説明

コーティングされたナノ粒子、特にコア−シェル構造のコーティングされたナノ粒子

固体コアのみを備えたコア構造を有する、または、無機物質から成る固体シェルによって取り囲まれた固体コアを備えたコア‐シェル構造を有する凝集していない固体ナノ粒子を少なくとも二つ備えたビード。該ナノ粒子は無孔質金属酸化物でコーティングされている。該ビードの作製方法。該ビードを含有するガラス、結晶、セラミック、ポリマー等の物質。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコーティングされたナノ粒子に関し、該ナノ粒子は特にコア‐シェル構造のナノ粒子である。
【0002】
本発明は更に、該コーティングされたナノ粒子の作製方法に関する。
【0003】
本発明の技術分野は最も一般的にはナノ粒子の分野と定義可能であり、より正確には、ナノ粒子が例えば高温(例えば最大1500℃)、酸化、湿気、化学製品、紫外線等に晒された際にナノ粒子の性質が保たれるようにナノ粒子を保護する分野と定義可能である。
【0004】
特に、本発明は、強い着色や蛍光等の光学効果を有するナノ粒子(特に金属ナノ粒子)を熱処理に対して保護する分野にある。
【背景技術】
【0005】
数十ナノメートルのスケールに粒子のサイズが減少することによって、その物理的性質、特にその光学応答における顕著な変化がもたらされる。
【0006】
特に光学応答は大昔から装飾ガラスを作るために用いられてきた。セラミック及びガラスを着色するための方法は中世の錬金術師によって更に開発されたが(“飲用金(aurum potabile)”、“カシウスの紫(purple of Cassius)”)、ファラデー(Faraday)(非特許文献1)が、強いルビーレッドの着色に対する説明として金原子の凝集の存在を提案したのは十九世紀になってのことである。前世紀に始まったMie(非特許文献2)の研究を通して、金属ナノ粒子によるこの強い着色に対する説明が与えられた。これらの研究から、金属ナノ粒子の研究に対する関心が実験的及び理論的に高まった。
【0007】
これらの研究によると、金属ナノ粒子を含むガラスの色は、表面プラズモン共鳴現象に因るものである。表面プラズモン共鳴とは、電磁波に応答して粒子の伝導電子が集団的に振動することを指す。入射する放射の電場が、粒子内に電気双極子を出現させる。この効果を補償するために、固有の共鳴周波数でナノ粒子内に力が生成される。貴金属の場合、そのスペクトルは可視領域にあり、銀と金の小球にたいしてそれぞれ、400nm付近の青色と、520nm付近の緑色である。これが、これらのナノ物質を透明な誘電体マトリクス中に分散させることによって得られた物質におけるそれぞれ黄色と赤色の着色の原因である。この振動周波数はいくつかの要因に依存し、その要因として、ナノ粒子のサイズ及び形状、ナノ粒子間の距離、これらを取り囲む媒体の性質が挙げられる。
【0008】
この審美的効果に対する原因であるナノ粒子は長きにわたり知られているものであるが、そのような理由で我々の時代においても何ら遜色無く探求されている(特に、ガラス工業の製品、装飾、及び小型ボトルの製造において)。これらのナノ粒子は一般的に、求められている最終的な着色に適切な発生及び成長を可能にする制御された熱処理によってin situで生成される。
【0009】
従って、特にK.Nakamura外(J.Chem.Eng.Jap.、2001年、第34巻、p.1538)が説明しているように、触媒の存在下で金前駆体を還元することによって、例えばチタンやシリカや粘土の無機懸濁液において、閉じ込められたミネラル媒体中の金ナノ粒子の作製を達成することができる。
【0010】
他の化合物、特に、高温ポリマー型(フッ素化ポリマー)やグレーズのコーティング及び工業用ガラスの強い着色を可能にする他の化合物に対しては、この方法は用いられていない。
【0011】
工業的に、これらの発生‐成長プロセスにおいて主に問題となるのは開始物質のコストではない。何故ならば、その吸収強度のために、貴金属は少量しか用いられないからである。実際、モル吸光係数は、直径20ナノメートルオーダーの金ナノ粒子に対して10−1cm−1のオーダーであり、ナノ粒子の体積に対してほぼ線形に増大する。
【0012】
発生/成長プロセスを用いることに関する主な欠点はむしろ、以下のことによるものである。即ち、
‐特に熱伝導の制御に関連したプロセスの柔軟性の無さ、厳しさ、及び、製造プラントにおける柔軟性の無さによるもの、そして、
‐マトリクスの成分に対するナノ粒子の化学的な脆弱性によるものである。
【0013】
従って、in situの発生プロセスは、例え現状において最高のものであっても、例えば、工業用ガラスの強い着色及びフッ素化ポリマー等の高温ポリマーの強い着色等のタイプの応用の工業的開発には適していない。
【0014】
より一般的には、まず初めにナノ粒子を合成して、その後、マトリクスまたは装置の内部に取り込むという“ボトムアップ”方式に基づいた、物質(ポリマー、天然または合成繊維、ガラス、セラミック等)または装置中へのナノ粒子の取り込みが、より工業的に適した方法である。
【0015】
ナノ粒子の合成について記載されている文献は膨大に存在し、過去数年において、金属ナノ粒子(特に金ナノ粒子)に関して大幅な進展があり、とりわけ、ナノ粒子の安定性及び量、また、プロセスの信頼性に関して進展があった。
【0016】
プロセスは大まかに二つの主なカテゴリーに分類可能である。一つは、“クエン酸塩法”と称されるプロセスであり、他方は“NaBH法”と称されるプロセスである。
【0017】
クエン酸塩法には多数の変形法(例えば、クエン酸塩及びタンニン酸を使用する方法)が存在するが、例えば、Natural Physical Science、1973年、第241巻、p.20−22を参照されたい。このプロセスにおいては、水相におけるクエン酸塩(例えば、Naクエン酸塩)による水素テトラクロロ金酸塩(hydrogen tetrachloroaurate;HAuCl,3HO)の還元によって、表面上に吸着させたクエン酸塩の分子によって金ナノ粒子が安定化されているコロイドが急速に形成される。クエン酸塩は二つの役割を有する。即ち、ナノ粒子の成長の制御を可能にし、また、凝集体の形成を防止する。粒子のサイズの減少は、他の還元剤であるタンニン酸の同時使用を介して達成可能である。
【0018】
NaBH法に関しては、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.、1995年、p.1655−1656を参照されたい。NaBH法は本質的に、水性媒体中における、チオール存在下での水素化ホウ素ナトリウムでの水素テトラクロロ金酸塩の還元によるものである。この場合、金粒子の表面は、チオール分子の単層でコーティングされている。
【0019】
こうして、ナノ粒子を安定化させるための、または、ナノ粒子に特定の化学的機能を付与するための取り組みが、特にナノ粒子に化学的に活性化可能な機能性シリカを提供することによって、なされた。
【0020】
従って、金ナノ粒子の機能化及び安定化用の現在最も普及しているプロセスの一つ(非特許文献3)においては、まず初めに、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES;aminopropyltriethoxysilane)を添加することによって表面をビトロフィリック(vitrophilic)にして、その後、機能性シリカ層の成長のためにケイ酸ナトリウム(NaO(SiO3−5,27wt% SiO)を用いる。このようにして、金属‐シリカのコア‐シェル構造の安定化粒子が得られる。
【0021】
詳細には、この文献においては、まず初めに平均直径略15nmの金粒子の分散体を、クエン酸ナトリウムでのHAuClの還元によって得るが、これには、(3‐アミノ‐プロピル)トリメトキシシラン(APS;(3‐amino‐propyl)trimethoxysilane)水溶液、または、テトラエトキシシラン(TES;tetraethoxysilane)水溶液、または、3‐(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート(TPM;3‐(trimethoxysilyl)propyl methacrylate)水溶液が撹拌しながら加えられる。APS等と金の分散体との混合物は放置されて、金表面でのアミノ基の全体的な錯体形成が起こる。
【0022】
活性シリカ溶液を、0.54重量%のケイ酸ナトリウム溶液のpHを10〜11に下げることによって作製する。
【0023】
この活性シリカ溶液を、撹拌しながら表面修飾された金粒子の分散体に加える。結果として得られる溶液を24時間放置することによって、活性シリカが金粒子の表面上に重合する。
【0024】
こうして、24時間後に、厚さ略2から4nmのシリカシェルを備えたコア‐シェルナノ粒子が得られる。
【0025】
シリカシェルのより実質的な成長をもたらしたいのであれば、エタノール‐水溶媒中で、アンモニア等の水酸化物によって触媒作用させた、TES(テトラエトキシシラン)またはシリコンアルコラート型の他の前駆体の加水分解を含むゾル‐ゲル法に頼らなければならない。
【0026】
これにより、厚さ10nmから83nmまたはそれ以上のシリカシェルが得られる。
【0027】
しかしながら、厚いシェルを成長させたい場合、この文献のプロセスでは、非常に長期間の作業が必要とされる。更に、ケイ酸ナトリウム及びAPS等の結合剤は、粒子内に不純物を導入する可能性がある。
【0028】
非特許文献3の欠点を排除するために、非特許文献4には、結合分子を必要としない、クエン酸塩で安定化された金ナノ粒子をシリカシェルで直接コーティングするプロセスが記載されている。より正確には、直径略15nmの金ナノ粒子(略球形)が、HAuCl等の金塩の還元によって作製される。
【0029】
アンモニアによって触媒作用させた水‐エタノール溶媒中での前駆体(TEOS等)の加水分解のゾル‐ゲル法によって、シリカシェルを成長させる。SiOシェルは100nmに達し得る。
【0030】
このプロセスは実施することが難しく、その再現性が批判されている。
【0031】
実際のところ、金ナノ粒子の封入用に提案されている大抵の方法には、二つの段階が要求される。具体的には、第一に、ナノ粒子の合成であり、次に、そのナノ粒子の封入である。特定のプロセスにおいて、結合剤を用いる場合には、三つの段階が必要とされる(非特許文献3)。
【0032】
一方で、非特許文献5において、ただ一つの段階のみを要求する独自の方法が提案された。これは、ナノ粒子を実際の合成中に封入させることを可能にする。このプロセスは、異なる二つの機能を果たすDMFを用いることに基づいている。実際のところ、DMFは金塩を溶解するのと同時に、これを還元する。提案された反応は次の通りである。
3HCONMe + 2AuCl + 3H
→ 2Au + 3MeNCOOH + 6H + 8Cl
【0033】
金粒子の合成が無水DMF中で起こるので、ナノ粒子を封入する無機ポリマーを形成するようにゾル‐ゲル化学反応を制御しながら、ゾル‐ゲル化学反応を用いることが可能になる。
【0034】
より正確には、非特許文献5においては、2‐プロパノール中のチタンイソプロポキシドまたはジルコニウムプロポキシド及びアセチルアセトンの溶液を作製する。
【0035】
また、水及びDMF中のAgNOまたはHAuCl・3HOの溶液も作製する。
【0036】
これら二つの溶液を混合して、トルエンを添加することによってコロイドを沈殿させる。沈殿物をトルエンで数回洗浄して、再び2‐プロパノール中に溶解させる。この文献では、直径30から60nmの結晶コア及び1から10nmのアモルファスシェルを備えたAu‐TiO、Au‐ZrO、Ag‐TiO及びAg‐ZrOのコア‐シェルナノ粒子が作製可能であったとされている。
【0037】
ナノ粒子、特に金属コア/酸化物シェル構造のナノ粒子が上述のプロセスによって得られる。このシェルは化学的に不活性であり、コアの金属ナノ粒子を保護することが可能であり、また、これらを極端な化学条件下において安定化させることが可能である。
【0038】
しかしながら、物質に新規特性を与えるために物質中に金属ナノ粒子を取り込ませる際における、ナノ粒子の熱的及び化学的安定性の問題は、特に金属ナノ粒子において、重大なままである。
【0039】
特に、部分的な酸化、望ましくない粒子間の焼結、沈殿及び不均一性等の劣化プロセスを回避する必要がある。大抵のコロイド状作製物の安定性の無さが、ある点において、応用の開発を大幅に遅らせている。
【0040】
この問題は更に、ナノ粒子を受容するマトリクスの分散及びコロイド化の段階において強調されて、凝集体のサイズ及び均一性が不適当であることが多い。よって、最終的な製品は、所望の工業的応用に使用できないような質及び再現性のものである。
【0041】
従って、超微細粒子(例えば金属)を比較的高温(例えば500から1500℃)で物質中に取り込ませることを有する製造及び取り扱いは、非常に問題のあるままである。
【0042】
例えば、従来技術のプロセスにおいて形成されたコア‐シェル構造の金属コアを取り囲むシェル(プライミングシェルまたは層と称する)の厚さは、この層が金属ナノ粒子(コア)の完全な熱的及び/又は化学的な保護をすることができないようなものである。コア‐シェル構造のナノ粒子が熱流に晒されると、シェルのいたる所でコアが拡散、焼結、または望ましくなく成長する危険性があり、結果として、ナノ粒子の最終的な性質に対して(特に所望の最終的な着色に対して)不利益である最終的な分散がもたらされる。
【0043】
従って、従来技術のプロセスでは、環境に対して保護された粒子を作製することができない。具体的には特に、熱的及び/又は化学的に安定で均一であり、また、サイズ、サイズの分散及び凝集が制御及び管理されている粒子を作製することができない。
【0044】
更に、非特許文献5のプロセスによって作製されたナノ粒子は一般的に、30から60nmの結晶コアと厚さ略3nmの酸化物シェルを有する。
【0045】
より正確には、このナノ粒子のサイズは、例えばZrOでコーティングされた銀粒子に対して45±15nmであり、TiOでコーティングされた金粒子に対して平均で略50nmである。
【0046】
こうした寸法は依然として、特に本願発明において優先的に望まれている光学効果に対しては大き過ぎる。
【0047】
実際、非特許文献5のプロセスでは、コアの発生及び成長プロセスは充分に分離されておらず、一端シードが形成されると、このシードは成熟プロセスを始める。更に、非特許文献5の合成方法によって、ZrO等の酸化物の薄い層(具体的には、最大5nmの厚さ)によって封入された金コアを備えたナノ粒子を単一の段階で得ることが可能になるといっても、それは、コロイド安定性を有さない粒子系の生成をもたらす。
【0048】
上述の議論から、従来技術の文献において記載され作製されたコア‐シェル構造のナノ粒子は、非常に過酷な化学的環境及び超高温に耐えられる化学的及び熱的安定性を示さないと結論付けられる。
【0049】
更に、これらの文献のナノ粒子は、特に、均一性、サイズの制御、ナノ粒子のサイズの分散の制御に関して、必要とされる質を有していない。
【0050】
最後に、従来技術のコア‐シェルナノ粒子は、光学効果を得るために必要とされる寸法、サイズを示さない。
【0051】
従って、特に上述の文献に示されているような従来技術のナノ粒子の化学的及び熱的安定性よりもどんな場合においても優れた化学的及び熱的安定性を示すナノ粒子(特に金属ナノ粒子)が求められている。
【0052】
更に、その均一性、質、サイズ及びサイズの分散が制御されているナノ粒子(特に金属ナノ粒子)が求められている。
【0053】
更に、このようなナノ粒子の作製を可能にし、また、従来技術のプロセスの欠点、制限、欠陥及び不利な点も示さないプロセスが求められている。
【0054】
【非特許文献1】M.Faraday、Philos.Trans.R.Soc.、1857年、第147巻、p.145
【非特許文献2】G.Mie、Am.Phys.、(ライプチヒ)、1908年、第25巻、p.377
【非特許文献3】L.M.Liz‐Marzan、M.Giersig、P.Mulvaney、Langmuir、1996年、第18巻、p.4329
【非特許文献4】E.Mine、A.Yamada、Y.Kobayashi、M.Konno、L.M.Liz‐Marzan、J.Colloid Interface Sci.、2003年、p.385
【非特許文献5】R.T.Tom、A.Sreekumaran Nair、N.Singh、M.Aslam、C.L.Nagendra、R.Reji Philip、K.Vijayamohanan、T.Pradeep、Langmuir、2003年、第19巻、p.3439
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0055】
本発明の目的は、特にこれらの要求に合致するナノ粒子を提供することである。
【0056】
更に、本発明の目的は、こうしたナノ粒子の作製方法を提供することである。
【0057】
また、本発明の目的は、従来技術のプロセスの欠点、欠陥、制限及び不利な点を示さず、従来技術のプロセスの問題を解決するナノ粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0058】
この目的及び他の目的は、本発明に従い、固体コアのみを備えたコア構造の、または、無機物質から構成された固体エンベロープまたはシェルによって取り囲まれた固体コアを備えたコア‐シェル構造の、少なくとも二つの凝集していない固体ナノ粒子を備えたビードによって、達成される。この凝集していないナノ粒子は、無孔質金属酸化物でコーティングされている。
【0059】
本発明によると、ビードとは、球形の、または、略球形の、または、回転楕円体の物体、要素を意味すると一般的に理解される。
【0060】
“凝集していない”固体ナノ粒子とは、ナノ粒子が凝集体を形成しておらず、触れ合っておらず、接触しておらず、無孔質金属酸化物によって分離されていて、そして、個々に表示可能であるものを意味すると理解される。つまり、別個のナノ粒子間には、制御された間隔、距離、ギャップが存在する。
【0061】
有利には、非孔質金属酸化物は耐熱性酸化物である。
【0062】
好ましくは耐熱性のナノ粒子は、固体コア及び無機物質から成る(構成された、構築された)固体エンベロープまたはシェルを備えたコア‐シェル構造のナノ粒子である。
【0063】
好ましくは、無孔質金属酸化物は、無機エンベロープまたはシェルの物質と同じであっても異なっていてもよい。
【0064】
ナノ粒子は単純なナノ粒子であってもよい。つまり、上記で定義したコア‐シェル構造を有さないナノ粒子であって、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物によってコーティングされること(つまりナノ粒子のコーティング)を確実にする化学的官能基(化学的機能性)をその表面に備えた単純なコアを有するナノ粒子であってもよい。
【0065】
この化学的官能基は、OH基及び有機配位子から選択可能である。好ましくは、ナノ粒子の合成段階中に得られる。
【0066】
ビード内部の、ナノ粒子(特に固体コア及び固体エンベロープまたはシェルを備えたコア/シェル構造の粒子)のコーティングは、従来技術において開示も示唆もされていない。
【0067】
同様に、これらの粒子を凝集させず、接着させずに、これらの粒子を分離したまま、区別したまま及び独立したままにする、ビード内部の、コアまたはコア‐シェルのナノ粒子のコーティングは、従来技術において開示も示唆もされていない。
【0068】
本発明によると、ナノ粒子がコーティングビードの形状の保護マトリクス内部に取り込まれていると言う事ができる。
【0069】
更に、このコーティングビードは、このビードが取り込まれるべき最終的な物質内部における良好な分散及び均一化を確実なものにすることができる。
【0070】
本発明による“コーティングビード”の形状に取り込まれたナノ粒子は、上記で列挙した要求に完全に合致し、従来技術のナノ粒子(本質的に、ビードの形状内にコーティングされていないナノ粒子)の欠陥を示さない。最終的には、これらのナノ粒子は、従来技術のナノ粒子が示す問題を解決する。
【0071】
このコーティングの存在のおかげで、また、これを構成する物質の実際の性質及びその低孔質を考慮すると、環境に対するナノ粒子の保護(特に化学的保護)が確実なものとなり、苛酷な環境(例えば腐食性、酸化性または他の化学的環境)下におけるナノ粒子の性質の全体性を保証することが可能になる。従って、このコーティングは、取り込む物質に対してナノ粒子を“化学的に不可視なもの”にすることも可能であり、それ以上ではその物質内へのナノ粒子の分散が不均一なものになるまたは分散が実際には不可能になるような最大取り込み閾値を超えることが可能になる。これは、特にガラス中のZrOビードの場合に特に当てはまる。
【0072】
このコーティングを構成する物質の低孔質という特性は、高密度コーティングの概念と同義である。この考えは、多孔質物質の場合、ナノ粒子(コアまたはコア/シェル)を構成する原子が、コーティングを介して拡散し、ナノ粒子の外側に移動することが可能であるというものである。同様に、多孔質物質は、外部物質が侵入してナノ粒子に接触し、化学反応によってこれを破壊することを可能にする。
【0073】
更に、このコーティングによって提供される保護は熱的な性質のものでもある。実際のところ、ナノ粒子を高温(特にコア物質の融点を超える高温)に加熱することを必要とする取り込みプロセスにおいて、ナノ粒子が保護されていないと、取り込み物質中の可溶性効果によってナノ粒子が破壊され、または、制御されていない焼結効果によってそのサイズが増大し、所望の性質の損失がもたらされる。
【0074】
ナノ粒子の拡散及び成長を制御することを可能にするこれらの障壁特性のおかげで、高密度の酸化物ビード(好ましくは耐熱性)内に存在し得る一つ以上のナノ粒子(例えば金属ナノ粒子)のコーティングは、対応する金属(一般的に、ナノ粒子のコアを構成する物質)の融点を超える加熱中に、ナノ粒子の一定のサイズ、異なる粒子間の制御された間隔(ギャップ)(例えば100nm)を維持することが可能になり、よって、着色の光学的効果が一定になる。
【0075】
つまり、本発明により、ナノ粒子がその融点を超えても化学的に保護される。そして、ガラス質の物質のように、使用するためのプロセスにおいて超高温に加熱する必要のある物質内にナノ粒子を取り込むことが可能になる。
【0076】
最後に、本発明によるビードの特性は、プロセスのパラメータを変更することによって、容易に変更可能である。
【0077】
制御されたサイズ及び制御されたサイズ分布(例えば低分散、“鋭い”サイズ分布)のナノ粒子更にはビードを得ることが可能であり、粒子の凝集を回避することも可能である。
【0078】
更に、ナノ粒子(具体的には、コアナノ粒子(該コア自体が単体でナノ粒子を構成しているか、または、コア‐シェルナノ粒子のコアを構成している))及びコア‐シェルナノ粒子は、従来技術文献において記載されているナノ粒子のサイズよりもサイズが小さいものであり(具体的には1nmから100nm)、これによって、これらが光学効果を生成するのにかなり適したものになっている。つまり、コアのサイズは一般的に、20nm、好ましくは10nm、更に好ましくは5nmを超えてはならず、コア及びシェルのサイズ全体は一般的に、100nmを超えてはならない。
【0079】
有利には、コア構造またはコア‐シェル構造のナノ粒子のコアは主に、少なくとも一種の金属から作製、構成されている。
【0080】
有利には、コア‐シェル構造の該ナノ粒子の平均サイズは、1から100nmであり、好ましくは2から50nmであり、更に好ましくは5から20nmであり、それよりも5から10nmの方がよい。
【0081】
有利には、コア構造またはコア‐シェル構造の該ナノ粒子のコアの平均サイズは、1から50nmであり、好ましくは2から20nmであり、更に好ましくは5から15nmであり、それよりも2から10nmの方がよい。
【0082】
ナノ粒子は、球形、ラメラ形状、繊維形状、チューブ形状、多面体形状またはランダムな形状を有し得る。球形が好ましい形状である。
【0083】
有利には、ナノ粒子のコアは、少なくとも80重量%の少なくとも一種の金属から作製、構成されていて、好ましくは少なくとも90重量%、更に好ましくは100重量%の少なくとも一種の金属から作製、構成されている。
【0084】
ナノ粒子のコアを主に構成する金属は一般的に、周期表の3族から16族の原子数が13から82の範囲の元素、またはこれらの合金から選択可能である。
【0085】
ナノ粒子のコアは、少なくとも二種以上の上記金属及び又はそれらの合金の混合物から作製、構成可能である。
【0086】
ナノ粒子のコアは、複数の領域から作製、構成されたコンポジットコアであり得る。隣接する領域は異なる金属、合金または混合物から成る。
【0087】
ナノ粒子の上記コンポジットコアは、内部コアまたは核を備えた多層コンポジットコアであり得る。この内部コアまたは核は、一金属、合金または金属の混合物から作製、構成され、この内部コアまたは核を構成するものとは異なる一金属、合金または金属の混合物の第一の層で少なくとも部分的にコーティングされていて、また、一つ以上の他の層を備えていてもよく、その各層は、それ以前の層を少なくとも部分的に覆い、その各層は、その前後の層とは異なる一金属、合金または混合物から作製、構成されている。
【0088】
一般的に、ナノ粒子のコアは更に、必然的な不純物及び安定剤を含む。
【0089】
ナノ粒子のコアは、主な金属とは別に、金属酸化物を含み得る。
【0090】
有利には、粒子のコアを主に構成する金属は、遷移金属、貴金属、希土類金属、及びこれらの合金や混合物から選択される。
【0091】
好ましくは、ナノ粒子のコアを主に構成する金属は、アルミニウム、銅、銀、金、インジウム、鉄、プラチナ、ニッケル、モリブデン、チタン、タングステン、アンチモン、パラジウム、亜鉛、錫、ユウロピウム、及びこれらの合金や混合物から選択される。
【0092】
更に好ましくは、粒子のコアを主に構成する金属は、金、銅、銀、パラジウム、プラチナ及びこれらの合金や混合物から選択される。
【0093】
上述の全ての内で好ましい金属は金である。
【0094】
“コア”粒子及び“コア‐シェル”粒子の両方の場合において、ナノ粒子のコアを、その物理的及び化学的性質を変更する処理によって表面修飾することが可能である。
【0095】
コアが主に一金属から構成されていない場合には、例えば、半導体物質、遷移金属、希土類金属の硫化物、セレン化物、リン化物または金属酸化物から主に構成される。
【0096】
一般的に、コア‐シェル構造を有する場合のナノ粒子のエンベロープまたはシェルを構成する無機物質は、単純なまたは化合物の金属酸化物、及び/又は、有機金属ポリマーから構成された物質から選択される。
【0097】
該金属酸化物は、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、亜鉛、ホウ素、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、セシウムの酸化物、これらの混合酸化物、及び、これら酸化物と混合酸化物の混合物から選択可能である。
【0098】
特に、金属酸化物は、シリカ、チタン酸化物、アルミナ、ジルコニウム酸化物及びイットリウム酸化物から選択可能である。
【0099】
一般的に、各ナノ粒子のエンベロープは1から10nm、好ましくは1から5nm、更に好ましくは1から2nmの平均厚さを有し、コアは、1から50nm、好ましくは2から20nm、更に好ましくは5から15nmのサイズを有し、それよりも2から10nmのサイズの方がより良い。
【0100】
有利には、コーティングビード形状の粒子のエンベロープを構成する無機物質は、ゾル‐ゲル法によって得ることが可能な有機金属ポリマーや金属酸化物等の無機物質から選択される。
【0101】
好ましくは耐熱性で無孔質の金属酸化物は一般的に、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、亜鉛等の酸化物、これらの混合酸化物、及び、これらの酸化物及び混合酸化物の混合物から選択される。
【0102】
有利には、該酸化物(好ましくは耐熱性)は、ゾル‐ゲル法によって得ることが可能な酸化物から選択される。
【0103】
一般的に、該好ましくは耐熱性で無孔質の金属酸化物は、ビードの直径が5から3000nm、好ましくは100から2000nm、更に好ましくは200から900nmとなるような厚さを有し、それよりも300から600nm、更に言うと400から500nmとなるような厚さを有する方が良い。
【0104】
ビードは、好ましくは耐熱性で無孔質の金属酸化物でコーティングされた2から10個のナノ粒子から構成されている。
【0105】
本発明はまた、固体金属コアのみを備えたコア構造、または、無機物質から構成された固体エンベロープまたはシェルによって取り囲まれた固体金属コアを備えたコア‐シェル構造の固体ナノ粒子を一つ以上含むビードに関する。該ナノ粒子は、無孔質金属酸化物でコーティングされており、コア構造の単一のナノ粒子のみをビードが備える場合には無孔質酸化物はシリカではなく、複数のナノ粒子をビードが備える場合にはナノ粒子が凝集しないようにされている。
【0106】
このことが意味するのは、固体コアが金属の場合には、つまり、一種以上の金属のみから全体が構成されている場合には、ビードが唯一つのナノ粒子を含有することが可能であるということである。ビードの他の全ての特性(サイズ、金属の性質、エンベロープ及び無孔質金属酸化物の性質等)については上述しており(少なくとも二つのナノ粒子を含有するビードに対して)、一種以上の金属から構成された単一のナノ粒子を含み得る特定のビードに対しても同様に適用可能である。従って、単一の金属ナノ粒子が含まれ得るこの種のビードの特性に対しても明らかに上述の記載の全てが参照される。
【0107】
本発明は更に、上述のようなコアビードを備えたコア‐シェル構造のビードに関する。該コアビードは、コア構造またはコア‐シェル構造の固体ナノ粒子を一つ以上含み、該コアビードは無孔質金属酸化物から構成された固体エンベロープまたはシェルでコーティングされている。
【0108】
コア‐シェル構造のビードのシェルを形成する該無孔質金属酸化物は一般的に、上述の無孔質酸化物から選択される。そして、好ましくは、コア‐シェル構造のビードのシェルを構成するこの酸化物は、コア‐シェル構造のビードのコアを形成するビードのナノ粒子をコーティングする無孔質金属酸化物とは異なる。
【0109】
従って、コアを形成するビードのナノ粒子を取り囲むこの無孔質金属酸化物がシリカの場合、コア‐シェル構造のビードのエンベロープまたはシェルを形成する無孔質金属酸化物は、シリカを除いた全ての無孔質金属酸化物から選択可能である。
【0110】
コア‐シェル構造のビードの一般的に耐熱性の無孔質金属酸化物のシェルの厚さは、一般的に0.5から200nm、好ましくは5から90nm、更に好ましくは10から30nmである。
【0111】
従って、このビードのシェルは、例えば略20から25nmの平均厚さを有する。
【0112】
上述の記載において、コア‐シェル構造のナノ粒子と、コア‐シェル構造のビードとを混同してはならない。コア構造またはコア‐シェル構造のナノ粒子は、ビード内に取り込み可能であり、ビード自体は、コア‐シェル構造のビードのコアを形成可能である。
【0113】
コア‐シェル構造のナノ粒子のシェルを、“シェル”と称してもよく、コア‐シェル構造(またはコア構造)の一つ以上のナノ粒子自体を含むコア‐シェル構造のビードのシェルを、“補完的シェル”または“第二シェル”と称してもよい。
【0114】
本発明はまた、固体コアを備えたコア構造、または、固体コア及び無機物質から構成された固体エンベロープまたはシェルを備えたコア‐シェル構造のナノ粒子を一つ以上備えたビードの作製方法に関する。該ナノ粒子は、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物でコーティングされている。本方法においては、以下の連続的な段階が実施される:
a)該ナノ粒子のコアを構成する固体ナノ粒子を作製する;
b)任意で、コアを構成する該固体ナノ粒子のそれぞれを表面機能化するか、または、無機物質で構成された固体エンベロープで取り囲む。これによって、表面機能化されたまたはコア‐シェル構造のナノ粒子が得られる;
c)該ナノ粒子を好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物でコーティングする;
d)任意で、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物による更なる追加のコーティング段階を実施する。
【0115】
この作製方法は、複数のナノ粒子を備えたビード、並びに、そのコアが金属的である単一のナノ粒子のみを含有するビードにも適用されるということに留意されたい。
【0116】
更に、追加の段階である段階d)は、コア‐シェル構造のビードを作製することが望まれる場合に実施される。好ましくは、段階d)において、用いられる無孔質金属酸化物は、段階c)の無孔質金属酸化物とは異なる。
【0117】
好ましくは、本発明による方法は、好ましくは上述の平均サイズを有し固体金属コア及び金属酸化物から構成された固体エンベロープを備えたコア‐シェル構造のナノ粒子を一つ以上含有するビードの合成に特に適している。コア‐シェル構造の該ナノ粒子は、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物(エンベロープの酸化物と同一または異なる)でコーティングされている。
【0118】
この場合、段階a)及びb)は、組み合わせて、同時に行われることが好ましく、固体金属コア及び金属酸化物から構成された固体エンベロープを備えたコア‐シェル構造のナノ粒子が単一の段階で作製され、その後、段階c)中に、コア‐シェル構造の該ナノ粒子が、好ましくは耐熱性の多孔質酸化物でコーティングされる。任意で、段階d)中において、段階c)で得られた“コアビード”と称されるビードが、好ましくは耐熱性の多孔質金属酸化物で再びコーティングされ、“コア‐シェル”ビードが得られる。
【0119】
従って、この場合、ビードの作成方法は二段階しか備えていない。具体的には、段階b)と組み合わせた段階a)(段階a)と称する)及び段階c)であり、任意で他の段階d)も備える。
【0120】
本発明による方法において、各ナノ粒子は段階b)(任意で段階a)と一緒に行われる)において機能化される。つまり、特に各ナノ粒子(“コア”と称される)(例えば金属ナノ粒子)は、無機物質(金属酸化物等)から構成された固体プライマエンベロープ、シェルまたは層で取り囲まれている。このプライマ層は、特に金属コアを備えたナノ粒子の場合において、第一の金属酸化物から成り得る。この機能性によって、コアナノ粒子上に適切な化学反応性を付与することが可能であり、第二の期間における必要とされる熱的及び化学的安定性をそれ自体が与えるコーティング内への取り込み(段階c)及び任意の段階d))のための開始点として機能することができる。
【0121】
このコーティングビードはまた、最終的な取り込み物質内部における優れた分散及び均一性を提供することができる。
【0122】
段階a)またはb)によるナノ粒子は、多種多様なものであり得るが、コーティングプロセス及びゾル‐ゲル法に対する化学反応性を有するために、全体としては一般的に、必要とされる化学官能基(例えばOH結合)をその表面上に示さなければならない。即ち、アルコール媒体中におけるコロイド安定性を有する点において一般的に相溶性である。
【0123】
特に低い化学機能性/反応性しか有さない特定の非相溶性ナノ粒子の場合において、このような相溶性を得るために、コア‐シェルの概念を用いることができる。コアは例えば実際に光学活性な部分であり、シェルの表面が必要とされる官能基を示し(厚さ数ナノメートル)、そのコアをコーティングプロセスに適合したものにすることを可能にする。
【0124】
一方、ナノ粒子の化学官能基を変更することが可能な場合(半導体ナノ結晶等)には、相溶化のプロセスは全く異なるものとなる。例えば、半導体ナノ結晶に対して、このことは、半導体ナノ結晶をアルコール中に分散可能にする有機配位子を、その表面上に吸着させることである。
【0125】
最後に、特定の場合においては、何も適用する必要がない。例えば、希土類のナノ粒子(下記のY:Euの例を参照されたい)は、その合成プロセス(ポリオール法)のおかげで、耐熱性酸化物中に希土類のナノ粒子をコーティングするために必要とされる官能基(OH)を既に所有している。これが、この場合において、ナノ粒子を機能化させる必要も封入化させる必要もない理由である。
【0126】
好ましい二段階法においては、単一の段階でコアナノ粒子を作製することを可能にし、プライマエンベロープ、シェルまたは層をコアナノ粒子に提供する(備えさせる)ことを可能にする第一段階a)を、上述の非特許文献5に記載されたプロセスによって行うことができる。具体的には、ジメチルホルムアミド(DMF,dimethylformamide)によるコアを構成する金属(金等)の塩の還元、同時に、エンベロープを構成する金属酸化物の前駆体(例えば、金属酸化物のアルコラート)の加水分解による形成された金属ナノ粒子のコーティングである。
【0127】
金属塩は例えば、上述のコア用金属の硝酸塩、ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物)から選択可能である。金の場合には、水素テトラクロロ金酸塩を使用可能である。
【0128】
二段階のみの方法の特定の好ましい変更は、下記の実施例2に記載されるように、強力な還元剤(例えば、NaBHまたはNaクエン酸塩)を用いることによって、及び/又は、希釈溶媒中で行うことによって、直径数ナノメートルの金属ナノ粒子の安定なコロイド溶液を得ることを可能にする。
【0129】
このような条件は、コアを形成する金属の金属塩の還元を好ましいものにし、結果として、その成長を犠牲にして、コア金属ナノ粒子の発生を好ましいものにする。従って、このように作製されたコアナノ粒子は例えば直径5から20nm、好ましくは5から10nmまたは15nmのサイズを有するが、これは、従来技術のコアナノ粒子のものよりも顕著に小さい。
【0130】
この特定の好ましい方法の変更においては、金属ナノ粒子の作製と同時のシェルの合成の条件を変更することによって、金属酸化物前駆体(例えば、アルコキシドやアルコラート(例えばジルコニウムアルコキシド))の量を減らすことによって、成長が熱運動的に制御された下で行われるような短い加熱時間を順守することによって、シェルの厚さも例えば1から10nmまでに制限されている。実際に、シェルの厚さは、媒体中にもたらされる例えばZrO前駆体の量によって制限される。
【0131】
段階b)中に形成されるプライマ層、シェルまたはエンベロープは、段階b)が段階a)と同時に行われるものであろうとなかろうと、または、段階a)中で行われるものであろうと、ナノ粒子を化学的及び/又は熱的に保護することを可能にはしない。しかしながら、この層は、複数の溶媒(特にアルコール)中におけるナノ粒子の安定性を確実なものにするために必須であり、これによって、好ましくは耐熱性の無孔質酸化物のコーティングビードの形成段階である段階c)(及びその後の任意の段階d))(保護段階と称してもよい)の実施が促進される。
【0132】
段階c)はゾル‐ゲル法によって行われることが好ましい。
【0133】
このゾル‐ゲル法は一般的に、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物の構成金属の前駆体(たとえばアルコキシド前駆体)の加水分解を備える。
【0134】
好ましくは、該前駆体(例えば上述の金属アルコキシド(例えばジルコニウムアルコキシド))の制御された加水分解は、例えばブタノール及びイソプロパノールから選択された一種以上のアルコールから構成された無水アルコール媒体中において、長鎖(例えば10から20C)の有機酸(例えばオレイン酸)の存在下において、及び、段階a)及びb)またはa)中に既に作製されたコア‐シェル構造のナノ粒子の存在下で行われる。
【0135】
従って、反応媒体中に存在する水の量が、自発的に導入される水の追加によるものだけであるという限りにおいて制御されている。
【0136】
極度の無水条件(例えば無水試薬による無水条件)及び制御された雰囲気下の合成媒体の下でおいて行うことが一般的には好ましく、そうでなければ、酸化物ビードの制御された成長反応は順守されない。
【0137】
実際に、制御されていない湿気の僅かな痕跡でも、ゲルの形成に繋がり得る。
【0138】
段階d)は一般的に、段階a)と同じ条件下で実施されるが、この段階中に堆積する好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物は、段階c)中に堆積する無孔質金属酸化物とは異なることが好ましい。
【0139】
段階c)に続いて、または、コア‐シェル構造のビードを作製することが望まれる場合には段階d)に続いて、熱処理が、一般的には100から800℃の温度で1から24時間にわたって実施される。
【0140】
この処理によって、有機残留物から形成されたビードを取り除き、例えばジルコンのビードを高密度化することができる。
【0141】
好ましい熱処理は以下の段階を備える:
‐ 大気温度から450℃に5℃/分の加熱率で上昇
‐ 450℃のレベルを3時間維持
‐ 450℃から650℃に5℃/分の加熱率で上昇
‐ 650℃のレベルを5時間維持
‐ 5℃/分の冷却率で大気温度に戻す。
【0142】
形成されるビードの特性は、水の濃度、有機酸中の炭素原子の数、熟成時間(これは合成時間のことである)及び温度(合成中の)に依存する。これらの実験パラメータの変更によって、ビードのサイズ、ビードのサイズ分散及びナノ粒子の凝集を制御することができる。
【0143】
段階c)中(及び一般的には任意の段階d)中)の支配的な基準条件を、異なるプロセスパラメータの影響を例示するために、以下に示す。
【0144】
条件は必ずしもこれらの好ましい条件でなければならないというものではなく、これらの好ましい条件は単に例示的なものであるということには留意されたい:
‐ 前駆体(例えばジルコニウム前駆体)のモル濃度: 0.1M
‐ 有機酸のモル濃度: 0.016M
‐ 有機酸の炭素鎖の長さ: C18(つまり、炭素骨格中に18炭素原子)
‐ 合成媒体中に存在する水全体のモル濃度: 0.42M
‐ 合成温度: 大気温度
【0145】
【表1】

【0146】
【表2】

【0147】
【表3】

【0148】
ナノ粒子の濃度は、酸化物ビード毎のナノ粒子の割合を規定することを可能にする。
【0149】
(コア)ナノ粒子の割合は、ビード毎に、一般的に10から90重量%であり、好ましくは50から80重量%である。
【0150】
本発明によるビードは、特にコアが金属の場合に高温及び/又は化学攻撃に耐性のある着色顔料として特に利用可能である。
【0151】
コアの性質以外では、顔料の着色は、金属コアのサイズ、エンベロープコーティング(これはシェルを形成する酸化物のことである)等として利用可能な酸化物層の種類及び厚さ、着色されるべき物質(マトリクス)中へのビードの取り込みレベルに依存する。
【0152】
本発明による方法によって作製された本発明によるビードは、シリカガラス、金属ガラス、結晶、セラミック、高温ポリマーから選択された物質及びマトリクス中に取り込み可能である。
【0153】
特に、ガラスマトリクスにおいて、本発明によるビードは、ガラスマトリクスに特に強い着色を与えることによって、視覚的光学的効果を生み出すことを可能にする。
【0154】
従来技術のin situ発生方法は、ガラス質マトリクス中に最大400ppmのナノ粒子を取り込ませることを可能にする。この閾値を超えると、もはやナノ粒子は溶融したマトリクス中においてコロイド安定性を有さず、沈殿する。
【0155】
本発明によるビードのおかげで、溶解度の閾値を超えることによって、光減衰の閾値によってもはや制限されていないことによって、即ち、マトリクスの溶融段階中に本発明により開発されたナノ顔料を取り込ませることによって、強い着色を実現することが特に可能になる。
【0156】
従って、本発明は、ガラス、セラミック及びポリマー等の物質に関し、それらの物質中には本発明によるビードが、物質の全重量に対して、100から5000ppm、更には10000または15000ppmのレベルで、好ましくは2000から4000ppmのレベルで取り込まれる。この取り込みレベルは非常に高いものであり、例えばガラスの場合において、現在用いられている400ppmというレベルよりもはるかに高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0157】
これから、以下の記載において、添付図面を参照しながら、本発明について詳述する。
【0158】
図1には、本発明によるビード内にコーティングされる対象であるコア‐シェル構造のナノ粒子が示されている。
【0159】
このビードは、金属または上述の他の物質から作製及び構成されたコア(1)を含む。例えば、コアは金製である。
【0160】
コア(1)が、光学効果(蛍光、プラズモン共鳴、透過または吸収効果等)を有する物質から作製及び構成されている場合、このコアが、コア‐シェル粒子の光学活性部を構成しているといってよい。
【0161】
コアは一般的には、図1に示されるように略球形であり、その直径によって定義されるサイズは、5から15nmである。
【0162】
コアは厚さ1から20nmの機能性シェル(2)(プライマ層とも称される)によって均一に取り囲まれている。このシェル(2)は、上述の物質のいずれかひとつから成り得て、例えばZrOやSiOから成る。
【0163】
好ましくは、その優れた耐熱性能及びその高密度を考慮して、ZrO中に封入される。
【0164】
図2は、本発明による無孔質耐熱性酸化物のビードを示す。酸化物(4)は、上述の図1で説明したような複数のナノ粒子(3)を、コーティングし、取り囲み、封入する。図2には7つのナノ粒子(3)を封入しているビードが示されているが、ナノ粒子(3)のこの数は単に例示的なものであることは明らかであり、一般的な場合には各ビード内に1から10のナノ粒子(3)を含有させることができ、また、金属ナノ粒子の場合には1から10のナノ粒子である。
【0165】
図1に示されるビードの直径は50から2000ナノメートルであり得て、好ましくは50から500nmである。
【0166】
これから、例示的であり非限定的な以下の実施例を参照して、本発明について説明する。
【実施例1】
【0167】
本実施例では、ビード内に取り込まれる対象である、ZrOのプライマ層が備えられた(提供された)金製の金属ナノ粒子、つまり、金コア‐ZrOシェルのナノ粒子が、本発明に従って作製される。
【0168】
このナノ粒子の作製に用いられる手順は、非特許文献5に記載された手順にインスパイアされたものである。
【0169】
より小さなコアサイズを得るために、その手順は非特許文献5のものよりもさらに希釈化された方法で実施されて、異なる組成の反応媒体を用いた。
【0170】
6.93mgの金塩(HAuCl,3HO)を15mLのDMF中に溶解させて、その後、100mLのフラスコに移す。
【0171】
5mLのHOをこの金溶液に撹拌しながら加える。
【0172】
250mLのフラスコ内で、8.205μLのアセチルアセトン、その後で、35.24μLのZr(OPr)を、40mLのイソプロパノールに対して激しく撹拌しながら、急速に加える。次に、DMF溶液を、このイソプロパノール溶液中に急速に注ぐ。黄色透明な混合物を10分間撹拌し続けて、その後、加熱して還流させる。10分間の加熱後に、最初黄色であった溶液が赤紫色になる。この色の変化は、Au3+からAuへの還元を示し、また、金ナノ粒子の形成を示す。こうして得られたコロイド溶液は安定である。ナノ粒子は沈殿しない。
【0173】
こうして作製されたナノ粒子は、平均サイズが20nmの金コアを有し、各粒子が厚さ5nmのZrOシェルで個々にコーティングされている(図1)。これらの粒子は略球形であり、このため、そのサイズは平均直径に対応する。
【0174】
厚さ3nmのZrOシェルによって封入されている22nmの金ナノ粒子が鮮明に示されているTEM写真を撮った。
【実施例2】
【0175】
本実施例では、ビード内に取り込まれる対象である、ZrOプライマ層が備えられた(提供された)金ナノ粒子、つまり、金コア‐ZrOシェル構造のナノ粒子を、本発明に従って作成する。
【0176】
ナノ粒子を作製するために用いられる手順は、実施例1で採用された手順と僅かに異なるものであり、相補的なものである。
【0177】
より正確には、実施例1の略20nmのナノ粒子の平均サイズのかわりに20nm未満のナノ粒子の平均サイズを維持するために、希釈化及び還元剤の添加を変更する。
【0178】
6.93mgの金塩(HAuCl,3HO)を15mLのDMF中に溶解させて、その後、100mLのフラスコに移す。
【0179】
2.5mLのHOをこの金溶液に撹拌しながら加える。
【0180】
250mLの丸底フラスコ内で、8.205μLのアセチルアセトン、その後に、35.24μLのZr(OPr)を、40mLのイソプロパノールに激しく撹拌しながら急速に加える。次に、DMF溶液を、このイソプロパノール溶液内に急速に注ぐ。黄色透明な混合物を10分間撹拌し続けて、その後、加熱して還流させる。
【0181】
数分間の加熱後に、最初黄色であった溶液がピンク色がかったものになる。
【0182】
この段階で、3.45dgのクエン酸ナトリウムを含有する2.5mLの水溶液をこの溶液に加えて、5分間加熱させて、溶液が赤色になる。この色の変化は、Au3+からAuへの還元を示し、また、金ナノ粒子の形成を示す。
【0183】
こうして作製されたナノ粒子は5から最大10nmの平均サイズの金コアを有する。各粒子は、厚さ5nmの“機能化シェル”と称されるZrOシェルで個々にコーティングされている。このナノ粒子は略球形であり、このため、そのサイズは平均直径に対応する。
【実施例3】
【0184】
本実施例では、300nmの平均サイズ(ビードのサイズ)を有するジルコニウム酸化物の無孔質ビードを作製する。このビードは略球形であり、そのサイズは平均直径に対応する。無孔質ジルコニウム酸化物は実施例1や実施例2で作製したような金ナノ粒子を封入する。
【0185】
手順は以下の通りである。
【0186】
0.06mLのプロピオン酸を15.5mLのブタノールに溶解させて、その後、100mLの丸底フラスコ内に移す(溶液A)。
【0187】
100mLの丸底フラスコ内で、2.24mLのZr(OPr)、その後に、イソプロパノール内に分散させた金ナノ粒子を含有する2mLの溶液(実施例1または実施例2で作製したような)を、10mLのブタノールに激しく撹拌しながら急速に加える(溶液B)。
【0188】
次に、溶液Bを溶液Aに急速に注ぐ。この混合物(溶液C)を30分間撹拌し続ける。次に、22mLのブタノール及び0.378mLのHOを含有する溶液Dを、撹拌しながら溶液Cに加える。20分間後、赤色透明な混合物が混濁する。この変化は、ジルコニアビードの形成の開始を示す。この段階から、20分後に沈殿反応を完了させる。その後、100mLのブタノールを加えることによって反応を停止させて、撹拌を停止する。
【0189】
2時間待った後に、固形物をろ過して、ブタノールで三回洗浄して、無水アセトンで一回洗浄して、真空下120度で3時間加熱する。
【0190】
この段階に続く熱処理は以下のようにまとめられる:
‐ 450℃で3時間の加熱段階。大気温度から450℃への移行は、5℃/分の加熱率で行われる。この段階は、全ての有機残留物の除去を可能にする。
‐ 650℃で5時間の加熱段階。450℃から650℃への移行は、5℃/分の加熱率で行われる。この段階は、ジルコニアビードを高密度化することを可能にする。
‐ 5℃/分の冷却率で大気温度に戻す。
【0191】
この製品は、高温及び化学攻撃に耐性のある赤色着色顔料として使える状態である。
【実施例4】
【0192】
本実施例では、金コアを含有する実施例3で作製したジルコニウム酸化物ビードを、1100℃の温度でシリカガラスに取り込ませる。
【0193】
ZrOのビードによってコーティングされている金ナノ粒子を含有する結果物のガラスは、効果的に着色されたガラスである。即ち、着色領域は、ZrOビードによって熱保護されている金ナノ粒子に対応する。
【0194】
これに加えて、融解中に保護されていない金ナノ粒子を取り込ませたガラスを作製し、これら二種類のサンプルの吸収スペクトルを調べる(波長λがナノメートル単位でx軸上にプロットされ、吸光度がy軸上にプロットされている)(図3)。
【0195】
第一のスペクトルは、融解中に保護されていない金ナノ粒子が取り込まれたガラスに関する。第二のスペクトルは、融解中にZrOビードによって保護された金ナノ粒子が取り込まれたガラスに関する。第一のスペクトル(下方の曲線)は、特別な吸収が存在していないことを示している。他方、第二のスペクトル(上方の曲線)は、高温熱処理(1100℃)に耐えた金ナノ粒子の存在に対応する吸収ピークを示している。
【実施例5】
【0196】
本実施例では、蛍光性Y:Euナノ粒子、つまり、Yプライマ層が備えられた(提供された)直径3nmのユウロピウムナノ粒子をシリカガラス内に取り込ませる。異なる三つの形式で、Y:Euナノ粒子をガラス内に取り込ませる:
a)何ら保護無しで、Y:Euナノ粒子を融解ガラス内に取り込ませる。つまり、Y:Euナノ粒子は本発明によるZrOビード内にコーティングされていない。
b)ガラス内に取り込まれたY:Euナノ粒子は、直径数百ナノメートル(具体的には100nmから2000nm)のZrOビード内にコーティングされている。
c)ガラス内に取り込まれたY:Euナノ粒子は、略10nmのサイズのZrOビード内にコーティングされている。
【0197】
そうして、上記a)、b)、c)の形式でガラス内に取り込まれたY:Euナノ粒子を調べる(図4)。
【0198】
:Euナノ粒子が保護無しで取り込まれているガラス(ケースa)の蛍光スペクトルでは、メインの蛍光ピーク(曲線A)は細く鋭いものであり、Euがガラス内に分散していて、もはやナノメートル構造ではないと分かる。
【0199】
一方で、ナノ粒子が数百ナノメートルのZrOビーで内にコーティングされている場合(ケースb)、メインの蛍光ピーク(曲線B)の幅は、コロイド媒体中のナノ粒子のサンプルで得られるものに匹敵している。この結果から我々は、Euがナノ粒子構造のままであり、従って耐熱性酸化物ZrOビードがその役割を果たしたのだと確信することができる。他方、ZrOビードのサイズが小さ過ぎると(ケースc)(例えば10nm)、保護機能は有効ではない(曲線C)。
【0200】
この実施例の結論は、本発明によりコーティングされている場合においてはZrOビードのおかげでナノ粒子状態が保たれていることをY:Eu蛍光体からの蛍光信号の研究が示すということである。
【実施例6】
【0201】
本実施例では、平均サイズ280nm(ビードのサイズ)のジルコニウム酸化物の無孔質ビードを作製する。ビードは略球形であり、そのサイズは平均直径に対応する。ジルコニウム酸化物は金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子を封入する。このコア‐シェル構造のナノ粒子を作製するために用いた手順は非特許文献4に記載されているものである。
【0202】
従って、略球形で直径略15nmの金ナノ粒子がHAuCl等の金塩の還元によって作製される。その後、アンモニアによって触媒作用させた水‐エタノール溶媒中で、TeOs等の前駆体の加水分解のゾル‐ゲル法によって、シリカシェルを成長させる。SiOシェルは略100nmに達する(図5)。
【0203】
この金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子を遠心分離機にかけて、その後、無水エタノールで3回洗浄する。これを17mLの無水ブタノール中に再分散させて、無孔質ジルコニウム酸化物内に封入させる。
【0204】
その手順は以下の通りである。
【0205】
100mLの丸底フラスコ内で、2.24mLのZr(OPr)を、金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子を含有する17mLのブタノールに激しく撹拌しながら、急速に加える(溶液A)。
【0206】
90.6μLのアセチルアセトンを13.5mLの無水ブタノール中に溶解させて、その後、100mLのフラスコ内に移す(溶液B)。
【0207】
次に、溶液Bを溶液Aに急速に注ぐ。この混合物(溶液C)を30分間撹拌し続ける。次に、22mLのブタノール及び378μLのHOを含む溶液Dを撹拌しながら溶液Cに加える。撹拌を48時間後に停止する。その後、ビードを遠心分離機にかけて回収して、ブタノールで3回洗浄し、無水アセトンで一回洗浄し、真空中120℃で3時間乾燥させる。
【0208】
この段階に続く熱処理は以下のようにまとめられる:
‐ 450℃で3時間の加熱段階。大気温度から450℃への移行は、5℃/分の加熱率で行われる。この段階は、全ての有機残留物の除去を可能にする。
‐ 750℃で5時間の加熱段階。450℃から750℃への移行は、5℃/分の加熱率で行われる。この段階は、ジルコニアビードの高密度化を可能にする。
‐ 5℃/分の冷却率で大気温度に戻す。
【0209】
この段階の後では、金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子が厚さ略20nmのZrO層で覆われている(図6)。
【0210】
この製品は、高温及び化学攻撃に耐性のある着色顔料として使える状態である。
【実施例7】
【0211】
本実施例では、実施例6で作製された金コアを含有するジルコニウム酸化物のビードを、1100℃2時間で、シリカガラス内に取り込ませる。
【0212】
得られるガラスは着色されている。色の持続性は、ナノメートル状態の金の存在に直接繋がり得る。従って、このようにコーティングされた金ナノ粒子は、高温、つまり、その融点を超える熱処理に数時間にわたって耐えた。同一の熱処理をマトリクスの外側の粒子にも実施して、透過型電子顕微鏡による分析を可能にした。この分析によって、金ナノ粒子のコーティングのおかげで得られた熱保護が確かめられる。実際に、金ナノ粒子の存在を示すことができた。ビード全体の形態は、熱処理前に得られる図6に示されるものと同一であった。実際に、直径略15nmの金ナノ粒子が直径280nmのビードの中心に位置している(図7)。
【0213】
化学的分析によって、粒子の中心のみに金が存在し、一方で、シェルがジルコニウム酸化物及びシリコン酸化物のみから構成されていることが確かめられた(図8)。
【実施例8】
【0214】
本実施例では、本発明により、耐熱性混合酸化物ZrSiOのビード中に直接取り込まれた金属金ナノ粒子を作製する。この粒子を作製する手順は次の通りである。
【0215】
250mLの丸底フラスコ内で、81.8μLのアセチルアセトン、その後に、355μLのZr(OPr)を、40mLのイソプロパノールに激しく撹拌しながら急速に加える(溶液A)。
【0216】
25mLのビーカー内で、6.3mgの金塩(HAuCl,3HO)を15mLのDMF中に溶解させて、その後、これに5mLのHOを撹拌しながら加える(溶液B)。
【0217】
その後、溶液Bを溶液Aに急速に注ぐ。黄色透明な混合物を10分間撹拌し続けて、その後加熱して還流させる(溶液C)。
【0218】
25mLのビーカー内で、42.8mgの酢酸銅を5mLのHO内に溶解させて、これに1.4mLのアンモニアを加える(溶液D)。混合酸化物ZrO‐SiOに銅イオンをドーピングすることによって、より低温でジルコン相の形成が可能になる。
【0219】
溶液Cの色が赤色になるとすぐに、溶液Dを激しく撹拌しながら溶液Cに注ぐ。その後、180μLのTeOsを急速に加える。この混合物を30分間激しく撹拌しながら還流させ続ける。
【0220】
最後に、粒子を遠心分離機にかけて、真空下120℃で2時間乾燥させる前に、エタノールで3回洗浄する。X線回折分析によって、熱処理後のジルコン相の結晶化を示すことが可能になった(図9)。実際に、1041℃で一時間の熱処理後には、大気温度では初めアモルファスであるシェルがまず初めに正方晶ZrOに結晶化し、その後、ジルコンの割合が、それが支配的になるまで増加している。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】本発明によるビード内にコーティングされる対象であるコア(特に金属コア)及びシェル(特に酸化物シェル)構造のナノ粒子の概略的な断面図を示す。
【図2】図1に示されるようなコア‐シェル構造の複数のナノ粒子が耐熱性無孔質酸化物コーティング内に取り込まれている本発明によるビードの概略的な断面図を示す。
【図3】保護されていない金粒子が取り込まれているガラス(下方の曲線)と、ZrOビードによって保護されている金ナノ粒子が取り込まれているガラス(上方の曲線)との吸収スペクトルを示すグラフである。吸光度Aはy軸上にプロットされていて、波長λ(nm単位)はx軸上にプロットされている。
【図4】ZrOによって保護されているかまたは保護されておらず1300℃で熱処理されたY:Euナノ粒子の蛍光スペクトルを示すグラフである。蛍光強度(“カウント”単位)はy軸上にプロットされていて、波長λ(nm単位)はx軸上にプロットされている。曲線Aは、ZrOビードでコーティングされていないY:Euナノ粒子の蛍光スペクトルである。曲線Bは、粒径100nmから2000nmのZrOビードでコーティングされたY:Euナノ粒子の蛍光スペクトルである。曲線Cは粒径略10nmのZrOビードでコーティングされたY:Euナノ粒子の蛍光スペクトルである。
【図5】実施例6で作製された金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子の80000倍の透過型電子顕微鏡(TEM,transmission electron microscopy)写真である。図5に示されるスケールは100nmを表す。
【図6】実施例6で作製したZrO層でコーティングされた金コア‐SiOシェル構造のナノ粒子を含有するビードの80000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図に示されるスケールは100nmを表す。
【図7】1100℃で2時間でシリカガラス内に取り込まれた、実施例6で作製されるようなジルコニウム酸化物のビードの80000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図に示されるスケールは100nmである。
【図8】1100℃で加熱処理した、実施例6で作製されるようなAu‐SiO‐ZrO構造のジルコニウム酸化物ビードに対するEDXスペクトルを示す。図8a、8b、及び8cはそれぞれ、図7に示されるビードの位置1、2及び3に対するEDXスペクトルである。
【図9】本発明による金ナノ粒子が取り込まれている、銅イオンがドーピングされた耐熱性混合酸化物ZrSiO(Au‐ZrSiO:Cu)ビードのDRXスペクトルを示す(実施例8)。カウント/秒をy軸上にプロットし、2メタ(meta)をx軸上にプロットする。スペクトルは、熱処理前のビードのもの(A)、833℃で1時間の熱処理後のもの(B)、897℃で一時間の熱処理後のもの(C)、1041℃で1時間の熱処理後のもの(D)である。★は立方晶Auを表し、◆は単斜晶ZrOを表し、■は正方晶ZrOを表し、●は正方晶ZrSiOを表す。
【符号の説明】
【0222】
1 コア
2 シェル
3 ナノ粒子
4 (耐熱性)無孔質酸化物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体コアのみを備えたコア構造の、または、無機物質から構成された固体エンベロープまたはシェルによって取り囲まれた固体コアを備えたコア‐シェル構造の、凝集していない固体ナノ粒子を少なくとも二つ備えたビードであって、前記ナノ粒子が無孔質金属酸化物でコーティングされている、ビード。
【請求項2】
前記ナノ粒子が、OH基等の化学官能基が表面上に備えられたコア構造のナノ粒子である、請求項1に記載のビード。
【請求項3】
前記コア‐シェル構造のナノ粒子の平均サイズが、1から100nm、好ましくは2から50nm、更に好ましくは5から20nm、より良くは5から10nmである、請求項1に記載のビード。
【請求項4】
前記コア構造または前記コア‐シェル構造のナノ粒子のコアの平均サイズが、1から50nm、好ましくは2から20nm、更に好ましくは5から15nm、より良くは2から10nmである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のビード。
【請求項5】
前記コア‐シェル構造のナノ粒子のエンベロープの平均厚さが、1から10nm、好ましくは1から5nm、更に好ましくは1から2nmである、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のビード。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、球形、ラミラ形状、繊維形状、チューブ形状、多面体形状、または、ランダムな形状を有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のビード。
【請求項7】
前記ナノ粒子のコアが少なくとも一種の金属から主に構成されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のビード。
【請求項8】
前記ナノ粒子のコアが、80重量%の少なくとも一種の金属から、好ましくは90重量%、更に好ましくは100重量%の少なくとも一種の金属から構成されている、請求項7に記載のビード。
【請求項9】
前記ナノ粒子のコアを主に構成する金属が、アルミニウムと、周期表の3から16族の原子数が13から82の範囲の原子と、それらの合金とから選択されている、請求項7または請求項8のいずれかに記載のビード。
【請求項10】
前記ナノ粒子のコアが、二種以上の前記金属及び/又はそれらの合金の混合物から構成されている、請求項9に記載のビード。
【請求項11】
前記ナノ粒子のコアが複数の領域から構成されたコンポジットコアであり、隣接する前記領域が異なる金属、合金、または混合物から構成されている、請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のビード。
【請求項12】
前記ナノ粒子のコンポジットコアが内部コアまたは核を備えた多層コンポジットコアであり、
前記内部コアまたは核が、一種の金属、合金、または、金属混合物から構成されていて、前記内部コアまたは核を構成しているものとは異なる一種の金属、合金、または、金属混合物の第一の層で少なくとも部分的に覆われていて、任意で、一つ以上の他の層を備え、該一つ以上の他の層のそれぞれがそれ以前の層を少なくとも部分的に覆い、該一つ以上の他の層のそれぞれがその前後の層とは異なる一種の金属、合金、または、金属混合物から構成されている、請求項11に記載のビード。
【請求項13】
前記ナノ粒子のコアが必然的な不純物及び安定剤を更に含む、請求項7から請求項12のいずれか一項に記載のビード。
【請求項14】
前記ナノ粒子のコアが金属酸化物を更に含む、請求項7から請求項13のいずれか一項に記載のビード。
【請求項15】
前記ナノ粒子のコアを主に構成する金属が、遷移金属、貴金属、希土類金属、これらの合金及び混合物から選択されている、請求項7から請求項14のいずれか一項に記載のビード。
【請求項16】
前記ナノ粒子のコアを主に構成する金属が、アルミニウム、銅、銀、金、インジウム、鉄、プラチナ、ニッケル、モリブデン、チタン、タングステン、アンチモン、パラジウム、亜鉛、錫、ユウロピウム、これらの合金及び混合物から選択されている、請求項7から請求項15のいずれか一項に記載のビード。
【請求項17】
前記ナノ粒子のコアを主に構成する金属が、金、銅、銀、パラジウム、プラチナ、これらの合金及び混合物から選択されている、請求項7から請求項16のいずれか一項に記載のビード。
【請求項18】
前記金属が金である、請求項17に記載のビード。
【請求項19】
前記コアが、物理的及び化学的性質を変更する処理によって表面修飾されている、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載のビード。
【請求項20】
前記ナノ粒子のコアが、例えば遷移金属または希土類または半導体の金属酸化物、金属硫化物、セレン化物、または、リン化物から主に構成されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のビード。
【請求項21】
前記コア‐シェル構造のナノ粒子のエンベロープを構成する無機物質が、単純なまたは化合物の金属酸化物、及び/又は、有機金属ポリマーから構成された物質から選択されている、請求項1から請求項20のいずれか一項に記載のビード。
【請求項22】
前記金属酸化物が、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、亜鉛、ホウ素、リチウム、マグネシウム、ナトリウム、セシウムの酸化物、それらの混合酸化物、それらの酸化物及び混合酸化物の混合物から選択されている、請求項21に記載のビード。
【請求項23】
前記金属酸化物が、シリカ、チタン酸化物、アルミナ、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物から選択されている、請求項22に記載のビード。
【請求項24】
前記コア‐シェル構造のナノ粒子のそれぞれのエンベロープが、1から10nm、好ましくは1から5nm、更に好ましくは1から2nmの厚さを有し、前記コアが、1から50nm、好ましくは2から20nm、更に好ましくは5から15nm、より良くは2から10nmのサイズを有する、請求項1から請求項23のいずれか一項に記載のビード。
【請求項25】
前記ナノ粒子のエンベロープを構成する無機物質が、ゾル‐ゲル法によって得ることができる有機金属ポリマー及び金属酸化物等の無機物質から選択されている、請求項1から請求項24のいずれか一項に記載のビード。
【請求項26】
前記無孔質金属酸化物が、シリコン、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、イットリウム、亜鉛の酸化物、それらの混合酸化物、それらの酸化物及び混合酸化物の混合物から選択されている、請求項1から請求項25のいずれか一項に記載のビード。
【請求項27】
前記無孔質金属酸化物が、ゾル‐ゲル法によって得ることができる酸化物から選択されている、請求項1から請求項26のいずれか一項に記載のビード。
【請求項28】
前記無孔質金属酸化物が、該ビードの直径が50から3000nm、好ましくは100から2000nm、更に好ましくは200から900nm、より良くは300から600nm、更に良くは400から500nmとなるような厚さを有する、請求項1から請求項27のいずれか一項に記載のビード。
【請求項29】
無孔質金属酸化物でコーティングされた2から10個のナノ粒子から構成された請求項1から請求項28のいずれか一項に記載のビード。
【請求項30】
前記無孔質金属酸化物が耐熱性酸化物である、請求項1から請求項29のいずれか一項に記載のビード。
【請求項31】
固体金属コアのみを備えたコア構造の、または、無機物質から構成された固体エンベロープまたはシェルによって取り囲まれた固体金属コアを備えたコア‐シェル構造の固体ナノ粒子を一つ以上備えたビードであって、前記ナノ粒子が無孔質金増酸化物でコーティングされていて、該ビードが前記コア構造のナノ粒子を一つのみ含む場合には前記無孔質金属酸化物はシリカではなく、該ビードが複数のナノ粒子を含む場合には該複数のナノ粒子が凝集していない、ビード。
【請求項32】
請求項1から請求項31のいずれか一項に記載のコアビードを含有するコア‐シェル構造のビードであって、該コアビードが無孔質金属酸化物から構成された固体エンベロープまたはシェルによって取り囲まれている、コア‐シェル構造のビード。
【請求項33】
該コア‐シェル構造のビードのシェルを構成する無孔質金属酸化物が、該コア‐シェル構造のビードのコアを形成するビードのナノ粒子をコーティングする無孔質金属酸化物と異なる、請求項32に記載のコア‐シェル構造のビード。
【請求項34】
請求項1から請求項33のいずれか一項に記載のビードであって、固体コアを備えたコア構造の、または、固体コア及び無機物質から構成された固体エンベロープを備えたコア‐シェル構造のナノ粒子を一つ以上備えたビードであって、前記ナノ粒子が好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物でコーティングされているビードの作製方法であって、
a)前記ナノ粒子のコアを形成する固体ナノ粒子を作製する段階と、
b)任意で、前記コアを構成する固体ナノ粒子のそれぞれを表面修飾させるか、または、無機物質から構成された固体エンベロープで取り囲むことによって、表面修飾されたまたはコア‐シェル構造のナノ粒子を得る段階と、
c)前記ナノ粒子を好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物でコーティングする段階と、
d)任意で、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物で追加のコーティングを行う更なる段階とが実施される、方法。
【請求項35】
前記ナノ粒子が固体金属コアを有し、前記固体エンベロープが金属酸化物から構成される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記段階a)及びb)が段階a)として同時に行われる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記段階a)が、ジメチルホルムアミド(DMF)による金等の前記コアを構成する金属塩の還元、及び、同時に行われる前記エンベロープを構成する金属酸化物のアルコラート等の前駆体の加水分解による金属ナノ粒子のコーティングによって行われる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記コア‐シェル構造のナノ粒子が、NaBHまたはNaクエン酸塩等の強力な還元剤による及び/又は希釈媒体中で行うことによる前記コアを構成する金属塩の還元、及び、同時に行われる前記エンベロープを構成する金属酸化物のアルコラート等の前駆体の加水分解による形成された金属ナノ粒子のコーティングによって、作製される、請求項35または請求項36のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記段階c)及び任意の段階d)が、好ましくは耐熱性の無孔質金属酸化物のアルコキシド前駆体等の前駆体の加水分解によるゾル‐ゲル法によって行われる、請求項34から請求項38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
アルコキシド前駆体等の前記前駆体の加水分解が、例えばブタン及びイソプロパノールから選択された一以上のアルコールから構成された無水アルコール媒体中で、例えば10Cから20Cの長鎖のオレイン酸等の有機酸の存在下で、前記段階a)及びb)または前記段階a)中に前もって作製された前記コア‐シェル構造のナノ粒子の存在下で行われる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
任意の前記段階d)の前記無孔質金属酸化物が、前記段階c)の無孔質金属酸化物とは異なる、請求項34から請求項40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記段階c)または任意の前記段階d)の後に、100から800℃の温度での1から24時間にわたる熱処理を実施する、請求項34から請求項41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記熱処理が、
‐ 5℃/分の加熱率で大気温度から450℃まで上昇させる段階と、
‐ 450℃のレベルを3時間維持する段階と、
‐ 5℃/分の加熱率で450℃から650℃まで上昇させる段階と、
‐ 650℃のレベルを5時間維持する段階と、
‐ 5℃/分の冷却率で大気温度に戻す段階と、を備えた、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
請求項1から請求項33のいずれか一項に記載のビードが、物質の全重量に対して、100から5000、10000または15000ppm、好ましくは2000から4000ppmのレベルで取り込まれている、物質。
【請求項45】
該物質がガラス、結晶、セラミック、ポリマーから選択されている、請求項44に記載の物質。
【請求項46】
ガラス等の物質に対して強い着色等の光学的視覚的効果をもたらすための、請求項1から請求項33のいずれか一項に記載のビードの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−530497(P2009−530497A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500857(P2009−500857)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052654
【国際公開番号】WO2007/107574
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(590000514)コミツサリア タ レネルジー アトミーク (429)
【Fターム(参考)】