説明

サスペンションアームの支持構造

【課題】サスペンションアーム取付時にサスペンションアームの支持部の変形を抑えることができるサスペンションアームの支持構造を提供する。
【解決手段】車体フレームに一対の支持部91、92からなるサスペンションアームの支持部を設け、支持部91、92の一方に固定ボルト103と螺合するねじ部91aを設け、サスペンションアームの端部(110)を一対の支持部91、92の間にスペーサ112を介して挟み込んだ後、固定ボルト103を差し込んで一方の支持部91に設けられたねじ部91aに螺合させてサスペンションアームの位置決めを行った後、固定ボルト103の他方の支持部92側をナット104で締結するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームに設けた一対の支持部の間にサスペンションアームを差し込み、一対の支持部とサスペンションアームの端部を固定ボルトによって一体に結合して固定する車両のサスペンションアームの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ATV(All Terrain Vehicle)等の小型車両では、車体フレームに、一対の支持部からなるサスペンションアームの支持部を設け、この一対の支持部の間にサスペンションアームを差し込み、一対の支持部とサスペンションアームの端部を固定ボルトとナットで一体に結合して固定している(例えば、特許文献1参照)。この種の車両では、車体フレーム及びサスペンションアームの支持部に鉄等の鋼材を使用している。
【特許文献1】特許第3902060号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、車体フレームをサスペンションアームの支持部と一体的にアルミニウム製にして車体軽量化を図ろうとした場合、支持部が従来の鉄製の場合よりも変形し易くなるため、支持部とサスペンションアームの端部を従来の固定ボルトとナットで締結した場合には、支持部が変形してサスペンションアーム端部の正確な位置決めが困難になってしまうおそれが生じてしまう。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、サスペンションアーム取付時にサスペンションアームの支持部の変形を抑えることができるサスペンションアームの支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述課題を解決するため、本発明は、車体フレームに一対の支持部からなるサスペンションアームの支持部を設け、この一対の支持部の間にサスペンションアームを差し込み、一対の支持部とサスペンションアームの端部を固定ボルトによって一体に結合して固定する車両のサスペンションアームの支持構造において、前記支持部の何れか一方に前記固定ボルトと螺合するねじ部を設け、前記サスペンションアームの端部を前記一対の支持部の間にスペーサを介して挟み込んだ後、前記固定ボルトを差し込んで前記一方の支持部に設けられた前記ねじ部に螺合させて前記サスペンションアームの位置決めを行った後、前記固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結することを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、サスペンションアームを支持する一対の支持部の何れか一方に固定ボルトと螺合するねじ部を設け、サスペンションアームの端部を一対の支持部の間にスペーサを介して挟み込んだ後、固定ボルトを差し込んで一方の支持部に設けられたねじ部に螺合させてサスペンションアームの位置決めを行った後、固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結するようにしたので、サスペンションアーム取付時に過負荷を与えることなくサスペンションアームを一対の支持部に支持させることができ、サスペンションアームの支持部の変形を抑えることができる。
【0007】
また、前記固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結した後、前記固定ボルトの一方の支持部側をロックナットで締結してもよい。この構成によれば、固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結した後、固定ボルトの一方の支持部側をロックナットで締結したので、ロックナットによって固定ボルトの緩み止めを行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、サスペンションアームを支持する一対の支持部の何れか一方に固定ボルトと螺合するねじ部を設け、サスペンションアームの端部を一対の支持部の間にスペーサを介して挟み込んだ後、固定ボルトを差し込んで一方の支持部に設けられたねじ部に螺合させてサスペンションアームの位置決めを行った後、固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結するようにしたので、サスペンションアーム取付時にサスペンションアームの支持部の変形を抑えることができる。
また、固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結した後、固定ボルトの一方の支持部側をロックナットで締結したので、ロックナットによって固定ボルトの緩み止めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1は、鞍乗り型車両1を示す。この鞍乗り型車両1は、小型軽量に構成された車体の前後に比較的大径の低圧バルーンタイヤである左右一対の前輪2及び後輪3を備え、最低地上高を大きく確保して主に不整地での走破性を高めた所謂ATV(All Terrain Vehicle)である。
鞍乗り型車両1は車体フレーム4を有し、この車体フレーム4は、複数種のアルミニウム合金材を溶接等により一体に結合したオールアルミニウム製のフレームであり、車体左右中央部の前寄りの部位において比較的前後に長いボックス構造を形成する。この車体フレーム4の上部後端部には、前後に延びるシートフレーム4aの前端部がボルト締結等により一体的に結合され、このシートフレーム4a上に鞍乗りシート31が支持される。
【0010】
車体フレーム4の前部には、ダブルウィッシュボーン式(独立懸架式)のフロントサスペンション(ダブルウィッシュボーン式懸架装置)5が支持され、このフロントサスペンション5を介して左右の前輪2が車体前部に懸架される。フロントサスペンション5は、車体フレーム4の下部前側の左右両側に上下に揺動可能に連結された左右一対のアッパアーム(サスペンションアーム)6と、左右一対のアッパアーム6の下方で車体フレーム4の左右両側に上下に揺動可能に連結された左右一対のロアアーム(サスペンションアーム)7と、該アッパアーム6及びロアアーム7の先端部に支持される左右一対のナックル8と、ロアアーム7と車体フレーム4との間に介設される左右一対のフロントクッション9とを備え、左右一対のナックル8に左右の前輪2が回転自在に支持される。
【0011】
車体フレーム4の後部には、スイングアーム式(車軸懸架式)のリアサスペンション(車軸懸架装置)11が支持され、このリアサスペンション11を介して左右の後輪3が車体後部に懸架される。リアサスペンション11は、センタフレーム52のピボット部(スイングアームピボット部)55に支持されたピボット軸55aを介して上下に揺動自在に連結されたスイングアーム12と、該スイングアーム12の後端部に支持される後輪車軸13と、スイングアーム12と車体フレーム4との間に介設される単一のリアクッション14とを備え、後輪車軸13の両側に左右の後輪3が回転自在に支持される。
【0012】
車体フレーム4の後部内側には鞍乗り型車両1の原動機としてのエンジン15が搭載されている。エンジン15は車幅方向(左右方向)に沿うクランク軸を有する水冷単気筒エンジンであり、その下部を構成するクランクケース16の上にシリンダ17Aが略垂直に立設されている。シリンダ17A上部のシリンダヘッド17の前側にはエンジン排気系の排気管28aが接続され、排気管28aは前方に延出して曲げられ、シリンダ17Aの右側を通って車体後方に延び、シートフレーム4aの下方でサイレンサ28bに連結されている。シリンダヘッド17の後端側にはエンジン吸気系のスロットルボディ27a及びエアクリーナケース27bが接続されている。
クランクケース16の後部左側にはドライブスプロケット18aが配設され、該ドライブスプロケット18aと後輪車軸13中間部に設けられたドリブンスプロケット18bとに無端状のドライブチェーン18cが掛け回され、このチェーン伝動機構(18a〜18c)を介してエンジン15の動力が左右の後輪3に伝達される。
【0013】
車体フレーム4前部の左右中央部には、上部が後側に位置するように傾斜するステアリングシャフト21が回転自在に支持される。ステアリングシャフト21の上端部にはバータイプの操向ハンドル22が一体的に取り付けられ、ステアリングシャフト21の下端部には操舵機構(操向機構)のセンターアーム(センター側のステアリングアーム)23が一体的に取り付けられている。センターアーム23には、左右一対のタイロッド24の基端側のボールエンド24aが各々連結され、各タイロッド24の先端側のボールエンド24bが左右のナックル8に各々連結される。このため、操向ハンドル22の操作に伴いステアリングシャフト21が回転すると、この回転がセンターアーム23及びタイロッド24を介して左右の前輪2に伝達され、前輪2の方向(すなわち車両の進行方向)が変更される。
【0014】
車体フレーム4の前後中間部には燃料タンク25が配設され、燃料タンク25の前方下方にはラジエータ26が配設され、ラジエータ26の後面にはラジエータファン26aが、ラジエータ26の前方にはラジエータグリル26bが配設される。ラジエータ26の後方下部にはラジエータリザーブタンク26cが配設される。なお、図1中、符号29a,29bは前輪2及び後輪3の上部外周を覆うフロントフェンダ及びリアフェンダを、符号32は主に車体上部前側を覆う車体カバーを、符号33a,33bは鞍乗りシート31とステアリングシャフト21との間において車体カバー32内に収容されるバッテリ及び各種電装部品を、符号34はリアクッション14の下端部をスイングアーム12及び車体フレーム4に連結するリンク機構を、符号35は乗員用の左右ステップをそれぞれ示す。
【0015】
次に、車体フレーム4の構造を説明する。
車体フレーム4は複数種のアルミニウム合金材を溶接等により一体に結合してなり、図2に示すように、フロントサスペンション支持部41Aを有するフロントフレームアッシ41と、リアサスペンション支持部51Aを有するセンタフレームアッシ51と、フロントフレームアッシ41及びセンタフレームアッシ51を連結する左右一対のアッパーメインフレーム61及び左右一対のロアメインフレーム62とを有してなる。フロントフレームアッシ41は、図3に示すように、上面視で車体後方に行くに従って幅広に形成される上フロントフレーム42と、この上フロントフレーム42の下方に連結されて上フロントフレーム42より幅狭で車体後方に延出する下フロントフレーム43を有し、概略二分割された構成を有する。
【0016】
上フロントフレーム42は、図4に示すように、前面視ほぼ縦長楕円状の開口部42aを有し、開口部42aの両側縁には上下に延びた縦延出部42fを有し、上縁にはほぼ水平に延びた横延出部42cを有し、前面視縦長楕円形状に形成されている。上フロントフレーム42は、図2に示すように、側面視では上部が後側に位置するように傾斜して配置される。縦延出部42fの最も幅広となった部位には、図4に示すように、左右一対のクッション上端支持部45が設けられ、左右一対のクッション上端支持部45間には補強用のクロスメンバ42gが渡設されている。左右クッション上端支持部45は、互いに平行な前後壁である一対の支持部を有し(図3参照)、この一対の支持部間には、図1に示すように、フロントクッション9の上端部が入り込み、車体の略前後方向(やや後下がり方向)に貫通する固定ボルト81及び該固定ボルト81に締結されるナット82で固定され、この固定ボルト81の軸部(連結軸)を介してフロントクッション9が揺動自在に連結される。
【0017】
下フロントフレーム43は、図2及び図3に示すように、上下に間隔を空けて車体後方に後下がりに延びる上下ビーム部43a,43bを有している。上下ビーム部43a,43bの前半部は互いに略平行に配置される一方、上ビーム部43aの後半部は、前半部よりも急傾斜で後下がりに延び、その後端部が下ビーム部43bの後端部上側に側面視鋭角で合流し一体化する。そして上下ビーム部43a,43bの前端部間及び前後中間部間が、前後柱状部43c,43dを介して連結される。この構成では、前後に長い下フロントフレーム43の前後端部及び前後中間部が一体化されて剛性が高められると共に、上下ビーム部43a,43bの前半部間及び後半部間に下フロントフレーム43を左右に貫通する前後空間部K1,K2が形成されてフロントフレームアッシ41下部の軽量化が図られる。
【0018】
上下ビーム部43a,43bは上下厚よりも左右幅が広い扁平状をなして前後に延びている。また前後柱状部43c,43dは前後厚よりも左右幅が広い扁平状をなして上下に延びている。前後柱状部43c,43dの上下端部は末端側ほど前後厚を増加させることで、上下ビーム部43a,43bとの結合部分の応力集中を抑えている。下フロントフレーム43の左右幅は後側ほど広くなるように設けられる。下ビーム部43bの後端部に左右一対のロアメインフレーム62が連結される。上下フロントフレーム42,43の後部間には左右一対のガセットパイプ44が渡設される。
【0019】
上ビーム部43aの前端部上側には上方に突出する前台座部49aが一体に設けられ、該前台座部49a上には上フロントフレーム42の下端部が溶接結合される。また、上ビーム部43aの前後中間部上側には上方に突出する後台座部49bが形成され、該後台座部49b上には左右ガセットパイプ44の下端部が溶接結合される。左右ガセットパイプ44は断面楕円状のアルミニウムパイプからなり、側面視で上部が前側に位置するように傾斜して配置され、かつ前面視では上部が左右外側に開くように傾斜して上下高さ位置で幅の異なる略V字状に配置される。これら左右ガセットパイプ44が、クッション上端支持部45から下方に延出する左右下延出部42dと下フロントフレーム43の後台座部49b両側との間に渡設される。なお、車体フレーム4前部の左右幅は上側ほど広くなり(図4参照)、左右クッション上端支持部45の近傍が最大幅となり、それより上側が若干幅狭となるように設けられる。
【0020】
ガセットパイプ44、上フロントフレーム42及び上ビーム部43aの前半部は、側面視で概ね正三角形状に配置され、かつこれらの内側にはフロントフレームアッシ41を左右に貫通する上空間部K3が形成される。これによりフロントフレームアッシ41上部の剛性が高められると共に軽量化が図られる。また上フロントフレーム42と前柱状部43cとが側面視で略くの字状に連なり、ガセットパイプ44と後柱状部43dとが側面視で直線状に連なることで、上下に長いフロントフレームアッシ41の前部と前後に長いフロントフレームアッシ41の下部(下フロントフレーム43)との交差部分が堅牢に設けられる。また、上フロントフレーム42と前柱状部43cとが側面視で略くの字状に連なることで、車体フレーム4の全長が短くなる。
【0021】
上ビーム部43aの後端部上側には、側面視台形状をなして斜め上後方に突出する左右一対の前エンジン支持部49cが一体形成され、前エンジン支持部49cとロアメインフレーム62との間に左右一対のガセットパイプ43fが渡設される。また、ロアメインフレーム62は、左右のガセットパイプ43fの連結部間が車体幅方向に延びたクロスメンバ43eで補強され、この補強部分に上方に突出するエンジン支持ブラケット63を有している。
【0022】
前エンジン支持部49cの左右両側には左右一対の前エンジン支持プレート49d(図1参照)の基端部がボルト締結等により結合され、該前エンジン支持プレート49dの先端部がエンジン15のクランクケース16の前端部上側にボルト締結等により結合される。すなわち、下フロントフレーム43の前エンジン支持部49cにはエンジン15のクランクケース16の前端部上側が左右前エンジン支持プレートを介して支持される。なお、エンジン15は、クランクケース16の前端部上側の他に、クランクケース16の前端部下側がエンジン支持ブラケット63を介して左右一対のロアメインフレーム62の前部に支持され、シリンダヘッド17の後部が、後エンジン支持部52cを構成する後エンジン支持プレート52dを介して左右センタフレーム52の上部間に渡設された上クロスメンバ53に支持され、クランクケース16の後端部が左右センタフレーム52下部のスイングアームピボット部55にピボット軸55a(図1参照)を介して支持される。
【0023】
左右一対のアッパーメインフレーム61は、図2及び図3に示すように、フロントフレームアッシ41の幅が最も広くなった上端部の両側(上フロントフレーム42の後端部42b)と、センタフレームアッシ51の上端部51bの両側(左右センタフレーム52の上端部)との間に渡って前後に延びるもので、その前端部61aが上フロントフレーム42の後端部42bに、後端部61bが左右センタフレーム52の前端部52bにそれぞれ溶接結合される。一対のアッパーメインフレーム61間の幅は燃料タンク25の配置位置での前端部61aの幅が最も広く、車体後方の後端部61bに向かって漸次幅狭となり後端部61bでは略平行となる。燃料タンク25は下半部が、最も広がった左右一対のアッパーメインフレーム61間の空間に収まり、上半部が側面視で左右一対のアッパーメインフレーム61の上方に突出して設けられる。燃料タンク25は上面視で左右一対のアッパーメインフレーム61の内側、かつ車体幅方向略中央に位置し、センター振り分けで配置される。
【0024】
左右一対のアッパーメインフレーム61の略中央上端部には支持部61cが設けられ、燃料タンク25は、該支持部61cの上に燃料タンク25の両側方から突出した固定部材25cを載せ、これらをボルトで結合することにより支持されている。なお、図中符号25aは燃料タンク25の後部上端部の給油口に装着される給油キャップを、符号25bは燃料タンク25の前部上端部の開口に装着されて燃料タンク25内の燃料ポンプを支持するポンプホルダをそれぞれ示している。ラジエータ26は左右方向に沿う板状をなし、直立状態よりもやや前傾した姿勢とされ、かつ側面視で燃料タンク25の下方に配置される。ラジエータ26は上端部26dが上フロントフレーム42の上部に支持され、下端部26eが上ビーム部43aの中央部に支持され、上面視では車体幅方向略中央にセンター振り分けで配置される。ラジエータグリル26bは樹脂製であり、ラジエータ26よりもやや傾斜を急にした前傾姿勢で配置され、左右一対のガセットパイプ44間に渡設されることで、フロントフレームアッシ41に支持される。
【0025】
左右一対のロアメインフレーム62は、フロントフレームアッシ41下部の幅が狭くなった下ビーム部43bの後端部両側(下フロントフレーム43の後端部両側)と、センタフレームアッシ51の下端部両側(左右センタフレーム52の下端部)との間に渡って前後に延びるもので、その前端部が下ビーム部43bに、後端部が左右センタフレーム52にそれぞれ溶接結合されている。一対のロアメインフレーム62間の幅は下ビーム部43bの後端部に連結した前端部62a(図3参照)が最も狭く、車体後方に向かって漸次幅広となり、後端部62bでは略平行となる。
【0026】
センタフレームアッシ51は、図2及び図5に示すように、左右一対のセンタフレーム52と、これらを連結する上下クロスメンバ53,54とを有してなる。左右センタフレーム52は、車体前後中間部の後寄りの部位において上下に延在するもので、互いに左右勝手違い対称に設けられる。左右センタフレーム52の上端部前側には左右一対のアッパーメインフレーム61の後端部61bが溶接結合される。また、左右センタフレーム52の上端部後側には後方に張り出すメンバ支持部58が一体形成され、該メンバ支持部58の左右内側には上クロスメンバ53の端部が溶接結合される。上クロスメンバ53の左右中間部後側には後方に突出するクッション上端支持部56が一体形成される。
【0027】
左右センタフレーム52の下端部は前方に湾曲して延び、その前端部には左右一対のロアメインフレーム62の後端部62bが溶接結合される。また、左右センタフレーム52の下端部の左右内側には下クロスメンバ54(図5参照)の端部が溶接結合される。下クロスメンバ54の左右中間部後側には後方に突出する前記リンク機構支持部57が一体形成される。なお、左右センタフレーム52の下端部の左右外側にはステップ35を支持するステップ支持部52aが設けられ、左右センタフレーム52の上部後側には前記シートフレーム4aの前端部を支持するシートフレーム支持部(図示せず)が設けられる。
【0028】
左右センタフレーム52の下部にはスイングアームピボット部55が設けられ、スイングアームピボット部55にはスイングアーム12の前端部が左右方向に沿う前記ピボット軸55a(図1参照)を介して上下揺動可能に支持される。センタフレームアッシ51は、左右幅がほぼ等しく上方に延び、その上側の左右幅がやや狭くなるように形成される。左右一対のロアメインフレーム62は上面視では後側ほど互いに離間するように傾斜して設けられ、側面視では略水平となるように設けられる。左右一対のアッパーメインフレーム61は、上面視では前側が最も広く、後ろに向かい徐々に狭く、後端部では互いにほぼ並行に延びて設けられ、側面視では全体に後下がりに傾斜して設けられる。
【0029】
上下フロントフレーム42,43はそれぞれ一体のアルミニウム鋳造部品とされ、左右センタフレーム52及び上下クロスメンバ53,54はそれぞれ一体のアルミニウム鍛造部品とされる。なお、上下フロントフレーム42,43がそれぞれ一体のアルミニウム鍛造部品とされ、左右センタフレーム52及び上下クロスメンバ53,54がそれぞれアルミニウム鋳造部品とされてもよい。上下フロントフレーム42,43、左右センタフレーム52及び上下クロスメンバ53,54の全てがそれぞれ一体のアルミニウム鋳造部品又は鍛造部品とされてもよい。各フレーム61,62及びガセットパイプ44、43fはそれぞれ一体のアルミニウム押し出し材に曲げ加工等を施してなる部品とされる。なお、各フレーム61,62及びガセットパイプ44、43fの一部又は全部がそれぞれ一体のアルミニウム鋳造部品又は鍛造部品とされてもよい。
【0030】
図6は車体フレーム4前部を周辺構成(フロントサスペンション5等)と共に示す側面図であり、図7は車体正面から見た図である。また、図8はアッパアーム6を周辺構成と共に上方から見た図である。
上フロントフレーム42は、図6及び図7に示すように、その上縁にほぼ水平に延びた横延出部42cを有し、横延出部42cの幅方向中央に円弧状の凹部42e(図4参照)を設け、この凹部42eに前後半割り体64aを取り付け、この前後半割り体64a内が形成する円筒状の内周面に円筒カラー(図示せず)を介してステアリングシャフト21の上部を回転自在に支持する。すなわち、横延出部42cにステアリングシャフト21の上部を回転可能に支持する上ステアリング支持部64を構成している。
【0031】
また、フロントフレームアッシ41の上ビーム部43aの前半部には、図6に示すように、ステアリングシャフト21の下端部を回転可能に支持する下ステアリング支持部65が設けられる。この下ステアリング支持部65は、上ビーム部43aを上下に貫通するシャフト挿通孔65aを有し、このシャフト挿通孔65a内にベアリング75が保持される。このシャフト挿通孔65aには、ステアリングシャフト21が上方から下方に向かって貫くように挿通され、ステアリングシャフト21下端部をベアリング75を介して回転自在に支持する。すなわち、下ステアリング支持部65は、ステアリングシャフト21を軸支するベアリング75を保持するベアリングホルダとしても機能している。なお、この下ステアリング支持部65のシャフト挿通孔65aには、ベアリング75の上下に不図示のオイルシールが配設される。
【0032】
このため、上下フロントフレーム42,43からなるフロントフレームアッシ(フロントフレーム)41の前後長を短くした場合でも、既存のフレームを利用してステアリングシャフト21の上下を支持することができる。また、下ビーム部43bでステアリングシャフト21を支持することなく、上ビーム部43aでステアリングシャフト21を支持することができる。
【0033】
このステアリングシャフト21の下端部21aは、この下端部21aの上方部分よりも小径に形成されており、この小径の下端部21aがベアリング75を貫通して、下ステアリング支持部(ベアリングホルダ)65の下方(前空間部K1内)に突出し、図6に示すように、該下端部21aに操舵機構(操向装置)のセンターアーム23が取り付けられる。すなわち、前空間部K1は操舵機構(操向装置)の配置スペースとして利用される。なお、図6中、符号65bは上ビーム部43aの下方に突設されてステアリングシャフト21の回動時にセンターアーム23に当接してステアリングシャフト21の最大回動角度(操向ハンドル22の最大転舵角度)を規定するハンドルストッパである。
【0034】
このセンターアーム23は、ステアリングシャフト21の下端部21aにナット77で固定される基端部23aから下方へ向かって湾曲するアーム部23bを有している。このアーム部23bには、左右一対のタイロッド24が、その基端側に設けられたボールエンド24aを上方に向け、このボールエンド24aに連なるナット取付部24cを下方に向けると共に、ナット取付部24cを車体内側に傾斜させた姿勢でセンターアーム23にナット78で固定される(図6、図7参照)。なお、タイロッド24の先端側のボールエンド24bは、図7に示すように、ボールエンド24bを下方に向けた姿勢でナックル8に取り付けられる。なお、ナックル8の形状等によっては、タイロッド24の先端側のボールエンド24bは下向きに限らず、上向きに取り付けても良い。
【0035】
次に、フロントサスペンション5の構造を説明する。
図6に示すように、上ビーム部43aの前端部両側及び前後中間部両側には、左右外側に張り出す前後アッパアーム支持部46a,46bがそれぞれ一体形成される。各アッパアーム支持部46a,46bは、互いに平行な前後壁である一対の支持部91,92を各々有しており、各一対の支持部91,92間にアッパアーム6の基端部における円筒状の連結部6a、6bが各々入り込み、車体の略前後方向やや後下がりに貫通する固定ボルト93及び該固定ボルト93に締結されるナット94で固定され、各固定ボルト93の軸部(連結軸)を介してアッパアーム6が各々揺動自在に連結される。
【0036】
下ビーム部43bの前端部両側及び後部両側には、それぞれ左右外側に張り出す前後ロアアーム支持部47a,47bが一体に設けられる。各ロアアーム支持部47a,47bは互いに平行な前後壁である一対の支持部101、102を各々有しており、一対の支持部101,102間にロアアーム7の基端部における円筒状の連結部7a,7bが各々入り込み、車体の略前後方向やや後下がりに貫通する固定ボルト103及び該固定ボルト103に締結されるナット104で固定され、各固定ボルト103の軸部(連結軸)を介してロアアーム7が各々揺動自在に連結される。
【0037】
この場合、前後一対のアッパアーム支持部46a,46bに締結された各固定ボルト93の軸心が、上ビーム部43aの前半部の傾斜に沿って同軸配置されると共に、前後一対のロアアーム支持部47a,47bに締結された各固定ボルト103の軸心が、上ビーム部43aの前半部と平行な下ビーム部43bの後下がりの傾斜に沿って同軸配置される。このため、アッパアーム6とロアアーム7とがその基端部を平行にして車体フレーム4に揺動自在に支持される。
これらアッパアーム支持部46a,46bに基端部が各々支持されたアッパアーム6及びロアアーム支持部47a,47bに基端部が各々支持されたロアアーム7は、図7及び図8に示すように、車体幅方向外側へ延出し、その先端部が、ナックル8の上部及び下部にボールジョイント部6c、7c(図7参照)を介して各々連結される。各ナックル8の外側(車体外方)にはハブ71が回転自在に連結され、各ハブ71に前輪2がボルト締結される。なお、図7中、符号72は、前輪制動用のブレーキディスクである。
【0038】
上記のように、上ビーム部43aの前端部に前側のアッパアーム支持部46aを設けると共に、下ビーム部43bの前端部に前側のロアアーム支持部47aを設けたため、前側のアーム支持部46a、47aを車体フレーム4前端部に寄せて上下に縦配列したレイアウトとされる(図6参照)。これによれば、図6に示すように、アッパアーム6及びロアアーム7に支持される前輪2の軸(前輪軸)2aを、車体側面視で、車体フレーム4前端に寄せてレイアウトすることが可能になる。従って、車体フレーム4の前後長を短くして車体フレーム4の小型化を図った場合でも、車両のホイールベースを短くすることなく所望のホイールベースを確保することが可能になる。
【0039】
また、図7に示すように、ロアアーム7は、アッパアーム6よりも大型かつ重量を有するアーム部品に形成され、車体前側にレイアウトされる部品の中でも重量部品を構成する。本実施形態では、図6に示すように、下ビーム部43bの後部に後側のロアアーム支持部47bを設けるようにしたので、ロアアーム7の後側基端部(連結部7b)が車体前後中央寄り(エンジン15寄り)に位置し、ロアアーム7の重心位置を車体前後中央寄りにすることができる。すなわち、車体前側の重量部品であるロアアーム7の重心位置を車体前後中央寄りにして、車両1のマスの集中化を図ることが可能になる。この場合、ロアアーム7の前後基端部(連結部7a、7b)のスパンが広く確保されるので、ロアアーム7の剛性も容易に確保することが可能である。
さらに、上ビーム部43aの前後中間部に後側のアッパアーム支持部46bを設けるようにしたので、アッパアーム6の前後長が短くなる。このため、アッパアーム6を小型軽量化することができ、これによっても車両1のマスの集中化を図ることができる。
【0040】
ところで、この鞍乗り型車両1では、アッパアーム支持部46a,46b及びロアアーム支持部47a,47bを下フロントフレーム43と一体的にアルミニウム製で形成し、これらの軽量化を図っている。しかし、アッパアーム支持部46a,46b及びロアアーム支持部47a,47bがアルミニウム製の場合、これらを従来のボルト(六角ボルト)及びナットで締結した際等に変形するおそれが生じる。そこで、本実施形態では、アッパアーム支持部46a,46b及びロアアーム支持部47a,47bの変形を抑えることが可能なサスペンションアーム支持構造を採用している。
なお、サスペンションアーム支持構造は各アーム支持部46a〜47bで同構造であるため、以下、ロアアーム支持部47bの構造を例に説明する。
【0041】
図9はサスペンションアーム支持構造を示す図である。この図において、符号110は、ロアアーム7の基端部における円筒状の連結部6b内に設けられる球状部品である。この球状部品110は、固定ボルト(長軸ボルト)103の軸部103aが挿通される貫通孔110aを有し、この貫通孔110aの両端部に平坦面110b、110cが形成されている。ロアアーム7の基端部は、この球状部品110が固定ボルト103の軸部103aに支持されることによって、固定ボルト103の軸線を中心にして回動自在に支持される。すなわち、この球状部品110の位置を正確に位置決めすることによってロアアーム7の基端部を適正位置に位置決めすることができる。
【0042】
固定ボルト103は、一端側に大径の頭部103bを有し、この頭部103bの反対側端部である小径の軸部103aの先端部103cに雄ねじが形成されると共に、頭部103bにも雄ねじが形成された、両端が異径の両ねじに形成されている。この固定ボルト103の全長は、ロアアーム支持部47bを構成する一対の支持部101,102間の距離よりも長く形成される。また、この固定ボルト103の大径の頭部103bが、一方の支持部101に設けられた雌ねじ孔101aに締結自在な雄ねじ形状に形成されており、小径の軸部103aの先端部103cが、他方の支持部102に設けられた貫通孔102aに挿入自在な雄ねじ形状に形成されている。すなわち、一方の支持部101には大径の雌ねじ孔(ねじ部)101aが予め形成され、他方の支持部92には雌ねじ孔101aに比して小径の貫通孔102aが予め形成されている。
【0043】
このロアアーム7の基端部(球状部品110)を位置決めする際には、一方の支持部102の内側面102bが基準面とされる。この基準面となる内側面102bには、固定ボルト103に挿通されたスペーサ112が当接する。球状部品110は、このスペーサ112と固定ボルト103の頭部103bとの間に挟持され、支持部102の内側面102bからスペーサ112の長さ分だけ離間した位置に球状部品110が位置決めされる。
【0044】
ここで、スペーサ112は、球状部品110の一方の平坦面110bに当接する当接部112aが該平坦面110bと略同径の円柱形状に形成され、この当接部112aの反対側に該当接部112aよりも大径の円柱部112bが一体的に設けられる。図示のように、この大径の円柱部112bが支持部102の内側面102bに当接するので、車両走行時にロアアーム7の基端部(球状部品110)からスペーサ112を介して支持部102側に外力が作用した場合に、この外力を支持部102の広いエリアで受けることができる。このため、アルミニウム製の支持部102へ高い応力が作用するのを抑制することができる。
【0045】
固定ボルト103は、頭部103bが一方の支持部101に締結され、軸部103aの先端部103cにナット104を締結することによって、ロアアーム支持部47bを構成する一対の支持部101,102の両端部に固定される。さらに、頭部103bの外周にはロックナット114が締結されることによって車体振動等の影響による固定ボルト103の緩みがより確実に防止される。なお、固定ボルト103の頭部103bは、球状部品110の平坦面110cと略同径の外径に形成される。
【0046】
次に、ロアアーム支持部47bにロアアーム7の基端部を取り付ける手順を説明する。まず、ロアアーム7の端部(球状部品110を含む)を一対の支持部101,102間にスペーサ112を介して挟み込んだ後、固定ボルト103を、先端部103c側から支持部101の雌ねじ孔101aに差し込んで、固定ボルト103の頭部103bを雌ねじ孔101aに螺合させる。
この場合、固定ボルト103の頭部103bを螺合させると、支持部102、スペーサ112、球状部品110及び頭部103bとの間の隙間がなくなり、これら部品(球状部品110、固定ボルト103等)が一対の支持部101,102に位置決めされる。すなわち、ロアアーム7の基端部をロアアーム支持部47bに位置決めすることができる。この締め込みの際には、固定ボルト103が一方の支持部101に締結されるだけなので、一対の支持部101,102間には締め付け力が作用せず、一対の支持部101,102間の間隙を変化させるような支持部101,102の変形を抑えることができる。
【0047】
上記位置決めを行った後、固定ボルト103の先端部103cにナット104を締結して該固定ボルト103を一対の支持部101,102の各々に固定した後、固定ボルト103の支持部101から露出する頭部103bにロックナット114を締結することによって、ロアアーム7の基端部がロアアーム支持部47bに固定される。この場合、固定ボルト103の先端部103cにナット104を締結する際には、一対の支持部101,102間には、スペーサ112、球状部品110及び固定ボルト103の頭部103bが介挿されているため、ナット104を締結しても一対の支持部101,102間の間隙を変化させるような過負荷が作用せず、支持部101,102の変形を抑えることができる。
【0048】
なお、上記したようにこのアーム支持構造は、ロアアーム7の前基端部を支持する前ロアアーム支持部47a、及び、アッパアーム6の前後基端部を支持する前後アッパアーム支持部46a,46bの各支持部91,92にも適用される。この場合、アッパアーム支持部46a,46bの支持部91,92に固定される固定ボルト93及びナット94が、上記固定ボルト103及びナット104に各々対応するように形成されることになる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態では、サスペンションアームを構成するロアアーム7及びアッパアーム6(以下、アッパアーム6に対応する部分は括弧書きで示す)を支持する一対の支持部101,102(91,92)の一方に固定ボルト103(93)と螺合する雌ねじ孔(ねじ部)101aを設け、サスペンションアーム7(6)の端部を一対の支持部101,102(91,92)の間にスペーサ112を介して挟み込んだ後、固定ボルト103(93)を差し込んで一方の支持部101(91)に設けられた雌ねじ孔101aに螺合させてサスペンションアーム7(6)の位置決めを行った後、固定ボルト103(93)の他方の支持部102側をナット104(94)で締結するようにしたので、サスペンションアーム7(6)取付時に各支持部101,102(91,92)に過負荷を与えることなくサスペンションアーム7(6)を支持部101,102(91,92)に支持させることができ、支持部101,102(91,92)の変形を抑えることができる。
【0050】
また、支持部101,102(91,92)の変形を抑えることができるので、サスペンションアーム7(6)の正確な位置決めが可能で、かつ、支持部101,102(91,92)の支持強度も適切に確保することができる。さらに、ナット104(94)で締結した後に、固定ボルト103(93)の一方の支持部101(91)側をロックナット114で締結するようにしたので、このロックナット114によって固定ボルト103(93)の緩み止めを行うことができる。
【0051】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、上記実施の形態はこの発明の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、本発明は、三輪又は四輪を越える車輪数の車両や鞍乗り型ではない車両等にも適用できることは勿論、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態における鞍乗り型車両の左側面図である。
【図2】車体フレームの左側面図である。
【図3】同上面図である。
【図4】同正面図である。
【図5】同背面図である。
【図6】車体フレーム前部を周辺構成と共に示す左側面図である。
【図7】同正面図である。
【図8】アッパアームを周辺構成と共に上方から見た図である。
【図9】アーム支持構造を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 鞍乗り型車両(小型車両)
2 前輪(車輪)
3 後輪(車輪)
4 車体フレーム
5 フロントサスペンション(ダブルウィッシュボーン式懸架装置)
6 アッパアーム(サスペンションアーム)
7 ロアアーム(サスペンションアーム)
11 リアサスペンション(車軸懸架装置)
46a,46b アッパアーム支持部
47a,47b ロアアーム支持部
81,93,103 固定ボルト
82,94,104 ナット
91,92,101,102 支持部
101a 雌ねじ孔(ねじ部)
102a 貫通孔
112 スペーサ
114 ロックナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレームに一対の支持部からなるサスペンションアームの支持部を設け、この一対の支持部の間にサスペンションアームを差し込み、一対の支持部とサスペンションアームの端部を固定ボルトによって一体に結合して固定する車両のサスペンションアームの支持構造において、
前記支持部の何れか一方に前記固定ボルトと螺合するねじ部を設け、前記サスペンションアームの端部を前記一対の支持部の間にスペーサを介して挟み込んだ後、前記固定ボルトを差し込んで前記一方の支持部に設けられた前記ねじ部に螺合させて前記サスペンションアームの位置決めを行った後、前記固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結することを特徴とするサスペンションアームの支持構造。
【請求項2】
前記固定ボルトの他方の支持部側をナットで締結した後、前記固定ボルトの一方の支持部側をロックナットで締結したことを特徴とする請求項1記載のサスペンションアームの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−241836(P2009−241836A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−92719(P2008−92719)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】