説明

シフト装置

【課題】ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を抑制することができるシフト装置を提供する。
【解決手段】バイワイヤ式のシフト装置は、シフトレバー1がステアリングホイール10に設けられた三本のスポーク11a,11b,11cのうち隣り合う中スポーク11aと右スポーク11bとの間に設けられる。シフトレバー1が隣り合う中スポーク11aと右スポーク11bとの間を変位されることによって、シフトポジションが切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のシフト装置においては、運転者の操作により、機械的なリンク機構等を介して変速装置のシフトポジションが変更されるものが知られている。このような機械的なシフト装置には、フロアコンソールやステアリングコラムに設けられるものが多い。ステアリングコラムに設けられるものは、フロアコンソールに設けられるものと比べて、フロアコンソールのスペースを利用できることやステアリングホイールから近く操作し易い等の利点がある。近年、運転者のシフト操作を電気信号に変換し、ワイヤを介して変速装置等に電気信号を伝達することによって、変速装置のシフトポジションを変更するシフトバイワイヤ(Shift By Wire)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。バイワイヤ式のシフト装置によれば、機械的なリンク機構等が必要ないため、小型化することができる。また、従来のシフトレバーより小さいシフトレバーとすることができ、さらに操作力も小さくなる等の利点がある。近年では、フロアタイプだけでなくコラムタイプのシフト装置のバイワイヤ化も検討されている。
【特許文献1】特開2002−276804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、バイワイヤ式のシフト装置をステアリングコラムに設けると、ステアリングホイールを操作する際に、シフトレバーを触ってしまい、シフトポジションの意図しない変更が行われるおそれがある。
【0004】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を抑制することができるシフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、バイワイヤ式のシフト装置であって、シフトレバーが、ステアリングホイールに設けられた複数のスポークのうち隣り合うスポークの間に設けられ、前記シフトレバーが前記隣り合うスポークの間を変位されることによって、シフトポジションが切り替えられることをその要旨としている。
【0006】
同構成によれば、シフトレバーがステアリングホイールのスポーク間に設けられるため、シフトポジションを切り替える際に、ステアリングホイールから手を少し離せばシフトレバーを操作することができる。また、シフトレバーをステアリングコラムに設けたものではステアリングホイールを回動操作した際に触ってしまうおそれがあるが、本発明によれば一体に回動するため、ステアリングホイールを操作する際に、シフトレバー1を触るおそれがなく、意図しないシフト操作を抑制することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシフト装置において、前記シフトレバーは、前記ステアリングホイールの回動方向と同じ方向に操作されることにより、シフトポジションが切り替えられることをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、シフトレバーの操作方向がステアリングホイールの操作方向と同じため、シフトポジションを切り替える際に、操作し易い。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシフト装置において、前記シフトレバーのドライブ及びリバースの少なくとも一方のシフト位置をスポークの近傍とすることをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、走行する際のシフトレバーの位置がスポークの近傍となるため、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のシフト装置において、前記シフトレバーのドライブ及びリバースの少なくとも一方のシフト位置がスポークと接触する位置となることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、走行する際のシフトレバーの位置がスポークと接触する位置であるため、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフト操作を確実に抑制することができる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記シフトレバーの端部を前記ステアリングホイールの中央部の外縁近傍に位置させることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、シフトレバーの端部が中央部の外縁近傍に位置するため、ステアリングホイールの中央部においてエアバック等を収納するスペースを維持しつつ、ステアリングホイールにシフトレバーを設けることができる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記シフトレバーのシフト位置に対応した位置に前記シフトレバーを保持する節度機構を設けることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、節度機構を設けることにより、操作する際に、シフトレバーのシフト位置を感覚的に認識することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシフト装置において、前記ステアリングホイールには、前記シフトレバーの操作方向と同方向に前記シフトレバーを案内するレールを設けることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、レールを設けることにより該レールに沿ってシフトレバーが円滑に移動し、シフトレバーの操作がし易くなる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明に、前記シフトレバーには、同シフトレバーの回動操作が規制されるロック状態と、同回動操作が許容されるアンロック状態とを切り替える切替スイッチを備えることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、切替スイッチを設けることにより、シフトポジションを切り替える際に、切替スイッチの操作とシフトレバーの操作との二つを行わなければならないため、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ステアリングホイールを操作する際に、意図しないシフトシフトポジションの変更を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜5を参照して説明する。
図1は、シフト装置の全体図である。図2は、シフト装置の構成を示す構成図である。図3は、シフト装置の節度機構の構成図である。図4は、シフト装置(図2)のA−A断面図である。
【0019】
図1に示されるように、ステアリングホイール10には、ステアリングシャフト(図示略)が接続される中央部13と、リング12と、中央部13とリング12とを繋ぐ三本の中スポーク11a、右スポーク11b、左スポーク11cとが設けられている。中スポーク11aは中央部13から下方へ、右スポーク11bは中央部13から右上方へ、左スポーク11cは中央部13から左上方へ延びている。中スポーク11aと右スポーク11bとの間には、中央部13の内部とリング12の内部とを繋ぐように形成されたシフトレバー1が設けられる。シフトレバー1は、中スポーク11aに接触する位置と右スポーク11bに接触する位置との間で、ステアリングホイール10の回動方向と同じ方向に回動操作される。シフトレバー1は、ドライブ(図中ではD)、ニュートラル(図中ではN)、リバース(図中ではR)、パーキング(図中ではP)のそれぞれのシフト位置に回動操作される。ドライブのシフト位置は、シフトレバー1の左側面が中スポーク11aの右側面に接触する位置である。パーキングのシフト位置は、シフトレバー1の右側面が右スポーク11bの左側面に接触する位置である。リバースのシフト位置は、右スポーク11bの近傍である。ニュートラルのシフト位置は、ドライブのシフト位置とリバースのシフト位置との間である。シフトレバー1のレバー部2の表面には、スイッチ凹部31が形成されるとともに、スイッチ凹部31の内底面には、切替スイッチとしてのタッチセンサ32が設けられている。該タッチセンサ32が操作されることにより、同シフトレバー1の回動操作が規制されるロック状態と、同回動操作が許容されるアンロック状態とが切り替えられる。
【0020】
図4に示されるように、ステアリングホイール10の中央部13の側面には、シフトレバー1の回動範囲に合わせて開口部14が設けられている。レバー部2の中央部13側の端部には、開口部14に回動可能に挿入支持された回動軸部4が設けられている。回動軸部4(軸線P2)は、ステアリングホイール10の回動軸(軸線P1)とは異なる中央部13の外縁近傍に位置する。回動軸部4には、レバー部2に結合される回動部42と、該回動部42を支持する支持部41と、該回動部42の回転角を検出する回転センサ43と、シフトレバー1のシフト位置に対応する回動位置で回動部42を保持する節度機構44とを備えてなる。図3に示されるように、節度機構44は、ばね44bによって回動部42側に付勢されるロック部材44aが、各々のシフト位置に対応して回動部42に形成されたロック凹部44d,44n,44p,44rに嵌入することで、シフトレバー1の回動軸部4を中心とする回動が規制される。これにより、シフトレバー1は、所定のシフト位置に保持される。図2に示されるように、リング12の内周には、シフトレバー1が回動する範囲に亘って回動凹部15が設けられている。図4に示されるように、該回動凹部15の互いに対向する二つの内側面にはそれぞれレール16が設けられている。そして、図2に示されるように、レール16のシフトレバー1の各々のシフト位置に対応する部位には、それぞれ凹部17が設けられている。図4に示されるように、レバー部2のリング12側の端部には、レール16上を回転しながら移動するローラ部5が設けられている。ローラ部5は、上下方向においてレバー部2を挟むように配設されたローラ5aとローラ5bとを備えてなる。両ローラ5a,5bは、これらに対応するように同じく上下に設けられた二つのレール16に沿って、回転しながら移動する。また、シフトレバー1のリング12側の内部には、シフトレバー1の回動操作を規制するロック機構6が設けられている。ロック機構6は、シフトレバー1の内部から凹部17に嵌脱されるロックバー61と、該ロックバー61を凹部17に嵌脱するソレノイド62とを備えている。すなわち、ロックバー61が凹部に嵌入されることにより、シフトレバー1の操作が規制される。
【0021】
次に、シフト装置の電気的な構成について説明する。図5は、シフト装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、タッチセンサ32は指等の接触を検知すると検出信号を制御装置70に出力する。すると、制御装置70は、ロック機構6のソレノイド62にロックを解除する切替信号を出力する。なお、ロック機構6は、タッチセンサ32が接触を検知していない状態では、シフトレバー1の回動操作をロックしている。シフトレバー1の回転センサ43は、同シフトレバー1のシフト位置(正確には、回動部41の回転角)に応じたシフト位置信号(角度信号)を制御装置70に出力する。制御装置70は、回転センサ43からのシフト位置信号(角度信号)に基づき、シフト位置信号を認識する。そして、シフト位置信号に基づきシフトレバー1のシフト位置に対応するシフトポジションに切り替えるためのシフト切替信号を変速装置71へ出力する。変速装置71は、制御装置70から入力されるシフト切替信号に基づいて、各シフトポジションへの切り替えを行う。また、パーキングのシフト位置に操作された際には、制御装置70は、パーキングロック信号をパーキングロックアクチュエータ72へ出力する。そして、変速装置71は、実際に切り替えたシフトポジションを伝えるシフトポジション信号を制御装置70へ出力する。制御装置70は、シフトポジション信号をメータ73へ出力する。メータ73は、制御装置70を通じて受信したシフトポジション信号に基づき実際に切り替えられたシフトポジション信号を表示する。パーキングロックアクチュエータ72は、制御装置70からパーキングロック信号が入力されるとパーキングロックを掛ける。そして、パーキングロックアクチュエータ72は、パーキングロックを掛けるとパーキングポジション信号を制御装置70に出力する。
【0022】
次に、前述のように構成されたシフト装置の操作態様について説明する。
図2に示されるように、シフトレバー1は、ドライブ及びニュートラル、リバース、パーキングのシフト位置に回動操作可能である。シフトレバー1は、エンジン始動時には、右スポーク11bに接触するパーキングのシフト位置に位置している。前進したいときには、シフトレバー1を時計方向へ中スポーク11aに接触する位置まで回動操作することによりドライブのシフト位置に変位される。また、後進したいときには、パーキングのシフト位置からはシフトレバー1を時計方向へ、ドライブのシフト位置からはシフトレバー1を反時計方向へ回動操作することにより、リバースのシフト位置に変位される。すなわち、ドライブのシフト位置からリバースのシフト位置へ変位するときには、ニュートラルのシフト位置を経由する。同様に、リバースの操作位置からドライブの操作位置へ変位するときにも、ニュートラルの操作位置を経由する。駐車したいときには、シフトレバー1を反時計方向へリバースのシフト位置よりさらに回動操作することにより、パーキングのシフト位置に変位される。
【0023】
ここで、シフトレバー1を運転者が操作する際には、指をスイッチ凹部31に挿入し、スイッチ凹部31にあるタッチセンサ32に触れることによりシフトレバー1の回動操作が可能となる。すなわち、タッチセンサ32が接触を検知したことにより検出信号を制御装置70へ出力し、制御装置70がロック機構6のソレノイド62に切替信号を出力する。ロック機構6は、制御装置70からの切替信号の入力がないときには、ロックバー61が凹部17に嵌入された状態に保持され、シフトレバー1の回動操作はロックされた状態に保たれる。制御装置70から切替信号がソレノイド62に入力されたときには、ソレノイド62が励磁されることにより生じる電磁力によりロックバー61は凹部17に対する嵌脱する方向へ駆動する。これによりシフトレバー1の回動操作のロックが解除される。
【0024】
このように、シフトレバー1を操作する際には、レバー部2のスイッチ凹部31に指を挿入し、タッチセンサ32に触れると、シフトレバー1のロック機構6のロックバー61が凹部17から嵌脱し、回動可能となる。この回動可能な状態、すなわち、タッチセンサ32に対して指等を接触させた状態で、所望のシフト位置にシフトレバー1を回動させる。この後、指をスイッチ凹部31から抜くと、ロックバー61が凹部17に嵌入され、シフトレバー1の回動操作が再び規制される。そして、回転センサ43からシフト位置(正確には、回転角)に応じたシフト位置信号が制御装置70に出力され、制御装置70から変速装置71へシフト切替信号又はパーキングロックアクチュエータ72へパーキングロック信号が出力される。なお、ドライブ及びニュートラル、リバース、パーキングのシフト位置でない位置、すなわち節度機構44のロック部材44aがいずれかのロック凹部44d,44n,44p,44rに嵌入していない状態で、運転者がスイッチ凹部31から指を抜いたときには、回転センサ43から適切なシフト位置ではない旨のシフト位置信号が制御装置70に入力される。この場合には、制御装置70は、シフトポジションをニュートラルにするためのシフト切替信号を変速装置71へ出力するとともに、メータ73にはシフトポジションを表示せず、シフト位置が適切でないことを運転者に知らせる。
【0025】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)シフトレバー1がステアリングホイール10の中スポーク11aと右スポーク11bとの間に設けられるため、シフトポジションを切り替える際に、ステアリングホイール10から手を少し離せばシフトレバー1を操作することができる。また、シフトレバー1をステアリングコラムに設けたものではステアリングホイールを回動操作した際に触ってしまうおそれがあるが、本実施形態によれば一体に回動するため、ステアリングホイール10を操作する際に、シフトレバー1を触るおそれがなく、意図しないシフト操作を抑制することができる。
【0026】
(2)シフトレバー1の操作方向がステアリングホイール10の操作方向と同じため、シフトポジションを切り替える際に、操作し易い。
(3)リバースのシフト位置が右スポーク11bの近傍となるため、ステアリングホイール10を操作する際に、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。
【0027】
(4)ドライブのシフト位置が中スポーク11aと接触する位置であるため、ステアリングホイール10を操作する際に意図しないシフト操作を確実に抑制することができる。
(5)シフトレバー1の端部である回動軸部4の回動軸P2がステアリングホイール10の中央部13の外縁近傍に位置するため、中央部13においてエアバック等を収納するスペースを維持しつつ、ステアリングホイール10にシフトレバー1を設けることができる。
【0028】
(6)節度機構44を設けることにより、操作する際に、シフトレバー1のシフト位置を感覚的に認識することができる。
(7)レール16を設けることにより該レール16に沿ってシフトレバー1が円滑に移動し、シフトレバー1が操作し易い。
【0029】
(8)タッチセンサ32を設けることにより、シフトポジションを切り替える際に、タッチセンサ32への接触とシフトレバー1の操作との二つを行わなければならないため、意図しないシフト操作を更に抑制することができる。
【0030】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、ドライブのシフト位置をシフトレバー1が中スポーク11aに接触する位置としたが、中スポーク11aの近傍でもよい。
【0031】
・上記実施形態では、シフトレバー1のシフト位置を中スポーク11aからドライブ、ニュートラル、リバース、パーキングの順に設けたが、右スポーク11bからドライブ、ニュートラル、リバース、パーキングの順に設けてもよい。
【0032】
・上記実施形態では、シフトレバー1を隣り合う中スポーク11aと右スポーク11bとの間に配置したが、他の隣り合う中スポーク11aと左スポーク11cとの間や、右スポーク11bと左スポーク11cとの間に配置するようにしてもよい。
【0033】
・上記実施形態では、シフト位置の切替操作をする際に、指等が切替スイッチとしてのタッチセンサ32に接触したときに検出信号を制御装置70に出力するようにしたが、タッチセンサに限らず、機械的スイッチによるセンサや静電容量センサ等の非接触センサでもよい。
【0034】
・上記実施形態では、スイッチ凹部31の穴底面にタッチセンサ32を配設し、その表面がスイッチ凹部31の内方に位置するようにしたが、その表面がレバー部2の表面と同一平面となるようにしたり、レバー部2の表面より突出したりしてもよい。
【0035】
・上記実施形態では、ロック機構6をシフトレバー1のレバー部2の内部に設け、内部からロックバー61を凹部17に挿入するようにしたが、図6(a)に示されるようなロック機構60をステアリングホイール10のリング12の各シフト位置に設けてもよい。なお、ロック機構60は上記実施形態のロック機構6と同様のものである。また、図6(b)に示されるようなロック機構80をステアリングホイール10のリング12の各シフト位置に設けるようにしてもよい。すなわち、シフトレバー1のリング12側の端部に凹部18が形成され、ばね82によって凹部18側に押圧されるロック部材81が凹部18に嵌入される。そして、ロック部材81の側面に設けられた凹部にロックバー84がソレノイド83によって嵌入されることにより、シフトレバー1の回動操作がロックされる。一方、ロックバー84がロック部材81の凹部から嵌脱された状態では、ばね82の押圧力より大きな力でシフトレバー1が操作された際には、ロック部材81は凹部18から外れるようになっている。
【0036】
・上記実施形態では、シフトレバー1がレール16と接触する部位にローラ5a,5bを用いたが、ボール等を用いてもよい。
・上記実施形態では、回動凹部15にレール16を設けたが、シフトレバー1が回動できるのであればレール16を省略した構成を採用することもできる。
【0037】
・上記構成において、節度機構44を省略した構成を採用することができる。
・上記構成において、切替スイッチとしてのタッチセンサ32を省略した構成を採用することができる。
【0038】
・シフトレバー1の回動軸P2は、中央部13にスペースを取る必要がなければ、中央部13の外縁近傍に位置していなくてもよい。例えば、シフトレバー1の回動軸P2は、ステアリングホイール10の回動軸P1と同軸としてもよい。
【0039】
・パーキングのシフト位置をパーキングポジションスイッチとしてインストルメントパネル等の別部分に設け、シフトレバーのシフト位置を中スポーク11aからドライブ、ニュートラル、リバースの順に設け、ドライブのシフト位置では中スポーク11aに、リバースのシフト位置では右スポーク11bに接するようにしてもよい。同構成によれば、走行中となるドライブ及びリバースの際に、スポークに接しているため、ステアリングホイール10を操作する際に指が係る等の誤操作を更に抑制することができる。
【0040】
・上記実施形態では、三本スポークのステアリングホイール10にステアリングホイール10の操作方向と同様の方向に回動操作するシフトレバー1を設けるようにした。しかしながら、図7に示されるような四本スポークのステアリングホイールに、四本のスポークのうち隣り合うスポークの間にステアリングホイールの操作方向と同様の方向に回動操作するシフトレバーを設けるようにしてもよい。また、二本スポークや五本以上のスポークのステアリングに設けるようにしてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、回動軸部4(軸線P2)を中心にシフトレバー1が回動するように設けたが、シフトレバー1の各々の端部が中央部13とリング12とにそれぞれに位置し、シフトレバー1を操作する際には、両端部が中央部13及びリング12に対してスライド移動するように設けてもよい。
【0042】
・図7に示されるように、中央部13とリング12との間を往復するようにシフトレバー100を設けるようにしてもよい。シフトレバー100は、スポーク111aとスポーク111bとの間に設けられるとともに、これらスポーク111a,111bの内部に設けられたレール116に沿って移動される。すなわち、中央部13側から順にパーキング(図中ではP)、リバース(図中ではR)、ニュートラル(図中ではN)、ドライブ(図中ではD)のシフト位置となる。シフトレバー100は、パーキングのシフト位置では中央部13と接し、ドライブのシフト位置ではリング12と接する。中央部13とリング12との間を往復する方向に変更操作をすることによって、シフトチェンジが行われる。シフトレバー100には、同シフトレバー100の変更操作を規制するロック状態と、同変更操作を許容するアンロック状態とを切り替える切替スイッチ103が設けられている。同構成によれば、シフトレバー100がリング12と平行に、すなわち、ステアリングホイール10の操作方向とシフトレバー100の操作方向とが異なるため、ステアリングホイール10を操作する際に、手がシフトレバー100に当たったとしてもシフトレバー100の変更操作にはなりにくいため誤操作を抑制することができる。
【0043】
・上記実施形態において、シフトレバー1は両端が保持されるが、一端のみ保持されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】シフト装置の全体図。
【図2】シフト装置の構成図。
【図3】シフト装置の節度機構の構成図。
【図4】シフト装置のA−A断面図。
【図5】シフト装置の電気的な構成を示す図。
【図6】(a)(b)ロック機構の構成図。
【図7】シフト装置の全体図。
【符号の説明】
【0045】
1…シフトレバー、2…レバー部、4…回動軸部、5…ローラ部、5a,5b…ローラ、6…ロック機構、10…ステアリングホイール、11a,11b,11c…スポーク、12…リング、13…中央部、14…開口部、15…回動凹部、16…レール、17,18…凹部、20…ステアリングシャフト、31…スイッチ凹部、32…タッチセンサ、41…支持部、42…回動部、43…回転センサ、44…節度機構、44a…ロック部材、44b…ばね、44d,44n,44p,44r…ロック凹部、45…凹部、60…ロック機構、61…ロックバー、62…ソレノイド、70…制御装置、71…変速装置、72…パーキングロックアクチュエータ、73…メータ、80…ロック機構、81…ロック部材、82…ばね、83…ソレノイド、84…ロックバー、100…シフトレバー、103…切替スイッチ、111a,111b…スポーク、116…レール、P1,P2…回動軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイワイヤ式のシフト装置であって、
シフトレバーが、ステアリングホイールに設けられた複数のスポークのうち隣り合うスポークの間に設けられ、
前記シフトレバーが前記隣り合うスポークの間を変位されることによって、シフトポジションが切り替えられる
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシフト装置において、
前記シフトレバーは、前記ステアリングホイールの回動方向と同じ方向に操作されることにより、シフトポジションが切り替えられる
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項3】
請求項2に記載のシフト装置において、
前記シフトレバーのドライブ及びリバースの少なくとも一方のシフト位置をスポークの近傍とする
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項4】
請求項2に記載のシフト装置において、
前記シフトレバーのドライブ及びリバースの少なくとも一方のシフト位置がスポークと接触する位置となる
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のシフト装置において、
前記シフトレバーの端部を前記ステアリングホイールの中央部の外縁近傍に位置させる
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のシフト装置において、
前記シフトレバーのシフト位置に対応した位置に前記シフトレバーを保持する節度機構を設ける
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のシフト装置において、
前記ステアリングホイールには、前記シフトレバーの操作方向と同方向に前記シフトレバーを案内するレールを設ける
ことを特徴とするシフト装置。
【請求項8】
前記シフトレバーには、同シフトレバーの回動操作が規制されるロック状態と、同回動操作が許容されるアンロック状態とを切り替える切替スイッチを備える
請求項1〜7のいずれか一項に記載のシフト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−56164(P2008−56164A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237635(P2006−237635)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】