説明

シャッタ開閉機構及びこれを備えた画像形成装置

【課題】画像形成装置本体にトナーコンテナを円滑に着脱可能なシャッタ開閉機構及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】ジョイント部材28は、カバー100aが開状態と半開状態との間で開閉動作するときに、回動部材29の回動に伴って前進位置と退避位置との間を進退移動し、カバー100aが前記半開状態と閉状態との間で開閉動作するときに、前記前進位置において回動部材29の回動に伴って回動する。カップリング部材27は、ジョイント部材28が前記前進位置にあるときにジョイント部材28と嵌合する一方でジョイント部材28が前記退避位置にあるときにジョイント部材28との嵌合が解除される。カップリング部材27は、前記前進位置において嵌合されたジョイント部材28の回動に伴って回動することによりトナー補給口25を開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体のカバーの開閉動作に連動してトナーコンテナのトナー補給口を開閉させるシャッタ開閉機構及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置では、二成分現像剤を採用した現像装置を採用している場合には、現像装置内のトナーが消費されるとその消費分に対応した量のトナーがトナーコンテナから現像装置にトナーが補給される。トナーコンテナは、画像形成装置本体のカバーを開けて画像形成装置本体に挿入又は画像形成装置本体から抜き出すことにより着脱される。このトナーコンテナには、その着脱時に周囲にトナーが飛散するのを防ぐために、トナー補給口を開閉するコンテナシャッタが設けられている。トナーコンテナの着脱時にはコンテナシャッタによってトナー補給口が閉じられる。トナーコンテナが装着されるとコンテナシャッタによってトナー補給口が開かれてトナー補給が可能になる。
【0003】
例えば特許文献1には、コンテナシャッタによるトナー補給口の開閉動作を画像形成装置本体のカバーの開閉動作に連動させたシャッタ開閉機構が提案されている。このシャッタ開閉機構は、コンテナシャッタのカップリング部材に嵌合するジョイント部材と、このジョイント部材を保持する回動部材(本体ジョイントギヤ)と、ジョイント部材をコンテナシャッタ側に付勢するスプリングとを備えている。このシャッタ開閉機構では、前記カバーの開閉動作に連動して本体ジョイントギヤが回動し、それに伴ってジョイント部材が回動する。ジョイント部材が回動すると、カップリング部材が回動してコンテナシャッタが動作してトナー補給口が開閉される。
【0004】
このシャッタ開閉機構においては、トナーコンテナを画像形成装置本体の所定位置に装着する際には、ジョイント部材をスプリングによる付勢方向の反対側に一旦退避させた状態でトナーコンテナが前記所定位置に挿入される。トナーコンテナが前記所定位置に挿入されると、カップリング部材とジョイント部材が前記付勢方向に対向配置されるので、ジョイント部材が前記付勢方向に前進してカップリング部材に嵌合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−116306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来のシャッタ開閉機構では、例えばカップリング部材に設けられたC面(傾斜面)にジョイント部材を当接させた状態でトナーコンテナを前記所定位置に挿入することにより、前記ジョイント部材が前記傾斜面に押されて前記付勢方向の反対側に一旦退避する。しかしながら、上記のようにカップリング部材の前記傾斜面でジョイント部材を押して退避させる構造の場合、トナーコンテナを挿入する際の抵抗が大きくなることがある。
【0007】
また、トナーコンテナを前記所定位置から抜き出す際には、カップリング部材にジョイント部材が嵌合しているのでトナーコンテナを真っ直ぐに引き出すことができず、カップリング部材を中心に若干回転させながら斜めに抜き出す必要があった。
【0008】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トナーコンテナを円滑に着脱可能なシャッタ開閉機構及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像形成装置本体のカバーの開閉動作に連動してトナーコンテナのトナー補給口を開閉するシャッタ開閉機構に関するものである。このシャッタ開閉機構は、回動部材と、ジョイント部材と、カップリング部材とを備えている。
【0010】
前記回動部材は、前記画像形成装置本体に設けられ、前記カバーの開動作に連動して一方の回動方向に回動し、前記カバーの閉動作に連動して他方の回動方向に回動する。
【0011】
前記ジョイント部材は、前記カバーが開いた開状態とこの開状態から前記カバーが閉じる方向に移動した半開状態との間で前記カバーが開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴ってその回動軸の軸方向に沿って前進位置と退避位置との間を前進方向及び退避方向に進退移動可能であり、前記半開状態と前記カバーが閉じた閉状態との間で前記カバーが開閉動作するときに、前記前進位置において前記回動部材の回動に伴って回動可能である。
【0012】
前記カップリング部材は、前記トナーコンテナに回動可能に設けられ、前記ジョイント部材が前記前進位置にあるときに前記ジョイント部材と嵌合する一方で前記ジョイント部材が前記退避位置にあるときに前記ジョイント部材との嵌合が解除される。このカップリング部材は、前記前進位置において嵌合された前記ジョイント部材の回動に伴って回動することにより前記トナー補給口を開閉可能である。
【0013】
この構成では、前記ジョイント部材は、前記カバーが前記閉状態と前記半開状態との間で開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴って回動可能であり、しかも、前記カバーが前記開状態と前記半開状態との間で開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴って前記前進位置と前記退避位置との間を前記進退移動可能である。このように前記カバーの開閉動作に連動して前記ジョイント部材と前記カップリング部材の嵌合及び嵌合の解除を行うことができるので、従来のようにトナーコンテナを画像形成装置本体の所定位置に挿入する時の抵抗がなくなり又は低減され、しかもトナーコンテナを画像形成装置本体から取り外す時にトナーコンテナを回転させて斜めに抜き出すような操作が不要になる。したがって、画像形成装置本体にトナーコンテナを円滑に着脱することができる。
【0014】
しかも、この構成では、トナーコンテナを画像形成装置本体から取り外す際には、前記閉状態から前記半開状態への前記カバーの開動作によりトナー補給口が閉じられた後、前記半開状態から前記開状態への前記カバーの開動作により前記ジョイント部材と前記カップリング部材の嵌合が解除されるので、トナー補給口が開いた状態でトナーコンテナが取り外されることがない。また、トナーコンテナを画像形成装置本体に装着する際には、前記開状態から前記半開状態への前記カバーの閉動作により前記ジョイント部材と前記カップリング部材が嵌合した後、前記半開状態から前記閉状態への前記カバーの閉動作によりトナー補給口が開かれるので、トナーコンテナの挿入中にトナー補給口が開くことがない。したがって、トナーコンテナの着脱中にトナー補給口からトナーが周囲に飛散するような不具合が生じるのを抑制することができる。
【0015】
具体的には、本発明のシャッタ開閉機構は、例えば次のような構成が例示できる。すなわち、前記シャッタ開閉機構は、前記画像形成装置本体に固定され、前記回動部材及び前記ジョイント部材を内部に収容して支持する枠部材をさらに備え、前記ジョイント部材は、円筒状本体部と、この円筒状本体部の前記前進方向側の端部に設けられ、前記カップリング部材に嵌合可能な嵌合部と、前記円筒状本体部から半径方向の外側に突出する突起部とを有し、前記回動部材は、前記円筒状本体部が挿入された状態で前記ジョイント部材を前記進退移動可能に、かつ、前記回動可能に支持する円筒状支持部を有し、前記円筒状支持部は、前記ジョイント部材が前記前進位置にあるときに前記突起部が係合する凹部と、周方向に対して前記退避方向側に傾斜して前記凹部から前記他方の回動方向側に螺旋状に延び、前記突起部が当接しながら相対移動可能な螺旋状傾斜部とを有し、前記枠部材は、前記突起部を当接させて前記一方の回動方向側への前記ジョイント部材の回動を規制するために前記退避方向に沿って延設された回動規制面を有していてもよい。
【0016】
この構成では、前記カバーが前記閉状態から前記半開状態に開動作するときに、前記一方の回動方向に回動する前記回動部材における前記凹部の一方の側壁に前記突起部が押されることにより、前記ジョイント部材が前記前進位置において前記一方の回動方向に回動して、前記カップリング部材を前記トナー補給口が閉じる方向に回動させる。そして、前記カバーが前記半開状態から前記開状態に開動作するときに、前記回動規制面に前記突起部が当接して前記一方の回動方向側への回動が規制され、かつ、前記一方の回動方向に回動する前記回動部材における前記螺旋状傾斜部に前記突起部が押されることにより、前記突起部が前記螺旋状傾斜部上を摺動しながら前記回動規制面上を前記退避方向に摺動して前記ジョイント部材が前記前進位置から前記退避位置に移動する。
【0017】
また、前記枠部材は、周方向に対して前記退避方向側に傾斜して前記一方の回動方向側に延びて前記回動規制面の前記前進方向側の端部につながる傾斜面をさらに有し、前記突起部は、前記凹部に係合した状態から前記螺旋状傾斜部上に移動するときに、前記凹部の前記一方の側壁に前記突起部が押されて前記一方の回動方向に回動しながら前記傾斜面に沿って摺動することにより、前記凹部の前記一方の側壁に沿って前記退避方向側に移動して前記凹部との係合が解除される構成であるのが好ましい。
【0018】
この構成では、前記突起部が前記傾斜面に沿って摺動することによって前記突起部と前記凹部との係合が円滑に解除される。これにより、ジョイント部材の回動動作と進退移動動作との間で動作の切り替えが円滑に進むので、トナーコンテナをさらに円滑に着脱することができる。
【0019】
また、具体的には、本発明のシャッタ開閉機構は、例えば次のような構成が例示できる。すなわち、前記シャッタ開閉機構は、前記ジョイント部材を前記前進方向に付勢する付勢手段をさらに備えていてもよい。
【0020】
この構成では、前記カバーが前記開状態から前記半開状態に閉動作するときに、前記他方の回動方向に回動する前記回動部材における前記螺旋状傾斜部が前記他方の回動方向に移動し、かつ、前記付勢手段により前記ジョイント部材が前記前進方向に押されることにより、前記突起部が前記螺旋状傾斜部上を摺動しながら前記回動規制面上を前記前進方向に摺動して前記ジョイント部材が前記退避位置から前記前進位置に移動して、前記嵌合部が前記カップリング部材に嵌合される。そして、前記カバーが前記半開状態から前記閉状態に閉動作するときに、前記他方の回動方向に回動する前記回動部材における前記凹部の他方の側壁に前記突起部が押されることにより、前記ジョイント部材が前記前進位置において前記他方の回動方向に回動して、前記カップリング部材を前記トナー補給口が開く方向に回動させる。
【0021】
本発明の画像形成装置は、前記シャッタ開閉機構を備えている。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明によれば、画像形成装置本体のカバーの開閉動作に連動してトナーコンテナのトナー補給口を開閉させるシャッタ開閉機構において、画像形成装置本体にトナーコンテナを円滑に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図2】前記画像形成装置の内部構造を示す部分斜視図である。
【図3】前記画像形成装置におけるカップリング部材とジョイント部材との関係を示す部分斜視図である。
【図4】(a)は、トナーコンテナのトナー補給口が閉じた状態を示す部分斜視図であり、(b)は、トナーコンテナのトナー補給口が開いた状態を示す部分斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は、前記画像形成装置におけるシャッタ開閉機構の要部を示す斜視図である。
【図6】トップカバーの開閉動作と前記シャッタ開閉機構の動作の連動機構の説明図である。
【図7】(a)は、トップカバー開状態におけるジョイント部材の嵌合部の状態を示す説明図であり、(b)は、トップカバー閉状態におけるジョイント部材の嵌合部の状態を示す説明図である。
【図8】(a)〜(c)は、前記シャッタ開閉機構の動作を示す斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は、前記シャッタ開閉機構の動作を示す正面図である。
【図10】(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)のX−X線断面図である。
【図11】(a)は、図9のXIA−XIA線断面図であり、(b)は、図9のXIB−XIB線断面図であり、(c)は、図9のXIC−XIC線断面図である。
【図12】(a)〜(e)は、前記シャッタ開閉機構の動作を示す斜視図である。
【図13】図12(c)のXIII−XIII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態にかかるシャッタ開閉機構及びこれを備えた画像形成装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
[画像形成装置]
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、画像形成装置本体100と、この画像形成装置本体100に着脱自在なトナーコンテナ12(12a,12b,12c,12d)とを備えている。この画像形成装置は、タンデム型であり、画像形成装置本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1BKが一定の間隔で配列されている。
【0026】
各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されている。各感光ドラム2a〜2dの周囲には、帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写手段としての転写ローラ5a,5b,5c,5d、ドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。
【0027】
感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示のモータによって図示矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。又、帯電器3a〜3dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2a〜2dの表面を所定の電位に均一に帯電させる。
【0028】
現像装置4a〜4dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(BK)トナーをそれぞれ含んだ二成分現像剤を収容しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化する。
【0029】
転写ローラ5a〜5dは、各一次転写部にて中間転写ベルト7を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。中間転写ベルト7は、二次転写対向ローラ8とテンションローラ9との間に張設されて各感光ドラム2a〜2dの上面側に走行可能に配置されている。二次転写対向ローラ8は、二次転写部において中間転写ベルト7を介して二次転写ローラ10に当接可能に配置されている。又、テンションローラ9の近傍にはベルトクリーニング装置11が設けられている。中間転写ベルト7の材質としては、例えばポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の誘電体樹脂を用いることができる。
【0030】
画像形成装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKの上方には、各現像装置4a〜4dにトナーを補給するためのトナーコンテナ12a,12b,12c,12dが一列に並設されている。
【0031】
図2に示すように、画像形成装置本体100の側板100cには、各トナーコンテナ12の後述するカップリング部材27を案内するためのガイド溝100bが設けられている。各トナーコンテナ12(12a〜12d)は、画像形成装置本体100のトップカバー100aを開いて、各カップリング部材27を対応するガイド溝100bに沿わせた状態で上方から下方に向かって画像形成装置本体100の所定位置に挿入される。
【0032】
画像形成装置本体100内の各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKの下方にはレーザースキャナユニット(LSU)13が配置され、その下方の画像形成装置本体100の底部には給紙カセット14が着脱可能に設置されている。給紙カセット14には複数枚の不図示の用紙が積層収容されている。この給紙カセット14の近傍には、給紙カセット14から用紙を1枚ずつ取り出すピックアップローラ15と、取り出された用紙を搬送パスLへと送り出すフィードローラ16とリタードローラ17が設けられている。
【0033】
画像形成装置本体100の側部を上下方向に延びる前記搬送パスLには、用紙を搬送する搬送ローラ対18と、用紙を一時待機させた後に所定のタイミングで前記二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ10との当接部である二次転写部へと供給するレジストローラ対19が設けられている。搬送パスLの横には、用紙の両面に画像を形成する場合に使用される別の搬送パスL’が形成されており、この搬送パスL’には複数の搬送ローラ対20が適切な間隔で設けられている。
【0034】
画像形成装置本体100内の一側部に縦方向に配置された前記搬送パスLは、画像形成装置本体100の上面に設けられた排紙トレイ21まで延びており、その途中には定着装置22と排紙ローラ対23及び排紙装置24が設けられている。
【0035】
次に、以上の構成を有する画像形成装置による画像形成動作について説明する。
【0036】
画像形成開始信号が発せられると、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1BKにおいて各感光ドラム2a〜2dが図1の矢印方向(時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電器3a〜3dによって一様に帯電される。レーザースキャナユニット13は、各色のカラー画像信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0037】
先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、該感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによってマゼンタトナーを付着させ、該静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと転写ローラ5aとの間の一次転写部(転写ニップ部)において、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが印加された転写ローラ5aの作用によって、図1の矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト7上に一次転写される。
【0038】
上述のようにしてマゼンタトナー像が一次転写された中間転写ベルト7は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が一次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0039】
以下同様にして、中間転写ベルト7上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1BKの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各一次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去され、さらに不図示の除電装置によって各感光ドラム2a〜2dの残留電荷が除電され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0040】
そして、中間転写ベルト7上のフルカラートナー像の先端が二次転写対向ローラ8と二次転写ローラ10間の二次転写部(転写ニップ部)に達するタイミングに合わせて、給紙カセット14からピックアップローラ15とフィードローラ16及びリタードローラ17によって搬送パスLへと送り出された用紙がレジストローラ対19によって二次転写部へと搬送される。そして、二次転写部に搬送された用紙に、トナーの帯電極性と逆極性の二次転写バイアスが印加された二次転写ローラ10によってフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から二次転写される。
【0041】
フルカラーのトナー像が転写された用紙は、定着装置22へと搬送され、フルカラーのトナー像が加熱及び加圧されて用紙の表面に熱定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙ローラ対23によって排紙装置24へと搬送され、排紙装置24によって排紙トレイ21上に排出されて一連の画像形成動作が完了する。尚、用紙上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、前記ベルトクリーニング装置11によって除去され、中間転写ベルト7は次の画像形成に備えられる。
【0042】
[シャッタ開閉機構]
次に、本発明の一実施形態に係るシャッタ開閉機構について説明する。図3及び図5(a),(b)に示すように、本実施形態のシャッタ開閉機構は、カップリング部材27と、ジョイント部材28と、回動部材29とを含む。カップリング部材27は、トナーコンテナ12に設けられている。ジョイント部材28及び回動部材29は、画像形成装置本体100に固定された枠部材41に支持されている。
【0043】
以下、前記シャッタ開閉機構について具体的に説明するが、トナーコンテナ12a〜12dの基本構成は同じであるため、代表してマゼンダのトナーコンテナ12aにおけるシャッタ開閉機構について説明する。
【0044】
図3及び図4(a),(b)に示すように、トナーコンテナ12aは、その底面に矩形状のトナー補給口25を有している。このトナー補給口25は円筒状のコンテナシャッタ26によって開閉される。コンテナシャッタ26は、トナー補給口25と同形状の矩形孔26aを有している。
【0045】
図4(a)に示すように、コンテナシャッタ26の矩形孔26aが側方を向いてトナー補給口25に連通していない状態ではトナー補給口25が閉じられ、図4(b)に示すようにコンテナシャッタ26が回動して矩形孔26aがトナー補給口25に連通することによってトナー補給口25が開かれる。
【0046】
図3に示すように、コンテナシャッタ26の端部には、カップリング部材27が嵌め込まれている。このカップリング部材27は、コンテナシャッタ26の回動軸方向に突出する嵌合突起27aを有している。この嵌合突起27aは、前記回動軸に沿って突出する円筒状の部分と、この円筒状部分から半径方向に扇状に突出する扇状部分と、この扇状部分の反対側に円筒状部分から半径方向に線状に突出する線状部分とを含む。
【0047】
図5(a),(b)に示すように、ジョイント部材28は、円筒状本体部281と、この円筒状本体部281の方向D1側(前進方向側)の端部に設けられ、カップリング部材27の嵌合突起27aに嵌合可能な嵌合凹部(嵌合部)282と、円筒状本体部281の方向D2側(退避方向側)に設けられ、円筒状本体部281の側面から半径方向の外側に突出する一対の突起部283とを有している。一対の突起部283は、円筒状本体部281の半径方向に互いに対向する位置からそれぞれ延設されている。
【0048】
嵌合凹部282は、カップリング部材27の嵌合突起27aが嵌り込むことができるように嵌合突起27aに対応した形状を有している。すなわち、嵌合凹部282は、嵌合突起27aの前記円筒状部分が嵌り込む円柱状凹部と、この円柱状凹部から半径方向に扇状に形成され、前記嵌合突起27aの扇状部分が嵌り込む扇状凹部と、この扇状凹部の反対側に前記円柱状凹部から半径方向に扇状に形成され、前記嵌合突起27aの前記線状部分が嵌り込む扇状凹部とを含む。円筒状本体部281は、その回動軸Aにそって穿孔された貫通口284を有している。前記円柱状凹部は、貫通口284と連通している。
【0049】
回動部材29は、環状のギヤ部291と、このギヤ部291から方向D2側に延設された円筒状支持部292とを有している。ギヤ部291は、後述するラック部材32が歯合する。円筒状支持部292は、ジョイント部材28の円筒状本体部281が挿入された状態でジョイント部材28を前進位置と退避位置との間で前進方向(方向D1)及び退避方向(方向D2)に進退移動可能に、かつ、前記回動軸Aを中心に回動可能に支持する。
【0050】
円筒状支持部292は、方向D1側に凹む一対の凹部293と、各凹部293から円筒状支持部292の周方向に対して方向D2側に傾斜して凹部293から回動方向D4側に螺旋状に延びる螺旋状傾斜部294とを有している。一対の凹部293は、半径方向に互いに対向する位置に設けられている。後述するように、各凹部293は、ジョイント部材28が前記前進位置にあるときに各突起部283がそれぞれ係合する。各螺旋状傾斜部294は、ジョイント部材28が前記進退移動するときに各突起部283が当接しながら相対移動する。
【0051】
枠部材41は、回動部材29を回動可能に収容する収容空間を構成する環状の枠本体411と、この枠本体411の方向D2側の周縁部から方向D2に向かって延びる一対の延設部414と、これらの延設部414の方向D2側の端部同士をアーチ状につなぐ連結部416と、この連結部416から回動軸Aに沿って方向D1側に延びる支柱412と、枠本体411の方向D1側の周縁部から方向D1に向かって延び、画像形成装置本体100の側板100cに当接する4本の脚部417a〜417dと、枠体41を画像形成装置本体100の側板100cに固定するために枠本体411から方向D1側に延びる一対の係合片413とを有している。
【0052】
支柱412は、ジョイント部材28の貫通口284に挿入される。各係合片413は、図2に示すように画像形成装置本体100の側板100cに設けられた係合孔100dにそれぞれ係合される。
【0053】
各延設部414は、回動方向D4側に回動規制面414aを有している。この回動規制面414aは、後述するように突起部283を当接させて回動方向D3側へのジョイント部材28の回動を規制するためのものである。この回動規制面414aは、回動軸Aにほぼ平行に設けられている。
【0054】
枠部材41は、枠本体411の内側面に沿って設けられた一対の傾斜面415を有している。各傾斜面415は、回動部材29の周方向に対して方向D2側に傾斜して回動方向D3側に延び、回動規制面414aの方向D1側の端部につながっている。各傾斜面415は、枠本体411の内側面と回動部材29の円筒状支持部292の外側面との間に位置している。
【0055】
ジョイント部材28の方向D2側の端部と枠部材41の連結部416との間には、ジョイント部材28を方向D1(前進方向)に付勢する付勢手段としてのスプリング30が配設されている。このスプリング30の内部には支柱412が挿通されている。
【0056】
次に、トップカバー100aの開閉動作に連動して各トナーコンテナ12a〜12dのトナー補給口25が開閉される機構(連動機構)について説明する。
【0057】
図6に示すように、画像形成装置本体100の上部にはラック部材32が水平(矢印方向)に移動可能に設けられている。このラック部材32は、その下面に形成された4つのラック32aを有している。各ラック32aには各トナーコンテナ12a〜12dに対応する回動部材29がそれぞれ噛合している。
【0058】
トップカバー100aの支点軸33には扇形のセクタギヤ34が結着されている。このセクタギヤ34はアイドルギヤ35を介してピニオンギヤ36に噛合している。ピニオンギヤ36は、ラック部材32の長手方向一端の上面に形成されたラック32bに噛合している。
【0059】
トップカバー100aを支点軸33を中心として回動させて開閉するとラック部材32が水平方向に往復動し、これに形成された4つのラック32aに各々噛合する回動部材29が回動する。
【0060】
図7(a)に示すようにトップカバー100aが全開の状態(開状態)から閉じる方向にトップカバー100aを動作させると、支点軸33とこれに結着されたセクタギヤ34が図7(a)の矢印方向に回転し、その回転はアイドルギヤ35を経てピニオンギヤ36に伝達される。このピニオンギヤ36が矢印方向に回転すると、ラック部材32が矢印方向に移動する。ラック部材32が矢印方向に移動すると、このラック部材32のラック23aに噛合する4つの回動部材29が矢印方向(回動方向D4)に回転する。
【0061】
一方、図7(b)に示すようにトップカバー100aが全閉の状態(閉状態)から開く方向にトップカバー100aを動作させると、支点軸33とこれに結着されたセクタギヤ34が図7(b)の矢印方向に回転し、その回転はアイドルギヤ35を経てピニオンギヤ36に伝達される。このピニオンギヤ36が矢印方向に回転すると、ラック部材32が矢印方向に移動する。ラック部材32が矢印方向に移動すると、このラック部材32のラック23aに噛合する4つの回動部材29が矢印方向(回動方向D3)に回転する。
【0062】
本実施形態のシャッタ開閉機構では、上記のようにトップカバー100aが開状態と閉状態との間で開閉動作するのに連動してトナーコンテナ12のトナー補給口25を開閉可能であることに加え、トップカバー100aの開閉動作に連動してカップリング部材27とジョイント部材28との嵌合及びその解除を行うことができる。以下、これらの動作について詳細に説明する。
【0063】
図8〜図12は、本実施形態に係るシャッタ開閉機構の動作を示す図である。図10(a)〜(c)は、図9(a)〜(c)のX−X線断面図である。図11(a)は、図9のXIA−XIA線断面図であり、図11(b)は、図9のXIB−XIB線断面図であり、図11(c)は、図9のXIC−XIC線断面図である。
【0064】
図8(a)、図9(a)、図10(a)及び図11(a)は、トップカバー100aが「開状態」のときのジョイント部材28の配置を示している。図8(b)、図9(b)、図10(b)及び図11(b)は、トップカバー100aが「半開状態」のときのジョイント部材28の配置を示している。図8(c)、図9(c)、図10(c)及び図11(c)は、トップカバー100aが「閉状態」のときのジョイント部材28の配置を示している。
【0065】
図12(a)〜(e)は、シャッタ開閉機構の動作をさらに細分化した斜視図である。図13は、図12(c)のXIII−XIII線断面図である。
【0066】
なお、本実施形態において「開状態」とは、トップカバー100aが全開した状態をいい、「閉状態」とは、トップカバー100aが全閉した状態をいう。また、「半開状態」とは、トップカバー100aが開状態と閉状態との間にあって、後述するジョイント部材28の回動動作と進退移動動作とが切り替わるときのトップカバー100aの状態をいう。したがって、「半開状態」は、トップカバー100aが必ずしも開状態と閉状態との中間の位置(1/2の位置)にあることを意味しているのではない。
【0067】
まず、トナーコンテナ12を画像形成装置本体100の所定位置に挿入するときの動作について説明する。トナーコンテナ12を前記所定位置に挿入する際には、トップカバー100aが前記開状態に開かれる。この開状態のときにはジョイント部材28は、図8(a)、図9(a)、図10(a)及び図11(a)に示す位置にある。このとき、ジョイント部材28は、方向D2(退避方向)側に移動した退避位置にある。
【0068】
ジョイント部材28が前記退避位置にあるときには、前述した側板100cのガイド溝100bにジョイント部材28が突出しておらず、回動部材29の内部に入り込んでいるので、カップリング部材27をガイド溝100bに沿ってその下端部まで移動させることができ、各トナーコンテナ12を前記所定位置に円滑に挿入できる。各トナーコンテナ12が前記所定位置に挿入されると、各ジョイント部材28は、トナーコンテナ12のカップリング部材27に対向して配置される。
【0069】
各トナーコンテナ12が前記所定位置に挿入されると、ユーザーは、トップカバー100aを閉める動作を行う。トップカバー100aが前記開状態から前記半開状態まで閉動作されると、ラック部材32が移動して回動部材29が方向D4に回動し、ジョイント部材28は、図8(b)、図9(b)、図10(b)及び図11(b)に示す位置に移動する。すなわち、ジョイント部材28は、前記退避位置から方向D1側に移動して前進位置に配置される。ジョイント部材28が前記前進位置に移動すると、ジョイント部材28の嵌合凹部282は、カップリング部材27の嵌合突起27aに嵌合する。
【0070】
このジョイント部材28の前進動作をさらに詳細に説明すると次のようになる。まず、トップカバー100aが前記開状態にあるとき、図10(a)、図11(a)及び図12(a)に示すように、ジョイント部材28は、突起部283の側部が枠部材41の回動規制面414aの方向D2側の部分に当接し、かつ、突起部283の下面が回動部材29の螺旋状傾斜部294の方向D2側の部分に当接した状態で前記退避位置に位置している。
【0071】
トップカバー100aが前記開状態からトップカバー100aを閉じる方向に閉動作するのに伴って、図12(b)に示すように、回動部材29の螺旋状傾斜部294が回動方向D4に移動するので、螺旋状傾斜部294が突起部283を支持する位置が方向D1側に移動する。このとき、ジョイント部材28はスプリング30によって方向D1(前進方向)に付勢されているので、突起部283は螺旋状傾斜部294上を摺動しながら回動規制面414aに沿って方向D1に移動する。これにより、ジョイント部材28は前記退避位置から方向D1側に移動する。
【0072】
トップカバー100aが閉じる方向にさらに閉動作するのに伴って、突起部283は、螺旋状傾斜部294上を摺動しながら回動規制面414aに沿って方向D1にさらに移動し、回動規制面414aの方向D1側の端部に達する。突起部283は、回動規制面414aの方向D1側の端部を通過すると、この端部につながる傾斜面415上を摺動し始める。
【0073】
トップカバー100aが前記半開状態まで達した時点では、図10(b)、図11(b)、図12(c)及び図13に示すように、突起部283は、螺旋状傾斜部294の方向D3側の端部を通過して凹部293に対向する位置にあり、傾斜面415の方向D4側の端部付近まで移動している。
【0074】
このとき、突起部283は、傾斜面415に当接しているとともに、凹部293にも当接している。すなわち、突起部283は、図5(a)に示すように、方向D1側の両サイドの角部が面取りされた面取り部283a,283aと、これらの面取り部283aに挟まれた中央部283bとを有している。この面取り部283aの傾斜角度は、傾斜面415の傾斜角度とほぼ同程度に設計されている。これらの面取り部283aのうち方向D3側の面取り部283aが傾斜面415に当接し、中央部283bが凹部293に当接している。
【0075】
また、この時点では、ジョイント部材28は、前記前進位置に移動しており、嵌合凹部282がカップリング部材27の嵌合突起27aに嵌合されている。この時点でジョイント部材28は、前進動作を完了し、回動動作に移行する。
【0076】
ジョイント部材28の回動動作は次の通りである。トップカバー100aが前記半開状態からさらに閉じる方向に閉動作するのに伴って、回動部材29が方向D4に回動する。この回動部材29の回動によって凹部293の側壁293bが突起部283に当接して突起部283を方向D4側に押すので、突起部283は、傾斜面415の方向D4側の端部を通過して傾斜面415による支持が解除され、凹部293に嵌り込む(係合する)。本実施形態では、傾斜面415は、突起部283が凹部293に係合するときの案内面として機能するので、ジョイント部材28の前進動作から回動動作への移行がより円滑になる。
【0077】
トップカバー100aがさらに閉じる方向に閉動作すると、回動部材29が方向D4に回動するので、凹部293に係合している突起部283が凹部293によって方向D4側に押されてジョイント部材28が方向D4に回動する(図12(d))。そして、トップカバー100aがさらに閉動作して前記閉状態まで達すると、凹部293に係合している突起部283が方向D4側に押され、ジョイント部材28は、方向D4にさらに回動し、図8(c)、図9(c)、図10(c)、図11(c)及び図12(e)に示す位置に達する。このとき、ジョイント部材28の嵌合凹部282は、図8(c)及び図9(c)に示す位置に回動している。このジョイント部材28の回動に伴って、この嵌合凹部282に嵌合されているカップリング部材27も同方向に回動する。これにより、コンテナシャッタ26が回動してトナー補給口25が開放される(図4(b))。以上でコンテナシャッタ26の開動作が完了する。
【0078】
次に、トナーコンテナ12を画像形成装置本体100の所定位置から取り外すときの動作について説明する。まず、トップカバー100aが前記閉状態から開く方向に開動作されると、ラック部材32が移動して回動部材29が方向D3に回動する。この回動部材29の回動に伴って凹部293が突起部283を方向D3に押すので、ジョイント部材28が方向D3に回動して図12(e)に示す位置から図12(d)に示す位置に移動する。
【0079】
トップカバー100aがさらに開動作されて前記半開状態に達すると、方向D3にさらに回動したジョイント部材28は図12(c)に示す位置に移動する。このとき、突起部283の面取り部283aが傾斜面415に当接し、突起部283の中央部283bが凹部293に当接している。この時点でジョイント部材28は、回動動作を完了し、退避動作に移行する。
【0080】
また、トップカバー100aが前記閉状態から前記半開状態に開動作するときに、ジョイント部材28が前記前進位置において回動方向D3に回動して、カップリング部材27をトナー補給口25が閉じる方向に回動させる(図4(a))。
【0081】
トップカバー100aが前記半開状態からさらに開く方向に開動作すると、回動部材29の方向D3の回動に伴って突起部283は、凹部293に押されて方向D3に回動する。突起部283は、図12(c)の状態から方向D3に回動すると、傾斜面415上を摺動し始めて凹部293から離隔する。すなわち、突起部283は、回動規制面414aに近づいたあたりで凹部293との係合が解除され、螺旋状傾斜部294上に乗り移る。
【0082】
言い換えると、突起部283は、凹部293に係合した状態から螺旋状傾斜部294上に移動するときに、凹部293の一方の側壁293aに突起部283が押されて回動方向D3に回動しながら傾斜面415に沿って摺動することにより、凹部293の一方の側壁293aに沿って方向D2(退避方向)側に移動し、凹部293との係合が解除される。
【0083】
トップカバー100aが開く方向にさらに開動作すると、図12(b)に示すように、突起部283は、回動規制面414aに当接して回動方向D3側への回動が規制され、かつ、回動方向D3に回動する螺旋状傾斜部294に押されることにより、螺旋状傾斜部294上を摺動しながら回動規制面414a上を方向D2(退避方向)に摺動する。そして、トップカバー100aが前記開状態に達すると、図12(a)に示す前記退避位置にジョイント部材28が到達してジョイント部材28の退避動作が完了する。このとき、カップリング部材27は、ジョイント部材28との嵌合が解除されている。しかも、ジョイント部材28が前記退避位置にあるときには、前述した側板100cのガイド溝100bにジョイント部材28が突出しておらず、回動部材29の内部に入り込んでいるので、前記所定位置からトナーコンテナ12を上方に円滑に取り出すことができる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態では、前記ジョイント部材は、前記カバーが前記半開状態と前記閉状態との間で開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴って回動可能であるだけでなく、さらに前記カバーが前記開状態と前記半開状態との間で開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴って前記前進位置と前記退避位置との間を前記進退移動可能である。このように前記カバーの開閉動作に連動して前記ジョイント部材と前記カップリング部材の嵌合及び嵌合の解除を行うことができるので、従来のようにトナーコンテナを画像形成装置本体の所定位置に挿入する時の抵抗が低減され、しかもトナーコンテナを画像形成装置本体から取り外す時にトナーコンテナを回転させて斜めに抜き出すような操作が不要になる。したがって、トナーコンテナを円滑に着脱することができる。
【0085】
また、前記実施形態では、トナーコンテナを画像形成装置本体から取り外す際には、前記閉状態から前記半開状態への前記カバーの開動作によりトナー補給口が閉じられた後、前記半開状態から前記開状態への前記カバーの開動作により前記ジョイント部材と前記カップリング部材の嵌合が解除されるので、トナー補給口が開いた状態でトナーコンテナが取り外されることがない。また、トナーコンテナを画像形成装置本体に装着する際には、前記開状態から前記半開状態への前記カバーの閉動作により前記ジョイント部材と前記カップリング部材が嵌合した後、前記半開状態から前記閉状態への前記カバーの閉動作によりトナー補給口が開かれるので、トナーコンテナの挿入中にトナー補給口が開くことがない。したがって、トナーコンテナの着脱中にトナー補給口からトナーが周囲に飛散するような不具合が生じるのを抑制することができる。
【0086】
また、前記実施形態では、前記枠部材が前記傾斜面を有しているので、ジョイント部材の回動と進退移動との間で動作が切り替わる際に、前記突起部と前記凹部との係合が円滑に解除されるので、トナーコンテナをさらに円滑に着脱することができる。
【0087】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。例えば、前記実施形態では、本発明をフルカラーのレーザビームプリンタに適用した形態について説明したが、本発明は、他のカラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置に対しても同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
12 トナーコンテナ
25 トナー補給口
26 コンテナシャッタ
27 カップリング部材
27a 嵌合突起
28 ジョイント部材
281 嵌合部
282 円筒状本体部
283 突起部
29 回動部材
291 ギヤ部
292 円筒状支持部
293 凹部
294 螺旋状傾斜部
30 スプリング
32 ラック部材
32a,32b ラック
41 枠部材
414a 回動規制面
415 傾斜面
100 画像形成装置本体
100a トップカバー
D1 前進方向
D2 退避方向
D3,D4 回動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体のカバーの開閉動作に連動してトナーコンテナのトナー補給口を開閉するシャッタ開閉機構であって、
前記画像形成装置本体に設けられ、前記カバーの開動作に連動して一方の回動方向に回動し、前記カバーの閉動作に連動して他方の回動方向に回動する回動部材と、
前記カバーが開いた開状態とこの開状態から前記カバーが閉じる方向に移動した半開状態との間で前記カバーが開閉動作するときに、前記回動部材の回動に伴ってその回動軸の軸方向に沿って前進位置と退避位置との間を前進方向及び退避方向に進退移動可能であり、前記半開状態と前記カバーが閉じた閉状態との間で前記カバーが開閉動作するときに、前記前進位置において前記回動部材の回動に伴って回動可能なジョイント部材と、
前記トナーコンテナに回動可能に設けられ、前記ジョイント部材が前記前進位置にあるときに前記ジョイント部材と嵌合する一方で前記ジョイント部材が前記退避位置にあるときに前記ジョイント部材との嵌合が解除され、前記前進位置において嵌合された前記ジョイント部材の回動に伴って回動することにより前記トナー補給口を開閉可能なカップリング部材と、を備えているシャッタ開閉機構。
【請求項2】
前記画像形成装置本体に固定され、前記回動部材及び前記ジョイント部材を内部に収容して支持する枠部材をさらに備え、
前記ジョイント部材は、円筒状本体部と、この円筒状本体部の前記前進方向側の端部に設けられ、前記カップリング部材に嵌合可能な嵌合部と、前記円筒状本体部から半径方向の外側に突出する突起部とを有し、
前記回動部材は、前記円筒状本体部が挿入された状態で前記ジョイント部材を前記進退移動可能に、かつ、前記回動可能に支持する円筒状支持部を有し、
前記円筒状支持部は、前記ジョイント部材が前記前進位置にあるときに前記突起部が係合する凹部と、周方向に対して前記退避方向側に傾斜して前記凹部から前記他方の回動方向側に螺旋状に延び、前記突起部が当接しながら相対移動可能な螺旋状傾斜部とを有し、
前記枠部材は、前記突起部を当接させて前記一方の回動方向側への前記ジョイント部材の回動を規制するために前記退避方向に沿って延設された回動規制面を有し、
前記カバーが前記閉状態から前記半開状態に開動作するときに、前記一方の回動方向に回動する前記回動部材における前記凹部の一方の側壁に前記突起部が押されることにより、前記ジョイント部材が前記前進位置において前記一方の回動方向に回動して、前記カップリング部材を前記トナー補給口が閉じる方向に回動させ、
前記カバーが前記半開状態から前記開状態に開動作するときに、前記回動規制面に前記突起部が当接して前記一方の回動方向側への回動が規制され、かつ、前記一方の回動方向に回動する前記回動部材における前記螺旋状傾斜部に前記突起部が押されることにより、前記突起部が前記螺旋状傾斜部上を摺動しながら前記回動規制面上を前記退避方向に摺動して前記ジョイント部材が前記前進位置から前記退避位置に移動する、請求項1に記載のシャッタ開閉機構。
【請求項3】
前記枠部材は、周方向に対して前記退避方向側に傾斜して前記一方の回動方向側に延びて前記回動規制面の前記前進方向側の端部につながる傾斜面をさらに有し、
前記突起部は、前記凹部に係合した状態から前記螺旋状傾斜部上に移動するときに、前記凹部の前記一方の側壁に前記突起部が押されて前記一方の回動方向に回動しながら前記傾斜面に沿って摺動することにより、前記凹部の前記一方の側壁に沿って前記退避方向側に移動して前記凹部との係合が解除される、請求項2に記載のシャッタ開閉機構。
【請求項4】
前記ジョイント部材を前記前進方向に付勢する付勢手段をさらに備え、
前記カバーが前記開状態から前記半開状態に閉動作するときに、前記他方の回動方向に回動する前記回動部材における前記螺旋状傾斜部が前記他方の回動方向に移動し、かつ、前記付勢手段により前記ジョイント部材が前記前進方向に押されることにより、前記突起部が前記螺旋状傾斜部上を摺動しながら前記回動規制面上を前記前進方向に摺動して前記ジョイント部材が前記退避位置から前記前進位置に移動して、前記嵌合部が前記カップリング部材に嵌合され、
前記カバーが前記半開状態から前記閉状態に閉動作するときに、前記他方の回動方向に回動する前記回動部材における前記凹部の他方の側壁に前記突起部が押されることにより、前記ジョイント部材が前記前進位置において前記他方の回動方向に回動して、前記カップリング部材を前記トナー補給口が開く方向に回動させる、請求項2又は3に記載のシャッタ開閉機構。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシャッタ開閉機構を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−158507(P2011−158507A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17722(P2010−17722)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】