説明

シグナリングを低減するための向上した測位支援データ

支援データの拡張セットに基づいてモバイルデバイスのロケーション推定値を判断するための装置および方法を提示する。拡張支援データは、(現在の)第1の地理的エリア中ではモバイルデバイスによって閲覧可能であることが予想されないが、(将来の)第2の地理的エリア中ではモバイルデバイスによって閲覧可能であることが予想される、セルラー基地局およびアクセスポイントなどの基地局のための支援データを含む。将来有用になることが予想される支援データをモバイルデバイスにシードすることによって、ネットワークは、ネットワークとモバイルデバイスとの間のメッセージング、およびモバイルデバイスによるバッテリー消費を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に明確に組み込まれる、2009年8月12日に出願された「ENHANCED POSITIONING ASSISTANCE DATA FOR WIRELESS DEVICE POSITIONING」と題する米国仮特許出願第61/233,415号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、位置を推定するための装置および方法に関する。より詳細には、本開示は、現在の地理的エリア(または第1の地理的エリア)と将来の地理的エリア(または第2の地理的エリア)とにおいて測定を行う際に使用される拡張された支援データ(extended assistance data)に関する。
【背景技術】
【0003】
今日、モバイルデバイスは、それが基地局および/または地球測位衛星から受信した信号に基づいて、ロケーション推定値を判断し得る。どの信号をシークすべきかを判断する際にモバイルデバイスを支援するために、ネットワークは、支援情報を含んでいる支援データメッセージをモバイルデバイスに与え得る。この支援情報は特定のエリアに局所化され得る。モバイルデバイスは、その特定のエリアにいるときに、与えられた支援データを使用し得る。モバイルデバイスが第1の地理的エリアから新しい地理的エリアに移動するとき、モバイルデバイスは新しい地理的エリアのための新しい支援データを要求し、受信し得る。前に受信した支援データが新しい地理的エリアにおいて適用不可能であるかまたは使用不可能であるために、モバイルデバイスが新しい支援データを必要とするたびに、モバイルデバイスはネットワークとメッセージを交換する。追加のメッセージのこの交換は、ワイヤレス通信システムにおいてメッセージトラフィックを増加させ、他のトラフィックのためにあまり帯域幅を残さず、新しい地理的エリアにいるときに初期位置算出の開始を遅延させ、モバイルデバイスとネットワークとの間で追加のメッセージを送信および受信することによるさらなる電力消費をもたらし、これらはそれぞれモバイルデバイス上のバッテリー消費の一因となる。したがって、メッセージトラフィックを低減し、初期位置算出時間を増加させ、バッテリー電力消費量を減少させるため方法および装置が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するための装置および方法が開示され、本方法は、第1の地理的エリアにおいて支援データを受信することであって、支援データは、第2の地理的エリアからはアクセス可能であるが、第1の地理的エリアからはアクセス不可能である支援データを備える、受信することと、支援データを保存することと、第1の地理的エリアから第2の地理的エリアに移動することと、第2の地理的エリアにおいて支援データを使用してロケーション情報を取得することとを備える。
【0005】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するための方法を提供し、本方法は、第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信することと、拡張支援データをメモリに保存することと、第1の地理的エリアから第2の地理的エリアに移動することと、第2の地理的エリアにいる間に、第2の地理的エリア中で適用可能な支援データを使用してロケーション情報を取得することと、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためにロケーション情報を与えることとを備える。
【0006】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスを提供し、モバイルデバイスは、基地局受信機と、基地局送信機と、プロセッサと、メモリとを備え、メモリは、第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信することと、拡張支援データをメモリに保存することと、第2の地理的エリアにいる間に、第2の地理的エリア中で適用可能な支援データを使用してロケーション情報を取得することと、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためにロケーション情報を与えることとを行うためのコードを備える。
【0007】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスを提供し、モバイルデバイスは、第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信するための手段であって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信するための手段と、拡張支援データをメモリに保存するための手段と、第2の地理的エリアにいる間に、第2の地理的エリア中で適用可能な支援データを使用してロケーション情報を取得するための手段と、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためにロケーション情報を与えるための手段とを備える。
【0008】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスを提供し、モバイルデバイスは、プロセッサと、メモリとを備え、メモリは、第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信することと、拡張支援データをメモリに保存することと、第2の地理的エリアにいる間に、第2の地理的エリア中で適用可能な支援データを使用してロケーション情報を取得することと、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためにロケーション情報を与えることとを行うための命令を含む。
【0009】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスのためのそこに記憶されたプログラムコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、プログラムコードは、第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信することと、拡張支援データをメモリに保存することと、第2の地理的エリアにいる間に、第2の地理的エリア中で適用可能な支援データを使用してロケーション情報を取得することと、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためにロケーション情報を与えることとを行うためのプログラムコードを含む。
【0010】
いくつかの実施形態は、ネットワークによって、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備する方法を提供し、本方法は、第2の地理的エリアをそれによって定義する、識別すべき基地局を判断することと、拡張支援データを準備することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、準備することと、モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データをモバイルデバイスに送ることとを備える。
【0011】
いくつかの実施形態は、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備するためのネットワークエンティティを提供し、ネットワークエンティティは、第2の地理的エリアをそれによって定義する、識別すべき基地局を判断するための手段と、拡張支援データを準備するための手段であって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、準備するための手段と、モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に拡張支援データをモバイルデバイスに送るための手段とを備える。
【0012】
いくつかの実施形態は、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備するためのネットワークエンティティを提供し、ネットワークエンティティが、プロセッサとメモリとを備え、メモリは、第2の地理的エリアをそれによって定義する、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための、識別すべき基地局を判断することと、拡張支援データを準備することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、準備することと、モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に拡張支援データをモバイルデバイスに送ることとを行うためのコードを備える。
【0013】
いくつかの実施形態は、モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのネットワークエンティティのためのそこに記憶されたプログラムコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、プログラムコードは、第2の地理的エリアをそれによって定義する、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための、識別すべき基地局を判断することと、拡張支援データを準備することであって、拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、準備することと、モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に拡張支援データをモバイルデバイスに送ることとを行うためのプログラムコードを含む。
【0014】
様々な態様が例として図示され説明される以下の詳細な説明から、他の態様が当業者には容易に明らかになることを理解されたい。図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通信システムを示す図。
【図2】第1の地理的エリアにおける第1のロケーション推定値を判断し、第2の地理的エリアにおける第2のロケーション推定値を判断するための、モバイルデバイスとネットワークとの間の通信を示す図。
【図3】第1の地理的エリアにおける第1のロケーション推定値を判断し、第2の地理的エリアにおける第2のロケーション推定値を判断するための、モバイルデバイスとネットワークとの間の通信を示す図。
【図4】支援データメッセージ中に含まれている支援データを示す図。
【図5】支援データメッセージ中に含まれている支援データを示す図。
【図6】第1の地理的エリアにおいて支援データを受信し、第1の地理的エリアにおいて受信された支援データに基づいて第2の地理的エリアにおいてロケーション推定値を判断するための、モバイルデバイスとネットワークとの間の通信を示す図。
【図7】拡張支援データを判断する、ネットワーク内でのプロセスを示す図。
【図8】モバイルデバイスを示す図。
【図9】支援データメッセージ中に含まれている拡張支援データを示す図。
【図10】モバイルデバイスを含んでいる現在の第1の地理的エリアと、現在モバイルデバイスの視野外にあるセルを含んでいる予測される第2の地理的エリアとを示す図。
【図11】モバイルデバイスを含んでいる現在の第1の地理的エリアと、現在モバイルデバイスの視野外にあるセルを含んでいる予測される第2の地理的エリアとを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面とともに以下に示す詳細な説明は、本開示の様々な態様を説明するものであり、本開示が実施され得る唯一の態様を表すものではない。本開示に記載の各態様は、本開示の例または図としてのみ提供されるものであり、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の完全な理解を与える目的で具体的な詳細を含む。ただし、本開示はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、本開示の概念を不明瞭にしないように、よく知られている構造およびデバイスをブロック図の形式で示す。頭字語および他の記述的専門用語は、単に便宜のためにおよび明瞭にするためにのみ使用され得、本発明の範囲を限定するものではない。
【0017】
本明細書に記載の位置判断技法は、ワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)などの様々なワイヤレス通信ネットワークに関連して実装し得る。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時間分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワーク、Long Term Evolution(LTE)ネットワーク、WiMAX(IEEE802.16)ネットワークなどであり得る。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W−CDMA)などの1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)を実装し得る。Cdma2000は、IS−95標準、IS−2000標準、およびIS−856標準を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、Digital Advanced Mobile Phone System(D−AMPS)、または何らかの他のRATを実装し得る。GSMおよびW−CDMAは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。Cdma2000は、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。3GPPおよび3GPP2の文書は公に入手可能である。WLANは、IEEE802.11xネットワークであり得、WPANは、Bluetooth(登録商標)ネットワーク、IEEE802.15xネットワーク、または他の何らかのタイプのネットワークであり得る。本技法はまた、WWAN、WLANおよび/またはWPANの任意の組合せに関して実装され得る。
【0018】
衛星測位システム(SPS:satellite positioning system)は、一般に、送信機から受信した信号に少なくとも部分的に基づいて地球上または地球上空のエンティティのロケーションをそれらのエンティティが判断できるように配置された送信機のシステムを含む。そのような送信機は、一般に、設定された数のチップの反復する擬似雑音(PN)コードでマークされた信号を送信し、地上ベースの制御局、ユーザ機器および/または宇宙ビークル上に配置され得る。特定の例では、そのような送信機は地球周回軌道衛星ビークル(SV:satellite vehicle)上に配置され得る。たとえば、Global Positioning System(GPS)、Galileo、GLONASS、またはCompassなどの全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)のコンスタレーション中のSVは、(たとえば、GPSの場合のように各衛星について異なるPNコードを使用して、またはGLONASSの場合のように異なる周波数上の同じコードを使用して)コンスタレーション中の他のSVによって送信されたPNコードとは区別可能なPNコードでマーキングされた信号を送信し得る。いくつかの態様によれば、本明細書で提示する技法は、SPSのためのグローバルシステム(たとえば、GNSS)に制限されない。たとえば、本願明細書で提供する技法は、たとえば、日本のQuasi−Zenith Satellite System(QZSS)、インドのIndian Regional Navigational Satellite System(IRNSS)、中国のBeidouなどの様々な領域システム、ならびに/あるいは1つまたは複数のグローバルおよび/または領域ナビゲーション衛星システムに関連付けること、または場合によってはそれらのシステムとともに使用することが可能である様々なオーグメンテーションシステム(たとえば、Satellite Based Augmentation System(SBAS))に適用され得、または場合によってはそれらのシステムにおいて使用することが可能である。限定ではなく例として、SBASは、たとえば、Wide Area Augmentation System(WAAS)、European Geostationary Navigation Overlay Service(EGNOS)、Multi−functional Satellite Augmentation System(MSAS)、GPS Aided Geo Augmented NavigationまたはGPSおよびGeo Augmented Navigationシステム(GAGAN)など、完全性情報、差分補正などを行う(1つまたは複数の)オーグメンテーションシステムを含み得る。したがって、本明細書で使用するSPSは、1つまたは複数の全地球ナビゲーション衛星システムおよび/または領域ナビゲーション衛星システムおよび/またはオーグメンテーションシステムの任意の組合せを含み得、SPS信号は、SPS信号、SPS様信号、および/またはそのような1つまたは複数のSPSに関連する他の信号を含み得る。
【0019】
移動局(MS)またはユーザ機器(UE)と呼ばれることがある、本明細書で使用するモバイルデバイスは、セルラー電話、モバイルフォンまたは他のワイヤレス通信デバイス、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス(PND)、個人情報マネージャ(PIM)、携帯情報端末(PDA)、ラップトップあるいはワイヤレス通信および/またはナビゲーション信号を受信することが可能な他の好適なモバイルデバイスなどのデバイスを含む。また、「モバイルデバイス」という用語は、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置に関係する処理が当該デバイスで発生するかパーソナルナビゲーションデバイス(PND)で発生するかにかかわらず、短距離ワイヤレス、赤外線、ワイヤライン接続、または他の接続などによってPNDと通信するデバイスを含むものとする。また、「モバイルデバイス」は、インターネット、Wi−Fi(登録商標)、または他のネットワークなどを介してサーバとの通信が可能であり、衛星信号受信、支援データ受信、および/または位置に関係する処理が当該デバイスで発生するか、サーバで発生するか、またはネットワークに関連する別のデバイスで発生するかにかかわらず、ワイヤレス通信デバイス、コンピュータ、ラップトップなどを含むすべてのデバイスを含むものとする。上記の任意の動作可能な組合せも「モバイルデバイス」と見なされる。
【0020】
本発明の態様によれば、個々の支援データトランザクションが即時の地理的エリア以外の地理的エリアに適用可能なデータを含む場合、支援データトランザクションの数を低減し、それによって電力消費量を低下し得る。すなわち、拡張支援データメッセージは、より広い地理的エリアに有効なデータを含み、このより広い地理的エリアは、元の、即時のまたは現在の地理的エリア(以下で第1の地理的エリア420と呼ぶ)と、予測される、将来の、新しい、異なるまたは次の地理的エリア(以下で第2の地理的エリア430と呼ぶ)との両方を含む。モバイルデバイスが第1の地理的エリア420の外に移動した後、将来のトランザクションは不要になる。たとえば、ネットワークは、モバイルデバイスの現在の位置または第1の地理的エリア420を越える領域中で有効である拡張支援データをモバイルデバイスに送り得る。この第1の地理的エリア420は、いくつかの方法で定義され得る。たとえば、第1の地理的エリア420はサービング基地局のカバレージエリアを指すことがある。代替的に、第1の地理的エリア420は、それの信号がモバイルデバイスによって受信され、測定され得るすべての基地局を含んでいる地理的エリアを指すことがある。いくつかの実施形態では、第1の地理的エリア420は第2の地理的エリア430よりも小さいが、第1の地理的エリア420と第2の地理的エリア430との両方は、モバイルデバイスの受信機によって信号が受信され測定され得る、または復号され得る距離によって制限され得る。いくつかの実施形態では、第1の地理的エリア420および第2の地理的エリア430は数平方マイル(または数平方キロメートル)に限定され得る(たとえば、第1の地理的エリア420および第2の地理的エリア430はそれぞれ10平方マイルに限定され得る)。以下で使用するセルは、単一のサービング基地局のカバレージエリアを指すことがある。また、以下で使用するセルラー基地局またはアクセスポイントなどの基地局はセルと呼ばれることがある。
【0021】
図1に通信システムを示す。通信システムはモバイルデバイス10およびネットワーク15を示している。ネットワーク15は、第1の地理的エリア420中の基地局410と、第2の地理的エリア430中の基地局410とを含む。通信システムは、1つまたは複数のGPSまたはGNSS SV450をも含み得る。モバイルデバイス10は、1つまたは複数のGPSまたはGNSS SV450から信号を受信し得る。
【0022】
第1の地理的エリア420は、モバイルデバイス10を包含し、モバイルデバイス10が信号を受信することができる(または受信することができるべきである)1つまたは複数の基地局410を含む。モバイルデバイス10は、拡張支援データ200を受信するために第1の地理的エリア420中の少なくとも1つの基地局410と通信し得、モバイルデバイス10のロケーション推定値を計算するために使用され得る信号を受信するために、第1の地理的エリア420中の1つまたは複数の基地局410と通信し得る。以下で説明するように、拡張支援データ200は、ネットワーク15から送られ得、モバイルデバイス10によって受信され得る。拡張支援データ200は、第1のサブセット100(図5)(第1の地理的エリア420中の基地局410のリスト)を含み得、第2のサブセット110(図5)(第2の地理的エリア430中の基地局410のリスト)を含む。モバイルデバイス10は、少なくとも、それの現在の位置が第1の地理的エリア420中にある間は、第2の地理的エリア430中の基地局410と通信することができない(またはその可能性がある)。要するに、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420中にいる間に、モバイルデバイス10は、ネットワーク15から拡張支援データ200を受信し、拡張支援データ200は、第2の地理的エリア430中で適用可能であり、第1の地理的エリア420中で適用不可能である支援データの第2のサブセット110を含む。支援データの第2のサブセット110は、第1の地理的エリア420中で適用不可能であることが知られ得る(言い換えると、その可能性がある)。
【0023】
ネットワーク15はまた、両方ともバックボーンネットワーク480および/または他のネットワークエンティティを通して通信する、1つまたは複数のロケーションサーバ460と、1つまたは複数の基地局アルマナックサーバ470とを含み得る。いくつかの実施形態では、基地局アルマナックサーバ470はロケーションサーバ460に統合され得る。ロケーションサーバ460は、(a)オープンモバイルアライアンス(OMA)によって定義されたロケーションソリューションである、セキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)、(b)ロケーションサーバのタイプである、SUPLロケーションプラットフォーム(SLP)、(c)GSMまたはUMTSを用いた位置特定のために使用される、3GPPによって定義されたエンティティである、サービングモバイルロケーションセンター(SMLC)、(d)LTEを用いた位置特定のために使用される、Evolved SMLC(E−SMLC)、(e)cdma2000ネットワークによる位置特定のために使用される、位置決定エンティティ(PDE:Position Determining Entity)など、いくつかの知られている業界標準またはプロトコルのうちの1つに準拠し得る。ロケーションサーバ460は、以下でネットワーク15に起因するとされる機能の多数またはすべてを実行し得る。
【0024】
図2および図3に、第1の地理的エリア420における第1のロケーション推定値を判断し、第2の地理的エリア430における第2のロケーション推定値を判断するための、モバイルデバイス10とネットワーク15との間の通信を示す。
【0025】
図2の20において、モバイルデバイス10は、第1の地理的エリア420内におけるそれのロケーション推定値を判断するために、または判断するのを助けるために、モバイルデバイス10内でプロセスを開始する。このプロセスは、モバイルデバイス10のユーザからのアクション、モバイルデバイス10内のアクション(たとえば、タイマー満了またはモバイルデバイス10内でのアプリケーションからの要求)、またはモバイルデバイス10の外部のアクション(たとえば、ネットワーク15からのモバイルデバイス10の推定位置についての要求)に応答して開始され得る。モバイルデバイス10は、それのロケーション推定値を判断するために信号を処理するか、またはそのために必要な計算を実行し得る。代替的に、モバイルデバイス10は、ネットワーク15がモバイルデバイス10のロケーション推定値を判断するのを支援し得る。
【0026】
支援データ要求25は、モバイルデバイス10によって送られ、ネットワーク15によって受信される。いくつかの実施形態では、支援データ要求25は別のモバイルツーネットワークメッセージの一部である。他の実施形態では、モバイルデバイス10は、すでに必要な支援データを有しているので支援データ要求25を送らない。たとえば、ネットワーク15は、前のポイントツーポイントメッセージ中で、またはブロードキャストメッセージ中で、要求された支援データをモバイルデバイス10に事前に供給し得る。
【0027】
支援データ要求30は、ネットワーク15によって送られ、モバイルデバイス10によって受信される。支援データ応答30は、第1の地理的エリア420のための要求された支援データを含んでいる。第1の地理的エリア420は、モバイルデバイス10が通信している基地局410のネットワーク15内の位置に基づき得る。35において、モバイルデバイス10は、第1の地理的エリア420のための支援データを使用して、識別された近くの基地局410から信号を受信する。
【0028】
上記で説明したように、モバイルデバイス10またはネットワーク15はモバイルデバイス10のロケーション推定値を判断し得る。45Aにおいて、モバイルデバイス10がそれのロケーション推定値を判断する場合、モバイルデバイス10は受信信号を処理する。代替的に、モバイルデバイス10は、受信信号を含んでいるメッセージ40Bを送ることによってネットワーク15を支援する。45Bにおいて、ネットワーク15は、次いで、受信信号を処理して、モバイルデバイス10のロケーション推定値を判断する。
【0029】
プロセスは図3に続く。60において、この例では、モバイルデバイス10は第1の地理的エリア420から(新しい)第2の地理的エリア430に移動する。モバイルデバイス10が、ステップ35またはステップ45Aにおいて処理が完了する前に第1の地理的エリア420から第2の地理的エリア430に移動した場合、上記で説明した支援データメッセージ30が第1の地理的エリア420のために必要な支援データを含んでいるが、第2の地理的エリア430のために必要な支援データを含んでいないので、支援データは使用可能でなくなる。したがって、モバイルデバイス10は、新しい第2の地理的エリア430中にいる間、(ステップ30において受信した)支援データを使用することができなくなる。この場合、モバイルデバイス10は、メッセージ70および75のステップに関して以下で説明するように、支援データを要求するステップ(ステップ25)と、支援データを受信するステップ(ステップ30)とを繰り返す必要がある。
【0030】
65において、モバイルデバイス10は、第2の地理的エリア430内におけるそれのロケーション推定値を判断するために、または判断するのを助けるために、上記で説明したプロセスを再び開始する。支援データ要求70は、モバイルデバイス10によって送られ、ネットワーク15によって受信される。支援データ要求75は、ネットワーク15によって送られ、モバイルデバイス10によって受信される。支援データ応答75は、今度は第2の地理的エリア430のための支援データを含んでいる。第2の地理的エリア430は、新しい基地局410のネットワーク15内の新しい位置に基づき得る(たとえば、第2の地理的エリア430は、新しい基地局410のカバレージエリアによって、新しい基地局410のカバレージエリアとその直接のネイバー(its immediate neighbors)とによって、または、新しい基地局410のカバレージエリアと、その直接のネイバーと、その直接のネイバーのネイバーとによって定義され得る)。
【0031】
80において、モバイルデバイス10は、第2の地理的エリア430のための支援データを使用して、識別された近くの基地局410から信号を受信する。第2の地理的エリア430のこれらの基地局410は、ステップ35において上記で説明した、第1の地理的エリア420から受信した信号の基地局410とは異なり得る。
【0032】
ステップ80においてモバイルデバイス10が信号を受信すると、受信信号は、モバイルデバイス10のロケーション推定値を判断するために使用され得る。モバイルデバイス10がロケーション推定値を判断する(番号45A参照)、または、代替的にネットワーク15がロケーション推定値を判断する(番号40Bおよび45B参照)上記で説明した手順が、ステップ80からの受信信号を用いて再び実行され得る。すなわち、ステップ80に続く45Aにおいて、モバイルデバイス10は、受信信号を処理することによってそれのロケーション推定値を判断する。代替的におよび同じくステップ80に続き、モバイルデバイス10は、受信信号を含んでいるメッセージ40Bを送ることによってネットワーク15を支援し得、45Bにおいて、ネットワーク15は、受信信号を処理して、モバイルデバイス10のロケーション推定値を判断する。
【0033】
図4に、支援データメッセージ35中に含まれている支援データ100Aを示す。支援データ100Aは、(現在の)第1の地理的エリア420には関係するが、(新しい)第2の地理的エリア430には関係しない。支援データ100Aは、第1の地理的エリア420中にあるときのモバイルデバイス10によって潜在的に受信可能な信号を送信する送信機に関する情報を含み得る。送信機は、(たとえば、GPS衛星中の)衛星送信機および/または地上波送信機(たとえば、セルラー基地局、アクセスポイント、フェムトセルなどであり得る基地局410など)であり得る。地上波送信機は、セル全体または基地局410のカバレージエリアのための信号を送信する単一の送信機であり得る。地上波送信機は、セクタ化された基地局の単一のセクタを送信する送信機であり得る。地上波送信機は、それぞれが基地局410の対応するセクタ中で信号を送信する、2つ、3つ、またはそれ以上のコロケート送信機(co-located transmitters)のグループであり得る。
【0034】
支援データ100Aは、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420中にあるときに受信可能である可能性のある信号を送信する送信機に関係する情報を含んでいる。すなわち、送信機は、第1の地理的エリア420内にあることまたは第1の地理的エリア420内で受信可能な信号を有することに基づいて選択される。衛星送信機の場合、この情報は、第1の地理的エリア420中のモバイルデバイス10の視野にある可能性のある1つまたは複数の衛星のための、衛星のアルマナックおよびエフェメリスデータ(ephemeris data)を含み得る。この情報はまた、(i)各SVの予想されるドップラー周波数シフトおよび各SVの予想されるコード位相シフトなど、モバイルデバイス10が衛星信号を取得し、測定するのを助け得る情報、(ii)信号がモバイルデバイス10によって受信され得る1つまたは複数の基地局410の送信タイミングに関する、GPSまたはGNSSタイミング情報、(iii)電離層遅延および対流圏遅延など、正しい衛星測定を助けるための情報のうちの1つまたは複数を含み得る。この衛星関連情報の一部(たとえば、近くの基地局410および予想されるコード位相シフトに関係するGPSまたはGNSSタイミング情報)は、モバイルデバイス10の(現在の)第1の地理的エリア420に固有であり、(異なる)第2の地理的エリア430中では有効でないことがあり得る。地上波送信機の場合、支援データ100Aは、第1の地理的エリア420中でモバイルデバイス10によって受信可能である可能性がある信号を送信する1つまたは複数の基地局410に関する、基地局アルマナックからの情報を含み得る。たとえば、支援データ100Aは、たとえば、支援データ100Aを送信する基地局410だけのロケーションなど、地上波支援データだけを含み得る。代替的に、支援データ100Aは、第1の地理的エリア420から受信可能である可能性のある信号とともに、いくつかの基地局410のための地上波支援データ情報を含み得る。たとえば、各基地局410について、支援データ100Aは、基地局識別子(たとえば、MACアドレス、セルタワー識別子および/またはグローバルネットワークアドレス)と、基地局410のロケーション(たとえば、緯度および経度)とを含み得る。さらに、支援データ100Aは、高度、カバレージエリア、送信電力、アンテナ利得、ワイヤレスネットワーク識別子、ネイバーの識別情報、各ネイバー送信タイミングに関係する送信タイミング、および/または基地局410の他の特徴または機能のフィールドのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0035】
支援データ100Aは、GPSまたはGNSS衛星の測定を可能にするためにモバイルデバイス10によって使用され得、モバイルデバイス10のロケーションを判断するために測定値を定義し、その測定値がどのように取得され使用され得るかを定義する1つまたは複数の測位方法をサポートする、ネットワーク15中の基地局410によって使用され得る。3GPPおよび3GPP2によって定義されている1つのそのような測位方法は、Assisted GPS(A−GPS)として知られており、モバイルデバイス10のロケーション推定値を判断するために一般に4つ以上のGPS SVの擬似距離測定値を使用する。この場合、A−GPS支援データは、そのような測定値が取得された後に、ロケーション推定値を取得するために使用され得るGPS SV信号および他の情報をモバイルデバイス10が取得し、測定するのを支援するための情報を備える。3GPPおよび3GPP2によって定義されている、Assisted GNSS(A−GNSS)として知られている関連する測位方法は、A−GPSに類似しているが、限定はしないが、GPSを含む任意のGNSSからの信号を測定するためにA−GPS支援データを供給する。観測到達時間差(OTDOA:Observed Time Difference of Arrival)として知られている、3GPPによって定義された第3の測位方法は、LTEネットワーク中の(eノードBとして知られる)基地局410によって送信される測位基準信号(PRS:Positioning Reference Signal)の測定値を使用する。OTDOAは、地上波測位方法であり、それが使用する支援データ100Aは、PRS送信特性と、基地局410(たとえば、eノードB)のロケーションと、近隣基地局410(たとえば、近隣eノードB)からのPRS信号間の絶対送信タイミング差とを含み得る。OTDOAに類似している、多くの等価の地上波測位方法が、他のタイプのネットワークのために存在する。これらの関連する測位方法には、CDMA200ネットワークのために3GPP2によって定義されたアドバンストフォワードリンク三辺測量(AFLT:Advanced Forward Link Trilateration)、WCDMAネットワークのために3GPPによって定義されたOTDOAの変形態、およびGSMネットワークのために3GPPによって定義された強化観測時間差(E−OTD:Enhanced Observed Time Different)が含まれる。OTDOAおよびOTDOAと同様の他の測位方法のための支援データ100Aは、1つまたは複数の基地局410に関係し、基地局アルマナックデータと呼ばれることがある。
【0036】
図5に、支援データメッセージ30中に含まれている拡張支援データ200を示す。支援データ100Aを要求し、受信すること(上記のステップ70および75)を繰り返すのを回避するために、本発明の実施形態は、拡張支援データ200を提供する。拡張支援データ200は、支援データ100Aの2つのサブセットを含み得る。ネットワーク15からモバイルデバイス10に送られる拡張支援データ200は、(図示のように)別個の第1および第2のサブセット100、110のように、または第1および第2のサブセット100、110のインターリーブされた和集合のように見え得る。
【0037】
図4で支援データ100Aとして説明した、支援データの第1のサブセット100は、(現在の)第1の地理的エリア420中で有効で、第1の地理的エリア420中でモバイルデバイス10に現在可視である可能性がある信号を有する送信機に関する情報を含む。拡張支援データ200は、モバイルデバイス10に現在可視である可能性がないが、モバイルデバイス10が第2の地理的エリア430に移動する場合にモバイルデバイス10に可視になり得る、(将来の)第2の地理的エリア430中で有効な支援データの第2のサブセット110を含む。いくつかの状況では、拡張支援データ200中の支援データの第2のサブセット110のすべてが、同時に、同じロケーションにおいて、第2の地理的エリア430中のモバイルデバイス10に可視であり得るわけではない。すなわち、拡張支援データ200の異なる部分が、第2の地理的エリア430内の異なるロケーションにおいて(したがって、異なる時間において)モバイルデバイス10に可視になり適用可能または使用可能になり得る。
【0038】
支援データの第1のサブセット100は、図4を参照しながら説明した情報を含み得る。支援データの第1のサブセット100とは異なり、支援データの第2のサブセット110は、モバイルデバイス10が、現在閲覧可能であると予想されないが、将来のロケーション(すなわち、第2の地理的エリア430)から閲覧することが可能であると予想される送信機に関する情報を含む。いくつかの実施形態では、拡張支援データ200は、地上波支援データ(第1のサブセット100および第2のサブセット110、または第1のサブセット100なしの第2のサブセット110)のみを含んでいる。他の実施形態では、拡張支援データ200は、地上波支援データと、さらに衛星支援データとを含んでいる。たとえば、衛星支援データは、(i)特定の基地局410(たとえば、第2の地理的エリア430中の基地局410)に関係する衛星タイミング、および/または(ii)各衛星の予想されるコード位相シフトに関するデータなど、ロケーション固有であるデータを含み得る。いくつかの実施形態では、拡張支援データ200は、地上波支援データおよび衛星支援データを含んでおり、地上波支援データと衛星支援データの両方は、第1の地理的エリア420にあるか、または第2の地理的エリア430にあるかに依存する。
【0039】
第2のサブセット110中に含まれる送信機情報は、いくつかの方法で判断され得る。支援データの第2のサブセット110は、第1のサブセット100中に含まれないネイバーのネイバーを含み得る。支援データの第2のサブセット110は、モバイルデバイス10の移動の速度または予想される経路の方向にある基地局410を含み得る。第2のサブセット110は、範囲外支援データを要求するモバイルデバイス10に基づく基地局410を含み得る。ネットワーク15は、モバイルデバイス10のためのロケーション推定値および/またはサービング基地局410の最近のパターンに基づく基地局情報を含み得る。
【0040】
図6に、第1の地理的エリア420において拡張支援データ200を受信し、第1の地理的エリア420において受信された拡張支援データ200に基づいて第2の地理的エリア430においてロケーション推定値を判断するための、モバイルデバイス10とネットワーク15との間の通信を示す。20において、モバイルデバイス10は、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420内にあるときにそれのロケーション推定値を判断する、または判断するのを助けるために、モバイルデバイス10内でプロセスを開始する。このプロセスは、上で列挙したアクションに応答して開始され得る。
【0041】
モバイルデバイス10は、単に支援データについての要求であり得、または支援データ200についての明示的要求であり得る、支援データ要求505を送る。すなわち、この支援データ要求505は、概して、第1の地理的エリア420のための支援データ100、または拡張支援データ200についての特定の要求であり得る。支援データ要求505は、様々な条件のいずれかによってトリガされ得る。たとえば、支援データ要求505は、(a)現在利用可能な支援データ中に含まれない、基地局410からの信号(たとえば、LTE PRS信号)をモバイルデバイス10が検出すること、(b)現在利用可能な支援データ中で、モバイルデバイス10において受信された信号の低信号強度、(c)ある境界の外側にあるモバイルデバイス10のためのロケーション推定値を取得すること(たとえば、円または多角形などの幾何学的形状の形態などのこの境界は、支援データの一部としてネットワーク15によって指定され得る)、(d)支援データが前に受信されたときのモバイルデバイス10のロケーションからある所定の距離よりも多く離れた、モバイルデバイス10のためのロケーション推定値を取得すること(たとえば、この所定の距離は、支援データの一部としてネットワーク15によって指定され得る)、(e)支援データについての所定の周期的要求、(f)推定誤差が(支援データ中で供給される所定の値などの)所定の値を超えた状態でモバイルデバイス10のためのロケーション推定値を取得すること、(g)以前に受信した支援データが、過去の何らかの所定の時間の前に受信されたもので、したがって、たとえば、基地局送信のタイミングドリフトによりエラーを起こしやすいものであること、または(h)モバイルデバイス10が、支援データについての前の要求中で供給された情報に変化(たとえば、モバイルデバイス10の推定目的地または軌道の変化)を検出することによってトリガされ得る。
【0042】
支援データ要求505は、(a)支援データの拡張セットを要求するブールインジケータ(Boolean indicator)、(b)モバイルデバイス10がデータが有効であるべきと望む距離または時間期間、(c)支援データ中に含まれるように要求されたセルの数、(d)モバイルデバイス10が拡張支援データ200を記憶し処理する能力をネットワーク15に通知するためのインジケータ(たとえば、サイズ限界)、および(e)ネットワーク15が環境により良く適した支援データ(たとえば、屋内にあるモバイルデバイス10のためのWi−Fiまたはアクセスポイント支援データを含む)を供給することを可能にするためにモバイルデバイス10が屋内にあるのか、または屋外にあるのか(たとえば、GNSS信号強度に基づく)のインジケータのパラメータのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0043】
支援データ要求505は、(f)モバイルデバイス10が適用可能であるべき支援データを要求する基地局410のセルID、(g)モバイルデバイス10が最近訪問した基地局410のセルID、(h)モバイルデバイス10のルート(たとえば、始点および終点、目的地、推定軌道、予想ルート、セルIDのシーケンス、緯度/経度点、直線軌道、または通常使用されるルートに沿った軌道)、(i)第2の地理的エリア430中の相対または絶対ロケーションのセットについてのモバイルデバイス10からの指示、(j)(たとえば、タイムスタンプを付けられた位置測定のリストまたはモバイルデバイス10によって受信された基地局信号のリストを使用した)その速度についてのモバイルデバイス10からの指示、(k)方向をもたないその速度についてのモバイルデバイス10からの指示、および(l)速度をもたないその方向についてのモバイルデバイス10からの指示のパラメータのうちの1つまたは複数などの、モバイルデバイス10のルーティング情報をも含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、これらのパラメータのうちの1つまたは複数は、支援データ要求505内でモバイルデバイス10によってネットワーク15に送られる。いくつかの実施形態では、これらのパラメータのうちの1つまたは複数(たとえば、モバイルデバイス10のルート、またはモバイルデバイス10が拡張支援データ200を記憶し処理する能力)は、支援データ要求505を通信するより前に送られる。いくつかの実施形態では、これらのパラメータのうちの1つまたは複数は、(支援データ要求505中でなど)メッセージ中で通信されないが、モバイルデバイス10のユーザの加入情報またはモバイルデバイス10の知られている能力など、他の情報またはデータベースからネットワーク15によって推測または抽出される。
【0045】
510において、ネットワーク15は、1つまたは複数の基地局410のリストを含む拡張支援データ200の構造を判断する。次いで、ネットワーク15は、(現在の)第1の地理的エリア420に基づく支援データの第1のサブセット100を場合によっては含み、(予想される)第2の地理的エリア430に基づく支援データの第2のサブセット110を含む、拡張支援データ200を含んでいる拡張支援データメッセージ515を送り、モバイルデバイス10はそれを受信する。モバイルデバイス10は、(上記のステップ35で説明したように)支援データの第1のサブセット100を使用して第1の地理的エリア420中で信号を受信し始め得る。
【0046】
520において、モバイルデバイス10は、(第2の地理的エリア430からアクセス可能であるが、第1の地理的エリア420からアクセス不可能である)支援データの第2のサブセット110を保存する。522において、この例は、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420から第2の地理的エリア430に移動したことを示す。移動の後に新しい支援データを要求した(ステップ70)図2および図3の例とは異なり、モバイルデバイス10が、第2の地理的エリア430のための支援データの第2のサブセット110を保存しており、第2の地理的エリア430に後で入る場合、モバイルデバイス10は、(新しい)第2の地理的エリア430のための支援データを再要求する必要がない。525において、モバイルデバイス10は、拡張支援データメッセージ515中で前に受信した支援データの第2のサブセット110を使用して第2の地理的エリア430中で信号を受信する。
【0047】
この場合も、モバイルデバイス10またはネットワーク15は、モバイルデバイス10のロケーション推定値を判断し得る。45Aにおいて、モバイルデバイス10は、それのロケーションを判断する。代替的に、モバイルデバイス10は、メッセージに40Bを送ることによってネットワーク15を支援し、45Bにおいて、ネットワーク15は、受信信号に基づいてモバイルデバイス10のロケーション推定値を判断する。
【0048】
場合によっては、図6に例示した方法は、シグナリングおよびバッテリー消費量を低減し、また、図2および図3に例示した方法を使用してロケーション推定値を判断することが普通なら失敗するはずである第2の地理的エリア430中でモバイルデバイス10のロケーション推定値を判断することを可能にし得る。たとえば、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420から第2の地理的エリア430に移動し、第2の地理的エリア430にいる間にネットワーク15からの支援データを要求することができない場合である。第2の地理的エリア430中で通信する能力のこの欠如は、(a)モバイルデバイス10が第2の地理的エリア430中でネットワーク15への通信リンクを有しないこと、(b)モバイルデバイス10が第2の地理的エリア430中でネットワーク15と通信するためのサブスクリプションを有しないこと、または(c)ネットワーク15が第2の地理的エリア430中で支援データの要求および配信をサポートしないことに起因し得る。これらの状況では、図3のステップ70および75の実行は不可能である。したがって、(図6のステップ505、510および515に関して上記で説明したように)依然として第1の地理的エリア420にいる間に第2の地理的エリア430のための拡張支援データ200を取得することは、図2および図3で説明した方法の制限を回避する。
【0049】
図7に、拡張支援データ200を判断する、ネットワーク15内でのプロセスを示す。いくつかの実施形態では、ロケーションサーバ460(図1)などのネットワークエンティティが、拡張支援データ200中に含めるべき基地局420のリストを判断する。このネットワークエンティティは、単独でロケーションサーバ460(図1)であるか、またはロケーションサーバ460と基地局アルマナックサーバ470(図1)の組合せであり得る。
【0050】
530において、ネットワークエンティティは、モバイルデバイス10が第1の地理的エリア420にいる間にモバイルデバイス10からメッセージ(たとえば、支援データ要求505)を受信する。
【0051】
ステップ510は、前記拡張されたセル(the extended cells)を判断するプロセスを記載し、ステップ540および550を含む。送信機のこのリストは、支援データ要求505に基づくか、またはネットワーク15によって内部で作成され得る。すなわち、このプロセスは、530においてメッセージを受信することによってトリガされるか、または代替的に、ネットワーク15の内部でトリガされ得る。
【0052】
ネットワーク15によってトリガされると、ネットワーク15は、(a)モバイルデバイス10から受信されたまたはそれに推測される指示のうちの1つまたは複数、(b)所定のしきい値を超える、過去の期間中の測位トランザクションの数(たとえば、ネットワーク15は、拡張支援データ200の単一の大規模なダウンロードが頻繁でより小規模のダウンロードより望ましくなるのに十分な頻度でモバイルデバイス10が位置特定機能を実行していると判断する)、(c)ネットワークが、概して、モバイルデバイス10またはモバイルデバイスのグループがとる可能性がある軌道についてのデータベースを維持することを含む、ネットワーク15によって作成された以前のロケーション推定値のシーケンス(ネットワーク15は、モバイルデバイス10が支援データの寿命内にどのくらい遠くにおよび/またはどのセルに移動する可能性があるのかを推測する)、(d)ネットワーク構成の一部として供給された展開情報(たとえば、ハイウェイ沿いのセルの場合、ネットワーク15は、モバイルデバイス10が主に、ハイウェイに直角にではなく、ハイウェイに沿って一方向または反対方向に進行すると仮定し得る)、および(e)モバイルデバイス10のプロファイル(たとえば、ある時間期間にわたるモバイルデバイスの位置追跡に対する関心)のネットワーク判断型パラメータのうちの1つまたは複数に基づいて拡張支援データ200を送ることを決定する。したがって、支援データの第2のサブセット110は、モバイルデバイス10からネットワーク15が受信した支援データ要求505中の1つまたは複数のパラメータに基づいておよび/または1つまたは複数のネットワーク判断型パラメータに基づいてコンパイルされ得る。
【0053】
540において、ネットワーク15は、拡張支援データ200中でどの送信機を識別するべきかを判断する。基地局410のこのリストは、第2のサブセット110を形成し、第2の地理的エリア430を定義する。
【0054】
550において、ネットワーク15は、第2の地理的エリア430に適用可能であり、第1の地理的エリア420中で適用不可能である拡張支援データ200を準備する。
【0055】
560において、ネットワーク15は、モバイルデバイス10がまだ第1の地理的エリア420中にいる間に、第2のサブセット110を含む拡張支援データ200(たとえば、拡張支援データメッセージ515)をモバイルデバイス10に送る。モバイルデバイス10は、第1の地理的エリア420から第2の地理的エリア430に移動するまで、データの第2のサブセット110を使用することができない。
【0056】
図8に、モバイルデバイス10を示す。モバイルデバイス10は、基地局受信機310と、基地局送信機320と、プロセッサ330と、メモリ340とを含む。モバイルデバイス10は、GPS受信機350などのSPS受信機をも含み得る。基地局受信機310および基地局送信機320は、基地局410のトランシーバと通信する。基地局受信機310は基地局信号を受信し、処理し、基地局信号は、プロセッサ330によって処理されるか、またはアシスト型GPSが採用される場合は、ネットワーク15によって処理される。GPS受信機350は、GPS衛星から生成されるGPS信号を処理する。セルラー基地局などのいくつかの基地局410は、セルラー基地局通信リンクを介してセルラー基地局信号を供給する。ワイヤレスLANアクセスポイント(AP)などの他の基地局410は、アクセスポイント通信リンクを介してアクセスポイント基地局信号を与える。基地局受信機310および基地局送信機320は、1つまたは複数のアンテナを共有するか、あるいは1つまたは複数の別個の共有されないアンテナをそれぞれ有し得る。同様に、GPS受信機350は、別個のアンテナを有するか、または基地局受信機310とアンテナを共有し得る。基地局受信機310および基地局送信機320は、信号の少なくとも部分的な処理のために別個の異なる構成要素を使用し得、何らかの他の構成要素を共有することも共有しないこともある。基地局受信機310および基地局送信機320は、複数の基地局通信技術および/またはプロトコルおよび/または異なるワイヤレスネットワークをサポートすることができる。基地局受信機310および基地局送信機320は、RF信号処理のための別個および/または共有の回路を有し得る。基地局受信機310および基地局送信機320は、単一の通信トランシーバに実装されるか、または異なるワイヤレスネットワークのための複数の受信機および送信機として実装され得る。
【0057】
たとえば、基地局受信機310および基地局送信機320は、セルラー電話信号を受信および/または送信するためのトランシーバ部分と、Wi−Fiまたはアクセスポイント信号を受信および/または送信するための別のトランシーバ部分とを含み得る。GPS受信機350は、GPSアンテナに結合されたGPS捕捉および追跡回路を含む。(たとえば、GPS衛星からの)GPS信号は、アンテナを通して受信され、様々なGPS衛星のためのPN(擬似ランダム雑音)コードを取得するGPS受信機350に入力される。GPS受信機350によって生成されたデータ(たとえば、相関インジケータ)は、GPS受信機350内で、または、プロセッサ330によって処理され得る。本発明のいくつかの実施形態では、基地局受信機310および基地局送信機320は、セルラー基地局および/またはアクセスポイントなどの基地局410に通信するための単一のエアインターフェース(たとえば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、UWB、TD−SCDMA、iDEN、HDR、TDMA、GSM、CDMA、W−CDMA、UMTSまたは他の同様のネットワーク)と使用されることが可能である。他の実施形態では、基地局受信機310および基地局送信機320は、これらのうちの2つ以上のインターフェースと使用されることが可能である。
【0058】
プロセッサ330と統合され、および/またはそれとは別個であり得るメモリ340は、本明細書で説明する方法を実行するためのコードを含み得る。メモリ340は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、DVD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、別の磁気ストレージデバイスなどを含むコンピュータ可読媒体のうちの1つまたはそれらの組合せであり得る。たとえば、メモリ340は、モバイルデバイス10のプロセッサ330が、第2の地理的エリア430からはアクセス可能であるが、第1の地理的エリア420からはアクセス不可能な(支援データの第2のサブセット110として本明細書で説明する)支援データを備える拡張支援データ200を第1の地理的エリア420内で受信し、拡張支援データ200を保存し、第2の地理的エリア430に移動した後に拡張支援データ200を使用してロケーション情報を取得するためのそこに記憶されたプログラムコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。
【0059】
図9に、支援データメッセージ515中に含まれている拡張支援データ200を示す。拡張支援データ200は、(現在の)第1の地理的エリア420からアクセス可能な支援データの第1のサブセット100と、(次の)第2の地理的エリア430からアクセス可能な支援データの第2のサブセット110とを含む。支援データの第2のサブセット110は、第2の地理的エリア430からはアクセス可能であるが、第1の地理的エリア420からはアクセス不可能である。モバイルデバイス10は、第1の地理的エリア420中にいる間、したがって、支援データの第2のサブセット110が即時使用不可能である間、支援データの第2のサブセット110を受信する。
【0060】
各サブセットは基地局アルマナックを含み得る。第1の地理的エリア420のための基地局アルマナック105は、第1の地理的エリア420中の基地局410のリストを含み得る。第2の地理的エリア430のための基地局アルマナック115は、第2の地理的エリア430中の基地局410のリストを含み得る。2つの基地局アルマナックは、相互排他的であるか、または部分的に重複し得る。リストされた各基地局410について、基地局アルマナック105、115は、(a)基地局ノードのタイプ(たとえば、CDMA2000、ノードB(UMTS)、eノードB(LTE)またはアクセスポイント(Wi−Fi))、(b)ノードID、(c)ノードの経度、(d)ノードの緯度、(e)(たとえば、1つまたは複数の近隣基地局410に関係する)ノードの送信タイミング、(f)ノードの送信電力、(f)基地局送信タイミングに対するGPSまたはGNSSタイミング関係を含む、1つまたは複数の識別パラメータを含み得る。
【0061】
拡張支援データ200はGPSまたはGNSS支援データ120をも含み得る。各場合において、拡張支援データ200は支援データの第2のサブセット110を含むが、支援データの第1のサブセット100およびGNSS支援データ120は拡張支援データ200の一部であることも一部でないこともある。たとえば、いくつかの実施形態では、拡張支援データ200は、支援データの第2のサブセット110を含むが、支援データの第1のサブセット100を含まない。他の実施形態では、拡張支援データ200は、支援データの第1のサブセット100と支援データの第2のサブセット110の両方を含むが、GNSS支援データ120を含まない。
【0062】
図10および図11に、モバイルデバイス10を含んでいる(現在の)第1の地理的エリア420と、現在モバイルデバイス10の視野外にあるセルを含んでいる(予測される)第2の地理的エリア430とを示す。
【0063】
図10では、モバイルデバイス10をサービスする基地局410がカバレージエリアを与える。この場合、カバレージエリアは第1の地理的エリア420を定義する。他の場合には、互いにグループ化される複数の基地局410は、第1の地理的エリア420を定義するために使用されるカバレージを与える。第2の地理的エリア430は、第1の地理的エリア420の端で始まり、基地局410からの半径まで続く環状型エリアとして示されている。第2の地理的エリア430は、第1の地理的エリア420内の1つまたは複数の基地局410に対して近隣のカバレージエリアによって定義され得る。そのような環状モデルは、モバイルデバイス10のルートが未知である場合に使用され得る。たとえば、モバイルデバイス10が固定であるかまたは最近の移動を示していない場合、第2の地理的エリア430は、概して、モバイルデバイス10の特定の方向を予測することなしに定義され得る。
【0064】
図11では、モバイル速度が知られているか、推定されるかまたは予測される。上記のように、基地局410または基地局410のグループは第1の地理的エリア420を定義する。第2の地理的エリア430は、モバイル速度の経路内の基地局410に限定され得る。モバイル速度を使用することによって、第2の地理的エリア430は、第1の地理的エリア420と比較してサイズが同等になり得る。
【0065】
モバイルデバイス10の過去および現在の移動に基づいて第2の地理的エリア430を設定するために、他のモデルが使用され得る。代替的に、第2の地理的エリア430は、モバイルデバイス10からネットワーク15に明示的に通信されるか、あるいはナビゲーションまたはマップ情報についての要求などモバイルデバイス10から受信した他の情報に基づいてネットワーク15によって推測される、目的地、ルートまたは方向に基づいて設定され得る。上記で説明したように、第2の地理的エリア430は、拡張支援データ200中でネットワーク15からモバイルデバイス10に通信される支援データの第2のサブセット110の基地局アルマナック内にリストされる基地局410のリストを設定するために使用される。
【0066】
本明細書で説明した方法は、適用例に応じて様々な手段によって実装され得る。たとえば、これらの方法は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。ハードウェア実装の場合、プロセッサ/処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、デジタル信号処理デバイス(DSPD:digital signal processing device)、プログラマブル論理デバイス(PLD:programmable logic device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明する機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの中で実装され得る。
【0067】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアに関与する実装形態の場合、本方法は、本明細書で説明する機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、機能など)を用いて実装され得る。命令を有形に実施するいかなる機械可読媒体も、本明細書で説明した方法を実装する際に使用され得る。たとえば、ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサユニットによって実行され得る。メモリは、プロセッサユニットの内部および/またはプロセッサユニットの外部に実装され得る。本明細書で使用する「メモリ」という用語は、長期メモリ、短期メモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、または他のメモリのいずれかのタイプを指し、メモリの特定のタイプまたはメモリの数、あるいはメモリが記憶される媒体のタイプに限定されない。
【0068】
ファームウェアおよび/またはソフトウェアに関与する実装形態の場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶され得る。例としては、データ構造で符号化されたコンピュータ可読媒体、およびコンピュータプログラムで符号化されたコンピュータ可読媒体がある。コンピュータ可読媒体は製造品の形態をとり得る。コンピュータ可読媒体は物理的コンピュータ記憶媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク(disk)ストレージ、磁気ディスク(disk)ストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を備えることができ、本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0069】
コンピュータ可読媒体上での記憶に加えて、命令および/またはデータは、通信装置中に含まれる伝送媒体上の信号として与えられ得る。たとえば、通信装置は、命令とデータとを示す信号を有するトランシーバを含み得る。命令およびデータは、1つまたは複数のプロセッサに、特許請求の範囲で概説する機能を実装させるように構成される。すなわち、通信装置は、開示する機能を実行するための情報を示す信号をもつ伝送媒体を含む。初めに、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示する機能を実行するための情報の第1の部分を含み得、次に、通信装置中に含まれる伝送媒体は、開示する機能を実行するための情報の第2の部分を含み得る。
【0070】
開示された態様の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために提供されるものである。これらの態様への様々な変更は当業者にはすぐに明らかになり、本明細書で定義された包括的な原理は本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の態様に適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するための方法であって、
第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することと、ここで、前記拡張支援データは、第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、
前記拡張支援データをメモリに保存することと、
前記第1の地理的エリアから前記第2の地理的エリアに移動することと、
前記第2の地理的エリアにいる間に、前記第2の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用してロケーション情報を取得することと、
前記モバイルデバイスの前記ロケーション推定値を判断するために前記ロケーション情報を与えることと
を備える、方法。
【請求項2】
前記第2の地理的エリアは、前記モバイルデバイスの将来のロケーションの予測に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の地理的エリアは、一連の過去のロケーションに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の地理的エリアは、前記モバイルデバイスの推定軌道に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の地理的エリアは、前記モバイルデバイスのルートに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の地理的エリアは、前記モバイルデバイスの目的地に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の地理的エリアは、ネットワーク構成に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ネットワークから支援データを要求することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークから支援データを要求する前記行為は、前記モバイルデバイスから前記ネットワークに、前記モバイルデバイスのルーティング情報を与えることを備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張支援データは、前記第1の地理的エリア中で適用可能な支援データをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用して前記第1の地理的エリア中のロケーション情報を取得することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記拡張支援データを使用して、前記第1の地理的エリア内の前記ロケーション推定値を推定するための複数の信号を受信することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記拡張支援データを使用して、前記第2の地理的エリア内の前記ロケーション推定値を推定するための複数の信号を受信することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ロケーション情報を与えることは、前記モバイルデバイスによって、前記第2の地理的エリア中の前記ロケーション推定値を判断することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ロケーション情報を与えることは、前記ロケーション情報をネットワークに送ることによって、前記ネットワークが前記ロケーション推定値を判断することを支援することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ロケーション情報は、前記第2の地理的エリアからの信号測定値を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の地理的エリア中のロケーション推定値を判断するための前記信号測定値をネットワークに送信することをさらに備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスであって、前記モバイルデバイスが、基地局受信機と、基地局送信機と、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリが、
第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することと、ここで、前記拡張支援データは、第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、
前記拡張支援データをメモリに保存することと、
前記第2の地理的エリアにいる間に、前記第2の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用してロケーション情報を取得することと、
前記モバイルデバイスの前記ロケーション推定値を判断するために前記ロケーション情報を与えることと
を行うためのコードを備える、モバイルデバイス。
【請求項19】
前記第2の地理的エリアは、
前記モバイルデバイスの将来のロケーションの予測、
一連の過去のロケーション、
前記モバイルデバイスの推定軌道、
前記モバイルデバイスのルート、および
前記モバイルデバイスの目的地
のうちの少なくとも1つに基づく、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項20】
前記拡張支援データは、前記第1の地理的エリア中で適用可能な支援データをさらに備える、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項21】
前記拡張支援データを使用して、前記第2の地理的エリア内の前記ロケーション推定値を推定するための複数の信号を受信するためのコードをさらに備える、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項22】
前記ロケーション情報を与えるための前記コードは、前記モバイルデバイスによって、前記第2の地理的エリア中の前記ロケーション推定値を判断するためのコードを備える、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項23】
前記ロケーション情報を与えるための前記コードは、前記ロケーション情報をネットワークに送ることによって、前記ネットワークが前記ロケーション推定値を判断することを支援するためのコードを備える、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項24】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスであって、
第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信するための手段と、ここで、前記拡張支援データは、第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、
前記拡張支援データをメモリに保存するための手段と、
前記第2の地理的エリアにいる間に、前記第2の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用してロケーション情報を取得するための手段と、
前記モバイルデバイスの前記ロケーション推定値を判断するために前記ロケーション情報を与えるための手段と
を備える、モバイルデバイス。
【請求項25】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのモバイルデバイスであって、前記モバイルデバイスが、プロセッサと、メモリとを備え、前記メモリが、
第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することと、ここで、前記拡張支援データは、第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、
前記拡張支援データをメモリに保存することと、
前記第2の地理的エリアにいる間に、前記第2の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用してロケーション情報を取得することと、
前記モバイルデバイスの前記ロケーション推定値を判断するために前記ロケーション情報を与えることと
を行うための命令を備える、モバイルデバイス。
【請求項26】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するための、前記モバイルデバイスのためのそこに記憶されたプログラムコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムコードが、
第1の地理的エリアにいる間に、拡張支援データを受信することであって、前記拡張支援データが、第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では適用不可能である支援データを備える、受信することと、
前記拡張支援データをメモリに保存することと、
前記第2の地理的エリアにいる間に、前記第2の地理的エリア中で適用可能な前記支援データを使用してロケーション情報を取得することと、
前記モバイルデバイスの前記ロケーション推定値を判断するために前記ロケーション情報を与えることと
を行うためのプログラムコードを含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項27】
ネットワークによって、第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備する方法であって、
第2の地理的エリアをそれによって定義する、識別すべき基地局を判断することと、
前記拡張支援データを準備することと、ここで、前記拡張支援データは、前記第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、
前記モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に前記拡張支援データを前記モバイルデバイスに送ることと
を備える、方法。
【請求項28】
前記第1の地理的エリア中の前記モバイルデバイスから支援データ要求を受信することをさらに備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
識別すべき前記基地局を判断する前記行為は、前記第1の地理的エリア中の前記モバイルデバイスから前記支援データ要求を受信する前記行為によってトリガされる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
識別すべき前記基地局を判断する前記行為は、前記ネットワークによって、前記基地局を判断する前記行為をトリガすることを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
トリガする前記行為は、少なくとも1つのネットワークパラメータに基づく、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つのネットワークパラメータが、
(a)前記モバイルデバイスから受信されたパラメータ、
(b)過去の期間中に行われたいくつかの位置トランザクション、
(c)前記ネットワークによって作成された一連の以前のロケーション推定値、
(d)ネットワーク構成の一部として与えられた展開情報、
(e)前記モバイルデバイスのプロファイル
のうちの少なくとも1つに基づく、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備するためのネットワークエンティティであって、
第2の地理的エリアをそれによって定義する、識別すべき基地局を判断するための手段と、
前記拡張支援データを準備するための手段と、ここで、前記拡張支援データは、前記第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、
前記モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に、前記拡張支援データを前記モバイルデバイスに送るための手段と
を備える、ネットワークエンティティ。
【請求項34】
第1の地理的エリア中のモバイルデバイスのための拡張支援データを準備するためのネットワークエンティティであって、前記ネットワークエンティティがプロセッサとメモリとを備え、前記メモリが、
第2の地理的エリアをそれによって定義する、第1の地理的エリア中の前記モバイルデバイスのための、識別すべき基地局を判断することと、
前記拡張支援データを準備することと、ここで、前記拡張支援データは、前記第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、
前記モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に、前記拡張支援データを前記モバイルデバイスに送ることと
を行うためのコードを備える、ネットワークエンティティ。
【請求項35】
モバイルデバイスのロケーション推定値を判断するためのネットワークエンティティのためのそこに記憶されたプログラムコードを備えるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムコードが、
第2の地理的エリアをそれによって定義する、第1の地理的エリア中の前記モバイルデバイスのための、識別すべき基地局を判断することと、
前記拡張支援データを準備することと、ここで、前記拡張支援データは、前記第2の地理的エリア中では適用可能であり、前記第1の地理的エリア中では知られている適用不可能である支援データを備える、
前記モバイルデバイスが第1の地理的エリアにいる間に、前記拡張支援データを前記モバイルデバイスに送ることと
を行うためのプログラムコードを含む、コンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−502167(P2013−502167A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524872(P2012−524872)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045326
【国際公開番号】WO2011/019917
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】