説明

コンデンサ

【課題】層間剥離を抑制できるコンデンサを提供する。
【解決手段】複数の誘電体層が積層された積層体と、誘電体層を介して互いに対向するように誘電体層間に設けられた内部電極3a,3bと、内部電極3a,3bが電気的に接続されており、積層体の端部を覆うように設けられた外部電極と、内部電極3a,3bの端部側であって、積層体の両側面のうち少なくとも一方側に、内部電極3a,3bから離間して配置されているとともに、側面及び端面から露出しており、外部電極と電気的に接続されたダミー電極6とを備え、端面における内部電極3a,3bとダミー電極6との間隙Aは、積層方向に隣り合う内部電極3a,3bが設けられた誘電体層間において一致しているコンデンサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンデンサにおいて、メッキ法によって積層体の端面から両側面にかけて外部電極を形成する場合には、内部電極の端部を積層体の端面から露出させていた。また、内部電極とは離間してその両側に配置された各々のダミー電極の端部を、積層体の端面から側面にかけてそれぞれ露出させていた(特許文献1を参照)。そして、この内部電極およびダミー電極の露出部分にメッキ法で外部電極を形成する。
【0003】
このように、内部電極とダミー電極とを、積層体の幅方向に離間させることによって、両者が繋がっている場合における内部電極とダミー電極との接続部の近傍での、印刷マスクによる内部電極ペースト塗布時のかすれを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−282356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すようなコンデンサの積層体の端面においては、内部電極とダミー電極との間隙が、積層方向に隣り合う内部電極が設けられた誘電体層間において一致していた。よって、メッキによって外部電極を形成する際、端面において、内部電極の露出端部と、ダミー電極の露出端部とがメッキによる外部電極で繋がりにくく、外部電極が途切れやすくなる問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンデンサは、複数の誘電体層が積層された積層体と、前記誘電体層を介して互いに対向するように前記誘電体層間に設けられた内部電極と、該内部電極が電気的に接続されており、前記積層体の端部を覆うように設けられた外部電極と、前記内部電極の端部側であって、前記積層体の両側面のうち少なくとも一方側に、前記内部電極から離間して配置されているとともに、前記側面及び端面から露出しており、前記外部電極と電気的に接続されたダミー電極とを備え、前記端面における内部電極とダミー電極との間隙は、積層方向に隣り合う内部電極が設けられた誘電体層間において一致していないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコンデンサによれば、複数の誘電体層が積層された積層体と、誘電体層を介して互いに対向するように誘電体層間に設けられた内部電極と、内部電極が電気的に接続されており、積層体の端部を覆うように設けられた外部電極と、内部電極の端部側であって、積層体の両側面のうち少なくとも一方側に、内部電極から離間して配置されているとともに、側面及び端面から露出しており、外部電極と電気的に接続されたダミー電極とを備え、端面における内部電極とダミー電極との間隙は、積層方向に隣り合う内部電極が設けられた誘電体層間において一致していないことから、端面における内部電極とダミー電極との間隙の上下の方向に、積層方向に隣り合う内部電極又はダミー電極が位置することとなる。よって、この内部電極又はダミー電極にメッキで形成された電極部分が、内部電極とダミー電極との間隙を覆うこととなる。従って、内部電極とダミー電極との間で外部電
極が途切れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のコンデンサの実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は、本発明のコンデンサにおける、一方の第1内部電極の上面図であり、(b)は、他方の第1内部電極の上面図である。
【図3】本発明のコンデンサの積層体の端面図である。
【図4】(a)は、本発明のコンデンサの一例における積層体の端面の拡大図であり、(b)および(c)は、本発明のコンデンサの他の例における積層体の端面の拡大図である。
【図5】本発明のコンデンサの横断面図である。
【図6】(a)は、本発明のコンデンサにおける、一方の第1内部電極の他の例の上面図であり、(b)は、他方の第1内部電極の他の例の上面図である。
【図7】(a)は、本発明のコンデンサにおける、一方の第1内部電極の他の例の上面図であり、(b)は、他方の第1内部電極の他の例の上面図である。
【図8】(a)は、本発明のコンデンサにおける、一方の第1内部電極の他の例の上面図であり、(b)は、他方の第1内部電極の他の例の上面図である。
【図9】(a)は、本発明のコンデンサにおける、一方の第1内部電極の他の例の上面図であり、(b)は、他方の第1内部電極の他の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明のコンデンサの実施の形態の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図5に示すコンデンサ1は、基本的な構成として、積層体2と、内部電極3と、外部電極4とを具備している。
【0010】
積層体2は、複数の誘電体層5が積層されて成る。この積層体2は、1層当たり例えば1〜2μmの厚みに形成された矩形状の複数の誘電体層5を、例えば20〜2000層積層して成る直方体状の誘電体ブロックである。積層体2は、図1〜3、図5に示すように、互いに対向する第1の主面2a(上面)及び第2の主面(下面)2bと、互いに対向する第1の側面2c及び第2の側面2dと、互いに対向する第1の端面2e及び第2の端面2fとを有する略直方体状に形成されている。また、積層体2の寸法は、積層体2の長辺の長さを、例えば0.4〜3.2mmとし、積層体2の短辺の長さを、例えば0.2〜1.6mmとする。
【0011】
誘電体層5の材料としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiOまたはCaZrO等が挙げられる。なお、他の例としては、BaTiO、CaTiO、SrTiOまたはCaZrOなどを主成分とし、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物等が添加されたものであってもよい。
【0012】
第1外部電極4aおよび第2外部電極4bは、図5に示すように、第1内部電極3a、3bおよび第2内部電極3cにそれぞれ接続される。この第1外部電極4aおよび第2外部電極4bは、積層体2の表面に設けられる。以下の説明では、単に「外部電極4」と表記した場合には、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bの双方を意味するものとする。
【0013】
図5に示す例では、第1外部電極4aおよび第2外部電極4bは、積層体2の端部に設けられている。また、この外部電極4は、厚みが5〜50μmで形成されている。外部電極4は、配線基板上の電極パッドに電気的に接続されて、配線基板との電気的な導通を確保する役割を果たす。
【0014】
図5に示すように、第1外部電極4aは、第2の端面2f上に形成されている。図1に
示すように、第1外部電極4aの端部は、第1及び第2の側面2c、2dにまで至っている。図5に示すように、第1外部電極4aは、第2の端面2fに引き出される複数の第1内部電極3a、3bのそれぞれに電気的に接続されている。
【0015】
図5に示すように、第2外部電極4bは、第1の端面2e上に形成されている。図1に示すように、第2外部電極4bの端部は、第1及び第2の側面2c、2dにまで至っている。図5に示すように、第2外部電極4bは、第1の端面2eに引き出される複数の第2内部電極3cのそれぞれに電気的に接続されている。
【0016】
なお、外部電極4の表面には、外部電極4の保護、及び実装性の向上等のために、例えば、Niめっき膜やSnめっき膜などの1または複数のめっき膜が形成されていることが好ましい。例えば、外部電極4の表面に、Niめっき膜とSnめっき膜との積層体を形成してもよい。
【0017】
外部電極4を配線基板に接合する方法は、特に限定されない。例えば、Sn−Sb系高温半田などの高温半田、Sb−Pb共晶半田、Sn−Ag−Cu系Pbフリー半田、Sn−Cu系Pbフリー半田、導電性微粒子を含む樹脂などの適宜の接合部材を用いて外部電極4と配線基板とを接合することができる。
【0018】
第1内部電極3a、3bおよび第2内部電極3cは、誘電体層5を介して対向するように誘電体層5間に設けられている。以下の説明では、単に「内部電極3」と表記した場合には、第1内部電極3a、3bおよび第2内部電極3cの双方を意味するものとする。
【0019】
図5に示す例では、積層体2の誘電体層5間に、複数の第1内部電極3a、3bと、複数の第2内部電極3cとが、交互に配置されている。
【0020】
図2(a)に示すように、複数の第1内部電極3a、3bの一方の端部は、第2の端面2fに引き出されている。第1内部電極3a、3bは、第1及び第2の側面2c、2dには至っていない。
【0021】
図5に示すように、複数の第2内部電極3cの一方の端部は、第1の端面2eに引き出されている。第2内部電極3cも、第1及び第2の側面2c、2dには至っていない。
【0022】
内部電極3は、積層体2の誘電体層5間に20〜2000層形成されている。この内部電極3の材料としては、例えばNi、Cu、Ag、Pd、Au等の金属、またはこれらの金属の一種以上を含む、Ag−Pd合金などの合金などが挙げられる。全ての内部電極3は、同一の金属または合金により形成されていることが好ましい。
【0023】
内部電極3の全体の寸法は、図2(a)における積層体2の長辺方向に例えば0.39〜3.1mmであり、積層体2の短辺方向に例えば0.19〜1.5mmである。内部電極3の厚さは、特に限定されない。内部電極3の厚さは、例えば、0.3〜2μm程度である。
【0024】
図2および図3に示す例において、一方の側面2cに偏在して配置されている一方の第1内部電極3aと、これと同一の外部電極4aに接続され、かつ、他方の側面2dに偏在
して配置されている他方の第1内部電極3bとが、積層方向に交互に配置されている。
【0025】
ダミー電極6は、内部電極3の端部側であって、積層体2の両側面2c、2dのうち少なくとも一方側に、内部電極3から離間して配置されているとともに、側面及び端面から露出しており、外部電極4と電気的に接続されている。図2(a)および(b)に示す例においては、各誘電体層5間において、第1内部電極3aが偏在する方とは反対側の側面
側にダミー電極6が配置されている。
【0026】
ダミー電極6の寸法は、図2(a)、(b)における積層体2の長辺方向に例えば0.1
〜1mmであり、積層体2の短辺方向に例えば0.05〜0.5mmである。ダミー電極6の厚
さは、特に限定されない。ダミー電極6の厚さは、例えば、0.3〜2μm程度であっても
よい。
【0027】
図2(a)に示す例においては、ダミー電極6は、積層体2の側面2dの方に、第1内
部電極3aとは離間して配置されており、側面2d及び端面2fから露出しており、外部電極4aと電気的に接続されている。また、図2(b)に示す例においては、ダミー電極6は、積層体2の側面2cの方に、第1内部電極3aとは離間して配置されており、側面
2c及び端面2fから露出しており、外部電極4aと電気的に接続されている。
【0028】
以上のような第1内部電極3a、3bおよびダミー電極6の構成によって、積層体2の
端面2fにおいては、図3に示す例のように、積層体2の端面2fにおいて、一方の側面側に偏在する第1内部電極3aと、他方の側面側に偏在する第1内部電極3bとが、積層方向に交互に配置されており、第1内部電極3a、3bが偏在する方とは反対側の側面側に
ダミー電極6が配置されている構成となる。
【0029】
よって、端面2fにおける第1内部電極3a、3bとダミー電極6との間隙Aは、積層
方向に隣り合う第1内部電極極3a、3bが設けられた誘電体層5間において一致してい
ないこととなる。
【0030】
このような構成によって、図4(a)に示すように、端面2fにおける第1内部電極3
a、3bとダミー電極6との間隙Aの上下少なくとも一方に、第1内部電極3aが存在す
ることとなる。よって、この間隙Aの上下少なくとも一方に存在する第1内部電極3aに
メッキ法で形成された第1外部電極4aが、間隙Aを覆うこととなる。従って、内部電極
3の端部とダミー電極6の端部との間隙Aで外部電極4aが途切れることを抑制できる。
【0031】
図3に示す例で、端面2fの中央部において、積層方向に隣り合う第1内部電極3a、
3b間には、第2内部電極3bおよび2層分の誘電体層5の厚みに相当する間隔が存在す
る。一方、積層方向に隣り合うダミー電極6間には、4層分の誘電体層5、第1内部電極
3aおよび2層分の第2内部電極3bの厚みに相当する間隔が存在するので、積層方向の
電極間隔が広くなるが、誘電体層5および内部電極3の厚みは、1層当たり例えば0.3〜
2μmに過ぎない。よって、メッキ法によって外部電極4を形成する際は、上下のダミー電極6間で途切れることなく外部電極4aを形成することができる。
【0032】
図3に示す例においては、図4(a)に示すように、第1内部電極3aの右側端部と、
ダミー電極6の左側端部とが、積層方向で一致している。しかし、図4(b)に示すように、第1内部電極3aの右側端部と、ダミー電極6の左側端部とは、積層方向で必ずしも
一致している必要はない。このような場合であっても、第1内部電極3aの右側端部と、
ダミー電極6の左側端部との間隔が、10μm以下であれば、第1内部電極3aおよびダ
ミー電極6間の外部電極4aの途切れを抑制する効果を奏する。
【0033】
また、図4(c)に示す例のように、第1内部電極3aの端部と、ダミー電極6の端部
とが、積層方向において、間隔Cだけ重なっていても良い。このように間隔Cが存在する場合にも、図4(a)に示す例と同様、第1内部電極3aの端部にメッキで付着した外部
電極4aが、間隙Aを十分覆うことができる。よって、当然、第1内部電極3aおよびダ
ミー電極6間の外部電極4aの途切れを抑制する効果を奏する。
【0034】
以上で説明した図4(a)〜(c)のいずれの例においても、端面2fにおける第1内部電極3a、3bとダミー電極6との間隙Aは、積層方向に隣り合う第1内部電極極3a、
3bが設けられた誘電体層5間において一致していない。ここで、「一致していない」とは、間隙Aの全部又は一部と、第1内部電極3a(3b)とが、積層方向において重なっ
ていることを意味する。
【0035】
また、間隙Aは、0.07mm以上であることが好ましい。このように十分に間隙Aを確保することによって、製造工程において、誘電体層となるグリーンシート上に、内部電極3及びダミー電極6となる電極ペーストを印刷マスクを使用して塗布し、マスクを離した後に、両電極のペーストが流動して繋がることを防止できる。
【0036】
以上のような構成のコンデンサ1は、以下に示すようなセラミックグリーンシート積層法によって作製される。
【0037】
具体的には、誘電体層5となる複数のグリーンシートを用意する。この工程において、セラミックグリーンシートは、セラミック原料粉末および有機バインダに適当な有機溶剤等を添加し混合することによって泥漿状のセラミックスラリーを作製し、これをドクターブレード法等によって成形することによって得られる。
【0038】
次に、グリーンシート上に、内部電極3およびダミー電極6を形成する。この工程においては、得られたセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法等によって、内部電極3およびダミー電極6のパターンとなる導体材料を形成する。なお、1枚のグリーンシートから多数個のコンデンサが得られるように、この1枚のグリーンシートに複数の内部電極3およびダミー電極6のパターンを印刷する。
【0039】
次に、複数のセラミックグリーンシートを積層しかつプレスした後に、多数個分が一体となった生の積層体を作製する。この積層体をカットして、単体分の積層体として、コンデンサ1本体の生の状態のものを得る。
【0040】
次に、生の状態のコンデンサ1本体を焼成して積層体2を得る。この工程においては、例えば800〜1050℃で焼成することによって積層体2を得る。この工程によって、グリー
ンシートは誘電体層5となり、導体材料は、内部電極3となる。
【0041】
次に、メッキによって内部電極3及びダミー電極6における積層体2からの露出部に、外部電極4を形成する。
【0042】
このようにして得られる外部電極4の材料は、銅以外に銀,ニッケル,パラジウムまたはこれらの合金等の金属材料であってもよい。
【0043】
次に、得られた外部電極4の表面に、必要に応じてニッケル(Ni)メッキ層,金(Au)メッキ層,スズ(Sn)メッキ層あるいは半田メッキ層等のメッキ層を形成して、コンデンサ1を得る。
【0044】
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良等が可能である。
【0045】
例えば、バレル研磨等によって積層体2に面取りを施し、丸み部を形成してもよい。この工程によって、得られた積層体2の丸み部に、マイクロクラックの除去および欠けが発生することを防止することができる。さらにバレル研磨は金属粒子の表面酸化膜を削り取り金属表面を露出させてメッキ付着性を向上させる効果がある。
【0046】
また、例えば、図6(a)および(b)に示す例のように、第1内部電極3aは、誘電
体層5を介して第2内部電極3bと対向する容量形成部31と、容量形成部31から端面2f
に引き出されている引出し部32とを有しており、引出し部32は、一方の側面2c、2d側に偏在して配置されており、ダミー電極3は、他方の側面2d、2c側に配置されていることが好ましい。
【0047】
この場合には、引出し部32のみをいずれかの側面側に偏在させつつ、容量形成部31は、一般的なコンデンサと同様、誘電体層5間の中央部に配置させることができる。よって、誘電体層5を介して対向する第2内部電極3bが、誘電体層5間の中央部に配置されてい
る場合、第1内部電極3aおよび第2内部電極3bの位置が平面視した際にずれてしまい、両者の対向面積が減少することを防止できる。
【0048】
また、容量形成部31は、一般的なコンデンサと同様、誘電体層5間の中央部に配置されることで、いずれか一方の側面に容量形成部31が近接することを防止し、絶縁性が低下することを抑制することができる。
【0049】
また、例えば、図7(a)および(b)に示す例のように、第1内部電極3aにおいて
、引出し部32が、側面2c、2dに対して斜めに延びるように端面2fに引き出されていることが好ましい。一般的に、内部電極3は、外部電極4の配列方向に沿ってスキージを移動させることによって、印刷マスクの開口部に内部電極ペーストを充填して、形成される。その際、内部電極3の形状を、図7のようにすることで、内部電極ペーストが、マスクの開口部において滑らかに充填されていくこととなる。よって、電極のかすれが生じることを抑制することができる。第1内部電極3aにおける、第2内部電極3bとの対向部分において、電極のかすれを防止することにより、コンデンサ1の容量を所望の値に精度良く設定することができる。
【0050】
また、例えば、図8(a)および(b)に示す例のように、引出部32における、ダミー電極6が存在しない側の辺は、積層体6の側面と平行であることが好ましい。これにより、内部電極3は、積層体の側面から一定の間隔を確保できることとなる。よって、より確実な絶縁性を確保できる。
【0051】
このような図8(b)に示す第1内部電極3bおよび誘電体層5の寸法を以下に示す。
誘電体層5の幅Wが0.5mmであり、誘電体層5の長さLが1mmである場合、例えば、
ダミー電極6の幅Dは0.08mmであり、第1内部電極3bの積層体から露出された部分の
幅Eは0.26mmであり、第1内部電極3bとダミー電極6との間隙Aは、0.08mmである
。また、誘電体層5の幅Wが0.3mmであり、誘電体層5の長さLが0.6mmである場合、例えば、ダミー電極6の幅Dは0.07mmであり、第1内部電極3bの積層体から露出され
た部分の幅Eは0.09mmであり、第1内部電極3bとダミー電極6との間隙Aは、0.07m
mである。
【0052】
また、以上の説明では、主に第1内部電極3a、3bについての説明を行ったが、第2内部電極3cも、第1内部電極3a、3bと同様の構成であってよいことは言うまでもない

【0053】
また、例えば、図9(a)および(b)に示す例のように、ダミー電極6は、第1内部
電極3aの両側に配置されていてもよい。この場合には、積層体2の端面2f及び側面2c、2dにおいて、積層方向におけるダミー電極6間の間隔が小さくなる。よって、メッキによって、第1外部電極4aを形成する際に、さらに途切れにくい第1外部電極4aを形成することができる。
【0054】
また、以上の説明では、図3に示すように、側面2cから露出させるダミー電極6は、第1内部電極3a、3bが設けられた誘電体層間について、積層方向に一層飛ばしで配置
されていた。これは側面2dから露出させるダミー電極6も同様であった。しかし、この例に限らず、ダミー電極6は、第1内部電極3a、3bが設けられた誘電体層間について
、積層方向に二層以上飛ばして配置されていてもよい。このような場合であっても、誘電体層5等の厚みが調整され、積層方向におけるダミー電極6の間隔が10μm程度以下であれば、ダミー電極6間における第1外部電極4aの途切れを抑制できる。これは、側面2
dから露出させるダミー電極6も同様である。また、当然、このようなダミー電極6の配置を、図6〜図9の変形例に適用してもよいものとする。
【符号の説明】
【0055】
1:コンデンサ
2:積層体
3:内部電極
3a:一方の第1内部電極
3b:他方の第1内部電極
3c:第2内部電極
4:外部電極
4a:第1外部電極
4b:第2外部電極
5:誘電体層
6:ダミー電極
A:間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層が積層された積層体と、
誘電体層を介して互いに対向するように誘電体層間に設けられた内部電極と、
該内部電極が電気的に接続されており、積層体の端部を覆うように設けられた外部電極と、
内部電極の端部側であって、積層体の両側面のうち少なくとも一方側に、内部電極から離間して配置されているとともに、側面及び端面から露出しており、外部電極と電気的に接続されたダミー電極とを備え、
端面における内部電極とダミー電極との間隙は、積層方向に隣り合う内部電極が設けられた誘電体層間において一致していないことを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
前記内部電極は、前記誘電体層を介して互いに対向する容量形成部と、該容量形成部から前記端面に引き出されている引出し部とを有しており、
前記引出し部は、一方の側面側に偏在して配置されており、前記ダミー電極は、他方の側面側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記内部電極において、前記引出し部が、前記側面に対して斜めに延びるように前記端面に引き出されていることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231078(P2012−231078A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99598(P2011−99598)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】