と触媒量のPd/Cを導入した。混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濃縮した。EtOAc:ヘキサン10:90を溶離液として使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー後に標記化合物N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{[3−(4−フルオロ−5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−6−イソプロピルピリジン−2−イル]メチル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンが得られた。LCMS=625.2(M+1)H NMR(CDCl,500MHz):δ7.72(s,1H),7.68(brs,2H),7.40(d,J=7.4Hz,1H),7.11(d,J=7.7Hz,1H),6.90(d,J=8.5Hz,1H),6.57(d,J=12.1Hz,1H),4.74(brs,3H),4.67(s,1H),4.06(s,3H),3.66(s,3H),3.14(m,1H),2.99(m,3H),1.21(d,J=7.0Hz,3H),1.17(brs,3H)。
【0234】
(実施例14)
【0235】
【化44】

【0236】
2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](5−メチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−5−メチルイソオキサゾール−3−アミン(中間体13)(44.8mg,0.138mmol)のDMF(1.8mL)溶液にt−BuOK(17.5mg,0.152mmol)を加えた。反応混合物を15分間撹拌した後、2”−(ブロモメチル)−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル(75mg,0.152mmol)のDMF(1mL)溶液をカニューレで加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、飽和NHCl溶液(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で希釈し、ブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(C−18,10→95% MeCN/水+0.1% TFA)により精製し、2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](5−メチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチルを(TFA塩として)得た。LCMS=737.0(M+1)
【0237】
(実施例15)
【0238】
【化45】

【0239】
2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](5−メチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸
実施例14からの2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](5−メチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル(52mg,0.0707mmol)のMeOH(2mL)溶液に4M KOH溶液(1mL)を加えた。反応混合物を室温で10時間撹拌した後、1N HCl(5mL)でクエンチした後、EtOAc(15mL)で希釈した。水層をEtOAc(10mL)で抽出し、有機抽出層を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(C−18,10→95% MeCN/水+0.1% TFA)により精製し、2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](5−メチルイソオキサゾール−3−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸を(TFA塩として)得た。LCMS=723.1(M+1)H NMR(CDCl,500MHz)δ8.00(s,1H),7.95(d,J=8.0Hz,1H),7.72(s,1H),7.59(d,J=8.2Hz,1H),7.56(s,2H),7.48(s,1H),7.34−7.37(m,2H),7.28(d,J=8.0Hz,1H),7.06(d,J=2.1Hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,1H),6.73(bs),5.43(s,1H),4.48−4.52(m,3H),4.34(d,J=16.5Hz,1H),3.76(s,3H),2.32(s,3H),2.29(s,3H)。
【0240】
(実施例16)
【0241】
【化46】

【0242】
2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(中間体10,83mg,1,4−ジオキサン830μL中0.136mmol)、4’−メトキシ−2−メチル−3’−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ビフェニル−4−カルボン酸メチル(104mg,0.272mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリドジクロロメタン付加物(22mg,0.027mmol)、炭酸カリウム水溶液(272μL,1M,0.272mmol)及びアセトン(1mL)を合わせて82℃油浴中で30分間撹拌した。粗生成物を冷却し(氷浴)、乾燥した(NaSO)。得られた暗色混合物をヘキサン中25%酢酸エチル(v/v)で展開溶出させながら分取TLC(SiO)により精製し、黄色ガラス状物を得た。この黄色ガラス状物を分取TLC(SiO,ヘキサン中80% DCM(ジクロロメタン),v/v)により更に精製し、透明ガラス状物を得た。MeCN(0.1% TFA,v/v)/水(0.1% TFA,v/v)(10分間で10%→100%有機溶媒、2分間100%維持、20mL/分)を溶離液としてこのガラス状物を再び分取HPLC(Kromasil 100−5C18,100×21.1mm)により精製し、標記化合物を無色ガラス状物として得た。
【0243】
(実施例17)
【0244】
【化47】

【0245】
2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸
実施例16からの2”−{[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ]メチル}−4’−メトキシ−2−メチル−4”−(トリフルオロメチル)−1,1’:3’,1”−ターフェニル−4−カルボン酸メチル(31.0mg,0.042mmol)、水酸化リチウム・1水和物(9mg,0.21mmol)、水(0.4mL)及び1,4−ジオキサン(1mL)を室温で5時間撹拌した。粗混合物をHCl(1N水溶液,1mL)で酸性化した。得られた混合物をブラインで洗浄し、酢酸エチルで抽出した。抽出層を合わせて水で逆洗した。得られた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧蒸発させ、透明油状物を得た。MeCN(0.1% TFA,v/v)/HO(0.1% TFA,v/v)勾配混合物(10分間で10%→100%有機溶媒、2分間100%維持、20mL/分)を溶離液として、得られた油状物を逆相分取HPLC(Kromasil 100−5C18,100×21.1mm)により精製し、標記化合物をガラス状物として得た。LCMS計算値=723.19;実測値=724.32(M+1)H NMR(CDCl,500MHz)δ8.00(s,1H),7.95(d,J=6.5Hz,1H),7.70(s,1H),7.58(d,J=7.0Hz,1H),7.52(s,1H),7.49(s,1H),7.37(d,J=6.5Hz,1H),7.31(dd,J=2.0,7.0Hz,1H),7.29(d,J=7.0Hz,1H),7.07(d,J=2.0Hz,1H),6.97(d,J=7.0Hz,1H),4.69(s,2H),4.54(s,2H),4.12(s,3H),3.79(s,3H),2.32(s,3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、式Iのフェニル環Aは、式IのA又は−CR1516−と結合していない4つの位置の1つの位置において、−(CH)=の代わりに−N=を場合によりもち;
は、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)場合により1〜2個の二重結合を含む5〜7員非芳香族シクロアルキル環と縮合したフェニル環;
(c)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、場合によりカルボニル基又は−N(O)−基を含み、フェニル環AとAの結合点がAの炭素原子である5〜6員複素環;並びに
(d)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、フェニル環AとAの結合点がAの炭素原子であるベンゾ複素環
から構成される群から選択され;
は場合によりRから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
は、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)場合により1〜2個の二重結合を含む5〜7員非芳香族シクロアルキル環と縮合したフェニル環;
(c)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、場合によりカルボニル基又は−N(O)−基を含み、Aの結合点がAの炭素原子である5〜6員複素環;
(d)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、Aの結合点がAの炭素原子であるベンゾ複素環;並びに
(e)場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル環
から構成される群から選択され;
は場合によりRから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており;
各R及びRは、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、ハロゲン、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更にカルボニル基と場合により1〜3個の二重結合を含む。)から構成される群から独立して選択され、
及びRが複素環、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cシクロアルキル及び−C(=O)C−Cシクロアルキルから構成される群から選択されるとき、R及びRの複素環と−C−Cシクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており、前記−C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜7個のハロゲンで置換されており、
及びRが−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから構成される群から選択されるとき、R及びRのアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR1011、(d)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−C−Cシクロアルキル、(e)場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、場合により−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換された−OC−Cアルキル、(f)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−OC−Cシクロアルキル、(g)−COH、(h)−C(=O)CH、及び(i)場合により1〜9個のハロゲンで置換された−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aの隣接炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aと縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aと縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されており、但し、2個の隣接するR基は一緒になって別の縮合環を形成することができず;
各Rは−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、場合により1〜3個の二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、ハロゲン、−CN、−NO、フェニル並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更にカルボニル基と場合により1〜3個の二重結合を含む。)から構成される群から独立して選択され、
が複素環、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cシクロアルキル及び−C(=O)C−Cシクロアルキルから構成される群から選択されるとき、Rの複素環と−C−Cシクロアルキル基は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−NR1011、−OC−Cアルキル、−COH、−CN及び−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜7個のハロゲンと場合により1個の−OH基で置換されており、
が−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−C(=O)SC−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから構成される群から選択されるとき、Rのアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜13個のハロゲンで置換されており、場合により(a)−OH、(b)−CN、(c)−NR1011、(d)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−C−Cシクロアルキル、(e)場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、場合により更に−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換された−OC−Cアルキル、(f)場合により1〜3個の二重結合をもち、場合により1〜15個のハロゲンで置換された−OC−Cシクロアルキル、(g)−COH、(h)−C(=O)CH、及び(i)場合により1〜9個のハロゲンで置換された−CO−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
がフェニルであるとき、前記フェニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、場合によりC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ。)から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、前記複素環は場合により更にカルボニル基と、場合により1〜3個の二重結合と、場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基を含み;Rがフェニルである場合にフェニル上の置換基が−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR10C(=O)OC−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから選択されるとき、前記置換基のアルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基は場合により1〜5個のハロゲン置換基と、場合により−OH、−NR1011、場合により1〜3個のFで置換された−OCH、並びに場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルから選択される1個の置換基を含み;
nは0及び1から選択される整数であり;
pは0〜4の整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
yは1及び2から選択される整数であり;
Zはフェニル又は5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ。)であり、前記複素環は場合によりカルボニル基と1〜3個の二重結合を含み、前記複素環は前記複素環が結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル又は5〜6員複素環は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−C(=O)NR1011、−NR10C(=O)OC−Cアルキル、−NR10C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−S(O)NR1011、−NR10S(O)NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されており;
、R12、R13、R14、R15及びR16は各々独立してH、−OH、ハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル、−OC−Cアルキル及び−NR1011から構成される群から選択され、前記−C−Cアルキル、−C−Cシクロアルキル及び−OC−Cアルキルは各々場合により1〜9個のハロゲンで置換されており、各々場合により−OH、−C(=O)CH、−OC(=O)CH、−OC−Cアルキル及び−OC−CアルキレンOC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の基で置換されており、RとR12は場合により一緒になってオキソ基を形成してもよく;
10及びR11は各々独立してH、−C−Cアルキル、−C(=O)C−Cアルキル及び−S(O)−Cアルキルから選択され、全出現時における−C−Cアルキルは場合により1〜11個のハロゲンで置換されている。]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
式Iのフェニル環Aが、式IのA又は−CR1516と結合していないフェニル環の4つの位置の1つの位置において−(CH)=の代わりにN=を場合によりもち;
が、
(a)フェニル及びナフチルから選択される芳香環;
(b)N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と、場合によりカルボニル基又は−N(O)−基を含み、フェニル環AとAの結合点がAの炭素原子である5〜6員複素環;並びに
(c)O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子と、場合により1〜2個の二重結合をもつ5〜6員複素環と縮合したフェニル環を含み、フェニル環AとAの結合点がAの炭素原子であるベンゾ複素環
から構成される群から選択され;
は場合により−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−COH、ハロゲン、−NR1011、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−C(=O)NR1011、−S(O)−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−CN、−NO、−C−Cシクロアルキル、フェニル並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合を含む。)から独立して選択される1〜4個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル、−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンと1個の−OH又は−COH基から独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており;−C−Cシクロアルキル、フェニル及び5〜6員複素環は場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンと場合により1個の−OH基で置換されており;
がフェニル、ナフチル、−C−Cシクロアルキル並びに5〜6員複素環(この複素環は、O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合と場合によりカルボニル基又は−N(O)−基を含む。)から構成される群から選択され、Aは場合により−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)H、−NO、−CN、−S(O)−Cアルキル、−NR1011、−NR10C(=O)R11、−C−Cアルケニル、−C(=O)NR1011、ハロゲン、−C−Cシクロアルキル並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもち、場合により更に1〜3個の二重結合を含む。)から独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、全出現時における前記C−Cアルキル、C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は場合によりハロゲン及び−C−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
各RがH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、場合により二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、場合により二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH,−CO−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子と、場合により1〜3個の二重結合をもつ。)から構成される群から独立して選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は全出現時において場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aの隣接炭素原子上の2個のR基は場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aと縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Iのフェニル環又は場合によりピリジル環Aと縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されており、但し、2個の隣接するR基は一緒になって別の縮合環を形成することができず;
nは0及び1から選択される整数であり;
pは0〜4の整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数であり;
はH、F、OH、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから構成される群から選択され、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは各々場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、場合により1個の−OC−Cアルキルで置換されており;
10及びR11は各々独立してH及び−C−Cアルキルから選択され;
12、R13、R14、R15及びR16は各々Hであり;
Zはフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素環から選択され、前記複素環は場合により更に1〜3個の二重結合を含み、前記複素環は前記複素環が結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル又は5〜6員複素環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されている請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
式Ia
【化2】

(式中、Yは−N=及び−CH=から構成される群から選択される。)の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
式Ib
【化3】

[式中、Yは−N=及び−CH=から構成される群から選択され;
、R及びRは各々独立してH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、場合により二重結合をもつ−C−Cシクロアルキル、場合により二重結合をもつ−OC−Cシクロアルキル、−C(=O)C−Cアルキル、−C(=O)C−Cシクロアルキル、−C(=O)H、−COH、−CO−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−CN、−NO並びに5〜6員複素環(この複素環は、N、S及びOから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子と、場合により1〜3個の二重結合をもつ。)から構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜5個のハロゲンで置換されており、−C−Cシクロアルキル及び5〜6員複素環は全出現時において場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
とRが式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環の隣接炭素原子上にあるとき、RとRは場合により一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することにより、式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合したシクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環を形成してもよく、式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環と縮合した前記シクロペンチル、シクロヘキシル又はフェニル環は場合により1〜2個のR基で置換されており、式Ibのフェニル環又は場合によりピリジル環の残りの1又は2個の−CH=位置は場合によりRで置換されており、但し、2個の隣接するR基は一緒になって別の縮合環を形成することができない。]の請求項2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
、R及びRが各々独立してH、ハロゲン、−NR1011、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、ピリジルは場合によりハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている請求項4に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項6】
式Ic
【化4】

(式中、Yは−N=及び−CH=から構成される群から選択され;
とRは一緒になって別の縮合環を形成することができない。)の請求項4に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
Yが−N=及び−CH=から構成される群から選択され;
がH、ハロゲン、シクロプロピル、−NR1011、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記シクロプロピル、C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、ピリジルは場合によりハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
がH、ハロゲン、−CH、−CF、−OCH及び−OCFから構成される群から選択され;
とRは一緒になって縮合環を形成することができない請求項6に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
がフェニル、チエニル、フリル、ピリジル、1−オキシドピリジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル及びオキサジアゾリルから構成される群から選択され;
がフェニル、チエニル、フリル、ピリジル、1−オキシドピリジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル及びC−Cシクロアルキルから構成される群から選択され;
及びAが場合により請求項6に記載するように置換されている請求項6に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
がフェニル、チエニル、フリル、ピリジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリル、ジヒドロインドリル、オキサゾリル及びイソオキサゾリルから構成される群から選択され;
がフェニル、ピリジニル、チエニル、1−オキシドピリジニル及びシクロヘキシルから選択され;
及びAが場合により請求項6に記載するように置換されている請求項6に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項10】
及びAがフェニルであり、A及びAが請求項7に記載するように置換されており、RがH又はCHである請求項7に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項11】
がHであり、nが0である請求項10に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項12】
Zがフェニル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びジオキシニルから構成される群から選択され、Zが場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されている請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項13】
式I又はIaのフェニル環又は場合によりピリジル環Aの隣接炭素原子上の2個のR基が一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することができない請求項1、2もしくは3のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項14】
式Iのフェニル環Aが式Iのフェニル環Aの1個の−CH=の代わりに−N=をもつ選択肢を取らず、式I又はIaのフェニル環又は場合によりピリジル環Aの隣接炭素原子上の2個のR基が一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成することができない請求項1もしくは2に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項15】
式II
【化5】

(式中、Yは−N=及び−CH=から構成される群から選択され;
はH及びCHから構成される群から選択され;
はH、ハロゲン、−NR1011、−OC−Cアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−CN、−NO及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキル及びC−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており;
はH及び場合により1〜3個のFで置換された−C−Cアルキルから構成される群から選択され;
とRは一緒になって−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CH=CH−CH=CH−から選択される架橋基を形成する選択肢を取らず;
はH、ハロゲン、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−SC−Cアルキル及び−CNから構成される群から選択され、前記−C−Cアルキル、−SC−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のFで置換されており;
及びRは各々独立してH、ハロゲン、−CH及び−OCHから構成される群から選択され、前記−CH及び−OCHは場合により1〜3個のFで置換されており;
はH、−C−Cアルキル、−OC−Cアルキル、−C−Cアルケニル、ハロゲン、−CN、−COH、−CO−Cアルキル、−SC−Cアルキル、−C(=O)NR1011、−C(=O)H、−C(=O)C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニル及び5−(1,2,4−オキサジアゾリル)から構成される群から選択され、
全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルキルは場合により1〜5個のハロゲンと1個の−OHから独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており、
−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、
1,2,4−オキサジアゾリル及びC−Cシクロアルキルは場合によりハロゲン、C−Cアルキル及びCFから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており、
フェニルは場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており;
及びRは各々独立してH、−C−Cアルキル、ハロゲン、−S(O)−Cアルキル、−NR1011、−OC−Cアルキル、C−Cアルケニル、−NO、−CN、−C(O)NR1011、−C(=O)H、−NHC(=O)C−Cアルキル、−NHS(O)−Cアルキル、COH、CO1−3アルキル、C−Cシクロアルキル及びピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記C−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており、C−Cシクロアルキル及びピリジルは場合によりハロゲン及びC−Cアルキルから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されており;
10及びR11は各々H又はC−Cアルキルであり;
Zはフェニル、テトラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル及びピリミジニルから構成される群から選択され、これらの基は場合により−CH及び−CFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;
nは0及び1から選択される整数であり;
xは0、1及び2から選択される整数である。]の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項16】
が−OCF、−OCH、−NO、−CN、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−NH及び3−ピリジルから構成される群から選択され、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のFで置換されており;
がH又はCHであり;
がH、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−OCH、−OCF、−OC、−SCH及び−CNから構成される群から選択され;
がH及びFから構成される群から選択され;
がH、F、−CH及び−OCHから構成される群から選択され;
がH、C−Cアルキル、−C(=O)H、−C(=O)CH、−CH=CH、−CN、Cl、F、−COH、−CO−Cアルキル、−OCH、−SCH、−C(=O)NR1011、3−メチル−5−(1,2,4−オキサジアゾリル)及びフェニルから構成される群から選択され、前記C−Cアルキル及びC−Cアルキルは場合により1〜5個のFと1個の−OHから独立して選択される1〜6個の置換基で置換されており、フェニルは場合によりハロゲン、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−OC−Cアルキル、−NR1011、−COH、−CO−Cアルキル及び−CNから構成される群から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、全出現時における前記−C−Cアルキル及び−C−Cアルケニルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されており;
及びRが各々独立してH;場合により1〜3個のFで置換されたC−Cアルキル;ハロゲン;−CN;−NO;場合により1〜3個のFで置換された−S(O)CH;場合により1〜3個のFで置換された−OCH;−CH=CH;−C(=O)H;−C(O)NR1011;−COH;−NR1011;−CO−Cアルキル;−NHC(=O)CH;−NHS(O)CH;及び4−ピリジルから構成される群から選択され;
10及びR11が各々独立してH及びCHから選択される請求項15に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項17】
がHであり、nが0である請求項1から9もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項18】
Yが−CH=である請求項3から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項19】
Yが−N=である請求項3から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項20】
、R及びRが各々H以外の基である請求項15もしくは16に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項21】
、R、R、R及びRが各々H以外の基である請求項15もしくは16に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項22】
Zがフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素環から構成される群から選択され、前記複素環は場合により更に1〜3個の二重結合を含み、前記複素環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル及び前記5〜6員複素環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−OC−Cアルキル、−OC−Cアルケニル、−OC−Cアルキニル、−C(=O)C−Cアルキル、−CO−Cアルキル、−NR1011、−OH、−CN及び−NOから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記置換基のアルキル、アルケニル及びアルキニル基は場合により1〜5個のハロゲンと、場合により−OH、−COH及び−CO−Cアルキルから選択される1個の置換基で置換されており;R10及びR11が各々H又はC−Cアルキルである請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項23】
Zがフェニルと、N、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素芳香環から構成される群から選択され、前記複素芳香環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記フェニル及び前記5〜6員複素芳香環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項24】
ZがN、S及びOから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子をもつ5〜6員複素芳香環であり、前記複素芳香環はZが結合しているNと炭素原子により結合しており、前記5〜6員複素芳香環は場合によりハロゲン、C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルから独立して選択される1〜3個の置換基を含み、前記C−Cアルキル及び−OC−Cアルキルは場合により1〜3個のハロゲンで置換されている請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項25】
Zがテトラゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル及びチアジアゾリルから構成される群から選択され、これらの基は場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項26】
Zがフェニル、イソオキサゾリル及びトリアゾリルから構成される群から選択され、Zは場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されている請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項27】
Zがフェニル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル及び1,2,3−トリアゾール−4−イルから構成される群から選択され、これらの基は場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜2個の置換基で置換されている請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項28】
Zが場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されたフェニルである請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項29】
Zが場合によりハロゲン、−CH、−OCH、−CF及び−OCFから選択される1個の置換基で置換されたテトラゾリルである請求項1から11もしくは15から16のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項30】
下記化合物
【表1】




から選択される請求項16に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項31】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるアテローム性動脈硬化症の治療方法。
【請求項32】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与する段階を含む、治療を必要とする患者におけるHDL−Cの上昇方法。
【請求項33】
アテローム性動脈硬化症の治療用医薬の製造における請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
【請求項34】
請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項35】
請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、
(a)PPARγアゴニスト及び部分アゴニスト;
(b)ビグアニド;
(c)蛋白質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤;
(d)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤;
(e)インスリン又はインスリンミメティクス;
(f)スルホニル尿素;
(g)αグルコシダーゼ阻害剤;
(h)(a)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;(b)胆汁酸抑制剤;(c)ナイアシン、ニコチニルアルコール、ニコチンアミド及びニコチン酸又はその塩;(d)PPARαアゴニスト;(e)コレステロール吸収阻害剤;(f)アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;(g)プロブコール等のフェノール性抗酸化剤;並びに(h)ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)/ApoB分泌阻害剤から構成される群から選択される1種以上の化合物;
(i)PPARα/γデュアルアゴニスト;
(j)PPARδアゴニスト;
(k)抗肥満化合物;
(l)回腸胆汁酸トランスポーター阻害剤;
(m)抗炎症薬;
(n)グルカゴン受容体アンタゴニスト;
(o)GLP−1;
(p)GIP−1;
(q)GLP−1アナログ;
(r)グルコキナーゼ活性化剤;並びに
(s)抗高血圧化合物から構成される群から選択される1種以上の活性成分を含有する医薬組成物。

【公表番号】特表2009−513573(P2009−513573A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533751(P2008−533751)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/038435
【国際公開番号】WO2007/041494
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】